【艦これ】艦娘は、命がけより心がけback

【艦これ】艦娘は、命がけより心がけ


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1:
加賀「っち……何をするのかしら五航戦」
瑞鶴「あいたたぁ……そっちがぶつかってきたんでしょ!」
加賀「演習とはいえ私の動く先にいたのが悪いわ」
瑞鶴「それはこっちの台詞よ!あの位置だったら私が攻撃した方がよかったでしょ!」
加賀「見ていなかったの?私がフォローを入れなければ敵に逆にカウンターを受けていたはず……っ痛……」
瑞鶴「ちょ、大丈夫?」
加賀「結構強く当たってしまったようね……」
瑞鶴「確かに私も中破くらいのダメージは受けちゃったかも……」
提督「大丈夫か!?」
瑞鶴「提督さん……うん、大丈夫かな」
加賀「大丈夫ではないわ。全く面倒な事をしてくれて……」
2:
提督「まぁそう言ってやるな。じゃあとりあえず行って来い」
加賀「はぁ……仕方ありません。行ってきますね」
提督「ああ、書類は俺が出しておくからその辺は任せろ。じゃあな」
加賀「ありがとうございます。お気をつけて」
瑞鶴「書類?何のことかわからないけど入渠なら私も……」
加賀「はぁ?何を言っているの?」
瑞鶴「え、だって傷を受けちゃったし」
加賀「傷なんて演習だから大したことないわ」
瑞鶴「なら何処へ……」
加賀「教習所よ」
瑞鶴「は?」
加賀「教習所。艦娘なら当たり前なのにそんなことも分からないの?」
3:
?何処かの山奥?
瑞鶴「教習所って何!?何のこと!?」
加賀「あなた、私をからかっているのかしら?艦娘になる前に必ず取得しているはずだけれど」
瑞鶴「知らないってば!」
加賀「嘘でしょう?」
瑞鶴「本当ですって!」
加賀「……あなた、死刑になってもおかしくないわ」
瑞鶴「ええ!?」
加賀「むしろ免許なしでどうやってなったのかしら」
瑞鶴「えーっと……その辺は全部翔鶴姉に任せちゃったからわかんない……」
加賀「……帰ったら姉の方に尋ねておく必要があるわね」
瑞鶴「一体何したの翔鶴姉!?」
4:
加賀「まぁ艦娘になっている以上登録はされているはずだし免許状を失くしたと言えばバレないでしょう」
瑞鶴「免許状!?そんなのあるの!?」
加賀「これよ。私はずっと安全な航海に勤めていたからゴールド免許だったのに……」
瑞鶴「ちょっと理解が追い付かないんですけど……」
加賀「もう少し賢くなりなさい。さて、もうすぐ教習所に着くわ」
瑞鶴「ていうか艦娘の免許っていうんだったら普通海沿いにあるもんなんじゃないの?」
加賀「ここには私の知り合いがいるから色々融通が効くの。ほら、あれよ」
瑞鶴「あーあのボロイ建物?」
加賀「年季があると言いなさい。あそこは数多くの有名な艦娘を輩出してきた超エリート校よ」
瑞鶴「へぇ……見かけによらないもんね」
5:
?教習所受付?
