花陽「RINERAZER」back

花陽「RINERAZER」


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花陽「こっ、こ、こ、こいずみ、は、なよ……です」
先生「はなよって言うんだ。てっきりかよだと思ったよ。ははは」
児童「かよ!」
児童「こいずみかよだー」
児童たち「かーよ、かーよ、かーよ、かーよ……」
花陽「ううう……」
花陽、6才の春。
4:
花陽「はあ…これからどうしよう。私やっていけるのかな…」
花陽「だいたいこんな読みにくい名前がいけないんだよ」
花陽「お母さんもお父さんも、もっと読みやすい名前つけてくれれば良かったのに…」
花陽「はあ……」
5:
次の日
オリエンテーション
先生「じゃあ持ち物の確認しまーす。筆箱だしてくださーい」
先生「鉛筆はあるかなー?」
児童「はーい!」
先生「じゃあ消しゴムはあるかなー?」
花陽「消しゴム消しゴム…あった……あっ」ポロッ
コロコロ
花陽「あ、あんなところまで……」
花陽「………」
花陽「誰も気付かない…」
先生「小泉さん。消しゴムは?」
花陽「えっ、……あっ……」
花陽「……忘れました」
児童「かよちゃん忘れたのー!?」
児童「かよちゃん消しゴム忘れてるー!」
花陽「ううう……」
6:
帰り道
花陽「はあ…結局消しゴムはどっか行っちゃったし、また注目されるし…」
花陽「私、本当にだめだなあ…」
花陽「あっ……文房具屋…」
花陽「そういえば、お母さんに何かあったときのためにって、お金もらってたっけ…」
花陽「…消しゴム買おう」
7:
花陽「あれ?消しゴム…一個しかない?」
花陽「MONOじゃないし…なにこれ」
花陽「RINERAZER?何て読むんだろ…わかんない」
花陽「……」
花陽「ふふふ。読みにくいところが、私と一緒だね」
花陽「すみませーん、これくださーい」
8:
次の日
先生「じゃあここは、こう書いて……」
花陽「あっ、間違えちゃった!」
花陽「消さなきゃ……」
ゴシゴシ
花陽「?」
ゴシゴシ
花陽「消えない……」
花陽「もしかして、不良品?」
花陽「だまされたあ……よく考えたら、RINERAZERなんて聞いたことないもんね。消しゴムじゃないのかなあこれ…」
9:
帰り道
花陽「コンビニ行こう。コンビニなら普通の消しゴム売ってるだろうし」
児童「あっ、かよちゃん!」
花陽「!」ビクッ
児童「かよちゃんなにしてるのー?」
児童「わかったー!消しゴム買うんでしょ?」
児童「かよちゃんもついてないね。買った消しゴムが不良品だったなんて」
児童「かよちゃん、どんまいだよ」
児童「かよちゃん」
児童「かよちゃん」
花陽「や、やめて…」
児童たち「?」
花陽「わたしははなよ!かよじゃない!その名前で呼ばないで!」
10:
児童「えーなんで?」
児童「呼びやすいし」
花陽「嫌…いやだよ……誰か助けて…」
児童「かよちゃんはかよちゃんだよ」
花陽「いや……」
「やめてあげなよ」
花陽「?」
「事情はわからないけど、その子嫌がってるよ。嫌なことをやると、鬼に食べられちゃうよ?」
児童「え……鬼は嫌だ…」
児童「…ごめんなさい。今度からははなよって呼ぶね」
児童「うん。ごめんね」
花陽「あ……うん」
タッタッタ
「大丈夫?」
花陽「あ、うん。ありがとう。助けてくれて」
花陽(誰だろう……見たことない。同じクラスの子じゃないのかな。見た目は私と同じ年くらいだけど)
花陽「あ、あの……あなたは?」
「私の名前は凛だよ。よろしくね」
11:
花陽「凛……?名字は?」
凛「名字?…よくわからないけど、凛は凛だよ」
花陽「?」
花陽(よくわからないのはこっちだけど…まあいいか)
花陽「凛ちゃん…ありがとう」
凛「気にしないで!君が困ってるのを助けるのが凛の役目だから!」
