勇者「魔導人形?」 幼女「ユーシャ!」back

勇者「魔導人形?」 幼女「ユーシャ!」


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頭領「なにをごちゃごちゃ言ってやがる! オメェら! 相手は一人だ! たたんじまいなぁぁぁぁああああ!!」
山賊団「ウォォォォォォォォオオオオオオオオオオ!!!」ドドドドドドドドド
勇者「さて、人のため、国のため、そしてなにより俺の優雅な税金生活のため、いっちょやりますか!」
勇者「死にてぇ奴だけかかって来やがれ! ……なんちって」ボソ
山賊団「ウォォォォォォォォオオオオオオオオオオ!!!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドド
49: 以下、
――――勇者の家―――――
幼女「……ぅん?」パチ
受付「むふふふふふふ」ジー
幼女「ユ、ユーシャ!?」ビクッ
受付「あ、幼女ちゃん、おはよう。寝てる幼女ちゃんも可愛いですけど起きてる幼女ちゃんもやっぱり可愛いですね!」ビシ
幼女「ユーシャ?」キョロキョロ
受付「勇者様はちょっと出稼ぎに行ってるの。まぁ、帰ってこなくても私としては一向に構わないんですけどねぇ」アハハ
幼女「ユーシャ……」ションボリ
50: 以下、
受付「ああ、しょんぼりしてる幼女ちゃんもかわいい……じゃなくて。大丈夫よ、幼女ちゃん、夕方までには帰ってくるって言ってたから心配しないでも」
幼女「………!!」ピクッ
受付「あら、その手に持ってるの、折り紙で折ったの? 幼女ちゃんすごいわ……うん? どうしたの?」
幼女「………」ジー
受付「あっちは……西の洞窟のあたり……よく勇者様がいるところがわかるわね」
幼女「ユーシャ!!」ダッ
受付「こら、幼女ちゃん! どこに行くの」ダキ
幼女「ユゥゥゥゥゥシャァァァァァ」ジタバタジタバタ
受付「勇者様なら大丈夫だから、安心して! ……それにしてもすごい力ね」
幼女「んむぅ……ん!」パッ
受付「あ、ダメよ幼女ちゃん! 待ちなさい! 幼女ちゃん」ダッ
幼女「ユーシャァァァァ!!!」ドドドドドドドド
受付「すごいスピード! 待ってぇ! 幼女ちゃん!」
ドドドドドドドドドドドドドドドド
51: 以下、
――――西の洞窟周辺――――――
ドドドドドドドドドドドドドドドドドド
山賊A「お、おい。なんだよこれ……?」
山賊B「地震か?」
山賊A「おい、あれ見てみろ!」
山賊B「洞窟が揺れている!?」
山賊A「どうなってんだよ!?」
山賊B「封印された龍……?」
山賊A「はぁ? だってあれは地方に伝わるおとぎ話かなんかだろ? 子供を危ない目に合わせないとかそういう類の教訓じみた昔ながらのおとぎ話なんじゃないのかよ!」
山賊B「俺もそう思ってた、だけどこの揺れ、普通じゃない」
ギャォォォォオオオオオオオオオオオ!!!
山賊B「この声、ますます普通じゃないな……」フッ
山賊A「笑ってる場合か!」
山賊B「来るぞ!」
ドカァァァン
52: 以下、
「誰だぁ? 俺の封印を解いてくれたのは? お礼にキスしてやりたい気分だ」ドスドスドス
山賊A「あわわわわわわわ!」
山賊B「あれが、龍……」
「おう? お前らか? 俺の封印を解いたのは? チッ、男かよ。つまんねぇなぁ」
山賊B「お前は何者だ?」
「なんだ? 最近の人間ってのは龍族に対しての口の利き方すらなってねぇのかよ、知らねぇのか? 名乗るときはまず自分からって常識」
山賊B「……名乗る程の名など無い。人様のものを勝手に頂戴して、その日をなんとか食いつないでるケチな山賊だ」
火竜「山賊ねぇ……俺は火竜。この地を任された龍だ」
53: 以下、
山賊A「じゃ、じゃああのおとぎ話は本当だったのか!?」
火竜「おとぎ話ぃ? どういうことだ?」
山賊B「人々を苦しめる悪い龍を突然立ち寄った男が封印する……あんた、随分評判が悪かったんだな」
火竜「封印……そうだ、あの野郎はどこに行きやがった!!」
山賊B「伝説に出てくる男はお前を封印した後にどこかへ消えたよ。もう随分昔の話だ」
火竜「段々思い出してきやがった、 ああ、思い出しただけでもムカつくぜぇ!」ゴォ!