加賀「すみません」
大和「あら加賀さん、久々ですね」
加賀「ええ、私が艦娘になった時以来かしら。あの時はお世話になったわ」
大和「加賀さんより優秀な卒業生をまだ見たことないですよ。それで、今日はどのようなご用事で?」
加賀「この子の免許の再発行をお願いしたいのですが」
瑞鶴「大和さん!?なんでこんなところに……」
大和「?会ったことありましたっけ?」
瑞鶴「だって毎日うちの鎮守府で……」
加賀「それは私達の鎮守府の大和であってこっちの大和さんは別人よ」
大和「ああ、そういうことでしたか。ですがそういうことを知らないのは珍しいですね」
瑞鶴「えっ?えっ?」
6:
加賀「ごめんなさいね、この子新人で勝手がわからないの」
大和「そうでしたか。それで、免許状の再発行でしたっけ?」
瑞鶴「え、あっはい」
大和「えーっと、貴方の艦名、所属鎮守府、提督の名前を教えてください」
瑞鶴「チョメチョメ鎮守府所属の瑞鶴です。提督さんの名前は『禁則事項』です」
大和「ふむふむ……おかしいですね、そこの鎮守府には瑞鶴という艦娘はいないはずですが……」
瑞鶴「えっ、そんなはず……」
加賀「チッ……大和さん、ちょっと奥へ……」
大和「なんでしょうか加賀さん……」
加賀「コレデナントカ……」
大和「ホゥ、オヌシモワルヨノウ」
加賀・大和「あっはっはっは!!」
瑞鶴「今札束渡さなかった!?」
7:
加賀「何のことかしら」
大和「世の中には知らない方がいいこともあるのですよ」(戦艦の眼光)
瑞鶴「わ、分かりました……」
大和「瑞鶴さん、さっきは見落としてました。登録を確認しましたので再発行の手続きを行いますね?」
瑞鶴「はい」
加賀「私も事故を起こしてしまったので減点ね」
大和「いえ、加賀さんの減点は誤魔化しておきますよ」
加賀「あら、ありがたいわ」
大和「あれだけもらったらお返しはこれでも足りないくらいです。最近も食欲が有り余ってましてね」
加賀「私もです。美味しいものはたくさん食べたいですからね」
瑞鶴(突っ込むのはもうやめよう)
8:
加賀「じゃあ私は見ているだけだから頑張ってね」
瑞鶴「わかった。でも見た感じ書類書くだけなんじゃ」
加賀「いいえ、今から行うのは実習よ」
瑞鶴「実習?なんのよ」
加賀「やればわかるわ」
大和「お待たせしました。では行きましょうか」
瑞鶴「行くってどこに……」
大和「地下の訓練施設です」
9:
?教習所地下?
瑞鶴「うわぁ、地下にこんな大きなプールが……山にあったのはこういう理由だったのね」
大和「さて、取り敢えず艤装を展開して水に入ってみてください」
瑞鶴「艤装って……ここに私の艤装はないじゃないですか。それに設備もないのにどうやって装着するの?」
加賀「ああ、そこからなの……」
大和「骨が折れそうですね」
瑞鶴「??」
大和「えー、まず利き腕を突きだしてみてください」
瑞鶴「はい」
大和「次にこう……グッと力をこめてサッと手を横薙ぎに払うと……このようにシャンッと光と共に艤装が出てきます」
瑞鶴「ちょっと全然分かんないです」
10:
加賀「あんな間近で見てわからないの?こう、グッとやってサッと払ってシャンッよ」
大和「流石ですね加賀さん。私よりスムーズだなんて」
加賀「そんなことありませんよ」
大和「さあ瑞鶴さんもやってみて」
瑞鶴「えぇ……」
加賀「某鍵剣を想像するとやりやすいわ」
瑞鶴「わかんないわよ!」
大和「これが出来ないと急な襲撃に対応できませんよ?ちなみに免許取得まで帰れませんからね」
瑞鶴「もう!やればいいんでしょ!……腕を突きだして、払って……やっぱり無理じゃない!」
大和「加賀さん、今のはどう思います?」
加賀「そうね、まず突き出した腕がまっすぐ伸びていないわ。それに手の先もだらんとしている」
大和「ええ。そして横薙ぎの早さも全然足りていません。これでは卒業までほど遠いでしょうね……」
11:
加賀「なにしてるの?早くもう一回やるのよ」
瑞鶴「??っ!!アンタたちの説明が下手なのよ!!」
大和「では一緒にやってみましょうか。まずグッと腕を突きだしてください」
瑞鶴「…………」グッ
大和「指と掌は何かをつかみ取るような感じで」
瑞鶴「…………」ガッ
大和「いいですね。次は風を切る様に思いきり斜め下に腕をブンッと振る!」
瑞鶴「はぁっ!!」ブンッ……シャンッ!
