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兄「押すと後輩が不幸になるボタンと、幸福になるボタン……だとッ!?」


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1:
Part1「兄「押すと妹が不幸になるボタンと幸福になるボタンか……」」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
兄(おかしい......こんなもの通販で買った覚えないぞ)
兄(えっと、前と同じで青を押すと不幸に、赤を押すと幸福になるのか......)
兄(と、とにかくこれはどこかにやったほうが......)
ガチャッ
妹「兄、ご飯できt」
兄「わァッ!?」
妹「......どうしたの?」
兄「あ......いや別に、何もねぇよ」
兄(セーフ......どうにか隠せたが、あとちょっとで見つかるところだった......)ガサッ
妹「......まぁいいわ。とにかく、ご飯できたから」ガチャッ
兄「あ、あぁ、サンキュー」
兄(と......とにかく、いまはポケットに隠しておくか)
6:
―――
兄「いただきます」
妹「......ねぇ、兄」
兄「な、なんだよ?」
兄(先週くらいから突然話しかけてくるようになったが......いったいどうしたんだ?)
妹「......さっき、何隠したの?」
兄「え、あ、いやその......」ドキッ
母「あら?? まさかまたボタンでも買ったのかしらぁ?」
兄「は!? な、んなワケねぇだろ!」
母「......そう?」
妹(あからさま過ぎ......)
兄「......あ、そ、そうだ。俺、いまからちょっと出掛けてくるわ」
母「え、ちょっと? ご飯どうするのぉ?」
兄「食べてくる! じゃ、いってきまーす!」
妹「......逃げた」
7:
―――
兄「ふぅ......危ない危ない」
兄(こんなもの見つかったら、確実に絞められるな)
後輩「何が危なかったんっすか?」
兄「おうァ!?」
後輩「......どうしたんすか、先輩? しかもこんな夜遅くに」
兄「あ、いや、お前こそどうしたんだよ」
後輩「私っすか? 私はバイトっすよ」
兄「あ、あぁ......」
兄(......さっきのボタンの後輩って、こいつのことになるんだろうか?)
兄(......俺、気になります)
後輩「? どうしたんっすか、先輩?」
兄(よし、じゃあ押すボタンは......)
>>9
9:

11:
兄(赤だ)ポチッ
後輩「先輩、今日なんか変っすよ?」
兄「あ、いや、大丈夫。ちょっと考え事してただけだから」
兄(さーて、どんなことが起きるか楽しみだ)
後輩「......そ、そういえば先輩」
兄「......どうした?」
後輩「......あの、えっとっすね......」
後輩(ヤバイ......ここまで来たら言うしかない)
兄「お前こそ大丈夫か? なんか変だが」
後輩「先輩!」
兄「はい?」
後輩「に、日曜日......私と遊ばないっすか!」
兄「え、い、いいけど......?」
後輩「! じゃ、じゃあ明日の朝八時に駅前に来てくれっす! それじゃあ!」タッタッタッ
後輩(やった、ついに言えた! ついに言えたよ!)
13:
―――
兄「......」
兄(朝八時っつってもなぁ......七時五〇分くらいにはきたほうが)
後輩「先輩!」
兄「うぉ! ......って、ビックリさせるなよ、後輩」
後輩「ご、ごめんなさいっす」
兄「......それ、私服か?」
後輩「え? ......あ、いえ。今日のために卸したものっす」
兄「わざわざ?」
後輩「あ、いえその......前から着たかったんで、今日は思い切って......」
兄「あぁ、なるほど」
兄(ビックリした......それじゃあまるで......)
後輩「じゃあ、先輩! で、デートに行きましょう!」
兄「......」
兄(......デート?)
14:
後輩「......」
兄「......」
兄(しまった......何も話すことがない)
後輩「......あの、先輩」
兄(......ボタンでも押そうかな)
後輩「先輩? 聞いてますか?」
兄(......よし、押そう)
後輩「先輩!」
兄「え!?」ドキッ
後輩「......聞いてるんすか?」
兄「あ、あぁ」
兄(押すボタンは......)
>>16
16:

17:
兄(前のでだいぶ青の怖さはわかったし、赤かな)ポチッ
兄「そういえば、これからどこに行くんだ?」
後輩「もうすぐっす」
兄「そうか......」
兄(えーっと、こっちの方面にあったのは確か......)
後輩「ここっす!」
兄「......やっぱりショッピングセンターか」
後輩「さて、行きましょう」ウィーン
兄「あ、あぁ......」ウィーン
兄(あ、あれ、こいつってこんなに積極的なタイプだったか?)
パーンッ!
後輩「......え?」
店員「おめでとーございますっ! あなたたちが、我がショッピングモールの百万人目のお客様です!」
兄「......」
兄(これが赤ボタンの効果か?)
22:
店員「これをどうぞ」
兄「これは......?」
店員「本日限定の全品五割引券です」
兄「五割!?」
兄(それってつまり、半額じゃねぇかよ)
後輩「凄いっすね、先輩!」
兄「あぁ、こりゃ凄い幸運だな」
兄(......ボタンってやっぱスゲエ)
兄「そういえば、今日はなんか買いたいものでもあるのか?」
後輩「はいっす。実は、今日の十四時頃に屋上でアイドルの特設ライブがあるっす!」
兄「あ、アイドル......?」
兄(こ、こいつ......そういうの好きだったのか? 全然知らなかった)
23:
兄「それで、そのアイドルと買いものになんの関係が?」
後輩「そこでしか買えないグッズがあるんすよ」
兄「グッズか......って、ちょっと待て。それじゃあなんで俺を誘った?」
後輩「い、いや......///」
兄(......)
