少女「おなかすいたー……今日はあそこでお腹を満たそうかな」back

少女「おなかすいたー……今日はあそこでお腹を満たそうかな」


続き・詳細・画像をみる

1:
少女「ここ、セルフかぁ……」
少女「まあ、いいか」
少女「えっと……これを外してっと」
少女「ゴクゴク……」
少女「ぷはぁ!!―――ふう、お腹いっぱい♪」
少女「さてと、お値段は……?」
少女「3880円か……」
少女「……これでよしっと。さ、家にかえろー」
男「…………なんだ、あの子?」
セクシーボイス アンド ロボ vol.1 [DVD]
6:
翌日
少女「あー……お腹すいた」
少女「今日もお世話になろーっと」
少女「……あ、でもお金があんまりないから、セーブしなきゃ」
少女「ゴクゴク……」
少女「ふう……お値段は……?」
少女「2450円……ま、こんなもんかな?」
少女「よし、かえろ」
男「………また、いた」
男「近所に住んでるのか?」
9:
あそこでお腹を満たすと聞いて俺の股間がMAXheartなんだが
11:
翌日
少女「今日はお小遣いいっぱいもらったし、いっぱい飲んじゃえ♪」
少女「ゴクゴクゴクゴク………」
少女「ぷっはぁー!!さいこー!!!」
少女「お値段は……8790円!!?」
少女「ま、まあ、今日はいいか」
少女「あー、しあわせ♪」
男「……ちょっと」
少女「はい?」
男「今……ガソリン、飲んでなかった?」
少女「え?ええ、そうですけど?」
男「………」
少女「私、ハイオクじゃないとダメなもんで」
男「そう言うことじゃない」
12:
無一文になって動けなくなったロボ娘を拾いたい
13:
少女「なんでしょうか?」
男「どうしてガソリンを、しかも大量に飲んでたんだよ?」
少女「すいません。私、プロトタイプらしくて異常に燃費が悪いらしいんです」
男「……」
少女「では」
男「まって」
少女「もう、なんですか?警察呼びますよ?」
男「いや……君、人間、じゃないのか?」
少女「え?」
男「……」
少女「いやいや、人間ですけど?」
男「ガソリン飲むのに?」
少女「普通、お腹が空いたら飲みません?」
14:
口がガソリン臭そう
もっと別の方法はなかったのか
15:
>>14
次はあなたのガソリンを下さいってかwwwwwおいおい兄ちゃん助平やなあwwwww
16:
男「飲まないな、普通は」
少女「変わってますね」
男「いや、人間は飲まないし、飲めない。死ぬからな」
少女「そんなバカな……。あ、じゃあ、私の飲んだのいります?」
男「は?」
少女「ほら、両手をこちらに」
男「な、なにするんだよ?」
少女「手をお皿にしてください」
男「こ、こうか?」
少女「おろろろ……(ビチャビチャ」
男「―――うわぁあああ!!!!」
少女「あー、なにするんですか?!もったいない……」
男「口からガソリンを出されたら驚くだろ!!」
少女「そうなんですか?」
17:
おろろろwwwwwwww
18:
男「やっぱり、君は普通の人間じゃないな……ロボットか?」
少女「ロボットって、ターミネーターみたいな?」
男「そ、そうだ」
少女「やですよー。ロボットはお腹なんて空きませんよ?」
男「人間はガソリンを飲んだりしない」
少女「それは貴方が特殊なのでは?」
男「違うと思う……」
少女「ここは田舎ですからね。まあ、世間知らずの方がいてもおかしくは……」
男「……」
少女「さて、私はもう帰りますね」
男「あ、ああ……」
少女「ふんふふーん♪―――あ、お腹がちゃぽちゃぽいってる」
男「………あの子は、一体……」
19:
ガソリンで動いてるってことはエンジン音うるさそうだな
排気はどうなってるんだ?
23:
>>19
尻からでてるんだろ
22:
翌日 ガソリンスタンド前 バス停
男「……」
男「今日も来るのか……?」
少女「おなかすいたー……」
男(来た……)
少女「ゴクゴク……ぷはぁ……」
少女「かえろ」
男「……ちょっと、つけてみるか」
少女「ふんふふーん♪」
男(見た目は普通の女の子だな……)
男(中学生ぐらいか……)
少女「あー、博士ー!!」
男(博士?!)
博士「――――」
男(くそ、なんて言ってるかわからないな)
24:
少女「―――」
博士「―――」
男(もう少し近づいてみるか……)
少女「―――じゃあ、送っていきますね」
博士「ああ、頼むよ」
少女「変身!!」
ガシャン!ガシャン!!
男「………!?!?」
博士「よし、いこうか」
大型バイク「はい♪安全運転でいきますよー!!――――ブルルルルルン♪」
男「………」
男「バイクに……変形した……」
27:
大学 教室
男「―――っていうことがあった」
「お前、トランスフォーマーって映画知ってる?」
男「いや!!本当なんだって!!」
「何番煎じだよ、その設定」
男「……」
「ったく、もっと捻ってくれないと困るぜ」
「なー?」
男「……悪かったよ」
友「……」
「じゃ、飯でもいこうぜ」
「そうだな」
男「はぁ……だよなぁ……誰も信じてはくれないよな」
友「……」
29:
夕方 ガソリンスタンド前 バス停
男「……」
男「あの子……昼過ぎじゃないと現れないのか?」
男「それもと……やっぱり夢でもみてたのか……?」
少女「バイクを売るなら?♪」
男「来た!?」
少女「ふんふふーん♪」
男「―――待ってくれ!!」
少女「わぁ!?―――なんですか?」
男「あ、えと……やっぱり、君は人間じゃなかったんだな」
少女「また、その話ですか?」
男「いや……俺は見たぞ。君がバイクに変形するところを」
少女「え……」
男「ロボット、なんだよな?」
少女「人間って何かしらに変身できるものじゃないんですか?」
30:
男「この期に及んでまだしらばっくれるのか?」
少女「いや、こっちは真剣なんですけど……」
男(もしかして……自分がロボットだって分かってないのか……?)
少女「なんですか、怖い顔して?」
男「普通の人間はバイクに変身はできない」
少女「またまたー」
男「本当だ!!」
少女「もう、自分が少し特殊だからってそのジョーシキを私に押し付けないでくださいよ」
男「……」
少女「では、これで」
男「まってくれ!!」
少女「きゃ!?ちょっと、腕をつかまないでください!!」
男「あ、ごめん……」
少女「何をそんなに必死になっているんですか?」
31:
なんだ則巻アラレか
32:
男(そうだな……何を必死になってるんだ……)
少女「……?」
男「いや。悪い。なんでもない」
少女「そうですか?」
男(でも、この子のことをもっとしりたいな……)
男「なあ、俺はどうやらかなり世間知らずみたいだ」
少女「そのようですね」
男「ちょっと君の常識を俺に教えてくれないか?」
少女「ふふん。年下に教えを請うとは、なかなか潔いですね」
男「まあな」
少女「いいでしょう。では、適当なお店にいきましょう」
男「……そうだな」
少女「はい。世間知らずさんにじっくりと世界のジョーシキを私が伝授してあげます!」
男「頼むよ」
少女「では、変身!!」
33:
大型バイク「―――ブルルルルン♪」
男「あ、俺、免許もってない……」
大型バイク「関係ないですよ。私がリードしてあげますから」
男「リードって……」
大型バイク「ほらほら、乗ってください」
男「わ、わかった」
大型バイク「あん♪」
男「……」
大型バイク「ちょっと……あの……ハンドルは……感じちゃうので……」
男「……どこを持てっていうんだよ?」
大型バイク「あ、あまり強く握らないで……ください……」
男「わ、わかった」
大型バイク「では、行きます!!―――ブルルルルン!!!」
男「おわぁ!?」
