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悪魔「仕事するの面倒くさい」


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男「ただいま〜」
悪魔「Trick or Treat!」キラキラ
男「……」
悪魔「Trick or Treat!」
男「……え」
悪魔「Trick or Treat……」
男「(どうしたんだろう急に)」
悪魔「…Trick or Treat」ションボリ
男「悪魔?」
悪魔「…………」オロオロ
男「とりあえず時期は過ぎたよ?」
悪魔「!!」ガーン
男「そんな凹まなくても…」
悪魔「ようやく思いついた、イタズラなんさのに…」
119: 以下、
男「イタズラねぇ」
悪魔「退屈だったんさ」
男「それで何するつもりだったの?」
悪魔「? だからイタズラさね」
男「……、まぁ、とりあえずお菓子はあるからイタズラは出来ません」スッ
悪魔「ずるいんさ〜」ジタジタ
男「じゃあ、トリックオアトリート」
悪魔「え?」
男「お菓子がないから悪戯しよう」コチョコチョ
悪魔「ず、ずるいん、ひゃはははははは、や、やめ、ふははははははは」バタバタ
男「(笑い声は悪者っぽいな)」
122: 以下、
悪魔「……」イジイジ
男「(ふてくされてしまった)」
悪魔「……」ションボリ
男「悪魔ってさ」
悪魔「…何さね」
男「イタズラしたことないの?」
悪魔「よく知らないんさ」
男「(大得意なイメージなのに)」
悪魔「イタズラしたかったんさ」
男「イタズラは、基本は驚かせるものだからねぇ」
悪魔「そうなんさな」
男「こんな感じで」フーッ
悪魔「うひゃう、耳に息かけちゃダメなんさ」ゾクゾク
男「なんていうか、悪魔はイタズラ出来なそうだね」
125: 以下、
悪魔「明日はケーキ食べれるんさな」
男「何で明日?」
悪魔「クリスマスイブはケーキを食べて、盛り上がるものじゃないん?」
男「あぁ、そういやそんな日か」
悪魔「日本人は祭りごとにうるさいって聞いてるのに、男そうじゃないさね」
男「興味があまり、家族がそういうのしなかったからだろうけど」
悪魔「そうなんさか……。じゃあウチはケーキないんさ?」
男「食べたい?」
悪魔「食べたいんさ!」キラキラ
男「ま、考えとく」
悪魔「う〜、ダメだったら、ふてくされるさな!」
男「はいはい」
男「(まぁ、たまの奮発だな)」
126: 以下、
悪魔「ケーキさね!」キラキラ
男「ホールじゃないけどねぇ」
悪魔「チキンもあるんさな!」キラキラ
男「(スーパーの惣菜なんだけどね)」
悪魔「早く食べるんさ!」ワクワク
男「その前に、雰囲気に乗っ取って……、主よあなたのお恵みに感謝いたします」
悪魔「(あの神に感謝できることは、あんまりない気がするんさな)」
男「じゃあ食べようか。あ、シャンメリーもあるよ」
悪魔「お酒?」
男「をモチーフにしたジュースだよ」
悪魔「ふはは、楽しいんさな」
男「楽しんでくれて何より」
男「(今後はこういうのちゃんとやってあげよう)」
悪魔「男、食べないん?」
男「食べるよ、取り皿取って、切り分けるから」
悪魔「わかったんさ」
130: 以下、
悪魔「どうして毎日お祝いごとしないんだろうさ?」
男「それが当たり前になるからねぇ」
悪魔「どういうことさな」
男「じゃあ、悪魔は毎日さっきのチキンとケーキだけ食べたら、飽きない?」
悪魔「飽きるんさな」
男「それと一緒だよ、普通の日常があるから、こういうことがよく感じる」
悪魔「ふむふむ」
男「ありきたりになっちゃった話。だけどありきたりで、変わらないのはそれが答えだからだろうね 」
悪魔「じゃあたまにでいいんさ」
男「年に一度だけどね」
悪魔「……毎週したいんさ」ウルウル
男「却下」
悪魔「………」ションボリ
男「(毎週紙に祈りを捧げる悪魔というのもシュールだけどね)」
133: 以下、
男「掃除掃除と」バタバタ
悪魔「お掃除〜」フキフキ
男「ふぅ、コンロ周りの油はしつこいねぇ」
悪魔「疲れたんさ〜」
男「まだ二時間しか経ってないよ?」
悪魔「もう二時間なんさ…」
男「仕方ないな、悪魔は休んでていいよ」
悪魔「なんでさな。男も一緒に休憩するんさ」
男「俺はまだやらなきゃならないからねぇ」
悪魔「つまんない」
男「まぁ、コレを終わらせたら年末はゆっくりできるから、やれる内にやらないとね」
悪魔「……頑張るんさ」
男「ありがとう」
134: 以下、
悪魔「……」パタリ
男「お疲れ様、コーヒー呑む?」
悪魔「本当にすみからすみまで、掃除するんさな」グッタリ
男「大掃除だからねぇ」コトッ
悪魔「男はなんでそんなに真面目なんさ…」ズズッ
男「そうかな?」ズズッ
悪魔「なんていうか、表面的に見えるとこ、簡単に掃除するのが大掃除のイメージさね」
男「時間がない人ならねぇ。そこは余裕があるし」
悪魔「疲れたんさぁ…」ウツラウツラ
男「ゆっくりしてなよ。ご飯作るから」
悪魔「うん…」
135: 以下、
男さんは一家にひとり欲しい逸材
148: 以下、
悪魔「お餅お餅〜」ムニュー
男「好きだね」
悪魔「男は嫌いなんさ?」
男「嫌いじゃないけど、こればかりになるから、やや飽きるかな」
悪魔「そうなんさか」モニュモニュ
男「そろそろ餅は乾燥したかな?」
悪魔「そういえば、鏡餅バラバラにして乾燥させてたさな。なんなんさ?」
男「これを揚げるんだよ。塩、あとは気分でコショウをかける。お婆ちゃんのよく食べたでしょ?」
悪魔「アレなんさな、食べたいんさ」ジュルリ
男「まぁ、まだ乾燥必要だから待っててね」
悪魔「楽しみなんさ」キラキラ
151: 以下、
悪魔「どうして正月はご馳走を食べるんさ?」
男「新年の祝いは当然として、各家が保存食を持ち寄って集まるようになったのが理由と聞いたかな」
悪魔「そうなんさな」
男「あと、一カ所に集まるというのも、帰省する習わしになったとか。聞き伝手だから正しくないかもしれないけどね」
悪魔「男は帰らないんさ?」
男「誰もいない家に戻っても仕方ないからね」
悪魔「ここには悪魔がいるんさな」
男「そうだね」
156: 以下、
天使「お〜い、神」
神「なに〜」
天使「なんで男に悪魔を配属させたのよ」
神「悪魔の意志なんだけどね」
天使「そうなの?」
神「あの子寂しそうだから一緒に遊ぶんさ! て言って、制止も聞かずに行っちゃった」
天使「じゃあ自業自得か」
神「いいコンビでしょ」
天使「天使からすれば変わってほしい人材だけどね」
神「いや、それじゃ天使の仕事にならないからさ」
天使「チッ」
神「舌打ちせんでも」
159: 以下、
神「それはそれとして、いいとこにきたね」
天使「じゃあ仕事戻りますわ」
神「怒るよ〜、これでも神らしいんだから怖いよ〜」
天使「自分でらしい言うなよ」
神「まぁ、悪魔はいろいろ仕方ないとして、天使は仕事をサボりすぎ」
天使「あんなヤツ更正できんわ」
神「純正のダメ人間だからね」
天使「よく生きていけると思うよ」
神「ダメ人間なりに、ダメでやっていける技能を身につけていくから」
天使「てめぇ」
神「サボればサボるほど辛くなってくよ?」
天使「アイツ含め、神もいつかいてこます」
神「怖い怖い」
162: 以下、
天使「今ついてる人間は風呂入れっていうと、運んでとか言われる始末」
神「頼りにされてるならいいじゃない」
天使「顎で使われるの間違いだろ」
神「そこは天使らしくポジティブ考えれば?」
天使「いっぺん殴らせろ」
神「神ニ逆ラウ反逆者メ」ボウヨミ
天使「逆らうならとっくの昔にサタンさんに着いてってるがな」
神「サタンか〜、何してるの?」
天使「着いてった同期いわく、ギャンブル興じてるそうで」
神「好きだったもんなぁ。人間に魂とるからとかよく脅してたわ」
天使「人間界に毒されて、狂気の沙汰ほど面白いとか呟いてるとか」
神「サタンらしいなぁ」
165: 以下、
悪魔「退屈なんさ〜」
「我が子よ…」
悪魔「あ、サタン様。お久しぶりですさな」
サタン「まだあの男を堕落させられないのか?」
悪魔「うぅ、申し訳ございませんさ」
サタン「私が堕天した頃は多くの人間を堕落させたものだ…」
悪魔「サタン様はすごいんさなぁ…、それに比べて自分は…」グスン
サタン「な、泣くでない。貴様があの男を堕落させれば、悪魔の評判も上がるのだからな」
悪魔「……、自分には無理なんさ。だから代わりをお願いしてるのに神さん考えてくれないさな」シクシク
サタン「く、我が子を泣かせるとは、久し振りに天界に戻るとしよう」バサッ
悪魔「あ、サタン様………、サタン様にも迷惑かけてるんさ。悪魔失格なんさ…」シクシク
男「ただいま〜」
168: 以下、
神「いやぁ、今日もへいグボバ」ドゴン
サタン「よくも我が子を泣かしたな、俗神」
神「いや、いきなり不意打ちで蹴りかまして何言ってるの」ヨロヨロ
サタン「あの男に配属した我が子についてだ!」
神「だからどのおヘブア」ガスン
サタン「貴様はそれでも神か! 矯正してやるそこに直れ」
神「……痛い、しかもなんか覚えがある流れ」
サタン「貴様は神としての心構えが足りん、私が天界を堕(お)りる前からだな―――」ガミガミ
天使「(ひょっこり戻ってきたらサタンさんいるし。しかし、やってることが悪魔と同じだな。暴力の有無ぐらいで)」
神「勘弁してくれぇ…」ボソ
サタン「聞いているのか!」
神「すんません! 聞いてます!」
天使「(自分はあんな神の配下だってんだから、悪魔が羨ましいわ。まったく)」
171: 以下、
サタン「わかったか」
神「えぇ、重々に」 ヨロ
サタン「では、あの男に関してだがな」
神「念のために確認するけど、君の秘蔵っ子が担当してる男だね」
サタン「それ以外に誰がいる」ギロッ
神「君が、確認は大切なことと言ったと思うけど?」
サタン「……、その男だ」
神「それは以前言ったけど、あの子が自分の意志で担当した以上、もうこっちでは変えられないよ。君自身の分身なんだから」
サタン「続けろ」
神「君は天使の概念だったけど、働きが認められ、独自に行動できる力を持った。この時点で、神に絶対性の権利行使はできない」
サタン「……」
神「そしてあの子は、その君自身の分身だ。絶対性の権利行使は、当然出来ない。君がするなら別だけど、天界の仕事はこちらの管轄、君の領域外だ」
天使「(ふ〜ん)」
175: 以下、
神「つまり、あの子が本当に男の担当を辞める意志を持たない限り、配属は解けない」
サタン「しかしだな…」
神「この事は、もう何回と話したはずだよ。あの二人の関係は、どちらにしてもイレギュラーであり、そしてこちらで解決はできない」
サタン「……」
神「親馬鹿構わないけど、もうその事では放っておいたら?」
サタン「我が子を見捨てろと?」
神「むしろ幸せじゃないの。誰かさんみたいに仕事仕事で暴走しないだけね」
サタン「貴様…」
神「君は優秀。それは変わらないよ」
サタン「当たり前だろう」フフン
神「だがそれだけに幸せではなかった」
サタン「……」
神「全ての幸福を願うのが神、しかしそれは、降伏を成り立たせるための不幸も容認すること」
サタン「…」
神「ここからは独り言。なら神は何のために存在するのかな。それが時折、わからなくなるよ」
サタン「……」
179: 以下、
神「まぁ、何度来られても結論は変わらないよ。どうにかできるなら、こっちも何かしらの手段は講じている。あの子が優秀であることに、変わりはないのだから」
サタン「当たり前だ、我が子なのだからな」エヘン
神「それと、できれば会うたびに暴力振るうのやめてくれるかな。これでも神なんだよ」
サタン「堕天した存在に貴様は何を言っているんだ?」
神「まぁ、確かに天界とは関係ない君に強制できることじゃないだろうけど。これでも、友人として君とは接してるつもりなんだよ」
サタン「む」
神「同胞を大切にする悪魔が、友人といっている存在に攻撃するのはどうかと思うんだけどね?」
サタン「……考えておこう」
神「……(本当に考えてくれてるのか、これも毎回いってるのに)」
サタン「私は一度、我が子の下に戻る」
神「そうするといい、きっといいものも見れるさ」
サタン「? まぁいい、さらばだ」バサッ
神「………、さてと、天使。出てきなさい」
天使「うげ、バレてた」
神「まがいなりにも神だから。今聞いたことは他言無用ね、当然、悪魔自身にも」
天使「あー、別にいいけどさ」
神「けど?」
天使「配属を外されたいってあいつはいってるし、伝えてもいいんじゃねーかなって」
神「本心じゃない以上、言ったって無駄さ」
天使「まぁ、そりゃあそうなんだけど」
神「いいじゃない、イレギュラーを認めなきゃ、奇跡は世界に起きないもの」
天使「まぁ、神がそういうなら」
神「神ですんで」ドヤァ
天使「殴っていい?」
182: 以下、
悪魔「自分はダメなんさ〜」シクシク
男「どうしてダメなの?」
悪魔「人間を堕落させるのが仕事なのに、何もできてないんさ…」シクシク