大和「できましたね!呑み込みが早くて助かります!」
瑞鶴「本当にできるんだ……だったらいつも使ってるあの大げさな装置はなんなのよ……」
大和「あれは本来駆逐艦の子たちみたいな艤装をうまく展開できない子用のサポート器具です」
加賀「いわば補助輪ね。あなたはさっきまで補助輪の三輪車だったのよ?恥ずかしくないのかしら」
瑞鶴「うっさいわ!」
12:
大和「さて、艤装も展開しましたし水に入ってください」
瑞鶴「はーい」ザブン
大和「はいやり直し」
瑞鶴「え?」
加賀「え?じゃないわ。水に入る前に安全確認をしてないじゃないの」
瑞鶴「あ、安全確認……?」
大和「まず水に入る前に左を見て、それから右、最後に後ろを確認。これを行ったうえで水に入るのが常識です」
瑞鶴「そんなの皆やってないじゃない!」
加賀「馬鹿ね、この作業は目にもとまらぬさで皆やっているのよ」
大和「一連の動作を0.01秒で出来て合格ですね」
瑞鶴「そんなの出来るわけ……」
大和「では私が手本を……」ザブン
加賀「完璧ですね」つハイスピードカメラ
瑞鶴「本当にやってるし……」
13:
大和「慣れれば簡単です。瑞鶴さんは先ほどの艤装の展開もすんなりできたので筋はいいはずですしすぐ出来ますよ」
加賀「そうね、私もそこは否定しないわ」
瑞鶴「ふ、ふーん、だったら頑張っちゃおっかなー?」
加賀・大和(チョロい)
瑞鶴「翔鶴型の馬力……舐めんじゃないわよ!」ヒュッ、ザブン
大和「ブラボー!おおブラボー!一回でやってのけるなんて!」
加賀「ふむ、これは五航戦の評価を見直す必要がありそうね……」
瑞鶴「何故だか全く嬉しくないわ……」
大和「それじゃ実務は合格ですね」
瑞鶴「早くない!?戦闘とかは!?」
加賀「戦闘の仕方は誰にでも癖があるものよ」
大和「ええ、個人個人の素質を尊重するのが優先なのです」
瑞鶴「……何か不安だなぁ」
大和「私の見てきた卒業生では、駆逐艦は海上でスライディングして股下を抜けて撃ちまくったり、またとある重巡は眠りながら戦う睡眠拳、軽空母は酔拳を独自に編み出していたりします」
加賀「私は曲射を編み出したわ。まぁこれは鳳翔さんや赤城さんも出来るのだけれど」
瑞鶴「己の小ささを実感した気がする……」
14:
?教習所個人用教室?
大和「次は学科ですね」
瑞鶴「学科もあるんですか……」
加賀「当然でしょう。戦闘には頭脳だって必要なの」
瑞鶴「そう言われてみれば……じゃあお願いします」
大和「わかりました。では口頭で問題を出すので○か×かで答えてください」
瑞鶴「了解です」
大和「第一問題、『深海棲艦に遭遇しました。相手が動き出す前に攻でカタを付けるべきだ。○か×か』」
瑞鶴「そんなの○に決まってるじゃない」
加賀「愚かね、答えは×よ」
大和「深海棲艦と遭遇したらまずはお互い名乗り出て挨拶をします。それが終わったら戦闘を開始します。なおこれを破った場合深海棲艦はフラグシップ改となって後日復活します」
加賀「ちなみにこの行為は川内が最も得意ね」
大和「さすがNINJAですね。深海棲艦側もそのあまりに美しいアイサツに沢山のファンがいるとか」
瑞鶴「頭が痛い……」
15:
大和「さて第二問、『艦娘側の空母は夜戦でも攻撃を行うことが出来る』」
瑞鶴「……×?」
大和「正解です。まぁ基本中の基本ですね」
加賀「もっと回答するときは自信を持ちなさい」
瑞鶴「誰のせいだと思ってんのよ」
大和「第三問、『うっかり自艦隊の子が持っていた装備を自分に付け替えても問題ない』」
瑞鶴「○」
加賀「そうね。私も友永隊をよく拝借しているわ」
瑞鶴「流石46スロット……」
16:
大和「第四問、『攻撃するときは必ず自艦隊の上から順にしなければならない。ただし空母が艦戦特化で最初から攻撃不可能な場合などを除く』」
瑞鶴「○」
大和「第五問、『戦艦は、駆逐艦取扱い免許を取得している場合、敵駆逐艦を優先的に攻撃することが出来る』」
瑞鶴「○」
大和「第六問、『空母は艦攻・艦爆がないと絶対に攻撃できない』」
瑞鶴「○」
大和「残念、×です」
瑞鶴「そんな馬鹿な……」
加賀「艦娘が出来たばかりの頃、空母は砲をガン積みしてても攻撃可能だったという伝承が残っているわ」
大和「今は失われた技術ですが、絶対にできないなんてことはないのですよ。もしかしたら両手を合わせてボーキサイトに触れたら艦載機に変化させれる艦娘もいるのかもしれません」
瑞鶴「錬金術!?」
加賀「ありえない、なんてことはありえない」
大和「第七問、『艦娘は提督を自由に扱ってもよい』」
瑞鶴「…………×」
加賀「……この問題は出題ミスね。『ただし提督が本気で拒絶した場合のみ第三者の協力を得て対象の艦娘に制裁を行うことが出来る』という文が抜けているわ」
大和「そうみたいです。まぁこれに関しては実際には答えなんかありませんけど」
加賀「法律なんかじゃ提督との絆は縛れないわ」キリッ
大和「愛は、沈まない!」
瑞鶴「なにいい話にしようとしてんのよ」
17:
?(中略)?
