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葉山「やはり俺の青春ぼっち化計画はまちがっていた」
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初めてのSS書かせて頂きます。というより2chを利用するのも初めてです。
至らない所や突っ込みどころも多いと思いますが、どうかよろしくお願いします。
内容は『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』のSSとなります。
では……
2: 以下、
葉山「……(NARUTO面白いよなぁ)」(ペラッ)
『己にとって大切なモノが必ずしも”善”であるとは限らない』
『待っているだけでは もっと 大きな苦しみにまた襲われる努力し自ら切り拓くしかないんだ』
『俺もいつか、誰からも必要とされる存在になりたい。恐るべき兵器としてではなく、砂隠れの風影として。』
『うずまきナルト いつかおれも あいつのように…。』
『アンタ達はいつ己を捨てた?』
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3: 以下、
ふぅ……
いいなぁ、こんな友情。
普段は周りと話を合わせる程度にしか読んでいなかったんだが思わず読みこんでしまった。後で戸部に続きを借りるとしよう。
生まれた時から兵器として扱われ、幼少期から殺されかけたり裏切られたりと愛情を知らないまま育った我愛羅。殺意むき出しだった少年期、ナルトとの出会いによって変わった。尾獣という化け物を秘めた者同士……いやそれ以上の友情がいつしか芽生えていた。
少年漫画だと内心高をくくっていたがこれがどうして、心の奥にググッとくるものがある。
好きなページを何度も見返してみる。そしてその度に思う。
俺もこんな友情を育みたい。
4: 以下、
俺の外からの評価といったら【顔がいい・スポーツ万能・皆の中心的存在・家柄よし・とにかくモテるし友人間の交流も広い】といったところか。
自分で言うのも難だが今の学生生活でほぼ困ることはない。世間一般で言うリア充に当たるといってもいいだろう。
だが俺には特別な友人たる人間がいない。誰とでも仲がいいってことはその実誰とも仲良くないって事だからな。
あえて言うなら優美子か? 戸部か? 大和か? 大岡か? それとも海老名か?
多分どれも違う。あれ?俺本当にリア充か?
もっというのであれば、俺が我愛羅だとすればいったい誰がナルトなのか。
ふと脳裏に死んだ魚の目をした青年が写った。
5: 以下、
『比企ヶ谷八幡』
とはいえ彼は所謂ボッチだ。俺とは何もかもが違うしそもそも住む世界も考えも違うのだろう。
そもそも彼らは幼少期からの境遇が似ていたからこそああして信頼関係を結べたはずだ。
だが、果たして彼以外に俺にとってのナルトになれるような人物はいるだろうか……。
それに俺も親しい友人がいないという点ではある意味ボッチともいえるのではないか……。
6: 以下、
こんな事をうっかり彼の耳にでも入れば鼻で笑われそうだ。
比企ヶ谷「お前みたいななんちゃってボッチと一緒にするな。こっちはプロだぞ」
恐らくこんな捨て台詞でも吐かれて一蹴されるに違いない。
ではどうするか。
8: 以下、
葉山「ヒキタニ、いや比企ヶ谷八幡。俺もボッチを目指すぞ」
そしていつの日か……お前と同じ視点から世界を見てみたい。
9: 以下、
翌日
早朝7:00
と言ったはいいものの。いざ実践するとなると難しい。そもそもどうやったら孤独になれるというのだ。
比企ヶ谷とは環境が違う以上彼と同じ手段では上手くいかないだろう。俺なりの。葉山隼人ならではのボッチ戦術を立てなければ。
携帯から友人全員の連絡先を消去するっという手段も考えたが、いきなりそれではマズいだろう。逆に優美子あたりが心配して下手に干渉されては意味がない。
葉山母「隼人ー! 朝ごはんが出来たわよー!」
母の呼び声。続きは通学途中にでも考えるか。
10: 以下、
?学校?
朝食を食べながら考え付いたプランは以下の通りだ
?まずは学校を休む
?心配してくれたであろうお見舞いメール等をすべてガン無視する
?サッカー部を辞退し、優美子たちからの遊びを徐々に断っていく
我ながら酷い事するな。下手したら殴られるんじゃないか?メールはまだしも部活退部は色々と問題があるような……
いやダメだ。こういう踏ん切りのつかない性格だからいつまで経っても自由になれないんだ。
恐れることはないじゃないか。もう俺は縛られることに疲れたんだから。
11: 以下、
比企ヶ谷「……」(ガラガラ)
さて、いつも通りホームルーム10分前ほどに来たな。
由比ヶ浜「ヒッキーおはよー」
比企ヶ谷「バッキャロー」
由比ヶ浜「馬鹿言うなし!」
相変わらず口が悪いなあいつは。いや、これくらいは嫌味に入らないな。
にしても結衣も以前に比べて明るくなったな。空気を読みすぎてビクビクしていたのが嘘みたいだ。何せ雪ノ下と比企ヶ谷と一緒にいるんだ。積極的に明るくもなるだろう。
由比ヶ浜「あれ? ヒッキーいつものプレーヤー聞かないの?」
