雪乃「いつか比企谷くんを好きになってくれる昆虫が現れるわ」back

雪乃「いつか比企谷くんを好きになってくれる昆虫が現れるわ」


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1:
【部室】
雪乃「フフフ、前にそんな事も言ったわね」
雪乃(あれから、もうすぐ一年経つのね)
雪乃(……ふと気がつけば、彼に随分と甘えてきてしまったわね。出会った頃からは想像も出来ない)
雪乃(でも…私の…気持ちは…)ドクンドクン
ガララッ
結衣「やっはろー!」
雪乃「こんにちは由比ヶ浜さん」
結衣「ヒッキーはいろはちゃんに呼ばれたから遅くなるって」
雪乃「そ、そう」ズキッ
結衣「なーんかいろはちゃんに甘すぎるよね」ムスッ
雪乃「ええそうね。全くあの男は…」
結衣(もっと私と構って欲しいなぁ…この間も保健室で、ゆきのんと良い雰囲気だったし)
結衣(でも…みんな失いたくない…)
雪乃「……」
結衣「……」
ボォォォン
2:
八幡(全く一色の奴。保健室くらい自分で行けって。もしくは葉山に連れてってもらえっての)
八幡「しかしどうしたんだろうか、いきなり背中が痛いとか痒いとか。いっそ病院行ったほうが良いんじゃ」
八幡「…っと愚痴ってるウチに部室の前に付いたな」
八幡「うすっ」ガララッ
シーン…
八幡「……?誰もいない」
八幡「おっかしいな。由比ヶ浜は先に行ったし、雪ノ下だっていつも一番早く来てるし」
八幡「ん?これは…女子の制服?」
八幡(二つのイスの上に女子の制服がある。だがその制服の置き方が奇妙だ)
八幡(脱いだ服を掴んで、上から垂直に落としたような置き方だ)
八幡(しかも上着の隙間から…ブラジャーが見える。あれ、なんで下着まで脱いでるの?)チラチラ
八幡(この状況からして、雪ノ下と由比ヶ浜以外ありえない訳なんだが。二人のカバンもあるし…てか目のやり場が困る)ゴクリ
八幡「つーかアイツら一体ドコに行ったんだ」
八幡「し、下着も付けずに」ムラムラ
ペシペシぺシッ
八幡「痛たたた!」
八幡(思わず邪な感情を抱いてしまったその時、何かが俺の頬を叩いてくる)
八幡「な、なんだ?」チラッ
ピンクの蝶々「???っ!」ペシペシペシッ
紫の蝶々「……」パタパタ
八幡「」
3:
八幡(視界に入ってきたのは、頬を引っ叩いてくる桃色の蝶々と、その光景をじっと見つめているかのよう飛んでいる紫色の蝶々だった)
ピンクの蝶々「???っ!」ペシペシッ
八幡「おいやめろ、痛い!痛いって!ほらしっしっ!」
ピンクの蝶々「……っ!」パタパタ
八幡「ふぅ、やっと離れやがった」
八幡「……で、なんだコイツら」
ピンクの蝶々「……」パタパタ
紫の蝶々「……」パタパタ
八幡(ジーッとコチラを見つめる様に、俺の目の前で羽ばたく蝶々。まるで俺に何かを伝えたいかのようにコチラを向く)
八幡「なにコイツら、ただの昆虫なのにすげぇ感情が豊かそう」
ピンクの蝶々「……」ヒラヒラ
紫の蝶々「……」ヒラヒラ
八幡(やがて俺の周囲をグルグルと周り始める。何がしたいんだこの蝶々たちは)
八幡「と、とりあえず、由比ヶ浜がに連絡するか…いまドコで何をやってるのか」ピッピッ
ピンクの蝶々「???っ」ペシペシッ
八幡「ちょ、おい何だよ!いま連絡する所なんだから手の甲を叩くな!」
ppppp
八幡「ん?」
八幡(二つあるカバンのうち、片方のカバンから携帯の着信音が聞こえる…)
八幡「あいつ、カバンの中に携帯を入れっぱなしかよ…」
ピンク&紫の蝶々「……」ヒラヒラ
ピンク&紫の蝶々「……」ピタッ
八幡(ピンクの蝶々は由比ヶ浜のカバンの上に乗り、ピタリと動きを止める。脇にいた紫の蝶々も雪ノ下のカバンの上に乗る)
ピンク&紫の蝶々「……」ジーッ
八幡「……」
八幡(だからなぜこっちを向くんだコイツら)
4:
八幡(それにしても何だこの状況は)
八幡(部室に入ったらいきなり二人の制服が下着事脱ぎ捨てられていて)
八幡(しかもなぜか蝶々がいる)
八幡「………………」
八幡「」ビクッ
八幡(しばし考えた後、俺はとんでもない考察に行き着いた。だがそれは決定的な根拠がないし、不確定の要素がつよい)
八幡(だが体が震える。考えたくない、そんなハズはないと、自分自身に言い聞かせる…しかし)ガタガタ
八幡「脱ぎ捨てられた制服、放置されたカバン、部屋には何故か蝶々」
八幡「ま、まさか…いや、でも…しかし…」
ピンク&紫の蝶々「っ!」ピクッ
八幡「…………」
ピンク&紫の蝶々「???っ」ヒラヒラ
八幡「誘拐……だと……」
ピンク&紫の蝶々「」ガクッ、フラフラ
5:
八幡(全身から血の気が引いていくのが分かる)
八幡「待て待て、確定した訳じゃあるまい」
ピンク&紫の蝶々「っ!」パタパタ
八幡「ええいっ!うっとおしい!俺の目の前で羽ばたくな。しっしっ」ササッ
ピンク&紫の蝶々「???っ!」
八幡「だが部室にいるはずの無い蝶々がいるという事は、誰かが部室を開けて、その隙に蝶々が入ってきたとしか考えられん」
八幡「そして二人は身ぐるみを剥がされ、連れ去られた…」
ピンク&紫の蝶々「っ!」ペシペシペシッ
八幡「二匹揃って頬を叩くな!」ササッ
八幡「まだ誘拐された事が確定ではないが、ただ事でない事には変わらん」
八幡「まずは職員室に向かって、平塚先生に相談しよう」
ピンク&紫の蝶々「っ!」ペシペシペシッ
八幡「だから痛いっつーの。ほら、廊下に出るんだから邪魔するな。しっしっ!」
6:
【廊下】
八幡「はぁぁ…」
八幡(やっと蝶々も攻撃を止めてくれたが…)
ピンク&紫の蝶々「……」
八幡「なんでコイツら、俺の肩に乗っかってるの?」
八幡(右肩に紫の蝶々、左肩にピンクの蝶々が俺の肩の上に乗っている)
八幡「いくら追っ払っても付いてきやがる。何なのこの虫達は」
八幡「ん?廊下に何か落ちてる…?」
八幡「……って、また女子の制服かよ」
八幡(一体どうなってるんだ、まさかこんな廊下でも誘拐事件が起きたのか?)