こうして3人で教習所で寝泊まりし
語り合い友情を深め
時には意見の相異で争い
鍛えた技で勝ちまくり
仲間を増やして次の町へ
そしてなんやかんや学科の勉強を終わらせ、免許取得の最終試験の時がやってきた
18:
瑞鶴(戦闘中にトイレに行きたくなった場合は深海棲艦にタイム!と叫ぶことで5分間の猶予が与えられる……○ね)
瑞鶴(艦娘同士の恋愛は認められている……知るか!!勘で○!)
瑞鶴(開幕航空攻撃の際子供が飛び出してくるかもしれないため艦攻の威力は80%にしておくべきだ。ただし『威力落とせの標識』がない場合を除く……これ練習問題でやったわね、○)
瑞鶴(間違えて関係のない敵の家を破壊してしまったが責任はない……×。深海棲艦にだって権利はある)
瑞鶴(入渠中に暇でタオル創作アートを作り過ぎてしまった場合、一つにつき間宮券1枚の罰則が科せられる……×。間宮券ではなく伊良湖券よ、騙されないわ)
瑞鶴(最終問題……中破しても攻撃できるが空気を読んで黙って立ちすくんでおくべきだ……○ッ!)
大和「……はい、時間です!筆記用具置いて下さい!」
加賀「結果はこの後すぐにモニターに出すから待っていて頂戴」
瑞鶴(やりきった。あとは黙って待つのみね……)
19:
大和「では結果を出します」
瑞鶴「…………」ドクン……ドクン……
瑞鶴「私の番号は……!!あった!!」
大和「おめでとうございます!!」
瑞鶴「やったああああああ!!」
加賀「ふふ、よく頑張ったわね」
瑞鶴「加賀さん……ありがとうございます」
大和「これでお別れですね……今までお疲れ様でした」
瑞鶴「はい、本当にお世話になりました」
大和「困ったらいつでも来ていいですよ。私はいつでもここにいるから」
瑞鶴「はい!是非!」
20:
加賀「では帰りましょうか。久々の鎮守府だわ」
瑞鶴「はぁ、提督さん心配してるかなぁ……あっ」
加賀「何?」
瑞鶴「そういえばどうして加賀さんは私に付き合ってくれたの?自分の免許はもう問題なかったから帰ってもよかったのに」
加賀「これでも貴方たちのことは心配しているの。失敗を見て愉悦……じゃないわ、一喜一憂するのもまた面白いしね」
瑞鶴「今不穏な言葉が聞こえてきた気がするけどまぁいいわ」
21:
?鎮守府?
加賀「ふぅ、帰ってきたわ」
瑞鶴「さっそく提督さんに報告よ!」
瑞鶴「提督さーん!ただい……ま」
提督「やめろ翔鶴!離せ!」
翔鶴「大丈夫です!私にお任せください!」
提督「やめろって言ってるだろ!俺の言うことが聞けないのか!」
翔鶴「一回ヤッてしまえばあとは気持ちいいだけですから!」
提督「おま、どこ触ってんだ!」
翔鶴「提督の子供のもとが出来る部分です!早くしないと瑞鶴たちがそろそろ帰って邪魔が……あっ」
瑞鶴「」
加賀「どうしたのかし……ら」
22:
翔鶴「瑞鶴!?こ、これは違うの!ちょっとマッサージをしようと……」
瑞鶴「うん、分かってる。とりあえず提督さんを開放して?」
翔鶴「ひっ……」
提督「よっと……助かったよ」
加賀「危ないところでしたね」
提督「全くだ……さて翔鶴、艦娘法第19条を言ってみろ」
加賀「艦娘は提督を自由に扱ってよい。ただし提督が本気で拒絶した場合のみ第三者の協力を得て対象の艦娘に制裁を行うことが出来る」
提督「ほう、流石だな加賀」
瑞鶴「と、言うわけよ翔鶴姉」
翔鶴「待って、待……」
瑞鶴「問答無用!私がどうやって艦娘の手続きをしたか辺りも含めてしっかり教えてもらうからね!」
加賀「攻撃隊、発艦」
提督「あまり派手には壊さないでくれよ?」
翔鶴「嫌あああああああああああああああ!!」
終わり
2

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