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りーちゃん「年は関係ねぇ!です!」【SHIROBAKO】


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絵麻怖い
25: 以下、
りーちゃんはずかちゃんのことずかちゃん先輩って呼んでた気が
26: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:05:33.96 ID:+H8nIMZ2o
うむ公式のキャラクター紹介ではずか先輩ってあったけど作中ではずかちゃん先輩だったかね
少なくともみーちゃんはずかちゃん先輩言ってたわ
あと監督の一人称も俺だったかな…その辺ちょい適当ですまん
んじゃ続き投下します
27: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:06:36.20 ID:+H8nIMZ2o
ムサニ 屋上 夜
平岡「弁当もそろそろ飽きたな……」モグモグ
ガチャッ
りーちゃん「あっお疲れ様です 平岡さんも晩御飯ですか」
平岡「ああ見ての通り お前も今頃飯かよ」
りーちゃん「はいっす!…です! ちょっと熱中しちゃって…… 隣いいですか」
平岡「どーぞ」
りーちゃん「よっと 平岡さんいつもここで食べてるんですか?」
平岡「いやいつもってわけじゃねーよ 外で食ったりもするし、まぁ適当だな」
りーちゃん「そうですか…… あっから揚げ好きなんですか?」
平岡「いや、最近飽きてきたところだ」
りーちゃん「そうですか……」
平岡・りーちゃん「……」
平岡(話題が……)
29: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:07:58.00 ID:+H8nIMZ2o
平岡「……あー お前と宮森って高校の先輩後輩なんだっけ?」
りーちゃん「え? そうですよ 2こ上の先輩です」
平岡「あいつって昔からあんな感じなの?」
りーちゃん「えーっと 高校の時はもっと楽観的な感じだった、です 思いついたら即行動、みたいな」
平岡「ふーん」
りーちゃん「あでも、昔から自分達のリーダーでしたよ なんというか人を引きつける不思議な魅力があるんですよね……」
平岡「あーそれは分かるかもな あいつ無駄に前向きだし、人を立てんのも上手いし、クリエイターは気分いいだろうな」
りーちゃん「そうなんす!あ、です! 宮森先輩がいるとみんな楽しそうに作業してたです」
平岡「へー」
30: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:08:27.87 ID:+H8nIMZ2o
りーちゃん「……あの なんで急に宮森先輩の話、したんですか」
平岡「あぁ? 別に意味はねーけど…… (共通の話題がそれしかねーし)」
りーちゃん「そ、そうですか」
平岡(あ、こいつ変な勘違いしてそうだな……)
平岡「あのな」
りーちゃん「おいちゃん先輩はすごいです 自分の力でどんどん前に進むことができて」
平岡「んあ?」
りーちゃん「それに比べて自分は、おいちゃん先輩に引っ張ってもらわなければ舞台に上がることすらできなかったです」
りーちゃん「今の仕事だって、舞茸さんの力がなければ自分なんかに任されないです……」
平岡(こいつ……)
31: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:09:16.21 ID:+H8nIMZ2o
りーちゃん「自分は、他人に頼ってばかりで……」
平岡「何言ってんだよ お前」
りーちゃん「あ、ごめんなさい つい……」
平岡「コネだろうと媚びだろうと、それ込みでお前の実力だろ」
平岡「それにお前に今の仕事があんのは、掴んだチャンスを生かしてお前が努力してきたからだろうし」
平岡「卑屈になる必要ねぇだろ、別に」
りーちゃん「…… 前と言ってる事が違うっす……」
平岡「だぁああああ!! やっぱお前あの時のことまだ根に持ってんのか! しつけーやつだな……」
りーちゃん「!! ね、根に持ってるとかじゃあ……」
32: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:10:38.59 ID:+H8nIMZ2o
平岡「……悪かったよ あん時はまだ色々上手くいってなくてつい八つ当たりしちまった」
平岡「女がどうこうとか言った気もするけど、とんだ言いがかりだったな 反省してる」
りーちゃん「あわわ…… 別に謝罪の言葉が欲しくて言ったわけじゃあ……」
平岡「んだよ 土下座でもしろってか?」
りーちゃん「やっ!! いいっす! しなくていいっす! です!」
平岡「んじゃまぁ 水に流してくれ」
りーちゃん「はいっす! あ、です!」
平岡「……」
平岡「お前そのしゃべり方だけど……」
りーちゃん「うっ……」
平岡「変にデスデス言ってんのは遠まわしに俺に死ねって呪いでもかけてたりすんのか?」
りーちゃん「へ? まさか! そんなわけないじゃないですか!!」
平岡「んなら普段通りにしゃべってくれ 俺のこと嫌いなのは構わねーけど、露骨に他と差つけられっとやりづれーんだよ」
りーちゃん「なっ!! 嫌いじゃないっす!! 全然嫌いじゃないですよ?!!」
平岡「そうそう それでいい あとお前やたら宮森を神格化してるみたいだけどあいつも――」クドクド
33: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:11:38.37 ID:+H8nIMZ2o
制作室
タロー「おーーーっす大ちゃん! 調子はどう? ちなみに俺は今日も絶好調!!」
平岡「ぼちぼちだよ ったくいつも無駄にテンション高いなお前は……」
タロー「当然! なんたって三女を成功させた俺の未来は輝いてるからね! そろそろ高梨監督のオファーが来ちゃうんじゃないかと」
平岡「来るわけねーだろ その根拠のない自信はどっからくるんだか」
タロー「つーわけで今度飲みに行こーぜい! 仕事の悩み、あるっしょ!?」
平岡「何がつーわけでだよ 仮に悩みがあってもお前には相談しねーよ」
安藤「飲み会、いいですね! たまにはわたしたちも連れてってくださいよ?」
佐藤「確かに、仕事以外でご一緒することはあまりありませんでしたしね」
