モバP「紹介しよう!俺たちの新しい仲間の森久保乃々だ。」back

モバP「紹介しよう!俺たちの新しい仲間の森久保乃々だ。」


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1:
▼事務所内
P「…。」
森久保「…。」
p「…あれ?」
森久保「………うぅ。」
ちひろ「プロデューサーさん、大変恐縮ですが…本当にスカウトしてきたんですか?」
P「おう!おう!お…おう!森久保!簡単な自己紹介頼むよ。な…?」
森久保「やっぱりアイドルなんて…むーりぃ…」
P「」
ちひろ「」
ヘレン「プロデューサーがスカウトしたアイドルなら信じるわ」
川島「(大丈夫かしら)」ニコッ
高峯「……あの子、中々可愛いじゃない」
P「も、森久保ちょっとこっちこい!」
森久保「あ、え、うぅ…はぃ…」
3:
▼面談室
P「森久保、一体全体どうしたんだってばよ」
森久保「うぅっ…。」
P「あーうん。気持ちはわかるよ。親戚に勝手に応募されてウチにきたんだもんな。」
森久保「あの…えっと…あ、はい」
P「安心しろ、森久保。こちとらアイドルをプロデュースするプロだ。ウチを選んでくれた以上、俺には親戚さんたちの気持ちに応える義務がある」
森久保「(あたしが望んだわけでも、選んだわけじゃないのに)」
P「お前がどう転んでも、立派なアイドルとして育ててみせるぞ!まだ右も左もわからなくて不安だろうけど、俺がプロデュースするからしっかりついてきてほしい」
森久保「あ、はい…あうぅ…」
P「しかしあれだな。いきなりアイドルやれ!なんて言われても何をしていいかわからないだろう。ここには頼りになる優しい先輩がたくさんいるから、しばらく先輩たちについてまわってアイドルのお勉強だな!」
森久保「え、あ、はい…」
4:
P「そうだ、森久保。アイドルとして仕事をする上で苦手なことはあるか?グラビアとか歌とかダンス、握手会からMCや、ブログやTwitterでファンとのコミュニケーションなど、一括りにアイドルといってもやることはたくさんあるぞ」
森久保「うぅ…苦手なこと…。目立つことや…あ、えっと…しゃべることが苦手です…」
P「しゃべること、か…。しゃべることかー、しゃべることか。そうかそうか。」
P「…うーん。」
森久保「あうぅ…帰りたいんですけど…」
P「まあまあそう言わずに。そうだ!面倒見の良いお姉さんたちにしゃべりの特訓をしてもらえ。きっと俺なんかより同性のほうがしゃべりやすいだろう。」
森久保「それは…そうですけど…」
P「そうと決まれば早セッティングを組むとするか」
P「おーい、ちひろさーん。ちょっとー!」
7:
―――――――――――
―――――――――
―――――――
この日はプロデューサーさん先輩たちとの顔合わせで終わりました。
お父さん。お母さん…。私、アイドルに向いてないかもしれません。
「1回だけ」という軽い気持ちでOKを出した昔の私とお話できるなら、全力で止めたいと思います。
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―――――――――――
9:
―――数日後―――
▼面談室
森久保「うぅ…」ソワソワ
ガチャッ
森久保「!」
川島「やっほー!乃々ちゃんね、お久しぶり♪」
森久保「川島さんおはようございます…」
川島「話しはプロデューサーくんから聞いてるわ。トークが苦手なんですって?」
森久保「…はいぃ」
川島「それで私に白羽の矢が立ったわけだ。わかるわ。」
川島「乃々ちゃん、もう安心よ。大阪仕込みの鉄板トークをバッチリ教えてあげるわ♪」
森久保「あぅ…はぃ」
川島「そうとわかればレッスン開始よ!ビシバシいくわよー!」
