少女勇者「エッチな事をしないとレベルがあがらない呪い…?」【5〜8話】back

少女勇者「エッチな事をしないとレベルがあがらない呪い…?」【5〜8話】


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もう抜いていいスかね
266: 以下、
まだはやい
268: 以下、
>>265
いつか挿入れるであろうその時までじっと待つのだ
269: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 00:19:05.50 ID:VVUBKp2zo
傭兵「塗るからな」
ユッカは何も発せずに首を縦にふる。
えも言えぬ不安そうな目をしていた。
俺はまず中指の先をくるくるとまわすように膣口の周りを這わせ、外側から緊張を解いていこうと試みた。
勇者「あっ…ん」
傭兵「くすぐったくても我慢しろよ? 絶対痛くしないから」
自信があるわけではなかった。
俺は決して女性の扱いに長けてないし、ましてや少女相手なら尚の事、こんな経験あるわけがない。
傭兵「声は我慢しなくていいぞ。出したきゃ出せ」
傭兵「お前が緊張してたら、うまく出来ないかもしれない」
勇者「…うん」
指先をすこしずつゆっくりと中に入れていく。
ひちゅりと湿った音がする。
勇者「んっ…く。ふあ…」
271: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 00:27:48.54 ID:VVUBKp2zo
勇者「うあ…あっ!」
ユッカは与えられた未知の刺激と、行き場のない羞恥心をなんとか押さえつけているのだろう、ギューッとひざを閉じようとする。
傭兵「大丈夫」
ひざを閉じられると膣が狭まり医療行為が続けられない。
俺は肘でぐいっと押し返し、ユッカの足を完全に開かせる。
勇者「うあああっ…!」
勇者「ひどいよソル…っ」
傭兵「あぶねーから動くなって! それにこっちのほうがよく見える」
勇者「見ないで欲しいのに…ボク恥ずかしくてしにそーだよ」
傭兵「あとで謝るから。んで、薬はどうだ? 効いてるか?」
勇者「わかんないよぉ…お腹の奥の熱いのはとれないし、あそこもむずむずするし顔も熱いしソルのバカ」
本当に悪いことをした。
辱めるつもりはなかったのだが。
ユッカの顔色をうかがいながら指を沈めていく。
膣の中はすでにとろとろに熱くなっていて、俺の指に食いつくように迎え入れてきた。
272: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 00:36:43.75 ID:VVUBKp2zo
ほんのすこし指先を入れるとぷにぷにとした感触のある場所に突き当たった。
もしやと思い一度指を抜き、膣口をぐいっと大きく指で開き見る。
勇者「いやぁぁあ! あうっだめぇえ!!」
傭兵「確認だって。どうなってるかわかんねーまま入れたらあぶねーだろ」
傭兵「暗くてよくわかんねーな」
使っていない手でランプを手繰り寄せ、陰部を照らす。
膣口の入り口付近にユッカの処女膜と思える粘膜をみつけた。
これは何があっても傷つけるわけにはいかない。
傭兵「これに指入んのか…?」
勇者「やぁーだぁーひどいよぉジロジロみないでっ! 恥ずかしいってばぁ!」
273: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 00:42:24.27 ID:VVUBKp2zo
傭兵「ユッカ。ちょっと聞きたいんだけどな」
勇者「…?」
涙目になるユッカに断ってから膜付近を指先で撫でる。
勇者「ひゃうっ何!?」
そして空いた小さな穴にたっぷり薬をぬった小指の先を入れる。
これで痛みがあるようなら俺にこれ以上できることはない。
勇者「うう…」
傭兵「痛くないか?」
勇者「痛くない…けど、うずうずする」
傭兵「うずうずするのはわかってるけど。ほんとに痛くないか?」
勇者「平気…どうかしたの?」
傭兵「い、いや…」
すこし安堵した。
俺が思ってる以上にここは伸縮性があるようで、小指くらいの太さならなんとか傷つけずに奥まで進めることが出来そうだ。
274: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 00:48:28.65 ID:VVUBKp2zo
傭兵「じゃあ、奥まで入れてみるからな」
傭兵「すこしでも痛かったら、ピリッとしたら言えよ」
傭兵「絶対言えよ! あと暴れるなよ。このまま微動だにするな」
勇者「…! う、うん…」
傭兵「頼んだぞ」
勇者「はい…」
俺の必死さに困惑した顔でユッカはことの成り行きを見守ってくれるようだ。
狭い膣内全体に薬さえ塗ったら終わる。
俺ははやく行為をおわらせてこの極度の緊張感から逃れたかった。自然と首筋から汗が伝う。
正直、いまこの瞬間男としての性欲は消え去っている。
勇者「なんか、怖いよ…ソル」
傭兵「うるさい。しゃべるな呼吸すんな」
勇者「えー、ひどい…っ。んっ、く…はぁー…ソルの指が…」
勇者「あっ…♥」
勇者「入って…♥」
慎重に指を奥に押し進めた。
275: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 00:55:12.20 ID:VVUBKp2zo
勇者「やんっ…♥ そ、そこ…」
傭兵「どうしたユッカ」
勇者「はぁ…そこなの」
不安がよぎる。
傭兵(頼むから動かないでくれよ…)
勇者「ずっと、お腹の奥がむずむずしてたの」
勇者「いまソルが触ってるそこ…そこがイイ♥」
勇者「きゃううんっ」
小指の先をわずかに曲げ、膣壁に擦り付けるように薬を塗る。
すでに膣の入り口あたりでだいぶ削げ落ちてしまっている上に、膣内は愛液であふれているのでいま指に薬がどれほど残っているかは定かではない。
それでも俺は入れてしまった以上そうしてやるしかなかった。
276: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 00:59:39.28 ID:VVUBKp2zo
勇者「そこっ♥ そこだよソルっ」
勇者「ああ…あああっ♥」
ユッカはようやく疼きの根源に触れてもらったことで喜びの声をあげた。
呼応するように膣内がきゅうきゅうと指をしめつける。
勇者「そこ…そこかいて。こりこりしてっ♥」
傭兵(まずい…ちょっと可愛い)
ユッカの素直な可愛い反応をみて思わずドキリとしてしまう。
だがそれ以上に事態は深刻だ。
傭兵「暴れるなよ?」
いま暴れられたら間違いなく破瓜する。
それくらいユッカの中はきつく指を締めあげている。
勇者「わかってるから…して、してっ。こりこりって。ボクの中、こすって♥」
傭兵「こするんじゃなくて、薬を塗ってるんだ」
傭兵「一度抜くぞ。足すから」
勇者「あ…」
ゆっくりと膣内から指を引き抜く。
ねっとりとした淫らな汁が糸を引いて垂れ下がり、ぷつりと途切れた。
勇者「お薬…頂戴♥」
277: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 01:04:32.91 ID:VVUBKp2zo
傭兵「あとこれくらい十分か」
指先にまた薬を乗せ、ユッカに向き直る。
さきほどまでの不安な顔色はどこへやら、いまは期待にあふれた目で俺のことをジーっと見つめている。
傭兵(そんな顔するなよ…お前は勇者だろ)
ぐっと言葉を飲み込みまた膣に向かう。
これ以上こいつとおしゃべりしていても事が終わりそうにない。
ユッカはユッカでそろそろ限界だろう。
塗って終わりにしよう。
傭兵(しかしほんとに効いているのか…?)
傭兵(今日出会ったばかりのうさんくさい獣人商人のつくった薬なんて…俺はあまり使う気にならないんだが)
勇者「はぁー♥ はぁー♥ はやく」
表情を見る限り興奮が増しているように感じた。
278: 以下、
これは理性がぷつりと切れかねない
280: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 01:12:35.51 ID:VVUBKp2zo
再度指を中へと挿れる。
さきよりスムーズに挿入することができた。
先ほど塗っていない側の膣壁に小指の先を小さく小さく曲げ塗布してゆく。
勇者「あああっ♥ あんっ」
ユッカの蕩けた声が耳に入る度に俺の中での理性が揺らぐ。
指を引き抜くとユッカはすこし名残惜しそうに目を細めた。
傭兵「これでぐるりと一周塗り終わったはずだ。どうだ」
勇者「うん…♥ そうだね」
傭兵「そうだねじゃなくて、呪いは収まったのか?」
勇者「…えへへ…わかんない」
傭兵「…っ! この…」
勇者「だってほんとにわかんないんだもん。いまおまんこがうずうずしてるのは、呪いのせい…?」
勇者「それともソルに触られたせい…?」
傭兵「…ほぉー、人がこんな苦労して塗ってやったのに」
傭兵「まだそんなに疼いてんのかこのエロガキ」
勇者「え…」
大役を務め終え、緊張の糸と共に俺の理性ははじけ飛んだ。
283: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 01:20:16.02 ID:VVUBKp2zo
傭兵「だったらその疼きを取ってやる」
ユッカに詰めより、頭をわしづかみにする。
自分なりに脅したつもりだったのだが、ユッカは期待に満ちた目で俺を見上げて笑った。
勇者「…えへへ」
傭兵「後悔してもしらねーからな」
勇者「うん」
薬と愛液ででろでろになった指を再び膣口へと向ける。
今度は小指ではなく中指だ。
遠慮なくさしこむと膣壁はまるで生き物のようにパクパクと指に食い付きあっというまに奥まで飲み込んだ。
勇者「あああっ♥」
勇者「さっきよりおっきい…♥」
指を小刻みに震わせ、刺激を伝える。
どんどんとあふれだす分泌液が空気と混じり、ぴちゃぴちゃと激しく音をたてた。
284: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 01:25:57.52 ID:VVUBKp2zo
傭兵「ユッカ。お前はほんとにエロい子に育ったな」
傭兵「こんなにエロい汁だらだら垂れ流して、勇者なのにはずかしくないのか」
勇者「だってこれは呪いでぇ♥」
傭兵「言い訳すんな!」
 ちゅくちゅくちゅく。
水音とユッカの甲高い声が響く。
俺はユッカを逃げられないようにおさえつけ、指先をせわしなく動かし続けた。
処女膜なんてしったことか、大きく破れでもしない限り多少傷ついても放っておけばまた元に戻る…だろう。
傭兵「ここだったよな。お前ここが好きなんだろ」
さんざん薬をぬってやった場所を責め立てる。
絶え間なくあふれる愛液がユッカの尻をつたい荷馬車の床に敷いたカーペットを汚していく。
285: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 01:32:35.12 ID:VVUBKp2zo
勇者「あうっ、あうっ」
勇者「あっ♥ きもちいいっ♥ ソル、ソルぅ…」
傭兵「そうやってさっきお前シてただろ」
傭兵「俺にこういうことされる妄想でもしてたか」
勇者「ちがっ♥ ちがうよぉ」
勇者「ああんっ!♥」
傭兵「ユッカ。我慢するなよ、イッていいんだぞ」
 ちゅくちゅくちゅく。
ユッカの敏感な場所を何度も何度も執拗にこすり、絶頂を促す。
ユッカは垂れそうになった涎をじゅるりと飲み込み、快楽に耐えながら俺の肩に手をかけた。
傭兵「お、どうした」
勇者「優しく…やさしくしてぇ。ボクにも…」
傭兵「ボクにも?」
勇者「だって…マナにだけ優しくしてるから。ヒーラとも仲良さそうにして」
傭兵「はぁ? 何いってんだ」
勇者「マナのことはギューってしてたのに…ボクにはあっちいけって」
傭兵「お、お前…」
286: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 01:39:22.88 ID:VVUBKp2zo
傭兵「妬いていたんだな」
勇者「……う」
知らなかった。
というよりも気づこうとしなかった。
俺はユッカのガードとしての使命を持ってこの旅に同伴している。
友好な関係を結べたらとは思っていたが、それ以上の、よもや一線を越えようなどと微塵も思っていなかった。
だけどユッカは少なからず俺に好意を持っていたようだ。
一体どこで? なぜ? 疑問は尽きないがとりあえず今は目の前にいる潤んだ瞳の少女に返す言葉を探る。
傭兵「ユッカ。悪かった」
傭兵「邪険にするつもりは無かったんだ」
傭兵「ただ、お前と距離が近いとなんていうか、こっ恥ずかしくて」
勇者「どうして…? マナがくっついてもへっちゃらな顔してるのに」
傭兵「それは…」
287: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 01:49:20.08 ID:VVUBKp2zo
言葉に詰まる。
俺はユッカのことを昔からよく知っている。
しかしユッカは俺のことを知らない。覚えていない。
旅の始まりの日に出会ったあの日が初対面、そう思っている。
それは昔まだユッカが幼かったころ、ユッカにはある記憶の封印が禁術によって施された。
しかたのないことだった。
共謀者である魔導師のじいさんの言葉を思い出す。
魔導師『ふとしたきっかけで、魔法の枷は外れ記憶はよみがえる。当時あの子と深い関わりのあったおぬしはその因子となりうる』
重々わかってはいる。
それでも俺は必ず守ると決めた以上、ユッカの側にいたい。
そんな俺だから、ユッカのことを思うがあまり、すこし態度が空回りしていたようだ。
近くにいたいと思いながら、ユッカを遠ざけてしまった。
ユッカはそれを敏感に感じ取り、心さびしく思ったのだろう。
288: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 01:55:01.56 ID:VVUBKp2zo
傭兵「悪かった」
傭兵「…いまは、謝るしかできない」
傭兵「でも俺はユッカのことが嫌いなわけじゃないんだ。それは信じて欲しい」
勇者「じゃあどうして…ボク、ソルともっと仲良くなりたいのに」
傭兵「…」
勇者「ボクね…そんな顔する優しいソルが好き」
勇者「ソルの魔力はちっとも感じ取れないけど、ソルが良い人なのはわかるんだ」
勇者「だからほんとのキミを見せて」
傭兵「ユッカ…」
勇者「だめ…?」
289: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 02:03:54.80 ID:VVUBKp2zo
傭兵「お前はやっぱり母親に似ているな」
勇者「ママ…? ソルはボクのママのこと知ってるの?」
勇者「ねぇボクのママってどんな――――」
疑問を遮りユッカを強く抱きしめた。
いまはとても淫らで、いい匂いがした。
勇者「ちょ…ソル」
傭兵「薬、効いてきたか?」
勇者「……うん、ちょっと治まってきた…かも」
勇者「でもソルがしてくれたおかげなのかな」
傭兵「うさんくせー獣人のわりには良いもん作ってくれたな」
勇者「これあったら、しばらく大丈夫かな?」
傭兵「また呪いが強くなってきたらその時は俺が塗るのか?」
勇者「…う。ダメ。やっぱり恥ずかしいよ。他人に触られるなんて」
傭兵「恥ずかしがってるユッカは可愛かった」
勇者「ううう! エッチ。思い出しちゃだめだよ?」
傭兵「ああ。毎晩思い出す」
勇者「やっぱりキミは意地悪だ!」
第5話<バザー>つづく
293: 以下、
そういえばどれだけレベル上がったんだろうな?
