海未「唇吐息お化けことり」 Part4back

海未「唇吐息お化けことり」 Part4


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7:
真姫『凛、無事に降りられた?』
凛「真姫ちゃん! 無事なの!?」
真姫『穂乃果たちに距離を詰められてる。もう時間がないわ。だからよーく聞きなさい』
凛「真姫ちゃん……わかったよ……」
真姫『いい? ことりはね……あっ、こらっ!』
凛「? わっ!?」
真姫『絵里が窓から飛び降りたわ! 凛、逃げなさい!』
絵里「…………凛、逃がさないわよ?」
凛「わあああ! 怖いよー!」
真姫『凛! 逃げながら聞いて! 海未に伝えて! ことりをなんとかできるかもしれ、きゃっやめなさいっ!』
凛「真姫ちゃん? 真姫ちゃん!?」
真姫『ったく、花陽っ……穂乃果ぁっ! くっ、いい!? ことりに、唇吐息以上の幸せを与えるのよ!』
凛「えっ!? なにそれ、意味わかんないよ!」
真姫『いいから伝えてっ! 唇吐息はとんでもない幸せだけど、それ以上の幸せを受ければ、あっ嫌っ! 正気を取り戻すって、きゃあっ!』
凛「真姫ちゃんっ!」
真姫『あああああああっあっあっあっっっ……………………!』
凛「…………真姫ちゃん……」
絵里「凛! 待ちなさい!」
凛「……ぅわあああああああああああ!」
88:
―――
希「……待って。部室前に誰かおる」
海未「……ことり」
ことり「あ、ひょっとして部室に隠れようとしたの? 最初にみんなを襲ったところだから念のためって思ったけど、アタリだね」
にこ「ことり、今アンタの中の変な病気みたいなのが暴走してるんでしょ?」
ことり「あれ、知ってたの? よく調べたね」
希「ことりちゃん、ちょっと話し合いせえへん? 一緒に解決策探してみようよ」
ことり「ううん、無理なの。これはね、もう止められないんだよ」
にこ「そんなこと言ったって、今はアンタ一人じゃない。力づくで話し合いに持ってったっていいのよ」
ことり「そうだね、怖いなあ。じゃあ逃げちゃおっと」
海未「ことり!」
希「部室の中や!」
海未「あっ……更衣室の中から鍵を閉められました」
にこ「こらー! 開けなさい!」
ことり「うふふ、だぁめ。このままみんながくるまで隠れてまーす」
89:
希「海未ちゃん、このままことりちゃんと話すにも、もし今部室に追い込まれたら危険かもしれへん」
海未「窓から逃げようにも三人同時には難しいでしょうから、誰かが足止め代わりに犠牲になってしまいます……」
にこ「ったく、ことりにしてやられたわ」
ことり「うふふ、みんなどうするの?」
海未「……希、にこ、部室の入口で外の廊下を見張っていてくれませんか?」
希「外を?」
海未「誰かが見えたら教えてください。それまでここで、ことりの説得を試みます」
にこ「……いいわよ。希、行きましょ」
希「わかった。海未ちゃんよろしくね」
海未「はい。ありがとうございます」
90:
海未「……ことり、聞こえますか」
ことり「聞こえてるよ。海未ちゃんがどんな風に説得してくれるのか楽しみだなあ」
海未「確認したいことがあります。今回の騒動のきっかけは、私に責任があるのですか?」
ことり「……私が勝手に暴走しただけだよ」
海未「しかしことりの歯止めが効かなくなった理由があるはずです。私のせいなのですか?」
ことり「違うよ。海未ちゃんのせいじゃないよ」
海未「真姫経由で、理事長からことりの事情を少しだけ聞いたんです」
ことり「そっか、私の事情を知ってるみたいだったのはそういうことだったんだね」
海未「ことりは番いとなる相手を見つけ、その相手を自らの虜にするために、唇吐息という超常的な力を振るうのだと」
ことり「そうだよ」
