モバP「穂乃香と周子」back

モバP「穂乃香と周子」


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1:
P「お、来た来た。こっちこっち」
穂乃香「あ、Pさん、お久しぶりです」
P「と言っても俺が向こうでスカウトしてから、そんなに経ってないだろうに」
穂乃香「言われてみればそうですね。改めまして綾瀬穂乃香です。これから、御指導お願いします」ペコリ
P「そこまで畏まらなくても。頭も下げなくてもいいって」
P(少し周りの目も気になるし…)
穂乃香「いえ、今から教えを請う側の人間ですからこの位して当然です」
P「ならいいんだけどね」
穂乃香「はい。それでは早事務所の方へ――」
P「あ、待ってくれ穂乃香。もう一人来るんだ」
2:
穂乃香「もう一人…?つまり、Pさんが私以外もご指導なさるということですか?」
P「まぁ、プロデュースするってことだよ。多分そろそろ来るはずなんだけど…」キョロキョロ
?「あ、Pさん。どーも」
P「お、周子ようやく来たか」
周子「そりゃ、ちゃんと来るって。…ってそちらさんは?」
穂乃香「…私、綾瀬穂乃香と申します。趣味、特技ともバレエです」
穂乃香(なんか軽そうな人ですね…)
周子「ふーん。あたし、塩見周子って言うの。シューコでもなんでも好きな呼び方でいいよ」
穂乃香「は、はい。それではよろしくお願いしますね塩見さん」
周子「堅いなぁ…。よろしくね。えーと綾瀬さん」
P「それじゃ、二人揃ったってことで事務所に行こうか。とりあえずそこに車停めてあるから荷物運ぶよ」
穂乃香「い、いえっ、平気です。自分で出来ますので」
周子「あたしもいいよ。大して荷物持ってきてないし」
P「そうか。それじゃ、着いてきてくれ」
3:
車内
P「それでこれからの予定なんだが…」
穂乃香「早レッスンですね」
周子「え?それホント?」
P「いや、別に特に決めてないんだが、個人的には簡単に設備の説明をして、寮に行こうかなって思ってたんだけど、穂乃香はレッスンを受けたいのか?」
穂乃香「はい。怠けるわけにはいきませんから」
P「ということだ。周子もな」
周子「まぁ、しょうがないかぁ。修学旅行の時以来初めてこっち来るから見て回りたかったけどなぁ…」
穂乃香「……」チラッ
穂乃香(塩見さんは…やる気がないんですか?)ムッ
4:
事務所
P「ま。それじゃ簡単に説明するな。今俺の隣にいるのが」
ちひろ「事務員の千川ちひろです。二人共分からないことがあったら何でも聞いて下さいね」
穂乃香「はい。千川さん宜しくお願いしますっ!」
ちひろ「そんな畏まらずにちひろでいいですよー」
周子「それじゃ、ちひろさん宜しくね」
ちひろ「はい。周子ちゃんも穂乃香ちゃんも頑張って下さいね」
P「うん。それじゃ、設備の説明が終わったら早レッスン行くか」
周子「ホントに来た日からやるんだ…」
穂乃香「いいじゃないですか。時間を無駄にしなくて」
周子「綾瀬さんはさー、東京見物とか興味ないの?」
穂乃香「私はそういうのは特に。それにここに遊びに来てるわけではないので」
周子「なるほどねぇ…」
5:
レッスン場
トレーナー「それじゃ、二人共よろしくね。まずは、柔軟からやってみようか」
穂乃香「はいっ」
周子「はーい――」
――

周子「…ねぇ、トレーナーさん。そろそろ練習止めにしない?初日だし」
穂乃香「何を言ってるんですかっ?まだ、余り練習していないじゃないですか」
トレーナー「まぁ、今日はこれくらいにしておきましょうか」
穂乃香「と、トレーナーさんまで」
トレーナー「自主練なら付き合ってあげるから。ね?」
穂乃香「それなら…ご指導お願いします」
トレーナー「うん。それじゃ、塩見さんは、プロデューサーさんと連絡を取って女子寮まで送って貰って」
周子「はーい」ピポパポ
周子「あ、もしもし、Pさん?うん。そうそう。着替えて事務所に顔出せばいいの?うん。分かった」ピッ
周子「それじゃ、さよなら」
6:
穂乃香「…お疲れ様です。塩見さん」
穂乃香(本気でアイドルになろうとしてるんだろうか塩見さんは…)
トレーナー「自主練って言ったけど、綾瀬さんも初日から飛ばし過ぎちゃダメよ?」
穂乃香「はい。自分のことは自分で分かりますので!」
――

トレーナー「す、凄いわね…。とりあえず今日はこれまで。これ以上やると怪我しちゃうわ」
穂乃香「はい…。ありがとうございました…」ゼェゼェ
トレーナー「それじゃ、シャワー浴びて着替えたらまた、ここに来てくれる?私が女子寮に案内するから」