兄「まぁいいよ。ともかく、そのアイドルのステージまであと六時間程度あるワケだが」
後輩「せ、先輩は何か買いたいものはないんすか?」
兄「え?」
兄(俺は......そういえば、金あんま持ってきてねぇしなぁ)
兄「俺はいいよ。お前の買いものについていくだけで」
後輩「そ、そうっすか? じゃあ、ちょっと服を見にいきたいっす」
兄「OK」
兄(......そうだ、ボタン押そう)
>>25
25:
父の今日のパンツと同じ
29:
兄(さて、どっちを押したものか......)
テレビ『......さて、今日のパンツ占い! 一位は迷彩柄パンツのあなた! 男らしいパパのそれが、血気盛んにこんにちわ! 何事にも負けず、何かの成果を得るでしょう! ラッキーアイテムは......』
兄「......」
兄(そういえば、今日父がたしか迷彩柄パンツだったな)
兄(......あぁ、俺もか)
テレビ『......やりましたよ! 僕ね、今日迷彩柄なんですよ。しかもね、これ。ラッキーアイテムの女性用パンツも持ち歩いているんですよ。ほら、凄いでしょ......』
兄「......」
兄(女性用パンツ? ......そういや、今朝父が母からなにかを受け取ってたな。まさか......な)
後輩「どうしたんすか? 女性用下着が欲しいっすか?」
兄「なっ、んなワケねぇだろ!」
兄(......それよりボタンだ)
>>31
31:
あか
34:
兄(赤だな)ポチッ
後輩「着いたっす」
兄「こ......ここは」
兄(ランジェリーショップだとぉぉぉぉぉぉ!?)
兄「あ、じゃあ俺はここで待ってるから......」
後輩「せ、先輩!」
兄「はい!?」ドキッ
後輩「そ、その......先輩が好きなのを、選んでほしいっす///」
兄「はァッ!?」
後輩「だ、ダメっすか......?」
兄「......」
兄(......女子と入れば大丈夫だよな?)
37:
兄(......なんて考えてた俺がバカだった)
後輩「ど、どうしたんすか、先輩?」
兄「あ、いや......」
兄(なんで入っちまったんだよぉ、俺?)
後輩「うーん。先輩、どんな感じのが好きっすか?」
兄「あ、えーっと......」
兄(んなの言えるワケねぇだろ......)
兄「えー、それとか?」
兄(適当に選んじまったが......って)
後輩「せ、先輩? こ、これは......///」
兄「あ、いや、ちが、違うぞ! 断じてそういう趣味じゃねぇからな!」
兄(......なんでガーターベルト選んでんだよ、俺)
後輩「......せ、先輩が着て欲しいのなら......」
兄「いや、違うからなッ!?」
39:
兄(......どうにか誤解は解けたが、赤ボタンの効果とは程遠いな......)
兄(......まさか、また偶然だったってことはないよな?)
後輩「これ、どうっすかね?」
兄「あ、あぁ......いいんじゃねぇの?」
後輩「それじゃあ、ちょっと試着してくるっす」
兄「わかった......待て、それじゃあ俺がひとりに......」
兄(......ってもう入ってるし......気まず過ぎだろ、これ)
兄(......ボタン、もう一回押してみようかな)
>>41
41:

42:
兄(......赤だな)ポチッ
後輩「先輩!」
兄「ど、どうした?」
ガシャァァァ
後輩「じゃーん!」
兄「......」
兄(や、やべぇ、可愛いかも......)
後輩「ど、どうですか......///」
兄「に、似合ってるんじゃないか?」
兄(......直視しづらい)
後輩「か、可愛いですか?」
兄「あ、えっと、その......か、可愛いよ」
後輩(......やった、先輩に二回も褒めてもらっちゃった///)
47:
後輩「じゃあ、これ買ってくるっす」
兄「あ、あぁ、俺は外に出とくから......」
兄(や、やっと出られる......あぁ、空気が気持ちいい......)
妹「あれ......兄?」
兄「なっ!? い、妹......!? どうしてここに」
妹「......いま、どうしてランジェリーショップから出てきたの? ......まさか」
兄「違う違う違うから! そういうんじゃ一切ないから!」
母「あらぁ、それじゃあ誰かとデートかしら?」
妹「まさか、後輩さんと?」
兄「あ、いや、えっとだな......」
後輩「先輩、お待たせしたっす!」
兄「ちょ!?」
妹「......兄、後輩に手を出すなんて、最低ね」
53:
後輩「いやー、先週はありがとうございましたっす」
母「いえいえ?」
妹「こちらこそ、兄がお世話になったようで」ギロッ
兄「だから違うって......」
兄(面倒なことになったな......)
兄「......あ、俺ちょっとトイレ」
後輩「いってらっしゃいっす」
兄(......とりあえず逃げれたな)
妹「それにしても、どうして後輩さんが兄と一緒に?」
後輩「私が誘ったんっすよ。今日のアイドルのライブに」
妹「そういえば、今日屋上でライブがあるとかテレビで見たような......」
母「あらあら」
54:
妹「お母さん、どうしたの?」
母「うふふ、別に?」
母(つまり、デートってワケねぇ。まったく、いつの間にそんなことになったんだかぁ)
妹「?」
兄(ふぅ......にしても助かった)
兄(先週のことがあって、色々と気まずくなった節があるしなぁ)
兄(もう少し時間潰すか......)