海未「そうであるなら……責任が私以外だとしたら、むしろ嫌です。ことりが暴走した原因は、私であってほしいです」
ことり「……………………ずるいよ。こんなときだけ。今までずっと、はっきりしない態度だったのに」
92:
海未「今までは、ただことりと近しい仲で、ゆったりと過ごすことができれば満足でした」
海未「私の内に生まれたことりへの気持ちの正体を探ることもなく、今をただ受け入れていたんです」
海未「ですがことりが暴走したことで、このままではいけないと気付きました」
海未「ことりはずっと、私を待ってくれていたんですね……なのに私は、そのことに気付けなかった」
ことり「……そうだよ」
ことり「なのに、気付かないくせに、昨日私にあんなことするんだもん!」
海未「火傷したことりの唇に、吐息を吹きかけたことですか」
ことり「ずるいよ…………まるで私のこと全部知ってて、わかってやってるんじゃないかって思った」
ことり「わかってたから、ことりにあんな風に、優しくしてくれたのかと思った……」
ことり「ねえ、海未ちゃん。私が一瞬だけ海未ちゃんの唇にふーってしたとき、気持ちよかった?」
海未「…………はい。天上にも昇るような心地良さでした」
ことり「うふふ、そっか」
93:
ことり「あれね、ことりのは特別製だけど、ことり以外の人がやっても気持ちいいんだよ?」
海未「そうなのですか?」
ことり「そうだよ。昨日海未ちゃんに何回も吹きかけられて、死んじゃうくらい気持ちよかったもん」
海未「……」
ことり「昨日海未ちゃんにふーってしてもらって、気持ちよくて、震えちゃって、もう我慢できないってわかった」
ことり「私も海未ちゃんにふーふーしたい。そうして、海未ちゃんとずっとふーふーできる仲になりたいって」
ことり「ねえ海未ちゃん、教えて? 海未ちゃんは、私とふーふーする仲になりたいって思ってくれる?」
ことり「最高に気持ちよくて、最高に幸せなこと、私とずっとしてくれる?」
海未「…………」
ことり「教えてよ……」
海未「…………したいです」
ことり「……海未ちゃん…………」
海未「私もことりと、その、ふーふーとか、よくわかりませんけど、大切なことをしあえる仲になりたいです」
ことり「海未ちゃん…………嬉しい……」
94:
海未「ですが、今ことりの吐息攻撃を受けることはできません」
ことり「……どうして?」
海未「今、ことりは暴走しています。暴走していることりの吐息を受けると、自我を失い、ただことりに従うだけになります」
ことり「……そうだよ」
海未「それでは駄目です! そこに私の意思はありません……ただ私という人形相手に、ことりの吐息が当たるだけです」
海未「私だって、ちゃんとことりに応えたい。強制的な力なんて必要ありません。私自身の意思で、ことりの虜になりたいのです!」
海未「今更、この気持ちに気付いて、遅いのかもしれませんけど……」
ことり「……本当だよ。海未ちゃん、もう、遅すぎるよ……」
海未「ことり、どうにかならないのですか?」
ことり「わからない……お母さんからは、時間が経てば治るって聞いてるけど、一日くらいじゃ治らないって」
ことり「穂乃果ちゃんたちもそう。ことりの指示は聞いてくれるけど、止めることはできないの」
海未「そうですか……」
95:
ことり「我慢したくても、無理なの」
ことり「今はドアを開けたら海未ちゃんたちに捕まるからって閉じこもってるけど」
ことり「そうじゃなかったら、今すぐにでもドアを開けて、海未ちゃんに飛びつきたい」
ことり「ふーっ、ふーっ、ってしたいよ」
海未「……」
ことり「一度始まったら止められない……ねえ、海未ちゃん。もう諦めてことりの虜になって?」
海未「ことり……気をしっかりもってください。一度事態を収めてから、改めて私の気持ちを、私の意思で伝えたいんです」
