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【モバマス】ありす「プロデューサーはもう少しキリっとするべきです」
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〜次の日〜
P「ですから、ありすさんの助言のように……」
ありす「違います」
P「これからはキリッと、常識のある言葉遣い、人に敬意を払うように」
ありす「違うんですっ!」
P「……わかりました」
ありす「どう考えてもわかってませんが、聞かせてください」
P「まず呼び名を変えろ、ということですね。橘さん」
ありす「なっ」
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2: 以下、
P「確かにこれまで、配慮が足りませんでした。気を付けますので……」
ありす「どっ、どうして……」
P「では橘さん、レッスンの時間がおしています、参りましょうか」
ありす「あ、あのっ、プロデューサー」
P「どうかしましたか?」
ありす「……そのっ、私は」
輝子「あ……P、台本、知らないか、私の……」
P「おうそこだぞ、机置いといた」
ありす「っ!」
3: 以下、
ありす「なんで……」
輝子「……ん……あ、ありす……?」
ありす「……名前で、呼ばないでください」
P「輝子、ダメだぞ……橘さん、すみません。気を付けさせますから」
輝子「う、うん……ごめん……」
ありす「…………構いません。行きましょう、プロデューサー」
P「はい」
輝子「い、いってらっしゃい」
4: 以下、
P「今日のレッスンはですね」ブロロロ
ありす「……」
P「橘さんは昔と比べ表情がずっと豊かになりましたし、今度はそれをより…」
ありす「私は無愛想でしたか」
P「……そういうことでは」
ありす(……自覚はありました)
ありす(それでも最近は……だった、のに……)
5: 以下、
P「つきましたよ橘さん……橘さん?」
ありす「……すみません。考え事をしていました」
P「そうですか。悩み事なら相談をしてくださいね」
ありす「そうですね……プロデューサー」
P「はい」
ありす「今日のレッスンは……一人、ですか?」
P「いえ、合同で……」
ありす(合同、誰が……)
6: 以下、
P「とにかくレッスン場に入りましょうか……お?」ガチャ
幸子「もう、遅いですよ! ボクをこんなに待たせるなんて!」
ありす「!」
P「おう、すまんすまん」
幸子「全く、ボクのプロデューサーなんですからもう少しキリッとして貰わないと」
P「ああ、それは注意されてな、気を付けようと思ってるんだ」
幸子「まったく、仕方ありませんね……おや、橘さん? どうしたんですか?」
ありす「……いいえ、別に。早くレッスンを始めましょう」
幸子「そうですか……じゃあ、まずはストレッチからですね」
7: 以下、
幸子「じゃあゆっくり押しますね!」グイッ
ありす「んっ……」
幸子「……! 橘さん、や、柔らかい……なかなかやりますね……」
ありす「……」
P『ありす、今日はな……』
ありす「橘、さん……」
幸子「でもボクだって柔軟は毎日……あ、あれ、どうかしましたか?」
ありす「なんでも、ありません。次はこちらが押す番ですね」
8: 以下、
ありす「ありがとうございました幸子さん、交代しましょう」
幸子「……」
ありす「どうかしましたか?」
幸子「橘さん。強がりもカワイイですけれど、素直になったほうがもっとカワイイと思いますよ?」
ありす「何の話ですか。急すぎます」
幸子「なんとなくですよ。何か悩んでいませんか?」
幸子「なんならこのボクが相談にのってあげてもいいんですよ!」
ありす「……」
9: 以下、
ありす「それなら、一つだけ……」
幸子「! ふ、フフン、なんですか? なんでも来てください!」
ありす「幸子さん、私を呼び捨てにしてみてもらえませんか……?」
幸子「へっ?」
幸子「え、えっと……あ、ありす……?」
ありす「……」
10: 以下、
幸子「あ、あの。橘さん??これはいったい」
ありす「呼び捨てで、とお願いしたはずです」
幸子「う……ありす」
ありす「はい」
幸子「これで、いいんですか?」
ありす「……もう少しお願いします」
幸子「……ありす」
ありす「……ふふ」
幸子「笑わないでくださいっ、ボクだって凄く違和感がっ」
ありす「いえ……やっぱり私は……」
ありす(あの人に呼んでもらえるから、私はこの名前を……)
幸子「た、橘さん……!? なっ、なんでっ、泣いて……!」
11: 以下、
―――
P「あり……橘さん!」
ありす「……」
P「幸子から……連絡がありました。急に泣き出したと……大丈夫ですか?」
ありす「大丈夫に、見えますか?」
P「いえ……ですが、体調を崩しただとか……」
ありす「……そうですね。崩れちゃいました。ぐずぐずです」
P「担当アイドルの不調も見抜けない自分を情けなく思います、本当に申し訳ない……」
ありす「……まだ言うんですか」
P「まだ?」
12: 以下、
ありす「プロデューサー……いえ、Pさん」
P「ぴ、Pさん?」
ありす「ええ、Pさん、Pさんです、幸子さんにはそう呼ばれてますよね」
P「それは……そうですが、しかし」
ありす「しかしじゃありません。誰か一人だけを特別扱いするのは論理的ではないと思います」
P「……それなら、幸子……いえ、輿水さん側にも――」
ありす「どうしてそうなるんですか。Pさんと、幸子さんはいい関係ですよね?」
13: 以下、
P「でも……」
ありす「……わかりました、分かってくれないなら私はPさんのこと呼び捨てにします」
P「え」
ありす「ぴ、Pを困らしてやるんですからっ!」
P「きゅ、急に何を」
ありす「それくらいっ!……それくらい呼び名って、特別なんです……Pさんが今、困ってるくらい」
P「……」
14: 以下、
ありす「ね、P……さん。私のことを呼んでください」
P「……ありす」
ありす「はい」
P「ありす」
ありす「はいっ」
P「ありす」
ありす「はいっ!」
P「……ごめんな」
ありす「許してあげません。まだまだ足りないんですから」
15: 以下、
ありす「これからもっともっと呼んで貰わないと……ですからね、Pさん」
P「その、Pさんっていうのは、続投なのか?」
ありす「ダメですか……?」
P「うっ」
ありす「……P?」
P「わ、わかった! わかったそれでいい!」
16: 以下、
―――
P「仕事いこうか、幸子、ありすー」
ありす「はい。呼びましたか」
P「うん、しご……あの」
ありす「呼びました、か?」ギュッ
P「……ありす。離れてくれ」
ありす「Pさんはワガママですね」
P「うんうん、わかったから。ありす」
ありす「えへへ」
幸子「……」
P「……ん? どうしたんだ幸子」
17: 以下、
ありす「Pさん、行かないんですか?」
P「おい、手を引っ張るなって」
幸子「て、手を繋っ……ぴ、Pさん!」
P「ん、なんだ幸子」
幸子「……Pさんはもう少し、キリッとするべきですよ!」
P「なるほど……ありすにも言われたな……」
幸子「だ、だったらわかりますよね? ねっ」
P「ああ……いや。はい」
幸子「フフーン、だったら」
P「以降気を付けさせていただきます、輿水さん」
幸子「えっ」
おわり
18: 以下、
終わりです
読んでくれてありがとうございました
22: 以下、
幸子ちゃん、不憫な子…
23: 以下、
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