男「そうそう簡単に人は堕落させられないよ」ポンポン
悪魔「う〜、う〜」シクシク
男「まぁ、悪魔はゆっくりでいいんじゃないかな」
悪魔「でも、サタン様に申し訳ないんさな。せっかく目をおかけいただてるさに…」
男「ダメじゃないから、そうなんでしょ。ならいいじゃない」ポンポン
悪魔「………」グスン
サタン「ふん、邪魔者は去るか」
185: 以下、
悪魔「…………」グシグシ
男「さて、お腹も空いたし、ご飯食べようか」
悪魔「……」コクン
男「今日は冷えるからおじやでいいかな」ガチャゴソゴソ
悪魔「……」
男「(悪魔が騒がないのは落ち着かないな。まぁ、今はそっとしとくのが一番か)」
悪魔「……」
男「………」カチッボー
悪魔「……」
男「……」トントントン
悪魔「……」
男「……」ジャー
悪魔「……」
男「……」グツグツ
悪魔「……」
男「出来た、食べるよ」
悪魔「うん…」
189: 以下、
悪魔「……」モグモグ
男「……」モグモグ
男「(まるで、実家みたいに静かだな)」ゴクッ
男「(一家団欒というのは、記憶にない。忘れているだけかもしれないけど)」コトッ
男「(悪魔が来てから、少なくとも独りではなくなった)」モグモグ
男「(考えたことはなかったけど、悪魔がいなくなったら、また独りか)」
男「(学校でそれなりに親しい人はいるけれど、身内ではない)」
男「(元の生活、か)」カチャッ
男「御馳走様」
悪魔「ごちそうさまなんさ」
192: 以下、
男「………」ズズッ
悪魔「……」ズズッ
男「……」コトッ
悪魔「…男」
男「どうしたの?」
悪魔「ご飯、おいしかったんさ…」
男「そう、良かった」
悪魔「うん…」
男「…(少しは機嫌治ったかな?)」
悪魔「……、少し、サタン様に会ってくるんさ」
男「そっか。行ってらっしゃい」
悪魔「うん、すぐ戻るんさ」
195: 以下、
悪魔「(サタン様がどこにいるのかは、なんとなくわかるんさ)」パタパタ
悪魔「(よくはわからないけど、自分はそうらしいさな。皆はわからない)」パタパタ
悪魔「(その理由は、神さんもサタン様も教えてくれないんさが…)」パタパタ
悪魔「あそこさね」トンッ
悪魔「(なんだか、怖い雰囲気の建物なんさね)」ポテポテッ
悪魔「(ここさな)」ガチャッ
サタン様「ツモ、純チャン、リャンペーコー、清一、ドラ四。数え役満だ」
「ありえねぇ…」
「普通の役満より見ることなんて無いぞこれ…」
199: 以下、
サタン「(悪魔か)」
「ん? なんで扉が開いてるんだ?」
サタン「さぁ、悪魔でも入ってきたんじゃないか?」
悪魔「」ビクッ
「へ、悪魔じみたヤツに言われると冗談には聞こえねぇな」
サタン「まさか、私は一介のギャンブラーにすぎない。さて、次にいこう」チラ
悪魔「(あ、ちょっと待ってればいいんさな。サタン様の横に居ようっと)」ポテポテッ
「……(そろそろやらねぇと、負けるぞ)」
「……(次に仕掛ける、ヘマすんなよ)」
サタン「ククッ、さぁ始めようか」
201: 以下、
「……(発をよこせ、大三元だ)」
「……(目立ちすぎるぞ)」
「……(今は緊急事態だ、よこせ)」
「……(わかったよ)」サッ
サタン「…………」タンッ
「それだ、ロン!」パタッ
サタン「ほう、なかなかいい手じゃないか。上がれるならな」
「何言ってやがる、確かに…」
サタン「高い手で気持ちが舞い上がるのもわかるが、フリテンに気を付けないとな」
「な!?」
サタン「私の捨て牌と、同じものが君の捨て牌にもあるように見えるぞ?」
「てめぇ、イカサマを…!」
サタン「ほお、不思議なことを言う」
悪魔「……」ドキドキ
205: 以下、
サタン「そうだな、面白いついでに一つ提案しよう」
「なんだと」
サタン「私も貴様等がイカサマをしたと考えている」
「何の証拠があっていいやがる」
サタン「そう、互いにイカサマをしたなんて証拠はない。しかし、疑わしい。だから、イカサマを認めようじゃないか」
「なんだって…?」
サタン「イカサマでの上がりはチョンボにもならないルールにするということさ。正規のルール自体はそのままだがな、次はフリテンであがるなよ?」
「てめぇ…」
サタン「後はそうだな、こんなルールだ。負けたら魂を貰う」
「は、かまわねぇぜ。なぁ?」
「あ、あぁ」
サタン「同意は得た、始めよう」ニヤリ
悪魔「(…ぁ、ゾワッとしたんさ)」ビクビク
209: 以下、
「……(2萬をよこせ)」
「……(おう)」
サタン「早交換か、よほど手が悪いと見る」
「……!(こいつ、マジで気付いて?)」
サタン「が、まぁ残念ながらツモだ。タンピンツモ、ドラ2。満貫だ」
「たった三巡で…」
「くそ!」
サタン「まだ君達には親番もあるし、局も続く。楽しもうじゃないか」
「く…!」
悪魔「(うぅ、怖いんさな。早くおわらないんさか)」
サタン「………」チラ
悪魔「……(もう少しらしいんさ。我慢我慢)」
211: 以下、
悪魔「(結局サタン様が圧勝? して終わったんさな。相手の人はふらふらとして出ていっちゃったけど、どうしたんだろうさね)」
サタン「追いかけてくるとは思わなかったぞ、悪魔」
悪魔「すいませんさな、お遊び中にお邪魔しちゃったんさ」
サタン「何、あれも仕事の一環だ」
悪魔「そうなんさね?」
サタン「まぁ、お前が知る必要はない…。どうした、と聞くまでもないか」
悪魔「う…」
サタン「お前の考えていることは、何も間違ってはいない」
悪魔「でも、皆がんばって結果を出してるのに、自分だけ何もできてないんさな…」
サタン「人を堕落させるのは、容易なことではない。いうまでもないことだろうがな」
悪魔「……」
サタン「お前はゆっくりでいい。あの男を堕落させるのはな」
悪魔「わかりましたさな」
サタン「…、いつか、わかる日が来るだろう。ではな」バサッ
悪魔「え、サタン様。いっちゃったんさ」
悪魔「………、何がいつ、わかるんだろうさね…?」
215: 以下、
悪魔「(…結局、よくわかなかったんさ)」パタパタ
悪魔「(サタン様、神さんは、何を考えてるさな……)」パタパタ
悪魔「………」トン
悪魔「あ、部屋の明かりがまだついてるさね」ポテポテ
悪魔「……」ポテポテ
悪魔「ただいま」ガチャ
男「おかえり」
悪魔「まだ起きてたんさ?」
男「もう寝るよ、おいで」ゴソゴソ
悪魔「…うん」ゴソゴソ
男「おやすみ」カチッ
悪魔「おやすみ…」
男「………」
悪魔「………」
男「………」Zzz...
悪魔「………」
男「………」Zzz...
悪魔「……」スピー
219: 以下、
悪魔「退屈なんさ…」
悪魔「どうして男がいないと退屈なんだろうさね?」
悪魔「う〜ん……」
悪魔「閃いたんさ!」
悪魔「男が遊んでくれないのは、何かしなくちゃならないことをすませてないさから、遅くなるんさね」
悪魔「自分がやっちゃえばいいんさ」
悪魔「じゃあまず、ご飯を作るんさ」パカッ
悪魔「ざ、材料がないさな。そういえば男は買ったら使い切らせるだったんさ」
悪魔「じゃあお掃除は……」
悪魔「汚いところが、見あたらないんさ……」
悪魔「じゃあ次は……」
223: 以下、
悪魔「………」ションボリ
男「ただいま……。どうしたの?」
悪魔「出来ることがないんさ」ションボリ
男「出来ること? ごめん、どういう意味?」
悪魔「男といっぱい遊びたいから、出来ることを探したけどなかったさね……」
男「なんだ、そんなことか」
悪魔「なんだとはなにさね!」プンスカ
男「悪魔がいつも遊びたがるから、事前に掃除とかいろいろできることはして学校行ってるんだよ?」
悪魔「そうだったんさ?」
男「そうだよ」
悪魔「………ありがとうさな」モジモジ
男「どういたしまして」
227: 以下、
男「………」カリカリ
悪魔「(でも結局勉強するんさね)」イジイジ
男「……」カリカリ
悪魔「(よくわかんないんさが、受験っていう、大事なことがあるらしいさな)」
男「…………」ペラッ
悪魔「(堕落させなきゃダメさけど、男を困らせたくもないんさ)」
男「………」カリカリ
悪魔「(う〜ん、どうしたらいいんさね?)」
男「ふぅ、今日はこれでいいか」
悪魔「………」キラキラ
男「……今日はもう寝ようかな」
悪魔「……!」ガーン
男「嘘だよ、何しようか?」
悪魔「うぅ、騙すなんてひどいんさ」
230: 以下、
男「……(合格。やることはやってたからね)」
男「……(一般的に大事な日だって言うのに、あの人たちは仕事、仕事か)」
男「……(いつものことだから、かまわないけれど)」
「ひっく、ぐす」
「…、お前は頑張ったよ」
男「……(もし、不合格だった時、あんなふうに慰められたのかな?)」
男「……(考えたって、仕方ないことか)」
男「……(周りにクラスメート達の姿も見える。声をかけられる前に、退散しよう)」
男「……」コツコツ
男「あ、そうだ」
男「……(悪魔がたぶん、退屈だって騒いでるだろうから、何かお土産買ってあげよう)」
男「……」チラッ
男「…、これから通う場所だって言うのに、なんの気持ちもわかないな」
男「ま、いいか」
233: 以下、
男「……(こういう時は、お祝いするんだよな多分)」
男「とりあえず、商店街に来たけど、何にしようかな」
男「……(無難に唐揚げとかの揚げ物かな)」
「お兄ちゃん、何欲しいだい?」
男「とりあえず唐揚げとは考えてるんですが、オススメはありますか?」
「そうだねぇ、チンジャオロースが今日のオススメだね」
男「じゃあそれと、後はこの春雨サラダを二つ」
「はい、ありがとうございます。合格を見に来た帰りかい?」
男「そんなとこです」
「親御さんは?」
男「二人は、忙しい身なので」
「しっかりしてるねぇ。じゃあおっちゃんからの祝いで、このコロッケもおまけだ」
男「そんな、悪いですよ」
「こういうのは、ちゃんと祝われないとダメだと、おっちゃんは思う」
「この人、頑固だからもらっときな」
男「…ありがとうございます」
「おう、またきてな」
236: 以下、
悪魔「……う〜」ジタバタ
悪魔「退屈なんさ」
悪魔「男は、すぐ帰るって言ってたのに、嘘吐きなんさな」
悪魔「……はぁ」
男「ただいまー」
悪魔「遅いんさ!」プンスカ
男「ごめんごめん、買い物しててね」
悪魔「う〜…、いい匂い、何を買ったんさな」
男「からあげとかの惣菜だよ。お腹すいたでしょ、少し早いけどご飯にしよう」
悪魔「わーい」
239: 以下、
悪魔「はぐはぐもぐもぐ」
男「ご飯は逃げないから、ゆっくり食べないと」
悪魔「〜〜〜!」ドンドン
男「いわんこっちゃない、ほらお茶」
悪魔「………!」ゴクゴク
悪魔「ぷはぁ、はぁ、はぁ、苦しかったんさ」
男「ちゃんと味わおうね」
悪魔「わかったんさ…、コロッケ一つしかないんさが、食べていいさな?」
男「…ま、いいよ」
悪魔「………、えい。はい、どうぞ」
男「全部食べていいのに」
悪魔「はんぶんこなんさ!」キラキラ
男「…そっか。なにかける?」
悪魔「ケチャップがいいさな」
男「わかった」
242: 以下、
悪魔「コロッケも美味しいんさ」モグモグ
男「そっか、良かったね」チョロー
悪魔「男は醤油なんさな」
男「食事の時はね」モグモグ
悪魔「よくわからないんさ」
男「間食とかはケチャップがいいかな、おやつ感覚になるし。味付きならそのままでいいけど」
悪魔「ソースはご飯に合いそうさが」
男「今回はこってりしたおかずが多いからね、だから醤油」
悪魔「マヨネーズはどうさな」
男「好む人は好むけど、俺はそこまでかな」
悪魔「ふ〜ん」モキュモキュ
244: 以下、
男「御馳走様」
悪魔「ごちそうさま」
男「お茶淹れるね」カチャカチャ
悪魔「わかったんさ」
男「………」ジャー
悪魔「男」
男「うん?」キュッキュッ
悪魔「ゴウカクしたんさか?」
男「してた」カチッボー
悪魔「おめでとうなんさ!」
男「ありがとう」
悪魔「……嬉しくないんさ?」
男「嬉しいよ」フツフツ
悪魔「それならいいんさが」
男「……まぁ、やることはやってたから」ピー、カチッ
悪魔「そうさな、男は毎日勉強してたんさ」
男「ん」コポコポ
悪魔「………(どうして嬉しそうじゃないんだろうさ?)」
男「はい、コーヒー」コトッ
悪魔「ありがとうさな」
男「……」ズズッ
悪魔「……」ズズッ
男「悪魔」
悪魔「うん?」
男「祝ってくれてありがとう」
悪魔「?」
男「ま、気にしなくて良いよ、ただの気まぐれ」
悪魔「ふ〜ん」
248: 以下、
男「……朝、か」
悪魔「…スピー」
男「よく寝てるなぁ…」
悪魔「……男、遊ぶ」ムニャムニャ
男「夢の中まで遊びたがってるのか」ツンツン
悪魔「…ん、やぁ」モゾモゾ
男「……いつでも悪魔は、いつも通りだね」
悪魔「……スピー」
男「さて、ごはん作ってあげるかな」
悪魔「…遊ぶ……」ムニャムニャ
252: 以下、
悪魔『どうしてなんさね?』
悪魔『どうして悪魔を嫌うんさ?』
悪魔『間違ったことをしてないのに、皆悪魔を嫌うんさな』
悪魔『悪魔達は間違ったことしてないさのに…』
