佐天「あ。この光景、どっかでみた」back

佐天「あ。この光景、どっかでみた」


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1:
佐天「ついにっ! 『低能力者』になりましたっ」
初春「おめでとうございます。佐天さんっ」
佐天「ありがとー」エヘッ
初春「……それで、一体どんな能力なんですか?」ワクワク
佐天「能力名はね、『予知能力』って言うんだ」
初春「へえ、すごいですね」
3:
佐天「ふふ?ん。なんと、的中率100%なのだ!」フンス
初春「すごい…………あれ?」
佐天「ん?」
初春「そんなに凄い的中率をもっていながら、『低能力者』なんですか?」
佐天「あぁ、それはねー? この能力、自分でコントロール出来てないんだよ」
初春「……と、いうと?」
佐天「自分が 視たい時に視れる訳じゃなくて、ふとした時に視えるんだよねー」
初春「なるほど、それで『低能力者』なんですか……」
4:
初春「――って事は、レベルが上がって、能力をコントロール出来るようになれば、自由に未来が視れるようになるんですかねっ」
佐天「んー……どうなんだろ。そればっかりは、上がってみないと分からないかな」
初春「でも、そうなれば、佐天さん占い師になれますよ!」
佐天「あはは、良いねそれ…………あ」ハッ
初春「? どうしたんですか?」
佐天「……今、ちょっと未来が『視えた』かも」
初春「本当ですかっ?! 一体どんな?」ワクワク
佐天「それはねぇー……」ニヤリ
佐天「『初春のスカートがめくられる未来』っ」
初春「え゛っ?」
5:
佐天「ふふふふ、初春。『視えた』ものは仕方がないよねぇ?」ジリッ
初春「そ、そんなの、佐天さんが勝手に『視えた』と言っているだけで、ただのインチキじゃないですかっ!!」タジッ
佐天「む、聞き捨てならないなぁ。確かに『視えた』もんっ」
初春「証拠がありませんっ」
佐天「証拠ならあるよ?」
初春「へ?」
佐天「ズバリ、初春の今日のぱんつの色は『白』っ」ビシッ
初春「なっ!」ギクリ
佐天「私の『視た』未来で、スカートの捲れた初春は、真っ白なぱんつを穿いていたの、どう? 当たってる?」
初春「それは……その」カァァ
佐天「どうしたの? 答えないの?」ニヤニヤ
初春「そんなの、答えられる訳ないじゃないですか……」モジモジ
佐天「……仕方ないなぁ。それじゃあ、勝手に答え合わせしちゃうね?」
初春「へっ?」
佐天「とりゃあああ!!」バサァァ
初春「きゃああああ!!」
6:
佐天「ほーら、『白』で当ってるじゃん」フンス
初春「うう……ヒドいですよ、佐天さん」シクシク
佐天「それに、『スカートが捲れる』未来も当たったしねっ」
初春「もうっ 知りませんっ」フイッ
佐天「あはは、ごめんごめん」
7:
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【ファミレス】
御坂「佐天さん、ついに能力者になったそうじゃない。おめでとうっ」
白井「私からも、おめでとうございますっ」
佐天「あ、ありがとうございますっ」テレッ
御坂「それで……佐天さんは一体、どんな能力だったの?」ワクワク
佐天「ふふふ、それはですね……」
8:
白井「……『予知能力』。ですか」
御坂「すごい、佐天さん。未来が視れるようになったの?!」
佐天「えっと……視れるには視れるんですけど、好きな時に視れる訳では無いんですよね」エヘッ
御坂「それでも、凄い能力だわっ」
佐天「えへへ……でも、欲を言えば、御坂さんや白井さんのような、戦闘向けの能力がよかったなぁ……なんて」
初春「戦闘向けって……佐天さんは、能力を暴力に使いたかったんですか?」
白井「物騒ですわね」
佐天「そ、そうじゃなくて、純粋にカッコイイじゃないですかっ!」
佐天「それに……ホラっ、自分の身くらい、自分で守れた方がいいかなぁって思っただけだよ。学園都市って何かと物騒だしっ」
初春「まぁ、確かに治安は悪いですけど……」
佐天「でしょう?」
白井「……戦闘向きか、そうでないかは、使い方次第だと思いますわよ?」
佐天「へ?」
白井「例えば……戦闘中に、今から来る攻撃を『予知』出来れば、戦闘が有利になるかもしれませんし?」
佐天「おおっ! 何だかカッコいい使い方ですねっ」
初春「『右ストレートでぶっとばす』…ですねっ」
御坂「初春さん。それはちょっと違うと思うわ……」
9:
初春「でも、『予知能力』があれば、戦闘自体を避けられませんかね?」
佐天「へ?」
初春「簡単な事ですよ、危険な未来が『視えた』なら、それを回避するように行動すればいいんです」
佐天「!!」
白井「そもそも、身を守るだけでしたら、能力自体必要ありませんわ」
佐天「え?」
白井「不用意に怪しい場所に近づかなければ良いだけのお話ですの」
佐天「うぐっ……」
初春「そうですよ、佐天さんの場合、自分から危険な所に行っちゃうから、危険な目にあうんです」
白井「好奇心旺盛なのも結構ですが、それなりに警戒心と言うモノを持って行動して頂かないと…………」クドクド
佐天「うぅ……耳が痛いです……」
御坂「……」
御坂(そっか、『予知能力』があれば、この先に起こる悪い出来事を回避出来るんだ……)
10:
御坂(……もしも、あの“バカ”に、『予知能力』があれば……少しは危ない事に巻き込まれなくなのるかな……)
御坂(…………駄目だ、そんな能力がアイツにあったら、自分から面倒事に首突っ込んで行くに決まっているわ)