パタパタ
八幡「ん?」
黒の蝶々「……」パタパタ
八幡「」
八幡「ま、またかよ…今度は黒の蝶々」
ピンク&紫の蝶々「っ!」シュバッ
ピンク&紫の蝶々「????っ!」パタパタ
黒の蝶々「」ビクッ
黒の蝶々「????っ!」パタパタ
ピンク&紫&黒の蝶々「????っ」パタパタパタ
八幡「」
八幡(まるで意気投合するかのように、3匹の蝶々は互いに向かい合い、やたらオーバーな動き見せる。俺の目の前で)
7:
八幡「しかしこの制服どうしようか……俺が回収すると、不審者に間違われる事100%だし、この件も含めて平塚先生に報告しよう」
八幡「ともかく職員室へ行こう」テクテク
ピンク&紫&黒の蝶々「……」パタパタパタ
八幡「ん?」クルッ
ピンク&紫&黒の蝶々「……」ピトッ
八幡「」
八幡(後ろから追いかけてきた蝶々、ふと窓ガラスから見える自分の状況を確認)
八幡(今度の配置は、左肩にピンク、右肩に紫、頭部に黒の蝶々が乗っかってくる)
八幡「マジでなんなのコレ…」
ピンクの蝶々「……」
紫の蝶々「……」
黒の蝶々「……」
29:
八幡「しかしコイツら、何故オレの体にしがみ付いてるんだ」テクテク
ピンクの蝶々「……」
紫の蝶々「……」
黒の蝶々「……」
八幡「もうすぐ職員室だがどうしようか。コイツらいくら追っ払っても付いてくるしな」
八幡「……ま、いいか」
いろは「せんぱ??い!!助けてくださ?い!!」ダダッ
八幡「……」
いろは「先輩!大変なんですよ?!!」
八幡「……」
いろは「無視しないでください!」
八幡(面倒だから振り向かずに話す)
八幡「……はぁぁ、面倒な事になってるのに。今度は何だよ。つーかお前は保健室で休んでたんじゃなかったのかよ」
いろは「だ、だから…!大変なんですってば!」
八幡「コッチも大変なんだよ。んで?なにがどうした」
いろは「背中向けてないで、わたしを見てください!」
八幡「ったく…今度は何d」クルッ
八幡「」
ピンク&紫&黒の蝶々「」
いろは「ぅぅ…なんか変なものが生えちゃって…」
八幡(俄かに信じがたい光景がそこにはあった)
いろは「背中の痛みが頂点に達したら、いきなり背中の服が破れて…」パタパタ
八幡(一色の背中に大きな羽が生えていた。オレンジ色の大きな羽が)
30:
いろは「ど、どうしましょう先輩?」
八幡「」
いろは「先輩!」
八幡「し、知るか。つーか何だそれ?お前コスプレにでも目覚めたのか?」
いろは「違いますよ!ほら本物です!」パタパタ
八幡(一色の背中から生えた羽が大きく、そして美しく、力強く羽ばたいていた)
八幡「……っておまえ、宙に浮いてるぞ!?」
いろは「え?……ってえええ!?なにこれぇ!?」パタパタ
いろは「先輩!どうすればこの羽を消せるんですか!教えてください!」
八幡「そんな事を知ってる奴がいるか」
いろは「じゃあ奉仕部に依頼と言う形でお願いします。助けて先輩!」
八幡「悪いがコッチも一大事なんだよ。後にしてくれ」
いろは「えぇぇ??こんな可愛い後輩が先輩みたいな人に頼ってるのに。ひっどいーい!」
八幡「お前の年上に対する態度の方がよっぽど酷い。つーかマジでシャレにならんレベルの問題なんだ」
いろは「何があったんですか?」パタパタ
八幡「いや、実はだな」
ガラララッ
八幡「ん?あれは」
いろは「あ、平塚先生!」
平塚「くっ…ぜぇぜぇ…」ダダッ
31:
八幡「先生、お話が」
平塚「す、すまん!今はちょっと…」
いろは「お手洗いですか?」
平塚「いやそうじゃないんだが…くっ!!」プルプル
八幡「それなら止まってもらえますか。こっちもかなり急ぎなので」ササッ
平塚「頼む、そこをどいてくれ!」
八幡(先生の只ならぬ形相は、まるで今にも赤子を出産しかけている女性の如くだった。そんな日が早く来ると良いですね先生)
平塚「う…く…ぅぅ…ああ…」ガクガク
八幡・いろは「?」
ピンク&紫&黒の蝶々「……?」
八幡(何かに苦しんでる先生は、やがて体を前組みにするとその背中がやけに盛り上がっていた。なんだあれは)
平塚「うあああああ!!!」
バリバリバリッ!!
全員「!?」
平塚「ぜぇぜぇ…やっと背中の痛みが引いた…」ガクッ
八幡・いろは「」
平塚「ん?どうしたお前ら」
いろは「せ、先生…あの背中に…」
平塚「ん、背中がどうした」パタパタ
平塚「……」パタパタ
平塚「え」
八幡(先生は窓ガラスで自分の姿を確認する。やがて状況を確認すると体をワナワナと震わす)
平塚「な…なんだこれはぁ!!?」パタパタ
32:
平塚「一体なにがどうなって…って一色、キミの背中にも羽が!?」
いろは「そうなんですよ?!いきなり背中から羽が生えちゃって!それで先輩に助けを求めていたんです…」
八幡「いや、おれが解決できる訳ないだろ」
いろは「だったらせめてどうすれば羽が消せるか一緒に考えてください!」
八幡「……ちょん切るとか?」
いろは「うわー女の子に残酷な提案してる、マジありえません、人としてありえません正直無理です」
八幡「文句垂れるならお前も少しは考えろ」
平塚「確かに困った…どうしてこんな事に」
八幡「はぁぁ、次から次へと何なんだ一体」
平塚「そういえばキミもさっき、私に何か言いかけていたな。どうした」
八幡「実は…」
???