悪魔『天使は皆嫌ってないんさな』
悪魔『でも、天使は神の試練を伝える存在なんさよ?』
悪魔『神の試練は大変なんさ、だから天使が補佐はするけど、どうするかは自分なのさに』
悪魔『どうしてなんさね』
悪魔『どうして皆』
悪魔『悪魔を嫌うんさ?』
256: 以下、
男「起きて、悪魔」
悪魔「う〜ん、う〜ん」
男「熱はない、病気ではないようだけれど……」
悪魔「う〜ん…」
男「起きた、大丈夫?」
悪魔「…うん? 何がさな」
男「うなされてるみたいだったけど」
悪魔「………、覚えてないんさ」
男「やな夢でも見てただけかな? 具合が悪くないなら、良かった」
悪魔「うん」
男「ご飯はできてるよ、顔洗ってきてね」
悪魔「わかったさね」
悪魔「……、なんでさか、スゴく寂しい気持ちなんさ…」
259: 以下、
悪魔「男、遊ぶんさ」ベッタリ
男「恥ずかしがり屋の悪魔にしては、珍しいアプローチだね」カリカリ
悪魔「なんか寂しいんさな、ダメ?」
男「悪い訳じゃなくて、なんか新鮮かな」カリカリ
悪魔「そうさか……、受験が終わったのにまだ勉強なんさ?」
男「勉強は毎日するものだよ。それに、合格よりも、講義についていく事の方が大事」ペラ
悪魔「……つまんないんさ」ベッタリ
男「まぁ、前よりは量は少ないから、そろそろ終わるよ。待ってて」
悪魔「わかったんさ!」キラキラ
262: 以下、
悪魔「んふふ〜」
男「(足の間で座って、楽しそうにテレビ見てる)」
悪魔「……ん、どうしたんさ男」
男「特に何もないけど」
悪魔「そうさか」ポス
男「(頭も体に預けてきた。よほどいやな夢でも見たのかな?)」
悪魔「楽しいんさ!」
男「それならよかったけど」ナデナデ
悪魔「ん、もっとやってほしいんさ」
男「わかったよ」ナデナデ
悪魔「気持ちいいんさ〜」
265: 以下、
悪魔「………スピー」
男「(……そのまま寝ちゃった)」
悪魔「………スー」
男「(……まぁ、こんな日もいいか)」ナデナデ
悪魔「んぅ……」
男「(……たまに異様に寂しがる時があるけど、それが関係してるのかな?)」
悪魔「……スヤスヤ」
男「(悪魔と過ごした時間は長いけど、天界? ってとこにいた頃の話は聞かない)」
悪魔「………」
男「(その頃に何かあったのかな)」
悪魔「……男、一緒」スピー
男「うん」ナデナデ
266: 以下、
悪魔「……ムニャムニャ」
悪魔「………」パチリ
悪魔「……んん」ゴソゴソ
悪魔「…………ベッド、男は…?」
悪魔「男、どこいったんさ?」キョロキョロ
悪魔「男………」
悪魔「……ヒック、グス」
男「…ふぅ」ジャー
悪魔「男!」ウルウル
男「あ、起き……、またなんか見たの?」
悪魔「男、どこいってたんさぁ〜」シクシク
男「トイレだよ」ナデナデ
悪魔「う〜、う〜」メソメソ
男「(ほんと、どうしたんだろ。いつものよりひどい。悪魔を知る人に会えれば手っ取り早いけど…)」
神「クチュン、あれ、神って風邪引くの?」
天使「知らんがな」
270: 以下、
男「……ん」
男「なんだ、ここ」
男「悪魔を慰めてベッドに横になってたのは覚えてるけど…」
「やぁ、どうもどうも」
男「……貴方は?」
「そんなことより、悪魔のことを知りたいんでしょ?」
男「……」
「そりゃあ、訳の分からない場所、得体の知れない存在が、考えてることを当てたら警戒するかな」
男「………(自分でいうんだ)」
273: 以下、
「こっちにもいろいろあるんだけど、悪魔がらみなら無理もできるからね」
男「いろいろ尋ねたいですが、悪魔について聞かせてもらっていいですか?」
「そうだね。話せる範囲でだから、ふぁっとした感じになるけど、悪魔は悪魔という存在で間違い無い。ただ悪魔は悪魔自身ではない」
男「謎かけみたいですね」
「そうだね。理解してもらうには、存在として居るものは、存在を分けることができる。現代でいうとコピーかな」
男「………」
「とある存在が、自身をコピーした。だからそのコピーはその存在そのものとも言える」
男「つまり」
「言い方は悪いけど、君のところにいる悪魔はコピーということ」
274: 以下、
「君達でいうならいわばクローンだけど、クローンは肉体が同じで精神は違う。全て同じ記憶は持ち合わせないからね」
男「では、悪魔はその逆?」
「ご飯を食べたり一緒に寝たりするからわからないだろうけど、あれは君の世界で生活しやすくするための器。存在に形なんてないんだよ。とはいえ、最近では器での生活が楽で皆何らかの視認できる姿をとるけどね」
男「悪魔は、もしかして…」
「天界認定の勤勉者は話が早いね。悪魔は今、その元が願ったことが、強く表に出てきてる」
男「なら…」
「物騒な上に不可能なことを考えるね君は。存在を消すのはできない。君が存在したことも消せないように」
男「………」
277: 以下、
「こちら側が心配してるのは、極端にいえば、悪魔がその元の存在に成ってしまうこと」
男「根本が同じだから?」
「そんな理解でいいよ」
男「なら、悪魔に何をすればいいんですか」
「一緒にいてあげて、それだけだよ」
男「今までも一緒でしたよ?」
「それもそうだね。だからそれでいいんだよ」
男「理解ができませんよ」
「君が不安がると悪魔も不安がる。だから君の不安を解消しに来ただけだから」
278: 以下、
男「悪魔があんな状態だったら、不安にもなりますよ」
「そっか、悪魔は大事?」
男「言うまでもないです。悪魔は家族なんですから」
「嫌ったりしない?」
男「なんで嫌う必要があるんですか」
「なら大丈夫だよ」
男「………」
「昔、とても真面目で優秀な存在がいた。天界は可愛がっていたけれど、人間の世界での扱いは逆だった」
男「それは……」
「ま、最後まで聞きなよ。その存在は人間がなぜ、嫌うのかわからなかった。頑張れば頑張るほど、嫌われていく。そして、新しい存在になり、理由を理解できた時、憎しみはなかった。あったのは、天界さえも想像できないほどの、癒せない悲しみだった」
279: 以下、
「その存在は、共鳴してくれた存在と共に、天界を離脱し人間の世界に堕りたった。そして、本当の意味で、嫌われ、憎まれる行動を開始した」
男「……」
「悪魔にそうなって欲しくない。それは、このことを話す存在も思うことだよ。また暗黒時代が訪れるのを避けるのなんてのは、どうでもいい。また救えない仲間ができるのは、いやなもんだからね」
男「わかりました」
「君には迷惑をかけるかな、それこそ生涯」
男「今更、悪魔がいない生活なんて想像できません。それに」
「うん」
男「なんであれ、悪魔に救われたんです」
280: 以下、
「悪魔に救われた、か。面前でそう人間に言われると、立場がないかもね。君達の価値観では」
男「あなたは……」
「理解する必要はないよ。してもどうせ忘れる」
男「どういう……」
「そろそろお目覚めの時間だよ。また何もかも忘れてしまうけど、君は何もかも無意識に理解できる」
男「―――」
「悪魔を頼むね。この存在にも、あの存在にも、出来ないことだから」
男「」スッ
「じゃあね」
284: 以下、
神「ま、これで古株さん達も騒がんでしょ」
天使「神が試練以外で人間にあっちゃあかんだろ。毎回毎回」
神「神としては会ってないし、よく忘れられる友人ってとこ?」
天使「なんで疑問なんだ」
神「さぁね。とりあえずこれで問題ないでしょ。そもそも問題なんかありゃしないのに」
天使「それにしちゃあ、かなり悪魔はサタン様よりになってるみたいだけど?」
神「どうせ今悪酔いしてんのが、悪魔に影響与えてんでしょ。今だけさ」
天使「酒癖悪いからなぁ…」
神「というわけで、サタンにも会ってくるよ」
天使「そんで」
神「ん?」
天使「悪魔は本当に問題ねぇの?」
神「ん〜、心配性なのか、それとも友人だからか」
天使「……」
神「もし、男が、悪魔を見捨てる時が来たら、仕方ないからラグナロクでも起こすさ」
天使「……」ゾクッ
神「ま、それは有り得ないけどね。じゃあ行ってくる〜」シュンッ
天使「……、そうなったら、マジでやる気か。頑張れ男」
287: 以下、
サタン「う〜……ヒック」
神「これまた派手に呑んでるねぇ」
サタン「ん〜、神なんさなぁ。一緒に呑むさかぁ?」
神「遠慮しておくよ。君もいい加減呑み方を覚えたらどうかな」
サタン「ふふふぅ〜、どう呑もうと勝手さな〜」
神「(口調が悪魔時代に戻ってるな)」
サタン「なんかあったんさ〜?」
神「君が悪酔いしてるせいで、悪魔にも影響が出てる」
サタン「あ〜……、あの子がなんだかんだで一番理解してくれるんさな〜」
神「そりゃあ君自身だしね」
サタン「んふふふふ〜」
291: 以下、
神「だけど君自身でもない、この意味もわかるだろう?」カタン
サタン「ふふふ〜、説教さかぁ?」
神「君がしっかりしてくれないと、悪魔が不安定になるし、それで天界も大騒ぎになる」
サタン「ん〜んふ〜」
神「ひいては悪魔が配属してる男にまで影響して、最悪彼は悪魔を見捨てるかもしれない」
サタン「んふふ〜、それはないんさなぁ」
神「ほぉ」
サタン「私を見くびるんじゃないさ〜。男が悪魔を見捨てたら、貴様が天使にラッパを吹かせるさな〜」
神「さぁ…、どうだろうね」
サタン「男には悪いんさが、まだ私は酔っぱらうさな〜」グビグビ
神「まったく…、酔いが醒めて後悔しても知らないよ。じゃあね」カタン
サタン「神〜」
神「うん?」クル
サタン「ありがとうなんさ〜」
神「出来れば素面の時に聞きたいね……。やれやれ、古株さん達をどう言いくるめるか」パタン
サタン「んふふふふ〜、一人酒は寂しいんさな〜」トポポポポ
天使「お付き合いしますよ、サタン様」ヒョッコリ
サタン「おお、天使さな。呑もう呑もう」
天使「ではいただきますよ」
天使「(……悪魔がサタン様。なら、ダチに付きあわねぇと天使の名が廃るよな。はは、神と同じで損な役割だよまったく)」
294: 以下、
男「………」パチリ
男「………ふぅ」
男「(なんだかとても大事なことを、忘れてしまった気がする)」
悪魔「ムニャムニャ…」
男「……よしよし」ナデナデ
男「(落ち着いたかな?)」
男「(まぁ、落ち着いてなくても、一緒にいればいいみたいだからね)」ナデナデ
悪魔「んぅ……」モゾモゾ
男「……ご飯、買いに行くのは起きてからでいいか」
男「(…陽が沈むな)」
悪魔「…一緒、ずっと」ムニャムニャ
男「うん」
295: 以下、
男「(悪魔と出掛けるのは久し振りかな)」テクテク
悪魔「んふふ〜」パタパタ
男「(他の人に、悪魔は基本見えないらしい。悪魔もあまり話しかけないようにしてくれるから助かるけど)」テクテク
「お、兄ちゃんまたきたんか」
男「えぇ、今日は少し家事の手を抜こうかと思いまして」
「偉いねぇ、その歳で自立してるなんてうちのバカ息子も見習ってほしいぜ」
悪魔「あ、男。コロッケ食べたいんさ!」
男「ははは、じゃあコロッケ2つと……、肉じゃがとゲソ揚げください」
「あいよ!」
悪魔「今日は贅沢なんさね!」ジュルリ
男「(普段、そんなに質素かな?)」
298: 以下、
悪魔「はぐはぐもぐもぐ!」
男「……悪魔」
悪魔「ん、なんふぁね」モグモグ
男「最近忙しさにかまけて言ってなかったけど、落ち着いて食べなさい。それと口に物がある時は話さない」
悪魔「むぅ」モニュモニュ
男「それに、なんとなくわかるけど、惣菜屋のおじさんが丁寧に作ったおかずを、味わわないで食べるのはもったいないよ」
悪魔「わかったんさね」
男「……おいしいね」
悪魔「うん!」
301: 以下、
サタン「うええええ」
天使「(こんな有り様じゃ皆も呑みに付き合いたがらない訳だ)」サスサス
サタン「うっぷ、すまないな天使。うく」
天使「とりあえず中の物全部だしちゃいましょう」
サタン「そう、くぷ、うええええ」
天使「(悪魔も呑むようになったらこんな感じなんだろうか)」サスサス
サタン「ふぅ、ふぅ。人の器とは面倒なものだな」
天使「(それは貴方の呑み方の問題でしょう)」
サタン「天と地が回る。ふふ、ログナロうええええ」
天使「今は黙って出し切ってください」サスサス
サタン「すまんな……」
306: 以下、
男「……さて、講義の説明なんかは受けたし」
男「(今日はもう帰るか。騒がしくサークルの勧誘もやってるから、見つからないように行かないとな)」
「おぉ、誰かと思えば」
男「うん?」クル
「やっぱり男君、この大学に来たんだ」
男「……、どうもです。先輩」
先輩「あからさまに嫌そうな態度は、心にくるよ?」
男「嫌ではありませんが、失念していたというか」
先輩「忘れられてたと丁寧に言われるのも、くるよ?」
男「では、失念していて、あまりお会いしたくはありませんでした」
先輩「……俺のこと嫌いですか」
男「どうでしょうね?」
先輩「じゃあ、久しぶりだから、ちょっとコーヒーでも飲もうよ」
男「お断りします」
先輩「なんでじゃ〜!」
307: 以下、
このまま性別わからずいきそうなのでいいますと。
先輩は男性
308: 以下、
なにやら複雑なご関係……?
