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キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」【五冊目】
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キタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!
9: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/20(火)20:06:09 ID:eQD
ガチャッ
魔法使い「よく来た、さぁ上がりなさい。廊下の突き当たりの部屋だ、ソファに腰掛けて待っておれ」
ティンカーベル「なんだかドキドキするね!新しい武器楽しみだなー」
キモオタ「そうですなwww我輩は特技を披露することになってますからなwww同様にドキドキですぞwww」
魔法使い「シンデレラ、新しい紅茶補充しておいたからね。人数分頼めるかい?」
シンデレラ「はーい。魔法使いさんは今日もノンシュガーですか?」
魔法使い「うむ、だが今日は子供もおるのだし、シュガーポットも持ってきとくれ」
シンデレラ「はい、じゃあ持って行きますね」
赤ずきん「魔法使い。私、砂糖無くても大丈夫よ」
魔法使い「そうかい?まぁいい、どうせティンカーベルは山ほど砂糖入れるんじゃろ?」
ティンカーベル「入れるよ!シュガーポットに紅茶入れてもいいくらいだよ」
キモオタ「ちょwww甘党ですなティンカーベル殿www」
10: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/20(火)20:16:40 ID:eQD
シンデレラ「はい、どうぞ」ニコッ
赤鬼「おぉ、すまんな」
キモオタ「なんというか手慣れておりますなwww魔法使い殿がノンシュガー派というのも知っていたようでござるしwww」
シンデレラ「実はよく来るんですよ。頻繁に魔法使いさんからお茶会のお誘いが・・・」
ゲフンゲフン
魔法使い「シンデレラ、余計なことは言わなくてよろしい。さて・・・本題に入ろう、飲みながらで構わないから聞いとくれ」
ティンカーベル「仲が良いんだね、親子よりもっと年が離れてるのに」
キモオタ「いやいやwww魔法使い殿はシンデレラ殿が可愛いのでござろうwww娘のような存在というかそういう奴でござろうwww」
魔法使い「・・・・・・まぁよい。否定はせん」
シンデレラ「うふふ」
魔法使い「まずは赤ずきんと赤鬼からだ・・・」
15: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/20(火)20:30:19 ID:eQD
魔法使い「まず赤ずきん、お前の武器は魔法のマスケット・・・だったな」
赤ずきん「えぇ、私の魔法具の一つね。魔力による銃弾の自動リロード、銃弾はほぼ無限に発生するから間髪なく連射することも、理屈では可能よ」
キモオタ「理屈では・・・実際はできないのでござるか?」
赤ずきん「ええ、実際にやるとなると・・・私の体が耐えられない、反動を抑えきれないのよ。だから私は基本的に単発か・・・三発程度、集中した場所に撃ち込むようにしているけれど」
魔法使い「うむ、その補助ができる魔法具。こんな物を考えたのだが、本人に見て貰おう・・・ほれ、計画案だ赤ずきん」スッ
赤ずきん「・・・・・・」ジッ
赤鬼「どうだ?思ったようなもの、作ってもらえそうか?」
赤ずきん「いいえ、想像以上よ。魔法使い、失礼を承知でっせ言うけれどでし本当にこんな魔法具を作れるの?」
魔法使い「作れるからお前に計画案を見せたんだ。もちろん必要な素材でワシの手元に無いものは集めてもらう。その端に書いてあるだろう・・・構わんな?」
赤ずきん「ええ、もちろん。必ず集めてくるわ」
魔法使い「うむ、よろしい。では、もうひとつお前に渡しておこう・・・」スッ
赤ずきん「これは・・・?」
魔法使い「【赤ずきん】のおとぎ話、その内容が書いてある」
16: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/20(火)20:43:12 ID:eQD
赤ずきん「私のおとぎ話の内容・・・」
キモオタ「そんなものwww今更渡さなくても知っているのでは無いですかなwww」
ティンカーベル「バカキモオタ!赤ずきんがなんで旅してるか忘れたの!?」
キモオタ「ファッ!?そういえば・・・!申し訳ない赤ずきん殿www」
赤ずきん「・・・いいのよ。確かに、おばあちゃんはいろんなおとぎ話を私に教えてくれたけど、【赤ずきん】の結末がどうなるかは聞いていなかったもの。それまでに消えてしまったからね」
魔法使い「知っておきなさい。役に立つだろう。それと・・・お前は魔法具をいくつ持っている?」
赤ずきん「今は・・・三つよ。何故?」
魔法使い「アリスは魔法具を集めている、あまり多くなるとその標的にされるかもしれぬからな・・・」
赤ずきん「問題ないわ、それを退けるために力をつけるのだから」
魔法使い「うむ、では素材が集まったら持ってきなさい。すぐ制作に取りかかってやるでな・・・次は、赤鬼だ」
赤鬼「オイラか・・・?」
17: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/20(火)20:51:24 ID:eQD
赤鬼「オイラは魔法具頼んでないぞ?」
魔法使い「うむ、そうだ。お前には魔法具は必要無い・・・必要なのはお前の中にいるもう一人の鬼を御する力だ」
キモオタ「もう一人の鬼・・・!」
ティンカーベル「鬼神!鬼神のことでしょ!?」
赤ずきん「・・・・・・」
シンデレラ「・・・?」
魔法使い「鬼神というのか。その鬼の持つ能力は絶大な力をお前に与えるだろう・・・その鬼神の力を我が物にするのだ、赤鬼」
赤鬼「・・・・・・しかし、だな」
赤ずきん「魔法使い、それは駄目よ。鬼神は人間への憎悪の固まり・・・平和を望む赤鬼が手を出していい能力じゃない。それにそんな事を続けていたらいつ赤鬼が乗っ取られるかわからない」
キモオタ「それはいけませんな・・・マンガやアニメでは凶悪な第二人格はセオリーではありますがな・・・」
ティンカーベル「ダメダメ!危険が大きすぎるよ!」
魔法使い「まぁまぁ落ち着け、ワシは何も赤鬼に危険を冒せと言っているわけではない。御する力を手に入れろといっているのだ」
21: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/20(火)21:03:42 ID:eQD
赤鬼「御する力・・・?」
鬼神(御スル力・・・面白イ事ヲ言ウ老婆ヨ・・・!)
赤鬼「・・・!?」ガタッ
赤ずきん「どうしたの、赤鬼?」
赤鬼「いや、なんでもねぇんだ・・・魔法使い、続けてくれ」
赤鬼(何故、お前が話しかけてくるんだ・・・!ここは鬼ヶ島じゃない、人間への憎しみはここに蠢いていないはずだろう!)
鬼神(ソウダ、ダガ鬼ヶ島デ実体化スル事ニヨリ、憎悪ヲ吸収シ・・・我ノ能力ハ増シテオルノダ)
赤鬼(・・・なんだと!?)
