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ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」


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ベガ「お疲れ様でした。いい試合でしたよ」
ザンギエフ「あぁ、いい試合だった。ヒューゴー、よくやってくれたな。礼を言うよ」
ヒューゴー「いえいえ」
ポイズン「まぁ、ギャラの分はしっかり仕事するよ」
ザンギエフ「ポイズンも、よくやってくれた。どうだ、ウチのファンは暖かかっただろう……?」
ポイズン「……驚いた部分もあったけどね。ブーイングじゃなくて、歓声がもらえるだなんて、驚きだよ」
ザンギエフ「なぁ、ヒューゴー……ポイズン……?」
ヒューゴー「……どうしたんですか?」
ポイズン「……何だい?」
ザンギエフ「お前達は、今、団体に属さないフリーでやっているが……大丈夫なのか? それで、やっていけているのか?」
ポイズン「まぁ、なんとかやれてるよ……こうやって、メインイベントに呼んでくれる団体がまだあるんだからね。フリーでやってる方が、儲かるよ。それに……こっちの方が、あたし達らしいだろう?」
ザンギエフ「……そうか」
ポイズン「あんたらが、人気を上げなきゃいけないのは、リュウ君だろう? こんな、ロートルの貧乏神に構ってたって……いい事はないよ?」
ヒューゴー「……まぁ、機会があれば、またよろしくお願いします」
ポイズン「ベガ、あんたもさぁ……? ちょっとはリュウ君に華を持たせてやっても、よかったんじゃないの? 前半は若い子達にやらせてあげてたのに……なんで、後半になったら自らしゃしゃり出ちゃうかねぇ?」
元スレ
ヤムチャ「プーアル! プロレス団体で少し上手くやれてきたぞ!」
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2:
ベガ「いやぁ、なんと言いますかね……抑えてたつもりなんですけどね……」
ヒューゴー「まぁ、前半は抑えてましたね」
ザンギエフ「……後半だな。あれじゃあ、俺がリュウに文句を言われてしまう」
ベガ「まぁ、そのなんというか……やはり、メインで同世代のお二人がやられてるのを見ると……私自身も感じる物がありましてね……」
ザンギエフ「……ふむ」
ベガ「老兵は死なずに、ただ消え去るのみ……なんて、思っていましたが……やはり、そうではないでしょう。力づくで、この老兵を殺してもらわないと……」
ポイズン「あらあら、変な刺激を受けちゃったのかね、この人。ザンギエフ……あたし達には、責任ないからね、コレ」
ザンギエフ「いや、まぁ、リュウにはベガも、そして俺も、越えてもらわにゃ、困る……譲ってやるのではなくてな……」
ベガ「……私も、現場が好きなんでしょうね。もう少し、頑張りたいと思いますよ」
5:
居酒屋ーー
サガット「とりあえずだ……まぁ、キャミィちゃんも、飲み会メンバーに加わった事だし、乾杯でもするか……?」
バルログ「そうですね。本日の飲み会は、キャミィさんの歓迎会も兼ねて……と、いう事で……」
バイソン「よ〜し! だったら、乾杯の音頭は、このバイソン様がとってやろうではないか!」ヌギヌギ
さくら「だから、バイソンさん、脱がなくていいっすっ! なんで、わざわざ、脱ぐんすか。今日はレディーが二人もいるんすよ!?」
キャミィ「……いつも、飲み会ってこんな感じなんですかね?」
ダン「バイソンも、キャミィちゃんが加わった事で、テンションが上がってるんだろう……いつもは、もうちっと真面目に反省会やってるよ……」
ヤムチャ(……やべぇな。キャミィさんの試合見てない事を誤魔化す方法、何にも思い浮かんでねぇ。どうすっかなぁ、どうすっかねぇ、コレ)
プーアル「あっ、ほら……ヤムチャ様も、グラス持って下さい。ほら、乾杯ですよ、乾杯!」
ヤムチャ「お、おう……乾杯〜!」
6:
サガット「今日は、俺達の試合と、キャミィちゃんの試合の二試合だな……さぁ、どっちからいく……?」
さくら「キャミィさんの試合から、いきましょう!」
キャミィ「私から……ですか……?」
さくら「今日の試合……サガットさんに、聞きたい事があるんすよね? だったら、もう聞いちゃいましょうよ?」
サガット「ん、俺に……?」
キャミィ「サガットさんは、この前私に、試合で小さな変化を作っていこう……と、言ったじゃないですか? 自分にしか、わからないような事でもいいと……」
サガット「……あぁ、言ったな」
キャミィ「私、今日の試合で……その小さな変化を、作ってみました。その変化ってなんだと思います? サガットさん、当ててみて下さい」
サガット「ほ〜う、変化か……意外とグイグイ来るんだな、キャミィちゃんは……」
さくら「サガットさんに、言われた事を実践したんだから……当然、サガットさんは答えれますよね?」ニヤニヤ
サガット「アレだろ、アレ……アレを変えたんだろ……? アレ、アレ……」
さくら「……うわ、サガットさん、適当」
サガット「違うんだよ……名前が出てこないんだよ……アレだよ、アレアレ……手袋じゃなくて、グローブじゃなくて……腕につけるアレだよ、アレアレ……」
キャミィ「気づいていただけて、よかったです」
さくら「ほら、キャミィさん! お洒落に無頓着なサガットさんが気づくぐらいなんだから、皆〜、気づいてますって! 大丈夫っすよ!」
7:
バルログ「あの、ガントレットは、どうしてデザイン変えたんですか?」
サガット「そうだ、ガントレットだ! ようやく、名前が出てきたぞ!」
キャミィ「あれ、使ってCQCかけたら、説得力増すんじゃないかと、思いまして」
バイソン「前のヤツより、ちょっと硬そうだもんな。フェイスロックの時に、顔面にめり込ませようってか。キャミィちゃんも、なかなかの悪党だな!」
キャミィ「結局、やってませんけどね。今日の試合、15分じゃなくて、10分でしたから、打撃戦になってしまいました」
バルログ「そうですよねぇ……いつもより、短いんだったら、関節技、やってる暇なんて、ありませんよねぇ」
バイソン「ラストもCQCじゃなくて、ジャイロドライブスマッシャーだったしな」
キャミィ「そういう意味では……デザイン変えたのに、何も出来ず終いでした……無理矢理にでも打つべきでしたかねぇ……?」
サガット「いやぁ、あそこまでの打撃戦になってたんだったら、ジャイロドライブスマッシャーで終わらせた方がよかったんじゃないかな? ローズも、珍しく打撃戦してたんだし」
プーアル「ヤムチャ様、大丈夫ですか? お話ついていけてます?」
ヤムチャ「まぁ、あっちでキャミィさんの試合の話が進んでるからさ……? 助かったと言えば、助かったけど……なんて、言うかね……ちと、寂しいね……」
プーアル「……ビール注ぎましょうか?」
ヤムチャ「悪いね、プーアル。頼むよ」
8:
サガット「まぁ、やろうと思ってた事が、時間の都合上出来なかった……ってのは、よくある事だからな。次だ、次……次の試合に繋げる事が出来れば、それでいい」
キャミィ「今日の試合は、やりたい事はあったんですけど……出すタイミングがありませんでした……そこは反省です」
サガット「試合は明日もあるんだ……明後日はオフだがな……明々後日はある……」
キャミィ「そうですね。では、明日の試合……また、頑張りたいと思います」
サガット「まぁまぁ、そうやって、何か工夫しているうちは大丈夫だ。じゃあ、まぁ明日は頑張ってCQC出してくれ」
キャミィ「はい、わかりました」
サガット「じゃあ、まぁキャミィちゃんの試合はこんな物かな……?」
ヤムチャ(おっ、何だ何だ……結構あっさり終わったなぁ……まぁ、見てない事バレなくて助かったから、よかったけどね……)
サガット「じゃあ、次は俺達の試合だな……」
ヤムチャ「あ〜、そうだそうだ、サガットさん……ケンさんから、伝言あるんですけどね……忘れないうちに伝えておきますよ……」
サガット「おっ、伝言……何て、言ってたんだケンは……?」
ヤムチャ「あまり、リュウさんを怒らせるような真似はしないでくれ。サガットさん達がやりたい放題した後、全部被るのは俺なんだから……だ、そうです」
サガット「……そんな事、言われてもなぁ」
9:
バイソン「……実際、試合後のリュウとか、どうだったの? やっぱり、結構怒ったりしてた?」
ヤムチャ「う〜ん……まぁ、ベガさんに対して、文句言ってるような感じでしたけど……」
サガット「俺達だって、ベガ様がやれって言ったら、やるしかないんだぞ? 俺達の行動は、殆どベガさんの意思だ」
ヤムチャ「そうですよねぇ……だって、ベガさんの手下なんですもんねぇ……」
サガット「大方、怒ってるのは……俺が最後にスリーカウント取った事だろう……? だけど、あれはベガさんに指示さてたから……俺はやるしかないんだよ。それを、しないでくれ……なんてのは、ちょっと無理だよ」
ヤムチャ「……そうですよねぇ。サガットさんには、サガットさんの都合があるんですもんねぇ」
サガット「結局の所、リュウがベガさんを越えるしかないんだよ」
キャミィ「……こういうの派閥争いって言うんですかね? リュウさんと、ベガさんが対立していて」
サガット「おいおいおい……なんで、そうなるんだよ……そうじゃないよ……」
10:
サガット「そういうのを無くしていこうって事で……こういう席を作ってるんじゃないか。シャドルーの中に……空手軍団のヤムチャ君がいて……空手軍団の意見を取り入れようとしているんだ……俺達だけで話し合ってたら、本当に派閥だよ」
ヤムチャ「いやぁ、まぁ、いつもお世話になってます」
サガット「男子部の中に、女子部のさくらちゃんがいて……もっと壁を取り除く為に……こうやって、今日、キャミィちゃんにも来てもらったんじゃないか……」
ダン「この席はよぉ……? 派閥とかじゃなくて、仲良く酒飲んでるだけだから……あまり、深く考えるんじゃねぇ、キャミィ……」
サガット「俺だって、ベガ様とリュウ・ケンの二人に板挟みなんだよ。俺だって苦労してるよ」
バイソン「……サガットは、そのストレスで、こうやってツルツルテンにハゲちまったワケだな。可哀想に」
サガット「……バイソン、これは剃ってるだけだ。ハゲてはいない」
ダン「う〜ん……サガットも結構、頑張ってるんだけどね……やっぱり、昔から、こういう壁みたいなもんはあるよ……」
サガット「皆で飲めばいいんだ、皆で。リュウもケンも、春麗もローズもかりんも、皆集めて、皆で飲めばいいんだよ、皆で」
ダン「そこまで全員集合するのも、ちょっと気持ち悪い気するけどね……まぁ、現状よりかは、なんぼかマシだろ」
12:
キャミィ「……失礼しました。サガットさんも苦労されてるんですね」
サガット「まぁ、ヤムチャ君が来てくれた事で、楽にはなったよ。最近、ケンが打ち合わせに来てくれるようになったんだからな……」
ヤムチャ「あ〜、そういや、サガットさん……俺、思ったんですけどね……」
サガット「……どうした?」
ヤムチャ「……なんかね、最近ね。ケンさんが、優しい気がするんですよ、俺に」
サガット「まぁ、あいつは口は悪いが、根はいいヤツだからな」
ヤムチャ「ケンさんと、多少なりとも、仲良くなれたからこそ……こう、合体技とか出来たんじゃないか……って、思うんですよね」
サガット「おぉ、そうだな。練習より、本番の方が格好よく決まったんじゃないか?」
ヤムチャ「あれって、自分で言うのも変ですけど、俺にとってもケンさんにとっても、いい流れが来てたじゃないですか?」
サガット「……変な事ではないぞ? ヤムチャ君にとっても、ケンにとっても、いい流れだったと思う」
ヤムチャ「……だからねぇ、俺、次はリュウさんとだと思うんですよね」
サガット「……ほ〜う」
33:
ヤムチャ「ケンさんも、リュウさんが合体攻撃誘ってきたら、ド派手に決めろ……なんて、言ってくれたんですけど……ちょっとねぇ、まだリュウさんとは距離があるような気もするんですよねぇ……」
バイソン「……実際、距離はあると思うぜ?」
バルログ「リュウ君は、打ち合わせにも来てませんしね」
ヤムチャ「……ですよねぇ。ここを何とか出来れば、何か違う結果が出ると思うんですよ。俺にとっても、リュウさんにとっても、何かいい結果が」
サガット「……実際、それは試合中に感じたかな?」
ヤムチャ「……それは、いつですか?」
サガット「いつ、って言うか……ほら、ケンがヤムチャ君に、アピールしてから、バイソンにトラースキックをしただろ……?」
ヤムチャ「あぁ、はい。アドリブで……」
サガット「それで、ヤムチャ君もアドリブで、それに乗っただろ? ケンにアピールしてから、俺にトラースキックを仕掛けた……」
ヤムチャ「あれは、間違ってなかったですよね?」
サガット「間違ってなんかいないさ。寧ろ、よくやったと思うよ。あぁいう事は冷静に周りが見えてないと出来ないからな。遊び心も時には必要だ」
ヤムチャ「おぉ、よかったよかった……」
サガット「ただ、二人がそうやって、アドリブで作った流れに……俺は、リュウも乗っても良かったと思う。リュウも同じように、ヤムチャ君とケンにアピールしてから、トラースキック……そんな場面があってもよかったように思う」
34:
ヤムチャ「あぁ、言われてみれば、そうかもしれませんね……空手軍団の中でリュウさんだけ、やってませんもんね……」
サガット「ちょっと、リュウは周りが見えてないのかな……? 余裕がないように、思えるなぁ……」
ダン「……この場に、いねぇヤツの悪口は程々にしておけよ、サガット」
サガット「おっと、失礼……悪口のつもりではないんですが……まぁ、そういう風に聞こえてしまいますね」
ヤムチャ「その辺りって……俺が何とか出来る問題なんですかねぇ……?」
サガット「……ん?」
ヤムチャ「俺の活躍によって……リュウさんに、そういう余裕が生まれる……みたいな事って出来るもんなんですかね……?」
サガット「その辺りは、わからないな……なんせ、リュウの感情の話なんだから……」
ヤムチャ「……そうですよねぇ」
サガット「ただ、だ……結局の所、チームプレイなんだ。信頼している人間と、信頼していない人間……やっぱり、何処かでその辺りは影響してくるんじゃないかな?」
ヤムチャ「って事は、やっぱり……」
サガット「あぁ、ヤムチャ君の……次はリュウと仲良くなる……その考えは、俺はあながち間違ってないと思うぞ?」
ヤムチャ「……そうなってくると、結果ですよね。もっと、俺が結果を出せれば、リュウさんも認めてくれる様な気がします。ケンさんはなんだかんだで、認めてくれた……のかな? 最近は、優しいですし」
サガット「明日だな。明日……どうだ? ヤムチャ君の方から、リュウを合体攻撃に誘ってみるってのはどうだ?」
ヤムチャ「う〜ん……いけるんですかねぇ、ソレ……俺から誘うなんて、ちょっと生意気じゃないですかねぇ……?」
サガット「だったら、間にケンを入れればいい。ケンにも少しは働いてもらわんとな」
ヤムチャ「……なんだかんだでねぇ、ケンさんって、細かい間取り持ってくれてると思うんですよ、俺」
35:
ーーー
ベガ「……明日のメインは、どうなされるんですか?」
ザンギエフ「う〜ん、今日のお前の試合……リュウとの因縁が出来たような気もするんだが……やはり、人員が足りん。リュウをメインに持ってくるしか、ないのかな……?」
ベガ「まぁ、決着は持ち越しですかね」
ザンギエフ「まぁ、メインでまた因縁を作れればいいさ。お前への怒りを、俺にぶつけてもらおう」
ベガ「……最近、無茶しすぎじゃないですか? 身体には、気をつけて下さい」
ザンギエフ「わかってるよ。それにだ……」
ベガ「……それに?」
ザンギエフ「リュウをモノにしたいのは、山々なんだが……同時に他の奴らも育てていかなければ、ならんだろう?」
ベガ「……確かに」
ザンギエフ「女子部のコンテンツだって、もっと大きくなってもいい……まぁ、キャミィだな……それに、タッグのベルトもだ。ナッシュ・ガイル組とユン・ヤン組だけでは困る……」
ベガ「ホークとフェイロンに……まぁ、結果を出して貰いませんとね……」
36:
ザンギエフ「ヤムチャは、結果を出してくれているんだけどなぁ……全員が、アイツぐらいのスピードで育ってくれると助かるんだが……」
ベガ「……流石に、それは無茶だと思います」
ザンギエフ「空手軍団にとって、いい刺激になってきたんじゃないかな? これでリュウも何か変わってくれればいいんだがな……」
ベガ「結構、ケンは上手く利用しているように感じましたが……リュウは少し、ですねぇ……」
ザンギエフ「……一人相撲は、よくないぞ。全く」
ベガ「そんな事、言ってる割に、明日はメインでリュウとシングルなんでしょう?」
ザンギエフ「……仕方がないだろう。人員が足りないんだから、人員が」
ベガ「まぁ、今のリュウにとっては、力をつけれる場所は……ベルト戦より、空手軍団とシャドルーの抗争でしょうね。きっと……」
ザンギエフ「本人が、そこに気付けるかどうかだな……まぁ、明日の試合……俺も、格の違いを見せつけて……リュウに感じてもらおうか……」
ベガ「……あまり、リュウの不満を溜めないようにして下さいね。そのうち、爆発しますよ?」
ザンギエフ「……お前が言うな、お前が。今日の試合はどうなんだ、えぇ?」
ベガ「アレは……旧世代の意地ってヤツですよ……まぁ、確かに熱くなりすぎた部分があったかもしれません。申し訳ありません」
ザンギエフ「それでいいんだよ。ファンは旧世代の意地がみたいんだ。だから、俺はリュウに旧世代の意地を見せる……ただ、それだけだ」
37:
翌日ーー
ヤムチャ「さぁさぁ、今日も頑張っていこうっ! 元気にストレッチからだ!」グイグイ
バイソン「おう、今日も元気だな、ヤムチャ君! やる気があるのはいい事だ!」
ヤムチャ「二試合で、何か結果を残せだなんて、言われてましたけど……結果は出したでしょ、多分。昨日の飲み会で、皆さんに怒られなかったし」
バルログ「そうですね。あの内容だったら……今日も第五試合で出来るんじゃ、ないですかねぇ?」
ヤムチャ「怒られない……ってのは、地味にいい事です。俺は褒められて伸びるタイプですから……自分もちょっとはプロレスラーらしくなってきたんじゃないかって、自覚が出てきたような気がしますね」
サガット「それは、いい事だ」
ヤムチャ「今日の課題は、試合中の行動で……リュウさんとの信頼関係を築く……! そんな所ですかね……?」
サガット「そうだな。何か一つでもいい……自分に課題を与え、それをクリアしていく……ヤムチャ君に芽生えた自覚は本物だったようだな……」
プーアル「皆さ〜ん! ザンギエフさんから、今日の予定試合表、貰ってきましたよ〜!」
サガット「うむ、プーアル君、いつもありがとう。では、早見てみるか」
ヤムチャ「昨日の試合で合体技を使えば、サガットさんをぶっ飛ばしてもいいって、学べたからな……! 今日の試合は、出来る事なら、リュウさんと合体技で、サガットさんかバルログさんか、ベガさんをぶっ飛ばす……って、所だな!」
38:
本日の予定試合
第一試合(10分決着)
◯コーディ ー ガイ×
第二試合(10分決着)
◯E.本田 ー ディージェイ×
第三試合(15分決着)
×ダルシム ー T.ホーク◯
ブランカ フェイロン
第四試合(15分決着)
ローズ ー かりん
×さくら キャミィ◯
第五試合(25分決着)
◯ケン ー バルログ×
第六試合(30分決着)
×リュウ ー ザンギエフ◯
39:
ヤムチャ「……あり?」
バルログ「あら、今日は私がケン君とシングルですか……まぁ、私は昨日の一戦に絡んでませんからね……」
ヤムチャ「あれ、俺の出番がねぇぞ……? 第五試合にもないし……第二試合にもねぇ……」
バイソン「タッグベルトは第三試合か……まぁ、ダルシムさんとジミーさんが挑戦者だし、そうなっちまうのかな……?」
サガット「代わりに女子部が第四試合だな。今日は春麗を除いた全メンバーか……ここで、何か結果を残してもらいたいものだな……」
ヤムチャ「あれ……何で、俺の試合がねぇの!? 俺、昨日、結果残したよなぁ? 結果残したのに、何で試合がねぇの!?」
バイソン「まぁ、ヤムチャ君は、入団してからずっと出ずっぱりだったろ? 休みなんだったら、ありがたく身体休めておきなよ」
サガット「そうだそうだ。今日は俺達だって、試合はない。休める時に、休んでおかないと」
バルログ「……皆さん、休みなのに、私だけ試合って、何か孤立感」
ヤムチャ「もしかして……俺、結果出せてなかったのか……!? 自分では出来てたつもりだけど……出来てなかったのか!?」
プーアル「……ヤムチャ様、その事でお話が」
ヤムチャ「おう、プーアル……どうした……!?」
プーアル「ザンギエフさんと、ベガさんが、ヤムチャ様の事を呼んでいます。すぐに行って下さい」
ヤムチャ「えっ……呼び出し……? やっぱり、何かやらかしてたのかな……? あっ……!」
41:
ヤムチャ(あっ、そういや昨日、俺……試合中、ベガさんに言われたや……『少々、頑張りすぎではないか?』って……やべぇ、やりすぎたんだ……絶対、俺やりすぎちゃったんだ……)
サガット「……現場監督からの呼び出しか。早く、行った方がいいぞ、ヤムチャ君」
バイソン「あの人達、待たせると、ロクな事にならねぇからな。早く行ってこい!」
ヤムチャ(それで、呼び出し喰らったんだ……やべぇな……怒られる予感がプンプンするぞ、オイ……)
プーアル「という事で、ヤムチャ様……早く、ザンギエフさん達の所に行きましょう。待ってますよ」
ヤムチャ「いやいやいや……! ちょっと待って……ちょっと待って、プーアルっ!」
プーアル「……何、言ってるんですか? 上司に逆らうと、ロクな事になりませんよ。ホラ、ヤムチャ様、早く」
ヤムチャ「俺は……頑張ってるぞ、プーアルっ! 怒られるような事は何もしていないっ! 結果だって出したハズだ、多分……多分っ……!」
プーアル「……はいはい。じゃあ、ヤムチャ様、行きましょう」
ヤムチャ「も〜う……何で、こうなっちまうのかねぇ……! 一生懸命やる事の何が悪いっ!」
サガット「……まぁ、おそらく用件は」
バイソン「う〜ん、多分、そうだろうね……今日のヤムチャ君……また厳しい戦いになりそうだな……」
42:
ーーー
プーアル「失礼します! ザンギエフさん、ベガさん、さくらさん。ヤムチャ様の事、連れて来ましたよ!」
ヤムチャ「あっ、うっす……! 失礼します……」
ザンギエフ「……おう」
ベガ「……」
さくら「……」
ヤムチャ(うおおぉ……濃い面子だな……さくらちゃんが、いる事が唯一の救いだけど……)
ザンギエフ「まぁ、掛けてくれ……さくら……ヤムチャ君に、茶でも出してやってくれ……」
さくら「わかりました」
ザンギエフ「後、俺とベガの分も頼むよ……少々、長話になりそうだからな……」
ヤムチャ(おいおいおい……さくらちゃん、仕事する女の顔だよ、おい……いつもみたいに、話しかけづらいな……長話って、何言われるんだ、おい……)
43:
ザンギエフ「おい、ヤムチャ?」
ヤムチャ「あっ、はい……!」
ザンギエフ「どうだ、最近、順調か……?」
ヤムチャ「あっ、はいっ……! 最近は順調です! 昨日はちょっと、やりすぎちゃったかと、思う部分はありましたけど……これから、改善していきます!」
ザンギエフ「……おい、ベガ? 昨日の試合、やりすぎてたか? お前、昨日戦っただろ?」
ベガ「いえ、昨日の試合……よかったですよ…… ヤムチャ君、その調子で頑張ってくれよ?」
ヤムチャ(……あり、怒られねぇぞ?)