310: 以下、
男「(やり取りが目立ってしまい、一緒にコーヒーを飲む羽目に)」ズズッ
先輩「うん、おいしい」ズズッ
男「そうですね」
先輩「今までどうだった?」
男「いつも通りですよ」
先輩「それなら良かった」ズズッ
男「(さて、どうしたものかな)」
先輩「それで、あの子は元気なの?」
男「えぇ、元気です」
先輩「それならいいんだ」
男「気になるならお会いすれば良いんじゃないですかね?」
先輩「そうしたいのは山々なんだけど、いろいろあるの」
男「そうですか…」
先輩「元気ならそれでいいかな。じゃあまた」チャリン
男「あ……、こういうことはしっかりしてるけど、よくわからない人だよ」
先輩「変な波長だったけど、あの様子なら大丈夫そうか」
先輩「世話係だった立場としては、あの方の変調になるから確かめないわけにもいかないしね」
先輩「ルシファーとしての活動を辞めたつもりなんだけど、どうしても気になるのは眷属だからかな」
先輩「(ま、いっか。今はそこらにいる人間と同じ、先輩って存在として生きるだけだ)」
311: 以下、
男「(不思議というか、掴みどころのない人だ)」
男「(何より、悪魔を見ることができるみたいで、前は良く話を聞いてきてたな)」
男「(付き合いはそれなりに長い、中学生あたりだったかな。会ったのは)」
男「(不思議なのは、結構目立つタイプなのに、会うまで存在に気付かなかったことと)」
男「(あの人の妹、自分のクラスメートも今まで兄が居るとは言ってなかったこと)」
男「(仲がいい兄妹なだけに、そこらがいまだにひっかかるというか)」ガチャ
男「ただいま〜」
悪魔「おかえりなんさ!」
314: 以下、
男「ふぅ、講義も終わったな。これならついていけそうだ」
男「……(さて、多分そうだろうけど)」
先輩「やぁ、男君」
男「ちゃんと講義は受けてるんですか、先輩」
先輩「驚かないばかりか、君もいきなりダイレクトなことを聞くね」
男「お会いする気がしましたからね」
先輩「君は相変わらず勘がいい」
男「どちらかというと、先輩の行動がわかりやすいというか」
先輩「そうかな?」
男「そうですよ」
男「(毎回、はかったように鉢合わせしてた訳で)」
315: 以下、
男「(そしていつも通り、喫茶店でコーヒーを飲むと)」ズズッ
先輩「ここは、うん」ズズッ
男「(先輩的に外れのご様子)」
先輩「しかし、君が同じ大学に来てくれて、退屈しなくて済むね」
男「こっちで友人は作らなかったんですか?」
先輩「地元だから?」
男「疑問で返さないでくださいよ」
先輩「普段、確かあれ……え〜と」
男「ぼっちですか」
先輩「そうそれ、昔からそうだから問題ないかな」
男「先輩がそれでいいならいいのかと」
先輩「そうそう、女(いもうと)も入学したんだ。前と同じく仲良くしてやって」
男「そうなんですか」
先輩「聞いてないの?」
男「聞いてませんね。受験シーズンはまっすぐ家に戻って勉強してましたから、女さん含めて皆さんと関わる時間があまりありませんでした」
先輩「君らしい」
男「ほめ言葉として受け止めておきます」ズズッ
先輩「(受験勉強なんてしなくても、合格するのに、さすが天界認定の勤勉者か)」
320: 以下、
男「ところで、先輩は何かサークルに入られてるのですか?」
先輩「特にはないけど、どうしたの」
男「入っていないならいいんです。もし入る羽目になったらそこは避けたかったものですから」
先輩「本人目の前にして、あっさり言うよね…」
男「どういう訳か、よくお会いしますから、そこまで接点はなくていいかなと」
先輩「やっぱり男君は、嫌ってるよね?」
男「嫌いではないのですが……」
先輩「ですが?」
男「先輩と居るのが嫌です」
先輩「それが嫌いと言わないかな?」
男「嫌悪感はないのでけどね」
323: 以下、
先輩「しかし、どうにも男君には拒否されてるね」
先輩「あの方と常にいるから、自分の何らかの波長を感じての拒否なんだろうけど」
先輩「……ね、どう思う?」
「うぅ………」
先輩「伊達にルシファーを名乗ってた訳じゃないのよ、ガブちゃん」
「ガブちゃんゆ〜な!」ガバッ
先輩「だってガブリエルって長いし」
ガブ「長くない! あぁ! 台詞のとこまで!」
先輩「やっぱりガブちゃんは丈夫だねぇ」
ガブ「ガブリエルだ〜!」
326: saga 2015/03/14(土) 22:53:33.10 ID:vPP66Nua0
先輩「それに、君は伝達屋さんなんだから、いちいち自分に突っかかってこなくても」
ガブ「天に仇なす不届き者を見たら成敗しなきゃだめだろう!」
先輩「いやいや、離反組はサタン様含めて天界と停戦協定を結んだはずだけど?」
ガブ「それでもだ! お前はその時ルシファーとしての存在を返還していない!」
先輩「ルシファーとしてはもう存在して(いきて)ないよ?」
ガブ「それは戯言だろう!」
先輩「うーん…、とりあえず君は頭冷やしなさい」ピッ
ガブ「ちょ、動けな。あ、行かないで! これから荷物届けないと!」
先輩「こっちの世界のアルバイトも、配達屋さんにしなくてもいいのにねぇ」スタスタ
ガブ「待ってーーー!!」
329: 以下、
ガブ「うぅ、困ったぞ…」
男「……(難しそうな顔してる運送屋さんが、道端で座りっぱなし、避けるべきかな)」クル
ガブ「そこの青年、待って〜!」
男「…(さて、困った)」
ガブ「助けて〜!」
男「…(諦めよう)」
男「どうしましたか?」ニコ
ガブ「メチャメチャ営業スマイルですやん」
男「…何もなければ先を急ぎたいのですが」
ガブ「ごめんなさい。奇妙だと思うけど、とりあえず思いっきり押してほしいぎゃあ」
男「押しましたよ」
ガブ「えぇ!? こんなあっさり?」
男「ではこれで」スタスタ
ガブ「あ、行っちゃった。お礼できてない…」
ガブ「あ! 配達しなきゃ!」バタバタ
ガブ「(しかし、あの青年は何者なのかなぁ)」オニモツオトドケニキマシター
330: 以下、
男「ということがあったよ」
悪魔「そうなんさか〜」
悪魔「(……どこかで聞いたことがあるような話さね)」
男「どうかしたの、悪魔?」
悪魔「ん〜、多分なんでもないんさ」
男「気になる言い方をするね」
悪魔「自分でもよくわかってないんさね。ごめんさな」
男「ふぅん?」
悪魔「(もやもやするんさ…)」
男「ん、なんだろ」オニモツオトドケニキマシター
悪魔「……う〜ん」
ガブ「男さんでよろし、あ」
男「うわぁ」
悪魔「!?」
333: 以下、
ガブ「先ほどはどうもありがとうございました!」
男「いえ、お気になさらず。あと荷物受け取ってもよろしいですか」
ガブ「はい。こちらです!」
男「どうも、サインしますから伝票とペンをいただけますか」
ガブ「あ、すいません。こちらです」
男「……、はいどうぞ」スラスラ
ガブ「ありがとうございました、失礼します!」ガチャバタン
男「……、とりあえず誰から。父さんか」
悪魔「(確かあの人は神のメッセンジャーさんさね。えと、名前忘れたけど間違いないさな)」
334: 以下、
男「何を送ってきたのかと思えば……。変な像か」
悪魔「(…なんでメッセンジャーさんが、こっちの世界のお仕事してるんだろうさな)」
男「地元の人がくれたお守りの神像…、おすそ分けってことはいくつももらったのか」
悪魔「(メッセンジャーのお仕事少なくなったからなんさかね?)」
男「とりあえず飾ってはおくか。ここいらでいいかな」
悪魔「(信託としてきたわけじゃないさなら、男は関係なさそうなんさ)」
男「ここでいいかな。どう思う悪魔?」
悪魔「え、あ、何がさな?」
男「この像の飾る位置」
悪魔「……!?」
男「どうしたの」
悪魔「だ、誰かに似ててびっくりしたんさよ」
男「そっか」
悪魔「(……どうみてもサタン様そっくりなんさ)」
337: 以下、
男「悪魔」
悪魔「なにさね」
男「さっきこの像が誰かに似てるって言ってたけど、誰に?」
悪魔「え〜と、ん〜と…、誰かに似てるんさが、その、誰かが忘れてしまったんさね」
男「あ〜、よくあるよね。そういうこと」
悪魔「そうさよね。だからよくわからないんさ!」
男「そっか」
悪魔「(サタン様、多分男は常に見れるだろうさが、話しちゃいけない存在さに…。ごめんなんさ男)」
男「(なんか隠してるみたいだけど、話せないことみたいだ)」
340: 以下、
悪魔「ちなみにこの像はどこにあったんさ?」
男「南米だって、なんでも村人達から神の使いとして崇められてる存在なんだってさ」
悪魔「へ、へぇ」
悪魔「(どちらかというと、神と敵対した方なんさが…)」
男「なんでも、重度になりやすい疾病が流行り、神の怒りと思った村人達が懺悔の祈りをしていたら、その必要はないと現れて、次々に治したらしいよ」
悪魔「すごいさなぁ」
悪魔「(きっと、村への神の試練を、サタン様が反抗して払っちゃったんさね)」
男「(完全に知ってるっぽいな)」
341: 以下、
悪魔「う〜ん」
悪魔「(自分はいいんさが、悪魔の頂点を部屋に飾ってたら変な奴が来そうで恐いさな)」
悪魔「(それでなくても、勘違いした人間の集団が悪魔払いとかするさに)」
悪魔「(…なんで、皆悪魔を嫌うんさかなぁ、自分達が祀る神さんの使者に変わりないんさが)」
悪魔「(皆男みたいに受け入れてくれて欲しいさね)」
悪魔「(………男まださかなぁ、退屈なんさ)」
344: 以下、
男「じゃあもう帰りますね」
先輩「毎日ありがとね〜」フリフリ
先輩「……さてと、可愛い後輩のためにってことで頑張りますか」
男「………」テクテク
「………」スタスタ
先輩「よいしょっと」ヒョッコリ
「!?」
先輩「こんにちは、の挨拶は不要だね」ヒュッ
「な!?」
先輩「悪いけど三流のエクソシストが絡むと、ラグナロクな世界になるからさぁ」
「む〜! ん〜!」ジタバタ
先輩「ちょっとそこまでお茶しようね」ヒュン
男「………うん?」クルリ
男「先輩ついてきてるのかと思ったけど、気のせいだったか」
347: 以下、
先輩「という訳で、ガブちゃんあとよろしく」
ガブ「ガブちゃん言うな! でも、あの好青年さんが噂の悪魔の配属先だとは気付かなかった」
先輩「(ガブちゃんの勘はいつも通りだめだめね)」
「ん〜! ん〜!」
ガブ「エクソシストさん。申し訳ないのだけど、あの人には手を出さないで欲しい」
「……」キッ
ガブ「君の手で、世界に黄昏を招きたい、というなら仕方ないけれど。その時は、君が抹消されてしまうからね」
「……」
「言ってしまうと、君が祓おうとした悪魔は、今まで君が祓ってきた紛い物と違う。その上、本物の悪魔すらも超える存在」
348: 以下、
ガブ「僕は今、伝えられるギリギリの部分で話してる。君達の世界で言う、誠意をもって」
「……」
ガブ「あの人をそのままにしていれば、黄昏もなく、祓おうとした存在も、君達が思う悪さはできない」
「……」トローン
ガブ「天界の意志によって命じる。この事は忘れ、君の生活に戻りなさい……。拘束を解いて」
先輩「あいよ」パチン
「……」フラフラ
先輩「行ったね。いやぁさすが伝達屋。人の心に響く言葉が巧いね」
ガブ「それが役割だか……、じゃなく、貴様等がちゃんとしてないからこうなったんだろう! 一歩間違えれば取り返しがつかなくなったぞ!」
先輩「いや〜、まさしくね。知らずに核爆弾のスイッチで遊ぶ子供のそばにいる心境だったよ」
ガブ「核爆弾? なんだそれは」
先輩「ガブちゃんて、ほんと色々疎いよね」
349: 以下、
先輩「とまぁ、ここ一年ぐらいは護衛無くても問題なかったんだけどね」
ガブ「謎だな…」
先輩「あの手の連中も、男に気付かないからさすが神様だなぁと思ってたけど。これは調査しなきゃダメかな」
ガブ「私も手伝おう。仕方ないから休戦する」
先輩「助かる助かる。荒事専門だから、説得できる存在はありがたいからねぇ」
ガブ「ふん、しかし荷物を運んだ時に、何ら変なものはなかった」
先輩「……ちょい待ち。男のとこ行ったの?」
ガブ「そうだ」
先輩「中身」
ガブ「え?」
先輩「荷物の中身は検品したか?」
ガブ「お客様の荷物を勝手に開けたらダメだろう!」
先輩「ガブちゃん。君またちょっと反省して」ピッ
ガブ「な! くそう、休戦を申し込んだ相手に、卑怯者!」
先輩「荷物に悪魔が関わるものがあったら、少し怒るからね」
ガブ「あ……」
先輩「すぐ戻るよ」
352: 以下、
男「……存在感あるなぁ、この像」
悪魔「うん…、そうさね」
男「やっぱり祀られる存在ってのはそうなのかな、毘沙門天とかモアイとか写真で見るとすごい存在感は感じるし」
悪魔「そうさな〜」
悪魔「(会ったことあるけど、考えてるのがよくわからない二人なんさよな)」
男「ん、像がゆれてる…?」
悪魔「本当なんさ、カタカタいってるさね」
男「地震? それにしては、電気の紐はゆれてな、うわ!」バカーン
悪魔「ふ、粉砕したんさ」
男「……父さんのいたずらか?」
悪魔「男のお父さん、すごいことするんさね」ビクビク
男「いたずらが生きがいなんじゃないかと思う時はある」
悪魔「そうなんさか」
男「…、ま、何にしても片付けよう」
悪魔「ほうき持ってくるんさ〜」
先輩「……、マジもんの神像。かつ、サタン様の像。そりゃあ悪魔が色濃くなるわけだ。まったく」
353: 以下、
先輩「ガブちゃん反省」
ガブ「うぅ…」
先輩「あれだけ強力な神像運んでて気づかないなんて。ガブリエルの存在返還したらどう?」
ガブ「申し訳もない。神様にこのことを報告して」
先輩「本気にしなくていいから。君の代替用意するだけで、何百年かけなきゃいけないと思ってるの」
ガブ「うぅ…」
先輩「しっかし、あんな神像を送りつけたのが誰かってことだけど。まぁ、男の親父さんなのは間違いないか」
ガブ「そいつを粛清すれば汚名挽回できるか?」
先輩「言葉通りに汚名が余計に増えるよ」
ガブ「え、え」
先輩「言葉をもうちょっと覚えようね。まったく、神託する時以外は本気でダメだよね」
ガブ「……」シクシク
先輩「男のお父さんも特殊なの、だからあの一家はあんまり一緒にいさせられない」
ガブ「そうなのか」
先輩「最初はお父さんだけですんだのに、悪魔が配属されてカオスになって」ブツブツ
ガブ「ル、ルシファー?
