男「変な女の子を拾った」back

男「変な女の子を拾った」


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2:
大学の帰り道
時間は22:30
男「うわ〜・・・ゲリラ豪雨ってやつだな・・・」
土砂降りの雨の中コンビニで買ったビニール傘をさしながら帰路についていた
ブロロロロロ・・・
バシャッ!!
車が水たまりの水を俺に引っ掛けて去って行く
男「ちっ・・・!まぁ、この天候じゃしょうがないか・・・」
元スレ
男「変な女の子を拾った」
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5:
すれ違う通行人もみんな早足でお互い無関心だ
その中で水を盛大にかぶった俺だけ堂々と雨の中を歩いていた
男「もう雨なんざ関係ないな・・・」
ザー・・・
前から自分と同じように傘もささずに歩いている猛者がいた
男「やるなぁ・・・まだ小さい女の子なのに」
とぼとぼと今にも転びそうな足取りで雨の中を歩いている
ドンッ
バシャッ
すれ違ったサラリーマンに肩がぶつかって女の子が倒れた
6:
サラリーマン「・・・・・」
サラリーマンは何事も無かったように歩き去った
男「ひっでぇ・・・」
なんだか同志がやられたような気がして俺は駆け寄った
男「大丈夫か?」
女の子「・・・・・」
ザー・・・・
何か言ったのか雨音で聞き取れない
ただ・・・女の子の顔はこの世の全てに絶望したようにやつれていた
8:
男「おい・・・!大丈夫かよ!?」
ザー・・・
雨音に負けないくらい大きな声で話しかける
男(泣いてる・・・?)
雨水なのか涙なのかわからないが女の子は泣いてる・・・気がした
男「家は・・・!?なんで傘もささないんだよ!?」
傘をさしていないのは自分もだが
女の子「・・・・ない」
男「なんだって!?」
よく聞き取れなかった
女の子「帰るとこ・・・ない・・・」
今度はしっかりそう聞こえた
9:
・・・・・・
男のアパート
男「ひどい雨だったな・・・」
何とか家にたどり着いた
女の子「・・・・」
男(連れてきちゃったよ・・・)
あのまま無視も出来なかったのでとりあえず雨が止むまでということで家に連れてきた
男「とりあえずあったまんねぇと・・・!」
急いでレトロなストーブに火をいれ風呂を沸かす
男「ほらよ、ちゃんと拭いときな」
ファサ・・・
タオルを渡すとゆっくりと髪を拭き始めた
女の子は小学生・・・もしかしたら中学生かもしれないくらいだ
男「ほら、お前もあたれよ。あったかいぞ」
ストーブの前に座らせると女の子は素直に火にあたった
男「とりあえずこの雨が止むまでな・・・なんっも変な気とかないからな!」
10:
自分に言い聞かせるように宣言する
状態を見れば十分にアウトだ
男「そろそろ風呂いいかな・・・?」
女の子はびしょ濡れの服を一生懸命さっき渡したタオルで拭いていた
男「おいおい、そんなんじゃダメだって・・・したの階に乾燥機持ってる先輩がいるから乾かしてもらってくるよ」
言ったあとに自分がとんでもないことを口走ったことに気がついた
男「別に・・・変な気とかないし・・・!雨が止むまでだし・・・!」
11:
すると、女の子はその場で服を脱ぎ始めた
男の俺が見ているのに全く抵抗がないようだ
男「バカバカバカ!!!せめて脱衣所いけ!!」
脱衣所に女の子を押し込むと深呼吸をして落ち着く
男「なんだあの子は・・・?」
バタン・・・
風呂場に入ったおとが聞こえたので脱衣所にある女の子の服をかごに入れて
男「じゃ・・・服乾かしてくるからな」
一応ことわっておく
無断で持ち出したらただの変態だから
ふと服をみると所々に赤黒い染みがある
男(・・・血?)
12:
・・・・・・
先輩に乾燥機を借りると伝えると自分と女の子の服を先輩に見られないように乾燥機に放り込む
先輩「おう、男!ちと呑んでけや!」
男「いや・・・今日はいいす・・・」
先輩「んん?お前また新しいの借りてきたな!?」
男「何がですか?」
先輩「お・と・な・・・のDVDだ!」
バタン!
男「あとで洗濯回収にきまーす」
この先輩は結構いい人なのだが無駄に寂しがり屋なのだ
13:
・・・・・
ガチャ・・・
男「ふぃ〜・・・」
部屋に戻ると・・・
女の子「・・・・・」
ほぼ全裸で部屋の真ん中に女の子が立っていた
男「ヴぁ・・・!バカ!何かきr・・・」
服は自分がさっき持って行ってしまった
女の子はさっき自分が渡した濡れたタオルで申し訳程度に身体をおおってる
男「あ〜・・・悪かったな。そこまで気が回らなかったわ・・・。いや、本当に変な気とかないから」
必死に言い訳をならべる
女の子「雨が・・・止むまで・・・」
やっとまともに出た言葉がそれだった
男「そうだ、雨が止むまでだ」
クローゼットから自分のTシャツとパーカー、ジャージのズボンを取り出して女の子に渡す
男「下着はどうしようもないから・・・とりあえずこれ」
女の子がゴソゴソと着替え始めたので後ろを向いて素数を数えた
18:
終わったともなんとも返事がないので
恐る恐るふりかえると・・・
女の子「・・・・・」
早ストーブに当たっていた
男「あ・・・寒かったのね」
隣に座ると女の子はちょっと怯えたような顔でこっちを見ている
男「なんもしないよ・・・」
警戒されている・・・とは違う何か妙なものを感じた
女の子はまた元どおりにストーブにあたる
男「・・・名前は・・・?」
女の子「・・・・・」
またおなじようにこっちを見ている
男「名前わかんないと・・・会話も出来ないじゃん?」
19:
女の子「・・・姫・・・」
男「ひめ・・・?」
変な名前だが・・・名前が分かっただけでも前進だろう
男「姫か・・・珍しい名前だな」
姫「・・・・うん」
なんとか会話になってきた
男「俺はだんって言うんだ。男って書いてだん」
姫「・・・だん?」
男「・・・・・」
姫「・・・・・」
男「いま変な名前って思ったろ?」
姫「・・・だん・・・男・・・」
よくわからんが覚えようとするように何度も名前をとなえる
20:
男「覚えやすいだろ?親父がつけてくれたんだぜ」
姫「・・・へえ・・・」
男「姫はお父さんかお母さんは・・・?」
姫の表情が固まった
姫「あ・・・あ・・・」
顔がみるみるさっきあった時のように恐怖と絶望にそまる
男「あ・・・いや、別にいいんだ!ちょっと聞いただけだから・・・!」
なにかいけないことを聞いてしまったようだ
姫「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
何度も何度も呪文のように何かに謝り続けた
男「ああっ!!悪かった!もうその話はいい!!」
つい自分まで取り乱してしまう
22:
姫はどんどん恐怖に飲まれガタガタと震えはじめた
男「どうしたんだよ!?くそっ・・・!!」
どうしたらいいか分からない
とっさに姫を抱きしめていた
男「ごめんっ・・・ごめんな・・・!」
俺も訳がわからず謝った
腕に中で震えていた姫はゆっくりと落ち着きを取り戻し・・・
姫「・・・・・」
男「もう大丈夫か・・・?」
姫「・・・苦しい」
つい力がこもってしまっていた
男「あわっ・・・いや、ごめんな。別に変な気はないんだ・・・」
23:
姫「雨・・・止まない・・」
ザー・・・
男「だな・・・」
雨が止むまでという約束をやけに大事にしてるな・・・と思った
男「何か食うか?俺腹減った」
姫「・・・・・・」コクン
食うらしい
冷蔵庫の中には何も無かった
男「何もねぇし・・・あ、カップ麺あったな」
丁度二つカップ麺があった
男「カップ麺でいい?」
姫「・・・・・」コクン
いいみたいだ
お湯を沸かして3分待つ
パカ
ズズーッ・・・
二人で麺をすすった
25:
・・・・・
男「ほら、乾いたぞ」
先輩の部屋から乾かしていた服をとってきた
姫「・・・今は・・・着替えたくない」
だぶだぶのジャージとパーカーは以外と楽なのだろうか・・・?
