ジン「何をしている?」ウォッカ「魚料理のレシピを調べてやして」カタカタback

ジン「何をしている?」ウォッカ「魚料理のレシピを調べてやして」カタカタ


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1:
ジン「魚料理だと?」
ウォッカ「へい。北海道から帰ったら、バーボンのヤケ酒につきあってやろうって言ってたじゃないですか」
ジン「あぁ……そうだったな」
ジン「だが奴は、店の方が随分と忙しいようだったぞ」
ウォッカ「へい。兄貴が教えたオレンジのケーキがすげぇ好評で」
ウォッカ「自分も他のスタッフも、ゴールデンウィークまで休みが取れないって言ってやしたぜ」
ジン「……フン」
2:
ウォッカ「まぁ、一晩中飲み明かすのは無理でも」
ウォッカ「一緒に晩飯を食うぐらいなら、何とかなるんじゃねーかと思いやしてね」
ジン「なるほどな。バーボンは肉より魚が好きだから、魚料理を調べてたのか」
ウォッカ「へい。でも……」フゥ…
ジン「ん? 何か問題でもあるのか?」
ウォッカ「美味そうなメニューを見つけては、こうやってレシピを調べてるんですけどね」カタカタ
ウォッカ「俺の料理の腕じゃ、作れる自信が無いやつばっかりで……」
3:
ジン「そうか? 見た目は豪華だが、作り方は簡単な魚料理も多いぞ」
ウォッカ「え、本当ですかい!?」
ジン「あぁ。アクアパッツァなんて、その代表だ」
ウォッカ「アクアパッツァ……?」
ジン「魚介類をトマトやオリーブオイルなんかと一緒に煮込んだ、カンパニア州の料理だ」
ウォッカ「カンパニア州……って、どこでしたっけ?」
ジン「イタリアのナポリがある州と言えば分かるか?」
ウォッカ「あぁ、あの辺ですかい」
ジン「元々は漁師が船上で調理していた、南イタリアの漁師メシみてーなもんだからな」
ジン「作り方はとても単純だぞ」
ウォッカ「はぁ……」
4:
ジン「と言っても、メイン一品だけじゃあ寂しい食卓になっちまうな」
ジン「ウォッカ。何か他に食いたいものはあるか?」
ウォッカ「そうですねぇ……」
ウォッカ「イタ飯なら、やっぱりパスタがあると良いんじゃねぇかと思いやすけど」
ジン「フン……後はサラダとデザートでもあれば完璧だな」
ジン「せっかくだし、コルンも呼ぶか。四人分の方が作りやすい」
ウォッカ「お。それって女子会ならぬ、男子会ってやつですね!」
ジン「今夜七時にダイニングに来いと、あいつらにメールしとけ」
ウォッカ「へい!」ポチポチポチ
ピッ
ウォッカ「送信しやしたぜ、兄貴!」
ジン「よし。材料を買いに行くぞ。付いてこい」
ウォッカ「了解です!」
5:
――某イオン――
ウォッカ「今日も混んでますねぇ」
ジン「ここはシネコンも併設されてるからな」
ジン「ちなみに4月18日からは『名探偵コナン 業火の向日葵』も公開される予定だ」
ウォッカ「SSでもしっかり映画のPRなんて、さすがですぜ! 兄貴!」
ジン「来年の映画は俺やバーボンも出るんだ。宣伝しといて損はないだろ」
ウォッカ「……俺も出番ありますかね?」
ジン「さぁな。それより買い物だ。カゴを持て」
ウォッカ「へい!」
6:
―― 野菜・果物コーナー ――
ジン「サラダはシンプルに、レタス、キュウリ、玉ネギだけで作るやつにするか」
ウォッカ「レタスは中玉でしたね、兄貴!」
ジン「あぁ。キュウリは色が濃く、張りがあってヘタの切り口が新鮮なものを選べ」
ウォッカ「へい」ヒョイ
ジン「玉ネギは皮の色が濃くてツヤがあり、重みのあるやつが良い」
ウォッカ「じゃあ、こいつですね!」ポイ
7:
ジン「ついでにアクアパッツァ用のプチトマトも追加だ」
ウォッカ「この小さめのパックで良いですかい?」
ジン「あぁ、十分だ」
ジン「それと、今回のメニューで必需品なのはニンニクだな」
ジン「こいつみたいに、外側の皮がしっかりと重なっていて、白くふっくらしたものが良い」スッ