298: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 22:01:36.88 ID:VVUBKp2zo
第5話<バザー>つづき
獣の商人「やー間に合った間に合った」
獣の商人「みんな入って入って。ここがウチの店。2階が自宅や」
獣の商人「明日からのフェスティバルの間ゆっくりしてってな」
勇者「ありがとう」
獣の商人「こちらこそほんまおおきに。ユッカはん達が拾ってくれんかったら道の真ん中で干物になってたで」
僧侶「バザの街っていうのはとても広くて賑やかなんですね」
勇者「ここにつくまでに王都より人がたくさんいる気がしたよ」
獣の商人「そりゃいまはあちこちから人が来とるから」
獣の商人「明日になったらもうごった返しで、馬車なんて道通られへんで」
傭兵「ギリギリだったな」
獣の商人「ほんならうちは今日一日かけて開店準備しますんで」
獣の商人「みなさんどうします?」
獣の商人「まぁとりあえず二階に手荷物おきにいきましょか」
299: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 22:07:55.22 ID:VVUBKp2zo
【獣の商店・2階】
獣の商人「余ってる部屋2つあるんでほんなら、男のソルはんはこっちに」
傭兵「おう。サンキュー」
獣の商人「女の子は隣の部屋でええかな」
僧侶「はい。ありがとうございます」
獣の商人「そんじゃ我が家やと思ってごゆっくり」
勇者「ほんとにありがとう! 宿泊代も浮くし助かるなぁ」
獣の商人「え?」
傭兵「……とるのか?」
獣の商人「え!? あ、アハハ、嫌やなぁ何言うてますの」
獣の商人「命の恩人からとるわけないやん! アハハ、ほんなら!」ササッ
傭兵「…まぁ相応の額は工面しておくか」
僧侶「そうですね」
300: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 22:14:39.10 ID:VVUBKp2zo
勇者「わーいベッドー」ぼふっ
傭兵「お前いまの話きいてたか? ここ俺の使う部屋だぞ」
勇者「マナもおいでーふかふかだよ」
魔女「…」コク
ぼふっ
勇者「きゃんマナ重いよぉ」
傭兵「…ったく。ガキどもは」
僧侶「えへへ…」ゴロゴロ
傭兵「おい」
僧侶「ご、ごめんなさい。ふかふかのベッドひさしぶりで」
傭兵「馬車旅はやっぱり疲れるか」
傭兵「3人とも今日は一日寝ててもいいぞ」
僧侶「ソル様はどうなさいますか?」
傭兵「金稼ぎ。滞在する数日間働ける臨時の仕事でも探そうかと思ってる」
勇者「どうしてー?」
傭兵「…」ぽふ
勇者「う?」
傭兵「お前らを食わせる金は要るからな」わさわさ
301: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 22:21:58.32 ID:VVUBKp2zo
僧侶「そんな。ソル様にそこまでさせるわけには」
傭兵「というのは建前で、何日もボーっとしてると体がなまっちまうからな」
僧侶「私もお仕事します!」
勇者「ぼ、ボクも!」
魔女「私もする」
獣の商人「ほんなら女性陣に手伝ってもらいたい事あるんやけど!」ヒョコッ
傭兵「おわっ、下降りたんじゃなかったのかよ」
獣の商人「普通の人間より耳ええねん」
獣の商人「ソルはん、あの日のことも荷馬車の外からわずかに聞こえてたで」ボソボソ
傭兵「…っ」
勇者「ねーなに手伝えばいいの?」
獣の商人「ウチの店先で売り子やってもらいたいんやけどええかな?」
獣の商人「毎年頼んどる子がおるんやけど、今年は戻ってくるのがギリギリで、連絡とるの無理になったんや」
勇者「わかった!」
獣の商人「ちゅーことで、ここの宿代はそれでギブアンドテイクってことでどうや?」
勇者「うんいいよ!」
僧侶「おまかせください」
傭兵(ちゃっかりしてんな)
302: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 22:30:21.44 ID:VVUBKp2zo
傭兵「それじゃたっぷり時間が余りそうなのは今日だけだな」
勇者「ボク、故郷のおじいちゃんに手紙かこうかな」
勇者「きっと心配してるだろうし。この街でお手紙だしたら届くとおもうから」
傭兵「そうか。偉いな」
傭兵「マナはどうする」
魔女「……」ピッ
獣の商人「うちがどうしたん?」
魔女「薬、見たい」
獣の商人「薬の調合みたいん?」
魔女「…」コク
魔女「薬、私がつくれるようになればユッカの助けになる」
勇者「マナ…」
魔女「邪魔しないから…見ていたい」
獣の商人「ええよー。ほんならマナはんには助手になってもらおか」
魔女「うん」
傭兵「がんばれよ」
僧侶「あれ? じゃあ暇なの私だけ?」
傭兵「…じゃあ俺の仕事さがしのついでに街をぶらぶらしようか」 
僧侶「え? あ、はい…。ソル様とふたりでお出かけ…」
勇者「いってらっしゃい。晩御飯かってきてー」
傭兵「おう」
303: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 22:38:16.86 ID:VVUBKp2zo
【街中】
傭兵「あちこち飾り付けしてあるな」
僧侶「そうですねぇ。露店もたくさんあって明日が楽しみです」
傭兵「こりゃ確かに荷馬車は通れねーわ」
僧侶「どこの宿も満室って立て札出てますね」
傭兵「ラッキーだったな」
僧侶「マオさんに出会わずに街にきていたら危うく公園あたりで野営でしたね…」
傭兵「お、公衆浴場。泊まってる間ここ使うか」
僧侶「やったぁお風呂。晩御飯たべたらみんなで行きましょう」
傭兵「おう。道沿いにレストランもたくさんあるし、どうみても俺たちの城下町より発展しているよな」
僧侶「はい! 私わくわくしてきちゃった」
僧侶「わぁーこのアクセサリーのお店いいなぁ…明日オープンですって!」
僧侶「ほかにはなにかないですかね!」キョロキョロ
傭兵(ヒーラちゃんやっぱり歳相応なところもあるんだな)
304: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 22:44:00.00 ID:VVUBKp2zo
僧侶「わあー…このケーキおいしそう」
店員「いらっしゃいませ。中でお食事できますよ。この時間ですと紅茶とのセットがおすすめです」
僧侶「あ、い、いえ…見てただけなので」
僧侶「いきましょソル様のお仕事さがさなくっちゃ」
傭兵「…ん、でもその前にちょっと小腹すいたな」
傭兵「入ろうぜ」
僧侶「いいんですか?」
傭兵「手持ちは多少あるし。これくらいなら」
傭兵「ヒーラちゃんもちょっとは休憩しなくちゃな」
店員「いらっしゃいませ〜お二人様ご案内です」
305: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 22:50:39.09 ID:VVUBKp2zo
――

【喫茶店・店内】
僧侶「はむ…甘。おいしいですね」
傭兵「あぁ。これでこの値段はお得だな」
僧侶「なんだかユッカ様とマナちゃんに悪いような」
僧侶「私だけこんないい思いして。あむ」
傭兵「気にすんなって。あーうまい、俺結構甘い物好きでさ」
傭兵「俺が食べたくなったついでだと思っといていいよ」
僧侶「そうですか…?」
僧侶(ソル様に気つかわせちゃったかな…)
僧侶「なんだか二人でこうしてるとデートみたいですね」
傭兵「ん?」
僧侶「い、いえ…なんでもないです…はむ」
306: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 22:56:03.99 ID:VVUBKp2zo
傭兵「ヒーラちゃん旅そろそろ慣れた」
僧侶「うーん…どうでしょう」
傭兵(いいとこの子だもんなぁ。やっぱ馬車旅なんて辛いか)
僧侶「最初にくらべて疲れは感じにくくなってるんですけど、まだ少し」
僧侶「すいません。ユッカ様を支える立場の私がこれじゃダメですよね」
傭兵「いまでも十分助かってるよ」
傭兵「俺ひとりだと洗濯すら適当になっちまうからな」
傭兵「それに、育ち盛りの子供たちには良い物たべさしたいし」
僧侶「うふふ、なんだかソル様お父さん」
傭兵「保護者みたいなもんだろ?」
僧侶「そうでしたね。いえ、でもうふふ。ソル様まだお若いのに」
傭兵「だ、だよな! 俺若いよな?」
僧侶「私が知ってる頃からあんまりお変わりありませんね」
307: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 23:03:16.80 ID:VVUBKp2zo
傭兵「まさかヒーラちゃんが旅のメンバーに立候補するとは思わなかった」
傭兵「いまさらだけど家にずいぶん反対されたんじゃないか?」
僧侶「されました」
僧侶「でも私のユッカ様を思う気持ちは本物ですので」
僧侶「それと私のほうこそありがとうございました。ソル様が来てくださるなんて夢にも思いませんでした」
僧侶「心強いです。とっても」
傭兵「もうちょっとかっこいいとこ見せれたらいいんだけどなぁ」
僧侶「ユッカ様をまもってあげてくださいね」
傭兵「あぁ」
僧侶「ユッカ様もレベルがあがればじきに自分で身をまもれるようになるんでしょうけど…」
僧侶「はっ! そういえば、まだユッカ様10レベル解禁されてませんよね!?」ガタッ
僧侶「ソル様!」
傭兵「うお、なんだ! びっくりした」
僧侶「これから私の質問に正直にお答えくださいね!」
傭兵「ヒーラちゃん、近くでみるとおっぱい大きい。その体勢グッドだな」
僧侶「もうっ! なんでそんなこと言うんですか!」
僧侶「男の人ってやっぱりエッチなんですね…っ」
308: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 23:08:34.79 ID:VVUBKp2zo
僧侶「あの晩…。私みちゃったんですソル様が荷馬車のカーテンをくぐるところを」
傭兵「!」
僧侶「…中にはユッカ様がいましたよね」
僧侶「きっとあの…ユッカ様はアレを、シてたとおもうので」
傭兵「…」
僧侶「もしかしてユッカ様に…エッチな事しましたか?」
傭兵「してないぞ」
僧侶「即答するのが怪しいです」
傭兵「してないって!」
僧侶「じゃあユッカ様とくっついて寝てただけなんですか! 朝まで!」
傭兵「おう」
僧侶「…」ジィ
傭兵(あー全く信じてない…いやほんとなにもしてないのにな)
傭兵(薬をアソコに塗らされただけなのに)
傭兵(この目をみてると口が裂けてもいえねー)
309: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/29(日) 23:18:22.78 ID:VVUBKp2zo
僧侶「ユッカ様はじゃあ"まだ"なんですね?」
傭兵「あたりまえでしょ」
僧侶「ほっ…ですよね。さすがにね」
僧侶「ソル様を疑ってしまうなんて申し訳ありませんでした」
僧侶「いい大人のソル様がお子様のユッカ様に手出しするなんてありえませんよね」
傭兵「あぁ…」
僧侶「よかったぁ。これでぐっすり眠れます」
傭兵(ユッカ…頼むから口は滑らさないでくれよ…俺達だけの秘密だぞ)
僧侶「でも私ね、ソル様になら…」
傭兵「?」
傭兵「え、ヒーラちゃん俺と寝たいの?」
僧侶「違います! そうじゃなくって」
僧侶「ソル様にならユッカ様を安心してお預けできるかなとおもってるんですよ…勝手な言い分ですけど」
傭兵「そりゃまたどうして?」
僧侶「だってソル様は…」モニョモニョ
僧侶(私が唯一憧れた方ですから)
傭兵「…? あーヒーラちゃんと寝たらふかふか柔らかくて気持ちよく眠れそうだなぁ」
僧侶「…え゛」
傭兵「なぁ俺一人部屋寂しいから今夜どう?」
僧侶「やっぱり撤回します!!」
第5話<バザー>つづく