10:
川島「トークといえば大事なのは『掴み』ね」
森久保「つかみ、ですか?」
川島「そう、掴み。聞き手の心をガッチリ掴んだら何を話してもドッカンドッカンよ」
森久保「どっかんどっかんと…」メモメモ
森久保「でも私なんかが、どっかんどっかんできるお話…うぅ…」
川島「乃々ちゃんはちょっと声が小さいから、勇気を振り絞って少しだけ大きな声で意外性のある話しをすればいいだけよ。」
森久保「意外性ですか…怖ぃ」
川島「なんでもいいのよ、乃々ちゃんは可愛いし清楚な感じがするから…例えばバイタリティあふれる言葉なんてどうかしら♪」
森久保「ばいたりてぃ…え、バイタリティですか…」
11:
川島「例えば…そうね。サイン会にきてくれたファンの方たちへの自己紹介一発目にこんなのどうかしら。ちょっとメモ帳かして♪」
サラサラサラ…
森久保「あうぅ…こんなの絶対無理なんですけど…」
川島「そう?『みなさんはじめまして♪森久保乃々です!好きな食べ物はチンゲンサイです!』」
川島「フレッシュでバイタリティじゃない?」
森久保「あの…えっと…なんでチンゲンサイなんですか…」
川島「シンデレラワードよ♪セクシー&エレガントに言えたら男はイチコロよ♪」
森久保「(うぅ…帰りたい…)」
12:
―――――――――――
―――――――――
―――――――
今日は事務所の大先輩の川島瑞樹さんにレッスンしてもらいました。
川島さんみたいに上手にしゃべれたらどんなに楽しいことか。
ぐいぐい引っ張ってくれるお姉さんで、私は川島さんが大好きです。
…ちょっとうるさいけど。
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―――――――――
―――――――――――
14:
―――数日後―――
▼面談室
森久保「」ソワソワ
ガチャッ
森久保「っ!」
ヘレン「あなたが森久保ね。私はヘレンよ。」
森久保「ヘレンさん、あ、おはようございます。」
ヘレン「ヘレン、私は世界のヘレンでいいわ。」
森久保「せかい…ですか?」メモメモ…
ヘレン「そうよ、世界よ。みたところ中々可愛いツラしてるわね」
森久保「あの、あ、ありがとぅございます…」モジモジ
ヘレン「プロデューサーから話しは聞いてるわ。世界レベルのトークを仕込んでほしいのですってね。」
森久保「え?」
森久保「(世界レベル!?)」
ヘレン「驚くのも無理はないわ。安心しなさい。森久保でもわかるようチャンクダウンして落としこむわよ」
森久保「ちゃんくだうん…」メモメモ
16:
―――数時間後―――
ヘレン「……そこでピサの斜塔が私に語りかけてきたのよ。『アナタの顔をもっとよく見たいがために、もう少しだけ傾いてしまおうかな』って。」
ヘレン「そこで私はこう言ったの。『もうちょっと興奮して固くならないと折れてしまうわよ』って」
ヘレン「どうかしら、私のトーク力。世界に通用するってこういうことなの。」
森久保「あ、はぃ…」
ヘレン「丹田がクレッシェンドになってくるでしょう?」
森久保「あ、あぃ…」
ヘレン「もうこんな時間だわ。私のトークを聞いたおかげで、今日はだいぶスキルアップしたんじゃないかしら。」
森久保「はい。本日はありがとうございました…」
ヘレン「またね、未来のマタドールさん」
ガチャ…バタン
森久保「…。」
森久保「下ネタは世界レベルっと」メモメモ
17:
―――――――――――
―――――――――
―――――――
今日はヘレンさんにレッスンしてもらいました。
見た目も話すことも色っぽくて私とは正反対のお姉さんでした。
ヘレンさんのキラキラした目をみてると吸い込まれそうで、私も自分に自信がついたらあんな綺麗な目になれるのかな?