34: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:13:02.94 ID:+H8nIMZ2o
みゃーもり「それじゃみんな週末にでも飲みに行かない? 矢野さんどうですか?」 
矢野「いーんじゃない? 修羅場になる前に羽根伸ばしときたいしね」
タロー「え、矢野さんも来ちゃう流れ……?」
矢野「なーに? タロー?」
タロー「いえ、なんでもありません! まーお子ちゃま達の面倒を見るのも大人の務めだしね、大ちゃん」
平岡「勝手に話進めんなよ…… 俺は忙しいんだけど?」
矢野「ならそこの暇そうなバディに手伝ってもらったら? 飲み会の時間くらい空くでしょ」
平岡「……」
安藤「矢野さんつえー……」
みゃーもり「じゃあお店予約しときますね!!」
佐藤「私が電話します」
タロー「しゃぁーーー!! お仕事頑張っちゃうぜーーー!!」
35: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:14:08.01 ID:+H8nIMZ2o
松亭
\カンパーーーイ!!/カッ
タロー「みんなお疲れー!! かぁーービールがうまい!!」
矢野「タロー あんま騒ぐなよ?」
タロー「わぁかってますよ! ほらディーゼルさんも飲もう飲もう!」
りーちゃん「はいっす! なんかすみません自分まで混ぜてもらっちゃって……」
安藤「いえいえ! 今井さんとも飲んでみたいと思ってたんですよ?」ワイワイ
平岡「……」ゴクゴク
ずかちゃん「おいちゃんお疲れ」
みゃーもり「あ、ずかちゃん ごめんねー大勢で」
ずかちゃん「いえいえ いつもありがとうございます」
36: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:14:50.51 ID:+H8nIMZ2o
ずかちゃん「で、平岡さんってどっち? まさかあのモヒカンの……」
みゃーもり「いやモヒカンじゃないムスっとした方だよ」
ずかちゃん「ふ?ん 見た目はまあまあ……」
タロー「なになに今俺の話してた? あれ? 店員さんどっかで……」
ずかちゃん「えっと…… ごゆっくり?」ニコッ
タロー「ふむ…… ん? ちょっと大ちゃ?ん全然飲んでないじゃないの?」
平岡「うるせーな…… まだ始まったばかりじゃねーか」
タロー「だめだよそんなんじゃあ 今日は潰れるまで飲む約束でしょ、大ちゃん!」
平岡「んな約束してねーよ!」
りーちゃん(タローさんと平岡さん、ホント仲良しっすね……)
りーちゃん(大ちゃん、かぁ……)
37: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:15:46.96 ID:+H8nIMZ2o
矢野「平岡くんあまり強くないんだから無理しちゃだめよ」
平岡「分かってるっつの」
安藤「……そーいえば矢野さんと平岡さんって、専門学校の同期なんですよね?」
矢野「そうだけど?」
安藤「実はお二人は昔、恋人同士だったり……?」ニヤニヤ
りーちゃん(!!)
平岡「はああぁぁ!?」
矢野「ないない全然ない あり得ないから」
みゃーもり「ですよねー……」チラッ
りーちゃん(ふぅ……)
38: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:16:58.52 ID:+H8nIMZ2o
佐藤「では専門学校時代の平岡さんはどういった方だったのでしょうか」
平岡「はぁ?」
タロー「なになに佐藤さん 大ちゃんに興味深々?」
りーちゃん(!!)
佐藤「いえ、平岡さんは専門時代ブイブイ言わせていた、と高梨さんから聞いていたので」
平岡「……タロー?」
タロー「あれー…… そんなこと言ったけなぁ……」
矢野「ふふっ 専門時代の平岡くんはねぇ……」
平岡「おいっ!」
矢野「やる気のかたまりで、行動力も人一倍あって、いっつもみんなの中心にいたっけなぁ」
矢野「こんな作品が作りたいんだって目をキラキラさせて語ってたね」
安藤「キラキラ……」
佐藤「まるで想像できませんね」
みゃーもり「ちょっ、佐藤さん!」ブフッ
平岡「……」プルプル
39: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:17:51.25 ID:+H8nIMZ2o
りーちゃん「そ、それじゃあその…… 学校では結構人気だったり……?」 
矢野「そうだねぇ モテモテだったね」
安藤「!! 男にですか!? 女にですか!?」
矢野「どっちも」
安藤「ふおおおおおお!!」
佐藤「なるほど 異性だけでなく同性からも慕われる人徳がおありだったのですね」
りーちゃん(むむむ……)
みゃーもり(りーちゃんかわいい……)
40: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:18:43.00 ID:+H8nIMZ2o
矢野「それが今じゃ見る影もなくなっちゃって…… 月日とは残酷なものだね」
平岡「おまっ……」
タロー「そんなことはぁない!」
りーちゃん「そうっす!! 大ちゃんは今でもキラキラしてるっす!」 
「「「「「「!?」」」」」」 
安藤「今井さん、今大ちゃんって……」
りーちゃん「はっ!! いやっあのっ 違くて……」
タロー「おいおい大ちゃん! まさかディーゼルさんといい仲だったの!?」
平岡「バッ…… んなわけねーだろうが!」
矢野「平岡くん…… こんな若い子に手を出してたなんて……」
平岡「ちげーつってるだろ!!」
41: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:19:38.12 ID:+H8nIMZ2o
りーちゃん「そうっす! ノリでつい言っちゃっただけで…… 平岡さんすみません!」
平岡「いや謝ることじゃねーけど……」
タロー「まっ大ちゃん呼びしていいのはバディである俺だけだわな しかし大ちゃん満更でもなさそう」
平岡「ねーよ!!」
みゃーもり「まぁまぁ…… ところで私、矢野さんの専門時代のことも知りたいなぁ?なんて」
矢野「私!?」
平岡「あぁ…… 俺のこと散々茶化しやがったが、こいつも相当なサブカル好きでな……」
矢野「ちょっと 余計なことは言わないでよね」
安藤「何ですか何ですか!? もしかしてBL? まさかのコスプレ?」
佐藤「コスプレ…… 仮装して楽しむというあれですか」
りーちゃん(ふぅっ???! 焦ったっす!!)