317: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/30(月) 22:57:04.56 ID:TDJKPX6Co
 ・ ・ ・
僧侶「ケーキおいしかったですね」
傭兵「ああ。満足した。ヒーラちゃんその手に持ってるのは?」
僧侶「宿で待ってるお二人におみやげです。クッキーの持ち帰りがあったので」
傭兵(いい子だ)
僧侶「この後はソル様のお仕事さがさないとですね」
傭兵「すでに目星は付いてるんだ」
僧侶「そうなんですか? さすがですね」
傭兵「じゃあヒーラちゃん先に帰ってていいぜ」
僧侶「……あ」
傭兵「どうした」
僧侶「い、いえ…もうすこしだけ。私もついて行こうかな」
傭兵「いいけどさ、待たせちゃうかも」
僧侶「かまいませんよ。時間が余りそうでしたらすこしお買い物してますので」
傭兵「わかった。じゃあ一緒に行くか」
僧侶「はい!」
318: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/30(月) 23:08:17.96 ID:TDJKPX6Co
【冒険者ギルドの酒場】
傭兵「この席で待ってて。俺受付いってくる」
傭兵「ジュースでもたのんでおくか」
僧侶「私のことはお気遣いなく」
僧侶「いってらっしゃい」
受付「クエストを探してんのかい」
傭兵「いや、バザー期間中の警備の仕事でもあれば」
受付「…はぁこんな時期にくるやつがあるかい。もう一般公募と説明会は終わっちまったよ」
傭兵「そこをなんとか。今日街についたばかりなんだが仕事がない」
受付「…んじゃウチの会員証か、もしくは個人の戦歴手帳はあるかい」
傭兵「あぁ。これでいいかな」
受付「きったない手帳だねぇ。見させてもらうよ」
受付「……お? おお!?」
受付「あんたこれ偽造じゃないだろうね!?」
傭兵「俺のだけど」
受付「…!」パラパラ
受付「あんたほどの手練ならぜひ受けてもらいたいクエストがあるんだ」
319: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/30(月) 23:17:03.34 ID:TDJKPX6Co
受付「バザ北の街道に野盗の集団が現れてね。おそらくバザーフェスティバルに訪れるキャラバンを襲撃してんだと思うけど」
受付「そいつらがまた強くって。ウチから何度か部隊を結成して派遣したんだけど返り討ちでね、困ってんだ」
傭兵「俺できれば街の警備がいいんだけど」
受付「なにいってんだい! こんな歴戦の勇士を街でぶらぶらチンピラ狩りにあてたらウチの名前に傷がついちまうよ!」
傭兵「じゃあ名前のせなくていいから」
受付「それだとウチの評価にならないじゃないか!」
傭兵(まっとうな機関を通そうと思うとどこも大変だな…)
傭兵「わかった白紙だ」パッ
受付「あっ、ちょい! もうちょっとみせてよあんた何歳の頃から戦ってんだい」
傭兵「希望の仕事がないなら用はねぇ。どっかの店で皿洗いでもすっか」
受付「…ぐぅ、わ、わかった」
受付「じゃあ警備の中でも一番ランクの高いものを」
傭兵「街中で頼む。外には出たくない」
320: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/30(月) 23:24:36.72 ID:TDJKPX6Co
受付「ほれ契約書だ。読んでサインして」
傭兵「えーっと。あー、まぁこれならいいか。警備部隊の統括か」
受付「これもって明朝街の東の詰め所に行きな。細かいことは担当から聞きな」
傭兵「おう」
受付「んで、これが前金」ガシャン
傭兵「こんなにか?」
受付「いいから! 黙って受けとりな」
受付「あんたをもてなしとけばウチみたいな顔の狭い弱小にも多少の箔が付くんだから」
受付「その代わり名前は使わせてもらうよ」
傭兵「俺そこまでじゃないけどな」
受付「冗談。一兵卒から数年で騎士になれるのなんてこの世に何人いるってのさ」
傭兵「もう騎士じゃねぇよ昔の話だ」
受付「ま、何があったかは聞かないけど頑張りな」
傭兵「サンキューな」
傭兵「さぁてヒーラちゃん待たせちゃったな」
321: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/30(月) 23:29:50.43 ID:TDJKPX6Co
――

僧侶「こ、困ります。人を待ってるので」
荒くれA「そんなこと言わねぇでよお」
荒くれB「俺たちのパーティに入んねぇか? あんた魔法つかえんだろぉ?」
僧侶「もうパーティには入っていますので」
荒くれA「んじゃちょっと飲もうぜ」
荒くれB「にしても肌白くてべっぴんさんだなぁ、何歳だ?」
荒くれA「どこからきた? この辺じゃねぇよなぁ。この辺の女は芋っぽくてかなわんぜ」
僧侶「…う」
荒くれA「ほれ、オレンジなんて飲んでねぇで友好の証に一献ぐぐっと行こうぜ」
荒くれB「うへ〜お持ち帰りしてぇ」
僧侶「お、お酒は…結構です。飲めませんので」
荒くれB「おい兄弟どうする。俺達の酒のめねぇってよ」
荒くれA「なにぃ!」
323: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/30(月) 23:36:48.46 ID:TDJKPX6Co
僧侶「それは職業柄ですので」
荒くれA「なぁ〜頼むよ。俺たちのパーティえらくバランス悪くってよぉ」
荒くれB「だよなぁ」
荒くれA「俺が剣士で」
荒くれB「俺が武闘家。あとはかんわいい魔法つかえる女の子がいてくれたらなぁ〜」
僧侶「私ではなく他の方を誘ったらどうでしょうか…」
荒くれA「連れねぇなぁ。ぷはぁ…毎日こうやって目ぼしい子をスカウトしてるってのに誰もうなづきゃしねぇ」
僧侶「そ、それは…」
僧侶(う…お酒の臭いやっぱり苦手)
僧侶「…」
荒くれB「兄弟おりゃもう限界だ。こうなったら」ニヤリ
荒くれA「そうだな。それもしかたのないことよ。ちと手荒いが無理やり」ニヤリ
傭兵「手洗いなら向こうにあるぜ」
僧侶「ソル様…!」
荒くれB「ああんなんだおめぇわ」
324: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/30(月) 23:45:20.93 ID:TDJKPX6Co
傭兵「だから手洗いなら向こうに。空いてるぜ」
荒くれA「それじゃねぇよ!」
傭兵「またせてごめんな。無事仕事もらえたからもう行こうか」
僧侶「は、はい」
荒くれB「おいおいその子と俺達はいま商談中なんだ。あんまりじゃねぇか?」
荒くれA「てめぇか? 仲間ってのは!」
傭兵「あぁ。お前ら昼間っから酒のむのは勝手だが、俺の連れに絡むんじゃねぇよ」
荒くれB「兄弟、こいつぁなまいきな野郎だ。スカしてやがる」
荒くれA「どうも俺たちのことをしらねぇヨソ者だとみえる」
青年「やべぇな…あの二人また暴れる気かよ」
老人「勘弁してほしいもんじゃの…あの二人を挑発するなどバカなことを…」
傭兵「……」
傭兵「有名人か?」
荒くれA「へへへ…あんた最高にバカにしてくれるぜ」
荒くれB「俺たちがこの街一の荒くれ戦士だってこと知らねぇのかよ本気かよ」
325: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/30(月) 23:54:29.70 ID:TDJKPX6Co
荒くれA「しかもこのニーチャン、魔法がからっきしと見た」
荒くれB「ぶわっはは、いまどきは剣士でも魔法の少しは使えるもんだぜ」
荒くれA「火の魔力がつかえりゃこんな風に刀身を熱することだってできるからなぁ!」ブォン
受付「ちょっと! またあんたらかい! 喧嘩は外でやんな!」
受付「店の物壊したらギルド追放じゃすまさないよ!」
荒くれA「へいへーい。怖い怖い…」
僧侶「ソル様…だめですよ、帰りましょう」
傭兵「ああ」
荒くれA「女は置いてけ」
荒くれB「そいつは俺たちのパーティに加わるんだ」
ジャキン
傭兵「剣士が剣士相手に刃むけるってのは、どういうことかわかってんのか」
荒くれA「いいぜぇニーチャン。女の前でいいカッコはさせねぇ」
荒くれA「表に出な。俺の戦歴にてめぇのくだらねぇ名前を刻んでやるよ」
326: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/31(火) 00:01:42.42 ID:7JsDhF79o
僧侶「あうう…ダメですっていったのにどうしてこう男の人は」
受付「お嬢ちゃんは危ないから中にいな」
僧侶「はぁ…私のせいで」
受付「もしかしてあんたの連れが巻き込まれたのかい? 災難だったね」
老人「バカ兄弟がこの子をナンパしとるときに仲間の男がもどってきてのぅ…」
受付「ったくどこの誰だかしらないが、質の悪い酔っぱらい共を挑発なんてするもんじゃないよ」
老人「あの男はもうダメじゃあ…イカれた兄弟に遊ばれ切り刻まれるぅ」
僧侶「ソル様…大丈夫でしょうか」
受付「…ソル!? あんのバカども、よりによってなんてことしでかすんだい」ダッ
老人「どこ行くんじゃ。受付さんあんたも巻き込まれるぞ」
受付「わかってるけど…! ちょっと表いってくる!」
327: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/31(火) 00:09:04.71 ID:7JsDhF79o
ガチャッ
受付「!」
荒くれA「…が、がは」ガクリ
荒くれB「うげぇ…な、なにが…おぇえ」
荒くれA「なにもみえねぇ…なにがあった…。ひ、ひい俺の剣が! 一発で」
荒くれB「ちくしょう…俺の神の拳が…全くあたんねぇ。なんて野郎だ」
傭兵「これで街一の実力者…。この街の防衛が思いやられる…」
受付「あんた…無事かい」
傭兵「あぁ。悪かった揉め事起こして」
受付「いやそれはいつものことだからいいんだけどさ、あんたになにかあったらウチのメンツが…って」
受付「このざまを見る限り何の心配もいらなかったようだね」
傭兵「ヒーラちゃんは?」
329: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/31(火) 00:15:14.23 ID:7JsDhF79o
僧侶「動かないでくださいね。いま治癒魔法を施しますので」
荒くれA「ううう…いてぇよぉ」
僧侶「泣き言いわないで、ただの打ち身ですよ」
僧侶「手加減してくださったソル様に感謝してください」
荒くれB「あんた…やっぱり俺達のパーティに」
傭兵「…」
荒くれB「す、すんません…」ビク
僧侶「はいおしまい。おわりましたよ。一応帰ったら患部を冷やしておいてくださいね」
荒くれA「…すまねぇ、な」
僧侶「ソル様!」
傭兵「あ、うん…俺は怪我ないから」
僧侶「そうじゃなくって! 少し大人になってください!」
傭兵「…」
僧侶「ソル様の剣は…なんのためにあるんですか」
僧侶「人を斬るため…? 違いますよね?」
荒くれB「それがよぉ…その男、素手で…」
荒くれA「冗談じゃねぇ…刀身を素手で受け流してへし折りやがった」
330: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/31(火) 00:22:32.70 ID:7JsDhF79o
僧侶「……えぇー」
傭兵「あの日ユッカも言ってたからな。ボクの剣は誰かを切るためじゃないって」
僧侶「ですよね!? ですよね!?」
傭兵「でも俺は…ヒーラちゃん達を守るためなら、どんな相手でも」
僧侶「え…」
傭兵「なんちゃってな。心配させてごめん!」
荒くれB「それはともかくだ、ニーチャンさっきのは一体どんなからくりだ。魔法もつかえねーのに」
傭兵「鍛えたらまぁできるだろ」
荒くれA「むちゃくちゃだぜあんた…」
受付「喧嘩を売る相手が悪かったね!」
荒くれA「なんで受付のおばちゃんが誇らしげなんだ…」
受付「そりゃあこの人にはウチの顔になってもらわなきゃならないから」
