少女勇者「エッチな事をしないとレベルがあがらない呪い…?」back

少女勇者「エッチな事をしないとレベルがあがらない呪い…?」


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【とある森の中】
サキュバス「クスクス。そうよ、これであなたもおしまいね♪」
勇者「どういうことなの…」
サキュバス「わからない? ならおしえてあげる♪」クスクス
サキュバスは勇者の未発達な胸の膨らみをいやらしい手つきでなでた。
勇者「ひっ。なにするんだよ!!」
▼勇者は1の経験値を手に入れた。
勇者「…ッ!?」
サキュバス「こういうこと♪ それじゃあねまたね」 スゥ――
勇者「き、消えた! 待ってよ!! ボクに何をした!」
4: 以下、
ついにきたか
こっちも期待してる
5: 以下、
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
>>1さんの過去作はこちら
幼馴染(♂)「くす、僕が女の子なら君に1回くらいヤラせてあげたのにな…w」
元スレ
少女勇者「エッチな事をしないとレベルがあがらない呪い…?」
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2: 以下、
勇者「うそだ…こんなの夢だよ。エッチなこと? 何いってるんだか…ふ、ふふ…」
ガサガサ
スライム「オ!ユウシャヤンケ!」
▼スライムがあらわれた。
勇者「野生のスライム…よし!」
勇者「こいつを倒せば2程度の経験値を得られるはず!」
勇者「やっ!」
スライムを倒した。
スライム「 」
▼勇者は0の経験値を手に入れた。
3: 以下、
勇者「……!!?」
勇者「ぜ、ゼロ…? ゼロぉ!? 待ってよ!いま確かに手応えがあったのに」
スライム「 」
勇者「…たおしてるよね?」
▼勇者は錯乱している。
勇者「こうなったら!」
▼勇者は手当たり次第に近くの魔物を切り捨てた。
勇者「はぁ…ハァ…これでざっと経験値50は入るはず」チャキン
勇者「ふふふそろそろレベルアップかなー」
▼勇者は0の経験値を手に入れた。
勇者「うあ゛…」ガーン
勇者「ま、まって、そんな……本当にボク…おかしくなっちゃったの?」
勇者「……」
勇者「さっきは胸をさわられてたんだよね…」ゴクリ
ふにっ
勇者「…んっ」
▼勇者は1の経験値を手に入れた。
勇者「うああああああああ!!!」
勇者「うそだうそだうそだああああ!!」ジタバタ
勇者「こんなのボクは認めないぞおおおおっ!」
6: 以下、
傭兵「おう、何叫んでんだ。怪我でもしたか」
勇者「あっ! ねぇ聞いて聞いて聞いて!」
傭兵「?」
勇者「あのね、ボクさっきねエッチ――――ゴホン、なんでもないよっ」
傭兵「あ?」
傭兵「今日の修行終わったのか? 俺薪ひろいあつめたから先にキャンプ戻るぜ」
勇者「あっ、一緒に帰る!」
傭兵「で、何を言おうとしたんだ」
勇者「…内緒」
彼はパーティ仲間の傭兵。未熟なボクのガードとして、国から派遣されたようだ。
すごく旅慣れていて、生ま育った村からろくに出ることもなかった田舎娘であるボクの旅を支えてくれている。
傭兵「日が暮れてきた。帰ったら飯くって、ねんねの時間だな」ポンポン
勇者「……むぅ」
いつもボクのことを子供扱いする少し意地悪な奴だ。
だけど本当に戦闘の腕はピカイチなので、彼に教わることは多い。
7: 以下、
・ ・ ・ 
勇者「はぁ…」
傭兵「なにため息ついてんだよ。疲れちゃったか?」
勇者(結局あれからどれだけ魔物を倒しても経験値は入らなかった)
勇者「ううん…そうじゃないんだけど」
傭兵「旅はこれから長いんだ。しっかり休まなきゃな」
傭兵「おーっすただいま。追加の薪とってきた」
僧侶「あら、おかえりなさい」
勇者「あ、うん…ただいまぁ」
僧侶「元気ないですねぇ。今日も特訓がんばったんですね」
この子は僧侶。名前はヒーラ。
ボクよりひとつふたつ年上の幼馴染で、良き理解者だ。
パーティの生活面を支えてくれている。いまもシチューを作りながらボクらの帰りを待っていてくれた。
旅立つ前は孤独でひもじい旅を想像していたので、彼女が付いて来てくれることになって本当に心強くて助かっている。
8: 以下、
僧侶「あれ?経験値ふえてないですねー。たったの10だけ?」
勇者「う、うん…」
僧侶「もしかしてやられちゃったんですか!? 怪我はない!?」アワアワ
勇者「大丈夫だよ。平気」
傭兵「なぁシチュー食っていい?」
僧侶「どうぞ。本当ですか? 隠してないですか!?」
勇者「そういえばお腹の奥の方がジンジンというかムズムズというか…変な感じ」
これは本当だ。
あのサキュバスに呪いをかけられてから、お腹の奥の方が少し熱っぽいような、経験したことのない疼きがある。
僧侶「おなか痛ですか? 森で変なもの食べてないでしょうね」
勇者「食べてないよぉ…君のシチュー楽しみにしてたんだから」
僧侶「はいユッカ様、服まくって。ペロンって」
勇者「えぇ…大丈夫なのに」
僧侶「いーから」
彼女はかなり過保護でもある。一度こうなるともう納得するまでなかなか離してくれない。
9: 以下、
勇者「わかったよ」
ボクはしぶしぶと服の前をめくる。
僧侶「まぁ可愛いお腹」
勇者「……あ」
傭兵「…あー気にせず。俺シチューにむちゅーだから」ズズッ
僧侶「ソル様、少しの間あちらを向いていてくれませんか?」
傭兵(俺がかよ…向こうでやってくれよ)
勇者「それで、いつまでめくってればいいのかな…」
僧侶「んー? 打ち身はしてないですよね?」
勇者「してないよ。なにもしてない」
僧侶「魔物に体当たりされちゃったり?」
勇者「無いよ。全戦全勝、ノーダメージ!」
僧侶「の割には経験値あんまりふえてないですけど」
勇者「うっ、そ、それは…」
傭兵「だよな! やっぱお前全然経験値ふえてねーよな!」
勇者「ぎゃっこっち見ないで!」
10: 以下、
 ・ ・ ・ 
僧侶「荷馬車にもどっていただきました」
勇者(ごめんソル…)
僧侶「何かあったんですか? ねぇ私に話してくださいよ」
勇者「えっと…うーーん……」
僧侶「……。えいっ」プニッ
▼僧侶は勇者の白い柔腹をつついた。
勇者「あっ」
▼勇者は1の経験値を手に入れた。
僧侶「?」
勇者「あっ、あの…これはね」アセアセ
僧侶「はて…?」
▼僧侶は勇者の腹をさらにつついた。
勇者「うあっ」
▼勇者は1の経験値を手に入れた。
僧侶「ん〜?」
11: 以下、
僧侶「どういうことですか?」ニコ
勇者「こ、これはね…あの…」
僧侶「えいえい」ツンツン
勇者「あっ…」
▼勇者は1の経験値を手に入れた。
僧侶「説明してくれますよね?」
勇者「う…///」
僧侶「幼なじみでしょ?私とユッカ様の仲でしょ?女同士隠し事は無しですよ?」
勇者「わ、わかったよぉ…言うからつっつくのやめて」
僧侶「ふーんへぇなるほど、つまりユッカ様はエッチな体にされちゃったんですね」
勇者「そんな身も蓋もない言い方やめてよ…」
僧侶「ソル様いなくてよかったですね」
勇者「うん…こんなの勇者として恥ずかしくて言えないよ」
僧侶「女の子として、でしょう」
僧侶「でも大丈夫です! 解呪ならこの私におまかせください!」
勇者「そっか!ヒーラならこの呪いを解くこともできるんだね!さっすが僧侶!」
僧侶「いま魔法陣を地面に書きますのでしばらく待っててくださいね」
勇者「うん!」
12: 以下、
ヒーラは慣れた様子で聖杖の先を使いゴリゴリと地面に魔法陣を描いてゆく。
勇者(やったぁこれで元に戻れる…!)
???(それはどうかしら?)
勇者「だ、誰!?」
僧侶「ユッカ様…? どうしたんですかおっきい声だして。もうすぐですから待っててくださいね」ゴリゴリ
勇者「い、いま誰か」
僧侶「ソル様帰って来たんですか? いないじゃないですか」ゴリゴリ
勇者(ねぇ誰…)
???(クスクス、さっき会ったばっかりじゃない)
勇者(お、お前は!)
???(そう。呪いを通してあなたに語りかけてるの♪)
13: 以下、
勇者(でてこい!とっ捕まえて懲らしめてやる)
???(あたしの本体は側にいるわけじゃないわ。でもあなたのココに宿ってるの♪)
ふいにボクのお腹の奥底が熱を帯びはじまる。
勇者「はっ、っく…なに」
???(ちゃーんとエッチな事しなきゃダメよ)
勇者(ふふ、もうすぐ解呪の魔法陣が完成するんだ。キミとはもうお別れだよ)
???(無理よ。私の呪いはあんな程度じゃ解けないわ。それどころか)
勇者「…え?」
???(無理やり解こうとすると…フフフ)
勇者「っ! あっ…」ゾクッ
勇者(あつい…お腹の奥が、きゅんって…なって……)
???(大変なことになっちゃうかもね♪ ちゃーんと考えなさいね。それじゃまた)
14: 以下、
勇者「はぁ…ハァ…」
僧侶「かんせーい。あら、様子がおかしいですね」
僧侶「急ぎましょう! さぁ魔法陣の中央に立ってください! さっそく始めちゃいましょう」
勇者「…うん」
しかしボクのつま先が魔法陣に触れた瞬間――
勇者「あああっ、、あああっ!!!」
お腹の奥が先ほどの数倍、数十倍の熱をもってボクの体を戒めるように攻め立てる。
いや、これはお腹ではない。
おそらくそのさらに奥、女の子にとって大事な場所。
ボクの赤ちゃんを育てる部分が焼けるようにうずき、その感覚が全身へと広がってゆく。
勇者「た、たすけ…たすけ…あああっ」
ボクは無様にも地面に這いつくばりヒーラに助けを請う。
そんなボクの一部始終を見てなにか察したのか、彼女は申し訳無さそうに杖を握りしめていた。
15: 以下、
そのまま時間を経ても激しい疼きが収まることはなかった。
ボクの我慢は限界に達し、誰に教わるわけでもなく自然と右手が股ぐらへと伸びる。
勇者(しちゃだめだ…こんなこと触っちゃいけないってわかってるのに…)
僧侶「…ゆ、ユッカ様」
僧侶の不安そうな顔を尻目に、ボクはすっかり濡れそぼった下着の上から大事な場所へ触れた。
ひたひたに濡れた生暖かい下着の感触が指先に伝わる。
勇者「んっ…あっ…」
勇者「うぅ…ここ…」
勇者(もっと気持ちよくなりたい…)
しかしこの先どうすれば良いかよくわからず、ただひたすら上下に擦り続けるしかボクにはできなかった。
傭兵「よぉ、寝転んでなにやってんだ」
突然体の上に影がかかった。
シチューを食べ終えた彼が訝しげにボクをのぞきこんでいる。
傭兵「あ、ヒーラちゃんこれおいしかった。またつくって」
僧侶「あ、ど、どうも…・」
勇者「はぁ…ハァ…ハァ」
傭兵「おーいどうした? 二人して神妙な顔して」
傭兵「……食あたり…か? 俺は平気だったけど」
僧侶「私はお腹に悪いものつくりません!」
17: 以下、
僧侶「というかまだ食べてませんよ」 
傭兵「それともやっぱり特訓で怪我でもしていたのか?」
勇者「へ、平気…はぁ…ふぅ」
傭兵「んじゃ、俺食後の散歩でもしてくるわ。その辺ぶらっと」
僧侶「あのいまはそれどころじゃ…」
傭兵「? 腹痛の薬なら少しあるぞ」
僧侶(これ、ソル様に言ってしまって良いものか)チラッ
勇者(…だめ!)ブンブン
僧侶(ですよね…)
勇者(あぁっでも限界だ…こすりたい…もっとこすりたいよぉ…!)
勇者「あのっボク、あの、ちょ、ちょっと…用を足しに…っ!!」
傭兵「……。あー何かと思えば、小便がまんしてたのか。行って来い行って来い」
勇者「ぐっ…いってきます」ズリズリ
傭兵(なぜ這いながら行く……)
18: 以下、
エッチしまくれば無敵じゃないか!
19: 以下、
――

すこし森に入った所でボクは急いで下着をおろし、足をひらいて屈みこむ。
勇者(もう限界っ、もう無理ぃ!!)
勢い良く下着をずりおろし、右手を恥部へと伸ばした。
むずがゆく疼く縦筋に指を這わせ、本能の赴くままにこすりはじめる。
勇者「はぁっ…こんなのっ…だめっなのに…ひどいよ…っ」
勇者「いっ、いっ…い゛っ…あっ…きもちいなんてっ…」
勇者「ボクの体おかしくしたあいつっ…ゆるさないんだからっ…! ぜったいっ…あひっ、あっ…いっ」
その後も目一杯、憎い相手に毒づきながら指を動かしつづけ、やがて数分後――
勇者「あぐっ、あっ…いっ、変な感覚がっ…!」
勇者「くるっ、ボクっ、ああっ…!!」
勇者「あああっ〜〜〜ッ!!? きゅうっ〜〜♥」
電撃魔法で撃たれたような感覚に陥り、味わったことのない快楽が身体をかけのぼり頭へと達する。
全身が硬直し、太ももをこすり合わせるようにしてボクはそれに耐えようとする。
勇者「はぁっ、はぁっ……あああっ、うううっ」
勇者「なんだよぉ…これ」
▼勇者は6の経験値を手に入れた。
勇者「おわったぁ……おわったよね…?」
焼けるようなあそこの疼きから開放されたボクは大木を背にぐったりと倒れこんだ。
指はべっとりとした粘液で覆われ、自分の濃い匂いが伝わってくる。
勇者「もうやだ…べちょべちょじゃん」クスン
勇者(でも…ちょっとだけ、ちょっとだけ気持ちよかったかな…♥)
20: 以下、
勇者「経験値6って…あんな苦しい思いしてたったの6なの…?」
???(クスクス、本気でイケばもっと手に入ったのに。おバカさん)
勇者「なっ!? またキミ! また頭の中で!」
勇者「もしかして…み、見てたの…?」
???(見てたというよりぃ、”感じてた”かな)
???(やっぱり経験の無い子は最後怖気づいてダメね〜。あぁもったいない)
勇者「な、なにがだよぉ…!」
???(ま、強くなりたきゃもーっとがんばりなさいね〜)
勇者「くっ…ゆるさないからな。消えろ消えろ」
ボクは頭の中に響く声をかきけそうとぶんぶんと頭をふる。
そしてすこしして息を整え、キャンプに戻ることにした。
21: 以下、
――

勇者「ただいま…」ドンヨリ
傭兵「よぉ、スッキリしてきたか?」
僧侶「いくらなんでもデリカシーなさすぎです!」バシッ
傭兵「イ゛っ!?」
僧侶「ユッカ様、具合は大丈夫ですか?」
勇者「まぁね…ハハ、ハ…」
僧侶「あっ、ちょっとだけ経験値増えてる」
勇者「うっ…あっ、やーだー見ちゃヤダだああああっもうっ!」
僧侶「ごめんなさいね。さ、一緒にシチュー食べましょう?」ナデナデ
勇者「うん…」
傭兵「小便のついでに魔物退治なんて勇者の鑑だな」
勇者「だからそんなんじゃないってばぁー!」
ボクの受難の旅は始まったばかりだ。
第1話<呪い>おわり
26: 以下、
ボクっ娘か。相変わらずつぼをついてきおる