ことり「もう無理だよ……我慢できないよ……海未ちゃぁん」
海未「ことり……」
希「海未ちゃん、廊下の向こうに誰か見えた!」
海未「…………わかりました。ことり……一度、離れます」
ことり「……」
海未「……次は、離れませんから」
96:
海未「お待たせしました。どこですか?」
希「あっちだよ」
にこ「こっちに向かって来てる……二人いるわ」
希「逃げたほうがええかな」
海未「……待ってください……あれは…………」
希「……凛ちゃんと、穂乃果ちゃんや!」
にこ「やっぱり凛もことりたちの手に落ちてたのね」
海未「いえ……様子がおかしいです」
希「凛ちゃん、穂乃果ちゃんに追いかけられてへん?」
にこ「え、凛は穂乃果から逃げてるってこと? じゃあ凛はまだまともなの?」
海未「凛が苦しそうです……あ、捕まる!」
希「助けへんと!」
にこ「あっ待ちなさい!」
97:
凛「はぁっ…………はぁっ…………」
穂乃果「まぁぁぁぁぁてぇぇぇぇぇ!」
凛(四人入れ替わりで追いかけてくるのはズルイよ……もう無理……疲れた……)
凛「はぁっ…………はぁ……………あっ」
凛(前に誰かいる……挟み撃ちされたにゃ……もうダメ……)
凛(……あ、違うかも……あれは……)
凛「……海未、ちゃん」
海未「凛!」
希「凛ちゃん!」
にこ「早くこっちきなさい!」
凛(あ、みんな普通だ。おかしくない。よかった……)
凛「……あっ!」
穂乃果「どーん!」
海未「凛!」
にこ「ったくこの馬鹿、凛から離れなさい!」
穂乃果「にこちゃん、んチューっ!」
にこ「わっ! こっちくんな!」
希「今の穂乃果ちゃんは見境なしやから気ぃつけて!」
凛「……み……みんなぁ……」
海未「凛、今のうちに立ってください!」
98:
にこ「ぐぬぬぬぬぬ……」
希「やっぱり二人がかりでも抑えるのはキツイわあ……!」
穂乃果「ねぇ誰でもいいからふーふーしようよーっ!」
凛「はぁ、はぁ……凛、もう走れない……」
海未「一旦離れてどこか休める場所へ行きましょう」
希「あっ! 敵の援軍!」
海未「え?」
にこ「ぎゃー! 花陽と絵里と真姫ちゃんが追いかけてきた!」
希「あちゃー、真姫ちゃん完全に目がイっとる……こらアカンわ」
凛「真姫ちゃん…………はぁっ……凛に託すって言って、捕まっちゃったよ……」
海未「真姫……」
凛「凛もう走れないから、みんな逃げて……」
にこ「そんなのできるわけないでしょ!」
凛「代わりに真姫ちゃんの伝言伝えるにゃ……」
海未「伝言?」
凛「凛にも意味わかんないけど……」
99:
希「もうえりちたちに追いつかれるよ! はよ逃げな!」
にこ「でも穂乃果どうすんのよ!」
凛「……はぁ…………えーいっ!」
希「わっ!」
凛「凛が抑えるから! 早く逃げて!」
穂乃果「わーい凛ちゃんにギュってされちゃったーえへへー」
凛「真姫ちゃんの伝言にゃ! 海未ちゃん、ことりちゃんを幸せにして!」
海未「え? 幸せ?」
凛「わー穂乃果ちゃん暴れないでー!」
希「海未ちゃんにこっち逃げへんと!」
にこ「くっ!」
凛「唇? 吐息? それも幸せだけど、他にももっと凄い幸せがあるって! そうすれば正気を取り戻すって言ってた!」
海未「唇吐息以上の幸せ……」
凛「もうダメ、抑えられないー早く行って!」
穂乃果「んー、凛ちゃん邪魔だから、先に凛ちゃんとふーってしよっか!」
凛「いやああああああああ!」
にこ「凛!」
絵里「…………のぞみー…………うみー…………」
希「えりちたちがきた…………凛ちゃん、ごめんっ! みんな行くよ!」
100:
凛「にゃああああああああああああ!」
海未「……凛……っ!」
にこ「…………ああもうっ!」
希「あっ、にこっち?」
にこ「ゴメン。二人とも先行って」
海未「先にって、にこはどうするのですか?」