花陽「え?」
凛「ところで、何がそんなに嫌だったの?」
花陽「え……」
凛「あっ、ごめん!嫌なことなんて話したくないよね。ごめんね。忘れて今の話」
花陽「凛ちゃん……」
12:
花陽(その日、結局凛ちゃんはそのままどこかへ行ってしまった…)
次の日
花陽「あっ、また書き間違えた」
花陽「私ってバカなのかなあ…って、あ」
花陽「昨日消しゴム買い忘れた……」ガビーン
花陽「またみんなにバカにされる…」
花陽「消しゴム忘れ女って呼ばれちゃう……」
花陽「嫌だ……そんなの嫌だよ……」
先生「今日はちょっと暑いわね。小泉さん、窓空けてくれるかしら」
花陽「あ、はい」
ガラッ
花陽「涼しい…」
花陽(だけどこれで間違えた箇所が消えるわけじゃない……またバカにされる…)
ヒュー…
ポトン
花陽「ん?」
花陽「これは…消しゴム?」
花陽「窓の外から飛んできたような…一体なんで?」
13:
花陽「あ、あれは、凛ちゃん!?」
花陽(ここ2階だよ?よく投げ入れられたね)
花陽「でも、なんで……」
花陽(なんで私が消しゴムがないことを……知ってたんだろう)
花陽(でも…また凛ちゃんに助けられた…)
花陽(っていうか凛ちゃんこんな時間になんであんな場所に…この学校に通ってるんじゃないのかなあ)
花陽「とにかくこれで消せる…ん?」
花陽「あ、前買ったRINERAZER。まだ入れっぱなしだったんだ」
花陽「家に帰ったら捨て……って、あれ?」
花陽「減ってる……RINERAZERが……使ってないのに……」
花陽「なんで?」
18:
花陽(しかし私は家に帰ったらRINERAZERのことはすっかり忘れて捨てるのを忘れていた)
花陽(私は結構忘れっぽかった)
花陽「凛ちゃん…一体何者なんだろう」
花陽(私は凛ちゃんに興味を持った)
花陽(しかし次の日、そしてその次の日も、凛ちゃんには会えなかった)
花陽(さらにその次の日も、凛ちゃんに会えないまま1日が終わろうとしていた)
花陽「凛ちゃん、どうしたんだろう…こっちから会おうとしても、知ってるのは名前だけ」
花陽「もしかして、このまま会えなくなるのかな……」
花陽「そんなの嫌だよ…」
凛「花陽ちゃん」
花陽「!?」
19:
花陽「り、凛ちゃん!」
凛「えへへ…ごめんね。びっくりした?」
花陽「あ、いや…でも、どうやって……ここ私の部屋だよ?」
凛「言ったじゃん。花陽ちゃんを助けるのが凛の役目だからって」
花陽「えっ……」
凛「花陽ちゃんが、凛に会えないのが嫌だって思ったから、その嫌な気持ちから助けてあげたかったんだよ」
花陽(……どういうことなんだろう)
花陽(よくわかんないけど、凛ちゃんにまた会えた)
花陽(これだけで、今の私はなんでもできそうな気がする)
花陽(どうやって私の部屋に入ってきたのかなんて、小学生の私にはどうでもいいことだった)
20:
花陽(その日は凛ちゃんとたくさんお話をして、気づいたら寝ていて、起きたら凛ちゃんはいなかった)
花陽(毎日会えるわけじゃないんだけど、まったく会えないわけじゃない)
花陽(いつしか私は凛ちゃんのことばかり考えるようになっていた)
花陽「凛ちゃん…どうやったら会えるんだろう」
23:
とある日の帰り道
花陽「あっ…猫だ。猫の散歩をしている人がいる」
ツカツカツカ
花陽「こ、こんにちは」
女性「こんにちは」
花陽「ちょっと見てもいいですか?この猫」
女性「いいわよ」
花陽「うわーかわいいなー。よーしよしよし……」
猫「フシャーッ!」
花陽「!」ビクッ!
女性「大丈夫?」
花陽「あ、ああ……」
女性「ごめんなさいね。この猫、あまり他人にはなつかないの」
花陽「そんなあ……」
花陽(猫に嫌われてるのかなあ……)ズーン
花陽(はあ、嫌だなあー…)
「にゃーーっ!」
花陽「!」ビクッ!