27: 以下、
おかずが増えたぜ
35: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 22:09:41.18 ID:y9mpq7X9o
<その夜>
勇者(今日は魔物をやっつけて経験値100は稼ぎたかったのに)
勇者(これじゃ次のレベルアップすらままならないよ)
勇者(かといって…あんなこともうしたくないし)
勇者「どうしよう…」ボソッ
傭兵「よぉ。隣いいか」
勇者「!」
勇者「あっ、うん。いいよ」
傭兵「なにしてたんだ。こんなとこに一人座って」
勇者「星をみてただけ…」
傭兵「どこでも見られるだろ?」
勇者「ひとりで考えごとしてただけ!」
傭兵「なに怒ってんだよぉ」
36: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 22:10:49.58 ID:y9mpq7X9o
傭兵「やっぱなんか隠してんだろー」
勇者「うっ」
勇者(妙に鋭いんだから)
傭兵「人生の先輩に話してみ? な?」
そういって彼は笑いながらボクの横顔を覗きこむ。
傭兵「お〜い」
ツンと無遠慮に突きだした人差し指がボクの右頬に沈む。
勇者「う゛っ。なにするのさ」
傭兵「やわらかいなーやっぱお前は」
ボクの悩みなんてつゆ知らず、彼はあいかわらず楽しそうに笑っている。
勇者(大人って言ったくせに子供みたいに!)
そんな態度がボクには少し軽薄に思えるけど、このソルという人は昔からそういう性格なのかも…。
この先の旅が少し不安になってくる。
本当にうちあけても大丈夫かな…?
37: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 22:14:32.22 ID:y9mpq7X9o
勇者(ボクは勇者だ。恐れることなんて…無いんだから)
勇者「…」ゴクリ
勇者「あ、あのね、笑わないで聞いてね…」
傭兵「あぁ。なんでも言ってみろ」
勇者「ボクのお腹! さわってみて!!!」
意を決して服を胸の下まで大きくまくりあげた。
森の夜のひんやりとした空気が肌を撫でる。
傭兵「は?」
勇者(やっぱりこんなのびっくりするよね…)
傭兵「急になにいってんだ〜こいつは」ツンツン
勇者「むぐっ、ほっぺたじゃなくてっ! お・な・か!!」
傭兵「お腹? おい俺にセクハラしろっていうのか? はは…」
勇者「笑わないでっていったでしょ!!」
傭兵「だから何ぷりぷり怒ってんだよ……わけわからねぇよ」
勇者「いいからボクの言ったとおりにして! 命令!」
傭兵「…はぁ、なら失礼して」
38: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 22:16:22.74 ID:y9mpq7X9o
勇者「あんまり見ないようにさわってね。できれば指先でツツーっておヘソの周りをなぞるようにさわってね」
傭兵「頼んでおいて注文つけるなよ…」
ツゥー…
勇者「あひっ……んっ!」
傭兵「あーまてまて。そんな声をだされると俺が悪いことしてるみたいで困っちゃう」
傭兵「だ、誰もまわりにいないよな!?」キョロキョロ
勇者「もうちょっとだけ…触って」
傭兵「お、おう」
ツツゥー…
勇者「ひっ。あう」
▼勇者は1の経験値を手に入れた。
勇者「ね!?」
傭兵「はぁ?」
勇者「わかったでしょ!?」
傭兵「わかんねぇ」
勇者「バカ」
39: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 22:18:40.76 ID:y9mpq7X9o
傭兵「こんな事してる所をヒーラちゃんにでも見られたら、俺あの杖で頭シコタマぶん殴られるぜ」
勇者「ボクがしろって言ったんだからいいのっ! ていうかヒーラはそんな暴力しないよ!」
傭兵「で、なんで腹を擦ったら経験値が増えるんだよ」
傭兵「腹に見えないサイズの魔物がいてそれを潰してるとか? いやそれだと経験値を得るのは俺か」
勇者「……」
勇者(キミなら言わなくても察してくれるとおもったのに!)
勇者「あ、あのね、いま一度ことわっておくけどこれからボクのいう事を聞いて絶対に笑わないように」
傭兵「おう」
勇者「笑ったら絶交だからね! 本気だからね! パーティ解散だから!」
傭兵「おー。ってことは笑えることなのか。我慢しなきゃな」
勇者「……っ! じゃあ耳かして」
傭兵「気にしなくても誰もまわりにいないぞ」
勇者「おっきい声で言いたくないの!」
傭兵「そう…」
40: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 22:20:36.92 ID:y9mpq7X9o
勇者「……あのね――――」
ゴニョゴニョ。辺りが暗くて良かった。
ボクの顔はきっといま真っ赤になっているだろう。
ソルは目を閉じ、すこしめんどうくさそうにうんうんと相槌を打ちながらボクの話に耳を傾ける。
勇者「――――…ってわけなんだ」
傭兵「なるほどなぁ……」
勇者「…」モジモジ
傭兵「そりゃあ災難だったな」
勇者「き、キミって…。こんなの災難どころじゃないよ……」
勇者「レベルがあがらないんだよ? 強くなれないんだよ?」
傭兵「あがるだろ」
勇者「あがるけどあげられないの!!! バカ!!!」
傭兵「…おう」キーン
勇者「もうしらない! キミなんかに相談したボクが間違いだった」
傭兵「つまり、スケベなことしてほしいのか?」
勇者「してほしくないからっ!! もー!!」
傭兵「なんだよ…腹つついてるだけでレベルあげできるなら、まぁなんとかなるだろ」
勇者「そ、それじゃダメなの!」
傭兵「そうなの?」
勇者(だってそれだけだと、アソコがむずむずして…また耐えられなくなっちゃうよ…)
42: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 22:28:11.29 ID:y9mpq7X9o
傭兵「ヒーラちゃんでだめならもっと高位の聖職者を探して呪いを解けばいい! な!」
勇者「なんでそんなあっけらかんと! ボクは大変な目に――」
傭兵「ユッカ」
言葉を遮るようにソルの手の平がボクの頭に触れた。
そのままくしゃくしゃと前髪を撫でる。
勇者「な、なに…?」
傭兵「大丈夫。俺がついてる」
傭兵「それと、悪かった。ごめんな。俺がついていながらこんな目に合わせてしまって」
ソルは今度はとても安堵できる表情をみせてくれた。
どうしてだろう。まだボクとキミは出会って一週間ほどしか経っていないのに。
たったそれだけの言葉で、この人は本気でボクのことを想ってくれているのだと感じ取ることができた。
勇者「ううん。ソルのせいじゃないよ」
勇者「あいつが悪いんだよあいつ!」
傭兵「まさか呪いをかけられるほど高位の悪魔がこの近辺に棲息しているなんてな」
傭兵「ちょっと辺りを探ってくるか」
勇者「あ、待って! もうそれはいいから! どうせ見つかりっこないし」
勇者「もうちょっとだけ話しようよ!」
傭兵「いいけどよ…」
43: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 22:34:54.59 ID:y9mpq7X9o
勇者「ねぇ、ちょっと聞いてもいい?」
勇者「キミはどうしてボクについて来てくれるの?」
勇者「国の命令? それとも報酬とか?」
傭兵「……まぁ、なんというか。いろいろ思うところがあってな、世界に対して」
勇者(はぐらかした…)
傭兵「あとお前に対しても」
勇者「ボク…?」
勇者「…はっ、まさかボクの体が狙いだったりして」
傭兵「どこからきた発想だよ。心配しなくても10近く歳下のガキに興味は無いぞ」
勇者「なっ、ボクはこう見えても大人だよ! 村で成人の儀をキチンと終えたもん!」
傭兵「あーそう。そういう早い村もあるよな」
勇者「ばかにしてる」
傭兵「してない」ナデナデ
勇者「うわああーやっぱりばかにしてるーー!」
勇者「くすん。どうせ世間知らずの田舎の”ガキ”だよ…」
傭兵「いやっ、悪かった…! なぁこれから色々学んでいけばいいだろ」
傭兵「俺でよければなんでも知ってる範囲で教えてやるからさ」
44: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 22:45:24.28 ID:y9mpq7X9o
勇者「じゃあ教えて。ボクについてきた理由」
傭兵「……う、うん、まぁ…はは」
勇者「笑ってごまかすな!」
勇者「ストーカーってやつだったりする? ボク知ってるよ、ストーカーでしょ!」
勇者「城下町で出会ったときもボクの顔あらかじめ知ってたみたいだし!」
傭兵「そりゃ知ってるだろ…任務なんだから」
勇者「本当に、勇者のボクと魔王復活を阻止する旅に来たんだよね…?」
傭兵「あぁ覚悟して来たぜ。魔王の復活はなんとしても阻止しなきゃな」
勇者「…ホントのこと言ってない気がする」
傭兵「ぎく」
勇者「ぎくって言った。ボクそういうの結構わかるんだ」
傭兵「……ゴホン。ユッカ、お前も覚悟して旅に出たんだろ?」
勇者「あたりまえでしょ。ボクはそういう使命をもってうまれてきたんだから」
傭兵「お前を死なせないために俺はここにいる。それだけはわかってくれるか?」
勇者「…」ジィ
勇者「……わかった。そういうことにしといてあげる」
45: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 22:55:28.32 ID:y9mpq7X9o
勇者「もう旅立って一週間かぁ」
勇者「旅に出ちゃえば時間はあっという間だね」
傭兵「夜が更けるのも早い。子供は明日に備えて早く寝なさい」
勇者「…む」
勇者「デリカシーが無いよね! ひとが感傷に浸ってるのにさ」
傭兵「そう?」
勇者「じゃあボク寝るから。あ、そうだソル」
傭兵「なんだよ」
勇者「さっきはぐらかした所、ちゃんと今度おしえてね!」
傭兵「おう、話せる時が来たらな」
勇者「おやすみ!」
傭兵「おやすみ」
勇者「きっとなにか人に言えないワケがあるんだろうなぁ」
勇者「普通に考えて、こんな危険な旅についてくる人間なんてそういないもんね…」
勇者「でもボクにくらい教えてくれたっていいじゃん! まったく!」
勇者「うー冷えてきた、早く荷馬車戻ろっと」
46: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:00:29.54 ID:y9mpq7X9o
ボクはもやもやしたまま荷馬車の前まで帰り着いた。
屋根つきのボクらの荷馬車はちょっとした小屋のようになっている。
入り口は分厚いカーテンで区切られているだけなので完全な密閉とは行かないものの、雨風をしのぐには十分な設計だ。
勇者「帰ったよ〜」
ボクは荷馬車後部のカーテンをくぐり、おおよそダブルベッド一つ分程度の広さしかない中に入る。
旅の荷物をつんでいる上に、天井も低く、はっきり言ってかなり狭い。
中にはすでに僧侶の姿があった。ランプに火を灯し、隅っこで編み物に励んでいる。
僧侶「あらおかえりなさい。星みえました?」
勇者「綺麗だったよ。隣にデリカシーが無い奴がいたけど!」
僧侶「あはは。どんな楽しいお話をなさってたんですかね。さて、もう寝ますか?」
勇者「うん、そうする」
僧侶「いま片付けますね」
47: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:02:27.91 ID:y9mpq7X9o
勇者「…はーー」
僧侶「浮かない顔ですね。あっもしかして」
勇者「そう、打ち明けたんだ。一応仲間だしさ」
僧侶「ど、どうなりました…」ソワソワ
勇者「うん。なんにもならなかった」
僧侶「わぁそうですか」ホッ
勇者「今日はつかれたよ。散々な一日だった」
僧侶「街についたらエクソシストの方もいらっしゃるかもしれませんし、どうか気落ちせずに」
勇者「そうだね。僧侶よりもっと上級の聖職者がいたらその人に頼んでみよう」
僧侶「ええ。神はきっとお力を貸してくださいます」
 
勇者「僧侶の顔をみたらちょっとだけ落ち着いた。ありがとう希望が出てきた」
 
僧侶「いえ…えへへ。 あの、それで…勇者様」
僧侶「さしあたって、お話があるんですけど」
勇者「?」
48: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:05:48.97 ID:y9mpq7X9o
僧侶「えっと、街につくまであと4日ほどかかるってソル様が言ってましたよね」
勇者「うん。道なりにまっすぐだから大体それくらいって言ってた」
僧侶「それでかつ、ユッカ様の日課(ノルマ)の経験値稼ぎは一日60」
僧侶「合計240の経験値の埋め合わせはどうしますか?」
勇者「え゛…なにいってんの」
僧侶「え? だめですよ、修行さぼっちゃ」
勇者「非常時でしょ…?」
僧侶「あなたは人の世に安寧をもたらすため、神によって遣わされた勇者ですよ」ニコッ
勇者「…」
僧侶「レベル上げ、さぼっちゃダメですよ?」
僧侶「せめて一日60だけでも稼いでおかなきゃ」
僧侶「あとでつら〜い思いをするのはユッカ様自身ですよ」
僧侶「仮にそのうち解呪に成功したとして、サボった分あとでたくさん魔物を倒さないといけなくなるんです」
僧侶「それどころかレベルをあげていないとこの先ますます強くなっていく魔物に勝てないかも!」
49: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:06:47.62 ID:y9mpq7X9o
僧侶「そんなのダメですよね!? こまりますよね!?」 
勇者「う、うん……?」
僧侶「だからノルマだけでもしっかりこなしておきましょう」
勇者「…」ダッ
ガサガサ
勇者「あ゛ーー!なんでカーテンあかないのおかしいおかしいよ!!」
僧侶「荷馬車に結界張っていますので。いつも寝るとき張ってあげているでしょ?」
勇者「ひぃっ…まだ寝ない、からっ、外だして」
僧侶「寝るっていいましたよね?」
50: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:08:50.43 ID:y9mpq7X9o
僧侶「ノルマの60まであとすこしでしょ?」
勇者「す、すこし…かな?」アセアセ
僧侶「あっと言う間ですよ」
勇者「ホントかな」
僧侶「私にまかせてください」
勇者「でも……えっ、えっちなことはしたくないんだ」
僧侶「んー、でもその呪いってユッカ様が気持ちよくならなきゃだめなんですよね?」
勇者「うん、たぶんそう」
僧侶「あっ、じゃあ良い物ありますよ。これでいくつ経験値になるかわからないですけど」
僧侶「試す価値アリアリです!」
するとヒーラはにこやかな笑みを浮かべカバンの中から細長い棒を取り出した。
51: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:11:57.16 ID:y9mpq7X9o
勇者「なにその怪しい棒…」
僧侶「警戒しちゃってかわいい」
僧侶「これはですねぇ、ユッカ様がとーっても気持ちよくなってスッキリする魔法のアイテムですよ」
勇者「魔法かかってるの?」
僧侶「違います。言葉の綾です」
僧侶「街を出る前のお買い物でたまたま見つけたので買っちゃいました」
勇者「ええ…ただの木の棒にしかみえないよ。わざわざ買うようなものなの?」
勇者「あっ! よくみたら先っちょが小さく曲がってるね」
勇者「一体何につかうの?」
僧侶「ふふ、お楽しみ」
僧侶「さ、ここに」
そういってヒーラは正座した自身のひざをポンとたたいた。
勇者「…?」
僧侶「頭のせて横向きになってくださいね」
勇者「うん…?」
ボクは身体を横にし、恐る恐る目の前の温かそうなふとももに頭をのせてみる。
52: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:14:45.20 ID:y9mpq7X9o
勇者(わっ。あったかいしやわらかい…)
僧侶「いい子ですね」
ヒーラはなんの遠慮もなしにボクの髪の毛を撫で小さく笑った。
勇者「うあっ…あの、なんだか恥ずかしいな」
僧侶「そうですねー。でははじめますので動いちゃだめですよ」
自然と身がこわばり、ぎゅっと目をつぶる。
すると――
コリッ
勇者「あっ…」
僧侶「動いちゃだめ」
勇者「うん…」
突然の異物感。
どうやらあの細長い棒の先っちょをボクの耳の中に入れているようだ。
もしかして、これが噂に聞く『耳かき』というやつなのかもしれない。
どこか遠い国では日常的に行われることらしいけど……。
勇者「くすぐったい」
僧侶「我慢。よく見えないのでちょっと灯り近づけますね」
53: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:16:12.66 ID:y9mpq7X9o
ヒーラはボクの耳の浅い部分をあの棒で撫でるようになぞっていく。
勇者「ううっ…」
勇者「うーー」
僧侶「変な声ださないでください。いかがわしい事してる気分になっちゃうじゃないですか」
勇者「はい」
勇者「……」モゾモゾ
僧侶「動かない。危ないですよ」
勇者「はぁい…」
勇者(でもこんなのはじめてだし…なんだかヒーラ真剣な声で怖いよ)
カリッ、カリッ…
 カリッ カリッ
僧侶「…」カリカリ
勇者「んっ」
勇者(あっ、そこっ…もっとかいてほしい…声我慢しなきゃ…)
55: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:22:55.01 ID:y9mpq7X9o
僧侶「……むー、取れない」
カリッ カリッ
 カリッ
棒はゴソゴソと耳の中でおおきな音を立て、内側に刺激を与えていく。
それがなんともくすぐったいような気持ちいいような味わったことのない不思議な感触で、
半開きにゆるんだボクの口元からは自然と唾液がトロリとたれてしまった。
勇者「あう…ごめんヒーラ…垂れちゃった」
僧侶「ふふ、気持ちいいんですね。いいですよ、あとで拭けば良いので」カリカリ
勇者(あっ、なんでそんな奥ばっかり…ひっ、いひ、くすぐったいよ)
僧侶「あっ…もうちょっと…もうちょっと…動かないで、我慢」
カリッ
勇者「きゃんっ」
僧侶「はいっ取れました!」
僧侶「快感です!」
僧侶「って私が気分よくなってどうするんですか」
勇者「し、しらないよ。でもボクもきもちよかったよありがとう」
僧侶「まだ終わってませんよ。仕上げが残ってます」
勇者「仕上げ?」
僧侶「ふー」
勇者「うっ。ひっ。何!?」
僧侶「ふーー」
僧侶「ふっ、ふーー。ふーーー」クスクス
僧侶はしつこくボクの耳に吐息を吹きかけてくる。
勇者「からかってるでしょ…」
僧侶「はいおしまい。次反対♪」
56: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:25:07.94 ID:y9mpq7X9o
勇者「ねぇ…経験値…来ない」
僧侶「そういえば、あれ?」
???(両方おわったらあげるわよ)
勇者「両方おわったらくれるって」
僧侶「そうですか。ん?」
勇者「ってキミはまた勝手にボクの頭の中でしゃべって!!」ガバッ
僧侶「え? どうしたんですか!?」
勇者「出てこい! いい加減ボクと正々堂々勝負しろ!」
僧侶「えっと…ユッカ様? まぁまぁ。結界の中には誰も入れませんよ」
僧侶「それより反対の耳しましょ? 膝の上どうぞ」ポンポン
勇者「むぐ…」
勇者(解呪したらいっちばん最初にぶっとばしてやるから待ってなよ!!)
???(楽しみにしてるわ♪ それよりあなたって、耳の奥にもすごーい性感帯あるのね)
勇者(うるさいうるさい! もうしゃべらないでぇ!)
57: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:26:35.64 ID:y9mpq7X9o
 
