穂乃果「叶えた物語のその先へ――」 Part3back

穂乃果「叶えた物語のその先へ――」 Part3


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4:
真姫「…………」
夢を、見ていた。
それは、楽しい夢でも、怖い夢でもなく、ただただ切なく、悲しい夢。
――あの9人だけの浜辺で、μ'sの解散宣言をした時の、夢。
真姫「……最近は、見なくなったと思っていたのに」
145:
μ'sの解散宣言をした後でも、なんだかんだあって暫くμ'sとしてのスクールアイドル活動は終わる事なく続いていた。
――否。仮にあの時あそこで終わっていたとしても、私だけはそれに踏ん切りをつけることはできなかったと思う。
真姫「……っ」
正直に言おう、私はμ'sを終わってほしくなかった。
出来ることならば、いつまでも……そう、例えそれが"スクールアイドル"ではなくなったとしても。
あの9人で、ひたすら夢を追い駆けていたあの頃のように、ずっと……。
146:
けれど、それはもはや"μ's"であって"μ's"ではない"得体のしれない何か"だと同時に気付いた。
恐らくこれが、"限られた時間の中で精一杯輝こうとするスクールアイドル"という物の本質なのだろう。
私は、私達μ'sは"スクールアイドル"だ。
"限られた時間の中で精一杯輝こうとするスクールアイドル"なのだ。
その本質に、私の意思を介入させてはいけない。
それはまさしく"スクールアイドル"として頑張ってきた"μ's"に対する冒涜だから。
147:
だからこそ、理事長にμ'sを続けて欲しいと言われた時に、真っ先に反対した。
μ'sを続ける事はμ'sの為ではないと、皆の為ではないと思ったからだ。
それは例え私以外の全員が続けると言ったとしても、反対しただろう。
私は、何より大好きだったμ'sを、μ'sの皆を最優先に考えたかったのだ。
――そしてそれが、私の"本心"だと、思いたいのだ。
148:
……今でも時々思い出す。私があの時にこちゃんに言った言葉を。
『――だからアイドルは続けるわよ! 絶対に約束する! 何があっても続けるわよ!』
……果たして私は続けられるのだろうか。
あの時、にこちゃんに言ったあの言葉を。
誰よりもμ'sに執着していた私が、そんな事出来るのだろうか。
続ける事がμ'sの為であり、皆の為であると、そう私は思えるだろうか。
……私は、それを選択できるのだろうか。。
真姫「…………」
――私は、一体何をやっているのだろう。
…………
……

149:
凛「まっきちゃーん、おっはよー!」
真姫「あら、凛……今日は早いのね」
凛「うんうん、久しぶりに早起き出来たから早く学校に来てみたにゃ!」
真姫「そうなの。それで花陽は?」
凛「かよちんはまだ来てないにゃ。一応メールでもうすぐ着くって言ってたけど」
真姫「……あんた達、学校に着く着かないのメールなんてしてるの……?」
150:
凛「? そうだけど?」
真姫「……ホントに仲良しなのね……」
凛「えっへへー、まあ、いつもは一緒に学校に行ってるんだけどね!」
真姫「そうでしょうね」
凛「何なら真姫ちゃんもこれから一緒に学校に行くにゃ?」
真姫「たまにだけど行ってるじゃないの」
151:
凛「たまにじゃなくて毎日! そうすれば3人いつも仲良しこよしだにゃ!」
真姫「そうは言うけど、毎日3人で来れないのは凛がたまに寝坊してくるからじゃないの……」
凛「にゃにゃ!? そ、それを言われたらおしまいだにゃ……凛には何もする事ができないにゃ……」
真姫「いや、毎日早く起きれるように対処しなさいよ……」
凛「それができたら苦労はしないよ! 目覚まし鳴らしてもあんまり効果ないし……」
真姫「じゃあ何で今日は早起きできたの?」
152:
凛「うーん……ちょっと切ない夢を見ちゃって」
真姫「……夢?」
凛「あ、ううん、別に特に何かあるってわけじゃないよ。ただ……」
真姫「……何よ」
凛「"スクールアイドル"って奥深いなあって」
真姫「……? 一体何の話よ?」
153:
凛「だから細かい事は気にしないにゃ!」
真姫「えー……何よそれー……」
花陽「凛ちゃーん、真姫ちゃーんっ」
凛「あ、かっよちーん! おっはよー!」
真姫「おはよう、花陽」
花陽「えへへ、今日は一番最後だね」
155:
真姫「ま、たまにはそういうのもあっていいんじゃないの?