大型バイク「ひゃぁ♪―――ハンドル、にぎっちゃらめ!!」
34:
ミスタードーナツ
少女「……エッチ」
男「はい、ポンデリング」
少女「……(もっちもっち」
男(食事は普通にできるのか……)
少女「それで、なにから聞きますか?」
男「そうだな……みんなガソリンが主食なのか?」
少女「いえ、軽油の子もいます」
男「……」
少女「あと、電気や水素で生きている子もいますよ?あなたは、何エネルギーなんですか?」
男「……強いていうなら、熱だな」
少女「おお、火力エネルギーですか」
男「多分」
36:
少女「なるほど」
男「君の友達ってどれくらいいるんだ?」
少女「えっと、結構いますよ?」
男「みんな変身できるのか?」
少女「勿論です」
男「そうか……」
男(冗談……ではなさそうだな)
少女「もっちもっち……うまし♪」
男(ロボットなのに人間と思いこんでいる……それって大丈夫なのか……?)
少女「どうか、しました?」
男「いや。―――あ、そうだ。この前見かけたんだけど、博士って誰?」
少女「私のお父さんですけど?」
男「お父さん?」
少女「はい。外では博士って呼ぶように言われているので」
男(生みの親ってことか……やっぱり)
37:
少女「―――ふう、食べた食べた♪」
男「ありがとう。なんとなくわかったよ」
少女「そうですか」
男(納得は一切できてないけど)
少女「それでは私はこれで失礼しますね」
男「あ、ああ」
少女「それでは、また」
男「……」
男「あ、全額俺持ちかよ……」
男(まあ、いいけど)
少女「―――変身!!」
大型バイク「ブルルルルルン♪」
男「人目を憚らず……」
男(もしかして、俺が異常なのか……?)
38:
数日後 大学
男「おはよう」
「おーっす」
男(あれからあの子に会えてないな……)
男(何かあったのか……?)
「なあなあ」
男「ん?」
「午後の講義、代理頼んでいいか?」
男「またかよ……」
「彼女がどうしてもっていうんだ」
男「ジュースな」
「了解!」
男「ったく」
友「……」
39:
午後 教室
講師「―――で、あるからです」
男(どうしてるんだろう……あの子……)
友「(……あの)」
男「ん?」
友「(この後、暇?)」
男「(ああ、何も予定はないけど?)」
友「(じゃあ、カフェテリアにいかない?)」
男「(なんで?)」
友「(聞きたいことがあるの)」
男「(別にいいけど)」
友「(ありがとっ)」
男(なんだ……?)
41:
大学内 カフェテリア
男「はい」
友「ありがとう」
男「で、訊きたいことって?」
友「前に話してたこと」
男「なんのことだ?」
友「女の子がトランスフォームしちゃうって話」
男「ああ……それがどうかしたのか?」
友「どこで見たの?」
男「え……」
友「見てみたい」
男「どういうことだ?」
友「そんな女の子が実在するなら見たい」
男「俺の話を信用するってことか?」
友「まあ、ね」
42:
男「ふうん……」
友「ねえ、どこで見たの?」
男「数日前までは頻繁にバス停前のガソリンスタンドに現れてたな」
友「へえ」
男「でも、今は見ない」
友「そうなの?」
男「ああ。なんでかはわからないけど」
友「ふうん……でも、そのガソリンスタンドに行けば会えるかもしれないのね?」
男「望みは薄いけどな」
友「その辺りに住んでるっぽいの?」
男「いや、そこまでは訊いてないな」
友「そっか。ありがと」
男「あ、おい。今から行くのか?」
友「うん。もしかしたら会えるかもしれないし」
男「じゃあ、俺も行く」
43:
ガソリンスタンド前 バス停
友「まだかなー♪」
男「……」
男(もう1時間か……)
友「あ、疲れたなら帰っても良いよ?」
男「……そうだな。もし会えたら携帯に連絡してくれないか?」
友「いいよー」
男「サンキュ」
友「あ、丁度バスも来たね」
男「そうだな……んじゃ、ロボット少女探索頑張ってくれたまえ」
友「りょーかいであります!」
男「あはは、じゃあな」
友「うん」
44:
駅前 バス停
男「さてと……」
男(本屋にでも行こうかな……)
少女「―――げげっ!?次のバスまで30分以上もある!?」
男「あ……」
少女「あ……どうも」
男「なんか久しぶり……」
少女「そうですね。数日ぶりですね」
男「なにしてたんだ?」
少女「なにって?」
男「あのガソリンスタンドに現れなくなっただろ?」
少女「ああ、あそこはもう通っちゃだめだって博士に言われたので」
男「どうして?」
少女「なんでも……女の子に声をかける変な人がいるらしいですよ?」
男「……」
45:
少女「ですので、移動はもっぱらバスにしてます。その所為か徒歩だった頃よりもお腹が空かないようになったんですよね」
男「そうなのか」
少女「はい」
男(バイクになって移動するから異常に燃費が悪かったのか?)
少女「はぁ……でも、田舎だからバスを乗り過ごすと大変ですよね」
男「そうだな……」
少女「貴方はこれからどうされるんですか?」
男「えっと……本屋にでも行こうかと」
少女「本屋ですか……じゃあ、私もいきまーす」
男「そ、そうか」
少女「さー、レッツ・ぶっく・すとあー」
男「元気だな」
少女「はい!」
47:
本屋
少女「おー」
男(ロボットも本を読むのか……)
少女「あ、今月のバイク雑誌がでてますねー」
男「バイク、好きなのか?」
少女「はい」
男「ふーん」
少女「おぉ……このフォルム……かっこいい……付き合えたら、死んでもいいかもぉ……」
男「……」
少女「……きゃ!!」
男「どうした?」
少女「いや……いきなりいやらしいバイクが……もう、これ18禁ですよぉ」
男(普通のビックスクーターにしか見えないが)
少女「こういうページがあるからこの雑誌はあまり好きになれません。次……」
男(わからんな……何がエロいんだ……?)
49:
少女「うへへ……このバイク……めちゃくちゃイケメン……」
男「涎が……ちがっ!?それガソリンだろ!?拭け拭け!!」
少女「おおっと……じゅるる」
男「ほら、ハンカチ」
少女「すいません」
男「……それ、イケメンなのか?」
少女「そりゃもう!!わからないんですか!?」
男「悪い」
少女「まさか……トラック派?」
男「そんな派閥があんのか」
少女「じゃあ、好みのタイプってなんですか?」
男「好み……包容力がある子がいいな」
少女「……ホバークラフトとはまたマニアックですね」
男「お前らの感覚ではそうなるのか」
51:
     ,'⌒,ー、    _ ,,..  X
     〈∨⌒ /\__,,.. -‐ '' " _,,. ‐''´
   〈\  _,,r'" 〉 // //  . ‐''"
    ,ゝ ` - - - -_,,.. ‐''" _,.〉 / /  . {'⌒) ∠二二> -  - - - - - -
  _,.. ‐''" _,,,.. -{(⌒)、 r'`ー''‐‐^‐'ヾ{} +
 '-‐ '' " _,,. ‐''"`ー‐ヘj^‐'  ;; ‐ -‐ _-ちょっとスタンド見てくる
 - ‐_+   ;'" ,;'' ,''  ,;゙ ‐- ー_- ‐
______,''___,;;"_;;__,,___________
///////////////////////
52:
少女「この雑誌いいなぁ……」
男「……買ってやろうか?」
少女「いいんですか!?ありがとう♪」
男「もうすこし遠慮しろよ」
少女「やった♪やった♪」
男(中学生ぐらいの女の子がバイクの専門誌を持って小躍りしてる……)
少女「実は結構、今月ピンチだったんですよね」
男「そうなのか?」