鬼神(ソウ身構エルナ、残念ダガ貴様ノ許可無ク身体ニ乗リ移ル事ハ出来ヌ・・・ダガイツデモ呼ブガイイ)
鬼神(我ハ貴様自身、貴様ハ我ナノダカラナ・・・クックック)
赤鬼(・・・・・・)
魔法使い「おい、赤鬼。聞いているのか?」
赤鬼「お、おお、すまん。聞いてなかった」
22: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/20(火)21:12:19 ID:eQD
魔法使い「その鬼神を御するにはお前自身の成長が必要だ・・・悪しき力に飲み込まれぬ強い精神と身体・・・こればっかりはおまえが自分自身で手に入れるしかない」
赤鬼「鬼神に乗っ取られない強い精神・・・」
魔法使い「急いではならん、鍛練を重ねつつ・・・様々なおとぎ話を旅するのがいいだろう。いくつかおとぎ話を書き連ねておいた、これを参考に行き先を決めよ」スッ
赤鬼「わかった・・・えっと・・・」スッ
赤ずきん「・・・私にも見せてちょうだい、赤鬼。あなたひとりじゃあ世界移動できないでしょう?私も付き合うわよ」
赤鬼「まぁそうなんだが・・・いいのか?お前は素材集めがあるだろう」
赤ずきん「いいのよ、同時にこなすもの。あなた一人にしたらまた鬼神を呼び出したりして無茶するでしょう?・・・平気よ、私はもう足を引っ張らないように努力するもの」
赤鬼「おう、じゃあこれからも一緒の旅だな、赤ずきん」ニカッ
赤ずきん「ええ、よろしくね赤鬼」
23: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/20(火)21:30:53 ID:eQD
魔法使い「次にティンカーベルだが・・・」
ティンカーベル「はいはい!待ってた!私の武器!」ワクワク
魔法使い「とりあえず、スリングショット本体はなんとかなりそうだ、強い硬度の鉱石が欲しい。お前達の友人にいただろう、【裸の王様】の・・・あの者に頼んでおいてくれ」
ティンカーベル「裸王ね!オッケー!でさでさ!玉のほうはどうかな?魔法の玉できそう?」
魔法使い「結論からいうと可能だが、強力なものほど素材の希少性も上がってくる。リストを作っておいたからその中から欲しい玉の素材を持ってくるといい」スッ
ティンカーベル「わーい!・・・おぉ!いろんな種類あるよ!『皮膚が非常にかぶれる玉』『当てた相手の動きを拘束する玉』・・・ワクワクする!」
キモオタ「どれどれwww本当ですなwww『着弾と同時に爆音の鳴る玉』・・・ティンカーベル殿!これ見たでござるか!?すごいでござるよ!『着弾地点から一定距離を絶対零度にする玉』!」
ティンカーベル「なにそれすごい!ねぇねぇ!これ海も凍る!?」
魔法使い「海・・・部分的だが凍るは凍るが・・・」
ティンカーベル「これにしよ!これにしようよキモオタ!」ワクワク
魔法使い「馬鹿者、必要な素材をよく見てみろ」
キモオタ「どれどれ・・・『必要素材:悪魔の鏡の破片。雪の女王の精製した雪の結晶』・・・?」
24: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/20(火)21:43:20 ID:eQD
ティンカーベル「えーっ!?そんなの無理じゃん!【雪の女王】の世界に行っても手にはいるわけないじゃん!」プンスカ
キモオタ「ああwwwあれでござろうwwwアナと雪の」
ティンカーベル「それじゃない方!それの原作の方だよ!魔法使い意地悪で書いたでしょこれ!」プンスカ
魔法使い「なんでそうなるんじゃい。可能性のある物を全部書いたにすぎん。まぁその玉は無理だろう」
シンデレラ「あっ、でもこれなら手伝えるよ、ティンクちゃん。『猛烈な度で飛んでいく玉。必要素材:ガラスの靴を打ち鳴らした音色』」
赤鬼「赤ずきん、裸王のとこの鉱石はお前の魔法具の材料でもあるんだし一緒にとってきてやればいいんじゃないか」
赤ずきん「そうね、構わないわよ」
ティンカーベル「じゃあそれはお願いする!あとは・・・えっと」
魔法使い「まぁ、ワシが備蓄しとる素材でできるもんは作ってやる、できたらシンデレラに届けさせるから楽しみにしておれ」
ティンカーベル「わかった、かっこいい奴ね!」
魔法使い「最後はキモオタだが・・・」
28: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/20(火)21:49:21 ID:eQD
キモオタ「ついに我輩の番ですなwww」
魔法使い「お前は特技をみてから決めるという事だったな・・・」
キモオタ「遂に我輩の特技が火を噴きますぞwwwさてwwwこのくらいの広さがあればいいでござるかなwww」グッグッ
魔法使い「なんじゃ火を噴くって、まぁいいからやってみせるがいい」
ティンカーベル「・・・・・・」
赤鬼「ティンカーベルは知ってるのか?キモオタの特技」
ティンカーベル「・・・昨日練習してるの、こっそり見た」
赤ずきん「なんでちょっと元気がないのかしら、ティンク?」
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「さーて!wwwいきますぞwwwスマホでござるが・・・ミュージックスタートですぞwww」パキパキッ フリフリフリフリ
魔法使い「・・・・・・なんじゃあの光る棒」
キモオタ「サイリウムですぞwww」コポォ
31: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/20(火)21:58:02 ID:eQD
ズンダッダッダダッダー♪
キモオタ「今日はお気に入りのアイドルソングのオタ芸を・・・ティンカーベル殿推しアレンジでお送りするでござるよwww」ドゥフコポォ
ティンカーベル「・・・・・・」
ズンズンダッダダッダ-♪
キモオタ「ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!」サイリウムフリフリ
赤鬼「・・・・・・」
ズンズンダッダダッダ-♪
キモオタ「ハイハイ!ハイハイ!ウオォォォ!」サイリウムフリフリ
シンデレラ「・・・・・・」
ズンズンダッダダッダ-♪
キモオタ「ティンカーベル殿ー!ラブリィィィー!」サイリウムフリフリフリ
赤ずきん「・・・・・・」
ズンズンダッダダッダ-♪
キモオタ「超絶可愛いティンカーベル殿オォォォ!」サイリウムフリフリフリ
魔法使い「・・・・・・」
キモオタ「ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!ティンカーベル殿オォォォ!」サイリウムフリフリフリ
ティンカーベル「・・・・・・」
34: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/20(火)22:05:41 ID:eQD
ジャジャーン♪
キモオタ「ドゥフwwwどうでしたかなwww我輩の唯一の運動系特技、オタ芸はwwwティンカーベル殿推しアレンジwwwこれなかなかクオリティ高いでござろうwww」コポォ
シンデレラ「わ、わー!す、すごかったです!」パチパチ
赤ずきん「ええ、ある意味凄まじかったわね」
赤鬼「お、おう・・・機敏な動きだったよな・・・」
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「どうしましたかなwwwティンカーベル殿www感動のあまり声もでませんかなwww」
ティンカーベル「・・・・・・」スッ
キモオタ「なんで黙っているのでござるかwwwというかwwwいつもより距離遠くありませんかなwww」コポォ
ティンカーベル「・・・・・・」プイッ
キモオタ「ちょwwwティンカーベル殿wwwマジヒキではござらんかwww」コポォ
魔法使い「ふむ、まぁ・・・かけ声はアレだったが・・・ふむ・・・」
魔法使い「使えんこともないぞ、その特技」
35: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/20(火)22:15:05 ID:eQD
ティンカーベル「えぇ!?なんで!?あんなにキモいんだよ!?あんなの魔法具にしていいの!?」
キモオタ「ちょwwwティンカーベル殿www本人を前にしてwww」
ティンカーベル「いいよ!あの機敏な踊りはね!テレビのcmでもやってたもんね?あれはすごいと思うよ?あれだけ動けて逆にすごいよ!でもその私アレンジは本当やめてよ!見てるこっちが恥ずかしいよ!」
魔法使い「まぁそれには同意だが・・・まぁ落ち着けティンカーベル」
赤ずきん「まぁティンクの気持ちを考えると、無いわね」
赤鬼「なんだ、これ言ってもいいのか・・・?ならまぁ、うん、オイラも無いかなとは思ったな」
シンデレラ「えっと、私はそんなに嫌いじゃないですよ?ティンクちゃんかわいいからその気持ちわかります。けど、なんというか・・・」
キモオタ「ちょwww散々wwwなwww評価www」
36: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/20(火)22:30:33 ID:eQD
魔法使い「だが、単純に機敏な動き、左右のバトンの残光、これを利用すればいいわけだ・・・」
ティンカーベル「何を作るの?剣?というかキモオタに魔法具あげてもいいの?」
キモオタ「それはいいでござろうwww根に持ちすぎですぞwww」
魔法使い「魔法の杖と言えばわかりやすいか・・・」
ティンカーベル「じゃあキモオタがいろんな魔法使うってこと?どうやって?」
魔法使い「そのサイリウムという道具を振ると残光が延びるだろう?その動きを利用して・・・残光を使って特定の動きをすることで魔法を呼び出すゲートを作り出す」
キモオタ「つまりどういうことですかなwww」
魔法使い「つまり、例えば『Aの魔法を使うにはサイリウムを円上に二回振る』と言ったように特定の光の動きと特定の魔法を結びつけて、使役する」
シンデレラ「サイリウムの動きで複数の魔法を使い分けるって感じですか?」
魔法使い「うむ、そうだな」
キモオタ「なんだかかっこいいでござるなwww我輩、魔法使いになるにはもうしばらく年齢を重ねる必要がありますがなwwwしかし複数の魔法が使えるとは嬉しいwww」
ティンカーベル「キモオタにはもったいない魔法具だよ・・・」ボソ
キモオタ「ちょwwwもう謝るでござるからwwwティンカーベル殿許していただきたいwww」
37: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/20(火)22:32:26 ID:eQD
今日はここまで
今回から新シリーズです、よろしくね
まだ出発してないから最初の行き先は伏せとく
○○○○○○とアラビアンナイト編 次回に続きます
38:
おつ!!
さすがキモオタやな
39:
再度乙です!
キモオタの強化が気になって仕方ないです…
次回楽しみにしてます!!
40:
乙!
