希「肝試しするよー?」絵里「いいわよ!」back

希「肝試しするよー?」絵里「いいわよ!」


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1:
あーもう!
エリチカのバカバカバカ!
どーしてあんな事言っちゃったのかしら!
もし過去に戻れるのなら、きっと私は今朝の朝食の場にタイムスリップして過去の私を思いっきりビンタしたと思う
事の発端は12時間ほど前にさかのぼる
3:
合宿最終日
早朝の練習を終え、皆で楽しくシャワーを浴びて
皆で楽しく朝食をいただいている時だった
私は海未が持ってきたイチゴジャムを塗った、こんがりトーストに舌鼓打っていた
うーん――――やっぱりトーストには甘いイチゴジャムが合うわね
5:
私の隣では、凛が目玉焼きをトーストに乗せて食べて
そのまた隣の花陽が真似をしようとして、黄身を潰しててんやわんやして……
にこはにこでトーストにバターと蜂蜜をたーっぷりとかけて
昨日買ってきたであろうアイスクリームをのせて……
とーっても美味しそうなハニートーストを作っていた
8:
みんながみんな、各々の朝食をとっていると
やけに上機嫌な希がトーストにピーナッツバターを塗りたくりながら
「あ、そうだ。今日で合宿最終日なんやし、今夜肝試しするよー?」
絶対言うと思っていた
だって夏なのよ?合宿なのよ?あの希なのよ?
しないハズないじゃない
11:
でも――――私には秘策があった
「いいわよ!」
誰よりも早く反応した私に、更にみんなが驚いた
「ええっ!?絵里ちゃん肝試し賛成なの!?」
「意外ね。絵里の事だから、危険な事はやらないと思ってた」
「ウチも正直驚いてん。一番反対するかなって思ってたもん」
いつもなら反対してた。でもね、今日はいつもの私と違うわ
13:
「いいわ。だけど条件をつけさせてちょうだい」
「へ?条件?」
呆気にとられてる皆を差し置いて私は言葉を続ける
「私が驚かす側をやるわ」
ふふっ♪
我ながら良い作戦
だって驚かす側よ?
15:
あの希の精神攻撃や怖い雰囲気を体験しないで済む
さらに言えば、希や真姫を怖がらせれるなんて素敵じゃない
ああ、なんで今まで思いつかなかったんだろう♪
まだ日は昇ったばっかりだけど、今からが楽しみね
17:
――――――――――――――――
なんて――――そう思っていた12時間前の私を思いっきりひっぱたきたい
ああもう…
驚かす側って事はつまり
ひとりで真っ暗な場所で皆を待ってなきゃいけないって事で――――
今はひとり、明かりのない合宿場の近くの森で待機中
19:
運も悪いみたいで、空も雲がかかっていて星や月が見えない
真っ暗
目も慣れてきて遠くまで見えてしまうようになってしまった。あんまり見たくないのに
真夏の夜なのにやけに冷える気がする
茂みにかがんで皆が来るのを待ってるけど……
正直、何もかも投げ出して帰りたい
ああ、穂乃果でもことりでもいいから早く誰か来てー!
21:
ガサガサ
「!?」
突然後方の茂みが揺れた
動物………よね?
動物よきっと
そうじゃなかったら私―――――
ゆっくりと、おそるおそる振り返った私の瞳に飛び込んだ
「やぁ、エリち」
豊満なバストの彼女
23:
「な、なんだぁ……希かぁ」
「なんだってなんなんよ?あ、もしかして幽霊の方がよかった?」
くすくすと笑う彼女に、気が抜けてしまって
お尻を地面に落とした
「そんなわけないじゃない。でも本当に驚いたわよ」
「なんで驚かす側が驚いてるんよ」
24:
真っ暗だけど
彼女のあっけらかんとした声で恐怖心が薄れていったわ
「それでどうしたの?希は確かにことペア組むんじゃ?」
「いやぁ、それがな。エリちが心配だから」
意味ありげに目を反らす彼女
だけど知ってる。この後にきっとこの言葉が続くわ
25:
「エリちひとりやったら、皆を怖がらせれるか心配やし」
「ウチが怖がらせ方教えようかなって」
「それにやっぱりウチは驚かせる方が好きやし」
ほら
期待するだけ無駄なの。彼女って
26:
小さくため息をついちゃった
でも希がいてくれるだけで、それはとても素敵なことで安心できるわ
肝試しに限っては最強の助っ人ね
「あ、エリちエリち。いつまでもいちゃついてる場合やないよ?」
「そろそろ穂乃果ちゃん達がくる」
そう言って、皆が来るであろう方向に希が指をさした
27:
指をさした先を見てみると、かすかに見えた携帯の明かり
やってきたのは穂乃果と真姫
穂乃果はガンガンと前を歩いて
「ちょ、穂乃果!早いわよっ!……もう少しゆっくり」
と愚痴をこぼしてる真姫
「えー?なんでー?まだ何も起こってないよ?」
28:
「手、握れないじゃない…!」
「……?あ、そっか真姫ちゃん怖いんだっけ?」
「別に怖くないわよっ。ただ……そう、真っ暗でしょ?転んで怪我でもしたら大変じゃない」
「あ、そうだね。ことりちゃんもいないし、救急箱も合宿所だよね。それじゃあ怪我しないようにゆっくりいこっか」
「わ、わかったらいいのよ…」
そんなやり取りをしてる二人
なんだかあっちの方が楽しそう
29:
「楽しそう。って思ってる?」
ホント、希ってエスパーか何かなのかしら?
