ミカサ「訓練兵になる前に」back

ミカサ「訓練兵になる前に」


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アルミン「僕はなんていったらいいのかな」
アルミン「僕らにとってはそこにあるっていう。ただあるってほんとにそうだね」
アルミン「それがどんな影響があるのかなんて知らないままに」
アルミン「ある壁がその存在を知っている知らない人がいたら」
アルミン「どうだろう。僕やエレンが思う海のように思えるかなぁ」
アルミン「そんな風なことを最近ちょっと思ったんだ」
ミカサ「私にはよくわからない」
アルミン「実は僕もよくわからない」
38: 以下、
ミカサ「・・・アルミン」
アルミン「なに?」
ミカサ「えい」ポカッ
アルミン「いたっ」
ミカサ「ふざけない」
アルミン「ふざけてないよー」
アルミン「でもね。僕じゃなくてエレンだったらさ。なんか分かる気がする」
ミカサ「見たいっていうと思う」
アルミン「でしょ?」
アルミン「自分達のことじゃないのに不思議だね」
アルミン「もしかしたら自分以外のほうが自分の気持ちがわかるのかも」
アルミン「いや違うかな。ずっといるからエレンもミカサも」
アルミン「もう慣れたものだね」
39: 以下、
アルミン「ミカサがなにかに悩んでいるのも」
ミカサ「気持ちがわかるだけで何かできたらいいけど」
ミカサ「そうでない場合は」
アルミン「例えば訓練兵の案内のこととか?」
ミカサ「・・・そう。いつから?」
アルミン「なんとなくね」
アルミン「それが来たことが僕らじゃないかエレンに言えないのは」
ミカサ「アルミンにだってそう」
40: 以下、
ミカサ「だって」
ミカサ「だって兵団に行かせたくない。このまま一緒に暮らしたい」
ミカサ「このままここにいてほしい」
ミカサ「貧しいかもしれないけど」
ミカサ「ごはんもある」
ミカサ「寒いかもしれないけど」
ミカサ「どうして・・・」
41: 以下、
アルミン「僕も同じ風に思うことあるよ」
アルミン「エレンともっと話してみたら。まだ時間はあるよ」
ミカサ「エレンと?・・・そう!」ガタッ
ミカサ「もっとここの生活の素晴らしさがわかればいい」
アルミン「えっ?」
アルミン「僕が言いたいのはね」
ミカサ「ありがとうアルミン」
アルミン「えっどういたしまして」
ミカサ「がんばる」
ミカサ「また明日」
アルミン「あぁ・・・なんか間違った」
42: 以下、
次の日
エレン「あー今日もさみーな」
ミカサ(きっとここの生活が寒いから嫌なのかもしれない)
ミカサ(なので前から作っていた手袋をあげよう)
ミカサ「エレン寒くない?」ペシペシ
エレン「大丈夫だよ・・・叩くな」
ミカサ「寒くない?寒くない?」ペシペシペシペシ
エレン「・・・」
ミカサ「さむ・・・くない?」
エレン「なんだよ!」
ミカサ「わっ」ビクッ
43: 以下、
ミカサ(怒られた)シュン
ミカサ「エレン・・・手が・・・寒いから」
エレン「お前手が寒いのか?」
ミカサ「あのっ」
エレン「手を出してみろよ」
ミカサ「えっ」
エレン「先に作業やってた俺の手のほうが暖かいぞ」ギュ
ミカサ「・・・すごくすごく暖かい」
エレン「そうだろ」
ミカサ「うん」
44: 以下、
ミカサ「アルミン!」
アルミン「なーに」
ミカサ「やった!」
アルミン「やってないよ多分やってないよ」
ミカサ「手が暖かかった。良かった」フンフン
アルミン「手袋はあげれたの?」
ミカサ「そうだアルミンにもあげよう。あげる」
アルミン「ありがとう。エレンには?」
ミカサ「そうだ!エレン手袋!」
アルミン(あんなにテンションの高いミカサ初めてみるかなー)
45: 以下、
エレン「手袋?持ってんならなんでつけなかったんだ?」
ミカサ「私はもう大丈夫」
エレン「なんで?」
ミカサ「うん」
エレン「いいよお前つけろよ」
ミカサ「大丈夫暖かい。暖かいのいつでも」
ミカサ「アルミンちょっと来て」
アルミン「?うん」
46: 以下、
ミカサ「エレン大丈夫」
ミカサ「私はアルミンのふさふさの髪に手を入れる。暖かい」
アルミン「なんで?」
エレン「俺も」
アルミン「いやなんでよ?」
ミカサ「冬でも暖かい」
エレン「ふかふかしてる」
アルミン「よーし訳が分からない」
47: 以下、
ミカサ(やはりここの暮らしは素晴らしい)
ミカサ(・・・と思う)
ミカサ「エレンはここの暮らしはどう?」
エレン「悪くないな。みんないるし」
ミカサ「うん」
アルミン「手を頭からどけてくれない?」
ミカサ「もしできるなら」
ミカサ(できたなら)
アルミン「無視?」
ミカサ「・・・」ポンポン
48: 以下、
ミカサ「ずっと暮らせるなら」
ミカサ「・・・」ポンポンポンポン
アルミン「頭ポンポンしないで」
ミカサ「エレンはどう思う?」
エレン「そうだな。ずっとかぁ」ポンポン
アルミン「エレンも?」
ミカサ「嫌?」ギュ
アルミン「頭ギュってしないで」
エレン「そんなことねーけどさ」ギュ
アルミン「もういいよ」
49: 以下、
ミカサ「そんなことないなら」ナデナデ
アルミン「・・・」
エレン「楽じゃないけど楽しいけどな」ナデナデ
アルミン「・・・」
エレン「飯だって少ないけどあるし」ヨシヨシ
ミカサ「寒いのは?」ヨシヨシ
アルミン(うーん)
エレン「寒くても寒くねーよ」
アルミン(終わり?)