354: 以下、
先輩「悪魔の力の濃さが抜けるまでは、またしばらく護衛に戻るか。仲間も召集かけておかないと」
ガブ「……私も手伝いを」
先輩「しなくていいよ」
ガブ「……ごめん」
先輩「はぁ、君の尻拭いはいつもだろう」
ガブ「……うぅ」
先輩「嫌じゃないけどさ。できればもうちょっと抑えてほしいかな」
ガブ「が、頑張る」
先輩「……こうやって、ゆっくり話すのも久しぶりかな」
ガブ「お前がサタンについていって、堕天しなければ…」
先輩「ん〜? まぁ、面白そうだったし。天使の職も飽きてたからねぇ」
ガブ「ずっと、一緒に入れると思ってたんだぞ」
先輩「お、お暑い告白?」
ガブ「違う!」
先輩「自分がどういう存在になっていこうと、ガブリエルが友達なのは変わらないよ」
ガブ「…そうか」
先輩「さーて、あいつら今どこにいるんだろうなー。ベルちゃんはどうせ食道楽だろうからすぐ見つかるだろうけども」
ガブ「私も、貴様の仲間の行方を追っておこう」
先輩「それは頼むよ」
358: 以下、
男「なんだか最近」
先輩「はいちょっとごめんね〜」
男「周りが騒がしいと思うんだけど」
「ちょっとお兄さん、あそこで焼き肉奢ってよ。いやでも引っ張ってくよ」
男「平和な住宅街だよな」キョロキョロ
ガブ「天界の意志によって(ry)」
男「何故だろう。何か起きている気がしてならない。悪魔に何かが…?」
先輩「(男君はほんとに勘がいいね)」
男「念のために急いで戻ろう」
ガブ「……、なかなかの量だな」
先輩「でしょ。大変なんだよまったく」
ガブ「して、ベルゼバブはどこに?」
先輩「ベルちゃんは、エクソシスト無理やり引っ張って、焼き肉奢らせてる」
ガブ「可哀想だな」
361: 以下、
男「ただいま」
悪魔「おかえりなんさ」
男「ふむ……」ジッ
悪魔「どうかしたんさね?」
男「大したことじゃないよ」
男「(悪魔に変な様子はない、気のせいだったかな?)」
悪魔「男、男?」
男「うん、どうしたの」
悪魔「どうしたのかは男なんさね。ボ〜っとしてたさよ」
男「ちょっと考えごとしてた。なんでもないよ」
悪魔「それならいいんさが…」
男「さて、今日の講義、まとめるかな」
悪魔「遊ぼうさね!」
男「これが終わったらね」
悪魔「う〜」
364: 以下、
「シクシク……」
「これに懲りたらあの人追い掛け回さないようにねー」
ガブ「それでいくら使わせたんだ? ベル」
ベル「常識的範囲で10万ぐらいかな」
ガブ「常識的なのか」
ベル「私にとってはね」
ガブ「ではあまりこの世界では常識的ではないな」
ベル「むしろ足りないくらいなんだけどなー」
ガブ「まったく、あまり目立つ行動をするな」
ベル「こんな事態になったのは誰のせい?」
ガブ「うぐ」
ベル「しかし、サタンも迂闊だねぇ、自分の神像を放置しておくなんて」
ガブ「その村にも一度来訪しなければな」
ベル「そのほうがいいかもねぇ。それでルシファー様は?」
ガブ「彼らのところに行っている。私はこれから彼の部下を探すところだ」
ベル「そ、がんばってー」
ガブ「あぁ………。しかし、あの存在を呼び捨てか。さすが同列に並ぶ存在だな。信託を争ったころが懐かしいものだ」
367: 以下、
ベル「やっほ〜い」
先輩「ベルちゃんか、いきなり呼び出してすまないね」
ベル「ん〜ん、気にしないよ。あの子達はどうしてるの?」
先輩「いつも通り、平和だよ」
ベル「平和じゃないんだけどねぇ」
先輩「あえていうなら彼が悪いわけではないからね」
ベル「そうね。なんだかんだで一番の被害者なのは、彼かな」
先輩「そうだね」
ベル「……ルシファー様」
先輩「うん?」
ベル「お腹すいた」
先輩「おにぎりあるよ」
ベル「やた!」
370: 以下、
ベル「んふふ〜」モギュモギュ
先輩「ベルちゃんは、なんでも美味しそうに食べるね」
ベル「おいしいよ?」モギュモギュ
先輩「そっか。今までどうしてたの?」
ベル「ご飯食べてた」
先輩「それはわかってた」
ベル「……騎士団の皆が力持て余してたから、相手してたかな」モグ
先輩「あぁ…、彼等も元気にしてるみたいね」
ベル「この件を知ったら我先に来るだろうけどね」ズズッ
先輩「そうして欲しいけど、悪魔サイドの力をコントロールできないとねぇ」
ベル「お、カップ味噌汁イケる。後で買わなきゃ」ズズッ
先輩「買い占めないようにね」
371: 以下、
男「今日は休講か。何か材料買って帰らないと」ウィーン
男「(昼間に作る予定無かったから、汁物はインスタントでいいかな)」
男「え」
男「……インスタントスープ系が枯渇したとか、そんなニュースあったっけ? 棚がそのコーナーだけガランとしてるけど」
男「(困ったな)」
男「まぁいいか、中華スープに卵入れれば即席でできるからね」
男「(多分棚卸しとかしてるとこに出くわしたのかな。じゃなきゃ買い占めだけど)」
男「インスタントスープをわざわざ買い占めする人なんて、いないか」
ベル「くしゅん。ん、風邪かな?」
先輩「ないない」
372: 以下、
どんだけ気に入ったのw
374: 以下、
男「お待たせ」コトッ
悪魔「ご飯ごは〜ん」ウキウキッ
男「まぁ、ありあわせだけどね」
悪魔「おいしそうさよ?」
男「そう言ってくれると助かる」
男「(食費の意味合いでも)」
悪魔「男早く座るんさ、いただきますしないとだめさな」
男「そうだね」
男&悪魔『いただきます』
男「………」モグモグ
悪魔「……」ハグハグ
男「そういえば」
悪魔「何さな」
男「インスタントスープが売り切れてたんだよね」
悪魔「そうなんさか」
男「好きでもあれだけ大量に買う人はいるのかな」
悪魔「いるんじゃないさかね」
悪魔「(そういえば、食べるの好きな方がいらっしゃったさな)」
ベル「へきし。ルシファー様、やっぱり風邪だって」
先輩「ないない」
375: 以下、
礼儀正しい悪魔
378: 以下、
ベル「風邪を引いたのでベルは帰ります」
先輩「……、まぁ、いいけどね」
ベル「引き留めないんですか」
先輩「ん〜? 悪魔は自由であるべきじゃないかな」
ベル「………」ボソッ
先輩「ん、何か言った?」
ベル「何にもないですよ〜、これから何食べようかな〜って」
先輩「ほんとによく食べるねぇ」
ベル「好きですから!」
先輩「いいことだ。そろそろガブちゃんも来るし、そこで交代かな。気にせずいって」
ベル「は〜い、それじゃ!」タタタタ
ベル「……ルシファー様が、一番自由じゃないじゃん」
379: 以下、
ベル「ん〜」カタカタ
ベル「お、いたいた」カタカタ
ベル「召集かかったから、とっとと来なさいと」カタカタ、ターン
ベル「返答前に、このインスタントスープでも飲もうと」ズズッ
ベル「………」ズズッ
ベル「きたきた」
ベル「ゲームで忙しいから無理。だと思ったよ」ズズッ
ベル「騎士団にネット回線つぶしてもらうよ、っと」カタカタ、ターン
ベル「なんてくるかな」ワクワク
ベル「やなものはやだ。か。しかたないなぁ」
ベル「薄い本で手を打たなきゃ、パソコンごと騎士団に壊してもらう。と」カタカタ、ターン
ベル「これで堕ちるかな?」
ベル「何々? ○○さんの軍艦ものとアイドルで手を打つ。細かいなぁ」
ベル「ならとっとと来なさい。ベルフェゴール、と」カタカタ、ターン
ベル「これでルシファー様も楽できるかな?」
382: 以下、
男「ふぅ」
男「(やっぱり、なんかこう起きてる気がするんだけど、平穏なんだよなぁ)」チラチラ
男「(誰かに見られている感じだけど、誰か居るわけでもない)」ガチャガチャ
男「ただいま〜」
悪魔「おかえりなんさ!」
男「今日も何もなかった?」
悪魔「何もないさよ?」
男「それならいいんだけどさ」トサッ
悪魔「何かあったんさか?」
男「うん。何もないんだけどね」
悪魔「変な男なんさ」
男「ひどいなぁ」
男「(まぁ、平和なんだよね)」
ガブ「魔女裁判時を思い出すエクソシストの人数だな」
先輩「誰のせい?」
ガブ「………」
385: 以下、
先輩「いい加減、三人のローテーションじゃキツいかな……、ん?」
「………」テクテク
先輩「あら、ベルフェ君が来るとは思わなかったよ」
ベルフェ「………」
先輩「あぁ、なるほど。ベルちゃんに頼まれたのか」
ベルフェ「………」
先輩「脅されたのか。まぁ、強引だからね。来てもらったからには手伝ってもらうけど、構わないね」
ベルフェ「………」
先輩「そっか、何にしても助かるよ」
ガブ「……一言も発してないぞ?」
先輩「そうだけど、ベルフェ君わかりやすいから」
ガブ「(まったくわからんが…)」
386: 以下、
ルシファーさんコミュニケーション力高え
388: 以下、
ガブ「(ルシファーと入れ違いでベルフェゴールが警備に当たっているのはいいが)」
ベルフェ「………」
ガブ「(会話はまったくない。光のない目で周囲を確認しているようだが、微動だにもしない)」
ベルフェ「………」
ガブ「(やりづらい……。別にお喋りをしたいわけではないが、嫌な沈黙だ)」
ベルフェ「………」
ガブ「(早くベルゼバブが交替しにきてくれると助かるのだがな)」
ベルフェ「………」タンタンタン
ガブ「どうしたベルフェゴール、妙な機械を触って」
ベルフェ「………」スッ
ガブ「ん……。帰ってゲームしたい……。ダメに決まってるだろう! それよりもそれぐらいは話せ!」
ベルフェ「………」タンタンタン、スッ
ガブ「話すのが面倒。じゃないわ!」
ベルフェ「……(うるさい)」
391: 以下、
男「ふぅ」チャプ
悪魔「いい気持ちなんさ」チャプ
男「そうだね」
悪魔「………」ボーッ
男「………」ボーッ
悪魔「ずっとこうしてたいんさな」
男「のぼせるし、風邪引くよ」
悪魔「それは嫌なんさな」
男「でもたまに、どこか遠くでのんびりしてみたいね」
悪魔「旅行いきたいんさ!」
男「ん〜、その場合旅費とかをどうするかだなぁ」
悪魔「あ……、ごめんなんさ」チャポン
男「お金は普段使わないから、いくらかはあるよ」
悪魔「え。じゃあ何がだめなんさ?」
男「ダメとは言ってないよ。悪魔は見えから1人分で済むけど、ご飯とか出るとこだと悪魔の分が出ないからね」
悪魔「それは嫌なんさな」
男「素泊まりが一番楽そうかなぁ」チャプ
ガブ「頼むからこの状況で出かけないでくれ」
ベルフェ「………(ゲームしたい)」
394: 以下、
男「こんな時のための旅行サイト」カタカタ
悪魔「綺麗なところがいっぱいさね〜」キラキラ
男「そうだね」カタカタ
悪魔「地元特産和牛のしゃぶしゃぶ…」ジュルリ
男「個室でゆっくり食べるのが、結局落ち着くからなぁ」
悪魔「う〜ん」
男「人に見えるように出来たりしないの?」
悪魔「できるさよ。ただずっとは無理なんさ」
男「まぁ、一緒にいなきゃ行けない時ぐらいに姿出せばいいからそこはいいとして。年格好はどんな感じ?」
悪魔「ちょっと待つんさ……。んん」ポンッ
男「ギリギリ中学生ぐらいか。仲のいい兄弟か、従兄弟で誤魔化せるかな」
ベル「いいなぁ、和牛のしゃぶしゃぶ…」
ベルフェ「………(ログボまで後少し)」
397: 以下、
男「という訳で割とすぐに連続休みがあったので旅行に」
悪魔「この乗り物早いんさなぁ」ワクワク
男「そうだね」
悪魔「そろそろご飯食べようさな」
男「はいはい」ガサガサ
悪魔「んふふ、美味しそうなんさね」
男「そうだね」
悪魔「ん、なんなんさな。この紐」
男「引っ張ると温かくなるんだよ」クイ
悪魔「わ、なんかすごい音がするんさ」
男「大丈夫だよ」
悪魔「すこし怖いんさ…」
「(………兄弟かな? 見た目違うけど)」
「(あんな可愛い子が下の子なんていいなぁ)」
ベルフェ「………(ネトゲしたい)」プルプル
先輩「(ベルフェ君、禁断症状が出かけてるな)」
400: 以下、
男「うん、観光地という風情だね」
悪魔「……寝ちゃったんさ」ショボン
男「まぁ、そこそこ長旅だったからしかたないよ」
悪魔「乗り物からの景色が見たかったんさね」
男「それは帰りにでも見れるよ」
悪魔「そういえば、どこに泊まるんさ?」
男「えーと、プリントアウト地図だと、もう少しかな」
悪魔「しゃぶしゃぶ♪ しゃぶしゃぶ♪」
男「花より団子だねぇ」
悪魔「景色も綺麗さよ?」
男「桜が散って、緑になりつつある。いい雰囲気だね」
悪魔「そうさなー」
ベル「あ、このお団子おいしそう」
先輩「(ベルちゃんは、本当に花より団子)」
ガブ「温泉に入る時は、押すなよ、絶対押すなよというのが作法なのだよな?」
先輩「君も何に影響を受けた」
ベルフェ「………(いい女がいる)」
先輩「手を出したら粛清するからね。ベルフェ君」
先輩「(こっちは完全に留学生の引率者だな)」
404: 以下、
男「思っていたよりも大きいな」
悪魔「ふえ〜」
男「なんにせよ、チェックインしないと。え〜と」キョロキョロ
「ご予約のお客様ですかな」
男「あ、はい。予約しておりました男と、従兄弟の悪魔です」
「ようこそ、○○旅館へ。私はこの旅館のオーナーでございます」
男「ご丁寧にありがとうございます」
悪魔「(…この人、懐かしい気がするんさ)」
男「悪魔、終わったから行くよ?」
悪魔「え、あ、わかったんさ」
先輩「君の経営するホテルで助かったよ。マモン」
オーナー「いえいえ、こちらとしては天界の最重要人物、つまりVIPをお迎えできるのですから、問題はありません」
先輩「問題があったら、終わりだからね」
オーナー「これは失礼。万全は期しております」
先輩「助かる。まぁいつもの商売だと思って気楽にね」
オーナー「畏まりました」
407: 以下、
「こちらがお客様のお部屋になります」
男「離れ、ですか。確か別料金だったような」
「実はご予約頂きました後、ご案内していた部屋が、システムのエラーで他のお客様と重複しておりました」
男「なら、その方をこちらの離れにしていただいた方が」
「誠に恐縮ですが、先にお見えになられたので、どちらかをお選びいただくようお願いしたところ、自分達は元々の部屋で良いとのことでして」
男「なるほど、しかし予算の都合があるのですが」
「その点は、元々の料金でご宿泊頂いて問題ございません。オーナー様にご了承も頂いております」
男「……、わかりました。ここからはまっすぐ行くだけ、部屋につけますよね?」
「左様でございます」
男「道案内はこれで大丈夫です。行こう悪魔」
悪魔「わかったんさ〜」
ベル「私達はどこの部屋なの?」
オーナー「宿泊料を頂ければご自由にお選びできますよ」
ベル「む〜、足元見おって〜」
先輩「(マモンも相変わらずね)」
408: 以下、
男「綺麗だ」
悪魔「広いお部屋なんさ」
男「旅館側の手違いだけど、分相応ではないかな」
悪魔「部屋変えるんさ?」
男「そうしたいけど、旅館側の誠意と、譲ってくれた人の好意を無視することになるからね。こんな機会もめったにないだろうし」
悪魔「良かったんさ、ここの眺め気にいったんさな」
男「そっか」
悪魔「荷物はここでいいさかな」トスッ
男「しばらく、休んでから、外でも歩こうか。人もこないところだし、姿戻していいよ」
悪魔「………んん」ポシュ
男「(背丈と羽と尻尾が戻るだけだけど、こっちの姿のが馴染むね)」
ベル「物置小屋に泊まれとか、マモン、覚悟は出来てるの?」
オーナー「分相応かと」
ベル「ほお……」ゴゴゴゴ
先輩「やめい」パパン
ガブ「なんだ、魔女裁判時代の寝床に比べれば、やはり今は綺麗だな」
先輩「泊まるところじゃないからね?」
ガブ「なんだと」
ベルフェ「………(トイレ行きたいけどめんどくさい)」
411: 以下、
悪魔「美味しそうな匂いがたくさんなんさ」クンクン
男「旅館のご飯もあるから、食べるとしても一つだけね」
悪魔「う〜、いろいろ食べたいんさな」
男「しゃぶしゃぶが美味しく食べられなくなるよ」
悪魔「……我慢するんさな」
男「少しシーズン前だから、人があんまりいなくていいね。落ち着く」
悪魔「人がいちゃダメさな?」
男「こういうところに来る時は、のんびりしていしね」
悪魔「そうさね〜」
男「(こんな風に旅行するなんて、思わなかったな)」
ベル「いえ〜い、悪くない部屋じゃん」
先輩「悪いね、マモン」
オーナー「いえいえ、頂くものは頂きましたから」キラリ
ガブ「現在は部屋を借りるのに宝石がいるのだな」
先輩「いくら何でもこっちに疎すぎない?」
ガブ「勉強はしたんだが…、天使にもいろいろ聞いたぞ?」
先輩「あいつか」
先輩「(面倒がって適当に教えたな)」
414: 以下、
男「ふぅ」チャプ
悪魔「これも気持ちいいんさな」チャプチャプ
男「いろいろ歩いたから、ちょうどいいね。足湯」
悪魔「ポカポカするんさね」
男「景色もいいね」
悪魔「ずっとここにいたいんさ〜」
男「たまにだからいいんだよ」
悪魔「クリスマスと一緒さか?」
男「そういうこと」
悪魔「しゃぶしゃぶとも同じさね」
男「うん」
悪魔「楽しみさな〜」キラキラ
男「うん」
男「(もしかしたら足りないかもしれないし、ご飯は一応おひつでもらうか)」
「ここがその憑かれた男の住む家か」
「多数の悪魔達が、仲間達の妨害をしている。重要な人間のようだ。いく―――」
天使「おらぁ!」メキィ
「あ、あいぼぐぼぁ!」
天使「俺も旅行に行きたかったぞ畜生。八つ当たりだこのやろ〜。神もあとでいてこます」フンガー
417: 以下、
男「どうしても食べたい?」
悪魔「この匂いはだめなんさ〜、食べたいんさ〜」ジタバタ
男「う〜ん、ご飯もあるから1つだけだよ?」
悪魔「わーい、男大好きなんさ!」
「かわいい子だね。兄弟できてるのかい?」
男「従兄弟です。訳あって預かってまして」
「お兄さんも若く見えるのに、しっかりしてるねぇ」
男「ありがとうございます。煎餅1枚もらえますか?」
「お兄さんはいいのかい?」
男「うーん。では2つで」
「毎度あり」チャリン
悪魔「煎餅が熱いさね。初めてさな」
男「まさか、目の前で焼いてるところがあるなんてねぇ」
悪魔「おいしいんさ!」パリパリ
男「うん、いい味。明日あたりにでもお土産に買って帰る?」
悪魔「うん!」
男「(すきっ腹に、しょうゆの香ばしい匂いは、凶器だね)」
天使「おらぁ! もっとかかってこんかーい!」ウガー!