42: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:20:53.18 ID:+H8nIMZ2o
ムサニ
興津「……それで、新人制作への指導要項については今月中にまとめておいてください」
平岡「……」
興津「平岡君、聞いていますか」
平岡「あ すんません 大丈夫です」
興津「……では分担はお二人にお任せしますので お先に失礼します」
平岡・矢野「お疲れ様です」
矢野「ちょっと まさかまだお酒残ってんの?」
平岡「ちげーよ 少しボーっとしてただけだろ」
矢野「もう年なんだから気をつけなね」
平岡「年寄り扱いしてんじゃねー!!」
43: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:21:30.33 ID:+H8nIMZ2o
平岡「……ん」
りーちゃん「あっ 平岡さんこんばんは こないだはお疲れ様でした」
平岡「おう お疲れさん」
平岡・りーちゃん「……」
りーちゃん「えっと……それじゃ仕事頑張ります!」
平岡「ああ」
平岡(なんか調子狂うな……)
44: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:22:29.73 ID:+H8nIMZ2o
りーちゃん(うぅ?こないだの飲み会は失敗したっす…… せっかく普通に話せてたのに……)
りーちゃん(急に馴れ馴れしい奴だって思われたかなぁ……)
木下「ふんふふ?ん あ、ディーゼルさん、から揚げ食べる?」
りーちゃん「……」
木下「……ディーゼルさん?」
りーちゃん「!! あっすみません! いただくっす!///」
木下「う、うん」
木下「ディーゼルさん、なんだかメスの顔してた……」
山田「えぇ!?」
木下「から揚げ好きなのかな?」
円「それメシの顔ですよ、監督」
45: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:23:17.68 ID:+H8nIMZ2o
みゃーもり部屋
みーちゃん「へー ずかちゃん先輩のとこで飲んだんですか」
絵麻「わたしも行きたかったな……」
みゃーもり「ごめん 絵麻忙しそうだったし……」
ずかちゃん「で、例のあの人、ばっちり見てきたよ」
りーちゃん「例のあの人て……」
みーちゃん「ずかちゃん先輩的にはどう評価しましたか」
ずかちゃん「んー 顔はまあまあ 悪い人でもなさそう 後は終始いじられてたなぁ」
みゃーもり「打ち解けてからは結構いじられキャラかも」
ずかちゃん「それよりそわそわしてるりーちゃんがかわいかった」
りーちゃん「ちょっ 何言ってるんですか!」
46: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:24:19.23 ID:+H8nIMZ2o
絵麻「りーちゃん 平岡さんとお話してみた?」
りーちゃん「あっはい ちょくちょく話してるっすよ」
3DCG「どんなこと話してるの?」
りーちゃん「えーと…… 仕事以外だと……基本おいちゃん先輩の話っすね」
みゃーもり「へ??」
りーちゃん「おいちゃん先輩がいかに有能か、実例をあげながら語り合ってるっす」
みゃーもり「ちょっ やめてよー///」
絵麻「……それって平岡さんがおいちゃんに気があるってことなんじゃ」
りーちゃん「え」
47: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:25:23.28 ID:+H8nIMZ2o
絵麻「だって何もないのにわざわざおいちゃんの話なんかしないでしょ」
みゃーもり「なんかって何!?」
りーちゃん「うっ そういえばやけにおいちゃん先輩に詳しい気がするっす……」
絵麻「平岡さん小心者だから、後輩を利用して遠まわしにアピールしてるのかも……」
ずかちゃん「絵麻 毒が出てるよ」
みゃーもり「そんな! 困る困る! 平岡さん根はいい人だけどわたしの好みとは違うし……」
みゃーもり「それに年も離れてるし!」
りーちゃん「それ言ったら自分のが離れてるっすよ……」
高野麻美?「ま、まぁまぁ 話しやすい共通の話題ってだけなんじゃないかな」
48: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:26:34.24 ID:+H8nIMZ2o
ずかちゃん「そうそう それにわたしの見立てじゃあの手の男の人はね?」
ずかちゃん「絵麻みたいな根く……大人しくて黒髪の子がタイプだと思うよ!」
りーちゃん「え」
タイヤ職人(ずかちゃん先輩今根暗って言おうとしたな……)
絵麻「そんなことないと思うけど…… あ、でも平岡さん、わたしには結構優しい……」