50: 以下、
エレン「なあもう作業に戻ろうぜ」
ミカサ「あっ」
ミカサ(もう戻らないような気がして)
ミカサ「エレン」
ミカサ「話を続けてほしい」
ミカサ(未来のことを話すと泣きたくなって)
ミカサ(過去のことだってそう、同じくらいに)
ミカサ「(だから)今、話を」
ミカサ「できたなら」
ミカサ「・・・嬉しい」
51: 以下、
エレン「いつも話しているだろ?」
ミカサ「・・・うん」
アルミン(がんばって)
ミカサ「エレン答えを・・・聞かせて」
エレン「俺は訓練兵になるよ」
ミカサ(わかっていた。ずっと前からわかっていた。聞くまでもなかった)
ミカサ(聞くしかなかった)
アルミン「ここのほうがずっと安全かもしれないのに?」
エレン「ここだっていつまでも安全じゃないしな」
52: 以下、
アルミン「そうだよね。そうなんだ」
エレン「その前にやってやる」
アルミン「つらいかもしれないよ」
エレン「そうかもなー」
エレン「でも大丈夫だろ。乗り越えてやるさ」
アルミン(楽しい時間で止まっているわけじゃあないんだ)
アルミン「エレンありがとう」
アルミン(それでもこの時間が重要なんだって思うようになるよね)
53: 以下、
ミカサ「・・・」
エレン「なんでそんなに落ち込んでんだ?」
ミカサ「一緒にいられなくなってしまうかもしれない」
ミカサ「死んでしまったら」
エレン「一緒にいられないって」
エレン「なんだよ」
エレン「そんなの」
エレン「全然問題ないだろ」
54: 以下、
ミカサ「なぜ?」
アルミン「なんで?」
エレン「・・・そんなのさ」
エレン「ずっと一緒にいればいいだろ」ボソッ
アルミン「えっ?」
ミカサ「えっ?もう一回言って」
エレン「さっ作業やるぞ」
ミカサ「聞こえなかった。もう一回」
アルミン「もう一回」
55: 以下、
エレン「ああなんだよ」
ミカサ「はやくはやく」
アルミン「はやく言ってよ」
エレン「はぁ・・・よくわかんねー」
エレン「でもいいか」
エレン「いつまでも一緒にいよう」
ミカサ「やった」
アルミン「やったあ」ワーイ
56: 以下、
エレン「はやく作業するぞ」
ミカサ「顔が真っ赤」
アルミン「ほんとだ」
エレン「お前らと違って仕事してんだよ」
エレン「だから」
ミカサ「エレン」
エレン「もういいだろ」
ミカサ「違うエレンごめんなさい。ありがとう。それで」
ミカサ「今度エレンがご飯作って」
ミカサ「作らなきゃ駄目」
ミカサ「そうしたらいい物をあげるから」
エレン「いい物?」
ミカサ「そう」
ミカサ「覚えていてね」
57: 以下、
アルミン「エレンできたー?」
エレン「まだだ」
ミカサ「まだ?」
エレン「見てろよ」
アルミン「ねえそれ味見した?」
エレン「まだ待てよ。すぐできるから」
アルミン「違うよ。なんか個性的な色してるから」
エレン「?したよ」
ミカサ「どんな味なの?」
エレン「わかんね」
ミカサ「エレンが作ったのに!?」
アルミン「わからないの?」
58: 以下、
エレン「あー大人の味なんだよ。複雑なんだ」
アルミン「はいっ」
ミカサ「なんだねアルミン訓練兵?」
アルミン「はいミカサ教官。エレンの発言は言い訳だと思います」
クルッ
ミカサ「エレン訓練兵本当かね?」
エレン「その芝居なんだ?」
ミカサ「本当?」
エレン「いいよ。できたから食えば」
ミカサ「よろしい」
ミカサ「ではアルミン訓練兵と私は給仕をしよう」
エレン「教官なのにな」
ミカサ「教官なのにね」
59: 以下、
アルミン「おいしい」
ミカサ「おばさんみたい」
エレン「おばさん?」
ミカサ「カルラおばさん」
エレン「ああうん」
ミカサ(あたりを見渡すと見える)
ミカサ(目を閉じてもみることができる)
ミカサ「・・・エレン訓練兵大変良くやった」
エレン「まだ続いてたのかよ」
60: 以下、
エレン「もういいだろ」
ミカサ「エレン訓練兵」