傭兵「ここで仕事うけるのは数日街にいる間だけだぞ」
受付「え!! 聞いてないよ!」
傭兵「バザー期間中って言ったろ…」
331: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/31(火) 00:30:02.13 ID:7JsDhF79o
荒くれA「あんた…いえ、大兄貴!と呼ばせてください」
傭兵「どうしたいまさら改まって」
荒くれA「これほどの武芸家にお会いしたのははじめてでして。ぜひ俺たちを手下に!」
荒くれB「どうか!」
傭兵「いやいいわ…邪魔だし。酒くせぇし」
荒くれA「そんなぁ。でしたら、滞在中なにかお困りのことがありましたら俺達に!」
傭兵「あぁ…あればな…。無いと思うけど」
僧侶「ソル様…そろそろ行きましょ」クイクイ
傭兵「あぁ」
荒くれB「お嬢もたいへん失礼いたしました! お気をつけて!」
僧侶「やめてくださいよ」
332: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/31(火) 00:36:04.81 ID:7JsDhF79o
僧侶「もーいざこざで変な人に目つけられちゃったじゃないですか」
僧侶「まわりの人たちには冷やかされるし…」
傭兵「ごめんなー」ナデナデ
僧侶「う…」
僧侶「ふーんだ」
傭兵「あー怒っちゃった。ごめんなー」ナデナデ
僧侶「ユッカ様じゃないんですから。そんなことでは機嫌なおりませんよ」
傭兵「じゃあどうすればいい」
僧侶「……そうですねぇ」
僧侶「えいっ」ピコッ
傭兵「あいてっ」
僧侶「これでゆるしてあげます。」
傭兵「ははは。やっぱりヒーラちゃんの方がつええな」
333: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/31(火) 00:41:22.09 ID:7JsDhF79o
僧侶「そ、それと…お礼がまだでしたね」
傭兵「いやいいよ。つき合わせたのも結果的に巻き込んだのも俺だし」
僧侶「あの…いまデコピンしたとこ見せてください」
傭兵「これ?」
僧侶「チュッ」
傭兵「…っ?」
僧侶「特別な治癒魔法。ソル様にだけの…」
傭兵「…あ、ああ。ありがと?」
僧侶「うう…わ、私先に帰ります! その辺ぶらぶらしてていいですよ!」タッタ
傭兵「特別な治癒魔法か……確かにふつうのより効きそうだ」
傭兵「さてと、旅の記念に豪勢な晩飯でも買って帰るか。思ったより金入ったしな〜♪」
第5話<バザー>つづく
348: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/01(水) 22:33:52.29 ID:gFSeL9tRo
第5話<バザー>つづき
【大衆浴場・出入口】
勇者「あーさっぱりしたぁ」
魔女「きもちよかった」
勇者「いたいた! ソルー!」
傭兵「おー……よぉ。やっぱり時間かかるんだな」
僧侶「待っててくださったんですか。ごめんなさいお風呂長くって」
僧侶「はしゃいだユッカ様があちこち行くもので」
勇者「え〜ボクのせい? ヒーラだってずーっと体洗ってたでしょ」
僧侶「そ、そんなことありませんよ」
傭兵「俺はゆっくりできたからいいけど」
魔女「なに飲んでるの…それ」
傭兵「これ? 冷やしたミルクだ。売店で売ってた」
傭兵「買ってやろうか?」
魔女「…飲んでみたい」コク
349: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/01(水) 22:40:14.33 ID:gFSeL9tRo
勇者「えー牛乳…ボクは牛乳はちょっとな…。生臭いし」
傭兵「飲まないと大きくなれないぞ」
傭兵「ヒーラちゃんも要るよな?」
僧侶「いいんですか? ではごちそうになります」
店員「あいよ。飲み終わったらガラス瓶は返しておくれよ」
傭兵「えっとな、この蓋をピックでこうやって」
キュポン
傭兵「ほら」
魔女「……もう飲める?」
傭兵「おう、ぐいっといけ。子供なら風呂あがりにはこれが一番」
魔女「こどもじゃないけど…」ペロリ
魔女「冷たい」
魔女「おいしい」
傭兵「冷たいとうまいよなぁ。氷の魔法で冷やした部屋に保存してあるみたいだ」
350: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/01(水) 22:44:58.40 ID:gFSeL9tRo
僧侶「んくんく」
傭兵「ヒーラちゃん飲みっぷりいいね」
勇者「む…」
傭兵「お前ほんとにいらないのか。ヒーラちゃんみたいに大きくなれないぞ」
僧侶「?」ゴクゴク
勇者「うぐ…」
勇者「たしかにヒーラおっきかった…う゛うう」
勇者「の、飲む。飲みたい買って」
傭兵「よし。じゃあユッカはこのフルーツの味がついてる牛乳にしておくか」
傭兵「すんません。これ一本。何度も悪いな」
店員「あいよ。うちのは毎日採れたてでうまいから何度でも買ってくれよな」
傭兵「ほれ」ピト
勇者「ひあっ!? つめたい」
351: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/01(水) 22:49:13.91 ID:gFSeL9tRo
傭兵「蓋とれるか?」
勇者「できるよそれくらい! ありがと」
勇者「んしょ…取れた。くんくん」
勇者「甘くていい匂いする」
傭兵「それ飲んだら帰るぞ」
僧侶「明日は朝早いですからね。帰って寝ましょうね」
勇者「はぁい。これならボクでも飲めそー」
勇者「♪」ゴクゴク
勇者「ぷはぁ」
僧侶「くす、ユッカ様、ミルクがおひげみたいになっちゃって可愛い」
傭兵「ヒーラちゃんもかわいいよ」
僧侶「えっ」
傭兵「あ、いや…ひげみたいに」
僧侶「あっ、ええっ?! ウソ」ゴシゴシ
魔女「…」ジィ
傭兵「マナはなってないよ。上手に飲んだな」
魔女「じゃあかわいくない?」
傭兵「……。かわいい、です」
魔女「そう」
352: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/01(水) 22:56:45.61 ID:gFSeL9tRo
【獣人マオの商店】
獣の商人「おっかえりー」
獣の商人「広くてええ風呂やったでしょ?」
傭兵「あぁ。結構賑わってたな」
獣の商人「いまは観光シーズンやから」
獣の商人「もう寝はります? まだ出入りするなら入り口開けとくけど」
傭兵「みんな寝るよ」
獣の商人「ソルはんは明日朝早いんやっけ」
傭兵「あぁ。詰め所とやらに行かなくちゃならない。どこにあるかもよくわからないし一応早めに出ようと思う」
獣の商人「ほんならおやすみなさい。女の子たちは朝起こしたるからゆっくり寝ててええでー」
勇者「ふぁ〜」
獣の商人「おつかれやね。久々にベッドで眠るときっときもちいいで」
僧侶「それではおやすみなさい」
魔女「おやすみなさい」
353: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/01(水) 23:04:36.71 ID:gFSeL9tRo
獣の商人「みんなええ子や…こりゃ明日が楽しみやで」
獣の商人「あれ…ベッドの数たりたっけ? ええと、あの部屋には確か…まぁええか」
獣の商人「足りんかったら言うて来るやろ」
獣の商人「うちも早よ寝な」
【2階・女子部屋】
勇者「狭い…狭いよね」
僧侶「ダブルベッド一つですからね…荷馬車の広さはかわりません」
勇者「どうしよう。これに3人は無理だよ」
魔女「…私、床でいい」
勇者「ダメだよマナ」
魔女「側にいると、魔力吸っちゃうから…寝ても覚めても」
勇者「いいよ吸ってよ。ボクたちはへっちゃらだよ」
僧侶「そうですよマナちゃん。私達に気遣いは無用です」
魔女「…。でもどっちみち狭い…」
勇者「そうだね…」
僧侶「ええっと…ソ、ソル様のお部屋のベッドも同じサイズでしたよね?」
勇者「そうだっけ? そうかも…じゃあ」
354: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/01(水) 23:14:43.26 ID:gFSeL9tRo
僧侶「じゃんけんで勝った人がソル様のお部屋にお邪魔するということで」
勇者「なんで勝った人?」
僧侶「う……ですね、負けた人にしましょうか」
勇者「ボク負けないよ〜」
魔女「パーをだす」
勇者「!」
魔女「わたしパーをだすから…」
僧侶「え、ええっと…マナちゃん本気ですか?」
魔女「…」コク
魔女「眠たいから早くして…」パー
僧侶「…どうしよう」
勇者「グーを出したらソルと一緒の部屋ってこと?」
僧侶「そうです…一人負けでしたら」
勇者(うーん…ソルと一緒だとまたうずうず来ちゃうかもしれないしなぁ)
勇者(明日からお仕事なのに迷惑かけられないないよね)
勇者(でもソルと寝るのは結構きもいいいし…もしヒーラと二人になっちゃうと何されるかわかんないし)
僧侶(グーがかぶらなければソル様と…。ユッカ様と寝ようと思ったら相思相愛でチョキ…)
僧侶(だけどそれじゃマナちゃんをソル様におまかせすることになってしまうし…う〜ん)
僧侶「長考していいですか」
魔女「早くして」パー
356: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/01(水) 23:24:55.83 ID:gFSeL9tRo
僧侶「わかりましたいきますよ…っ! じゃん、けん」
僧侶「ぽい」グー
勇者「…」グー
魔女「ぱー」パー
勇者「あー…やりなおしだ」
僧侶「…」
勇者「なんでグーだしたの?」
僧侶「えっ、だって…」
勇者「ソルと寝たかったの?」
僧侶「違いますっ、幼気な乙女のユッカ様もしくはマナちゃんを殿方の部屋に送りこむことなんてできませんので」
僧侶「私はお二人に安眠をと」モニョモニョ
357: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/01(水) 23:30:00.93 ID:gFSeL9tRo
勇者「でもやり直しだよ。負けが二人いちゃ意味ないよ」
僧侶「ユッカ様こそ! どうしてグーなんですか!」
勇者「え〜、だって……いいじゃん別にぃ…ヒーラがまさかグーだすなんて思わなかったもん」
勇者「マナが眠たそうにしてるから、ボクがグーさえだせばすぐ決まるかなって」
魔女「……じゃあ私が行ってくる。それでいいでしょ」
僧侶「わー待ってください。どうしてそうなるんですか」ギュ
魔女「…。じゃんけんぽん」
僧侶「わわっ!」グー
勇者「いきなりっ!」グー
魔女「…」チョキ
魔女「決まったから。いってきます。おやすみなさい」
勇者「……うーーん」
僧侶「一本とられましたね」
勇者「マナもしかしてこうなるのわかってたんじゃない?」
僧侶「はぁ……うふふふ」
勇者「なに、怖いよ」
僧侶「これはこれで。さぁ寝ましょうかユッカ様!」
勇者「あーーもーーっ、だからグーだしたのにぃ」
358: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/01(水) 23:35:52.38 ID:gFSeL9tRo
【男部屋】
ガチャ
傭兵「! なんだ…マナか」
魔女「眠たいからきた」
傭兵「意味わかんねぇな。なんだそのピース」
魔女「これは…チョキ」
傭兵「ますます意味わかんねぇ」
魔女「ふわぁ…」
傭兵「おい、なに勝手にベッドに…まぁ空いてるからいいけどよ」
魔女「あなたはベッドで寝ないの?」
傭兵「あぁ。俺は座って寝るから大丈夫だ」
魔女「どうして」
傭兵「ベッドだと深く寝入ってしまうからな」
魔女「良いこと。疲れが取れる」
傭兵「それはそうだけど」
ガチャッ
勇者「うわーんソルー」
傭兵「うわっ、なんなんだよ揃いも揃って夜分に。寝ろよ」
僧侶「ちょっと逃げないでくださいよぉ!」