26:
凛「なーんてね」
花陽「り、凛ちゃん?」
凛「猫のかわりになれるかな、と思ったんだけど…ダメだったかな?」
花陽「な、なんで…?」
凛「だって花陽ちゃん、猫に嫌われたかもと思ってるんでしょ?」
花陽「な、なんでそれを……」
凛「凛は、花陽ちゃんのことならなんでもお見通しなのだ!にゃーーっ!」
凛「…うーむ。我ながら似てないね…」
花陽「そ…そんなことない!すごい!すごい猫だよ!凛ちゃん猫だよ!」
凛「はは……ありがとう。じゃあ凛はなるべく、花陽ちゃんが喜ぶように、猫みたいにあり続けてみるかなー?」
花陽「え?」
凛「といっても叫ぶくらいだけどね。にゃーーっ!って。キャットフードは食べないよ」
花陽「凛ちゃん…」
花陽「…凛ちゃんって、いつも私が落ち込んでる時に現れるよね。偶然なのかな」
凛「……違うよ」
32:
花陽「え…」
凛「私は花陽ちゃんの頭の中の消しゴム」
花陽「…消しゴム??」
凛「花陽ちゃんにいやなことがあったら、それを消すために現れるんだにゃ!」
花陽「!」
凛「これは恩返しなんだよ」
花陽「え?」
凛「凛はいつも売れ残りだった…誰も見向きもしない人気のない消しゴム」
凛「でも、初めて凛を手に取ってくれた人が現れたんだ。それが花陽ちゃん」
花陽「……それって、まさか…あの消しゴム?」
凛「さて、今日はそろそろ行かなきゃ。また花陽ちゃんが嫌な思いしたら、それを消しに現れるね」
花陽「…凛ちゃん……」
33:
花陽(私は家に帰るなりすぐさま筆記用具入れの中を確認した)
花陽(いつしか捨てるのを忘れて、それをそのままにしていたあの消しゴム)
花陽「あった…RINERAZER」
花陽「RINERAZER……RIN……りん?」
花陽「まさか、この消しゴムが凛ちゃんなの…?」
花陽「…りんERAZER…ERAZERってどういう意味だろ」
花陽(ERAZERの意味までは分からなかったけど、それとは別に気づいたことがあった)
花陽「……また減ってる…」
花陽(少しの量だけど、間違いなく減っていた)
花陽「なんで減ってるんだろう……使ってないのに」
38:
花陽(それから凛ちゃんは、私の気持ちが沈む度にことあるごとに現れてくれた)
花陽(犬のしっぽを踏んで追いかけられたとき…)
花陽(給食でお米が出なかったとき…)
花陽(体育の授業で苦手なかけっこのとき…)
花陽(常に私を助けてくれた凛ちゃん)
花陽(いつしか私は、嫌なことが起きるのが楽しみにすらなっていた)
花陽(そしてその都度、消しゴムの残量は確実に減っていた……)
39:
花陽(そんなある日……)
花陽(私は小学生の好奇心旺盛さが災いし、帰り道に知らない場所へ遠出してしまい、なんと迷子になってしまった)
花陽(迷子になったとわかった瞬間、言い様のない不安と恐怖に襲われた…)
花陽(だけど……)
凛「花陽ちゃん、迷子になっちゃったのかにゃ?」
花陽「り、凛ちゃん!」
凛「花陽ちゃん…泣いてるにゃ」
花陽「うん……ごめん」グィッ
花陽「でも凛ちゃんが来てくれたから、もう大丈夫」
凛「そっか。それは良かったにゃ」
凛「ところで……ここは花陽ちゃんの家からは結構遠いんだよ。もうすぐ夜になるし、歩いて帰るのは危険だにゃ」
凛「花陽ちゃんのお母さんかお父さんに連絡して、迎えにきてもらうのが一番だよ」
花陽「なるほど…」
40:
花陽(私は近くの公衆電話で電話し場所を伝えて、お父さんに迎えにきてもらうことになった)
花陽「今迎えに行くからそこでじっとしてろだって」
凛「良かったね花陽ちゃん」
花陽「うん」
花陽(私は迎えに来るまで、目の前の公園で待機することにした)
凛「夕焼けがきれいだにゃ」
花陽「そうだね……」
花陽(しかし、30分ほど待っても、お父さんはこない)
花陽「お父さん…遅いなあ…」
凛「花陽ちゃん……」
花陽(さっきまで赤く染まっていた空は、いつしかすっかり暗くなってしまっていた)