火竜「ムカつく、ムカつく、ムカつくぅ!! 殺してやる、俺に楯突くやつは全員許さねぇ!」バッ
山賊B「待て、火竜。どこへ行くつもりだ!」
火竜「俺は今、最高にムシャクシャしてるんだ、ストレス発散も兼ねて人間どもに誰がこの世界の支配者かを思い知らせてやるんだよ! そうだなぁ、手始めにあの村から灰にしてやるか」ニィ
54: 以下、
山賊A「あそこって……お頭が行ってるところじゃねぇか! そんなことしたら……」
山賊B「待て、火竜。罪もない人間をお前の勝手で殺すというのか!」
火竜「ああん? 人間どもがどうなろうと俺の知ったこっちゃねぇ。あいつら人間は俺の気分を害した。その罪はなによりも重い。だから俺のストレス発散に付き合ってもらう。なにか間違ったこと言ってるか?」ニタァ
山賊A「伝説通りのクズ野郎だな」
55: 以下、
火竜「お前ら、さっきから誰にそんななめた口利いてやがる? まずはお前らから殺してやろうか!」
山賊A「クソッ、どうする?」ボソ
山賊B「お前は逃げろ。逃げてお頭にこのことを伝えるんだ。俺が時間を稼ぐ」ボソ
山賊A「はぁ!? そんな真似できるかよ! 相手は龍だぞ? 絶対死ぬって!」
山賊B「どのみち2人がかりでも勝てる相手じゃない、お前は足が早いだろ?」
山賊A「カッコつけんなよ! お前は俺の友達だ、死んで欲しくなんかない!」
山賊B「カッコつけさせろよ、安心しろ、死ぬ気なんてこれっぽっちもない。ほら、早く行け! みんなを頼んだぞ」
山賊A「絶対死ぬなよ、約束だからな!」ダダダ
火竜「逃げるか! 人間!!」ゴォ
山賊B「逃げる? 冗談じゃねぇ、あんたの相手は俺一人で十分だ」ジャキッ
火竜「本気で言ってんのか? 人間が龍に勝てるわけねぇだろ!」
山賊B「俺さ、今はこんなところで山賊なんてことやってるけど、小さい頃は英雄になりたかったんだよ。あの魔王を倒した勇者のように、誰かを助けるために頑張る英雄ってやつに……!!」ググッ
火竜「小生意気な人間風情が……そんな剣一本でなにができるってんだ?」
山賊B「そうだなぁ……あんたを倒して、英雄になれる!」
火竜「ほほぅ、おもしれぇ、消し炭にしてやるよ!」
山賊B「いくぞ! うぉぉぉぉぉおおおおおおお!!!!」
56: 以下、
―――道中――――
受付「幼女ちゃーん! 待ちなさーい!」タッタッタ
幼女「………」ダダダダ
受付「はぁはぁ……最近運動不足だったせいかしら、辛いわ……さっきから地震とこの世のものとは思えない鳴き声が聞こえてきてるんだけど、まさかね? ……幼女ちゃん! 本当に危ないから止まりなさーい!!」
幼女「………ユーシャ」ダダダダダ
57: 以下、
――――周辺の村―――――
勇者「よし、これで終了っと……」パンパン
村長「す、すごい……」
村娘「あんなにいた山賊団が……」
頭領「……ものの数分で全滅だと!」
勇者「ああ、殺してないから安心してね。まぁ、お頭さんの態度しだいでどうなるかわからないけどさ。どうする、一応戦っとく?」スチャ
頭領「……いや、戦わねぇ」
勇者「戦わないのか? 力が全てなんだろ?」
頭領「ああそうさ。この世は力が全てだ。だからこそ、俺は魔王がいなくなった世界でもこの古ぼけた考えでやってきた。だからこそ、お前さんに頼みがある」
勇者「聞く気はないけど一応言ってみろよ」
頭領「俺の首で、若いのの命は勘弁してくれねぇか」ザッ
58: 以下、
勇者「………」
頭領「これも好き勝手やってきた罰だ。受け入れる。だけどよ、俺の勝手に付き合ってくれたやつらだけは勘弁してくれ。あいつらは悪くねぇ」
勇者「だけど、さっき村長さんを殺そうとしてたよな?」
頭領「それも俺の責任だ。だからどうか、どうか見逃してやってくれ」ザザッ
勇者「………困ったね」
59: 以下、
ダダダダダダダダダ
山賊A「お頭! 大変です……ってなんですかこの状況」
頭領「お前! 見張りはどうした!?」
山賊A「そんなことどうだっていいんです! 洞窟から龍が……」

村長「もしや、封印されていた龍が目覚めたのか!?」
村娘「ええ!? あれってただのおとぎ話じゃなかったの?」
山賊A「急いで逃げてください、あいつ、手始めにこの村を焼き払うって!」
頭領「なんだと!」
勇者「すぐに逃げる準備を! 村の人も含めて避難しないと」
村長「村娘、皆に逃げる準備をさせるように、早急にじゃ」
村娘「わかりました」
頭領「おい、あいつはどうした? 姿が見えねぇじゃねぇか」
山賊A「それが、俺を逃がすために時間稼ぎを……」
勇者「1人で龍と戦ってるのか?」
山賊A「……はい」
頭領「あの馬鹿たれが……」
60: 以下、
勇者「頭領、お前らのことは後で片付ける、今は非常事態だ。村の人とともに遠くへ逃げろ」
頭領「だが、俺の仲間を助けねぇと」
勇者「龍相手にお前らじゃ無茶だ。俺が行ってくる。案内してくれるか?」
山賊A「もちろんです、お頭、みんなを頼みます」
頭領「ああ」
勇者「行くぞ」タッタッタ
61: 以下、
――――西の洞窟周辺―――――
火竜「ええい! ちょこまかとうざってぇ!!」ゴォォォォ
山賊B「そんなこと言わずに付き合えよ、急な運動は体に悪いんだぜ、火竜くん?」
火竜「馬鹿にしやがって! いいだろう、俺の真の力を見せてやる!」バサッ
山賊B「飛んだ!?」
火竜「これが龍のブレスだ……」コォォォォォォ
山賊B「これは正直、まずいよな……」
火竜「死にやがれぇぇぇぇ!!」
ゴォォォオオオオオオオオオオ!!!