穂乃香「あれ?Pさんはいないんですか?」
トレーナー「んー、なんだかちょっと予定が出来たみたくて。あの人も忙しい人だから…」
穂乃香「分かりました。すぐに着替えてきますので」ペコリ
トレーナー「別に焦らなくていいからねー」
トレーナー(真面目な子だなぁ…)
7:
女子寮
トレーナー「ここ。それじゃ、ちゃんとストレッチしておいてね」
穂乃香「はい。わざわざ送っていただきありがとうございました」
穂乃香「さて…、荷物を置いてと。塩見さんはどこの部屋でしょうか…?」キョロキョロ
穂乃香(あ、隣の部屋なんですね)
穂乃香(まだ、お互いの自己紹介も満足にできていませんからね。ここは、同じPさんに指導して貰う身として仲良くなっておかないと)
穂乃香「塩見さん、いらっしゃいますか?」コンコン
穂乃香「いないのかな…?」
穂乃香「門限はないですけど、外もそろそろ暗くなってきてますし、少しおせっかいかもしれませんが電話してみましょう」
穂乃香「あ、もしもし、塩見さん今どちらに?」
周子『ん?あたし?あたしは今…えーと、どこにいるのPさん?』
8:
穂乃香「Pさんと一緒にいるんですか?」
周子『うん。案内してって言ったらね』
穂乃香「あまり、言いたくはありませんが、Pさんもプロデューサーと言う身で忙しいのですから――」
周子『分かってるって綾瀬さんに言われなくても。それにもう帰ってる所だから。じゃね』ツーツー
穂乃香「っ!なんなんですかあの人は!」
穂乃香(人が心配したって言うのにあの態度)
穂乃香「…とりあえず、私は寝ましょう。今日は疲れましたし」
9:
―――
――

トレーナー「それじゃ、ここで十分休憩で。二人共慣れてきたみたいね」
穂乃香「そんな。トレーナーさんからマッサージの仕方を教わったおかげです」
周子「ふぅ…」
穂乃香「そう言えば、塩見さんはなんでアイドルになったきっかけはなんですか?」
周子「綾瀬さんは?」
穂乃香「私ですか?私は自分の表現力に限界を感じていまして、ここでなら新しい何かが得られるんじゃないかと…」
周子「凄い真面目だね。ソンケーソンケー」
穂乃香「それほどのことじゃないですよ。それで、塩見さんは?」
周子「んー、あたしは、そんな大それたきっかけなんてないよ。考えてみると実家でヌクヌクしようとしたら追い出されて。でアイドルって変な話だよね」アハハ
穂乃香「そんな…」
周子「ん?」
11:
穂乃香「そんな、甘い考えでアイドルが務まると思ってるんですか!」
トレーナー「ひゃっ!?」ビクッ
周子「な、なに?」
穂乃香「そんな、甘い考えで…。すみません。今日は早退します」ペコリ
トレーナー「え、まだ練習が…」
穂乃香「すみません。今の精神状況で、怒りに身を任せて練習しては、教えて下さるトレーナーさんに失礼だと思いましたので」
穂乃香「あ、心配しないで下さい。ちゃんと早退した分は自主練で補いますので」
トレーナー「あ、そう…。それじゃ、気を付けてね」
穂乃香「はい。失礼します」バタンッ
12:
女子寮
穂乃香「私としたことが…」ボフッ
穂乃香(ついカッとなってしまうなんて…)
穂乃香「でも、甘い気持ちだったらここにいるべきじゃないですよ塩見さん。きっとお互いの為によくないです」
穂乃香「でも、いきなり怒ったのは悪かったですよね。向こうの方が年上らしいですし」
穂乃香「もう、大分時間も経ってますし、ここは一つジュースでも買って謝りに…」
穂乃香(落ち着いて…深呼吸)
穂乃香「し、塩見さん。いますか?綾瀬です」コンコン
穂乃香(留守ですか…)
穂乃香「いない…。また、Pさんに案内でもして貰ってるんでしょうか。全くうらやま…じゃなくて。あ、そうだ。きっとPさんにも話がいってるだろから謝りに行かなくちゃ」
13:
事務所
穂乃香「し、失礼します」
P「お、穂乃香じゃないか。もう帰ったんじゃないのか?」
穂乃香「はい。一度は、でも。謝りたくて…これよろしければ」
P「ん?オレンジジュースかありがとう。丁度喉渇いてたんだよ。やけに温いな」ゴクゴク
穂乃香「あ、すみません。その…塩見さんがどこにいるか分かりますか?」
P「寮にいないのか?」
穂乃香「はい。帰ってない様子でした。Pさんもご存じないんですか」
P「うーん…それじゃ、俺も探すの手伝うよ。事務所を閉めるから先に外出てくれ。あ、そうだ。レッスン場の方の戸締りを見てきてくれないか?」
穂乃香「はい。ありがとうございます」
14:
穂乃香「えーと…、あ、電気点いてる勿体ないですね。まった――」
穂乃香(あれ?誰かいる…?塩見さん?あの汗の量…まさか、あれからずっと?)