41:
凛「……ちゃん」
花陽「……」
凛「花陽ちゃん!」
花陽「!!」
凛「花陽ちゃん…大丈夫?すごい不安そうな顔してるけど」
花陽「あ、うん、大丈夫だよ」
凛「安心して。花陽ちゃんに何があっても凛が絶対守るから」
花陽「凛ちゃん…」
凛「あ、ごめん。なんか余計なこと言ったね」
花陽「そんなことないよ」
花陽「もし今私が一人ぼっちだったら、絶対泣き叫んでひどいことになってる」
花陽「でも、凛ちゃんがいてくれるから、私はまだ私でいられるんだよ」
凛「花陽ちゃん…」
凛「あっ!」
42:
凛「見て花陽ちゃん!上!」
花陽「えっ?」
花陽「こ、これは……」
凛「俗に言う、満天の星空ってやつにゃ」
花陽「……なんか、すごいきれいだね」
凛「うん」
花陽「私、こんなのプラネタリウムでしか見たことなかったよ」
凛「凛も初めて見たよ」
花陽「…じゃあ、この星空は、私と凛ちゃんだけのものだね」
凛「そうだね」
花陽「…凛ちゃんがいなかったら、きっとこの星空も見つけられなかったんだろうな」
凛「じゃあこの星空は、凛から花陽ちゃんへのプレゼントだにゃ!」
花陽「…ありがとう、凛ちゃん。このお返しは、いつか必ずするよ」
43:
花陽(やがてお父さんが迎えに来てくれた。遅れた理由は、慣れない土地で道に迷っていたらしい)
花陽(お父さんと話をしていたら、凛ちゃんはいつの間にかいなくなっていた)
花陽(気持ちというのは、時に残酷だ)
花陽(気持ちに嘘はつけない。嫌なことだと気持ちが判断してしまえば、それは嫌なことになる)
花陽(嫌なことが起きれば、凛ちゃんに会える。そうして浮かれていたのも、いつしか焦りに変わっていた)
花陽「消しゴムがもうこんなに少なく……」
それは、もう2年生になる直前の2月の終わり頃だった。
44:
花陽「もしこの消しゴムがなくなったら……もう凛ちゃんに会えなくなるのかな……」
花陽「嫌だ……そんなの嫌だよ」
花陽(気持ちというのは、時に残酷だ。嫌なことだと気持ちが判断してしまえば、それは嫌なことになる)
凛「……花陽ちゃん」
花陽「凛ちゃん…」
凛「…もう薄々気づいているかもしれないけど」
花陽「……だめ」
凛「凛が花陽ちゃんのためにしてあげられることは、これが最後なんだ」
花陽「だめ!」
49:
凛「花陽ちゃんは今は何がそんなに嫌なの?」
花陽「凛ちゃん消えないで!凛ちゃんがいなくなるなんて、絶対嫌だよ!」
凛「そっか……凛のせいなんだね」
花陽「だめだよ!凛ちゃんがいなくなったら私も死ぬ!」
凛「そんなことはさせないよ。花陽ちゃんはこの一年で強くなった。嫌なことがあっても、乗り越えられる強さを手に入れたんだよ」
花陽「そんなのないよ!私は弱い!弱いんだよ!今だって、かよ、とか呼ばれたら、きっと泣きわめくよ」
凛「……かよちん」
凛「…あれ、なんでだろ、舌がうまく回らなくて変な呼び方になっちゃったにゃ」
花陽「…うわあああん……」
凛「かよちんは泣き虫だにゃ……ひっく」
花陽「凛ちゃんだって泣いてるし…ほら、見て。私泣いてるよ。こんなに弱虫なんだよ」
50:
凛「それは本当に、嫌なときに流す涙なの?」
花陽「……!」
凛「凛知ってるよ…かよちんはもう乗り越えたんだよ。自分の弱さを」
花陽「…なんで、なんで…なんで!」
凛「だからかよちん。凛の役目は終わり。本当は凛だって消えたくないけど、こればっかりは仕方ないんだ」
花陽「そんな……」
凛「花陽ちゃん。凛を買ってくれてありがとう。花陽ちゃんと見たあの星空は、きっとずっと忘れないにゃ」
花陽「……だめ」
凛「花陽ちゃんの中から、凛の記憶を……」
花陽「いやああああああああ!」
51:
二年生始まりの日
花陽「今日から二年生かあ。まさか一年生の時の先生が、一年で転勤になるなんてね」
花陽「今日からまた新しい先生になるのか。どんな先生だろ」
新任先生「えー…こいずみ、かよ?」