比企ヶ谷「イヤホン壊れちまったんだよ。帰りに買わねぇと」
由比ヶ浜「あ! じゃああたしも一緒に行っていい?」
比企ヶ谷「Zzz」
由比ヶ浜「寝るなし!!!」
……なるほどいいこと聞いたな。
12: 以下、
?常にイヤホンを装着
確かにイヤホンをしていれば擬似的にでも外界から遮断されることになる。話かけたところで2,3度同じ事を言わなければならないからな。余程用事でもない限りは声をかけられないということだ。俺もイヤホンを使わせてもらおう。
戸部「あれ? 隼人ー? どうしたよ?」
葉山「……」ジー
比企ヶ谷(……なんか見られてるような)
海老名「こ、これは///」
三浦「はいはい擬態しろし」
葉山「ボソボソ」
三浦「???」
13: 以下、
?人を探すな
比企ヶ谷を見ていてもう一つ気づいた。彼の目は先天性的なものだと思っていたのだが、限りなく近いくらいまでなら模倣できる事がわかった。
彼は孤独であるが故にあえて人を探さない。外部である自身にとってはどこに誰がいて誰が話していようが関係ないのだ。他人に期待しない、だからこそ他人を心の視界から外している。この点は流石、朝教室に来て友人の姿を見つけては挨拶や雑談を始める自分達とは違うと言える。とりあえず俺はサスケ奪還編を脳内という視界のなかでで繰り広げつつ歩いて慣れていくとしよう。
三浦「隼人!! そっち女子トイレ!!!!」
由比ヶ浜「は、葉山くん!?」
葉山「わかるってばよ」
三浦「わかってねーーし!! ほらこっち!!」
14: 以下、
?昼食ポイントを探せ
よくフィクションの世界ではボッチ飯の場所はトイレと表現されてるようだが、どうも彼は違うらしい。なるほどテニスコートが見えるあそこか。しかし最近では川崎やら戸塚も行き来しているようだ。孤高の彼にとってはさぞ居心地が悪かろう。俺はどうするかな……初心者だしまずはトイレで食べていくとしよう。場所を見つけるのは後だ。
由比ヶ浜「ヒッキー!」
比企ヶ谷「おぇ……」
由比ヶ浜「人の顔見て吐くなし!失礼にも程があるから!」
比企ヶ谷「で何よ?」
由比ヶ浜「あぁ、ヒッキーさ。もうお昼食べちゃった?」
比企ヶ谷「……いや俺光合成できるから昼食いらないんだわ」
由比ヶ浜「あ、そうなんだ、ごめんね……ってんなわけないでしょ!あたしでもそれくらい嘘ってわかるし!」
比企ヶ谷「嘘ついたのは謝るが……その包みってまさか」
由比ヶ浜「うん! お弁当作ってきたの! よかったらヒッキーもどうかなって」
比企ヶ谷「それは……俺に死ねと?」
由比ヶ浜「死なないよ!ちゃんと味見したもん!」
比企ヶ谷「お前が?」
由比ヶ浜「ううん。サブレ」
比企ヶ谷「サブレかよ!?」
由比ヶ浜「お父さんもお母さんも食べてくれなくて……でもサブレ美味しくて震えてたよ?」
比企ヶ谷「それは痙攣じゃないですかね……」
由比ヶ浜「……」ジー
由比ヶ浜「ヒッキーもやっぱり……ダメ?」グスッ
比企ヶ谷「……。まぁ、サブレの心意気を無駄にするのもな……食べます」
由比ヶ浜「ホント!ヒッキー!!!!」ピョンピョン
どうやら孤高の人間がボッチ飯である必要はなさそうだが。
三浦(隼人マジでどうしたんだろう?)
15: 以下、
?移動は自転車
サッカーでもそうだが、レベルが高くなるに連れて集団競技では一人だけ突出しても余り効果はない。カウンター戦術では稀に上手く行くこともあるが。
ポイントを取る人間が一人では繰り出す戦術が限られてしまう。故に孤立する。対策を取られやすい。
つまりレベルの高い孤高者とは最ということになる。バスや徒歩で周囲が友人間での雑談に勤しむ中、もしくは部活動の中で青春の汗を流す中、颯爽と駆け抜けて帰路につく。これらにおいて自転車は最適な移動手段といえる。流石比企ヶ谷。俺が認めるだけの男である。
たしか家にもスポーツタイプの自転車があったな。妙にタイヤが細かった気がするがまぁ問題はあるまい。次からは自転車通学だ。
一色「せんぱーい!」
比企ヶ谷「さよなら」
一色「はい!さようならー!って違いますよ!なに普通にスルーしようとしてるんですか!自転車止めてください!」
比企ヶ谷「お前生徒会はどうしたんだよ」
一色「もう終わりました!あ、先輩に会うために早く終わらせたんですよぉ??」
比企ヶ谷「お前あんまり変な無理するなよ」
一色「え?それってひょっとして心配する素振りを見せてカッコいいアピールしてます? ごめんなさいちょっと無理です気持ち悪いです」
比企ヶ谷「じゃそういう事で」
一色「だーかーらー! お願い事があるんですってば!」
比企ヶ谷「なんだよ?」
一色「実はサッカー部の備品の一部が足らなくて。帰りに買っていこうかと思ってるんです。先輩手伝ってください」
比企ヶ谷「はぁ?生徒会ならまだしもサッカー部の事なら俺関係ないじゃねぇか」
一色「ダメですか?」
比企ヶ谷「ああ、ダメだ。それこそ葉山を誘ってやれ。ため撮りしたアニメを消化せねば」
一色「グスン……もういいです。生徒会の権限で先輩の自転車通学禁止にしますから」
比企ヶ谷「えぇぇ……」
一色「……ウルウル」
比企ヶ谷「わかったよ付き合えばいいんだろ?」