ザンギエフ「まぁ、あの位置でやるなら……あれくらいは当然だ。我が団体所属のレスラーなら、もっとだ……もっと頑張ってもらわにゃ、困る」
ヤムチャ「あっ、ありがとうございます……でも、俺、今日は試合ないですよねぇ……?」
ベガ「まぁ、ヤムチャ君は、入団からずっと試合に出続けて貰っていましたからね。今日ぐらいは、休みですよ」
さくら「お茶です。ザンギエフさん、ベガさん、ヤムチャさん、プーアルさん……どうぞ」
ヤムチャ「あっ、さくらちゃん、ありがとう……」
ザンギエフ「まぁ、ただ休むだけじゃ勿体ないだろう……だから、だ……」
ヤムチャ「……んっ?」
ザンギエフ「お前は今日、解説だ。 お前には、今日解説をしてもらう。その事で……まぁ、来てもらったというワケだな……」
45:
ヤムチャ「俺、今日、解説ですか……?」
ベガ「担当は第二試合……本田君と、ディージェイ君の試合の解説です」
ヤムチャ「解説って……俺、そんなに知識ないですけど、大丈夫なんですかねぇ?」
ザンギエフ「まぁ、そういう事も必要だからなぁ……ホラ、お前もらしくなってきたんだから……マイクアピールなんかも、必要だろ……? そういう事の練習だ」
ヤムチャ「……あぁ、はい」
ベガ「まぁ、あまり下手な事は言わないように。最悪、後撮りになってしまいますよ、ヤムチャ君?」
ヤムチャ「後撮り……って、何ですか……?」
ベガ「試合の、実況と解説は……生で見ながら、喋っていますが……それを、後から映像だけ見ながら……そこに声を乗せていく……と、言うのが後撮りですね」
ザンギエフ「まぁ、簡単に言うとだ……お前が、今日の解説で余計な事を喋ってしまったら、お前の存在は消えてしまう。解説に来ていたお前の存在はなくなってしまい……」
ヤムチャ「……えっ!?」
ザンギエフ「後から、TV中継用に、実況を撮り直すという事になるな。お前、抜きでな……?」
ヤムチャ「俺の存在が、消えてしまう……」
ザンギエフ「迂闊な発言をすると、今日一日が無駄になってしまうぞ? まぁ、その辺を踏まえて……試合を解説しながら、自己アピールをしてくれ」
46:
ヤムチャ(おいおい……何か、嫌な予感がプンプンするぞ、おい……)
ザンギエフ「まぁ、実際、後撮りになった奴……なんてのは、ウチの団体にはいながな……お前が意図的にふざけない限りは問題はない。第一号にならないよう、頑張ってくれ」
ベガ「仮にも、TV中継ですからね。『うんこ』『ちんこ』……そういった言葉は御法度ですよ?」
ヤムチャ「いや、流石にそれはわかります……! 大丈夫です、言いません……!」
ベガ「後は、まぁ、プロレスの仕組み……そういったモノを言ってしまう事もダメです」
ヤムチャ「あくまで、普通の戦いを見てるような感覚で……解説しろという事ですよね……?」
ザンギエフ「まぁ、わからんならわからんで、『凄い』とか『強い』とかだけ言ってればいいぞ。とにかく、迂闊な事さえ、言わなければいい。実況のアナウンサーの話に、とりあえず、乗っかっておけ」
ベガ「実況の方も、ヤムチャ君に、色々話題を振ってくれると、思いますから。聞かれた事に答えて……自己アピールという形ですね」
ヤムチャ「ま、まぁ……知識がないなら、知識がないなりに……頑張ってみます!」
ザンギエフ「まぁ、上手く解説で試合を盛り上げてくれ。よし、さくら……まぁ、細かい部分の説明は任せるよ」
さくら「わかりました。じゃあ、ヤムチャさん、実況席の方へ行きましょうか?」
ヤムチャ「えっ、もう行くの……!? あっ……って、そろそろ時間だもんね……」
ザンギエフ「結果を残せよ〜、ヤムチャ〜! お前が、マイクアピール出来るようになれば……こっちは大助かりだからなぁ!」
47:
ーーー
ヤムチャ「ふう、何だよ、解説かよ……怒られるんじゃねぇかって、ヒヤヒヤしたじゃねぇかよ……」
さくら「アハハ、ヤムチャさん、随分と緊張してたみたいっすね?」
ヤムチャ「だってさぁ、ザンギエフさんとベガさんの二人だよ? それに、さくらちゃんだって、な〜んか、真面目な顔しちゃってさぁ……?」
さくら「流石に、あの部屋でね……このノリでは話せないっすよ。申し訳ないっす」
ヤムチャ「俺が、解説かぁ……ちょっと、不安だなぁ……」
さくら「……まぁ、初めてっすもんね? 皆、最初はそんな感じっすよ」
ヤムチャ「俺は、頭使うより、身体を使いたい……わかるかな、この気持ち……?」
さくら「いやぁ〜、わかるっすよ! 自分も、そっちのタイプっす!」
ヤムチャ「今日第五試合でやりたい事があったんだけどねぇ……まぁ、第二試合に戻るよりかは、この結果はマシかな……? とにかく、なんとかして、解説で空手軍団のアピールをしないとね」
さくら「試合そっちのけで、アピールはダメっすよ? メインは本田さんとディージェイさんっす。あの二人だって、頑張ってるんすから。その二人の試合を盛り上げるのが、最優先事項っす!」
ヤムチャ「……ディージェイかぁ」
48:
ヤムチャ「まっ、今まで基本的にぶっつけ本番で何とかやってきたんだ! 今回だってね、成功するかどうかはわかんないけど……いや、多分100点満点の成功は間違いなく、無理だろうね……だけど……」
さくら「……だけど?」
ヤムチャ「次に繋がる何か……爪痕みたいなのを、残せればいいな……とは、思うよ」
さくら「そうっすね! ヤムチャさん、頑張って下さい!」
ヤムチャ「さくらちゃん、案内してくれて、ありがとうね。実況席ってこっちだよね? いつも、リング上から見てるから、何となくわかるよ」
さくら「じゃあ、ヤムチャさん頑張って下さい。ただし……迂闊な発言だけは……NGっすよ?」ニヤニヤ
ヤムチャ「大丈夫だって、その辺は俺、いつもプーアルに怒られてるんだから!」
プーアル「……まぁ、馬の耳に念仏ですけどね」
ヤムチャ「あっ、プーアル酷いっ!」
さくら「アハハ、もうプーアルさんも連れて行けばいいんじゃないっすか? その二人のやり取り、実況向きな気がしますよ」
ヤムチャ「……プーアル、どうする?」
プーアル「まぁ、僕は遠慮しておきますよ。僕はヤムチャ様のマネージャーですから」
ヤムチャ「……だってさ。あっ、そうそう、さくらちゃん?」
さくら「どうしたんすか?」
ヤムチャ「今日、女子部の試合、第四試合だったね。よかったじゃん、そっちも頑張ってね」
さくら「勿論、頑張るっす! ヤムチャさんも、頑張って下さいね!」
ヤムチャ「うん、じゃあ行ってくるよ。よしっ、じゃあ頑張って頭働かせてくるか!」
50:
ーーー
ダン「さて、皆様……お楽しみいただいてるでしょうか!? ストリートプロレス!」
ダン「それでは、続いては……第二試合をお届けしますっ!」
ダン「熱血力士参上っ……! E.本田選手の入場ですっ!」
パチパチ……パチパチ……
本田「どーすこーいっ!」ドシーンッ
パチパチ……パチパチ……
実況「さぁ、大きく四股を踏み鳴らし……今、E.本田の入場ですっ! スモウレスラー、E.本田っ! そのパワーを本日は発揮出来るかっ!?」
本田「プロレスもいいけど……相撲も素晴らしいでゴワスっ! 本日は、その両方の素晴らしさを、ワシが皆の者に伝えてやるでゴワスっ!」
実況「さぁさぁ、このE.本田はプロレスに相撲のスタイルを取り入れたファイトスタイルが持ち味なのですが……私は一つ、問いかけたいっ! その顔のド派手なペインティングは何だっ! 相撲に、そんなペインティングをしている人間は存在するのかと!?」
ヤムチャ(……う〜ん、いきなり、この人飛ばしてるね。まぁ、まだ黙っておこう)
実況「本人曰く、歌舞伎のペイントだという事らしいが……はたして、どうなんでしょうっ!? さぁ、今、E.本田がリングイーンっ!」
51:
ダン「続きましては……」
ダン「陽気なマラカスファイターっ……! ディージェイ選手の入場ですっ!」
パチパチ……パチパチ……
ディージェイ「イエーイ! 今日もファンキーな試合をしようぜぇ〜!」ルンダルンダ
パチパチ……パチパチ……
実況「さぁ、お次は陽気な男、ディージェイの入場だぁ! ダンスをしながらの登場ですっ! いやぁ、陽気だっ! 実に陽気な男だっ!」
ヤムチャ(……まぁ〜た、踊ってやがるのか、アイツ)
ディージェイ「とびきり、ファンキーで……エキゾチックなナイトをオーディエンスにお届けしてみせるよ……さぁ、行こうっ! ミーの出番だっ!」
実況「さぁさぁ、リズムに乗って警戒なステップを踏みながら……今、ディージェイがリングに向かっていますっ! 戦いを楽しみに行くかのような、その振る舞い……まさに陽気の一言だっ!」
ヤムチャ(どうなんだろうね。入場も一つの技と考えれば、ああいう風に派手に入場するのも、いいのかな? でも、ここは第二試合だからなぁ……程々にしておけよ、ディージェイ……)
実況「さぁ、そして今……ディージェイがリングイーンっ!」
52:
実況「さぁ、それでは本日のゲスト解説をご紹介しましょうっ! なんと、初登場ですっ! 本日のゲスト解説はこちらの方だっ!」
ヤムチャ「あっ、よろしくお願いします」
実況「……あっ、名前を言っていただいてもよろしいですかね?」
ヤムチャ(えっ……? あっ、ここは自分で名前を言うのか……! やべぇ、いきなりだ……いきなり、やらかしちまった……!)
実況「初解説という事で、緊張でもされているんですかね?」
ヤムチャ「あっ、すいません……ヤムチャです……! 空手軍団の三番弟子、ヤムチャっす!」
実況「そうです! なんと本日は空手軍団の三番弟子……ヤムチャさんにお越し頂きましたっ!」
ヤムチャ「よ、よろしくお願いします……!」
実況「空手軍団といえばね……只今、シャドルーとの抗争、真っ只中なんですが……こうして、わざわざゲストに来ていただいて、本当にありがとうございますっ!」
ヤムチャ「あ〜、いえいえ……わざわざだ、なんて……とんでもありません……!」
実況「やはり、ヤムチャさんは、こういった試合を見る事で……シャドルーに勝つ為の何かヒントを得ようとしているんでしょうかねぇ?」
ヤムチャ(どうなんだろうねぇ……ヒントとか、あるのかね……?)
実況「……ヤムチャさん? まだ、緊張されているんですかね?」
ヤムチャ「あっ、はいっ……! そうっす! その通りっす!」
実況「なる程〜! では、今日の試合……何か、ヒントが見つかればいいですね!」
ヤムチャ(おいおい……グイグイくるぞ、この人……こりゃ、じっくり考えてる暇なんてねぇ……適当でもいいから、間髪入れずに、無難な答えを言っていかねぇと……)
53:
実況「ヤムチャさんは、本日の両者……どういった印象をお持ちですか?」
ヤムチャ「え〜っと……両者って、言うと……本田さんと、ディージェイですよね……?」
実況「そうです、その二人です!」
ヤムチャ(印象って、言ってもなぁ……見た目で言っていくしかねぇんじゃねぇの、コレ……本田って、人はデカいから……じゃあ、なんて言おう……とにかく、下手な事は言えねぇぞ……)
実況「ちょっと、言葉に詰まり気味ですかね? まぁ、対戦経験がないので、致し方ないっ! しかし、ディージェイ選手とは、一度タッグマッチでしたが、試合経験はおありですよね?」
ヤムチャ(コレ、助け船のつもりなのか……? でも、そっちで来るのかよ……今は、本田さんの印象を考えてたのにっ……!)
実況「ディージェイ選手にはどのような印象をお持ちですか!? 因みに私は陽気な男っ! その一言ですっ!」
ヤムチャ「あ〜、え〜っとね……ディージェイとは一度戦いましたが……その時はですねぇ……」
実況「おっとおっと、少々お待ち下さいっ! その陽気な男が、動きましたっ! どうやら、E.本田にゆっくりと近づいて……何をしでかすんだ!?」
ヤムチャ(今、言おうとしてたじゃん、ディージェイの印象をよぉ……! なんで、このタイミングで動くんだよ! 俺、何も言えねぇじゃねぇかよっ!)
69:
ディージェイ「Oh! アンタ、楽しそうだな!」
本田「なんじゃ、お前は……ニヤニヤしやがって、気持ち悪い奴でゴワス」
ディージェイ「喋り方は、ちょっと変わったリズムだ」
本田「コレがワシの喋り方でゴワス」
ディージェイ「ワーオッ、 凄い腹! 声とは別のリズムを刻んでる」ポンポン
本田「な、なんじゃ、お前は……! 人の腹を触るでないっ……! コレは太鼓などではないわっ!」
クスクス……クスクス
実況「おぉ〜っと! ディージェイは、本田のあんこ体型に興味津々と言った所か!? 本田のお腹をポンポンと叩いておりますっ!」
ヤムチャ(……なぁ〜に、やってんだ、アイツは)
実況「しかし、コレはある意味失礼な行為だっ! ディージェイっ! 相手を間違えると、酷い目に合うぞ!?」
ディージェイ「う〜ん……ファンタスティックっ!」
本田「……じゃかぁ〜しいわっ! この、ド阿呆がっ!」バチーンッ
ディージェイ「……プゲっ!」
実況「おぉ〜っと、やはり、そうなったっ! 本田も怒ったっ! 怒りの張り手をディージェイにお見舞いだぁ!」
ヤムチャ(……何やってんだか)
実況「まだ、ゴングは鳴らされてもいないというのに……こいつは、いけませんねぇ、ヤムチャさん?」
ヤムチャ「えっ……? あ、あぁ……はい……そうですねっ……!」
70:
クスクス……クスクス……
ディージェイ「うおおっ、Mr.本田……酷いよ……」クラクラ
本田「レフェリー、ゴングじゃ! ゴングを鳴らせぃ! さぁ、試合の始まりじゃあ!」
ダン「オーケー、よしっ、それじゃあ、ゴングを鳴らせっ! ゴングをよぉ!」
カーンッ
実況「さぁ、そして、今戦いの鐘の根が響き渡りましたぁ!」
ヤムチャ(やべぇぞ、やべぇぞ……これ、話に入っていくタイミングがねぇ……! こんな調子じゃ、何にも言えねぇよ……とにかく、何か言わないと……何でもいいから言わないと……!)
実況「E.本田対ディージェイ……試合開始ですっ!」
ヤムチャ「え〜っと……本田さんが……責めたらいいんじゃないですかねぇ……?」
本田「さぁ、何処からでもかかって来いっ! 小僧っ!」
ディージェイ「……う、うおっ」
実況「いやっ、本田は受けますっ! 両手を大きく広げ……何処からでもかかって来いと言わんばかりのポーズだぁ!」
ヤムチャ(言ったら言ったで、外れるのかよ、ちくしょうっ……!)
71:
ディージェイ「Mr.本田……ゴングが鳴らされてもないっていうのに、酷いよ……」
本田「ガーッハッハっ! どうした、怖気付いたかぁ! ホレ、かかってこんかぁ!」
ディージェイ「よ〜し、それじゃあ、ミーのファンキーなビートを見せてあげるよ……はぁっ!」シュッ
本田「……うおっと」
ディージェイ「シュッ……! さぁさぁ、ファンキーに行くよ〜!」シュッ
本田「……いい蹴りじゃな!」
実況「さぁ、ディージェイが仕掛けます! 前方に踏み出しつつのソバット! そしてクルリと回転しながら、もう一発っ! 得意の蹴り攻撃……ダブルローリングソバットだっ!」
ヤムチャ(アイツ、アレばかりだよなぁ……って、言いたいけど……コレは、言っちゃダメな言葉……ちくしょう……何、言えばいいのかねぇ……)
ディージェイ「ヘイヘイ〜! ファンキーにいこう〜! はぁっ、はぁっ!」シュッシュッ
本田「おっと、おっと……なかなか、やる相手でゴワスな……」
実況「ディージェイがリズム良く打ち込んでいくっ! 連続でのダブルローリングソバットだぁ! ディージェイの身体がクルクルと回転しますっ!」
ヤムチャ(打撃戦を仕掛けようとしている……って事を言えばいいんだよな……? だから、え〜っと……どういう風に言えばいいんだ……?)
実況「あぁいう連続での攻撃って、自身の目が回ったりしないんですかねぇ、ヤムチャさん!?」
ヤムチャ「えっ……!? そ、そんな事、知りませんよ……!」
実況「あら、そうですか! さぁさぁ、ディージェイの攻撃はまだまだ続くっ!」
ヤムチャ(な、なんだよ……変なタイミングで、話しかけて来やがって……アレ……? 俺、何言おうとしてたんだっけ……?)
72:
ディージェイ「ヘイヘイ、ファンキーいこうっ!」
本田「甘いわ、小童がぁっ! ホレ、いくぞっ……!」
ディージェイ「……んっ?」
本田「……ドースコイっ!」バチーンッ
ディージェイ「……ブゲッ」
実況「おっと、しかしここは本田がよく見ていたか!? カウンターの掌底をディージェイにお見舞いだぁ!」
ヤムチャ「……おぉ」
実況「……というより、本田は相撲スタイルなのですから、掌底というより、張り手の方が正しいのかもしれませんねぇ、ヤムチャさん?」
ヤムチャ「えぇっ……!? あっ、はい……」
ディージェイ「うおおっ……Mr.本田……ミーの攻撃は、まだ終わってないよ……」フラッ
本田「先〜ずは、相撲の素晴らしさを、世界にアピールじゃっ! ホレ、もう一発いくぞ! ドースコイっ!」バチーンッ
ディージェイ「……フガっ!」
実況「さぁさぁ、本田はゆったりとした構えから……張り手をもう一発だぁ!」
ヤムチャ(凄い張り手の音ですね! いや、何か違うな……そういう事じゃない……解説って、そういう事じゃないだろ……!)
実況「激しい張り手の音が響き渡るっ! いやぁ、聞いているだけでも痛いっ! やはり、あの体格から繰り出される張り手には威力があります!」
ヤムチャ(言ってもいいのかよ、ちくしょうっ ……!)
73:
本田「ホ〜レ、連続でいくぞ〜! ドースコイっ!」バチーンッ
ディージェイ「……ウゲ」
本田「ホ〜レ、ドースコイっ!」バチーンッ
ディージェイ「……フガ!」
実況「さぁ、本田が体勢を低くして、連続でゆったりとした張り手をディージェイに浴びせていくっ!」
本田「ドースコイっ! ドースコイっ! ドースコイっ!」バチーンッ
ディージェイ「うっ、ぐっ……がっ……!」
実況「すり足で前進しながら、胸や顔に張り手を打ち込んでいくっ! ディージェイの身体を突っ張り突っ張り、コーナーの方へと押しやっていくっ!」
ヤムチャ(……大丈夫かな? あんなに連続で攻撃して、ディージェイ、キレたりしないかな?)
ディージェイ「Mr.本田……そんなスローなリズムじゃ、ファンタスティックな試合は……」ドスッ
本田「ガーッハッハ! コーナーに追い詰めたぞ!」
ディージェイ「……んっ?」
本田「こ〜れで、止めじゃっ……! うおおおぉぉっ!」ググッ
74:
実況「さぁ、ディージェイがコーナーに追い詰められたっ! そして本田が大きく振りかぶって……!」
本田「ドースコイっ!」バチーンッ
ディージェイ「……グガッ!」ガクッ
実況「ディージェイ顔面に強烈な張り手をお見舞いだぁ! ディージェイの身体がガクっとコーナーマットへともたれかかります!」
本田「コレが、相撲の決まり手『突き出し』じゃあ! 皆の者、よく覚えておけいっ!」
パチパチ……パチパチ……
実況「さぁ、そして本田は両手を広げて大アピールだ! 本田は声がデカいですね! よく通ります! どうやら、今のは『突き出し』という、相撲の決まり手だそうです」
ヤムチャ(ディージェイは反撃にいくのかな……? それとも、本田さんがまだ続けるのかな……? どうすっかねぇ……何て言えばいいのかねぇ……?)
実況「いやぁ〜、一つ勉強になりましたね、ヤムチャさん!」
ヤムチャ「えっ……!? あっ、はい……!」
75:
ヤムチャ(やべぇぞ……何も、言えてねぇ……! というか、この人がわざわざ話題振ってくれてるのに、それにすらマトモに答えれてねぇ……一回、落ち着こう……深呼吸だ、深呼吸……)
ディージェイ「くそっ……! 自分ばかり、いい格好して……ミーだって、負けないよっ……! はぁっ!」シュッ
本田「……ぬっ?」
実況「おぉ〜っと! しかし、ディージェイもすぐ様体勢を立て直し、本田に仕掛けるっ! 踏み込みつつのソバットだっ!」
ヤムチャ(あぁ、ちくしょうっ……! 考えが纏まってねぇってのに、動くんじゃねぇよ、馬鹿野郎っ……!)
ディージェイ「ヘイヘイ〜! ファンキーにいこうか! ダブルローリングソバットだっ!」シュッ
本田「おっと……また、それかぁ……」
実況「再び、ダブルローリングソバットを本田に仕掛けるっ! コーナーに追い詰められて、狭い空間だというのに、クルリと綺麗な回転を見せますっ! この辺りはある意味見事だ!」
ヤムチャ(さっきそれで、反撃喰らっただろ……違う責め方しろよ、ディージェイ……! それで、これは言っちゃいけない台詞だしよぉ……! ちくしょう、俺何言えばいいんだよ)
76:
ディージェイ「ヘイヘイ〜!」シュッ
本田「……うおっと!」
ディージェイ「まだまだぁ〜! ファンキーにいこうっ!」シュッ
本田「うおっと……うおっと……!」
実況「おっと、ディージェイの反撃は効いているのか!? コーナーに追い詰められた状態から、ダブルローリングソバットの連打連打で、本田を対角線コーナーまで押し返していきます!」
ヤムチャ(本田さんは……多分、喰らってくれてんだろなぁ……)
実況「さぁさぁ、ここで押し返したいディージェイっ! 上手く蹴りを当てていきます!」
ヤムチャ(あっ、だから……これを最もらしい理由で言えば、いいんじゃん……本田さんが喰らう理由……何か、ねぇか……? 最もらしい理由……何か、ねぇか……?)
ディージェイ「ンッン〜! ファンキーなビートが刻まれてきたねぇ……」シュッシュッ
本田「お、おっと……! しまった……コーナーに追い詰められてしまったか……!?」ドスッ
実況「さぁ、本田の重い張り手を顔面に喰らい……ディージェイの闘争心にも火がついたか!? さぁ、そして本田を対角線コーナーまで押し返したぞ!」
ヤムチャ(そういう事だよ、そういう事……ちくしょう、言われちゃったよ……)
実況「ダブルローリングソバットの連打連打ぁ! 本日だけで、何度この技を見たか、数え切れませんっ!」
77:
ディージェイ「ヘイヘイ、フィニッシュだっ……! フンっ!」ピョンッ
本田「……ぬっ?」
実況「おっと、そしてディージェイは、トップロープを掴みつつ……そのまま、サードロープへと飛び乗ったっ!」
ヤムチャ(……おっ、何かするのか?)
ディージェイ「よっと……! はああぁ……!」ピョンッ
本田「……何っ!?」
ディージェイ「はああぁぁっ! たあっ!」ガスッ
本田「うぐっ……!」
実況「ディージェイはサードロープの反動を利用し……そのまま高くジャンプっ! そして、その流れのまま、本田の顔面に蹴りを浴びせますっ!」
ヤムチャ(おいおい、顔面蹴りって……ちゃんと加減してるんだろうなぁ? というか、アイツ、あんな技持ってたんだね……)
ディージェイ「ヘイヘイ、ミーのファンキーな攻撃を見たかい……? Mr.本田……?」
本田「あたたた……くそっ……」
実況「体格を利用した力で責める本田に対して……素早い動きの技で責めるディージェイと言った所でしょうか!? この辺りは、お互いのファイトスタイルの違いというものなんでしょうかねぇ、ヤムチャさん?」
ヤムチャ「えぇ……? あっ、はい……」
78:
ディージェイ「ヘイヘイ〜! 皆〜、よ〜く聞いてくれよ〜!」ルンダルンダ
実況「おぉ〜っと、本田の顔面に一撃与えたディージェイは……満足気に踊り始めました! この辺りが陽気です! 陽気な男です!」
ヤムチャ(……もう、踊るのは仕方ないよね。うん)
ディージェイ「今のが、ミーの必殺技……ダブルローリングソバットだっ! 皆、覚えてくれたか〜い?」
ダン(……えっ、そっち?)
本田(……顔面蹴りじゃねぇのか!?)
ヤムチャ(お前は、何処までダブルローリングソバットに自信持ってるんだよ! そっちじゃねだろ、そっちじゃよぉ!)
実況「そして叫んだっ! 先程の本田と同じように自らの必殺技をアピールしていくっ! 目には目を……歯には歯を……挑発行為には挑発行為と言った所かぁ!?」
ディージェイ「ヘイヘイ、どうしたんだい〜? ミーの時には拍手がないのか〜い?」
実況「しかし、ダブルローリングソバットに関しては……もう、覚えた! 大丈夫だ、皆、知っている! 何故なら、貴方は沢山打ったのだもの!」
81:
本田「こりゃ、なかなかの強敵みたいだな……! ワシもウカウカしてられんっ……! フンっ……!」ガシッ
ディージェイ「ヘイヘイ、待てよ、Mr.本田……! ミーのアピールはまだ終わって……」
本田「黙らっしゃいっ……! うおおおぉぉっ!」ググッ
ディージェイ「おっ、うおっ……!」
実況「本田も、すぐに体勢を立て直し……そして、踊っているディージェイを掴みにかかるっ! そして持ち上げたぁ!」
本田「ボディスラムでゴワスっ! ドースコイっ!」ドシーンッ
ディージェイ「……ぐっ!」
実況「そして、ディージェイの身体をマットに叩きつけるっ!」
ヤムチャ(おぉ、本田さんのボディスラムは、何か力強い感じがするな……)
実況「力強いボディスラムっ! やはりこの辺りは、体格差が生きているんでしょうかねぇ、ヤムチャさん?」
ヤムチャ「えっ……? あっ、はい……そうですね……!」
実況「さぁさぁ、技で返されたら、今度は力で責めるっ……! この辺りは、違ったタイプの人間戦いである醍醐味だぁ!」
ヤムチャ(ちくしょう……今のは、言っていい事だった……! ダメだ、黙ってたら、結果は残せねぇ……全部取られちまう……思った事はすぐに言っていかねぇと……!)
82:
本田「さぁ、いくぞっ……! うおおおぉぉっ!」ピョンッ
ディージェイ「……うぐぐ」
実況「さぁ、ボディスラムでディージェイダウンさせて本田は……その場で高くジャンプっ! 体格からは想像出来ないような、高い高いジャンプだ!」
ヤムチャ「おぉ、凄ぇ……あの体格で飛べるんだ……」
本田「そ〜れ! 百貫落としィ〜!」ズドーンッ
ディージェイ「……ぐああああぁぁっ!」
実況「そして、そのまま自身の巨体のディージェイの上に落としていくっ! 変則的なセントーン! 尻から落ちるセントーン! 百貫落としだ! 本田の百貫落としっ!」
ヤムチャ「うわぁ、あれが、振ってきたら……ねぇ……?」
実況「……何せ、百貫ですからね? ディージェイも苦しそうです!」
ヤムチャ「……百貫?」
パチパチ……パチパチ……
本田「コレがワシの百貫落としじゃ! どうだ、見たか!?」
ディージェイ「うぐぐ……うぐぐ……」
83:
実況「ヤムチャさん、『貫』というのはですね、重さの単位で……大体、一貫が約3.75キログラムなわけなのですよ?」
ヤムチャ(えっ、何……? 何……? いきなり何の話してるの……この人……?)
実況「つまり『百貫落とし』というのは……3.75キロの100倍! 375キロの体重がディージェイにのしかかるという技なんですね!」
ヤムチャ「あっ、そうなんですか……375キロの体重……それは、凄いですね……」
実況「本田の体重は137キロ! しかし、あれだけの跳躍をして……ディージェイにのしかかったら、約三倍……百貫である375キロ分の体重も瞬間的には、かかってしまうんでは、ないですかねぇ?」
ヤムチャ「137キロもあるんですか……でも、高く飛んでたし……それくらいかかってしまうかもしれませんねぇ……?」
実況「あれは、そういった、自らの体格を生かした……恐ろしい技なのですよ!」
ヤムチャ「そうですよねぇ……ディージェイも百貫落とされて……苦しんでいますねぇ……」
本田「ガーッハッハ!」
ディージェイ「ううっ……ううっ……」
実況「ヤムチャさんも、ひょっとしたら本田と戦う機会が来るかもしれませんっ! その時は、あの技には気をつけて下さいよ!? マトモに喰らえば、病院送りは間逃れませんよ!?」
ヤムチャ「う〜ん、怖い技ですね……本田さんって人は……あんなに動ける人だなんて、ちょっと想像してなかったです……」
実況「では、試合の実況に戻りましょうか! ヤムチャさん!」
ヤムチャ(あれ……これって、もしかして……あまり喋ってない俺に対して、話題振ってくれた……?