平塚「なんだと…!?」
いろは「それってやばくないですか!?」
八幡「だから急いでたんだよ」
平塚「ふむ…しかしこんな寒い時季にも蝶が出るものなんだな」ジーッ
ピンク&紫&黒の蝶々「……」
いろは「先輩、やけにその蝶々たちに懐かれてますね」
八幡「よくわからんが俺の体にしがみ付いて離れん」
平塚「ともかく二人の制服と、廊下に落ちている制服を回収し、改めて確認しなければならない」ダダッ
八幡「あ、ちょっ…先生」
いろは「その姿で行くんですか!?」
34:
?しばらくして?
平塚「確認してきた」
八幡「どうでした?」
平塚「やはり雪ノ下と由比ヶ浜の物だった」
八幡「くっ……」
八幡(わかってはいた。しかしいざ確定されると悔しさが一層込み上げる)
ピンク&紫の蝶々「……」
平塚「因みに廊下に落ちていた制服の持ち主は川崎だった」
八幡「か、か、川崎!?同じクラスの!?」
黒の蝶々「……」
平塚「制服と下着が脱がされた状態で、さらにカバンと携帯が放置。まだ校内にいる生徒達にも聞いたが彼女達の目撃証言は無かった」
平塚「確かにキミの言う通りただ事ではないな」
平塚「故にさっき警察には連絡した」
ピンク&紫&黒の蝶々「……!!」シュバッ
八幡(な、なんだ。いっせいに蝶々が先生の方に…?)
平塚「ちょ、おい!なんだコイツら!?」
ピンク&紫&黒の蝶々「??っ!!」ペシペシペシッ
平塚「痛い!やめろ頬を叩くな!痛いっ…ほら、しっし!」ササッ
ピンク&紫&黒の蝶々「????っ」チラバル
八幡(散らばった3匹の蝶々は、再び俺の肩やら頭部に乗ってくる)
ピンク&紫&黒の蝶々「……」ピトッ
八幡「先生…すいません」
平塚「なぜキミが謝る。この蝶々たちがいけないのではないか」
八幡「いやそうじゃなくて、アイツらですよ」
八幡「俺がもっと早く部室に行ってれば…」
八幡(基本、何事も後悔しないように意識してる俺だが、さすがに悔やむ…)
いろは「先輩ごめんなさい…」
八幡「別にお前を攻めてるわけじゃねぇよ」
36:
平塚「さて、そろそろ下校時刻だ。帰るぞ」
いろは「そういえば先生、他の生徒達に聞き込みしたり、警察に連絡したりする時はどうしてたんですか?」
八幡「たしかに、そんな姿じゃ目立つんじゃ」
平塚「ふふふ…まあ見ていろ」
平塚「ふん!!」ススッ
いろは「!?」
八幡「は、羽を収縮させただと!?」
いろは「せ、先生!どうやって羽を縮ませたんですか!?」
平塚「背中に意識を集中しろ。自分だけの現実をつかめるハズだ」
八幡(自分だけの現実っておいおい、某ラノベ作品の能力者かよ)
いろは「えい」ススッ
いろは「あ、できた!やったー!」
八幡「」
いろは「で、でもなんかゴワゴワして気持ち悪い…えい!」シュバッ
八幡「おいおい…結局、羽を露出させるのかよ」
平塚「わかるぞ一色、羽を収縮させるとゴワゴワして気持ち悪くて落ち着かん」シュバッ
いろは・平塚「あーー!スッキリ!」パタパタパタ
八幡(収縮させた羽を、再び露出させた一色と先生)
八幡(一色はオレンジ色、先生は白色の羽をバタつかせ宙に浮かびながら、爽快な表情を浮かべていた。うん、俺は話についていけん)
37:
八幡「所でなんで、羽なんか生えたんですかね」
平塚「しらん」
いろは「こっちが聞きたいです」
八幡「……新しい感染症?」
平塚「聞いた事が無い」
八幡「じゃあ…羽が生える前に何かしてました?」
平塚「普通に業務をこなしていた」
八幡「じゃあ羽が生える直前、何か考え事とかしませんでしたか?」
いろは「っ」ビクッ
平塚「っ」ビクッ
八幡(え、なにその反応)
いろは「べ、べべ、別に何も考えてませんよ?まあ先輩はお人よしだな?ぐらいしか」
平塚「わ、私は婚活が上手くいかなくてイラ立ってた位かな!ははははは」
いろは(葉山先輩と先輩、どっちと付き合ったら幸せになれるか天秤にかけて悩んでた……なんて口が裂けても言えない)ドキドキ
平塚(いっそ婚活などやめて、世間体を無視し比企谷と付き合った方が幸せに慣れるのではと血迷った考えをした。だがライバルが二人いる……と、葛藤してたなんて言えない)
八幡「あ、あの」
いろは「先輩!考え事しただけで羽なんか生えたら苦労しません!」
平塚「そうだ。能力者でもあるまいし」
八幡「そ、そうですね」
ピンク&紫&黒の蝶々「」
39:
八幡(その後、警察の方が学校に来てくれた。現場を確認した後に捜索が始まった)
平塚「すっかり暗くなったな。もう帰りなさい」
八幡「うす」
八幡(さて、俺も探索するか)
平塚「……比企谷、頑張るのはいいがあまり遅くなりすぎるなよ?」
八幡「……全てお見通しですか」
平塚「お前の考え位は想像つく。せめて家に帰ってから行動しなさい」
平塚「私達も帰りの道中、探してみようと思う」
平塚「いくぞ一色!」シュバッ
いろは「はい」シュバッ