なるほど
魔法の呪文ならぬ、魔法のオタ芸で発動する魔法か
55: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/21(水)20:13:56 ID:4Uc
魔法使い「とにかく、キモオタの新しい武器に関しては作り始めておこう。しばらく時間を貰うよ」
ティンカーベル「あれ?キモオタの魔法具は素材集めなくてもいいの?」
赤ずきん「そういえばそうね・・・私やティンクの魔法具とは性質が違うのかしらね?」
魔法使い「もうキモオタはその魔法具の使用に必要な物を持っているのでな・・・あとは器をこさえるだけだ」
キモオタ「我輩がすでにもっている物・・・ですかな?」
魔法使い「そうさ。お前の魔法具『おはなしウォッチ』と連動した武器になるからね。まったくのゼロから魔法具を作る訳じゃないから多少は簡単なのさ」
キモオタ「なるほどwwwおはなしウォッチ零式ですなwww」
魔法使い「なんじゃい零式て、なんで退化させとるんだお前は・・・」
キモオタ「正統進化でござるwww」
魔法使い「まぁいい、これで各々への話は終わったね・・・」
57: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/21(水)20:23:50 ID:4Uc
魔法使い「おとぎ話を消滅させ、魔法具をかき集めるアリスとドロシー達・・・理由ははっきりせんが、魔法のランプを狙っているのであればろくなことじゃないのは確かさね」
魔法使い「話を聞いた限りでは、今のお前達では太刀打ちできんままだろう・・・今は直接対決は避けて、爪を研ぐときだ」
魔法使い「焦らずに、確実に力を付けていきな・・・!ワシもできる限りのサポートはしてやろう。さぁ、自分のやるべきことはわかっとるな?」
赤ずきん「えぇ、私は魔法具の素材集め。それともう足手まといにならないように、ドロシーに勝つために・・・もっともっと強くなる」
赤鬼「オイラもだ。強くなるために・・・鬼神に負けない強い精神と肉体を作る・・・そのために鍛錬と旅を続ける」
シンデレラ「私は旅をしている訳ではないけど・・・戦いになっても戦力になれるように・・・ガラスの靴を使いこなせるように・・・訓練します!」
ティンカーベル「素材集めもするけど、もう戦えないまま負けちゃうなんて嫌だもん!強くてかっこいい妖精になるよ!」
キモオタ「ですぞwwwそしてアリス殿ドロシー殿の企みを防ぎ・・・おとぎ話の世界を救いますぞ!」
魔法使い「うむ、では各々・・・できる限りの力を尽くすようにな」
60: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/21(水)20:38:15 ID:4Uc
赤ずきん「さて、出発しましょうか赤鬼」ガタッ
赤鬼「うむ、構わんぞ・・・シンデレラ、茶ごちそうさま」ガタッ
シンデレラ「もう行くんですか?少しゆっくりしていっても・・・」
赤ずきん「いいえ、私は少しでも早くドロシーの力に追い付きたい・・・!そのためにはゆっくりしてなんていられないわ、ごめんなさいねシンデレラ」
魔法使い「ふむ、それもよかろう。だが、あまり焦らぬ事だ。先ほども言ったが確実にとって力を付けていくことを優先するんだぞ」
赤ずきん「ええ、大丈夫よ。魔法使い、いろいろありがとう。魔法具の事も、赤鬼の事も」
魔法使い「なに、次々とおとぎ話が消えてしまえばこの世界だって危うい、お前達の手助けをすることくらいなんてことないことだ」
赤鬼「うし、じゃあなティンクキモオタ!またいつでも呼んでくれよ!オイラ達に遠慮なんかしなくていいからな!」
赤ずきん「そうね、お互い進む先は違うけれど・・・目的は一緒よ。必ずドロシーとアリスの企みを・・・阻止しましょう」
ティンカーベル「もっちろんだよ!」
キモオタ「ですなwww二人とも体に気をつけてwww」
赤ずきん「ええ、あなたもね。それじゃあ、また会いましょう」ニコッ
赤ずきん「ずきんよずきん、魔法のずきん・・・私達を【裸の王様】の世界へ連れて行って頂戴」
ヒュン
62: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/21(水)20:56:03 ID:4Uc
ティンカーベル「赤ずきん張り切ってたね!私達も行こう!」
キモオタ「ちょwwwまだ王妃がいれてくれた紅茶がwww」ズズズー
ティンカーベル「もぉー!早く早く!」
シンデレラ「ティンクちゃん達がこれから行く先って確か、大鬼さんと約束したっていう・・・」
キモオタ「ですなwww【アラビアンナイト】のおとぎ話の主人公、シェヘラザード殿に大鬼殿からの伝言を伝えなければなりませんからなwww」
ティンカーベル「そうそう!だからまずは【アラビアンナイト】の世界に行くよ!」
魔法使い「うむ・・・それが容易ければいいのじゃが・・・」ボソッ
キモオタ「さて、出発前に・・・シンデレラ殿にはこれを差し上げますぞwwwここにくる前に買ってきたのでござるwww」スッ
シンデレラ「私にプレゼントですか?えっと・・・入門書ですか、ムエタイ、テコンドー、カポエイラ・・・?」
ティンカーベル「シンデレラ、ガラスの靴があるからちょうどいいと思って買って貰ったの!あげるよ!」ニコッ
シンデレラ「ふふっ、キモオタさんティンクちゃん、ありがとう。じゃあ頑張って練習しなくちゃね」ニコッ
魔法使い「ワシとしてはおとなしくしていてほしいんじゃが・・・致し方あるまい・・・」フゥ
63: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/21(水)21:01:58 ID:4Uc
魔法使い「では、キモオタにティンカーベル・・・くれぐれも無理せず油断せずに行くがよい【アラビアンナイト】はアリスやドロシーも目を付けているだろう・・・なにが起こってもおかしくない」
ティンカーベル「うん!頑張るよ!だから魔法使いはちゃんと私の魔法具頑張って作ってね!」
魔法使い「わかったわかった、早く行きなティンカーベル」
シンデレラ「ティンクちゃん、また今度お話ししようね」フリフリ
ティンカーベル「うん!約束!・・・じゃあキモオタ、準備はいいよね?」
キモオタ「もちろんですぞwww」
ティンカーベル「じゃあ行くよ!張りきって行くよー!」フンス
ティンカーベル「【アラビアンナイト】の世界へ!」
キィィィィィィン
キモオタ「ぶひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」ヒュォォ
ヒュン
65: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/21(水)21:09:34 ID:4Uc
キィィィィィィン
キモオタ「ブヒィィィ!?」ドズサァァァー
ティンカーベル「よし!到着・・・って、あれ!?」
魔法使い「・・・・・・なにしとるんだ、キモオタ。盛大に転けおって」
シンデレラ「あれ、ティンクちゃん・・・なにか忘れ物?」
ティンカーベル「えっ?なんでなんで!?ここ、魔法使いの家だよね?」
キモオタ「ちょwww移動できてないではござらんかwww我輩、顔面スライディング損なのでござるがwww」コポォ
ティンカーベル「おかしいなぁ・・・もう一回!次は失敗しないから!」フンス
キモオタ「頼みますぞwww」
魔法使い「・・・・・・」
シンデレラ「ふふ、気をつけてねティンクちゃん」ニコッ
ティンカーベル「うん!じゃあ今度こそ・・・!【アラビアンナイト】の世界へ!」
キィィィィィィン
キモオタ「ぶっひゃああぁぁぁ!!」
ヒュン
66: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/21(水)21:16:45 ID:4Uc
キィィィィィィン
キモオタ「ぶひぃぃぃぃぃ!!!ぶっひゃぁぁ!!」ドンガラガッシャー
ティンカーベル「今度こそ・・・!」ガバッ
シンデレラ「えっと・・・おかえりなさい」
ティンカーベル「んもぉー!なんでうまくいかないの!?」
魔法使い「・・・・・・これは、もしかすると・・・」フーム
ティンカーベル「キモオタ!もっかい!もっかいやるよ!ほら早く立って!」
キモオタ「い、いやティンカーベル殿、これ何かおかしいでござるよ・・・焦らず原因を突き止めてから・・・」ボロボロ
ティンカーベル「いいから!行くよ!【アラビアンナイト】の世界へ!」キィィィィィィン
キモオタ「ちょ、我輩もう顔面打ちすぎてやばいのでござぶひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
ヒュン
魔法使い「・・・・・・」
シンデレラ「・・・・・」
ヒュン
キモオタ「ぶひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」ガッシャーン
シンデレラ「お、おかえりなさい・・・」
68: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/21(水)21:26:22 ID:4Uc
ティンカーベル「・・・おかしい!なにかおかしいよキモオタ!」
キモオタ「だ、だからそう言ったでござるよ・・・」ゼェゼェ
シンデレラ「キモオタさん、もう満身創痍じゃないですか・・・お水持ってきます!」
魔法使い「ふむ・・・世界移動に失敗する原因・・・か、前回までは問題なかったんじゃな?心当たりはあるか?ティンカーベル」
ティンカーベル「ううん、無いよ?【桃太郎】まではいつもどおり飛べてた、怪我も病気もしてないしご飯も食べたし・・・心当たりもないけど・・・」
キモオタ「あれではござらんか・・・魔法使い殿が言っていたでござろう・・・結界・・・」ゼェゼェ
魔法使い「うむ、何者かが【アラビアンナイト】の世界に外部から進入できないように魔法で結界を張っているのかもしれんな・・・」
ティンカーベル「えーっ!?じゃあもうシェヘラザードの所に行けないの!?」
魔法使い「うむ・・・ティンカーベルの魔力では進入できない・・・ならば強力な魔力で決壊を破ればあるいは・・・」
69: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/21(水)21:36:00 ID:4Uc
ティンカーベル「じゃあ魔法使いついてきてよ!魔法使いの魔力なら余裕でしょ?」
魔法使い「・・・・・・ならん」
ティンカーベル「えーっ!いいじゃん、困ってるんだよ・・・ちょっと一緒に来て結界壊してよ!大鬼との約束守りたいんだよ!」
魔法使い「・・・・・・苦手なんじゃ」
ティンカーベル「えっ?」
魔法使い「苦手なんじゃ。世界移動の魔法は、使うのもかけられるのも・・・」ボソッ
キモオタ「ちょwww魔法に苦手も何もないのではwww」
魔法使い「そんなことはない、ワシは変化の術はおとぎ話の中でも随一じゃが・・・世界移動の魔法はからっきし。かけられるのも苦手だ・・・無理をすればおそらく・・・」
魔法使い「魔力が暴走する」
ティンカーベル「そんなに!?大事だよそれ!」
魔法使い「魔力は時に精神状態に左右されやすいんじゃ・・・あまり言いたくなかったが、ワシに世界移動は無理じゃ・・・やってやれんこともないかもしれんが・・・」
キモオタ「いやいやwww無理しないでいただきたいwww」
ティンカーベル「でも、困ったね・・・これじゃ【アラビアンナイト】にいけないね」
70: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/21(水)21:51:32 ID:4Uc
魔法使い「そうじゃな、アラビアンナイトの世界には結界が張ってあり・・・それを上回る魔力の持ち主でないと世界移動はできない・・・」
シンデレラ「あの・・・他の方にお願いするというのはダメですか?魔法使いさんくらい魔力の強い方に」
キモオタ「なるほどwwwそれならば結界をすり抜けることもできそうですなwww」
ティンカーベル「でも他に魔法使いの知り合いなんかいないよ?どこにいるかもわかんないし・・・」
魔法使い「そうだな、魔法使いとは大体が人里離れた場所に住みたがる・・・探し出すのは困難かもしれんな」
シンデレラ「そうですか・・・いい案だと思ったんですけど・・・」
魔法使い「だが、居場所がはっきりしている魔法使いも中には居る。その魔法使いに頼めばあるいは・・・」
キモオタ「ほうwwwその魔法使いとはいったい何者ですかなwww」
魔法使い「うむ、ワシの得意魔法が変化の術ならその魔女は魔法植物の栽培が特技でな・・・会ったことは無いが屋敷の庭に広大な畑を持っているということらしい。
それに、あのおとぎ話には天空を引っ掻かんばかりの高い塔が建っておる・・・目印としては十分だ、どちらかを訪ねればその魔女に会えるだろう」
ティンカーベル「そのおとぎ話って・・・」
73: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/21(水)22:05:49 ID:4Uc
ティンカーベル「私、読んだことある!髪の毛がものっすごーく長いお姉さんが住んでるんだよね!?」
魔法使い「うむ、その通り。そこの魔法使いに事情を話し・・・【アラビアンナイト】への世界移動を頼めばいい。本来ならワシの役割だが・・・すまんな」
キモオタ「いやいやwww手段があってよかったですぞwww」
ティンカーベル「うん!その魔女が手伝ってくれるかどうかはわかんないけど・・・とりあえずそっちに行ってお願いしよう!」
キモオタ「そうですなwww」
ティンカーベル「じゃあ、今度こそいってきます!じゃあねシンデレラ、魔法使い!」
シンデレラ「うん、お願い聞いてくれるといいね!」
魔法使い「失礼の無いようにするんだぞ?魔女には気むずかしい奴もおおいでな」
ティンカーベル「うん、わかった!じゃあ行くよキモオタ!」
キモオタ「次こそは顔面スライディングは回避せねばwww」
ティンカーベル「じゃあ出発・・・!おとぎ話・・・【ラプンツェル】の世界へ!」
キィィィィィィン
キモオタ「ぶひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
ヒュン
74:
ラプンツェルたんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
俺の初恋ィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!