ウォッカ「兄貴、パスタ用の野菜は良いんですかい?」
ジン「シメジとエノキを1パックずつ取ってくれ。それと、しそも1束追加だ」
ウォッカ「へい」
8:
ジン「後はデザート用に何か……そうだな、そこのイチゴを使うか」
ジン「ムースにでもすりゃあ、口直しにちょうど良いだろ」
ウォッカ「野菜はこれでOKですかい?」
ジン「おう。次に行くぞ」
9:
―― 鮮魚コーナー ――
ウォッカ「お、桜鯛のセールをやってるみてぇですね」
ジン「まぁ旬の時期だしな。こいつをメインに使うか」
ウォッカ「この一匹丸々のにするんですかい?」
ジン「いや、今回は捌いてる時間が無ぇからな。切り身を使う」
ウォッカ「へい。どれにしやすか?」
ジン「鯛の切り身は、透明感があるのが良い」
ジン「パックの中に血や水が溜まってるのは、時間が経ってる証拠だからNGだ」
ウォッカ「じゃあ、こいつなんてどうです?」ヒョイ
ジン「あぁ、それにするか。お前もだいぶ良いのを見分けられるようになってきたじゃねーか」
ウォッカ「いやぁ……俺なんて兄貴に比べたらまだまだですぜ」テヘヘ
10:
ウォッカ「後はどんなものを?」
ジン「アクアパッツァの具として定番なのは、エビやアサリ、イカだな」
ジン「しかし、ここのイカは今一つ良いものが無ぇ。エビとアサリだけにするか」ポイポイ
ジン「今回は手間を省くために、アサリは砂抜き済みのやつをチョイスだ」
ジン「次は細々としたもんを揃えにいくか」
ウォッカ「へい!」
青子「かーいと、見て見て! この桜鯛の活け作り、特別価格で1パック1498円だって。美味しそうだよ?♪」
快斗「やめろ、アホ子! こっちに持って来んな――――っ!!」ヒィィィ
11:
―― 酒コーナー ――
ウォッカ「兄貴、ここでは何を……?」
ジン「ワインだ。アクアパッツァには、白ワインを使うからな」
ウォッカ「日本酒みてぇに、ワインにも料理用のやつがあるんですかい?」
ジン「あるにはあるが、俺は好きじゃねぇ。普通に飲むワインを使った方が美味い」
ジン「ワインは料理に使うだけで飲まねーって場合は、180?300mlの小さめの瓶を買うと良いぞ」
ジン「蓋もコルクじゃなく、ペットボトルのようなスクリューキャップのも結構出回ってるからな」
ジン「保存に困ることはまず無いはずだ」
ウォッカ「へぇ?……こんな小さなサイズのワイン、初めて見やしたぜ」シゲシゲ
12:
ジン「ワインを選ぶ時、一つ注意することがある。ラベルの部分を見てみろ」
ウォッカ「ラベルですかい?」
ジン「甘口か辛口かって、区分を書いてあるだろ」
ウォッカ「えーと……あ、コレですね」
ジン「料理に使う白ワインは、辛口の方が良い。その方がスッキリした味わいになるんだ」
ウォッカ「そうなんですかい。初めて知りやしたぜ!」フムフム
ジン「……フン。チリ産で中々良いのが入ってるな。こいつにするか」
ジン「ウォッカ。乳製品のコーナーに行って、牛乳と生クリームを取ってきてくれ」
ジン「俺はあちこち回って、他に必要なものを仕入れておく」
ウォッカ「へい!」
タタタ…
13:
ジン(さて……オリーブオイルやラム酒は前のが残っていたはずだが)
ジン(ムース用のゼラチンは仕入れておかねぇとな)ポイ
ジン(パスタは1.6mmのスパゲッティを使うか)ガサ
ジン(ローリエとタイムも、この少量パックで十分だ)ヒョイ
ジン(後は……そうだな、バゲットでも買っていってやるか)
ジン(残ったスープに浸して食うのも美味いからな)イソイソ
…タタタ
ウォッカ「兄貴、ありやしたぜ!」
ジン「フン。会計に行くぞ」
歩美「ねぇ、お母さん。あのおじさん達、また来てる……」
歩美母「シッ、見ちゃダメって言ってるでしょ!」
14:
――レジ――
店員「エコバッグはお持ちですか?」
ジン「あぁ。頼む」スッ
店員「はーい♪」
ピッピッピッピッ…ピピッ
店員「5613円でーす♪」
ジン「支払いはこいつだ」
店員「はい♪」
ワオンッ!