一色「あ、それ口説いてますぅ?」パァ
比企ヶ谷「帰ろうかな」
一色「嘘ですって先輩!ありがとうございます!」
比企ヶ谷「まぁ俺もイヤホンついでに買うか」
……。比企ヶ谷も気の毒だな。一色は確かに可愛いがあのテンションでは比企ヶ谷も手に余るだろう。
やはりあいつの気持ちをわかってやれるのは俺しか
雪ノ下「なにしてるのかしら?」
葉山「ゆ、雪ノ下さん!?」
雪ノ下「そんな隅っこでボーっとしてるなんて。まるで比企ヶ谷君ね」
オイナンデオレノタイイクノジュギョウノヨウスヲシッテイル
葉山「い、いや……」
雪ノ下「皆帰ってるみたいだけど、あなた帰らなくていいの?」
葉山「これから帰るよ……す、すまない」
雪ノ下「別に心配で言ったわけじゃないわ。視界の端に引っかかって邪魔だっただけ。掃除しきれなかった埃のようなものよ」
葉山「埃か……そうかもな」
雪ノ下「?」
葉山「なんでもない……じゃあ」
皆の知る葉山隼人として話すのはこれで最後かもな。
18: 以下、
翌日
朝9:00
葉山宅
さて、どうにか家族を誤魔化して学校は休めた。平塚先生もどことなくだが俺相手だと素気ないものだったな。
顧問にも一応連絡はしたしどうしたものか。ズル休みなんて初めてだからな。
……うむ。やったことないが二度寝でもしてみるか。
………
……
…
昼12:00
ブブブブブブ
ん? メールか
おそらく優美子達からだろう。どれどれ
from優美子 to隼人
『風邪ひいたんだって?隼人なのに珍しいって思ったけど大丈夫?あーし風邪に効く物とか知らないんだけど何かお見舞いもってこうか?』
あれ? この後にも来てるな
from優美子 to隼人
『ホント大丈夫?昨日から様子が変だなって思ってたんだけど。悩み事あんならあーし聞くから!』
優美子……。
正直この優しさは良心が痛む。いつもなら皆のよく知る葉山隼人として返事も返すのだが……今からこれら全てをガン無視しなければならない。
優美子他にもぞろぞろとメールが来た。
from戸部 to隼人
『隼人がカゼってマジしんじらんねぇわー ってかマジちょーしどう? 帰りポカリ買ってそっち行ってもいい?ww』
from結衣 to隼人
『やっはろー!! 葉山君が風邪って聞いて皆びっくり!私もすごぉ??くびっくり! そういえば体調崩すのって珍しいもんね。早く元気になるとイイネ!』
from大和 to隼人
『大丈夫か?』
from山岡 to隼人
『だい』
皆……すまん。俺は生まれ変わるって決めたんだ……。っていうか山岡絶対途中送信したなこれ。寡黙な大和よりも文字数少ないぞ。
19: 以下、
夕方18:00
母「ごめんなさいね……今すごく調子悪いみたいで。皆が来てくれたって事伝えるからね。隼人のためにお見舞いまでありがとう」
三浦「そうですか……」
トボトボ
大和「気を落とすな。こんな日もある」
三浦「でも……メールも返事来なかったし……思えば昨日から様子も変だったし」
戸部「それな!マジそれな!っつーか今日の優美子まじ暗いっしょ ヒキオ君みたいじゃね?」
三浦(キッ)
戸部「あぁー……マジごめんだわー……」
山岡(余計な事言い過ぎだっつーの。あぁあああっていうかメール途中で送っちまったよ絶対葉山に笑われるわあれ……)
葉山「」ジー
葉山「……ごめんな皆」
21: 以下、
翌日
朝7:50
準備は出来た。自転車のタイヤ確認おk。っていうかロードバイクっていうんだなこれ。上手く走れるかな……。
それじゃぁ一気に……GO!
コテッ ガシャン
……走って行こう。なに、ちょっとした走り込みみたいなもんだし。
朝8:10(学校)
予行練習した通り……遠くの物を見るように、なるべく人の目を見ないようにっと
三浦「っでさー、あ!隼人じゃん!」
葉山「……」
そしてイヤホンも装着済みと。別に音楽を鳴らす必要はない。
三浦「あれ? 隼人?」
葉山「チラッ」
戸部「お?」
スッ ガタガタ ガタン
三浦「隼人、お、おはよう……具合わるいん?」
由比ヶ浜「葉山君……いきなり机につっぷしちゃって……大丈夫かな?」
戸部「え? マジで大丈夫か隼人?」
葉山「……」
山岡「保健室いく……か?」
葉山「……」
山岡「な、なぁ」
由比ヶ浜「あ、ヒッキー……」
比企ヶ谷「バッファロー……ってあれ?」
由比ヶ浜「や、やっはろー……。葉山君がね……ちょっと変で。ヒッキーみたいになっちゃって」
比企ヶ谷「……いや俺がいつも変みたいな言い方やめてください」
葉山「……」
三浦「……」
23: 以下、
昼12:30
顧問「た、退部!?」
葉山「はい……すみません先生」
顧問「いや、だってお前……どこか怪我でもしたのか?」
葉山「そうじゃないのですが……もう自分は走れそうになくて。僕がいてもチームに貢献は出来ないと思いまして」
顧問「……葉山」
葉山「はい」
顧問「俺はお前に何があったのか知らん……。だがお前の事だ。家の事とか色々事情があるだろうし……そうだな。しばらく部活を休め。しばらくして辞めたいのだったら退部はその時でもいい」
25: 以下、