359: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/01(水) 23:41:14.83 ID:gFSeL9tRo
傭兵「どうした」
僧侶「ユッカ様ったら、私と寝るの嫌がるんですよ」
傭兵「無理に一緒に寝なければいいんじゃないのか…?」
勇者「だってベッド足りないもん! こっちの部屋もあっちの部屋も一個ずつしかない!」
傭兵「ベッド足りねーのか…それでマナはこっち来たんだな」
魔女「…」コク
傭兵「そうか。じゃあここの一つ使え。空いてるぞ」
傭兵「こうなったら俺は廊下ででも」
勇者「だめ!」
魔女「ダメ」
僧侶「だめですよ!」
傭兵「しー…でかい声だすな。マオに怒られる」
勇者「…っ! ごめん」
360: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/01(水) 23:49:28.51 ID:gFSeL9tRo
僧侶「ソル様、いけませんよベッドで寝ないなんて」
魔女「そこの壁にもたれかかって寝ようとしてた。不思議」
傭兵「いや…これはな」
勇者「そ、それに、なんで剣抱いてるのさ」
傭兵「……」
傭兵「つい」
傭兵「べ、別にいいだろうが俺はこの方が落ち着いて眠れるんだよ」
傭兵「こういう生活してきたんだ。とやかく言うな」
僧侶「ごめんなさい…私達のせいですか?」
傭兵「違う」
勇者「この街は平和だよ! 悪い奴も魔物もいないよ」
魔女「獣も襲ってこない」
傭兵「…そう、だけど」
僧侶「ありがとうございます」
僧侶「しりませんでした。私達が荷馬車で眠っている間、ずっとそうやって守っててくれたんですね」
傭兵「そういうつもりじゃない。ただこうしてないと…少し、不安なんだ」
傭兵「これでも意外と休眠は取れる。眠りながら意識を張っておく術をつかんでるからな」
勇者「……むぅー」
361: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/01(水) 23:55:51.21 ID:gFSeL9tRo
勇者「そんなの今はしなくっていいの!」
傭兵「だ、だけどよユッカ…俺は」
勇者「おひとりさまベッドにごあんなーい」
僧侶「はーい、ソル様立って」
魔女「…」グイ
傭兵「お、おい…何を」
勇者「このまま仰向けに寝て」
傭兵「うおあっ」ボスン
傭兵「俺がベッドで寝たらお前ら寝る場所ないんだろうが」
勇者「あるよ。ね?」
僧侶「はい。お邪魔します」モゾモゾ
勇者「ボクもー」ズシ
傭兵「いだ、乗るな」
魔女「ここで寝る…おやすみなさい」
傭兵「おいマナ…あー…寝ちまったよ」
362: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/02(木) 00:02:17.09 ID:KXhvS+oPo
僧侶「くす、とっても狭いですね」
傭兵「ヒーラちゃん…楽しんでるだろ」
僧侶「いいえ! おやすみなさ〜い」ギュ
勇者「おやすみソル! ボクがお布団がわりになってあげるから安心して眠ってね!」
傭兵「寝れるか!!」
 ・ ・ ・
傭兵「…あぁ、マジで寝やがった…俺にどうしろっていうんだよ」
傭兵「動けねぇし…逆に眠れねぇよ…」
傭兵「困ったやつらだな」
傭兵「ヒーラちゃん、起きてる?」ナデナデ
僧侶「…すぅすぅ」
傭兵「マナ? 寒くないか?」ナデナデ
魔女「…zzz」
傭兵「ユッカ。涎たらさないでくれよな」ナデナデ
勇者「…すぴー」
傭兵「おやすみ。俺のほうこそ、いつもありがとう」
第5話<バザー>おわり
369: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/02(木) 23:09:55.44 ID:KXhvS+oPo
第6話<デート?>
【男部屋】<深夜>
傭兵「う…く」
あまりの寝苦しさに俺は目を覚ました。
すでに背汗をかいているかもしれない。
昨晩ユッカたちのくれた暖かさと優しさによって、俺は今かつてないほどに追い詰められていた。
勇者「…zzz」
魔女「…zzz」
僧侶「…zzz」
傭兵(やっぱり寝づらいだろ! 暑いし!)
三人はピッタリと微動だにせず俺に寄り添い、安らかな寝息を立てている。
普段寝相の悪いユッカですら、依然俺の上に覆いかぶさったままムニャムニャをなにか寝言をつぶやく。
傭兵(寝返りうったらヒーラちゃんベッドから落っこちそうだな)
傭兵(この乗っかってるユッカをなんとかできれば)
勇者「ん…むにゅ…」
勇者「すぅ…すぅー」
傭兵(クッ…とてもじゃないが起こせねぇ)
傭兵(なんかみんな石鹸のいい匂いするし。俺とこいつらで一体何が違うんだ)スンスン
370: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/02(木) 23:17:40.82 ID:KXhvS+oPo
僧侶「…ん」ギュ
傭兵「ひっ」
右腕にあたるヒーラちゃんのふわふわとしたおおきな胸の感触にうろたえてしまう。
寝るときは薄着なのかはっきりと腕にやわらかさが伝わってくる。
傭兵(ヒーラちゃんお願いだこれ以上くっつかないでくれ)
僧侶「…zzz」ギュー
傭兵(じ、地獄だ!)
傭兵(このままじゃ一睡もできないかもしれない…!)
傭兵(まずいぜ。なんとかしなくちゃな)
傭兵(心を無に…そう、こいつらはただのやわらかくていい匂いのするクッション…俺は決して女の子に囲まれているわけじゃ)
僧侶「んぅ…zzz」ギュム
魔女「…zzz」キュ
傭兵(うおあああ!! やばいってやめてくれえ)
これがヒーラちゃんと二人きりで寝ているなら、可愛い寝顔を眺めつついたずらの一つでもしてやろうかという気にもなるが、
なにぶん反対側の真横にくっつくようにマナがいて、真上にのしかかるのはユッカ。
こんな状況で己のオス心を解き放つわけにはいかない。
自身を屹立させることも許されない
傭兵(お前たちの厚意には感謝してるが、やっぱり限界だ)
傭兵(どかせよう)
371: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/02(木) 23:25:47.98 ID:KXhvS+oPo
俺は動きづらい体勢のまま絡みつくヒーラちゃんとマナの腕をそっとはがし、ユッカを抱えて半身を起こした。
ユッカの首ががくんと肩の上に着地し、垂らした唾液が伝ってくる。
傭兵(これが勇者なんて情けない…)
傭兵(よし、行くか)
ユッカを抱きかかえたまま俺は立ち上がり部屋を後にした。
【女子部屋】
傭兵「空いてるもんはつかわねーとな」
傭兵「よっと」
抱えた少女をゆっくりとベッドに横たわらせる。
傭兵「起こしてねーよな」
傭兵「これでいいか。やっと寝れる…」
傭兵「ふぁぁ。明日はえーんだったな…」
勇者「ん…ん…はぁ…あ…zzz」
椅子に腰掛けようとするとふいに苦しそうな息遣いが聞こえてきた。
傭兵「ユッカ?」
372: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/02(木) 23:32:53.75 ID:KXhvS+oPo
顔をうかがっても薄暗がりではよくわからない。
そっと頬に触れてみると仄かに熱くなっているように感じた。
傭兵「うーん。あんな寝方で風邪でも引いたか…?」
傭兵「ちょっと暑いけど毛布かけとくか?」
毛布を上からかけようと全身を一望すると、どうも様子がおかしい。
足の付根をもじもじとすりあわせ、吐息はますます荒くなり、顔をしかめたままユッカは眠っている。
まるでなにかに苦しんでいるように。
傭兵「これは…もしかして」
傭兵「お前…変な夢でもみてんのか…」
勇者「はぁ…はぁ…うぅ…zzz」
傭兵「……エロい声でてるぞ」
勇者「あ…ん…zzz」
傭兵「まじかよ」
373: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/02(木) 23:36:00.58 ID:KXhvS+oPo
傭兵「寝てる時にもなったりするのか…例の呪い」
傭兵「あーもーめんどくさいやつ!」
灯りを手にユッカの手荷物を漁り、先日世話になった塗り薬の入った小瓶を見つける。
傭兵「えっと、これ塗ったら…いいんだよな? 前そうだったしな」
傭兵「いや、でもいいのか? 寝てるユッカにこんなこと…」
勇者「はぁー…う〜〜…zzz」
ますます苦しそうに唸るユッカを見ているとなんとかしてやりたい気持ちが強くなってくる。
傭兵「起きないよな…?」
374: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/02(木) 23:41:21.23 ID:KXhvS+oPo
傭兵「頼むから起きるなよ…」
ユッカの下着とパジャマのゴムに指をかけ、ゆっくりとずり下げていく。
罪悪感はあったものの、すでに一度経験したことだ。
さらにその時は二人で顔を合わせてやったことだ。いまさらなにも恥ずかしがることはない…はず。
傭兵「ユッカのためだ」
使命感に駆られた俺は後ろめたい気持ちを振り切り、幼い少女の恥部を露出させた。
下着はすでに寝汗と汁でねっとりと湿っている。
傭兵「うわ…」
傭兵「こうみると、やっぱお前子供だな」
傭兵「薬…塗るからな」
375: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/02(木) 23:49:34.57 ID:KXhvS+oPo
先に恥部をべったりと濡らす愛液を布で拭う。
そのあと中指に少量の薬をとり、よくなじませてから幼い割れ目にそっと触れた。
温かくてぷにぷにとしている感触を俺は少しだけ楽しんだ。
傭兵「大丈夫だ。エロイことをしているわけじゃない…」
傭兵「寝ているユッカの膣を指でまさぐって謎のベタベタした白い液体を塗りたくっているだけだ…!」
手探りで陰唇へ薬を塗り終わると、次は膣内へと移行する。
ユッカは相変わらず身体をもぞりもぞりと動かせ、はぁはぁと苦しそうな吐息を漏らしている。
傭兵「また注意しなきゃな」
傭兵「寝てるまま指で喪失なんて洒落にならねぇ」
傭兵「殺されちゃうぜ」
376: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/02(木) 23:58:57.39 ID:KXhvS+oPo
仰向けにひっくりかえったユッカの腰を少しもちあげ、見えやすいように開脚させる。
割れ目を2本の指で左右にしっかりと開くと、中央にある小さな膣穴が呼吸するように動く様がはっきりと見て取れた。
傭兵「ここのかわいさは100点満点だな」
傭兵「……いや、何を言っているんだ俺は…ただの変態だぞ」
傭兵「ちがうんだユッカゆるしてくれ。俺だって健全な男だ、魔が差す時もある」
傭兵「さっさと切り上げよう。このままじゃ子供相手に我慢できなくなっちまう」
薬を塗布した指を中央の穴にくにゅりと入れた。
ユッカの穴は俺の指を歓迎するようにチュウっと吸い付く。
いたずらごころが湧いてくるが俺はそれを必死に諌めてなんとか任務を無事完遂した。
 ・ ・ ・
傭兵「はぁ…今日も理性が勝った」
傭兵「さすが俺だ…ふふふ、はは…」
傭兵「はぁ〜……」
傭兵「いまはまたアホ面して寝てるが、もしかして毎晩うなされてんのかこいつ」
378: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/03(金) 00:08:27.33 ID:hly9W+Eko
傭兵「ユッカ」
安らかな表情に戻ったユッカをみて安堵した。
天真爛漫な少女に苦しそうな顔は似合わない。
傭兵「さっさと解呪の方法を探さないとな」
傭兵「じいさんにもらった手紙の住所が手がかりになるといいな…」
傭兵「呪いをかけた張本人をたたっ斬るのが一番早そうだが…どこにいるのやら」
傭兵「この先何回俺はこれをするはめになるんだろうか…」
俺は空いたユッカの隣にゴロンと寝そべる。
