道外流牙「沢芽市?」back

道外流牙「沢芽市?」


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中の人に顔が似るとなると哀空吏さんにとんでもない風評被害が…
19: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 00:38:23.06 ID:8RNokopm0
>>18 その辺のネタも書くつもりですwww
???「お、よう流牙!早かったじゃねえか!」
流牙「ん?猛竜!何やってるんだよお前!?」
流牙(コイツは蛇崩猛竜(じゃくずれたける)。俺と同じ魔戒騎士で、ボルシティで共に闘った仲間だ)
猛竜「なんだよ、聞いてなかったのか?今回の任務は俺も参加するんだぜ?」
流牙「じゃあ指令書にあった他の魔戒騎士って言うのはお前だったのか…」
猛竜「いや、俺の他にもう一人いるぜ。敢えて誰かは伏せておくけどな」
流牙「なんだよ、もったいぶるなって!」
猛竜「ククッ。まあ、今夜にでも合流出来るさ。取り敢えず入れよ!こっちに来てから俺が調べたことを教えてやるよ」
20: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 00:51:47.82 ID:8RNokopm0
〜呉島家〜
光実「ただいま、兄さん」
呉島貴虎「ああ、遅かったな光実。また例の『ヤツ』が出てきたのか?」
光実「いや、ちょっと道案内をしてたんだ」
貴虎「ほう、お前が道案内とは殊勝だな」
光実「少し気になってね。その人、ユグドラシルタワーの跡地にいたから」
貴虎「何?まさかユグドラシルの残党か?」
光実「それはないと思う。何度かカマをかけてみたけど、そんな素振りも見せなかったし
21: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 00:52:53.32 ID:8RNokopm0
貴虎「そうか…。ならいいが、どちらにせよ確かに気にはなるな。何と言う男だ?」
光実「道外流牙って人だよ。今は沢芽シティホテルに宿泊してると思う」
貴虎「ふむ、明日あたり会いに行ってみるか…」
23: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 05:18:45.06 ID:8RNokopm0
〜数時間後・真夜中の沢芽市内〜
流牙「ザルバ、見つけたか?」
ザルバ『ああ!恐らく素体型だ!急げ流牙!』カチカチ
猛竜『こっちでも確認した!いくぜ、って!?』
流牙「どうした猛竜!?」
猛竜『まずいぜ流牙!人が居やがる!クソ、なんだってこんな時間に!?』
流牙「くっ!俺の方が近い!先に俺が仕掛けるから猛竜はその人を保護してくれ!」
猛竜『了解!』
24: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 05:21:36.51 ID:8RNokopm0
〜同時刻・ホラー出現場所〜
素体ホラー?「シャアアアアアアア!!」
光実「くっ!またコイツか!」
光実(メガへクスとの闘いの後、数日前から現れ出した謎の怪物)
光実(最初はメガへクスの生き残りか紘汰さんの元からはぐれたインベスかと思っていたけど、どうやら違うらしい)
素体ホラー?「シャアアアアアアア!!」
光実「くっ!」ガチャッ!ブドウ!ロックオン!
光実「変身!」ハイー!ブドウアームズ!龍・砲!ハッハッハー!
素体ホラー?「シャアアアアアアア!?」
25: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 05:36:42.76 ID:8RNokopm0
仮面ライダー龍玄『ハッ!たァ!』バキューン!バキューン!
ブドウ龍砲の銃撃で先手を打つ龍玄。だが何発撃ち込んでもホラーは倒れない。
それを逆手に取ってか、ダメージ覚悟でホラーは距離を縮めてきた!
素体ホラー?「ギャアアアアア!」ダッ!
光実(まずい、距離を詰められる!)バキューン!バキューン!
素体ホラー?「シャアアアアアアア!!」ガッ!
龍玄『くっ!ヤァ!ハァッ!』ドカッ!バキッ!バキューン!
急接近からの鋭い爪による攻撃を間一髪で躱し、そのままカウンターで打撃と銃撃を叩きこむ。
これにはホラーも堪らず吹っ飛ばされるも、体勢を立て直し植物が絡まったかのような翼を広げ龍玄に背を向けた。
素体ホラー?「ギャアアアアアアア!?」バサッ!
26: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 05:49:46.29 ID:8RNokopm0
龍玄『接近戦でも敵わないから逃げようっていうの?させるか!』カシャン!カシャン!カシャン!ハイー!ブドウスパーキング!
戦極ドライバーのカッティングブレードを三回倒し、ブドウ龍砲にエネルギーを送り込む。
巨大な龍のようなエネルギーが形成され、龍玄が引き金を引くと、ホラーに向かって咆哮をあげながら一直線に放たれた!
龍玄『はぁぁぁぁ!でやぁぁぁ!』ドシュウウウウ!!
素体ホラー?「ギャアアアアア!!」ドカーン!
龍玄の一撃がホラーを貫いたかに見えた…。
龍玄『やったか!?』
しかし。
素体ホラー?「グ…ギャ…」
大きなダメージによろけてはいるものの、龍玄の一撃を受けながらも立ち上がるホラー。
27: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 05:53:49.40 ID:8RNokopm0
龍玄『くっ!まただ!手応えはあっても完全に倒せない…!』
素体ホラー?「グ…グシャアアアアアアア…!」バサッバサッ!
龍玄が狼狽した一瞬の隙を突き、ホラーは翼を広げて逃走を図る。
龍玄『まずい、逃げられる―』
と。
流牙「はぁぁぁぁ!」ザンッ!ザシュッ!
素体ホラー?「ギャアアアアア!!」ブシャァァァァ!
何処からともなく現れた流牙がホラーの翼を斬り裂いた!
28: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 06:04:54.00 ID:8RNokopm0
龍玄『な!?あなたは!?』
流牙「…そいつは君じゃ倒せないよ。コイツを斬れるのは…」バッ!グル!シャッ!
光実は目を疑った。
流牙が手にしていた剣で頭上に円を描くと空間が割れ、そこから狼を模した金色の鎧が現れ流牙の全身に装着されたのだ!
黄金騎士・牙狼『俺達、魔戒騎士だけだ!ハァ!』ザンッ!
素体ホラー?「ギャアアアアア!!」ブシャァァァァ!ジュウウウ…
変身前よりも一回り大きくなり、形状も変わった剣―――牙狼剣の一閃がホラーを袈裟斬りにし、打ち倒したかに見えた。
29: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 06:09:56.35 ID:8RNokopm0
龍玄(す、すごい!剣で空中に円を描いたかと思ったらそこから狼を模した鎧が現れた!)
龍玄(僕たちアーマードライダーと少し似てるけど全く違う!何より…)
龍玄(僕の奥の手を受けても倒せなかった『奴』を、ほぼ一撃で斬り裂くなんて!)パタン!スゥー!
ロックシードのキャストパッドを閉じ変身を解除する光実。
光実「道外流牙さん…貴方は、一体…?」
牙狼『…』バシュウウウウン!
流牙もまた鎧を解除し光実の方に向き直る。
流牙「…俺は道外流牙、またの名を黄金騎士・牙狼。闇より産まれし魔獣・ホラーから人々を守りし者だ」
30: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 06:14:51.46 ID:8RNokopm0
BGM:一触即発〜Trigger of Crisis〜次回予告ver.