しかし、流石に下着はきてもらわないと困る
男「せめて下着だけでも・・・」
その時さっきまで気がつかなかった姫の異変に気がついた
手や足に傷が沢山ある
引っ掻き傷から叩かれたようなアザまで
男「これ・・・どうしたんだ・・・?」
姫「・・・・・」
男「もしかして・・・虐待とか?」
一番に思い浮かんだのはそれだった
姫「ぎゃく・・・たい?」
しかし、この時は気がつかなかった
彼女はもっと辛い仕打ちを耐えてきたことに
37:
男「虐待・・・もしかして知らない?」
姫「知らない・・・」
驚いた
まさか虐待を知らない人がいるなんて
男「その・・・乱暴されたりとか・・・」
乱暴という言葉を出した途端にまた姫の表情が強張る
やはりなにかトラウマがあるのだろう
男「まぁ、いいや」
姫「・・・・」
男「姫はいくつなんだ?中学生?それとも・・・小学生だったり?」
予想外の答えが帰ってきた
姫「わからない・・・」
38:
男「わからないことは・・・ないだろ?学校はどこ行ってるんだ?」
姫「学校・・・行ってない・・・」
不登校か・・・?と考えたが続く姫の説明で合点がついた
姫「お母さん・・・いなくなってから学校行かせてもらえない・・・」
とても苦しそうに姫は教えてくれた
男「お母さん亡くなったのか・・・」
姫「違う!居なくなっただけ・・・!」
強く否定され少し戸惑ってしまった
そりゃそうだろう。まだ死んだと決まった訳じゃない母を死んだ扱いされて
40:
男「そうか・・・お父さんは・・・?」
姫「・・・私が知らない時に死んだ」
知らない時・・・つまり物心つく前に死んだのだろう
姫「新しいお父さん・・・嫌・・・」
男「嫌・・・?」
ひどい目にあわせたのはこの新しいお父さんって人だろう
男「そうか・・・大変だったな」
そっと姫の肩を抱いてやると姫はまた違和感のある不思議な視線でこっちをみてきた
男「ん?俺どうかした?」
姫「なんでも・・・ない」
気がつくともう日付をまたいでいた
41:
ザー・・・
雨は止まない
男「ゲリラ豪雨じゃなかったのかよ・・・」
姫「・・・・・・」
男「そのお父さんのところに帰りたく無いのか?」
姫「・・・・・」コクン
なんだか危ない気もするが・・・一日だけなら
男「雨が止むまでって約束だしな・・・泊まってくか?・・・・いや、もちろん変な気はないぞ?純粋に可哀想だからだ」
姫「・・・・泊まる。雨が止むまで」
話は決まったとなればあとは寝るだけ
男「そろそろ寝ないと・・・。で、寝る場所なんだが・・・」
ベッドは一つ布団はない。
寝る場所は一つしかない。
ここでアニメとかのカッコいい紳士は「フッ、君はベッドで寝たまえベイビー。僕はソファーで十分っさ」というところだろう。
しかし、この季節でそれをやると・・・死ぬ。凍死する。
男「我慢できるか・・・?俺なるべく小さくなるからさ・・・?」
姫「大丈夫・・・慣れてるから」
男「慣れてる・・・?」
42:
一応歯磨きをしていざ寝ようと思った時のことだ
姫がおもむろに服を脱ぎ始めた
男「お、おい!バカ!何やってんだ!?」
脱ぐことに全く抵抗が無いようだ
下着だけになると床に土下座の体制になり
姫「今日は美味しいご馳走と暖かい部屋をありがとうございました・・・」
俺は絶句した・・・・
傷だらけの小さな背中
完全に仕込まれたような感謝の言葉
そして自らこんな格好に・・・
その事実が新たな事実を浮かび上がらせた
男「いつも・・・こんなことやらされてるのか・・・・?」
43:
仕込んでいるのは恐らく新しいお父さんとやらだろう
そしてそいつは・・・とんだゲス野郎だ
下着姿でベッドに登ってくる姫に服を着せながら・・・
男「お前っ・・・もしかして・・・」
うまく言葉にできない・・・
こんなこと実際にあるなんて・・・
こんなか弱い女の子に・・・・
怒りと悲しみともうよく分からない感情が頭の中を支配した
すると、自然に涙が出てきた・・・
男「お前・・・・こんなこと・・・・」
44:
考えたくなかった・・・
姫「どうして・・・お父さんはこうしないともっと痛いことする・・・」
痛みと恐怖でこの子を支配する奴が
許せなかった
無我夢中で服を着せる
男「そんなこと・・・しなくていいんだ・・・!そんなこと・・・しちゃダメだ!!」
姫「男も・・・私のこと叩く?」
行為をしなければ暴力
完全にそう仕込まれている
男「叩かないよ・・・。絶対に・・・怖い思いなんてさせないよ・・・」
人はここまで鬼畜になれるのだろうか
それも、義理とはいえ自分の娘に・・・
姫「男は・・・優しくしてくれた・・・。そのお返しは・・・?」
なんどか感じ取った不思議な視線
それは俺が優しくした見返りを求めていると考えたからだろう
46:
男「お返しなんて考えるな・・・。」
顔すら知らない姫の義理父に男は人生最大の怒りを覚えた
男「そのまま寝ていいんだよ・・・。もう誰も怖いことも痛いこともしないから」
姫ははじめて安心したように笑った
・・・・・・
次の日
警察署
警官「あ〜どうも、児童相談係の担当の者です」
男「どうも・・・」
姫「・・・・・」
とりあえず二人で警察に来た
警察「私安岡と申します」
男「安岡さん、早なんですが・・・」
今までのいきさつを説明した・・・・
もちろん姫の虐待のことも
安岡「ひっどい・・・」
男「もちろんなんとかしてくれますよね!?」
しかし安岡さんは・・・
安岡「その傷しか証拠が無いとなると・・・難しいですね・・・」
男「そんな・・・!」
安岡「一応こちらで保護もできるんですが・・・」
男「それだと・・・?」
安岡「多分現状だとまたお父さんところへ・・・」
姫「・・・・・!」
姫の表情が暗くなる
男「それじゃダメなんです!」
安岡「・・・・そこで提案なんですが・・・」
・・・・・・・
ザー・・・
警察署をでるとまだ雨が降っている
47:
安岡さんの提案
それは俺が姫を保護しその間に警察が証拠を固めてくれるというもの
もちろん公式には出来ないが、俺が手ぶらで虐待があるみたいだと通報し
密かに男が姫を匿うという作戦だ
男「安岡さんを信じよう・・・」
姫「・・・・・・」
バサッ
傘をさすとふたりで家に歩いて帰った
姫は手を繋ぎたがるので二人て手を繋いで歩いた
男「なんか兄妹みたいだな」
姫「・・・・兄妹・・・」
もう昼近かったので近くのコンビニに寄った
48:
適当に弁当を物色していると姫は後ろにピッタリくっついてくる
男「・・・なにか欲しい物あったら買ってやるぞ?」
姫「・・・・」
またあの視線だ
男「見返りなんて考えちゃいないよ。俺を信じろ」
姫「・・・・」コクン
頷いたが相変わらず後ろをついてくる
男「お菓子買うか?」
お菓子コーナーに行くと色取り取りのお菓子が並んでいる
男「どれがいい?」
姫「・・・・・・」
困ったような顔をしてこっちを見ている
49:
男「どうした?」
姫「・・・どれが・・・わからない」
お菓子を与えて貰えない環境で育ったためどのお菓子か選べないのだろう
男「そっか・・・じゃぁどんなのがいい?甘い?しょっぱい?」
姫「甘い・・・のがいい」
男「そうか、チョコレートとか?」
姫「・・・・うん」コクン
嬉しそうに笑顔で頷いた
男「じゃチョコレート買って行こう」
適当にガラガラとカゴに入れるとレジに並んだ
レジのおばちゃん「あら、兄妹そろって良いわね〜」
勘違いされた
男「ええ、まぁ」
姫は照れているのかずっとうつむいている
50:
家に着くと先輩に見つかった
先輩「だれその子?」
男「えっと・・・」
姫「・・・・」
先輩「もしやお前ロリコンだなぁ〜?」
男「ち、違いますって!」
急いで階段を上がって部屋に入る
姫「・・・・男、ろりこんって何?」
男「・・・・知らなくていいよ」
51:
姫は昨日と比べれば少し明るくなった気がする
適当にチャーハンを作ると姫が
姫「男は・・・料理人?」
と聞いて来た
男「これくらいだれだって出来るって」
そしてあっという間に昼になった
雨は止まない
男「そうですか・・・」
安岡『でね、姫ちゃんの戸籍も無いのよ・・・』
男「だから学校にいってなくてもなんとなかったんすね」
電話で今朝あった警察官も安岡さんから父親と姫についての調査結果がきた
安岡『親戚もなし、身よりもなしの可哀想な家族だったみたいよ?』
男「で、母親は?」
安岡『亡くなってるわ・・・7年前に』
53:
姫は母親がいなくなってから学校に行っていないと言っていた
7年前となると・・・少なくとも小学1年から行ってないとしても今中学1年か2年ということになる
男(食事もままならなかったからきっと成長が遅いんだな・・・)
中学生にしては姫は小柄すぎた
安岡『父親なんだけどね。表向きはすごく真面目なサラリーマンみたいよ』
男「あの、住所教えていただけますか?」
安岡『ごめんなさい。流石にそれは無理よ。』
男「守秘義務ってやつですか?」
安岡『そう。また伝えられそうなことがわかったら電話するわ』
男「お願いします・・・」ピッ
ガタン・・・
姫「上がった・・・・」
姫は風呂に入っていた
89:
男「なぁ・・・?」
姫「ん・・・?」
男「・・・・お菓子くうか?」
姫「・・・・・うん!」
いい笑顔だ。
よく昔親父が子どもの笑顔が一番の明かりだと停電時に言っていた
何となく分かった気がする
姫「・・・・男?」
男「ん、ああ!さて、どれ食べる?」
さっき買ってきたコンビニの袋の中身をテーブルにぶちまける
姫「・・・・これ」
細いスティック状のクッキーにチョコレートをコーティングしたポッ○ーといお菓子だ
男「じゃ俺は風呂言ってくるから食ってな」
90:
服を脱いで洗濯機へ放り込む
先に姫の服が入っていた
男「そういや服ってこれしか無いんだよな・・・」
いつまでか分からないが一応服は何着かあった方がいいだろう
男「妹のやつって家にあるかな・・・?」
家とは実家の事だ
ここから電車で1時間ほどかかる所に両親と妹が住んでいる
男(明日休みだし・・・行ってみるかな)
湯船に浸かった瞬間にまた一つ不安が・・・
男(・・・家族にどうやって説明すっかな・・・?)
92:
その日の夜もまた姫は服を脱ぎそうになったが、寸前で恥ずかしそうに留まった
男「それ・・・もうやんなくて良いんだからな?」
姫「・・・・うん」
危なっかしい奴だ
もし保護しているのが先輩だったら・・・
そこまでで妄想はやめた
姫はスルスルと俺の腕の中に入ってくる
男「そこでいいのか?」
姫「・・・あったかい」
男「まぁ狭いからな・・・落っこちないようにこうするのもしょうがない」
完全に半分言い訳だがそんなこと気にしない
姫「・・・・昔、お母さんとこうやって寝た・・・」
なるほど、これはお母さんとの思い出の睡眠スタイル?なのか
93:
男「そうか・・・なら。」
男「今晩だけは私の事お母さんって思っていいわよ(裏声)」
姫「・・・・・え・・・」
変な顔された・・・
男「・・・冗談だが、半分マジだ」
姫「男は・・・女じゃないよ?」
男「細けーこときにすんな〜!」
脇の下、わき腹など大事な血管や神経のある部位をくすぐる
姫「う、くあふふっ・・・!!」
くすぐりは有効らしい
男「明日はちょっと遠くに行くぞ」
姫「・・・遠く?」
男「泊りがけでな」
幸い大学の授業数は余裕がある
実家で一泊してもいいだろう
94:
男「だからもう寝る。早起きしないとおいていくからな」
姫「・・・・寝る」
目をつぶって俺の胸に顔をうずめる
姫「いい匂い・・・・」
男「おなじ石鹸使ってんだから変わらねーだろ・・・」
と、思ったが目の前にある姫の頭からは今まで嗅いだことのない
いい匂いがした
ザー・・・
雨はまだ止まない
95:
雨やまないで欲しいな
96:
・・・・・・
翌日
男「・・・・ん・・・」
姫が来てから夜更かしをしないので朝は早く目覚める
腕の中には寝息をたてる姫
こんなにも愛らしい子が恐らく自分より壮絶な人生をおくって来たなんて未だに信じられない
スルスル・・・
そっと姫の腕をまくるとまだ痛々しい傷がいくつかある
男「・・・もう怖い思いはさせたくないな」
外を見ると雨が上がっている
男(雨が止むまで・・・)
まぁ気にしない
手元に視線を戻すと姫が目を開けていた
姫「・・・・・」
大きくて綺麗な目
出会った時は死んでいるような目だった
今は・・・見惚れてしまうほど純粋な目だ
姫「・・・・おはよう、男」
男「おはよう。起きるか?」
姫「・・・・お腹すいた」
実にこどもらしい
俺の母性が刺激される
男でも母性っていっていいのかな?
男「起きるか!」ガバッ
姫「・・・・きゃっ!」
お姫様だっこでベッドから飛び降りる
男「朝はアグレッシブに行動すると目が覚める!」
姫「あぐれっしぶ・・・?」
男「もう洗濯乾いてるだろうから着替えな!俺は朝飯の準備だ」
姫「わかった」
97:
ふと外を見るとまた雨が降っている
男「目が覚めた途端に雨かよ・・・。ひょっとすると、姫はそうとうな雨女だな」
姫「飴・・・?」
男「いいから着替えな」
姫がその場で着替え始めるがもう俺にもなんの抵抗もない
なんか本当に自分の妹か娘みたいに思える
パンパン・・・!