実況「さぁさぁ、本田……! ここからどう攻めるっ……!?」
ヤムチャ(しまった……! そういう事だったら、答えは違うんじゃねぇか……!? 『空手軍団は百貫落とされて、やられるようなヤワな集団じゃありませんよ』が正解だったんじゃねぇか……? 俺、何て答えた……何て答えたっけ……!?)
94:
ディージェイ「ううっ……そんな醜い、ブクブクした体型でのしかかるなんて……Mr.本田……酷いよ……!」ムクッ
本田「こいつは、あんこ体型という、力士の理想像じゃあぁ! 何も知らん癖に、ゴチャゴチャ抜かすではないっ!」
ディージェイ「アスリートってのは、余計な脂肪をつけてはいけないんだよ……理想の体型ってのは、ミーみたいな絞られた筋肉と……」
本田「じゃあかぁしいわいっ! ホレ、とっととかかってこんかぁ!」
実況「さぁさぁ、百貫落としを喰らったディージェイは、なんとか立ち上がる! だがしかし、少々苦しそうだっ!」
ヤムチャ(くそっ、何か言おうっ……! 話題を振ってもらってから答える……じゃなくて、俺から何か言おうっ!)
実況「一方、本田は、そのディージェイの動きを悠々と眺めている……と、いった所でしょうか? 少々、本田のペースになってきたか!?」
ヤムチャ「あの〜、本田さんの……落ち着いてる感じって、いいですね……?」
実況「ほう、落ち着いてる感じとは……!? ヤムチャさん!?」
ヤムチャ(えっ……!? おい、そこ食いついてくるのかよ……! やべぇ、やべぇ……何か答えないと……)
95:
ヤムチャ「え〜っと、何て言えばいいんですかねぇ……? 慌ててる素振りがないって言うか……」
実況「……冷静に、自分のペースに持っていって戦ってると?」
ヤムチャ「あっ、そうそう! そういう事です!」
ディージェイ「くそっ……! ミーだって、負けてられないよ……! はぁっ!」シュッ
本田「おぉ〜っと、来たかぁ……!」
実況「さぁ、ここでディージェイが仕掛けた! 軽くジャンプしながらの右足でのキックっ! 本田の肩口辺りに打ち込みます!」
ヤムチャ(あっ、ディージェイが仕掛けてくれた……おぉ、よかったよかった……やべぇやべぇ……ゴールが見えてねぇのに、話を切り出すのも、考えもんだな、コレ……)
実況「しかし、本田は余裕綽々の表情でその蹴りを受けるっ! この辺り、肝っ玉が据わってるというか……やはり、自分のペースで戦っているような感じが見受けられますねぇ、ヤムチャさん?」
ヤムチャ(えっ、嘘っ……!? この話、まだ続けるの……!?)
96:
ディージェイ「もう一発、いくよっ! はぁっ!」シュッ
本田「なかなか元気のある小僧じゃの……! だが、ワシにはそんな、ヘナチョコ攻撃なんぞ、効かんぞ……?」
ヤムチャ(何で、話題振ってくるんだよ……もう、ねぇよ……! 思いつきで言っただけだよ……と、とにかく、何か答えねぇと……!)
実況「さぁ、ディージェイがもう一発、打ち込むっ! ジャンプしつつのキックだっ! 今度は、左足でだ!」
ヤムチャ「え〜っと……ホラ……? 今も落ち着いている感じがするっていうか……本田さんのペースなんじゃないんですかねぇ……?」
実況「本田も結構、キャリアは長いですからね! やはり、この辺りは『若僧なんかには、負けないぞ!』なんて、本田の意地なのかもしれませんね!?」
ヤムチャ「……あっ、そうなんですか」
ディージェイ「くそっ……醜い脂肪のせいで、攻撃が効いているのか効いていないか、わからないよ……くそっ、こうなったら……!」
本田「じゃかぁしいわいっ! お前、結構失礼な奴だな!? 相撲を侮辱すると、許さんぜよっ!」
ディージェイ「ファンキーにいくよっ! ダブルローリングソバットだっ!」シュッ
実況「しかし、ディージェイにも、若さという勢いがあるっ! ここで、再び得意技のダブルローリングソバットを本田に仕掛けるっ!」
ヤムチャ(また、それかよ、おいっ……! ディージェイ、違う技打ってくれ……違う技をよぉ……! 俺、何て言えばいいかわかんねぇよ、もう!)
97:
ディージェイ「……はあっ!」シュッ
本田「……一撃目」
ディージェイ「そして、ターンして……もう一発っ……!」クルッ
本田「二撃目っ……ここじゃあ! うおおおぉぉっ!」ガシッ
ディージェイ「……あれっ?」
実況「しかし、本田はよく見ていたっ! ディージェイがターンするタイミングに上手く合わせて、その背後を掴んだぁ!」
ヤムチャ「……おっ、上手い」
本田「そ〜れ、持ち上げるぞ……! よぉ〜っこいっしょ〜!」ググッ
ディージェイ「ヘイヘイ、Mr.本田っ……! 今はミーの攻撃の……」
本田「ホーレ、ドスコーイっ! バックドロップじゃあぁ!」ドシーンッ
ディージェイ「……うぐううっ!」ズドーンッ
ヤムチャ(あっ、そうだっ……! 言わねぇと……!)
実況「そして、そのままディージェイの身体を、マットへと叩きつけるっ!」
98:
ヤムチャ「力強いバックドロップですねっ!」
実況「本田の力強いバックドロップが炸裂っ! これは、ディージェイもダメージがあったか!?」
ヤムチャ(や、やったぞっ……! 言えたぞ……! 自分から言えたっ……!)
実況「……どうですかねぇ!? 今のは、ディージェイにも効いているんでしょうか、ヤムチャさん?」
ヤムチャ「えっ……? あっ、はいっ……! 効いてると思いますよ……!?」
実況「ディージェイのダブルローリングソバットを、そのまま掴んで投げ飛ばしたぁ! この辺りが本田の上手さでしょうか!?」
ヤムチャ(な、なんだよ……休んでいる暇がねぇ……!)
パチパチ……パチパチ……
本田「ガーッハッハ! 何度も何度も同じ技を、見せられると……こっちだって、それなりの対応は出来るでゴワスっ!」
ディージェイ「……くそっ、Mr.本田は自分勝手なことばかりっ!」
実況「さぁ、上手くカウンターで投げ飛ばした本田っ! 場内からは暖かい拍手だぁ!」
ヤムチャ(軽い気持ちで言っただけなのに……話が膨らんじまうっ……! でも、何か言わなきゃ、結果は残せねぇ……! くそっ、やっぱり、プーアル連れてくるべきだったんじゃねぇか、コレ……!)
99:
本田「さぁさぁ、皆の者〜! もう一発行くぞ〜! 百貫落としじゃ〜!」
実況「さぁさぁ、本田が拳を突き上げ、場内を見渡しながら、大アピールっ! どうやら、百貫落としを狙っている模様だぁ!」
ヤムチャ(う〜ん……今の所、ディージェイにいい所ねぇな……だけど、これは言っちゃいけない台詞だ……)
本田「さぁさぁ、こいつで終わらせてやろう……高く飛ぶ為には、先ずは準備運動からじゃ……よいしょ〜っ!」ドシーンッ
ディージェイ「……ううっ」
実況「さぁ、本田は、ダウンしているディージェイの隣で大きく大きく四股を踏み鳴らしますっ! マットが揺れるっ! リングの上は、只今震度2弱か!?」
ヤムチャ(ディージェイ……ちょっとぐらいは頑張ろうぜ……? お前、今いい所ねぇぞ……? これは、避けてもいいんじゃねぇか、おい……?)
本田「さぁ、いくぞおっ! ソ〜レ、百貫落としじゃあ〜!」ピョンッ
実況「そして、本田が高く高く高く跳んだぁっ! ディージェイの身体目掛けて落ちてくるっ! 百貫落としィ!」
100:
ディージェイ「……させないよっ!」コロッ
本田「……ぬっ?」
実況「おっと! だがしかし、ディージェイは、横にコロリと転がって移動したぞっ!?」
ヤムチャ「……おっ?」
本田「……し、しまったっ! 逃げられたかっ!」
ディージェイ「ハハハ、Mr.本田! 同じ技を、何度も何度も繰り返すのは、よくないよ!」
実況「本田の身体が、天高くから落ちて来たが……! その下には誰もいないっ! ディージェイがタイミングを合わせて、上手く逃げたぁ!」
本田「うおおおぉぉっ……あ痛あぁぁっ……!」ドシーンッ
実況「そして、本田が大きく大きく尻餅ィっ! 百貫落としは不発に終わったぁ!」
ヤムチャ(よし、今のは、いいんじゃねぇか、ディージェイ。 ここから、お前が、いい所作れ!」)
実況「いやぁ〜、今のは、ディージェイはよく見てましたねぇ、ヤムチャさん?」
ヤムチャ「えっ……? あっ、はい……よく見てたと思います!」
101:
本田「あぁっ……ケツが……ケツが、真っ二つに、割れた……!」
クスクス……クスクス……
実況「さぁ、本田は、前屈みの体勢になって……両手で、お尻を抑えて苦しんでいますっ! 激しく尻をマットに打ち付けて、本田もさぞ痛い事でしょう!」
ヤムチャ(……あっ、本田さんって人も、ブランカさんみたいな事するのね)
ディージェイ「ヘイヘイ〜! 今のが、ミーの必殺技……『死んだふり作戦』だよ〜? どうだい、凄いだろう?」ルンダルンダ
クスクス……クスクス……
実況「そして、尻を抑えて苦しむ本田の背後でディージェイが陽気に踊る踊るっ! 何だこの光景は! もう一度言うっ! 何だこの光景はっ!」
ヤムチャ(お前は、踊らなくていいよ! あの人が、ケツ抑えて苦しんでるだけで、面白ぇんだから……も〜う、バカっ!)
本田「ううっ、くそっ……しかし、ワシは負けんぞ……!」
ディージェイ「ヘイヘイ、Mr.本田……早く立ちなよ……そんな体勢じゃあ、ミーはファンキーなビートは刻めないよぉ〜?」ルンダルンダ
実況「さぁさぁ、ディージェイは陽気に踊りつつも……本田が立ち上がるのを待っているんでしょうか? 何かを狙っている気配がしますっ!」
ヤムチャ(アレ、コレ……本田さんが立ち上がるの待ってるの……? じゃあ、俺の間違いだ……それでいいよ……ディージェイ、バカって言って、ゴメンね……)
102:
本田「くそっ、ケツは痛いが……負けないでゴワスよ……」ムクッ
ディージェイ「ヘイヘイ、Mr.本田……! ファンキーにいくよ〜!」ダダッ
実況「さぁ、本田も尻の痛みから解放されたか!? 今、ゆっくりと立ち上がるっ! しかし、その背後からディージェイが突っ込んで来ているぞ!」
ディージェイ「ソーレっ! ニーショットだっ! たぁっ!」ガシッ
本田「……オゴっ!」
ディージェイ「……よっと!」シュタッ
実況「さぁ、そして前屈みになっている本田の後頭部に、ニーアタックっ! ジャンプして膝をぶつけていきますっ! ディージェイはそのまま、本田の身体を飛び越えて、正面に背を向けて着地っ!」
ディージェイ「さぁ、そして……ここからターンしつつ……はぁっ!」ガスッ
本田「……うおっ!」
実況「そして、そのままターンしつつのソバットを本田に仕掛けるっ! 上手く、土手っ腹にヒットしたか!?」
ヤムチャ(お、おい……ディージェイ、お前……まさか……)
103:
ディージェイ「ヘイヘイ、ファンキーにいくよ〜! ダブルローリングソバットだっ!」シュッシュッ
本田「おいおいおいっ……! 勘弁してくれよ……!」
実況「そして、正面から仕掛けたっ! ダブルローリングソバットっ! 再び、ディージェイの身体が回転ゴマと化するっ!」
ヤムチャ「あぁ、もう……! ディージェイっ……!」
実況「……おぉ〜っと、ヤムチャさん、深い溜息ですねぇ!」
ヤムチャ(あっ、やべぇ……思わず、声が出ちまったっ……! マ、マズいっ……!)
実況「どうなされましたか? ヤムチャさん!?」
ヤムチャ(しかも、話題を振ってきやがった……やべぇ、コレは……何か答えないと……何か答えないとマズいっ! 落ち着けっ……落ち着け、俺っ……!)
ディージェイ「ヘイヘイ、リズムを刻んでいこうっ! 飛び切り、ファンキーにねっ!」シュッシュッ
104:
ヤムチャ(今日の試合……ディージェイは、あの技ばかり繰り返してる……同じ技ばかり続けると、ブーイングを喰らっちまう事になる……これは、言っちゃいけない事……)
ダン(……おいおい、ディージェイの野郎、違う事をしろよ)
ヤムチャ(でも、俺が感じてるって事は……やっぱり、ダンさんも、本田さんも……そして、この実況の人達も感じてる事だと、思う……さっき、やんわり『しつこい』みたいな事、言ってたしな……)
本田(おいおい……他に技、ないのかよ……? ここは、ワシが止めなきゃいけない場面じゃなぁ……)
ヤムチャ(黙ってりゃいいハズの実況の人が、やんわりと警告するって事は……やっぱり、お客さんも、薄っすらと感じてるからこそ、だよなぁ……? だから……言ってはいけない……って事では、ないんだよ……)
実況「さぁさぁ、ディージェイが仕掛ける仕掛けるっ! 連続でのダブルローリングソバットっ! こいつはディージェイの得意技でしょう! これでリズム作って、自分のペースに持っていこうとしているんですかね?」
ヤムチャ(言葉を選んで……言ってはいけない場所に、踏み込まないようにしながら、言えば……きっと大丈夫なハズだ……! もう、溜息はついちまったんだ……上手い事、フォローしてやらねぇと……ディージェイをバカにしただけで終わっちまう……)
105:
ヤムチャ「あっ、ちょっと、いいですか……?」
実況「あっ、どうぞどうぞ、ヤムチャさん!」
ヤムチャ「え〜っとね……さっきの溜息の理由なんですけど……ちょっと、ディージェイ……選手の、攻撃がですね……?」
実況「はい! ディージェイ選手攻撃が!?」
ヤムチャ「え〜っと……ちょっと、一辺倒と言いますか……ひ、一つの技に固執しすぎと言いますかね……?」
実況「確かにっ! 本日のディージェイはダブルローリングソバットを多用しながらの、ファイトスタイルですね!」
ヤムチャ「もう、少し、なんていうか……その、なんというかね……?」
実況「……臨機応変に攻めろと?」
ヤムチャ「そ、そうです……! そんな感じですっ!」
ディージェイ「ヘイヘイ〜! ファンキーなビートが刻まれてきたよ〜!」シュッシュッ
本田(くそっ、反撃するしかないのか……? ワシの攻撃ばかりになってるじゃないか……!)
実況「さぁさぁ、ディージェイのダブルローリングソバットは続く続くっ! 陽気な男の回転ゴマァ!」
ヤムチャ(ダ、ダメだ……! 何だか、悪意のある言葉になっちまってる……! フォローだ! 何とか、フォローしておかないと!)
106:
ヤムチャ「いや、でもねぇ……アレも型にはまるって言うか……上手くいけば、強いと思うんですよ……あの、実際自分も、ディージェイ選手と戦った事あるんですが……あぁいうのに、苦しめられましたしね……?」
実況「ほ〜う! 型にハマれば、強いと!」
ヤムチャ「はいっ……! でもねぇ、本田さ……選手にあってるのか……って、言われたら……」
ディージェイ「ヘイヘイ〜! まだまだ、いくよ〜!」シュッシュッ
本田(くそっ……もう少しだけ、打たせてやろう……早く違う技を打ってくれ……!)
実況「確かに! 技を受けている本田は……まだ、何処か余裕のある表情と言うか……ジッっと反撃のチャンスを待っているという感じにも見えますね? やはり、この辺りは体格なんですかね?」
ヤムチャ「そうでしょうね。体格です。やっぱり、大きい人ですからね」
実況「……相手によって、向き不向きの戦い方があると?」
ヤムチャ「そうです、色々戦い方ってあるじゃないですか……? 投げてみたりだとか……ロープの反動利用してみたり……だとか……?」
実況「確かにっ……! ヤムチャさんも『空手軍団』という、空手スタイルで戦っていますが『狼牙風風拳』の他にも『ウルフバスター』なんて、打撃以外での、必殺技を持っておられますもんね?」
ヤムチャ「自分の時は……アレに苦戦しました……やっぱり、いい蹴りでしたからね……ただ、本田さん相手には、どうかな……なんて、思いましてね……? そ、そういう意味での、溜息でした……」
実況「なる程っ! ヤムチャさん、ありがとうございます!」
ヤムチャ(おぉ、話が終わったか……大丈夫か……? 俺、ちゃんとディージェイのフォロー出来てたか……!?)
107:
ディージェイ「さぁさぁ、まだまだいくよ〜!」
本田「……いい加減にせんかぁ! この小童がっ! フンっ……!」」グイッ
ディージェイ「ヘイヘイ……Mr.本田……?」
実況「おぉ〜っと! ここで本田が、タイミングを合わせて、正面からディージェイを掴みにかかるっ! ディージェイの腰回りに手を回して……そのまま抱えあげたっ!」
本田「そ〜れっ! 鯖折りじゃ〜いっ! どっこいしょ〜っ!」ググッ
ディージェイ「アガガ……うぐっ……うぐぐ……」
実況「そして、そのまま締め付けて、ディージェイの腰にダメージを与えていくっ! 本田のベアハッグだっ! やはり、本田は落ち着いてカウンターを狙っていたぁ! この辺りはヤムチャさんの読み通り!」
ヤムチャ「……えぇっ?」
本田「ほ〜れ、ディージェイ……! お前、ちっと同じ技、打ちすぎじゃないのか……? このままワシの話を聞いてもらおうか……!」ググッ
ディージェイ「あだだっ……! 痛いっ……痛いよ、Mr.本田っ……! 離してくれよっ……!」モガモガ
本田「こ、こらっ……! 暴れるんじゃないっ……!」
実況「さぁ、ディージェイは身体を横に振り、足をバタつかせ、かなりもがき苦しんでいるっ! しかし、本田は逃してはくれませんっ!」
110:
実況「さぁさぁ、ヤムチャさんが警告した通りの展開となってしまいましたが……やはり、ディージェイの攻撃は少々、一辺倒すぎたか!?」
ヤムチャ「いやいや……! 警告って……そういう事では、ないですよ……」
実況「ちなみにねぇ、先程のヤムチャさんの説明……画面上では見えないかもしれませんが……身振り手振りをつけて……非常に熱心に、ご説明して下さいました!」
ヤムチャ「や、やめて下さいよ……!」
実況「その説明している姿を、お見せ出来ないのが、残念ですね! しかし、断言しましょう! ヤムチャさんは真面目な方です! それは、この私が保証致しますっ!」
ヤムチャ「あっ、はい……ども……」
ダン「オイ、ディージェイ! ギブアップか? ギブアップするのか!?」
ディージェイ「ギブアップなんて、しないよ! Mr.本田が離してくれないんだよっ……!」
本田「落ち着け……! ワシの話を聞かんかっ……!」
実況「さぁ、レフェリーが今、ディージェイに駆け寄ってきましたが……ディージェイを首を振って、まだまだ、大丈夫だと、アピールしています!」
112:
実況「それでは、今の間に……本日のゲスト解説……ヤムチャさんに、お話を伺っていきましょうか!?」
ヤムチャ「……えっ?」
実況「どうですか? 初解説という事でね……最初は随分と緊張なされてたみたいですが……もう、慣れて来たんではないでしょうか?」
ヤムチャ「え〜、いやぁ〜……まぁ、まだ緊張してますかね……?」
実況「結構、リングの上でのヤムチャさんと解説のヤムチャさんでは、印象が違いますね!? もっと、リング上ではバッチバチに戦っているイメージですよ!」
ヤムチャ「あっ、そうですか……?」
実況「最近はねぇ……『ギャップ萌え』な〜んて、言葉もあるんですよ? もしかして、ヤムチャさんは、そこを狙っているんですか!? いやらしいお方だ!」
ヤムチャ「……ギャップ萌えって、何ですか?」
実況「まぁ、女性にモテる為の秘訣みたいな物ですね! 因みに私は犬好きです! どうですか、皆さん! こんな私にギャップ萌え感じませんかね!?」
ヤムチャ「そういう秘訣があるなら……聞いてみたいですけど……コレ、試合中にする話ではないですよねぇ……? ねぇ……?」
実況「どうやら、ヤムチャさんはかなりの天然で真面目なお方のようだ! ヤムチャ選手とは、こんな人です! 皆さん、どうですか、参考なったでしょうか!?」
ヤムチャ「……えっ、天然なんだ、俺?」
実況「さぁさぁ、試合とヤムチャさんの初解説はまだまだ続くっ! それでは試合に戻っていきましょう!」
113:
本田「……わかったな? もう、ダブルローリングソバットは禁止だ! いいなっ!?」
ディージェイ「どうして、Mr.本田にそんな事を決められなきゃいけないんだよ……」
本田「じゃかぁ〜しいっ! 若手の分際でワシに文句を言ってるんじゃねぇ……! ホレ、早くワシを蹴って、逃げ出せっ……!」
ディージェイ「皆、皆どうして、ミーのやりたいようにやらせてくれないんだ……くそっ、フンっ……!」ガスッ
本田「……うおおぉっ」バタッ
実況「おぉ〜っと、ここで無理矢理、ディージェイが抜け出したか!? 持ち上げられつつも、足でググッと本田の腹を押して、蹴飛ばしたぁ! 両者の身体が離れますっ!」
ディージェイ「ミーは、リズム良く、ビートを作っていくファンキーな試合したいんだっ!」
本田「なぁ〜にを、言っておる、馬鹿者がぁ! 出来もせん事を、大口抜かすではないっ!」
実況「さぁ、そして両者がほぼ同時に起き上がる! 今日の試合……完全に本田のペースと言った所かぁ!?」
ヤムチャ(本田さんも、ベテランなのかな……? でも、俺がアレだけ苦戦した相手が、あっさりやられてんの見るのって嫌だなぁ……ディージェイ、一つでいいから、何か凄い事、やってくれよ……踊りはもう、いいからさぁ……?)
133:
本田「さぁ、かかって来ぉいっ! ディージェイっ! ワシには、そのキックは通用せんぞっ! どうする、一発投げてみるかっ!?」
ディージェイ(Mr.本田は自分勝手な事ばかりっ……! なんだよ、くそっ……!)
実況「さぁ、本田はまだまだ、余裕綽々といった感じか!? 両手をガバッと広げ、何処からでもかかって来いと言わんばかりの態度だっ!」
ヤムチャ(ここだぞ、ここ……ディージェイ……わかってんな……?)
本田「ワシのような、力強いボディスラムを見せてみぃっ! チンケな蹴りじゃなくてなっ!」
ディージェイ「ダブルローリングソバットの事を、バカにすると……!」
本田「じゃかぁ〜しいっ! ホレ、早よ来んかぁ!」
ディージェイ「……くそっ!」ガシッ
実況「さぁ、そんな本田に対して、ディージェイは正面から掴みにかかったっ!」
ヤムチャ「……よしっ!」
実況「おっと、ヤムチャさん……? 『よしっ』なんて声が出ましたね?」
ヤムチャ(あっ、ヤベっ……また、声出ちまった……)
134:
ヤムチャ「あっ、いや……え〜っと……ディージェイが責め方変えてきたなぁ……なんて、思いましてね……?」
実況「そうですねぇ! この辺りはディージェイも切り替えてきましたっ! 蹴りでダメなら、投げならどうだっ!? そういった感情が伺えます!」
ヤムチャ(はぁ……多分、本田って人が……さっき、ディージェイの身体を掴んでる時に、何か言ったんだろうな……もしくは、ダンさんか……とにかく、ディージェイ……頑張れ……)
ディージェイ「……ふんんっ!」ググッ
本田「ガハハ! どうした、どうした!? ひ弱な小僧じゃな……!」
ディージェイ「なんだよ……Mr.本田……踏ん張ってるんじゃないよ……!」
実況「おぉ〜っと、しかし、ディージェイは本田の身体を持ち上げる事が出来ないっ! やはり、137キロの体重っ! 少々、厳しいかっ!?」
ヤムチャ(本田さん、意地悪してんじゃねぇよ……! 投げさせてやれよっ……!)
ディージェイ「Mr.本田っ……! なんで、邪魔をするんだっ……!」ググッ
本田(……流石に、137キロのワシが、こんな小さな小僧に、あっさり投げられるワケには、いかんじゃろ)
135:
ディージェイ「くそっ、くそっ……そこまでして、自分のいい所を見せたいのか……!? ミーに、こんな事をさせてまで……」ググッ
本田「ガハハ、どうしたどうしたぁ! 元気がないなぁ、飯食ってきたのか!? ちゃんこを食え、ちゃんこを!」
実況「さぁさぁ、ディージェイは本田の巨体に手こずっている模様! 本田は、そんなディージェイを悠々と眺めています!」
ヤムチャ(あぁ……もうっ……!)
実況「ちょっと、本日の試合……ディージェイはペースを掴めていませんねぇ、ヤムチャさん……?」
ヤムチャ「えぇ……? あっ、そうですねぇ……」
ディージェイ(なんだよ、このMr.本田って人は……! プロレスがわかってないよ……! 相撲に帰れっ……!)
本田(なんかしてみぃ! お前も、半年間やってるんじゃろっ! ホレ、ホレっ……!)
ヤムチャ(あぁ、もうっ……! 何やってんだよ、ディージェイ、ちくしょうっ……! お前が掴んでるだけの試合は、つまんねぇぞ、わかってんのか……!?)
実況「おぉ〜っと、ヤムチャさんが、か〜なり渋い表情でディージェイの事を見つめてますねぇ……?」
ヤムチャ(えっ……俺、何も言ってねぇのに、話題振ってくるの……!? 表情すらいけねぇのかよ……! と、とにかく、答えねぇと……!)