希「一人で四人を相手にするなんて無茶やん!」
にこ「わかってるわよ。別になんとかするつもりはないわ。凛と一緒に捕まるだけ」
海未「そんな!」
にこ「凛ったら、あんなに疲れ切って、あんなに怖がってたじゃない。一人になんかできない」
希「にこっち……」
にこ「どうせ私はアンタたちの足手纏いになるし、まだあの唇吐息お化けどもの怖さよくわかってないし、別に平気よ」
にこ「ただ、この後は海未と希を追いかけるゾンビになっちゃうから、それは謝っておくわ」
海未「…………わかりました」
希「にこっち……」
にこ「希、海未のこと頼むわよ。海未、凛の伝言無駄にするんじゃないわよ。じゃ!」
海未「にこ……」
希「……行こう、海未ちゃん。凛ちゃんとにこっちのためにも」
101:
凛「うわあああああ嫌あああああ怖いいいいい!」
花陽「凛ちゃん、怖がらないで? 私たちと一緒になれば、とっても気持ちいいんだよ?」
凛「こんなこと言うかよちん変にゃー!」
真姫「凛…………ふーっ、気持ちぃ…………ヴェェェ」
凛「真姫ちゃんはもっと変にゃーさっきまで普通だったのにー!」
絵里「往生際が悪いわね……でも、すぐに良くなるわ」
穂乃果「じゃあ私がふーってするね! 行くよー!」
花陽「あの、凛ちゃんには私がしたいなあ……」
真姫「ヴェェ…………ふーっ…………ヴェェ…………」
絵里「あ、ちょっと待ってみんな、ことりがこっちに来たわ…………え?」
にこ「……ぁによ」
絵里「あら、にこも一緒なの?」
ことり「にこちゃん、凛ちゃんのために戻ってきたんだって」
凛「え……にこちゃん……」
にこ「抵抗するつもりなんてないから、襲いかからないでよ」
102:
凛「にこちゃん……どうして……」
にこ「大したことないわ。凛があまりにもビビってたから、来てやったのよ」
凛「だって、捕まったら、にこちゃんまでかよちんたちみたいに変に……」
にこ「凛がどれだけ襲われて怖かったのか知らないけど、私は怖いとかあまりないのよねー。まだ現実味がないっていうの?」
凛「にこちゃん……」
にこ「だから気にしないでいいわよ。私はなにも感じてないんだから」
ことり「そうだよ。それに、そんなに怖いことじゃないよ?」
真姫「ヴェェェェェェェェェ」
にこ「でもこの真姫ちゃんを始めに見てたらもっと怖かったかも」
ことり「大丈夫だよ、すぐにみんなみたいに普通になるから」
にこ「普通に海未たちの唇を狙う怪物もどきになるってこと?」
ことり「……そうだね」
103:
にこ「ったく、じゃーさっさと私たちも仲間に引き入れなさい」
凛「にこちゃん、凛怖いよ……」
にこ「平気よ凛、ことりの唇吐息は天国に感じるくらい気持ちいいらしいわ」
凛「そうなの?」
にこ「海未なんて一瞬で腰ヘロヘロになったらしいわよ。なっさけないわよねえ」
凛「海未ちゃんがヘロヘロ……? ぶふっ……おかしいにゃ」
にこ「そうよ、だから泣いてないで、そうやって笑ってなさい」
ことり「にこちゃん、準備はいい?」
にこ「おまたせ、悪いわね。ちゃんと私たちをとびっきりの気持ち良さで迎えなさいよ?」
ことり「うん、わかった。じゃあ二人とも、いくね?」
凛「ううっ……にこちゃぁん!」
にこ「ほら、手ぇ握っててあげるから」
ことり「すーっ…………ふーーーーーっ!」
にこりん「んふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
112:
―――
海未「……私たち以外、全員落とされてしまいました」
希「ウチらも時間の問題やろか」
海未「ここまで人数差が出ると、ことりたちを迎え撃つのも難しくなってきましたからね」
希「一人ずつ襲い掛かるつもりやったけど、二人一組とかで行動されたら厄介やなあ」
海未「どうしましょう……」