山賊B「うわぁぁぁぁぁあああああああ!!!」
火竜「ケッ、運のいいやつだ」
山賊B「嘘だろ? 森が一瞬にして、灰になっちまった」
火竜「だが、その運も続かねぇだろう? 俺様に逆らった罰だ、あの世で後悔しな」コォォォォォォ
山賊B「チッ、ここまでか……やっぱり俺は英雄になれねぇのかよ……」
火竜「死ねぇぇぇ!」
62: 以下、
「させねぇよ!」ヒュン
火竜「なにぃ!?」
勇者「落ちやがれ!!」バシッ
火竜「グハァァァ!!」
ドシーン!
山賊B「あんたは……?」
勇者「うん? 通りすがりの税金暮らしニートです!」ビシッ
勇者「本日二度目!」
63: 以下、
山賊B「もしかしてあんた、勇者か!?」
勇者「今はただのニートだよ。しかし、あんたよくあんなのを相手に時間稼ぎができたな」
山賊B「魔王を倒したあんたが、よく言うぜ」
火竜「魔王、今、魔王と言ったのか? 魔王を倒しただと?」
勇者「お陰で毎日、悠々自適に税金生活を送ることができてるよ!」
火竜「こいつはいい! あんな大口を叩いておきながら、あいつは人間に殺されたのか! はは! ざまぁねぇな!!」
山賊B「なんの話をしている?」
火竜「ああ、気にするな。こっちの話だ。さて、勇者とやら、お前も俺の邪魔をするのか?」
64: 以下、
勇者「お前がおとなしくしてくれるならこちらからは危害を加えない。伝説にあった他の龍と同じように、人々と協力し合い、平和に過ごせ」
火竜「なぜ俺様が、あんな日和見主義の奴らと同じように人間どもに媚びへつらわねばならねぇんだ? あんなことをしておいて……… 冗談じゃねぇ!」
勇者「どうやら話し合いは通用しなそうだな……」
山賊B「おい、勇者、勝ち目はあるのかよ?」コソ
勇者「無い」コソ
山賊B「は?」
勇者「いやー、お宅さんのところの山賊相手だったら肉弾戦のみで勝てたんですけどねぇ……まさか、あんなレベルの方と闘っていらっしゃるなんて……いやー、予想外」アハハ
65: 以下、
山賊B「おい、ちょっと待て、どういうことだ? 勝ち目がない? 本当なのか?」
勇者「わたくし、諸事情で魔法が使えなくなってしまいましてねぇ……はいぃ」
山賊B「魔法が、使えない……?」
勇者「はいぃ、諸事情で……どうしましょう?」
山賊B「どうしましょうじゃねぇだろ? あいつやる気まんまんだぞ!」
勇者「みたいですねぇ、脅せばなんとかなるかなぁと思ったんだけどねぇ……『勇者』のネームバリューって案外、こんなもんなんですね!」アッハッハッハッハ
山賊B「爽やかに諦めてんじゃねえ!」
勇者「まぁ、王国にいる魔法使いや、剣士が駆けつけてくれたら十分倒せると思いますよ?」
山賊B「思いますよって……」
66: 以下、
勇者「なので私たちができることはぁ……」
山賊B「できることは?」
勇者「時間稼ぎ」
山賊B「結局それか」
勇者「それな」
山賊B「うるせぇよ、このガッカリニート」
勇者「俺にだって心があるんだよ?」
火竜「てめぇら、俺抜きでなにを盛り上がってやがる……」イライラ
山賊B「来るぞ!」
火竜「てめぇら全員、皆殺しだぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
67: 以下、
――――――――――
ドシーン! 