八幡「え、ちょっその格好で!?」
平塚「大丈夫だ。一色は8時になったら家に帰す」
いろは「普段、お世話になってますしこれ位サービスしますよ」
八幡「いやいや、その格好で行ったら何かと面倒なんじゃ…メディアに目を付けられたり、アメリカの研究所とかに連れてかれるんじゃ…」
平塚「その時はその時だ」パタパタ
いろは「それじゃお先いってきまーす!」パタパタ
八幡「」
八幡(空高く飛んでいった一色と先生。おい、あれもう蝶の羽なんてレベルじゃないぞ。あれじゃ鳥の翼だ。完全に飛行してやがる)
ピンク&紫&黒の蝶々「っ!!?」シュバッ
ピンク&紫&黒の蝶々「???っ!!!」パタパタパタ
八幡(なぜか、一色と先生の後を必死で追おうとする3匹の蝶々たち。だが一色と先生のスピードに付いて行けずにいる)
八幡「もう訳分からん…とにかく二人を探さないと」
40:
【自宅】
八幡「ただいま」
小町「お帰り…ってお兄ちゃん、なにその蝶々たち」
八幡「知らん、勝手についてきやがる」
ピンク&紫&黒の蝶々「……」
小町「お兄ちゃんの両肩と頭に引っ付いてる…随分と懐かれてるね」
八幡「いい迷惑だ」
小町「あ、お兄ちゃん。そういえば相談が…」
八幡「なんだよ、お兄ちゃん忙しいんだ」
小町「背中かゆいから、掻いてくれない?」
八幡「孫の手でも使え」
小町「いいから掻いてよ。ほら」バサッ
八幡「おい」
八幡(小町はシャツを脱いで、俺にぶん投げてくる。おいおい…って事は小町の奴、セクシーモードかよ)
八幡「全くしょうがないねぇな…ん?」
八幡(脱がされたシャツを取ると、いきなり視界に3匹の蝶々が目に飛び込んできた)
ピンク&紫&黒の蝶々「……っ!!」ペシペシペシッ
八幡「痛いっ!痛いっつーの!ほら、しっし!」ササッ
ピンク&紫&黒の蝶々「???っ」チラバル
41:
小町「何してるの?早くして!」
八幡「はいはい…って、え?」
八幡(下着姿の小町が、俺に背中を向けるとまたしても信じがたい光景があった)
八幡「小町」
小町「なに?」
八幡「……小さな羽が生えてるぞ」
小町「は?」
八幡「鏡を見てみろ」スッ
小町「頭おかしくなったのお兄ちゃん…?」チラッ
小町「って、ええええ!?」
八幡(先生や一色の羽とは違い、本当に小さな羽がちょこんと生えていた。このサイズでは飛行は無理だな)
小町「ど、どどど、どうしよう!?」
八幡「大丈夫だ。お前のは小さいし、問題ない」
小町「ど、どういう事?」
八幡「最近、こういう感染病が流行ってるっぽいぞ」
小町「え、ええええ!!?そうなの!!?」
42:
八幡「それはさておき小町。お兄ちゃん今日は泊まりに行くから、晩飯はいらん」
小町「え?」キョトン
八幡「じゃあ行ってきます」
小町「ちょ、ちょっと。おにいちゃん、お泊りするほどの人って身近にいたっけ?」
八幡「……と、戸塚の家に行くんだよ」
小町「……あやしい」ジーッ
八幡「とにかく行ってくる」
小町「はぁぁ、今度はどんな面倒事を抱えてるんだが知らないけど。あまり心配かけないでよ?」
八幡「……」
小町「あとせめてお風呂くらい入ってったら?」
八幡「そんな時間はない」ダダッ
小町「いいから入って!」グイッ
八幡「わかったわかった!引っ張るなよ…」
八幡(どうせ後で汗をかくハメになるんだがな)
ピンク&紫&黒の蝶々「……」シュバッ
八幡「ん?」
ピンク&紫&黒の蝶々「……」
小町「蝶々たちがお兄ちゃんから離れた!」
八幡「…?なんだ、まあ風呂まで来られちゃ困るし良いけど」
八幡(しかし何だこの蝶々たち、マジで理性的だ)
43:
?5分後?
八幡「ふぃ?」ビチャビチャ
小町「早っ!てかちゃんと体拭いてないでしょ!ビショビショじゃん!」
ピンク&紫&黒の蝶々「っ!!」シュバッ
ピンク&紫&黒の蝶々「……」ピトッ
小町「こっちも早っ!?攻でお兄ちゃんにしがみ付いた!!」
八幡「おいお前達、上着を着るんだから邪魔するな。しっしっ」ササッ
ピンク&紫&黒の蝶々「??っ」チラバル
八幡(うっ…水が服に染みこんで気持ち悪い。だが時間が無い)
八幡(アイツら無事だろうか。まだそんなに遠くに行ってなければ良いが)
八幡「んじゃ、行ってくる」
小町「無理しないでね」
八幡「おう」
ピンク&紫&黒の蝶々「……」パタパタパタ
ピンク&紫&黒の蝶々「……」ペシペシペシッ
八幡「邪魔すんな」ギロッ
ピンク&紫&黒の蝶々「っ」ビクッ
ガチャッ
八幡「よし…ペース配分を考えつつも、なるべくスピードを出していこう」
八幡「行くぞ」チリンチリン
ピンク&紫&黒の蝶々「……」パタパタパタ
八幡「追いかけてきやがった。マジでしつこいなコイツら」
ピンク&紫&黒の蝶々「……」パタパタパタ
八幡「無事でいてくれ…」
60:
【街中】
八幡「ぜぇぜぇ…」
ピンク&黒の蝶々「……」パタパタ
紫の蝶々「……」ヘロヘロ