75: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/21(水)22:13:24 ID:4Uc
今日はここまで 間隔あくかもだけどちょいちょい書いていくからよろしくね
ラプンツェルといえば官能的な原作だけど、そのあたりは安心して読めるようにします。子供向け絵本だと性描写カットされてるのでそんな感じでいきます
ラプンツェルとアラビアンナイト編 次回に続きます
76:
乙!超乙!!
ありがとう俺のラプンツェルたん出してくれて!!
93: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/22(木)19:58:45 ID:tEO
ラプンツェルの世界 町外れ
キモオタ「ぶっひゃ!」スタン
ティンカーベル「到着・・・!今度はちゃんと移動できたね!」
キモオタ「ですなwwwここがおとぎ話【ラプンツェル】の世界というわけですなwww」コポォ
ティンカーベル「うんうん!でも今回はこのおとぎ話が消えそうだから来たんじゃなくて魔女に会いに来ただけだからなるべく余計なことしないようにしないといけないね」
キモオタ「と言うことは消えそうなにおいもしていないということですかな?」
ティンカーベル「大丈夫だよ、いまんところ消えそうなにおいはしてないかな」クンクン
キモオタ「それはなによりwwwでは魔女殿の居場所を探してみますかなwww広大の畑がある屋敷か高い塔のどちらかにいるんでしたかなwww」
ティンカーベル「その前に、このおとぎ話のおさらいしておこうか?キモオタまだ読んでないでしょ?」
キモオタ「そうですなwwwお願いしますぞwww」
96: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/22(木)20:28:59 ID:tEO
・・・
キモオタ「おさらいでござるwww【ラプンツェル】を知っているお主等も今回は出来れば目を通していただきたいwww」
ティンカーベル「なんで?知ってたらいいじゃん、読まなくても」
キモオタ「そうでござるけどwww何年か前に映画でやってたでござろうwwwディズニーのwwwあれと元ネタのこれは全然内容違うのでwww」
・・・
ラプンツェル
あるところに夫婦がいました。
そこの奥さんはお腹に子供を授かっていて、ふと窓の外を見ると魔女の畑に沢山の野菜が青々と育っていて、それはとても美味しそうです。
奥さんが旦那さんに「あの美味しそうな野菜を食べなければ私は辛くて死んでしまう」というので旦那さんは夜中に魔女の畑に野菜を盗みに行きました。
しかし魔女にばれて捕まってしまいます、事情を話す旦那さんに魔女はいいました。
「それならばこの野菜はお前にやろう、ただしお前の奥さんが産んだ子供が女の子だったらワシが貰うが、構わないね?」
旦那さんはしかたなく承知しました。やがて生まれた子供は女の子だったため魔女に連れて行かれたのです
ラプンツェルと名付けられた娘は非常に美しく、背丈よりもずっとずっと長い髪の毛をもっていました。しかしラプンツェルは塔に閉じこめられていて外の世界を知りません。
ある日ラプンツェルが塔の高いところに一つだけある窓から歌を歌っているのを通りがかった王子は耳にします。しかし塔を訪ねようにも出入り口はどこにもありません。
何日か王子は通い詰めていくうちに、魔女が塔の下から叫びます
「ラプンツェル!お前の長い髪の毛をたらしておくれ」
すると塔の窓からするすると長くて美しい髪の毛が下がって来て、魔女はそれを伝って登っていきました。
王子は後にそれを真似して塔に上りました
初めて男の人を見たラプンツェルは驚きましたが優しい王子様と恋に落ちました。しかし魔女には内緒にしなければいけません。
しかし、ある日うっかり王子のことを魔女に話してしまったのです。
魔女は大激怒。ラプンツェルの髪の毛をジョキンと切り落とすと彼女を遠くの砂漠に置き捨ててしまいます。
そんなことを知らずに塔へ来た王子を魔女は激しく罵倒し、ラプンツェルにもう会えない事を知った王子は悲しみのあまり塔から転げ落ち、視力を失ってしまいました。
王子はそれでも這うようにラプンツェルを探し続けました。
しばらくの時が過ぎて、王子は遠く離れた土地でラプンツェルに再開します。再会を喜んだラプンツェルの涙が王子の目に降り注ぎ、王子は視力を取り戻しました
それから二人は王国へ帰り、いつまでも幸せに暮らしました
おしまい
・・・
キモオタ「ちょwww長いwww」
98: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/22(木)20:35:52 ID:tEO
ティンカーベル「って感じかな」
キモオタ「なるほどwwwというか塔の上から下まで届く髪の毛ってwww長すぎでござろうwww」コポォ
ティンカーベル「その長い髪のお姉さんがラプンツェル。このおとぎ話の主人公だね」
キモオタ「そして我々はラプンツェル殿を塔に閉じ込めた魔女殿に会いに行くわけでござるか・・・」
ティンカーベル「悪い魔女かな・・・閉じ込めた理由は知らないけど・・・ちゃんと手伝ってくれるかな・・・」
キモオタ「とりあえず魔女の館に行ってみますかなwww確か広大な畑があるとかwww」
ティンカーベル「そうそう、魔法植物だって魔法使いは言ってたけど・・・ちょっと空から見てみる!」ピュー
ティンカーベル「えっとねー・・・・・・あった!このままね、ずっとまっすぐの所に大きな畑のある建物があるよ!」
キモオタ「きっと魔女殿の館ですなwwwまずはそこを訪ねてみますかなwww」
99: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/22(木)20:44:34 ID:tEO
魔女の館
ティンカーベル「近くでみると大きいねー・・・畑もすっごく広いし」
キモオタ「これは相当な力をもつ魔法使いですぞwwwちょっとした中ボスがいるダンジョンレベルでござるよこれはwww」
ティンカーベル「でも・・・畑にはなーんにも育ててないみたいだね。館の方にも人の気配はないし・・・」ヒョコ
キモオタ「留守ですかな?ちょっと覗いてみるでござるwww」コポォ
ティンカーベル「うーん・・・薄暗くて見えないけど・・・なんだか蜘蛛の巣だらけで埃っぽいよ?もう誰も住んでいないのかも・・・引っ越しちゃったのかな?」
キモオタ「それは困りましたな・・・」
おっさん「・・・お前たち、そこで何をしている!?泥棒か!?」ザッ
キモオタ「ちちち違うでござるよ!我々は怪しいものではないですぞwwwぶひひwww」
ティンカーベル「そうだよ!ちょっと家の中を覗いてただけだもん!ね?」
キモオタ「ですぞwww」
おっさん「うむむ・・・覗きなんてしてる奴信用できんな・・・!」
100: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/22(木)20:54:29 ID:tEO
おっさん「まぁいい、まだなにもしてないみたいだからな。見ない顔だな・・・旅のものか?悪いことは言わねぇからこの館からは離れた方がいい」
キモオタ「なんでですかなwww」
おっさん「この館には悪名高い魔女が住んでいてな・・・森の奥へ引っ越して今は住んでいないがいつ戻ってくるかわからないし、どんな怪しい呪文がかけられているかわからん」
ティンカーベル「悪い魔女なの?ここに住んでいた人」
おっさん「ああ、なんでも隣人に生まれた赤ん坊を連れ去ったり・・・怪しい野菜を作ったり・・・とにかく悪い噂が多い。お前たちも関わらない方がいいぞ」
キモオタ「わかりましたぞwww」
おっさん「魔女なんてのは大体悪さをするもんだからな、得体の知れない呪術や道具を使ってな・・・俺達善良な市民はいい迷惑だ。きっと不可解な事件の大半はあいつの仕業だぞ」
ティンカーベル「でも、そんなの証拠が無いじゃん!」
おっさん「なんだお前は・・・まさか魔女の仲間か?」
キモオタ「そんなわけないでござるよwwwそれでは我々は失礼しますぞwww」ゴソゴソ
101: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/22(木)21:04:38 ID:tEO
・・・
キモオタ「ティンカーベル殿www気持ちはわかるでござるがああいうのにいちいち突っかかっていたらキリがありませんぞwww」