ギャオォォォォォォォオオオオオオオ!!
山賊A「だ、大丈夫かな? あいつ。でも、俺じゃあ足でまといになるだけだって、あの人に言われちまったし……ちくしょう! 見てることしかできねぇのかよ!……ん?」
幼女「………」ドドドドドドド
山賊A「なんだぁ? 金色の毛玉がこっちに向かってくる? 女の子か?」
幼女「………」ドドドドドドド
山賊A「おい、お嬢ちゃん! こっから先は危険だ! 龍が大暴れしてるんだ! それ以上先に言ったら死んじまうぞ!」
幼女「………」ドドドドドド
山賊A「ダメだって、止まれ!」ガシッ
幼女「――!!」ジタバタ
山賊A「わがまま言うんじゃねぇ! 本当に死んじまうぞ!」
幼女「――!!!!!!!」ジタバタジタバタ
山賊A「こいつ、本当に子供か? なんつう力してんだよ!」
幼女「んんんぅぅぅぅぅううううううう!!! うん!!!」パッ
山賊A「うお! あ、こら、待て!」
68: 以下、
幼女「ユーシャ……」ドドドドドド

山賊A「行っちまった……」
受付「待ってー、幼女ちゃーん!」
山賊A「おい、こっから先はダメだって!」
受付「あの! こっちに金髪の小さい女の子が来ませんでしたか?」ハァハァ
山賊A「あんた、あの子の保護者か?」
受付「来たんですか? どこに行ったかわかります?」
山賊A「あっちの方向に行った、ただ……」
受付「あっちですね、ありがとうございます」
山賊A「ダメだ!」
受付「どうしてですか? 早くみつけないと、迷子になっちゃいます」
山賊A「西の洞窟で龍が暴れている。俺もあの子を止めたんだが逃げられた。あっちは危険だ。あんたを行かせるわけにはいかない」
受付「そんな、龍が? 大変です! 早く呼び戻さないと!」ダダダ
山賊A「あぁ! ちょっと! まったく、人の話聞かない奴らばっかりじゃねぇか!」ダダダ
69: 以下、
――――――――――
幼女「ユーシャ!! ………!!!」ビクゥ
火竜「うん? なんだぁ? お嬢ちゃん、誰か探しているのかい?」ニタァ
幼女「………」コクコク
火竜「よし、俺も協力してあげよう。誰を探しているんだい?」
幼女「ユーシャ……」キョロキョロ
火竜「そうかぁ、勇者という人を探しているのかぁ……困ったなぁ、俺、全然わからないよ」ニヤニヤ
幼女「………」オロオロ
火竜「あれぇ? そういえば、さっき俺、人間のお友達と遊んでたぞぅ? その人たちに聞いてみるかい?」
幼女「………」コクコク
70: 以下、
火竜「ほら、楽しく遊びすぎて、そっちでおねんねしているぜぇ!!!!」
山賊B「………うぅぅ」ボロ
勇者「さすがに魔法を使わないで龍に勝つのは無理か……」ボロボロ
幼女「ユーシャ……? ユーシャ!!!」タタタタタ
幼女「ユーシャ! ユーシャ! ユーシャ! ユーシャ!」ユサユサ
勇者「ん? 幼女? お前なんでこんなところにいるんだよ!? 早く逃げろ! 死んじまうぞ!」
幼女「ユーシャ! ユーシャ!」ダキ
勇者「なにやってる、早く逃げろ!」
幼女「ユーシャぁ……」フルフル
71: 以下、
勇者「クッソ! こんなことなら横着しないで、勇者時代の装備、ちゃんと装備しておくんだった……いいか、幼女。ここにいちゃ危ない。俺を置いてさっさと逃げるんだ。いいな?」
火竜「そうだぞぅ。今から俺は、俺に逆らった奴に制裁を加える。そこにいたらお嬢ちゃんまで消し炭になっちゃうぞぅ?」
幼女「………」キッ
火竜「なんだその目は? 人間は全て等しく嫌いだが、俺はそういう目をする人間はもっと嫌いだ。優先的に殺してやりたくなる」
勇者「やめろ、この子はまだ子供だぞ! 龍は子供をも手にかけるってのかよ!」
火竜「子供だろうがなんだろうが、そんなものは関係ない。何度も言ってるだろう? 俺に逆らう奴は皆、等しく殺すと」
勇者「幼女、逃げろ。頼むから逃げてくれ」
幼女「………」フルフル
72: 以下、
火竜「ほぅ、勇者をかばい、俺の前に立つか。おもしれぇ、だったらまとめて殺してやるよ」コォォォォォ
勇者「幼女! ダメだ! 逃げろ!」
火竜「今度こそ完全に! 塵一つ残さず! 死ねぇぇぇぇぇええええ!!!」
幼女「ユーシャ」ニコッ
勇者「幼女ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおお!!!!」
ゴォォォオオオオオオオオオオ!!!!
