美琴「あなたに逢えて良かった」back

美琴「あなたに逢えて良かった」


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1:
何も聞こえない。
無音?
いや、
嗚呼…
貴方に逢えて、
私は…
3:
上条「綺麗だな…。」
美琴「ええ。とても…」
私達は雪山の中を歩いていた。
この季節の山は白く彩られ、
自然の音色が美しく、
何より寒かった。
5:
上条「寒いのか?」
美琴「大丈夫よ。このくらいなら…」
そう言いながら、体を震わせる。
上条「・・・じゃあ、少し休むか。」
美琴「…………」
大丈夫なのに……
私は思った。
これからの事を考えたら休む必要がなかったのだ。
8:
私達は歩くのをやめ、周りと比べ少し大きい木の下で休む事にした。
上条「それにしても、冬の山というのがこんなにも趣があるものだったなんて……きらきらと、だがゆっくりと…そんな感じかなー。」
美琴「……よくわかんないわよ。」
上条「ハハハハ。そうかそうか。まぁとにかく上条さんはこの景色が好きなのさ。」
9:
彼は微笑みながら言った。
私はこの微笑みが好きだった。
どんなに苦しくても、どんなに辛くても、今まで貴方が微笑んでくれたから頑張れた。
だから、貴方にはずっと笑っていて欲しかった。出来れば私と一緒に。……ううん、それは高望みしすぎ。
ただ笑っていて欲しかった。それだけ……それだったのにー………。
11:
レベルと身分の差。
それは私達を表すのに充分な言葉だった。
単に私がレベル5で、私が彼がレベル0である。ただそれだけなのに…
それだけなのに。
私達は、
愛し合う事を許されなかった。
15:
私達はまた山を登り始めた。目的である湖を目指して。
しばらくして前方を歩いていた彼がこちらを振り向き言った。
上条「そう言えば、美琴と出逢ったのも今日みたいな日だったな。」
美琴「?雪は降ってなかったでしょ?」
上条「そうだけど・・・なんとなくですよ。」
16:
はっきり言ってよくわからなかった。
彼の言葉がではなく、
彼との出逢いだ。
「本当に私達の出逢いは正しかったのか。」
18:
彼には彼だけの幸せがあったのだ。
それを私がこのような形で奪ってしまった、そう思えてくる。
出逢ったころの私ならこんな事考えもしなかったろう。
人は成長するものだ。
いや、成長してしまうものなのだ。
20:
しばらく俯いていたので
彼が私の考えてる事を悟ったのか、手を握り笑いかけてくれた。
上条「見ろよ、雪は綺麗だよな。」
美琴「…………?」
21:
上条「俺達の出逢いは…例えるなら、この雪のようなモノなんだ。
雪は白く、冷たくて、綺麗だ。美琴と出逢った時、
全ては白く染まり始まった。
辛く、冷たい夜もたくさんあった…
けど、それに劣らず俺たちが共に過ごした日々は輝いていたんだ。
………………だから、間違ってなどはいない。少なくとも俺はそう思う。」
美琴「でもっ………!」
そこまで言って私は何も言えなくなった。何故?彼の顔が優し過ぎたからだ。そんな顔をされて私にどうしろと言うのか…。
24:
美琴「…………わかってるわよ。
私だって、当麻との過ごした日々を失いたいわけじゃないのよ。
それでもっ…!私がいなかったら…アンタと出逢っていなかったら、
アンタは幸せに…っ!!」
言葉に詰まってしまったのは彼に抱きしめられたからだ。
上条「愛してる。だから、もう何も言うな。」
25:
泣き出しそうだった。
だけど、"まだ"泣いてはいけないのだ。
美琴「私も…私も愛してる・・。当麻を。心から。」
やはり雪を綺麗と思ってしまう私の心は、ごまかせないのだろう。
上条「………ありがとう。」
そう言って彼は再び私の手を取り、歩き始めた。
26:
雪はやがて溶けてしまう。
今宵がその時なのだ。
私は空を見上げ、思った。
 第一章完
31:
初めて逢った時、私は幼かった。
愛情表現に欠け、彼に対して真っ直ぐに気持ちを表現できなかった。
あれから、6年。
学園都市は大きく変わった。
レベルに基づく階級制度が生じ、
レベルによって貧富が比例するようになってしまったのだ。
33:
当然、私は富の生活を送り、
彼は貧の生活をおくった。
表面上は。
私たちはそれでも一緒にいて
いつまにか、恋人として共に過ごしていた。
ホントに幸せだった。
35:
彼は大人になった。
身長も伸び、顔もより凛々しくなった。
私も・・・少しは大人になれたかな・・・?