「はい。エリち。これ使って」
そう言って希の差し出したもの―――――
「こんにゃく?」
「そう、これに紐で結んで真姫ちゃん達の首筋に――――!」
30:
なんだか古典的
でも古典的なほうが、意外と反応いいんよ?
そう言う希
まぁ特に考えていなかったし、希の言う通りに木の棒に紐を結んでその先にこんにゃくを――――
「いい?エリち。穂乃果ちゃん達が通り過ぎる瞬間を狙うんよ?」
こくりと頷き、二人が近づくのを待つ
31:
「それにしても何も起きないねー」
「何も起きない方がいいわよ」
「えー?そうかなー?穂乃果的には何か起こってほしいなぁー」
そろそろやで。エリち
そう後ろから希が囁いた
32:
ゆっくりと木の棒を動かして
こんにゃくを真姫の右のほっぺたへ――――
「きゃああっ!?」
彼女の素っ頓狂な悲鳴が森にこだました
「な、なに!?どうしたの真姫ちゃん!」
「い、いま頬になにかっ……!」
ヘナヘナと座り込み、右のほっぺを押さえる真姫
33:
くすくす。追撃よ――――
こんにゃくを真姫の首筋にぴたり
「ふぃにゃあああっ!?」
今まで聞いたこのない叫び声をあげた真姫は穂乃果の腰に抱き付いた
なにこれ楽しい
後ろから、エリちもやるなぁって聞こえた気がした
35:
「おおっ!?真姫ちゃん大丈夫だよっ。穂乃果がついてるから」
頭を撫でてあやす穂乃果
数分すすり泣いていた真姫も、落ち着いたのか、ゆっくりと立ち上がり
「…………今のは希や凛には内緒よ?知られたら絶対弄られるわ」
「うん。穂乃果と真姫ちゃんの秘密だね」
なんて―――――
ああ、こうやってμ'sの仲って深まっていくのね。と少し感慨深いものを感じたわ
37:
「いやぁ、エリちも中々やるんやね。ウチにはとても真似できんよ」
「またぁ、希のほうが酷いじゃない」
私のなんて子ども騙しよ
そういいながらも、少しだけ――――少しだけだけど
なんだか嬉しかった
だって、私のやったことで、穂乃果達が驚いてくれたのよ?
ふふ、なんだか頑張れそう
38:
少しの間、希と雑談を交わして
次に来る獲物を待っていると
「あ、そろそろくるな」
そう言った希。確かに叫び声とも悲鳴ともとれる声が近づきつつあった
次の獲物は――――ことりと花陽ね
39:
「うぅ……ことりちゃぁん……暗いよぉ…」
「は、花陽ちゃん……だ、だいじょう…ぶ……ことりが…ことりが…」
ザワザワ――――
「きゃあああーっ!?」
二人抱き合ってヘナヘナって地面に座り込んだ
なにあの可愛い生き物たち
「なんなん。あの可愛い生き物。めっちゃ欲しい」
希と同じ意見。どうしましょう。希と協力して誘拐でもしちゃおうかしら――――なんて
40:
「だ、大丈夫?…花陽…ちゃん」
「う、うん………無理かも……」
「が、頑張ろう…?きっとあと少し…だから…」
涙目で花陽を応援することり
ことりの励ましで、ひたすら首を横に振っていた花陽も
「……うん……頑張る」
くすくす。この二人を今から驚かすのよね。楽しみだわ
41:
って、これじゃ私が性悪みたいじゃない
これは仕方ないことだから――――
そう自分に言い聞かせて花陽たちが来るのを待つことにした
今のことりたちに、こんにゃく攻撃はさすがに可哀想だから
今回はシンプルに、ね?