児童たち「せ、先生、それは……」
児童たち「まずい、花陽ちゃんの心の傷が……」
花陽「先生。かよ、ではなく、はなよ、です」
先生「あ、あら、そうなの。ごめんなさい」
花陽「まあ、初めて見たら間違えますよね。仕方ないですよ」
児童たち「……!」
児童「花陽ちゃん、変わったね」
児童「うん。強くなったよ」
52:
新任先生「今日から先生が新しくなりますが、皆さんにはもう一人、新しい友達が増えます」
児童たち「?」
新任先生「さ、入って」
ガラッ
スタスタスタ
花陽「……」
新任先生「じゃあ、自己紹介をお願いします」
「…………」
凛「星空凛です!よろしくにゃー!」
53:
凛「小泉花陽?……こいずみ、かよ?」
児童たち「ち、ちが…」
花陽「……別にいいよ」
児童たち「え?」
花陽「なんだろう。凛ちゃんにそう呼ばれても、全然嫌な感じがしないんだよね。よくわからないけど」
凛「じゃあ、これからはかよちんだにゃ!」
児童「ちょ……ちんって…」
凛「ごめんごめん。勢いよく叫んだら噛んじゃって」
花陽「…うん。いいよ。今日から私はかよちん。かよちんでいいよ。凛ちゃんが呼びやすいなら」
凛「やっほーい!かよちんかよちーん!」
54:
児童「凛ちゃんって、どこからきたの?」
児童「星空って、すごい珍しい名字だよね」
児童「なんでにゃー!って言うの?」
凛「あわわわ……まるで質問のシューティングスターだにゃ」
花陽「ふふふ」
花陽(なんでだろう。よくわからないけど、凛ちゃんとは初めて会った気がしない)
花陽(いつか……凛ちゃんから大切なものをもらったような、そんな気がする)
花陽(わからないけど、きっとそれは、確かにあった)
花陽「凛ちゃん。ありがとう」
凛「??…かよちん、いきなりなんのこと?」
花陽「ふふっ。ごめんねいきなり。今度は、凛ちゃんに何かあったら、私が凛ちゃんを助けてあげる」
凛「かよちん……よくわからないけど、ありがとうにゃ」
花陽(とっさに言った凛ちゃんへのセリフの理由は自分でもわからなかったけど、きっと、私たちはどこかで約束したんだ)
花陽(そう……今度は私が凛ちゃんを助ける番…)
55:
花陽(そう…今度は私が凛ちゃんを助ける番)
凛「…なに、これ……間違って」
花陽「間違ってないよ」
ザッ
凛「みんな…」
花陽「その、純白のドレスを着るのは、凛ちゃんだよ」
真姫「みんな言ってるわよ。凛が一番女の子らしいって」
凛「で、でも、振り付けとか…」
絵里「それなら大丈夫よ」
希「今朝、凛ちゃんがセンターの時の振り付けをみんなで練習してきたから」
にこ「そうよ。早く着替えなさい」
凛「………」
花陽(凛ちゃんは自分に迷ってる。踏み出す勇気がない。今の自分を、嫌な自分にしてしまっている)
花陽(だから、今度は私は、凛ちゃんの嫌な部分を消してあげる)
56:
トン…
凛「……!」
花陽「凛ちゃんは、私が迷っているとき、いつも背中を押してくれた」
花陽「だから、今度は、私が凛ちゃんの背中を押す番」
花陽「凛ちゃんは自分に自信をもっていいんだよ。私が凛ちゃんをこんなにもかわいいって思ってるんだもん!凛ちゃんはかわいいよ!」
花陽「だから、それを着るのは、凛ちゃんだよ」
凛「かよちん……」
凛「ありがとう」
花陽(別にお礼なんて言われることじゃない。私はただ返しただけ)
花陽(でも、私が言ったことに、何一つ嘘はない。これだけは自信を持って言える)
花陽(この自信は…きっと凛ちゃんがくれたんだよね)
花陽(ありがとう凛ちゃん。これからも、きっと私が凛ちゃんを助けてあげるから)
花陽(永遠になくならない、消しゴムになって)
凛「それでは、一番かわいい私たちを、見ていって下さい!」
END
58:
よかった
60:
乙とても良かった
70:

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