 カリッ
カリッ カリッ――
勇者「あっ♪ いっ…ソコ」
勇者「うん…もっとコリコリして」
勇者「ボクそこ好き…」
カリッ…
勇者「あっ♥」
僧侶「ふーー。ふーーー♪」
勇者「あんっ、ちょっとヤダよ」
勇者「くすぐったいからっ、あははやめてよヒーラぁ…」
僧侶「ふーー♪」クスクス
勇者「んっ…♥」
▼勇者は12の経験値を手に入れた。
58: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:28:09.83 ID:y9mpq7X9o
 ・ ・ ・
勇者「すくないよ!」
僧侶「何がですか?」
勇者「け・い・け・ん・ち!」
僧侶「そうですねぇ」
勇者「いまわかった。これ絶対あいつのさじ加減だ」
僧侶「そうでしょうか」
勇者「そうに決まってる!」
僧侶「たしかに、私の耳かきに点数をつけられたような気がしてたまりません」
僧侶「12点…」
勇者「気持ちよかったから元気だして! ほんとに気持ちよかったよ! じゅるっ、えへへよだれ出ちゃうくらい」
僧侶「お粗末さまでした」クスクス
僧侶(次はもっと頑張ろう!)グッ
勇者「ノルマまであと36の経験値…」
僧侶「途中でレベルアップするんじゃないですか」
勇者「うん。だけど耳かきしてだいぶ夜も更けてきたからやっぱり今日は」
ガシッ
勇者「だめ?」
僧侶「…」コクッ
勇者(目が本気だ…)
59: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:30:57.63 ID:y9mpq7X9o
勇者(でも、耳かきでたった12。木のそばで一人でアレをして6…お腹ツンツン1…)
勇者「なにをしたら経験値36も稼げるんだろう」
僧侶「んー…」
僧侶「ほかのとこ触ってみるとか?」
勇者「な、なにを!?」バッ
ヒーラの妖しいジメッとした視線でボクはおもわず身をかばうように手を交差させ股を閉じる。
も、もしかして…ボクのここをさわろうとしてるんじゃ…。
僧侶「…」ジリッ
耳かきを片付けたヒーラはそのまま四つん這いで目を細め嬉しそうにボクににじり寄ってくる。
勇者(ううう…キミの方が悪魔に憑かれてるんじゃないの…)
勇者「ねぇ、ボクたち幼なじみでしょ? だめだよこれ以上イケないこと」
勇者「それに女の子同士だし…」
僧侶「んー? それを聞いてむしろどこに問題があるのかなと思いますけど」
勇者「えっ…」
60: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:33:31.74 ID:y9mpq7X9o
僧侶「幼なじみの同性がダメってことなら、ユッカ様は行きずりの異性ならエッチなお触りしてオッケーってことなんですか?」
勇者「ち、ちがうちがうっ! そんなのダメっ!」
僧侶「でしょう?」
勇者「でも、だけどやっぱりキミはボクにとって…」
僧侶「私はユッカ様のこと大好きですよ。いつも側で助けてあげたいなって思いますし、それが私に与えられた使命です」
僧侶「あなたのそんな悩める辛そうな顔みてたら…私、もうっ」
勇者「も、もう…?」
僧侶「キュンッってしちゃって! 飛びかからずにはいられませんよ」
勇者(おかしーよ!)
僧侶「さあユッカ様…! 怖くないですよ!!」
ついに壁際まで距離を詰められ、僧侶の顔が目の前まで迫ってくる。
勇者「なんだよその指〜!」
僧侶「ふふふ。私にまかせてくださいね〜」
勇者(耳かきしてくれた優しい聖母はどこいったの〜!)
61: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:40:02.79 ID:y9mpq7X9o
両肩に手を置かれる。
こんな狭い荷馬車だ、もうボクはどこにも逃げられない。
いや、それでもボクのほうがずっと腕力はあるので力任せに押し返すことはできるけど、
ヒーラに乱暴することなんていくらなんでもできやしない。
勇者(これはボクのためにしてくれてるだけ…ボクの呪いのために…呪いせい…)
勇者(経験値稼ぎ…なんだよね……?)
勇者「…」
僧侶(あぁそんな潤んだ瞳で見つめられちゃドキドキしちゃいます…)
僧侶(かっこよくてかわいい……私のユッカ様)
ヒーラの生暖かい吐息が顔にかかる。
幼なじみとはいえ、こんなに近い距離になるなんて滅多にない。
彼女はボクをどうしようというのか、首筋からは汗が流れボクの心臓は高なっていく。
勇者(まさか、ヒーラに呪いかけてないだろうな! 聞いてる!)
???(かけてないし、聖職者なんてあたしのほうからお断りなのよね)
勇者(じゃあどうしてこんなことになってるの!)
???(あなたって罪な子)
62: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:44:31.20 ID:y9mpq7X9o
僧侶(私の初恋の子…)
僧侶(あれはまだ幼い頃、はじめて会ったときは男の子かと思っちゃった)
僧侶(くりくりした可愛らしい目も、小さい体も、元気な跳ねっけも、ときおり見せる精悍さも、昔からちっとも変わらないですね。全部大好き)
勇者(なにかんがえてるのかなー…いい加減目そらしたいんだけど)
僧侶(あぁユッカ様がこんなに私のことを見つめてる…あぁあ)
僧侶(いいですよね? いいってことですよね? いただいちゃいますよ!?)
勇者(うーん、ヒーラってこうやって近くでみるとすごくまつ毛長いなー。いいなー体つきも大人の女性っぽいし)
 
なんて半ば現実逃避していると、不意にボクの唇にやわらかいものが触れた。
その直後強く押し当てられボクの呼吸をふさぐ。
勇者「んっ…んぅ!?」
僧侶「んっ、ちゅ…♥」
63: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:48:00.50 ID:y9mpq7X9o
勇者(なに!? いまなにしてるのボク!?)
勇者(近いっ、ちかいよ!?)
勇者(ちがうっこれチュー…、チューしてるんだ…!)
勇者「んんんっ?!?!」ジタバタ
僧侶「んっ…はむっ、ちゅ♥」
僧侶「いただいちゃいました」
勇者「ぷはっ、ちょっ…!」
あまりのことでボクは気が動転してしまった。
僧侶「…」ペロッ
勇者「ひゃうっ、なななっ、なっ」
きっとボクの顔はりんごみたいに真っ赤に染まっているだろう。
外ではごまかせるけど、灯りのあるここではそうはいかない。
ヒーラも顔を赤らめて、唇をおさえながら僕のことをじっと見つめている
勇者「ぼ、ボク…あうっ、キミと!?」
言いたいことは出てこないし、呂律もまわらない。
勇者「あっぁああっ、あのっヒーラっ! ボク今」
▼勇者は4の経験値を手に入れた。
僧侶「…テク不足? はじめてですし仕方ないですよね」
勇者「あのさあ…」
65: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:52:10.21 ID:y9mpq7X9o
僧侶「もう1回♪」
ボクの気もしらないでか彼女は笑顔で人差し指をピンとたてる。
ねぇ、ほんとに良かったの?
ボクのために自分を犠牲にするなんてだめだよ。
無理してない…?
と言いかけたところで再三に渡ってまたキス――
結局それから数十分間、ボクはヒーラと唇を重ねつづけた。
勇者「キミの味がしみついちゃう」
僧侶「ユッカ様の味おぼえちゃった」
勇者「はぁ…ボクもうもどれないとこまで来てる気がするよ」
僧侶「私はもう戻る気ありませんよ」
勇者「うぅ…」
僧侶「だけどこれで結構経験値かせげましたし!」
僧侶「ね?」ニコッ
勇者(はぁ、昔っから勝てないなぁキミには…)
勇者「ヒーラって女の子が好きなの?」
僧侶「いいえ。ユッカ様が好きですよ?」
勇者「う゛…」
勇者(やっぱりソルもヒーラもボクのストーカーなんじゃ…)
66: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:54:37.35 ID:y9mpq7X9o
 
 ・ ・ ・
僧侶「あとどれくらいでしょうか」
勇者「あれから結構チューしたからノルマまでは…えっと、あと11だよ」
僧侶「のこりチュチュっと済ましちゃいましょうか?」
勇者「う、うん…なにその言い方、なんだか下品だよ」
僧侶「そうですか? だけど当面の経験値稼ぎ方法がみつかってよかったですねぇ」
勇者「…かな?」
僧侶「えいっ。ちゅう……♪」
▼勇者は0の経験値を手に入れた。
僧侶「あら? チューしたのに」
ちゅっ
▼勇者は0の経験値を手に入れた。
勇者「な、なんで〜!?」
67: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:57:20.91 ID:y9mpq7X9o
勇者「あと1だよ!? あと1増えたら晴れてレベル10になるのに!」
僧侶「んー? どういうことでしょう」
勇者「おい! どこかにいるんだろ! どうなってるんだ!」
勇者「いっぱいキスしたのになんでレベルあがらないの!」
???(ふぁ〜〜。そうねぇ〜ヒントほしい?)
勇者「うん」
???(なに即答してるのよ勇者のくせに恥ずかしくないの)
勇者「いいから教えて!」
???(ズバリ、あなたがお子様だからよ)
勇者「なっ! ボクは大人だ! 大人になったから旅に出たんだぞ!」グッ
???(ぷっ。やっぱり子供ね)
勇者「う〜人の頭の中でなに笑ってるんだよぉ!」
68: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:58:33.93 ID:y9mpq7X9o
僧侶「あ、あのーユッカ様、私には心の声とやらが聞こえないので…なにがなんだか」
勇者「ちょっとまって! いいからはやく呪いをとけ! もしくはレベル10になる方法!!!」
???(はぁ。じゃあたしからひとつ言わせてもらうとぉ)
???(♀同士でエロくもなんともないキスばっかりしてるガキンチョにレベル10は与えられないわ)
???(レベルアップのご褒美は、あなたが本当の意味で大人になってからね?)
???(ということかなーっ♪ グッナーイ♪)
勇者「はぁ!? ヒーラがなんのためにボクに一生懸命キスしてくれたとおもってるんだ!!!」
僧侶「まぁ…そんな。それならいつでもしてあげますよ」
69: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/19(木) 23:59:20.56 ID:y9mpq7X9o
勇者「…ねぇヒーラ」
僧侶「なんですか?」
勇者「大人になるってどういうことかな?」
僧侶「…え?」
勇者「大人にならなきゃ、ボクのレベルあがらないんだって」
僧侶「……あ」
勇者「どうしたら良いと思う?」
僧侶「…ッ! …ちゅっ」
勇者「んっ、んっく…んむぅ!? そう…んっちゅっ…あっ」
僧侶「ぷは」
▼勇者は0の経験値を手に入れた。
勇者「な、なに?」
僧侶「はむっ、ちゅっ」
勇者「んむぅ〜!? んんんーー!!」
勇者「えほっ、なんなの!?」
▼勇者は0の経験値を手に入れた。
僧侶「……」
勇者「もう増えないよ! 話聞いてたでしょう?」
僧侶「…ですよね」
僧侶「女の私では、あなたを大人にしてあげられなくてごめんなさい…」
勇者「…」
70: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 00:03:09.12 ID:zhVbQxuro
勇者「ねぇ大人になるってどういうことなの?」
勇者「成人の儀を終えているのにまだ大人じゃないの?」
勇者「わからないよ…ボクはバカだからわからない」
勇者「キミは頭いいでしょ。街暮らしだし、ボクより一つ年上でしょ! なにか知ってたら教えてよ」
僧侶「ぁ…私は…」
勇者「ボク、強くなりたいんだ。ボク世界を守る勇者なんだ!」
僧侶「…」
勇者「レベル10になりたい…!」
勇者「ねぇ、大人になるって…どういうこと?」
僧侶「ぅ……んーっと…好きな人と愛しあう、ってことかなー」
ヒーラは窓の外を眺めすこし物悲しそうな目をしてそう答え、就寝の準備を始める。
そのあと狭い寝床で毛布を被り、彼女に抱きすくめられるようにして一緒に眠った。
だけどキスの余熱と体のうずきに苛まれ、ボクはなかなか眠りに着くことが出来なかった。
72: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 00:15:54.05 ID:zhVbQxuro
<深夜>
勇者「…ん」ムクリ
勇者「だめだ、お水飲もう」
いよいよ火照りにたえられなくなったボクは、毛布をめくり静かに起き上がった。
勇者「お水…どの樽だっけ」
脇にある樽の蓋を手探りで開け、汲んでおいた飲み水をコップで一杯すくい喉へ通す。
だけど身体から熱がとれることなかった。
勇者「ん…」
勇者(やっぱりアレしなきゃだめか)
勇者「ここじゃまずいよね」
ボクはヒーラの杖を手にとり、カーテンとトントンと叩く。
これで魔法の結界が解除されることはここ数日の生活で知っている。
勇者「ごめんねヒーラ」
すやすや眠る彼女をおこさないように音を殺してゆっくり外にでる。
ひんやりとした空気が身体にささり心地よい。
73: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 00:21:26.04 ID:zhVbQxuro
勇者「あ、まだ起きてたんだ」
傭兵「おう、お前寝たんじゃなかったのか」
勇者「うん…ちょっとね」
まさかソルが起きているとは思わなかったので、意表を突かれついどぎまぎしてしまう。
勇者「キミは寝ないの?」
傭兵「火消して寝ようと思ってたけど」
勇者「ごめんね…いつも荷馬車独占して」
傭兵「気にすんなよ。野営は慣れてる」
傭兵「それに俺には愛しの寝袋があるから」
勇者「そっかぁ」
傭兵「それでお前は、小便か? なら話してないでちゃっちゃと」
勇者「違う…」
74: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 00:25:22.01 ID:zhVbQxuro
傭兵「…? あ! あーー、まぁそういうこともあるわな。例の呪いか」
勇者「うう…聞いて。さっきまでねヒーラと経験値稼ぎしてたの」
傭兵「おう。どんな方法で?」
勇者「耳かきとか…。知ってる?」
傭兵「知ってる。聞き取れなかったけどなんか叫んでたな」
勇者「あのサキュバスがボクの頭の中で好き勝手しゃべったりするんだよ」
勇者「それで、大人にならなきゃもうこれ以上の経験値はうちとめだって」
傭兵「まじか…」
勇者「方法がわからなくてこのままじゃレベル10になれないし、寝ようと思っても身体はうずうずするし、ボクどうしたらいいの」
傭兵「……う、うーん」
勇者「教えてソル! 年上でしょ!」
傭兵「むしろ年上の男がこんなこと言うのはまずいんだよなあ…」
75: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 00:32:43.94 ID:zhVbQxuro
勇者「…まずいことなの?」
傭兵「…ふぅ。なぁ、ユッカは好きな人いるか?」
勇者「えっ、きゅ、急になに?」
傭兵「いいから答えてくれ」
勇者「えっと。おじいちゃんは好きだし、ヒーラも好き、あとキミのことも仲間だから大事に思ってるし、お世話になった村の人たちも」
傭兵「そうじゃなくて」
ソルはボクの唇に人差し指をそっとあて言葉をさえぎる。
勇者「?」
傭兵「ユッカには、好きになった男の人がいるか? 特別に思う人、いるか?」
勇者「…ううん、いない」
ボクは言葉の意味をようやく理解して、小さく頭をふった。
76: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 00:41:56.28 ID:zhVbQxuro
勇者「そういうこと経験がなくてよくわからない。ボクは勇者として、毎日修行して生きてきたから」
傭兵「あぁ、じゃあお前はまだ大人になるべきじゃない」
勇者「でも」
傭兵「10レベルになれなくてもいいじゃねーか」
傭兵「お前の分までしっかり俺が戦ってやる」
傭兵「だからユッカは生き急がなくていい」
そう言ってまた勝手に大きな手で頭をなでられた。
視線をチラと上に向けると、彼は相変わらず笑っている。
傭兵「な?」
勇者「う、うん…」
なんだかくすぐったい気分につつまれ、ボクはとっさに顔を背ける。
手を離した彼は大きく伸びをして寝袋に向かった。
傭兵「んじゃ俺は寝るわ。お前もいい加減寝ろよな」
勇者「わかった」
勇者(身体…さっきより熱くなっちゃってるや。ソルの馬鹿)
78: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 00:49:10.70 ID:zhVbQxuro
その後しばらく、彼の座っていた切り株に腰掛けボクは精神統一を行っていた。
もしかしたら直接なにかしなくても、心を清めれば身体の疼きは収まるかもしれない、そう思ったからだ。
勇者(で、でも)
勇者「う…」
いまいち成果は上がらなかった。
さきほどソルに触れられてじくじくと悪化するアソコの疼きにいよいよボクは耐えられなくなってくる。
組んでいた手は自然とほどかれ、股間へとはしたなく伸びる。
勇者(だめなのに…)
勇者(きもちよくなりたい)
勇者(ソル、さすがにもう寝付いてるよね…?)
寝袋のほうへ視線を送ると、ソルは恐ろしく静かに眠りについていた。
勇者「なんか…慣れてるなぁ」
勇者「ずっとこんな環境で生きてきたのかな」
79: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 01:00:43.22 ID:zhVbQxuro
勇者「キミのせいだからね…」
勇者「ボクにあんなこというから…勝手に頭にさわるからっ」
勇者「んくっ」
足を開き、下着の中に右手を潜り込ませアソコをさぐる。
ボクのアソコはすでにじんわりと湿気を帯び、ふれた瞬間に指に吸い付いた。
勇者「あっ…」
ボクはこれが自慰というイケナイ行為だということを知っている。
旅にでるずっと前、村の近くの森で修行をしていた時にたまたま樹の根元に誰が捨てたのか数冊の本が埋められているのに気づいた。
興味本位で掘り返してみると、それはもうそれまでボクのしらなかった大人の世界がつらつらと綴られてあるとてもいかがわしい本だった。
文字の横に簡単な図解がしてあり、思春期の女の子がみなこういうことをするものだと書かれていたのを思い出す。
…もちろん、本を持って帰る事はしなかった。
持ち帰ってもおじいちゃんに怒られて捨てられていただろう。
勇者「あ♥」
勇者「んっ…もうしないって決めてたのに」
80: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 01:07:48.62 ID:zhVbQxuro
しめった指先で女の子の大事な場所を擦る。
ピリピリとした感触に思わず声がでそうになるのを堪え、刺激を続けた。
徐々に下着が煩わしく感じ、下までずりさげて脱ぎ置く。
勇者(側でソルが寝てるのに…ボク、アソコだしていじっちゃってる…)
勇者(こんなの変態だよ。エッチな勇者なんてしられたら幻滅されちゃう)
勇者(ううん違う、ボクはエッチじゃない。呪いが悪いんだ)
勇者(呪いが…)
勇者「あんっ♥」
勇者「あ、やば…声おさえなきゃ」
 スリ…スリ…
スリ スリ…
勇者「う、うっ…あう」
勇者「はやく終わらせなきゃ」
勇者「このまま続けたらまたあんなふうにきもちよくなっちゃうのかな…」
勇者「どうしよ♥ はっ、はっ♥」
ひたすら刺激をもとめ動き出した指はもうとまらない。
81: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 01:15:25.94 ID:zhVbQxuro
こすればこするほど割れ目からはどんどんとエッチなお汁があふれてきて、やがて座っている切り株へと染みていく。
ちゅくちゅくとかすかに水音が聞こえる。
ボクはその音にすごくすごく興奮してしまって、さらに指を動かす度をあげた。
 ちゅくちゅく ちゅくちゅく
 