ティンカーベル「でもー・・・証拠もないのに魔女だからあいつが全部悪いー!とか、赤鬼の時と同じじゃん。鬼だから悪い奴だ、魔女だから怪しいって決めつけてさ、ああいうの大っ嫌いなんだよ!」
キモオタ「ああいう人達は困ったことを何かのせいにしたいだけなんですぞwwwだから鬼や魔女のせいにするんでござるよ、力や能力でかなわない相手でござるからなおさらでござるwww」
ティンカーベル「もー・・・まだ魔女に会えてすらいないのにいやな気持ちになっただけだよ・・・」
キモオタ「まぁまぁwwwとりあえずあの町にはいないみたいでござるしwww森の奥に引っ越したってことでござるし、塔の方へいってみるでござるよwww」
ティンカーベル「うん、そうしよっか。ここにいても仕方ないしね」
キモオタ「ですぞwww気を取り直していくでござるwww」
102: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/22(木)21:14:51 ID:tEO
森へと続く道
ティンカーベル「ところでさ、キモオタ。このおとぎ話の主人公のラプンツェルってどんな人かな?」
キモオタ「なんですかないきなりwww今回はラプンツェル殿に会うのは目的ではないでござるしwww会わないかもしれませんぞwww」
ティンカーベル「そうだけどさ!でも気にならない?ずーっと塔のなかです暮らしてて外を知らないってどんな感じかなー」
キモオタ「そうですなぁ・・・我々の世界にはテレビやネットがありますからな、引きこもってても外部の情報は入ってくるでござるが・・・」
ティンカーベル「おとぎ話の主人公を引きこもりと一緒にしないでよ!」
キモオタ「いやいや、世の引きこもりの方々も様々な事情がありますからな?ラプンツェル殿のように望まずに・・・それでも引きこもらざるを得ない理由がある場合もあるのでござる」
ティンカーベル「そうかもしれないけど・・・今は現実世界の引きこもりじゃなくてラプンツェルの話!」
キモオタ「そうでしたなwww」
103: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/22(木)21:28:29 ID:tEO
キモオタ「塔から出たことがないとなるとあれですな、いわゆる箱入り娘という奴ですなwww」
ティンカーベル「はこいりむすめ・・・なにそれ?お姉さんが箱の中に入るの?あのテレビでやってたボストンバックに入ってた芸人さんみたいな感じ?」
キモオタ「ちょwwwエスパー伊藤殿は関係ないでござるwww箱入り娘というのは親御さんに大事に大事に育てられた娘さんのことでござるよwww」
ティンカーベル「そういうことね、そうかもねー。私らのイメージはあれかなー・・・清楚で可憐なお嬢様!キモオタの国でいうところのヤマトナデシコ?っていうやつ」
キモオタ「なるほどwww確かにインドア系の娘さんはおしとやかなイメージがありますなwww」
ティンカーベル「料理が得意で運動は苦手なの!」
キモオタ「あるあるwww」
ティンカーベル「おっとりしててドジっ娘とか!」
キモオタ「誰の趣味でござるかそれはwwwまぁ確かにそんなイメージありますなwww」
105: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/22(木)21:42:22 ID:tEO
森の奥地 ラプンツェルの塔
ティンカーベル「うわー・・・おっきいねぇ・・・」ポケー
キモオタ「ちょwwwこwwwれwwwはwwwたwwwかwwwいwww」
ティンカーベル「本当にお空を引っ掻きそうなくらい高いね・・・」
キモオタ「上の方に小さな窓あるでござるけど・・・あそこからラプンツェル殿が髪を垂らすわけでござるか・・・どれだけ長いんでござるか」
ティンカーベル「もしも、もしもだよ?あんな高さから落ちたら間違いなく・・・」
ティンカーベル「死んじゃうね・・・」
キモオタ「死ぬでござるな・・・」
キモオタ「王子殿はよく失明ですみましたな・・・」
ティンカーベル「でも今回私たちは魔女に会いに来たわけだし、塔に上らなくてもいいわけだし」
キモオタ「あれは・・・ティンカーベル殿、塔の下をみるでござる!」
ティンカーベル「あっ!あれ・・・魔女かな?塔の上の方みてる・・・」
魔女「・・・・・・」
106: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/22(木)21:52:03 ID:tEO
魔女「ラプンツェルや!ワシじゃよ!お前の髪をさげとくれ!」
ティンカーベル「ああやったらラプンツェルが髪の毛たらしてくれるんだね」コソコソ
キモオタ「しかしあの高さを登るのもなかなかの重労働でござろうwww」コソコソ
ファサ
魔女「・・・よし、いいよラプンツェル!」グイグイ
ティンカーベル「体に髪の毛を巻きつけて登って・・・あ、これラプンツェルも引っ張ってくれてるのかも。髪の毛のほうも塔の方に引っ張られてるもん」
キモオタ「ちょwwwそうだとすると・・・ラプンツェル殿はムッキムキの可能性もあるということですかなwww」
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「・・・・・・」
ティンカーベル「なんか今裸王思い出した」
キモオタ「我輩もでござるよ」
107: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/22(木)22:00:30 ID:tEO
ティンカーベル「あっ、魔女が窓のところまで到着したね」
キモオタ「ふむ、そうですなwwwしかしタイミング悪いですな・・・我々は魔女殿に用事があるというのに・・・」
ティンカーベル「しかたないから待ってようよ、降りてきてからお願いしよう」
キモオタ「そうでござるけど・・・その間暇ですなwww」
ティンカーベル「だねぇ・・・」
キモオタ「・・・・・・」
ティンカーベル「・・・・・・どんな人かなー」
キモオタ「なんならティンカーベル殿だけこっそり見てきてもいいんでござるよ?www」
ティンカーベル「いいの?ちょっとずるくない?キモオタもラプンツェルがどんなお姉さんか気になるでしょ?」
キモオタ「むしろ我輩はラプンツェル殿ムッキムキ疑惑の真相が気になるので見てきていただきたいwwwそうでないと脳内でいつまでも裸王殿の笑い声が止まらないのでwww」
ティンカーベル「わかった!じゃあちょっと覗いてくる!」
ピュー
110: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/22(木)22:15:41 ID:tEO
・・・
ティンカーベル(到着・・・!わっ、塔の中広い!)コソコソ
ティンカーベル(二人は下の方かな?)コソコソ
魔女「ふぅ、この年になると塔に登るのも一苦労じゃよ・・・」
ティンカーベル(あ、魔女だ・・・!みた感じ悪そうに見えないけど・・・)
魔女「ラプンツェルや、お前が欲しがってた花の苗木ここに置いとくよ?まったく、塔の中でガーデニングて、どういうことじゃい」
ティンカーベル(もうちょっと近くにいかないとラプンツェル見えない・・・!)
魔女「まぁあの窓なら日差しも入るじゃろうが・・・本当に多趣味じゃなお前は」
ティンカーベル(あっ・・・!見えた!髪の毛長い人だ・・・よかった!ムキムキじゃない!すっごいかわいい人だ!)
魔女「まぁ好きにすればいいじゃろ、それより茶を一杯貰えるかい、ラプンツェルや」
ラプンツェル「うん!あっ、今朝作ったシフォンケーキあるけよ!食べる?ママの好物だよね?」ニコニコ
112: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/22(木)22:17:52 ID:tEO
>>110
修正
・・・
ティンカーベル(到着・・・!わっ、塔の中広い!)コソコソ
ティンカーベル(二人は下の方かな?)コソコソ
魔女「ふぅ、この年になると塔に登るのも一苦労じゃよ・・・」
ティンカーベル(あ、魔女だ・・・!みた感じ悪そうに見えないけど・・・)
魔女「ラプンツェルや、お前が欲しがってた花の苗木ここに置いとくよ?まったく、塔の中でガーデニングて、どういうことじゃい」
ティンカーベル(もうちょっと近くにいかないとラプンツェル見えない・・・!)