結局休部扱いになってしまった。つくづく俺は嘘が下手なのだと思う。別に受験勉強に専念したいと言ってもよかったのだが。それは何か違うような気がして喉元まで出かかったところで言えなかった。でもいい先生だなぁって思ってしまった。
退部についてはまた今度考えよう。時間が経てばそのうち退部になるだろうし。
………
……
…
29: 以下、
放課後16:00
比企ヶ谷「で?」
三浦「……」
戸部「……」
大和「……」
山岡「……」
比企ヶ谷「こいつらどうしたの?」
雪ノ下「この部屋にあなた方が来るなんて正直思ってなかったのだけど」
由比ヶ浜「私がちょっとその……薦めたっていうか。ゆきのん達にも聞いて欲しくて」
雪ノ下「内容にも寄るし奉仕部の依頼として受けるかどうかは保障出来ないけど、それでもいいなら」
戸部「いやーそれがなんつーか」
三浦「いいよ。あーしが言うから……」
カクカクシカジカ
30: 以下、
雪ノ下「葉山君がクズ谷君みたいになったですって?」
比企ヶ谷「おい流れるように他人の名前を穢すな」
戸部「そうなんよーマジ引いたっていうか 余りの変貌ぶりにビビったっていうかー」
大和「まるで別人のようだ」
山岡「俺らも何がなんだか」
三浦「様子が変だと思ってたから……昨日もメール送ったんだけど……全然返事来なくて……それで今朝会ったら全然話も……は、な、ヂも……し、してぐりぇなくて……」
由比ヶ浜「優美子……」
三浦「あ”、ああ”しだち……き、きらわれじゃったんじゃ……な”いがって……それで……それっでぇ……」グズッ
山岡「あー……ははは……」
戸部(三浦っち泣いちゃったよ)
雪ノ下「事情は分かったわ。私も一昨日帰り彼に会ったわ」
戸部「え!? それマジ!?」
雪ノ下「えぇ……ただ特に変わった様子は……あ、でも」
葉山「最初見たときはボーっとしてて、その反面いつものナヨナヨした感じがしなかったというか」
三浦「あ”、あ”いづはナヨナヨなんが、ジでないィ」
由比ヶ浜「あーー優美子! ほら、チーン!」
33: 以下、
比企ヶ谷「んで?」
戸部「は?」
比企ヶ谷「俺らにどうして欲しいのかって話だよ」
山岡「いやぁ……えっと」
比企ヶ谷「俺はそっちが内輪揉めしてる分には何も問題ないし、むしろ気分が良いくらいなんだが」
雪ノ下「黙りなさい」
三浦「ひ、ヒキオてめぇ……」
由比ヶ浜「優美子落ち着いて!ヒッキー!!それ以上言ったらダメだよ!」
比企ヶ谷「俺らは別に愚痴聞く係じゃねぇだろ?生徒会の時みたいにあれをしろこれをしろって注文ならまだいいけどよ。良くねぇけど。葉山に拒否られたんならそれまでだって事だ。それ以上どうしようもない」
三浦「ッ……もういい! あんたらに聞いたあーしらが馬鹿だった……」
由比ヶ浜「あ……」
大和「待て優美子」
比企ヶ谷「……」
三浦「大和……」
大和「それでも頼む……。葉山は、俺達にとって大事なダチなんだ。優美子のように感情任せでも通用しないし、俺達は馬鹿だから……アイツが今考えているのかよくわからない。こんなわけもわからないまま終わっては。先へは進めない」ペコッ
比企ヶ谷「……」
大和「葉山が何かを抱えているなら解決したい。俺らに落ち度があったなら謝る気持ちもある。どうか一緒に考えてほしい……頼む」
戸部「俺からもマジで頼むわッ」
山岡「お、おれも」
三浦「……」ペコッ
由比ヶ浜「ゆきのん……」
雪ノ下「わかってるわ由比ヶ浜さん。……了解しました。依頼をお受けします」
比企ヶ谷「……」
34: 以下、
?回想?
今朝の教室
戸塚「おはよう八幡」
比企ヶ谷「ああ、戸塚……お前さえ居てくれれば他には何も、あと小町さえいれば要らないッ」
戸塚「あはは八幡ったらも?……にしてもどうしちゃったんだろうね葉山君」
比企ヶ谷「葉山ねぇ……勉強でもしすぎたんじゃね?」
戸塚「それにしては様子も変だし……なんか空気も重いし。八幡は何か知らない?」
比企ヶ谷「葉山の事なんて特に知りたくもないんだが……」
戸塚「でも昨日八幡に用事がありそうだったよ?」
比企ヶ谷「昨日?」
戸塚「うん。昨日の昼頃、八幡の事ジーッとみてたから……てっきり」
比企ヶ谷「なにそれコワいんですけど」
35: 以下、
昼の屋上
一色「おはようございます先輩♪ こんなところでお昼ですか?」
比企ヶ谷「いろは!伏せ!」
一色「はい!って何でですか!こんなかわいい後輩を犬扱いなんて最低です!由比ヶ浜さんじゃないんですから」
比企ヶ谷「お前……由比ヶ浜も一応先輩……いやなんでもない。んで何?集金ですか?ウチはテレビ見ないんで」
一色「なんで国営放送の集金だと思ったんですか!!ていうか払いましょうよ!テレビ見ないって絶対嘘ですよね!?」
比企ヶ谷「はぁ……」
一色「もう先輩の溜息をこれだけ聞く後輩なんて私ぐらいですね。はい!お弁当どうぞ!」
比企ヶ谷「おまえいきなりこんな……でも俺もうパン買ってあ」
一色「ではそのパンを頂ます!」グイッ
比企ヶ谷「多分断っても無駄だろうな」
一色「はい!!!」
比企ヶ谷「まぁいろはの弁当美味しいんだよなぁ」
一色「そういう事はもっと嬉しそうに言ってくださいよぉ……それと今日は」
比企ヶ谷「ん?」
一色「葉山先輩の事で話があって……」
比企ヶ谷(また葉山かよ……人気独占しすぎじゃないっすかね?)