八幡(あれから数時間、俺はチャリを漕ぎつづけたが、全く持って彼女達の姿は見当たらない)
八幡「……」チラッ
ピンク&黒の蝶々「……」パタパタ
紫の蝶々「……」ヘナヘナ
八幡(相変わらず蝶々たちは俺を追う。何故か気になって、ついアイツらにペースを合わせてしまった)
八幡(つーか紫色の奴は大丈夫か?もうヘロヘロじゃないか)
いろは「あ、せんぱーい」パタパタ
八幡「一色…」
八幡(一色は、空からパタパタと羽を動かしながら降下してくる)
いろは「残念ながらタイムリミットです」
八幡「そうか、ご苦労さん」
いろは「あ、それから平塚先生から伝言が」
八幡「ん?」
いろは「『一応、忠告しとくが、あまり深夜まで外にいないように』ですって」
八幡「……了解」
いろは「それじゃ」パタパタ
八幡(要件をすませると再び飛行し始める一色)
八幡「……」
八幡「つーか空飛んでるから、パンツ見えてるぞ」ボソッ
ピンク&紫&黒の蝶々「……」ペシペシペシッ
八幡「痛い!何だよいきなり…痛、痛いっつーの!」
62:
【深夜】
八幡(もうとっくに日付けは変わってしまっている。それでも俺は探索をやめない)
八幡(やめる訳にいかない。こんな異常事態で家で寝れる気がしないし、寝るわけにもいかない)
八幡「……専業主夫希望の俺が、こんな時間帯まで外にいるなんて皮肉なもんだな」
ピンク&黒の蝶々「……」パタパタ
紫の蝶々「……」ヘロヘロ
八幡「もうちょっとで…夜明けか?」フラフラ
八幡(眠気と疲れが溜まってきたのか、さっきから自転車を漕ぐスピードがかなり遅い。もうフラフラだ)
八幡「無理も無いか。俺は別に運動部でもないのに…いきなりこんなハードな事を耐えられる訳無い」フラフラ
八幡「いつかのマラソン大会を思い出す。時間、距離共にあの時の比じゃないな」グラッ
バタッ
八幡「……」
カラカラカラカラ…
八幡(ふと気がつくと視界にはアスファルトが映っていた。そして車輪の回転する音が響く)
八幡(何のことは無い。疲れと眠気で倒れただけだ)
八幡「くっ…」ゴロッ
八幡(うつ伏せの状態から転がって、仰向けになる。寒空には星が光り輝く)
ピンク&紫&黒の蝶々「……」パタパタ
ピンク&紫&黒の蝶々「……」ピトッ、パタパタパタ
八幡「……」
八幡(3匹の蝶は俺のヒザの上に乗っている。羽を忙しく動かして、妙に落ち着きの無い様子だ)
八幡(と、そこである事に気付く)
八幡(倒れた衝撃で怪我していて、ヒザから水滴のような感触が伝う。出血したのだろう)
八幡(穿いていたジーンズが破けてしまった。ダメージジーンズが出来上がったが嬉しくない)
八幡(呼吸と整えて立ち上がろうとするが、足の筋肉の疲労がハンパじゃなく、なかなか起き上がれない)
八幡「ぜぇぜぇ…こんな所で寝てる場合じゃねぇのに」
八幡「……」
八幡「思えば晩飯も食わずにチャリを漕ぎ続けてきたんだよな」チラッ
八幡(ふと視線を横にすると、暗闇の中に光を灯すコンビニが見えた)
八幡「せ、せめて水分補給くらいするか。あと消毒もしないと」フラフラ
ピンク&紫&黒の蝶々「……」パタパタ
八幡(力なく立ち上がると蝶々たちも飛び、俺の後を追う)
63:
八幡「……」ゴクゴク
八幡「ぷはぁ…」
八幡(怪我を治療し、アクエリアスで水分補給。随分生き返った気がするがそれでも眠気と疲労が全身を襲う)
八幡「……」ガサゴソ
ピンク&紫&黒の蝶々「……」
八幡(レジ袋の中から紙コップを取り出す)
八幡「ほら、お前達にもやるよ。一緒に探索してくれたしな」コポコポ
八幡(紙コップにアクエリアスを注ぐ。)
ピンク&紫&黒の蝶々「……」シュバッ
ピンク&紫&黒の蝶々「……」チュウチュウ
八幡(紙コップのふちの上に、3匹の蝶が乗り水分補給をする)
八幡「良く吸ってやがるな。見ていて和む」
八幡「……」
八幡「アイツらどうしてるんだろうか…」
ピンク&紫&黒の蝶々「……」チュウチュウ
64:
【早朝】
カチャッ
八幡「ただいま」コソッ
八幡「……ほっ。まだ小町も父さんも母さんも寝てる」
小町「残念でした」ヒョコッ
八幡「げっ」ビクッ
小町「ん?お兄ちゃんたしか昨日は戸塚さんの家にいたんだよね?何をそんなにキョドってるの?」
八幡(そういえばそういう設定でしたね。忘れてました)
小町「てか、まだいたんだその蝶々たち」
ピンク&黒の蝶々「……」グッタリ
紫の蝶々「」グッタリ
小町「……なんか気のせいかさ、紫の死にそう?」
八幡「ああ、3匹の中で一番へばってるな」
小町「お兄ちゃんもだいぶお疲れのようだけど?」
八幡「……戸塚と夜道を散歩してた」
小町「フーン…ジーパンが破れるほど?」
八幡「ああ、そりゃもう戸塚と共に激しい夜を過ごした物さ」
ピンク&紫&黒の蝶々「……」シュバッ
小町「蝶たちがお兄ちゃんから離れた!?」
八幡「……とりあえず、着替えてくるわ」
????