兄(......そうだ、ボタンでも押そう)
兄(えっと、ボタンボタン......)
>>56
56:
あか
62:
兄(見つけた。えっと、押すのは当然赤だな)ポチッ
兄(でも......ここじゃ確認できねぇしな)
兄(......戻るか)ジャー
妹「それにしても、まさか兄が後輩さんと一緒にいるとは思わなかったです」
後輩「そうっすか? まぁ、たしかにいままでこんなことは一度もなかったっすしね」
母「そうなの?」
母(なるほどぉ、つまり初デートってことねぇ! 初々しいこと......)
兄「おーい」
妹「兄......」ジトー
兄「な、なんだよその目は」
妹「別にー」
母「あらあら」
64:
兄「そういえば、母と妹はどうしてここにいるんだよ?」
妹「え? 普通に服を買いに来たに決まってるでしょう?」
母「私と妹ちゃんと、ついでに兄くんのもねぇ」
妹「感謝してよね」
兄「あ、あぁ......」
兄(別に頼んでねぇけど......)
後輩「なら、私たちも一緒にいっていいっすか?」
兄「え?」
母「もちろん、当然じゃない」
後輩「ありがとうございますっす!」
兄(......マジで?)
69:
―――
兄「......」
母「あら?、凄く似合ってるわよぉ」
後輩「そ、そうっすか?」
妹「似合ってると思いますよ、後輩さん」
後輩「えへへ......///」
兄(......俺、空気じゃん)
兄「......」
兄(そういや、さっきの赤ボタンの効果ってどうなったんだろ......?)
後輩「いやー、今日は間違いなく最良の日っすよ」
妹「そうですね」
母「......」
兄(あぁ、たぶんこれだな)
70:
兄(......もう一回ボタンを押すか)
兄(このままいてもつまんねぇしな、よし)
妹「ねぇ、兄」
兄「!? な、なんだよ?」ドキッ
妹「......さっきから黙ってるけど、どうかしたの」
兄「い、いや......なんでもねぇよ」
妹「そう......」
兄(一瞬気づかれたかと思った......)
兄(よし、押すボタンはと......)
>>73
73:

79:
兄(......赤かな)ポチッ
後輩「そういえば先輩」
兄「ん?」
後輩「あの......私、あとで見たい映画があるんすよ」
兄「映画? どんな作品だ?」
後輩「『赤い糸の伝説』っす」
兄「赤い糸......そういえばそんな映画あったな」
兄(でも、あれってたしかカップルに人気の映画......)
後輩「ダメっすか......?」
兄(......まぁでも、後輩が見たいなら見てもいいか)
兄「わかった、そうしよう」
後輩「......やった」
兄「?」
80:
母「それじゃあ、兄くんをよろしくね?」
後輩「まかせてくださいっす!」
妹「それじゃ」
兄「あ、あぁ......」
兄(......結局、なんかずっと暇だったな)
兄(ボタン押しても効果が出たのかよくわからないし)
後輩「......それじゃあ、私たちも行きましょうっす」
兄「お、おう」
兄(......うーん、なんだかなぁ)
兄「なぁ、後輩」
後輩「はい?」
兄「お前、今日いつもより断然楽しそうだな」
後輩「そ、そうっすかね......」
兄「あぁ......」
兄(......改めて考えると、こいつも一応女子なんだよな)
89:
―――
兄「映画まで少し時間があるな」
後輩「早く入って予告編でも見るっす」
兄「そうだな」
兄(どうせいてもやることもねぇし)
兄(にしても、『赤い糸の伝説』か......)
兄「なぁ後輩」
後輩「なんすか、先輩?」
兄「お前は運命の赤い糸とかって、信じるタイプか?」
後輩「運命っすか......」
90:
後輩「うーん、そういうのってあんまり信じない......というか、好きじゃないっすね」
兄「好きじゃない?」
後輩「はいっす。なんていうか......他人に人生を操作されるとか、あんまり好きじゃないっすかね。そういう意味では、あのボタンとかも私は好きじゃなかったっす」
兄「......」
兄(他人に人生を操作される、か......)
後輩「そういう先輩は、どうなんすか?」
兄「え? ......あぁ」
兄(俺は......どうなんだ?)
兄(ボタンを使っているとき、別に何も感じなかったし、たぶん嫌いではないだろう)
兄(でも......信じているかなんて、考えたこともなかったな)
兄「俺は......よくわからないな」
後輩「その答え、先輩らしい気がするっす」
兄「......俺らしい?」
後輩「はいっす!」
92:
―――
映画『あぁ、どうして運命は、私たちを分かつの? 国境でさえ、私たちを分かてなかったというのに!』
兄(......運命、か)
後輩「......先輩」ヒソヒソ
兄「なんだ?」ヒソヒソ
後輩「......この映画、思ってたよりつまらないっす」ヒソヒソ
兄「はぁ? いや、お前が見たいっていったんだろ......」ヒソヒソ
兄(......そうだ、つまらないならこのボタンで......)
兄(あ、でも暗くて色が見えん......)