みゃーもり「それは制作と作画だし…… まぁ清楚な子が好きって男の人は多いかも」
りーちゃん「わたし、清楚っすかね……」
タイヤ職人「りーちゃんは無邪気な末っ子タイプ、かな でも知的なとこもあるよね」
絵麻「うん りーちゃんにはりーちゃんの魅力があるよ 話しててすごく楽しいとか」
49: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:27:59.12 ID:+H8nIMZ2o
ずかちゃん「それにりーちゃん、こないだの飲み会で大胆アピールしてたしね!」
りーちゃん「へ?」
みゃーもり「りーちゃん何かしてたっけ……」
ずかちゃん「ほら 唐突に平岡さんをあだ名?で呼んだでしょ」
みゃーもり「ああー いつの間に距離縮めてたの!?ってびっくりしちゃったよー」
ずかちゃん「本人も驚いてたし、あれからりーちゃんのことを意識せざるをえなくなってるはず! 高等テクね」
りーちゃん「そ、そうなんですかね…… 普段通りに見えましたけど」
ずかちゃん「内心ドキドキよ?」
みゃーもり「りーちゃんすごい! どこでそんなテク習ったの?」
りーちゃん「やっ 自分はただ平岡さんのこと考えてただけで……」
絵麻「///」
みーちゃん「ずかちゃん先輩もなんでそんな男心分かるんですか?」
ずかちゃん「そりゃ声優だからね」
みーちゃん「それ、関係ありますか?」
50: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:28:52.91 ID:+H8nIMZ2o
ずかちゃん「とにかく! 意識させてしまえばこっちのもの! 後は攻めあるのみだよ!」
りーちゃん「攻め……すか」
ずかちゃん「デートに誘ってみたり? あとりーちゃんなら胸をこう……」
りーちゃん「なっ 無理っす無理っす!!」
みゃーもり「でもでも年下のかわいい女の子に言い寄られたら誰でも悪い気しないよ!」
絵麻「おいちゃんはざっくりしすぎ……」
絵麻「でも、そろそろ勇気を出してみるべきかもね 何事も、一歩踏み出さないと結果は得られないんだし……」
りーちゃん「絵麻先輩……」
藤堂美沙「応援してるよ! 上手くいったら話聞かせてね!」
りーちゃん「……うっす! 頑張るっす!!」
51: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:29:43.80 ID:+H8nIMZ2o
ムサニ
平岡「失礼しまーす っと……」
山田「お、平岡 どうした」
平岡「いえ、今井さんってまだ来てないですかね」
山田「ああディーゼルさんならさっき、おしっこもれちゃう?って」
円「セクハラで訴えられますよー」
山田「で、何か用事か?」
平岡「いや設定制作の資料の件で…… また出直します」
52: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:30:42.76 ID:+H8nIMZ2o
制作室
りーちゃん「あ、平岡さん 山田さんから探してたって……」
平岡「ああ これ こないだ頼まれた資料まとめといたよ」
りーちゃん「あ! ありがとうございます! すみません、お忙しいのに……」
平岡「このくらい訳ねーよ んじゃ確かに渡したから」
りーちゃん「はいっす! ……あのー」
平岡「んー?」
りーちゃん「平岡さん、もうご飯食べました?」
平岡「ちょうど今行こうと思ってたとこだけど」
りーちゃん「今日もお弁当ですかね」
平岡「いや、今日は外に食いにいくつもり」
りーちゃん「じゃ、じゃあわたしもご一緒していいですかっ?」
平岡「は?」
53: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:31:22.07 ID:+H8nIMZ2o
平岡(な、なんだこいつ急に…… 金欠なのか? そうなのか?)
りーちゃん「や、やっぱ駄目っすかね……?」
平岡「いや…… 別に……」
りーちゃん「ホントですか! ありがとうございます!」 
平岡「つってもただのファミレスだぞ? うまいもん食いにいくわけじゃ……」
りーちゃん「はい! ファミレス上等っす!」
平岡(何がそんなに嬉しいんだか……)
タロー「うーーっす 大ちゃんお疲れー」
りーちゃん(うっ……)
54: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:32:20.38 ID:+H8nIMZ2o
タロー「大ちゃん今からメシ?」
平岡「お、おう こいつ連れてファミレスにな あ、そうだお前も行くか?」
タロー「お! いいねーいいねー! どうせならちょっといい店に……」
りーちゃん(……)
タロー「! ……っと思ったけど悪い! 大ちゃん! 実は急ぎの仕事が残ってたわー」
りーちゃん(!!)