137:
ヤムチャ「え〜っと……だからね……? これ、切り替えた方がいいんじゃないかって、思いましてね……?」
実況「確かに! 137キロの巨体を持ち上げるのは、少々ディージェイには、荷が重いか!?」
ヤムチャ「ねぇ、そうでしょ……? 137キロもあるんだったら……やっぱり、投げるのは、ねぇ……?」
実況「……ディージェイは、どういけばいいですかねぇ? これは難しいですねぇ」
ヤムチャ「え〜、それは……」
実況「やはり、この辺りは……キャリアの差か!? 本田の方が、一枚も二枚も、ディージェイより上手な気がします!」
ヤムチャ「……ダ、ダブルローリングソバットとか?」
実況「おっと、再び、ここでダブルローリングソバットを本田に仕掛けるというんでしょうか? 結構、アレも通用してなかったような気がしますよ?」
ヤムチャ「だって、それしか……ないでしょ……? このまま続けてても……ねぇ……?」
実況「まぁ、そう言われれば、そうなりますかも知れませんね!?」
ヤムチャ「本田さんだって、ねぇ……? いつまでも……あんな、余裕綽々に待っててはくれませんよ……」
138:
本田(機転の利かない奴じゃのぉ、コイツは……もうダメじゃ……)
ディージェイ「くそっ、くそっ……重いんだよっ……! この肉ダルマっ……!」
本田「残念〜っ! 時間切れじゃ〜っ! よいしょぉ〜!」
ディージェイ「……んっ?」
本田「ホ〜レ、ドースコイっ!」バチーンッ
ディージェイ「……ヒギっ!」
実況「おぉ〜っと、掴みにかかっているディージェイの背中に本田が熱い〜張り手をお見舞いしましたっ! この辺りは、ヤムチャさんの警告通りっ!」
ヤムチャ「いや、だから……警告とかじゃないですって……」
本田「……誰が、肉ダルマじゃ、馬鹿たれが」
ディージェイ「あぁ、くそっ……くそっ……本気で打ち込みやがったな……この野郎っ……!」ゴロゴロ
クスクス……クスクス……
実況「ディージェイの背中に、赤い赤い大きな紅葉が浮かび上がったか!? ディージェイは倒れこみ、もがき苦しんでいます!」
ヤムチャ(ディージェイ、しっかりしろっ……! 笑われてんぞ、お前っ……!)
139:
本田(こんなに辛い10分は、久々じゃ……コーディやガイだって、もう少し出来るわ……くそっ……!)ガスッ
ディージェイ「……くっ!」
本田「……この、馬鹿たれがっ!」ガスッ
ディージェイ「……アガッ!」
実況「さぁ、本田はダウンしているディージェイに対してストンピングっ! 踏みつけていきますっ!」
本田(……なんとか、時間を稼がんとなぁ。全く)ガスッ
ディージェイ(こんな、試合ファンキーじゃないっ……! ファンキーじゃないよ……! 本気で打ち込んだんだよ、この人は……!)
本田「馬鹿たれがっ! 馬鹿たれがっ! この、馬鹿たれがっ!」ガスガス
ディージェイ「うっ……ぐっ……うぐっ……!」
実況「さぁさぁ、本田のストンピング、ストンピング、ストンピングっ! 連続でディージェイの身体を踏みつけるっ!」
ヤムチャ(もういいだろ、本田さんっ……! あんたが強いのは、わかったからさぁ……!? ディージェイにも、何かやらせてやってくれよ……!)
140:
本田(くそっ……コイツは何も出来んし、間が持たん……仕方がない……)
ディージェイ「なんだよ、この人……こんな自己中心的な人、見たことないよっ……! くそっ……!」
本田「ホレ、起きろっ! この若僧がっ!」ググッ
ディージェイ「……ううっ」
実況「さぁ、そして本田がディージェイを引き起こすっ! ここから何を仕掛けるか!?」
ヤムチャ(ディージェイ……わかってんな……ココ、チャンスだぞ……!?)
本田「……よっと、フンっ!」ググッ
ディージェイ「……まぁ〜た、その技か、ちくしょうっ!」
実況「本田は素早く、ディージェイの腰回りに手の伸ばし、抱えて掴み上げるっ! そして、締め付けるっ!」
ヤムチャ(あぁ、くそっ……)
実況「本日二度目のベアハッグっ! ディージェイの腰にさらにダメージを与えていこうという魂胆かぁ!?」
ヤムチャ(……関節技は、時間かかっちまうぞ、ちくしょう)
142:
ディージェイ「くそっ、離せっ……! 離せっ……! このデブっ……!」ジタバタ
本田「……誰がデブじゃ! 慌てんでも、離してやるわ。そ〜れ、いくぞ?」
ディージェイ「……ん?」
本田「……そ〜れっ!」ブンッ
ディージェイ「うおおぉぉ……うおおぉぉ……」
本田「……ドースコイッ!」ドシーンッ
ディージェイ「うわあぁぁっ! うぐっ!」
実況「いや、ベアハッグではないっ! 本田はディージェイの身体を抱え上げたまま……身体を横に捻り、ディージェイをスイングさせて、後方へと投げ飛ばしていきます!」
ヤムチャ「……おっ、投げたのか」
実況「本田のスロイダー! スロイダーだっ! やはり、本田に比べて、ディージェイは軽いっ! 先程と違い、あっさり投げ飛ばされてしまいます!」
本田「……技ってのは、こういう風に使うんじゃ! わかったか!?」
ディージェイ「ううっ……うるさいっ……!」
143:
本田「さぁ〜、皆の者〜! そろそろフィニッシュじゃ〜! いくぞ〜!」
パチパチ……パチパチ……
実況「さぁ、そして本田が拳を突き上げ、フィニッシュ宣言! フィニッシュ宣言だ!」
ヤムチャ(いや、大丈夫……まだ、3分ぐらいは残ってる……)
本田「さぁさぁ、いくぞ〜! 先程は失敗してしもうたからぁ……今度はしっかりと狙いをつけて……派手にいくぞ〜!」ドスドス
実況「さぁ、そして本田がロープへと走ったぁ! ドスドスを音を立てながら、ロープへ向かうっ! マットが揺れる揺れるっ! なんだか、本田の姿はカバみたいだ!」
ヤムチャ「……カバって」
本田「それそれ〜! 皆の者〜! いくぞぉ〜!」ピョンッ
ディージェイ「……ううっ」
実況「さぁ、ロープの反動で勢いをつけた本田がディージェイの元へと戻って来たぁ! そして狙いを定め……高く跳んだぁ!」
144:
本田「今度は外さんっ! そ〜れっ、百貫落としィ〜!」ズドーンッ
ディージェイ「……うぐうううぅぅぅっ!」
実況「さぁさぁ、本田の身体がディージェイにのし掛かるっ! 百貫落としィ! いや、ロープの反動をつけた事によって、さらに威力は上がったか!? コイツは百二十貫落としか!?」
ヤムチャ(……よく、ポンカラポンカラ出てくるね、この人)
本田「さぁさぁ、これで終わりじゃ! フォールに入るぞ! レフェリー、カウントを取ってくれい!」
ダン「オーケー! 本田、任せときな!」
実況「さぁ、そして本田がフォールに入ったっ! そして、今レフェリーがカウントを数えるっ!」
ヤムチャ(ディージェイ……お前、俺を苦戦させたんだろ……? だから、意地見せろ……! 本田さんにも同じぐらい、苦戦させろよ……! お前、今日の試合、やられっぱなしだぞっ……!)
145:
ダン「ワンっ……!」
ヤムチャ(時間はまだある……! 3分ぐらい……3分で一つ見せ場を作って、最後にやられる……そこまで、難しい話じゃねぇだろっ……!)
ダン「ツーっ……!」
ディージェイ(まだ、時間はあるっ……! だからここは、ミーが返さないと……フンっ……! あ、あれっ……?)
本田(もう、お終いじゃあ! これ以上、試合を引っ張っても……何も残らんっ……! お前は、何も出来んからなっ……! ロックは外してやらんぞ……!)
ダン「……スリーっ!」
実況「そして、ここで3カウントっ! 試合は決着っ! 本田の百貫落としによって試合は決着だぁ〜!」
ヤムチャ(……えっ!?)
ディージェイ(まだ、時間は残ってるだろう!? 5分は残ってるハズだ……! なんで、ここで決まっちゃうんだよ!)
実況「本田が、力の差を見せつけたかっ!? 圧勝だっ! 本日の試合……本田の圧勝という結果に終わりましたぁ!」
147:
あちゃあ…
149:
本田「ガーッハッハ! ワシの勝ちじゃあ〜!」
実況「さぁ、本田は両手を大きく広げて、ガッツポーズ! 表情もにこやかです!」
ヤムチャ(まだ、時間はあるだろ……ダンさんのミス……? ダンさんが、時間を勘違いしてた……?)
ディージェイ「ヘイヘイ、Mr.ダン……! ちょっと待ってくれよ! まだまだ時間は……!」
ダン「……もう、やめておけ、ディージェイ。お前にゃ、本田の相手は無理だ」
ディージェイ「まだ、5分ぐらいしか戦ってないだろう……!? ミーはまだまだ、戦えるよ……!」
ダン「……こりゃ、止めて正解だったかもな。本田、いい判断したぜ」
実況「一方、ディージェイは……やはり、納得いってない様子だ! レフェリーに自分はまだまだ大丈夫だとアピールしているが……」
ヤムチャ(そうだよ、ディージェイ合ってるよ……だって、まだ10分経ってねぇんだから……でも、これどうなるんだ……? 決着は、もう着いちまったよなぁ……?)
実況「時既に遅しっ! しっかりと3カウントは取られてしまったぁ! 本日の試合の勝者は、E.本田っ! E.本田でありますっ!」
ヤムチャ(ダメなの……? 遅いの……? コレ、もうお終いなの……? ディージェイに、一つもいい所なかったのに……?)
150:
ダン「……ディージェイ、もう終わりだ。もう終わり。大人しく、退場しよう」
ディージェイ「なんでだよっ……! こんな試合……ミーは納得出来ないよっ……!」ワナワナ
ダン「その悔しさを、次に繋げよう……なっ……?」
ディージェイ「次じゃないよっ……! 今だっ……! 試合はまだ、終わりじゃないよ! うおおおぉぉっ……!」
ダン「何してやがる! ディージェイっ!?」
実況「おぉ〜っと! ディージェイの怒りは止まらないっ! 自分はまだまだ、やれると……本田に突っかかっていったぁ!」
ヤムチャ(お、おぉ……! これ、どうなるんだ……どうなるんだ、これ……!?)
本田「黙らっしゃい! この野郎〜!」バチーンッ
ディージェイ「……プゲっ!」バターンッ
実況「おぉ〜っと、だがしかし、本田は一蹴っ! 張り手をディージェイの顔に浴びせ……ディージェイをあっさり、ダウンさせたぁ!」
ヤムチャ(お、おい……なんかマズいぞ……なんかマズいぞ……!? よくわかんねぇけど……今のディージェイって……何をやっても裏目裏目に出ちまう気がする……!)
実況「これは、少々ディージェイが惨めすぎるのではないか!? しかし、これもまた、格の違いっ! 本田と戦うにはまだまだ早かったか!?」
ヤムチャ(俺も、そういう事ってよくあるから、わかる……! 俺だからこそ、わかるっ……! だから、ディージェイ……もうやめよう……! 多分、これ以上やっても、何も残らねぇと思うっ……!)
152:
本田(こんな奴に、『百烈張り手』や、『スーパー頭突き』を使う価値もない……ただの張り手で充分じゃ……)
ディージェイ「ううっ……くそっ……ちくしょうっ……!」
クスクス……クスクス……
実況「さぁ、場内からは、そんなディージェイの姿に笑いが飛び交う! これは少々、気の毒だ! しかし、ある意味……納得の出来る結果だとも言えるんじゃありませんかねぇ?」
ヤムチャ「……いやいや、ちょっと、可哀想じゃないですかねぇ?」
本田「さぁ、ワシの圧勝で試合は決着じゃ〜! ワシもこんな相手じゃ、物足りんっ!」
パチパチ……パチパチ……
本田「皆の者〜! 次はワシも、強い相手と戦うからの〜! ワシの試合を楽しみにしておいてくれ〜!」
パチパチ……パチパチ……
本田「そ〜れでは、さらばじゃ〜!」
実況「さぁ、そんなディージェイを尻目に……本田は退場します! 次は、もっと強いの相手と戦いたい……なんて、言ってましたね? やはり、ディージェイ相手では物足りなかったか!?」
154:
ダン「おい、ディージェイ……おめぇも退場だ……ホレ、起きろ……」
ディージェイ「……嫌だ。ミーはここから動かないよ」ペタン
ダン「……あぁ?」
ディージェイ「……だって、試合はまだ終わってないんだ。あの人が、勝手に帰っただけなんだ。だから、ミーはここを動かないよ」
ダン「……あのなぁ? お前は、小学生か?」
実況「さぁ、一方……ディージェイはリングの中央にペタンと座り込み……なんだか渋ってる感じですねぇ? 試合結果に納得いってないようだ!」
ヤムチャ「まぁ、ねぇ……そりゃ……」
実況「レフェリーが、必死にそんなディージェイを説得しています!」
ヤムチャ「……ねぇ?」
実況「まぁ、悔しい気持ちは、分からなくもないんですけどね! やはり……今日の試合……本田にいいようにしてやられましたからね!?」
ヤムチャ(なんか、この試合、おかしいよ……だって、負けたアイツに何一ついい所ないんだから……負けながらもさぁ……ドラマを作っていくのがプロレスじゃねぇのかよ……俺は、そういう風に教わったぞ?)
実況「しかし、こういった行為は良くないっ! 小学生じゃないんだから! ディージェイ、お前は小学生か!? なんつってね?」
ヤムチャ(ホラ、すぐそうやって、アイツの事をバカにする……アイツだって、一応、頑張ってたんじゃねぇのかなぁ……? そりゃ、まぁ、試合内容はさぁ……いいもんじゃ、なかったと思うけど……)
148:
やらかし過ぎて試合時間カットパターンか……
現実ではなかなかっていうか絶対無いパターンやな!
これバックステージでDJがめちゃめちゃ怒られるんやろなぁ(汗)
もう少し早く決着してたらドラゲーとか大阪プロレスみたいに延長再試合みたいなパターンもあるけどこれは女子部が時間伸ばしするんだろうな!
156:
今日はここまで
>>141
ヤムチャはディージェイ目線での解説をしてたけど
これを本田さん目線での解説にしてたら、ひょっとしたら難易度は変わったかもしれないね?
ストーリー上に組み込めそうで、組み込みにくい話なので、今ここで言っておきます
184:
ヤムチャ「……あの〜、ちょっと、いいですか?」
実況「おぉ〜っと、どうなされましたか、ヤムチャさん!?」
ヤムチャ「今ね……ディージェイが負けて……あんな感じで、悔しがっていますけどね……?」
実況「そうですねぇ! かな〜り、悔しがっています! なかなか、退場しません!」
ヤムチャ「なんて言うか……その、あのね……? 俺も悔しい所が、あったりするんですよ……」
実況「あら、ヤムチャさんが!? これまた、どうして?」
ヤムチャ「え〜っと……あの〜、俺は以前ディージェイと戦った事があるんですけどね……?」
実況「はいはい、ヤムチャさんは以前、ディージェイと戦いましたねぇ!?」
ヤムチャ「……その時は、もっと強かったですよ、アイツ」
実況「……ほ〜う!」
185:
ヤムチャ「何て言うかなぁ……? 何をするか、わからないって所は、確かにありましたけど……こう、何て言うか……気がつけば、アイツのペースになっちゃってるって言うか……」
実況「……今日の試合のディージェイは、そういった自分のペースを作れなかったんじゃ、ないかと?」
ヤムチャ「そうです、そうです。そんな感じです……」
実況「なる程!」
ヤムチャ「本当はねぇ……もっと強いし、もっと出来ると思うんですよ……ただ、ちょっとねぇ……」
実況「ディージェイは、それを生かしきれてないっ! それを生かすだけのオツムが足りていないと!?」
ヤムチャ「いやいやいや……そういうワケではないですけど……」
実況「まぁ、確かに……本日の試合のディージェイは、少しばかり、ダブルローリングソバットにこだわりすぎましたかねぇ? もう少し、臨機応変に責めろ……なぁ〜んって、ヤムチャさんも苦言を呈していましたしね?」
ヤムチャ「苦言ではないですけど……う〜ん……でも、まぁ、俺の時はアレに苦しめられました……はい」
実況「まぁ、確かに……空手スタイルと、相撲スタイル! 相性の良し悪し、みたいな物があるかもしれませんね!?」
ヤムチャ「そうですよ、そうです。相性ですよ、相性……多分……」
186:
ヤムチャ「だからねぇ……こう、何て言うか……その、あのねぇ……?」
実況「はいっ!」
ヤムチャ「え〜っと……何て、言えばいいのかねぇ……?」
実況「俺を苦しめたお前が……そんなスモウレスラーごときに、何も出来ずにやられてるんじゃねぇよ、馬鹿野郎っ! なんて事ですかね!?」
ヤムチャ「そこまでは、俺、言ってませんよ……!? でも、まぁ、そういう感じです……はい」
実況「まぁ、確かに……! 空手軍団のヤムチャのヤムチャさんを苦しめた相手なんですからねぇ……? ヤムチャさんだって、ディージェイ戦で新技ウルフバスターを披露された事なんですしねぇ……?」
ヤムチャ「そうですよ……俺の時はもっと、その……ねぇ……? だから、出したんですよ……」
実況「お前が、そんな醜いブ男にあっさり負けていたら、イケメン揃いの空手軍団の立場はどうなっちまうんだ! 馬鹿野郎、この野郎っ! ……なんつってね?」
ヤムチャ「やめて下さいよ……! そんな事、言うと、本田さんまで敵になってしまいます……!」
実況「おぉ〜っと、失礼っ! 空手軍団は只今、シャドルーとの抗争の真っ只中だというのに……私の迂闊な発言のせいで、余計な敵を作るワケにはいけませんよね? 失礼しましたっ!」
ヤムチャ「そうですよ……その通りですよ……全く……」
187:
実況「では、そちらのお話も伺ってみましょうか。どうですか、ヤムチャさん? 最近のシャドルーの抗争……みたいな物は……?」
ヤムチャ「……えっ、どうって?」
実況「自分自身で……兄弟子のリュウ・ケンの役に立ててる……なぁ〜んて、感じたりはしますかねぇ!?」
ヤムチャ「う〜ん……いやぁ、まだまだです……俺も、もっと頑張らないと……もっともっとね……」
実況「おぉ〜っと、意外と野心家なお方だ……! 天然で、真面目で、野心家……ヤムチャさんも、なかなか濃いお方ですねぇ!?」
ヤムチャ「……野心家じゃないですよ。 俺、凄い事になってません? なんか」
実況「アハハ! まぁ、そうですよね! シャドルーを壊滅させるには……ヤムチャさんの力も、必ず必要になってきますからね! そういった、貪欲な気持ち……向上心のような物は必要でしょう!」
ヤムチャ「俺も、何も出来ずにやられる……みたいな事は、よくありますからね……もっともっと頑張って……空手軍団の力になっていかないと……」
実況「そういった、ご自分のお姿を……今日のディージェイに重ね合わせてしまったんでしょうかねぇ?」
ヤムチャ「う〜ん……まぁ、そうかもしれないです……」
実況「いやぁ〜、実に慈悲深いお方だ! 皆さん、ヤムチャさんというお方は、天然で真面目で野心家で、そして慈悲深い……」
ヤムチャ「もう、やめませんかねぇ、この話。俺、凄い事になってません……? なんだか」
188:
ダン「なっ……? ディージェイ……ホレ、退場だ……もう、本田は帰って来ねぇよ……」
ディージェイ「……くそっ!」
実況「さぁ、ここで、ディージェイがようやく立ち上がりますっ! 少しは落ち着いてきたか……? そして、今、退場していきます」
ヤムチャ(くそっ、なんかディージェイの事、いたたまれなくなって……思いつくまま、ベラベラベラベラ言っちまったけど……)
実況「まぁね……今日の試合は、残念な結果に終わってしまいましたが……次があります、次が! 是非とも、ディージェイの本田へのリベンジ戦……期待しましょう!」
ヤムチャ(大丈夫かねぇ……? 余計な事、言ってねぇかなぁ、俺……やらかしてないかなぁ……?)
実況「なんせ、空手軍団からのお墨付きを貰ったんですから……ねっ、ヤムチャさん?」
ヤムチャ「えっ……? あっ、はい……!」
実況「さぁ、ディージェイがゆっくりと退場していきます! 本日の第二試合、E.本田対ディージェイ! その勝者はE.本田! その風格を見せつけるような……圧勝でしたぁ!」
ヤムチャ(ほら、空手軍団の問題になっちまったよ……リュウさんとケンさんは、関係ねぇのに……これ、やっぱり、怒られるんじゃねぇかな……?)
189:
実況「さぁ、それでは本日の試合の感想はね……? もう頂きましたので……そうですねぇ……ヤムチャさんの初解説の感想でも、伺っていきましょうか?」
ヤムチャ「あっ、はい……」
実況「どうでしたか……? 初解説というものは?」
ヤムチャ「え〜っと、ですねぇ……」
実況「始めは随分と緊張されていたみたいですけど……後半になってくるにつれて、徐々に慣れてきたんじゃないですかねぇ?」
ヤムチャ「……いやぁ〜、そんな事ないです。まだまだ、緊張してますよ」
実況「基本的にねぇ……ヤムチャさんの解説って、身振り手振りをつけて一生懸命説明して下さるんですよ? 本当に、この姿を皆さんにお見せ出来ないのが残念!」
ヤムチャ「……そんなもの見たって、仕方ないでしょ!」
実況「いやぁ〜、隣にいる私は、楽しかったですよ? まぁね……是非とも、またこちらに遊びに来て下さい! 待ってますよ、ヤムチャさんっ!」
ヤムチャ「あ〜、はい。わかりました……」
実況「それでは、ここらで第二試合の中継を終了したいと思います〜! 本日のゲスト解説は……」
ヤムチャ(おっ、これで終わりか……ふ〜う……疲れたぁ……)
実況「……ヤムチャさん! お名前を言って下さいっ!