兄(よし......こっちだ)
>>95
95:
あか
96:
兄(よし)ポチッ
兄(さて、後輩の様子はと......って)
兄「......おい、寝るなよ後輩」ヒソヒソ
後輩「へ......? あ、ご、ごめんっす......」カクッ......スー
兄「お、おい......」ヒソヒソ
兄(......肩に寄りかかるなよ、オイ)
兄(......なんか甘い香りがする。シャンプーか?)
後輩「......ふふふ、せんぱぁぃ......」スー
兄(あぁ、なんだろう......このままでいいか。気持ちよさそうだし)
後輩「......ぅぃ......んにゃぁ......」スー
兄(......まったく映画に集中できねぇ)
101:
―――
後輩「はぁ?......よく寝た」
兄「お前、結局全然映画見てなかったろ」
後輩「そうっすか? ......そうっすね。まぁ、でも気持ちよかったんでOKっす」
兄「いやそれ映画としてじゃなくて子守唄的な意味じゃねぇか......」
兄(さっきのボタンは......どうやら赤だったっぽいな)
後輩「あぁ、そういえば。あの映画、最後はどうなったんすか?」
兄「ん? あぁ、たしか......」
兄(......後輩のほうばっか見ててなんかよくわかんなかったが......まぁいいか)
103:
―――
後輩「一時十七分......二時まであと四〇分くらいっすね」
兄「そういや、昼飯まだだったな。そこらへんに食べにいくか」
後輩「はいっす!」
後輩「いただきまーす」
妹「いただきます」
母「いただきま?す」
兄「......いただきます」
兄(なんでまた会うかね......)
後輩「いやぁ、まさかまた会うとは思ってもみなかったっす! 嬉しいっす!」
母「そぉ? でも私たち、お邪魔じゃないのかしらぁ?」
妹「ふたりっきりで楽しんでたんじゃないの、兄?」ギロッ
兄「......」シレー
兄(こいつ、なんか今日怒ってんのか......?)
109:
母「映画、どうだったの?」
後輩「そうっすね......実は途中で寝ちゃって......」
母「兄くんは、どうだったの?」
兄「そうだな......なんか、途中でドロ沼化してたな。まぁ、最後には純愛ものに戻ってたけど......なんというか、女子が好きそうな映画だった」
母「そう......なるほどぉ」
兄「?」
妹「女性が好きそうな映画か......お母さん、今度一緒に見にいかない?」
母「そうね、行きましょうか」
後輩「中睦まじいっすねぇ」
兄「そうだな......なんとなく家でも俺だけ疎外感はあるな」
後輩「ははは......」
兄(......俺だけ、ね)
112:
兄「じゃあ、俺たちはそろそろライブに行くんだけど......母さんたちはどうするんだ?」
母「そうねぇ、どうしようか?」
妹「うーん......そうだ。たしか駅前に新しいケーキ屋ができたって誰かが言ってたから、そこに行こうよ」
母「そうね。じゃあ、私たちはケーキ屋ね」
後輩「そうっすか。それじゃあ、私たちはこれで」
兄「じゃあな」
母「行ってらっしゃ?い」
妹「......」
母「じゃあ、私たちも行きましょうか」
妹「......うん」
114:
―――
後輩「うわぁ、人がいっぱいいて凄いっすねぇ」
兄(あぁ......面倒だな、こりゃ)
後輩「うぅ......この大衆の光景を見てると、なんか人生が残酷に感じてくるっす......」
兄「絶望するな後輩、たぶん社会よりはマシだから」
後輩「あぁ......未来は暗いっす......」
兄(......そうだ、ちょっとボタンで遊んでみるか)
>>117
117:
あか
121:
兄(もちろん、後輩がこれ以上絶望しないように赤をと)ポチッ
後輩「......まぁでも、未来は絶望だけじゃないっすよね」
兄「あ、あぁ、希望もあるだろ」
兄(......いまのが効果......なワケねぇか)
後輩「それじゃあ、行きましょうっす!」
兄「え、どこに?」
後輩「どこって決まってるじゃないっすか。もちろん......最前列っす!」
兄「......」
兄(......このファンの軍勢の、最前列に......だと?)
124:
兄「な、なんとか着いた......」
後輩「いやー、まさか本当にたどりつけるとは思ってなかったんすけどねー」
兄(......これだな、効果は)
兄「......そういえば、ここでライブするのってどんなグループなんだ?」
後輩「え!? 先輩、知らないんすか!?」
兄「あ、いや......」
兄(そもそも聞かされてねぇし......)
後輩「いまを翔けるアイドル、Le:LIFE(リライフ)っすよ!?」
兄「あぁ......」
兄(そういえばテレビで見たことあるような......ないような?)
後輩「なんすかそのいたような気がするわーみたいな反応は?」
兄「あ、いや、見たことはあるよ......一度くらいは」
後輩「......やっぱり覚えてないっすよね?」
兄「い、いや......」ギクッ
126:
後輩「はぁ......まぁいいっす。今日覚えて帰ってもらえばいいだけっすから」
兄「あ、あぁ......」
兄(た、助かった......)
後輩「あ、そろそろはじまるっぽいっすよ!」
兄「え? あ、あぁ......」
兄(......そういえばグッズは?)