寝顔をもう一度うかがったあと俺は瞼を閉じ、やがて思案することをやめ眠りに落ちた。
<翌朝>
僧侶「ユッカ様なんでこっちで寝てるんですか」
勇者「さー…?」
魔女「夢遊病、かもしれない」
勇者「え〜ボクそんな病気してないよ」
勇者「ねぇソルは?」
僧侶「ソル様なら今朝早く私達が起きる前にお仕事へ行かれましたよ」
勇者「そっかぁ…。あれ、ボクこの薬しまってたのになんで机の上に…」
勇者「まいっか!」
379: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/03(金) 00:18:58.50 ID:hly9W+Eko
【兵士詰め所】
傭兵「えー、本日9時より開催されるバザーフェスティバルの警備にあたって班分けを行う」
傭兵「1班は街の外の警備。これは賊や魔物の侵入を阻止する最重要任務であるため戦歴手帳を元に実力者を配置する」
傭兵「2班は街の中の巡回警備。喧嘩の仲裁から違法物品を売買する商人の摘発など、例年の実績と土地勘のある者を配置する」
傭兵「3班は詰め所で待機。緊急事態に備える」
傭兵「…で、いいんだよな?」ボソリ
隊長「はい。実際の配置分けはこちらにまかせてあなたは3班としてデスクへ」
傭兵「…デスクワークは苦手なんだがな」
隊長「あなたほどの方に1、2班で下っ端働きしてもらうわけには行きません」
兵士A「おい、あいつなんなんだ。急に出てきたと思ったら、隊長を差し置いて仕切りやがって」ボソボソ
兵士B「ギルドから派遣された特級の兵士様だとよ。逆らったら首が飛ぶぜ」ボソボソ
傭兵「…」
傭兵(こりゃ居心地の悪い職場になりそうだ)
380: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/03(金) 00:27:34.30 ID:hly9W+Eko
傭兵「んで、状況を教えてくれよ」
隊長「状況とは」
傭兵「来たばっかりの俺が事情を知らないままトップに就くのはよくないだろ」
傭兵「なにか起きてるのか?」
隊長「ええ。これほど大きなバザーですので、よからぬことを考える輩もたくさん紛れ込んでいます」
隊長「違法取引摘発のほとんどは我々が行いますが、不測の事態に備えて実力者を配備したかったという所存です」
傭兵「それだけか? ここの兵士達がたかが商人相手に手こずるとは思えないが」
隊長「それと、北の街道に出る盗賊団の噂はお聞きでしょうか」
傭兵「…ん。ギルドのねーちゃんが何か言ってたな」
隊長「かなりの手練だと報告があります。この機に街内へと潜り混んできたら厄介な相手でしょう」
傭兵「うーん…」
隊長「一応、訪れる商人達の検閲は行っていますが。なにぶん身分不詳でも観光客としての入場は可能ですので」
傭兵「まー緩いよなぁ」
傭兵「ガチガチに門を固めてたらせっかくのお祭り気分も台無しだぜ」
381: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/03(金) 00:33:17.64 ID:hly9W+Eko
傭兵「んじゃ俺2班に回るわ」
隊長「しかし」
傭兵「報告うけるだけのデスクワークは性に合わねぇ。身体も鈍っちまう」
傭兵「長年あんたが務めてるんだろ? だったら任せる」
傭兵「適材適所と行こうぜ。街の地形も覚えたいしな」
隊長「そうですね」
隊長「バザーの期間中はずっと滞在されますか?」
傭兵「あぁ。旅の情報収集も兼ねて一週間は居るつもりだ」
傭兵「あちこちから商人が来るならいろんな話が聞けそうだしな」
隊長「わかりました」
隊長「ではあなたはあなたの権限をもってご自由に活動ください」
傭兵「給料泥棒になったら悪いな!」
隊長「我々が暇を持て余す事が平和であるなによりの証明ですから」
隊長「それに歴戦の勇士に来ていただき部隊の士気もあがります」
傭兵(なんだかなー…そうは感じなかったんだけど)
382: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/03(金) 00:41:17.93 ID:hly9W+Eko
【街中】<フェスティバル開始時刻>
傭兵「さーてと。やっと陰気くせー詰め所から逃げられたぜ」
傭兵「巡回任務っつっても、こう人が多くちゃな」
傭兵「誰が違法な商品扱ってるとかわっかんねぇし」キョロキョロ
傭兵「過去の例ではやばい薬や魔物の卵や幼体が主体って言ってたな」
傭兵「こんな平和ボケした街でそんなの売ってる奴いんのか?」
傭兵「……とりあえずユッカたちの様子でも見に行くか」
勇者「おじさんおじさん! 元気になるお薬売ってますよ!」
男性「え、え?」
勇者「男性の元気に効くお薬だよ〜、バザー期間特別価格で販売中!」
勇者「奥さんとの夜のいとなみ(?)にお役立ち!」
勇者「さぁさぁ買っていってよ!」
男性「いや…おじさんは独身だから…」
勇者「……うーんまた逃げられた」
傭兵「おい、なにやってんだ。その格好」
勇者「あ、ソル! どしたの仕事は?」
383: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/03(金) 00:45:12.41 ID:hly9W+Eko
傭兵「任務中だ」
勇者「わーその服かっこいいね。兵隊さんみたい」
傭兵「いまは兵士なんだよ。こりゃ支給された服だ」
勇者「ボクのも!」クルリ
勇者「どう? チャイナドレスって言うんだって」
勇者「切れ目があってちょっと足がスースーするけど…かわいいよね!」
傭兵「お、お前…何を手伝わされてるんだ」
勇者「マオにゃんがこれ着て売り子してって!」
傭兵「マオにゃん…。あぁ、あいつめ」
勇者「中にはヒーラとマナもいるよ! ヒーラすっごいよ、胸がどーんって」
傭兵「よし」
ガラガラ
勇者「あっ、ちょ…お仕事中なんでしょ!」
384: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/03(金) 00:49:08.27 ID:hly9W+Eko
獣の商人「いらっしゃ〜い…ってなんやソルはんか」
傭兵「おいこれはどういうこった」
獣の商人「ん?」
獣の商人「約束通り手伝ってもらってるんやけど」
傭兵「…ぐ、なんかすげー卑猥な事おしえただろ」
獣の商人「なに言うてはんの。ウチの薬の効能をアピールしてもらってるだけやで」
傭兵「薬って…」
僧侶「こちらです」
傭兵「うおっ、ヒーラちゃん…セクシー」
僧侶「うう…あんまり見ないでください。ソル様のエッチ」
魔女「私は?」クイクイ
傭兵「ええと…ユッカとどっこいどっこいだな」
魔女「かわいい?」
傭兵「あ、ああ…客商売ならもうちょっと笑顔のほうがいいと思うけど」
獣の商人「ええねんええねん。その子は助手みたいなもんやから。チャイナ着せてるのはついでや」
傭兵「んでこの薬はなんなんだよ!」
385: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/03(金) 00:53:28.31 ID:hly9W+Eko
獣の商人「そんなん決まってますやん」
獣の商人「スッポンやマムシのエキスをたっぷり配合した」
傭兵「あぁもう言わなくていい…」
獣の商人「ソルはんもどうです?」
勇者「夜はギンギン!朝まで持続で元気はつらつ!」
傭兵「…」スコン
勇者「あいたっ」
傭兵「意味わかって言ってんのかお前は」
勇者「えー…体力回復ってことでしょ?」
僧侶「そ、その…お一ついかがですか」
傭兵「客じゃねぇって。」
僧侶「でも売上ノルマが…」
傭兵「…」ギロリ
獣の商人「!!」ビクッ
獣の商人「ソ、ソルはんにはお世話になったし無料でお一つ差し上げますわ!」
獣の商人「使ってみて気に入ったらいっぱい買うてってな!」
傭兵「いらねぇって…俺にどうしろと」
386: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/03(金) 01:00:02.37 ID:hly9W+Eko
傭兵「マオ、ちょっと裏にこい」
獣の商人「いややなぁ…絶対説教するやん」
傭兵「こい」
獣の商人「はい。ほんならみんなちょっと待っててなー」
 
傭兵「あの格好と売り文句はやめさせてくれ」
獣の商人「言うてもあんな可愛い子らに売りつけられたら、買っちゃうやろ?」
傭兵「かわねーーよ! いやヒーラちゃんのなら買うかもしれないけど…」
傭兵「いたいけな少女の無知さにつけこんであこぎな商売はやめろって」
獣の商人「でも露骨に売上あがるんやもん…」
獣の商人「去年よりすでに売上20%増しやで!」
獣の商人「売り子に惹かれてとりあえず店に入ってもらうだけでこちとら万々歳や」
傭兵「…だめだ。普通の格好にさせろ」
獣の商人「それやとお給料減らさなあかん」
傭兵「あぁ。それでもいいから」
獣の商人「過保護やなぁ…女は何事も経験やっちゅうのに」
387: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/03(金) 01:04:27.01 ID:hly9W+Eko
獣の商人「そんなんやからあかんねん!」
傭兵「な、なにが…」
獣の商人「ソルはんったら2回もチャンスを棒に振って」
傭兵「はぁ!?」
獣の商人「ウチ、鼻も耳もめっちゃええから。ごまかしてもあかんで」
傭兵「ぐ…こんの猫耳」
獣の商人「いたいけな少女の無知さにつけこんでるのはどっちやねん?」
獣の商人「しかも眠ってるときって…あかんでそれは」
傭兵「…」
傭兵「なにも言えねぇ。昨晩のことは黙っててください」
獣の商人「ええで! ウチも鬼やないからそこまでせーへん」
獣の商人「しばらく宿泊するみなさんがギスギスしても気悪いしな」
獣の商人「なんか困ったことがあったら気軽に言うてや!」
傭兵「あ、ああ…悪いな」
獣の商人「…例えば若くしてアレが不能やったりするなら、まさにこの薬がピッタリ!」
獣の商人「なぁソルはん不能なんか? したくても出来へんかったんやろ?」
傭兵「いやちがうから」
389: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/03(金) 01:12:26.33 ID:hly9W+Eko
 ・ ・ ・
傭兵「話はついたぞ」
勇者「何話してたの?」
傭兵「もうすこしだけ服の露出を減らしてもらうことになった…」
僧侶「…ホッ」
獣の商人「つまらんわーあーつまらん人!」
獣の商人「ほんまに一度薬ためしたほうがいいで! 効果は保証するから!」
傭兵「うるせー誰が使うか」
魔女「……」ゴリゴリ
傭兵「で、マナはなにしてるんだ?」
魔女「…薬、作ってる」ゴリゴリ
獣の商人「えっと、これは女の子に飲ませると一晩理性を失って淫れに淫れて気づいたら朝になってる薬や!」
傭兵「んなもんガキに作らせるな!」
傭兵「この店を摘発する!!」
獣の商人「堪忍してや〜」
勇者「なんでソル怒ってるの?」
僧侶「ふふ、どうしてでしょうね」ナデナデ
勇者「???」
第6話<デート?>つづく
403: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 14:15:06.84 ID:PzMkvAsAo
第6話<デート?>つづき
<夜>
僧侶「おかえりなさいませ」
傭兵「おーただいま。ご飯つくってまっててくれたんだ」
勇者「せっかくだからソルと一緒にたべようとおもって」
傭兵「悪いな。明日からはもう少し早くあがれるとおもう」
僧侶「お仕事大変でした?」
傭兵「いいや。一日街の中ぶらぶらしてるだけだな」
勇者「えーなにそれ。仕事じゃないじゃん」
傭兵「お前らも今日一日がんばったな。仕事には慣れたか?」
勇者「うん! 楽しかったよ!」
僧侶「はじめは少し恥ずかしかったんですけどね」
魔女「たくさんお客さんきた。たくさんお薬作った」
傭兵「そうか偉いな。マオは?」
勇者「奥で今日の売上の勘定してる…」