周子「…よしっ!あと一回。ん?」
穂乃香「あ…。すみませんっ!」
周子「あらら。なにどうしたの?」
穂乃香「いえ、塩見さんが寮にも戻ってなかったので…」
周子「あー、またどこかに遊びに行っちゃってると思ったんだ」
穂乃香「いや、そういうわけでは…」
周子「いいって、いいって。そう思うのも無理はないでしょ。だって、初日にPさんと遊んでたんだしさ」
周子「あ、やっぱり、もう終わりにしちゃうから片付け手伝ってくれない?」
穂乃香「は、はいっ!」
15:
周子「うんっ。おかげで早く帰れるよ。ありがとね」
穂乃香「いえ、別に気にしないで下さい」
周子「…んー、あー、あのさ」
穂乃香「はい?」
周子「今言うと、言い訳っぽいけどさ、アイドルを始めた理由はあんなもんだけどさ」
周子「あたしだって、京都からこっちまで一人で上京してきてるのね。半端な気持ちでアイドルをやろうってわけじゃないよ」
穂乃香「塩見さん…」
周子「んー…や、やっぱりあれだね。こういう真面目な話はあたしには似合わないや」
穂乃香「私、塩見さんのこと誤解していました。すみませんでした!」ペコリ
周子「だから堅いって。そういうの苦手なんだよねぇあたし」ポリポリ
16:
P「穂乃香ー終わったか?って周子いたのか」
周子「いたよ。なに言ってんだか。使っていいって言ったのPさんじゃん。あ、そうだ。Pさんご飯行こうよ。綾瀬さん連れて」
穂乃香「わ、私もですか?」
P「いいぞ別に。もう帰るだけだし。穂乃香どうだ?」
穂乃香「はい。それでは、お言葉に甘えさせていただいて。ありがとうございます」
P「それじゃ行こうか」
19:
車内
P「二人共何か食べたいものあるか?」
穂乃香「私は、なんでも」
周子「Pさんの手料理か、なんか良いものが食べたいな」
P「…実質選択肢が一つしかないと思うんだが」
穂乃香(選択肢が一つしかない…つまり)
穂乃香「い、いやっ、私達アイドルがプロデューサーの部屋に行くなんてアイドルとしての自覚が足りないと…」ゴニョゴニョ
P「ん?流石に俺もそう思ってどこに行こうかを考えてたんだが」
穂乃香「え?」
周子「綾瀬さんはPさんの手料理食べたいってさ。いいじゃん細かいことは気にしなくて」
P「…今回だけだからな」
周子「良かったじゃん。ほ・の・かちゃん♪」ニヤニヤ
穂乃香「なっ…」カァァ
20:
P「ほら。男の料理だからあんまり期待するなよ」
周子「いただきます」
穂乃香「い、いただきます。あ、美味しいですよPさん」
穂乃香(…私もお仕事が安定してきたら練習しなきゃいけませんね…)モグモグ
P「口に合ったら良かったよ。普段は俺しか食べる人がいないから美味いか不味いか判断出来ないんだ」
周子「美味しいよ。これなら主夫になれるね」
P「なれてもならないぞ」
穂乃香(そう言えば、男の人の部屋に入るのなんて初めてですね…)キョロキョロ
P「穂乃香、あんまりマジマジと見られても恥ずかしいんだが…」
穂乃香「あ、す、すみません」カァァ
周子「あはは。意外に可愛い所もあるんだね」
穂乃香「か、可愛いなんて…そんな」