少女「はい。博士がガソリン飲みすぎだって……酷いと思いません!?」
男「……さあ」
少女「ちょっと多めにハイオクを摂取しただけなのに」
男「……早くレジにもってけ」
少女「はぁーい♪―――これください♪」
店員「あ……え、はい……1200円になります……」
少女「あは?♪」
54:
店員「ありがとうございました」
少女「うへへ?」
男「結構、するんだな」
少女「専門誌ですからね」
男「……」
少女「はぁ?これを読みながら今日は寝よう……うふふ」
男「乙女の顔だな」
少女「本当にありがとうございました」
男「まあ、いいって」
少女「今度、お礼させてください」
男「あ、ああ」
少女「それでは!」
男「……いっちゃったか」
男「俺も帰ろう」
55:
翌日 大学
男「はぁ……」
友「おはよう」
男「おう」
友「結局、会えなかった……」
男「いつまで粘ってたんだ?」
友「夜の9時」
男「最終バスまでかよ」
友「はぁ……やっぱり中々出逢えないね」
男「―――実は昨日、駅前で会った」
友「マジ!?」
男「ああ。最近はあの道を使わないらしい」
友「そうだったんだ……なるほどなるど」
男「行くか?」
友「もち!」
57:
午後 駅前
男「―――この辺にいたんだけど」
友「そっか。バスを待っていれば会えるかもしれないわけね」
男「ま、そういうことだな」
友「オッケー」
男「……」
友「そういえばさ。ガソリンを口から大量に飲んでたんだよね?」
男「ああ。あの華奢な体のどこに収まってるのかわからんぐらいにな」
友「どうしてかな?」
男「しらねえよ」
友「気になるね?」
男「まあな」
友「まだかな?♪」
男「……」
58:
男(……もう30分か)
友「あ、先に帰ってもいいよ?」
男「そうさせてもらう」
友「見つけたら連絡するから」
男「おう」
友「……♪」
男「なあ」
友「なに?」
男「なんで俺のことを信じてくれるんだ?」
友「え?」
男「普通、女の子がバイクに変形するなんて信じないだろ?」
友「……まあ、いいじゃない」
男「そうか?」
友「うん」
60:
翌日 大学
男「……よう」
友「だめだったー」
男「そうか」
友「今日は違うところを探し見てみる」
男「そこまでして会いたいのか?」
友「うん」
男「わかった。今度見かけたらお前に連絡する」
友「ホントに!?助かるなぁー」
男「まあ、それぐらいはな」
友「ありがとっ」
男「気にするな。ガセネタ掴ませたお詫びだ」
62:
ガソリンスタンド前 バス停
男(とはいっても……早々、見つかるわけないしな)
男「どうすっかなぁ」
―――ブルルルルン♪
男「……え?」
大型バイク「ブゥゥゥゥン♪―――キキィィ♪」
男「……」
大型バイク「へい、らっしゃい!!」
男「……お前か?」
大型バイク「はい」
男「……」
大型バイク「乗ります?」
男「どうしたんだよ!?人を乗せずに走ってたら怖いだろ!?」
大型バイク「そんなことありませんって」
男「あるわ!!」
64:
大型バイク「いやぁ。博士が是非とも貴方を連れてこいと」
男「なに?」
大型バイク「雑誌のお礼がしたいそうです」
男「そうなのか……?」
大型バイク「はい。ですので、乗ってください。家まで送りますから」
男「お前の家か?」
大型バイク「そうです」
男「……あ、ちょっとまってくれ」
大型バイク「どうしたんですか?」
男「友達に連絡したいんだ」
大型バイク「もしかして約束が?」
男「それが、お前にどうしても会いたいって奴がいてさ」
大型バイク「私に?」
男「いいか?」
大型バイク「うーん……それは少し困りますね」
67:
男「どうして?」
大型バイク「いえ、博士は貴方だけを連れてこいと言ってましたから」
男「お前の家に行くのは俺だけでいい。そいつと会ってくれるだけでいいんだ」
大型バイク「なるほど。それでしたら、いいですよ?」
男「じゃあ、少し待ってくれ」
大型バイク「はい。―――変身!!」
少女「待ちますね」
男「バイクの姿は疲れるのか?」
少女「二輪で自立するのって足にくるんですよね」
男「よくわかんねえけど」
少女「あ、小腹がすいたのでガソリンを摂取してきます」
男「好きにしろ」
少女「わーい」
男「車に気を付けろよ」
69:
少女「ゴクゴクゴクゴクゴク……」
男(またすげえ飲んでるな……)
友『もしもし?』
男「あ、よう。今、どこにいる?」
友『今?駅前』
男「丁度、俺の目の前に例の女の子がいるんだけどさ」
友『どこ?』
男「ガソリンスタンド前のバス停だ。すぐにこれそうか?」
友『ちょっと待って……』
男「次のバスは?」
友『え……?』
男「バスがないとこれないだろ?」
友「あ、そ、そうだね……ちょっと待って……あ、次のバスは20分後だ』
男「じゃあ、無理だな。ここまで来るのに20分。計40分だ。多分、女の子が待ってくれない」
少女「ぷはぁ!!―――うおぉぉ!?2300円!?!?飲みすぎた!!」
70:
少女「あっちゃー、また博士になんか言われる……」
友『そ、そうだね……40分も待たせるのは悪いもんね」
男「あいつに連絡先だけでも訊いとくよ。あと、次に会う約束もしとく」
友『うん。そうしてくれると嬉しいな』
男「じゃあ、また今度な」
友『了解』
少女「はぁ……」
男「悪い。ちょっと遠くにいて来れないみたいだ」
少女「そうですか。では、行きましょう」
男「ああ」
大型バイク「―――どうぞ」
男「よっこいせ」
大型バイク「ハンドルは強くにぎらないでくださいね?」
男「はいはい」
大型バイク「では、行きますよ!!―――ブルルルルルン!!」
72:
高層マンション
大型バイク「ここです」
男「ここ……この辺で一番高級なマンションじゃないか」
少女「―――っと。さ、いきましょう?」
男「あ、ああ」
少女「……博士ー、ただいまー」
ウィーン
少女「どうぞ」
男「オートロックか。やっぱ徹底してるな」
少女「それほどでも」
男「なんでお前が照れるんだ?」
女性「あ、おかえりんこ♪」
少女「あ、ただいまー」
男「誰だ?この綺麗なお姉さんは?」
少女「私の妹です」
73:
女性「どうも。妹です」
男「いや、おかしいだろ」
少女「なにがですか?」
男「お前はどう見ても高校生未満だ。でも、この人は完全に大人じゃないか」
少女「でも、私よりも五年遅く生まれたので……」
女性「はい。御姉様は私達姉妹の中で一番年上なんですよ?」
男「なに……?」
少女「プロトタイプって言ったじゃないですか」
男「……」
女性「御姉様、その方が?」
少女「うん。あの雑誌を買ってくれた人」
女性「貴方はどのようなボディーに変身するのです?」
男「あ……お、俺は……」
少女「この人は変身できないんだって」
女性「まぁ。そうなんですか?……お気の毒に」
74:
男「……」
少女「どっかいくの?」
女性「ええ。お仕事に」
少女「気を付けてね」
女性「はい」
男「あの、仕事って?」
女性「ふふ……一時間15000円で気持ちよく、させてあげますよ?」
男「え……」
女性「これ、名刺です。―――来店の際は、是非とも私をご指名くださいね?」
男「なな……!?」
女性「では♪」
少女「いってらっしゃーい」
男「あの妹さん……どんな仕事を?」
少女「さあ。でも毎月300万ぐらい稼いでくるんですよ。きっとすごい仕事をしているんだと思います」
男「……そうだな」
78:
女性「―――変身!!」
ジープ「さあ、お仕事♪お仕事♪」
男「ジープに変形した……」
少女「ささ、こちらです」
男「あ、ああ」
チンッ!
少女「さ、エレベーターで向かいましょう」
男「お、おう」
少女「ぽちっと」
男「40階って最上階かよ」