平岡「あ? そうなのか? 珍しいなお前が仕事優先とか」
タロー「何を言う! わたくし高梨太郎は常に仕事人間ですよ んじゃそゆことでごゆっくり?」ニヤニヤ
平岡「何だあいつ…… じゃあ行くとしますか」
りーちゃん「は、はいっす! よろしくお願いします!」
55: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:33:54.92 ID:+H8nIMZ2o
ファミレス
平岡・りーちゃん「……」モグモグ
平岡「……あーお前最近ほぼ毎日ムサニに来てるみたいだけどちゃんと休んでんのか?」
りーちゃん「へ? も、もちろんです 全然無茶とかはしてないっすよ!」
平岡「そうか 別に家でやっても誰もサボってるなんて思わねーぞ?」
りーちゃん「いやー自分、家では作業捗らないタイプなんで……」
りーちゃん(本当は大ちゃんに会いたいからっすけど)
平岡「ふーん それはちょっと分かるかもな」
平岡「それにまぁお前が会社に来てくれたほうがこっちも助かるわ」
りーちゃん「え!? それってどういう……」
平岡「なんたって監督達の仕事の進みが段違いだからなー 若い女と仕事できてモチベーション上がってんだよ」
りーちゃん「い、いやー さすがにそんなこと……」
平岡「あんだよ 露骨にテンション違って見てておもしれーくらいだよ」フフッ 
りーちゃん(あ、ちょっと笑ったっす)
56: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:34:59.24 ID:+H8nIMZ2o
平岡「脚本の方はどうなんだ? もう仕上がってんだろ?」
りーちゃん「あ、はい でも結構直されちゃって…… 自分が考えた、とは言いづらいですね……」
平岡「ふーん そういうもんか」
りーちゃん「舞茸さんああ見えてスパルタですから…… でもすっごく勉強になるっす!」
平岡「タフなんだな、お前」
りーちゃん「脚本家はずっと自分の夢でしたからね 簡単にはへこたれないっす」
平岡「夢か……」
57: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:36:25.14 ID:+H8nIMZ2o
りーちゃん「あ! 平岡さんの夢はなんなんですか? どんなアニメが作りたいんですか?」
平岡「…… 俺は夢なんてとっくに捨てたよ」
りーちゃん「え……」
平岡「俺はお前みたいにタフじゃなかったからな…… ちょっと現実見えただけで諦めて、やさぐれて……」
平岡「後は知っての通り、無駄に年食っちまったよ」
りーちゃん「そ、そんなこと……」
平岡「あー悪い…… 愚痴るつもりはなかったんだけどな それに今はそんなに卑屈にゃなってねーよ」
りーちゃん「……でも、作りたい作品はあったんですよね? 夢はちゃんとあったんですよね?」
平岡「それはそうだけど…… 素面で語るもんでもねーから」
りーちゃん「あっじゃあお酒飲みますか!?」
平岡「飲まねーよ! それに飲んでも語らねーから!」
りーちゃん「そんなぁー…… 知りたいっすよー……」
平岡「いやだからそんな面白い話じゃねーっての」
りーちゃん「だ、だったら……」
58: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:37:41.60 ID:+H8nIMZ2o
りーちゃん「今度のお休みの日に、わたしと二人で出かけませんか!!」 
平岡「」
平岡「……は、はぁ?? 何でそういう話になんだよ……」
りーちゃん「い、いや二人なら存分に語れると思うし……」
りーちゃん「それに自分、男の人と二人で出かけたことってなくて……社会勉強っていうか……」
りーちゃん「そう!! 今後の脚本のためにも必要なんです!! ど、どうっすか!?」
平岡「お前……脚本のためとは言え10近く上のおっさん連れて出かけるとか体張りすぎだろ……」
りーちゃん「ひ、平岡さんはおっさんじゃあないですよ!」
平岡「と、とにかくそういうのは大学の友人にでも頼めよ ほら、そろそろ仕事戻るぞ 奢ってやるから」
りーちゃん「あうう……」
平岡(相手は女子大生…… さすがに年の差ありすぎるしな……)
平岡(そもそも俺なんかと出かけても楽しくねーだろ……)
平岡(……) 
59: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:38:36.33 ID:+H8nIMZ2o
ムサニ 昼
平岡「――それじゃ監督、次の打ち合わせ、お願いしますね」
木下「うん、わかった」
平岡「じゃ、失礼します」
山田「あ、あー平岡?」
平岡「? なんですか?」
山田「タローが言いふらしてたんだが、お前昨日ディーゼルさんと飯行ったんだって?」
平岡「!!(あの野郎……)」
木下「なになに? 何の話?」
平岡「い、行きましたけど、それが何か?」
山田「いやな、昨日帰ってきたディーゼルさん、えっらいへこんでたから何かあったんじゃないかと思ってな……」
円「目に見えて落ち込んでましたもんねー」
60: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:39:43.60 ID:+H8nIMZ2o
平岡「さぁ…… ただ普通に飯食っただけですよ」
山田「ホントかぁ? お前またブチ切れたんじゃ……」
平岡「しませんよそんなこと!」
木下「ふむ…… なら痴情のもつれ……か 平岡にまさかの六股疑惑発生 私は遊びだったのねー!!」
平岡「!?」
円「平岡、お前というやつは……」
平岡「なっんなわけないでしょーが! 俺はただ、あいつが二人で出かけようって言ってきたから、断っただけで……」
木下・山田・円「「「は?」」」