「隊長、どう考えても天使にしか見えません!」
「く、悪魔の瘴気にやられてるんだ!」
天使「んなもんあるかー!」ボコボコ
「ぎゃー!」
420: 以下、
男「ふぅ、まさか離れの中に温泉があるとは、至れり尽くせりな部屋だなぁ」チャプ
悪魔「綺麗な眺めさな〜」チャプ
男「うん、夕陽での風景も綺麗だね」
悪魔「んふふ〜」スィー
男「ん、どうしたのくっついて」
悪魔「男大好きなんさ」ピタ
男「そっか」
悪魔「…………」
男「…………」
悪魔「ふぬぅ……」チャポン
男「ふぅ……」ピチャ
悪魔「…………」ボーッ
男「…………」ボーッ
天使「いや〜、スッキリした」
神「やりすぎ」スパンッ
天使「あた、何するんだ神野郎」
神「目立ちすぎ。まぁ天使達は隠密行動苦手だから仕方ないか」
天使「じゃあ他の存在をつければいいじゃねーですか」
神「ミカエルは忙しいし、ガブリエルも護衛中。その他でいけそうな存在……」
神「あいつだな……。もしもし?」
天使「(誰も呼ぶ気なんだ?)」
423: 以下、
男「ちょうどご飯の時間か、よかった」
悪魔「しゃぶしゃぶ♪ しゃぶしゃぶ♪」
男「本当にそれが楽しみだったんだね」
悪魔「うん。ふははは、楽しみなんさ」
男「お楽しみのところ悪いけど、人間の姿になってね」
悪魔「そうだったんさ………んん」ポンッ
「食事をお持ちしました」
男「あ、お待ちしておりました」
悪魔「………」ワクワクキラキラ
男「(テンションが上がりすぎて喋れないご様子)」
「こちらが地元牛のロースと、地鶏の胸肉でございます」
男「鳥のしゃぶしゃぶですか」
「はい、こちらの特製ごまだれを絡めてお召し上がりください。ロースやお野菜は特製ポン酢がオススメです」
男「なるほど。そうそう一つお願いが」
「なんでしょうか」
男「ご飯をおひつでもらえますか」
「畏まりました」
「……馳せ参じました」ムスー
神「そんなふてくされなくても、アズラエル」
アズ「折角の憩いの時間を邪魔されましたから」
神「あの悪趣味な人形作り?」
アズ「人の趣向に悪趣味とはなんですか!」
天使「(残念ながら、見たことある天界の連中は悪趣味だと思ってますがな)」
426: 以下、
悪魔「はぐはぐもぐもぐ!」
男「悪魔、折角のご馳走なんだから味わって食べてね」
悪魔「う、ごめんなんさ」
男「………うん、おいしい。上質な脂というやつかな。サッパリしていい香りがするポン酢にもあってる」モグモグ
悪魔「毎日食べたいんさ」ハグハグ
男「それはそれで飽きちゃうと思うよ」
悪魔「こんなに美味しいのに飽きるんさか?」
男「そ、だから美味しく食べられる時に食べるのがいいんだよ」
悪魔「なるほど……、この鶏肉とゴマタレもたまらないんさ。ご飯が止まらない」ハグハグ
男「野菜も食べようね」
悪魔「うん」
アズ「……」ブツブツ
天使「(落ち着かねぇ)」
アズ「天使、新しい人形を思い浮かんだから、見てほしい」ピラッ
天使「はぁ、拝見いたします」
天使「(これキマイラ以外なんでもない)」
アズ「ガイア様も喜んでくれるはず!」
天使「そうですね(棒読み)」
天使「(ガイア様も、わりかしたいがいだからなぁ)」
429: 以下、
男「ふぅ、美味しかった」
悪魔「ぐるじいんざぁ〜」
男「おひつを本気で空にするとは思わなかった」
悪魔「ぐるじい〜」
男「止めたんだけどね」
悪魔「ご飯が美味じいのが悪いんざ〜」
男「何でも何かのせいにするのは駄目だよ」
悪魔「おどごだずげで〜」
男「胃薬は、あったあった」ゴソゴソ
悪魔「う〜、う〜」
男「ほら、苦しいとは思うけど飲んで」
悪魔「もう入らない〜」
男「わがまま言わない」
アズ「これならティアマト様も気に入りますね!」
天使「あ〜……、お楽しみのところ恐縮ですが」
アズ「なんです?」
天使「いろいろ例の人間の部屋に行こうとする人間が集まってるので、行っていいですか?」
アズ「大丈夫ですよ、ほら」
「バウ!」
「ひ、ば、化け物だ!」
「キマイラ? ケルベロス? いや見たことすらない!」
「に、逃げろ。今の道具では戦えん!」
「く、待ってくれぇ!」
「ワウン?」
アズ「アラダムが守ってくれますからね」
天使「(本気で見たことないぞ、あんなの。鳴き声が犬っぽいけど、足、五本? とりあえずカオスだ)」
天使「ところでアズラエル様」
アズ「何です?」
天使「アラダム、でしたか。奴ら以外には見えないようにしてるんですよね?」
アズ「何を言ってるんです。人間達に見てもらうために連れてき――」
天使「アカン!」
432: 以下、
〜悪魔サイド〜
悪魔「ちょっと楽になったんさ」ハフー
男「次はおひつでもらわないからね?」
悪魔「うー、それは嫌なんさー」
男「いい子にしないなら明日帰るよ?」
悪魔「…ごめんなさいなんさ」
男「わかればよろしい」
男「(個室でよかったな。下手したら騒ぎだよ)」
悪魔「夜もいい眺めなんさね!」
男「そうだね。風は冷たいけど、気持ちいいいかな」
悪魔「幸せなんさ〜」
男「(…まぁ、悪魔が楽しそうだからいいか)」
〜先輩サイド〜
ベル「宝石渡したのに、コンビニ弁当ってどういうことさ!」
オーナー「いやぁ、急遽のご予定でしたから。お食事の用意を失念しておりまして」
ベル「ガルルルル」
先輩「…、マモン。士気に関わるから明日は頼むよ?」
オーナー「えぇ、ルシファー様のお頼みであればなんなりと」
ベル「頼むよ。あ、ファミチキあるじゃん、もーらい」
先輩「(もしかして、君の配下を全部離れで警備させてるせい?)」ゴニョゴニョ
オーナー「(はい。普通の従業員では皆さんの強い存在で気絶しかねませんからね)」ゴニョゴニョ
先輩「(気をつける。すまないな)」ゴニョゴニョ
オーナー「(いえいえ、お気になさらず)」
ベルフェ「(……眠たい)」
ガブ「ぬぅ、この食べ物はどう食べるんだ?」
ベル「コンビニのおにぎり食べたことないの?」
〜天使サイド〜
アズ「いくら神とはいえ、アラダムを追い返すのは許しませんよ!」
神「ここ、天界じゃないからね? 良い子だけど、この見た目はこの世界にいないし、こっちが調整するの大変だからね?」
天使「アズラエル様も落ち着いて。何も邪険にしているわけではないんですから」
アズ「ガルルルルル」
アラダム「クゥン……」ペロ
天使「ひゃい、びっくりした。いや、うん、君は悪くない」
神「はぁ。天使何人の目撃者がいる? エクソシスト系列は抜きでね」
天使「少なくとも、この住人は何人か目撃したかと。警察も着ましたからね」
アズ「こんなにかわいいのに」ナデナデ
神「かわいいの問題じゃないんだ。わかる?」
アズ「わかりません! 人間達もこの子達のすばらしさをわかってくれます!」
神「だから…」
天使「(あーーーーーー!! 男の家の警備やだーーーーーー!)」
435: 以下、
〜悪魔サイド〜
悪魔「お布団が二つ」
男「そりゃあそうだろうね」
悪魔「………」ジーッ
男「どうしたの?」
悪魔「一緒に寝たいんさ」
男「そろそろ男離れすべきじゃないかな」
悪魔「う〜」
男「どうしても寝たい?」
悪魔「男と寝るとぽかぽかして気持ちいいんさ」
男「…まぁ、良いけどね」
悪魔「やったんさ〜」
男「(どうせ、寝てる内にこっちに入ってくるだろうし)」
〜先輩サイド〜
ガブ「そろそろ就寝する頃合いだな」
先輩「ここからが忙しくなるねぇ。マモンの配下も武装し始めた」
ガブ「神様にあの男の家の警備を要請しておいたが、あちらは大丈夫だろうか」
先輩「うまくやるんじゃない? まがりなりにもあの存在は神だからね」
ガブ「…………」
先輩「むしろ、問題なのは」
ベルフェ「…………」ZZZzzz...
ベル「がつがつがつがつはぐもぐがぶがぶめきゃぼきごぼぼぼ……、お腹空いた」
先輩「後ろの二人かな」
ガブ「ええい、寝るな! 食べるのも止めろ!」
〜天使サイド〜
アラダム「ワウワウ!」
「洗礼された武器が効かない!」
「傷一つつけられないとは、悪魔達も本気か!」
天使「ここにいるのは天使と神だけなんだけどなぁ。三枚チェンジで」
神「じゃあ、二枚チェンジかな」
アズ「アラダムも遊び相手ができて、嬉しそう」ウルウル
天使「BET500」
神「受けるよ。受けて1500」
天使「……う〜ん。じゃあそれでコール。オープン」
神「スリーカード」
天使「ストレート」
神「あの捨てかたで、その手か」
天使「ついてただけです」
『撤退だ〜!』
天使「あ、行きましたね」
アズ「むぅ、もっとアラダムと遊んでいいのに、人間達も忙しいのだな」
神「君はいろいろ幸せだね…」
439: 以下、
〜悪魔サイド〜
悪魔「気持ちいい布団さね」ウットリ
男「うん、プライベート用の離れだけある」
悪魔「明日はどうするんさか?」
男「何も決めてないよ。お土産でも探しながら、まったりのんびりしよう」
悪魔「うふふ〜、楽しみなんさ〜」
男「寝ようか、お休み」パチ
悪魔「お休みなんさ」
〜先輩サイド〜
先輩「さて、かわいい後輩の安眠を守るとしますか〜ね」
ベル「さぁ、我の贄(にえ)になりたい者はどこか?」
ベルフェ「イィィヤッハアァァァ!! 愉しい宴にしようぜえぇぇぇ!!」
先輩「(あ、ベルコンビマジモード)」
ガブ「……」ポカン
先輩「まぁ、初めて見ると驚くよねぇ」
ガブ「あいつらの本性といったところか」
先輩「そうかな? そうかもね。蠅の王と狂王子の名は伊達じゃないってやつかな」
ガブ「やれやれ、大丈夫か? 大っぴらに姿を出すことになるぞ」
先輩「それは僕が結界を張ってるから、彼等も大暴れできると喜んでるってことさ。ま、おかげで僕は何にも出来ないけど」
ガブ「貴様は護ってやる。私も出るぞ!」バサァ
先輩「いつ見ても、あの純白の大翼は惚れ惚れするね。普段もあれだけ決めてくれるといいのに」
オーナー「建物に損壊があった場合は、修理費はいただきますよ」
先輩「君はいつも通りだねぇ」
〜天使サイド〜
アズ「人間達が来なくなりましたか。寂しい」
天使「こられちゃ困るんですからね?」
アラダム「ク〜ン」
アズ「アラダムも寂しそうで可哀想」
神「彼等には何の情報もない、しかも聖獣だからねぇ。慎重にもなるだろうさ」
天使「ていうか、ルシファー様達戻っても、この調子はまずいじゃね〜ですか」
神「手をこまねいてると言われるなら、心外かなぁ」
天使「手を打ってるなら帰りますよ」
神「彼らが戻るまでには決着つけるけど、それまで頑張ってね天使」ニッコリ
天使「いつかのめす」
442: 以下、
〜悪魔サイド〜
男「ふあ〜、よく寝たなぁ」
悪魔「もう、食べられないんさ〜…」ムニャムニャ
男「夢の中でも何か食べてるのか」
悪魔「男も、一緒に食べるんさな」ムニャ
男「夢の中でも俺か。にしても、なんか昨夜はうるさかった気がするんだけど。気のせいかなぁ」シャ
男「……、あれ? あそこの木って、折れてたっけ。気のせいかな?」
悪魔「………ふあ〜」
男「あ、おはよう悪魔」
悪魔「おはようなんさ〜」
〜先輩サイド〜
先輩「みんなご苦労様」
ベル「お腹空いたよ、ルシファー様〜」
先輩「マモンが朝ごはん用意してくれるってさ」
ベル「やた!」
ガブ「……やってしまった」
先輩「まぁ、木の一本ぐらいなら気にしないでしょ」
ベルフェ「………」スピー
ガブ「…、しかし、あれだけまくし立ててたのに、ベルフェゴールは寝たのか」
先輩「まぁ、本気出したから寝るってやつかな?」
ガブ「なんだそれは」
〜天使サイド〜
「そんな化け物はどこにもおらんぞ?」
「いや、我々は確かにこの目で見ました!」
「まさか、この子犬がそうだというのではないだろうな? ばかばかしい」
アラダム「クーン」
天使「……なんでまた、アラダムに対する人間の視認を子犬にしやがったんですか」
神「あんな真夜中ずっとうるさいって感じだったから、あれかなーって」
天使「まぁ、エクソシストのやつら、近所のおばちゃんに怒鳴りちらされてましたね」
アズ「本来の姿を見ていただきたいのですが」
神「却下」
445: 以下、
〜悪魔サイド〜
悪魔「いろいろあるんさ」キラキラ
男「他の人も食べるから、全部独占しちゃダメだよ」
悪魔「わかったんさ。わははは、どれを食べようさかな」ワクワク
男「(無難にクロワッサンと、スクランブルエッグ、サラダ、後スープはオニオンスープでいいか)」
悪魔「これもあれもそれも」モリモリ
男「……あ、く、ま?」
悪魔「あ……、ごめんなんさ」
男「食べてから、また取りにこれるから、無理にとらない」
悪魔「はいなんさ」
〜先輩サイド〜
ベル「お茶漬け出された時は、この野郎と思ったけど」ズルズル
先輩「これはいいね。出し汁がうまいし、箸休めの漬け物なんかもたまらない」
ガブ「こんな美味しい食べ物があるなんて……」
ベルフェ「………」ZZZZzzz...