73: 以下、
―――――???――――
幼女「……ぅん?」キョロキョロ
「やっほー♪ 幼女ちゃん!」
「目が覚めたみたいだね♪」
幼女「………」ビクゥ!
女「私は女! この空間を管理しているかわいいお姉さんだよ!」
男「僕は男! この空間でのんびりと過ごす、かっこいいお兄さんさ!」
幼女「………」シーン
男「固まってるな」ヒソ
女「掴みは失敗みたいね」ヒソ
幼女「ユーシャ……」キョロキョロ
女「……ユーシャはここにはいないよ」
男「お前は今、勇者達がいる世界とは別の世界にいる」
女「詳しいことはあまり説明できないんだけど、幼女ちゃんが凄いピンチ! っていうことだから、無理やりこっちに来てもらったの」
幼女「???」
74: 以下、
女「ねぇ、幼女ちゃん。ユーシャを助けたい?」
幼女「!!!」コクコク
男「だったら、その体。俺に貸してみないか……ってグハァ!!」
女「させないっつーの! ったく、あんたはこっちが油断するとすぐそういうこと言う」
男「いいだろう? ずっとこの空間にいるとやることがないんだ! たまには刺激っていうものをね……」
女「ダメ! 私がそんなことさせません! あんたは大人しくそこでゴロゴロしてなさい!」
男「ああ、暇だ暇だ暇だ暇だー」ゴロゴロゴロゴロ
女「うるさいわねー、静かにしなさい!」
男「うーん………ここでおもむろにブリッジ!!」ビシッ
幼女「………」オオオ
女「………」ゲシッ
75: 以下、
男「ああ、やめて! 無言で蹴らないで! ブリッジが! ブリッジが崩れるぅ……」プルプル
女「幼女ちゃん、あんな馬鹿放っておいて、話を先に進めましょう」
幼女「………」ジー
男「負けねぇぞ! なんたってこのブリッジの上には数千人がまだ取り残されているんだ!」プルプル
男(裏声)「いやー! たすけてー」 「ああん、落っこちちゃうわー」
女「………」スタスタ ドカッ バキッ
男「グハァ!! すまねぇ、みんな…… もう……限界……だ」ドシャ
幼女「………」アアア…
女「黙ってそこで死んでろ!」
幼女「………」トテトテ ダイジョウブ?
男「気遣ってくれるのかい? 君は優しい子なんだね……もう少し早く君に出会えたら、こんなことには……」ガクッ
76: 以下、
女「よ、幼女ちゃん? ユーシャ、助けたくないの?」
幼女「!!!」フルフル
女「……あいつのせいで、無駄な時間使っちゃったわ。」
女「正直なところ、諸事情で私があなたに直接力を貸してあげることはできないの」
幼女「………」
女「私はあなたにあなたが持つ力の使い方をサポートし、あなたの覚悟を問うだけの存在………」
女「私は物語の書き手でも読み手でもない、盛り上がっている物語を一歩引いた目線で見下して、偉そうに意見を並べ、無責任に立ち去るだけのそんな自分勝手なアドバイザー……」
女「幼女ちゃん、あなたにはこれから辛い出来事がたくさんあると思うわ。しなくてもいい苦労がこれからたくさんあるのよ」
女「自分勝手な私は、あなたがここで勇者共々火竜の業火に焼かれて、消えて無くなってしまうのも間違いじゃないと思うのよ。でも……」
女「あなたにはその現実を超える力を持っている。ユーシャを救う力を持っている。幼女ちゃん、あなたはどうしたい?」
77: 以下、
幼女「………ハン」プルプル
女「ん?」
幼女「……チャーハン……ユーシャ……」グス
幼女「……ユーシャ……スキー……!!!」グスグス
女「そうかぁ、幼女ちゃんはユーシャのことが大好きなんだね」
幼女「ユーシャ……」コクコク
女「うん、それだけで十分だよ。あなたはそれだけで辛い現実を乗り越えてゆける。お姉さん、応援するわ!」
幼女「!!!」ピョンピョン
女「頑張ってユーシャを助けましょう!」グッ
幼女「ユーシャ!」ビシッ
78: 以下、
男「微力ながら某も力添えするでござる!」ガバァ
女「あら、まだ死んでなかったの?」
男「俺を誰だと思ってやがる……素敵で愉快なお兄さんだぞ? ……幼女、ちょっとこっちに来い」
幼女「………」トテトテ
男「目、瞑ってな」パァァァァァ
女「ちょっと! 幼女ちゃんになにする気?」
男「どうもしねぇよ、ただちょっとあちらさんを驚かせてやろうと思ってな……おし、もういいぞ」
女「幼女ちゃん、気持ち悪いとか、なんかイカ臭いとかない?」
男「んなわけねぇだろ!」
幼女「???」フルフル
79: 以下、
女「そう…… もうそろそろ時間ね……行きなさい、幼女ちゃん。頑張ってね」
幼女「………」コクコク
男「お弁当持った? ハンカチとちり紙はある? 向こうについたら、ちゃんと連絡するのよ?」
女「お母さんか」ビシ
男「あふん」
幼女「………」バイバーイ
女「……幼女ちゃん!」ダキッ
幼女「……!!」
女「………こんなことにあなたを巻き込んでしまってごめんなさい……」ボソ
幼女「???」
女「それじゃあね、元気で」スッ
幼女「………」コクコク
女「忘れないで、私は、いつもあなたを見守っているから……」
80: 以下、
――――――――――
山賊B「……うん? 俺は確か、火竜のブレスに焼かれて……どうなったんだ?