一色「先ほど葉山先輩……退部届けを顧問の先生に提出したそうです?」
比企ヶ谷「へぇ」
一色「うわテキトーな……それでなんですが、昨日の放課後私たち一緒に帰ったじゃないですか?その時葉山先輩が後ろの方にいたの知ってます?」
比企ヶ谷「特に気にしてなかったからわからなかったが……そうだったのか?」
一色「も?先輩鈍すぎですよ。背後もちゃんと気を配ってないとタラシヶ谷先輩、誰かに刺されちゃうかもですよ?」
比企ヶ谷「お前……段々雪ノ下の毒舌まで移ってきてないか?それに俺に誠君むたいな人生はやってこない」
一色「あ!女の子の前で別の女の子の名前出しちゃダメじゃないですか!」
比企ヶ谷「知らん」
一色「もう!……それでその時葉山先輩、八幡先輩の事見てたような気がして……」
比企ヶ谷「あ?見てたのはお前の方じゃないか?あいつがお前の事惚れ始めたとか」
一色「それが昨日いきなりなんて変じゃありません?それにそういうのは勘ですぐ分かっちゃうんです。だって葉山先輩は……その……」
比企ヶ谷「いや、いい。すまん」
一色「なんでそこで謝っちゃうんですか!そこは黙って肩でも抱いてあげる所じゃないですか!」
比企ヶ谷「してほしいのか?」
一色「したら多分舌を噛み切っちゃうかもですが」
比企ヶ谷「自害するのかよ! 絶対やらんわ! 俺にまたトラウマ出来ちゃうじゃねぇかやめなさい!」
一色「まぁその時が来たらで♪」
比企ヶ谷「その時ってお前……」
一色「先輩」
比企ヶ谷「なんだよ」
一色「葉山先輩の事……よろしくお願いします」
比企ヶ谷「……暇だったらな」
36: 以下、
………
……
…
雪ノ下「ちょっと聞いてるの比企ヶ谷君」
比企ヶ谷「ん? ああ聞いてる」
雪ノ下「はぁ……それで、あなたの意見を聞きたいのだけど」
比企ヶ谷「え?意見? なんの?」
由比ヶ浜「聞いてないじゃん! もう!!ヒッキー!」
雪ノ下「葉山君をまずどうやって対話させるかって事よ」
比企ヶ谷「それなら多分心配はない。むしろ余計な事は一切するな。」
雪ノ下「……それはどうして?」
比企ヶ谷「あいつは今ぼっちになろうとしてる。何故かは知らないがな。だったら早い内にそうさせた方がいい」
由比ヶ浜「時間が解決してくれるって事?」
戸部「でもそれじゃあ俺達……」
比企ヶ谷「はっ……リア充のトップカーストの奴がぼっちになりてぇだなんて所詮無理なんだよ。それでも本気でお前らと縁切りたいならそうさせればいい。なんだこんなもんかと油断した所で好きなだけ引きづり出すだけだ。仮に別の理由があるにしてもこれだけ構ってちゃんオーラ出しまくってるんだ。近い内に隙が出来るし、むしろ葉山の方から切り出してくる事も考えられる。ぼっちはいるかいないかすら気づかれないからぼっちなんだ。ソースは俺」
比企ヶ谷(かの近藤勇もいったそうな。泥棒は入った時よりも出ていく時の方が油断しやすいってな。ここで一番の問題はタイミングをしくじらない事だ)
三浦「……ヒキオの意見に賛同するのは正直ムカつくけど。でもあーし等に出来る事なんて見つからないし」
由比ヶ浜「あたしも……隼人君は今ヒッキー状態だろうから。ちゃんと話合うのは難しいと思う」
雪ノ下「そうね。何せ半年以上も一緒にいるのに苦労してるものねこの両生類には」
比企ヶ谷「ほっとけ」
由比ヶ浜「でもちょっとわかるかも……あたしも偶にだけど、一人になりたい時ってあるし」
三浦「結衣……」
由比ヶ浜「ううん違うの! それであたしたちも一度バラバラになりそうになった時もあったから。ヒッキーだけじゃなくて、あたしも……ゆきのんも」
由比ヶ浜「二人ともきっと優しいから……先の事とかどうなるか不安で、考えれば考えるほどわけわかんなくなっちゃって……。大事な物が壊れるくらいならいっそ自分から離れちゃおうって思って。隼人君だって多分そうだと思う。大事じゃないのにここまで友達なんかやってないよ絶対! 優美子の事も皆の事も……」
雪ノ下「……由比ヶ浜さん」
由比ヶ浜「な、なに?」
雪ノ下「もし誰とも口を利かないで過ごすようにと言われた場合、貴方ならどれくらい耐えられる?」
由比ヶ浜「う、うーん……本当は一日だってイヤなんだけど……多分3日かな」
雪ノ下「3日、ね……」チラッ
比企ヶ谷「……」
雪ノ下「ふぅ。なぜ彼が貴方達を拒否するのか。そもそもそれが彼の本心なのか疑問がまだ残っているんだけど」
雪ノ下「奉仕部部長としては葉山君の件については3日ほど様子を見る事を進言します」
三浦「でも……」
雪ノ下「大丈夫。とりあえず明日まで様子を見てまた放課後に話合いましょう」
37: 以下、
少なくとも味方にはなってくれるであろう雪ノ下の言葉に一同は安堵したらしい。
俺達奉仕部も各々考えをまとめる為、少し早めに部活を切り上げ帰宅することになった。
しかし……
3日様子を見るという俺達の算段は甘かったと気づかされる羽目になる。
38: 以下、
葉山「はぁ……」
なんか案外みんなアッサリしているものだな。孤独とはこうも簡単にいくものなのか。
優美子からは放課後以降連絡は来ないし、他の皆からも然り。
周りの視線は一応気にはなるものの、すぐに慣れるだろう。近い内に髪も黒く染めるべきだな
それにしてもまだ2日目だというのに噂というのは伝達が本当に早いものなんだな。ちらっと聞いた限りでは「葉山隼人が夜のバイトをしている」とか「暴力団と関係を持っている」とか「昔の恋人の怨念が憑いた」とか。恋人の怨念については……いや考えるのはやめよう。今はぼっち修行中だ。
さて……今日はどこで食べようか、と予めコンビニで買っておいたパンをぶら下げてうろついてみると
