モバP「智絵里は今日休みじゃなかったか?」智絵里「…………」back

モバP「智絵里は今日休みじゃなかったか?」智絵里「…………」


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1:
智絵里「えっと……あの……そ、その……」
P「どうしたー? 今日はそっちは仕事もレッスンも入ってないけど」
智絵里「わ、忘れ物をしちゃって……」
P「忘れ物? んー……もしかして」ガラッ……ゴソゴソ
P「このハードカバーの事かな?」
智絵里「あっ、そ、それです……」
 トテトテ……スッ
智絵里「えっと……本も、栞も大丈夫……よ、よかったぁ」
P「おう、誰も居ないテーブルに置きっぱなしにされてたから一応預かって保管してたけど」
P「そんな大事な本なら気をつけないといかんぞー」
智絵里「本も……ですけど、もっと、大切なものが……」
2:
P「ふむ? 本も栞もって言ってた栞のほうか?」
智絵里「は、はい……集めたクローバーをまとめて、押し花にして……」
P「ほー……どれどれ、見せて見せて」
智絵里「プロデューサーさんになら……こ、これです」
P「おぉ、沢山集めたやつを紙に貼り付けたんだな、模様にもなってて可愛いじゃないか……はい、渡すよ」
智絵里「はい…… これ、前から集めてたクローバーを、使って栞にしたんです」
智絵里「だ、だからとっても大切だったのに、今日の朝に見当たらなくって……それで……」
P「ははっ、それで慌ててここも探しにきたってワケか」
P「それだけ大切なものなら忘れちゃだめだぞー?」
智絵里「ぁぅぅ……ご、ごめんなさい」
P「まぁ見つかったならそれでよし、次は気を付ければいいだけさ」
智絵里「は、はい…」
3:
P「まぁ、探し物はみつかったのなら智絵里はもう帰るのかな」
智絵里「えっと……きょ、今日は他のみなさんは……?」
P「んー、スケジュールは皆空けてて休みにしてるな、ちひろさんも居ないよ」
智絵里「そうですか……あ、あのっ……その……」
智絵里「もう少し……居ても……いい、でしょうか………?」
P「おう、別に大丈夫だぞ、俺はちょっと書類を片付けるからあまり話相手にはなってあげられないけど」
智絵里「えっと…だ、大丈夫、です……本を、ソファーで読みたいかな……って」
P「そっか、次はなくさないようにな?」
智絵里「ぁぅっ……い、いじわる言わないでください」
P「すまんすまん。また忘れてもちゃんと俺が見つけておくよ」
智絵里「ぅー……プロデューサーさんひどい……!」
P「ははっ、智絵里は可愛いからついついからかってしまうな、すまん」
4:
新章は近々始めますが、それにあたって作者からお願いがあります。
といっても、単に「作品の連載中、読んでる人は随時コメントをして欲しい」という、それだけです。
連載が終わってから纏めて、とかではなくて、“連載中に”コメントが欲しいのです。
ここでもmixiのコミュニティでも再三言ってることですが、私はSSの作者として、
「SSとは読者とのインタラクションの中で作っていくものである」というポリシーを持っています。
つまり、読者からの声がなく、作者が淡々と書いて投下しているだけという状況では、全く意味がないということです。
それなら「書かない方がマシ」といっても大袈裟ではありません。
特にこの都道府県SSは、本来3年前に終わっている作品を、需要があると言われて新たに書き続けているものです。
投下しても1件2件しかコメントが付かないのでは、その「需要」があるのか否かさえ曖昧になります。
全ての読者にレスを求めるのは酷な事だと思いますが、出来る限り「ROM専」というのはやめて下さい。
少なくとも、一夜投下する度に10?20件くらいのレスは付いてほしいです。
この数字は、私の考える、SSが正常に連載の体裁を保てる最低限度のレス数です。
連載を続けるにあたり、そのことだけは、皆さんにお願いします。
6:
智絵里「か、かわっ……!」
P「ほらほら、本を読むんだろ? あわあわしてないでソファーに座るといい」
智絵里「………は、はい…」
P「それじゃ俺も仕事に戻るかな、いい息抜きになったしなー」
智絵里「もうっ……まだいじめるんですかっ……」 トテトテ…
P「……ははっ」
智絵里「……えへへ」
  カタカタ……カタッ……ターン……
  ペラッ……ペラッ…………ペラッ
智絵里(えへへ……プロデューサーさんと二人っきり)ペラッ…
智絵里(それに私のこと、か、かわいいって……)ペラッ…
智絵里(お仕事のときにも、言ってくれるけど……今日のは)ペラッ
智絵里(なんだか、いつもと違って、とっても普通に……)ペラッ
智絵里(えへへ……)ペラッ
7:
ペラッ……ペラッ……ペラッ…ペラッ…ペラッ
P(ふむ……すごい黙々と読んでるな……)
P(ページをめくるスピードもいし……かなりお気に入りの本なんだろうかな?)