魔女「まぁあの窓なら日差しも入るじゃろうが・・・本当に多趣味じゃなお前は」
ティンカーベル(あっ・・・!見えた!髪の毛長い人だ・・・よかった!ムキムキじゃない!すっごいかわいい人だ!)
魔女「まぁ好きにすればいいじゃろ、それより茶を一杯貰えるかい、ラプンツェルや」
ラプンツェル「うん!あっ、今朝作ったシフォンケーキあるけど!食べる?ママの好物だよね?」ニコニコ
114: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/22(木)22:34:27 ID:tEO
魔女「ラズベリーのシフォンケーキかい?貰おうかね」
ラプンツェル「はーい。何切れ食べる?ママの好物だし、三切れくらい・・・?」
魔女「五切れじゃ」
ラプンツェル「あはは!食べすぎだよー!りょーかーい!」サクサク
魔女「菓子などワシに言えば魔法で出してやるんじゃぞ?わざわざ作るの面倒じゃろ」
ラプンツェル「めんどくさいのはイヤだけど、料理はおもしろいからねー・・・はい、シフォンケーキ六切れ!」コトッ
魔女「ほう、そういうもんかい?」
ラプンツェル「そういうもんだよ。得意だしね、料理するの!他にもいろいろやってみたいことあるんだよね、編み物とかさ、あとヨガとか・・・そうだ!ガーデニングして育てた花でドライフラワー作ってみたい!今思いついた!」ガタッ
魔女「なんじゃ今思いついたって。多趣味すぎじゃろラプンツェル。塔の中にアスレチック作れとかいいだすしの、お前」
ラプンツェル「んー?だって時間はたっぷりあるし、運動しなきゃ太るしさー。それはヤだからアスレチック作ってよ、ね!」モグモグ
魔女「ワシもお前が太るのはイヤじゃな。魔法で作るとするか・・・」
ラプンツェル「やった!ママ大好き!」ギュー
115: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/22(木)22:40:22 ID:tEO
今日はここまで 明日はお休みします
ママ呼びだけど、ラプンツェルはシンデレラとか桃太郎に年齢近いです、このssだとね。大体17歳とかその辺かね。
ラプンツェルとアラビアンナイト編 次回に続きます
117:
乙!
魔女激甘だwww
119:
乙です!
この魔女、ティンクと気が合いそうだなww
133: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/24(土)20:30:10 ID:dx5
魔女「これこれ、抱きつくんじゃないよラプンツェル。お前はいつまでも子供みたいじゃなぁ」ホッホッホッ
ラプンツェル「えー?ママは抱きつかれるのイヤなの?」
魔女「そんな事は言っておらんじゃろ?ほれ、紅茶をもう一杯貰おうかの」
ラプンツェル「はーい。・・・ママさ、最近体の具合はどうなの?さっきも塔に登るの辛いっていってたけど」
魔女「そうじゃなぁ、関節やら近頃ちょっと痛むかの。一応、薬草を煎じて飲んではおるが・・・ワシはその方面は専門じゃないからのぉ。まぁもういい年じゃしな・・・仕方ないわい」
ラプンツェル「そっかぁ・・・」
魔女「何を心配しとるんじゃ、まーだまだ大丈夫じゃよ!塔に日用品運ぶくらいなんでもないわい。今日は少し調子がいいしの!」ホッホッホッ
ラプンツェル「調子いいならいいけどさー・・・はい、紅茶のおかわり」コトッ
魔女「ありがとうねラプンツェル。うむ、このシフォンケーキは絶品じゃなー」ホクホク
ラプンツェル(今日のママはちょっと機嫌がいいみたいだし、チャンスかも・・・うん!外に出たいってお願いしてみよっと!)
136: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/24(土)20:44:14 ID:dx5
ラプンツェル(でも急に言っても断られそうだしなー・・・昨日完成したプレゼントを渡して、その流れでお願いしよう・・・!)
ラプンツェル「そうそう!私ね、ママに新しいケープを縫ってみたんだ!」ゴソゴソ
魔女「ほう、ケープかい・・・?ワシの誕生日はまだまだ先じゃが?」
ラプンツェル「娘がママにプレゼントするのに理由なんていらないじゃん!ほら!こんな感じ!」バーン
魔女「ほう、これはまた立派な・・・裁縫の腕もあげたようじゃな・・・ありがとうねラプンツェルや」ナデナデ
ラプンツェル「えへへー・・・あのね、ママにお願いしたいことがあるんだけど、聞いてくれる?」
魔女「もちろんだとも、ケープのお礼をせんとな。何が欲しいんじゃ?新しい絵筆かい?それとも鮮やかな色の毛糸玉かい?それとも可愛らしい洋服かい?」
ラプンツェル「ううん!あのね、そういうのじゃなくてね・・・」
魔女「ほう?遠慮せずに言ってみせとくれ、どんなお願いだって聴いてやろう、なんだって叶えてやろう。ほれ、なにを望むんじゃ?ラプンツェル」
ラプンツェル「あのね、塔の外へ行きたいの!」ガバッ
魔女「それは駄目じゃ」
ラプンツェル「えぇっ!?ダメなのー!?」
138: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/24(土)20:56:04 ID:dx5
魔女「なんで驚くんじゃ、ダメに決まっておるじゃろ!」
ラプンツェル「だってなんでも叶えてくれるって言ったじゃん!ずるいよ!」
魔女「それ以外に決まっておるじゃろ?それ以外ならなんだって叶えてやるわい」
ラプンツェル「・・・じゃあ塔に出口付けて」ムスッ
魔女「同じじゃろ!・・・まったく、何回同じ会話をするんじゃラプンツェル。ここ数年言い出さなかったから安心しておったのに・・・」
ラプンツェル「だって・・・私は塔の外に行かなきゃならないんだよ・・・!」
魔女「何故じゃ?理由など無いはずじゃろ?お前はこの塔から一度も出たことがない・・・じゃが不自由はさせておらんはずじゃぞ?食べ物も身の回りの物も趣味の物だって与えておる」
ラプンツェル「それはママに感謝してるよ・・・お腹が空いて困ったことも寒くて震えることだって無かったから。料理だって好きなようにさせてくれたし、チェスやオセロ、裁縫道具や洋服もなんだって与えてくれた!
塔の中での暮らしに、私は全然不満なんかないの!」
魔女「じゃったら尚更、塔の外に出る理由などないじゃろ?」
ラプンツェル「違うの、違うのよ・・・!塔の中に居たら出来ない事があるの!」
140: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/24(土)21:08:45 ID:dx5
魔女「ほう、塔の中では出来ないこととはなんじゃ?」
ラプンツェル「・・・私は探しに行きたいの」
魔女「だから何をじゃ?」
ラプンツェル「さっきもママは言ってたでしょ?塔に登るのも辛いって、体が痛いって言ったでしょ?だから・・・」
魔女「それを治す薬・・・あるいは方法を探しに行きたいと。そう言いたいんじゃな?」
ラプンツェル「・・・うん、そうだよ」
魔女「お前は優しい娘だよ。ワシは単なる気まぐれや好奇心で外の世界に行きたいと言い出したと思っておった・・・許しとくれ、ラプンツェル」
ラプンツェル「ううん、それは気にしてないよ。でも、だったら・・・!」
魔女「じゃがな、老いは仕方がないことじゃ。例えワシが魔女だとしても、不老不死でなどありゃあせん。普通の人間よりもそれが緩やかなだけじゃ。なに、まだまだワシは動けるんじゃから心配するでない」
ラプンツェル「でも、昔は毎日塔に来てくれたのに近頃は何日か間隔があいてるもん!体が痛くて前みたいに毎日来れなくなったってことでしょ?怖いよ、私は・・・このままいつかママが塔に来なくなる日が来るんじゃないかって思っちゃうんだよ!」
魔女「・・・・・・」
141: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/24(土)21:23:02 ID:dx5
魔女「ワシの専門は魔法植物じゃ。もちろんその中には老いに抗う植物、疲労や傷に効く植物もある。安心するんじゃラプンツェルや」
ラプンツェル「でも・・・」
魔女「確かに、外の世界・・・ワシには行けぬ遠い国や深い自然の奥には老いを止める魔法具、疲労を感じさせない薬は存在するじゃろう。ワシの体の痛みなぞ吹き飛ぶような手段があるじゃろう」
ラプンツェル「・・・うん、私がそれを探してきてあげるよ?」
魔女「気持ちだけ頂くよ。外の世界には確かに・・・塔の中に居ては手に入らないものがある、体験できない事があるじゃろう。じゃがな、ラプンツェル・・・それらはお前にとって都合のいいものばかりじゃないんじゃよ」
ラプンツェル「・・・・・・」
魔女「外の世界には美しいものや希望だけが満ちているわけじゃないんじゃよ、おぞましいものも危険なものもうようよしておる」
ラプンツェル「それはわかってるよ!」
魔女「いいや、わかっていないんじゃよラプンツェル」
魔女「何故、ワシがお前をこの塔に閉じこめているか・・・わかるじゃろう?」
143: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/24(土)21:39:06 ID:dx5
魔女「少し厳しい言い方をするよ、ラプンツェルや」
ラプンツェル「・・・うん」
魔女「この世界は危険な物、汚らわしい物、悪意が多すぎる・・・」