ヤムチャ「えっ……あっ、はいっ……! ヤムチャです! ありがとうございました!」
実況「CMの後はタッグベルト選手権っ! 新王者の……あ〜っ! 尺が足りないっ……! 尺が足りないぃぃっ!」
ヤムチャ(……最後の締めでやらかしちまった。笑えねぇ)
190:
実況「いやぁ、ヨシっ! 上手く締まったかな? 流石、私だ!」
ヤムチャ「あ〜、なんかごめんなさい……最後の最後で……」
実況「えっ、あっ……違いますよ。こういった形の方が面白くなると思ってね……しただけですよ。別に、普通に言えましたよ」
ヤムチャ「……えぇっ?」
実況「あっ、それじゃあ、ヤムチャさん……本日はありがとうございました!」
ヤムチャ「あ〜、いえいえ……こちらこそ、ありがとうございました……」
実況「是非ともね、ディージェイ選手のリベンジ戦……その時には、また来て下さいよ。私の方からもね、要請しておきますので」
ヤムチャ「その時はね……俺も、もっと勉強してきますよ。また、お願いします」
実況「いいんですよ、勉強なんて! その身振り手振りをつけた、初心者感が面白いんですから! ヤムチャさんの勉強は……もっともっと、強くなる事ですよ。先程、ご自分で言ってたじゃありませんか!?」
ヤムチャ「まぁ、そうですけど……でも、大丈夫でしたか? 今日の俺の解説……」
実況「大丈夫ですよ、大丈夫! 問題なしっ! 本当、本日はありがとうございましたっ! お疲れ様ですっ!」
ヤムチャ「あ〜、お疲れ様でした。ありがとうございます……」
実況「じゃあ、出口はあちらの方になりますので……そちらから退場して下さい……」
ヤムチャ「あっ、はい。わかりました、ありがとうございます……」
実況「え〜っと、次のゲスト解説は……ユン選手とヤン選手の二人か……困ったなぁ……この二人は放っておくと、二人で漫才始めちゃうからなぁ……私も上手くボケて食い込んでいけるかどうな……こりゃ、難敵だ……」
ヤムチャ(あんたなら、大丈夫だよ……ボケまくりじゃねぇかよ、この野郎……)
191:
ーーー
ヤムチャ「はぁ、疲れた……今日は、しんどかったぜ……」
プーアル「ヤムチャ様、お疲れ様ですっ! 何か、飲みますか?」
ヤムチャ「あ〜、じゃあプーアル……悪いんだけどさぁ……」
プーアル「もう、用意してますよ? ホラ、コーヒーの……微糖です!」
ヤムチャ「……わかってるねぇ、プーアル。そうだよ、今は糖分を取りたいね。糖分を」
プーアル「慣れない頭を使いましたからね」
ヤムチャ「俺は、こういうタイプじゃねぇの! 頭より、身体を使うタイプなんだ。それでバリバリやっていくタイプなんだよ!」
プーアル「……何、言ってるんだか。身体使っても、結果出せてないじゃないですか」
ヤムチャ「最近は……結果、出せてないかな……? 最近だよ……ここ最近の話だよ……プーアル……?」
プーアル「まぁ、最近はね……出せてるんじゃないですかねぇ〜?」
ヤムチャ「ホラ、俺、結果出してるじゃん。最近、俺頑張ってるじゃん、身体使って」
プーアル「すぐ、そうやって調子に乗るのが、ヤムチャ様の悪い癖です。ヤムチャ様……? 日々、精進ですよ……?」
ヤムチャ「アハハ、わかってるよ、プーアル。で、どうだった……? 俺の解説……?」
プーアル「……聞いてませんよ。そんな物」
ヤムチャ「……うわっ! 今日のプーアル、一段と酷ぇ!」
192:
プーアル「違いますよ、ヤムチャ様! だって、ここと実況席、どれだけ距離があると思ってるんですか……? ヤムチャ様の声なんて、聞こえませんよ……」
ヤムチャ「あぁ、なるほど……そういう事ね……」
プーアル「今日の僕、一段と不安だったんですよ……ヤムチャ様が、何してるかわからなかったから……何か、変な事、言ってませんよねぇ……?」
ヤムチャ「う〜ん……言ったような……言ってないような……」
プーアル「……はぁ」
ヤムチャ「プーアル、溜息はやめて……俺も不安になってくるから……」
プーアル「ヤムチャ様、何言ったんですよ……? 本田さんって人に『デブ』って言っちゃったとかですか……?」
ヤムチャ「……何気にプーアルも酷いね。でも、流石にそれは言ってないよ。俺だって、そのくらいはわかってるよ」
プーアル「……はぁ、よかったよかった」
ヤムチャ「だから……溜息はやめてくれって、プーアル……あっ、でもねぇ、実況の人は言ってたねぇ……醜男だとか……」
プーアル「……酷い実況の人ですね」
ヤムチャ「あっ! それで……俺のせいにされたんだよ! ひょっとしたら、俺が言った事になってるかもしれない……!」
プーアル「……どういう事ですか?」
ヤムチャ「え〜っと、何だったっけなぁ……? イケメン揃いの空手軍団は……あなたのようなおデブちゃんとは違うんですっ……! みたいな事を、ヤムチャさんは思ってらっしゃるんでしょ……? みたいな感じで、言ってた」
193:
プーアル「……謝りにいきましょう。ヤムチャ様」
ヤムチャ「言ったのは俺じゃない……! 実況の人だ……実況の人…。」
プーアル「……でも、そういう感じで言われたんでしょ? だったら、謝りにいきましょう。顔を出しておくのと、出しておかないのでは、後々響いたりするんですよ?」
ヤムチャ「信じてくれよ、プーアル……! 俺が言ったわけじゃないんだよ……!」
プーアル「だから、それを言いにいくんですよ……実況で、変な風になっちゃいましたけど……悪気はなかったんです、誤解ですよ……なんて言いに行くだけですよ……僕も、本気で頭を下げろだなんて言ってるワケじゃないですよ」
ヤムチャ「あ〜、そういう事ね……でもさぁ、プーアル……本当に俺が言ったワケじゃないんだぞ……?」
プーアル「……わかってますよ、ヤムチャ様。ただ、ヤムチャ様は誤解を受けやすいタイプなんだから、僕は心配しているんです」
ヤムチャ「……俺、誤解受けやすいタイプか? プーアル?」
プーアル「ホラ、だって……ブルマさんとダメになっちゃった時だって……小さな誤解から……」
ヤムチャ「……プーアル、止めよう。その話は、止めよう」
プーアル「あっ……ごめんなさい……」
194:
ヤムチャ「俺は過去に、縛られて生きる男ではない……未来の可能性へ向かって……突き進んでいく、男じゃないか……! なっ、そうだろ、プーアル……?」
プーアル「その通りですっ! ヤムチャ様は未来の可能性に向かって、突き進んでいます!」
ヤムチャ「過去の失敗……そんな物、どうでもいいさ……何故なら、俺には未来がある……! 新しい、恋の季節がもう、とっくにやってきているんだ……!」
プーアル「そうですそうです! ヤムチャ様には、恋の季節がやって来ましたっ!ヨッ、 春一番っ!」
ヤムチャ「子供を作った……? 相手はベジータだ……? そんなモン、関係ねぇよ! 何故なら、俺には新しい恋の季節が……ううっ……ううっ……」シクシク
プーアル「あぁ、もう……! ごめんなさい……本当に、ごめんなさい、ヤムチャ様……! 僕が口を滑らせました……! 本当にごめんなさい……!」
ヤムチャ「いやぁ、プーアル……お前が謝る事はないっ……! 確かに、誤解はよくない……本田さんに、謝りに行こうっ……!」
プーアル「そうですそうです……誤解はよくありません……! そして、ヤムチャ様に新しい春はすぐに来ますっ……! 大丈夫です!」
ヤムチャ「……もう、やめてくれよ、プーアル。プーアルに慰められると、本当、ヘコんじまうよ」
プーアル「……そういうつもりじゃ、なかったんですよ。本当、ヤムチャ様、ごめんなさいね?」
ヤムチャ「あっちはあっちでさ……? もう幸せな家庭を築いているんだから……俺が、今結婚したいってのと……ブルマと別れたってのは、もう別問題だよ……ブルマと付き合ってる最中に、そういう事を意識したから、繋がっちまっただけで……」
プーアル「そうですね。はい」
ヤムチャ「俺もね……そろそろ吹っ切って違う道を探していかねぇといけねぇとは、思ってるけどさ……? やっぱり、今その話を持ってくるとさ……? どうしても、繋がっちまう事になるから……今は、封印して置こう……パンドラの箱だ!」
プーアル「……なんですか、パンドラの箱って」
ヤムチャ「あの実況の人、こういう言い回しよく使うんだよ……ちょっと、勉強したよ。まぁ、とりあえず、本田さんの所、行こうぜ! 誤解は解いて置こう!」
プーアル「はい!」
195:
ーーー
コンコン
本田「……お〜う、開いとるぞ〜! どうぞ〜!」
ヤムチャ「あっ、失礼しま〜す……」
プーアル「失礼しま〜す。本田さん、お疲れ様でした」
本田「お〜う、君は空手軍団三番弟子の、ヤムチャ君……どうした、なんの用じゃ? ワシの素顔でも、見にきたのか?」
ヤムチャ「……ペイント落とすと、そんな感じなんですね」
プーアル「……違うでしょ、ヤムチャ様」ボソッ
ヤムチャ「あ〜、そうだったそうだった……え〜っと……解説の件です……」
本田「おう、そういや、今日のゲスト解説はヤムチャ君じゃったなぁ? どうじゃ、ワシの試合……格好よ〜く、実況してくれたか……?」
ヤムチャ「あ〜、いや……え〜っと、ですねぇ……」
本田「なんじゃ、その顔は……? 悪口でも、言うたのか……? もしも、悪口だったら……許さんぜよぉ!」ニヤニヤ
ヤムチャ「俺が言ったんじゃないんです……俺が言ったワケじゃ……」
196:
本田もいい人そうだなww
197:
エドモンド大好きだわ
198:
本田「……なんて言ったんじゃ? デブか? ブタか?」
ヤムチャ「俺が言ったワケじゃないんですけどね……でもまぁ、そういう感じの事が……こう実況の中に入ってしまう形になってしまいました……」
本田「ワシが、一番気にしとる事を……こりゃ、もう許せんなぁ……」
ヤムチャ「……違うんです。実況の人が勝手に言ってただけです。本当に申し訳ありません」
本田「ダーメじゃ。許さん……こりゃ、もうザンギエフに頼んで、ヤムチャ君との特別試合を組んでもらうしかない……」
ヤムチャ「……と、特別試合って」
本田「解説でヤムチャ君に悪口を言われて、腹を立てたこのE.本田が……試合で合法的に復讐……いいじゃないか! 面白そうじゃな! これならワシも、第五試合で出来るんじゃないかな!?」
ヤムチャ「……えっ?」
本田「ヤムチャ君、いい仕事してくれたな! 感謝するよ! ちゃんこ奢ってやろうか? ちゃんこを? これなら、ワシもまた第四試合に戻れるかもしれん」
ヤムチャ「俺、いい仕事したんですか……?」
本田「あぁ、そうじゃ! まだ、ヤムチャ君の解説は聞いておらんが……きっといい仕事に違いない!」
199:
ヤムチャ「え〜っと……いい仕事ってよくわからないんで、ちょっと説明してもらっていいですかね……?」
本田「簡単に言うとじゃな……? 解説とは、他のレスラーに対して、喧嘩を売りに行く場所じゃ」
ヤムチャ「喧嘩を……売る……?」
本田「あぁ、ヤムチャ君が、実況席で……ワシの試合を見ながら、ワシの事をデブだの豚だの、罵る!」
ヤムチャ「……俺が言ったワケじゃないんですよ。本当に」
本田「当然、ワシは腹を立てるっ……! ヤムチャ君が、悪口を言って、ワシの事を罵ってきたんじゃからな……喧嘩を売って来たワケじゃな……!」
ヤムチャ「……喧嘩を売ったつもりはないんですよ。本当に」
本田「だったら、ワシはその怒り……試合で直接、ヤムチャ君にぶつけようではないかっ……! その喧嘩……買うたぁ!」
ヤムチャ(俺の知らない所で……勝手に話が進んでいるぞ……)
本田「……とまぁ、こうして試合は作られていくのじゃ。まぁ、恐らく、実況のアナウンサーに煽られたんじゃろうな? そうじゃろ、ヤムチャ君?」
ヤムチャ「そうですそうです。あの人に煽られたんですよ」
本田「しかし、ヤムチャ君に、喧嘩を売った意識はなくとも……ワシは、その喧嘩、買わせてもらうぞ!? 三番弟子とは言えども、空手軍団と試合が出来るんじゃからな……! ガーッハッハ! 後はザンギエフが試合を組むのを待つだけじゃ!」
ヤムチャ「……あの実況の人が言った通りだ。余計な敵が出来ちまった」
202:
本田「まぁ、ヤムチャ君は、あのディージェイと違って、歯ごたえがありそうじゃからな! いい試合をしよう!」
ヤムチャ「あぁ、そうだそうだ……本田さん、ディージェイの事で……というか、今日の試合で聞きたい事があるんですが……」
本田「……ん? どうした、なんじゃい?」
ヤムチャ「今日の試合……ディージェイの奴、一つもいい所なかったじゃないですか……?」
本田「……本当に、あいつは何も出来んのぉ。仕方のない奴じゃ」
ヤムチャ「あの、それでね……試合時間って10分の予定だったじゃないですか……? なぁ、そうだろ? プーアル?」
プーアル「……はい、10分ですね」
ヤムチャ「俺、今日の最後の攻撃……ディージェイが返して……いい所見せて終わると思ってたんですけど……そうならずに、あのまま終わって、試合時間も7分ぐらいだったじゃないですか……?」
本田「……あぁ、そうじゃな」
ヤムチャ「あれって、どういう事だったんですか……? ダンさんのミスなんですか……?」
本田「それは、ワシにもわからん……まぁ、結果的に試合は7分で終わってしまったな。ダン君のミスなのか……ディージェイのミスなのか……それともワシ自身のミスなのかはな……」
ヤムチャ「そう、ですか……」
本田「……しかし、ワシは思うんじゃ。あの10分予定の試合が7分で終わってしまった。アレはアレで良かったんじゃないのか、と」
ヤムチャ「……どういう事ですか?」
223:
本田「あれ以上、続けたってな……あの子はきっと、何も出来んかったじゃろう……ワシは、そう思う……」
ヤムチャ「でも、今日の試合アイツ、いい所なかったじゃないですか。俺は最後のワンチャンス……ちょっと、期待してたりもしてたんですよ……」
本田「……ヤムチャ君、その期待はきっと裏切られるだけじゃ」
ヤムチャ「いやぁ……でもねぇ……」
本田「ヤムチャ君……ワシはなぁ、自分から攻めないタイプじゃ……『さぁ、何処からでもかかって来いっ!』なんて言って……先ず、相手の攻撃を誘い……そして、反撃していくタイプじゃ……」
ヤムチャ「そうですね。今日の試合……そんな感じでした。」
本田「今日も、何度か攻撃を誘った……あの子に好きなようにやらせてあげた……その結果、あの子は何をした……? ワシに何をした……?」
ヤムチャ「そ、それは……」
本田「あの、クルクル回る、キックばかりじゃっただろう……?」
ヤムチャ「そうですねぇ……結構、しつこかったですよねぇ……」
本田「試合は7分で終わったしまったが……3分、時間が短くなってしまったが……残り3分あった所で、あの子に何が出来た? どんな攻め方が出来たと思う……?」
ヤムチャ「う〜ん……それは……」
本田「……ワシは、な〜んも出来んかったんじゃあないかと思う。きっと同じようにクルクル回るキックを繰り返すだけじゃったんじゃないかな?」
ヤムチャ「そうかも、しれませんけど……」
本田「誰かのミスで試合は7分で終わってしまったんじゃが……ワシはきっと、それは仏さんが『あの子には、もう何も出来ないから、これ以上恥を晒す前に、もう終えておきましょう』なんて言ってくれたんじゃないかなと、ワシは思う……」
224:
ヤムチャ「……ちょっと、残念な結果でしたね」
本田「若い子は、活躍せねば、上には行けん……そういう意味では、残念じゃった……しかしじゃ、ヤムチャ君……?」
ヤムチャ「あっ、はい……何ですか……?」
本田「戦う相手は、ロボットじゃない……人間じゃ。そこには、感情があり、意思がある。例え、ワシのような、ロートルだとしても、だ……」
ヤムチャ「はい」
本田「こんな話を、ヤムチャ君にするのは恥ずかしいんじゃが……やはり、ワシは第二試合なんかではなく……第四試合や、第五試合でやりたい……今、ヤムチャ君が、試合をしている位置でな……?」
ヤムチャ「俺は、ちょっと行ったり来たりの部分があったりしますけどね……?」
本田「……リュウ君とも、タッグ組んでやってみたい」
ヤムチャ「えっ……リュウさんと……?」
本田「あぁ、リュウ君が入団した時からずっと思ってるよ。『日本男児軍団』……なんてな? どうじゃ、中々格好いいネーミングじゃないかな、ガハハハハ!」
ヤムチャ「日本男児軍団……ですか……」
本田「……ずっとずっと、思っとる事じゃが、未だに『日本男児軍団』は結成されん」
ヤムチャ「……そうなんですか」
本田「だから、ヤムチャ君が、入団して空手軍団に入った時は……正直、ワシは凄く、腹を立てた……」
ヤムチャ「えっ、あっ……なんか、すいません……そうですよね……」
本田「ヤムチャ君だけじゃない……ザンギエフやベガにも、腹を立てたよ……」
225:
本田「何で、何年もこの団体の為にやってきたワシを差し置いて……こんな新米の小僧にリュウ君を取られないといかんっ……! そりゃ、確かに若い子には、身体能力では勝てんかもしらんが……ワシには技術がある! 何年も、やってきた技術では、遥かに格上じゃと!」
ヤムチャ「それは、今日の本田さんの試合を見ていて、感じました。ごもっともです」
本田「……しかしじゃ、ヤムチャ君? ワシは君の試合を、毎日見ているが」
ヤムチャ「あっ、見てて下さってるんですね……ありがとうございます……」
本田「本当に君は、毎日毎日、一生懸命頑張っとる。昨日出来なかった事を、今日もして……今日出来なかった事を、明日して……毎日毎日、一生懸命頑張って、技術を身につけていっている……」
ヤムチャ「……ありがとうございますっ!」
本田「そうなってくると、ワシの考えも変わってくるよ……ワシが持っていて、ヤムチャ君が持っていない技術を身につけていっている……そして、ワシが持っていない、身体能力を持っている……それに、何より、君は男前じゃ?」
ヤムチャ「いやいや……そ、そんな事ないですよ……」
本田「あぁ、この子に、リュウ君を取られたのは……当然の事じゃったんじゃな……ロートルのワシが、上でやるより……若い、君みたいな子に、上でやって貰った方が、団体の未来がある……そう思うよ」
ヤムチャ「……これからも、俺、頑張ります」
本田「ワシはな……? 頑固で堅物な男だと、自分でも思うが……一生懸命頑張ってる子には……必ず、応えてやる……」
ヤムチャ「……はい」
本田「ヤムチャ君、この言葉……忘れないでくれよ? ワシは、一生懸命頑張ってる子には、必ず応えてやる男じゃ……」
ヤムチャ「わかりました。覚えておきます」
226:
本田「第一試合でやっている、コーディやガイも頑張っておる。この前の試合では、ワシはガイに負けたわ……若手のガイに負けるなんて……本田もそろそろ終わりかな……? そういった声もあった……」
ヤムチャ(……あぁ、そんな試合、あったかも)
本田「しかし、それも当然の事じゃ。なんせ、コーディやガイも頑張っとる……ワシがそういった事を言われようとも……本田を倒せるなんて……ガイも強くなってきたな……なんて思われれば、いいんじゃ。それがロートルの役目じゃ」
ヤムチャ「……あぁ、はい」
本田「しかしじゃ……ディージェイ君はどうじゃ……? あの子は頑張っとるか……? 半年間もやっとるのに……何一つ変わっていないではないか……!」
ヤムチャ「俺は、数週間ぐらいしか、知らないんですけど……やっぱり、ずっとあんな感じなんですか……?」
本田「あぁ、そうじゃ……ずっと、あんな感じじゃ……何一つ変わっておらん……努力の欠片も見受けられん……」
ヤムチャ「……いやぁ〜、フォローするワケではないですけど、アイツもアイツなりに頑張ってるんですよ?」
本田「その結果が見受けられんから……こういう結果なんじゃ……ガイでも勝つ事が出来る、このワシに……あの子は勝つ事は出来ん……それは、試合表でも、示されている事だし……」
ヤムチャ「……」
本田「試合内容でもじゃ……今日の試合で、あの子がワシに、勝つ姿……ヤムチャ君は、想像出来たかな……?」
ヤムチャ「いやぁ……ちょっと、それは無理でしたねぇ……」
227:
本田「今日の試合で、言われたよ……よかった、本田はまだ終わっていなかった。若手に圧勝するだけの力はまだ残っていたと……」
ヤムチャ「……そうなんですか」
本田「ワシは、若手のコーディやガイ……そしてヤムチャ君……君達に負けて、君達の上に上げてやる事が役割じゃが……そこにディージェイ君は入っておらん……」
ヤムチャ「……えっ?」
本田「ディージェイ君は……そんなワシに、負け……ワシを上に上げる……それが彼の役割じゃ」
ヤムチャ(……ディージェイ)
本田「実力不足の上に、努力もしない……当然の役割じゃろう……若いあの子が上でやるより……ロートルのワシが上でやった方が、団体の未来の為になる……ワシは、そう思うよ」
ヤムチャ(……本田さんは、ディージェイに対して辛口だなぁ)
本田「……ワシだってな、人間じゃ。感情がある。再び、ロレント君組んで、タッグベルト選手権でやりたいという気持ちぐらいある」
ヤムチャ「本田さんは、ロレントさんと組んでたんですか……?」
本田「あぁ、ソドム君が、上がってきてな……ロレント君を取られてしもうた……ワシがソドム君の代わりにこっちに来たというワケじゃ……ワシだって、返り咲きたいよ」
ヤムチャ(あぁ、なるほど……そういう事か……!)
本田「だからこそ、ワシは……今日の試合は、これでよかったんじゃないかな、と思う……きっと、ワシのそういった気持ちを、仏さんが汲み取ってくれたんじゃろうな……そう、思うよ……」
228:
本田「ヤムチャ君が、どういった形でワシに喧嘩を売ってくれたかは、まだ聞いていないから、わからんが……もし、ワシとヤムチャ君の試合が組まれるのなら……それは、本当に喜ばしい話じゃ……」
ヤムチャ「……はい」
本田「ワシは、手加減などしない……ベテランの維持を見せて、全力でヤムチャ君を痛めつける……ワシは、ダルシム君やブランカ君程、甘くはないぞ……?」
ヤムチャ「……それは、今日の試合見ていて、わかりましたよ。本田さんは、強いです」
本田「だから、なっ……? ヤムチャ君も全力でワシを潰しに来いっ! そして、シャドルーと戦うだけの力を身につけるのじゃ!」
ヤムチャ「そうですね。俺もまだまだですから」
本田「技術では、まだまだワシの方が上じゃ……だから、若手の勢いというものを使っていかないといかんぞ……?」
ヤムチャ「あぁ、くそっ……難しそうですねぇ……どうやって、戦えばいいんだろ……」
本田「……ガイでも出来た事じゃ。ヤムチャ君ならきっと出来る。してもらわにゃ、困る。上でやってる者の責任じゃあ、それは」
ヤムチャ「また、課題が出来ましたよ。でも、考えておきますよ! 俺も、いい所なしじゃ困りますからね! リュウさんやケンさんに、怒られてしまいます!」
本田「……リュウ君とケン君とは、仲良く出来てるのか? 同じ空手軍団なんだから、仲良くしていかなきゃいかんぞ?」
229:
ヤムチャ「う〜ん……そこも課題です……ケンさんとは、最近上手くいってきてる気がするんですけどねぇ……」
本田「……なぁ〜にをやっとるんじゃ。ちゃんこ喰いに行け! ちゃんこ! 皆で同じ鍋つつくのは、仲良くなれるぞ?」
ヤムチャ「……鍋かぁ。いいかもしれませんねぇ」
本田「ガハハ! ヤムチャ君、わざわざ挨拶に来てもろうて、悪いな……長話になってしもうたな。悪いな!」
ヤムチャ「あ〜、いえいえ……こちらこそ……本当、ありがとうございます!」
本田「ワシはちょっと、ジミー君とダルシム君と、話があるからの……」
ヤムチャ「その二人って事は……やっぱりディージェイの事……」
本田「……まぁ、そういう事じゃの。あまり、したくはないんだがの」
ヤムチャ「あ〜、それじゃあ……本当、ディージェイの事よろしくお願いします……」
本田「アイツの教育係りはワシじゃない……まぁ、とにかく、ヤムチャ君、ありがとう! 試合、楽しみにしてるぞ!」
ヤムチャ「いえいえ、こちらこそ……それじゃあ、本田さん、失礼しましたっ!」
プーアル「本田さん、貴重なお話、ありがとうございました!」
本田「おうっ! 精進しろよ!」
230:
ヤムチャ「敵が出来たよ、プーアル……新しい敵が出来てしまった……」
プーアル「そうですねぇ。今回の敵は……結構、強敵な予感がしますよ?」
ヤムチャ「強敵だよねぇ……? だって、ディージェイが何も出来なかった相手だぜ?」
プーアル「……でも、本田さんは、ヤムチャさんの事、結構評価してましたよ? あっ、調子に乗っちゃ、ダメですよ?」
ヤムチャ「わかってるよ、プーアル……まぁ、強敵だけどさぁ……なんて言うかな……」
プーアル「……なんて言うか?」
ヤムチャ「……悪い敵じゃないね。そんな気がするよ」
プーアル「そうですね。本田さんを倒して……ヤムチャ様も、もう一つステップアップしましょう! ベテラン選手のお話聞けて、よかったですね?」
ヤムチャ「そうだね、来て正解だったよ。でも、時間結構経っちまったな……もう、そろそろ第四試合……さくらちゃん達の試合、始まっちゃうんじゃねぇか……?」
プーアル「……今回は、反省会に参加する為に、しっかり見ましょうね。昨日の反省会では、ヤムチャさん空気でしたから」
ヤムチャ「わかってるよ、プーアル……まぁ、出来る事なら、サガットさんとバイソンさんと、一緒に見たいんだけど……何処にいるのかねぇ……?」
プーアル「今日、結構、僕達ウロチョロしてますからね。まぁ、いつもの場所にでもいるんじゃないですかね……?」
ヤムチャ「そうだね、とりあえず、探してみっか……早くしないと、試合始まっちゃうからさ、プーアル、急ごう!」
プーアル「はいっ!」
231:
ーーー
バイソン「……なっ、サガット? 放送室来て、正解だっただろ?」
サガット「まぁ、ヤムチャ君も、頑張ってたんじゃないかな」
バイソン「あの素人感丸出しの解説……! ガハハ、こりゃ、永久保存版だな! 後で、焼き増ししてもらおう、焼き増し!」
サガット「最初は皆、あんな物だろう……お前は、本当に性格が悪いなぁ。あんな物、保存してどうするんだよ……?」
バイソン「ヤムチャ君がな……天狗になってきたら、引っ張り出して、こうジタバタさせてやるワケですよ!」
サガット「……お前だって、デビュー戦の映像引っ張り出されたら、いい気持ちはしないだろう?」
バイソン「そんなモン、引っ張り出す奴がいたら……ガチのストレートでぶっ飛ばしてやるぜ!」
サガット「……勝手な男だなぁ、全く」
ヤムチャ「おっ、いたいたいたいた……! サガットさん、バイソンさん、お疲れ様っす! こんな所で、何してたんですか?」