お父さん、お母さん。私、アイドルをもう少しだけ頑張ってみます。
―――――――
―――――――――
―――――――――――
18:
―――数日後―――
▼面談室
森久保「」ソワソワ
スッ
森久保「っ!」
高峯「……楽にしていいのよ。」
森久保「!!」
高峯「……ちゃんと話すのは初めてね。……私はのあ。高峯のあよ。……宜しくね、乃々。」
森久保「も、森久保乃々です。よろしく…お願いします…。」
森久保「あ、あの…どうやってお部屋に…」
高峯「……変な子。フフフッ。プロデューサーから話しは聞いてるわ。貴方のトーク力を向上させることがプロデューサーの願いなら、私は全力を尽くすわ。」
森久保「ありがとう…ございます…うぅ」
森久保「(怖い…)」
高峯「……フーン。しかしなんでプロデューサーが貴方のトーク力を。……こういうポジションも悪くないわね。いいわ、早レッスンよ」
森久保「ぁぃ…」
19:
高峯「……乃々、いいかしら。トークもアイドルの立派な仕事よ」
森久保「」ビクッ
高峯「……常に完璧を目指しなさい。」
森久保「はいぃ…あの、その…おしゃべりが苦手で…」
高峯「……自分を信じるの。大丈夫よ。……あなたが何をしゃべろうと月は昇り地球は周るの」
森久保「うぅ…」
高峯「……だから安心しなさい。貴方はアイドルよ。目の前の人を魅了するのは外見のお仕事。……言葉でどうこうしようとするのが間違いだわ」
森久保「というと…」
高峯「……貴方が学んだことを言の葉に乗せて、自信をもって堂々と伝えるだけでいいのよ」
森久保「…」メモメモ
20:
高峯「……いい?乃々。貴方がファンを追いかけてどうするの?ファンの方々が貴方を追いかけ、捕まえたくなるように振る舞えばいいの」
森久保「捕まえたくなる…なるほどなるほど…」メモメモ
高峯「……アイドルとして身だしなみを整え、ファンに夢と希望を与えるよう振る舞い、トークは二の次でいいわ。……だから、今の貴方は少し力み過ぎかしら」
高峯「……肩の力を抜いてリラックスリラックス」
森久保「リラックス…ですか」
高峯「……そうよ。わかったら、はい!深呼吸」
森久保「すぅー…ふぅー…」
高峯「……スゥゥゥゥゥゥ…フシュゥゥゥゥーーー」
森久保「!?」
森久保「あ、あの、今蒸気が…」
高峯「?」
森久保「(なんか見てはいけないものを見てしまったような…)」
21:
―――――――――――
―――――――――
―――――――
今日は高峯のあさんにレッスンをしてもらいました。
すごい不思議な人で、とても目はとても冷たそうで。
でも芯がとても暖かいお姉さんでした。
お父さん、お母さん。私、ここが少し楽しくなってきました。
この先どうなるかわからないけど、1歩だけ踏み出してみようと思います。
―――――――
―――――――――
―――――――――――
22:
―――数日後―――
▼事務所内
ガチャ…バタン
森久保「あの…おはようございます…」
P「おー森久保おはよう!」
ちひろ「森久保さん、おはよう」
P「どうだ、乃々。レッスンは大変だったか?」
森久保「あぅ…えっと、楽しかったです…」
P「そうかそうか!そいつは良かった!まさかそんな前向きな返事がくるとは思ってもなかったぞ!」
P「みんなとどんなレッスンをしたか気になってきたぞ」ワクワク
森久保「えっと…あの、その…あっ(メモ帳出さなきゃ)」ゴソゴソ
P「おいおい大丈夫か?今から緊張してたら大変だぞ?」
森久保「あっあ、あ…」パラパラパラ
23:
森久保「わ、私の名前はチンゲンサイです!」
P「!?」
森久保「(あぅ…コレジャナイコレジャナイ)///」カァー
パラパラパラ…
P「どうした森久保!?おまえ、まさか一発ギャグか?…な、中々面白かったぞ」
森久保「下ネタは世界レベルよ!」
ちひろ「」ブホォ
P「下ネタ!?今のチンゲンサイって下ネタだったのか!?」
森久保「(違うコレジャナイ絶対コレジャナイ)///」カァー
パラパラパラ…
P「ど、どうした!?大丈夫か?熱でもあるのか?ちょっと医務室にいくぞ!」
森久保「……捕まえてみなさい」
P「川島ぁぁ!!ヘレン!!高峯ぇぇ!!!」
森久保「(アイドルとか…やっぱりむーりぃー…)」
おわり
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