莉杏「動き出した闇。集結する阻止せんとする者達。その二つの力は誰が為に」
舞「次回、『臨〜Descend〜』」
???「まだこの街で、やり残したことがある…!」
40: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 22:25:44.10 ID:8RNokopm0
【臨〜descend〜】
流牙「さて、話には聞いていたけど君がアーマードライダーとか言う奴ってわけか、光実」
猛竜の調査報告の一つにあったこの街の戦士、アーマードライダー。
その正体がついさっき知り合った青年だったとは露ほども思っていなかったが。
光実「何故その事を…やはり貴方はユグドラシルの!?」
流牙「落ち着けよ、さっきも言ったろ。俺は魔戒騎士。ホラーを狩り、人を守りし者だ」
光実「魔戒、騎士…」
流牙「そう。そして君が相手してたのはホラー。人の陰我に引き寄せられ、人に憑き、人の魂を喰らう闇の魔獣だ」
ザルバ『話の途中だが流牙、さっきの奴の邪気、何だか妙な感じがしやがった。この小僧達に関係があるかもしれん』カチカチ
光実「指輪が…喋った!?」
流牙「おいザルバ!一般人の前で喋るなよ!」
ザルバ『そうもいかん。この件に関わってる限りは、コイツにも協力してもらわなくちゃならんからな』カチカチ
ザルバが話していると、ピクリ、と倒れたはずのホラーの指が動き―――
ザルバ『―――!流牙!後ろだ!』カチカチ
流牙「なっ!うわっ!?」ガキィィン!
流牙(くっ!牙狼剣が!?)クルクルクル
先程牙狼剣の一撃で斬り裂いたかに思えたホラーが、突然起き上がった!
驚く流牙の隙を突きホラーが牙狼剣を弾き飛ばす。
素体ホラー?「シャアアアアアアア!!」
そのまま爪で流牙を引き裂かんと腕を振り上げる。
光実「コイツ、さっきの!?倒したはずじゃ?!」ガチャ!ブドウ!
光実がそれを阻止しようとロックシードを構えた瞬間だった。
素体ホラー?「!!シャアアアアアアアアアア!!」
信じられないことにホラーが流牙を無視し、光実の方に向き直ったのだ。
光実(コイツ!?いきなり僕の方に!?)
光実「くっ、うわぁ!?」ガシャン!
爪を振り、光実のブドウロックシードを弾き飛ばす。
当然、身体能力が高いとはいえロックシードがなければ光実もただの人間。ホラーに立ち向かう術はない。
鋭い爪で引き裂かれるのが運命だ。
流牙「光実ェ!逃げろぉ!」
素体ホラー?「シャアアアアアアア!!」
ザルバ『んん?』カチカチ
光実(駄目だ!間に合わない!やられる!)バッ!
42: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 22:41:00.73 ID:8RNokopm0
光実がせめてもの防御姿勢をとった刹那。
キラン…シュバッ!
素体ホラー?「シャア…ア?」グサッ!
シュバッ!シュバババババ!
素体ホラー?「グギャァアアアアア!!」ドスドスドスドス!
何処からともなく放たれた数え切れないほどの矢がホラーを貫く!
光実(何だ!?矢!?兄さんのソニックアロー…だけじゃない!?)
流牙「光実!無事か!?」ダッ!
光実「流牙さん…これは?」
流牙「安心しろ、知らない矢も混じってるけど、俺の仲間だ」
流牙の説明とほぼ同時に三人の戦士がホラー目がけて飛びかかった。
炎刃騎士ゼン『どぉりゃあああ!!!』ザンッ!
ゼンの柳葉刀の渾身の一振りがホラーを斬り裂き。
天弓騎士ガイ『はぁぁぁぁ!!』バシュン!
ガイの矢がホラーの身体を射抜き。
仮面ライダー斬月・真『止めだ!!』メロンエナジー!バシュゥゥゥン!
斬月・真のソニックボレーがホラーにトドメの一撃を叩き込んだ!
素体ホラー?「ギャアアアアア!!」ドカーン!
ホラーの体が跡形もなく消し飛ぶ。
流牙「ザルバ…?」
ザルバ『ああ、今度こそ完全にヤツの邪気は消滅したぞ』カチカチ
ゼン『おう!危ねえところだったな!これで貸し一つだぜ?』バシュッ!
ガイ『全く、相変わらず詰めが甘いな』バシュッ!
斬月・真『無事か、光実?』パタン!パシューン
全員、変身を解除し光実と流牙に駆け寄る。
光実「うん、大丈夫だよ兄さん」
貴虎「そうか、なら良かった…」
43: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 22:54:19.29 ID:8RNokopm0
哀空吏「流牙、久し振りだな。猛竜も」
流牙「ああ、哀空吏。あと一人って言うのはお前だったんだな」
流牙(楠神哀空吏[くすがみ あぐり]。楠神流弓術の正当後継者で早撃ちの名手)
流牙(天弓騎士ガイの鎧を纏う、莉杏、猛竜と同じくボルシティでの戦いを共にした俺の仲間だ)
猛竜「んだよ、俺はついでか?」
流牙(炎刃騎士ゼンは猛竜が鎧を纏った姿)
流牙(燃えるような紅い鎧、柳葉刀と盾の様にも変化するソウルメタルの義手が特徴だ)
哀空吏「ふ、そういうわけじゃないさ」メガネクイッ
流牙「哀空吏、ボルシティはどうしたんだ?お前がこっちに来るってことは、ゼドムの首塚が無人になるんじゃ…?」
哀空吏「その心配ならいらん。元老院から派遣された優秀な魔戒騎士が首塚の守護についている」
流牙「そうか…なら大丈夫だな」
44: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 23:03:04.34 ID:8RNokopm0
光実「!兄さん、アイツは!」
貴虎「お前は、まさか、凌馬!?」
哀空吏「…凌馬?誰のことだ?」
光実「とぼけるな!今度はさっきのホラーとか言う奴の力で蘇ったのか、戦極凌馬!」ガチャッ!ブドウ!
哀空吏「だから、それは誰のことだと聞いている!」ジャキン!
流牙「ま、待てよ哀空吏、光実!落ち着けって!」
流牙「光実、コイツは俺の仲間だってさっきも言ったろ!その、戦極なんたらって奴とは違う!」
光実「…本当ですか、流牙さん?」
流牙「ああ、俺を信じてくれ!」
光実「…わかりました。すいませんでした…」スッ
哀空吏「いや、こちらもすまなかった…矢を向けるべき相手を間違えるところだった」スッ
互いに謝罪を交わしたものの、何となくその場が険悪な空気に包まれる。
何とか場を盛り上げようと猛竜が明るい口調で話し出す。
猛竜「…な、何か丸く収まったところでよ!腹減らねえか?親睦深める意味でもメシでも食いに行こうや!」
貴虎「親睦…?」
猛竜「だって、そうだろ?これからあの変なホラーと一緒に闘っていかなくちゃならねえんだからな」
哀空吏「猛竜、お前正気か?確かにこいつらの戦闘力は高いが、ホラーを完全に倒すことは出来ないんだぞ!?」
貴虎「そうかもしれない。だが先程のホラーとやらは、お前たちだけでも倒しきれなかっただろう?」
哀空吏「なんだと!?」
流牙「やめろ哀空吏!…悔しいがその人の言う通りだ…」
流牙(あの時、俺の牙狼剣は確かに奴を斬り裂いたはずだった)
流牙(それなのに奴は消滅せず、再び襲って来た)
流牙(もしかしたらアイツはただのホラーとは根本的に違うのかもしれない…そして他にもそんな奴が…)
ザルバ『ふむ、お前にしては賢明な判断だな、流牙』カチカチ
貴虎「!?指輪が、喋った!?」
流牙(あ、そこは兄弟揃って同じ反応なんだ)
45: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 23:09:02.18 ID:8RNokopm0
ザルバ『褒めてやるついでに1つ気付いたことを教えてやろう』カチカチ
猛竜「んだよ、ザルバ。あのホラーについて何かわかったのか?」ツンツン
ザルバ『やめな小僧。あのホラーだがな、何か邪気の他に別の次元のエネルギーらしきものを感じた』カチカチ
流牙「別の次元のエネルギー…?それって昼間言ってた…?」
ザルバ『ああ、ゲートと一緒に感じていたモノと同じだ』カチカチ
光実「…別の次元…もしかして…?」
貴虎「…いや、決め付けるのはまだ早急だ…」
哀空吏「…何だ?知っていることがあるなら話してもらうぞ!?」
流牙「だから喧嘩腰はよせって哀空吏。お前、何か変だぞ?」
哀空吏「…フンッ!勝手にしろ!」ザッザッザッ
猛竜「お、おい待てよ哀空吏!…すまん流牙!また後でな!」ダッ!