61: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:40:42.62 ID:+H8nIMZ2o
木下「何それ? どーいうことっ?」
円「嘘だろ…… 俺達のディーゼルさんが平岡なんかに……」
平岡「俺だってわけがわかりませんよ…… 急に言ってきたし」
山田「つーかお前なんで断ってんだよ! 俺なら喜んで行くね! そしてなんでも買ってあげる」
平岡「いやいや年の差的に問題あるでしょ……」
円「年は関係ねぇ! ましてディーゼルさんは大学生なわけだし何も問題ないだろー」
山田「円は今度女子中学生ものの監督やるんだよな」
円「それ今関係ないでしょ」
平岡「円さん、ロリコンだったんですか」
円「人聞きの悪いこと言うんじゃねぇ!」
62: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:41:59.24 ID:+H8nIMZ2o
木下「ま、何にせよディーゼルさんが落ち込んでたと言うのならそれだけ真剣だったってことだよね」
木下「平岡はまじめに話を聞いてあげたの?」
平岡「!! ……いや まともに取り合わなかった、ですね……」 
木下「うん、ならね、例え平岡にその気がなかったとしても真剣に向き合ってあげないとね」
木下「円の言うとおり、そもそも恋に年の差は関係ない! それも考えた上で答えを出してあげればディーゼルさんも納得してくれるよ、きっと」
山田「…… 監督が真面目なことを言ってる……」
円「さすが結婚してたことのある人は言うことが違うなー」
木下「俺はいつでも真面目だって言ってるだろ! それに結婚してたって言い方、気になるんだけどっ!」
63: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:42:58.27 ID:+H8nIMZ2o
平岡(年の差は関係なく、俺があいつをどう思ってるのか……か)
平岡(いやだいたいあいつがなんのつもりで誘ってきたのかもはっきりしてないけど……)
山田「俺はたとえ平岡がロリコンでも何も言わねーよ?」
平岡「……俺はロリコンじゃないっすよ」
円「ディーゼルさんは合法だからお前がロリコンでも犯罪にはならないぞー」
平岡「違いますって……」
久乃木「ロ…ロリ…?」
平岡「だから俺はロリコンじゃねぇって言ってるだろ!!」
久乃木「ひっ……!!」
平岡「あっ……」
やまだ・マドカ「「久乃木さんをいじめるんじゃねぇ!!」」
64: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:44:00.95 ID:+H8nIMZ2o

ガチャッ
平岡「失礼します」
りーちゃん「……」ビクッ
平岡「今井さん、ちょっと時間いいですか」
りーちゃん「へ!? え? だだだ大丈夫っす!です!」
平岡「んじゃちょっと屋上に」
りーちゃん「は、はい! すぐに!」
65: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:45:19.34 ID:+H8nIMZ2o
屋上
りーちゃん「……」
平岡「あー昨日言ってたことなんだけど……」
りーちゃん「」ビクッ
平岡「もう別のやつに頼んだりしたか?」
りーちゃん「え!? いや全然!!」
平岡「そっか んじゃ今度の日曜とか空いてねーか? 見たい映画あんだけど、一人で行くのもなんだし……」
りーちゃん「」
平岡「無理にってわけじゃねーから その、よく考えたら俺も暇でな……」
りーちゃん「い、行きます!! 日曜! 大丈夫です!」
平岡「お、おう んじゃ詳細はまた連絡するから 時間とらせて悪かったな」
りーちゃん(や、やった! デートっす! 大ちゃん、気をつかってくれただけかもだけど……)
りーちゃん(でも大きなチャンス、だよね うー今からドキドキするっす……)
66: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:46:03.30 ID:+H8nIMZ2o
日曜
りーちゃん(ついにこの日がやってきたっす……)
りーちゃん(服、これでよかったかな…… 絵麻先輩に清楚なのを借りとくべきだったかも)
りーちゃん(いやでもサイズが合わないかもだし…… それに自分には自分の魅力がある……っす!)
りーちゃん「ってあぁ!! 時間マズイっす?!!」
67: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:46:55.92 ID:+H8nIMZ2o
映画館
タッタッタッ
平岡「……ん 来たか」
りーちゃん「すっすみません? 自分いっつもギリギリ体質で……」ハァハァ
平岡「いやまだ時間あるし 別に急いでこなくても」
りーちゃん「そういうわけには…… あっそういえば映画、何見るんですか?」
平岡「あー一応ペロ○ェラ4ってアニメ映画を考えてたけど、別になんでもいーよ」
りーちゃん「P4Mっすか!! 自分も見たかったです! それにしましょう!」
平岡「ん じゃあそーすっか」
りーちゃん「?♪」
平岡(休日だからか、ちょっと気合入ってんな…… まぁ、かわいいよな……)
68: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:48:01.86 ID:+H8nIMZ2o
上映中
「うおおおおおお ペロクマァアアアア!! そいや!!」
「お前は俺で、俺はお前だったんだな…… なるほどなー」
「そうだ…… 俺はひとりなんかじゃない!! いくぜ! 相棒!」
りーちゃん(ほほ? いい話っす 原作を上手いこと再構成してるっすねぇ)
りーちゃん(大ちゃんはどんなこと考えながら見てるんだろ……)チラッ
平岡「……」ウルッ
りーちゃん(真剣そのものっすね…… って涙ぐんでる? なんで?)