希「凛ちゃんが言ってた、真姫ちゃんの伝言ってどういうことなん?」
海未「真姫からということは、理事長から伝えられた解決策かなにかでしょうか」
希「ならいいんやけどねえ。言うてたことようわからんし」
海未「私がことりに、唇吐息以上の幸せを与える、といったような内容でしたが」
希「でも唇吐息って天国に昇りそうなくらい幸せなんやろ? それ以上なんてあるん?」
海未「思いつきません……ことりの唇吐息は、本当に凄まじい程の快感だったんです」
希「それ以上のものをことりちゃんにするんやろ? しかも二対七の戦力差で」
海未「いったいどうすればいいのでしょう……」
113:
投稿日:2015/06/12(金) 22:15:13.61 ID:92ddocuK.ne
希「海未ちゃん、さっき部室でことりちゃんと話してたことなんやけど」
海未「はい」
希「海未ちゃんとことりちゃん、ちゃんと気持ちは確かめ合えたんやね」
海未「はい。今日みんなに話を聞いてもらって、意見を言ってもらって、私の中でようやく気持ちがハッキリしました」
希「そっか。じゃあこの騒動も悪いことばっかりやなかったんかな」
海未「ですがこのまま私がことりの手に落ちて、無自覚なままにことりの虜になっては解決とはなりません」
希「そうなん?」
海未「互いの理解が無く、強制的に虜にするなど、真実の愛の形だなんて言えません」
希「詩人やねえ、さすがウチらの作詞担当」
海未「凛、真姫と伝えられた理事長からの打開策は、実際に理事長が体験したことだと思うんです」
希「理事長も昔ことりちゃんみたいな暴走したんよね。その打開策が、唇吐息以上の幸せ?」
海未「ことりのお父様にあたる方から実際に受けたからこそ、理事長は打開策として伝えたのではないでしょうか」
希「そっか、理事長も唇吐息の暴走の結果やなくて、正気を取り戻してから思いを伝え合ったのかもね」
海未「ならば私も見出してみせます。ことりの暴走を止め、きちんとことりと思いを伝え合うために!」
114:
―――
絵里「真姫…………ふーーーっ」
真姫「ヴェエェエェエェエェエェエェエッ!」
ことり「あっ、駄目だよ絵里ちゃん勝手にやったら」
真姫「…………っ…………っ……」
ことり「もう、段階が進むと理性は取り戻すけど、唇吐息の欲求が大きくなりすぎるんだもん」
絵里「ことり、私にもふーってしてよ」
穂乃果「ことりちゃん私もっ!」
花陽「私もして欲しいです!」
ことり「うーん、困ったなぁ」
凛「ふーっ……したい……にゃひひっ」
にこ「ふーっ……したい……にここっ」
ことり「むしろこっちの二人みたいに大人しいままの方がよかったかなあ」
穂乃果「絵里ちゃんふーーーっ」
絵里「あっあっ急にされたらっ! んあっ! だめっはげしっっっ!」
ことり「ああー……絵里ちゃん昇天しちゃった」
絵里「……んうっ! んうっ! はぁっ…………あっあんっ!」
ことり「人手が増えると大変だなあ」
115:
ことり(……私、なにやってるんだろ)
ことり(海未ちゃん捕まえるために関係ないみんなにまで迷惑かけて)
ことり(それに、みんなの唇にふーってしちゃって)
ことり(本当は海未ちゃん以外の人にしたくないのにな……)
ことり(このまま海未ちゃんもこっち側に引き込んだら、海未ちゃんも見境なくふーってするようになるのかな)
ことり(やだなぁ……私以外の人と、ふーってしてほしくないよ……)
ことり(でも、もう止められない……みんなのこともこんな風に虜にしちゃった)
ことり(このまま海未ちゃんを虜にしないままだなんて、絶対に耐えきれない)
ことり(無理やり虜になんてしたくないのに、虜にしないと治まらない)
ことり(なんなんだろ、この気持ち。中毒みたいに止められないよ)
ことり(これが…………好きってことなの?)