127:
ミオン「どうもみなさん!」
Le:LIFE全員「「「こんにちはっ!」」」
アリサ「私たち!」
Le:LIFE全員「「「Le:LIFEですっ!」」」
ファン「「「「「「「「「「フォォォォォォォ!!!!!!」」」」」」」」」」
兄(すげぇ、なんだこの一体感は)
リーカ「いやぁ、はじまりましたね!」
ミオン「はい! 今日はみなさん、私たちのステージに足を運んでくれて、本当にありがとう!」
兄「......この三人がLe:LIFEか」
後輩「そうっす! いまもっとも勢いのある秋葉系アイドル、それがLe:LIFEっす!」
兄(......こいつ、そういうの好きだったのか)
130:
兄「おい後輩、お前グッズがどうとかって言ってなかったか?」
後輩「あぁ、そうでしたっす! でも、ここから離れたらもう二度と......」
兄「......なら、俺が買ってきてやるよ」
後輩「え?」
兄「なんの商品が欲しいんだ?」
後輩「あ、えっと、サイン色紙と限定のタオルっす」
兄「わかった、それじゃあまた後で!」
後輩「え、ちょっとっ!?」
兄(......よかった、この人ごみから脱出成功だ)
兄「さてと......あそこか」タッタッタッ
131:
兄「あいつが言ってたの、これであってたのかな? まぁいいや」
兄「さてと、もうあそこに戻るのは不可能だな。ここで時間潰すか」
兄(......あ、そうだ。ボタン押そうかな)
兄(さっきまでは見張られてたのとほぼ同じ状況だったけど、いまなら確認もできるし......)サッ
兄(さて、ここは当然......)
>>134
134:
あお
138:
兄(いままでの恨みの意味も込めて青だな)ポチッ
兄(......そういえば、後輩に対して一回も青押してなかったな)
後輩(さすがに、呆れられちゃったのかな?)
後輩(Le:LIFEとか、本当は滅茶苦茶好きってワケでもないんだけどなぁ)
ファン「ちょっと失礼しまーす」
後輩「え? ......ちょッ!?」
後輩(まさかこれって......痴漢!?)
痴漢魔「いやぁ、可愛いねぇ」
後輩(だ、誰か......)ウルウル
痴漢魔「いやぁ、本当に可愛いなァ、Le:LIFEはァ?」ニヒィ
後輩(ど、どうして......声が、出せない)
144:
痴漢魔「フッハッハッハッ......」ニタァ
後輩(助けて、先輩......ッ!)
ファン「はーい、ちょっとごめんなさいねー」
痴漢魔「!?」
後輩(だ、誰......?)
ファン「ボクね、見ちゃったんだなぁ。キミがその右手で、その娘の体を触っちゃってるところ......」
痴漢魔「な、何を言って......」
ファン「いやぁ、あくまでも否定しますか? じゃあ......」
私服警官「他の人から被害届が出てるんで、その件できてもらいますよー、連続痴漢犯さん?」
痴漢魔「......警察、だと!?」
私服警官「確保ォ!」
私服警官たち「「「オォォォ!!!」」」
痴漢魔「ッ! クソォォォ!」
後輩「......」
後輩(た、助かった......)
147:
兄「ちょっとすみません、通してください。ちょっと失礼します......おーい、後輩。大丈夫か?」
後輩「しぇ、しぇんぱぁい......」ウルウル
兄「え、ちょ、泣いてる......?」
後輩「な、泣いてないです......」
兄(......こいつ、感情が昂ったりすると喋り口調が変わるっぽいな)
後輩「......せ、センパーイっ! 怖かったよぉ......!」
兄「お、おい......」
兄(......しかたないな)
兄「......もう大丈夫だから、よしよし」ナデナデ
後輩「せ、先輩......っ///」カーッ
兄(......助けてくれた警官の人に、お礼言っとかないとな)
153:
兄「ありがとうございました」
私服警官「いえいえ、これが我々の仕事ですから」
後輩「本当に、ありがとうございましたっす!」
私服警官「お嬢ちゃんは可愛いから、また狙われないように気をつけてね」
後輩「か、可愛い......?」
私服警官「それじゃあ」
兄「どうもありがとうございました......って、どうした後輩?」
後輩「い、いえ......私って、可愛いのかなと」
兄「......可愛いよ」
後輩「えっ? ......なっ///」
兄「......あ、いやそのだな......」
兄(......しまった、無意識のうちに答えてしまった)
155:
―――
後輩「今日は色々と付き合ってもらっちゃって、ありがとうございましたっす」
兄「いやいや......俺に、そんなこと言われる筋合いはないから」
兄(主に青ボタンとか青ボタンとか青ボタンとか)
後輩「それじゃあ、私はここで」
兄「また明日」
後輩「はい、また明日っす!」ニコッ、タッタッタッ
兄「......さてと、帰るか」
158:
―――
兄「ただいまー」
母「あら、お帰り」
兄「......あれ、妹は?」
母「お風呂よ」
兄「お風呂って、まだ三時だぞ?」
母「レディーには色々と事情があるのよ」
兄「はぁ......?」
母「そうだ、私ちょっと買いものに行ってくるから」
兄「え、あぁ、いってらっしゃい」
母「いってきま?す」ガチャッ
兄「......テレビでも見るか」
162:
兄「さてと、リモコンはと......って、これは」
兄「......妹用ボタンじゃねぇか」
兄「なんでこんなところに? ......とりあえず押してみるか」
兄「ニセモノかホンモノかはしらねぇが、とりあえずあれば押したくなるな、ボタンって」
>>165
165:

171:
兄「もちろん青だな」ポチッ
兄「さてと、リモコンリモコンっと......」
妹『きゃぁぁぁあああああああああああああああぁぁぁ!?』
兄「......あぁ」
兄(また面倒なことになっちまったかもしれない)
兄「おーい、どうかしたのかー?」
妹『きゃぁぁぁああああああああああああぁぁぁ』ガチャッ!