獣の商人「えらいこっちゃ! 初日でこんだけ売り上げるなんてユッカはん達さまさまやで! ニャハハ」
404: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 14:21:25.38 ID:PzMkvAsAo
獣の商人「こうなったら明日はもっと過激な衣装にして…」
傭兵「おい」ガシッ
獣の商人「そ、ソルはん…帰ってたんですか」
傭兵「過激ななんだって?」
獣の商人「な、なんでもありまへん…冗談ですやん!」
傭兵「この箱に入ってる衣装は…? 今日ユッカたちが来てたチャイナドレスとは違うようだが」
獣の商人「これは…特注の」モゴモゴ
傭兵「…」ヒラリ
傭兵「うわ。なんだこの切り込み」
獣の商人「胸元をだいたんに…セクシー路線で…と」
傭兵「…で、これを誰に着せるって?」
獣の商人「…え! そ、そそ、そんなんウチが着るに決まってますやん!? いややわーソルはん疑り深うて」
傭兵「あっそう」
406: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 14:28:54.87 ID:PzMkvAsAo
獣の商人「うう〜〜あんたノリ良さそうに見えて案外いけずや」
獣の商人「男としてヒーラはんのセクシーコスチューム見たないの!?」
傭兵「俺仕事中で見られねーし」
傭兵「だいたいヒーラちゃんがこんなの着るわけないだろ」
傭兵「………うん、着るわけないな。ヒーラちゃんには清楚な服装が似合う」
獣の商人「いまちょっと想像してはったやろ」
傭兵「してねーって!」
獣の商人「あんまり我慢せんほうがええで?」
獣の商人「女に囲まれた長旅で発散することもままならず、溜まっていくばっかりやとキツいやろ?」
傭兵「…そういうわけじゃない。お前とこれ以上下世話な話は」
獣の商人「ええ薬あるで?」
傭兵「どんな」
獣の商人「男の人に飲ませると一晩中理性を失って淫れに淫れて朝になったら身も心もスッキリしてる薬や」
傭兵「またそれか!」
407: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 14:37:08.19 ID:PzMkvAsAo
傭兵「お前の店はそういう薬しかねーのか」
獣の商人「ないです」
傭兵「泊めてもらう家を間違えた…」
獣の商人「ええやんこんな可愛い獣娘のなにが不満やの」
傭兵「お前と話してると仕事以上に疲れる…」
傭兵「そろそろ飯食おうぜ。呼びにきたんだ」
獣の商人「いこか」
 
 ・ ・ ・
 
獣の商人「でな、みんなには一日交代で休みとってもらおうとおもってんねん」
勇者「いいの?」
獣の商人「せっかくのお祭りなんやからウチの街の賑わいを見てきてや」
勇者「やった」
僧侶「ありがとうございます」
408: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 14:42:34.07 ID:PzMkvAsAo
獣の商人「ほんなら明日はユッカはんが休みや。今日は表に立ってくれて大変やったろ」
勇者「楽しかったよー服もかわいかったし」
獣の商人「気に入ってくれて嬉しいわー。どこぞの誰様は気に入らんみたいやけど」
傭兵「…」モグモグ
勇者「ボク女の子の服を着ることなんてめったにないから嬉しい」
魔女「ユッカ、似合ってた」
僧侶「チャイナドレスを着て笑顔で接客するユッカ様…私がお客さんならいくらでも買っちゃいます!」
傭兵「……」モグモグ
獣の商人「ほんならソルはん」
傭兵「ん?」モグモグ
獣の商人「明日はちゃんとエスコートしたりや。今日で街のこと色々覚えたやろ?」
勇者「!」
傭兵「はぁ。俺が?」
409: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 14:47:07.86 ID:PzMkvAsAo
獣の商人「どうせぶらぶらするだけなんやろ? 連れてったりーや」
傭兵「……さすがに公私混同は」
獣の商人「ユッカはんも武芸者なんやからこうみえて腕利きなんやろ? 部下でもなんでも理由つけたらええやん」
勇者「こうみえて…? むぅ、ボクそんなに弱っちそう?」
獣の商人「あぁすんませんそういうつもりやなくて。あんまりにも可愛らしいから」
勇者「子供じゃないのに…」
傭兵「…まぁ。一人で街を彷徨わせても迷子になりそうだしな」
勇者「子供じゃないのに!」
傭兵「連れてってやるか」
僧侶「良かったですねユッカ様」
勇者「ほんとにいいの? 邪魔じゃない?」
傭兵「別に。一人で出歩かせて迷子になられるほうが面倒だ」
勇者「えーなにそれ」
勇者(やった!ソルとお出かけだ!)
410: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 14:54:22.26 ID:PzMkvAsAo
勇者「じゃあ明日はよろしくね」
勇者「マナとヒーラはお店のほうをよろしく!」
魔女「…」コク
僧侶「はい!」
獣の商人「ほんなら明日ユッカはんお休みで、その次またみんなで仕事して」
獣の商人「3日後と5日後のお休みはどないします?」
僧侶「マナちゃんが先でいいと思いますよ」
魔女「だめ…まだ作りたいお薬できてない。やること山積みだからヒーラが先」
僧侶「そうですか? マナちゃんがそれでいいなら…」
獣の商人「ヒーラはん3日後にしますか?」
魔女「それでいい」モグモグ
僧侶「ありがとうございます」
獣の商人「わかりましたーじゃあソルはん」
傭兵「あ、やっぱりそうなるのか!?」
獣の商人「こんな可愛い子ら贔屓したらあかんで」
僧侶「当日は案内よろしくお願いしますね♪」
411: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 15:04:32.25 ID:PzMkvAsAo
【2階・男部屋】
傭兵「あぁ…こんな平和そうな街をぶらつくだけであの給金…なんて待遇だ」
傭兵「金払いがいいのはありがたいが罪悪感がな…戦歴手帳破棄しようかな」
僧侶「ソル様がそれだけいままでがんばってこられたんですから、当然の対価ですよ」ヒョコ
傭兵「う、うぉ! ヒーラちゃん」
僧侶「うふふ、肩凝ってませんか〜」モミモミ
傭兵「な、なんなんだ!?」
傭兵「というかどうして俺の部屋に。なんなんだその枕は…!」
傭兵「まさか」
僧侶「今夜は私がこの部屋にお世話になります」
傭兵「…そう。ベッドは自由につかっていいから」
僧侶「あーどこ行くんですか」
傭兵「椅子でいい」
僧侶「ダメって昨日言ったじゃないですか」
傭兵「さすがに、さすがにヒーラちゃんと二人でベッドに入るのはまずい」
僧侶「……そうですか」
412: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 15:12:19.32 ID:PzMkvAsAo
僧侶「昨晩、ユッカ様をあちらの部屋に移したのはソル様ですか?」
傭兵「…あぁ」
僧侶「ごめんなさい。やっぱり、あんなの寝づらかったですよね」
僧侶「私達のわがままで結果的にソル様にご迷惑を」
傭兵「いやそういうつもりじゃないんだけど…」
傭兵「ヒーラちゃん、ユッカの症状知ってるよな?」
僧侶「? 例の呪いですか?」
傭兵「いつもユッカと一緒に寝てるだろ、いつもあんな感じなのか?」
僧侶「あんな感じとは…? いつもすやすや眠ってますけど…」
傭兵「…え」
僧侶「ソル様?」
傭兵「…う、な、なんでもないんだ! 何もなかった」
僧侶「ちゃんと正直に話してください」
僧侶「…大人として正直に」ジィ
傭兵「…わかった」
413: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 15:18:27.87 ID:PzMkvAsAo
 ・ ・ ・
傭兵「…てわけで」
僧侶「そ、そんなことを…っ」
傭兵「ごめん。ユッカが苦しそうだったから」
僧侶「いえ…ソル様がユッカ様を想う気持ちを疑ったりはしません」
僧侶「で、でも寝てる女の子の下着を脱がせて…するなんて」
傭兵「するって…いやほんとにまずいことはしてないから! ちゃちゃっと薬ぬっただけ!」
傭兵「あと暗かったからほとんど見えてないし」
僧侶「…信用します」
傭兵「怒らない…のか? 杖でぶん殴ったりしない…?」
僧侶「別に怒りません」
僧侶「れっきとした"イリョーコウイ"なんですよね!」
傭兵「なんか刺があるな」
僧侶「…むぅ。それよりも私、ソル様が心配です」
傭兵「何が」
僧侶「マオさんが言ってました。男性として不能の疑いがあるって」
傭兵「はぁ!? あんのアホ猫。ヒーラちゃんになんて話を」
414: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 15:26:27.14 ID:PzMkvAsAo
僧侶「なんとなくしかわからないんですけど、不能っていうのはその」
僧侶「…あの、医学本の知識ですけど」モジモジ
僧侶「男性器がうまく勃――」
傭兵「あ゛ーいわなくていいから! ヒーラちゃんの口からそんな言葉ききたくねー!」
僧侶「そういう意味なんですよね?」
傭兵「……そういう意味だけど。俺は該当しない」
僧侶「ほんとですか?」
僧侶「私、治せるかもしれませんよ」
傭兵(いやそりゃ世の男のほとんどが治るよ。こんなこと言われたら)
傭兵「患ってないから心配しなくていい」
僧侶「そうですか」
傭兵「ヒーラちゃん、もう寝よう。君は疲れてるんだ…」
僧侶「そうします」もぞもぞ
僧侶「…ベッド、来ないんですか?」
傭兵「ぐっ…この子は」
415: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 15:38:29.81 ID:PzMkvAsAo
その晩俺はヒーラちゃんと背中合わせに眠った。
背中越しに体温を感じる。
僧侶「…すぅ、すぅ…zzz」
長い髪から石鹸の清涼な良い匂いが伝わってくる。
気づいた頃には彼女は寝返りをうち、またもや俺に胸を押し付けるような形で抱きついていた。
眠られない夜となった(2日連続)
<翌朝>
勇者「いってきまーす」
獣の商人「たのしんできてなー」
勇者「うん!」
傭兵「んじゃがんばってな」
魔女「…」クイクイ
傭兵「どうした。マナも休みがよかったか?」
僧侶「マナちゃんがソル様に渡したいものがあるそうです」
傭兵「なんだ?」
魔女「護符」
傭兵「護符? くれるのか?」
魔女「ユッカの側にいるなら、あなたも魔法に対する耐性があったほうがいい」
傭兵「ありがとな」ナデナデ
魔女「……」コク
416: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 15:45:16.79 ID:PzMkvAsAo
【繁華街】
勇者「こっち! こっち!」
傭兵「あーもう、あちこちぴょんぴょんしやがって。はしゃぐなって」
勇者「だって色々あって楽しいもん!」
傭兵「祭りはこんなもんだろ。確かに規模は大きいが…」
勇者「ねぇソルー見てみて、この木の像へんなの」
傭兵「店の前でへんなのとか言うな」
勇者「見て回って何か気に入ったのがあれば買っちゃおうかなー」
傭兵「金あんのか?」
勇者「昨日働いた分のお小遣いを先にもらっちゃったんだぁ」
傭兵「お、買うなら武器にしようぜ」
勇者「えー…なんでー」
傭兵「おいユッカ! こっちに武器屋あるぞ! こいよ見繕ってやる!」
勇者「キミもはしゃいでるじゃん…」
417: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 15:53:48.38 ID:PzMkvAsAo
武器屋「お、兵隊さん。うちには違法の武器はありやせんぜ」
傭兵「いや調査にきたわけじゃねぇ。勤務の暇に客として」
武器屋「そうかい。なにをお探しだい」