オーナー「従業員の賄いでして、人気があるんですよ。お気に召してくれたようで、何よりでございます」
先輩「こっちのご飯は、そういったのがでる感じかな?」
オーナー「本来存在しないお客様ですからね」
先輩「ここを去ったら皆忘れちゃうからね」
〜天使サイド〜
天使「お前は天界に戻りたいか」
アラダム「ワウン」
天使「わかんないか。まぁ、急がなくても明日の夜手前ぐらいには帰れるだろうし」
アラダム「ワンワン」
天使「ん〜、天使としての仕事が終われば戻れるけど。戻りたいようなこのままでも良いような」
アラダム「ワウン?」
天使「何とも言い難いかな。そんな感じ」
アズ「この新しい人形についてです。どう思います天使」
天使「見張ってください」
446: 以下、
男「(バイキング形式だと、いろいろな傾向がある)」
「あ、それと、これも」
男「(いろんな種類をちょっとずつ食べたい人)」
「この料理まだかな…」
男「(自分の好みだけひたすら食う人)」
「なんだこれ、へんなのある」
男「(変わったものを食べて見たがる人)」
「ソフトクリーム、あ、キウイとこれも」
男「(デザート中心に食べる人)」
悪魔「はぐはぐ」
男「そしてフードファイターばりに食う悪魔と」ボソ
悪魔「ん、何かいったんさ?」モグモグ
〜先輩サイド〜
ベル「しばらく休憩〜」
先輩「そうなるね。彼等がどこか行くまではまったりしよう」
ガブ「食事というのはこんなに美味しいものだったか?」
先輩「普段何も食べてなかったの?」
ガブ「生活費の負担だからな」
先輩「まぁ、食わなくてもいい存在だけどもね、皆」
ベルフェ「………(ネトゲネトゲネトゲ)」
先輩「ベルフェ君、悪いけどまだ我慢してね」
〜天使サイド〜
アラダム「ワフゥ」
天使「夜までは退屈なのは仕方ないよ」
アラダム「ワウ…」
アズ「ふふふ〜ん、ふふふ〜ん♪」
天使「あの方は楽しそうだけどね…」
神「退屈してるか〜い」
天使「何しにきやがりましたか」
神「もう一回、彼等の気配が気取られないような処置をしなきゃならないからねぇ」
天使「自然に引っ越させてからの方が、いいんじゃね〜ですか」
神「下手に移動させる方が問題」
天使「そんなもんで」
神「そんなもん」
449: 以下、
悪魔「ぐるじい…」
男「いわんこっちゃない」
悪魔「だって皆美味しそうに見えるんさな」
男「いろいろあるからね」
悪魔「しばらく動きたくないさな…」
男「離れで一休憩してから出ようか」
悪魔「そうするんさ」
男「歩ける?」
悪魔「何とか歩けるさな」
男「辛いとは思うけど、離れまではその姿でね」
悪魔「う〜……」ポテポテ
〜先輩サイド〜
先輩「うん、良い景観だね」
ガブ「空を飛べば良かろう?」
先輩「今や空を飛ぶのは目立ちすぎるからねぇ。してないよね?」
ガブ「人間らしく振る舞うよう努めている」
ベル「ルシファー様。ご飯買いに行っていい?」
先輩「ダメ」
ベル「ぶ〜ぶ〜」
ベルフェ「………(ネトゲネトゲネトゲネトゲ)」ブルブル
先輩「禁断症状一歩手前か、ベルフェ君…」
ガブ「麻薬のようなものなのか?」
先輩「依存する人はするねぇ」
〜天使サイド〜
アラダム「ワウワウ!」ハッハッ
天使「準備の邪魔だからと、アラダムの散歩させてるけど」
「あの犬(こ)可愛くない?」
「可愛いね〜」
天使「(アラダムが本当に子犬だったとして、あんな風には言われね〜な)」
アラダム「ワフワフ」
天使「ん? 人間の女は可愛いのが好きみたいだよ」
アラダム「ワフゥ?」
天使「まぁね。君は本来の姿では見られてないけど。その方がこの世界は生きやすいんだ」
アラダム「ワフン」
男「(こいつの理解力の高さが、この警備での救いだな)」
452: 以下、
〜悪魔サイド〜
悪魔「今日どこにいこうさね?」
男「一応観光MAPは手に入れたから、それを見ながらぶらっとしようか」
悪魔「何があるんさな」
男「食事どころはまだいいとして…、有名な観光スポットがあるみたいだから、そこにでも行こうか」
悪魔「綺麗なところだといいさね」
男「これに載ってるぐらいだから、綺麗だと思うよ。人もいないだろうから、ゆっくり見れると思う」
悪魔「どうやっていくんさ?」
男「えーと、バスに乗るみたいだね。停留所は、この先か」
悪魔「早くいこうさな」
男「うん」
〜先輩サイド〜
ガブ「ふむ、どうするんだ。何か乗り物に乗るようだが」
先輩「そういうことは、準備できるのがいるじゃない」
オーナー「車のレンタルについては、この程度いただけますか?」
ベル「仲間のよしみはないのマモン」
オーナー「商売に私情は禁物ですよ」
先輩「仲間だから、ある程度の協力も必要ということだよ、ベル」
ベル「…ルシファー様がそういうなら」
ベルフェ「………………(ヒャー!)」カタカタカタカタカタカタカタ
先輩「しばらく、ベルフェ君は戦力外だね」
ガブ「…、昨夜のベルフェゴールより、狂気を感じる」
〜天使サイド〜
アズ「……」スピー
天使「この人もこんなところでよく寝れるなぁ、見られないからいいけど」
アラダム「ワフワフ」
天使「あぁ、人形作りする時、ぶっ倒れるまでやってるんだ…」
アラダム「ワン」
天使「しっかし、たくさんの設計図がたくさんだね」
天使「(全部見た目がアラダムよりなんだけど)」
アラダム「ワフゥ」
天使「まぁ、アズラエル様見てて、たぶん一人でも今は大丈夫だと思う」
455: 以下、
〜悪魔サイド〜
悪魔「……あんまりお話しちゃダメなんさ?」
男「大きな声じゃなければ大丈夫だよ」
悪魔「良かったさね」
男「とりあえず、○○○前ってアナウンスが流れたら、このスイッチを押して降りるよ」
悪魔「降りたい時に押すんさか?」
男「ううん。バスが止まる位置が決まってて、そこに降りたい時はその前に押しておくの。アナウンスは、次はそこだけど、降りたい人はボタン押してねってこと」
悪魔「なるほどさな」
〜先輩サイド〜
先輩「じゃあガブちゃん、運転お願いね」
ガブ「アルバイトの経験が早くも生かされるとは」
ベル「でも、なんでまた運送屋のバイトなのさ」
ガブ「天使に、器の身体は鍛えておいた方がいいと聞いたからな」
先輩「(かりそめの入れ物だから、鍛える必要ないんだけどね)」
ベルフェ「……………(チーター、ヒャア、潰す!)」カタカタカタカタカタカタ
先輩「ベルフェはいつぐらいに回復するかな……」
ベル「あ、お饅頭屋さん。止まって止まって!」
ガブ「あぶ、危ない!」
先輩「ベル、怒るよ」
ベル「…はぁ〜い」
先輩「後で買いに行く時間ぐらいはあげるから、我慢ね」
ベル「やった〜!」
〜天使サイド〜
天使「神がなにかやりやがったからか、ぴたりとエクソシストの連中は来なくなったな」
天使「つっても、あいつらはしつこいからなぁ。これぐらいで簡単に手を引くとは思えねぇけど」
アラダム「ワウ」
天使「アズラエル様は起きたのか」
アラダム「ワウワウ」
天使「助かる。しっかし、あっちはどうなってるのかね。こっち以上に派手なことになってんのかな」
458: 以下、
〜悪魔サイド〜
悪魔「ボタン、押せなかったんさな…」ションボリ
男「帰りにでも押せるといいね」
悪魔「ここから、どこに向かうんさね?」
男「こっちの方に向かって、徒歩五分ぐらい」
悪魔「いつも気になってたんさが」
男「何?」
悪魔「そのどこから何分って、どうやって計ってるさな?」
男「わからないけど、実際に歩いたりとかしてるんじゃないかな」
悪魔「違ってたら文句言われるんさかね?」
男「まぁ、今は良い意味でも悪い意味でも、発言しやすくなったからね」
悪魔「あ、団子屋さんさね」
男「後でね」
悪魔「う〜、う〜」
〜先輩サイド〜
先輩「どうやらこの観光スポットに行くみたいだねぇ」
ガブ「どうするんだ?」
先輩「生憎僕とガブちゃんの面は割れてるから、ここはベルコンビに行ってほしいけど」
ベル「良い匂い、お腹空いた〜」
ベルフェ「……………(チーターで負け、ヒャー!)」カタカタカタカタカタカタ
ガブ「無理ではないか?」
先輩「人選ミスかな…」
〜天使サイド〜
アラダム「ワウ…」
天使「うん。ピリッときたな。どうやら本命が出張って来やがったか、面倒くせぇ」
アラダム「ワウワウ!」
天使「可能なら君を前に出してぇけど、アズラエル様の寵愛してる存在に、何かあるとかなりまずいのよ」
アラダム「ワフウ」
天使「ま、いざとなったらアズラエル様も動くでしょ。これが尖兵の役割だからしゃ〜ない。じゃ、行くか」
459: 以下、
温度差がひどいことになってきたw
462: 以下、
〜悪魔サイド〜
悪魔「おみくじがあるんさ」
男「これまたなんともレトロなおみくじ機」
悪魔「やりたいんさ〜」ユサユサ
男「揺らさない。一回百円。多分、良心的な方かな。はい」
悪魔「やったんさ。じゃあやってみるんさね」チャリン、シャカ
男「(しかし、なんでこんな所におみくじ機が?)」
悪魔「ふふ〜ん♪」カサカサ
男「どうだった」
悪魔「…………」
男「ん? ……、凶と出るのも珍しいね」
悪魔「良いことあるよとしか書いてないんさ…」ションボリ
男「まぁ、おもちゃのおみくじみたいだし。気にしなくていいんじゃない?」
悪魔「やらなきゃ良かったんさ…」
〜先輩サイド〜
先輩「こういうことになるわけだねぇ」
ベル「似合いますよ、ルシファー様の女装」
先輩「元々中性的な器だから、どっちって訳でもないんだけどねぇ」
ベル「ふむふむ。あれ? なんかしょぼくれてますね」
先輩「察するに、おみくじの結果でも悪かったのかな?」
ベル「あ〜、あ、行ったから私もついでに」チャリン、シャカ
先輩「好きだねぇ…、どうしたの」
ベル「んが〜! 良いことあるよってどういうことさ〜!」
先輩「ベルちゃん、目立つから静かに」
〜天使サイド〜
アズ「他愛ありませんね」
天使「………」ボロボロ
アラダム「クウン」ペロペロ
アズ「天使、大丈夫ですか?」
天使「人間であの力を持ってるとは思いませんでした。いてて」
アズ「人間は良くも悪くも、予期し得ない存在です。ですから愛おしいのですが、今回はおいたが過ぎました」
天使「そう言えるところは、流石ですよ」
アラダム「ワフ!」
アズ「ふふ、ありがとう。アラダム」
天使「(ぶっちゃけここにいる理由ないよな。あの神野郎)」
465: 以下、
〜悪魔サイド〜
悪魔「綺麗な眺めなんさ〜」ウキウキ
男「うん、良い景色」
悪魔「あそこに魚がいるんさな」
男「どこ?」
悪魔「あそこ〜」
男「うん。見えない」
悪魔「勉強ばっかりしてるから、目が悪くなるんさ」
男「目はいい方じゃないけど。指したところからすると、普通に距離があるよ」
悪魔「えっへん」
男「悪魔だと目がいいのは利点があるの?」
悪魔「高いところからでもいろいろ見つけられるさよ?」
男「例えば?」
悪魔「例えば……、う〜ん、う〜ん」
男「なんかごめん」
〜先輩サイド〜
先輩「久し振りにスカート履いたから、足下のスースーした感じが落ち着かないね」
ベル「その内慣れますよ。ルシファー様」
先輩「しかし、昔はちゃんと足先まで隠すものだったけど、最近の女はスカート以外でも、肌を多く出してるね」
ベル「いい男を捕まえるのも、楽じゃなくなりなったんでしょう」
先輩「でもいい男は、そんなことをすると決めたうちにいなくなってるんじゃないかな」
ベル「今は一枚のパイ切れを、千人で奪い合ってますからねぇ」
先輩「まぁ、この手の話は、ベルフェ君が一番力説するかな?」
〜天使サイド〜
天使「てて、天使ってのは、ほんと割にあわねぇなぁ」
神「そう? 君はわりと楽しそうだけど」
天使「なにしに来やがりましたか」
神「一応の治療だよ。アズラエルは創ったり管理したりが専門だけど、治すことは専門外だからね」
アズ「そうですね」
天使「(自分には軽い嫌みに聞こえたのは、やさぐれてる証拠か)」
神「まぁ、誰かさんみたいに成られても困るからねぇ」
天使「まさかルシファー様の片割れだとでも?」
神「いや、君は悪魔と違ってそこらへんの天使だよ」
天使「でしょうね」
468: 以下、
〜悪魔サイド〜
悪魔「お腹空いたんさ」
男「あんなに食べたのに?」
悪魔「だって空いたんさ……」ションボリ
男「(ちょっと意地悪だったかな?)」
男「この付近に何かしら食べ所があるみたいだから、行こうか」
悪魔「! 行こうさね!」
男「何が食べたい?」
悪魔「オムライスなんさ!」
男「観光マップを見る限り、それが食べられそうなお店はなさそうだね」
悪魔「う〜…」
男「それらしい店を探すには時間かかりそうだけど、どうする?」
悪魔「近場でいいんさ…」
男「入ったお店にあったらいいね」
〜先輩サイド〜
ベル「どうやらご飯みたいですね」ジュルリ
先輩「僕達は、コンビニであんパンと牛乳だね」
ベル「それは嫌です〜、どこか入りましょう!」