サガット「放送室に行ってたんだ。放送室に」
ヤムチャ「……放送室?」
バイソン「おう! ヤムチャ君の解説……し〜っかりと、聞いてやってたからよぉ! 感謝しろよ!」ニヤニヤ
ヤムチャ「あ〜、聞いててくれたんですか! ありがとうございます!」
232:
プーアル「ヤムチャ様の解説、どうでしたか……?」
バイソン「もう、素人感丸出し! サガットちゃん、大爆笑!」
サガット「……人のせいにするなよ、人のせいに」
バイソン「『あの〜』……『え〜っと』……『ん〜っと』……大半がそんな言葉! どうした、ヤムチャ君!? なんか、そういうウイルスにでも感染してるのか!?」
ヤムチャ「……素人感丸出しって、そこかぁ〜! ちくしょう、言ってたかもしれない!」
プーアル「……も〜う、ヤムチャ様ったら」
サガット「いや〜、まぁまぁ……俺は、アレでよかったんじゃないかな、と思うよ?」
バイソン「……あらあら、サガットちゃん、いい子ぶっちゃって。俺程とはいかなくても、結構、笑ってたくせに」
ヤムチャ「何で、笑われちまうかねぇ、ちくしょう……!」
サガット「いやいや、違う違う……いや、俺は、ポロっと余計な事を言っちゃうのが、心配だったからな……ホラ、技は俺達から教わってるだとか……空手軍団とシャドルーがそういう関係だったら、マズいだろ……?」
ヤムチャ「……その辺は、伏せておこうと、自分でも思いましたよ」
サガット「だから、そうならないように、慎重に言葉を選んでるなぁ、と思ってな……? そこで、笑ってしまったんだよ」
ヤムチャ「……結局、笑ってるんじゃないですか、サガットさん」
サガット「まぁ、でも最後の部分……ヤムチャ君が自分から語り出した場面は、ちょっと怖かったかもな……何、言い出すのか……なんて、ヒヤヒヤしたよ」
ヤムチャ「いや、なんかねぇ……こう、黙ってられなくなって……」
バイソン「……サガット、凄ぇ、厳しい顔してたぞ? こっちも怖かったよ」
233:
ヤムチャ「本当の試合時間は10分です……なんて、言うワケにはいきませんからね……心配する気持ちもわかります……すいませんでした……」
サガット「……いやいや、まぁまぁ、仕方のない事だ」
バイソン「本田さんもなぁ……途中で終わらす事はねぇんじゃねぇかな……? 後、三分だったんだぜ……? もうちょっとぐらい、出来たんじゃねぇかな……?」
ヤムチャ「……えっ?」
サガット「仕方のない事だと言えば仕方のない事かもしれないな……ヤムチャ君の時のように、また本気で仕掛けられても困る……」
バイソン「気持ちはわかるけどね……まぁ、でもさぁ……? アレは一種の職務放棄じゃねぇのかな……? もうちょっと、やらせてやってもよかったんじゃねぇかと、バイソンちゃんは思うよ」
ヤムチャ「……アレ、途中で終わらせたのは、本田さんの判断なんですか?」
サガット「まぁ、恐らく……そうだろうな……」
ヤムチャ「……なんでだ、なんで嘘ついたんだよ、本田さん」
サガット「……ん、どうしたヤムチャ君?」
ヤムチャ「本田さん……さっき話した時は、自分は関係ないって言ってましたよ……?」
サガット「ん……? ヤムチャ君は、本田さんの所に行ってたのか……?」
ヤムチャ「行ってましたよ! 本田さんの所で、その話、聞きましたよ俺も! 本田さん、自分のせいじゃない……アレは仏さんの仕業だって、言ってましたよ!?」
サガット(……ヤムチャ君は、そういう風に聞いてたのか。しまったなぁ、これは言うべき話ではなかったなぁ)
234:
ヤムチャ「……プーアル、行くぞっ! ついて来いっ!」
プーアル「……えっ?」
サガット「……待て、何処へ行く」
ヤムチャ「本田さんの所っす!」
サガット「……行ってどうする?」
ヤムチャ「何で、俺に嘘ついたか問い詰めるんすよ!」
サガット「……そして、どうなる?」
ヤムチャ「……えぇ?」
サガット「本田さんは、言う……そうです、実は自分のせいでした……自分の判断で止めました……そう、ヤムチャ君に言う……」
ヤムチャ「……」
サガット「……その後、どうなる?」
ヤムチャ「……それは」
235:
サガット「何も生まれないだろう……そこには、何も生まれない……それとも、何か……? その事をディージェイにでも伝えに行くか……? 試合後、ディージェイの事を、気にかけていた君なら、やりかねん……」
ヤムチャ「そうですよ、ディージェイに言いに行きますよ……アイツも、もっとしっかりしなきゃ……本田さん、ディージェイの事、かなり厳しく言ってましたし……」
サガット「……君は、ディージェイに何と言うつもりだ? 俺をディージェイだと思って、言ってみろ?」
ヤムチャ「……えっ?」
サガット「ディージェイに言葉をかけるのなら……先ず、俺に、何て言うつもりか言ってみろ……ホラ……」
ヤムチャ「お前が……しっかりしないせいで……本田さんが、途中で試合終わらせたぞ……もっと、頑張れよ……」
サガット「……その言葉に、ディージェイは何と応えると思う? 予想しよう」
ヤムチャ「……えっ?」
サガット「……君の言葉を聞き入れて、明日から考えを改めるような、奴か? 俺は、そうはならないと思うぞ?」
ヤムチャ「……」
サガット「逆上して……君と喧嘩になる……本田さんの所に乗り込んで行く……そういった可能性の方が高いとは、思わないかな……?」
ヤムチャ「そうかも……しれませんけど……」
サガット「……褒められた話ではないが、こういう日もある。何せ、相手はディージェイ君だ。本田さんにも、本田さんなりの考えがあるんだろう」
236:
サガット「俺は、本田さんの考えを聞いてはいない……話したのは、ヤムチャ君だ……本田さんは君に何と言っていた……?」
ヤムチャ「……アレは、仏さんの仕業だって」
サガット「……それだけか?」
ヤムチャ「え〜っと……あっ……」
サガット「……何だ?」
ヤムチャ「自分は、一所懸命頑張ってる奴には必ず応える……そう、言ってました……」
サガット「……そこだな。ディージェイ君は、本田さんに頑張ってると認められなかったんだろう。だから、本田さんも応えてくれなかったんだ」
ヤムチャ「……じゃあ、もっと頑張れって、言ってきますよ、ディージェイに。俺だって、ケンさんに発破かけられて、頑張ろうって思った部分もありますし」
サガット「……それを、言うのは君ではない。ジミーさんだ」
ヤムチャ「……」
サガット「相手はディージェイ君だ……言葉を間違えると、不貞腐れてしまうぞ? 喧嘩が始まってしまうかもしれない……最悪、退団だって事もあり得る……」
ヤムチャ「……」
サガット「今日のつっかえつっかえの解説の君に……ディージェイ君の心に響くような、最も適した言葉……出せるか……?」
237:
ヤムチャ「黙ってろ……トラブルの火種を起こすな……そういう事ですね……?」
サガット「……俺も、同じだヤムチャ君」
ヤムチャ「……えっ?」
サガット「俺だけじゃない……バイソンだって、バルログだって……本田さんだって……皆、ディージェイには言いたい事がある……だが、言葉が届かないんだ……ねじ曲がって受け止められてしまう……」
ヤムチャ「……」
サガット「そういう事はジミーさんが、一番上手い。あの人は相手を刺激せず……一番相手の心に響く言葉を、選んで相手に伝えてくれる……今日の一件だって、ヤムチャ君や、俺が伝えなくても、ジミーさんが、最も適した言葉で伝えてくれるだろう……」
ヤムチャ「……そうかもしれませんけど」
サガット「ヤムチャ君は、数えれる程のレスラーしか知らないから、そう思うんだ……ディージェイ君より、いいレスラーなど……お互いがお互いにいい関係を作っていけるレスラーなど、山程いる……」
ヤムチャ「……そうかも、しれませんけど」
サガット「彼は特別なんだ。彼に絡むな……」
238:
サガット「解説とは、他人のドラマに割り込んで入っていく場所だ……今日のヤムチャ君の解説……ディージェイ君に偏った解説をしていたよな……? 俺が一番心配していたのは、そこだ……」
ヤムチャ「……えっ?」
サガット「ディージェイ君と、また戦うのか……? また、あんなしっちゃかめっちゃかの試合をしたいのか……?」
ヤムチャ「……いや、それは」
サガット「それより、本田さんと戦った方が……ヤムチャ君にとってプラスになるんじゃないのかな……? あの人は、大柄だ。同じ大柄の俺と戦う時の参考になるだろう……?」
ヤムチャ「……そうかも、しれませんけど」
サガット「本田さんと……ディージェイ君……どちらの人間と戦う方が、プラスになるのか……それは、もう目に見えて、わかるだろう……?」
ヤムチャ「……」
サガット「……彼とは、一戦しただけなんだ。しかも、タッグマッチでだ。後は、ジミーさんや、ダルシムさんと、やってもらってればいいんだ。空手軍団の君がわざわざ、そこに足を踏み入れる必要はない」
ヤムチャ「……」
サガット「泥舟に乗り込む必要はない……もう、放っておけばいいんだ……下手に彼と絡むと、トラブルが起きたり……自分の地位を危うくするだけだぞ……?」
ヤムチャ「……う〜ん」
サガット「これは、ヤムチャ君が首を突っ込む問題ではない……それに、ヤムチャ君の力では、何も出来ない……君だって、ディージェイ君と同じように、まだ手探りの状況なんだ……」
243:
バイソン「口を滑らした俺が悪かった……申し訳ねぇな……サガット、ヤムチャ君……」
サガット「……すまんな、ヤムチャ君」
ヤムチャ「……いえ」
バイソン「ほら、試合見ようぜ、試合……さくらちゃんや、キャミィちゃんも頑張ってんだから……なっ……?」
ヤムチャ「……はい」
バイソン「ほら、ヤムチャ君……どうせだったらさ? 解説の練習もしながら見てみたらどうだ? ほら、俺が実況のあの人の真似するからよぉ?」
ヤムチャ「……練習っすか」
バイソン「ほら、さくらの、おっぱいボディプレース! とか、キャミィのお尻ドロップキーック! とか……わけわかんねぇ事、言うから……ヤムチャ君は、上手く突っ込んでくれよ? ヤムチャ君は、ツッコミが下手だよ、ツッコミが……」
プーアル「ヤムチャ様は天然ボケの、間が悪い男ですからね!」
ヤムチャ「……プーアルまで、天然って。実況の人にも、言われたよ、俺」
バイソン「違ぇよ、ヤムチャ君! プーアル君は、ボケてくれてるんだから……! もっと、バシっとツッコンでやらねぇと! なぁ?」
プーアル「……バイソンさん、そういう事言われるのって、結構恥ずかしいです」
バイソン「ガハハ! 悪いなプーアル君! まっ、とりあえず、試合見ながらさ……? 練習しようぜ? ヤムチャ君も、もっと上手にお喋り出来ねぇと困るよ!」
ヤムチャ「……あ〜、はい。わかりました」
サガット(う〜ん……半年先輩だといえども、殆ど同期みたいなもんだからなぁ……同じ鳴り物入りだし……気持ちはわかる部分はあるが……う〜ん……)
274:
そしてーー
サガット「明日はオフだからな……今日は飲もう。たらふく飲もう」
バルログ「今日は私の試合も、女子部の試合もいい試合でしたからね。美味しいお酒が飲めそうです。ワインいっちゃおうかな……?」
ダン「……赤か? 白か? どっちだ?」
バルログ「情熱の……赤ですっ……!」
バイソン「気取ってんじゃねぇぞ、馬鹿野郎っ!」
バルログ「……あ〜、バイソン酷い」
キャミィ「今日は、シャドルーのサガットさんとバイソンさんは、試合ありませんでしたよね。ベガさんは、ザンギエフさんと、リュウさんの試合……リングサイドから見て牽制……みたいな事してましたけど」
サガット「……次に、ベガ様とリュウの試合でも組まれるのかな? まぁ、それはそれでいい事だがな」
キャミィ「ヤムチャさんは、解説していたんですよね……? どうでしたか……?」
ヤムチャ「……えっ? あ〜、それはね」
さくら「ポロっと、変な事、言っちゃたりしてないですか? ヤムチャさん?」
ヤムチャ「いやぁ、その辺は大丈夫……大丈夫だと思う……ただ、その結果『いや〜』とか『え〜っと』とか……素人感丸出しになっちゃったみたいだけどね……?」
キャミィ「大丈夫です。私も苦手です」クスクス
275:
キャミィ「……私は本当に、解説が苦手なんです。上手く出来る方法って、何かありませんかねぇ?」
サガット「……う〜ん、そうだなぁ」
プーアル「ヤムチャ様も、一緒に勉強しましょうよ。やっぱり、僕もねぇ……今のヤムチャ様って、凄く不安なんですよ……」
ヤムチャ「……うん。まぁ、その通りですよ。言い返せねぇ」
バイソン「解説を上手くやる方法……? よ〜し、バイソン様が、教えてやろうではないか……!?」
キャミィ「あっ、教えて下さい。バイソンさん」
バイソン「解説を上手くする為のテクニック……それと、女を口説く時のテクニック……そいつは、全く同じ物だ……」
ヤムチャ「……女を口説く時のテクニック?」
キャミィ「……私、そういう趣味って、ありませんよ?」
バルログ「……ふむ。興味深い話ですねぇ。聞きたいです」
ダン「あ〜、俺も俺も。聞いてみてぇよ、その話」
276:
バイソン「女を口説く時……なんてのは、なんとか相手に自分の事に興味を持ってもらおうと……相手の好みそうな話題を……振っていくだろ……? そういうもんだろ……?」
ヤムチャ「……相手の好みそうな、話題ですか」
バイソン「とにかく、自分に興味を持ってもらわなきゃ、いけねぇ……! 女を口説く時……自分がどういう風に口説いているかを、考えてみましょう!」
ヤムチャ「俺、そんなにねぇ……? 口説きまくってるワケじゃないですよ……?」
キャミィ「……私だって、そうですよ。女性を口説い経験なんて、一度もありません」
バルログ「ねぇ、バイソン……? 貴方、そこまで女性にモテるタイプでしたっけ……?」
バイソン「うんにゃ、バイソンちゃんは、モテないです。寂し〜い、日々を過ごしております……」
ヤムチャ「じゃあ、その理論、全く役に立ってないじゃないですか!?」
バイソン「ガハハ! そうかもしれねぇなぁ、オイっ!」
キャミィ「……サガットさん、何かコツとか、知りませんか?」
バイソン「お〜い! キャミィちゃん、酷いっ! ちょっと酷いんじゃないかなぁ、それは!」
キャミィ「冗談ですよ」クスクス
278:
バイソン「でも、まぁまぁまぁ、聞いて……? バイソンちゃんは……モテないけど……話を聞いて……?」
ヤムチャ「……この話、何か、続きあるんですか?」
バイソン「長々と話したけどさぁ……? 二人が今、バイソンちゃんの話に一瞬でも興味を持ってくれたのは、事実だろ……?」
ヤムチャ「まぁねぇ……? でも結局……ねぇ……?」
キャミィ「……えぇ」
バイソン「バイソンちゃんは、お顔が残念だからさぁ……? やっぱり、こうやってさ……面白可笑しい事を言って、話題を作っていって……興味を持ってもらうしかねぇんだよ……」
さくら「バイソンさん、男は顔じゃないっすよ! ハートっす! ハートっす!」
バイソン「おう、さくらちゃん、ありがとうっ! ホラ、バルログとかだったらさぁ……? こう、月が綺麗ですね……赤ワイン、美味しいですね……なんて、キザな事、言ってりゃ、女は興味持ってくれるだろ? 顔がいいから……この糞ボケがっ!」
バルログ「……なぁ〜んで、私の事、攻撃するんですよ。関係ないですよ」
サガット「バルログ、お前、そういう風に……口説いてるのか……?」
バルログ「……してませんよっ! 私は紳士です、紳士」
バイソン「バイソンちゃんが、そういう事言ってもね……? なんか、違うんだよ……? なぁ、キャミィちゃん……?」
キャミィ「……ん?」
バイソン「……二人で、月を見ながら、赤ワインを飲まないかい?」キリッ
キャミィ「」クスクス
バイソン「なっ、違うだろ……!? こうなっちまうんだよ! 話が始まらねぇんだよっ!」
279:
バイソン「だから、 バイソンちゃんはこうやって……面白可笑しい事を言って……興味を持ってもらうしか、ないワケだな……そうしていかないと、バイソンちゃんには、いつまで経っても春は来ねぇ」
ダン「……おめぇも、そういう願望はあったりするんだね」
バイソン「だから……解説も同じ事だと思うんだよ。バルログが女を口説く時みたいに……自分を格好良く、見せる為に……試合の技術的な事を解説していくも、よし……」
バルログ「……私は、そんな事してませんよ? ねぇねぇ、バイソン?」
バイソン「逆に……俺が、自分に興味を持ってもらおうとする為に……面白可笑しい事を言って……試合を盛り上げようとするのも、よし……その辺りは、あの実況の人、見てたらなんとなく、わかんねぇかな……? がっつり、お利口に解説する必要性はねぇだろ……? あの人自身がふざけてるんだから……」
ヤムチャ「……あ〜、確かに。あの人、ふざけた事、結構言ってましたしねぇ」
キャミィ「……私、あの人、凄く苦手なんですよ。こっちが、考え纏まってないのに、ドンドン質問投げかけてくるんですよ」
ヤムチャ「あ〜、わかるっ……! それ、凄ぇ、わかるっ……!」
キャミィ「……でしょ?」
バイソン「そういう時は、うるせぇ、試合の実況をしろ、馬鹿野郎っ! なんて言ってやればいいんだよ。あの人も、そういう事、言ってくれるのを待ってると思うよ」
280:
ダン「……最後まで、聞いたら意外とまともな理論だったんじゃねぇか? でも、バイソン? いきなり変化球教えるのは、どうなんだ?」
バイソン「だって、俺達はレスラーなんだから! アナウンサーじゃないんですから! それに、マイクアピールも、堅苦しいセリフばかりじゃ、通用しませんよ!」
サガット「……まぁ、俺達がヒールって所もあるけどな、そこは」
バイソン「解説席でもね……自分の事に興味を持ってもらわないと、お話は始まりませんよ」
ヤムチャ「……う〜ん、そうですね」
バイソン「解説なんて、堅苦しい事は考えずに……普段のお喋りの延長線と考えてみたらどうだ……? ヤムチャ君だって、キャミィちゃんだって……普段のお喋りでは、あそこまでガチガチじゃねぇだろ?」
キャミィ「そうですねぇ……はい……」
バイソン「女を口説く時のテクニックですよ……口説く時のテクニック……基本的なテクニックは、そういう事です……」
バルログ「……でも、バイソンって上手くいってないんでしょ?」
バイソン「うるせぇ、この野郎っ……! イケメンは楽でいいよな、イケメンは! なぁ、サガット?」
サガット「……俺を巻き込むんじゃない」
281:
プーアル「う〜ん……ヤムチャ様には、そういうテクニックって、ありませんからねぇ……間が悪いと言いますか……」
ヤムチャ「……うるせぇ、プーアル。自覚してるよ、そこは」
プーアル「……だって、今ここで、さくらさんかキャミィさん、口説けって言われたら無理でしょ?」
ヤムチャ「……出来るわけねぇじゃねぇか、そんな事!」
プーアル「そういう所ですよ、そういう所……僕、バルログさんだったら、出来ると思いますよ?」
バルログ「私、リング上では、ナルシストですけど……普段はそこまで、いってませんよ……!?」
バイソン「……いや、お前は気づいてないかもしれねぇが、結構普段から、その毛がある」
サガット「……実際どうなんだ? 出来るのか、お前は」
バルログ「……出来ませんって!」
さくら「まぁ、リングの名残りかもしれませんけど……そういうイメージはバルログさんには、ありますねぇ……?」
キャミィ「……ありますあります」
バルログ「……だ〜か〜ら」
ヤムチャ(おいおい、プーアル……俺はいいけどさぁ……? バルログさん、弄るのはやめておけよ……バルログさんをさぁ……?)
282:
ダン「……実際、お前はどういう風に口説くんだよ? ちょっと、見せてくれよ? 俺も参考にするよ」
バルログ「流石に私も、いきなりは誘いませんよ……? ホラ、前に『サガットにお洒落を教える会』ってあったでしょ?」
サガット「……あぁ、あったなぁ。アレ、本当にするのか?」
バルログ「だから、先ずは……そういう事を口実にするんですよ……そういう事を……そういった会の中で、気を伺って……そして、その時に……アレ、私、出来てるんじゃないですか……コレ……?」
さくら「うわぁ〜、巧妙な手口……」ニヤニヤ
キャミィ「あの会って、そういう魂胆もあったんですね」クスクス
バイソン「……おめぇは、詐欺師だ! 詐欺師の方が向いてるぞ!?」
バルログ「ハハハ! 違います、バイソン君っ! コレは、大人のテクニックですっ! 君のような……お子ちゃまには、わからないのですよ……ハハハハ!」
バイソン「……なんだと、この野郎〜! ふざけやがって!」
ヤムチャ(おいおいおい……バルログさんが、バイソンに攻撃を仕掛けて……)
バイソン「だったら、ヤムチャ君にも、見せてもらおうじゃねぇか! ヤムチャ君なら、そんな詐欺師みてねぇな、手段は使わねぇぞ! なっ、ヤムチャ君?」
ヤムチャ(あれっ……? 俺に来た……バイソンさんが、俺に攻撃をしてきた……)
プーアル「ホラ、バルログさんは出来るじゃないですか……? ヤムチャ様は、絶対、そういう所足りてませんよ……」
ヤムチャ(……プーアルっ!)
283:
ヤムチャ(俺が、『プーアル、お前のせいで色んな人が巻き込まれてるじゃねぇか!』なんて、言って、プーアルを攻撃すれば……この話は終わる……一連の流れは終わる……だが……!)
プーアル(……やっぱり、バルログさんは上手いですねぇ。色んな意味で)
ヤムチャ(コレ、俺が行っても、いい場面じゃねぇか……? みっともない結果に終わるって可能性は高いけど……)
プーアル(今日はね、僕の迂闊な発言で、ヤムチャ様を傷つけてしまいましたから……せめてもの罪滅ぼしです……)
ヤムチャ(……コレ、ワンチャンスあるんじゃねぇか!? おいっ!)
プーアル(ヤムチャ様……ここ、ワンチャンスですよ……! ダメ元ですが……奇跡のホームラン、いきましょうっ……!)
ヤムチャ(プーアルが意味もなく、他人を傷つけるなんて、おっかしいと思ってたんだよ……! そうかそうか、そういう事だったんだな……! 俺にチャンスをくれたんだなぁ、おいっ……!)
プーアル(失敗した時の愚痴なら、後でいくらでも聞きます………チャレンジ精神……チャレンジ精神ですよ、ヤムチャ様っ!)
ヤムチャ(本音を隠して、建前で責めるっ……! プーアル……俺はお前に教わったぜ、よしっ……! 明日はオフだ……明日のデート目指して……んっ、待てよ……?)
284:
バイソン「さぁ、ヤムチャ君、見せてくれ! 俺も学んでみたい!」
ヤムチャ(とりあえずだ……なんとか、成功させねぇとな……どう攻めるか……どういくか……)
プーアル(……ヤムチャ様〜、グループデートでも構いませんよ! 一歩一歩が大事ですからね!)
ヤムチャ「よ〜し……じゃあ、やってみましょう……! 俺も解説上手くなりたいですからね!」
サガット「……バイソンに感化されるのは、よくないぞ、ヤムチャ君」
ヤムチャ「じゃあ、先ずは……キャミィさん!」
キャミィ「……あら、私からですか?」
ヤムチャ「明日……俺と……」
キャミィ「……えぇ」
ヤムチャ「……二人で月を見ながら、赤ワインを飲まないかな? 夜景も見よう。綺麗な夜景も」
キャミィ「……」
ヤムチャ「……」
キャミィ「フフ、お断りします」クスクス
285:
ヤムチャ「えぇ、ダメなの!? なんで!?」
キャミィ「なんでって……ねぇ……?」
バイソン「……オリジナリティーがないね。25点だ」
ヤムチャ「オリジナリティーは、夜景の部分ですよ! 夜景の部分っ!」
ダン「……一人前の解説者への道は、まだまだ遠いなぁ、ヤムチャよぉ?」
ヤムチャ「何がいけねぇんだろうなぁ……ダメだ、自信がなくなってきましたよ……」
バルログ「……えっ、本気なんですか、ソレ? ボケじゃなくて?」
サガット「……まだだ。まださくらちゃんがいる。チャンスは残っている」
さくら「さぁ、かかってこいっ! ヤムチャさんっ! 返り討ちにしてやりますよ!」ニヤニヤ
ヤムチャ(さぁ、ここからだ……ここから、流れを作って……ここは、なんとしてでも成功させなきゃいけねぇぞ……!)
プーアル「ヤムチャ様、しっかりして下さいよ! 見ていて、情けないったら、ありゃしませんっ!」
286:
ヤムチャ「ダメだよ、プーアル……もう、無理だ……俺には、出来る気がしねぇよ……!」
ダン「あ〜らら、ヤムチャがイジけちゃったよ……バイソン、おめぇが変な事教えるからだぞ〜?」
バイソン「……俺はねぇ、イケメンが上手くいかない姿を見ると、皆そうなんだなって、安心する部分もあるんですよ。ヤムチャ君、俺も同じだ! 気にするな!」
バルログ「……バイソンは、本当に酷い」
ヤムチャ「もう、出来る気がしねぇよ……ギブアップだ、ギブアップっ!」
プーアル「なぁ〜に、言ってんですか、ヤムチャ様……ここで、諦めたら、逆にさくらさんに失礼じゃないですか……?」
キャミィ「そうですよ、ヤムチャさん……? それはそれで失礼じゃないですかね……?」
さくら「……いいじゃないんすか、別に? 今ので充分、笑いにはなりましたよ」
ヤムチャ(ここで押しても、絶対にいい結果は出ない……だから一度引く……コレは、ベガさん作戦だ……ベガさんの試合の途中放棄……俺が、試合を途中で放棄をすれば……)
プーアル「ほらほら、ヤムチャ様……玉砕覚悟でいくのも、男ってもんですよ……」
ヤムチャ(そう、プーアル……君は、サガットさん……試合放棄する俺を止めようとしてくれる……流石、俺の相棒だ……わかってるじゃないか……)
287:
ヤムチャ「だってさぁ……? もう、いいイメージが湧かないもん……何言っていいかわからないもん……じゃあさ? じゃあ、こうしよう……!」
プーアル「……どうするんです?」
ヤムチャ「土下座だ……土下座しよう……土下座するから、明日一日、俺に付き合って下さい……さくらちゃん……」
さくら「……うわぁ、プライド捨ててきましたねぇ。でも、それ、口説き文句としては最低っすよ?」
ヤムチャ「仕方ないじゃん……何も、思い浮かばないんだからさぁ……? お願いっ、さくらちゃん……! 明日一日、俺に突き立ってくれっ……!」ベタッ
さくら「……ちょっと、ヤムチャさん! 土下座なんてやめて下さいよ! それじゃあ、自分が悪者みたいじゃないっすか!」
ヤムチャ(リュウさんだって、ベガさんや、サガットさんに股間を攻撃されて……自分から、格好悪い真似してるんだ……それに、俺はブランカさんとの試合で……頭にきて、あの人に文句を言っちまった……)
プーアル(必死なのはわかりますが、ヤムチャ様……それは下策です。仮に成功してとしても、次には繋がりませんよ……?)