37:
上条「そういえば、インデックスは元気かなー・・・」
美琴「元気にやってるんじゃない?食べ物さえあれば。」
上条「はは。その通りかものな。」
そういって彼はまた黙った。
美琴「・・・・心配?」
上条「・・・・・・・・」
38:
心配性の彼の事だ。
彼女を気にかけてないはずがない。
上条「・・まぁな。ここ最近全然会ってなかったしなー・・・
何より最期に一言ぐらいあいさつしとけば良かったな。」
美琴「私も手紙は置いてきたけど・・・
誰にも直接お別れ出来なかった・・。」
41:
・・・黒子大丈夫かな。
あの子も最期まで私の側にいてくれた。
初春さんや、佐天さんとはすれ違いが重なって
離れてしまったけど、
それでも黒子は私の側にいて、
私を支えてくれた。
本当に彼女には感謝してる。
たぶん、彼にとってもインデックスはそんな関係なのだろう。
だから、気持ちはわかる。
でも・・・・
43:
美琴「・・・・そんなに心配?」
上条「あぁ・・・まぁな。・・・・・
・・・・・・・・って、美琴?」
やっぱり嫉妬してしまう。
昔はこの感情が理解出来なかった私だけど、
今は理解できる。この感情は嫉妬だ。
44:
上条「・・・・相変わらず可愛いな、美琴は。」
美琴「・・・・・・・・・」
本当に卑怯だと思う。
いつもいつも私ばかり。
彼の周りにはいつも可愛い女の子ばかりで、
私なんか・・・・・・。
45:
上条「それでも、俺が選んだのはお前だ。美琴」
また・・・・
彼は私の心を読めるのだろうか。
上条「いつも辛い思いさせてごめんな。
ただ、インデックスは・・インデックスだけは俺の少ない友人だから・・
恋人はお前だけだ。」
48:
美琴「・・・・わかってるもん。そんくらい。」
わかってる。そのくらいは。
でなければ、‘‘こんな事‘‘思いつかないだろう。
上条「悪かったって。な?機嫌治せ?」
美琴「ふんっ。」
彼を追い越し、私を歩いていった。
赤面・・・
我ながら幼いよね・・・。
49:
次の瞬間、彼が後ろから抱き着いてきた。
美琴「ちょっ・・・・」
上条「美琴、愛してる」
美琴「・・・・・・・・・私も。」
ホント、ただの幸せそうなカップルにしか見えない。
実際、幸せなのだ。
51:
これから、二人は永遠になるのだから。
   
      第二章完
63:
上条「・・・・美琴」
美琴「・・・何?」
上条「好きな季節ってあるか?」
美琴「はぁ?・・・・・・うーん・・夏。」
上条「夏?何でだ?」
美琴「だってカキ氷うまいじゃん。」
64:
上条「それだけですか・・・・」
美琴「当麻は?」
上条「俺?俺はー・・・・冬かなー。」
美琴「えー・・何でよ。寒いじゃん。」
上条「いやまぁそうだけど・・・・
なんか趣があるじゃん?」
美琴「趣ねぇ・・・・
よくわかんないわ。」
そんな会話を昔したような気がする。
その冬を選んだのは正解だった。
65:
的地に着いた。
綺麗な湖だ。
上条「綺麗だな・・・・。」
美琴「・・・・・そうだね・・・。」
ここが最期の場所。
・・・・相応しいと思う。
彼が選んだ場所だ。
66:
上条「船があるはずなんだが・・・・
お、あったあった。」
小さい小船が岸につけてあった。
美琴「・・・・・これで行くの?」
上条「不満か?」
美琴「いや・・・」
不満はない。
ただ、不安だった。
68:
上条「美琴。今ならまだ引き返せる。
・・・まだ、戻れる。・・・アイツと結婚して・・・
幸せに暮らせる未来があるかもしれないんだぞ?」
美琴「今さら何言ってんのよ。好きじゃない男と幸せに
なれるわけないでしょ。」
上条「・・・・・・でも・・・」
美琴「それに、私は当麻以外ありえない、。
それは昔からそう。・・・アンタは違ったみたいだけど。」
69:
上条「そ、そんな事ねぇよ!上条さんも美琴一筋だ。
昔も、今も、それから・・・・・」
言葉に詰まった。
何が言いたいのかはわかる。
だから・・・・
美琴「あーはいはい。早く行くわよ、もう。」
上条「お、おい!」