勇者「あふっ、あう♥ いっ♥」
勇者「あ…だめっ、ボク、もう」
 ちゅくちゅくちゅくちゅく
 ちゅくちゅくちゅくちゅく
勇者「うあうっ♥」
勇者「あっだめっ…イ゛っ!?」
勇者「〜〜〜っ♥ あぁっ♥」
 頭がまっしろになり腰がひくつき、全身に快楽が広がっていく。
 歯を食いしばりなんとか声をおさえることはできたけど、正直どこまで抑えられたか自信はなかった。
勇者「はー…はー♥」
勇者(きもちよかった…♥)
82: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 01:24:29.48 ID:zhVbQxuro
勇者「…も、もどろう。うん」
勇者「あーもうほんとボクって…自分に幻滅だよ」
???(今度は結構気持ちよくイケたみたいね)
勇者(無視無視無視)
???(なによー、ご褒美に経験値あげようとおもったのに)
勇者「え、ほんと!? くれるなら頂戴!」
▼勇者は0の経験値を手に入れた。
???(あ! まだガキンチョのままだったね! ざんね〜ん)
勇者「…」イラッ
勇者「いいもん。ソルがボクのこと守ってくれるって。約束したもん」
???(ほーんとなんなのよあの男。精気吸っちゃおうかしら)
勇者「仲間に手を出したら許さないからな!」
???(はいはい怖い怖い。ま、追々楽しくやりましょ)
勇者「ふんだ」
83: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 01:31:26.45 ID:zhVbQxuro
勇者「ところで聞かれてなかったよね…? 起きてないよね?」
???(あたしにそれ聞くぅ? 知らないわよそんなとこまで)
???(言っとくけどこの呪いのせいでこの先あんたがどうなっても自己責任よ)
勇者「…」
???(がんばってね♪)
勇者「はぁ…前途多難だよ」
勇者「でも、ちょっとだけ気持ちは軽くなった」
勇者「ありがとう。ヒーラ、ソル」
???(あたしは? あたしサキュっていうんだけど)
勇者「うるさい黙れ。勝手にボクの中でしゃべったらぶった切る」
???(クスクス、どうやって)
勇者「…そ、それはっ。今度あったときに直接!!」
傭兵「ふわぁ…お前さっきから何ひとりごとぶつぶつ…うるさくて起きちまうだろ」
勇者「うわぁぁあ! ご、ごめんごめん! もう静かにするから!」
勇者「……ていうかどの辺から起きてた!?」
傭兵「…?」
傭兵「……あぁ、まぁそういう日もあるさ。勇者とはいえ一人の人間だからな」
勇者「うわあああん!!」
第2話<仲間>おわり
87: 以下、
あなたはエロ展開だと思ったら耳かきだったというひっかけが好きなのか
耳かき自体が好きなのかどっちなのだ!
92: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 22:36:41.14 ID:zhVbQxuro
第3話<森の魔女>
村人「オラが案内できるのはここまでだぁ」
村人「正面の深い森を抜ければほどなく次の街が見えるべ」
傭兵「わかった。ここまで案内ありがとうな」
傭兵「少しだが報酬だ」
村人「へへ。だけんど気をつけておくんなせぇ。無事抜けられればですがね」
傭兵「どういうこった。封鎖でもされてんのか」
村人「この森の噂しってますか」
僧侶「なにかあるのですか?」
傭兵「……あー、そういえば聞いたことあるな。お化けがでるとかなんとか」
勇者「お化け!? や、やだよそんな森」
村人「オラが知り合いに聞いたのはお化けではなくて"魔女"ですわ」
村人「なんでも迷い込んだもののを命を吸うと噂されてまして」
勇者「…」ゾク
村人「数年ほど前から住み着いておりまして、この森を通る行商人や旅人もめっきり減ってしまったべ」
93: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 22:42:37.97 ID:zhVbQxuro
勇者「ボクらも迂回しよう!」
傭兵「迂回するにも、そうなれば山越えは必至だな」
僧侶「荷馬車で向こう側へ抜けるにはこの森を通るしかないようですね。お化けは…ヤですけど」
勇者「うええ…」
傭兵「魔女なぁ…案外お前にとりついた悪魔のことじゃねーの」
サキュバス(違うわよ)
勇者「違うってさ」
傭兵「…あ、そう」
傭兵「ココで怖がっててもしかたねぇ。魔女に会いたくなければ夜になる前にさっさと抜ければいいんだろ?」
村人「そう聞いています。ですが魔女にあったものは…魔力を吸い尽くされて土塊のようになってしまうとか」
傭兵「…んなわけないない。行こうぜ」
勇者「う、うん…」
傭兵「勇者だろ。勇気だせ」ポンッ
勇者「わかってるよぉ。行かないとは言ってないじゃん」
94: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 22:50:05.66 ID:zhVbQxuro
【荷馬車】
勇者「鬱蒼として嫌な森だなァ」
勇者「ボクの住んでいた村の近くの森はすっごい綺麗だったのに」
傭兵「で、何か感じるか?」
勇者「わからないけど、肌をさす空気がピリピリジメジメしてる」
勇者「魔力を持つなにかが住んでるのは確かだと思う…」
僧侶「ユッカ様はするどい※魔覚をおもちなのですね」 ※魔力を感じ取る力
傭兵「俺にはさっぱりわかんねぇ」
僧侶「まぁ、程度の差はありますから」
僧侶「生まれつき目の見えない方がいらっしゃるように、魔力を感じ取る力が極端に低い方もまれにいらっしゃいます」
勇者「それにしてもキミは鈍すぎ!」
傭兵「わるかったな。変にビビらなくていいっていうメリットもあるんだぜ」
95: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 22:56:28.37 ID:zhVbQxuro
――

傭兵「さて、ちょっと馬止めるぞ」
勇者「どしたの?」
傭兵「二人に良くない報告がある」
勇者「…?」
傭兵「方位磁石が壊れているかもしれない」
勇者「え〜〜〜?」
僧侶「…ってことは、迷っちゃいました?」
傭兵「もらった地図だともうそろそろ出口についててもおかしくない時間なんだよな」
傭兵「おっかしいなぁ」
勇者「もっと早く気づいてよ!」
傭兵「んなこといわれてもよ、針が固まるとはおもわねぇだろ」
傭兵「闇雲に進んでももっと迷うだけだ。朝を待とうぜ」
勇者(やだなぁ…こんなとこで野営なんて)
96: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 23:04:37.92 ID:zhVbQxuro
傭兵「ほれ、パン」
勇者「う、うん…」
勇者「はむ…」ブルル
勇者「やっぱりボクここにいられないよ!」
傭兵「鋭敏すぎるのも困りもんだなぁ」
僧侶「結界貼りましょうか?」
勇者「でもそれだとボクらがここにいるって教えるようなもんだし…」
僧侶「そ、そうですね」
勇者「じっとしてるのが一番なんだろうけど……・ボク、さっきからずっとなにかに見られてるような感じがするんだ」
傭兵「野良の動物くらいは居るだろうよ」
勇者「そうじゃなくって!」
僧侶「私もすこし悪寒がします。こんな場所ですし、お化けいたらどうしましょう…」ブルルッ
傭兵「寒いなら抱っこしてやろうか」
僧侶「いいえ結構です!」
97: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 23:07:10.87 ID:zhVbQxuro
傭兵「あんまり気にしてもしかたねぇよ」
勇者「そうだけど。ソルにはわかんないよ。ねー?」
僧侶「ねー?」
傭兵「…ふぅ」
傭兵「でもよ、俺達に対しての敵意は向けられてないんだろ?」
傭兵「……たとえばいま二人の後ろにいる青い火の玉とか」
勇者「え?」クルッ
 ふわふわ
火の玉「…」
勇者「ギャーー!! うわぁああ!」
僧侶「お、お…おば、おばけ…いやあああああ」
傭兵「しー! 静かにしろって! 魔女にみつかっちまうぞ」
98: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 23:12:35.32 ID:zhVbQxuro
勇者「あわ、あわわおばけ…火の玉がぁっ」
 ふわふわ
勇者「あー無理無理無理! なんとかしてよぉヒーラ!!」
僧侶「え、えへ………こ、こひがぬけて…あ、あはは」
勇者「なにやってんだよぉ僧侶でしょ! 聖なる魔法でパパっとやっつけてよ!」
僧侶「…ぐすっ」
勇者「ねぇソル!」
傭兵「いやお前がなんとかしろよ」
勇者「だってぇ…あ゛ー近づいてこないでぇ! いやーお化け無理!! ボクレベル低いし!」
傭兵「お化けかこれ?」
勇者「だって火の玉が浮いてるんだよ!! ソルなんとかして!!」
傭兵「んじゃ俺の華麗な剣技で。おらよっと」
 スカッ
火の玉「……」
傭兵「ははは。パス! 俺魔力もってないからこういうのと戦えないんだよね」
勇者「うわああん!」
99: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 23:17:57.41 ID:zhVbQxuro
勇者「ど、どうしよう」
傭兵「襲ってこないんだから問題ないだろ」
傭兵「ほら、ちょうど灯りになってむしろイイカンジ」
 ゴツン!
傭兵「イってぇ…杖はやめて…」
僧侶「馬鹿いわないでください! 女の子が怖がってるんですよ!」
傭兵「なんだ立てるじゃん。んじゃパパっと魔法で頼むよ」
勇者「お願いヒーラ!」
僧侶「…うう、じ、実はですね」ゴニョゴニョ
勇者「?」
僧侶「回復と防御魔法くらいしかつかえません。えへ」
僧侶「あ、うわぁって顔した。ひどいです」
傭兵「…お、そうだ。ちょっと杖貸して」
僧侶「魔法つかえるんですか?」
傭兵「まぁ見てろって。この聖杖には魔力蓄えてるよな?」
僧侶「え、ええ…一応魔法具ですので」
100: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 23:25:27.33 ID:zhVbQxuro
傭兵「よっしゃあ!」
ソルは元気よく叫ぶと杖を両手で握りしめ、大きく後ろに振りかぶり…。
あろうことか杖を火の玉に叩きつけるように強く振りぬいた。
実態の無いはずの火の玉は見事聖杖と衝突し、ものすごい勢いで空へとふき飛んで行く。
傭兵「おー飛んだなぁ」
僧侶「ななっ…なにするんですか! 私の杖で!!」
傭兵「やっぱりアレは魔力を帯びてたんだな。炎だけなら当たらないしな」
僧侶「うう…私の杖」
勇者「でもやっつけたよ! すごい! びゅーんって! あはは!」
傭兵「実に振りやすい杖だ。グリップもよく馴染む」
僧侶「やめてください高価なんですから」
101: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 23:33:01.63 ID:zhVbQxuro
勇者「ん…待って…」
傭兵「どうした? さぁ飯の続きといこうぜ」
勇者「ぎゃ、ソル! 上上! あいつ戻ってきた!」
傭兵「はぁ…? うおっ」
叫んだのもつかの間、吹き飛ばした勢いより更にく火の玉は木々の向こうから
ソルの身体めがけて飛来してくる。
ソルはとっさの反応でなんとかそれを打ち返す事に成功した。
杖で風を切る音と、魔法同士が衝突したときに鳴るキィンとした甲高い音が辺りに響く。
傭兵「はー、あっぶねぇ…危うくデッドボールだぞ」
勇者「なにそれ」
傭兵「そういう遊びがあんの」
僧侶「す、すごいです…でも私の杖」
傭兵「やべぇなまた来るかも…ちょっと貸しててくれ」
僧侶「はぁ…」
傭兵「久しぶりにワクワクするぜ。こいよ火の玉野郎! 何度でも打ち返してやる!」
僧侶「もう放っておきましょうか…」
勇者「うん。ご飯たべよ」
傭兵「うおおお!」ガキンッ
102: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 23:38:27.86 ID:zhVbQxuro
――