23:
P「それじゃ、二人共明日から頑張るぞ」
周子「うん。お休みー」
穂乃香「はいっ!今日はごちそうさまでした。それでは失礼します」
P「おう。じゃあな」
P(何だかあの二人仲良くなった気がするな。お互いにいい刺激になると思って組ませたがどうやら成功したみたいだ…)
――

穂乃香「あの…塩見さん」
周子「ん?なに?」
穂乃香「今度から私も一緒に自主練しても構いませんか?」
周子「別にいいよ。二人だと効率いいかもしれないし」
穂乃香「はい!ありがとうございます。それではおやすみなさい」ペコリ
周子「はい。おやすみー」
24:
事務所
P「そう言えば周子と穂乃香が出るライブが決まったぞ」
穂乃香「本当ですかっ!?」
P「おう、ユニットとして出るみたいだ。単独ってわけにはまだいかないけど。二人共、ライブまでの期間が短いけどしっかり練習しような」
穂乃香「はいっ!頑張りましょうね。塩見さん」
周子「うん。そうだね」
P「それじゃ、二人共練習行ってこい。くれぐれも怪我はするなよ」
――

トレーナー「はい、それじゃお疲れ様。二人共ストレッチしておいてね」
穂乃香「はいっ!…それでは自主練しましょうか。塩見さん」
周子「はいはい」
穂乃香「今日は表現の練習が主でしたので、気分転換にリズムの早い曲を練習してみましょうか」
周子「穂乃香ちゃんトレーナーみたいだねー」
穂乃香「ふふ。それじゃやりましょうか」
25:
周子「あ、マズっ…!」バターン
穂乃香「し、塩見さん!?大丈夫ですか?」
周子「ん。ちょっと疲れてフラついて倒れただけだって。てか、そろそろ今日は止めにしとこっか」
穂乃香「そうですね。あ、動かないで下さい。私が片付けしておくので。塩見さんは着替えて待っていて下さい」
周子「あ、どうもありがとね」
穂乃香「いえいえ。…本当に大丈夫なんですか?」
周子「ん?モチロン」
穂乃香「そうですか。それじゃ、すぐに片付けるんで待ってて下さい!」
周子「はいはい」
周子(ちょっとまずいかなー…)ズキズキ
穂乃香「終わりました。それじゃ帰りましょうか」
周子「うん。そうだね」
26:
翌日
周子「痛ったぁ…」
周子(湿布すれば治るかなって思ってたけどそんなことなかったね。腫れが引かない…)
周子「こりゃ、歩くのも辛いや。流石にボーカルはともかくダンスのレッスンは出来ないかなぁ」
周子「とりあえずPさんに電話してと…」
――

トレーナー「それじゃ、今日も頑張りましょうか」
穂乃香「待って下さい。塩見さんがまだ来てないです」
トレーナー「うーんとね。周子ちゃんは今日おやすみだって」
穂乃香「え?どこか具合でも悪いんですか?」
トレーナー「なんでもね。今朝、寮の階段で足をやっちゃったみたいなの」
穂乃香「足をですか…?」
トレーナー「えぇ。とりあえずプロデューサーさんが言うには骨には問題ないみたいなんだけど…ってどうかしたの?穂乃香ちゃん」
穂乃香「い、いえなんでもないです…」
穂乃香(今朝、寮じゃそんなことはなかった。あったら気づいてるはず。足…まさかっ!?)