少女「そうですよ?」
男「このマンションには友達も住んでるのか?」
少女「んー、というかここの住民はみんな友達ですね」
男「え……」
少女「兄妹も住んでますし、幼馴染も住んでますよ?」
79:
男(……これだけのマンションで……みんな知り合い?)
チンッ!
少女「着きましたよー」
男「あ、ああ」
少女「こっちです」
幼女「わーい!!」
少女「あ、こら!廊下は走らないの!!」
幼女「あ、お姉ちゃん」
男「この子も妹さん?」
少女「いいえ。この子は階下に住んでいるお友達です」
男「そうなのか……」
少女「遊ぶなら外で」
幼女「はぁーい。―――よいしょ」
男「あ!!欄干に昇るな!!あぶな―――」
幼女「―――変身!!」
80:
ヘリコプター「ババババババババ♪」
男「……」
少女「飛行機に気を付けてねー」
ヘリコプター「はーい」
男「……」
少女「さ、博士の部屋はこちらです」
男「あ、ああ」
男(みんな友達……それって……)
少女「博士ー、あけてー」
ガチャ
少女「どうぞ」
男「お、お邪魔します」
男(マンションの一室なのに……玄関から広すぎる……何畳分だよ……)
少女「博士ー」
男「……前は顔もちゃんとみれなかったからな……どんな人だ……?」
81:
博士「んー、おかえりー」
男(ジャージ姿の女の子……)
少女「また寝転がりながらお菓子を食べて、ダメじゃないですか」
博士「うっさいなー」
男「あの……」
博士「ん?なに?」
男「えっと……貴方は?」
博士「博士だよー」
少女「もう、お父さん。お客さんの前ぐらいきちんと座ってください」
博士「いいだろ、別に」
少女「よくありません」
男「お父さん……?」
博士「うん」
男「君……女の子、だよね?」
博士「え?あははー、よく間違えられるけど、僕は男なんだ。ごめんね、お兄さん」
83:
男「……」
博士「いやぁ。髪とかめんどくさいから伸ばし放題なんで、よく間違えられるんだ」
男「そ、そうか……」
少女「お父さん、洗濯物は干してくれましたか?」
博士「まだだけど?」
少女「あーもう!」
博士「ごめんよー」
少女「全く……何もしてくれないんですから……」
男「……」
博士「よっと……じゃあ、ソファにでも座って」
男「失礼します」
博士「ようこそ。僕のラボへ」
男「ラボ?」
博士「うん。このマンション自体が僕のラボなんだ」
男「……なに?」
84:
ラボがラブホに見えてしまった…
期待あげ
86:
博士「ここは居住スペースだけど、大半の部屋は研究のためにある」
男「なんの研究だ?」
博士「やだなあ、お兄さん。分かってる癖に」
男「彼女達を作っているのか?」
博士「その通り。―――彼女たちは数世紀先を行く機械人形なんですよ」
男「機械人形?」
博士「ええ。僕は主に運搬型の機械人形を生み出しているんです」
男「……どういう理由で?」
博士「例えば全長が何十メートルもある車両が、チェ・ホンマンぐらいのサイズに収まったら便利だと思いません?」
男「まあ、な」
博士「この国は多くの人が車を持っている。だけど、その車両を保管するための土地がなくなりつつあるんだ」
男「そうなのか?」
博士「こんな田舎ならいざ知らず、東京みたいなオフィスビルが立ち並ぶところではもう酷い有様ですよ」
男「……」
博士「駐車場だって土地代の関係で割高のところも見受けられるし。―――なら、いっそのこと人型の運搬車両を作れないものか、そう思った」
89:
博士「そうすれば、自分の車と添い寝もできちゃう。良い考えでしょ?」
男「そりゃ、すげえな」
博士「えへへ」
男「でも、どうしてそんな技術が表にでないんだ?経済新聞どころかスポーツ誌だって連日のように一面を飾りそうなもんだ」
博士「あはは。スポーツ誌は無理だと思うけど。―――まあ、色々と問題があって」
男「問題?」
博士「なんか僕があまりにも天才すぎたみたいで。心をもった彼女たちは専門家の間で危険視されちゃって」
男「どういうことだ?」
博士「ターミネーターとかトランスフォーマーって映画は知ってる?」
男「ああ」
博士「良かった。なら、話は簡単。あの映画のような世界になるんじゃないかって、思ってる連中が学会に多いんだ」
男「……」
博士「僕から言わせれば新しい時代を受け入れられない糞ジジイ共の僻みなんだけどね」
男「……でも、恐れるのは当然じゃないのか?」
博士「だから、こうして安全性のチェックを毎日行っているだけど?」
91:
男「……まさか」
博士「そう。僕が生み出した車両は200台以上。そのみんなが一般社会に溶け込んでいる」
男「おいおい……」
博士「ある者は学校へ。ある者は会社へ。ある者はエッチなお店へ」
男「……」
博士「車両として活躍している子もいるよ?タクシーだったり、バスだったり、一般車だったり。既に新幹線として働いている子もいるんだ」
男「それで問題はあったのか?」
博士「まるでないよ。自動ブレーキシステムなんて彼女たちが自分で考えたものだしね」
男「あれってそういうことなのか?!」
博士「うん。みんなちゃんと生きてるんだ。しかも、主のことを最優先に考えてね」
男「……」
博士「もし問題が起これば、たちまち街中は大混乱になるだろうけど。僕が設計した彼女たちに限っては、ありえないからね」
男「なるほど……」
博士「さて、説明は終わり。次は僕の番だよ、お兄さん?」
男「な、なんだよ……?」
92:
博士「何が目的?技術?」
男「え……?」
博士「彼女、街中で普通に変形しちゃうから偶にいるんだよね。―――お兄さんみたいに技術を盗もうとする輩が」
男「まて。俺はそんな気なんてない」
博士「そうなの?」
男「ああ。というか俺は文系だ。設計図を見てもただの幾何学模様にしかみえないと思う」
博士「ふーん」
男「俺が彼女に近づいたのは、ガソリンを口から大量に飲んでたいたからだ」
博士「あーあ。また、そんな下品なことを」
男「そんな場面を見たら気になるだろ?」
博士「で、気になって、貢いだの?―――この雑誌」
男「悪いか」
博士「……いや、べつに良いんだけど」
男「なんだよ?」
博士「お兄さん、彼女のこと好きになったの?」
94:
男「な、なにをいきなり……」
博士「欲しいなら、あげるよ?」
男「え……」
博士「正直、貰ってくれたほうが僕的には嬉しいんだけど」
男「なんでだ?」
博士「彼女、燃費が悪いからね」
男「……」
博士「何十リットルも一回で補給するんだ。困ったものだよ」
男「あの華奢な体のどこにガソリンが入ってるんだ?」
博士「あの子の場合、ああして起きてるだけで常に燃料を消費しているんだ」
男「常に?」
少女「よいしょ……ふう。干せましたー♪」
博士「補給した直後に燃料は消えていく。いっぱい入っているように見えるだけで、実際はそんなに入ってないんだよね」
男「補給している間も燃料は消えてるのか?―――そりゃ最悪だな」
博士「延々と補給しないように人間の持つ満腹中枢に代わるものを取り付けたけど、それでもあまり効果はないみたい」
97:
男「常日頃から時100キロで走ってる車みたいなものか?」
博士「しかも、半世紀前の燃費度外視の車両でね」
男「……」
博士「だからお兄さんにあげる」
男「いらねえよ。怖いわ」
博士「えー、でもあの通り、家事全般はできるし」
男「デメリットが家計に大打撃だろ」
博士「彼女がいなければかなり生活費が浮くんだけどなぁ」
男「だろうな」
少女「博士ー、今日の晩御飯はどうします?」
博士「ハンバーグ」
少女「はーい」
男「……」
博士「あ、お兄さんも食べていきます?」
男「……そうだな。頂いて行こうかな」
99:

少女「はい、どうぞ」
男「いただきます」
少女「召し上がれ」
男「……うまい」
少女「本当ですか!?」
男「うん」
少女「えへへ、博士は感想を言ってくれないから嬉しいです」
博士「食事なんて栄養が取れたらいいじゃないか」
少女「知りません」
男「随分と淡白な考え方なんだな」
博士「でも、そうでしょう?」
男「突き詰めたらな。だけど味だって大事だ」
博士「二の次だよ」
少女「博士のいじわる……」
100:
男「―――ごちそうさまでした」
少女「はい。お粗末さまでした。これ、お茶です」
男「ありがとう」
博士「お兄さん、今晩はどうするの?」
男「え?」
博士「よければ泊まっていってほしいな」
男「なんでだよ」
博士「……僕、お兄さんのことが気にいったんだ」
男「ぶっ!?」
博士「どう?泊まっていかない?」
男「や、やめろよ」
博士「いいでしょー?ねえねえ……」
男「く、くっつくんじゃねえ……!!!」
博士「お兄さん……♪」
少女「―――わぁぁ!!博士!!何やってるんですか!!!」
102:
博士「……」
少女「大丈夫でした?」
男「お、おう……」
少女「博士!」
博士「はいはい。ごめんねごめんねー」
少女「むぅぅ」
男「はぁ……」
男(見れば見るほど女の子だな、この博士は……)
博士「ふふん♪」
男(魔性か)
少女「どうされます?泊まっていきますか?」
男「いや、帰るよ。なんか危険な感じがするし」
博士「いっしょにお風呂でもどう?」
男「やめろ!!気持ち悪い!!」
博士「あはは、お兄さん、顔赤いよ?……スケベ」
104:
マンション 玄関
博士「じゃあ、お兄さんを家まで送ってあげて」
少女「はい」
男「悪いな」
少女「いえいえ。―――変身!!」
博士「じゃあ、また」
男「ああ」
大型バイク「どうぞ」
男「よっと」
博士「ヘルメットはちゃんとしてね。警察につかまったら厄介だよ?」
男「分かってるって」
博士「ああ、お兄さん」
男「ん?」
博士「この辺で女の子に声をかけてる不審者のこと、しらない?」
男「不審者……?」
106:
博士「うん。この子が誘拐されないかヒヤヒヤしてるんだ」
男(それって俺のことじゃ、ないよな?俺はこの子にしか声をかけてないし)
大型バイク「ブルルルルル♪」
博士「知らない?」
男「いや。悪いけど」
博士「そっか」
男「随分と気にかけてるんだな。金食い虫のこの子を」
博士「初めての子だからね。それなりに愛着はあるよ」
男「……そうか」
博士「まあ、プロトタイプだから色々と問題があるけどね」
男「問題?」
博士「お兄さんには関係ないよ。―――バイバイ」
男「あ、ああ」
大型バイク「では、いっきまーす!!」
107:
自宅前
大型バイク「ここですか?」
男「ああ。ありがとな」
大型バイク「いえいえ」
男「あ、博士の言ってた問題って聞いてもいいか?」
大型バイク「問題……燃費のことじゃないですかね?」
男「まあ、だろうな」
大型バイク「いやぁ、いつも腹ペコですよ」
男「改善できないのか?」
大型バイク「これでもかなりお腹は空かないようになったほうですよ?」
男「マジで?」
大型バイク「なんか博士曰く、構造上の欠陥らしいです」
男「欠陥……」
大型バイク「まあ、気にしても直らないんで」
男「そっか。―――ああ、そうだ。忘れるところだった」
110:
男「明日、会えないか?」
大型バイク「明日、ですか?」
男「ああ。またあのバス停で」
大型バイク「あ、お友達ですね?」
男「そうだ。ダメか?」
大型バイク「いいですよ。何時ごろにします?」
男「そうだなぁ……三時でどうだ?」
大型バイク「わかりました!」
男「じゃあ、よろしくな」
大型バイク「はい!では、失礼しますね」
男「車に気を付けてな。って、バイクにいうのも変だな」
大型バイク「はい。気をつけます。それでは――――ブゥゥゥゥゥン♪」
男「……」
男(バイクと会話してる俺って……傍から見てると不審者だよな……)
112:
翌日 大学 教室
男「おはよう」
友「どうだった?」
男「うお!?」
友「会えるの?」
男「あ、ああ。今日の三時にバス停で」
友「なるほど……」
男「なんでそんなに会いたいんだよ?」
友「だって、そんな女の子普通は会えないでしょ?バイクに変形するなんて、すっごいじゃん」
男「そりゃそうだな」
友「会ってみたいよ」
男「ま、あと数時間で会えるから」
友「うん……やっと……会える……」
男「……?」
113:
ガソリンスタンド前 バス停
少女「ゴクゴクゴクゴクゴク…………ぷっはぁ!!」
少女「1780円……まあ、今日はこの辺にしとこう」
男「―――おーい」
少女「あ、どーも!!今、そっちにいきますねー!!」
友「……」
男「こいつが言ってた女の子だ」
少女「あは♪どうも、初めまして」
友「貴女が……?」
少女「はい♪」
友「プロトタイプ?」
少女「そうですよ?」
男「え……?」
友「よろしく」
少女「はい!」
116:
友「彼から色々訊いているわ。博士のラボまで案内してくれない?」
少女「えっと……博士とのご関係は?」
友「友達よ?」
男「ちょっと、待ってくれ」
友「なに?」
男「お前……どういうことだ?」
少女「え……?」
友「なにが?」
男「俺、こいつがプロトタイプだとか博士のことなんて喋ってないだろ?」
友「そうだった?」
男「……お前、何者だ?」
友「―――いいから、案内して」
少女「え……」
男「おい」
友「……ありがとう。私はずっとこの子を探していたの。博士が溺愛するプロトタイプを」
121:
男「何言ってんだ?」
友「……私は親の顔をしらない」
男「は……?」
友「気が付いたら、知らない家にいた。そしてお父さんから一言だけメッセージが残ってた」
少女「……お父さん?」
友「―――君は今日から大学生として生きてほしい。機械の君がどこまで世間に馴染めるか知りたいって」
男「お前……もしかして」
友「そう。私もこの子と同じ」
男「……」
友「街でこの子を見つけた時、戦慄したわ。人目も憚らず変形して街を疾走しているんですもの」
少女「……」
友「それからこの子を探した。そのうちに、仲間が多くいることを知ったわ。そして、聞かされた……」
男「何を?」
友「この子だけが、お父さんの傍でなんの苦労もせずに―――しかも、人間として扱われて生きているって」
少女「え……?私……?」
123:
友「だから、探した。どうしてこんなポンコツが愛されて、私が見放されたのか知りたくて」
少女「わ、私は……」
友「貴女、お父さんにずっとお前は人間だって言われて過ごしてきたんでしょ?それも仲間から聞いたわ」
少女「ち、違います……私は人間……」