69: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:49:25.98 ID:+H8nIMZ2o
喫茶店
りーちゃん「いやー 面白かったですねー!」
平岡「ああ…… 原作が良すぎるから正直期待してなかったが予想以上だったな」
りーちゃん「脚本、すごく良かったっす! 内容知ってても感動できましたし」
平岡「やっぱおまえは話に注目して見てたんだな」
りーちゃん「はいっす 平岡さんもやっぱりカット数とか気にしちゃいます?」
平岡「いや俺はなるだけそういうのは考えないようにしてるな 話に集中してーから」
平岡「でも演出すげーよかったな…… 曲のタイミングとか鳥肌もんだったし」
りーちゃん「なるほど! 前においちゃん先輩達と映画を見たときは、みんな職業病みたくなって――」ワイワイ
70: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:50:36.49 ID:+H8nIMZ2o
居酒屋
りーちゃん「乾杯です! やー遊んだっすね?」
平岡「乾杯 ああ、もうクタクタだ しかし居酒屋で飯食わなくても……」
りーちゃん「すみません…… お酒いっぱい飲みたい気分だったんで」
平岡「別にいーけど」
りーちゃん「今日はすっごく楽しかったです あの、平岡さんはどうでした……?」
平岡「俺も楽しかったよ 誰かとこんな風に遊んだのって何年ぶりだったか」
りーちゃん「それはよかったっす!」
平岡「……」
りーちゃん「……」
りーちゃん「それで、その、平岡さんの夢の話ですけど……」
平岡「……ったく何を期待してんのか知らねーけど、マジで面白い話でもなんでもねーぞ」
りーちゃん「それでも、わたしは知りたいです 平岡さんのやりたかったこと」
平岡「……」
71: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:52:13.42 ID:+H8nIMZ2o
平岡「俺はな、昔からアニメが大好きで、色んなアニメを見てきた」
平岡「そのうち見るだけじゃ物足りなくなって、自分で作りたくなって、その道に進むことに決めた」
平岡「んで実際に学んでみたらすげー奥が深くて、アニメはホントに世界に誇れる文化だなって思ったよ」
平岡「専門時代は同期にも恵まれててな、みんなやる気があって、アイディアもあって、毎日刺激的だった」
平岡「気の合う仲間と作品を作るのはすごく楽しくて、それにそこでは手間をかけた分良い評価がもらえて……」
平岡「その時から俺の夢は、信頼できる仲間と一緒に、世界中に認めて貰える作品を作り上げること、だった」
平岡「カンヌで『ある視点』部門の作品賞、国際批評家連盟賞を取るんだ、なんつって一部からは意識だけは高いなって笑われたりもしたけど」
平岡「あの時のバカな俺は本気で夢は叶うって思ってたよ……」
平岡「実際現実を見てみると、俺には何にもなくて……ってこれは余計だな」
りーちゃん「いえ…… できれば全部話して欲しいです」
72: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:52:49.59 ID:+H8nIMZ2o
平岡「……まぁ後は前にも少し話した通りだよ」
平岡「制作進行として働き始めたら、周りのクリエイターはどいつもこいつも自分のことばかり考えてて」
平岡「そのくせ責任だけは俺になすりつけてきやがって、上司は当てにならねーし……」
平岡「現実にすっかり絶望しちまった俺は、雑な仕事して虚勢だけ張って、ただなんとなく働いてたってわけだ」
平岡「ムサニに来て、宮森やタローのやつに救われなかったら、今も腐ったままだったろうな……」
平岡「そもそも俺に、宮森やタローやお前みたいなへこたれないだけの強さがあれば、誰にも迷惑かけずに済んだんだが」
りーちゃん「そんな…… 平岡さんは弱くなんてないです……」
平岡「…… どうだ? 脚本のいいネタになりそーか?」
りーちゃん「……」
73: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:54:44.12 ID:+H8nIMZ2o
りーちゃん「わたしは、悲しいだけのお話は好みじゃないです」
平岡「……」
りーちゃん「だから、例え途中で挫けても、仲間に支えられて再び立ち上がる……」
りーちゃん「そんな希望のあるお話が書きたいです」
平岡「…… そーかい まっ頑張れよ」
りーちゃん「脚本家になることが夢だ、ってわたし言いましたけど、その後の夢ももちろんあるっす」
平岡「?」
りーちゃん「高校のアニメーション同好会のみんなと、当時作った作品をまた一緒に作り直そう、って夢です」
りーちゃん「でもわたし、欲張りなので…… 新しい夢ができました」
平岡「……新しい夢?」
りーちゃん「はい! わたし、平岡さんの夢のお手伝いがしたいです!!」
平岡「!!」
74: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:56:17.02 ID:+H8nIMZ2o
平岡「俺の夢って…… だからもう俺は自分の身の丈にあった仕事をやってくつもりだし……」
りーちゃん「身の丈ってなんすか! 自分に見切りを付けるのはまだ早いと思うっす!」
平岡「……」
りーちゃん「まだ脚本家見習い……の卵みたいな自分が何言ってるんだって感じっすけど……」
りーちゃん「でも絶対脚本家になって、それで…… 平岡さんの信頼できる仲間の一人になってみせます!」
りーちゃん「だから…… 平岡さんも……」
平岡「……」
平岡「……ったく くせーな」
りーちゃん「なっ!! わたし臭います!? 酒臭いですか!?」
平岡「セリフがだよ…… 聞いてて痒くなるっつーの」
りーちゃん「うっ」
平岡「でも、ありがとな」