マテッテ!オイ!アグリ!
流牙「ごめんね、俺の仲間が…」
光実「いえ、僕らの方こそ失礼なことをしてすいませんでした」
貴虎「…ゴホンッ。改めて自己紹介させてもらう。私は呉島貴虎。光実の兄だ。よろしく」スッ
流牙「こちらこそよろしく。道外流牙だ」ギュッ
貴虎「本来なら金髪の―――猛竜だったか、彼の言うように親睦を深めるところなんだろうが時間が時間だ」
貴虎「すまないが詳しい話は明日にしよう」
流牙「ああ、それでいいよ。どこに行けばいい?」
貴虎「こういう話にとっておきの場所を知ってる。明日の昼にでも迎えを出そう」
流牙「わかった。じゃあまた明日」クル
46: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 23:10:49.22 ID:8RNokopm0
光実「あの、流牙さん!」
流牙「ん?」
光実「その、さっきの哀空吏って人に『すいませんでした』って伝えておいてくれませんか?」
流牙「…ああ、お安い御用だよ」フリフリ
光実「…」
49: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 23:30:37.89 ID:8RNokopm0
〜翌日の昼・ドルーパーズ〜
猛竜「うめぇっ!このパフェ最高ッスよ店長さん!」モグモグ
阪東「そうかい?お口にあって何よりだよ」
イヨ「休憩入りマース」ケイタイイジイジ
阪東「ちょっとイヨちゃん!?さっき休んだばっかりでしょ!?」ヤレヤレ
光実「…哀空吏さんは?」
流牙「さあね、朝起きたらどっかに行ってた」カタスクメ
猛竜「まあ、気難しい奴だからな。今頃修行でもしてるんじゃねえの?」モグモグ
貴虎「…仕方ない。我々だけでもあのホラーへの対策を考えよう」
50: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 23:35:20.75 ID:8RNokopm0
???「お待ちなさい、メロンの君!」
???「この街のピンチってんなら!」
???「俺たちも手伝うぜ!」
貴虎「お、お前たちは!」
猛竜「…誰だ、このオッサン達?」モグモグ
鳳蓮・ピエール・アルフォンゾ「何よぉ!オッサンとは失礼な坊やねぇ!ワテクシは鳳蓮・ピエール・アルフォンゾ!」
鳳蓮「プロ中のプロの、パティシエよぉ!」ミスタァァァァァ!デンジャルラス!
城之内秀保「そしてその弟子、城之内秀保!」ネバーギーブアーップ!
ザック「この街の用心棒、ザックとは俺の事だァ!」ミスター!ナックルマン!
流牙・猛竜「「…」」
光実「…皆、心意気は嬉しいんだけど、今回の件はもしかしたらヘルヘイム以上に危険なんだ。だから―――」
ザック「だから降りろ、なんて言うなよミッチ。確かにもう俺たちは変身できない。だけどな」
城之内「この街を 変な奴らから守りたいって気持ちは同じだぜ?戦闘は無理かもだけどサポートくらいはさせてくれよ!」
鳳蓮「フフッ、そう言う事。私の坊やも言うようになったでしょ、メロンの君?」
貴虎「フッ、確かにな…良しわかった。ではお前達には夜のパトロールを頼みたい」
流牙「ちょっと待てよ貴虎!いくらこの人達が信頼出来るからって、ホラー相手には危な過ぎる!」
猛竜「同感だ。まあ、こういうゴーカイな奴らは嫌いじゃないけどな?」
流牙「猛竜?何言ってんだお前?」
51: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 23:43:14.66 ID:8RNokopm0
ザルバ『…いや、案外大丈夫かもしれん』カチカチ
鳳蓮・城之内・ザック「「「指輪が喋った!?」」」ギュンギュンギューーーーーン!!
猛竜(やっぱ普通にこういう反応するよな…)
流牙「ザルバまで何を―――」
ザルバ『まあ聞け、ボウヤ。あのホラーだが、昨日妙な動きをしてたのを思い出してな』カチカチ
貴虎「妙な動き?」
ザルバ『ああ、お前さん達が妙ちきりんな果物被って変身する為の、あの道具ー』カチカチ
貴虎「ロックシードのことか?」スッ
ザルバ『ああ、それだ。奴はそのロックシードとか言うのを狙ってた様に俺様は見えた』カチカチ
光実「…そう言えば!」
〜〜〜〜〜
光実(コイツ!?いきなり僕の方に!?)
〜〜〜〜〜
光実「あの時、流牙さんに追撃することも出来た筈なのに、アイツは僕のロックシードを優先的に狙って来た…」
ザック「そう言われてみれば、俺も何度かミッチと一緒にアイツと闘ってるけど、いつもミッチを狙ってくるな」
城之内「と言うことは、ホラーはロックシードを欲しがってるって事なのか?」
ザルバ『確証はないが、恐らくそうだろうな』カチカチ
ザルバ『逆に言えばソイツを持ったず下手に刺激しなければアッチも手を出してこないだろう』カチカチ
流牙「…いや、それでも危険過ぎる。俺たち魔戒騎士や光実と貴虎はともかく他の皆は…」
52: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 23:46:48.74 ID:8RNokopm0
城之内「…なあ魔戒騎士さん。確かにあんたみたいに力を持つ者は俺達普通の人間を守るのが使命かもしれない…」ギュッ!
ザック「城之内…」
城之内「だけどな、俺達だって一度は力を持ってた!だからこそ黙って見てるなんて出来ない!!」
城之内「無力な今はせめてこの位の役には立たせてくれ!」
城之内(もう初瀬ちゃんの時みたいな思いはゴメンだから…!)ギュゥゥゥッ!
鳳蓮「…全く、本当に立派に成長しちゃって」フンス
猛竜「こりゃあお前の負けだな、流牙?」
流牙「はぁ…わかった、わかったよ。その代わり、危険だと判断したらすぐ退くこと。それだけは絶対に約束してくれ」
鳳蓮・城之内・ザック「「「了解!」」」」
貴虎「よし、色々決まったところで具体的な作戦を練ろう。闇雲にホラーを探しても無駄だろうしな」
ザック「それなんだが、さっきのロックシードのこと聞いて1つ思い付いたんだ…」キュピーン!
53: ◆itI4PnCkd2 2015/01/26(月) 23:49:26.34 ID:8RNokopm0
〜同時刻・別の場所〜
???「…それ、本当か?」
???『ああ、この俺が言うんだ。間違いない』
???「ならミッチ達だけに任せる訳には行かないな…」
???「紘汰…」
始まりの男(葛葉紘汰)「すまないな、舞。また少し行ってくる」
始まりの女(高司舞)「うん、気を付けてね」
〜同時刻・更に別の場所〜
???「ロック…シード……力…沢芽……」
紘汰・???「「まだこの街で、やり残したことがある…!」」
54: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 00:04:00.48 ID:RwDI/SYv0
BGM:JUST LIVE MORE 次回予告ver.
戒斗『奴はただのホラーじゃない』戒斗復活!?
流牙「この作戦で大丈夫なのか…?」ザックのホラー討伐作戦!?
全員「「「「「お見合いかぁ!!!!!」」」」」まさかのお見合い勃発!?
ザルバ『…もしや奴は!』ザルバ、出番だ!!