友「違う!!人間じゃない!!ただの使えないロボットよ!!」
少女「……!?」
男「おい、やめろ!!」
友「……早くお父さんのところに案内して。見つけた仲間はみんなお父さんの場所を知らなかった……でも、貴方は知っているんでしょう?」
少女「え、ええ……」
友「早く、案内しなさい」
男「……お前も変形できるのか?」
友「ええ。―――変身」
セグウェイ「……文句あるの?」
男「……」
少女「かわいい」
128:
男「乗ってもいいか?」
セグウェイ「いいけど?」
男「よっと」
少女「いいなー、私も乗りたい」
セグウェイ「ウィィィィィン」
男「おお、結構早いな」
少女「―――変身!!」
大型バイク「では、案内しますね」
セグウェイ「はやくして」
男「にしても車とかばっかりじゃないんだな」
大型バイク「博士は車両とされるもの全てに携わっていますからね」
セグウェイ「……ふん」
男「セグウェイ開発も博士が裏で関係してたのか……」
大型バイク「ここ、左折です」
セグウェイ「はいはい」
129:
マンション 玄関
大型バイク「ここです」
セグウェイ「ここが……」
男「会ってどうするんだよ?あいつ、偏屈だから適当なこと言われて追い返されるのがオチだぞ?」
セグウェイ「……それでも一言言いたいの」
男「そうか」
少女「―――っと。博士ー、あけてください」
ウィーン
少女「どうぞ」
セグウェイ「……よし」
男「……」
セグウェイ「ウィィィィン」
男(降りろって言わないのか)
130:
博士の部屋
少女「博士、ただいまー」
ガチャ
セグウェイ「こんなところに住んでいたのね……」
男「お前はどんなところに住んでたんだ?」
セグウェイ「ワンルームのアパート」
男「そりゃ腹立つな」
セグウェイ「でしょ?」
少女「博士ー」
セグウェイ「ウィィィィン」
男「おお、このまま入ってもいいのかよ?!」
博士「んー?家の中でセグウェイはやめてくれない?フローリングに傷がついちゃう」
セグウェイ「お父さんはどこ!?」
少女「め、目の前にいますけど……?」
セグウェイ「は?いや、女の子じゃない」
132:
博士「あ、これでも男なんだ。ごめんね」
セグウェイ「―――じゃあ、貴方がお父さんなのね?」
博士「君は……もしかして」
セグウェイ「ええ。あなたが生んだの」
博士「なるほど。立派なセグウェイになって。乗り心地はどうだった?」
男「悪くないな」
博士「それは良かった」
セグウェイ「ちょっと!!」
博士「なに?」
セグウェイ「お父さん……どうして?」
博士「何が?」
セグウェイ「こんなポンコツを傍に置いて、どうして私を見放したの!?」
博士「何を言ってるんだ?」
男「こいつはお前に捨てられたって思ってるらしい。あと、あの子を人間として扱ってるのが許せないんだってよ」
博士「そうなんだ……。君は相当、優秀だね?」
134:
セグウェイ「は?」
少女「どういうことですか?」
博士「嫉妬をするなんて最高だよ。最も人間らしいじゃないか」
男「お前……」
セグウェイ「な、なにいってるのよ……!!」
博士「まあ、いいや。質問に答えてあげるよ。このプロトタイプを傍に置いている理由から話そうか」
男「理由があんのか?」
博士「この子には愛着がある」
少女「お父さん……」
セグウェイ「それは初めての子どもだから?」
博士「いいや。そうじゃない」
少女「え……?」
男「お前、昨日は……」
博士「確かに初めて作った子だからっていうのもあるよ。でも、それ以上にこの子が出来そこないすぎて可愛いんだ」
少女「……できそこない?」
137:
隣でタバコ吸ったら爆発しそうだね
138:
博士「まあ、僕が全面的に悪いんだけど、構造的にエンジンを改造できないんだ」
男「そうなのか?」
博士「うん。当初はとにかく高い出力を維持できればいいって思って取りつけたエンジンだったんだけど、これが正に魔物で」
男「脅威の高燃費か」
博士「そそ。まあ、初めは実験体として作ったものだったから、すぐに壊すつもりだったんだ。だから、結構中身はテキトーなんだよね」
少女「て、適当……!?」
博士「エンジンやら動力部系を弄ろうと思ったら、この子を一回ばらさないといけないんだ。―――だから、改良ができない」
セグウェイ「どうしてよ?」
博士「―――ばらしたら、この子じゃなくなるから」
男「記憶が飛んじまうのか?」
博士「うん。プロトタイプは奇跡で生きているようなもの。ばらしたらきっとメモリーが弾け飛んじゃう」
少女「ひぃ……そんなの……いやです……」
博士「だからこの悪辣なエンジンを改造できないでいるんだ」
セグウェイ「捨てればいいじゃない」
博士「出来あがってプロトタイプが起動したときに……「おはようございます」って言ってくれたんだ。そんな彼女を失いたくはないよ」
139:
男「お前……意外と人間味があるんだな」
博士「別にマッドサイエンティストじゃないし」
少女「お父さん……」
博士「そのままずるずると時が経ち、まあ、今日に至るわけ。ここまできたら壊せないよ、心情的に」
男「そうか」
博士「まあ、この子のお陰で今、世に出ている子たちは低燃費が実現してるわけだけどね」
セグウェイ「……それはわかったわ。でも、どうしてプロトタイプだけを人間として扱ってたの?」
博士「この子がバイクであることを自覚してほしくなかった。君だって、心の底では人間だって思ってるでしょ?」
セグウェイ「……それは」
博士「プロトタイプには人間だって思ってもらうことで、極力バイクに変形するのを抑えたかった。燃料費が馬鹿にならないから。まあ、それも功を為さなかったね」
男「ああ……だから、最近はバスを使うように言ってたのか」
博士「女の子に声をかける不審者対策でもあるけど」
セグウェイ「……」
博士「これぐらいでいいかな?―――少し喋りすぎた。お茶」
少女「はいはーい」
141:
セグウェイ「……私のことは?」
博士「え?」
セグウェイ「私はどうして見放したの!?」
男「おいおい。落ちつけよ。落ちちゃうだろ」
博士「それは―――」
少女「どうぞ」
博士「ありがとう。―――ふぅ」
セグウェイ「答えて」
博士「君が最高傑作だからだよ」
セグウェイ「……え?」
博士「最高傑作を傍に置いていても意味がないでしょ?できるだけ親元から離して、その性能をみてみたかったんだ」
セグウェイ「……ほ、ほんとうに?」
博士「出来の悪い子は傍に置いておかないと、爆発しちゃうかもしれない」
男「ああ、不用意に火元にいっちゃいそうだもんな」
少女「酷い!?」
144:
博士「このマンションに住んでいる子たちも僕の中では比較的失敗作な子たちだ。目を離すことが出来ない」