御坂(……視えた未来で、不幸なった人たちを助けるために)
御坂(アイツはそういうヤツよね……)ハァ
御坂(ー……って、私は何を考えているのよっ!)ブンブン
佐天「……」ジー
初春「……」ジー
白井「……」ジトッ
御坂「……っ!」ハッ
佐天「御坂さーん? 今、ナニを考えていたんですかぁ?」ニヤニヤ
御坂「へっ? べ、別にっ……ただ。未来が視れたら良いだろうなぁーって、考えていただけよっ」アセッ
白井「ま さ か、とは思いますが、あの類人猿との未来を……なんておしゃりになりませんわよね?」ジロッ
御坂「な、ななな何で私がアイツとの未来を考えなくちゃいけないのよっ」ワタワタ
初春「おやおや? 『アイツ』とは、一体 誰の事を指しているんですか?」ワクワク
御坂「ふえっ? い、いやあのそのべつにっ」アタフタ
佐天「赤くなっちゃって、御坂さんたら、可愛いいなぁ?」クスッ
御坂「うう……」カァァ
白井「むう」ムスッ
佐天「ふふふっ、なんだか楽しい予感が…………」
11:
 * * * *
御坂「なにが『予知能力』よっ、そんなの…私は絶対認めないわよっ!!」
 * * * *
12:
佐天「……」ハッ
佐天(今のは……私の能力で『視た』未来?)
初春「佐天さん?」
佐天(つまり、今から起こる未来であり…)
佐天(今から御坂さんが言う言葉……)
白井「ええと……どうかなさいまして?」
佐天(つまり……口ではあんな事を言っておいて、御坂さんは、私の事を認めていない?!)
御坂「佐天さん、大丈夫?」
佐天「……ひどいです、御坂さん」
御坂「へっ?」
佐天「確かに、私の『予知能力』はレベルも低いし、自分でもコントロール出来ない、全然役に立たない能力です」
佐天「『超能力者』の御坂さんからしたら、有って無いような能力かも知れない……」
13:
佐天「だからと言って、そんな風に言うこと無いじゃないですかっ!!」
御坂「? ? ? ……えっと? 私 何か気に障ること言った?」
佐天「とぼけないで下さいっ!! 私には『視えた』んです……御坂さんが私の能力を否定した光景が」キッ
御坂「……ん?」
初春「ん?」
白井「ん?」
14:
佐天「……シラを切るつもりですか?」
御坂「シラを切るもなにも……私 何も言ってない、って事……よね?」
初春「え? は、はい。そうです……よね?」
佐天「私がウソをついているって言うんですか?!」
御坂「ウソとか、そんなんじゃなくて、実際に私は何も言ってない訳じゃない」
佐天「私の能力が信じられないって事ですか?! やっぱり、御坂さんは私の能力をバカにしているんだ……」
御坂「そーいう意味で言って無いわよ!」
白井「あの……佐天さん、少し落ち着きませんこと?」
初春「そうですよっ、おかしな事を言ってるのは佐天さんの方なんですよ?」
佐天「どうして私のほうが責められるんですかっ、酷いことを言ったのは御坂さんの方じゃないですか!!」
御坂「だ か ら! 何で私は、言っても無いことで、ここまで責められなきゃいけないのよ?」
佐天「で す か ら! 私の『予知能力』で見えたんですっ! 御坂さんは確かに今から言うんですっ!」
御坂「なによそれ……」
御坂「…なにが『予知能力』よっ、そんなの私は絶対認めないわよっ!」
15:
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佐天(……その後、何となく気まずい雰囲気になり、あの場はすぐに解散となった)
佐天「……」
佐天「ひどいことを言われたのは私なのに……」
佐天「初春も白井さんも、御坂さんの方を庇うし……」
佐天「……やっぱり、レベルの高い人の方が優遇されちゃうのかな」
佐天「私の能力も、もっとレベルが高かったら、私の言うこと……信じて貰えたのかな」
佐天「ハァ……」
佐天(折角『能力』を手に入れたのに、全然良いことないや……)
佐天(何か疲れちゃったな……今日はもう帰ろう)
16:
佐天「……」スタスタ
佐天「お」ピタ
佐天「……確かこの裏道は寮への近道だったハズ」
佐天「……まだ空も明るいし、ササッと通り抜けるだけなら問題ないよね?」キョロキョロ
佐天「よーし……」
17:
 * * * *
チンピラ「おっ。ねーちゃん、今帰りかよ?」
チンピラ2「俺らと遊んでいこーぜ? 帰りはが送ってやるからさぁ」ギャハハハ
 * * * *
18:
佐天「!」ハッ
佐天(今のは……『予知能力』で『視えた』未来っ)
佐天「……危ない、危ない。このままこの路地裏を通っていたら、スキルアウトに絡まれる所だったね」
佐天「ここは、遠回りでも表通りから帰るべきだねっ」
19:
佐天「……」
佐天「…………」
『そんなの、佐天さんが『視えた』と言っているだけで、だだのインチキじゃないですかっ!』
『そもそも、『予知能力』は必要ありませんわ』
『そんなの……私は絶対認めないわよっ!!』
佐天「……」
20:
佐天「……ずっと」
佐天「ずっと、無能力者であることに劣等感を感じてた……」
佐天「ずっと能力者に憧れていた……」
佐天「やっと手に入れたこの能力を、誰にも馬鹿にされたくない」
佐天「私の能力はインチキじゃないっ」
佐天「私の能力は本物なんだっ!」
佐天「私の力が本物なら……、この道の先にスキルアウトが居るはず……」
佐天「……みてなさい」キッ
佐天「私の『予知能力』の的中率は、100%なんだからっ」




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