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ことり「真姫ちゃんにキスしてみたい」


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1:
―音ノ木坂学院 音楽室―
?♪
 ?♪
ジャーン……
真姫「……ふぅ」
パチパチパチ
ことり「お疲れ様、真姫ちゃん。良い音色だったよ」
真姫「ことり。……ありがと」
ことり「はい、真姫ちゃん。お茶」
真姫「気が利くわね。いただくわ」
ことり「どういたしまして♪」
ズズ……
3:
真姫(ことり、最近よく音楽室に来るわね)
真姫(穂乃果や海未と一緒にいないのも珍しい)
真姫(私としては、近くに誰かいて、曲作りにコメントしてくれた方がやりやすいし、助かるんだけど)
真姫(ことりはそれでいいのかしら?)ジー……
ことり「?」
真姫(そもそも、私ことりのことあんまり分からないのよね)
真姫(いつも穂乃果や海未と一緒にいることが多くて、一対一で話したことあんまりないし)
真姫(普段の様子を見てても、ちょっとふわふわして掴みどころの無いイメージ)
真姫(一体何を考えてるんだろう……)ジー……
ことり「……」
スッ
真姫(ん、ことり……?)
ことり「真姫ちゃん真姫ちゃん」
真姫「何?」
ことり「んー♪」
チュッ
真姫「!?」
5:
バッ
真姫「な、なな何すんのよ!?」
ことり「えへへー。真姫ちゃんくちびる柔らかいね」
真姫「はっ……?///」
真姫「ば、馬鹿言ってんじゃないわよ! どういうつもり!?」
ことり「真姫ちゃんこそどうしたの? そんなに驚いて……」
真姫「どうしたって、そりゃこんなことされたら……」
ことり「いまどき仲のいい女の子どうしがキスするなんて普通だよ?」
ことり「物知りな真姫ちゃんなら当然知ってるよね?」
真姫「えっ……」
真姫「……」クルクル
真姫「と、当然知ってるわよ!」
真姫「びっくりしたのは……、そう、ちょっとした茶目っ気よ!」
真姫「知らないふりして、ことりのことちょっとからかってやろうと思ってね!
真姫「びっくりした? あ、あはは」
ことり(ちゅんちゅん)
10:
ことり「なあんだ、そうだったの。ことり、すっかり騙されちゃった」
真姫「え、ええ。ことりもまだまだ修行不足ね」
ことり「けいけんほーふなんだね。真姫ちゃん」
ことり「じゃあ、今度は真姫ちゃんからお願いね」
真姫「……」
真姫「……」
真姫「……は?」
11:
ことり「沈黙長いよ真姫ちゃん」
ことり「最初はことりからキスしたから、次は真姫ちゃんの番」
真姫(番!? 順番!?)
真姫(仲のいい子どうしのキスってそういうものなの?)
真姫(イミワカンナイ……。私のリサーチ不足なのかしら。)
真姫(今度花陽や凛あたりにそれとなく尋ねてみましょうか……)
ことり「どうしたの? 真姫ちゃん……固まっちゃって」
真姫「い、いや、ちょっと久しぶり? だから……?」
ことり「そうなの? はやくしようよぅ……」
真姫「い、今コツを思い出してるから……」
ことり「はやくぅ……真姫ちゃぁん……」オネガァイ!
真姫「うっ……」ドキッ
真姫「……///」プルプル
真姫「……ちょっとだけ時間ちょうだい」クルッ
ことり「ええー……。早くしてね?」
12:
真姫(キスするの? ホントに? 私したこともないのに)
真姫(でも上手くやらないとまたことりに変に思われちゃう)
真姫(……えぇい、こういうのは勢いよ! やるからにはしっかりやらないと!)
クルッ
ガシッ
ことり「!」
チュッ
ことり「むぐっ……」
真姫「んっ……」
チュゥー
13:
真姫(やっちゃった……。私からの、ファーストキス)
真姫(これが……キスの感覚なんだ)
チュゥー……
真姫(何だろう……。ドキドキするのに、同時にとても安心する)
真姫(くちびるが温かい……それに、何だか柔らかい匂いがする)
真姫(とても心地いい……ずっと、こうしていたい……)
14:
スッ
ことり「……ありがと、真姫ちゃん」
真姫「あっ……」
真姫(もっと、やっていたかったのに……)
ことり「真姫ちゃん、上手だね。見直しちゃった」
真姫「あ、当たり前でしょ?」
ことり「えへへっ」
真姫「……」ドキッ
真姫(何なのよその笑いは。……まぁかわいいからいいわ)
真姫(キスって、あんな感触なんだ。ただくちびるをくっつけるだけじゃないのね)
真姫(何と言うか、繋がっていると相手の存在が全身で感じられる、ような……)
真姫(上手く表現できないけど、とにかく……気持ちよかった)
ドキ……ドキ……
真姫(できるなら、また……)チラッ
ことり「……」
真姫(あの柔らかそうなくちびる、もう一度……)
16:
真姫「」ジー
ことり「……?」
ことり「」ニコッ
真姫「!」バッ
真姫(な、ななな何考えてるのよ私!)
真姫(そんなこと軽々しくできるわけないじゃない!)