男「なんの音だ?」
卵を焼きながら姫を見ると
外に向かって手を合わせている
姫「雨・・・止まないように」
雨が止むまでという約束
なんだか神様は姫のために雨を降らせているような気がした
このまま干ばつ地帯に連れて行けば重宝しそうだ
98:
朝飯を食べて歯磨きをする
なぜか二人並んで窓際から外に向かって歯磨きをする
泊まりになるので大きめのカバンに荷物を詰め込む
姫「・・・・」
男「なんだかこのカバン姫も入りそうだな」
姫「うん・・・・」
なんてアホみたいな会話をしながら準備完了
男「さて、行きますか」
部屋を出るとアパートの入口で先輩が変な踊りを踊っていた
100:
先輩「お?今日は帰省か?」
男「ええ、一泊だけですけど」
姫はなぞの踊りに興味を示している
男「なんで踊ってるんです?」
先輩「踊りじゃねぇよ!スーパーアルティメットギャラクシーパーフェクトオーバー拳法の方だよ」
姫「すっぱめっとぱーおーばー拳法?」
男「弱そうな拳法ですね」
先輩「バカにするなよ!?」
先輩はほっておいてさっさと出発する
しばらく歩いて駅についた
一応姫は中学生らしいので大人を二枚
早電車にのる
101:
姫が何となくテンション高い
姫「男っ・・・・!椅子が沢山!」
男「電車乗るの初めてとか?」
姫「・・・多分初めて」
最近電車はあまり乗らない子が多いらしい
男「これに一時間も乗るんだぞ」
姫「・・・へぇ〜・・・」
何やら楽しそうだ
連れてきて良かった気がする
男「お菓子も持ってきたからな。あとで食べよう」
姫「・・・うん!」
やっばい・・・可愛い
102:
度々言わせてもらうが俺はロリコンではない。
この感情は母性とかそういう・・・いろいろと大人な目線から純粋に愛おしいと感じるごくごく健全な感情なのだ。
と、言い訳をしてみる。
電車が動き出した
姫「・・・・・・」
緊張でかちこちに身を方する姫は少し面白かった
なんだかんだで一時間の電車の旅だ
103:
・・・・・・
目的の駅についた
俺が今住んでいる所と比べずいぶんと田舎だ
しかも、無人駅だ
姫「人いない・・・」
悪かったな、ど田舎で
男「ちょっと歩くぞ。」
姫「うん・・・」
姫は歩く時いつも手を繋ぎたがる
不安とかいろいろあるのだろうか?
傘をさしながら二人並んで歩く
周りは駅前の商店街を抜けると田んぼ道だ
姫「うわ〜・・・・」
この地域は苗を早めに植える
苗を植えたとこが緑色の絨毯みたいになっている
男「ここはな、夏とか秋にくるともっと凄いんだぞ」
106:
姫「へぇ〜・・・・」
じきに実家が見えてきた
親父ががんばって建てた結構大きな一戸建てだ
ガラガラ・・・
男「ただいま〜」
玄関で叫ぶ
父「ん?男か、帰ってきたのか?」
男「おお、親父。今日は会社は?」
父「お前な・・・俺がいくつだと思う?もう定年だよ」
男「そうだった」
母「おや?そこの小さなお嬢さんは?」
説明しずらいが・・・今後両親の協力なくして姫を守り切るのは難しいだろう
男「こいつは姫。ちょっと訳ありでね」
父「まぁ詳しい話はお茶を飲みながら・・・」
108:
両親冷静だなw
111:
流石にハードな部分は避けたが虐待の話まで説明した
男「という感じで、今は俺のアパートで保護ってかんじ」
母「あんた一人で大丈夫なの?」
今回実家に来たのはそのことがメインだった
男「本当に勝手なんだが・・・こいつをこの家で保護してくれないか?」
姫「・・・・え?」
姫が驚いてこっちを見てくる
男「俺も色々考えたんだけど・・・やっぱり俺一人より親父たちの方がいいと思うんだ」
姫は俺一人で保護するより親父たちの方が適任な気がした
ここなら部屋もたくさんあるし、向こうの父親もこんなところにいるなんて気がつかないだろう
姫「・・・いやだ・・・男と一緒じゃないと!」
意外だ・・・
なにが意外って、姫がこんなにも自分の意思を口に出すのは初めてだった
男「でもな・・・この方がおまえm・・・」
バシッ!!
いきなり殴られた
男「いって・・・何すんだよ」
殴ったのは母だった
母「なんかふにゃふにゃふぬけたこと口走ってたもんでね・・・。かちーんときちゃったよ。母ちゃん」
男「なんで・・・?」
母「あんたが決めて保護するって・・・その姫ちゃんと約束したんだろ!?」
112:
母「私たちはね・・・覚悟決めてお前や妹を産んだんだよ。それだけね・・・人の面倒みるってことは責任があることなんだよ!!」
すごい迫力だった
一番びっくりしていたのは
親父だ
父「か、母ちゃん?もうちと冷静に・・・」
母「父ちゃんもそう思うだろ!?責任もってあんたがその子を守り通すんだよ!!」
父「そ・・・そうだぞっ!(語尾の声が高くなってる)」
男「・・・そうか・・・ごめんなさい」
そして姫にも
男「ごめんな・・・俺、勝手だったな」
姫「・・・ゆるす」
母「・・・痛〜い・・・。もう歳なんだからあまり血圧あげさせないでよ」
そうだった
俺が決めて姫を守るって約束したんだ
この約束は姫と親父たちじゃない
姫と俺の約束なんだ
116:
騒いでいたら妹が返ってきた
妹「あれ?兄さんいるのかよ」
男「あ?いちゃあ悪いのかよ?」
みての通り仲はあまり良くない兄妹です
妹が姫に気がついた
妹「だれその子?兄さんの子供?」
男「相手すらいねーよばーか」
妹「寂しいね〜、童貞ばーか!」
男「なにぃ!?バカは余計だ!(童貞は認める)」
それを見て・・・
姫「ふふふ・・・」
姫が笑ってる
妹「え・・・この子・・・」
妹「可愛い・・・!!」
119:
俺の横に座っていた姫をさらうように抱くと
妹「なにこの子〜!ふにふに〜!」
超強引な頬ずり
妹「お母さん!飼おう!この子飼おう!」
母「なにも飼うって・・・」
妹「絶対決めた!もう私のもの〜!」
男「まてよ、こいつは俺が保護してる・・・」
妹「兄さんが死ねばこの家に来るよね?」
物騒なことを考え始めた
妹「ねぇ?名前は?」
姫「・・・ひ・・・姫・・」
抱きしめられながら苦しそうに姫が答える
122:
妹「姫?あなた姫って言うのね!」
男「トトロかよ」
妹に睨まれた
姫「苦し・・・・」
母「ほら、妹!離しなさい」
しぶしぶ姫を解放する
姫「・・・っ」
たったったた・・・
姫「怖かった・・・・」
男「だってよ!」
妹「なんか・・・ごめん・・・」
なるほど、姫をつかって攻めれば勝てる!
とか適当なこと考えてる
124:
ここで妹にも両親に説明したように説明した。
男「お、そうだった。」
ここにきたもう一つの理由
男「妹、服くれ」
妹「・・・はあ?」
変な顔された
男「昔の服だよ。こいつ着る服無いんだ」
妹「あ〜・・・なるほど。姫ちゃんおいで!」
男「よし、行くぞ姫」
妹「兄さんは来るなよ」
今まで姫と一緒に着替えたりしていたなんて口が裂けても言えない
男「そ・・・そうだな。姫、妹と行ってきな」
姫「・・・・なんで男は来ないの?」
それを聞くか・・・
125:
男「ほら・・・試しにきたりとかさ・・・女どうしじゃないと」
姫「・・・・?」
こいつ分かってねぇ
妹「だって着替えとかこいつに見られちゃうよ?」
あ、やばい。
姫「・・・・ダメなの?」
やめて〜!!
男「もういい!早く行な!ほら!ほら!」
無理矢理居間から二人を追い出す
二人は楽しそうに(妹だけな気がしたが)二階にある妹の部屋に向かった
男「ふぅ・・・」
母「ねぇ?あんたあの子とずいぶんと仲良さそうじゃない」
129:
男「そうかな?」
母「出会ってまだ二三日なんでしょ?」
俺も少し気になっていたが
何となく理由は分かってきた
男「あいつ・・・誰かに優しくされたことがないんだよ」
男「学校にも行けず・・・親からも愛されない・・・そんな生活をずっと耐えてきたみたいなんだ」
母「あんたいいことしたね」
男「ん?」
母「流石私の子だよ。あの子はあんたに心を開いたんだ。ちゃんと頑張りな」
意外な母の言葉にちょっと感動した
男「うん・・・」
父「俺たちもできることがあれば手伝うからさ」
やっぱここに相談にきて良かった
131:
しばらくして居間の扉が盛大に空いた
妹「これどうよ!」
ふすまの向こうに立っていたのは・・・
ひらひらしたお人形みたいな服をきた姫
男「なにそれ・・・?」
妹「兄さんゴスロリって知らないのか?」
聞いたことはあるが実物は初めてだ
男「・・・可愛いじゃない」
母「寒そうよ」
父「・・・欲しい」
母「あ?」
父「いえ、なんでも」
顔を真っ赤にして恥ずかしそうな姫がちょっと可哀想だったが似合っている
133:
姫「男・・・どう?」
男「いや、似合っているし可愛いけど・・・」
実用性はないよな
男「それ部屋で着る?」
妹「着ればいいじゃん」
先輩に見られたら・・・ダメだ
男「悪いが普通のを頼む。それは洗濯とか大変そうだ」
妹「じゃぁここにいる間だけでも」
ゆずらねぇな・・・
男「それでいいか?」
姫「・・・・・」コクン
ゴスロリは実家にいる間だけの約束になった
172:
夕方
母「姫ちゃん!お風呂入ってきな!」
姫「はい・・・」
ずいぶんと家族にも慣れて親父以外となら楽しそうに会話していた
妹「兄さん、ちょといいか?」
男「なんだよ?」
妹「お父さんがいない方がいいな」
父「そうか・・・」
しばしの沈黙・・・
父「あ、俺にこの部屋を出てけってことか」
しぶしぶ部屋を出て行く親父
男「金なら貸さねーぞ」
妹「そうじゃねぇよ。」
だったら何なんだ?
妹「姫ちゃんのアレ・・・ただの虐待じゃないだろ」
174:
男「・・・・!?」
妹「さっき着替えてる時に見た・・・。兄さんはしってるのか?」
男「・・・知ってるよ。あいつから聞いた」
妹「まだあんな歳なのに・・・」
男「だからこそ、もうそんなことさせちゃいけないんだ」
妹「下手したら一生もんのトラウマだぞ」
男「本当に許せねぇよ・・・。絶対に許さん」
妹「兄さんがそこまで覚悟決めてるなら私から言うことはないよ・・・」
男「そうか・・・」
妹「私も協力するからな・・・!」
男「ならあれ脱がしてやれ」
俺が指差すさきにいるのは・・・
凝った作りのゴスロリを脱げずに四苦八苦しながら助けを求めにきた姫だった
妹「あちゃー・・・自分で脱げなかったか・・・」
男「どんな服だよ」
175:
・・・・・
夕飯はトンカツだった
一人暮らしをはじめてから俺もトンカツはほとんど食べてなかったから久しぶりだ
妹「お、トンカツじゃん!」
男「すげー!」
母「子供みたいにはしゃいじゃって」
早トンカツを頬張る
男「やっぱうめーわー」
父「ねえ?俺の分やけに小さくない?」
母「どう?姫ちゃん美味しい?」
姫は・・・・今までにない勢いで食べていた
姫「美味しい・・・!」
実はさっきまでトンカツを知らなかった
毎日コンビニのおにぎりで我慢していた姫からすればすごいご馳走なんだろう
姫曰く、おにぎりは一日一個あるかないかだったそうだ
俺と会ったあの日は何も食べれずに逃げ出したとか
177:
これからは毎日あったかい飯を食わせてやりたい(レトルトでもあったかければ・・・)
母「明日の昼まで居るんでしょ?」
男「ん?ああ、昼食って帰る」
姫「・・・・・・」
ちょっと寂しそうな顔をした
母「だったら姫ちゃん!明日のお昼はなんでも好きなもの作ってあげるよ!」
姫「・・・・・・」
少し考えてから・・・
姫「カレー・・・?」
男「カレーライスか?」
姫「うん、カレー・・・むかしお母さん作ってくれた」
母「カレーか・・・。姫ちゃんのお母さんみたいにできるかわからないけど明日のお昼はカレーね!」
姫「・・・うん!」
嬉しそうに笑った
少しずつだけど笑うことが多くなってきた
きっとお母さんがいた頃はよく笑う子供だったんじゃないかと思う
182:
・・・・・
男「姫、そろそろ寝ないと」
姫にはなるべく規則正しい生活をと心がけている
一人暮らしなんてしていると生活のリズムが狂っていたが、姫にあわせて10時就寝6時起床を心がけている
姫「わかった・・・」
むかし妹がきていたピンクの豚柄のパジャマがとても似合っている
なぜ豚柄なのだ・・・?