兄「って、おい待て待て待て止まれとまれっとォ!?」バタッ!
妹「痛っ......って、あれ? ......」
兄(いてて......って、こいつ裸......)
兄「......どうかしたのか?」
妹「......きゃぁぁぁあああああああああああああああぁぁぁッ!!」バチン!
兄「アァァァッ!?」
兄(り、理不尽だ......)
173:
妹「......」
兄「......あー、そのだな......悪かった」
兄(とりあえず謝っとこう、うん)
妹「......」フンッ
兄「......」
兄(あれ、逆効果だった?)
妹「......私、部屋に戻ってるから」
兄「え、あ、あぁ......」
兄(女って......よくわからん生き物だな......)
175:
兄「うーん、このボタンも考えようだな......」
兄「ある意味、最高の商品だが......ある意味、最低の商品だよなぁ、これ」
兄「......って、そもそもなんでこれまだあるんだよ。たしか母がどこかにやったって......まさか、まだ処分してなかったのか?」
兄「しかも、これってたしか中身が空なんじゃなかったっけ? ......うーん、よくわからんな」
兄「......解体するか」
兄「えっと、たしかここにドライバーが......あれ? ドライバーが、ない?」ガラッ......ガサガサッ
兄「前はここにあったんだがなぁ......こっちか?」ガラッ......ガラッ
兄「......あれ、見当たらないな......?」
178:
兄「......まぁいっか、別に」
兄「それよりリモコン......」
ガチャッ
母「ただいま?」
兄「あ、おかえり......なぁ母、テレビのリモコン知らない?」
母「え? ......あぁ! ごめんなさ?い。実は間違えて持っていっちゃってたのよね?」
兄「はぁ?」
兄(天然......)
母「はいこれ、リモコンよ」
兄「どうも......あ、それと、どうしてまだあのボタンが残ってるんだよ」
母「え? ......あぁ! ごめんなさ?い。実は忘れててまだ処分してなかったのよね?」
兄(またか......)
母「あとで片しておくから、大丈夫よ」
兄「......頼んだから」
兄(さすがに忘れることはない......よな?)
181:
―――
兄「......いただきます」
兄(......うわー、気まずいな、これ)
妹「......」
兄「......」
母「......? ふたりとも、どうかしたの?」
妹「......なんでもない」
兄「......はぁ」
兄(なんだかなぁ)
184:
妹「......ごちそうさま」
母「え、ちょっと? まだ食べきって......」
バタンッ!
母「......何かあったの?」
兄「......」
兄(......なんだかなぁ......はぁ)
185:
―――
兄「......おはよう」ガチャッ
母「あら、おはよ?。今朝は早いわねぇ」
兄「ま、まぁな」
兄(面倒だから妹と鉢合わせたくねぇし......)
母「......ねぇ、兄くん」
兄「?」
母「......妹ちゃんのこと、どう思ってるの?」
兄「......なんだよ、その恋バナにありがちなフレーズh」
母「ちゃんと答えなさい」
兄「......」
186:
兄「急に母親面しだしたな」
母「私はあなたたちの母親です」
兄「......」
兄(俺にとって......妹は......)
兄「......なんなんだろう、妹っていう存在は?」
母「......」
兄(いてもいなくても、別に大丈夫な存在......いや、そもそもいないほうがいい存在かもしれない)
兄(でも......)
母「......まぁいいわ。早く朝ごはん食べなさい」
兄「......あぁ」
188:
―――
兄「......」
後輩「......どうしたんすか、先輩?」
兄「......あ? あぁ、いや、別に」
後輩「......?」
兄(......妹は、か)
後輩「先輩!」
兄「え?」
後輩「......本当に大丈夫っすか?」
兄「......」
兄(大丈夫なワケ、ねぇだろ)
189:
兄「......なぁ、後輩」
後輩「......どうしたんすか?」
兄「お前ってたしか、兄貴いたよな?」
後輩「? はい、いるっすけど......」
兄「......兄貴のこと、どう思ってる?」
後輩「え......?」
兄「......」
後輩「......」
後輩(どうしたんだろ、唐突にそんなこと......でも、先輩が聞いてきたんだし......)
後輩「......正直、あまり好きじゃないっすかね。昔から結構ケンカとかいっぱいしてましたし」
兄「......」
後輩「なんというか、どうしてもそうなっちゃうんすよね。それこそ、まるで運命みたく......」
兄「......じゃあ」
後輩「でも」
兄「......?」
190:
後輩「たとえどれだけケンカしようが、泣かされようが、キレさせられようが......どうしても、心底嫌いにはなれなかったっすね」
兄「......」
兄(心底、嫌いには......?)
後輩「なんというか、そういう風にできてるというか......長年一緒にいたらとか、そういうのもあるかもしれないっすけど、どうしても嫌いにはなれなかった......そう、もっとも身近でもっとも遠い存在、それが兄貴っすかね」
兄「......」
兄(......なるほど、な)
兄「......ふっ、サンキューな。さすが俺の後輩だ!」
後輩「え、そ、そうっすか......?」
兄「あぁ、俺史上最高の後輩だ!」
後輩「な、なんかそれ、照れるっす......///」
兄(よし、景気づけにでもボタン押すか)
兄(押す色は......)