りーちゃん「!!」
75: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:57:32.34 ID:+H8nIMZ2o
平岡「俺だって実際はなかなか割り切れなくて、ずっとウジウジしてたんだ」
りーちゃん「平岡さん……」
平岡「……そうだな、このままいってPを目指すか……」
りーちゃん「おっ天から全てを操っていくっすね!?」
平岡「それとも山田さんあたりに頼み込んで演出の勉強でもすっか……」
りーちゃん「それもいいっすね! その時は自分も一緒にお願いするっす!」
平岡「……ふっ ったくお前ってホントお人好しなのな」
りーちゃん「へ?」
平岡「普通、こんないい年した大人がウジウジしてんのなんて見たら、こうはなりたくねーって呆れるもんだけど……」
平岡「それをお手伝いしたい! だもんな…… 変わってるよ、お前」
りーちゃん「……自分はお人好しなんかじゃないし、変わってもないです」
りーちゃん「ただ…… 平岡さんのことが好きだから……」
平岡「!!」
76: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:58:41.17 ID:+H8nIMZ2o
りーちゃん「あっもちろん恋愛的な意味で、です……」
平岡「わかってるよ…… でも俺、お前に酷いこと言った記憶しかねーんだけど……」
りーちゃん「そんなことないっす! 最初は、その、ちょっとびっくりしたっすけど……」
りーちゃん「でもそれからずっと平岡さんのこと見てたし、認めてもらうために頑張れたし」
りーちゃん「優しいところとか、大人の余裕みたいな頼もしいところもあるんだなって分かって……」
りーちゃん「そのどれもが自分にとってすごい魅力的だったっす!!」
平岡「か、痒くなるからやめろって……」
りーちゃん「あっそのちょっと照れ屋さんなところも好きっす!」
平岡「」
りーちゃん「平岡さんは…… わたしのこと、どう思ってますか……?」
平岡「……」
77: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 21:59:53.94 ID:+H8nIMZ2o
平岡「お前はいつも元気で、一生懸命で……したたかなところもあって……」
平岡「正直すげー魅力的だと思ってた」
りーちゃん「!!」
平岡「でも俺はこんなだし…… お前よりずっと年上のおっさんだから正直眩しくて……」
りーちゃん「年は関係ねぇ!です!」
りーちゃん「それにわたし、おっさんも好きですよ!」
平岡「微妙に矛盾してんぞ……」
平岡「まぁそうだな…… 年の差は関係ないってか……」
平岡「……俺も、お前のこと好きだよ」
りーちゃん「!!」
78: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 22:01:39.23 ID:+H8nIMZ2o
りーちゃん「それじゃあ…… わたしたち……」
平岡「ああ その、なんつーか、付き合うみたいな……」
りーちゃん「恋人同士っすね!! う、嬉しいっす!! 勇気出してよかったです……」
平岡「ただな、年は関係ねぇって言っても俺はいい年だし…… 今更遊びで付き合うなんて時間はねーからな」
りーちゃん「もちろんっす! 絶対幸せにしてみせるっす!!」
平岡「おい、なんかセリフが逆じゃねーか? 俺が行き遅れた女みてーなことに……」
りーちゃん「ふふん 今時の女は頼もしいんすよ」ニッ
平岡「……そーかい じゃあ俺も負けねーように頑張らないとな 男として」
平岡(こうして、俺達は付き合うことになった)
平岡(年の差なんてつまらないことにこだわって、意地を張ってたが、俺はとっくにあいつのことが好きだったんだと思う)
平岡(俺なんかのことを好きになって支えてくれるやつもいることだし、俺もちゃんと夢に向き合わないとな……)
79: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 22:02:54.23 ID:+H8nIMZ2o
りーちゃん「あっそうだ わたしたち恋人同士になったんだから、その、大ちゃんって呼んでもいいですか?」
平岡「はぁ?」
りーちゃん「まぁ心の中ではずっと大ちゃんて呼んでたんですけど」
平岡「……好きにしろよ」
りーちゃん「それから大ちゃんにも、わたしのことちゃんと名前で呼んで欲しいっす」
平岡「あぁー…… まぁそうだな」
りーちゃん「……というか わたしの名前ちゃんと覚えてますよね?」
平岡「あ、当たり前だろ みどり……だよな?」
りーちゃん「はいっす! みどりでも、りーちゃんでも、ディーゼルでも…… あーでも特別な呼び名が欲しいところっすね……」
平岡「みーちゃん……とか?」
りーちゃん「それ、同好会の先輩と被ってるんです…… だからわたしりーちゃんってことに」
平岡「なるほどな…… まぁ呼び方は考えとくよ」
りーちゃん「はい! お願いします!」
平岡「それじゃあ…… コンゴトモヨロシク」
おわり
80: ◆rgLSuojc0s 2015/04/13(月) 22:03:23.04 ID:+H8nIMZ2o
以上です。クソ長くなってすまんこっす
SHIROBAKOの旬はとっくに過ぎちゃってるけど、今期アニメが本格化する前にでも平岡とりーちゃんの話を書きたかったので……
ここまで読んでくれた人ありがとうございます
84: 以下、
乙彼です
いつかやってみたかった平りーの夢ネタ
しっかり書き上げられるのはさすがっす
86: 以下、

りーちゃん女子力たかいな
87: 以下、
おつおつ
やっぱSHIROBAKOはええわー
88: 以下、
七福神の四人組は毒あるくらいがちょうど良いよね
ごちそうさま
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