アルミン「エレンさ」
エレン「はぁ・・・はい教官!」
ミカサ「はい」ビクッ
エレン「なにうろたえてんだよ」
ミカサ「うろたえてない」
エレン「びっくりしてたよなアルミン?」
アルミン「いいじゃない」
ミカサ「おっきい声をだすから」
アルミン「エレンちゃんと聞きなよ」
ミカサ「ちゃんと聞く」
61: 以下、
アルミン「じゃエレン訓練兵前に」
エレン「はい」
ミカサ「エレンこれは解散式」
エレン「解散式?」
アルミン「解散式っていうのは訓練兵がそれぞれの兵団に所属する前に行う会のことで」
アルミン「訓練兵団にいる最後の時にするんだ」
エレン「そんなのは知ってるって」
アルミン「うん。だからこれは僕達のだね」
アルミン「三人だけの」
62: 以下、
ミカサ「エレン訓練兵あなたは病める時も健やかなる時も」
エレン「なんか違わねーか」
アルミン「ミカサごめんちょっと違うと思う」
ミカサ「えっ?え?」
エレン「いいよもう続けろよ」
ミカサ「うん・・・あなたはこの開拓村で優秀な成績を収めたので」
ミカサ「これを授与する」
63: 以下、
エレン「はいっ。ありがとうございます」
エレン「?手を離せよ。そもそもなんだよこれは」
アルミン「訓練兵募集の通知」
エレン「ほんとか?見せてくれよ」
ミカサ「駄目」
エレン「駄目?」
ミカサ「その前に誓う。誓わせて」
ミカサ(何もない日々が好きだった)
ミカサ(もう一緒に祈ることができないのが悲しい)
ミカサ(遊んだり、もっと一緒に)
ミカサ(でもこの前言ってくれた)
ミカサ(言ってくれたから)
64: 以下、
ミカサ「私があなた達を命に代えても守る」
ミカサ「そう誓う。そう誓おう」
エレン「ミカサ」
ミカサ「エレンこれ」
ミカサ「エレンがんばってね」
ミカサ「がんばろう」
ミカサ「がんばろうね」
ミカサ(ずっと一緒にって)
エレン「おうがんばろうな」
ミカサ(言えなかった)
65: 以下、
エレン「俺も誓うぞ」
ミカサ「えっ?」
エレン「俺はずっとミカサと一緒にいるって」
ミカサ「本当?」
エレン「なんで嘘なんか」
ミカサ「本当に本当?」
エレン「ほんとだよ」
66: 以下、
エレン「アルミンもな」
アルミン「僕も?」
エレン「俺は病める時も健やかなる時もアルミンと一緒にいるぞぉって」
エレン「これって何の言葉だっけな。まあいいや」
エレン「それにしてもミカサ、そんなに訓練兵になるの不安なのか?」
エレン「さっきまでそんな不安そうな顔してさ」
エレン「大丈夫だろお前なら。いまはまだ俺より強いし」
エレン「訓練兵になったら見てろよお前よりずっと強くなってやるんだ」
エレン「筋肉だってあるし、体重だって俺らよりあるんじゃないか?」
エレン「だからやってけるよ。なあアルミン?」
アルミン「はは・・・」
67: 以下、
ミカサ「エレン返して」
ミカサ「返して」バッ
エレン「あっ返せよ」
ミカサ「これはまだエレン訓練兵には早かった」
エレン「早くねえよ」
アルミン「ははっ実際行くのは春になってからだから」
ミカサ「早くご飯食べちゃって」
エレン「なんだよ俺が作ったんだぞ」
68: 以下、
ミカサ(止まったような時間がもっとも早かった気がする)
ミカサ(これからもっと早くなるのだろうかわからない)
ミカサ(植えた種もすぐに芽吹いて)
ミカサ(空を見上げると灰色で)
ミカサ(なんて寒々とした空で)
ミカサ(でも)
エレン「あー今日も作業かー」
ミカサ「エレン待って」
エレン「うん?」
ミカサ「寒くない?」
エレン「おう」
ミカサ「良かった」
エレン「お前は?」
ミカサ「私も」
ミカサ「寒くない!」
69: 以下、
これで終わりです。ありがとうございました。
70: 以下、

72: 以下、

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