42:
生まれたての小鹿のような二人組は一歩、また一歩
ゆっくりと私と希の隠れてる茂みへ――――
「あと少し……あと少し……」
二人とも念仏のように繰り返し呟いている
ふふ、そろそろね
43:
ガサガサ―――ガサガサ―――――
私が茂みを揺らすと、二人はピタリと固まってしまって
「あ、わ………わわ……」
全身ガクガクと震わせてる。可愛いわね
さぁて、いつまでも怖がらせるのも可哀想だし
44:
ガサガサ――――バッ――――
勢いよく姿を現した
「――――――っ!?」
言葉にならない悲鳴を上げて、二人は力なく地面にへたり込んだ
ああ、いけない。なんだか新しい私に目覚めそう
「ふふ、二人ともビビり過ぎよ」
「ぅえり……ちゃん…?」
「ええ、そうよ」
ああ……ああ…よかった。よかったぁ…
そう言いながら二人は抱き合って泣いちゃったの
ああもう、泣き止ませるの大変だったわ!
45:
なんとか泣き止ませたことりと花陽に
この奥の大きな石に回収する番号札が置いてあることを教えて
私は再び希の隠れている茂みに戻った
「なんや、エリち優しいなぁ」
「なんだか悪い気がしちゃったわよ」
47:
「うん。確かにウチも少しチクっときたかな」
「でもまぁ………」
こういうのが醍醐味やん?
そう笑顔でいう希につい、クスって笑っちゃった
どうしてかしら?きっと私がことりたちの立場にいたら怒ってたと思うのに
私も希色に染まったのかしら?―――――なんて
48:
番号札を回収したことりと花陽を茂みから見送って次の獲物を待つことに
さぁ、次の獲物は誰かしら?
凛?海未?にこ?
それとも3人全員?
「案外次はウチかもなー?」
なんて、私の後ろで冗談を言ってる希
「もう、そんなわけないじゃない」
くすくす。もう、希ってば――――
でもまぁ、誰でもいいわ。かかってきなさい。私と希が怖がらせてあげる
49:
「いやあああああっ!?」
遠くから聞こえたにこの絶叫
あらあら、次の獲物はにこなのね
それにしても、にこがこんなに叫ぶなんてとても珍しい
彼女もこの雰囲気にやられちゃったのかしら?
そう考えていると
遠くから走って近づいてくるふたつの影
50:
「だあああっ!やめなさいよ?っ!」
「やーん。にこっち、こういう場所なんやからもっといちゃいちゃしよー?」
「あんたのいちゃいちゃはシャレにならないのよーっ!」
声の主はにこと――――希
二人は何かを言い合いながら私の隠れている茂みの横を走り過ぎた
あれ――――?
51:
希は私の後ろにいたはずよね?
見間違いかしら?
でもあれは確かに希で―――――
じゃあ私の後ろにいるのは――――
「ね、ねぇ?希……?」
震える唇をかすかに動かし、そうつぶやいた
さっきまで聞こえていた彼女の声は聞こえず
ただ、ただただ背後から『何か』の視線を感じた
53:
やだ
やだやだやだ
怖い
声が出せない。足がすくんで動かない。振り返りたくない。
この場をなんとかしたいけど解決案が浮かばない
恐怖で目が霞んできた
54:
その霞んだ視界の端
私の後方から『何か』がずずずって近づいてきて、私の顔へ触れた――――
「ひっ……!?」
言葉に出来ない『何か』に私の思考がめちゃめちゃになって
私の意識はそこで途切れた
55:
――――――――――――――――
目が覚めると、そこは合宿場だった
布団に入っていた私は体を起こし、ふと横を見てみると
幸せそうに寝息を立ててる真姫やことりがいて――――
「夢……だったの?それとも皆がここへ運んでくれたのかしら?」
どっちにしてもかまわない
やっと戻ってこれた。私の居場所に
56:
合宿自体はとても楽しかった
肝試しを除けば――――
ああ、ホントどうしてあんな事したのかしら
そんな後悔をしつつ、私たちは合宿場で最後の朝食をとった
これを食べて、帰り支度が整ったらバスと電車を乗り継いで音ノ木坂に帰る
実は支度がまだ済んでいないから、これを食べたら急いで終わらせなくちゃ
57:
それにしても――――
うーん――――やっぱりトーストには甘いイチゴジャムが合うわね
向かいの席に座ってる穂乃果が口の周りにジャムをつけていた
くすっ。まるでおヒゲね
それに気づいたのか海未は愚痴をこぼしながら、穂乃果の口を拭いてあげて
お母さんみたい。いや比喩じゃなく正真正銘穂乃果のお母さんかも
58:
みんながみんな、各々の朝食をとっていると
やけに上機嫌な希がトーストにピーナッツバターを塗りたくりながら
「あ、そうだ。今日で合宿最終日なんやし、今夜肝試しするよー?」
おしまい
60:
乙なかなか楽しめた。
途中から展開読めたかなーって思ってたがもう一周しないでここで落としたのはいいと思う
64:
面白かった、ホラーいいね

6

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