第三話 追撃!謎のホラー!
哀空吏「早く出せ!俺が奴を撃ち落とす!」
58: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 21:16:56.84 ID:RwDI/SYv0
【前回までのあらすじ】(CV:大塚〇忠さん)
街に現れたホラーを撃退した龍玄と牙狼達。
猛竜は光実達に共闘を持ちかけるが、哀空吏は単独行動を開始する。
ドルーパーズで今後の対策をたてていると鳳蓮・城之内・ザックが協力を申し出た。
一方その頃、哀空吏は…
59: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 21:28:01.10 ID:RwDI/SYv0
【追撃!謎のホラー!】
〜流牙達が作戦会議中・沢芽市内の森〜
哀空吏「…集中しろ…楠神哀空吏…」
今、哀空吏の目の前には魔界文字が記された岩が幾つもある。
これは楠神家に伝わる特訓法で、簡単に破壊されないよう術を懸けた岩をどれだけ素早く正確に矢で砕けるかというもの。
かつて流牙に楠神流にこだわる必要はないとの旨を言われてからもこの特訓だけは変えてこなかった。
哀空吏「行くぞ…ハァッ!」シュバ!シュバ!シュバ!
魔戒弓から放たれた矢が次々と岩に命中し、砕いて行く。
時には真っ直ぐに、時には哀空吏の意思で矢の軌道を曲げ木々の間を縫う様に。
哀空吏(最後は、アレだ!)
そして最後に残った巨大な岩に残りの矢全てを束ねて放つ。
だが、矢は全弾命中にも関わらず岩は砕けない。
かつての哀空吏ならばここで動きを止めていたが、現在は違った。
60: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 21:32:49.47 ID:RwDI/SYv0
哀空吏(今だ!)ダッ!
矢を射ると同時に岩に向かって走り出す。
哀空吏(この岩には他の物よりも頑丈になるように術をかけてある。俺の腕で貫けないのは百も承知…。だからこそ!)
哀空吏「はぁぁぁ!!」バキン!ズバッ!
魔戒弓を分離させてヌンチャクや双剣の様に構え、弓の側面にあるソウルメタルの刃で岩を滅多斬りにする。
岩『』ズドドドドドド
大きな音を上げてバラバラになる岩。
この戦法こそ、自身の矢で砕けない者が現れた時の為に彼が考え付いたものだった。
哀空吏「ふぅ…だいぶ様になってきたか…」
???『ほぉ、大したものだな』
哀空吏「!?誰だ!」
唐突に声をかけられ、咄嗟に戦闘態勢をとる哀空吏。
哀空吏(おかしい、このあたりに人の気配がないのは始める前は勿論、最後に岩を破壊した時にも確認していたはずだ!)
???『そう警戒するな。弱い部分を補ってでも強くあろうとするものは、俺の敵じゃない』
哀空吏「…お前は一体何者だ?」
61: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 21:37:24.70 ID:RwDI/SYv0
???『俺の名は駆紋戒斗。この街の…まあ、守護霊みたいなものだ』
哀空吏「守護霊だと?…確かに実体はないようだな…」
哀空吏(なるほど…それならば気配を察知できなかったのも頷ける)
駆紋戒斗(以下戒斗)『お前、この街の人間じゃないな?余所者がここで何をしている?』
哀空吏「それは守護霊のお前がよく理解してるんじゃないのか?駆紋戒斗」
戒斗の疑問に敢えて疑問で返す哀空吏。
戒斗『ふん、なるほど。あのホラーとか言う奴を狩りに来たのか。ならば一ついい事を教えてやろう』
哀空吏「いいこと…だと?」
戒斗『俺が見ていた限り、奴はただのホラーじゃない。かと言ってかつてこの街にいたインベスでもない』
戒斗『恐らくその二つが合わさった存在だ』
哀空吏「何?」
哀空吏(インベス…確か猛竜の調査報告にあった、かつてこの街に出現した異世界の化物か)
哀空吏「そうか…だから奴はあの時、流牙の牙狼剣でも呉島光実の一撃でも倒せなかった…」
戒斗『そうだ。そしてお前とお前の仲間の赤い奴、それに呉島貴虎の攻撃が重なった時、奴は初めて倒せたはずだ』
哀空吏「ならば俺達が全員で仕掛ければ…」
62: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 21:43:32.49 ID:RwDI/SYv0
戒斗『だが、それだけでは今回の件、終わりはしないぞ』
哀空吏「何…!?どういうことだ!?」
哀空吏の疑問と同時に、戒斗の体が透けて消え始める。
戒斗『…残念だが俺が話すのはここまでだ。後はお前自身の強さでなんとかしろ』スゥ-
哀空吏「ふざけるな!おい、待て!知っていることを全て話せ!」
戒斗『お前が強者であるならば、自ずと答えは出るはずだ。どうすればこの闘いを終わらせられるか。その答えが、な』
哀空吏「くっ、ならばせめて教えろ!何故呉島光実や呉島貴虎ではなく、俺にホラーの情報を与えた!?」
戒斗『…ふん、俺の知ってるいけ好かない奴と顔はそっくりの癖に心意気は全く違う。それに免じただけだ』
哀空吏「またその話か…。ッ!しまった…!?」
哀空吏が悪態をついた隙に戒斗は姿を消していた。
哀空吏「くそ、逃がしたか…だが…」
彼の頭の中では既に、戒斗から貰ったヒントに基づくある仮説が打ち立てられていた。
哀空吏(…もしこれが正解ならば、このままあのホラーと闘うのは得策ではない…。仕方ない、流牙達と合流するか)
哀空吏「ふん、協力感謝するぞ。駆紋戒斗」ザッザッザッ
哀空吏が去り静寂を取り戻した森の一画。そこにある大きな木にもたれながら、戒斗は呟いた。 
戒斗『…精々努力することだな、楠神哀空吏』
64: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 21:48:09.01 ID:RwDI/SYv0
〜深夜・チーム鎧武のガレージ前〜
流牙(inゴミ箱)「なあ…ホントにこの作戦で大丈夫なのか?」
斬月(inゴミ箱)『…私に聞くな…』
ザック(in物陰・通信機)『何だよ!元々この作戦はミッチや紘汰達が考えたもんだぞ!しかも成功した前例もある!!』
龍玄(onガレージの屋根)『アレは成功したって言うのかな…?』
流牙「しかも何だよ、あのキウイのロックシード吊るしてある奴!」
斬月『復興局の不要品で作った、「カカシ」だ。結構自信作なのだが』
流牙「え!?貴虎があれ作ったの!?」
斬月『俺もビックリだ。何故かいきなりやる気が起こってな。ほら、あの帽子と傘とか気に入ってるんだが』
龍玄『に、兄さん?』
城之内(under階段・通信機)『い、意外だな…』アハハ…
65: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 21:56:08.16 ID:RwDI/SYv0
鳳蓮(under階段・通信機)『意外と言えばメロンの君、今日はそっちのお姿なのね』
斬月『ああ、ゲネシスドライバーは今調整中だ』
斬月『元々メガへクスとの闘いでかなり無理をしすぎてたせいかこの前の戦闘の後、機能が一時停止してしまってな』
猛竜(onガレージ・通信機)『なるほどねぇ、しかしいいよなぁ、その状況に応じてコロコロ姿変えれんの』
猛竜『俺達の鎧にもそういうのあったらいいのに。銀色になったり、黒色になったりとかさ』
流牙「愚痴るなよ猛竜。俺達はそんなのに頼らなくてもいいように強くなればいいだけだ」
猛竜『へいへい。流石黄金騎士様は言うことが違うねえ』
流牙「何だよ、その言い方!」ムカッ
猛竜『おっ?ホラーとの前に一丁やるか?』
カツ…カツ…カツカツ
ザック『ッ!二人ともストップ!カカシに誰か近づいてくるぞ!』
斬月『!皆構えろ!』
カツ…カツ…カツ…カツ
66: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 22:00:01.33 ID:RwDI/SYv0
城之内『…女の人?』
猛竜『何だ?女に取り憑いてるホラーなのか?ちっ、斬る気失せるぜ…』
流牙「あれ…あの女…もしかして!」
斬月『静かにしろ。いつでも行けるように準備を―――』
???「…なにこれ、趣味悪い…」
斬月『』ガーン!