店員「ありがとうございましたー♪」
ジン「帰ったら、また手伝えよ」
ウォッカ「へい!」
ガコ…ウィィィィン
15:
――組織のアジト・キッチン――
ウォッカ「兄貴。手も洗いやしたし、準備万端ですぜ!」
ジン「あぁ」
ウォッカ「まずはメインのアクアパッツァからですね!」
ウォッカ「えーっと、鯛はこっちの袋に……」ガサガサ
ジン「待て、ウォッカ」
ウォッカ「へい、何ですかい?」
ジン「料理を作るには段取りってもんがあるんだ。そいつを無視するんじゃねぇ」
ウォッカ「え? ……普通、メインディッシュから作り始めるんじゃないんですかい?」
ジン「違うから言ってんだろうが」ハァ…
16:
ジン「料理ってのはな、冷たいものは冷たく、温かいものは温かく食べられるように提供するのが基本だ」
ジン「つまり、冷たくした方が美味いものや、冷めても問題ないやつから作り始めるんだ」
ウォッカ「は、はぁ……」
ジン「ウォッカ。今回のメニューで冷たい方が美味いのは何だ?」
ウォッカ「グリーンサラダと、デザートのムース……ですかい?」
ジン「そうだ。特にムースは、冷蔵庫に入れて冷やす時間が必要だからな」
ジン「一番初めに、ムースを作るのが正解ってわけだ」
17:
ジン「その次にサラダを作って、それからメインの二品を作る」
ジン「こうすれば、出来たて熱々のアクアパッツァとパスタに」
ジン「しっかり固まった、冷たいムースを堪能できるのさ」
ウォッカ「な……なるほど!」
ジン「初心者向けの料理の指南書じゃあ、よく『献立を決めてから作れ』と書かれてるが」
ジン「それは作る順番を決め、効率よく調理を進めるためだ」
ジン「さっきので、その意味が分かっただろう?」
ウォッカ「へい! 勉強になりやす!」
ジン「よし、まずはムースから取りかかるぞ。イチゴを出せ」
ウォッカ「分かりやした!」ガサ
18:
【イチゴのムース(4個分)】
イチゴ:1パック
牛乳:100ml
生クリーム:100ml
粉ゼラチン:5g
水:大さじ2杯
グラニュー糖:30g
レモン汁:小さじ1杯
ラム酒:小さじ1杯
カステラ:適量
ミントの葉:適量
ジン「イチゴは飾り用に4つ取り、残りはボウルに入れてフォークで潰せ」
ウォッカ「了解です!」グニグニグニグニ
19:
ジン「良い具合に潰せたら、そこへ牛乳を加えて、よーく混ぜろ」
ウォッカ「へい、兄貴!」グニグニ…ジャー…カシャカシャ
ジン「さて……その間に、粉ゼラチンと水を合わせておく」サラサラ
ジン「カステラは7?8mmの厚さに切っておき、生クリームは6?7分立てにする」スッスッ…カシャカシャカシャ
ウォッカ「兄貴。6?7分立てって、どんな状態のことなんですかい?」
ジン「こうやって泡立て器を持ち上げた時、クリームがリボン状になるぐらいだ」トローリ
20:
ジン「潰したイチゴの1/3の量を小鍋に入れて、グラニュー糖を加えて煮溶かす」コトコトコト
ジン「火を止めて、水と合わせておいたゼラチンを加えて溶かし」サッ…カシャカシャ
ジン「残りのイチゴが入ったボウルに入れる」ザー…カシャカシャカシャ
ジン「レモン汁とラム酒を加え、氷水にあてて、時々混ぜながらとろみがつくまで冷やす」
ジン「次に生クリームを入れるが、一気に入れるのはダメだ。最初に少しだけ混ぜろ」
ウォッカ「こ、こうですかい?」トローリ…カシャカシャ
ジン「そうだ。馴染んできたら、残りの生クリームも加えて混ぜ合わせるんだ」
ウォッカ「へい!」カシャカシャカシャ
ジン「後は人数分の器の底に、カステラを敷き詰めて」ポンポン
ジン「生地を均等に流し入れ、冷蔵庫で冷やして固めれば良い」トローリ…ガチャ、パタン
21:
ジン「次は、グリーンサラダだ」