八幡「それじゃ行ってくる」
小町「あ、待ってよ…ごはんは?」
八幡「食欲がないからいらん」
小町「じゃあ、せめておにぎりだけでも」
八幡「俺の事は気にするな」
八幡「……今食っても喉に通らん」
小町「ねぇおにいちゃん、いい加減に本当のこと」
八幡「お前は受験の事だけ心配してればいい。いってくる」
小町「……もう!」
ピンク&紫&黒の蝶々「……」パタパタ
小町「あの蝶たち、結局お兄ちゃんについて行くんだ…」
ポツ…ポツ…
小町「あ、雪が…」
65:
【教室】
ザワザワ、ガヤガヤ
八幡(結局、あの蝶たちは教室まで付いて気がやった。疲れてるから追っ払う気力も無い)
戸塚「大丈夫八幡?体調悪そうだけど…」
八幡「ああ心配いらん」
戸塚「蝶々に随分と懐かれてるね」
紫&黒の蝶々「……」
八幡「ああ、なぜかな」
ねーなにあれ
さあ?クスクス
八幡(おかげでクラスメイトからジロジロ見られて困る)
戸塚「不思議な蝶たちだね」
八幡「ピンクの方は他のやつらにも懐いてるぞ」
戸塚「え」
三浦「ちょっ…なにこれ。あーしらの周りをグルグル回ってるし」
海老名「可愛いね?人懐っこいし」
ピンクの蝶々「???っ」グルグル
葉山「ははは、まるで結衣みたいだな」
ピンクの蝶「っ!」ビクッ
八幡「おい、他の生徒に迷惑かけるな」ボソッ
ピンクの蝶「……」パタパタ
戸部「ヒキタニくん、マジ虫使い!」
八幡(みんなから無視されるだけにな…って戸部に合わせて何を自虐してんだ俺は)
ガララ
厚木「お前ら、席につけ」
厚木「これから体育館で集会をする」
八幡(……だよな)
66:
【集会終了後・教室】
ザワザワ、ガヤガヤ
三浦「嘘でしょ…結衣が」
海老名「結衣…サキサキ…」
葉山(なんて事だ…結衣、雪乃ちゃん…)
戸部「これマジやばくね!?」
ザワザワ、ガヤガヤ
平塚「席に着け、授業を始める」
葉山(先生の目の下に隈が、やはりそうなるか…)チラッ
八幡「……」ガタガタ
八幡(集会中、拉致やら誘拐といった単語を聞くたびに、頭がおかしくなりそうだった…嫌な想像ばかりが脳裏によぎる)
葉山(比企谷…)
67:
八幡(授業内容が頭に全く入ってこない)
八幡(眠くて疲れてるのに、なぜか寝れない)
八幡「……」ガクガク
八幡「……」ガタッ
八幡「……」フラフラ
八幡(ふと気が付けば無意識に立ち上がっていて、ドアに手をかけていた)
クラスメイト全員「…?」
平塚「おい比企谷、カバンを持ってどこへ行く」
八幡「……」
八幡「体調悪いので早退します、それじゃ」
平塚「おい待て」
葉山「比企谷…アイツまさか…!」
【廊下】
平塚「待て!廊下を走るな」ダダッ
八幡(アンタも走ってるでしょ)ダダッ
ピンク&紫&黒の蝶々「……」ペシペシペシ
八幡「……っ」
八幡「邪魔」ササッ
ピンク&紫&黒の蝶々「??っ!」チラバル
平塚「くそっ撒かれたか…どこへ行った」
68:
【駐輪場】
八幡「ぜぇぜぇ…よし」
ピンク&紫&黒の蝶々「??っ!」パタパタ
八幡「またお前らか…もういい、勝手について来い」
ピンク&紫&黒の蝶々「……」ピトッ
八幡「お前ら」
ピンク&紫&黒の蝶々「?」
八幡「雪ノ下と由比ヶ浜…あと川崎を見つけたら、ちゃんと飼ってやる」
八幡「一緒に暮らすぞ」
ピンク&紫&黒の蝶々「っ!!?」ドキッ
八幡「カマクラとは仲良くしてやってくれよ」
八幡「よし行くぞ」
八幡(そういえばこんな雪の中、蝶々たちは大丈夫なのか?まあ冬に蝶がいる時点で色々と疑問があるが)
八幡(とにかく今はアイツら捜さないと)
平塚「あ、いたな…待て!」
八幡「げっ!でも俺はチャリ。逃げ切るまでだ」
平塚「ちっ…しょうがない、まずは教室に行って…」
平塚「……」
平塚「……いや私も早退しよう」
ポツポツポツ、ポツポツポツ
平塚「さっきよりも雪の降りが激しくなったな」
69:
【深夜・千葉県のどこか】
平塚「うう…寒い」ブルッ
平塚(校内に引き返し早退申請して、コートを羽織ってきたが寒い)
平塚「やっぱり車で来れば良かった…へックション」パタパタ
平塚「しかし随分と雪も積もってしまったな、比企谷はチャリ漕げるかのか?」
平塚(随分遠くまで来てしまったが。流石にここに比企谷はいないか…)
平塚(……そして、あの三人もいない)
平塚「……」パタパタ
平塚「ん?人気の無い路上で…誰かが倒れてる」
??
平塚「……」
八幡「」
ピンク&紫&黒の蝶々「???っ!」パタパタ
平塚(下りるとそこには、うつ伏せで倒れている比企谷。そして比企谷の顔の真横で、羽を激しく羽ばたく蝶たち)
平塚「しかしこの蝶たちの生命力はどうなってる。こんなに寒いのによく生きてる」
平塚「ん?」
八幡「」プルプル
平塚(比企谷の両腕が震えている。降り積もった雪を拳でギュッと掴んでいる)
八幡「」プルプル
平塚「比企谷、帰るぞ」ガシッ
八幡「」バッ
平塚「っ!」
平塚(比企谷の腕をそっと掴んだが、振る払われる)
八幡「」ググッ
平塚(そして比企谷はゆっくりと立ち上がる)
八幡「……」
70:
平塚「酷い顔だな」
八幡「……そういう事を俺に言うのは、雪ノ下だけ間に合ってるんで」
八幡「だから…その役目を、探さないと」
紫の蝶々「……」
平塚「随分、泣き腫らした様子だな」
八幡「ただのしもけやです」
平塚「言い間違えた…しもやけと泣き腫らした目で、酷い顔になっているな」
八幡「……」フラフラ
平塚「私の背中につかまれ、今日はもう帰ろう」
八幡「自転車は放置ですか」
平塚「後で取りにくればいい」
八幡「ここ、ドコだかわからないんですけど…千葉を愛する俺ですら分からん土地です」
平塚「……少なくとも千葉県内だ。多分県外ではない。行くぞ」
八幡「……」カチャッ
平塚「おい、まだ探すつもりか」