龍玄『兄さんが本気で落ち込んでる!?』
鳳蓮『メロンの君を貶めるなんて…』バッ!
鳳蓮「許さなくてよ、この小娘ー!」ギュンギュンギューーン!!
城之内「ちょっ、鳳蓮さん!ああもう!こうなりゃ当たって砕けろだァ!」カモーン!!
???「え、ちょっと何!?何なの!?」
鳳蓮「問答無用!ホラー、覚悟ぉ!」ミスタァァァァ!デンジャrrラス!
流牙「鳳蓮、ストップ!ソイツはホラーじゃない!俺達の仲間だ!」バサッ
???「え!?流牙!?って何でそんなところから!?」
猛竜「り、莉杏ん!?何でここにいんだよ!?」
莉杏「た、猛竜?!あんたこそ何でここに!?ああもう何がどうなってるのよぉ!」
ザルバ『やれやれ…先が思いやられるぜ…』カチカチ
67: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 22:01:26.30 ID:RwDI/SYv0
〜数分後・事情説明中〜
鳳蓮・城之内「「本当に申し訳ない!」」バッカモーン!
流牙「すまん、莉杏!俺がもう少し早く気付いていれば…」
莉杏「いいのよ。私も潜入用に変装してたし、流牙達がわからないのも無理ないわ」
莉杏「それにしても、この変なの作ったの猛竜?それとも流牙?まあ、どっちでも趣味悪いのは変わらないけど」
貴虎「」チーン
光実「兄さん!?兄さん!?しっかりして!」
貴虎「お、俺の趣味が悪いだと?そんなバカな話があるか!仕事に戻れ!」
68: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 22:04:17.92 ID:RwDI/SYv0
〜更に数分後(配置はほぼ同じ)〜
莉杏(in流牙と同じゴミ箱)「おかしいでしょ!何で私もこの中なのよ!?」
龍玄『屋上からの狙撃は僕がやります。莉杏さんはそこから流牙さんと兄さんを援護してください』
斬月『…』
鳳蓮『大丈夫、メロンの君?』
斬月『ああ、私は疲れてるのだな…あんなカカシを自信作などと…』
流牙「莉杏…悪気はなかったのは知ってるけど謝りなよ」
莉杏「嫌よ!それに私が謝ったところであのカカシの趣味の悪さは変わらないでしょ」
斬月『』ガーン!
猛竜『今のがトドメだな…』
ザッザッザッ…
ザック『ッ!皆そこまでだ!また誰か来たぞ!』
龍玄『今度こそホラーなのか?』
ザック『いや、そこまでは分からん…どうやら次のは眼鏡をかけた男みたいだ』
猛竜『…なあ、流牙。ものすごく嫌な予感がするんだが』
流牙「奇遇だな猛竜。俺もだ」
69: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 22:07:19.89 ID:RwDI/SYv0
ザッザッザッ…
城之内『カカシのところで止まったぞ…』
???「…ふむ、いい趣味をしている」
斬月『何!?ホントか!?』ガタッ!
龍玄『兄さん!?』
斬月・哀空吏「『あ』」
シィーーーーーーン
斬月と哀空吏以外の全員(ど、どうするんだこの微妙な空気ー!)
斬月『あ、あー…』
哀空吏「え、えーっと…」
斬月『わ、私の趣味だ。いいだろう?』
哀空吏「あ、ああ。いいセンスだ…」
哀・斬以外の全員「「「「「お見合いかぁ!!!!!」」」」」
哀空吏「!!??お前たち、何やってるんだ!!?」
70: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 22:13:03.10 ID:RwDI/SYv0
全員総出のツッコミが入った瞬間の事であった。
???「キシャアアアアア!!!!」
悲鳴に近い雄叫びをあげ、ホラーがカカシ目がけて急降下してきたのだ。
城之内「ええっ!?こ、このタイミングで!?」
猛竜「哀空吏、ホラーだ!撃て!!」
哀空吏「何!?ぐぅっ!」ガキィン!
猛竜の声に促されるも反応が遅れ、現れたホラーに先手を打たれた哀空吏。
攻撃はなんとか魔戒弓でガードしたもののキウイロックシードはホラーに持ち去られてしまった。
素体ホラー?「シャアアアアア!!」
龍玄『くっ!当たれ!』バババババ!
莉杏「逃がさないわよ!」バババババ!
遅れて龍玄と莉杏が銃撃するも既にホラーは射程外へと逃れていた。
莉杏「っ行きなさい!」ピチョン!
銃撃が当たらないと判断するや、魔導筆を取り出し魔界竜の稚魚を放つ莉杏。
莉杏「流牙、追って!」
流牙「追うってどうやって!?」
71: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 22:22:54.94 ID:RwDI/SYv0
龍玄『…そうだ!これなら!』ガチャ!
龍玄が取り出したのは、ロックビークル・ダンデライナーのロックシード。
ダンデライナーはホバー機能による飛行能力を有しており、空を飛ぶホラーの追跡にも適している。
龍玄『流牙さん、僕が追います!兄さん!これを!』シュッ!
そう言って斬月にバイク型ロックビークル・ローズアタッカーを渡す。
斬月『光実、無理をするなよ!』
龍玄『兄さんこそ―――ッ!?』
ダンデライナーを発進させようとした途端、何かが機体を揺らした。
それは―――。
哀空吏「早く出せ!俺が奴を撃ち落とす!」
龍玄『哀空吏さん…はい!』
哀空吏と龍玄を乗せたダンデライナーが空へ飛び出す。
斬月『蛇崩達はコイツを使え!道外、乗れ!俺達も追うぞ!』ブォォォン!!
流牙「おう!」
斬月が猛竜に渡したのはサクラハリケーンのロックシード。
ローズアタッカーと同じバイク型のロックビークルだ。
猛竜「よっしゃあ、バイクなら任せろ!莉杏、乗れ!ギンギンに行くぜ!」ブォォォン!!
莉杏「ギンギンってあんた何言ってんの、猛竜?」
ザック・鳳蓮・城之内「「「…え、俺(ワテクシ)達は…?」」」
72: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 22:32:22.42 ID:RwDI/SYv0
〜沢芽市上空〜
哀空吏「くっ!もっとスピードは出ないのか!?」キイイイイン!
龍玄『無茶言わないで下さい!元々一人乗りなんですよ、コレ!』キイイイイン
哀空吏「チィッ!」バシュッ!バシュッ!
悪態をつきながら矢を射る哀空吏。
だが慣れない空中戦とスピードの中では狙いを正確につけられず、なかなか矢が当たらない。
素体ホラー?「キシャアアアアア!!」ビシュン!ビシュン!
それを嘲笑うかのようにホラーは羽根を弾丸の様に飛ばして攻撃してくる。
龍玄『くぅ!』バババババ!
龍玄もダンデライナーに装備されているマシンガンで羽根を撃ち落とすが手数と、何より射撃と同時にライナーを操縦しなければならない為、全て捌き切れない。
哀空吏「ぐあっ!?」ガギン!
そして、捌き切れなかった内の一つが哀空吏の方に飛んでいった。
間一髪防御は間に合ったものの、高で飛ぶダンデライナーの上だったのが災いし、哀空吏は振り落とされてしまう。
龍玄『しまった、哀空吏さん!!』グッ、キイイイイン!