モブB「ねーねー聞いたよぉ?? あんた昔葉山先輩に告った事あるんだって??」
なんだ?あれってたしかAさんじゃないか……?コソコソ
モブA「あ……う……」
モブC「んでもってフツーに振られたんだってさぁ まじ無様ww」
モブD「あんたみたいなクソブスが相手にされるわけないじゃんなぁ」
モブC「っていうかさ 葉山先輩が調子悪いのってあんたのせいじゃね?」
モブA「ど、どうしてッ」
モブB「おめーなんかやってそうじゃん。呪いみたいな?すっげぇ暗そうだし」
モブC「うわ陰気」
モブD「逆恨みとか最低じゃん」
モブA「ソンナコトヤッテナイ……」
モブB「あぁ きこえねーよ」
モブC「あんたやっぱ気に入らねぇ。つかうぜぇ。何?媚ってんの?」
モブD「陰気の考える事はやっぱ陰気だよな」
モブA「ウッ……」
ほらな……だから嫌なんだよ……
俺の知らない……いや知ろうとしなかったのかもしれないが。毎度毎度陰でこんな事が起こってるなんてとてもじゃないが神経が持たない。
なんだって俺なんかにあんなに一生懸命告白した女の子がこんな目に合わねばならない。
39: 以下、
『比企ヶ谷八幡ならどうしただろう』
彼だったらこんな時でも自分の犠牲を考えるのだろうか。特に自分と親しいわけでもない相手のために……いや彼ならやる。
キャンプや文化祭の時の事を忘れたか葉山隼人。あの時自分は何一つ役に立たなかったじゃないか。
それを彼は。躊躇った様子もなくやってのけた。
雪ノ下雪乃のためか。由比ヶ浜結衣のためか。奉仕部のためか。
どれでも違う。
理由ではない。
屁理屈こねて彼は適当な理由を俺に言ったかもしれないが、どれも彼の行動原理を説明するものではない。
今日だけ。
今日だけ彼のようになろう……
そして同時に葉山隼人を捨てる。
モブB「じゃあ放課後迎えにいくから」
モブA「で、でも」
モブC「逃げても無駄だからぁ。あんたの靴はあたし等持ってるし」
モブA「……ハイ」
腹は決まった。
上等。
当たって砕けてやる……。
40: 以下、
放課後16:30
葉山「サッカー部のマネージャーを探してるんだ。僕の方も調子悪くてね……サポート役になろうかなって思ってる。今はちょうど人数も少ない。よかったら来てくれないかな? 出来れば君達と一緒にサッカー部を支えたいな。あ、この事は僕達だけの秘密にしておいてくれないかな? 先輩達の中にはその……不節操な人もいるから。僕と君達だけで話し合いたい。今は使われていない運動部用の部室棟があるから。放課後そこに来てほしい」
あの後イジメグループと思われる3人組にはこんな感じに伝えた。話を聞くとどうやらソフトテニス部に所属しているらしいが、あの感じだと幽霊部員だろう。顧問にわざわざ確認しに行くような真面目な生徒ではない。よくよく考えれば穴だらけの内容だが、今日だけはこの顔に感謝してもいいだろう。
以前告白してきたあの子には以前の告白の返事をやり直したいと伝えておいた。以外にも簡単に俺についてきてくれた。
イジメ加害者3人と被害者1人。そしてその元凶が1人。今全員がボロ小屋に集まる。
俺がこれからやろうとしているのは……恐らく何の解決にもならない。
今から俺を含めて5人全員引っ掻き回す。
全部を捨てて一からやり直し。
これで彼に少しは近づけるかと思えば安いとも思えてきた。
ただ一つ思う所は、左にいる小刻みに震えている女生徒1人。すまないな……俺なんかのせいで。
41: 以下、
放課後16:40
モブB「せ、先輩…… どういう事だよ」
葉山「はて……どういう事かな?」
モブA(プルプルッ)
モブC「そうかてめぇ 葉山先輩に……先輩は誤解しています!」
葉山「黙れ」
モブD「あたし等は別にイジメてなんか」
葉山「お前たちがイジメているかどうかなんて知ったことじゃない」
モブC「じゃ、じゃあこれは」
葉山「もううんざりだ。勝手にお前らメス豚共の妄想押し付けられた上に告った後には斬った貼っただギャーギャー騒ぎやがって……いい加減にしろお前ら」
モブB「そんなのあたし等だけじゃねぇよ!」
葉山「豚を肉にするのにいちいち事情なんか訊かねぇよ。俺の視界に入って邪魔だった。それだけだ」
モブA「か、帰る。あんた頭おかしいよ!! たかがこんな奴に」
葉山(カチャッ)
葉山「帰らせねぇよ。お前らは今から心身共に俺の……」ヌギヌギッ
モブ「え……」
42: 以下、
葉山「肉奴隷になれ!!!!!!!」スッポンポン
あれ?性奴隷だっけ?肉便器だったか?まぁいいか
43: 以下、
モブ「「「……ひっ」」」
葉山「全員ケツ穴なめてやるぅうううううううううううううう!!!」
モブ「「「イヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」」」
終わった……これでいい。これだけ悲鳴があればいくら離れた部室だって届く……。俺の評判をどん底に落とせばこんなこともなくなる。
俺はこのまま退学。母さんも父さんも悲しむだろうな……。
葉山「うぉおおおおおおおおおおおおお! 制服剥いじゃうのぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
もういいんだ。これで俺も解放される。葉山隼人から抜け出せる……。
優美子、戸部、大和、大岡……俺には勿体ないくらいの友人だった。本当にごめ
44: 以下、
比企ヶ谷「行けぇえええええええ!! 材木座ぁああああああああああああああ!!!!!!!!!」
材木座「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
ドカァアアアアン