母「なに?あんた達一緒に寝るの?」
いつも通りにしようとしていた俺はちょっと焦った
男「あ、いや・・・普段はベッドをはしとはしでわけて・・・」
苦しい言い訳だがないよりマシだ
男「そもそも寝るところがなくて・・・」
妹「姫ちゃん!一緒に寝よう!」
と、ここで妹からの提案
母「そうしなさい。男だってケダモノなのよ」
自分の息子にひでーこという
父「俺が一緒に寝y・・」
母「あ?」
父「いや・・・せめて隣・・・」
妹「あ?」
父「お、おやすみなさい・・・」
姫は妹と寝ることになった
185:
俺も久々に実家の自室でねる
荷物はほとんど持って行かなかったので漫画やらたくさん暇はつぶせた
男「姫は妹と寝るし・・・もうちょっと起きてても良いよな」
適当に漫画を引っ張り出して読んでいると
ガチャ・・・扉があいた
12:45・・・こんな時間に誰だ?
姫「男・・・・」
泣きそうな顔で姫が入ってきた
男「どうした?」
姫「・・・妹・・・ずっと一人で寝ながら喋ってる」
忘れてた
あいつの独り言は酷いんだった
あいつは自分の夢をよく実況するくせがある
修学旅行の時にそうとう苦情がきたらしい
186:
わろたww
187:
わろた
188:
妹wwwワロタwww
190:
苦情とか相当酷いんだな
192:
妹wwwww実況すんのかよwwwwwwwwww
194:
男「なんて言ってた?」
姫「ウマとボクシングがなんとか・・・・って」
どんな夢なんだよ・・・!?
男「そうか・・・大変だったな」
姫「・・・男と寝る・・・」
なんか他人が聞いたら危ないセリフだ
男「わかった、でも母さんにいえばもう一組布団出してくれるぞ?」
姫「・・・いい、男と寝る・・・」
なんか目をこすって眠気が限界みたいだ
男「おお、わかった。じゃ、寝るか」
読みかけの漫画を閉じると
姫「それ・・・」
男「ん?読むか?」
姫「私・・・漢字読めないの・・・」
ちょっと・・・いや、結構びっくりした
よく考えて見れば小学生の序盤で学校にいっいないのなら漢字が読めなくても不思議じゃない
197:
男「じゃあ俺が教えてやるよ」
姫「・・・男が?」
男「漢字覚えて漫画読めるようになろうな」
姫「・・・・うん!」
嬉しそうだ
漢字が読めないと色々不便だろうからな・・・
帰りに昔の教科書でも持って帰ろう
とか考えてるうちに姫はいつものポジションに滑り込んでいた
男「・・・おやすみ」
姫「・・・・スー・・・スー・・・」
眠気の限界を越えすでに夢の中だった
ザー・・・
まだ雨は止まない
天気予報ではあと3日雨が続くようだ
202:
・・・・・
妹「なにやってるの!?」
妹の声で目が覚めた
男「・・・・・あ?」
外は相変わらずの雨
時刻は6時ちょうど
男「・・・なんだよ・・・」
一部脳が寝たままの俺は悲鳴の理由が分からん
姫「・・・・ん・・・」
姫も目が覚めたようだ
男「おはよ・・・」
姫「まだ・・・眠い・・・」
妹「なななな・・・なにしてるの!?」
なにがだ?
男「なんだよ・・・?」
いって完全にめがさめた
腕の中には幸せそうに二度寝へと突入した姫
ああ、なるほど・・・この状況を説明しないとな
男「お前の寝言がうるさくて姫が避難してきたんだよ」
揺すって二度寝から姫を引き戻しながら答える
205:
妹「だからってなんで抱き合ってるのよ!?」
男「特に変な理由もねーよ。・・・寒いからだよ」
妹「・・・なるほど・・・」
これで納得してしまう妹もどうかと思う
男「ほら、起きるぞ!」
姫「いつもみたいに抱っこで・・・・」
はい、アウトー
「いつもみたいに」って言っちゃったね
妹は発狂した
・・・・・・
母「おはよう」
姫「・・・おはよう・・・」
まだ完全に目覚めていないみたいだ
台所からいい匂いがする
男「あれ?親父は?」
母「玉叩きだって」
ゴルフか・・・・
207:
たまたたきwwww
208:
母「なんか姫ちゃんと別れるのが惜しいからって手紙書いてたよ」
へー
男「・・・その手紙はどこに?」
母「そこ・・・」
指差す先は・・・ゴミ箱
男「なぁ?母さんと父さんこれから離婚とか考えてる?」
母「なんでよ〜?」
なんで?と聞き返せる母がすごい
ゴミ箱から手紙を拾って読んで捨てた
男「母さん・・・姫は漢字読めないみたいなんだ」
教育のことは親に聞くべし
210:
母「それね〜母さんも気になってたのよ」
さすが母
母「あんた大学はどうなの?余裕あるの?」
男「前期まじめにやったからあと何日かで春休み」
なぜここで俺の話?
母「時間ができたら姫ちゃんに勉強教えてあげなさい」
男「勉強って・・・全科目?」
母「漢字だけ読めたってしょうがないでしょ?」
やっぱり考えることが違う。さすが母
でもそう簡単に教えられたら俺は小学校の教師になってる
男「まぁ、最低限な・・・頑張るわ」
母「本当は高校まで出たほうが良いんだけどね・・・」
212:
高校か・・・
大学出たからって就職が約束されないこのご時世・・・姫が生きて行く上で一番大切なのはやはり、勉強なんだろう
男「で・・・・姫は?」
今で妹と姫がアニメを見ていた
姫がアニメを見たがったのだろうか・・・?
いや、反応を見ればわかる。
熱中しているのは妹の方だ
男「その歳になってアニメかよ」
妹「ナニイッテンダ兄さん!アニメはJAPANの文化!BUNKA!!」
だめだこいつ
ただ、姫も楽しそうにみているから良しとしよう
215:
スペック教えてもらえると助かる
217:
スペック・・・的なの
あくまで目安だから自由に補正してもらいたい
男(ダン)21歳
身長170cm
体重60kg
姫(ヒメ)恐らく14歳くらい
身長150cm
体重軽い
妹(マイ)18歳
身長157cm
体重は考えない
母50くらい
身長160cm
体重重い
父60くらい
身長157cmちっちゃいおっさん
体重軽い
ハゲ
こんなイメージ
218:
父ハゲ…
219:
とりあえず部屋にもどって昔の教科書を引っ張り出す
埃をかぶっていたが結構綺麗な状態だ
小学校6年分と中学3年分見つかった
かなりの量だ
これを手で持って帰りたくない
男「あのさ・・・この教科書俺のアパートまで宅急便でだしてくんない?」
母「しょうがないね」
あとで郵送してくれるらしい
勉強はそれが届いてからだな
とりあえず今日はゆっくり休むことにしよう
コーヒーをすすりながら新聞を読んでいると・・・
あまり良いニュースはない
どこもかしこも殺人だー窃盗だー政治が悪いー経済が悪いーだの
唯一明るいニュースは白クマが出産したそうだ
254:
母「いっけなーい!カレーのルーがなーい」
来ました、母の独り言
この独り言は「お前行け」という意味だ
男「まじで?雨降ってるよ」
母「そうね。」
男「スーパーまで遠いよ?」
母「車ならお父さん乗ってったよ」
車がない、雨が降っている
この時点で母は家から出ない
男「・・・まぁカレー食べたがったのは姫だしな。行ってくるよ」
母「ちゃんとご近所さんにあったら挨拶しなさいよ」
男「もう俺のこと覚えてねーだろ」
母「お前みたいな問題児そうそう忘れないよ。ほら!早く行きな」
255:
すると姫がこちらに気がついて
姫「どこ行くの・・・?」
男「スーパーだよ。昼の買い出し」
着替えながら答える
妹「ちょっと!兄さん上で着替えてよ」
こいつはいつも変なところで細かい面倒なやつだ
男「ちょちょいと行ってくるわ」
この辺のスーパーは客が少ない分早く開いて早く閉じる
今行けば丁度やってるはずだ
姫「私も行く・・・」
妹「え〜!一緒に仮面ライダーみようよ〜!」
イケメン目当ての妹はヒーローものがメインらしい
姫「行きたい」
男「別にいいけど・・・結構歩くよ?」
ザー・・・・
256:
・・・・・
きた時と同じように傘をさして手をつないで歩く
近くの住人も雨が降っているのでほとんどすれ違うことはない
ザー・・・・
男「雨ずっと降ってるな」
姫「雨・・・止んで欲しい?」
姫からすれば雨は約束の砂時計みたいなもの
止めば俺たちはまた他人・・・だと思ってる
男「雨が好きなやつなんてそうそういないだろ」
ジメジメするし・・・何より濡れるのが嫌だ
姫「・・・私は・・・」
ザー・・・・
男「え?何だって?」
雨の音で聞き取れない
姫「・・・・・」
それから姫はしばらく喋らなかった
261:
スーパーはそこそこ賑わっていた
姫「大きいコンビニ・・・!」
男「コンビニじゃねぇよ。スーパーって言うんだ」
おばちゃん「あら!男ちゃんじゃない!」
近所に住んでいるおばちゃんこと大場さん
おばちゃん「男ちゃんがお買い物なんて珍しいわね」
男「うちの母雨の日外に出たがらないんで・・・」
ちょっと世間話をしているとおばちゃんが姫に気がついた
おばちゃん「あら?かわいい子連れてるじゃない」
男「かわいいだってさ」
姫「・・・・」
顔を赤くして照れてやがる
262:
おばちゃん「ついに彼女が出来たのね!」
彼女なんて生まれてこのかたいねーよ
ただ説明が面倒なので否定しないことにした
男「ええ・・・まぁ」
姫「・・・!?」
あ、姫がものすごい顔で見てる・・・
おばちゃん「いいわね〜若いって〜」
おばちゃんと別れてからも数人知り合いに会った
会う人が口々に新しい妹だとか娘だとか言っていたが全部否定しなかった
スーパーを出る頃には姫のこの地域での設定がめちゃくちゃになった
姫「男・・・ちょっと適当過ぎ・・・」
男「・・・なんかごめんな。」
またこの地域に姫を連れてくることがあればそれなりの説明をしようと思った
また来ることがあれば・・・だが
ザー・・・・
雨はまだ止まない
263:
家に帰るとカレーの準備を母がしていた
姫が手伝いたいというので母と姫の二人で台所に立った
俺も暇なので今のうちに教科書をまとめておく
なんとなく漫画が目に入った
男「漫画・・・読みたがってたけどどれがいいのかな?」
俺の部屋にある漫画は女の子が好むようなジャンルがない
漫画といえばベッドの下にもあるが・・・論外だ
男「妹ならなんかあるかな・・・」
俺の部屋の隣に妹の部屋があるので即訪ねる
妹「なんだよ・・・?」
こいつ・・・寝てたな
264:
男「なんか姫が喜びそうな漫画ない?」
妹「悦びそうな?」
男「字が違う。喜びそうな・・・だ」
こいつに相談したのは間違いかもしれん
妹「そうねぇ・・・これとか?」
読みづらい筆記体でタイトルが書いてある
パラパラっとめくると
美男と美男がバラのなかでもつれ合っていた
男「殴るぞ・・・」
妹「面白いんだけどなぁ・・・」
本棚をみると得体のしれない漫画ばかりだ
妹「ほかに・・・これとか?」
青い自称猫型ロボが人生お先真っ暗な少年をハイテクなツールで構成させるというサイエンスフィクションものの人気漫画だ
男「なぜ真っ先にこれをださない?」
しかも巻数がしっかり揃っている
これならいい感じだろう
教科書と一緒に送ってもらうことにした
266:
部屋をぐるっと見回すと段ボールが幾つか積み上げられている
男「この段ボールなに?」
妹「引っ越しの準備」
そういえばこいつも来年大学か
もう受験は終わったらしく今は完全なニートだ
男「一人暮らし大丈夫か?」
妹「兄さんにも出来るなら大丈夫っしょ」
なるほど、大丈夫かもしれん
男「これとか・・・着るの?」
部屋にはいわゆるコスプレが飾ってある
妹「着ないけど・・・インテリア?」
どこがインテリアなんだ?