火竜「どういうことだ!? なぜお前がそんな力をもっている!?」
山賊B「あれは……? 金髪の女の子? なんで光ってるんだ?」
勇者「幼女? 幼女、お前がやったのか?」
幼女「………」ゴゴゴゴゴ
火竜「それにそのお前が纏っている光、これじゃあまるで……」
幼女「!!!」カッ
ドゴォォォォォォォォン
81: 以下、
火竜「なにぃ!!」サッ
火竜「危ねぇ……ちょっと待て! なぜお前が龍族のブレスを撃つことができる!?」
勇者「あれって龍族のブレスだったのか……どうりでであんなデタラメな威力が出るわけだ……」
火竜「その身に纏っている光、そしてあのブレス……そんなものを扱えるのは龍族でもただ一人だけ……いや、そんなのあり得ねぇ! あの方は死んだんだ! 俺の目の前で!」
勇者「火竜! お前はこの子について、なにか知っているのか?」
火竜「うるせぇ! お前らはいつだってそうだ! 俺の邪魔ばっかしやがって! ムカつくぜ、ムカつく、ムカつく!!」ギャォォォ!!
82: 以下、
火竜「あのお方は死んだんだ! 俺は確かにこの目で見た!」
山賊B「勇者、火竜はなにを言っているんだ」
勇者「わからん、ただなにか知っているみたいだ」
火竜「その光を真似するのはやめろ! あのお方を愚弄するのはやめろ! やめやがれぇぇぇ!」コォォォ
勇者「まずい! デカイのがくるぞ!」
山賊B「といっても俺は動けないんだけどな……」
幼女「………ユーシャ」クルッ
勇者「幼女……? お前、その目の色……」
幼女「……大丈夫、肉体が消えてなくなったってユーシャも幼女ちゃんも私が死なせないから……」
勇者「え? お、お前……」
幼女「……ユーシャ! スキー!!!!」スッ
火竜「死ねぇぇぇぇぇえええええ!!」カッ
幼女「!!!!」カッ
ドゴォォォォォォォォン
83: 以下、
――――――――
受付「な、なんですか! さっきからこの世の終わりみたいな音は!」
山賊A「だから! あっちの方で龍が暴れてるって言ってるだろ!」
受付「幼女ちゃん! 幼女ちゃんはどこですかー!」
山賊A「危ないから、これ以上はダメだって!」
受付「なに言ってるんですか! 私の命より幼女ちゃんの命に決まっているでしょうが!」
山賊A「だったらしっかりリードでも着けておけよ!」
受付「あなた、いくら初対面だからと言ったって幼女ちゃんを馬鹿にするなら殺しますよ!」
山賊A「こ、殺す!?」
84: 以下、
受付「それにリードをつけた犬耳ルックの幼女ちゃんなんて……」ポワポワポワ
幼女「………」ワン!