八幡「……」ザラザラ
平塚(もはや言葉では表現しがたいほど酷い顔をしていた。それでも自転車にまたがり、先を進もうとする)
平塚(だが私は追いかけなかった)
平塚(蝶々たちが何故か、私の肩と頭の上に乗っていたからだ。この蝶々たちは比企谷の状態を理解している)
八幡「……」キコキコ
八幡「ぁ…」グラッ
ボフッ
八幡「……」
平塚(力なく進んでいた自転車は力なく倒れる。そして比企谷も白い雪にうつ伏せに倒れる)
71:
平塚「……」チラッ
平塚(ふと後ろを振り返ると、奇妙な『跡』が遠くから残っていた)
平塚(自転車のタイヤの細い跡と、人の形をした妙な跡が)
八幡「」
平塚「比企谷…さっきからずっと同じこと繰り返してるのか?」
八幡「」
平塚「……」
ピンク&紫&黒の蝶々「……」シュバッ
平塚(3匹の蝶々は、倒れている比企谷の顔の真横まで移動する)
ピンク&紫&黒の蝶々「……」
ぺシ…ぺシ…ぺシ…
平塚(蝶たちは、ゆっくりと羽を羽ばたかせ、その羽で比企谷の頬を叩く。いや、叩くというより優しく触れている)
八幡「」
八幡「……」ゴロッ
平塚「……っ」ビクッ
平塚(比企谷は、うつ伏せから仰向けの体勢になる。比企谷の表情は更に酷い事になっていた)
平塚「比企谷、泣いているのか…」
八幡「……」
平塚(比企谷は空から振る雪と、暗い夜空を見上げていた。瞳から頬へと水滴を流しながら)
平塚(いつもの彼が生き生きと見えるほど、今の彼は本当に死んだ魚のような目で、口をわなわなと震わせ、静かに涙を流している)
八幡「……」
ピンク&紫&黒の蝶々「……」ピトッ
平塚(何を思ったのか、3匹の蝶々は比企谷の胸元の上へ乗っかる)
平塚「その3匹の蝶々たちも心配してるぞ、さあ帰ろう」
八幡「……俺の心配、ですか。コイツらが」
平塚「ああ」
八幡「こんな不思議昆虫が、俺の心配を…」
八幡「……ああ、そうだ。そういえば」
平塚「?」
72:
八幡「いつだったか、だれかに言われたんですよ」
八幡「たしか去年だったんですが…」
八幡「いつか…俺の事を好きになってくれる…そんな昆虫が現れるとか、なんとか…」
紫の蝶々「っ!!」
八幡「誰だったかな…もう少しで思い出せそうなんですが…」
平塚「……もし」
八幡「?」
平塚「もしそんな酷い事を…しかも去年から、キミに言うとしたら…」
八幡「……」
ピンク&黒の蝶々「っ!?」チラッ
紫の蝶々「……っ」ビクッ
平塚「言うとしたら、それは」
八幡「……」
ボォォォォン
73:
八幡「がふっ!!!?」
平塚「っ!!?……!?!?」
八幡(朦朧とした意識の中に突如、煙幕が周りに噴出される)
八幡(同時に、とても柔かく重い何かが圧し掛かってくる)
平塚「な、なんだ…いきなり煙幕とは…一体…」
八幡「げほげほ…なんすか先生、こんな時に手品なんてやめてください」
平塚「いや私は何も…ん」
平塚「え」
八幡「どうしたんすか……」
八幡「………………」チラッ
八幡「え」
雪乃「……」
結衣「……」
沙希「……」
74:
平塚「え、え?」
八幡「」
結衣「や、やった、戻った…元に戻ったよゆきのん!!沙希!!」
沙希「ヘ、ヘックション…なんでこのタイミングで…ヘックション」
雪乃「本当、なぜこのタイミングで…頭がおかしくなりそうだわ…」
八幡「」
結衣「ヘックション!寒…ってうえええ!?!?あたし達、裸だし!!?」
沙希「……今頃きづいたの?」
雪乃「と、とりあえず比企谷くん…?コッチを見ないで貰えるかしら?」ササッ
結衣「…って、うわああ!?ヒッキー見ないでぇぇ!!」ササッ
沙希「手と足だけで隠すには限界ある……ヘックション!」ササッ
八幡「」
結衣「ぅぅ…ちょっとヒッキー!コッチ見ないでエッチ!へ、ヘックシュン!」ブルブル
雪乃「クシュン…ひ、比企谷くん、お願いだから顔を背けて頂戴」ブルブル
沙希「い、いい、いつまで呆けてるのさ…ハックシュン!」ブルブル
八幡「」
75:
八幡「何デ雪ノ下ト由比ヶ浜、ソレニ川崎ガ裸ナノ?ドウシテイキナリ蝶々ガ、人間ニ変身スルノ?何故?ドウシテ?」
結衣「ちょっ…ヒッキー!」
雪乃「ひ、比企谷くん、こんなとき位は気をしっかりしなさい」
沙希「ちょ、ちょっとアンタ、しっかりして…へクシュッ!」
八幡「」
八幡(ああ、そうか。そうだったのか。全部夢なんだ)
八幡(そうだ、夢に違いない)
八幡(大体こんなに寒いのに蝶が生きていられるハズないのに)
八幡(その上、あの3匹の蝶の正体が…行方不明だった雪ノ下に由比ヶ浜、川なんとかさんだと?アホも休み休み言えって話だ)
八幡(まあ夢にしちゃ少々、ハレンチ極まりないがな)
八幡(でも夢でよかった。アイツらは拉致なんてされてなかった)
八幡(本当に良かった。色んな意味で)
八幡「あぁ…眼福…眼福…」
八幡「」ガクッ
結衣「え、ちょ、ヒッキー!!」
雪乃「比企谷くん…!?しっかりしなさい!」
沙希「ちょっ…いま気絶しないでよ!」
平塚(もう訳がわからん)
八幡「zzz…」
77:
八幡「……っ」パチッ
八幡「……」
八幡「ここは…寝室…」
八幡「あれ、俺の部屋じゃないよな。ここは…」
雪乃「私の部屋よ」
八幡「え、雪ノ下…」
結衣「ヒッキー!!」
八幡「由比ヶ浜…」
沙希「はあ…やっと目が覚めた」
八幡「川なん…川崎」
八幡「……」
八幡「えーっと…たしか…」
八幡「あれ?え?えと…」
結衣「ヒッキーはね、その、地元からすんごい離れた所まで行って、あたし達を探してくれてただよ?」
雪乃「ええ、私たちが散々、引き止めたのにそれを無視してね」
沙希「てか先生と生徒会長が羽とか生やしてる時点で、ちょっとは勘付いてよ」
八幡「え、じゃあ俺は…お前らが誘拐されたと思い込んで、ずっと探してたけど実は蝶々に変身してすぐ側にいた……ってことか?」