葉山「ドアが!? な…にが」
戸部「隼人ぉおおおおおおお!!」
大和「お前……」
山岡「大馬鹿野郎ぉおおおおおお!!」
材木座「あ、あれ? マイエンジェルは? 運命の女性はいずこへ!?」
三浦「隼人……隼人ぉ……」
雪ノ下「全員無事かしら?」
由比ヶ浜「ゆきのん!Aさんも大丈夫!」
比企ヶ谷「えーっと……大丈夫っすかね?」
モブBCD「「「ガクガクガク」」」
雪ノ下「とりあえず……全員一度奉仕部部室へ」
45: 以下、
雪ノ下「さて、葉山隼人君」
葉山「……はい」
雪ノ下「今回の事で何か言い分はありますか」
葉山「……」(スッポンポン)
比企ヶ谷「いや服着てからにしろよ」
………
……
…
46: 以下、
葉山「そうか……あの子は君達に相談していたのか」
雪ノ下「ええ、一週間前にね。私達はまず証拠集めの為に彼女にレコーダーを持たせておいたの」
ポチッ アンタチョットキナヨー キャハハ
比企ヶ谷「んで、ある程度集まったらこれを餌に交渉に持ち込むって手筈だったわけ」
葉山「なるほど……。そういう事か」
雪ノ下「そんな時に、葉山君。貴方が出てきたの」
葉山「俺が何もしなくても解決出来たって事か……。また一本取られてしまったな比企ヶ谷」
比企ヶ谷「別に俺は何もしてねぇよ。何もするなって案だったからな本来」
雪ノ下「正直驚いたわ。葉山君の雰囲気がガラリと変わったと思ったら今度は奉仕部の依頼人とイジメ加害者達に接触してたのだから」
由比ヶ浜「だから昼休みの内にあの子に連絡しておいたの。葉山君の誘いには乗らないでって」
葉山「ならどうして」
比企ヶ谷「Aが事情をしつこく聞いてきたんだ。お前が何かやらかすかもしれないから危険だと言った。それでも葉山。お前がもし困っているんだったら自分も力になりたい、協力させて欲しいっだとさ」
雪ノ下「振った相手に迷惑までかけるなんてね。男として万死に値するわよ葉山君」
葉山「……すまない」
比企ヶ谷「万一野次馬が来ないようにいろはと戸塚と海老名にも協力してもらった。その上でお前が旧運動部室に入った後に何かアクションがあれば俺達が突入するようにした。誰かが怪我しないように材木座をタンク役においてな。ま、お前が余計な事しなけりゃこんな面倒な事にはならなかったけどな」
葉山「……邪魔をする気はなかったんだ……本当にすまなかった」
葉山「だが……なんでここまでする?いつものお前なら比企ヶ谷。俺が退学処分になろうが構わないはずだ。放っておけば騒ぎになればいじめ問題だって解消される。お前がいつもとってる行動だ」
比企ヶ谷「俺は裸になるような事はしないがな……誰得だよ」
葉山「そうだな」
雪ノ下「私も別に貴方がどうなろうと知らないけど……貴方を庇うような方法をとったのは、三浦さん達から依頼を受けたからよ」
葉山「優美子が?」
由比ヶ浜「葉山君とちゃんとお話したいって……私たちに頭下げたんだよ? わかる?葉山君。ヒッキーにムカつくこと言われて顔とかぐちゃぐちゃになって……」
比企ヶ谷「うぐっ」
葉山「……」
由比ヶ浜「最低だよ……女の子にそんな事させて。戸部君も大和君も大岡君だって……友達大事に出来ない人なんか……あたし……ヒック」
比企ヶ谷「お前が泣いてどうするよ」
由比ヶ浜「だって……ムカつくんだもん」
比企ヶ谷「……なぁ葉山」
葉山「ああ」
比企ヶ谷「お前……総武高の裏掲示板見ただろ?」
葉山「ッ……」
比企ヶ谷「気になって調べてみたんだけどさ。まぁー出るわ出るわお前や三浦に関係する愚痴やら悪口やら。雪ノ下のもあったな。今回の依頼人もその対象になっていた。ちなみに俺の名前なんか一切なかった」
由比ヶ浜「そ、それはなんていうか……」
47: 以下、
葉山「耐えられなかったんだ……」
葉山「他人の悪意を目前にして……俺が原因で誹謗中傷を受けてる人がいるのを知って……」
葉山「甘く見ていた……。比企ヶ谷。お前の言う通りだ。俺は人の善意を盲信し過ぎていた」
葉山「葉山隼人が恐ろしくなった。皆の言う葉山隼人は俺じゃない別の誰かなんじゃないかと思いたかった」
葉山「自分を……捨てたくなったんだ」
雪ノ下「それで、あんな感じに?」
葉山「比企ヶ谷」
比企ヶ谷「……あんだよ」
葉山「俺はお前になりたかった……。お前のように孤独になりたかった……」
比企ヶ谷「……だからお前は甘いんだよ」
葉山「……」
比企ヶ谷「俺が自分から逃げてるからボッチになったと思ったのかお前? お前がちょっとやり方変えただけで俺になれるとか、何の冗談だ。ナメるのもいい加減にしろ。俺はぼっちになるべくしてなってんだ。キャリアがちげぇよ甘ちゃん。レベルあげて出直してこい」
葉山「違う! 俺はお前と分かり合いたくて」
比企ヶ谷「そんな時は一生来ねぇよ。そもそもぼっちに友達はいねぇしいらねぇ。そこからしてお前は間違ってるんだよ!」
葉山「……」
比企ヶ谷「今のお前はリア充でもなければボッチでもねぇ。そんな奴に理解されてたまるか」
彼の目から何の感情も読み取れなかった。ただ一つわかった事は、彼が俺には何の興味もないという事だった。
48: 以下、
雪ノ下「……三浦さん。何かいう事はある」
三浦「……ある」
由比ヶ浜「優美子……」
こうなれば何だって受け入れよう。感情を抑えきれないといった優美子の顔を見るとそうする以外にないような気がした。
三浦「隼人……あんたあーしらの事嫌い?」
葉山「それは……」
三浦「あーしの目を見なさいよッ」バチンッ
葉山「グッ……」
雪ノ下「三浦さ」
比企ヶ谷「止めるな雪ノ下」
バチンッ
バチンッ
バチンッ
バチンッ
バチンッ
バチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッ
比企ヶ谷「いややっぱ止めよう」
49: 以下、
戸部「優美子!マジ死ぬって隼人!」
三浦「離せし!そんなに自分を捨てたいなら……あーしが殺してやる!!」
葉山「優……美……k」
三浦「あーしらはッ……あーしらはッ……あんたみたいに頭良くないし……あんたがあーしらを支えてくれて……付き合いも良くて……何考えてんのかよくわかんなくて。でもあーしらの事よく考えてくれてて」
葉山「……」
三浦「でも、でも、あんたがそんな辛そうで……そんなにあーしら役に立たねぇのかよ!ダメになりそうならちゃんと言えし!何のために、ヒックあーしら友達やってるか、わかんねーじゃん……」
葉山「俺は……皆の思う葉山隼人じゃなければ……それがもう……」
三浦「知らねぇよ!そんなのあーしら、知らねぇよ!……頼むから、頼むから帰ってきてよぉ……」
三浦「グズッ……あーしらを……お願いッだから……捨てないでよッ」
三浦「喧嘩くらい……させてくれし」ヒック
『仲間を大事にしない奴はクズだ』
カカシ先生がそんな事言っていたな。
あぁ……そうだ。俺は自分を捨てようとしたんじゃない……。
俺の持ってるもの……こいつらを捨てようとしただけだった。
比企ヶ谷と友人になりたいだなんて呆れる……奴は本当に大事な物を知っている。何を守るべきなのかを分かっている。
所詮分かり合えるはずもなかったのだ。
50: 以下、
目の前で真っ赤な顔で俺に掴みかかっている彼女とそれを抑える彼らを見る。
いつも見てきた顔……こんなクズの俺にここまで怒ってくれるのも他にいないだろうな
こいつらを……俺は……俺は
ジワッ
葉山「ご……め”……ん」
葉山「ほん、とうに……ごめんな」
普段使いもしない涙腺が開いた
三浦「まじ……まじゆるさね”ぇし」グズグズ
葉山「迷惑かけて……ご、めん」
戸部「ち、チクショウぅ???隼人ぉ!俺にも一発殴らせろ!後NARUTO返せ!」
大和「俺もだ……馬鹿者」
山岡「じゃ、じゃあ俺も」
ワーワーキャキャー
(帰りづれぇ……)
51: 以下、
………
……
…
その後どうなったかっていうと俺は停学2週間の処分を受けた
騒ぎになる前だったから内々に済ます選択枝もあったが俺がそれを許せなかった。
全てを平塚先生に話して俺は凄く怒られた。他人からあんなに怒られたのは初めてだ。
職員会議では退学処分という考えもあったが、総武高校の裏掲示板やイジメ問題の件があったこと、葉山隼人の普段の生活態度や成績等の点を挙げて平塚先生やサッカー部顧問が庇ってくれたらしい。本当に迷惑をかけてしまって申し訳ないと思う。
サッカー部の方は退部ということになった。当然ではあるが、せめてもの俺のけじめだ。
そして……
52: 以下、
平塚「そんなわけで新しい部員だ」
葉山「葉山隼人です」
三浦「三浦優美子」
戸部「チィ?ッス」
大和「……」
大岡「お、大岡です」
「「「「「よろしくおねがいしまーす」」」」」
比企ヶ谷「お、おまマジかよ……」
雪ノ下「調教し甲斐がありそうなのが増えたわね。私の好きにしていいのかしら?」
由比ヶ浜「うわ?凄い大所帯になったね?」
平塚先生曰く『ここで根性を叩き直してこい』との事だ。
案の定比企ヶ谷は分かりやすいほど嫌そうな顔をしている。今度は少しくらい彼の事を理解出来ればいいんだが。
53: 以下、
雪ノ下「それじゃあ先ずはこの部室の大掃除からね。後ろの机を廊下に出して頂戴」
葉山「はい、部長」
比企ヶ谷「はいはい。頑張ってくださいねっと」
雪ノ下「貴方もやるのよ怠けヶ谷君」
比企ヶ谷「ですよねー」
葉山「やはり俺の青春ぼっち化計画はまちがっていた」
54: 以下、
?部室突入直前?
材木座「はっちまぁあああああああああああああああん!! 我の新作が」
比企ヶ谷「おい材木座大変だぞ。お前に告白したいって奴が旧運動部室で待っているらしい」
ホントウカハチマン!!! ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
?部室突入直後?
一色「あ!今来ましたよ!」
戸塚「え、海老名さん準備を」
海老名「そんな事言われても……」
一色「ふぁ!葉山先輩が裸になってるですって!?」
ブシュウウウウウウ
戸塚「うわぁ……凄い出たね……」
キャァアアアアア
先生「おいなんだ今の悲鳴は!」
一色「あ、ち、違うんです!この子が急に鼻血を出しちゃって」
先生「何?お、おい!!大丈夫か!!??」
一色(上手くやってくださいね比企ヶ谷先輩)
55: 以下、
以上でこのSSは終了となります! 読んで下さった皆さん、お疲れ様でした。
やはり文章を書くのって凄く難しいんですね。本当になんで皆さんあんなに上手に書けるんでしょう。
原作は自分1巻しか読んでおらず、後はアニメを見ていた感じです。
葉山好きだったり原作好きでお気分悪くされた方は本当にすみません……。
また何か機会がありましたら書いてみたいと思います。ではまた!
57: 以下、
乙
葉山が素っ裸になるシーンだけギャグぽくて別SSかと思ったわwww
ナルトとの絡め方は思ったり良かったな
64: 以下、
やはり呼び方とキャラの名前が気になったな
けど初ssにしては地の文上手だし、
発想も面白かった。
次回作(今度はまた別の設定で)
も楽しみ
あと原作読んでないなら是非読んで欲しいわ、泣けるから
70: 以下、
乙
最後まですらすら読めておもしろかった
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