そう言って私は船に乗りこんだ。
これでもう地上の土を踏むことはない―――。
70:
――政略結婚。
それが私たちを二つに引き裂いた。
私の父は小さな会社の社長だった。
それ故、生活を保つために必死だった。
それでも私が小さい頃は頑張って会社を支えてた。
私もお母さんと一緒によく仕事場に行ったなぁ。
そのうち私が学園都市に住むようになり、
その頃から会社は安定してきたようだった。
73:
最近までは。
だが、そんな会社も数年前から経営が困難になり、
最近では倒産寸前まで追い込まれてしまった。
そして飛び込んだのが政略結婚。
在り来りな話だ。少し前の父な断っていただろう。
しかし、父は変わってしまった。
会社を維持するために利益を優先するようになった。
77:
母も最初はこの結婚に反対してくれた。
だけど、ダメだった。
小さいながらも数百人いる会社一人一人の
生活と私のこれからの人生を天秤にかけ
私を選んではくれなかったのだ。
私は絶望した。
見方だと思っていた母にまで裏切られてしまった。
もう、私には何も残ってなかった。
いや、そう思っていた。
79:
そんな私に一点の光が差した。
それが彼、恋人の上条当麻だった。
彼は高校卒業後、そのまま普通の大学に進学
相変わらずのレベル0だった。
が、
彼は側にいると言ってくれた。
私が他の男と一緒になろうが関係なく、
彼は、私だけの側にいてくれると言ってくれた。
ずっと、ずっと。
80:
それでも、私の隣はアンタしかいない。
他の男と結婚なんて考えられない――。
83:
私たちは駆け落ちした。学園都市を離れ外国に隠居しようとした。
しかし――私はレベル5として有名になりすぎてしまった。
飛行機に乗る直前で父が雇った組織に見つかってしまい
当麻が人質に取られてしまった。
彼は右手を除けばただの無能力者であり、
集団に対する術は持ち合わせていなかった。
私も、そのまま掴まる他なかった。
その後、私たちは無理やり学園都市に連れ戻され、
別々の生活を強いられた。
84:
またこの生活に戻ってきてしまったと言うことと、
当麻に会えないと言う事が私を押しつぶした。
私が反抗する気力もないまま
結婚の話はどんどん進んで行きった。
結婚相手は財力抜群のお坊ちゃん。
何度か話をしてみたけど、別に悪い人じゃない。
むしろ良い人だった。この人と結婚する人は幸せになれるだろうな。
86:
それでも私にはあの人しかいない。
あの人しかいなかった。
結婚を一ヶ月後に控えたその日、
彼は現れた。現れてくれた。
心のどこかで諦めてた自分と
彼を信じ続ける自分。
後者が勝った瞬間だった。
87:
――――――――――――――――――――
そんな彼が考えたのが``これ``だった。
まったく、不器用な彼らしい。
でも私は反対しなかった。
それどころかすんなり受け入れた。
だって、これが二人の道なんだもん。
本望よ。
88:
結局最後まで両親は私たちを認めてくれなかった。
でも、もう良いの。
これが本当に、本当に最期だから。
そうして、船は岸から離れた。
       第三章完
100:
――――――――――――ある夏の夜――――
その日、学園都市では夏祭りが行われていた。
学園都市でいっせいにおこなわれるもので、
その規模は第覇星祭にも匹敵するほどである。
屋台はもちろん、様々な店がおかれ
何より一番の目玉は学園都市ならではの
科学技術をいた花火だった。
その中に私はいた。
104:
美琴「ったく・・・・あいつ・・・いったい何やってんのよ・・・。」
午後九時時計台前にて、
私は彼と待ち合わせをしていた。
上条「おーい美琴ー!こっちだこっちー!」
106:
美琴「あ!当麻っ!・・・・・・
じゃなくて、遅い!!!!!!!!!!!!!
何やってたのっ!!!!!!!!!」
上条「いやぁ、悪い悪い。インデックス寝かしつけてたら遅れちまったーナハハ。」
ビリビリと少量の電撃が体から発せられる。
美琴「遅れといて・・・第一声が私じゃない女の子の話?