73: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 22:37:31.97 ID:RwDI/SYv0
慌てて進路を変更する龍玄とは対照的に、哀空吏はこの時、不思議なほど落ち着いていた。
哀空吏(何故だろう…こんな状況なのに、今俺の心は水面の様に静かだ…)ビュオオオオオ
流牙「――――――――!!」
ふと下を見るとバイクの後ろに乗った流牙がこちらを見ながら叫んでいる。
風を切る音がうるさくて流牙の声は聞こえないが、大方自分の名でも呼んでいるのだろう。
哀空吏(そうか…似ているんだ、あの時と)
思い出したのはボルシティでの最終決戦。
殺戮の闘将とも呼ばれた伝説のホラー、ゼドムに囚われた流牙を救うため、哀空吏は浮上し安定しない足場と落ちてくる瓦礫の二つの障害を、極限まで張り詰めた集中力と、楠神の家紋が刻まれたソウルメタルの鏃付きの矢を用いて乗り越え、文字通りゼドムに一矢報いたのだ。
哀空吏(あの時と同じ…いや、あの時よりも、簡単だ!)グルリグルリ!
哀空吏「俺は…俺の名は楠神哀空吏!」
自らの左右に魔戒弓で円陣を描き、鎧を召喚する哀空吏―――否!
ガイ『そして俺は!天弓騎士ガイだ!』キリキリキリキリキリ!
74: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 22:39:28.65 ID:RwDI/SYv0
ガイ(この一撃に、賭ける!)
例えソウルメタルの鏃でなくても!
狙うはあのホラーただ一つ―――!
ガイ『―――見えた!今だァ!』バシュウウウウウン!
ガイが放った矢は―――!
75: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 22:43:10.28 ID:RwDI/SYv0
龍玄『哀空吏さん!大丈夫ですか!?』
空中で何とか哀空吏を拾い上げた龍玄。だが緊張の糸が切れたのか、ガイの鎧は強制解除され、彼自身も意識を一瞬失っていた。
哀空吏「くっ、うぅ…呉島、光実か…奴は、どうなった…?」
龍玄『…』スッ
龍玄が指差した先を見ると、矢によって翼を含めた背面をもがれ、瀕死で地上へ落下するホラーの姿があった。
哀空吏「やはり…仕留めきれなかったか…」
龍玄『いや、あれだけのダメージだし放っておけば、奴もすぐに消滅するでしょう。それに…』カチャ
龍玄が取り出したのは、ホラーに奪われたキウイロックシードだった。
龍玄『これも取り戻せましたし』
哀空吏「…全く、ちゃっかりした奴だ…」
76: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 22:53:17.59 ID:RwDI/SYv0
龍玄の抜け目なさに呆れながらも、微笑む哀空吏。そして。
哀空吏「すまなかった。何故か俺は、お前達兄弟に好感が持てず、その苛立ちをぶつけてしまった…」
哀空吏「…全て俺のせいだというのに…」
彼は心に秘めていた思いを吐露し、謝罪を述べた。
彼の笑顔と謝罪の言葉を目の当たりにした時、光実の中にあった哀空吏への苦手意識は完全に消えてなくなった。
光実(やっぱりこの人は戦極凌馬とは全然違う…)
光実(そうだ、当たり前だ。戦極凌馬は戦極凌馬。哀空吏さんは哀空吏さんなんだから)
哀空吏「…光実、俺はもう大丈夫だ。奴を追うぞ」
龍玄『えっ?でも奴は倒したはずじゃ…』
哀空吏「いや、俺の考えた仮説が正しければ奴は生きている。それを確かめるためにも奴を追ってくれ」
77: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 22:56:07.46 ID:RwDI/SYv0
〜同時刻・ホラー落下地点〜
素体ホラー?「キシャアアアアア!!」ガキィン!
猛竜「クソったれがあ!コイツは哀空吏の矢をモロに受けたろうが!何で生きてやがるんだ、よぉ!!」ザンッ!
ホラーの爪を柳葉刀で弾き、返す刀でホラーを叩き斬る猛竜。
渾身の一撃が決まったかに見えたが。
素体ホラー?「キ…シャアアアアア…!!」ジュクジュクジュク!
斬月『傷が…癒えてるだと!?』
猛竜「んな馬鹿な!?」
ザルバ『…もしや奴は!』カチカチ
流牙「ザルバ、何かわかったのか!?」
78: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 23:05:39.10 ID:RwDI/SYv0
ザルバ『…俺様の勘だがな、流牙。恐らく奴はホラーと別の物が混じった存在だ』カチカチ
流牙「別の物…それって一体…?」
ザルバ『恐らくかつてこの街を襲った化け物、インベスとかいうやつだろう』カチカチ
斬月『…そうか、それなら全ての現象に説明がつく!』
流牙「な、つまりどういうことだよ!ちゃんと説明をーーー」
素体ホラー?「キシャアアアアア!!」
莉杏「もう回復した!?」
斬月『説明は後だ!道外、俺が時間を稼ぐから今はコイツを倒す術を考えろ!はぁぁぁ!』キィン!ジャキィン!ズバァッ!
メロンディフェンダーでホラーの攻撃を捌きながら無双セイバーで斬りつける斬月。
だが斬月の攻撃をもってしてもホラーの傷は回復してしまう。
79: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 23:09:14.66 ID:RwDI/SYv0
猛竜「くそっ!魔戒騎士でもダメ、アーマードライダーでもダメ!こんな奴、どうやって倒せばいいんだよ!?」
狼狽する猛竜だったが、その時。
ガイ『ふん、簡単なこと。どちらか一方ずつがダメなら、どちらも叩き込めばいい話だ!』キィン!シュバッ!
龍玄『兄さん、離れて!』バキューン!
斬月『光実!?はあっ!』シュバッ!!
躱しざまにメロンディフェンダーのブレード部分で斬りつけ、ガイと龍玄の同時攻撃を援護する。
そして。
80: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 23:10:57.15 ID:RwDI/SYv0
素体ホラー?「ギャ…ギャアアアアア!!!!」
それまでどんな攻撃を受けてもすぐに傷を癒していたホラーが腹の底からの悲鳴を上げた。
莉杏「傷は…癒えてない!」ガッツ!
ザルバ『よし、今だ流牙!』カチカチ
流牙「おう!行くぜぇ!」バッ!グルッ!シャッ!
ザルバの合図とともに陣を描き、牙狼の鎧を召喚する流牙。
猛竜「よっしゃあ!俺も!ゴーカイチェン…じゃなかった!」ガッ!キィィィィ!グルッ!
続いて猛竜も地面に柳葉刀を当て、火花が散るほど激しく、そして大きな円を描く。そこから炎の様に真っ赤な鎧が現れ、猛竜の身体に装着される。
81: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 23:15:28.31 ID:RwDI/SYv0
ゼン『うりゃあ!このへっぽこハイブリッド野郎!手こずらせてくれた分、徹底的にやってやるぜ!』ズバァッ!
斬月『フッ!』ピピッ!バキュバキュバキューン!
ゼンが切り裂いた箇所に的確に無双セイバー・ガンモードの銃撃を浴びせる斬月。
龍玄『この状況なら!』ガチャ!キウイ!ロックオン!ハイー!
龍玄『やぁぁぁ!』キウイアームズ!撃・輪!セイ!ヤッ!ハァッ!
龍玄もキウイアームズにチェンジし、接近戦を挑む。
牙狼『はぁ!でりゃあ!』ザンッ!ズバァッ!
龍玄『ハッ!ヤァッ!』キィン!ズバッ!
今度は牙狼が牙狼剣で斬り、間髪入れず龍玄がキウイ撃輪で連撃を叩き込む。
素体ホラー?「グッギャアアアアア!!!!」
莉杏「反撃なんて!」バンバンバン!
