サトシ「すげーことに気がついた」 Part1back

サトシ「すげーことに気がついた」 Part1


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1:
サトシ「最強のポケモン?捕まえなくていい。自分で作ればいいんじゃん」
サトシの研究が始まった。
5:
サトシはジムに挑むのをやめてひたすら勉学に励んだ。
全てのタイプになれるメタモンから研究を重ねた。
そして6年の月日が流れた・・・
7:
シゲル「ほらよ、グリーンバッジだぜ」
ゴールド「ありがとうございます。やったぜー!」
そこには2年前リーグチャンピオンとなったシゲルの姿があった。
シゲルは2年前にロケット団を壊滅させたポケモン界の英雄として名が知れていた。
また、チャンピオンになったあともその功績を認められトキワシティのジムリーダーに抜擢されたのである。
ジムリーダーとなったあとも地道に図鑑の完成を目指してひびポケモンを採集していた。
シゲル「君もなかなかやるね。これでバッジは何個なんだい?」
ゴールド「はい。今13個です。」
シゲル「すごいな、ジョウトはすでに制覇したのか。まさかチャンピオンになったのか?」
ゴールド「はい///」
11:
その時、ジムの扉が開いた。入ってきたのはシゲルとちょうど同い年ぐらいの人物だった。15歳?16歳?
ただ、その見た目は粗末でぼさぼさの髪に無精ひげ、上には白衣をきていて遠くからみたらまるではぐれ研究員のようだった。
「すみません、今からバトルいいっすか?」
シゲル「おまえ・・・サトシか・・・?」
サトシ「あ、ひさしぶりだなーシゲルー」
雰囲気は変わってもシゲルにはすぐにこの少年がサトシだとわかった。
幼いころからずっと一緒に育ってきた少年を忘れるわけがなかった。
シゲル「帰ってきてたのか・・・どこいってたんだ一体?」
サトシ「え?あー忘れた」
シゲル「忘れたってお前・・・」
サトシ「そんなことよりバトルしようぜーしようぜー」
14:
シゲル「サトシ・・・」
サトシ「俺さーずっとさーバトル無しで生きてきたからさー」
シゲル「おい、お前どうしたんだよ!?いったいどこに行ってたんだよ!?言えよ!」
しかしサトシはそのことに関してはまったく話そうとしない。口を開けばバトルバトルとしか言わなかった。
シゲル「まったく・・・じゃあバトルしてやるから、終わったら話せよな」
サトシ「シゲルが勝ったら教えてあげるよー」
シゲル(・・・コイツ、俺があのあとチャンピオンになったって知ってんのか)
16:
シゲル「じゃあお前が勝ったら教えてくれよ。」
サトシ「勝てたらね・・・」
こうしてバトルが始まった。バトルは手持ち6匹から3匹選択。先にポケモンが全部ダウンしたら負け。
シゲル「いけ!ニドキング!!」
サトシ「いけ、ポッポ」
ニドキングのLVは60、対してポッポのLVは2である。これにはシゲルも苦笑い。
シゲル「おい、レベル2って・・・なめてんのか?」
サトシ「いーからいーから」
17:
初めのポッポレベル2はすぐに瀕死に、続くフシギダネレベル6もあっという間に瀕死になった
シゲル「おいおい、これじゃあ俺の勝ち決まりじゃねえか。どーしたサトシ、口ほどにもネーナ!」
サトシ「勝負は最後の最後まで分からないぜ!さあいけ!グレン!」
シゲル「グレン!?」
サトシが出したポケモンはシゲルがいままで見たこともないポケモンだった。
真っ黒な立方体。ただそれが空中に浮いているだけだ。大きさは一辺が5cmぐらいだろうか。
シゲル「なんだ・・・こりゃ・・・?」
サトシ「コイツ?俺がグレンで捕まえたポケモン。だからグレン」
シゲル「い、行け!ニドキング!」
18:
しかしニドキングがはなった攻撃は全て効かなかった。1のダメージも与えられてない。本当に効果がなかった。
電気、地面、ノーマル、毒。全ての技が全く効かなかったのだ。
シゲル「なんなんだよこれ・・・」
サトシ「俺が最強のポケモントレーナーになるためにグレンでの研究で作り上げた最強のポケモンだよ」
シゲル「最強のポケモンだと?」
サトシ「あぁ、こいつのタイプは今までのどのタイプにも当てはまらない新しいタイプを持つポケモン」
サトシ「名付けてサトシタイプ!」
24:
シゲル「サトシタイプだと・・・?」
サトシ「あぁ。サトシタイプはいままでとは違う全く新しいタイプ。悪や鋼、新しいタイプが出てポケモンバトルは変わった。そして今回も」
サトシ「サトシタイプは全てのタイプの技を無効化する」
シゲル「馬鹿な!?」
サトシ「それだけじゃない。サトシタイプの技は全てのタイプに効果抜群!さらに特性『サトシ』で状態異常も怒らない!」
サトシ「これこそ個体値努力値の枠を超えた最強のポケモン!」
36:
信じられなかった。タイプを超越したポケモン・・・こんなものが存在していいのか?