さすがね。もうさすがとしかいいようがないわ。」
109:
フラグ体質の彼だとわかっていても皮肉がでてしまう。
これは・・・・私が悪かったのかな?
上条「だから、悪かったって美琴。
そのかわりこれから朝までずっと二人きりだ。」
彼が私の手を握る。
美琴「なっ・・・・!」
110:
当麻はこれを照れずに言う。
いや、意識しないで・・・と言うべきかな。
その割には鈍感で。
女の子の浴衣姿を見てもなにもなし。
ホントに・・・まったく・・・
上条「花火まで・・・少し時間があるな・・・
ちょっと屋台見てまわるか?」
美琴「うーん・・・そうね。そうしましょ。」
112:
実は彼と会うまでに
いつもの四人で屋台と言う屋台全部まわったのだけど・・・
それは言わないでおこうっと。
美琴「じゃあ、遅れてきた分何か奢ってね♪」
上条「まじかよ・・上条さんのお財布は今月ピンチなのに・・・不幸だ・・・」
美琴「えーそんなに私にアーンしてもらうのイヤ?」
113:
歳を重ねて得た技。
上目遣い。
正直、これが怒るよりも彼に効くと
いうのは最近知った。
上条「い、いやいやいやいや、そんな事はありませんよ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ・・奢りますよ・・・」
美琴「♪」
ちょろいもんよ。フフッ。
114:
それから私達は色々まわった。
金魚すくい、射的、綿飴など・・・
全部一度やったやつだったけど
彼とまわることによってもう一度楽しめた。
一時間程たった時、
上条「そろそろ時間だな・・・」
時刻午後十時になる。
ちょっと遅めの花火だが、
これはこれで良いもので・・・
115:
美琴「・・・そうね。じゃあ花火みよっか。」
上条「フッフッフッフッ・・・・・・・」
美琴「?」
上条「上条さんがとっておきの場所を教えてあげましょう・・」
美琴「とっておきの場所・・・?」
117:
上条「ああ。まぁ良いからこいよ!」
美琴「あっ!ちょっ・・・!」
彼が私の手を引っ張る。
数年前までは私が引っ張る方だったのに・・・
すっかり成長しちゃって。
しばらく、彼に連れられて歩いていくと、
山の中間地点ぐらいにある、駐車場っぽい所にでた。
118:
そこは見晴らしの良い場所で、
下の屋台を見下ろす事が出来た。
夏祭り特有の様々な光がとても綺麗。
美琴「わー・!!すごーい!!」
上条「だろ?今日遅れてきたことへのお詫びですよ。」
美琴「・・・・・・・・・」
119:
上条「・・・・・なんですか?」
美琴「・・・・・・・・別に。」
こういう場所も良いけど、
正直もっとちがう言葉が欲しかった。
上条「?・・・・・・・
・・・・・・・・・・・あ、見ろよ花火始まった!」
美琴「!」
120:
夜空に様々な色の花火が咲いた。
従来の花火と違う点。
それは特殊合金による色の時間差変化だった。
本来、花火は金属による炎色反応によって彩られるものなのだけど、
この学園都市の花火は、その炎色反応を起こす金属と金属を混ぜ、
そこに特殊加工を加えることによって、一個の花火玉で様々な色の変化が見られる
花火が作られるとか・・
とか、と言うのはさっき私も聞いたばかりのことだから。
122:
上条「へぇー・・・そうなんだー・・・。
ようは学園都市は凄いって事だろ?」
美琴「・・・・・・・・・・・・・・・まぁ、そうね。」
彼の脳はもしかしたら想像以上に小さいのかもしいれない。
上条「ちなみに誰に聞いたんだ?」
美琴「初春さん」
123:
上条「初春・・・?
