浦島太郎「あ、カメがいじめられてる」back

浦島太郎「あ、カメがいじめられてる」


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1:
子供A「やーい! このうすのろー!」ドガッ!
子供B「磯クセェんだよ!」ゴスッ!
カメ「や、やめてよぉ……」
浦島太郎「おいガキども! 男のくせに弱い者いじめなんてするな!」ダダダッ
子供C「ああん? なんだよ、おっさん」
子供D「もしかして……、死にてぇんじゃね。こいつ」
子供たち「ぎゃははははははははははっ!」
浦島太郎「この野郎……ッ!」
4:
B「おっさんは……」
浦島太郎「……」
B「引っ込んでろよッ!」
一番体の大きなBが一気に浦島太郎へと駆け寄ると、
低い姿勢から突き上げるように拳を放った。
浦島太郎「……くだらん。実にくだらんな」
B「な……っ」
浦島太郎は上体を少し逸らせ、涼しい顔でそれを避けると、
鼻で笑いながら振り上げた拳を固く握る。
浦島太郎「悪いが恨むなよ。貴様らの腐った性根、俺が叩き直してやる」
6:
Bは必死に体勢を立て直そうとするが、
踏ん張りの効かないさらさらと流れる砂浜のせいで、それは叶わなかった。
浦島太郎「身動きの取れない恐怖……、貴様の心にも染みたか」
B「……ッ!」
焦りの表情を浮かべ、冷汗の滴るBの顔面に、
巨岩を思わせる浦島太郎の拳がめり込む。
整った顔がぐにゃりと歪み、そのまま砂浜に叩きつけられると、
砂塵をまき散らせながらその小さな体は動かなくなった。
浦島太郎「ふう……」
漁民の男は一息つき、背後へと向き直る。
浦島太郎「次に死にたい奴はどいつだ」
9:
C「この……ッ!」
D「糞がァ!!!!!」
左右に散った子ども達が、挟み込むようにして目の前の男へと襲い掛かる。
舞い上がる細かい砂を、浦島太郎は冷やかな瞳で見つめていた。
C「死ねや……ッ!?」
D「……っ!?」
繰り出した拳には何の感触もなく、気付くと子ども達は空を見上げていた。
浦島太郎「慣れない足場。……ここで」
止まらぬ凶行に、悲鳴は上がらない。
上がるのは、ただの血しぶきだけだった。
浦島太郎「勝つつもりだったか。愚かなり」
10:
A「ちぃ……っ!」
Aはばさばさと砂をまき散らす音を響かせて、
友人たちをいともたやすく屠った巨男に背を向けた。
不恰好に海に向けて駆けてゆく。
浦島太郎「ふん。誇りまでも失ったか」
男は低い姿勢を取ると、風を切るようにして小さな背中へと疾走する。
離れていた距離は、ほんの短い間。
瞬きをするほどの時間でゼロへと近づいていく。
浦島太郎「死ぬがよい! 弱者をいたぶる卑怯者よ!」
11:
男の振り上げた拳は、逃げ惑う幼子の頭部へと目がけて正確に叩き落された。
――これで終わる。
男はそう確信していた。
A「耄碌したのかい。おっさんよぉ」
Aの不敵な笑いと共に、骨と骨のぶつかり合う鈍い音が響いた。
浦島太郎「な……ッ!」
男は絶句する。
砂浜。この有利な足場で、自身が後塵を拝するとは思っても見なかったからだ。
A「サービスタイムは終わりだぜ。……こっからは」
Aの拳が振り抜かれる。
浦島太郎の鼻骨が砕ける音が、晴天の青空へと吸い込まれた。
A「俺のためのショータイムだ」
13:
浦島太郎「な……、なぜだ……ッ!」
地に膝をつき、顔面を押さえた右手の隙間から大量の鼻血を滴らせている浦島太郎が、
鬼の形相で目の前の子どもに問いかける。
A「なぜか……、だって?」
大きく目を見開いたAが首を垂れたかと思うと、深く、嗤い始めた。
A「ちょーっとばかし……、ひんやりしてないかい。あんたの足元さぁ」
その言葉に、浦島太郎は視線を下げ、そして、苦しげに呻いた。
A「足場に慣れてねぇなら、こっちの土俵まで引きづりあげてやるまでさ」