ガイ『させるものか!』シュバッ!シュバッ!
反撃の隙を与えまいとガイの矢と莉杏の魔戒銃がホラーの腕を、足を、翼を撃ち抜く。
82: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 23:21:52.93 ID:RwDI/SYv0
斬月・龍玄『『これで!』』カシャン!キウイ・メロンスカッシュ!
エネルギーを纏ったメロンディフェンダーとキウイ撃輪をホラーめがけて投げつける!
素体ホラー?「グアアアアア!!」ズババンッ!ズババンッ!
莉杏・ガイ「『トドメ!』」バババババ!シュイイイン!バシュウウウウウン!
素体ホラー?「グアアアアア!!」バババババ!ズバズバズバズバッ!!
莉杏の魔戒銃の全弾、ガイの烈火炎装を纏った大量の矢がホラーに直撃する!
牙狼・ゼン『『終わりだぁ!』』ザンッ!ズバァン!!
ゼンと牙狼の烈火炎装で強化された魔戒剣がX字にホラーを斬り裂き、その炎がホラーとその陰我を焼き尽くす!!
素体ホラー?「グギャアアアアア…ア゙ア゙…」シュウウウウ…
牙狼『…ザルバ』
ザルバ『ああ、完全に奴の邪気は消滅したぜ。やったな!』カチカチ
83: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 23:22:51.30 ID:RwDI/SYv0
〜夜が明けて、シャルモン二号店〜
鳳蓮「さあ、皆さーん!今日はお祝いよー!ドンドン食べてってちょうだーい!」ギャンギャンギャーーーン!
城之内「俺も鍛えた腕を存分に振るうぜ!」ネバーギーブアーップ!
猛竜「イエーイ!そう来なくっちゃあ!」パクパクパクパク!
ザック「有り難く頂くぜ!」モグモグモグモグ!
莉杏「ん〜!美味しい〜!幸せ〜!」モグモグ!
84: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 23:24:43.29 ID:RwDI/SYv0
流牙「…あれ?貴虎は?」モグモグ
光実「兄さんはモグあそこですモグモグ」
貴虎『―――』フッ…
葛葉晶『―――』ウフフ
流牙「モグモグ…誰?」
光実「葛葉晶さん。モグ…ゴクン僕達の恩人、葛葉紘汰さんのお姉さんで、今は兄さんの恋人」
流牙「モグモグへえ…ええええっ!?」
光実「因みにもうすぐ結婚するって。式場も日取りも決まってます」モグモグ
流牙「ま、マジで…?貴虎も意外と隅に置けないんだな…」
85: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 23:28:13.49 ID:RwDI/SYv0
光実「ええ、僕もびっくりしてます。あれ?そう言えば哀空吏さんは?」
哀空吏「ここだ」モグモグ
光実「うわぁ!?」
哀空吏「何だ、お前が呼んだから答えただけだろう」モグモグ
光実「は、はい。すいません」
流牙(ん?気のせいか、哀空吏の表情が柔らかいな。…はっはーん)ニヤニヤ
哀空吏「…何をニヤニヤしている、流牙」
流牙「いーや?別に何にもー?」
哀空吏「…全く、全員甘いな」
猛竜「スイーツだけにってか?ハッハッハッ!」
ザック「おお!猛竜うまい!」
猛竜・ザック「「スイーツだけにってか?ハッハッハッ!」」
哀空吏「…誰かこのバカコンビをつまみ出せ!」プンスコ!
光実「…えっと、それで、哀空吏さん、甘いって言うのは?」
哀空吏「…そもそもあのホラーは今回の事件の末端に過ぎん。俺の仮説が正しければ、この件には黒幕、元凶がいるはずだ」
86: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 23:33:18.02 ID:RwDI/SYv0
哀空吏が仮説を口にした直後。
???『大当たりィ!!流石だ、魔戒騎士ィ!』
全員「「「「「!!??」」」」」
謎の声が店内に響き渡った。
流牙「だ、誰だ!?どこにいる!?」シャキン!
光実「この声、まさか!?」
???『久しぶりだなぁ!沢芽シティの諸君!そして初めまして、魔戒騎士の諸君!』
???『俺は誰かって!?ノンノンノン!知らないとは言わせないぜぇ!』
貴虎「このふざけた喋り方、間違いない!」
???『そう、この街の元カリスマァ!みんな大好き、DJサガラァ!そしてまたの名を〜!!』
―――ヘルヘイム。
87: ◆itI4PnCkd2 2015/01/27(火) 23:35:21.83 ID:RwDI/SYv0
BGM:一触即発〜Trigger of Crisis〜次回予告ver.
莉杏「突き止めた根源。暴かれた深淵。そこに挑むは無謀か勇気か」
舞「次回、【讐〜Revenge〜】」
貴虎「俺の大切なモノ、何一つ奴には渡さん!」
94: ◆itI4PnCkd2 2015/01/28(水) 23:17:02.16 ID:F9kHtrTB0
【前回までのあらすじ】(CV大塚〇忠さん)
霊体となった戒斗からヒントを受け光実との共闘を決意した哀空吏。
一方、流牙達は罠を仕掛けホラーを誘き寄せるが、隙を突かれキウイロックシードを奪われてしまう。
駆けつけた哀空吏も合流、アーマードライダーと魔戒騎士の連携攻撃で見事ホラーを撃破する。
勝利に浮かれる流牙達の前に、再びあの男が姿を現した―――!
95: ◆itI4PnCkd2 2015/01/28(水) 23:19:50.75 ID:F9kHtrTB0
【讐〜Revenge〜】ドドン!