あーあ!あの白井と一緒にジャッチメントやってた子か!」
美琴「そうそう、頭にお花がのってる子。
あれ、花が本体だったっけ・・?」
上条「おいおい・・・・。」
美琴「冗談よ、じょーだん。
あの子以外にこういうことに関しては特に博識なのよねー・・・」
124:
上条「へー・・・確かに頭良さそうだもんなー・・
誰かさんと違って・・・・」
美琴「アンタに言われたくないわよ!!!!!!!」
上条「冗談だって。お前は頭良いもんな。
俺が高校生の頃何回宿題手伝ってもらった事か・・・」
美琴「そーよ。感謝しなさい。」
上条「へーへーありがとございます。
あーあ、感謝で思い出した。」
美琴「?何?」
125:
上条「お前の浴衣姿、すげー綺麗だぞ。」
彼が得意の不意打ちだった。
美琴「・・・・・・・・・・バカ」
相も変わらず、赤面する私を当麻がそっと抱きしめた。
126:
上条「美琴。来年も、そのまた来年もまたここにこような。」
美琴「・・・・・うん。約束する。絶対に来ようね」
上条「ああ。約束だ。」
そうして、私たちは真夏の夜の元
口付けを交わした。
――――――それは遠い夏の記憶。
もう決して戻ることは出来ない。
  
      3・5章完
216:
そこは、凄く静かだった。
周りになにもない世界――。
そんな場所に私と彼はいた。
上条「・・・・・・・・・・静かだな。」
美琴「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん。」
しんしんと、雪が降る音が聞こえそうだ。
219:
私は色々なことを思い出していた。
レベル5になった時の事、
常盤台に入学した時のこと、
黒子と言う親友と出会えた・・・
・・・・・親友・・・・
・・・なのかな・・・?
222:
確かに彼女は変態だ。いつも私にべったりで、
何より私のパンツが大好きだ。
美琴「・・・・・・・クスッ」
上条「?どうした?」
美琴「黒子の事思い出しちゃってさ。あの子ホントに私の下着好きだったなぁって。」
223:
上条「そ、そうなのか?下着って・・・女同士なのに・・・」
美琴「まったく、ホントよね。よく胸も揉まれたなぁー・・・」
上条「白井・・・・そんな性癖があったのか・・・上条さんはビックリですよ・・・。」
美琴「でっしょー?本当に変態で・・・口調もおかしくて・・・・たまにママみたいな事も言うし。
・・・・・・・・・・・・・・・それでも私も黒子が大好きだったなぁ。」
上条「・・・・だな。」
227:
佐天さんと、初春さん。
二人とも本当に良い子だった。
初春さんはおっちょこちょいでちょっと天然だけど、
根は凄い優しい子。情報を操る腕を数年でさらにあげた彼女は、
黒子の大事なパートナーだった。
230:
佐天さんはとても面倒見の良い子。
最初はレベル0だった彼女は凄い頑張って
最近ではなんとレベル3。本当に凄い。
その知らせを聞いた時は凄い嬉しかったなぁ。
231:
でもそんな二人も学園都市における
階級制度が強まるにつれて交流が薄れていった。
別に仲が悪くなったわけじゃない。
ただ、一緒にいれる時間が物凄く減ってしまったのだ。
232:
元々友達の多い方ではない私にとって、
それはとても大きい事だった。
寂しい。私は寂しかった。
レベル5と言うと必ず周りからは尊敬の目を向けられる。
だからこそ対等に話が出来る人が必要だった。
234:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
やっぱりどんな事を考えてても最後は彼に行き着く。
我ながら可笑しいくらいの溺愛っぷりだ。
でもそのくらい彼が好き。
昔は意識する事でさえ難しかったけど、
今は口にだしたって言える。
246:
美琴「・・・・当麻」
上条「?どうした?」
美琴「す、す、す・・・・・・」
上条「?」
あれ、どうしたんだろう。私。言えない。
べ、別に恥ずかしい訳じゃ・・・
249:
上条「・・・・美琴」
美琴「は、はい!」
上条「好きだぞ。」
美琴「・・・・・バカ。」
あーもう。
いつもこうだった。必ず向こうが先に言う。
結局最期まで私から言うような事が無かったような気がする。
250:
そうしてる内に、船は湖の中心に来ていた。
上条「・・・・・・・綺麗だ・・・・。」
美琴「・・・・すごい・・。」
そこはまさに絶景だった。
降り積もる雪に山は白く染めれながらも