波打ち際で海水により固められた砂。
逃げ惑う振りをした子どもを追いかけるうち、浦島太郎は誘導されていたのだった。
……自らの死地へと。
15:
A「ここ! だったら! 笑えねえだろ!?」
強く地面を蹴るようにして突き上げられたAの拳が、面白いように男の顔面へとヒットする。
A「さっきみてぇによぉ!」
浦島太郎「……ッ!!!」
大きく身体を仰け反らせるようにして、男は後方へと倒れた。
その巨躯に、未だ冷たい春の海が容赦なく波を押し寄せさせる。
A「体の軽い俺にゃあ影響はないが、あんたにとっちゃ底なし沼みてぇに感じられるだろう?」
Aは思い切り振り上げた足を、男の頭部へと叩きつけた。
潮水を吸い重くなった砂が、男の顔面を飲み込んでいく。
A「そのまま死んどけや……。漁師は海で死ねたら本望なんだろう?」
16:
――声が、聞こえた。
A「……ちっ。しぶてぇな」
顔を歪め、Aが男から離れる。
その足首には、男の残した手形が痣となりうっすらと残っていた。
浦島太郎「……助けて」
A「あァ?」
Aが不快の色を表情に込めた。
男はまっすぐに、その顔を睨み付ける。
浦島太郎「助けて。確かにそう聞こえたんだ」
そして。固く固く、拳を握りしめた。
浦島太郎「俺にしか聞こえねェ声でな。他の誰がそれに応えるってんだ」
18:
A「はっ!」
男の言葉を一笑に伏すと、Aは全力で地面を蹴った。
A「だったらなんだってんだよッ! おめぇはこれから俺に殺されんだぞ!」
さざ波の音にまぎれて、肉を叩きつけ合うものが混じる。
血しぶきと、骨の砕けるメロディが舞う。
A「ひゃはっはははははっ! さっき死んどけば苦しまずに済んだのになァ!」
風切音と、湿り気を帯びた風が肌を撫でつけた。
浦島太郎「……最期の言葉は、それでいいか」
A「は」
浦島太郎「選ばせてやる。……最期の言葉は何がいい」
赤黒く染まった顔の中にぎょろりと光る瞳が、狂気に染まる子供の目を捉えていた。
20:
Aはほんの一瞬だけ、その顔に焦燥の色を浮かべたが、
すぐに余裕の笑みを貼り付けると、男の顔面へ向け拳を振り下ろした。
A「馬ッ鹿野郎がッ! 最期になるのはてめェの方だよ!」
瞬間。
鈍い衝撃が襲う。
拳の触れた先はぐにゃりと歪み、脳髄を刺し、背骨に揺らす。
A「はははっはははははっはははははははっは……」
世界が回る。
歪んだ世界が、回っている。
22:
A「ははっははははは……」
がくり。
Aは膝を折る。
そして、ひどく青ざめた顔で、しかし強いまなこで、
自身を見下ろす男を睨み付けた。
A「な、なんだよこりゃあ……。てめぇ、何しやがった……」
粉々に骨が砕け、歪んだあごでようやくそれだけ告げる。
浦島太郎「”何をしたか”……だって?」
口の端から白い煙のような息を吐き、血に染まった拳を舐めながら男は言う。
23:
浦島太郎「簡単なことさ。……お前が言っていたことを、そのままやっただけだ」
A「何?」
浦島太郎「足場に慣れてないなら、こっちの土俵に引きずりあげるまで。……だったかな」
その言葉に、Aは初めて男の足元を見やった。
ただのサンドバッグだと思っていた男の足元を。
A「……くそ。どっちが悪人だかわかりゃしねぇな」
浦島太郎「どうも。褒め言葉と受け取っておくよ」
男の下に、粉々に甲羅の砕けた亀が静かに横たわっていた。
27:
A「……勝負ってのは、ここまで非情なもんなのか」
立ち上がる力すら残されていないAは、眼球の動きだけで亀の肢体を捉えていた。
普段見ることのない甲羅の中は、グロテスクで、弱々しくて、
軟体動物のようでもあり、爬虫類のような艶のない光沢と、
エイリアンのような未知の風貌を持ち合わせている。
浦島太郎「自分の命と他人の命。どちらが大事かってことさ」
男が歩みを進めると、草鞋の裏に残った亀の甲羅が、