貴虎「サガラ…いや、ヘルヘイムと呼ぶべきか?」
サガラ『呼び方に関しては俺はこだわらんよ。好きに呼べばいい』
貴虎「…ではサガラ。何故今になってまた姿を現した!?」
サガラ『おーっと、その前に、魔戒騎士の面々に挨拶させてくれ〜?』
ホログラムの様な姿で流牙達の前を通り過ぎるサガラ。
サガラ『改めて初めまして、魔戒騎士の諸君。俺はサガラ。人によってはヘルヘイムと呼ぶ奴もいる』
流牙「ヘルヘイム…光実達から聞いてたけど、異世界から侵食してくる森…」
サガラ『そして俺はその森の意志そのもの。あるときは蛇とも呼ばれていた事もあったがな』
猛竜「けど、ミッチ達はその森の侵略を乗り越えたんだろ!?貴虎の言う通り今更何で現れたんだよ!?」
哀空吏「まさか再び侵略でも企んでいるのか?」
サガラ『いや、この種族は森の試練を乗り越え、俺もその役目を果たした。今更どうこうしようって訳じゃない』
莉杏「じゃあ何をしに…?」
96: ◆itI4PnCkd2 2015/01/28(水) 23:21:47.98 ID:F9kHtrTB0
サガラ『ああ。一つ頼み事をしにな』
光実「頼み事…だと…?ふざけるな!人の世界を侵略するアンタが何をいけしゃあしゃあと!」
サガラ『いや、そう言われると痛いんだがな?俺の頼み事ってのはこの街の異変を解決するのにも直結してるんだよ』
ザック「この街の異変…。それって!」
鳳蓮「ホラーのことかしら?」
サガラ『Exactly!正解だ!そしてあのホラー、実はある場所からこの街に出現している』
流牙「…ユグドラシルタワー跡地…?」
サガラ『少し惜しいな!正確にはあそこにある—――』
貴虎「…まさか、人造クラックが開いていると言うのか!?」
サガラ『Perfect!』
貴虎「馬鹿な!ユグドラシルタワーはとっくに解体作業が終わっている!!クラックルームも解体してーーー」
サガラ『おいおい忘れたのか?クラックは空中にでも開くじゃないか』
光実「つまり、元々人造クラックがあった場所にまたクラックが開いてるってこと…?」
サガラ『ああ、それも夜間限定でな』
97: ◆itI4PnCkd2 2015/01/28(水) 23:27:31.04 ID:F9kHtrTB0
ザルバ『なるほど。そのクラックとやらの向こう側にゲートとなる存在があるってわけか。妙な感じがしたわけだぜ』カチカチ
流牙「じゃあホラーはヘルヘイムの森から出現しているってわけか?」
サガラ『その通り!流石だな、魔導輪ザルバと黄金騎士牙狼!』
哀空吏「じゃあ俺の仮説、あのホラーには発生源とも言える元凶がいるというのは」
サガラ『大正解だ!素晴らしいッ!僅かなヒントから良くその答えを導き出した!』
猛竜「ああっと…?つまりどういうことだよ哀空吏?」
哀空吏「…全く。…奴らが発生するのはヘルヘイムの森。ここまではいいな?」
猛竜「お、おう。その位はな?」
哀空吏「では本来ホラーは一体どうやって出現する?」
猛竜「そりゃあお前、ゲートとなるエレメントを介して…あ」
莉杏「そうか、そもそもヘルヘイムには陰我あるエレメントが存在してない!」
ザルバ『仮に存在していたとしても喰らう対象である人間がいないんじゃあそこをゲートにする必要は皆無だしな』カチカチ
哀空吏「ああ、だからこそ俺は奴らを生み出す存在、元凶がいると仮定したんだが…」
98: ◆itI4PnCkd2 2015/01/28(水) 23:36:02.04 ID:F9kHtrTB0
ザック「だけど、クラックは?いくらインベスと混じってるからって、ホラーにクラックを開く力があるとは思えないぞ?」
猛竜「ちょ、ちょい待ち!まず、そのクラックってのは何だ?」
貴虎「…クラックはヘルヘイムとこの世界を繋ぐ空間の裂け目だ。インベスはそこを通り抜けてこの世界に現れていた」
貴虎「そしてかつてユグドラシルタワーの最上階にはそれを強制的に開いた人造クラックがあった…」
哀空吏「あった、とは?」
光実「ユグドラシル解体と、葛葉紘汰と言う人のおかげでクラックは一年程前に全て消滅したんです」
流牙「…二人とも随分詳しいんだな」
貴虎「…私はかつて、ユグドラシルコーポレーションの、そしてプロジェクト・アークの主任だった男だからな」
貴虎は語り出した。
ユグドラシル時代の罪、弟・光実とのかつての確執、そしてその全てを葛葉紘汰によって救われたことを。
莉杏「貴虎さんの過去に、そんなことが…」
光実「…僕も自分の欲望や感情のままに行動して兄さんや沢山の人達を傷つけてしまいました」
光実もまた自分の罪を告白する。
オーバーロード・レデュエに利用され、人類を裏切ったこと、貴虎を瀕死まで追い詰めてしまったこと。
戦極凌馬に騙され、仲間であった紘汰をも手にかけてしまったこと。
そしてその全てを、散々裏切り傷付けた紘汰自身に許してもらったことも。
猛竜(こいつらよくホラーに食われなかったな…)
流牙「…光実達の罪はわかった。だけど俺達にはあんた達を裁いたり責める権利もそんなつもりもないよ」
流牙「それに、今こうして俺たちと一緒にホラーに立ち向かってくれてるしね」
光実「流牙さん…」
99: ◆itI4PnCkd2 2015/01/28(水) 23:37:55.01 ID:F9kHtrTB0
貴虎「道外…ありがとう…」
流牙(それにしても、葛葉紘汰、か。話には聞いていたがすごい男だったんだな。一度会ってみたいぜ)
サガラ『いい感じに落ち着いたところで、話を戻そうか』
鳳蓮「確か、ヘルヘイムに現れたインベスとの混合ホラーがどうやってこちらへ来ているかでしたっけ?」
城之内「…クラックを開けれる…オーバーロードの生き残り、とか?」
サガラ『いや、フェムシンムの民は間違いなくロシュオが死に絶えたことで滅亡した。まあ近いっちゃ近いがな』
光実「…コウガネ…あのイナゴがまだ生きてる、とか」
サガラ『それも違う。があるいは正解とも言えるな』
流牙「?正解なのに、間違ってる?」
サガラ『ああ、コウガネのイナゴには人間に憑依する能力があったのを覚えているか?』
鳳蓮「ええ、一度女の子に取りついてたってのはミッチから聞いたわ」
猛竜「じゃあそのイナゴが誰かにまた憑いて、そいつがあのホラーを生み出してるってことか?」
サガラ『んー、70点ってとこだな。確かにコウガネの力は加担されているが、問題は誰に取り憑いたかってとこだ』
100: ◆itI4PnCkd2 2015/01/28(水) 23:41:18.48 ID:F9kHtrTB0
貴虎「だが、あの森にもう人間など…」
サガラ『いいや、たった1人。たった1人だけだがあの森に人間が存在したのさ』
サガラ『それを知っているのはこの場に2人』
哀空吏「2人?」
サガラ『そしてソイツの狙いは2つ。お前さん達アーマードライダーへの復讐』
サガラ『もうひとつはヘルヘイムで新たに出現した黄金の果実を手に入れることだ』
貴虎「…復讐だと?その元凶とやらがまるで俺達に恨みでもある奴みたいな言い方だな」
サガラ『それに関しちゃ恨みというより逆恨みだがな』
ザック「何だよ!もったいぶりやがって!二人って誰のことだ!?」
サガラ『…お前さん達だよ、呉島貴虎、呉島光実』
貴虎「何?」
光実「僕らが?」
サガラ『まあ、その最期を間近で見たのは呉島貴虎だけだが。よーく思い出してみろって』
光実「僕達だけが知ってる、ヘルヘイムに踏み入った人間…」
貴虎「俺だけが最期を見た人間……はっ!まさか!?」
サガラ『気付いたようだな?』
101: ◆itI4PnCkd2 2015/01/28(水) 23:50:03.38 ID:F9kHtrTB0
貴虎「いや、しかし…そんなバカな話があるか!奴はあの時確かに!」
サガラ『ロシュオもそう思ってたんだろうな。だが幸か不幸か、奴は偶然死ぬ直前にコウガネのイナゴの一匹に憑依され、生き残った』
サガラが両手を広げると、右手にかつてのオーバーロードの王ロシュオが、左手にはコウガネとイナゴの大群がホログラムで現れる。
サガラ『葛葉紘汰によってコウガネが倒され、残された一匹に寄生されていた奴も力を失ったイナゴと共に今度こそ死に行くはずだった』
今度は両手を握ると同時に両方が砂のように崩れ去る。
サガラ『だけど、運命ってのはホントに悪戯が好きらしい。そいつの持っていたあるものが、ゲートとなってホラーを呼び寄せたのさ』
再び左手を開くと一匹だけとなったイナゴが映し出された。
猛竜「…ああああ!もう、イライラするぜ!いい加減その元凶ってのが誰なのか明かしやがれってんだぁ!」
光実「…兄さん、もしかしてその人間って?!」
貴虎「…奴の名は、士道常勒(しどうじょうろく)。私の元部下で、この街にロックシードをばらまいていた人物」
貴虎「…皆には錠前ディーラーシド、と言った方が分かり易いか」
102: ◆itI4PnCkd2 2015/01/28(水) 23:56:50.66 ID:F9kHtrTB0
今日はここまでです。
因みにシドの本名は>>1の完全な妄想です。
士道=シド、常=錠、勒=LOCK、みたいな感じで考えました。
次回、Bパートは明日の更新になります。亀更新ですいません。
ではまた。
104: 以下、

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Z武さん不倫

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女の子12000人買春のニュース流しすぎやろ

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