【グリーンサラダ(4人分)】
レタス:1玉
キュウリ:1本
玉ネギ:1/2個
ジン「ウォッカ。レタスを一口大にちぎれ」
ウォッカ「へい!」バリバリ
ジン「キュウリと玉ネギはできるだけ薄切りにする」トントントントン
ジン「包丁が面倒なら、スライサーを使っても構わねーぞ」
22:
ジン「切り終わったら、ちぎったレタスと一緒に10分ほど冷水に浸ける」
ウォッカ「キッチンタイマー、スタートしやす!」ピコ♪
ジン「さて。それを待つ間に、魚介類の下ごしらえだ」
ジン「ウォッカ、お前はパスタに使うニンニクをみじん切りにしておけ」
ジン「それとキノコの石突きを取って、しそを刻むんだ」
ウォッカ「へい!」トトトトト
23:
【鯛のアクアパッツァ(4人分)】
鯛の切り身:4切れ
塩:小さじ0.3杯
コショウ:少々
アサリ:300g
エビ:4尾
ニンニク:1片
プチトマト:8個
オリーブオイル:大さじ2杯
白ワイン:50ml
合わせ調味料:水…200ml、塩…小さじ0.5杯、ローリエ1枚、
  タイム1枝、コショウ…少々
ジン「鯛に塩とコショウをまぶし、アサリは貝殻同士を擦り合わせてよく洗う」シャカシャカ
ジン「エビは殻をむき、あらかじめ背わたを取っておく」スッスッ
ジン「こうすると、ジャリッとした嫌な感触が無くなるんだ」
24:
ジン「ニンニクは半分に切って、プチトマトはへたを取り除く」
ピピピピッピピピピッ…
ウォッカ「お、10分経った!」
ジン「ウォッカ。野菜をざるにあけて、水気を完全に切るんだ」
ウォッカ「へい!」ザバー
ジン「フライパンにオリーブオイルを大さじ1杯とニンニクを入れて、中火に掛ける」
カチ、チチチ…ボッ
ジン「香りが出てきたら、鯛を入れて両面をこんがりと焼く」ジュー
25:
ジン「焼き色が付いたら、アサリ、エビ、プチトマト、白ワインを入れて……」ザラザラ
ジン「煮立ったら、合わせ調味料を加えて蓋をする」ジャー…カポ
ジン「このまま中火で10分だ」コトコト
ウォッカ「そ、それだけで良いんですかい?」
ジン「あぁ、後は仕上げにオリーブオイルを掛けるだけだ。簡単だろ?」
ウォッカ「へい。マジでそんなシンプルな作り方だったなんて……」
ジン「フッ……まぁそう落ち込むな。まだパスタが残ってるぞ」
26:
【キノコの和風スパゲッティ(2人分)】
スパゲッティ(1.6mm):160g
ニンニク:1/2片
シメジ、エノキ:各1パック
オリーブオイル:大さじ1杯
ちりめんじゃこ:大さじ3杯
塩、コショウ:各少々
しょう油:小さじ2杯
しそ:6枚分
七味唐辛子:適量
 ☆麺を茹でる用
 水:400ml
 オリーブオイル:小さじ2杯
 塩:小さじ0.3杯
ウォッカ「パスタは2人分で良いんですかい?」
ジン「あぁ。バゲットもあるからな」
27:
ジン「さっきとは別のフライパンで、オリーブオイルを熱し」サッ
ジン「ニンニク、ちりめんじゃこを入れて、カリカリになるまで中火で炒める」ジュー
ジン「ウォッカ。キノコを入れて、塩とコショウを振れ」
ウォッカ「へい!」ザラザラ…サッサッ
ジン「キノコに火が通ったら、一旦皿に取り出しておく」ヒョイ
ジン「次にフライパンに水とオリーブオイル、塩を入れて煮立たせる」ジャー…
ジン「水と一緒にオリーブオイルを入れるのは、麺がくっつくのを防ぐためだ」
ウォッカ「おぉ?。フライパンだと温まるのが早いですね」グツグツグツ
28:
ジン「沸騰したら、半分に折ったスパゲッティを入れて蓋をする」ザラザラ…カポ
ジン「もう一度煮立ったら弱火にして、時々混ぜながら5分ほど茹でる」
ウォッカ「よし、キッチンタイマーをセット……と」ピコ♪
?5分経過?