P(今度二人で読書会……なんてのもよさそうだな)
智絵里(……えへへへ………)ペラッペラッペラッ
智絵里「ぇへへ……って……あ、あれ……」
智絵里「あ、あぁっ……!」
P「ん、どうした智絵里?」
智絵里「あ、あぅぅ……どこまで読み進めたかわからなくなっちゃいました……」
P「あれまぁ、別の考え事しながら読んでたのか? えらく真剣な雰囲気だったのはそのせいか」
智絵里「ぅぅ……」
9:
P「ははっ、まぁ飲み物でも飲んで落ち着くとしようか」ガタッ
智絵里「あ、それなら私が……」
P「大丈夫大丈夫、俺がやるさ」
 ───コトッ
P「ほい、召し上がれっと」
智絵里「わぁ……ストレートティですか?」
P「ああ、最近紅茶がおいしくてな、色々淹れてみてるんだ」
P「これは普通に淹れたアールグレイだけど、香りとかが苦手だったら言ってくれ」
智絵里「えっと……ふぅっ…だ、大丈夫です………いい香り……」
P「そっか、ならよかった」
12:
智絵里「プロデューサーさんも……同じ紅茶、ですか?」
P「ああ、俺の好みで淹れたものだけど、智絵里なら大丈夫かなと思って二人分用意したのさ」
智絵里(二人っきりで、おそろいのお茶で……)
智絵里「……えへへ」
P「うん、どうやらかなり気に入ってくれたみたいだな」
智絵里「おいしい、です……えへへ」
P「それじゃ俺もソファーに失礼してっと……」
  ズズッ……
  こくこく……
P「………………」
智絵里「……………」
15:
P(いやぁ……平和だ……智絵里と一緒に居ると癒されるわ……)
P(できればこのまま過ごしたい所だが、お茶飲み終わったら残りの仕事片付けないとな)
P(……ま、智絵里の笑顔見てたら疲れも吹き飛ぶし、少し話でもしたら残り頑張るとしよう)
智絵里(いつもは……ちょっと忙しいけど……)
智絵里(こうやって……プロデューサーさんと一緒に……)
智絵里(あったかいお茶飲んで……ちょっとだけ幸せを感じ取れて……)
智絵里(えへへ……ちょっと、ぽかぽか……紅茶があったかいから、だけじゃなくって)
智絵里(ふたりっきりで……こうして……)
P「なぁ智絵里」
智絵里「あっ、は、はいっ」
19:
バサッ…ペラッ…
P「ほい、去年のバレンタインと今年のバレンタインのそれぞれの資料」
智絵里「こ、これがどういう……?」
P「まぁまぁ見てごらん、去年と今年を見比べてさ」
P「大分表情が変わっているっていうのが、分かるんだよね」
P「これはさ、智絵里自身が成長してきてるっていうのがよーく分かるんだ」
智絵里「私が……成長……」
P「そ、去年のバレンタインでは笑顔もちゃんと出てはいたけど」
P「まだその裏ではちょっとぎこちなかったんだよね」
智絵里「はい……」
P「だけどさ、この一年そこから頑張って色々なお仕事もしてさ」
P「すっごい表情が『自然に』なってきてるんだよ」
20:
P「他にも京町の時とかも、無理せず等身大のままの姿でさ、成長していってるってのが」
P「これらを並べていくとよーく分かるんだよな」
智絵里「あんまり……実感、ないです……」
P「まぁ自然になってくんだから分かりにくいよな、それは大丈夫」
P「ただ、それらの『自然さ』は、智絵里が言うには俺がついていてくれたから、って事だろ?」
智絵里「はい、ずっとプロデューサーさんが私を見てくれてて……」
智絵里「私をひっぱってくれて……それで頑張れたんだと、思い、ます……」
P「それもいい事なんだけど、俺がひっぱらなくても大丈夫なように」
P「自分でもう少し進んでみて、頑張ってみようってことさ」
智絵里「自分で……ですか…?」
21:
P「ああ、勿論俺はちゃんとついてあげるけど、仕事をとってきた後は、隣に居るだけ」
P「何かあった時は後ろでちゃんと支えてあげるから、進むのは自分で頑張ってみようって」
P「そういう事さ」
智絵里「ちょっと……自信ないです……けど……」
P「智絵里なら大丈夫、俺は智絵里の頑張りを見てきているし、今ならできると信じてる」
智絵里「……………少しだけ、が、頑張ってみます……!」
P「うん、それでいいさ、今まではひっぱっていったけど」
P「これからは二人で横に並んで一緒に進んで行く、相棒みたいな感じで」
P「よろしくな」ニコッ
智絵里「相…棒………は、はいっ!」
24:
P「うん、いい返事だ」
P「……っと、ちょっとだけのつもりが随分話し込んじゃったな、そろそろ俺は仕事に戻るよ」
智絵里「あっ……ご、ごめんなさい……」
P「なぁに大丈夫大丈夫、そっちはどうする?」
智絵里「私は……もう少し、お茶を飲んで……本を読んでます……から」
P「ん、それじゃゆっくりしておくといい、おかわりはあるからな」
智絵里「あ、はい」