ヤムチャ(俺だって、きっと急所に攻撃される事だってあるはずだ……コレは恥を捨てる練習……ただ、それだけだ……知らない人の前ならともかく、サガットさん達の前でなら……まぁ、なっ? 大丈夫だろ……)
さくら「ヤムチャさん、それ口説きの練習になってませんよ……? だって、行動ですもん。行動でやってるんですから」
ヤムチャ「……お願いお願い。俺も、バイソンさんと一緒なの。寂しい日々を過ごしてるの。だから、明日一日付き合って下さい。お願いします」
288:
ちょっと可愛いじゃないか…w
289:
さくら「いいから、頭あげて下さい……! ヤムチャさんのそんな姿……自分は見たくないっす」
バイソン「いいぞ、 効いてるぞ! ヤムチャ君、押せ押せ!」
ヤムチャ「さくらちゃんが、オーケー出してくれるまで……俺は動かない……絶対に動かない」
ダン「……おめぇは、小学生か」
バルログ「そもそも、それでオッケーもらえて、ヤムチャ君は嬉しいんですか……?」
キャミィ「……ねぇ?」
ヤムチャ「なんとでも言って下さい……自分は動きませんよ……さくらちゃんが、オッケー出してくれるまで、この体勢のままっす……」
さくら「……酷い男だ、ヤムチャさんは! これじゃあ、完全に自分が悪者じゃないっすか!」
ヤムチャ「……なんとでも言ってくれ。これが俺の口説き方だ」
さくら「最低の口説き方っす! 最低の! そこまでされたら、オッケー出さなきゃ、この話終わらないじゃないっすか!?」
ヤムチャ「おっ……! おっ、言ったね……? オッケー出したね? プーアル、お前も聞いたな?」
プーアル「……いや、出ましたけど、ヤムチャ様はそれで満足なんですか?」
ヤムチャ「満足だよ、大満足だよ! なんとでも言うがいいさ、プーアル!」
290:
バイソン「いやぁ〜、実に泥臭い、いい試合を見た! こいつはバルログには出来ねぇなぁ? なぁ?」
バルログ「……ナルシストな私は、絶対に出来ませんね。こんな作戦は」
サガット(俺は、恋愛に疎いが……なんとなく、バイソンとバルログがヤムチャ君の背中を押しているように感じていた……だが……)
キャミィ「……コレ、本当に明日は行くんですか?」
ヤムチャ「来てもらいますよ〜。こっちは土下座までしたんだ。付き合ってもらわなきゃ、ワリに合わねぇ」
さくら「……最低っす。この人、最低」
ダン「……さくら。勝手に喋って勝手に動くATMができたと思いなさい。ATMが」
サガット(土下座までするかなぁ……? 普通は……ヤムチャ君には、別の目的があるように、思える……)
プーアル(この恋は終わったかも、しれない……目の前の一手の為だけに……全てを崩してしまったかもしれない……)
サガット(……別の目的があるとすれば、それは)
バイソン「キャミィちゃんっ! 明日、俺とデートして下さいっ! この通りです! 土下座もします!」ベタッ
キャミィ「フフ、お断りします」クスクス
さくら「……変な口説き方を流行らせないで下さい。ホラホラ、反省会始めるっすよ、反省会っ! いつまでやってるんっすか」
ダン「いやぁ、実に面白いやりとりを見た! 反省会の前のウォームアップにゃ、最適だったな! あっ、姉ちゃ〜ん! 焼酎のおかわりくれや!」
304:
そしてーー
ヤムチャ「よ〜し……何とか、さくらちゃんとの約束は取り付けたぜ……プーアル、後押しありがとな! やっぱり、お前は最高の相棒だぜ!」
プーアル「……はぁ」
ヤムチャ「明日は、スーツとか着て行くわけには、いかないからなぁ……またさくらちゃんに恥かかせちまう……ん〜っと、どれにしようかなぁ〜っと……プーアル、お前はどれがいいと思う……?」
プーアル「……どうでもいいですよ、そんな事」
ヤムチャ「おいおい、ちょっと冷たくないかな……? プーアルよぉ……?」
プーアル「今更、お洒落して格好つけてる場合ですか! お洒落して! ヤムチャ様、土下座までしたんですよ!? なんですか、あの誘い方は!」
ヤムチャ「いやいや、まぁまぁ……あれは、何としてでもさくらちゃん、誘わないといけなかったから……なっ、なっ……? 上手くいったんだから、いいじゃねぇか……?」
プーアル「さくらさんも言ってましたけど、最低です。最低の口説き方です。結果的に誘う事は出来ましたが……あれで、その後、上手くいくと思っているんですか!? ヤムチャ様は!」
ヤムチャ「あ〜、いや……まぁ、ちょっとね……なりふり構わなすぎた所も、あるよねぇ……」
プーアル「……ちょっとじゃないです。ちょっとじゃ」
ヤムチャ「う〜ん……違うんだよ……プーアル、ちょっと聞いてくれよ……?」
プーアル「……何ですか、ヤムチャ様」
305:
ヤムチャ「俺さぁ? 自分自身で、自分の嫌いな所あるんだけど……プーアル、それって、何処かわかる……?」
プーアル「……だから、バカな所でしょ?」
ヤムチャ「……違う」
プーアル「……じゃあ、弱い所ですね。間違いありません」
ヤムチャ「だから、俺は……普通の人達の中では……まだ強い方! 強い方! 悟空達だけが、ずば抜けてるだけなの」
プーアル「他にも、ヤムチャ様のダメな点は沢山沢山ありますけど……大部分はその二つじゃないんですかねぇ……? 僕は、その二つだと思いますよ?」
ヤムチャ「沢山沢山って……プーアル、ちょっと酷くないかい……?」
プーアル「……冗談に決まってるじゃないですか。ダメな所を含めてのヤムチャ様です。僕は、バカで弱いヤムチャ様の事、大好きですよ」
ヤムチャ「弱いは認めよう……弱いは……でも、俺、そんなにバカではないと思うぞ!?」
プーアル「……いや、結構バカです」
ヤムチャ「俺は、バカだったのか……なんか、ショックだ……」
プーアル「それで……? 御自分で嫌いな所って、何処なんですか……?」
ヤムチャ「……優柔不断で、決断力がない所だ」
306:
プーアルさんはヤムチャに厳しいなw
307:
プーアル「だから、決断力を身につける為に、あんなみっともない誘い方を……?」
ヤムチャ「違うの。違うの、プーアル……そこじゃない……」
プーアル「……そこじゃない」
ヤムチャ「俺が、気になってるのは……ディージェイの事だよ……」
プーアル「……ディージェイさんの事?」
ヤムチャ「サガットさん、今日かなり冷たく言ってだだろ……ホラ、もうアイツに構うなだとか……泥舟に乗り込むな……な〜んて、言ってたよな……?」
プーアル「まぁねぇ……でも、やっぱりディージェイさんはねぇ……」
ヤムチャ「あれさぁ……? 例えば、悟空だったらね……? サガットさんに、何て言ってたと思う……?」
プーアル「……えっ? 悟空さんですか?」
ヤムチャ「『ディージェイだって、オラ達の仲間だろ! どうしてそんな冷たい言い方しちまうんだよ!』なんて、言ってたと思わない……?」
プーアル「……う〜ん、まぁ言いそうな台詞ではありますが」
ヤムチャ「そうだろ、言いそうだろ……? でも、俺はそうじゃねぇんだよ」
310:
ヤムチャ「サガットさんの言ってる事は、正しいんだな……長く続けてる、サガットさんが、そう言うんだから……正しいんだな……そう、思っちまう……」
プーアル「……まぁ、ねぇ」
ヤムチャ「下手にアイツと絡んでね……また、騒動起こしちまったら、第五試合に戻れなくなって……最近優しくなってきた、ケンさんがまた冷たくなるかも、知れない……そうなっちまうと思う……」
プーアル「そうですよ、そうです。最近のケンさんは、ヤムチャ様にアドバイスもくれるし……合体技だって、考えてくれるじゃないですか」
ヤムチャ「サガットさんの言ってる事は、冷たい様に思えるけど……正しい事……そう思う。ただ、だ……ただ、その一方で、俺はこう思うんだ……」
プーアル「……ん?」
ヤムチャ「ピッコロや、ベジータだって……最初は、あんな感じだったとは思わねぇか……?」
プーアル「ピッコロさんや……ベジータさんですか……」
ヤムチャ「いやっ、ひょっとしたらアイツらは、ディージェイより、酷かったかも知れない……! だって、『地球ブッ壊す』とか、言ってだろ!? アイツらは、絶対、もっともっと酷かったよ!」
プーアル「う〜ん……まぁ、ディージェイさんとタイプは違いますが……まぁねぇ……?」
312:
ヤムチャ「ピッコロやベジータ見てみろっ!? 今、アイツら何してる!? ピッコロは神様だ! ベジータは暖かい家庭を築いてやがるよ、ちくしょう!」
プーアル「……ヤムチャ様、嘆かない」
ヤムチャ「アイツらだって、ちゃんとした奴らになったんだぞ。まぁ、俺が言うのも変な話だけどね……だったら、ディージェイだってさぁ……? いけるとは思わねぇか、プーアル……?」
プーアル「それは難しい話ですねぇ……なんせ、タイプが違いますから……」
ヤムチャ「あれはねぇ……やっぱり、悟空の懐の広さだと思うんだよ、俺は……悟空が受け入れてやったからこそ……やっぱり、そういう結果になったんだと思うんだよ……」
プーアル「……う〜ん、そうかも、しれません」
ヤムチャ「ホラ、俺達だってさぁ……? 昔はチンケな盗賊やってただろ? でも、やっぱり悟空と出会った事で……人生変わった部分も、あるんじゃないかな……?」
プーアル「……楽して、稼ごう。なんて二人で言ってましたよねぇ。恥ずかしい話です」
ヤムチャ「……プーアルにだから、こういう事は言えるけどさぁ?」
プーアル「……ん?」
ヤムチャ「……サガットさんの、目の前で俺はこの事を言う勇気はねぇ。反論せずに、飲み込んじまうんだ」
313:
ヤムチャ「ずっと、一緒にやってきた、悟空と俺の違い……そこかもしれねぇなぁ……」
プーアル「いや、悟空さんと比べても、仕方ないんじゃないですかねぇ? だって、サイヤ人ですよ?」
ヤムチャ「いや、でも悟空と比べるとやっぱり俺はねぇ……決断力ないって言うか……優柔不断って言うかさぁ……?」
プーアル「決断力がないってわけじゃないですよ、それは……慎重派……とも言い換えれます……」
ヤムチャ「……案外さぁ? ベジータとかも、言うんじゃねぇか? 『だったら、このベジータ様が直々に鍛えてやる!』なんて言ってさぁ?」
プーアル「それは、ないでしょ……? だから、ヤムチャ様は判断能力が高いんですよ。決断力がないとか……優柔不断……なんて、話ではないと僕は思います」
ヤムチャ「う〜ん……でも、やっぱり俺自身も気になってる所はあるんだよな……ディージェイに対して……」
プーアル「……気持ちはわかりますけどね。ディージェイさんとの試合、ひょっとしたら、ヤムチャ様の試合の中で、一番盛り上がってたんじゃないですか?」
ヤムチャ「……ヤムチャコールは、ひょっとしたら、一番デカかったかもしれない。絶対、アイツも、俺と同じただの間が悪い奴だけなんだと思うんだよ」
314:
ヤムチャ「それで、ディージェイの一件……多分、サガットさん達の協力は得られそうにねぇだろ……?」
プーアル「まぁ、否定的と言えば……結構、否定的でしたからね……」
ヤムチャ「俺一人で何とかする能力もない……下手に動くと、トラブルが起きちまうだけだからな……」
プーアル「……まぁねぇ」
ヤムチャ「……でも、やっぱり俺は気になってるんだ」
プーアル「……はい」
ヤムチャ「だからね……? こう、さくらちゃんに、ひっそり二人で相談してみようかな……? なんて、思ってね……?」
プーアル「……そういう事だったんですか、ヤムチャ様」
ヤムチャ「流石に、デートする為だけに、土下座なんてしねぇよ……明日はその相談がメインだよ……」
プーアル「……なるほどねぇ」
ヤムチャ「悟空と違って……俺には、こういうやり方しか思い浮かばねぇワケだな……やっぱり、俺もさぁ……? こう悟空みたいになんて言うの……? 時には、サガットさんにガツンと噛み付いていかないと、いけないのかね……?」
プーアル「悟空さんはねぇ、やっぱり強いから、そういう事やっても、なんだかんだで上手くいくんですよ。僕は、ヤムチャ様には、こういったやり方の方が、らしいと思います」
ヤムチャ「そうだな……俺には、こういうやり方の方が、似合ってると思うよ……あ〜、後、アレだな……? 悟空は、俺と違って、運を持ってるよ、運を! 」
プーアル「……ヤムチャ様は、間が悪い男ですからね。確実に運は持ってませんね」
316:
ヤムチャ「でも、ちょっとはマシになって来たんじゃねぇかな……? ホラ、さくらちゃんも、上手く誘う事が出来たんだし……」
プーアル「……あっ」
ヤムチャ「上手くいけばさぁ……? さくらちゃんとも、恋が発展して……ディージェイを改心させる事の出来る術も見つかる……! 最高の一日になるんじゃねぇか、おいっ!」
プーアル「ねぇ、ヤムチャ様……? 僕、一つ気づいたんですけど……言ってもいいですか……?」
ヤムチャ「……どうした、プーアル?」
プーアル「さくらさんってね……確か、女子部の試合表を作ってる方ですよねぇ……? それで、女子部では……二番人気の方ですよね?」
ヤムチャ「……でも、最近は、キャミィさんの人気上げようとしてるんじゃねぇか?」
プーアル「それでも、三番人気でしょ……? それで、サガットさんは……五番目ぐらいでしたっけ……?」
ヤムチャ「え〜っと……ザンギエフさん……ベガさん……リュウさん……ケンさん……うん、五番目だな。サガットさんは五番目だな」
プーアル「男子部と女子部の違いはありますが……女子部の試合表を作っている、二番人気か、三番人気の人……男子部で五番人気の人……」
ヤムチャ「……うん」
プーアル「……これってね? どっちの方が、役職が上になるんですかね?」
317:
ヤムチャ「そういう事は考えた事はなかったなぁ……あ〜、でも今日さぁ……? ザンギエフさんと、ベガさんと……さくらちゃんと、三人であそこの部屋にいたよなぁ……?」
プーアル「……ですよねぇ?」
ヤムチャ「って事は……意外と、さくらちゃんの方が立場が上だったり、するのかねぇ……?」
プーアル「あのね、これは、僕のイメージなんですけどね……ヤムチャ様……?」
ヤムチャ「……うん」
プーアル「やっぱり、役職が上の人間になる程……下の者の意見って、汲み取ってくれないと思うんですよ……それだけ、見なきゃいけない下の人間が増えますから……」
ヤムチャ「……うん、そうだよね。うん」
プーアル「それに……トップの人間に近い位置に、います。それって、直接話する機会が多いから……色々と報告する義務があったりだの、するんじゃないですかねぇ……?」
ヤムチャ「……あるかも、知れないねぇ、うん」
プーアル「冷たい言い方になりますけどね……? 新入りのヤムチャ様が……余計な事に首を突っ込んでいる……こういった事を……ザンギエフさんに、直接報告されてしまうのが、一番マズいんじゃないですかねぇ……?」
ヤムチャ「いや、間違ってねぇよ、プーアルは……だから、サガットさんは、そうならない様に、俺に警告してくれたんだよ、うん」
プーアル「……これ、相談相手は、さくらさんで良かったんですか? ヤムチャ様?」
ヤムチャ「……」
プーアル「……ねぇ?」
ヤムチャ「……間違えたかもしれないね。うん」
318:
プーアル「……出たよ出たよ。いつものヤムチャ様が! も〜う!」
ヤムチャ「あれぇ〜!? おっかしいなぁ……! どうしてこうなった……! どうしてこうなったんだ、俺っ……!」
プーアル「僕ねぇ、ヤムチャ様が、自分の事だけじゃなくて……他人の事を気にかけてあげれるように、なるだなんて……嬉しかったですよ! これぞ、本当の、ヤムチャ様の器の広さだ……なんて、思いましたよ! 涙が出そうになりました!」
ヤムチャ「う〜ん、これは、失敗してしまったかもしれない……相談相手を間違えてしまったかも、しれない……」
プーアル「なぁ〜んで、そういう一番大事な所が、ポンと抜けちゃうんですよ!? ヤムチャ様はいつも、そうですよ!?」
ヤムチャ「恋は盲目って、おっかねぇよなぁ!? なぁ、プーアルっ!?」
プーアル「僕ねぇ、ヤムチャ様の、そういう所が……大っっっ嫌いですよ!」
ヤムチャ「うるせぇ、俺だって嫌いだよ、自分のこんな所はよぉ! これ、そうっすかねぇ……? ちょっと困ったぞ……?」
プーアル「……一歩間違えたら、騒動が大きくなりますよ。ヤムチャ様?」
ヤムチャ「これさぁ……? 今なら、案外、普通のデート……って事で、何とかならねぇかな……?」
プーアル「……土下座までして、何を言うか」
ヤムチャ「そうだよな、ダメよな……あ〜、くそっ……これ、もう突っ切るしかねぇのかな……?」
プーアル「……僕も、明日はついて行きましょうか?」
ヤムチャ「う〜ん、どうすっかねぇ……? 本当はね……? デートも出来て、ディージェイの事も、相談出来る、一石二鳥なハッピーデーになる予定だったんだけどね……?」
プーアル「……な〜にを、言ってるんだ、この人は。今から、明日の予習でもしましょうか。僕も付き合いますよ」
ヤムチャ「……プーアル、いつもありがとうね。感謝するよ」
320:
翌日ーー
さくら「……おはようございま〜す」
ヤムチャ「お〜うっ! さくらちゃん、おはよう! 今日はいい天気だ! デート日和のいい天気である!」
さくら「……あっ、ATMが喋った」
ヤムチャ「えっ……!? ATMって……!」
さくら「……あっ、ATMが動いた」
ヤムチャ「ちょ〜っと、その言い方、酷くないかな、さくらちゃん? このATMには、感情があるんだぞ!?」
さくら「アハハ、冗談っすよ、冗談。なかなか、上手い返しするじゃないっすか、ヤムチャさん?」
ヤムチャ(この辺は、プーアルとの……予習の成果である……プーアルよ、ありがとう……感謝するぜ……)
さくら「今日は、プーアルさんはどうしたんっすか?」
ヤムチャ「プーアルはお留守番っすよ。お留守番。今日はさくらちゃんと、俺との二人きりだ」
さくら「……マ〜ジで、二人っきりなんっすか!?」
ヤムチャ「……二人っきりでも、いいじゃない。だって、こいつはデートなんだから」
321:
さくら「デートね……デート……じゃあ、今日は、何処に自分を連れて行って、もてなしてくれるんすか……?」
ヤムチャ(この辺はねぇ、先ず、相手の出方を探るのがいいの……さくらちゃんの行きたい所に連れて行ってあげればいいの……)
さくら「自分を誘ってくれたのは、ヤムチャさんなんっすから……? 勿論、考えててくれてるんすよね?」
ヤムチャ「いや〜、特に俺には何も考えてないよ。さくらちゃんは、何処か行きたい所、あったりしないの?」
さくら「……えっ?」
ヤムチャ(見よ、この大人の対応……これが、大人のテクニック……って、アレ……?)
さくら「何にも、考えてくれてないんすか? 本当に、ただ勢いで誘っただけなんすか、コレ!?」
ヤムチャ(アレ……? おかしいぞ……? 何かがおかしい……ブルマはいつも、自分から、何処へ行きたいだとか、言い出してくれてたと言うのに……何故、さくらちゃんは言い出してくれない……人任せなんだ……?)
さくら「酷い男だ! 酷い男だぁ、ヤムチャさんは!」
ヤムチャ(おいおいおい……人任せは良くないぞ……!? 人任せは良くないぞ、さくらちゃん……!)
323:
さくら「こう、自分は、ヤムチャさんが、珍しく場所になんか連れてってくれる……ビックリドッキリな一日になるんじゃないかと、期待してたり、したんすよ?」
ヤムチャ「……いやいやいや、俺にそこまでを、求めちゃいけないよ」
さくら「なぁ〜に、言ってんすか。誘ってくれたのは、ヤムチャさんの方っすよ……?」
ヤムチャ(う〜ん……まぁ、そうだけど……本題は別にあったり、するからね……それで、本題を言うのは……まだ早い……)
さくら「普段は、どういう所に行ってんっすか……? ヤムチャさんは。何か馴染みの店とか……ないんすか……?」
ヤムチャ「あっ、え〜っとねぇ……それはねぇ……」
さくら「趣味とか……好きな事とか……よくよく、考えたら、ヤムチャさんとそういう話、あまりしてないっすよね?」
ヤムチャ「俺の趣味か……う〜ん……そうだな……」
さくら「……何で、趣味がパッと出て来ないんすか。自分の事でしょう」
324:
ヤムチャ「う〜ん……どうなんだろ……? ひょっとしたら、趣味とか……俺にはないかもしれない……」
さくら「なぁ〜んで、趣味の一つもないんすか……? 情熱のない男っすねぇ……」
ヤムチャ「……違うんだよ。さくらちゃん、ちょっと聞いてくれ」
さくら「……ん?」
ヤムチャ「俺、ここ来る前は……まぁ、武道家やってたからさぁ……? 天下一武道会とかで活躍する為にさぁ……? まぁ、ずっと修業続きの生活だったんだよ……」
さくら「そうっすよね。天下一武道会で結構、結果残してたみたいっすもんね、ヤムチャさんは」
ヤムチャ「ずっと、山籠りとかして、修業して……それで、そういう大会がある時には、フラッと街に来て……それで大会に出て……ちょこっと、街で飯を食って……それで、また山に籠りに行く……そんな生活だったんだよ……」
さくら「はぁ、そんな仙人みたいな生活してたんっすね。じゃあ、修業が趣味みたいな、モンなんすか?」
ヤムチャ「自分では、そのつもりだった……武道の道に人生を捧げてたつもりだった……だけどね……?」
さくら「はい」
325:
ヤムチャ「やっぱり、なんて言うのかな……? 自分より、強い奴が、沢山沢山出てきたんだよ……まぁ、セルゲームにも参加した……なんて皆は言ってくれるけどね……? アレは行っただけだよ……何もしてないんだよ……」
さくら「……だって、アレは人間じゃないっすもん。あんなモン、どうしようもないっすよ」
ヤムチャ「やっぱりでもねぇ……そこで、心折れずにやる奴って、いるもんなんだよ……だけど、俺は、心が折れてしまったんだ……」
さくら「……」
ヤムチャ「自分は武道の道に生きる男では、なかったんだな……俺はここまでなんだな……なんて、思ってね……違う道を進もうと思ったんだよ」
さくら「セルゲームから、ウチの団体に来る間……とかは、何してたんっすか?」
ヤムチャ「俺は修業しるぐらいしか、脳がなかったからね……まぁ、修業はしてたつもりだけど……やっぱり、身についてない修業だったと思うよ……何処か、うわの空だった」
さくら「……そうなんすか」
ヤムチャ「改めて思うとプーアルも言ってたよ。『もっと真面目にやって下さい!』なんてね……? でも、モチベーションをそこに見出せなかったんだ……」
さくら「自分達はプロレスっすけど……そうっすよねぇ。やっぱり格闘家とか、武道家の人が、そこにぶつかった時って、辛いっすよねぇ……そっちはガチなんっすから……」
ヤムチャ「……強いて言うなら、山籠りが趣味なんじゃないかな? どうする、さくらちゃん? 今日、登山しようか? 修業に、いい山知ってるよ俺」
さくら「アハハ! 流石に、この格好で登山は嫌っすよ! ヤムチャさんだって、その格好で登山、嫌でしょう?」
ヤムチャ「今日は、前と違ってね……ちゃ〜んとした服を着てきたよ」
326:
さくら「じゃあ、まぁ、今日はとりあえず……ブラブラしましょうか?」
ヤムチャ「ゴメンね。なんか、俺が誘ったのに……ノープランで」
さくら「そういう事なら、構わないっすよ。ヤムチャさんをプロレスに誘ったのは、こっちなんっすし……プロレスを趣味にして下さい」
ヤムチャ「そうだね。俺、結構、一つの事に夢中になるタイプだから……それがいいと思うよ」
さくら「それで、今日は……二人で街をブラブラしながら……」
ヤムチャ「……うん」
さくら「ヤムチャさんの、新しい趣味……見つけて行きましょうよ?」ニコッ
ヤムチャ「……付き合ってくれて、ありがとうね。さくらちゃん」
さくら「じゃあ、とりあえず行きましょうか? なぁ〜んか、気になる店とかあったら……言って下さいね? 飛び込みで、色々と探していきましょう」
ヤムチャ「今日は、いい休日になりそうですよ。感謝しますよ、さくらちゃん」
さくら「いえいえ、こちらこそ。楽しい休日にしましょう」
357:
ーーー
ヤムチャ「う〜ん……」キョロキョロ
さくら「何か、気になるお店、見つけました? ヤムチャさん?」
ヤムチャ「う〜ん……今の所ねぇなぁ……」
さくら「まぁ、時間はあるっすよ。じっくり焦らず……ねっ?」
ヤムチャ「俺は結構ね、人に言ってもらう方が性に合ってるかも知らないね……この店、お勧めだよ! みたいな所、何かないの……?」
さくら「趣味って、人に教えられて、身につけるもんなんっすかねぇ?」
ヤムチャ「う〜ん……そうだよねぇ……」
さくら「まぁまぁ、焦らず焦らず……」
ヤムチャ「何かいい店……何かいい店……んっ……? あっ……!」
さくら「……何か、気になるお店、見つけましたか?」
ヤムチャ「うんっ! 俺、この店行きたい! この店、行こうよ、さくらちゃん!」
さくら「CDショップっすか」
358:
さくら「音楽が趣味……いいじゃないっすか、ヤムチャさん……」
ヤムチャ「……でしょ? 俺にしては、なかなかいいチョイスだと思わない?」
さくら「普段は、どんなの聴いたりするんすか? ヤムチャさんは?」
ヤムチャ「……あまり、聴かないけどね。でも、たまぁ〜に、友達に連れて行かれたりしてた。俺は聴いてるだけだけどね」
さくら「折角行ったんだったら……歌わなきゃ、勿体無いっすよ〜」
ヤムチャ「歌える曲がねぇんだよ……友達の良く歌う曲は、覚えたけどね。お好み焼きを作る歌……あれなら、歌えるんじゃないかな?」
さくら「……なんすか、ソレ?」
ヤムチャ「アレ、知らない……? ツルツルツルツル〜、ネバネバネバネバ〜って、ヤツ……」
さくら「な、なんすかソレ……!? そんなの聴いた事、ないっすよ!」
ヤムチャ「……アレ? 有名じゃないのかな?」
さくら「ダンさんもねぇ、結構わけわかんない曲を、拳を効かせて歌いますけど……流石に、それは聴いた事ないっす……! えっ……? ツルツルツルツル……ネバネバネバネバ……?」
ヤムチャ「ツルツルツルツル〜、ネバネバネバネバ〜 だよ」
さくら「ソレ、聞きたいっす。今度、皆でカラオケ行きましょうよ。それで……それ、歌って下さい」
ヤムチャ「……嫌だ。流石に、アレをフルで歌うのは、恥ずかしい」
さくら「土下座までした人が、何言ってんすか?」
ヤムチャ「土下座は忘れてよ……土下座は……まぁ、とりあえずさ……? ここ、行こうよ。この店にさ……?」
さくら「そうっすね!」
359:
ーーー
ヤムチャ「え〜っと、え〜っと……うわぁ、凄ぇなぁ……いっぱいあるんだなぁ……」
さくら「ポップス……ロック……意外性を突いて、ジャズっ……! クラシックなんかも、いいっすね……さぁさぁ、ヤムチャさん、何を選ぶ?」
ヤムチャ「……さくらちゃんが、何を言ってるのかが、俺にはわからない」
さくら「メタル……パンク……フュージョン……ユーロビート……! ダンさんなんかは、演歌が好みっすね!」
ヤムチャ「もう、やめてくれ! その可笑しな呪文を唱えるのは! 君は何を言ってるんだ!?」
さくら「こんなの、まだまだ一握りっすよ? バルログさんはラテン系の曲が好みですし……サガットさんは、民族音楽みたいなのを好んで聞いてますね……バイソンさんは結構、幅広いっす。え〜っとね……」
ヤムチャ「もういいもういい……わかったわかった……とにかく、探そう……自分にあったCDを何か探してみよう……」
さくら「アハハ、なかなか弄りがいのある人っすね! ヤムチャさんは」
ヤムチャ「え〜っと、え〜っと……た……ち……つ……て……」
さくら「そういや、ツルツルツルツル、ネバネバネバネバって、曲……なんて曲なんですか? それ、自分も聴いてみたいっすよ」
ヤムチャ「あ〜、アレなんて曲だったかな……? 曲名までは、覚えてねぇや……え〜っと……て……て……て……おっ!? あったぞ、あったぞ! コレだ! コレコレ!」
さくら「……迷ってたわりには、あっさり決めましたね?」
360:
ヤムチャ「コレだ。コレ買おう。コレコレ……」
さくら「……あっ、それ、ディージェイさんのCDだ」
ヤムチャ「俺はさぁ……? そんな沢山の種類の中から、一つ選べ……なんて、事は無理だから……こういう所から、入っていこう。こういう所から」
さくら「なるほどねぇ」
ヤムチャ「これはさぁ……? なんていう、音楽のジャンルなの……?」
さくら「う〜ん……そういやディージェイさんのCDって、自分も聴いた事なかったような……」
ヤムチャ「聴いてあげなよ〜? アイツも、音楽では一流だったんでしょ? ダルシムさん、言ってたよ?」
さくら「う〜ん……でも、多分……ファンクっぽいですねぇ……」
ヤムチャ「あっ、なるほど! だからアイツ、狂ったように、ファンキーファンキーって言ってるんだ!?」
さくら「……困ったもんっすけどね」
ヤムチャ「とりあえずさぁ? これ買って……聴いてみようよ? そしたら、ディージェイの事も、よくわかるんじゃない? 俺も、アイツの事、まだまだわかんないし……」
さくら「う〜ん……ソレ、経費で落ちるんすかねぇ……? 微妙なラインだ……」
ヤムチャ「いいよいいよ。これは俺が買うよ。何処かで、コレ、聞ける場所ないかな? 何か、そういう場所、知らない? さくらちゃん?」
さくら「馴染みの喫茶店が近場にあるんで……そこなら、いけるんじゃないっすかねぇ……?」
ヤムチャ「じゃあ、これ買って……そこに行きましょう。その喫茶店に……それじゃあ、ちょっとレジに行ってくるよ!」
さくら「あっ、は〜い」
362:
喫茶店ーー
さくら「ど〜も、こんにちは〜っす!」
ヤムチャ「……何か、飯でも食う? 誘ったのは俺なんだし、出すよ?」
さくら「う〜ん……どうしますかねぇ……?」
ヤムチャ「サンドイッチ美味しそうだったよ? 女の子って、サンドイッチ好きでしょ?」
さくら「……残念。自分はパンより、白ご飯派っす」
ヤムチャ「白ご飯派ね……じゃあ、まぁ、覚えておくよ。次に生かします。今度は美味しい白ご飯が食べれるお店にお誘いしますよ」
さくら「馴染みの喫茶店で、そんな事言うの、やめて下さいよ! まるで、ここの白ご飯が美味しくないみたいじゃないっすか」クスクス
ヤムチャ「うん、細かい所で、やらかしちゃうねぇ、俺……」
さくら「ここの、白ご飯も美味しいっすよ? とりあえずねぇ……今日は、ミルクティーでお願いします」
ヤムチャ「じゃあ、俺は……コーヒーでお願いしま〜す」
さくら「あっ、後ねぇ……ちょっと、このCDかけてもらっていいっすかね……?」
ヤムチャ「……お手数かけます。申し訳ありませんね」
363:
〜♪ 〜♪
ヤムチャ「おっ……? コレがアイツの曲か……」
さくら「ミルクティーと、コーヒーも来ましたよ。ヤムチャさん」
ヤムチャ「ふ〜ん……アイツ、こんな音楽やってるんだね……」
さくら「……うわ、酷っ! 何、そのリアクション!?」
ヤムチャ「アレ……? 俺、何か間違ったかな……?」
さくら「『ふ〜ん』て! リアクションが『ふ〜ん』だけって!」
ヤムチャ「……えっ、じゃあ、どういうリアクションすればいいの?」
さくら「凄い格好いい曲じゃないっすか!? ディージェイさん、こんな音楽やってたんっすねぇ……ちょっと見直した……と、いうか尊敬しますよ」
ヤムチャ「……あっ、コレ、やっぱり凄いんだ?」
さくら「何故、何も感じないんだ、ヤムチャさんは! この曲を聴いて!」
ヤムチャ「……だから、多分、普段音楽聴かないからだろうね」
364:
さくら「ちょっと、歌詞カードいいっすか……? うわっ、コレ、凄いっ!」
ヤムチャ「……何が?」
さくら「ヴォーカル……ギター……ベース……ドラム……キーボード……サックス……パーカッション……全部、あの人が一人でやってますよ!」
ヤムチャ「……それって、凄い事なの?」
さくら「ヤムチャさんにはねぇ……人として大事な物が欠けてる気がします……なんで、これ聴いて何も感じないんすか?」
ヤムチャ「こういうリアクションを……ディージェイの前でしちゃったら、怒られるかな……?」
さくら「怒られるって言うか……呆れられるような気がしますねぇ……」
ヤムチャ(俺はわかんねぇけど……さくらちゃんは、ディージェイの事、ベタ褒めしてるなぁ……この辺は、使えそうかな……?)