ピピピピッピピピピッ…
ジン「よし、良い具合だ。蓋を取ったら強火にして、混ぜながら水気を飛ばす」ザッザッ
29:
ジン「香り付けにしょう油を加えたら……」ジャー
ジン「ウォッカ。さっき皿に移した具材を、ここに戻せ」
ウォッカ「へい!」ザラザラ
ジン「麺全体に具が絡むように、手際よくサッと混ぜる」
ジン「皿に盛りつけて、しそを散らし、七味唐辛子を振ってやれば……完成だ」パッパッ
ウォッカ「おぉぉ?! 早く食いてぇ!」
ジン「まぁ焦るな、ウォッカ。アクアパッツァの火を止めろ」
ウォッカ「へい! ……うわぁ、こっちも良い匂いですぜ!」カチ
30:
ジン「盛りつけは俺がやる。お前はグラスと食器を出してくれ」
ウォッカ「へい!」カチャカチャ
ジン「よし。サラダもきれいに水気が切れてるな」
ジン「器に盛って、余った分は密封できるポリ袋に入れておけば3日は保つ」
ジン「おい、ウォッカ。あいつらが来る直前になったら、冷蔵庫のムースを出せ」
ジン「上にイチゴとミントの葉を飾るのを忘れるなよ」
ウォッカ「へい!」
31:
――午後七時・組織のアジト・ダイニング――
安室「こんばんは。呼ばれたので来ましたよ」
コルン「……よう」
ウォッカ「ちょうど準備できたところだ」
ジン「まぁ、座れ」
安室「では失礼して……」カタ
コルン「俺も」カタン
ウォッカ「今夜のメニューは……こいつだ!」ジャジャーン
安室・コルン「「おぉ?!」」
32:
ウォッカ「お前らのために、兄貴が腕を振るってくれたんだぜ」ヘヘッ
ジン「ウォッカ、余計なことは言わなくて良い」
ウォッカ「へ、へい……」
コルン「……美味そう」パァッ
安室「鯛のアクアパッツァにキノコのパスタ、サラダ、イチゴのムースですか」
安室「栄養バランスも取れてるし、イチゴが春らしくて良いですねぇ」フフッ
ウォッカ(……良かった。バーボンも喜んでくれて)ホッ
ジン「フン……せっかくの料理が冷めねぇうちに、食っちまうぞ」
ウォッカ「料理で余ったやつで悪いが、ワインもあるからな。まぁ楽しんでけよ」
安室「ええ」
コルン「……いただきます」
33:
?二時間後?
ウォッカ「あ?、腹一杯だ?」ゲフ
安室「本当に美味しかったですよ。ねぇ、コルン?」
コルン「……おぅ」
ジン「そいつぁ何よりだ」
コンコン
ウォッカ「ん?」
ベルモット「はぁい♪」ガチャ
安室「ベルモット?」
34:
ベルモット「あら、お食事中?」
ジン「何しに来やがった」ジロッ
ベルモット「そんなに睨まないでよ。お土産を渡しに来ただけなんだから」ムゥ…
ウォッカ「お土産ですかい?」
ベルモット「そーなの! 昨日まで任務で北欧に行っててね」
ベルモット「帰りに立ち寄ったストックホルムの免税店で、珍しい缶詰を売ってたから買ってきたのよ」
ベルモット「向こうの名物で、お酒のアテにもするんですって。お店のお兄さんも一押しだったわ」
35:
ベルモット「貴方達、ちょうど飲んでるみたいだし。おつまみにでもしてちょうだい♪」ウフ
ウォッカ「へ……へい。ありがとうごぜぇやす」
ベルモット「じゃあ私はこれで?♪」
ガチャ…バタン!
コルン「……北欧」
安室「ストックホルム……つまり、スウェーデン名物の」
ジン「缶詰……」
ジン・安室・コルン「「「!」」」ハッ!!
36:
ウォッカ「こいつ、魚の缶詰みてぇですね。とりあえず、開けてみますぜ」
安室「あっ……ウォッカ、ちょっと待って!」
ジン「そいつを開けるんじゃねぇ!!」
ウォッカ「へ?」プシュ
ブシュウゥ――――ッ!!
ウォッカ「うわあぁぁぁぁ!? くっせ――――――っ!!」
ジン「だから開けるなって言っただろうが!」
37:
安室「それはシュールストレミング! 世界一臭いと言われる食べ物ですよ!!」
ウォッカ「ええぇっ!?」
ジン「とにかく窓を開けろ! バーボン、そっちを頼む!」ガラッ!
安室「はい!」ガラッ!!
コルン「……俺、扇いで空気を入れ換える」パタパタパタパタ
ウォッカ「そんなことしたって焼け石に水だ!」
ジン「誰のせいだと思ってやがる!」
ウォッカ「す……すいやせんっ!!」
3

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