 ……遅刻さえしなければ、ね? 凛」
凛「だから何でそこで凛の名前呼ぶのー!? 今日はちゃんと早起きして学校来てるにゃー!」
花陽「ふふっ、そうだね」
凛「あー! かよちんまで笑ってるにゃー!」
花陽「ふふ、ごめんね凛ちゃん……あ、そういえば……」
156:
真姫「……? どうかしたの?」
凛「なになに? どしたの?」
花陽「学校に行く途中に穂乃果ちゃんと会ったんだけどね、とんでもない事聞いちゃって……」
真姫「とんでもない事?」
凛「まさか、UFOが現れたとか!? それとも巨大ラーメン星人!?」
真姫「なにそれ意味分かんない……」
157:
花陽「あ、あはは……流石にそんなんじゃないけど……えっとね」
花陽「穂乃果ちゃんの妹さんに……雪穂ちゃんっているでしょ?今年音ノ木坂に入学した」
凛「うんうん、雪穂ちゃんがどうかしたの?」
花陽「ええと、雪穂ちゃんだけじゃなくて……絵里ちゃんの妹さんの亜里沙ちゃんもなんだけど……」
真姫「……?」
158:
花陽「2人がスクールアイドルを始めたのは知ってる?」
凛「おお、やっぱり始めたんだ!」
真姫「まあ、あの2人なら絶対に始めるとは思っていたわ」
花陽「うん、私も始めたことを穂乃果ちゃんに聞いた時、やっぱりって思ったんだけど……」
真姫「……他に何かあるの?」
凛「どうしたのかにゃ?」
159:
花陽「それが……ほら、もうすぐ新入生歓迎会があるでしょ?
 私が部長として色々アイドル研究部について説明しないといけない奴……」
凛「ああ、去年も凛色んな部活それで知ったな?、結局陸上部には入らなかったけど」
真姫「副部長の私も色々頑張ってるというのに凛は……全く」
花陽「あはは……まあそこは置いといてなんだけど……」
凛「その新入生歓迎会がどうかしたの?」
花陽「あ、いや、新入生歓迎会自体は特に関係ないんだけど……その後にね」
160:
真姫「その後?」
花陽「うん……ライブ、やるみたいなの」
凛「……え?」
真姫「ら、ライブぅ!?」
凛「え? まって、誰がライブするの?」
花陽「……雪穂ちゃんと、亜里沙ちゃんだよ」
161:
真姫「ちょ、ちょっとまってよ!もう一週間もないのよ!?」
凛「結成したのだってほんとつい最近じゃないの!?」
花陽「うん……昨日、なんだって」
真姫「昨日!?」
凛「にゃああああ!?」
真姫「あ、あり得ないわ……無謀過ぎる……」
凛「いくらなんでもそれは……凛も無理だと思うにゃ……」
162:
花陽「うん……私も、そう思ったんだけど……穂乃果ちゃんは講堂の使用を許可したみたいなの」
真姫「はああああ!? 穂乃果もいったい何考えてるの!?」
花陽「う、うん……私もそこがちょっとよくわからなくて……」
真姫「昨日結成したばかりで、スクールアイドルのスの字も出来ていないあの2人なのよ!?」
凛「穂乃果ちゃん、何を考えてるのかにゃ……」
真姫「あり得ないわ……いくらなんでもそれは……雪穂ちゃん達に恥かかせるだけよ……」
163:
花陽「……でもね、私もいくらなんでもそれは無理だと思うって事を伝えたらね」
花陽「穂乃果ちゃん、こう言ったの」
穂乃果『ねえ花陽ちゃん……私達の想いや意思って、案外色んな人に引き継がれてるのかもしれないよ』
花陽「……って」
真姫「……なにそれ、意味分かんない……」
凛「凛もよくわからないにゃ」
164:
花陽「あはは……確かにね。でも……」
真姫「……はぁ、そうね。穂乃果らしいっちゃらしいわね」
凛「それについては凛も同意だにゃ!」
花陽「それに穂乃果ちゃん、雪穂ちゃん達の事を信じてるみたいだから」
真姫「……そっか。信じてるのなら、私達も成功を祈るしかないわね」
花陽「……それでね」
凛「……? まだなにかあるの?」
165:
花陽「…………」
真姫「……花陽?」
花陽「……私、私ね……」
凛「……かよちん?」
花陽「私……もし雪穂ちゃんのライブが成功したら……
 もう一度、スクールアイドルをやってみようかなって、そう思うの」
真姫「……え?」
182:
凛「……嘘……」
真姫「な、何言ってるの? こんな時に冗談は」