さくら「結構ねぇ……自分も呆れてたりしますよ、ヤムチャさんに……いくら、普段、音楽聴いてないって言ったって……こりゃ、あんまりだ、あんまりすぎます」
ヤムチャ(うん、でも、これは良くない流れだ……本題の方は進んでいる気がするが……副題の方に影響が出てる気がする……)
365:
ヤムチャ「俺が、詳しくない……ってのも、あるけど……多分、さくらちゃんが詳しすぎるんでしょ……?」
さくら「いやいや、そんな事はないっす」
ヤムチャ「だって、さっきのCDショップでも、呪文みたいに色々言ってさぁ……? 絶対、詳しすぎるよ」
さくら「……まぁ、自分は学生時代に、ちょこっとしてましたからね」
ヤムチャ「あっ、そうなんだ。さくらちゃんも、音楽やってたんだ? 凄いじゃん」
さくら「……ちょこっと、ギターやりながら、歌ってただけっすよ」
ヤムチャ「へ〜、さくらちゃん、ギター出来るんだ。凄いじゃん」
さくら「ディージェイさんは、ベースにドラム……全部、出来ますよ!」
ヤムチャ「俺は何も、出来ないよ? 一つ出来るだけでも、凄い事じゃん。こういう曲をさくらちゃんもしてたの?」
さくら「こ〜んな凄い技術……持ってるわけないじゃないっすか! コピーっすよ。他の人の、作った曲を、歌って、弾いて……そんなレベルっす」
ヤムチャ「ふ〜ん、そうなんだ」
さくら「まぁ、オリジナルは一曲だけ、作りましたけど……まぁ、学生時代のいい思い出っすよ」
366:
ヤムチャ「自分で作った、オリジナルの曲が一曲あるんだ? 凄いじゃん! 凄い凄い!」
さくら「なぁ〜に、言ってんすか。ディージェイさんの、このCD……14曲もありますよ、14曲も! しかも、自分より遥かに高いレベルで」
ヤムチャ「14曲でも、1曲でも、自分自身で、零から生み出してるんでしょ……? 凄い事には、変わりないんじゃないかなぁ?」
さくら「いや〜、流石にディージェイさんの曲を聞きながだったら……ねぇ……?」
ヤムチャ「俺なんて、何も作れないよ! 唯一、歌える曲が、ツルツルツルツル〜、ネバネバネバネバ〜、なんだから」
さくら「……しかも、曲名すら、覚えてませんもんね。ヤムチャさんは」クスクス
ヤムチャ「あれ、なんて曲名だったかなぁ……? お料理……地獄……なんか、そんな感じそんな感じ」
さくら「はぁ、世の中には、変わった曲もあるんすねぇ……」
ヤムチャ(褒められて、悪い気になる相手はいない……確かに、その通りだ、プーアル。立て直してこれたんじゃないかな……? そして、次に繋げる一手……それも忘れちゃいかん……俺は忘れないよ、プーアルっ……!)
367:
ヤムチャ「じゃあさぁ……? 今度は、そのさくらちゃんの、オリジナルの曲を聴かせてよ?」
さくら「あ〜、嫌っす! 絶対に……嫌っす!」
ヤムチャ「えっ……!? なんで……!?」
さくら「だって、ディージェイさんの曲、聞いての反応が……『ふ〜ん』とか……そんな感じだったじゃないっすか! そんな人に聴かせても……ねぇ……?」
ヤムチャ「大丈夫だって、大丈夫! さくらちゃんのは、ちゃんと感想いうから!」
さくら「……ど〜だか」ニヤニヤ
ヤムチャ「今度聴かせてよ、今度! 約束ね、約束!」
さくら「ど〜しよっかなぁ〜?」
ヤムチャ(多少、強引ではあるが……次の一手を俺は打ったぞ、プーアルっ! さぁ、そろそろ……本題へと、戻りましょうか……)
369:
ヤムチャ「まぁ、ディージェイ相手にね……『ふ〜ん』なんてね、言っちゃったらまたアイツ、不貞腐れるかもしれないから……その辺は気をつけないと、いけないね」
さくら「そうっすよ。これだけ、凄い曲をしてるのに……」
ヤムチャ「……やっぱり、一流?」
さくら「そりゃ、一流っすよ」
ヤムチャ「……プロレスでは?」
さくら「三流……って、言わせないで下さいよ……!」
ヤムチャ「やっぱり三流なんだ……でも、これだけ出来るんだったらねぇ……プロレスにも、生かしてもらいたいもんだよねぇ……」
さくら「なんでかんだでねぇ……ディージェイさんは、一人でやってるんっすよ。ホラ、この音楽に関したって……全部の楽器を一人でやってるじゃないっすか?」
ヤムチャ「じゃあ、皆が皆……ディージェイになったら、上手くいくのかな……?」
さくら「案外、上手くいくかもしれませんけど……それやるなら、ディージェイにさんが、皆になるべきっすよね?」
ヤムチャ「……その辺を、上手く本人に伝える方法って、ないかなぁ?」
さくら「……う〜ん」
ヤムチャ「いや、俺も気になってる部分も、あるしね……?」
さくら「……まっ、繋がってきましたね」
ヤムチャ「おっ、何か、繋がった? いい案出た? 俺も協力するよ?」
370:
さくら「おかしいとは、思ってたんっすよ……? ヤムチャさんが、土下座までして、自分を誘って……自分は、そこまで魅力的な女性じゃないっすよ……」
ヤムチャ「えっ、何、言ってるんだよ、さくらちゃん……」
さくら「なんかね……? 違う目的があるんじゃないかな……とは、予想してたんすよ……いや、いやらしい意味じゃなくてね……?」
ヤムチャ(あらら……やらかした……って、レベルじゃねぇ……)
さくら「で、まぁそうなってくると……解説の一件しかないじゃないっすか……? トラブルも、ありましたね……?」
ヤムチャ(……最初からだ、最初からバレてやがった)
さくら「それで、まぁ……こうやって……ディージェイさんの事を気にかけてるしね……ねっ……?」
ヤムチャ(騙してたのは俺じゃねぇ……俺は騙されていたっ……!)
さくら「……あのね、ヤムチャさん?」
ヤムチャ「……」
さくら「本当に……申し訳ないっすっ……!」ペコッ
371:
さくら「ヤムチャさんが、こうやって動くって事は……不満だったり、溜まってるもんが、あると思うんすよ……?」
ヤムチャ「いやいやいや……! 不満などない……不満などないっ……! 俺は、日々満足している!」
さくら「もう、いいじゃないっすか? 腹割って、話しましょう……話が前に、進みません……」
ヤムチャ「……あ、あぁ」
さくら「こうやって、自分を呼び出すって事は……やっぱり、それなりの不満があったと思うんすよ……? それで……それは、リュウさんやケンさんに対する事ではなくて……」
ヤムチャ「……」
さくら「……やっぱり、ディージェイさん。今日の会話の流れからするに、そうっすよねぇ?」
ヤムチャ「……いやぁ、あの」
さくら「ディージェイさんにもっと、上手くなってほしい……そういう事っすよね……?」
ヤムチャ「……不満とか、文句とかじゃ、ないんだよ。さくらちゃん」
さくら「……それを、聞くのが自分やベガさんの仕事っす。大丈夫っす。話は聞きます。やっぱり、教育の指示与えてるのは、ザンギエフさんや、ベガさんなんっすからね」
ヤムチャ「……はい」
さくら「そっちの、考えを聞いて……上に報告して……より、よくしていく……そういった事は、絶対に必要っすもんね?」
ヤムチャ(上に報告、か……)
372:
さくら「やっぱりねぇ……? そうなってくると……なかなか、本音を言いにくい……って部分はあると思うんすよ……? ねっ……?」
ヤムチャ「……いやいや、まぁまぁまぁ」
さくら「だからね……? こっちから、質問させてもらってもいいっすかね……? 自分も、気になってる点があるんすよ……」
ヤムチャ(なんだ、なんだ……何、言われるんだ、俺……?)
さくら「今日、誘ったの……なぁ〜んで、自分だったのかなぁ、って思ってね……?」
ヤムチャ「えっ……? どういう事……?」
さくら「いや、なんかイメージ的にね……ヤムチャさんが、そういう事、言うのって、サガットさんな気がするんですよ……自分より先に、サガットさんに相談……みたいな感じが……」
ヤムチャ「あぁ……そうなんだ……俺、そういうイメージなんだ……」
さくら「それをせずに、自分を呼び出してまで相談……サガットさんに聞かれたくない話……自分の想像ですけどね、これは」
ヤムチャ(……まぁ、サガットさんの協力は今回、得られそうにないからね)
さくら「……何か、サガットさんともあったんですか? 揉めたり、意見が食い違ったり」
ヤムチャ(……くそ、なんだよ。サガットさんにも、迷惑かけちまう事に、なっちまったじゃねぇかよ!)
374:
さくら「断片的な情報を出せれても……やっぱり、根本的な解決にはなりません。だから……そういう所から、話してほしいっす」
ヤムチャ(……どうするか)
さくら「ザンギエフさんや、ベガさんには……伝えるべき事だけ、伝えます……余計な情報は、自分の所で止まります」
ヤムチャ(信じていいのか、この言葉……誘い文句じゃねぇのかな……?)
さくら「自分はね……ヤムチャさんとは、腹割って……本音で話し合う仲……そういった関係でいたいっす」
ヤムチャ「……いや、俺もそうだよ」
さくら「今日の、ブラブラ街を歩くのだって……お互い、何処か探り探り状態で会話してたんじゃないっすか……? そういった事がなかったら、もっと楽しめたんじゃないっすか?」
ヤムチャ「俺は……本音で、会話してたよ……アレは、全部本当の話。全部、本当話だよ」
さくら「……じゃあ、ここでも、本音でお願いします」
ヤムチャ(……プーアル連れてくるべきだったなぁ。予想以上の強敵だったかもしれない)
396:
ヤムチャ「……最初に言っておくよ?」
さくら「はい」
ヤムチャ「不満なんて、ない……サガットさんとの、トラブルだって、ない……ただ、ちょっと意見が食い違っただけ」
さくら「はい」
ヤムチャ「サガットさんの方が正しい事を、言ってる……と、思う……それでも、俺は気になってる……」
さくら(……やっぱり、何かあったんすね)
ヤムチャ「それで、君に……ちょっと話してみようかな……? って、思っただけ……ただ、それだけの話」
さくら「はい」
ヤムチャ「俺が、君とデートしたかったのは、事実だし……今日の、会話だって……嘘偽りのない、事実……その上で、話を持ち出したら……こういった感じになっちゃったんだよ……」
さくら「そうっすね……ちょっとこっちが急激に踏み込みすぎましたね。いつもみたいに、さくらちゃんでいいっすよ? その程度の話なんだったら……気楽にお喋りしましょうよ」
ヤムチャ(俺には、ポロリがあるからなぁ……一歩間違えれば、俺だけじゃなくて、サガットさんにまで、迷惑かけちまう……)
さくら「……ねっ?」ニコッ
ヤムチャ「そうだね……変な空気になっちゃったもんね……こんな空気はよくないよ。さくらちゃん」
さくら「土下座までして……こんな空気にまでして……まぁ、自分にも責任はあるっすけどね? デートとしちゃ、最悪っすよ?」クルクル
ヤムチャ(……腹割って、話してみるか。さくらちゃんを信じてみよう)
397:
ヤムチャ「う〜ん……やっぱりね、話したかったのは、ディージェイの話だよ」
さくら「……ディージェイさんの話」
ヤムチャ「そのまぁ……なんて言うかねぇ……この前のディージェイの試合……いい所なかったし、ちょっと残念な結果だな……なんて、思う部分が、俺にはあったワケなんだよ」
さくら「まぁ、残念って言っちゃ、残念でした」
ヤムチャ「それでね……? 俺は解説だったから、アイツがもうちょっと、いい動きをしてくれたら……もっと上手にお喋り出来たかな……? なんて、思う部分もあったんだよ?」
さくら「まぁ、確かにねぇ……キツい部分はあったと思いますよ」
ヤムチャ「初解説だったし……俺は、プーアルにもよく言われるけど……ポロっと余計な事を言っちゃう所もあるからね……何回ダブルローリングソバットするんだよ? なんて、思った部分があったんだよ……なんとか、堪えたけどね?」
さくら「あぁ、それはもう、ヤムチャさん、よく頑張ってくれました。ありがとうございます」
ヤムチャ「それでまぁ……ディージェイにね、その事を言いに行きませんか? なんて言ったら……それは、俺の仕事じゃなくてね……ブランカさんの仕事だ……下手に俺が言っちゃうと、不貞腐れる結果に終わっちゃうだけだよ。なんて、言われたのね」
さくら「……うん、うん」
ヤムチャ「それはね、本当に、その通りだと思うのよ。ブランカさんには、俺も教わってるけど、やっぱりあの人は、わかりやすく話を伝えてくれる……俺は、そこまで人に物事を伝えるのは、上手じゃないと思う……」
さくら「まぁ……えぇ……うん……はいはい……」
ヤムチャ「でもね、俺は、思うんだよ……? 何か、出来ねぇか? 俺にだって、何か出来る事ぐらいあるんじゃねぇか、って」
399:
ヤムチャ「その事をサガットさんに言っちゃうのは……余計なお節介だ……とか、言われそうな気がしちゃったんだよ……なんとなく、だけどね……?」
さくら「う〜ん……まぁ、サガットさんはドライって言うか……理論的って言えばいいのかな……? そういう所、ありますからね……?」
ヤムチャ「だからね……? さくらちゃんに、こう話してみようかな……なんて、思ったんだけど……やっぱり、今日も重い空気になっちゃったじゃない……?」
さくら「……まぁまぁ、そこは気にせず、気にせず」
ヤムチャ「いや、でもコレ、ディージェイ相手だったら、もっと大惨事になってたと思うよ……? だからね、本当に難しい事なんだな……なんて、改めて思うんだよ……」
さくら「そこは、本当に難しいっすよねぇ……自分だって、上手くいかない事ばかりですし……ジミーさんだって、苦労してるんすから……」
ヤムチャ「不満とかじゃないんだよ……こうなんて言えばいいのかぁ……?」
さくら「わかります、わかります。その気持ち、非常によくわかります」
ヤムチャ「なんか、ないかな……? 俺にだって、出来る事ぐらい……なんか、あるんじゃないかなぁ……? そう思ったり、するんだよ……」
400:
さくら「う〜ん、まぁ、その……ヤムチャさん、ホラ、キャミィさんとの、一件見てたじゃないですか……? 丁度、アレはヤムチャさんがディージェイさんと試合した時……の話っすね?」
ヤムチャ「……はいはい」
さくら「あの時もねぇ……やっぱり、皆でガーって、言っちゃったから、こそ……ああいう結果になってしまったんじゃないかな……? と、思うんすよ……」
ヤムチャ「……あぁ、そうか。そうだよねぇ」
さくら「自分個人の意見っすよ? コレは、黙っておいて下さいね?」
ヤムチャ「……ん?」
さくら「やっぱりねぇ……自分も、ローズさんや、かりんに……なんで、そんな言い方しちゃうのかなぁ……? なんて、思う部分も多かったんすよ、本当に……」
ヤムチャ「……う〜ん」
さくら「その結果ね……? 自分も怒鳴る事になってしまったし……話も纏まらずに、あの場は終わっちゃったじゃないっすか……?」
ヤムチャ「そうだった、そうだった……うん……」
さくら「それで、サガット達が……自分のフォローに来てくれる形になりましたよね……? ヤムチャさんも、手伝ってくれましたよね?」
ヤムチャ「俺は、何もしてないんじゃないかなぁ……?」
さくら「いやいや、あの場にいるだけで、空気がよくなりましたよ? ヤムチャさんはムードメーカーっす」
ヤムチャ「……そうなのかねぇ?」
さくら「サガットさん達って、割り切ったような考えに見えますけど……そういうタイプなんっすよ。何かあった時には真っ先に動いて、なんとかしてくれる……要は、他人のSOSを待ってるワケなんすよ」
401:
さくら「ジミーさんはねぇ……まだ、出してないと思うんすよ。そのSOSを」
ヤムチャ「……うんうん」
さくら「この辺りは、多分、付き合いの長い、自分達だからこそ、わかる事っすね」
ヤムチャ「まぁ、俺はね……ブランカさんとは、長くないし……試合だって、二試合ぐらいしただけだもんね……」
さくら「時間はかかってるけど……必ず、彼をモノにしてみせる……悪いが、もう少し長い目で見てくれ……なんて、思っていると思います……」
ヤムチャ「……やっぱり、そうか」
さくら「自分は……言ってあげる事も優しさだと、思いますが……黙っててあげる事も……優しさなんじゃないかな……とは、思うっす」
ヤムチャ「結局、俺に出来る事は、黙ってる……って事しか、ないのかな……?」
さくら「いや、今日の一日……ヤムチャさんは、大仕事っすよ。大仕事! これ以上にない働きをしました」
ヤムチャ「……いやいや、俺は何もしてないじゃん?」
さくら「このCDっすよ、このCD……やっぱり、こんな凄い音楽やってるんだったら……自分だって、ディージェイさんの事、一つ見る目は変わりますよ」
ヤムチャ「……さくらちゃんは、ベタ褒めだったもんね」
さくら「だって、これ凄いっすよ? ヤムチャさんが、何か人として大事なモノが欠けてるだけですって」クスクス
ヤムチャ「いやいや、絶対プーアルだって、こんな感じだって! こんな感じ! じゃあ、帰ったら聞かせてみるよ!」
402:
ヤムチャ「じゃあ、まぁ……ディージェイには黙って……もうちょっと、長い目で見る事にするよ……俺が、言える立場じゃないのかも、しれないしね……?」
さくら「ディージェイさんの事……気遣ってくれたのは、本当に感謝します。本当に感謝っす」
ヤムチャ「まぁ、結局……首突っ込んだだけ……って、感じだけどね……?」
さくら「何、言ってるんすか!? 自分は、熱いハートを感じたっすよ!」
ヤムチャ「……そう?」
さくら「クールな眼差し、ホットなハート……あんたは、ナイスガイだ! ヤムチャさんっ!」
ヤムチャ「俺、そんなにクールじゃない気がするけどね……でも、まぁまぁまぁ……言われて悪い気はしないね。そういう事……」
さくら「いや、いい人、団体に呼んだもんだ。ザンギエフさんの見る目は間違ってなかったと思うっすよ!」
ヤムチャ「……これ、どうよ? 今日のデート、さくらちゃんの評価も、うなぎのぼりなんじゃないの?」
さくら「……そういう事、自分で言っちゃうんすか?」
ヤムチャ「こういう所だよ、こういう所……俺の、こういう所がダメなワケだ……」
さくら「まぁ、今の所は、中の下……って、感じっすかね?」ニヤニヤ
ヤムチャ「……中の下!? ちょっと、酷くないかな、さくらちゃん?」
406:
さくら「だぁ〜って……誘い方も、アレでしたし……行きたい所も、人任せだったですし……こりゃ、完全に中の下ですよ!」
ヤムチャ「……巻き返そう。ここから、巻き返そうではないか」
さくら「……ほ〜う」
ヤムチャ「次に行きたい所は、もう決めている……今日、一日はあくまでさくらちゃんとのデートが目的だ……ここから、上の上のまで、巻き返そうじゃないか」
さくら「期待してますよ〜? で、次は何処に連れて行ってくれるんすか……?」
ヤムチャ「電気屋。電気屋行こう、電気屋……」
さくら「……なんで、電気屋?」
ヤムチャ「ホラ、帰ってプーアルにも、このCD聞かせなきゃいけないからさぁ……? ウチ、CD聞く機材ないんだよ……だから、悪いけど、付き合ってよ?
さくら「……CD聞く機材がないのに、CD買ったんっすね?」
ヤムチャ「一応ね……自家用の飛行機は持ってたんだけど……その中では聞けたと思う。ただ、色々あって、それぶっ壊れちまったんだよ。このCD、勢いで買った部分もあるけど……その事をすっかり忘れてしまってた」
さくら「……そんな事、忘れようがないじゃないっすか? ヤムチャさんって、ド天然?」
ヤムチャ「まぁまぁまぁ……移動手段は他にもありますから……」
さくら「電気屋っすか……なんかねぇ……今日のデート……下の上って感じになりましたね……」
ヤムチャ「……嘘だぁ、そんなバカな」
さくら「……いやいや、ホントにホントに」
412:
そしてーー
ヤムチャ「お〜う、プーアル、ただいま〜! いや〜、今日はいい一日でした!」
プーアル「おかえりなさい、ヤムチャ様! 帰って来て、早々聞くのも失礼な話ですけど……ヘマしませんでしたか?」
ヤムチャ「ヘマって言うかねぇ……? どうやら、さくらちゃんには最初からバレてたみたい」
プーアル「……えっ? 大丈夫だったんですか!?」
ヤムチャ「うん、その事を含めて……ちゃんと、前向きに話して来た。デートと両立させて……俺も、上手くやれたんじゃないかなぁ〜?」
プーアル「……デートは何処に行って来たんですか? コレは、野暮な質問ですかね?」
ヤムチャ「え〜っとね……街をブラブラして……それで、喫茶店行って……電気屋行って……で、飯食って帰ってきた……」
プーアル「……なんで、電気屋?」
ヤムチャ「電気屋は、失敗だったかもしれないね……ブルマがまた、変な商品開発してたよ……なんか、クッキングロボとか、クリーニングロボとか……やっぱり、カプセルコーポレーションは大手だな……封印したパンドラの箱を開けちまう奴が、そこら中にいるよ」
プーアル「忙しい主婦の為への商品ですね……多分、実体験からきてるんでしょう……転んでもただでは起きないって言うか……まぁ、そこがブルマさんの凄さ……って、そうじゃなくて、そうじゃなくて!」
ヤムチャ「……ん?」
プーアル「なんで、女性を電気屋に誘うんですよ!? なんで、そのチョイスなんですよ!?」
ヤムチャ「いやいや、結構、楽しんでたみたいだぜ……? ノリノリで買い物にも付き合ってくれたし……」
プーアル「社交辞令って言葉、ご存知ですか、ヤムチャ様……? で、その荷物は何ですか……? それ……?」
ヤムチャ「あ〜、これはなぁ……CDコンポだ。買ってきた。さくらちゃんのお勧めだからな……いいヤツらしいぞ?」
プーアル「ま〜た、無駄遣いしちゃって〜!」
413:
ヤムチャ「これは、簡単にぶっ壊れたりはしないよ……え〜っと、早組み立てよう……赤いコードが……え〜、こっちにつければいいんだな……? で、黒がこっちか……」
プーアル「CDコンポを買ったって、ウチにはCDなんて、ないでしょうが! そんなモノ、無駄になるだけじゃないですか! 返品してきましょう! 空飛んでパパーって! ホラ、早く」
ヤムチャ「よ〜し、 こんなもんか! 大丈夫だよ、プーアル……CDも買ってきたから……」
プーアル「……えっ?」
ヤムチャ「CDを買ってきたから……CDコンポを買ったワケだよ……なっ? CDコンポがないと、CDは聞けないだろ? 俺、何か間違った事、言ってるか、プーアル?」
プーアル「発想ですね、発想……発想が間違ってます……」
ヤムチャ「まぁまぁ、とりあえずなぁ……早、CDかけてみようぜ……? ブルマん所で、世話になってた時は、機械に囲まれてた生活だったけど……やっぱり、改めてみると、この家は殺風景だよ……ちょっとな……」
プーアル「……自ら、好んで殺風景にしてた癖に何を言うか。修行の邪魔だとか、言って」
ヤムチャ「まぁまぁ……じゃあ、とりあえずCDかけるぞ〜! よ〜し、それじゃあ……スイッチオーン!」
414:

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【GIF画像】子供はこういうモノを見るとたまらんみたい

女子校に男子1人、天国か地獄か

17歳JKだけどアソコの毛が濃いのが悩みなんだけど

モバP「王道アイドル」

卯月「i・ショウジョ?」 アイビス「はい。愛を叶える魔法のアプリです」

『俺物語!!』第2話も面白ええええ! 大和ちゃんが思った以上にグイグイ攻めてくるし まじタケオ羨ましい・・・・

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