魔女「台風や土砂崩れ大津波にケダモノ、毒虫に毒草や疫病に感染症・・・盗賊や詐欺師、暴力!略奪!偏見に差別!戦争・・・!」
魔女「そんな世界に・・・お前が出て行ったらどうなると思う?」
ラプンツェル「わかんない、どうなるの・・・?」
魔女「間違いなく餌食になるじゃろう。自然の驚異になす統べなく殺され、無慈悲な病に苦しみながら息絶える」
魔女「それに、お前の美しい髪の毛は良くも悪くも目立ちすぎる。おのずと人はよってくる・・・じゃがお前は協調性も常識もまったく無い世間知らずじゃ、簡単に騙されてる」
魔女「悪人にとってお前は都合のいい女じゃ、騙されて、暴力を振るわれ、なにもかも奪われる」
ラプンツェル「・・・・・・」ブルブル
魔女「すまないね・・・お前を怖がらせるつもりは無かったんじゃよ。でもわかってほしいんじゃ・・・」
魔女「お前はワシが居なくなるのが恐ろしいと言ってくれたが、ワシはそれよりもラプンツェルが不幸になってしまうのがなによりも恐ろしいんじゃ・・・」
152: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/24(土)21:55:57 ID:dx5
魔女「じゃからな、ワシの為に危険を冒す必要はないんじゃよ」
ラプンツェル「わかった・・・もう、外に行きたいって言わない」ムスッ
魔女「そんな顔するでない、ラプンツェルや。せっかくの美人が台無しじゃろ?」
ラプンツェル「・・・じゃあ、約束してくれる?ママは絶対に無理しない事!困ったことがあったら私が手伝うよ、だからいなくならないでね?約束!」
魔女「いいじゃろう、その代わり塔から出るのも駄目じゃからな?」
ラプンツェル「・・・りょーかい!これで約束したよ!絶対だよ!?」
魔女「うむ。じゃあこの話は終いじゃ。せっかく親子で茶をしとるのにこんな話題じゃあもったいないからのぉ」ホッホッホッ
ラプンツェル「うん、ごめん!じゃあ新しいお茶煎れてくる!」
魔女「いや、もう一杯程度にしておこうかの」
ラプンツェル「どうして?お腹いっぱい?」
魔女「いや・・・なにやらワシに客人が来ておるようじゃからな。待ちきれない妖精も一匹紛れ込んでおるようじゃし」チラッ
ラプンツェル「なになに?どゆこと?」
魔女「なんでもありゃせんよ、まぁもう少しくらいはいいじゃろ」
153: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/24(土)22:14:45 ID:dx5
ティンカーベル(目があった・・・!もうそろそろ戻った方がいいかな・・・)
ティンカーベル(ラプンツェルのムッキムキ疑惑も晴れたし、なんで塔にいるかもわかったし・・・キモオタ待たせてるしね)ヒラヒラ
ピュー
魔女「やれやれ・・・あれでバレていないと思っておるのかねぇ・・・」ボソッ
ラプンツェル「それでね!すっごく綺麗な月がでてたからキャンバスに描いてみたの!ほらほら!うまく描けてるでしょ?」フンス
魔女「ほう、うまいもんじゃな」ホッホッホッ
ラプンツェル「それにね!もうちょっと早いけど手袋とマフラーもママとお揃いの編むから楽しみにしててね!」ニコニコ
魔女「ほう、そりゃあ楽しみじゃなー」
魔女(ラプンツェルが外に行きたいと言い出したときは参ったが、もう気持ちが切り替わったようでよかったわい・・・)
魔女(それよりあの妖精・・・ワシに用事があるようじゃったが・・・)
魔女(ここのところ立て続けにおとぎ話が消えていることと関連があるのかねぇ・・・まぁ、しかし)
魔女(可愛い娘と一緒に楽しく茶を飲むくらいの時間は・・・貰ってもええじゃろ)ズズー
154: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/24(土)22:27:19 ID:dx5
塔の下
キモオタ「スカイツリー・・・いやいやそこまで無いですかなwww」コポォ
キモオタ「・・・しっかし暇ですなwwwスマホは電波入らんでござるしwww」
キモオタ「いつもティンカーベル殿がいる故にwww急に一人だとwww暇www」コポォ
キモオタ「・・・オタ芸の練習でもしますかな」チャキ
キモオタ「ハイハイ!ハイハイ!」ブンブン
キモオタ「ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!」ブンブンブンブン
ガサッ
キモオタ「ハイ!ハイ!ティンk・・・シンデレラ殿ォー!」ブンブン
王子「・・・・・・」ポカーン
キモオタ「ハイ!ハイハイ!うぉぉぉぉぉ!・・・ん?」ブンブブンブン
王子「・・・・・・」
キモオタ「ちょwwwいつのまにwww見られたwww」コポォ
155: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/24(土)22:36:29 ID:dx5
王子「・・・なんというか、すまん」ペコッ
キモオタ「ちょwww謝られたwwwこちらこそ申し訳無かったですなwww不気味だったでござろうwww」
王子「確かに・・・いや失礼。申し遅れた私はこの国の王子だ」スッ
キモオタ「なるほどwww王子殿でござったかwww我輩はキモオタwww旅の者でござるよwww」
王子「キモオタか、突然だが君はこの塔に上る方法を知っているか?どこにも入り口がない、窓から入ろうにもあの高さに届くハシゴがない」
キモオタ「塔の入り方ですかなwww申し訳ありませんがなwww皆目見当もつきませんなwww」
キモオタ(と言っておくのが正解でござろうwww今王子殿が上っていけば魔女殿とはち合わせますからなwww)
王子「そうか・・・残念だ、また今日も塔の外であの美しい歌声を聞くことしかできないのか」
キモオタ「王子殿は何故塔に上りたいのですかなwww」
157: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/24(土)22:46:49 ID:dx5
王子「塔の窓からたまに美しい歌声が聞こえてくるんだ。おそらく塔の住人・・・女性のようだ。あんな美しい歌声の女性はきっと麗しい姿をしているに違いない。初めて聞いた日から時間を見つけてはこの塔に来ているんだ」
キモオタ「ほうwww王子殿なかなかのミーハーですなwww」
王子「き、君はなかなか素直に口にするんだな・・・いや、構わん。美しい者に心を奪われるのは決して悪いことではないはずだ」
キモオタ「まぁそうですなwwwしかし、王子殿ならば美しい女性に会う機会は多いのではwwwわざわざ森の奥にくる必要もないでござろうwww」
王子「いや、君の思うような華やかなものではないよ、王子なんてね。貴族の娘や富豪の娘、王族の看板が欲しい奴ばかり私に寄ってくる。正直辟易しているよ、だからあの美しい歌声に惹かれたんだ」
キモオタ「なるほどwwwまぁそのうちなんとかなるでござろうwww」
王子「随分と適当な・・・何か策でもあるのか?」
キモオタ「王子殿のミーハー心は近いうちに報われるということですぞwww」
王子「う、うむ・・・よくわからんが・・・」
158: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/24(土)22:58:36 ID:dx5
王子「さて、あまり騒がしくしてもいけない。この森には魔女も住むと聞くからな。私はもう少し歌声が聞こえるのを過ごし離れて待っているよ。さらばだ、キモオタ」ニッ
スタッ
キモオタ「どこの王子も颯爽としていてイケメンですなwww」コポォ
キモオタ「歌声を聞くために待ち伏せしているのにイケメンですからなwwwこれ現実世界で我輩なら事案ですぞwww」コポォ
ティンカーベル「ただいまー!何こぽこぽいってんの?ラプンツェル見てきたよ!」ピュー
キモオタ「おぉwwwどうでしたかなwww」
ティンカーベル「えっとねー、ラプンツェルはね・・・まずムッキムキじゃなかった!かわいかった!」
キモオタ「まぁそうでしょうなwww」
ティンカーベル「あとは外に行きたいって言ってたけど魔女に止められてた、魔女やさしそうだったけどちょっとラプンツェルに甘そうだったよ!塔の上から見たら近くに家があったけどだ行ってみる?多分魔女のおうちだよ!」
キモオタ「ほうwwwでは行ってみますかなwwwそしてしばし待つとしましょうかなwww」コポォ
170: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/25(日)19:49:23 ID:FZO
塔付近の家屋
キモオタ「どうでござるかwwwティンカーベル殿www何か見えますかなwww」コポォ
ティンカーベル「えっとねー・・・部屋の中綺麗に片付いてるし、キッチンにお鍋もあるね、人が住んでそうではあるよ!」ヒラヒラ
キモオタ「なんというかwww魔女的なアイテムはありますかなwww大鍋とかwwwカエルとかww魔法書とかwww」
ティンカーベル「うーん・・・本はたくさんあるよ!あと鉢植えがたくさん置いてあるね!大鍋とかは無いかな・・・?」
魔女「大鍋を使うような魔術は最近やっておらんでの、倉庫にしまったわい」
キモオタ「なるほどwwwぶっひゃっ!?」ガターン
魔女「覗き見とは趣味が悪いんじゃないかの?さっきといい今といい・・・そうじゃろ?妖精のお嬢さんや」
ティンカーベル「ご、ごめんなさい!でも、私達魔女に用事があって・・・」