>>193
193:

212:
兄(昨日のこともあるし、当然赤だな)ポチッ
後輩「......あの、先輩」
兄「ん? どうかしたのか?」
後輩「......警察って、カッコいいっすよね」
兄「......あ?」
後輩「警察ってヤバイっすよね! あれ! 事件をスピーディーに解決しますし! 日本の治安維持に大きく役立ってますし! 凄い職業っす!」
兄「......」
兄(......話が見えん)
後輩「私、将来警察官になりたいっす!」
兄「......はぁ!?」
兄(え、そういう話? 将来の夢とか、そういう乗りだったの?)
兄「......あー、そうか。頑張れよ」
後輩「はいっす!」
兄(......こいつ、こんなに弱々しくて逮捕術とかできるのか?)
213:
後輩「そのためにも、まずは体力をつけないとダメと思うんすよ」
兄(あ......自覚はあるんだ)
後輩「そこで先輩、そのですね......一緒に走ってほしいっす。毎朝、一緒に......?」
兄「......」
兄(何故そうなる......)
兄「あぁ、まぁ、学校がある日だけなら......」
兄(休日はできる限り寝たいし......)
後輩「本当っすか!? やったっす!」
兄「おいおい、そこまで喜ぶほどのことじゃねぇだろ」
後輩「嬉しいものは嬉しいんす!」
兄(......あ、やっぱ面倒なこと引き受けちゃったかもしれない)
214:
―――
兄「いってきまーす」
母「あら、今日は一段と早いわねぇ」
兄「まぁな、それじゃ」
母「いってらっしゃ?い」
後輩「......あ、先輩! 遅いっすよ!」
兄「あぁ、悪いな」
兄(いや、俺そんなに遅かったか?)
後輩「じゃあ、行きましょうっす」
兄「お、おう......」
後輩(とりあえず......毎朝会う口実はできたかな)
215:
兄(......こういうのは、無心で走っとけばいつかはつくはず......)
後輩「せ、先輩! 私......もう限界っす!」
兄「......」
兄(いや、体力なさすぎだろ。まだ片道一キロもいってねぇぞ)
後輩(ヤバイ......私将来絶望的じゃん......)
兄「......とりあえず、今日はここまでにしておこう。それと、筋トレとか家でやっといたほうがいいかもしれんぞ、お前。あるいは日常的に運動しとけ」
後輩「えぇ......」
兄(......こいつ、将来本当に大丈夫か?)
後輩「はっ......はいっす」
兄(......やる気だけはありそうなんだがなぁ)
217:
―――
兄(画して、俺たちの早朝ランニングの日々ははじまったワケだが......)
後輩「はぁ......はぁ、せ、せんぱい。もうヘトヘトっす......」
兄「おい、大丈夫か? 無理してないか?」
兄(いや、もう明らかに無理か)
後輩「だ、だいじょうぶっす。こ、これくらいなら......あっ!」カツン
兄「って、おい!?」ガチッ
後輩「はぁ......あ、あぶなかったっす......」
兄「あのな......」
兄(こんなになるまでやる必要はないだろ......)
兄「ほら、立てるか?」
後輩「げ......げんかいっす」
兄「今日は何キロ走ったんだ? ともかく、無理して走っても最終的に反動がでかくなるだけだって。もう今日はやめにするぞ」
後輩「......」
後輩(先輩こそ、とっても無理してるように見えるけど......)
218:
兄(......ボタン、押してみようかな)ガサッ......ポチッ
兄「......って、あ?」
後輩「どうかしたんすか?」
兄「あ、いや、別になんでもねぇよ」
兄(しまった、ポケットに入れた手がどっちか押してしまったっぽいぞ?)
兄(どっちなんだ、これ?)
>>221
221:

223:
兄(しかたない......あとで確認しよう)
後輩「......ねぇ、先輩」
兄「ん?」
後輩「先輩は、どうして毎朝一緒に走ってくれるんすか?」
後輩(先輩だって、とっても疲れてるだろうに)
兄「......」
後輩「? 先輩......?」
兄「......バカか、お前は」
後輩「え?」
兄「バカかって言ってんだよ、お前は!」
後輩「えぇ!?」
後輩(え、私、いま怒られてるの?)
227:
後輩「ど、どうしてっすか!? どうしてそんなことを言って......」
兄「お前が危なっかしいからに決まってんだろ!?」
後輩「......えっ?」
後輩(私が......危なっかしい?)
兄「前の痴漢事件のとき、あれ以来ずっと思ってたことだよ! お前は、やっぱり女子だし、体力もそこまでだし、その......可愛いし、ともかくなんか危なっかしいんだよ! わかるか!」
後輩「......」
後輩(先輩......そんなことを思って......)
兄「だから! ......だから、ひとりで無茶するのが、危なっかしくて......ガラス玉くらい、澄んでいて儚いからに決まってるだろうが......」
後輩「......」
228:
後輩(......)
後輩「......先輩」
兄「な......なんだよ」
後輩「泣いてんすか?」
兄「はッ!? な、んなワケは......って、あれ?」
後輩「なんで先輩が泣いちゃうんすかー、なんかここは私が泣く感じじゃないっすか? 普通は」
兄「う、うるさい! な、泣いてねぇ! 俺は断じて泣いてねぇぞ!」
後輩「それはちょっと......無理があるっす」
兄「......はぁ」
兄(なんでこうなるかなぁ......)