真姫(さっきだって、ことりの方から振ってきたから……)
ハッ
真姫(……ことり)
真姫(さっきみたいなこと……他の子ともしてるのかな……)
真姫(……)
真姫(何だろう……この心のもやもや)
17:
真姫「……ことり」
ことり「ん?」
真姫「ことり……キスは仲のいい女の子どうしでする、って言ってたわよね」
ことり「うん」
真姫「それって……私のこと……仲がいいって認めてくれてるってこと?」
ことり「仲がいいって……そんなの当たり前だよ」
ことり「真姫ちゃんはμ'sの大切な仲間だからね」
真姫「μ'sの仲間……」
ことり「うん」
真姫「……。そう、ありがと」
19:
真姫「じゃ、じゃあ……」
ことり「……?」
真姫「ことりは、その、穂乃果や海未とも……普段からそういうことしてるわけ?」
真姫「仲のいい子どうしなんでしょ?」
ことり「……」
ことり「私は、穂乃果ちゃんとも海未ちゃんともしてないよ」
ことり「いや、μ'sの他の誰とも」
真姫「え……?」
真姫「それ、どういうこと……?」
ことり「だって……」
ことり「そもそも仲のいい女の子どうしはキスする、って……嘘だもの」
20:
真姫「は……?」
真姫「ヴぇぇええ!?」
ことり「あははっ、だって真姫ちゃん簡単に信じちゃうんだもん。面白くて、つい」
真姫「ことり……アンタっていうヤツは……」ワナワナ
真姫「信じらんない!!」バンッ
ことり「!」
ことり「ま、真姫ちゃん……?」
真姫「……」フルフル
21:
真姫「……じゃあ私にキスしたのも、遊び半分だったっていうわけ?」
真姫「私は、あんなにドキドキして……、ことりのこと、意識しちゃったっていうのに……」
真姫「あなたはただ、からかうつもりでやってたっていうの……?」
真姫「私だけが一人で舞い上がっちゃって、そんなの、馬鹿みたいじゃない……!」プルプル
ことり「……真姫ちゃん、落ち着いて」スッ
パチンッ
真姫「触んないでっ!」
真姫「そんな軽はずみな気持ちで人を弄んで……最低よっ!」グスッ
ことり「……真姫ちゃん、聞いて」
真姫「今更何を言っても……!」
ことり「違うの」
チュッ
真姫「んっ……!?」
23:
ことり「ん……」
チュゥー……
真姫「……!!」
スッ
真姫「……ぷはっ」
真姫「こ、ことり……あなた……」
ことり「……真姫ちゃんにキスしたのは、からかってみたかった、ていうのも少しあるけど……」
ことり「ホントは、もっと単純な理由」
真姫「……」
ことり「私が、真姫ちゃんとキスしてみたかったから」
25:
真姫「……それって、どういう……?」
ことり「私にとって、真姫ちゃんはトクベツってこと」
真姫「……!」
ことり「仲のいい女の子どうしはキスするっていうのは嘘だけど……」
ことり「もっと特別な関係でなら……ありえない話じゃないんじゃないかな」
真姫「もっと特別な……関係……」
真姫「……」
真姫「……///」カァッ
真姫「ま、まさか……女の子どうしで、そんなこと…… ///」オドオド
ことり「……」
ことり「ふふっ」
ことり「今、どんな想像したの? 赤くなっちゃって、真姫ちゃんかわい?い」
真姫「や、やめてよ! もう!」///
26:
ことり「えへへ。ごめんね。真姫ちゃんかわいいから、つい」
真姫「もう! さっきからあなた、私のことからかうために適当言ってるんじゃないでしょうね!?」
ことり「ふふっ。どうだろうね??」クスクス
真姫「ぐぬぬ……。アンタといると調子狂うわ!!」
ことり「ことりは良い調子だよ♪」
真姫「勝手に言ってなさい! もう知らない!」プンプン
スタスタスタ
ことり「あ、真姫ちゃん待ってよー」
真姫「待たない!」
スタスタスタ
ガラッ
28:
ピタッ……
ことり「……? 真姫ちゃん?」
真姫「……ことり」
ことり「?」
真姫「その、一つ、言っておきたいんだけど……」
真姫「ことりに、特別……って言われて、悪い気はしなかった」
ことり「……」
真姫「でも……、私のほうは、ことりのこと……まだあんまり知らないから」
真姫「その言葉に、何て返せばいいか……まだ、分からない」
ことり「……そう」
29:
真姫「だけど」
真姫「あなたのこと……もっと知れば」
真姫「何か答えが見つかると思う」
真姫「……いや、ちょっと違うかも」
真姫「私が、あなたのことを知りたいから」
真姫「あなたのこと、もっと感じたいから……」
真姫「今日みたいなコト、たまになら……してもいい……わよ ///」カァッ
ことり「真姫ちゃん……」
30:
ことり「……分かったよ。真姫ちゃん」
真姫「ことり……」クルッ
ことり「今日のキス気持ち良かったんだね♪ またしようね!」
真姫「言うなっ! ///」
バン!
タッタッタ……
ことり「ふふっ」
ことり「真姫ちゃん……ありがと」
32:
ことり(勉強にピアノに歌に作曲に……私に持ってない才能を羨ましいくらい沢山持ってるのに)
ことり(性格は不器用で、素直じゃなくて……)
ことり(それを、ついからかいたくなっちゃうのは……私の性格が悪いのかな?)
ことり(いつも自分の気持ちを押し隠してるみたいで、ほっとけなくて……)
ことり(それで様子を見てるうちに……いつの間にか、特別な存在になっちゃった)
ことり「からかってごめんね、真姫ちゃん」
ことり「……大好きだよ」ボソッ
おわり
34:
おつ
ありがとうございました
3

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