27:
穂乃香「あ、あのっ、私お見舞いに行って――」
P「そんなことより今は練習だよ」
穂乃香「あ、Pさん。そんなことって」
P「言い方が悪かったな。ごめん。だけど、もしこのまま怪我の治りが遅れたら最悪、穂乃香はソロで出なきゃならないんだ」
P「その練習のことも考えると今は目の前のことに集中してくれ。辛いのは分かる。だから、練習が終わったら寮に行ってやれ」
穂乃香「はい。でもっ!……いえ、なんでもないです。すみませんでした」
トレーナー「そのことを言いにわざわざこちらに来たんですか?」
P「いえ、ちょっと、トレーナーさんに頼みごとが」ゴニョゴニョ
トレーナー「え?あ、はい。えぇ。その程度なら」
P「ありがとうございます。それじゃ、俺は周子たちの営業をしてきますので」
トレーナー「そ、それじゃ、始めようね穂乃香ちゃん。えーとこれをセットしてと」
穂乃香「何をしているんですか?」
トレーナー「いや、えーと、そう。穂乃香ちゃんが自主練する時に練習の映像が残ってると良いと思って」
穂乃香「なるほど…!それでは、よろしくお願いします」
28:
――

穂乃香「ありがとうございました。それでは、私は失礼します」
トレーナー「うん。行ってらっしゃい」
穂乃香「はい!」
女子寮
穂乃香「塩見さんいらっしゃいますか?」コンコン
周子「うん。空いてるよー」
穂乃香「失礼します。お怪我は?」
周子「うーん。平気だよ。わざわざお見舞いに来なくてもよかったのに」
穂乃香(昨日痛めた方と同じ…やっぱり…)
穂乃香「私があんな曲をやろうなんて言ったから」
周子「ん?」
穂乃香「謝りに来たんです。私が…私のせいで塩見さんが…っ」
30:
周子「いや、あの、この怪我は朝――」
穂乃香「朝、そんな物音誰も聞いてないですよっ!分かってるんですから。昨日の…怪我ですよね」
周子「あたしの不注意だったわけだし。気にしないでよ」
穂乃香「でも…!」
周子「そんな泣きそうな顔しなくてもいいて。大丈夫。明日には治ってるから」アハハ
穂乃香「そんな…強がり」
周子「強がりじゃないって。ほら、明日から一緒に出るから」
穂乃香「分かりました。無理だけはしないで下さいね」
周子「はいはい。一応、穂乃香ちゃんよりは年上だから自分のことくらい分かってるって」
穂乃香「分かりました。それでは」バタンッ
周子「――ライブまで、あと四日かぁ…。なんとかなるといいんだけど…」
31:
ライブ前日
穂乃香(結局次の日はおろか、その次の日も来なかった…。やっぱり辛いのでしょうか…。私のせいで)
P「穂乃香…辛いとは思うが…」
穂乃香「はい。分かりました。ソロの振り――」
周子「いや、勝手にいないものにするなんてPさんも酷いね」
P「周子…お前平気なのか?」
周子「やっと治ったよ。流石に間に合うかヒヤヒヤしたけどね」
穂乃香「塩見さん…」ジワァ
周子「ちょ、大げさだって。とりあえず踊りを合わせようか」
トレーナー「それじゃ、二人共位置について」
32:
穂乃香(凄い…塩見さん練習してないはずなのに…完璧に)
周子「復帰したてとしてはまずまずかな」
穂乃香「本当に治ったんですね。よかった…」
穂乃香「それにしても、よく完璧に踊れましたね。確か三日前は最後まで振付をやっていなかったはずなんですが…」
周子「まぁ、毎日誰かさんに練習のDVDを持って来られたらね…。嫌でも覚えるって」
穂乃香「もしかして、トレーナーさんですか?」
トレーナー「わ、私じゃないですよ。あれはプロデューサーさんが…あ、これ言っちゃ駄目だったんだ」
周子「あーあ。Pさんに言っちゃおうかなぁ」
トレーナー「そ、それは止めて下さいっ。そ、それじゃ、明日ライブだし、今日はここまで!二人共ちゃんと帰ること!」
穂乃香「はいっ!ありがとうございました」
周子「ありがとうございました」
33:
周子「…あ、穂乃香ちゃん、あたし、ちょっと用があるから先に帰ってていいよ」
穂乃香「用ですか?」
周子「うん。ちょっとだけだけど休んじゃったからね。事務所に顔出してから帰るよ」
穂乃香「すぐに終わるんだったら待っていますけども」
周子「あ、いいって。それじゃあね」
34:
事務所
周子「失礼しまーす」
P「お、来たか」
周子「うん。まぁね。…ごめんちょっと肩貸してくれない?そろそろ限界かも…」
P「お前やっぱり!」
周子「そんなドラマじゃないんだし、このタイミングで治るわけないじゃん。でも、効き目がある内は全然問題ないよ?事実踊れたしね」
ちひろ「ど、どうしたんですかっ!?」
P「周子の奴、痛み止め打ってレッスンやってたんですよ!」
ちひろ「え、えぇ!?ど、ど、どうしましょう」アセアセ
周子「平気平気。もう平気だよ。ありがと」
P「どうして、そんなことを…」
周子「そうだね。前のあたしならバカにしてると思うよ。だけどさ…いやなんでもないや」
周子(穂乃香ちゃんに感化されたなんて恥ずかしくて言えないって)
36:
P「まぁ、意地でも出るみたいだから止めないけど、無理だけはするなよ」
周子「流石Pさん話が分かる。それを話に来ただけだから。あたしも帰るね」
P「お、おい。えーっと…ちひろさん」
ちひろ「はい。私が送って行きますから安心して下さい」
P「すみません」
ちひろ「いえいえ。それじゃ、周子ちゃん。肩に掴まってね」
周子「ちひろさんごめんなさい」
ちひろ「いえいえ。それじゃ行きますよ」
38:
翌日
ライブ控室
P「二人共準備はいいか?」
周子「勿論。Pさんどう?ちょっとはそそられる?」
穂乃香「塩見さんはしたないですよ」
P「はは。それじゃ、二人とも頑張ってこい!」
周子 穂乃香「はいっ!」
P(周子。悪いが無理だと思ったら、俺はステージに飛び出すからな)
P「そんなことがないように願いたいけどな」ソワソワ
40:
穂乃香「それじゃ、塩見さん」
周子「ま。練習の成果見せてあげようよ――」
ワァァァァァァァ!