妹「姫ちゃんに着せるまではただの鑑賞用。姫ちゃんに着せたら・・・むふふふふ・・・」
だめだこいつ
下の階から呼ばれたので降りることにした
268:
いい匂いがする
カレーって本当にいい匂いだ
姫は台所でカレーの鍋をかき回していた
後ろからみるとわかるが姫は手足が細い
純粋に栄養のある食べのもを与えられていなかっただけかもしれない
男「できたか?」
姫「うん・・・きっとおいしいよ」
楽しそうだ
母「ほら、器によそって」
男「あいよ」
食器を出して米をよそう
男「炊飯器新しくしたんだ?」
母「え?買い替えたの結構前だよ?」
時々帰ると家電が新しくなっている
今回は炊飯器と掃除機が変わっていた
269:
次は親父が変わっているかも・・・
母「あ、母さんのこれで」
渡されたのはラーメンのどんぶり
男「これは・・・ネタ?」
まさかこれでカレーは食べないだろう・・・
妹「お母さんはそのどんぶりだよ。」
男「まじか・・・!」
俺より食うじゃねぇか・・・
そういえば夕飯のときもどんぶり飯食ってたな
親父が勝てない理由がわかった気がする
頑張れ親父
274:
カレーは甘口だった
昔から変わらない母の好みだ
母「おいしい?」
姫「うん・・・!」
俺も小さい頃は好きだったが、最近はもうちょっと辛い方がいい
男「一味ある?」
いつもここで唐辛子を入れるのか俺スタイル
妹「え〜唐辛子入れる?」
男「・・・だめ?」
妹「せっかく姫ちゃんが手伝ってお母さんが作ったのに」
みると姫が視線で「なんでそんなことをするの」的な目でみている
男「・・・わかった。普通に食べるよ」
食べたがやっぱちょっと甘い
姫は満足そうに食べていたから別にいいが
275:
カレーを食べ終えたところで携帯が鳴った
男「あ、安岡さんだ」
ピッ
男「もしもし?」
安岡『あ、どうも。安岡です」
男「なにか進展が?」
安岡『先ほど姫ちゃんのお父さんから捜索届けが・・・』
まずいことになった
男「姫はどうなるんです?」
安岡『落ち着いてください。この電話は私から個人的な用事でかけているだけです』
警察としてでなく私用で電話をかけてくれているということだそうだ
安岡『虐待の捜査もあるんでちょちょいと安岡マジックで警察で保護したことにしちゃいました』
しちゃいましたじゃねぇよ。
ありがたいがだめだろ
男「そんなことして大丈夫ですか?」
安岡『大丈夫大丈夫〜!減らされるほど給料もらってないし〜』
そういう問題じゃないのでは?
291:
男「まぁ、いろいろとありがとうございました」
安岡『で、まだ続きがあんのよ』
中年の女性は話が長いから嫌いだ
安岡『姫ちゃんは学校に行ったことはあるって言ってたの?』
何を聞くんだこの人は?
男「・・・はい。母親がいなくなるまではと言ってました」
安岡『なるほどね・・・。どこの学校か分かる?』
男「聞いて見ましょうか?」
安岡『そうして』
すぐ隣ににいた姫に聞くとずいぶんと離れたところにあるらしい聞いたこともない小学校だった
安岡『ありがとう、じゃあこっちも仕事に戻るから』
電話はそこまでだった
292:
おれも拾って保護したいな・・・
293:
時計をみるともう3時だった
男「そろそろ帰るか・・・」
ちらっと隣をみると
やはり残念そうな顔をする姫
男「大丈夫だって。またすぐ来るから」
姫「それまでに・・・雨止んじゃうよ・・・」
妹「雨・・・?」
男「最初に姫を拾った時に雨が止むまでっって約束だったんだよ」
母「あんたらしい言い訳ね」
姫に向かい合って母がなにか言い聞かせている
母「あなたはもううちの家族も同然なんだから、いつでも訪ねてきていいのよ」
妹「てか、兄さんがもらっちゃえばいいんじゃない?」
妹がとんでもねーこと言い出した
母「あら、それいいじゃない」
どこをどう捉えれば良いと思ったんだ?
295:
姫「うん・・・もらわれる」
姫は意味が分かってないがなんか乗り気だ
母「それでお父さんを追い出せばいいのよね」
次きた時には本当に親父がいないかもしれない
男「もう少し親父に優しくしてあげてよ」
母「いいのよ。あの人あれで喜んでるから」
ああ、ダメなのは親父の方か
せっせと準備していると姫が見たことないリュックを背負っている
男「それ・・・なに?」
姫「妹からもらった」
またあいつのことだから変なものをあげたに違いない
でも、姫が持って帰るというので処分は帰ってからすることにした
303:
電車に乗ってしばらくすると姫は寝てしまった
電車内の温度と揺れが眠気を増幅させる
男「いつもより賑やかだったからな・・・疲れたか?」
姫「スー・・・スー・・・」
完全に夢の中だ
自分も少し眠かったが寝てしまうとこの電車はとんでもないところへ行ってしまうので寝れない
姫が担いでいるリュックの中身が気になったがここで俺が姫に手を伸ばしリュックの中身を確認すると周りの乗客からどんな目で見られるか・・・
しばらくして電車は目的の駅に着いた
雨が降っているのでまた二人で傘をさして帰る
明日は学校だ
姫には留守番してもらうが大丈夫だろうか?
雨はまだまだ降っている
304:
雨止むなよー
312:
・・・・・・
翌朝
男「・・・・ふぁぁ・・・あ?」
いつもの腕の間に姫がいない
男「姫ぇ・・・?」
横になったまま首をめぐらすと
窓際に姫がいた
なにか吊るしてる
男「何やってんの?」
姫「妹が教えてくれた・・・」
寝起きで目が霞んでいてなにを吊るしているのか見えない
起きて近づくと・・・
男「てるてる坊主・・・?」
しかも上下逆さまだ
姫「・・・・」
男「ばかだぁ、ちゃんと頭に糸付けないと・・・」
治してあげようと手を伸ばしたら
姫「だめ!」
男「おわっ!?」
止められた
314:
男「これでいいの?」
かわいいてるてる坊主がなんだか可哀想だ
姫「こうじゃなきゃダメなの」
最近の若い子の考えがわからん
男「あ、今日学校行かなきゃいけないんだ」
姫「学校・・・」
姫は長いこと学校に行けていない
男「学校・・・行きたいか?」
姫「・・・・・」
何も言わない
きっと行きたいに決まっている
でも、行きたいって言われても俺もどうしようもない
それを考えてか姫は何も言わなかった
男「留守番たのむな・・・?」
姫「うん・・・」
316:
ちょっと不安だったが大人しい姫ならいきなり部屋に火を放ったりしないだろう
フラグ?しるかんなもん
男「じゃ・・・行ってくるから。・・・なるべく早めに帰るから!」
姫「いってらっしゃい・・・」
ひらひらてを振っているのがなんかかわいかった
カバンをつかんで駅まで徒歩だ
ザー・・・・雨は止まない
予報によれば今日明日降ったら晴れるそうだ
晴れたらどうなるのか・・・それは晴れたら考える
317:
駅からチャリで大学まで行く
あいにく俺のアパートにチャリをおいておくと一階のバカg・・・
先輩「おーい!男!」
あ、バカだ
男「先輩・・・なんでこんなところにいるんすか?」
先輩「お前のチャリ使おうかなって」
男「貸しませんよ。俺使いますし」
先輩「・・・え〜」
え〜じゃねぇよ
先輩「雨降ってるしさ・・・バス使えよ」
男「先輩こそ使えばいいじゃないですか」
先輩「なんだと!俺は先輩だぞ!偉いんだぞ!」
なんだこの人は・・・?
男「あ、あの人可愛い」
先輩「え?どこどこ?」
今のうちにチャリで逃走
先輩「あ!男!どこだよ!可愛いのどこだよ!!」
先輩とはいつもこんな感じ
354:
男「もう六時か・・・」
あたりはくらくなりはじめている
ザー・・・
雨も止まない
まっすぐ帰っていると・・・・
「あの・・・」
いきなり声をかけられた
男「なんでしょう・・・?」
相手は40くらいのおっさんだ
おっさん「この辺で一人でいる女の子見ませんでした?」
ちょっと驚いたが冷静を装う
男「さぁ・・・?娘さんですか?」
見た目はごく普通のサラリーマンといった感じ
おっさん「ええ・・・まぁ・・・」
男「なんて言う名前ですか?」
聞く必要がある
おっさん「・・・姫です」
これは焦ったが全力でクールダウン
男「・・・やっぱりわからないですね」
おっさんは「そうですか」と言うとそのまま雨が降る暗い道へと消えた
本当はここでぶん殴って海に沈めてやりたいくらいだった
だが、姫を守るにはこれが最善だ
358:
早足で家に帰る
傘なんかまともにさしていられない
アパートの階段を駆け上がり部屋の扉を開けると・・・
姫「お・・・おかえり・・・なさいませ?」
メイド服と言うのだろうか?