僧侶「ソル様〜、ご飯たべないんですか」
傭兵「キリがねぇんだよ!」ガキンッ
勇者「ビュンビュンキンキンうるさいよ! 静かにしろっていったのキミなのに!」
傭兵「しゃあねぇだろ! 襲ってくるんだからよ」
勇者「キミが最初にぶん殴ったからきっと怒ってるんだよ」
傭兵「んなこといわれてもよ! 倒してくれっていったのお前だろ!」ガキンッ
勇者「消し去る方法ないのかなぁ」
僧侶「あれいつまで続くんですかね」
103: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 23:41:32.58 ID:zhVbQxuro
僧侶「そういえば、ソル様って魔力もってないわりには不思議と魔法具の扱いに長けてますよね」
勇者「本人聞こえてなさそうだからいうけどさ、そもそも魔力もってないっておかしいよねぇ」
僧侶「そうですね。魔力の量が人より少ない方ならいらっしゃるんですけど」
勇者「魔力ってボクらにとって生命エネルギーみたいなもんなんでしょ? なくても平気なの?」
僧侶「う、う〜ん…どうなんでしょう」
傭兵「俺は元気だぞ!」ガキンッ
勇者「げっ、聞こえてたや」
僧侶「あはは…すいません、私ちょっとお花を摘みに。さっきから我慢してて」
勇者「?」
僧侶「おしっこです」ボソッ
勇者「あー。うん、ボクも行こっと!」
104: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 23:46:24.22 ID:zhVbQxuro
傭兵「そこらへんですりゃいいだろー。森だぜここ」ブンッ ブンッ
僧侶「…そんなわけにはいきません。私たち、花も恥じらう乙女なんです。ねー?」
勇者「…」コクッコクッ
傭兵「乙女なあ…俺その乙女のせいでたんこぶできてるんだけどなぁ」
傭兵「これあとで治してね。そっちの魔法は得意なんだろ?」
僧侶「…コホン、行きましょ。すぐ戻ります」
傭兵「おーう…」
傭兵「……。あれ火の玉こねぇな…逃げたか?」
105: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/20(金) 23:54:27.30 ID:zhVbQxuro
――

勇者「ここらでいいかな」
僧侶「あの人、案外地獄耳ですからね。これくらい離れてないと聞かれちゃうかも…」
勇者「魔法が使えない分、ほかが発達したりするのかもね!」
僧侶「さて、ではユッカ様はこちらで。私はむこうのほうで――」
 『火の玉から離れちゃだめ……』
僧侶「え? いま何か言いました?」
勇者「い、言ってないよ。ヒーラの声じゃないの…?」
僧侶「えっと…」
 『離れないで…』
 
火の玉「…」ふわふわ
僧侶「!!? ひっ!」
勇者「で、で、アっ…!」チョロロ…
下半身を伝う温かいものを感じる。足がガクガクと震えて一歩も動けない。
どうやら、間に合わなかったみたい…。
いい年してこんなの、あとで絶対ソルに笑われる…。
ヒーラはというと、隣で腰を抜かしぺたんと可愛らしく座り込み、目をつぶり耳を塞いで何かを小さな声で唱えている。
お化けに対する同じ反応でもこっちは絵になるのにどうしてボクときたら…。
106: 以下、
ふぅ…
107: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/21(土) 00:01:17.12 ID:nhnJXBogo
 『戻って…』
勇者「この声…火の玉から聞こえるような」
勇者「キミ、しゃべれるの?」
火の玉「…」
 
 『灯りのそばに居なきゃだめ。ここは危ない』
勇者「ねぇヒーラ…あ、絶対何も聞こえてないや」
僧侶「…」ブルブルブル
勇者「ねーヒーラってばぁ」ゆさゆさ
僧侶「はうっ!? ユ、ユッカさまぁ…私、私…いい年しておもらし…くすん」
勇者「ボクもだから大丈夫(?) それより火の玉がねっ! なにか伝えようとしてるんだ!」
火の玉「…」ふわふわ
僧侶「うわーまだいるじゃないですか! 見たくないですっ!」
勇者「…ねぇ。キミは、ほんとにボクたちの敵じゃないの?」
 