ザリザリと無機質な音を立てた。
浦島太郎「……で。君の最期の言葉は、それでいいのかな」
Aはため息を吐き、固く目を閉じた。
A「なんでもいいよ、もう」
29:
亀の甲羅がひび割れたような模様である意味。
これについて答えられる人は、実に少ない。
浦島太郎「そう。……じゃあね」
A「……っ」
なぜ、あんな模様なのか。
なぜ、あそこまでして身を守る必要があるのか。
亀「それは」
浦島太郎「は」
A「え」
突如巻き起こる轟音。視界を奪うほどの砂嵐。全てを洗い流すような津波。
亀「強すぎる力を、自ら抑え込むため」
はるか水平線へと吹き飛んでいった男の姿には目もくれず、
少年は目の前にいる”何か”から視線を外すことができずにいた。
30:
亀「君、大丈夫かい。罪には罰をと言うけれど、重すぎる罰は与える方が罪だ」
固いような柔らかいような、オール状の形をした手を亀は差し出した。
少年はためらいがちにそれを取り、ゆっくりと立ち上がる。
A「……あの」
亀「なんだい」
おずおずと、少年は口を開いた。
A「あの男は」
亀「ああ、彼の心配か。君はなんと心優しいんだろうか」
伺うような視線を向けた後、亀は「ふっ」と鼻で笑った。
亀「”竜宮城”送りにしてやったさ。これで彼も罪の重さに気付くだろうか」
31:
少年「竜宮城?」
きょとんとした顔で首を傾げる仕草を見せた少年を、亀はまじまじと見つめた。
そして、何か思いついたように手を打つと、ゆっくりと顔を近づけた。
亀「ああ、そうか。今の時代の人は”竜宮城”を知らないんだね」
そう言って亀はうんうんと頷き、深い笑みを浮かべる。
亀「簡単に言えば地獄さ。だらだらと仕事もせず、同じような日々が続き、
 しかしその居心地の良さから抜け出せず、気付くと人生の大半を浪費する」
亀の喉の奥から「グググ」と変な声が漏れた。
亀「人ってのは難儀なものでね、過ちに気付くのはいつも遥か後になってからなのさ」
34:
A「そ、そうだよね」
Aは気まずそうな顔を浮かべ、しきりに上目づかいで亀の様子を窺っていた。
先程いじめていたことを謝ろうと思案していることに亀は気付いていたが、
何も促さずにその先を待つことにした。
それに気付いたのか定かではないが、Aは意を決したように顔を上げ、口を開く。
A「あの、ごめんなさい」
亀「うん。いいよ」
笑顔で亀はそれを受けた。
A「え」
亀「気付けたならそれでいいよ。過ちに気付かず一生を終える人間もいるから」
36:
A「それじゃあ――」
亀「待って」
その場から立ち去りかけた少年を、亀が引き止めた。
亀「ボクの背に乗りなよ。いいところへ連れていってあげる」
A「で、でも」
少年は、ためらいがちにチラチラと亀の背と自身の住む集落の方を見比べた。
亀はそんな様子を見て笑う。
亀「心配しなくても大丈夫だよ。夕刻には帰してあげるから」
38:
A「……」
亀の背に乗る瞬間、少年は再び集落の方へと視線を送った。
なぜだか、これが最後になってしまうような気がしたから。
亀「じゃあ、行こうか」
A「ぐぷ……っ!?」
少年を背に乗せると、亀は海の中へと飛び込んでいった。
ゆらゆらと揺れる日の光が照らす青い世界から、
徐々に暗い底へと沈み込んで行く。
亀「息なんて止めなくても平気だよ。ここでは呼吸できるから」
39:
A「げほっ……! はぁ……っ!」
亀「人間が慣れるのには時間かかるのかな。よく分からないけど」
亀の言う通り、呼吸はできるようだった。
少年はむさぼるように吸って吐いてを繰り返す。
亀「もう少しついたらつくからね」
いつの間にか甲羅の復活していたひび割れた亀の背に乗り、
先程よりいくらか落ち着いた少年は思考を巡らせていた。
4

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