そんな感じのコスチュームを着た姫が恥ずかしそうに立っていた
男「・・・どうした?」
急いで帰ってきた疲れと驚きで変な声になってしまった
姫「妹が・・・これやると喜ぶって」
恐らくこれが姫が持ち帰ったリュックの中身だろう
テーブルの上には丁寧にひらがなでコスチュームの説明が書いてある紙切れもある
姫「・・・・あれ?」
364:
姫「嬉しく・・・ない?」
やばいなにか反応しなくては・・・
男「ええっと・・・・・」
姫がだんだん泣きそうになっている
早くなにか反応を・・・!
男「か・・・かわいいじゃないか!」
やっと声が出た
男「わざわざ着替えて待ててくれたのか!」
テンションを限界まで上げる
姫「うん・・・・!着方難しかったけど頑張った!」
姫も満足そうに笑う
すると
ドン!
壁ドンがきたドン
男「おっと・・・すこし騒ぎすぎたな・・・」
368:
・・・・・
妹『で、感想は?』
男「へんなもん姫に吹き込んでんじゃねぇよ!」
妹へ文句の電話中
妹『え〜、姫ちゃんが着たら殺人的可愛さだとおもうんだけどな〜』
男「その前におまえを殺すぞ」
妹『嬉しかったんでしょ?』
男「今は姫がいるけどなぁ!一人暮らしの大学野郎が女の子にコスプレさせてる時点で豚箱行きなんだよぉ!」
ちなみ姫は風呂に入っている
妹『で、そっちにお母さんからの郵便行ってるでしょ?』
部屋の隅には俺がいない間に届いた郵便物がダンボールで二つ届いている
姫にハンコを持たせて受けとってもらった
369:
男「おい、話変えてんじゃねぇ」
妹『そのうちの一つに姫ちゃんの服いれといたから』
頼んでおいた妹のお古だ
男「あ、それはありがたい。でもなぁ!」
そこまで言って少し考える
ダンボールを開けると服がぎっしり
そのさらにおくに・・・
漫画が入っている
だが、俺がくれといった漫画はない
変わりに若い男どうしの恋愛漫画ばかりだ
男「おい、青狸はどこだ?」
妹『あれ・・・?』
しばらくの沈黙・・・
妹『間違えちゃった☆』
371:
電話はそこで強制終了
最後になにか言ってたような気がするが・・・
ちょうど姫が上がってきた
男「これ着な」
豚のパジャマを渡す
姫「あ、妹の奴だ」
男「あいつは死んだ。もうお前のだ」
姫が着替えている間にもう一つのダンボールも開ける
中は教科書と野菜だった
学校にいる時に来たメールに
『教科書と一緒に野菜もいれときました。ちゃんと自炊するんだよ』
とあった。
それを先に読んでいたので今晩は適当に料理してみる。
372:
野菜を取り出すと底から料理本が出てきた
男「流石母さん・・・」
だがうちには鍋とフライパンしかない
包丁はなぜか果物包丁しかない
だが、その代わりにビーカーやらメスシリンダーなどがある
これでいける
所詮料理も化学だ!
by先輩
早料理に取りかかる
今晩は野菜しかなかったので肉なし肉じゃがだ!(命名・じゃが)
ジャガイモと人参、玉ねぎくらいしかいれるものがないがなんとかなるだろう
姫も手伝いたいと言うので二人で作ることにした
373:
調味料は一階の彼女持ちの後輩から奪ってきた
そういえば実家でもそうだが姫は料理をするときすごく楽しそうだ
男「姫は料理が好きか?」
姫「うん!」
それはありがたいことだ
ただ、果物包丁だと上手く切れない
男「おりゃっ!!」
男「おんりゃっ!!」
切るだけで疲れる
なんだかんだでじゃがは完成した
米はないのでレトルトごはんを使う
炊飯器はあるのだが米がない
375:
姫「おいしいね・・・!」
くっそ、かわいいな!
さっきあった姫の父親にさらに殺意がわく
だが、今は食事中だ
そんなことは今は忘れる
男「肉じゃがって肉いらないんだな!」
そういう問題ではない
姫「おいしいごはんが作れるって・・・いいね」
姫が来てから俺の中でも何かが変わりはじめた
なんというか・・・よく分からんが
とりあえず俺は幸せなきがする
ほどなくして食事は終わった
378:
男「そういえば・・・さっき姫の父親にあった」
姫「・・・え?」
姫の顔色が変わる
男「お前を探してたよ・・・」
姫「・・・そんな・・・・」
男「でもな、俺はお前を守るからな!安心しろ!」
姫を安心させようとなるべく威勢良く
男「そもそもこっちには安岡さんがいるからな!警官の後ろ盾だぜ!国家権力だぜ!」
自分でもわけが分からなくなってきた
姫「こっか・・・けんりょく?」
男「だから大丈夫。お前はちゃんと守る」
姫は怖がっているようだが、笑った
ちょっと無理してる感じだったけど
男「だからさ、しばらくあまりむやみに外に出れないけど我慢してな?」
姫「わかった・・・」
380:
安岡さんにも一応連絡を入れた
安岡『やっぱり探してるのね・・・』
男「警察はどういう対応をしたんですか?」
安岡『姫ちゃんの戸籍がないっていったでしょ?それでこちらでは対処出来ないって突っ返しちゃった』
男「それやったのって・・・」
安岡『私〜☆』
えへへへと、笑う安岡さんがなんだか心強かった
安岡『とにかく、外出とかは気をつけて』
男「はい」
ザー・・・
雨がまだ止まない
この長い雨も明日が最後みたいだ
381:
雨やまないで
387:
・・・・・・
翌日
ザー・・・
予報は外れない
また雨だ
男「・・・・ふぁぁ・・・・」
姫はまだ腕の中
そういえば姫は・・・その・・・実に子供らしいというか・・・
ええい!世間体なんてくそくらえ!
言ってしまおう
胸がない
アニメとかである密着されたら「あ、胸が!」的なのは一切ない
別にないからどうとかそういうことはどうでもいいけど・・・
ふと見ると姫が目を開けてこっちを見ていた
男「お・・・おはよう」
姫「・・・私・・・どうかした?」
男「いや・・・別になにも」
姫「起きる・・・」
男「お・・・おう」
388:
こいつ絶対に先に目が覚めてると思う
俺が起きるとすぐに起きるもん
いや、逆に俺が起きないと腕でロックされて起きれないのか・・・?
その間にも姫は着替え始める
あの服に・・・
男「ちょっと待ちな・・・」
姫「・・・ん?」
ほぼ着替え終わっている
慣れたのか?
男「なぜそれに着替える?」
姫「・・・男がかわいいって言ったから」
393:
スカッとするエンドで
395:
>>393
今のイメージだとグチャって感じだわ
それからの展開
サクってなってザーってなってダダーってなってグチャってなってふわわーだわ
397:
>>395
さっぱりだ
412:
>>395
なんかわろた
417:
>>395
さすがノリと勢いww
418:
かわいいとは言ったが・・・
まぁ、いいや。
今日は休みだし約束通り勉強を教えることにする。
男「姫、勉強・・・やるか?」
姫「・・・え?」
うわ、すっごい目が輝いている
勉強って小学校入る前は楽しかったもんな
今の姫はそんな感じなのだろう
男「まずは現文・・・てか国語からだな」
ちょっと勉強して様子をみると国語は少し難しい漢字が読めないみたいだ
そこを重点的に勉強する
男「これが・・・」
姫「こう?」
男「書き順はめちゃくちゃだが・・・俺も人のこと言えないしな」
姫はどんどん俺の言ったこと、教科書の内容を吸収していく
こいつ頭いいぞ
420:
ほんの数時間でかなりの漢字を覚えた
これは数学だろうと英語だろうとすぐに覚えるかもしれない
姫「男・・・教えるの上手!」
褒められた
男「姫は元々頭が良いんだよ」
互いに褒めあって変な感じだ
そんな感じでもう昼になってしまった
男「そろそろ昼飯にするか」
姫「うん・・・」
家にあるもので済まそうにもまともなものがなかった
野菜しかねぇ
うさぎならともかくなにかまともな物を食べねば
421:
男「ちょっとコンビニでなにか買ってくるわ」
姫「私も・・・!」
姫が行きたがったが・・・
男「だめだ。この辺にはお前の父親がウロウロしてるんだぞ」
なんだかゾンビみたいだな
姫「でも・・・お父さんは会社だと思う・・・」
そらそうか、今日は一応平日だしな
男「でもなぁ・・・」
姫「・・・・・」
可哀想な子オーラが出てる
俺は負けた
男「わかったよ・・・行こう」
姫「うん・・・!」
一応は細心の注意をはらっていざ出発
423:
ザー・・・・
おそらく今日で雨も止むだろう
このところ過労気味なコンビニビニール傘をさして二人でコンビニへ行った
そこで気がついた
男「おわっ・・・!?姫その格好できたの!?」
メイド服はちょっとやばい
姫「・・・ん?」
無邪気に首をかしげながら先にコンビニへ入ろうとする
男「お、おい!」
コンビニに入った瞬間視線が集まり・・・
女性客「可愛い・・・!」
何ですと?
店員「・・・いらっしゃいませ・・・」
俺は疾風の如く買い物を済ませた
男「姫!帰るぞ!」
女性客「あの・・・一枚写真いいですか?」
可愛いもんな
俺だって携帯の壁紙にしてるわ
425:
とりあえず写真を一枚だけ撮らせて逃げるように帰った
男「・・・その格好は・・・俺の部屋でだけだからな・・・!」
疲れた
姫「・・・ごめんなさい・・・・」
シュンとして落ち込んでしまった
男「まぁ、今回はいいけど。さ、早く昼にしようぜ」
姫「うん・・・」
部屋に入るときふと空に真っ黒い雲が見えた
これからちょっと大降りになるかもしれない
427:
昼は買ってきたパンと野菜炒めという微妙なセレクトだ
実は今回は包丁がある!