ことり(それともことりがおかしくなってるの?)
ことり(切ないよ……助けてよ、海未ちゃん)
116:
―――
海未「希、こっちです!」
花陽「動けないよ、海未ちゃん……こんなことしないで、一緒にふーってしようよ」
希「ごめん海未ちゃんお待たせ!」
海未「そこの教室に入ってドアを閉める用意を!」
にこ「海未、ふー、希、ふー、するわよ、ふー」
海未「……はっ!」
にこ「にごぉっ!」
希「海未ちゃん早く!」
海未「今です! 閉めてください!」
花陽「……………………海未ちゃん、希ちゃん、開けて? ドアが開けてくれないと、一緒にふーってできないよ?」
にこ「ドア、邪魔、ふー、できないわ、邪魔、ふー、邪魔」
希「……鍵閉めたけど、このままじゃ無理やり壊されかねへんわあ」
海未「幸い一階です、窓から外へ出ましょう」
希「せやね」
117:
海未「そろそろ陽が落ちる頃合いですか」
希「ずっと学校に残り続けることもできないし、どうにかせんと」
海未「私たちの間で事を収めたいのですが……」
希「ことりちゃんたちの数が増えたし、そのうち先生たちの目に止まってまうかも」
海未「あちらの数が増えたことで私たちも見つかる回数も増えてきましたし、苦しい状況です」
希「ようわからんけどことりちゃんたち全然疲れてへんし、しんどいわあ」
海未「希、大丈夫ですか? 厳しいようなら希だけどこかへ隠れてもらってもいいですよ」
希「頑張りたいんやけどねえ。海未ちゃんじゃないと一対一で勝てないし、ウチもそろそろ足手纏いなんかな」
海未「そんなことはありません。誰も足手纏いでも、敵でもありません」
希「敵じゃないん? ことりちゃんたちも? 海未ちゃんのこと狙ってるのに?」
海未「ことりは今、少しだけ自分を抑えられないだけなんです」
海未「元々は私とことりの騒動に巻き込んでしまっただけですし、ことりの暴走だって私の不甲斐なさがいけなかったんです」
希「相変わらず責任感が強いね。そんなに自分を追い込まんでもいいのに」
海未「ですが……」
希「はいはい、反省は一旦終了。昇降口着いたから、また集中しよ」
海未「……そうですね」
118:
希「…………とりあえず安全かな」
海未「何度か外に出ているにも関わらず、校舎への入口には誰も待ち構えていないんですよね」
希「ことりちゃんたちは適当にそこらへん探してるってことかな」
海未「そうかもしれません」
穂乃果「海未ちゃん見つけたー!」
海未「……と思いきや、ですよ」
希「海未ちゃん後ろも!」
凛「海未ちゃん、希ちゃん、リリホワふーしよ、リリホワふー」
希「なんやおもろいこと言ってるわあ」
海未「逃げ道がある限り強行突破はしたくないので、ひとまずは逃げましょう」
希「階段上がろっか。いい加減疲れてきたからしんどいわあ」
119:
にこ「にこおおおお」
花陽「ぱなああああ」
希「わっ二階にもおるやん」
海未「上です!」
絵里「待ってたわ!」
真姫「予想通りね!」
希「アカーン!」
ほのぱなまきえり「待てーーーー!」
にこりん「まてー」
希「大惨事やん!」
海未「完全に動きを読まれていたではありませんか!」
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