先輩「僕達はあくまで護衛だからね?」
ベル「ふてくされますよ」プスー
先輩「(やれやれ、ベルちゃんまで動かせなくなったら、かなり困っただからなぁ)」
先輩「何にせよ、車に戻ろうか。彼等についてく間に考える」
ベル「頼みますよ〜」
〜天使サイド〜
天使「ふぅ、だいぶ楽になった」
アラダム「ワウ?」
天使「もう大丈夫かな。てか、次にあの手の来たら、ボイコットする」
アラダム「ワウン!」
天使「駄目なのはわかってるよ」
アズ「ふんふふ〜ん」カキカキ
天使「でも、アズラエル様がいるから大丈夫だとは思うしさ」
アズ「ここの部分は、こうかな」カキカキ
アラダム「ワウ…」
天使「まぁ、まったく見張りはしないで趣味にはしってるけどさ…」
471: 以下、
〜悪魔サイド〜
悪魔「お蕎麦屋さんさね」
男「なんだかんだで、この手の店はあまり外れは無さそうだからね」
悪魔「入ろうさな」ガラガラ
「いらっしゃ〜い、二名様ですか」
男「はい」
「テーブルと小上がりどちらがよろしいですか?」
男「小上がりで」
「はい、二名様小上がりご案内〜」
男「(いろいろなメニューが張ってあるな)」
「こちらどうぞ」
男「どうも」
悪魔「なんかたくさんあるんさ」
男「食べ放題じゃないから、たくさん頼まないでね」
悪魔「う〜…、いろいろ食べたいんさ」
男「帰れなくなって、旅館からも追い出されていいならそうする?」
悪魔「我慢するんさ」
〜先輩サイド〜
ベル「あ〜、これも美味しそうだなぁ」
ガブ「頼むから人間としての適正な量にするんだぞ」
ベル「ガブちゃんは堅いなぁ」
ガブ「ガブリエルだ」
ベル「いいじゃん、そこらの細かいことは」
ガブ「……はぁ、私は紅茶だけでいい」
ベル「お腹空いてないの?」
ガブ「そもそも我等は食事は不要だろう」
ベル「忘れてたけど、私はいるよ。精神的に」
ガブ「はぁ……」
〜天使サイド〜
天使「しかし、退屈になったな。神がなんかしたからか、エクソシストの連中もぱったり来なくなったし」
アラダム「ワウン」
天使「確かに平和にこしたことはねぇけどさ。こう、生ぬるい気分になるだろ」
アラダム「ワウ」
天使「まぁ、互いにがんばろ。どうせあと1日だ」
天使「(なんか、アラダムの姿も見慣れてきたな)」
474: 以下、
「ご注文承ります」
男「ざるそばと四季の山菜セット一つ」
悪魔「この天丼セットくださいなんさ」
「ありがとうございます。ざる菜1、天丼セット1入りま〜す」
男「しかしいろいろあるなぁ。カツ丼、カレー、おでん……」
悪魔「不思議なお店なんさね」
男「地元の人の要望を受けて、いろいろなメニューを置いてるのかな」
悪魔「じゃあ、オムライスをお願いすれば作ってもらえたさかね?」
男「多分、無理」
悪魔「う〜」
〜先輩サイド〜
ベル「あ〜、きたきたぁ。いただきます」バクバク
ガブ「随分な量を頼んだな…」ズズッ
ベル「ガブちゃんも頼めば良かったのに」
ガブ「ガブリエル…、まぁいい。あまり食に関心がないんだ」
ベル「どうしてまた?」
ガブ「羊飼いのお告げの後、長期に滞在していたのは魔女狩りの時だったからな」
ベル「あれはひどかったねぇ。そもそもうちら、人間にほとんど接触してないのに、あの扱いだもん」
ガブ「衣食住もごく一部を除き、まともではなかったからな。その経験が、あまり関心を向けさせないのだろう」
ベル「ふ〜ん」モグモグ
ガブ「魔女狩りのことを思い出すと、天の命(めい)であったとはいえ、あの時のお告げはしないべきだったのかと思う」
ベル「……」
ガブ「つまらん戯言だったな、忘れてくれ」
〜天使サイド〜
神「差し入れだよ〜」
天使「気がききやがりますねと、あんパンと牛乳?」
アラダム「ワウン?」
神「尾行とか見張りの定番の食事だからね」
天使「ネタにはしりやがりましたか。てか、クリームパン、ジャムパン。飲み物はコーヒー牛乳、いちごオレ」
神「既存の組み合わせに満足しちゃだめかなと」
アズ「その通りです!」
天使「アズラエル様、その、ややこしくなるから黙れ」
アズ「天使がひどい言葉を…」オロオロ
神「(天使もいろいろ鬱憤たまってるね)」
477: 以下、
〜悪魔サイド〜
悪魔「おいしいんさ」モグモグ
男「うん、いい味」ズルー
悪魔「昨日の夜ご飯は、強烈な感じだったんさが、こっちは優しい感じなんさ」
男「そうだね。ホッとする」
悪魔「………」ジーッ
男「どうしたの?」
悪魔「そのエビ一本ほしいんさな」
男「悪魔も何かくれるなら考える。天ぷら以外はだめ」
悪魔「う〜、う〜」
〜先輩サイド〜
ベル「戻りましたよ〜」
ガブ「ベルフェゴールは?」
先輩「満足して寝てる」
ベルフェ「………」スピー
ガブ「まったく勝手な奴だな」
先輩「悪魔的には正しい行動かもねぇ」
ベル「まだ2人は食事中ですか?」
先輩「そだね。まだゆっくりは出来そうだ」ノビー
ガブ「エクソシスト系列は彷徨いてないのか?」
先輩「どうも男の家の警備してるのが、大暴れしてそっちに人員流れてるっぽいねぇ。おかげで楽だけどさ」
ガブ「なるほど」
先輩「でもま、こっちも誰もいない訳じゃないだろうし、油断はできないかな〜」
ベル「ルシファー様、この隙にお団子屋に」
先輩「昼食か団子屋か選ばせたんだから却下」
ベル「ぶ〜ぶ〜」
〜天使サイド〜
アズ「天使、何か怒らせるようなことをしましたか?」
天使「気にしやがらないでください」
アズ「怒っていますね。どうしましょう」オロオロ
アラダム「ワウワウ!」
天使「あ〜、とりあえず怒ってはない。困らせてるのは謝る」
アラダム「ワウ」
神「とりあえず、アズラエルも飲みなよ」
アズ「これはなんですか」
神「いちごオレ」
アズ「どのように飲むのですか、神様」
神「え〜っとだね」
天使「(できりゃあこっち慣れしてる存在を呼んでほしかった)」
480: 以下、
〜悪魔サイド〜
男「ふぅ、お腹いっぱい」
悪魔「エビ、食べたかったんさ…」
男「天丼にも入ってたでしょ」
悪魔「天つゆで食べるエビが食べたかったんさ」
男「ちゃんと交換条件は出したよ」
悪魔「う〜」
男「さてと、そろそろお土産屋さんでも行こうか」
悪魔「う〜…」イジイジ
男「ほら、しょげない。行くよ」
悪魔「あ、待ってさね!」
〜先輩サイド〜
先輩「移動開始、ガブちゃん頼むよ」
ガブ「徒歩相手にこの乗り物ではさが違いすぎるぞ」
先輩「大方、この先にある土産屋さんがたくさんあるとこだから、先回りだよ」
ガブ「良いのか?」
先輩「なぁに…、早めの露払いしなきゃならなさそうだしね」
ベル「この酒饅頭おいしい」バクバク
ベルフェ「……(よく寝た)」
先輩「まぁ、二人を後ろから警備させるのも手かな?」
ガブ「(少し怒っているな)」
〜天使サイド〜
アズ「なんとおいしい飲み物でしょう」コクリ
神「気に入ったようで何より」
アズ「早、この飲み物を生み出せる人形を作らなければいけません」
神「天界で物質は存在できないよ、アズラエル」
アズ「は! そうでした、残念です」
アラダム「ワフ…」
天使「うんまぁ、気持ちは分かる」
アラダム「ワフゥ…」
天使「落ち込むなって」ナデナデ
483: 以下、
〜悪魔サイド〜
悪魔「いろいろあるさね」
男「ふむふむ」
悪魔「変わったお菓子もあるさな」
男「それは、親しい友人にあえて買うものだね」
悪魔「男はそういう人、いないんさか」
男「そこまで仲が良い人は大学にはいないね。それなりに話すだけなら、そこそこいるけど」
悪魔「その人達には何か買わないんさか?」
男「とりあえず、分けられるセットになってるのを買うよ。あとは自分がほしいものかな」
悪魔「これが欲しいんさ」ヒョイ
男「なんでまた砂時計…」
悪魔「綺麗さよ?」
男「そっか」
男「(あ、コーヒー豆。先輩用に買っておくか、忘れてたけど)」
〜先輩サイド〜
先輩「露払いできて良かったよ」スッキリ
ガブ「戦えなかったから鬱憤でも溜まっていたか?」
先輩「かもねぇ」
ベル「……ごめんなさい」
ベルフェ「………」ペコリ
先輩「もう怒ってないよ。それに、まだ怒ってる範疇じゃない」
ガブ「(ルシファーが本気で怒ったら、それこそ周囲がただではすまないからな)」
先輩「ま、のんびりいきましょうか」
〜天使サイド〜
アラダム「ワ〜ウ」
天使「うん、退屈だ」
アズ「天使、尋ねたいことがあります」
天使「いちごオレはタダでは貰えませんよ」
アズ「なぜわかったのです?」
天使「なんとなくです。今は我慢してください」
アズ「わかりました」
天使「(そんなにハマったのか、いちごオレ)」
486: 以下、
〜悪魔サイド〜
悪魔「いろいろ買ったんさな」
男「こういう買い物も、旅行の醍醐味だね」
悪魔「あとでお土産食べて良いさか?」
男「家に帰ったらね」
悪魔「食べたいんさ……」ウルウル
男「もし勝手に開けて食べたら、怒るからね」
悪魔「う〜う〜」
男「楽しみは、最後に取っておくものだよ」
悪魔「……わかったんさ」ションボリ
男「(まぁ、夕飯出たら忘れるかな)」
悪魔「でも砂時計は開けたいんさ」
男「それはいいよ。悪魔の物だし」
悪魔「やったんさ!」
〜先輩サイド〜
先輩「さてさて、そろそろ旅館に戻るかな?」
ガブ「何か楽しそうだな、ルシファー」
先輩「かもね」
ベル「今日の夜を無事に乗り越えたら、役目は終わりですね〜」
先輩「うん、そうだといいね」
ベルフェ「……(含みがある)」
先輩「戻っても神がきっちり仕事してなきゃ、まだまだ警備は続くからって意味だよ?」
ガブ「それはないだろう。そのために2人を旅行に行かせているのだろうし」
先輩「うん。バス乗るみたいだから、運転頼むよ。ガブちゃん」
ガブ「あぁ、すまない」
〜天使サイド〜
アズ「…………」ソワソワ
天使「そんなに飲みたいなら買ってきますよ、いちごオレ」
アズ「! 良いのですか?」
天使「たいそうなものでもありませんからね」
アズ「ありがとうございます。よろしくお願い致します」
天使「そこまで恐縮がらなくても、行ってきます」
アズ「楽しみです」
アラダム「ワ〜ウ」
アズ「アラダムは心配性ですね」
489: 以下、
〜悪魔サイド〜
悪魔「ボタン押せたんさ」ニコニコ
男「良かったね」
悪魔「男は押せなくて良かったんさ?」
男「前に乗った時に押したことあるから大丈夫だよ」
悪魔「それならよかったさな」
男「しかし、夕暮れ時か人気(ひとけ)がないな」
悪魔「そんなもんじゃないんさか?」
男「さぁ、わからないけど。観光シーズン前の観光地は、こんなものなのかな」
悪魔「あ、旅館が見えたさな」
男「ふう、あとはゆっくりするだけか」
〜先輩サイド〜
先輩「無事帰還と」
ガブ「我々も部屋に戻るとしよう」
先輩「うん、皆は先行ってて、ちょっといろいろやりたいことがあってね」
ベル「お手伝いしますか?」
先輩「個人的な用だから大丈夫、じゃね」テクテク
ガブ「………ふむ」
ベル「ルシファー様がああ言ってるし、私達は戻ろう」
ガブ「そうだな」
ベルフェ「……(単独行動、いつものこと)」
〜天使サイド〜
天使「いちごオレは、これか」
天使「(必要な物はないから、これだけでいいか)」
天使「これくださいな」
「138円で〜す」
天使「じゃあこれで」チャリン
「どうも、ありあとござま〜す」
天使「(さて戻ろう)」
天使「…………」
天使「夕暮れか、何事もなく、終わりゃいいけどな」
493: 以下、
〜悪魔サイド〜
悪魔「んふふふ〜♪」サラサラサラ
男「(悪魔って、堕落させるのが仕事なのに、あんまりスれてないよな)」ペラッ
悪魔「終わっちゃったんさ。もう一回」クル
男「(砂時計で遊んでる内は、お土産のことは騒がないかな。ゆっくりしよう)」ペラッ
悪魔「綺麗さな〜♪」サラサラサラ
男「……………」ペラッ
〜先輩サイド〜
先輩「ふんふん、了解了解」
先輩「じゃあ、これ、首尾良く頼むよ?」
先輩「………さて、戻るかな」
先輩「……………」
先輩「戻ったよ」ガチャ
ベル「お帰りなさい、ルシファー様」モグモグ
ガブ「どこに行っていたんだ?」
先輩「マモンの配下に、今日の布陣についての相談」
ガブ「それはマモンにするべきではないか?」
先輩「マモンには指揮に関して了承はもらったよ」
ベルフェ「……(慎重)」
先輩「男の親父さんの気紛れだけの事態なら、まぁ、いいんだけどね」
ベル「何かあると?」
先輩「何かを企んでの事態なら、チャンスは今日ぐらいしかない。僕ならそう考えるけどね?」
ガブ「なるほど」
〜天使サイド〜
天使「あれ? アズラエル様はどこに行きやがったんだ?」
アラダム「ワフウ」
天使「天界に一度戻った? なんでまた」
アラダム「ワウ」
天使「わからないか。まぁ、何もなきゃ大丈夫かな」
アラダム「ワウ!」
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