 『違う』
 『もどったほうがいい。あなたの仲間のところに』
勇者「ソル…?」
109: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/21(土) 00:09:23.69 ID:nhnJXBogo
戻ってみると、ソルはすでにたくさんの黒い狼に囲まれていた。
周りには何頭かソルに斬られただろう狼が血を流し倒れている。
そしていまこの瞬間も一匹また一匹と牙をむき彼へと飛びかかる。
勇者「ソル!!」
傭兵「ユッカ! 来るな! 人喰いの獣だ!! 俺が全部相手する!」
勇者「あ…」
火の玉「…」ふわふわ
ボクらについてきた火の玉が辺りをぐるぐると飛び回る。
それをみた狼たちは小さく唸りながら蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
どうやら火を怖がっているようだ。
傭兵「……」
勇者「ソル!」
僧侶「ソル様! お怪我は!」
傭兵「大丈夫だ…それより…」
傭兵「なんで、お前下履いてないんだ」
勇者「……あんっ忘れてた」バッ
傭兵「いや暗くて見えてねぇけど」
僧侶(私スカートで良かった…)
110: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/21(土) 00:14:32.11 ID:nhnJXBogo
傭兵「悪かったな何度も打ち返して」
火の玉「…」ふわふわ
傭兵「だけどいい勝負だったぜ」
勇者「あの、ソル。その火の玉、しゃべるんだよ」
傭兵「ほんとか? おーいしゃべってみろ」
ソルは拾い上げた聖杖の先で火の玉をツンツンとつっつく。
火の玉はすこし不機嫌そうにゆらゆらと揺れた。
 『……乾かしてあげる』
ふいにボクのほうへと近づいてきて、手に持つぐっしょり濡れた下着の近くに浮遊する。
勇者「うわっ、い、いいよぉ…そんな気つかわなくて」
傭兵「なんだぁお前それ…。ははーん、さては間に合わなかったのか?」
勇者「そ、それは…うう」
僧侶「ええ間に合いませんでしたとも! この火の玉のせいでね!!」
傭兵「ヒーラちゃん何キレてんの」
111: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/21(土) 00:24:43.21 ID:nhnJXBogo
 ・ ・ ・
2枚の下着を近くの樹の枝にかける。
火の玉はそれを乾かそうと、ふわふわと周囲を旋回している。
ヒーラは恥ずかしさでずっと顔を手でおおったまま、ときおり指の隙間からソルの様子を伺っているようだ。
傭兵「つまり、俺達を守っていてくれたってことだな」
勇者「だね」
傭兵「んだよおどかしやがって」
勇者「ほんとだよ!!」
ボクは恐怖と恥ずかしさのダブルパンチで怒り心頭だった。
ちなみに下着は新しいものに履き替えて、気分は爽快。だけどこの後のことを考えると真っ暗。
火の玉「…」ふわふわ
傭兵「おいなんとかいえよ。しゃべれるんだろ」グリグリ
 『…あなたを守ったわけじゃない』
傭兵「うわっ…辛辣だな。なぁお前絶対例の魔女だろ!」
勇者(やっぱりそうだよねぇ…ボクもそう思うもん。やだなぁ)
112: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/21(土) 00:30:34.11 ID:nhnJXBogo
傭兵「白状しろ! だいたいなぁ、陰気すぎるんだよその火の色がよぉ」
僧侶「あ、あ、あの…ソルさま」
傭兵「どしたの」
僧侶「下着に話しかけてるみたいで…はずかしいというか、その…できればやめて欲しいんですけど」
勇者「それにむやみに魔女のこと刺激しないでよね! まだ怖いんだから!」
傭兵「あーそうか。わかった」
傭兵「出てこいよ陰気魔女!!」
勇者「ばっ! 何いってるの!」ゲシッ
思わず高でソルの足を何度も踏みつけた。
傭兵「痛くないぞ」
僧侶「刺激しないでくださいっていってるでしょ!!!」
火の玉「…」ふわふわ
勇者「ほら怒ってるよぉ」
傭兵「なんでわかるんだよ」
勇者「ボクには雰囲気でわかるの!!」
 『…なら、そっちに行く。待ってて』
勇者…あ」
僧侶「いやあああ!!ソル様のばかああ!!」
傭兵「本体で襲ってくるなら直接たたっ斬るチャンスじゃねぇか」
113: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/21(土) 00:38:29.44 ID:nhnJXBogo
ボクたちは顔を見合わせたあと、背を預け合いしばらく辺りを警戒する。
ざわざわとした森の空気が静まりかえり、緊張感につつまれる。
傭兵「美人だったらいいなぁ」
勇者「ばかぁ」
僧侶「神よ…私達に加護をお与えください」
傭兵「ヒーラちゃんの結界って強度どんなもんなの?」
僧侶「…案外簡単にパリンと割れますよ。いまの私では防げるのは中級の魔物までです」
傭兵「じゃ、いざとなったらユッカをよろしく」
僧侶「ソル様…戦うんですかやっぱり」
傭兵「魔女が俺たちを狼から守ってた理由はわからねぇけど、いざとなったらな」
勇者「さっき敵じゃないって言ってたよね…もし襲ってきたら…」
勇者「ぼ、ボクたちを食べちゃう気で…獲物をよこどりされまいと守ってくれただけなのかも…」ブルブル
そう言った直後、大きな魔力の塊がボクの前方から近づいてくるのを察知する。
魔女だ。間違いなくそう直感した。
115: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/21(土) 00:47:31.54 ID:nhnJXBogo
勇者「来た…ボクの前方、300メートルくらいかな、ううんもっと近いかも…」
勇者「魔力が大きくてよくわからない。でも近くにいる!」
傭兵「わかった。さがってな」
勇者「…うん」
おもわずソルの服の裾をきゅっとつかむ。
隣をみるとヒーラはすでにそうしていた。
僧侶「…」ゴクリ
勇者「近づいてくる…」
手に汗がじわりと広がる。
だけど近づいてくればくるほど、ボクは違和感を覚えた。
思った以上に、ボクらに対して害意がない。
勇者「剣をおさめてソル」
傭兵「…あん?」
116: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/21(土) 00:58:28.65 ID:nhnJXBogo
これは魔覚の鋭い人にしかわからないのだけど、人にはそれぞれ魔力の波動に違いがある。
例えば、魔力の色や溶けかた、密度や温度。人の顔がみんな違っているのと同じで魔力も個性を持っている。
ボクは生まれながらにこれらをすべて感覚的に捉えているので、これ以上うまく言葉にはできないけど、
確かにそういった見分け方が存在する。
勇者「大丈夫。襲ってこないよ」
そう、ボクの違和感とは。
この魔女の放つ魔力の波動を、知っているような気がしたからだ。
目の前の茂みががそごとと音をたてる。
ボクが一歩前に歩み出ると側を漂っていた火の玉はくるくると主のもとへと戻っていった。
傭兵「きやがった…! 気をつけろユッカ」
僧侶「ひ、ひぅ…」
117: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/21(土) 01:00:39.19 ID:nhnJXBogo
勇者「平気」
勇者「ふたりはそこにいて」
傭兵「お、おいっ。大丈夫なのか?」
僧侶「ユッカ様…」ゴクリ
勇者「うんっ」
 『あなたには会うのは久しぶり……』
勇者「…そうだね。マナ」
やがて茂みの中から、のそのそとローブを羽織った銀髪の少女が現れた。
それはボクが昔王宮で暮らしていたころに何度か遊んだことのある、マナという魔法使いだった。
魔女「ユッカ。またあえた……だから魔力…頂戴?」
第3話<森の魔女>つづく
124: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/21(土) 22:50:24.98 ID:nhnJXBogo
傭兵「お、おい…魔力よこせとか言ってるぞ…やっぱり人喰い魔女なんじゃねぇか」
僧侶「ユッカ様本当に大丈夫なんですか」
勇者「うん。マナは僕の友だちだから」
傭兵「友達ねぇ…」
魔女「…」
傭兵(やっべぇ、何考えてるか読めねぇ…)
勇者「えへへ。マナ!」
数年後しの思わぬ再会に、つい嬉しくなってマナの手をとる。
すると、ぞわぞわとボクの魔力が勝手に溢れだし、マナの手を伝い彼女の小さな体へと吸収されてゆく。
勇者「う…」
魔力を吸われるのは決して心地の良いものじゃない。
例えるなら、血を吸われすぎた時のような貧血状態。この状態が続くと常人なら意識を失ってしまう。
僧侶「ユッカ様!」
傭兵「なんだ、どうした」
僧侶「ユッカ様の魔力が…! あの子に吸われてます!」
魔女「…」
125: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/21(土) 23:00:37.89 ID:nhnJXBogo
僧侶「ちょっとあなた!! ユッカ様に何を」
勇者「い、いいんだ…。これがマナの能力だから」
僧侶「え…」
勇者「ね?マナ」
魔女「ユッカの魔力…あいかわらずおいしい…」
魔女「だけど、もういらない。また、あなたを傷つけてしまう…」
マナは差し出したボクの手を振り払い、頭を小さく横にふる。
勇者「いいんだよマナ! もっと吸っても」
魔女「だめ。あなたの魔力を吸うと、怒られる」
勇者「ここにはマナを怒る人なんていないよ! 大丈夫だから…」
再びマナの手を取る。
彼女の呪いにも似た抑えようもない体質は、耐えず周囲の魔力を求め、むさぼるように吸い尽くそうとする。
魔女「だめ…離して」
彼女は幼い頃からこの体質に苦しんでいた。周囲の大人の魔力を無意識に吸い、何人もを危篤状態へと追いやったらしい。
そして彼女は次第に忌み子と呼ばれ、ついに勇者であるボクの前から姿を消した。
ボクが王宮でマナと一緒に過ごせたのは、期間にしてたった数ヶ月のことだった。
勇者「…ぅ。平気」
勇者「ね? ボクはもう大人だから、たくさん魔力をもってる。ちょっとくらい吸われてもへっちゃらだよ」
126: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/21(土) 23:09:07.00 ID:nhnJXBogo
勇者「ね? これだけ側にいても倒れてないでしょ?」
勇者「強くなったんだ」
魔女「……」
僧侶「あの、ユッカ様。その子は」
勇者「紹介するね。この子はマナ、ボクの大事な友達」
勇者「ヒーラと出会う少し前かな。王宮にいたマナとよく一緒に遊んだんだ」
魔女「…」
僧侶「…ほっ。よかったぁ…じゃあほんとのほんとに悪い魔女じゃないんですね」
勇者「そうだよ!」
勇者「マナ、紹介するね。ボクの旅の仲間の僧侶のヒーラと傭兵のソル」
魔女「…」
傭兵「無愛想なガキだな」
魔女「……っ」ササッ
勇者「…少し人見知りなんだ。だから火の玉つかってボク達のこと遠くから探ってたの?」
魔女「…」コクコク
傭兵「あのなぁ、もっと他になんかあるだろ。何度も何度も俺だけ襲いかかってきやがって」
魔女「…棒でたたかれたから」
傭兵「…う。いや、そりゃ魔物だと思うし?」
127: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/21(土) 23:17:04.93 ID:nhnJXBogo
僧侶「ごめんなさい。私たちも動揺してまして。ひどいこと言っちゃったかも…」
魔女「平気。私が、悪い」
魔女「旅人がユッカかどうか、わからなかったから。でも、夜の森で火たいてなくて…」
魔女「あぶない…から。狼とかでて、たべられる、し」
傭兵「……。あんときはサンキューな。おかげで助かった」
勇者「ありがとうマナ。遠くからボク達のこと助けてくれて」
僧侶「ありがとうございます。おかげで誰も怪我もなく無事にすみました」
魔女「……」ササッ
勇者「どうしたの。恥ずかしいの? いいよ、ボクにくっついてて」
魔女「しらない人と、あんまり話さないから」
僧侶「うふふ。かわいい」
魔女「あと…ずっとここにいても、危ない」
魔女「火で逃げない獣もいる。うちにきて…おじいちゃんと、住んでるから」
勇者「わぁ。じゃあお邪魔しようかな! いいでしょふたりとも?」
傭兵「おう」
128: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/21(土) 23:24:59.25 ID:nhnJXBogo
【森の小屋】
魔女「お茶…おいしくないかも、しれないけど、…の、飲んで」コト
傭兵「おー気にしなくていいのに。悪いな」
僧侶「ありがたくいただきます」
勇者「ね? いい子でしょ」
魔女「ユッカ…さっきは魔力を吸ってごめんなさい」
勇者「気にしなくていいよ! どうぞ、好きなんでしょ?」
魔女「私は吸いたくないけど、おいしそうなのを感じると勝手に吸いたくなる…の」
傭兵「えーっと。それってつまりよぉ」
僧侶「…マナちゃん意外といやしんぼ!?」
傭兵「いや違うでしょ」
傭兵「お前、呪われてんのか」
勇者(呪い…いまになって、マナの気持ちが痛いほどわかるよ)
勇者(ボクがあの時たおれなければ、ずっと一緒にいられたのかな…)
魔女「…正しくは違う。これは生まれつき。解く方法はない」
魔女「一生つきあっていくしかない。だから、人里には住めない…みんなを傷つけてしまう」
129: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/21(土) 23:30:24.15 ID:nhnJXBogo
傭兵「そこまで悩むほどか?」
魔女「…あなたも、体験してみる?」
勇者「あ、でもソルは」
僧侶「はいはい! では私が先に!」
僧侶「ユッカ様ほどではありませんが、魔力の量にはちょっぴり自信がありますのでどうぞ!」
魔女「…もうすこし近づいたら、勝手にはじまる」
僧侶「えっと、これくらいですかね」
僧侶「…ぅ」グラッ
僧侶「こ、これは…ほんとに吸われてますね。ああー抜けていってます!」
勇者「慣れないうちは、結構クラっとくるかもね」
魔女「はふ…おいしい…良い」
魔女「すごくおいしい…上品で、まろやかな味わい…」
傭兵「魔力に味があるのか…」
魔女「ユッカは甘くて優しくて温かい」
勇者「えへへ。褒められちゃった」
130: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/21(土) 23:37:19.17 ID:nhnJXBogo
魔女「長々とごめんなさい。つかれたでしょ…お茶、のんで、ちょっと回復する」
僧侶「ありがとうございます。はふぅ、すごい能力ですね」
魔女「あんまり、好きじゃない」
傭兵「じゃあ次は俺かー。つっても」
魔女「……? あなたから、魔力を感じない、微塵も」
魔女「どうして、こんなひとはじめて……」
傭兵「ハハ…! だろ?」
勇者「なに勝ち誇った顔してるの! ボクだって最初会った時キミから魔力を感じなくてほんとびっくりしたよ」
魔女「…不思議。もしかしてあなた、死体?」
傭兵「失礼なガキだな。こんな血色の良い死体がどこにいるってんだ」
魔女「…やっぱりユッカがおいしい」
勇者「いいよーマナー、いっぱい吸っていいよー」ギュー
魔女「…」コク
131: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/21(土) 23:47:09.30 ID:nhnJXBogo
傭兵「ま、これで噂の真相がはっきりしてホッとしたぜ」
僧侶「実はビビってました?」
傭兵「んなわけねーから…ビビらねぇよ大人だし」
僧侶「うふふ。ソル様、ひょうひょうとしてるフリして内心びびってたんですね」
傭兵「…漏らした本人がいうかよ」
僧侶「なっ!? や、やめてくださいよそれ掘り返すの!! わすれてください!!」ボカッ
傭兵「いっでぇ!」
魔女「私の火の玉もあれでなんどもたたかれた」
傭兵「あれはお前が挑んでくるからだな」
魔女「引き分けだね」
傭兵「あ、あぁ…? それよりヒーラちゃん、タンコブ治して。二個目だぜこれ」
僧侶「知りません。乙女を辱めた天罰ですよ」
 コツ…コツ…
 『んぬ…何の騒ぎじゃ。おお…!』
 二階からゆっくりと階段の手すりを伝い、白髪白髭の老人が降りてくる。
 マナはあいかわらずの無表情でその老人におじいちゃんと小さく呼びかける。
 ボクとヒーラはマナの友達ですとにこやかに挨拶し、愛嬌をふりまく。
 しかしあろうことか、ソルの表情が固まっていた。
132: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/21(土) 23:57:59.16 ID:nhnJXBogo
魔女「おじいちゃんは、私の魔法の先生…で、魔導師、偉い…魔導師」
魔導師「ようきたな」
傭兵「あ、あんた…」
勇者「どうしたのソル」
魔導師「小僧もようきた。なんじゃその幽霊でも見たかのような顔は」
傭兵「いや…でもよ。あんた」
僧侶「もしかして魔導師様…? 私ヒーラです! お覚えですか!?」
魔導師「うむ。大神官の息女じゃな」
僧侶「はい! 父がお世話になりました」
勇者「ヒーラのパパの先生なの?」
魔導師「いかにも。奴はワシを慕っておってな。大人になってからはよう酒を酌み交わした。」
勇者「あれ? じゃあみんな知り合いなの? ずるいボクだけ仲間はずれ」
魔導師「ほほ、おぬしは名は確かユッカと言ったか。まだ小さいころだったからの。会ってはおるが覚えとらんかもしれんな」
魔導師「以前ワシは王宮付きの魔導師をしておったのじゃよ」
勇者「そうなんですか」
傭兵「いやそれはいいんだけどよ! あんた急にいなくなったから俺はてっきり死んだかと」
傭兵「ちょっとこっち来てくれ!」
133: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/22(日) 00:07:00.41 ID:dI1J0JT8o
勇者「あーソルどこ連れていくのさ」
傭兵「このじいさんにサシの話があるんだよ! お前はそこにいろ」
魔導師「では外へゆこうか。二階にまたあがるのはしんどくてな」
傭兵「ああ」
勇者「えー…」
僧侶「なんでしょうかねぇ」
魔女「…」
魔導師「勇者殿。よければわしらが話してるその間、マナに旅の話でもきかせてやってくれんかのう」
勇者「え……はい。そうします」
魔女「ユッカのこと、聞きたい。あんまりひとのお話をきくことはないから」
傭兵「じゃあ、お茶でも飲んでゆっくり話しとけな!」
そう言うとソルは魔導師様をひきつれて慌ただしく小屋を出ていった。
窓越しにソルの様子をチラとうかがう。
普段ボクには見せないような真剣な表情をし、聞き取れないものの何か話をしているようだ。
勇者(ソル…キミは一体)
勇者(ボクに何かを隠してるの…?)
134: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/22(日) 00:18:01.64 ID:dI1J0JT8o
【小屋のテラス】
魔導師「なんじゃ。子どもたちに不安を与えるような真似をするでない」
魔導師「少しは大人になったと思ったのだがな」
傭兵「…悪かった」
傭兵「あんたが急に現れて、俺ほんとびっくりしてさ」
傭兵「魔導師のじいさん、あんた生きてやがったのか」
魔導師「おぬしとはおよそ8年ぶりか」
傭兵「そうだ。その間いろんなことがあった。どうして俺に何も言わずに消えた」
魔導師「うむ、わけあって王宮付きの魔導師を辞め。城を離れ幾年」
魔導師「来たるべく日に備え、あの子と此の森で静かな余生を送っていた」
傭兵「マナか…あいつはなんなんだ? あんたの娘? 孫?」
魔導師「養子じゃよ。おぬしは知らんのだな」
傭兵「あぁ。俺が王宮に出入りできるようになったのはここ数年の話だからな」
135: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/22(日) 00:24:29.44 ID:dI1J0JT8o
傭兵「マナとユッカが顔見知りだってのもしらなかったし、あんたが消えた理由もわからなかった」
傭兵「俺が王宮入りしたときいろいろ探ってみたが、上にはとうの昔に死んだと聞かされたんだがな」
魔導師「…やむを得ぬ事情があったのじゃ」
魔導師「おぬしも見ただろう。マナは抑えられぬ不思議な力をもっていてな」
傭兵「あーそれだけどよ」
魔導師「ふむ、そうじゃったな。おぬしはもう魔法が使えんのじゃった」
傭兵「っせぇな。笑ってんじゃねーよ」
魔導師「あの子の力は使いようによっては人に害をもたらす。ゆえに忌み子とよばれ、迫害されておった」
傭兵「まあ、勇者であるユッカに近づけさせないのは当たり前だよな」
傭兵「俺がもしユッカの教育役なら、マナを引き離していたと思うぜ」
魔導師「……わしはあの子を連れ、この深い森へと逃げた」
136: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/22(日) 00:32:24.59 ID:dI1J0JT8o
傭兵「引き取ったってわけか」
傭兵「それで国はそれを許しちゃいねぇと」
魔導師「あぁ。長年仕えたわしをお尋ね者にするわけにはゆかんかったのじゃろう」
魔導師「死んだことになっとるならそれが良い」
傭兵「と、とにかく。再会を祝おうぜ」
魔導師「…くく、おぬしはあまり変わっとらんようだな」
魔導師「相変わらず年配者に対して偉そうな口を聞く」
傭兵「んだよ。俺達の志は同じだろ。仲間みたいなもんじゃねぇか」
魔導師「こころざしか」
傭兵「あの日のこと、覚えてるだろ。なにがあってもユッカを守ろうって…」
魔導師「あの子のこと、おぬしに全て委ねてしまう形になってしまったな」
魔導師「わしには覚悟がたりんかったようじゃ」
魔導師「わしはみてのとおり、マナに入れ込み、使命を忘れ国から逃げ出した愚かな老人じゃ」
魔導師「おぬしに合わせる顔はないと思っていたのじゃがな」
魔導師「そして会えるとも思わなかった」
傭兵「生きてるだけで儲けもんだぜ」
137: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/22(日) 00:39:52.86 ID:dI1J0JT8o
魔導師「わしをゆるしてくれ」
傭兵「恨んじゃいねぇさ」
傭兵「あんたがいなけりゃいまのユッカがあったかどうかわからない」
傭兵「まっすぐ成長したよ」
魔導師「そうか。わしがあの少女に施した封印術はどうじゃ」
傭兵「なーんも思い出してねぇよ。あの日以前の記憶は封印されたままだ」
傭兵「思い出したら、どうなることやら」
魔導師「だが、おぬしがあの子の側にいることをわしは禁じたはずじゃがな」
魔導師「ふとしたきっかけで、魔法の枷は外れ記憶はよみがえる。当時あの子と深い関わりのあったおぬしはその因子となりうる」
魔導師「なにゆえおぬしはいまこうして、あの子の側にいる」
魔導師「あの子が独り立ちするその日まで、陰で見守ろうという話ではなかったのか」
138: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/22(日) 00:46:24.81 ID:dI1J0JT8o
傭兵「旅にでるのが早過ぎる」
傭兵「いくら勇者の血を継いでいるとはいえ、15やそこらの子供をひとりで旅に放りだすなんて大人の、ましてや国のやることじゃない」
傭兵「だから俺はガードになった」
傭兵「それに約束通り陰で見守るのはおわり。これからは堂々とピッタリと側で守るさ」
魔導師「じゃがもし記憶の封印がとけたら…」
傭兵「じいさん。大切なことは、いつまでも忘れてていいもんじゃない」
魔導師「…」
傭兵「あんたのおかげでたしかにユッカは哀しいことを全て忘れて、健全に育ったよ」
傭兵「だがそれは俺達大人の都合で、あいつに無理やり押し付けた勇者の姿でもある」
魔導師「…あぁ」
魔導師「運命とは過酷なものだ。あのような無垢な少女に、わしらは行く末を頼らねばならぬ」
傭兵「ユッカは守る。魔王も復活させない」
傭兵「いまはそれが、俺の使命だ」
139: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/22(日) 00:55:39.13 ID:dI1J0JT8o
魔導師「…いずれ、時が来れば嫌でも思い出す」
魔導師「わしの封印術もそう長くつづくものではない」
魔導師「その時、哀しみに少女の心が耐え切れることをわしは祈っておるよ」
傭兵「だな」
傭兵「でもあいつほんと精神的にガキンチョだからな。いや見た目もか。ガキのお守りするのは思ったより疲れるぜ」
魔導師「おぬしもな。あまり中身はかわっとらんようだ」
傭兵「あん? 老いぼれからすりゃ10代も20代もそうかわんねぇってか」
傭兵「ひでぇよなぁ俺これでもあの日あんたと別れてからいろいろ修羅場をくぐって来たんだぜ」
魔導師「風のうわさで聞き及んでおる」
魔導師「王国守備隊の剣兵に鬼神有り。多くの戦果をあげ、騎士の称号を手にしたそうじゃな」
傭兵「そんなもの、返してやったけどな」
傭兵「いまはただの傭兵。またユッカのガードさ」
140: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/22(日) 01:02:08.35 ID:dI1J0JT8o
魔導師「しかし、ガードとしては三流じゃな」
傭兵「あん」
魔導師「勇者になにか邪な者が入り混じっておる、さっきすれ違うた時にそう感じたのじゃ」
傭兵「邪…まぁ、俺のミスでもあるか。すまない」
傭兵「ユッカはちょっとやっかいな呪いにかかっちまってな」
魔導師「あの感覚、淫魔じゃな」
傭兵「知ってんだな」
魔導師「淫魔の国の研究をしたこともある」
傭兵「お堅い顔して案外エロジジイなのか?」
魔導師「若いころの話じゃ」
魔導師「その頃はまだ淫魔の国がこの世に存在しておってな」
傭兵「じゃあユッカに取り付いたのは淫魔の生き残りってか」
傭兵「はぁ…めんどくせぇのにひっかかちまったよ」
傭兵「なぁじいさんあの呪い解いてやれねぇか」
魔導師「残念ながら解呪は専門外じゃ」
141: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/22(日) 01:11:17.57 ID:dI1J0JT8o
魔導師「大神官の息女はなにをしておる。解呪の魔法は使えんのか」
傭兵「だめだったみたいだ。案外強力でな」
魔導師「そうか。ならばひきかえし大神官本人に会うことじゃな」
傭兵「そうもいかねぇだろぉ…」
傭兵「いまさら引き返してられねぇよ」
魔導師「うむ、ではこの先に住むわしの旧い友人を紹介しよう」
傭兵「お、サンキュー」
魔導師「きっと役にたってくれようぞ」
魔導師「名前と住所をしたためておく。くわしいとこまでは知らんがな。自分の足でさがしてくれ」
傭兵「……どれどれ」
傭兵「こりゃ結構遠い町だな…」
傭兵「はぁ−しばらくは呪いと付き合っていくしか無いのか」
魔導師「淫魔の呪い……。小僧!なにがあっても手は出しちゃならんぞ!」
傭兵「は? どうした急に」
魔導師「一介の傭兵ごときが、世を救う"勇者"に…あんなことやこんなことはしてはならんぞ!」
傭兵「わぁーってるよ! ガキにはなにもしねぇっての!」
143: 以下、
するなよ!絶対するなよ!
145: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/22(日) 01:19:44.40 ID:dI1J0JT8o
魔導師「心配じゃな。あぁ心配じゃ。あの子もワシにとっては娘も同然」
傭兵「俺って信用ない?」
魔導師「若い男女が共に旅路につくなど、わしの世代には考えられぬ!」
傭兵「大丈夫俺はどっちかっていうとヒーラちゃん派だから」
魔導師「…ぬ、それはそれでやめておけ!」
魔導師「大神官は親ばかでな。娘になにかあったら平気で人をメイスで殴り倒すぞ」