だが、現実としてそのポケモンは今シゲルの前に存在している。シゲルは信じざるを得なかった。
シゲル「どのタイプでもない新しいタイプ・・・」
ゴールド「サトシタイプ・・・」
サトシ「俺はお前たちとは違う。俺は6年をかけて確実に勝てる方法を考えた。相性とか愛情だとか関係ない、究極のポケモン・・・」
シゲル「それが・・・グレンか・・・」
サトシ「あぁ・・・」
ゴールド「そんな・・・愛情も関係ないなんて・・・」
44:
ゴールド「そんなのポケモンじゃない!」
サトシ「フフ・・・シゲル、お前ならわかるだろ?ポケモンの感情が邪魔になる時もあると・・・」
シゲル「・・・」
ゴールド「シゲルさん・・・」
グレンは不気味に宙を浮かぶ・・・“それ”からは感情の類いは全く感じられなかった。
ゴールド「でも弱点の無いポケモンなんて・・・そんなのポケモンじゃない・・・」
サトシ「弱点ならあるさ。サトシタイプの弱点はサトシタイプ。」
サトシタイプの唯一の弱点がサトシタイプ。そしてサトシタイプはこの世界に1体しか存在しない。
それはつまり、グレンを倒すことは不可能だという意味なのだ。
53:
シゲル「お前は6年間、そんな事を研究していたのか。ポッポLV2とフシギダネLV6。ろくにポケモンも育てずに・・・」
サトシ「そんなこと!?この俺の研究をそんな事だと!?」
シゲル「あぁ。そんなことだ!お前はもうポケモントレーナーじゃない!!」
ゴールド「人間じゃない!!」
今まで冷静だったサトシの表情変わった。
サトシ「てめぇら!!!」
56:
サトシ「・・・なんて、俺はこんなことじゃ怒らねえよ」
サトシの顔がさっきまでの優しい表情にもどる。
サトシ「お前らがなんか言ったところで負け犬の遠吠えにしか聞こえねえからな。」
シゲル「サトシ・・・」
サトシ「安心しろ。俺はこいつを使って犯罪する気もないし。ただジムを制覇していきたいだけだから。ほら」
シゲル「・・・なんだその手は?」
サトシが差し出した手の人差し指がチラチラと動く
サトシ「バッジだ。よこせ、グリーンバッジ」
シゲルはサトシの見下した表情に軽く殺意を覚えたがその感情を押し殺しバッジを与えた。
58:
サトシ「サンキュー。ありがたく頂いて置くぜ」
シゲル「・・・これからポケモンリーグに挑戦するのか」
サトシ「いいや。今や世界のだれもが成し得る事が不可能となったポケモンマスター。それを目指す」
ゴールド「世界の・・・」
グリーン「誰もがだと・・・?」
サトシ「あぁ。俺にしかなれない。ポケモンマスターにな」
シゲル「どういうことだ!?」
だが次の瞬間、サトシはシゲルの顔にぐいと近づき唾を盛大に飛ばしながらこう叫んだ。
サトシ「グリィーンバッジゲットだぜ!!」
63:
シゲル「うわ!!」
ゴールド「大丈夫ですか!?」
シゲル「あぁ・・・ごまかさず質問に答えろ!サトシ!」
シゲルは唾で汚れた顔を服で拭きながら再び問いただした。
服が臭い。この匂い、6年間歯を磨いていないのだろうかと思わせる匂いだ。実際磨いて無いのかもしれない。
よく見るとサトシの歯は段ボールみたいな色をしていた。
サトシ「まったくしょうがネーナ。ほら、よく見ろ」
サトシは自分のポケモン図鑑を開けた。6年前にオーキド博士からもらった図鑑だ。
だがサトシの図鑑は6年の歳月を全く感じさせなかった。まるで新品だった。
71:
サトシの図鑑を覗き込む。ゴールドも6年前前の図鑑に見入っている。
それもそうだろう彼がポケモントレーナーになった時にはすでに新型の図鑑ができていた。このタイプは初めて見るのだろう。
図鑑を見ているうちに彼はある事に気がついた。
シゲル「これって・・・」
ゴールド「ナンバー0000?」
シゲルは急いで自分の図鑑を開く。確かに図鑑にはナンバー0000が表示されている。
さっきまではなかったナンバー。明らかにグレンのものだ。その証拠に名前欄にはきっちり“グレン”と表示されている。
もちろん、見つけた数も1増えている。
サトシ「世界に一体のポケモンだ。誰にも捕まえる事は出来ない」
サトシ「もちろん絶対交換しない。データだけの交換もしない」
80:
シゲル「そんな・・・俺のパーフェクト図鑑が・・・」
シゲルはよほどショックだったのかその場にひざをついた。
サトシ「あーあー。俺と闘わなきゃ完全な図鑑のままだったのにな」
ゴールド「シゲルさん・・・」
サトシ「俺はこれからどんどんコイツ使ってトレーナーと闘ってく。みんな空欄にしてやる。ははは」
サトシ「あははははは!あははははは!」
シゲル「うっ・・・うっ・・・」ジワ
ゴールド「あなた・・・そんなことして何とも思わないんですか!?」
するとサトシは高笑いをぴたりとやめゴールドの方をジロリと睨みこう言った。
サトシ「・・・罪悪感は・・・あるよ」
8

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