  カタッ……カタカタカタ……ゲ、ミスッタ……
  こくこく……ペラッ………ペラッ……
 カタッ……カタッ……
26:
P(おっし、今日の分はとりあえずこれでいいな……後はもう何もないし)
P(智絵里が帰るようなら一緒に帰って今日はあがりだな……)
P「……おーし、お仕事完了っと……智絵里ー?」
智絵里「……あ、はい……何でしょうか?」
P「うん、こっちは片付いたんだけどさ、そっちはどうするかなと思って」
智絵里「えと……」
P「帰るなら送って……というよりは駅まで一緒に帰る感じだけど、どうする?」
智絵里「……一緒に……は、はいっ、帰りますっ」
P「おっし、それじゃあ帰り支度して事務所出るぞー」
智絵里「あ、ちょっとお茶残って……全部飲まないと……!」ズズッ……
P「ははっ、そんな慌てなくてもいいからなー」
―――――
――――
―――
29:
スタスタスタスタ…………
 トテトテ………テテテッ………
P「もう外もすっかり暗くなってしまったかぁ……智絵里、寒くないか?」
智絵里「大丈夫です、お茶ものんで暖まりましたし……」
P「ん、そっか」
P(ちょっと歩く度、いかな……智絵里が時々早足になってしまってる……)
P(少し歩く度を落とさないと……これぐらいかな?)
 スタスタ……スタスタ……
  トテトテ……トテトテ…
智絵里(あ、プロデューサさん……歩く度を落としてくれて……)
智絵里(えへへ……これで一緒に並んで歩ける……)
31:
P「……………………」 スタスタ……
智絵里「………………」 トテトテ……
P「……………………」 スタスタ……
智絵里「………………」 トテトテ……
智絵里(……あ、ケーキ屋さん……バレンタインセールやってる……)
智絵里(プロデューサーさんに……チョコレートを渡して……それで……)
ポワーン……ポワーン……
――――――
―――――
――――
32:
智絵里『……えっと……ぷ、プロデューサーさん…あの、これ……』
智絵里『いっぱい、気持ちを込めて作りました……受け取って下さい……!』
イケメン『おぉ智絵里! これはすごいチョコレートだな!』
イケメン『うん……智絵里の気持ちも確かに受け取ったぞ』
智絵里『あの、これからも……ずっと……プロデューサーさんと一緒に……』
イケメン『あぁ勿論だとも、これだけの気持ちを受け取って、俺も同じぐらいの気持ちを今渡したいぐらいだ』
智絵里『えっ!? そ、それって………』
イケメン『こういうことさっ』グイッ
智絵里『あっ……そ、そんな街中で……キスなんて……は、はずかし……』
イケメン『さ、目をつむって……』
智絵里『……は、はいっ……』
――――
―――――
――――――
36:
智絵里(……えへ、えへへ……)トテ……
P「…んー……? 智絵里ー? おーいどうした?」
智絵里「ひゃっ!? ……あ、ま、待ってください……! おいてかないでくださいっ……」テテテッ
P「突然止まったからどうしたのかと思ったよ」
智絵里「え、えと……その、ちょっと、考え事をしてて……あ、あはは」
P「そかそか、考え事しながら歩くとちょっと危ないから、気をつけるようにな」
智絵里「ぁぅぅ……ご、ごめんなさい」
P「さ、駅ついたぞ、今日はここまでだな」
智絵里「あっ……もう、ついちゃった……」
P「ま、そう残念がらなくても明日また一緒に、さ」
37:
智絵里「……明日も一緒に……?」
P「おう、ちゃんと隣に居てあげるって言ったろ」
智絵里「……………はいっ!」
P「ん、やっぱ智絵里は笑顔が一番だな」
智絵里「えへへ……そ、それじゃあ今日は失礼します」ペコッ
P「それじゃ、また明日な」
―――――
――――
―――
-後日-
智絵里「おはようございますっ……今日もよろしくお願いします……!」
P「おー、おはようさん。今日は一段と元気だな。んじゃ頑張るぞー、おー」
智絵里「ぉ、おー」
41:
P「ん、その調子でな……ところで、その手に持ってるペットボトルは?」
智絵里「えっと、○プトンスパークルっていうのを見つけて……」
P「紅茶の……炭酸……」
智絵里「ちょっと変わった味がして……こういうのもいいかなって……」
P「あ、あぁ……変わった味だよな確かに、はははは……」
智絵里「プロデューサーさんも……飲みます?」
P「い、いや俺は大丈夫……智絵里一人で飲んでいいよ」
P(智絵里にはもっとおいしい紅茶を淹れて出してあげよう……)
P(炭酸も悪くはないだろう……ないだろうけど……本来の紅茶はこうだってのを教えんと……)
-おしまい-
44:
おっつおっつ
やはりほのぼのが一番
4

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