傭兵「あぁどうりで…よく似てるや…」
魔導師「おぬしの旅が少々気がかりになってきた…どれわしも」
傭兵「おいおい冗談やめてくれよ。俺はじいさんの介護しながら一緒になんて嫌だぜ」
魔導師「マナをおぬしらに同行させようと思う」
傭兵「は?」
魔導師「よいな」
傭兵「いや何を勝手にっ」
147: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/22(日) 01:28:04.26 ID:dI1J0JT8o
魔導師「頼む。あの子には行き場がない」
魔導師「そして外の世界をしらん」
魔導師「わしのような老いぼれと共にこの森で寂しく朽ちてゆくことは、あまりに哀しいことじゃ」
傭兵「…じいさん」
魔導師「マナは少々人見知りじゃが、わしの仕込んだ魔法の腕は確か」
魔導師「きっと、旅の役に立つ」
魔導師「おぬしらのパーティーの足りない穴を埋めてくれるじゃろう」
傭兵「そりゃ、魔法使いがいてくれたら魔法を使えない俺としては助かるが」
魔導師「後生じゃ。こんなことを頼めるのはおぬししかおらん」
魔導師「マナに、文献だけじゃない世界を見せてやってくれないか」
傭兵「……」
148: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/22(日) 01:34:22.89 ID:dI1J0JT8o
魔導師「優しい子なんじゃよ」
魔導師「森に迷い込み獣に襲われた旅人を幾度も救おうとした」
魔導師「じゃが傷の手当をしようにもあの体質のせいでな」
魔導師「魔力を吸ってしまいみな驚いて逃げ出してもうた。やがて噂となり話に尾ひれがつき命を吸う魔女とまで言われる始末」
魔導師「あの子には酷なことをした」
傭兵「じいさんはいいんだな?」
傭兵「きっと、寂しくなるぜ」
魔導師「わしひとりなら、森をでて町に暮らすこともできる。さすがに王宮には戻れんがな」
傭兵「……わかってんのか?これは危険な旅だ。娘同然に愛してる子を危険に晒すなんて」
魔導師「おぬしが…守ってくれるじゃろ?」
傭兵「……はははは! 買いかぶりすぎだぜ!」
傭兵「わかった。マナのこと、俺が預かる」
傭兵「全部終わったらまたあんたに会いに来る。勝手に干からびて死ぬんじゃねーぞ」
150: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/22(日) 01:39:57.40 ID:dI1J0JT8o
魔導師「すまんな。ありがとうソルよ」
傭兵「まかしとけ」
魔導師「それと最後にもう一つ大切な話がある。なぁにすぐ終わる」
傭兵「なんだよもったいぶって」
魔導師「マナにはわしの全てをたくしてある。まだ完璧とはいかぬ魔法もあるが、おおかた会得している」
魔導師「マナは天才じゃ」
傭兵「自慢かよ!」
魔導師「いいや、全てということはわかるな。あの禁術、勇者に施した記憶の封印術もじゃ」
傭兵「……使えるのか」
魔導師「必要となったら、マナの力で記憶を開くことも閉じることもできよう」
魔導師「決して、時を間違えんようにな」
魔導師「勇者は我々にとっての希望なのだから」
傭兵「わかった。そっちもまかせとけ」
151: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/22(日) 01:49:02.37 ID:dI1J0JT8o
魔導師「さて、お嬢さんたちはなにを話しておるかの」
傭兵「そうやって窓から覗く姿、ただのエロジジイにしかみえねーぞ」
傭兵「あ、なんかユッカのやつ笑ってら」
魔導師「女の子は仲良くなるのが早い。マナにもまた新しい友達ができた」
魔導師「あの時あの子を引き取ってよかったと、わしはいま心の底から思っておるよ…」
魔導師「見てみよあのマナの笑顔を」
傭兵「いやいや、なんもかわってねーよただのむっつり顔にしか見えねーぞ」
魔導師「長年一緒におるとだんだんわかってくるものもある」
魔導師「まぁ、おぬしなんぞを相手にマナが笑うことなどありゃせんとおもうがの!ふぉふぉ!」
傭兵「あ、そう…」
傭兵「よっし。じゃあこれで話もまとまったし、もどろうぜ」
魔導師「もうちょっとここでそっと覗き見ていたいんじゃ…あんなマナはじめてでわしドキドキしちゃう」
傭兵(あんたも相当親ばかだろ…)
第3話<森の魔女>おわり
171: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/23(月) 22:15:10.14 ID:3IXxpA1Ro
第4話<旅立ちの時>
傭兵「じゃあ、お茶でも飲んでゆっくり話しとけな!」
魔導師のおじいさんと大事な話があると言いソルは戸外へと足早に出て行ってしまった。
居間にはボクとヒーラとマナの女三人が残される。
勇者(……なんなの。内緒話なんて)
僧侶「ユッカさま。マナちゃんが呼んでますよ」
勇者「はっ! ご、ごめんなんだっけ」
勇者「ボクの旅の話をすればいいんだっけ?」
魔女「なんでもいい」
勇者「話すっていってもまだ旅に出てちょっとしか経って無いし…」
勇者「そうだ。じゃあヒーラたちと出会った旅立ちの日の話をしようかな!」
魔女「…」コク
勇者「…えっとね――――」
172: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/23(月) 22:22:20.04 ID:3IXxpA1Ro
【丘の上の小さな家】<3週間前>
勇者(ママ…ボク、今日旅立ちます)
勇者(ついにこの日が来たんだ!)
勇者(いってくるね。ボクのこと、育ててくれてありがとう)
コツコツ…
勇者「…! あ、おじいちゃ…司祭様」
司祭「ユッカ。ここにおったのか。旅の準備はできとるか?」
勇者「うん。最後にママに手合わせてたの」
司祭「お前の母親は遠くからいつでもお前のことを見守っておるよ」
勇者「うん!」
司祭「よし剣は持ったな? 食料は? 地図はどこにしまっておる? そうじゃ鍋をもっとらんようだが」
勇者「…おじいちゃん。大丈夫だよ、まずは王都にいって王様に挨拶するだけなんだから」
勇者「もし忘れ物があっても向こうで買えるよ」
勇者「お鍋もいらないってば! もうっ、持って帰ってよこれ」
司祭「す、すまん…」
173: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/23(月) 22:28:34.01 ID:3IXxpA1Ro
勇者「心配しないで。ボクは大丈夫」
勇者「今日までずっと稽古してきたんだから」
司祭「無理せず仲間に頼るのじゃぞ。国から派遣されたエリート揃いらしいぞ」
司祭「誰にきまったと通達はなかったがの」
勇者「う、うん…」
勇者(しらない人と急に仲良くなれるかな)
勇者「じゃあそろそろ。時間だから」
司祭「あぁ」
勇者「おじいちゃん。さよならじゃないよ、またね!」
司祭「無事もどってきて私に元気で可愛い顔をみせておくれ」
勇者「いってきます!」
174: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/23(月) 22:33:29.47 ID:3IXxpA1Ro
【近くの森】
勇者「この森ともお別れだなぁ」
勇者「よっし。道すがらレベル上げだ!」
勇者「……と言いたいところなんだけど」
勇者「うう…この剣をほんとに敵をやっつけることなんてできるのかな」
勇者「いや、毎日特訓したんだ。自分を信じろ」
大猪「……」
勇者「ひっ! ぁ…こ、こんにちは。ああびっくりした」
大猪「……」ジッ
勇者(どうしよこんなに近づいたのはじめて。怖いなぁ…よくみたら。牙もするどそうだし)
勇者(や、やっつけるんだ! 倒して経験値を…!)
大猪「ブゥル…ブルルル」
勇者「ひゃあごめんなさいっ」
▼勇者は逃げ出した。
175: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/23(月) 22:36:32.18 ID:3IXxpA1Ro
勇者「はーダメだったなぁ」
勇者「もうちょっとだった」
勇者「よし、次出会ったのを倒す!」
勇者「勇気でろっ!」パンパン
勇者「…なにかいないかな。ボクの最初の敵! やい出てこい」
大蛙「…ゲコ」
勇者「…」ゴクリ
大蛙「…ゲコ、ゲコ、ゲコ」
勇者「…か、かえるは無理ーーっ!! きもちわるいっ!」
▼勇者は逃げ出した。
大蛙「ゲコ?」
176: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/23(月) 22:40:57.89 ID:3IXxpA1Ro
▼大烏が現れた。
勇者「うわーんばかー! つっつかないでぇ!!」
勇者「いやぁあごめんねごめんねっゆるしてください!!」
▼勇者は逃げ出した。
▼大熊が現れた。
勇者「……」ソローリ
▼勇者は逃げ出した。
▼化けうさぎが現れた。
勇者「よぉしこいつなら!」ジャキンッ
勇者「ぎゃっ!! いたい痛いいたいっ! ごめんねボク怖い人じゃないからぁ!! 蹴らないでぇ」
▼勇者は逃げ出した。
▼勇者は逃げ出した。
▼勇者は逃げ出した。
▼勇者は逃げ出した……。
177: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/23(月) 22:47:01.11 ID:3IXxpA1Ro
勇者「逃げてるうちに王都についちゃいそうだよ…」
勇者「あーあ。結局なにもやっつけられなかったなぁ」
勇者「…いいや、うんボクは森のカンキョー保護しただけだから」
勇者「食べるわけでもない動物をむやみに傷つけるのはよくない!」
勇者(そういうことにしておこう…)ハァ
【王都・広場】
勇者「何度きても城下町は賑やかで広いところだなぁ」
勇者「ええと、王宮へはどの道を通ればいいんだっけなぁ」
青年「おーいそこのお嬢さん」
勇者「…」
青年「おーい、君だよ」
勇者「え? あ、ボク!?」
勇者(なんで女だってわかったんだろう…こんな格好なのに)
178: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/23(月) 22:53:50.90 ID:3IXxpA1Ro
青年「道に迷ってるのか?」
勇者「あ、えっと。王宮に行きたいんだけど」
青年「なるほど、なら向かって右手の道を行くといいよ」
勇者「ご親切にどうも」
青年「いやいや」
勇者「お兄さんはここに腰掛けてなにしてるの? 道案内の人?」
青年「俺? あぁ、まぁそんなところ。じゃあ気をつけて」
勇者「はぁい。ありがとう」トコトコ
勇者「…この道だよね…」
勇者「あれぇ、なんだか細くなってきたし、ちょっと薄暗いような」
179: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/23(月) 22:59:14.30 ID:3IXxpA1Ro
勇者「うーん前に王宮きたとき、こんな道通ったかなぁ」
勇者「城下町住みの人しかしらない近道なのかな?」
< 『こ、困りますっ…わたしいそいでるので』
勇者「!」
路地の角を曲がると、屈強な大男が壁に手をつき女の人に詰め寄っていた。
男は声をあらげ女の人を脅しているように見える。
勇者(どうみても…知り合いじゃないよね…)
大男「おうおうねえちゃん。ちょっとだけだって。おれとあそんでくれよ」
女性「こまります…だ、だれか」
女の人の助けを求める声が聞こえる。
ボクの角度からではフードで表情が隠れているものの、声はか細く震えていて、きっと泣いているのだろう。
勇者(助けなきゃ! いま助けなきゃボクは…!)
大男「おれとお茶するだけじゃねぇかよぉ。表通りのおしゃれなおみせしってるぜえ」
180: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/23(月) 23:04:53.00 ID:3IXxpA1Ro
声がつまって出てこない。足もとをみると膝が震えている。
ボクはこんなに情けない奴だったのか?
なんのために、これじゃ一体いままでなんのために勇者として育てられてきたのか。
目の前で困っている人ひとり救えないで何が勇者だ。
勇者(おじいちゃん、ママ…)
勇者「勇気でろっ。ボクは勇者なんだっ」
頬をバチンと両手で打つ。足の震えは止まった。
よし。
勇者「まて!」
大男「ああん?」
大男「なんだ小僧」
勇者「い、いやがってるだろ」
大男「…なんかもんくあんのか」
勇者(こ、怖い…でもっ、逃げちゃだめだ!)
勇者(勇者として、これは絶対に逃げちゃだめだ!)
勇者「あっちへいけ!」
大男「小僧だれにめいれいしてやがる」
181: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/23(月) 23:11:52.58 ID:3IXxpA1Ro
大男「おたのしみちゅうだぜ。じゃますんじゃねぇ」
女性「…」
大男「どうしてもケチつけてぇようだな。だったら!」
大男「てめぇをぶっとばしてから再開させてもらうぜ!」
勇者「いまのうちに逃げて!」
女性「あっ、はい」
大男「小僧!!」
大男は大きく振りかぶり、ボクめがけてその巨大な拳を振り下ろす。
ボクはすんでのところで後ろに飛んでそれを避け、戦う体勢を整える。
大男「おまえ武芸者か。ん、よくみりゃメスガキか」
勇者「…」
大男「生意気なつらしてやがる。まだちと幼いが、ひーひーいわせたくなったぜ」
大男「さっきの女には逃げられたが、てめぇと楽しいお茶してやるよ!」
182: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/23(月) 23:18:07.00 ID:3IXxpA1Ro
勇者(振りが大きい! 当たるわけがない!)
再びくりだされた拳をひらりとかわし、お返しに小さく蹴りを一発いれる。
大男「ガキの蹴りなんて効くかよ!」
勇者(効かないか…)
勇者「だったら!」
精神を統一し息を小さく吐き、脚全体に魔力を纏う。
魔法を使った肉体の強化術さえあれば女のボクでも男以上の攻撃力を得ることができる。
勇者「これで!」
さきより数倍鋭い蹴りを懐へと叩きこんだ。
大男「ぐあっ…ガキぃ」
勇者(効いてる…!)
勇者(次は腕にまとって防御!)
大男のくりだす拳をあえて正面から受ける!
インパクトのビリビリとした衝撃が伝わってくるが、ダメージはない。
大男「なにっ! ガキのくせに」
183: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/23(月) 23:23:20.20 ID:3IXxpA1Ro
勇者「これでわかったでしょ」
勇者「もう降参して! キミじゃボクには勝てない!」
大男「ああん? なにいってやがる」
大男「魔法がつかえるとは予想外だったが。致命打にはほど遠い」
勇者「キミの攻撃だってボクには通じないんだ。ボクの有利はゆるがないよっ」
大男「そうかな?」
大男はもっていた袋から小型のナイフを取り出した。
大男「これでもいまみたいにガードできるか?」
勇者「……っ」
大男「大人げねぇって笑ってもいいぜ。だが可愛い顔に傷つけたくなきゃさっさと降参して俺のいいなりになるこったな!」
184: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/23(月) 23:29:39.13 ID:3IXxpA1Ro
勇者「……」
大男「どうした。腰の剣は飾りか? 抜いてもいいぜ」
勇者「抜かないよ」
大男「なに?」
勇者「勇者の剣は、人を守るためにある。誰かを切るためじゃない」
勇者「だからボクは素手で戦う」
大男「ん…ふふふ、ふはははっ」
大男「いいぜそのつら! 今日一日おれのおもちゃ決定!!」
勇者(感じる。魔力の流れを)
勇者(この人の次の攻撃が手に取るようにわかる…)
勇者(まずは振り下ろし。避けて、横払い。突いてきたって無駄だ)
勇者「遅い!」
繰り出される全ての攻撃を避け、払い、いなす。
男は姿勢をくずし、驚嘆の声をあげながら地面につっぷした」
大男「な、なんだ! 全然あたらねぇ!」
勇者「人は、誰でも魔力をもっている。そしてそれを隠すことは難しい」
勇者「キミの力任せの攻撃は、ボクには一生当たらない」
185: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/23(月) 23:40:48.79 ID:3IXxpA1Ro
大男「が、ガキ…」
勇者「まだやるの?」
勇者「本気のボクの蹴りは痛いよ」
トンと弾みをつけボクは跳躍し身体を捻り、男が身を守る盾のように構えたナイフの歯を思い切り横から蹴りつけ叩き折ってやった。
大男「うおっ」
パラパラと砕けた歯が地面に降り注ぐ。
勇者「…」
大男「おいおいまじですか聞いてませんぜ。これ守備隊で使う一等級のナイフだってのに。げぇー」
勇者「…?」
突然態度のかわった男にボクは少し困惑してしまう。
男は関心したような困ったような顔で折れたナイフの断面を覗きこんでいた。
勇者「…あ、あの」
パチパチパチ
背後から拍手の音が聞こえた。振り返ると、先ほど広場で道をおしえてくれた青年が、壁に背を預けこちらを見て笑っていた。
その隣には先ほど逃したはずの女性の姿もあった。相変わらずフードをかぶっていて顔までははっきりと見えない。
青年「やるじゃねぇか。さすがは勇者だ」
女性「うふふ。かっこいいですよね。さすが私の勇者様」
186: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/23(月) 23:48:14.05 ID:3IXxpA1Ro
勇者「え?? あ、あの???」
勇者「逃げてっていったのに!」
女性「うふふ。ありがとうございます、たすけてくれて」
女性「かっこよかったですよユッカ様」
勇者「え…その声」
女性はフードをとって目線をこちらにむける。
なんとその人は
勇者「ヒーラ!?」
ボクが昔から王宮へと稽古をつけてもらいに来るときいつも一緒に行動していた僧侶のヒーラだった。
勇者「わからなかった…どうして」
僧侶「これ、魔隠しのローブといいまして。ユッカ様の魔覚をだますために着てたんです」
勇者「そっかぁ…良かったぁ〜ヒーラに怪我がなくて」
僧侶「はい、そりゃもう」
187: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/23(月) 23:52:57.42 ID:3IXxpA1Ro
勇者「でもヒーラなら絡まれても自分でボコボコにやっちゃえそうなのになぁ」
勇者「あ、そうだ。はやく王都守備隊呼んでこなくっちゃね」
勇者「さぁ御用だよ、ついてきて」グイグイ
大男「…え? 俺っすか?」
僧侶「あれ? ねぇ、なんだか反応鈍くないですか」ヒソヒソ
青年「やべぇな…全然はめられたことに気づいてねぇ」ヒソヒソ
青年「お、おいっ! ちょっと待て!」
勇者「…んぅ?」ズルズル
大男「ひぃ〜兄貴〜」
 ・ ・ ・
勇者「え〜〜いままでの全部演技だったの!?」
大男「ほんとすいやせん。どうしても兄貴にやれっていわれて。ほんとすいやせん」ペコリ
勇者「兄貴って…この人?」
僧侶「紹介しますね。この方は」
勇者「しってるよぉ。街の案内さんでしょ…さっき会ったもん」
僧侶「…」ガクッ
勇者「どうしてこんなことしたの」
僧侶「…コホン聞いてください。こちらの方は現在傭兵をやっておられるソル様です」
勇者「傭兵?」
傭兵「悪かったな。騙しちゃってさ」
188: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/23(月) 23:58:45.33 ID:3IXxpA1Ro
勇者「え〜っとつまり。みんなしてボクのことを試してた?」
僧侶「ごめんなさい。事情を話すことができなかったので」
傭兵「お前が勇者足りえるか試させてもらった。これがお前にとってはじめての試練となったはずだ」
勇者「試練!」
傭兵「結果次第で、お前の勇者としての旅を取り消す手はずになっててな」
勇者「うそ! そ、それで…ボクは、どうなるの!?」
僧侶「発表します」
勇者「…」
傭兵「いい勇者になった」ポンッ
勇者「ふあ…な、なにするんだよぉ」
勇者「勝手に頭さわんないでボク勇者だよ」
傭兵「お、悪いな。とにかく、合格だ」
勇者「合格!? やったぁ!」
189: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/24(火) 00:03:05.97 ID:mzZsfD+Vo
傭兵「これからよろしくな」
勇者「よろしく? ってことは…王都にいるボクの旅の仲間って」
僧侶「はい! 私です!」
勇者「うそぉ! ヒーラが一緒に来てくれるの!?」
傭兵「それと俺がガードとしてついていく」
勇者「わぁいヒーラと一緒だぁ!!」
僧侶「うふふふ、えへへへ。ユッカさまぁ〜」
傭兵「……あーいいか。おーい、聞け。おいイチャついてんじゃねぇよ!!」
勇者「ごめん。でも勘違いしないでね、ボク女の子だから」
傭兵「…知ってる」
190: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/24(火) 00:07:54.40 ID:mzZsfD+Vo
僧侶「お話遮ってしまってすいませんソル様。どうぞ」
傭兵「これから3人で無事試練が終わったことを王宮へ報告しにいく。いいな」
勇者「うん! 行こう」
勇者「あ、その前に!」
勇者「この人の紹介は?」
大男「…え、俺すか」
傭兵「あぁそいつは俺の後輩でこれから守備隊の夕勤だ」
勇者「やっぱり悪い人じゃなかったんだね! 変だと思ったぁ」
勇者「ごめんなさいナイフ折っちゃって。こ、これボクのお小遣いだけど少しだけ」ゴソゴソ
傭兵「いやいいからいいから。お前いい子だなあ」
大男「では自分はこれで。お二人には本当に失礼しやした」
大男「兄貴、がんばってくださいね旅の無事祈ってます」
傭兵「おう、国の守りはまかせたぜ」
大男「はい!」
191: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/24(火) 00:14:31.87 ID:mzZsfD+Vo
勇者「ボクね。魔力を感じとって、その人が善い人か悪い人かわかる時があるんだ」
勇者「あの人は、本気でボクのことをいためつける気で攻撃はしてこなかった」
勇者「攻撃に迷いがあった気がしたのはそういうことだったんだね」
僧侶「でもちょっとハラハラしちゃいました!」
僧侶「ユッカ様にナイフがあたったらどうしようかと」
傭兵「もっと演技しこんでおけばよかったな。下手くそすぎだろ」
勇者「あと、キミも良い人だね?」
傭兵「そう?」
勇者「なぜか魔力はなんにも感じ取れないけど! こっちは直感!」
勇者「いま魔封じの服来てる?」サワサワ
傭兵「やめい」
勇者「おっかしいなあ。あーちょっとぉ歩くのはやいよ!」
192: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/24(火) 00:21:20.27 ID:mzZsfD+Vo
僧侶(ユッカ様がこんなにすぐ懐くなんて…やっぱりソル様ってすごいな)
勇者「ヒーラいくよー? おいてくよー?」
僧侶「はーい」
勇者「また路地で迷子になっちゃうよ!」
僧侶「だからあれは迷子になってたわけじゃなくてですね…ていうか私地元の住民ですし…」
傭兵「むしろ、お前がこっち来て即迷ってたのが俺はびっくりだよ」
勇者「えへへ…いつも来る時はおじいちゃんについてきてたから道おぼえてなくて」
傭兵「あ? じゃあお前が前歩け。俺に付いて歩くな、今後のために」
勇者「え゛っ」
傭兵「さぁ王宮の道はどっちでしょう」
勇者「う、うーんと…えっとこっちが西だから…えっと…こっち!」
僧侶「ぶっぶー」
傭兵「そっち南な」
勇者「えーんいじわるしないで最初は連れてってよぉ」
傭兵「先が思いやられる…」
僧侶「楽しい旅になりそうですね!」
193: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/24(火) 00:28:20.34 ID:mzZsfD+Vo
【森の小屋】
僧侶「という再会でした」
魔女「…」パチパチ パチ
勇者「ボクはびっくりしたんだから」
僧侶「うふふ。あの時のユッカ様本当にかっこよかったです」
魔女「かっこいい」
勇者「えー照れちゃうなぁ」
僧侶「それに意外とお強いんですよね」
魔女「つよい」
勇者「レベルはまだまだ低いけどね。魔物相手にどこまで通じるか…」
勇者「はぁ…レベルといえば、マナにも話さなきゃいけないことがあるね」
僧侶「そ、そうですね…」
魔女「…知ってる」
勇者「えー?」
魔女「魔力を吸った時に感じた、ユッカの中にある微かな不純物。きっと、ユッカの中に何かがいる」
勇者「わかるんだ!?」
魔女「だしてあげようか?」
勇者「! 出せるの!?」
魔女「刺激すれば、出てくるかもしれない」
勇者「刺激…やな予感が」
魔女「いくよ」
194: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/24(火) 00:36:19.26 ID:mzZsfD+Vo
僧侶「…ちょ、待ってください」
ヒーラの制止も間に合わず、マナはなにかブツブツと呪文を唱え、手に持つ杖先をボクの方へと向けた。
その直後、ボクの中で何かが暴れるようにもぞもぞとした悪寒に襲われる。
あぁやってしまった…。
勇者「ひぅぐっ! あっ、だ、だめっ…」 
僧侶「あぁーー…」
魔女「?」
魔女「でてこいでてこい」
勇者「ああああっ、やめてマナっ! だ、だめだったらぁ!」
マナは無表情なまま杖をくるくると回し、さらに追加で何かの魔法をふりかけてくる。
悪寒はやがて溶けるような疼きにかわり、ボクのアソコを責め立てるように激しさを増した。
勇者「あうっ…ああああっん」
魔女「やっぱりなにかいる。抵抗は無駄。出てきて」
サキュバス(だってさー。どうする?)
勇者(で、でてけぇ!)
サキュバス(む・り♪)
195: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/24(火) 00:42:57.48 ID:mzZsfD+Vo
勇者「マナ! もういいっやめてっ!」
勇者「ヒーラもとめてよぉ」
僧侶「あ、すいません…ユッカ様のお顔に見とれてました」
勇者「ばかぁ…」
魔女「? どうして出てこないの」
魔女「理解した…すごく強固に、複雑にからみついてる」
魔女「無理やりはがすと危険かもしれない」
勇者「で、でしょ…? はぁ…ハァ…だから」
魔女「でも大丈夫。私のいま考えた魔法なら」
勇者「いま!? それ絶対実験でしょ!!」
魔女「実験に失敗はつきもの、身体に害はないから平気。多分」
勇者「いやあああだめだよおおお!」
ガチャッ
傭兵「はいストーップ! 話があるからまずその杖は置こうな」
勇者「あんっ、びっくりしたぁ」
魔女「いくよユッカ。気を落ち着かせて」
傭兵「…」ピッ
魔女「……? 杖がなくなった」
傭兵「没収だ」
魔女「かえして」
傭兵「話きけ」
196: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/24(火) 00:49:46.79 ID:mzZsfD+Vo
勇者「そ、そのまえに…はぁ、はぁー…おトイレかしてくれないかな」
傭兵「…かしてやってくれる?」
魔女「そっちの扉」
勇者「あ、ありが…ひんっ、もう限界いい!!」
バタンッ
魔女「……尿意を刺激してしまったかもしれない」
僧侶「……ユッカ様がいないうちに説明しときましょうか」
傭兵「ああ、例の? だな。そのほうが本人も気が楽…だよな? こういう場合」
僧侶「私に聞かないでください。えっち」
傭兵「なんでだよぉ」
魔導師「淫魔のう…わしも会ってみたかった」
魔女「?」
――