山賊A「おい、鼻血! 鼻血ぃ!!」
受付「………ハッ! 一瞬三途の川が見えた」
山賊A「大丈夫か、あんた……」
受付「ん? あっちに幼女ちゃんの匂いがするわ! さっさと行きますよ! ついてきなさい!」ダッシュ
山賊A「だからそっちは危ないんだって! 話聞けよ!」
受付「幼女ちゃぁぁぁぁぁんんんん!! ここねぇぇぇぇぇ!!」ガサガサ
85: 以下、
山賊B「………」チミドロ
受付「ぎぇぇぇぇぇぇぇぇえええええ! 血みどろお化けぇ!」
山賊A「なんだ? 何があった!?……ってこれは」
山賊B「終わったんだよ」
山賊A「お前! よかった……生きてたんだな! 嬉しいぞ、兄弟ぃ!」ダキッ
山賊B「くっつくな! こっちは体中あちこち傷だらけなんだよ!」
山賊A「おお、わりぃ、すぐに回復魔法かけてやるからな……それで、終わったって?」ポワァ
86: 以下、
山賊B「あの子が火竜を倒したんだ、まぁ正確には火竜の片翼を『消し飛ばした』っていうのが正しいのか」
山賊A「だ、誰が、なんだって?」
山賊B「あそこの金髪幼女が、謎の光を纏いながら、謎の光線を放って、きれいに火竜の翼の片方を消し飛ばしました。それで戦意をくじかれた火竜はもう片方の翼でどこか遠くに飛んでいきました」
山賊A「お前ってそんな冗談言うタイプだったか?」
山賊B「俺だって未だに信じられない」
受付「幼女ちゃん!? 幼女ちゃんはどこですか!?」
山賊B「あぁ、あそこで勇者に抱きついてる」
受付「なんですって! 幼女ちゃぁぁぁぁぁん!」
87: 以下、
幼女「ユーシャ………」ダキッ
勇者「幼女、ありがとな。命拾いした」
幼女「………」フルフル
勇者「そうだ! お礼に今日の夕飯はチャーハン作ってやる」
幼女「チャーハン!!」ピョンピョン
勇者「そうか、嬉しいか?」
幼女「♪♪♪」
勇者「はは、あんまりはしゃぐなよ?」
幼女「……!!」ゴソゴソ
勇者「ん? なんだ? 幼女?」
88: 以下、
幼女「ユーシャ!」アゲル
勇者「これって……折り紙で折った、花?」
幼女「………」コクコク
勇者「くれるのか?」
幼女「!!!」コクコク
勇者「ありがとな、幼女。大切にする」
受付「なにを親子で円満な時間を築いてやがるんですか! このダメ勇者ぁ!!」ゲシ
勇者「痛ッ! あんた……来てたのか」
89: 以下、
受付「来てたのかじゃねぇですよ! なんですかその傷は! 幼女ちゃんまで危険な目に会わせて……元勇者ならねぇ! 龍の一匹や二匹、なんとかしてくださいよ!」
勇者「無茶言うなって……」
受付「自堕落な生活を送っていた罰ですね! これを機に働いたらどうですか?」
勇者「それは嫌です」
受付「頑なですね」
勇者「俺には守らなきゃならない一線があるんです! それに……」ジッ
幼女「……?」
勇者「色々と知っておかなきゃな、って」ナデナデ
幼女「///」テレテレ
受付「なに、幼女ちゃんにナデナデしてるんですかぁ! ……ハッ! まさかついに禁断の領域に踏み込んじゃったんですか、勇者様!」
勇者「そんなんじゃないっての!」
90: 以下、
ギャーギャー
山賊A「なんか、ああいうのいいよな」
山賊B「どうしたんだ? いきなり」
山賊A「なんか言葉では上手く言い表せないけど、なんか暖かいって気がする」
山賊B「……まぁ、わからんでもないな」
山賊A「俺、足洗おうかな……」
山賊B「いいんじゃないか? 昔から思ってたが、お前向いてねぇよ、山賊なんて」
山賊A「なっ! そこまではっきり言うか!? 俺の口から言わせればなぁ、お前の方がよっぽど向いてないからな!」
山賊B「なんでだよ、俺は上手くやってる方だろ?」
山賊A「お前みたいな誰かのために自分を犠牲にできる奴が悪の道なんてこれっぽっちも似合わねぇよ」
山賊B「じゃあ、なにが似合うって言うんだよ?」
山賊A「お前には英雄がお似合いだ」
山賊B「……なっ/// 聞いてたのか? あの時!」
91: 以下、
山賊A「いいんじゃないの? 英雄! 俺は似合ってると思うぜ!」
山賊B「う、うるせぇ!」
山賊A「だって、お前はその力で俺を、そして山賊団のみんなや村の人たちを守ってくれたじゃねぇか。それってお前だからできたんだよ」
山賊B「お前……」
山賊A「俺にとって、あの時のお前はまさしく英雄だった! だから、もうなっちまえよ! みんなを助ける、英雄って奴に!」ニカッ
山賊B「……なにカッコいいこと言ってんだよ……」
山賊A「カッコよかった? 俺今カッコよかった?」
山賊B「くそ、なんかムカつく!」
山賊A「へへ…… めでたしめでたしってやつ?」
山賊B「………」フゥ
山賊B「違ぇねえ」フッ
92: 以下、
――――1ヶ月後 役所――――
受付「あれでエンディングだと思った? 残念! 受付ちゃんでしたぁ!」
勇者「急になにを言い出すんですか? あなたは……」
受付「いや、一度でいいからこの台詞言ってみたくてですね……」
勇者「よくわからないですけど」