男(あの綺麗なお姉さんもか……風俗で働かせてるのもなんかあるのか?)
博士「別に見放したわけじゃない。期待していたからだ。―――そして、見事に君は僕の期待に応えてくれた」
セグウェイ「……」
博士「君はもう完成型と言っても良い。ありがとう、よくここまでたどり着けたね」
セグウェイ「……お、とうさん……」
博士「おいで」
セグウェイ「ウィィィン……」
博士「よしよし」
セグウェイ「お父さん……おとうさん……会いたかったよ……ずっと……」
博士「うんうん……」
少女「よかったですね」
男「――よっと。そうだな」
セグウェイ「私……これからも、がんばるから……」
博士「うん……頑張ってほしいな」
145:
博士「さてと、お兄さんにもお礼をしないとね」
男「俺は何もしてないぞ?」
博士「お兄さんがいなきゃ、この子はここまでこれなかったかもしれないし」
男「そうかな。こいつならそのうち、ここに来たんじゃないか?」
博士「それは一つの可能性だね。この時間軸ではお兄さんがいなきゃいけなかった」
男「なんかこじつけだな」
博士「ふふ。それだけお礼がしたいってこと」
男「なら、そのお礼を受け取るとするかな」
博士「ありがとう」
セグウェイ「で、そのお礼って?」
博士「ちょっと」
少女「はい」
博士「―――はい、この子とこの子をあげる♪」
男「は?!」
少女・セグウェイ「……え?」
146:
男「どういうことだ?!」
博士「プロトタイプはお兄さんのことを気に入ったみたいだし、セグウェイちゃんもまあ、割と好きなんじゃないかな?」
少女「あ、あのあの?!」
セグウェイ「お父さん!?」
博士「勿論、金銭面での心配はしなくていいよ?毎月、振り込んであげるから」
男「いや……この子は傍に置いておきたかったんじゃないのかよ!?」
博士「でも、そろそろ次の可能性も見てみたいからね」
男「可能性……?」
博士「そそ。―――果たして、ロボットは恋をするのか」
男「恋!?」
少女「えぇぇぇ!?!?」
セグウェイ「お父さん!!やめてよ!!」
博士「プロトタイプは無理かもしれないけど、嫉妬ができたセグウェイちゃんならいけるかもしれない」
男「お前……!?」
博士「できればプロトタイプにも恋って奴を教えてほしいな、お兄さん♪」
147:
男「馬鹿野郎!!なんで俺なんだよ!!お前でもいいだろうが!!」
博士「僕じゃだめだよ。僕はどうしても親になっちゃうからね。お父さんが好きなのと、男性が好きなのは違うでしょ?」
男「それは……そうだけど……」
博士「車検とかもきにしなくていいいよ?調子が悪くなったら僕のところに連れて来てくれればいいし」
男「……」
博士「車庫とか駐車場の心配もいらない。お兄さんの横で寝かせとけばいいしね」
少女「あぅぅ……」
セグウェイ「……」
博士「これはお礼。そしてお兄さんは受け取るっていった。拒否権はなし」
男「お前……」
博士「じゃ、二人とも、がんばって恋をしてきてね?」
少女「うぇぇぇ……」
セグウェイ「こ、恋なんて……」
男「悪魔め」
博士「あはは、最高の褒め言葉だね、それ。じゃ、よろしくぅ♪」
149:
自宅前
セグウェイ「ウィィィィン……着いたわ」
男「ありがとう」
大型バイク「あの……いいんですか?」
男「つっ返そうにも、アイツには口で勝てる気がしない」
セグウェイ「それもそうね」
大型バイク「じゃあ……えっと」
男「これから、よろしくな」
セグウェイ「し、しかたないわね……」
大型バイク「お、お世話になります……」
男「ああ。―――バイクの免許、取らないとだめだな……こりゃ」
セグウェイ「私は免許なんていらないけど?」
大型バイク「ヘルメットさえ被ってれば大丈夫ですって♪」
男「アホか……はぁ……」
150:
3年後
男「おーい、早くしろ」
友「はいはーい」
少女「あ、こんにちは」
友「うん」
男「んじゃ、いくか」
少女「―――変身!!」
大型バイク「はい。どうぞ!!」
男「よっと」
友「んしょっと」
男「ヘルメットは?」
友「大丈夫」
大型バイク「じゃあ、いきますよ!!―――ブルルルルルン♪」
友「―――今日はどこにいくのよ?」
男「どっか適当だ」
152:
海岸
男「ありがと」
大型バイク「いえ」
友「どうしたの、こんなところに連れてきて」
男「いや、ちょっとな」
友「なによ?」
男「あれから三年だろ?」
友「そうね」
少女「―――よっと。セグウェイさん」
友「その呼び方はやめてよ!!」
少女「可愛いのに……」
男「あはは」
友「もう……」
少女「―――私はちゃんと好きになりましたよ?」
友「え……?」
154:
少女「三年もかかりましたけど、私はちゃんと好きになれました」
友「……それって」
男「……」
少女「でも、振られちゃいました」
友「……」
男「悪いな」
少女「いえ。こんな燃費の悪い子に惚れられても迷惑ですもんね」
男「いや、そうじゃない。―――俺は」
友「……」
男「お前のことが好きだ。セグウェイ」
友「……そ、そう……」
少女「セグウェイさんは、どうなんですか?」
友「うぅぅぅ―――」
男「あ……お前、困ったらいつもそれだな」
セグウェイ「うるさい」
162:
男「お前の返事をしりたい」
セグウェイ「機械に惚れるとか馬鹿じゃないの?!将来のことを考えたの?!」
男「お前のお父さんが何とでもしてくれるって」
セグウェイ「……」
少女「セグウェイさん、素直になってください。そして私をお二人の養子に―――」
男「馬鹿!!」
少女「しまっ!!」
セグウェイ「……ほお。なるほどね」
少女「やばい!!―――変身!!」
大型バイク「ブルルルルン!!」
セグウェイ「好きになったって嘘ね!?私を焚きつけて、結婚させようとしたわね!?!」
大型バイク「だってー!!三人で早く一緒に住みたいんですもーん!!」
セグウェイ「騙したな……許さない!!」
大型バイク「ひえぇぇ!!!」
セグウェイ「待ちなさい!!!」
165:
大型バイク「ひゃっほー!!」
セグウェイ「はぁ……はぁ……ぐぞ……」
男「おいおい。お前がアイツに追いつけるわけないだろ」
セグウェイ「だってぇ……」
男「―――で、どうなんだ?」
セグウェイ「……」
男「……」
セグウェイ「乗りなさいよ」
男「はいよっと」
セグウェイ「ウィィィィィン」
男「んで、どうなんだ?一緒に住むか?」
セグウェイ「ウィィィィィン………住む!!!」
男「じゃあ、これからは三人一緒な」
セグウェイ「ウィィィィィィィィィィィン!!!!!」
大型バイク「やったー♪―――ブルルルルルルン♪」
         おしまい。
166:

167:
ウィィィィン
170:
乙カレー
171:
うわあなんか納得いかねえ
177:
>>171
ごめん
俺はハーレムルートが好きなんだ
大型バイク選んじゃうと優秀なセグウェイは一人で生きていきていく感じになっちゃうからこうした
173:
乙!
なかなか面白かった
181:
大型バイクの食費だけでも月に10万以上稼がなければならない
たくさん稼げてすぐに就ける仕事と言えば…
あとはわかるな?
184:
>>181
たぶん、ちんこがガソリンかオイルまみれになると思うんだ
19

続き・詳細・画像をみる


PS4「ブラッドボーン」不気味な敵の姿が印象的なロンチトレーラーが公開! 俳優の金子ノブアキさんが本作をプレイする番組も放送決定

【画像】思わずムラムラしてしまう三次のガーターベルト画像が集まってくるスレ

大学で第二外国語って何語とるのがいいの?

【画像】刃物14本所持で逮捕奴の瞬間ワロスwww

【画像】神田沙也香可愛すぎワロタwwwwww

魚は痛みを感じると判明 活き造りしてる 日本土人は残酷だと欧米人が批判(動画あり)

俺がLINEのオススメスタンプTOP5を発表する

Twitterに実名と制服姿の顔写真を晒された女子中学生「私はカワサキ国と関係ないのに…」外出不能に

あらまた来た!あんた、いつも来るけど誰なのさ

「ちわっす、ナマポ受給したいんすけど。」→「はいはい、お名前は・・・・ア、アンタ25年前に死んでるよ!」

中村俊輔のFK←安心 本田のFK←あっ・・・

【韓国】リッパート駐韓米国大使襲撃事件の後、FBI米国連邦捜査局の要員たちが韓国警察庁に常駐

back 過去ログ 削除依頼&連絡先