チュクチュクチュク
勇者「あうっあうっあうううっ」
勇者(もうやだぁこんなのやだぁ!!!)
サキュバス(といいつつ指は止まらないわねぇ)
勇者(でてけぇええ!)
勇者「あんっ!!!」
197: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/24(火) 00:53:15.81 ID:mzZsfD+Vo
勇者「…ただいま」
傭兵「長かったな」
ゴツンッ
傭兵「イでっ」
僧侶「だめですよ。そういうこと言っちゃ」
傭兵「悪い」
勇者「うう…」
傭兵「さて、揃ったしようやく話ができるな」
魔導師「うむ」
勇者「ソル、魔導師様とのお話は済んだの?」
傭兵「あぁ。まとまった」
僧侶「一体なんのお話をしていたのですか? 差し支えなければ私達にも」
魔導師「マナよ! 勇者と共に行くのじゃ」ガタッ
魔女「!」
198: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/24(火) 00:59:25.88 ID:mzZsfD+Vo
勇者「そ、それって! マナも一緒に!? やったあ!」
僧侶「よかったですねマナちゃん!ユッカ様!」
魔導師「旅立ちの時は来た! 勇者たちと運命をともにし、己が使命を果たすのじゃ!」
魔導師「さすればおぬしの運命も開けてこようぞ!」
魔女「…」
魔女「…?」
傭兵「どうするじーさん。反応薄いぞ」
魔導師「うむ。普通に話すことにするか」
魔導師「マナ。森を出て勇者と一緒に旅にお行きなさい」
魔女「だめ」
魔導師「わしのことを心配しておるのじゃろう? 大丈夫じゃわしも森をでて街で暮らそうと思う」
魔導師「だから心配御無用じゃ」
魔女「わたしは…だめなの」
魔女「一緒にいてはいけない…迷惑かけちゃうから」
勇者「迷惑じゃないよ! 一緒に行こうよ!」
199: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/24(火) 01:05:35.62 ID:mzZsfD+Vo
僧侶「いきましょう、一緒に!」
勇者「マナの魔法はとってもすごいんだから! ボクたちのことを助けてくれたら嬉しいな」
魔女「…」
魔女「魔力、吸っちゃうから。また…嫌われる。私は普通の子じゃないから…」
魔導師「マナ…」
勇者(ずっと、気にしていたんだね。どうしよう…マナがこうなってしまったのはボクのせいだ)
勇者(ボクが勇者じゃなければ、あの日ボクが倒れなければ、マナがこんな誰もいない森の奥に住むことなんてなかったのに)
傭兵「なにを吸うって?」
傭兵「吸えるもんなら吸ってみろ」
勇者「ソル…?」
ソルはボクらの目の前でマナの肩に腕をまわし、胸元へと抱き込んだ。
突然のことにマナは驚いた顔をしている。
勇者「な、なにやってるのさ!」
魔導師「小僧…!」
傭兵「なにも吸えないだろ」
魔女「魔力…ない」
傭兵「あぁ。ないぜ」
200: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/24(火) 01:10:55.60 ID:mzZsfD+Vo
傭兵「だから、俺にとってはお前はユッカやヒーラちゃんとかわらない」
傭兵「ひとりの普通の女の子なんだよ」
魔女「!」
傭兵「それにユッカもヒーラちゃんもタフだから大丈夫。ちょっと吸ったくらいじゃどうにもならねぇ」
僧侶「そうですよ!」
傭兵「マナ。お前はなんの心配もせず俺たちについてこい」
傭兵「お前の力がいるんだ」
魔女「……」
僧侶「共に行きましょう」
勇者「マナ。行こう。ボクたち、一緒にいて良いんだよ」
勇者「今度はもう誰もボクたちの邪魔をしないから。ずっと側にいてよ」
魔女「……」
傭兵「って友達が言ってるけどどうする?」
魔女「…うん」
魔女「行く」
勇者「!」
201: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/24(火) 01:17:16.10 ID:mzZsfD+Vo
魔女「おじいちゃん。私、行く」
魔導師「ありがとうマナ。広い世界を見ておいで」
魔女「私、がんばる。役に立つ」
魔女「ユッカを守る」
勇者「やったぁぁマナー」ギュー
魔女「ユッカ」
傭兵「おおい! 抱きついてくるなら言えって! このー」グリグリ
僧侶「ちょっとーいつまでマナちゃん抱っこしてるんですか」
傭兵「あ、ヤキモチ?」
僧侶「違いますっ! 両手に花なんて不埒ですよ」
傭兵「花じゃなくて蕾だなこりゃ。はは!」
僧侶「あーなんかヘンタイっぽい」ムスー
魔導師「わしも抱きついちゃおうかな」
傭兵「それだけはやめてくれ。一緒に枯れちまいそうだ」
202: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/24(火) 01:23:11.24 ID:mzZsfD+Vo
<翌朝>
魔導師「この道をひたすらまっすぐ行けば次の街につく」
勇者「ふぁー森をぬけたらなーんにもないや」
魔女「…っ」
勇者「どうしたのマナ? 顔しかめて」
魔女「まぶしい」
傭兵「陰気な森に長年住んでりゃそうもなるか」
魔女「おじいちゃん。いってきます」
魔導師「あぁ。わしは引っ越しの準備をして後から街へ向かう」
魔導師「そのころにはマナたちはもっと遠くへ行っとるかもしれんな」
傭兵「じいさん大丈夫か。荷物とかよ。手伝ったのに」
魔導師「わしは魔法使いじゃ。おぬしが一日かけてすることを魔法をつかって半刻でやってしまうぞ」
傭兵「…はは。じゃあ心配ねぇな」
203: 1 ◆PPpHYmcfWQaa 2015/03/24(火) 01:30:50.62 ID:mzZsfD+Vo
魔導師「道中気をつけて」
勇者「うん!」
魔導師「ソル。マナを頼んだぞ」
傭兵「約束だ」
僧侶「魔導師様。どうかお元気で」
魔導師「うむ」
魔女「またね。おじいちゃん」
魔導師「またね、か。そうじゃな…また会おう」
魔導師「そして強くあるんじゃぞ。勇者よ」
魔導師「どんな困難に相まみえても、おぬしには頼れる仲間がおる」
魔導師「強い心を持って立ち向かうのじゃ。さすれば道は開けよう」
勇者「はい! いってきます!」
こうして、いよいよボクたち4人の旅が始まった。
第4話<旅立ちの時>おわり
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SSが書籍化!!
SS報VIP傑作集 勇者と魔王篇
橙乃ままれ
アニメ
・まおゆう魔王勇者 (1)
・まおゆう魔王勇者 (2)
・まおゆう魔王勇者 (3)
・まおゆう魔王勇者 (4)
・まおゆう魔王勇者 (5)
・まおゆう魔王勇者 (6)
書籍
・まおゆう1 「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」
・まおゆう2 忽鄰塔(クリルタイ)の陰謀
・まおゆう3 聖鍵(せいけん)遠征軍
・まおゆう4 この手でできること
・まおゆう5 あの丘の向こうに 特装版
・まおゆう5 あの丘の向こうに 通常版
・エピソード1 楡の国の女魔法使い
・エピソード0 砂丘の国の弓使い
外伝
・ まどろみの女魔法使い
まおゆう4コマ
・「向いてませんよ、魔王様」
・まおゆう魔王勇者~丘の向こうへ(1)
・まおゆう魔王勇者~丘の向こうへ(2)
・まおゆう魔王勇者~丘の向こうへ(3)
石田 あきら (著)
・まおゆう魔王勇者「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」(1)
・まおゆう魔王勇者「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」(2)
・まおゆう魔王勇者「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」(3)
・まおゆう魔王勇者「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」(4)
浅見よう (著)
・まおゆう魔王勇者(1)
・まおゆう魔王勇者(2)
・まおゆう魔王勇者(3)
・まおゆう魔王勇者(3)特装版
・ログ・ホライズン(1)
・ログ・ホライズン(2)
・ログ・ホライズン(3)
・ログ・ホライズン(4)
・ログ・ホライズン(5)
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