どこか紫色にかすみ、
水鏡に映す月は丸い。
星はきらきらと輝き、
湖の水は清らかに流れていた。
252:
上条「・・・・・・・・美琴、山紫水明って言葉知ってる?」
美琴「知ってるわよ、そんくらい。山水の景色が美しいことを言うんでしょ?」
上条「そうそう。まさにこの景色のことだと思いませんか?美琴さん?」
美琴「・・・そうだね。ホントにその言葉がピッタリだわ。」
それくらいその景色は美しく、
そして切なかった。
256:
しばらく景色に見惚れていたら、
ほろり、ぽろり、
彼が泣いていた。
上条「ウ、ウグッ・・・・ウッ・・」
彼が泣いてる所を私は初めて見た。
だけど、何をすれば良いのかはわかっていた。
259:
ギュッ
私は彼を抱きしめた。
上条「・・・・・・・すまねぇ。」
美琴「別に良いよ。・・・私、当麻が泣いてる所初めて見たよ。」
上条「か、上条さんだって泣きますよ!」
美琴「えへへへ。じゃあ泣き虫やさんだ。」
260:
頬が鴇色に染まる。
彼が可愛くて、愛しくて
笑ってしまった。
上条「・・・・・・泣き虫じゃねぇよ。」
美琴「やーい泣き虫泣き虫!」
上条「な、泣き虫じゃねぇよ!!!!」
266:
泣き虫やさんと言うより、
彼は強がりやさんだった。
その強がりに何度助けられてきただろう。
そして、こんなやりとりを私たちは何回してきただろう。
楽しい。
できればこのまま続けていたい。
267:
だけど、ダメなのだ。
もう後戻りはできない。
もうそろそろ学園都市では
私達二人がいなくなった事でパニックになってる人がでてくるだろう。
多分、今ここで戻ったら二度と当麻とは会えない。
次はないのだ。
そう、思うと私まで涙がでてきた。
268:
上条「・・・・・美琴?」
美琴「・・・・・大丈夫。大丈夫だから・・」
さっき彼をからかっておいて、
私まで・・・。なんて情けないんだろう。
だけど彼は私をからかう様なことはせず、
さらに強く抱きしめてくれた。
271:
ああ・・・暖かい。
彼の体温を感じる。
彼の体温と私の体温が触れあってる。
このまま雪を溶かしてしまいそう。
それから私達二人はしばらく泣いていた。
二人の泣き声だけが聞こえる。
二人の泣き声しか聞こえない・・。
世界に二人しかいないみたいだ。
273:
そうだったら良いのに。
私と彼でアダムとイブ・・・
ロマンチックだと思わない?
ねぇ・・当麻・・?
お願いだから・・・
お願いだからそんな哀しそうな顔はやめて?
私たちはこれから永遠になるんだよ・・?
それはすごい、すごい愛の形なんだよ・・?
だから・・・・
だから・・そんな顔しないで・・・。
274:
上条「美琴。」
美琴「・・・・何?」
上条「そんな悲しい顔すんなよ。」
美琴「え・・・・・・・・・?」
私そんな悲しい顔してた・・・・?
そんなつもりないのに。
悲しくなんかないのに。
276:
美琴「・・・・当麻だって悲しい顔してんじゃん。」
上条「・・・・・・・・・・」
そっと彼の頬を撫でてみる。
涙で濡れてる。
278:
美琴「私ね。今、今まで当麻と過ごしてきた日々の中での
幸せを指折りで数えてみたの。」
上条「・・・・・・・・・・」
美琴「そしたらね?
指が足りなくなったの。」
上条「・・・・・ッ!」
283:
絆を思う日もたくさんあった。
それでも、ここまで来た。
美琴「ねぇ、当麻。」
上条「・・・・・・・・・・・・。」
美琴「ここが・・・ここがいいね。
・・・・・・・・・この場所にしようよ。」
上条「・・・・・・・・・・・・・ああ。」
285:
湖べりで綺羅星が遊んでる。
二人の頬と頬の間を迷い星が埋めてる。
あぁ、雪が清んでる。
揺れて、廻る。
触れる。切ない。
何度もしてきた口付け。
最後の口付けを交わす。
暖かい。本当に・・・暖かい。
287:
もしも・・・
もしも、このまま二人で生きていけたら・・
私はこの人を昨日より愛し、
そして今日よりも愛すだろう。
288:
二人の間には可愛い赤ちゃんが出来て・・
・・・多分女の子だろうな。なんとなくだけど。
それで、私とその子が二人で遊んでた所に
お腹をすかせた子どもみたいな彼が会社から帰ってくるの。
それで、三人で食事しながら笑いあって、
そのまま三人でお風呂入って、
三人並んで仲良く寝る。
290:
けど心配。
彼のことだから子どもの事溺愛しちゃいそう・・。
それは良い事だけど、一番は私だよね?
二番目とか嫌だよ?