雪乃・結衣・沙希「……」コクッ
八幡「」
八幡「頭痛い…」
結衣「大丈夫!?お薬持ってくる?」
八幡「いや、そっちの意味じゃない…」
雪乃「まあ流石にあんな事体、普通は理解出来るわけないわ。だからアナタが気に病む必要はないわ」
八幡「お前がそれ言うと、暗に皆の知能ですら追いつけないから、俺じゃ尚更無理って言ってる風に聞こえるんだが」
雪乃「あら、寝起きなのによく理解できたわね」
八幡「少しは否定しろ…ったく」
雪乃「……その、ごめんなさい」
八幡「え?いや別に怒ってないが」
雪乃「そっちじゃないわ。その…二晩も無理をさせてしまって…」
結衣「ごめんねヒッキー」
沙希「ごめん」
八幡「……俺が勝手にやったことだ」
78:
八幡「平塚先生は?」
雪乃「もう帰ったわ」
八幡「えっと確かお前ら、はだk」
雪乃・沙希「……」ギロッ
八幡「何デモナイデス」
結衣「ヒッキーが気絶した後はね、先生がすぐ近くのドンキまで飛んでって、あたし達の服を買ってきてくれたんだ」
結衣「その後はタクシーを呼んで帰ったんだ。すぐに来てくれて、先生が払ってくれたんだ」
八幡「そうか、タクシーもドンキも近くにあって良かった」
八幡「でも待っている間は寒くなかったのか?」
雪乃・結衣・沙希「……」
八幡「あ…悪い、寒いに決まってるよな」
結衣「えっと…じつは…」モジモジ
雪乃「ちょっと!由比ヶ浜さん!」
沙希「ちょ、その話は止めt」
結衣「先生が買出しに行ってる間、その…」
八幡「?」
結衣「暖まる為に3人で、ヒッキーの体にしがみ付いt」
沙希「由比ヶ浜!」
雪乃「その話はもう終わり。良いわね?」
結衣「……はーい」
八幡「」
八幡「え…え?」
結衣「//」
沙希・雪乃「……っ//」プイッ
八幡「」
79:
八幡「えっとなんだその、実はお前達、俺の事ずっと引き止めようとしてたみたいだし」
八幡「迷惑かけて悪かった」
雪乃・結衣・沙希「……」
結衣「ううん、気にしないで…それよりも嬉しかった」ズイッ
結衣「ヒッキーが、あんなに必死になって…ボロボロになりながら、あたし達の事を捜してくれて…」ウルウル
沙希「その…あたしの事も捜してくれてありがと。あたし奉仕部じゃないのに」ペコッ
雪乃「比企谷くん…私からも礼を言うわ」ズイッ
雪乃「とても…とてもうれしかったわ。アナタの真剣な気持ち。ありがとう」
八幡「」ドクンッ
八幡(なんだよ3人揃って顔を赤くしやがって…か、勘違いしちまうだろ)
雪乃・結衣・沙希「……」
八幡(こっち見つめすぎだ!あと顔が近い近い!離れろ!)プイッ
八幡「さ、さっきも言ったろ…俺が勝手にさがしたんだ…」ドキドキ
八幡「……それにあのままじゃ夜も寝れないしな」
雪乃「そう…それなら今夜はこのベットを使ってグッスリと休むといいわ」
八幡「いや、もう帰る。つーかこれお前のベットだろ」ムクッ
八幡「おれはもう平気だから」
雪乃「ダメよ。ここで寝なさい。疲れてるでしょ?」
八幡「いや、でも」
雪乃「……私たち三人も、この部屋に布団を敷いてあるから」
八幡(ふと、よく見ると3人分の布団が敷かれていた)
雪乃「それじゃおやすみ比企谷くん」
結衣「おやすみヒッキー」
沙希「……おやすみ」
八幡「あ、ああ…」
カチッ
八幡「……」
80:
八幡(部屋が暗くなる、静かな吐息が聞こえる)
八幡「……」ドキドキ
八幡(これ寝れる訳ないだろ)ドキドキ
雪乃「比企谷くん。おきてる?」
八幡「ん、どうした?」
雪乃「……去年言われた事、思い出したかしら」
結衣・沙希「……??」
八幡「言われ事?何の話だ」
雪乃「……そう。また忘れてしまったのね」
八幡「……」
雪乃「なら、思い出すまで考えるといいわ」
八幡「あ、ああ…?」
雪乃「ただ…もしかしたら、いつか答えを教えてしまうかもしれないけれど」
八幡「……?」
雪乃「おやすみ」
八幡「ああ、おやすみ」
81:
【数日後・部室】
八幡(不思議な体験を終えて数日が経過)
八幡(チャリは先生が車に積んで無事に戻ってきた)
八幡(警察や学校、ご家族に対し、先生が理由を作って事情を説明してくれた…一応、誘拐されて数日をかけて逃げてきたという設定になっている)
八幡(あれから先生と一色の背中に生えていた羽は跡形も無く消えたらしい。因みに小町のも)
八幡(それと最近発売されたオカルト雑誌で、翼を生やした空飛ぶ女子高生と白衣の女性の写真が掲載されるという噂を聞いた)
八幡(まさかと思い購入し拝見したが…背中しか写ってなく、顔は確認できないが、どう見ても一色と先生にしか見えん)
八幡(しかし羽が生えた人間ね…サイレンに出てきた敵を思い出す。いやあんなグロくないか。SAOのフェアリィダンス編のアレで例えた方が良いか)
八幡(つーかそれよりも、なぜ雪ノ下と由比ヶ浜、川崎は蝶に変身してしまったんだ?何かの呪い?感染症?)
八幡(ともあれ奉仕部はいつもの日常を取り戻す)
82:
八幡「おい由比ヶ浜、なんだそれ」
結衣「じゃじゃーん!人生ゲームだよ!」
八幡「見ればわかる、それで何をするんだ」
結衣「たまには本ばかり読んでないで遊ぼうよ!」
雪乃「今は部活中よ。ボードゲームで遊んでる場合じゃ」
結衣「それなら本を読むのは良いの?」
雪乃「そ、それは…でも…」
結衣「あ、そっかそっか。ゆきのんこういうの苦手なんだ。なら仕方ないよね」
雪乃「そこまで言うなら、やりましょう。ええ是非とも」
結衣「やったー!」
八幡(由比ヶ浜…もうすっかり雪ノ下の性格見抜いてやがる。つーか雪ノ下さんもチョロすぎですね…)
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