傭兵「すこし自由に見させてくれ」
武器屋「あいよ。この時期は舶来品もあって品揃え抜群だよ」
武器屋「お買い得だからぜひ買っていってくれ」
勇者「ふーんいろいろあるね」
傭兵「お前が今つかってる剣は確か王宮の支給品だったな」
勇者「うん。守備隊の剣だよ」
傭兵「俺もそれの下位モデルを昔つかってたことがある」
傭兵「切れ味も耐久性も悪くないが…ちょっと無骨すぎるな。柄も太くてお前の手に馴染みづらいかもしれない」
勇者「う、うん…?」
勇者(ボクべつになんでもいいんだけど…)
419: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 16:03:58.86 ID:PzMkvAsAo
傭兵「例えばこの剣。北の剣国で産まれたスタンダードな長剣だ」
勇者「あ、軽い」
傭兵「あの国は剣国を名乗るだけあって、製鉄や冶金の技術が高いからな」
傭兵「これは40年前にクリフォードという刀匠が生み出したタイプなんだが、叩き潰すことよりも刺したり切断することに長けていて白兵戦における継戦能力を――」
勇者「…」
傭兵「見ろ、刀身に沿って血抜きが施されているだろ?」
傭兵「この細かい溝があるおかげで突き刺した時の圧力を下げてだな――――」
勇者「…」
傭兵「でな、この加工を施した剣を量産できるってことはだ、彼の国の戦時下における冶金技術の発達と―――」
勇者「…ふぁ」
傭兵「おっさんこれをこの値段でいいのか?」
武器屋「あぁ…いいぜ」
420: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 16:11:54.08 ID:PzMkvAsAo
勇者「いらない」ぷいっ
傭兵「あ、おい!」
勇者「ボクこっちの剣のほうがキラキラしてて好き」
傭兵「それは装飾されただけのデザイン剣だからやめとけ」
勇者「むー…こっちの方がかっこいいじゃん」
傭兵「わかってねぇなぁ。このクリフォードレイピアの機能美を見てみろ」
傭兵「刺突するのに最高の形状だとおもわないか。そこから放たれる血を求める禍々しさと職人魂が手につたわってくるだろ」
勇者「細くてつまんないよ」
勇者「ポキって折れそうじゃん」
傭兵「なめるな、硬度も最高レベルだぞ。その辺のナマクラと一緒にすんなよ。それでいて軽くて女のお前にも扱いやすい」
勇者「…いらない。今の剣よりもっとかわいくないもん」
傭兵「このやろう…」
421: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 16:14:40.40 ID:PzMkvAsAo
勇者「だいたいボクレベルあがんないからそんなに良い剣もってても無駄だし」
傭兵「…」
勇者「欲しければソルが買えばいいじゃん」
傭兵「いや俺は…自分の剣あるから」
傭兵「な、なんだよぉその目は! おいどこ行くんだもうちょっと見させてくれよ!!」
勇者「ばいばーい。ボク外でまってるねー」
武器屋「まいどありー」
武器屋「で、あんたは買うのか? ずいぶんな腕利きと見た、安くしとくぜ」
傭兵「いや…今日はやめとく」
武器屋「…なぁ、デートで武器屋はまずかったんじゃねぇのか」
傭兵「そういうんじゃねぇから!」
武器屋「ならいいんだが…」
傭兵「また出直してくるわ」
武器屋「あいよ!」
422: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 16:20:11.04 ID:PzMkvAsAo
【繁華街】
傭兵「おい悪かったって。機嫌直してくれよ」
勇者「…ううん。別に怒ってないヨー」
傭兵「なぁユッカー」わしゃわしゃ
勇者「剣を触った汚い手でさわらないで」
傭兵「!」グサ
勇者「はぁ。ソルって子供だね」
傭兵「お、俺はそんなにまずいことをしたか?」
勇者「まぁいいけどね。ソルにもあんな一面あるんだってしれて良かった」
傭兵「…そう?」
勇者(でも剣なんかよりボクを見てほしいよ…せっかくヒーラに頼んで髪の毛もちょっとお洒落にしたのに)
勇者(あれ、ボクは何を考えているんだろう)
勇者(これって…デート?)
傭兵「気を取り直して飯でも食うか」
勇者「う、うん」
423: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 16:28:41.95 ID:PzMkvAsAo
荒くれA「おお! そのお姿は大兄貴!」
荒くれB「こっちです!」
傭兵「おー。お前ら、なにやってんだ」
勇者「くんくん。いいにおい」
荒くれA「なにってそりゃ。ソース味の焼きパスタ屋台ですぜ」
荒くれB「うまいですぜ」
傭兵「お前ら兵士じゃねーのかよ…」
荒くれA「へへ、バザー期間中はこっちのほうが儲かるんで」
荒くれB「それより大兄貴」
勇者「おおあにき?」
傭兵「その呼び方やめろ」
荒くれA「今日は別の女の子連れですか! さっすが大兄貴」
傭兵「バカにしてんのか」
荒くれA「それとも娘さんですか?」
傭兵「俺がそんな年に見えるかよ!」
荒くれA「す、すいません」
424: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 16:33:53.25 ID:PzMkvAsAo
勇者「ねぇ、この人たち誰?」
傭兵「なんて言うかな」
荒くれB「大兄貴の舎弟ですぜ。小さい姉貴」
勇者「ふーん…おいしそー」
荒くれA「あ、よければどうぞ! いいえお代はいただきやせん」
傭兵「いいのか?」
荒くれA「もちろんです! 兄貴の温情がなければいまごろこうして元気に屋台なんてやってられませんから」
傭兵「…うーん。まぁ済んだことだし、水に流しておくか」
勇者「いただきまーす」ちゅるるっ
勇者「おいしー。ヒーラに今度つくってもらおー」
荒くれA「へへへ。それはお祭りでしか味わえない特別な味ですぜ姉貴」
勇者「そうなの? ソルも食べてみなよ」
傭兵「んじゃ俺にももらえるか?」
荒くれA「へい。ちょっと待ってくれませんかね、他の客の分も焼きますんで」
勇者「ほらソル。あ〜ん」
傭兵「やめろ」
勇者「あ〜ん」
傭兵「……はぁ」ハム
勇者「おいしいでしょ?」
荒くれA「口に合いましたか?」
傭兵「あ、あぁ…」
勇者「じゃあ残りはあっちのベンチに座って食べようよ!」
荒くれB「お邪魔じゃなければ大兄貴の分あとでもっていきます!」
傭兵「もう好きにして」
425: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 16:39:12.19 ID:PzMkvAsAo
 ・ ・ ・
勇者「おいしかったね。ジュースまでもらっちゃった」
傭兵「はじめて食う味だったなー。あいつらこっちを本業にしたらいいのに」
勇者「えへへ」
傭兵「歯に海苔ついてるぞ。あと口の周りにも」
勇者「ほんと? 恥ずかしい」ゴシゴシ
傭兵「この後どうすっかな」
傭兵「俺もこの格好であんまりぶらぶらしてるとな、後ろめたいんだが」
勇者「平和だからいいんじゃないの?」
傭兵「その平和を脅かすやつらはどこにでも潜んでいるんだよ」
傭兵「ちょっと本格的に人気の少ない場所を見て回るか」
勇者「例えば?」
傭兵「裏路地とかな。怪しい取引するなら目立つ場所は避ける」
傭兵「けど裏を突いて表で堂々する奴らもいる。まぁそんな奴らは他の誰かが摘発してくれるさ」
426: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 16:43:22.11 ID:PzMkvAsAo
傭兵「なぁユッカ」
勇者「なに?」
傭兵「お前の※魔覚で怪しい気配を感じ取ったりできないか?」 ※魔力を感じ取る力
勇者「うーん…ここじゃ周りの人が多すぎてなんとも」
傭兵「怪しいやつはいなかったか?」
勇者「背筋がぞわぞわするような怖い感覚は無かったよ」
傭兵「そうか。悪いな、アテにするわけじゃないんだ」
勇者「いいよいいよー使ってよ」
勇者「ボクだってたまにはソルの役に立ちたいよ」
勇者「レベルだってあがらないからこのままじゃ役立たずになっちゃう」
傭兵「…それなぁ」
傭兵「まぁ、しばらく辛抱だ。いずれ解呪の方法はみつかるさ」
傭兵「そろそろ行こうか」
勇者「うん」
427: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 16:50:48.46 ID:PzMkvAsAo
その後ふたりで人気の無い路地や橋の下を見て回ったが、成果は無かった。
傭兵(何事も無いに越したことはないか…)
勇者「……」
傭兵「どうした? 疲れちゃったか?」
勇者「う、ううん」
ユッカは先ほどから時々後ろを振り返るような、なにかを気にした仕草をちらほらとみせる。
念のため辺りを覗ってみるが、俺は何も気配を察知することは出来なかった。
傭兵「どうしたんだ」
勇者「背中がもぞもぞする。見られている感じというか…誰かに探られてる気配」
傭兵「俺にはわからないが、お前がそういうなら誰かがそうしているんだろうな」
傭兵「だけど、お前だけをそうする理由がわからないな」
傭兵「俺には魔覚は無いが、敵意を感じ取ることは人一倍長けている自信があるんだが」
勇者「敵意というか…なんだろう」
勇者「うーんもぞもぞする」
傭兵「敵じゃないのか? 方向わかるか?」
勇者「まって、集中してみる」
428: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 16:56:28.91 ID:PzMkvAsAo
勇者「……こっち、たぶん」
ユッカは俺の手を引き駆け出す。
たどり着いた先はまだ調査していない路地だった。
路地前には『秘密の道具屋』と書かれた汚い看板が置かれている。
傭兵「なんだこりゃ」
勇者「道具屋…?」
傭兵「この先に店があるのか?」
勇者「怪しいね」
傭兵「そりゃあ怪しいな」
傭兵(だがこういう所で売る道具っていったら…そりゃ大人の男のための)
傭兵「ユッカ、お前はここで待ってろ」
勇者「調査だ!」
ユッカは制止を聞かずかけだした。
429: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/04/04(土) 17:05:20.54 ID:PzMkvAsAo
傭兵「お、おい! お子様立ち入り厳禁だったら俺責任とれねぇって」
ユッカにあらぬ物を見せたくない焦りで慌てて背中を追いかけようとすると、
ふいに目の前の空間がグニャリと歪みユッカは忽然と姿を消してしまった。
傭兵「は…?」
同じ場所を通りすぎてもなにも起こらない。
路地を突き当たりまですすんでも、店どころか猫一匹見当たらなかった。
傭兵「ユッカ…?」
傭兵「…一体なにが」
傭兵「お前、どこに行った…?」
<謎の店>
勇者「街の警備隊だ! 摘発にきたよ! さぁ怪しい物をだして」
???「クスクス…いらっしゃい」
勇者「ん…? キミは」
???「おバカさん。ひとりで来るなんて」
???「なぁんにも成長してないのね」
勇者「うあ…お、お前は…!」
勇者「ソルこいつだよ! ボクに呪いをかけたやつ!!」
勇者「あれ…ソル?」キョロキョロ
勇者「いない…どうして」
サキュバス「あの男はここには入ってこられないわ」
サキュバス「いらっしゃい。あたしの期間限定秘密の淫具屋へ」
サキュバス「可愛いお客さんにはたっぷりサービスしてあげる…くすくす」
第6話<デート?>つづく
431: 以下、
サービスきたああああああああああああああああああああああ
432: 以下、

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【画像】 部屋で一人携帯いじってたらベッドのほうから「ズズ……ズッ………」と物音がした・・・

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