なんか先輩が使えってくれた
なんかメイド服に包丁でステータスがどうとか言ってたけど・・・
それと奪って返していない調味料もあるのでまともな料理ができた
今度は米を買ってこよう
二人で野菜炒めをパンにはさんだよくわからん料理を食べる
姫「・・・おいしい!」
男「新境地だな・・・。パンの汎用性恐るべし」
428:
昼を食べ終わると姫はまた勉強を始めた
本当に偉いなぁ・・・
と、いうよりずっと勉強がしたかったんだな・・・
男「あまり無理すんなよ?少しずつやれば良いんだから」
姫「うん・・・でも男と勉強できるから・・・」
可愛い奴だなぁ
ついついちょっかいを出したくなる
脇の下、わき腹など大事な血管や神経のある部位をくすぐる
姫「うあっ・・・!男・・・くあふふっ・・・!!」
最初あった時はこんなに笑う奴だなんて思わなかったからな
いろいろ辛い記憶もあるだろうが・・・姫なら乗り越えていける
そして、俺はその手伝いをする
だが、ことは全て上手くいくとは限らない・・・
時刻は午後2時をすぎたあたりだった
446:
トントン
扉を叩く音がする
丁度俺たちは数学もとい算数の勉強をしていた
男「はい・・・!」
俺のアパートの扉にはのぞき穴なんてない
まぁいままで必要無かったから別にどうでも良かったのだが
ガチャ・・・
開けるとそこにいたのは
姫の父親「どうも・・・・。探したぞ、姫・・・」
昨日あったおっさん・・・姫の父親だった
姫「・・・・お、お父・・・さん」
姫が恐怖に震えはじめる
男「なんでっ・・・!?」
なぜここが分かったのか、なぜ今きたのか・・・
色々な疑問やら何やらが俺の脳内で竜巻のようになり、俺の平常心を吹き飛ばした
450:
姫の父親「さぁ・・・帰ろう!!」
いきなり土足で上がり込み姫に手を伸ばそうとする父親
男「ま、待てよ!!」
姫と父親の間に割り込み父親を突き飛ばす
よろけて父親は台所まで足をもつれさせながら下がった
父親「なんだお前はっ!!」
平常心も何もないので俺もまともなセリフが言えない
男「お前こそなんだ!?」
いや、姫の父親だし・・・
我ながら素晴らしい混乱っぷりだ
454:
父親「そのこの父親だ!!」
男「そんなわけあるかぁ!!」
自分でももうなにがなんだか
男「お前みたいなのが父親であってたまるか!!!・・・父親ってのはなぁ!禿げててもチビでも優しくって厳しく正しいことを教えてくれる人のことを言うんだよ!!」
あ、禿げ、チビのところ忘れて下さい
姫の父親「はっはは・・・何を言ってるんです?これは誘拐ですよ?」
男「んなわけあるか。警察公認の保護だボケ!」
さらに訂正、安岡さん公認
姫の父親「そいつがどんな奴かも知らないで・・・何を偉そうなことを!!お前に姫の何がわかるって言うんだ!?」
姫は顔面蒼白って感じで震えている
男「まだよくわかんねぇけどよ・・・」
だめだ・・・カッコいいセリフが見つからん
男「・・・こいつがお前に苦しめられてるってことはよぉくわかる!」
うん、聞いたからね。聞けば誰でもわかるよ
458:
その時姫の父親が動いた
姫に向かって何かを振り下ろした
姫の父親「ふざけるなぁっ!!!」
俺も訳がわからず姫の前に飛び出した
ザクッ・・・
男「・・・!?」
姫「・・・・あ、ああっ!!」
目の前に赤いなんかが飛んだ
そしたらなんか左肩が痛くなった
痛いとかより左肩・・・厳密には鎖骨らへん?に先輩の包丁が突き刺さってる
男「・・・ぐっ・・・!なにしてんだっ・・・!!」
立っていられず膝をつく
姫の父親「ざ・・・ざまぁみろ!・・・そんなガキをかばうからだ!!」
父親は姫の手をつかむと嫌がる姫を無理やり引っ張って行ことする
姫「いやぁっ!!男!!だぁんっ!!」
465:
姫の父親「このガキはな・・い、生きてるだけで何の価値もない穀潰しなんだよ!!そんな奴かばっても、お・お前がそうやって不幸になるだけだからな!!!」
語尾がなんだかうわずってる
こいつも動揺してんなぁ
しかもその言葉を聞いて俺のなかのやる気スイッチがONになった
ただ、カッコいいことは言えない
男「お前はそう思うのかもしんねぇけどよ・・・そいつは俺の大事な・・・。なんだ・・・?ほら、あれだ・・・」
パニックで脳が動かない
男「・・・・俺の姫だ!!!」
だめだ・・・自分でも理解不能
俺は血をだくだく流しながら立ち上がった
姫の父親「・・・は・・はぁ!?」
姫を引っ張る父親を右手で掴んで投げた
472:
姫の父親はあっさり投げられ窓際に転がる
その時にカーテンを引っ張りやがってぶちぶちって千切れた
カーテンって高いんだぞ?
姫の父親「お前っ・・・本当になんなんだよぉっ!?」
そら怖いだろう
顔の横に大きな包丁ぶっさしたまま平気な顔で血まみれで立ってる男は
さらにはよくわからんことを叫んでるし
俺だったら頭のいかれたターミネーターだと思っただろうね
男「・・・あ、だめだ・・・」
全身の力が抜けまた膝をつく
もう立てなかった
姫が駆け寄ってくる
姫の父親「・・・っ!」
今だとばかり姫を再び掴んで逃げようとする父親の腕を横から別の腕が掴んだ
男「・・・・先輩・・・!」
478:
先輩「ほわぁったぁ!!」
先日みた変な踊りのモーションで姫の父親(結構重そうだが)が空中で回って玄関から放り投げられた
先輩・・・あれ本当に拳法だったんですね
疑ってごめんなさい
一方俺は血を流しすぎたせいでぶっ倒れた
姫「男っ!!」
すごい怖がってるのに・・・
この間まで声を聞くだけで震えていた姫
先輩「・・・・・・!!・・・!!」
先輩なんか言ってるけど
みんなの声が聞こえなくなってきた
目が霞んでもうよく見えないや
最後に見えたのは・・・姫の顔だった
516:
・・・・・・
目が霞んで何も見えない
ただ目の前に誰かいる
男「・・・・・姫・・・?」
焦点が定まり・・・
目の前にには顔にシワが刻まれた年配の女性がいる
「男・・・・!!」
男「姫・・・・?」
521:
男「じゃねーのかよ。」
母「なんだよせっかく来てやったのに」
男「あ、知らない天丼だ」
妹「天井でしょ」
父「刺されたんだって?災難だったなぁ」
母「あ?」
どうやら俺は病院にいてわざわざ一家大集合してくれたみたいだ。
みんな暇なんだな
身体を起こすと左鎖骨に痛みが走る
男「お〜・・・いてぇ・・・」
527:
男「で・・・姫は?」
母「それがね・・・」
話を聞くと
俺が気を失ってから先輩が救急車と消防車(消防車は先輩の説明が不十分だったから)そして、警察を呼んでくれたらしい。
先輩にはあとで何かお礼をしておこう
いつの間にか姫はいなくなっていたらしい
詳しくは警察から聞けと母さんが病室の外で待機していた警官を読んんだ。
安岡「どうも・・・」
男「あ、安岡さん」
父「え?なに?この婦警さん知り合いなの?」
母「あ?」
父「あ、構わずどうぞ・・・」
家族は病室から追い出された
530:
すると安岡さん始め自己紹介で刑事と分かった男の人たち合わせて4人が一斉に頭を下げた
安岡「すみませんでした!」
俺はいきなりの出来事に驚いた
男「え、え?どうしたんですか?」
状況が理解できない
刑事「我々の対応が遅れたばかりに・・・あなたにけがを・・・!」
そういうことか
男「別に気にしてませんし。安岡さんにも色々と相談にのってもらってましたから。」
そして俺が気を失ってからの状況を説明してもらった
531:
どうやら吹っ飛んだ父親はそのまま逃げたらしい
現在捜索中だとか
姫の行方もわからないらしい
男「姫は・・・まさか父親に?」
安岡「まだ、分かりません・・・でも必ず無事に見つけ出します」
俺の中に不安が渦巻いている
ザー・・・・
雨はさらに強くなり時々雷がなっている。
532:
時間は夜の9時
病院内は消灯の時間だ
暗闇の中をうごめく怪しい影
男「怪しくねーよ」
夜中の病院は不気味だ
だがセキュリティとかはなにもかかっていなかった
男「普通に出られんじゃん」
病院服のまま雨がふる屋外にたどり着いた
ザー・・・・
まるで俺たちが出会った時みたいな雨だな・・・姫
男「あ、傘ねーじゃん」
ザー・・・・
まぁいいか
俺は雨降る暗い街へ駆け出した
535:
傷が気になったが・・・
気にしたら痛いので気にしない
病院服が雨水を吸って重い
ザッザッザッザ・・・・
サンダルだし走りにくい
男「ふぅ・・・ふぅ・・・」
とりあえずアパートについた
部屋の扉を開けて電気をつける
男「あ・・・だれか片付けしてくれたんだ」
破れたと思っていたカーテンも外れただけだったみたいだ
男「今更傘もいらねーな」
傘を持たずに再び雨の中へ
ザー・・・・
あと数時間で止むはずの雨は一向に弱まる気配はない
537:
ひめええええええええええええええ!!!!!
539:
姫はどこじゃあああああああああ
540:
俺は走った
走りまくった
待ってろセリヌンティウス!的な気分だ
この天気なので通行人は傘をさしている
男「くそっ・・・どこにいるんだよ!」
探しているのはもちろん姫だ
いまさらあんなおっさん探す気にならん
父親の方は警察に任せる
もう俺を刺した事でムショ行きだろうしな
ただ、傷が無視できないレベルまで痛む
男「くっそ・・・いてぇ・・・!」
542:
するといきなり声をかけられた
「あ、あの・・・?」
膝に手をついて息を整えているところに女の人が声をかけてきたのだ
女性「やっぱり・・・メイドの子のお兄さん!」
なにいってんだ・・・?
男「・・・・はい?」
その時、記憶の中にこの人が浮かんだ
男「・・・あ、コンビニで」
女性「ずぶ濡れでどうしたんですか?」
それどころではないのだが・・・
男「実はあのコスプレしてた子を探してるんです・・・」
もう藁にもすがる思いだ・・・
546:
女性「あ、その子さっき見ましたよ」
なんだと!?
男「どこで!!どこに!!」
女性「ちょっ・・・落ち着いて・・・!」
おっと・・・
男「すみません・・・で、どこに?」
女性「この道をまっすぐ行った先の橋・・・」
とっさに女性が指差す先へ走り出す
男「ありがとう!」
女性「ちょ・・・その怪我大丈夫なんですか!?」
見たくなかったが病院服がはだけて包帯に紅い染みが広がっている
でも、もうそんなことにかまっていられない!
この先に・・・俺の大切な人がいるのだから!
ザー・・・・
雨はさらに激しくなっていく
548:
橋の真ん中に・・・ずぶ濡れのコスプレ少女を見つけた
俺は腹のそこから叫んだ
男「姫ぇぇぇぇ!!!!」
ザー・・・・
雨音を差し引いても十分大きな声だ
余談だが俺は小学校の大声コンテストで2位だったことがある
姫が気がついた
姫「・・・・・・」
何か言ったのだろうが聞こえなかった
姫も駆け寄ってくる
そして勢いよく抱き合った
ズキっ
あ、いてぇ・・・
姫「男・・・死んじゃうかと思った・・・」
男「馬鹿野郎・・・俺は簡単には死なねぇよ・・・」
ザー・・・・
550:
男「なんでいなくなったんだよ・・・!」
姫「私のせいで・・・お父さんが・・・!」
本当に馬鹿野郎め・・・!