イイゾー!
穂乃香「やりましたよ!塩見さん」
周子「…ん?そうだね。良かった良かった。それじゃ、あたし達は引っ込まなきゃね」
穂乃香「えぇ。今日はアンコールなどはないみたいですからね」
P「二人共よく出来てた!お疲れ様!」
穂乃香「Pさん!アイドルって楽しいんですね!」
P「それは良かった!って周子?」
穂乃香「え?」
周子(とにかく終わっ…)ドサッ
P「お、おい、周子!しっかりしろって!!」
41:
控え室
周子「ん…?」
周子(柔らかい…)
穂乃香「あ、ようやく目を覚ましましたね」
周子「穂乃香ちゃん…ってことはひざまくらされてるの?あたし」
穂乃香「はい。硬くてすみません」
周子「いやいや、とっても気持ちいい」サワサワ
穂乃香「きゃっ、触らないで下さいよっ!」
周子「ごめんごめん。とりあえず起き上がるよ。よいしょっと」
穂乃香「私Pさんに聴きました…。まだ、治ってなかったんですね足」
周子「んー、まぁ本当のことを言うとね」
穂乃香「前に言ってましたよね半端な気持ちじゃないって。その覚悟が伝わってきた気がします」
周子「だーかーらー、そういうのは柄じゃないから止めてって。それに、もしここで休もうものなら、厳しい年下に怒られちゃうしね」
穂乃香「ふふふ。かもしれませんね」
周子「でしょ?」
42:
周子「あ、そう言えば穂乃香ちゃんってさ」
穂乃香「はい。なんでしょうか?」
周子「Pさんのこと好きでしょ」ニヤニヤ
穂乃香「なっ、なんてことを。そんなわけないじゃないですか!あ、別に嫌いというわけではなくてですね、なんというか…」ゴニョゴニョ
周子「まさかそこまでテンパるなんて思ってなかったわ…」
P「周子!平気か?」
周子「まぁね」
穂乃香「ぴ、Pさん!お疲れ様でした!」バッ
P「おう、お疲れ様。穂乃香もよく頑張ってたな」
穂乃香「は、はい!これもひとえにPさんのご指導の賜物だと思います」
穂乃香(さっきあんな話してたせいで顔が熱い…)
周子「ほーらっ♪」ドンッ
穂乃香「きゃっ!」
44:
P「おわっ」
P(周子に押された穂乃香を抱きしめる形になってしまった…)
穂乃香「あわわわ…」カァァ
周子「Pさーん、穂乃香ちゃんがライブ成功したから、頭撫でて褒めて欲しいって言ってたよー」ニヤニヤ
P「そうなのか。よく頑張ったな」ナデナデ
穂乃香「ちょっ、やめ、い、いや、別に嫌じゃなくてむしろ嬉し…って違くて、あの、その…」シュー
周子(顔真っ赤にしちゃって可愛いなぁもう)
周子「あ、これからもよろしくねーPさん」
穂乃香「わ、私、今幸せです…楽しくて、嬉しくて…私、頑張ります」
P「おう、これからも頑張ろうな」
周子「うわ、Pさん鈍っ!」
周子(今のもう告白みたいなもんなのに…)
P「なんか言ったか?」
周子「別になんでもないよ」
穂乃香「ふふ。これからも私を、そして、私達をよろしくお願いしますねPさん♪」
45:
おしまいです。
46:
乙乙
4

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