花陽「ううん、本当だよ」
真姫「……そんな……花陽! それじゃあμ'sは!」
花陽「μ'sはもう解散したよ」
真姫「……っ」
花陽「……解散、したの」
183:
凛「かよちん……」
花陽「あの時……理事長から貴方達はラブライブに参加しないのかと聞かれた時から、考えてたの」
花陽「考えて考えて、どうしようもないくらい頭がパンクしそうになっちゃっても、それでも考えて……」
花陽「そして雪穂ちゃんの話を聞いた時、私は答えを見つけた」
真姫「答え……?」
花陽「……私はμ'sが大好き。でもね、同じくらいスクールアイドルも大好きなの」
184:
花陽「色々なスクールアイドルを見て、知って……」
花陽「そんな、まだ知らない、見たことのない人や見たことのない世界へと繋げてくれるスクールアイドルが大好きなの」
花陽「……"限られた時間の中で精一杯輝こうとするスクールアイドル"」
花陽「……なら私はその限られた時間をもっとたくさん使いたい、もっと輝きたい」
花陽「μ'sから貰った輝きを胸に抱いて、より一層輝くスクールアイドルになりたいの」
花陽「……そう思うのは、間違っているのかな」
185:
真姫「そんな……本当にそれでいいの!?」
花陽「真姫ちゃんも言っていた事だよ? μ'sを解散してもアイドルは続けるって」
真姫「……っ!」
花陽「私は、その通りにするだけなの」
花陽「これが、答え。"私の決意"だよ、真姫ちゃん」
186:
真姫「……わ、私……私、は……」
真姫「…………っ」
真姫「ごめん……っ」
凛「あ、ちょ、真姫ちゃん!! 待って!!」
花陽「……真姫ちゃん……」
…………
……

187:
――私は、馬鹿だ。
何がμ'sの為だ、何がμ'sの皆の為だ。
本物の大馬鹿だ。
私は否定してしまった。
花陽の決意に"真摯に向き合う事すらせず"に否定して逃げ出してしまった。
188:
恐らく花陽は本当に真剣に悩んだのだろう。
悩んで悩んで、悩みまくって。そうして答えを出したのだろう。
あの花陽が。最初、μ'sに入ろうってなった時にあれほどまでに臆病だった花陽が。
一体どれだけ成長したのだろう。
凛だってそうだ。可愛くなりたいという気持ちを抑え続けていた凛。
そんな凛も成長し、いつしか自分に自信を持てるようになれた。
189:
だけど私は? 私は成長しているのだろうか?
あの時、あの浜辺で言った自分自身の言葉の責任も持てないまま、ただ否定し、逃げ出した。
……わかってしまった。
私の本心は……μ'sを、μ'sの皆を想う事ではなかった。
ただの我侭でしかない、μ'sという思い出を奪われるような可能性を排除したい、ただそれだけなのだ。
190:
……本当に、私は何をやっているのだろう。
もう、どうすればいいのかもわからない。
花陽の決意を肯定する? ……嫌だ。
なら、真摯に向き合って花陽の決意を否定する? ……それはもっと、嫌だ。
こんな選択すらできない私が嫌になる。
191:
今思えば、穂乃果にスクールアイドルに誘われなければ私の音楽活動はそこで終わっていた。
大好きな音楽でさえ、私は親に逆らえず、捨てようとしていた。
その時点で既に自分では選択など出来なかったのだ。
けれど、μ'sと出会い、皆と出会った事で、私は思い違いをしてしまった。
"出来る"と思い込んでしまった。
にこちゃんに言ったアイドルを続けるという事も、出来ると思い込んでいる自分が居たからこそ言えただけなのだ。
192:
本当は何も出来ない。なにも選べない。
もう、なにもかもわからない。
誰か、誰か助けてよ……
お願いだから誰か……
誰か助けて……!
『――真姫ちゃん!!』
193:
真姫「……っ!」
花陽「真姫ちゃん……」
凛「やっぱりここに居たんだね」
真姫「……凛、花陽……どうして」
花陽「……"屋上"は、μ'sの思い出が一番つまっている所だもんね」
凛「μ'sの事が大好きだった真姫ちゃんの事だから、すぐにわかったにゃ」
真姫「……っ
194:
凛「もういきなり飛び出して先生に言い訳するの大変だったんだよ?