子どもも私も一番なんだから。
もちろん私の一番は当麻だけど。
多分それは
これからもずっと、
永遠に。
だから・・・・・・・・。
291:
二人は強く強く抱き合った。
上条「そろそろ行くか。」
この世界で――――――
美琴「・・・・・・うん。」
あなたと出逢えたこと――――――――
上条「美琴」
あなたの側にいれた事――――――――
美琴「当麻」
心から――――――――
上条美琴「「愛してる」」
――――――――――――愛してる――――――――――――
294:
二人は船から飛び降りた。
降っていた雪は花のように散り、
星は回り、彼の被ってた帽子が飛ぶ――――――。
前身を刺すような冷たさが二人を覆う。
寒い。冷たい。
296:
それでも二人は強く強く抱き合い続けている。
このままこの手を離すことはない。
全てのしがらみが取れた気がする。
周りには何もない。
あるのは当麻だけ。
ずっと彼の顔を見つめ、
彼も私を見つめてる。
299:
意識がだんだん薄れていく・・・
もうたくさん水を飲んだ気がする。
仄暗い水底へ、
幸せと共に沈んでいく。
薄氷が二人の影を消していく。
303:
何も聞こえない。
無音?
いや、
嗚呼…
306:
神様。お願い。
このまま二人を同じ場所へ連れてってください。
何もない場所でも良い。
ただ二人が一緒に入れる場所へ――――――――――
311:
嗚呼…
薄れ行く意識の中、
彼を見つめ
私は思った。
   「あなたに会えてよかった」 と。
    美琴「あなたに逢えて良かった」完
323:
黒子へ。
アンタには何度も助けられたね。
まずはありがと。心から感謝してる。
しかし、アンタとは色んな事があったわねー。
二入でプール掃除したり、
不良とっちめたり、
水着の撮影会もしたわね。あれは恥ずかしかった・・・
後はクリスマスパーティーとかもしたわね。覚えてる?闇鍋の事。
アンタよくもあんなもの入れてくれたわね・・・
まぁ、アンタは確か初春さんの入れたゴキブリを食べて失神してたっけね。(笑)
ざまぁみなさい。フフッ。
326:
後、いつもの四人に加えて
当麻やインデックス、10032号、
それにあの一方通行と打ち止めも誘って温泉旅行にも行ったわね。
あれは楽しかったなぁ・・・・。
確か私が高校二年でアンタが高校一年の時だったよね?
私も少しだけ・・む、胸が大きくなってそれで自身持っていったのに・・・
佐天さんの足元にも及ばなかったわ・・・・。
アンタと初春さんと10032号には勝ったけど。多分(笑)
イン・・・・あれ?まぁいいっか。
旅館でもバカ騒ぎしたわよね・・・いい年してみっともなかったかな・・
でも、頭にきたのは一方通行よね。
中学生はババァ、ましてや高校生なんてばぁちゃんだって・・
どういう神経よ。姉として打ち止めが心配だわ。
328:
それでも最近は打ち止めも中学生になって、一方通行の考えは変わってきたんじゃないかしら。
あの二人は幸せになるだろうなぁ。ううん、幸せになるわ、絶対。私が言うんだから間違いない。
それから10032号を始めとしたシスターズ達。
あの子達も今では自立してそれぞれの暮らしをしてる。
本当に嬉しい。これもやっぱりアイツの・・・・・
と、とにかくあの子達をお願いね、黒子。
アンタだから頼めるんだよ?喜びなさい!
佐天さんと初春さんにもよろしくね。ふたりとも絶対すごい能力者になれるって私は信じてるから。
だから頑張って欲しい。
最後に黒子。ホントに今までありがと。
多分言葉にできないほど感謝してる。
できればアンタとはずっと一緒にいたかった・・。
330:
けどね、それはできないみたい。
ゴメンね。ホントにごめん。
私やっぱりアイツいないと無理みたい。
こんな方法でしか愛を確かめれなかったけど、
私はこの出逢いを後悔しない。
もちろんアンタや、そのほかのみんなとの出会いも。
だから、黒子。後をよろしくね。
私がいなくなっても
ちゃんと生きて、
いい人見つけて幸せになりなさい!
これが私からの最後のお願い。最後くらいちゃんと守りなさいよ?
332:
じゃあ、もうそろそろ行くね。
向こうで待ってるから。
今まで・・・・・・・・・
本当に・・・・・
ありがと。大好き。
  
      御坂美琴より。
美琴「あなたに逢えて良かった」完結
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