230:
―――
後輩「先輩、今日は色々とありがとうございましたっす」
兄「......今日も、の間違いじゃねぇの」
後輩「いえ先輩、いつも以上にっす!」
兄(......そういえば、赤ボタンの効果って......?)
後輩「それじゃあ、行きましょうっす! 学校へ!」
兄「あ、あぁ......」
兄(まぁ、いいか)
後輩「それじゃあ、お先っす!」
兄「え、ちょっ、お前どこにそんな余力が......?」
後輩(......先輩、私のこと思っててくれたんだ......///)
兄「......」
兄(......ま、今日はこれでよしとするか)
232:
―――
キーンコーンカーンコーン
兄(さてと、六時限目も終了したし、さっさと帰るか)
後輩「先輩! 一緒に帰ろうっす」
ザワザワ
兄「......」
兄(たぶん、明日色々と面倒だな......)
後輩「先輩、どうかしたんすか?」
兄「あ? いや、別に......」
兄(......ボタン押すか)
兄(今朝は結局どっち押したのかわからなかったけど、いまは左右でボタンをわけたからわかるし)
兄(さて、押すボタンは......)
>>235
235:
あか
247:
兄(赤っと)ポチッ
後輩「先輩」
兄「ん? どうしたんだ?」
後輩「私、夢を諦めないっす」
兄「あ? あ、あぁ......頑張れよ?」
後輩「はいっす! ただ......」
兄「......?」
248:
後輩「......なんというか、拍子抜けしちゃったというか」
兄「?」
後輩「......やっぱり、なんでもないっす!」
兄「? そ、そうか......?」
後輩(この想いは、まだ心のうちに留めておこう......)
後輩「さぁ、早く帰りましょう、先輩!」
兄「......おう」
兄(......まぁ、また今度聞けばいいか)
250:
―――
兄「......」
兄(さて、そろそろ妹が帰ってくる頃かな)
ガチャッ
妹「ただいま......」
兄(......よし)
兄「おかえり!」
妹「な!?」
妹(あ、兄......なんかいつもと違う?)
妹「......なによ」
兄「この前はすまなかった!」
妹(と、突然にどうしたのよ......?)
妹「......」フンッ
251:
ヘタレ主人公も本気出せば何度でも立ち上がるし、きっとあれだろ
っていう設定追加
252:
兄「......まだ、怒ってるのか?」
妹「......」
妹(いまさら、引き下がれるワケないでしょう......)
兄「......愛してるぞ、マイ・シスター」
妹「にゃ!?」
兄「俺は、お前を家族として愛している!」
妹「にゃ、にゃにを......え?」
兄「お前が俺をどれだけ嫌いであろうが、俺は絶対にお前を嫌いになったりはしない! 俺のことは嫌いでも、それだけは忘れないでいてくれ!」
妹「......」
妹(......)
兄「......あー、なんか悪かったな。いろんな意味で」
255:
妹「......」
兄(あれ......もしかしてこいつ想像以上に怒ってるのか? てか、そもそも俺の作戦が無謀だったってことも......)
妹(......)
妹「......ぷっ」
兄「......ぷっ?」
妹「あっはははははっ!」
兄「......えっ?」
兄(わ、笑ってる......?)
妹「あ、兄、バッカみたいwww」
兄「わ、笑うなよ!」
妹「あはははははっwwwwwwwwwwww」
兄「あぁ......もう、これでいいか」
妹「あははっwwwwww......はぁ......そ、それは私が決めることでしょう?」
兄「......そうだな」
256:
妹「......なんかもう、バカみたい」
兄「ば、バカは失礼だろ......」
妹「本当......さっきまで意固地になって怒ってた私、バッカみたい」
兄「......?」
妹「......もう、いいわよ」
兄「ほ、本当か!?」
妹「......ていうか、あれはその、私がゴキブリを見て取り乱したというだけの話であって......その......こちらこそ、ごめんなさい」
兄「......」
兄(はぁ......これだから妹は)
兄「......よしよし」ナデナデ
妹「にゃっ!? にゃ、にゃにしてるの......よ///」
兄「......愛してるぞ、マイ・シスター!」ギュッ!
妹「ちょ、待って! や、ちょっとやめなさいッ!」ガシッ
兄「イタッ!? ......やったなぁ......いくぞッ!」
母(......あ、えっと......私、気づかれてないのかしらぁ?)
260:
―――
部下A「先生、実験は成功でしたか?」
?「そうね......今回はほとんど青しか押さなかったし、もうちょっとデータが欲しいわねぇ」
部下B「ですが先生、もう被験者が......」
?「実は......明日、あの子のクラスに転校生がくるのよ」
部下C「て、転校生ですか......?」
?「えぇ、そして、その子がちょっと厄介......というか、過去に色々とあってね」
部下B「わかりました......」
部下A「で、ですが先生......?」
?「どうしたの?」
部下A「えーっと、転校生用のボタンなんて、作っても意味をなさないんじゃないでしょうか? ......転校生っていうのは、あくまで一時的な形でしかないでしょう?」
?「えぇ、そうよ。だけどあの娘は......それよりもっと深い、特別な関わりがあるのよ」
部下C「そ、それはいったい......?」
?「それはね......」
母「あの娘は兄くんの......幼馴染なのよ」フッ
26

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