 凛は健康が取り柄なのに保健室に行くって嘘ついちゃったにゃ」
花陽「そして私はその付添いっ」
凛「これはもう後で真姫ちゃんに宿題を写させてもらうしかないにゃ」
花陽「そ、それはちゃんとやらなきゃダメだよ凛ちゃん……」
真姫「…………」
花陽「……真姫ちゃん?」
195:
真姫「……私には、花陽の決意に対して、どちらかなんて選べそうにないの」
真姫「それどころか、あの浜辺で、にこちゃんに言ったアイドルを続けるという事でさえ……私には……」
花陽「……それは、どうして……?」
真姫「……無理なの。私には選ぶという事が出来ない。
 穂乃果にスクールアイドルに誘われなければ、私はあの時音楽活動を辞めていた」
真姫「その時点から私には"選択する"という事が出来なかった」
196:
真姫「出来ると思い込んでいただけなの。いざ行動に移そうと思っても出来ないの」
真姫「花陽には新しいスクールアイドルになんてなってほしくない……μ'sだけを大切にしてほしい……」
真姫「だけど、花陽の決意を否定したいって思う自分はもっと嫌なの!!」
真姫「……どっちかなんて選べない、選べないのよ……私には変わる事なんてできない」
凛「真姫ちゃん……」
197:
花陽「……ねえ、真姫ちゃん」
真姫「……何よ」
花陽「そんなに自分が変われないと思う?」
真姫「……何が言いたいの?」
花陽「私ね、スクールアイドルをやるって言ったけど……
 ホントは凛ちゃんと真姫ちゃんに一緒にやってほしいの」
真姫「なっ……!?」
凛「り、凛も!?」
198:
花陽「だって、私の一番の良さを引き出してくれる人なんて真姫ちゃんと凛ちゃんしか居ないんだよ?」
花陽「……勿論、凛ちゃんの一番の良さを引き出せるのは私と真姫ちゃんしかいないし、
 真姫ちゃんの一番の良さを引き出せるのは私と凛ちゃんしかいないと思ってる」
花陽「一緒にやってくれるなら、私にとってそれほど心強い事はないの」
花陽「私一人だけで、雪穂ちゃんのライブが成功するかしないのか、そこに私のこれからの未来を託すんじゃなくて……」
花陽「そこに2人がいるだけで、私はどんな状況だってやっていけるのっ!」
199:
凛「かよちん……」
花陽「だから、私は凛ちゃんと真姫ちゃん、2人に一緒にスクールアイドルをやってほしいの」
真姫「……そんな……無理よ、私がμ'sじゃない新しいスクールアイドルをやるなんて……」
花陽「――ふふ、だからそんなの、簡単な事なんだよ?」
真姫「簡単な事……?」
花陽「真姫ちゃんが変われないのなら、選択できないのなら……私と凛ちゃんが真姫ちゃんを"押す"だけなの」
真姫「押す……?」
200:
凛「……そっか、そうだったんだ! 真姫ちゃん、変われるんだにゃ!」
真姫「な、何を言って……」
凛「ほんの少し押してもらうだけで、世界って一変するんだよ!」
凛「凛が真姫ちゃんと一緒に"かよちんの背中"を押してかよちんが"勇気"を持てたように!」
花陽「私が真姫ちゃんと一緒に"凛ちゃんの背中"を押して凛ちゃんが"自信"を持てたように!」
花陽「だから今度は……!」
凛「凛とかよちんが"真姫ちゃんの背中"を押して真姫ちゃんを"変える"んだよ!」
201:
真姫「……花陽……凛……」
凛「……真姫ちゃんが変われないなんて事はないんだよ? だって、凛が変われたのは真姫ちゃんのおかげなんだから」
花陽「私だって、真姫ちゃんが居なかったらいつまでも臆病なままだったかも、あはは……」
真姫「……わた、私……っ」
花陽「……新しくスクールアイドルを始めたからって、μ'sの思い出は決して消えたりしないよ、いつまでも心の一番奥に残ってる!」
 
凛「それはいつも凛達を照らし続けてくれる……そんな輝きがあるからこそ、凛達はもう一度歩き出せるにゃ!」
真姫「うん……うん……っ!」
花陽「だから――」
『――私達と、もう一度あの場所へ、あのステージへ行こうね!』
202:
――本当に良かったのかと、私は自身に問う。
けれど、その問に私はもう迷わない。
私は"選択"する。"それで良かった"ではなく、"これが良い"と。
そして再び、私達は歩き始める。
"限られた時間"を精一杯使って、懐かしい、あの場所へと――
…………
……

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