受付「ああ、あんまり気にしないでください。それでですね、支給金の件なんですけど、今月もこれくらい支給されます☆」
勇者「ありがとうございます!」
受付「ちなみに幼女ちゃんが毎日来てくれたら私のポケットマネーから上乗せします」
勇者「えー、めんどくさい」
受付「それじゃあ、マイナス5万……」
勇者「できる限り善処させていただきます!」
受付「よろしい」
93: 以下、
勇者「でも、今日であの事件から1ヶ月ですか……早いですね」
受付「その後の幼女ちゃんはどうですか?」
勇者「変わらず元気ですよ、まぁ、あの時みたいに金色には光りませんけど」
受付「それにしても未だに信じられません、あの幼女ちゃんが龍を倒しちゃうなんて……」
勇者「しかも龍族のブレスですからね……魔法使いはなにを考えてあいつを作ったのか……」
受付「まぁ、でもとにかく! 山賊の件も片付いたし、幼女ちゃんもかわいいし! よかったじゃないですか」
勇者「そうだ、山賊の件ってどうなりました? なんかあの後うやむやになっちゃいましたけど……」
受付「ああ、山賊達はですね、結果的に誰も殺していなかったとはいえ、近隣の住民に多大な迷惑と怪我を負わせたということでですね、向こう10年牢獄に入れられることに……」
勇者「そ、そうですか……」
「お客様、お茶をどうぞ」
94: 以下、
勇者「あ、ありがとうございます……ってあんた」
元頭領「お世話になってます、勇者の兄貴」
受付「なってたんですが、もったいなかったんで私の方から無理言ってここで働いてもらうことになりましたー☆」
勇者「あんた、むちゃくちゃだな!!」
受付「あ、お頭さん、私の机に置いてある明日中に提出しなきゃいけない資料、代わりにやっといてもらえますか?」
元頭領「わかりました姉御! おいてめぇら! 姉御から直々のお達しだ! 気合入れてとりかかりやがれぇ!」
元山賊達「「「ガッテンだ! お頭ぁ!!!」」」
元頭領「バカ野郎! ここではそんな汚ぇ言葉使うんじゃねぇ! 『かしこまりました』と言え!」
元山賊達「「「かしこまりました!」」」
受付「お陰で定時で帰れるようになりました☆」
95: 以下、
勇者「あんた何者なんだよ……」
受付「ただのしがない役所の受付嬢ですよ?」
勇者「………あんまり考えないようにします」
受付「その方がいいかもしれません」
勇者「はぁ……そろそろ帰ります、幼女を待たせてるんで」
受付「え!? 幼女ちゃん来てるんですか? どうして会わせてくれないんですか!?」
勇者「あいつに合わせると手続きそっちのけで幼女に付きっきりになるからですよ」
受付「どこですか? どこに幼女ちゃんがいるんですか!?」
勇者「それじゃあ、なにかあったらまた来ます」スタスタ
「あー! どこにいるの幼女ちゃん!?」「姉御、この資料について聞きたいことが……」「邪魔しないで! 殺しますよ!?」「か、勘弁してくだせぇ!」
96: 以下、
勇者「幼女!」
幼女「ユーシャ!」トテトテ ダキッ
勇者「待たせて悪かったな、寒かったろ?」
幼女「………」フルフル
勇者「じゃあ、帰るか!」
幼女「………」スッ
勇者「? ああ、わかったわかった」ギュ
幼女「♪♪♪」
勇者「幼女、今日の夕飯はなにが食べたい?」
幼女「チャーハン!!」
勇者「お前、そればっかりだな……わかったよ、今日はチャーハンにしような」
幼女「♪♪♪」
勇者「魔導人形?」幼女「ユーシャ!」 終わり
魔法使い「なにか食べたいものはあるかの?」幼女「チャーハン!」に続く
98: 以下、
以上です、ありがとうございました
初めての投稿で色々と戸惑うこともありましたが、なんとか終わることができました
あまりにも大風呂敷を広げすぎたため、今回のお話では色々と回収できていません、続編もできることなら作っていきたいと考えているのでこのような形で終わらせました
最後に、ここまで付き合ってくださた方々、ありがとうございました、感想等ありましたら書き込んでいただけると嬉しいです、ありがとうございました。
100: 以下、
予告編
魔法使い「久しぶりじゃの、 勇者。息災でなによりじゃ」
勇者「じゃあ、幼女はなんであんなことができるんだよ?」
受付「うるさいんですよ! 私と幼女ちゃんの逢瀬を邪魔する奴は例え親でも、王様でも死んでもらいます!」
メイド「あなた達、我が主のためにその身を捧げてくれますか?」
剣士「英霊祭か……あまり気分のいいものではないな……」
男「……おもむろに一人ピラミッド!!」ビシッ
女「あんた寂しいわね……」
火竜「俺は知っている……あの小娘と同じ色の光を纏ったあのお方を……俺の全てだったあのお方を……その名は……」
幼女「ユーシャ………」
魔法使い「なにか食べたいものはあるかの?」幼女「チャーハン!!」
105: 以下、

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