男「・・・今の天気は?」
姫「・・・え?」
男「いいから答えろ」
姫「・・・雨?」
雨って答えなかったらどうしようかと思った
男「そうだ、雨だな・・・。そして寒い」
ここに走ってくるまでに考えていた最高の言い訳だ
男「だからお前を守るために姫には近くにいてもらわないと困る」
姫「・・・・」
姫は泣いている
553:
こんな風に泣く姫も始めて見た
男「だからさ・・・帰ろうよ」
姫はわんわん泣きながら頷いている
男「勉強だって・・・まだ途中だしな・・・」
さっきまで自身のあった言い訳がショボく思えてきた
そこで俺の目に入ってしまった
橋の端に・・・・
あいつがいる
姫を苦しめる。俺を刺した悪魔。
姫の父親
姫も気がついた
悪魔が笑ってやがる・・・
姫を抱きしめる腕に力がこもる
628:
俺はあいつを殺したいくらい憎かった
ましてや今、俺の大事な人を守るためなら
死ぬのだって殺してムショ行きだって怖くなかった
男「・・・姫、一人でも帰れるか?」
姫「・・・ダメっ」
ザー・・・
男「・・・帰るんだ!」
姫「一緒じゃないと・・・帰らない!」
こんなに聞き分けの悪い姫も初めてだ
俺だって姫とは別れたくない
でも、あいつを殺らないと・・・
姫「私、男が・・・男が行くところだったらどこへでも行くよ!」
男「姫・・・」
姫「・・・・大丈夫、もう泣かないから」
男「分かった・・・ずっと一緒だ・・・!」
だが、神は俺を裏切る
意地悪だ
632:
俺たちと父親はまだ数十メートル離れていた
その時・・・神がちょっと意地悪した
神にとってはちょっとでも人間にとっては命に関わる
俺はこのあとに起こる出来事でそれを痛感した
637:
文字では表せない様な空の悲鳴
神の意地悪は圧倒的な力をもって地上に落ちた
目の前が真っ白になる
なにも見えない
俺はなにが起こったのか理解出来なかった・・・
ザー・・・
ただ、雨の音だけが爆音の後に残った
641:
そして視界が回復し、見えたものは
焼き焦げた肉の塊
かつて人だったもの・・・
それは、俺たちを苦しめた悪魔
姫の父親だった
648:
せっかく俺のカッコ良いセリフも決まったのに・・・
台無しじゃねーかよ
姫のために雨降たり、雷落としたり・・・
神に愛されすぎだろ・・・姫
652:
姫も状況を理解して複雑な表情だ
事に気がついた通行人が騒ぎ出す
ザー・・・
姫「・・・・帰ろ・・・」
姫が泣きながら俺の手を引く
これで・・・姫を苦しめる奴は居ない
人の死を喜ぶほど俺も楽観的じゃないが
安心したのは事実だ
657:
アパートに帰ると早風呂を沸かしストーブに火を入れる
まるで姫と会った時を繰り返しているみたいだ
タオルを持って姫がストーブの前であったまるのもなんだかデジャヴだ
男「・・・あ、カップ麺ある!」
きっと家族が部屋を片付けてくれてた時においていってくれたんだろう
男「カップ麺でいいか?」
姫「・・・うん」
659:
風呂が沸いて姫が先に入っている間に俺も着替える
男「いってぇ・・・」
包帯が真っ赤だ
男「あ・・・もしかして・・・」
携帯にはおびただしい数の着信が・・・
母には姫とアパートにいるとメールを入れとく
660:
すぐに着信がきた
男「も・・・もしもし・・・」
母『この馬鹿チンがぁ!!!!』
うわっ・・・!
さっきの雷級に耳にきた
男「いきなりなんだよぉ・・・」
母『かってに病院抜け出して!!死んでも知らないよ!!』
男「ちょ・・・携帯壊れるからもう少し静かに話して・・・」
母『バカァッ!!!』
そこで電話が切れた
姫「どうしたの・・・?」
男「・・・また刺されるかも・・・母さんに」
666:
包帯は幸い常備していたので取り換える事にした
傷口の縫い目が痛々しい
姫「うわぁ・・・・ごめんね?」
男「別に姫が謝ることないさ・・・」
包帯を替え終わった
男「傷ありの男とかカッコ良いじゃん」
特にそれが大切な女の子を守るためについたなんて最高の設定じゃね?
え?痛い?
そうですか・・・
667:
カップ麺を二人ですする
男「あれだな・・・先輩にもなにかお礼と包丁返しに行かなきゃ」
それを聞いて姫が
姫「あの包丁・・・返すの?」
男「うん。だって先輩のだし」
あ、姫が変な目で見てる
こいつ正気か・・・的な
668:
そんな事をしてるうちに日付をまたいでしまった
さっさと寝なければ
ベッドに潜り込むといつも通り姫が入ってこようとして・・・躊躇した
姫「傷・・・大丈夫?」
いつも姫が顔をうずめていたあたりに傷がある
男「・・・大丈夫っしょ。それに姫は傷に入れても痛くないくらい可愛いからな」
姫はちょっと考えて・・・
姫「・・・目・・・じゃなかった?」
おお、今朝の勉強覚えてる!
671:
そんなやりとりもありながら二人は眠った
今日はいろいろあり過ぎたからな・・・
俺も疲れた
ザー・・・
雨は弱くなりはじめていた
・・・・・・・
目が覚めた
時刻は夜中の3時
なんでこんな微妙な時間に起きたんだろう・・・
そこで気がついた
ずっと耳に入ってきていた雨音が止んでいる
672:
雨が止んでしまった…
675:
月が輝いている
約束の雨はついに止んでしまった・・・
また姫が起きたら降り出したり
腕の中で姫は寝息をたてながら気持ち良さそうに眠っている
なんだっけ・・・白雪姫じゃなくて・・・シンデレラじゃなくて・・・桃太郎なわけないし・・・
あ、かぐや姫だ
たしかあのかぐや姫は月に帰ってしまうんだったよな・・・
話を細かくは覚えていないが、帝だったかは姫を守り切れなかったんだっけ?
晴れた夜空に浮かぶまん丸な月に誓う
俺の姫は絶対に手放さない
やっばい深夜のテンションって怖い
このままポエムの二、三本書けそうだ
きっと明日晴れてたら姫が約束の事を気にするだろうな・・・
それに向けていいセリフでも考えておこうかな・・・
こんな事をしているうちにまた俺も眠ってしまった
676:
悲しいな
679:
・・・・
翌朝
目の前が真っ暗だ
確かに目覚まし止めたし今は6時のはずだ
真っ暗だ
てか、顔に姫が張り付いている
男「姫・・・なにやってんの?」
姫「だめ・・・またこのまま寝て」
姫が二度寝を勧めてくる
男「いや、起きないと・・・」
顔にしがみつく力が強くなる
姫「だめ・・・!寝て!」
684:
だがな、姫・・・俺の両手を生かしておいたのはミスだ
脇腹をくすぐる
姫「にゃひひっ・・!だ、だめ!!」
男「おりゃっ!」
朝日が眩しい・・・
文句なしの快晴だ
そこで目に入ったのが姫のてるてる坊主だ
カーテンが外れたときに落ちたのを誰かが直してくれたのだろう・・・
上下正しく
688:
姫「ああ・・・・」
そう残念そうな声を出すなよ・・・
男「雨・・・止んだな」
姫「・・・・うん・・・・」
あ、すごい可哀想だけど可愛い!
男「約束・・・覚えてる?」
姫「うん・・・・」
姫の目から涙が溢れる
男「姫・・・」
姫は泣きながら俺を見上げる
691:
姫の涙を拭きながら
男「でもまだ姫の心が晴れてないんじゃない?」
姫「・・・・え?」
男「だってまだ漢字読めないし、九九だって5の段まででしかも3かける7間違えるし・・・」
つらつらと昨夜考えた通りに言う
男「だからさ・・・姫の心が晴れるまで・・・って約束変更しない?」
ここまでいってとてつもなく恥ずかしくなった
男「って・・・うわー!!恥ずかしぃぃぃ!!俺恥ずか死ぬ!!」
騒いでいたら傷口が痛んだ
男「っ!」
姫「私の・・・心が晴れるまで?」
男「リピートするなって!恥ずかしいから!!」
692:
見たら姫は更に泣いてる
男「おわわっ!!俺そんなに気持ち悪かったか・・・?」
姫は泣きながら首を横に振って
姫「・・・ありがとう・・・!」
そして二人の影は朝日のなかで重なった
・・・・・・・
っとまぁここまでずーっと俺の回想シーンな訳です
え?どこからって?
>>1からここまで
で、今はこの回想から6年くらい経ってます
696:
皆さんにはずっと俺の回想に付き合ってもらっていた訳です
6年経って俺も立派な社会人になって
いやーな世間にもまれる毎日
あ、ちゃんと家族もみんな元気です
親父は更に禿げて・・・母さんは更に重量アップですわ
え?お前らどうでも良いから姫はどうなったかって?
その前に!
俺たちの命の恩人である先輩はなんと7浪が確定しました!
自分は大学生のプロだ・・・!って言ってましたよ。
だったら卒業しろよって思いますが。
702:
嘘だろ?(まとめブログの人青文字でお願い)
704:
姫は実在するの?!
俺は紫で
705:
じゃあ僕はレインボーで
706:
僕は赤でオナシャスまとめさん
715:
>>706
まとめブログさん、こいつらをみんな茶色にしてやってくれ
707:
俺は青でお願いします。
720:
ついでに >>707も・・・
708:
さて、お待ちかねの姫は・・・
あの後猛勉強してちゃんと高校卒業したんですよ!
授業料は親父がどうせ家族になるんだからって手伝ってくれたかいもあってなんとか確保
今はとなりの部屋で花嫁のコスプレしてます。
コスプレじゃねーや、本物だ。
で、当の俺はその間居眠りしてこの回想夢を見たって事です。
あ、姫が・・・嫁が呼んでるんで・・・!
710:
最後に!この物語は完全なフィクションです。
作り話です。
ただの>>1のノリと勢いの妄想ですので!
包丁が刺さったら安静に!
711:
だよね
712:
ありがとう!!面白かった!
実話じゃなくて嬉しいような悲しいような
716:
ハッピーエンドで良かった乙
718:
なんだ、だよねww
実話じゃなくて悲しいような安心したような
とりあえず面白かった!1乙
719:
乙でした
721:
おもしろかったよおおおおおお
ひめええええええええ
なんて良い子なんだああああああ
おっつううううううう
725:
3日間お世話になりましたああああ
726:
ここわかんねーよとかなん説明が不十分だったところの質問とかあったらどうぞ
戸籍の話は知らん
727:
大学って7浪もできるの?
739:
>>727
大学によっては金さえあれば可能らしいですよ
俺のとこは一回ダブると二度目は無しですけど
729:
姫はひんぬーですか?
739:
>>729
発展途上レベル1です
普通の男よりもあるな・・・程度ダトオモイマス
730:
ハッピーエンドはやっぱりイイね(o^^o)
>>1さん、ありがとうございました(^ ^)
749:
とってもよかったです
ハッピーエンドをありがとう
女の子の幸せをありがとう
750:
だんにもできたんなら俺にも姫みたいな子供助けれると思うんだ!
751:
よし、雨の日は毎日でかけようかな・・・
752:
俺も雨の日は傘さすのやめよう
766:
小ネタだけど
父親死亡シリーズ
父親の死因は沢山の候補がありました
1、トラックと壁に挟まれてグチャっと
>>395の時はこれが最有力だった
>>395
今のイメージだとグチャって感じだわ
それからの展開
サクってなってザーってなってダダーってなってグチャってなってふわわーだわ
2、橋が倒壊
これは男と姫も死にそうなので・・・
3、心臓発作
なんか地味なのでやめた
4、宇宙人にさらわれる
フィクションがサイエンスフィクションになっちゃうのでやめた
5、包丁持って転んでぐさっと
あまりにまぬけなのでやめた
6、親父狩りにあって殺される
なんか微妙だったからボツ
767:
雷も雷であれだったけど面白かった
768:
降ってくる系で殺そうと思って
隕石か・・・雷か・・・で、雷になったってかんじ。
隕石はこれまで人に当たったことは世界的に見てもたったの一件しかないらしい。
しかも軽傷だとか
774:
面白かった!
>>1乙!
775:
面白かった!
乙!
776:
面白かった!乙!
782:
乙!!!!!
後日談が見たくなるくらいの良SSだった!
78

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