魔女「用事ねぇ・・・聞いてやろう、別の世界の住人であるお前たちがワシにどんな用があるのか」
171: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/25(日)20:00:46 ID:FZO
ティンカーベル「えっと、私はティンカーベル!消えちゃったおとぎ話【ピーターパン】から来たんだよ!それでこっちが・・・」
キモオタ「ティンカーベル殿の友達で共に旅をしているキモオタですぞww現実世界の出身でござるwww以後お見知り置きをwww」コポォ
魔女「ほう・・・あのおとぎ話の住人に生き残りがおったのか・・・」
ティンカーベル「でね!話すと長くなるんだけど・・・大事なところだけ話すとね、私は友達の伝言を伝えるために【アラビアンナイト】のシェヘラザードの所に行きたいの!でも困ったことになっちゃってね」
キモオタ「ティンカーベル殿は世界移動の能力を持っているのですがな、どうやら結界が張っているようでしてwww【アラビアンナイト】の世界にいくことができないのでござるよwww」
魔女「ほう、それでワシの所へ来たというのか」
ティンカーベル「【シンデレラ】の世界の魔法使いが、【ラプンツェル】の魔女なら居場所も分かるしお願いしてみたらどうかって教えてくれて・・・」
キモオタ「魔女殿の魔力を貸していただきたいとwwwお願いにきたのでござるwww」
魔女「ふむ・・・【シンデレラ】の魔法使いの紹介かい、確か変化の魔法が得意じゃったかな・・・」
172: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/25(日)20:22:21 ID:FZO
キモオタ「なにやら魔法使い殿は世界移動の魔法が苦手なようでしてwww」
魔女「ほう、まぁ不得手は誰にでもあるからの、そこを責めるつもりはないが・・・」
ティンカーベル「ねぇ、魔女・・・塔やお家を覗いたのは謝るよ、だからお願い!私達を【アラビアンナイト】の世界に連れてって欲しいの!」
キモオタ「我輩からも頼むでござるよ魔女殿!」
魔女「結界の程度にもよるが・・・まぁ、出来んこともないじゃろ。引き受けてやってもよいが・・・」
ティンカーベル「本当!?」
魔女「ただし、ワシの頼みも聞いてもらう、かまわんじゃろ?さぁ、詳しく話を聞きたい・・・そもそもなぜお前たちは旅をしているのかも聞きたいからのぉ。さあ家の中に入るんじゃ」
キモオタ「魔女殿wwwなかなか話が分かりますなwww」コポォ
ゴーテル「その魔女というのは少し紛らわしいのぅ、ワシの名はゴーテルじゃ。今後はそう呼んどくれ」
ティンカーベル「わかった!じゃあゴーテル、早だけどいままでの旅のお話をするね!」
174: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/25(日)20:36:52 ID:FZO
・・・
ゴーテル「なるほどな、おとぎ話が相次いで消えているのはやはり人為的な力が働いていたと・・・お前たちの状況は大体理解できた。そういう事なら協力してやろう」
キモオタ「ありがたいwwwしかし、ゴーテル殿も頼みたいことがあると言っておりましたなwww」
ゴーテル「そうじゃな・・・現状でも問題はないと思うんじゃが・・・一応、のぉ・・・」
ティンカーベル「なになに?何をお願いしたいの?」
ゴーテル「実はじゃな・・・お前たちに──」
ルルルールールルルー♪
キモオタ「なにやら歌声が聞こえてきましたなwww」
ティンカーベル「綺麗な歌声だねー!ねぇゴーテル、塔から聞こえるあれって・・・」
ゴーテル「そう、ラプンツェルの歌声じゃ。澄み渡って、軽やかな、美しい歌声じゃろ?」
ラララーラーラララー♪
キモオタ「これはなかなかの歌声ですぞwwwまさに歌姫ですなwww」
ティンカーベル「可愛い上に歌声も綺麗なんて素敵だね!」
ゴーテル「そうじゃろ!そうじゃろ!歌姫じゃろ?わかっておるのぅ、お前たち・・・!歌声も美しい、容姿も美しい・・・何を隠そうあのラプンツェル」
ゴーテル「ワシ自慢の娘じゃ」ドヤァ
175: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/25(日)20:52:11 ID:FZO
キモオタ「まるで鈴の音のような歌声ですなwwwきっと美しいんでござろうなぁwww」コポォ
ゴーテル「・・・・・・」ハァ
ティンカーベル「突然ため息ついて・・・どうしたの?」
ゴーテル「違うんじゃなぁ・・・ラプンツェルの歌声が鈴の音・・・違うんじゃなぁ・・・」ブツブツ
キモオタ「で、では高原の風のような歌声でどうですかなwww」コポォ
ゴーテル「高原の風・・・違うんじゃなぁ・・・もっと、こう他にあるじゃろ・・・それをよりによってお前は高原の風・・・あんなもん草の匂いじゃろ・・・」ブツブツ
ティンカーベル「き、キモオタ!もっとぴったりな例えあるでしょ!なんかゴーテルがめんどくさい感じになってるから話が戻んないよこのままじゃ・・・!」ヒソヒソ
キモオタ「で、ですな・・・じゃあ月明かりのような・・・というのはwww」
ゴーテル「・・・うーむ」
ティンカーベル「じゃ、じゃあ世界一綺麗な声のラプンツェル!」
ゴーテル「世界一は言い過ぎじゃろー!しかしまぁ偽りではないからのぉ、それでいいじゃろ」ホクホク
キモオタ「とりあえずゴーテル殿の特徴はつかめた感じですな・・・娘大好き魔女という事ですな、これはwww」
ティンカーベル「うん、甘いなーって思ってたけどわたしのみ想像を越えてたよ!はやく話をもとに戻さなくちゃ、このままじゃラプンツェルの話になっちゃいそうだよ・・・」
177: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/25(日)21:04:50 ID:FZO
ティンカーベル「ねぇ、ゴーテル!お願いってもしかしてラプンツェルと関係ある?」
ゴーテル「ん?あぁ、少し話がずれたのぉ・・・そうじゃ、頼みというのは他でもない、ラプンツェルの事なんじゃよ」
キモオタ「ゴーテル殿が自慢の娘を我々に頼むとは・・・なにか事情があるのですかなwww」
ゴーテル「うむ・・・ワシは前から懸念しておったんじゃ。相次いで消えていくおとぎ話には恐らく黒幕がいるとな。
それが今日、真実だと分かった訳じゃな・・・お前たちの話ではアリスとドロシーという娘がおとぎ話を消滅させているということじゃった」
ティンカーベル「うん!それは間違いないんだよ!」
ゴーテル「そして、アリスは魔法具・・・魔力を集めているということじゃったな・・・」
キモオタ「そうですなwww」
ゴーテル「・・・お前たちには【ラプンツェル】のおとぎ話が消えないように手助けをして貰いたい」
ティンカーベル「ってことは・・・つまり?」
ゴーテル「ラプンツェルの側で・・・ワシの娘を守ってやってほしいんじゃ」
178: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/25(日)21:20:57 ID:FZO
キモオタ「しかしwwwあんなに高い塔にいるのでござろうwww安心フィーバーではござらんかwww」コポォ
ゴーテル「・・・ティンカーベル。キモオタは【ラプンツェル】の内容を知らずにここにおるのか?」
ティンカーベル「ううん、ちゃんと教えたよ!」
ゴーテル「じゃあわかるじゃろ、王子があの塔に容易く進入することを。あの塔はラプンツェルを外界から守るものじゃが、王子が入れなければ物語にならんからな・・・実際は容易く入れるしでられるんじゃよ」
ティンカーベル「そっか・・・!だったらアリスやドロシーがラプンツェルに会うことも簡単だ!」
ゴーテル「じゃろ?そうなってしまえば終わりじゃ、あっという間に騙されてこのおとぎ話は消滅じゃ」
キモオタ「ちょwwwもう少しラプンツェル殿を信用してみてはwwwさすがにラプンツェル殿も見ず知らずの女の子に騙されたりはしないでござろうwww」
ゴーテル「信用しとるわい!娘じゃぞワシの!じゃがなぁ・・・ラプンツェルは塔の中に長い間住んでおったせいで常識が全くないんじゃなぁ・・・」
ティンカーベル「うーん・・・それは心配だね・・・」
ゴーテル「可愛いんじゃよ、可愛いんじゃが欠点も多いんじゃよ・・・まぁそこも愛らしいんじゃが・・・」
キモオタ(さり気なく誉めましたなwww)
181: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/25(日)21:43:04 ID:FZO
ゴーテル「このまま問題なく話が進めば・・・数日のうちに王子がラプンツェルと出会い、そしてその事がワシにバレてしまい・・・ワシの手で・・・ラプンツェルを・・・遠い遠い砂漠に・・・置き去りに・・・!おおぉ・・・ワシには無理じゃあぁぁ・・・!」バンッ
キモオタ「ファッ!?」ビクッ
ティンカーベル「ご、ゴーテル!落ち着こうよ!」
ゴーテル「そ、そうじゃな・・・覚悟していたつもりじゃったが、可愛い娘を砂漠に捨てることを想像したらどうに感情が抑えられんでの・・・とにかくじゃ」
ゴーテル「このまま問題なく話が進めば、正しい結末へと物語は進んでいく。じゃが、このおとぎ話にもアリスの魔の手が忍ばんとも限らんでの、さっきも言ったがラプンツェルには常識がない。すぐに騙されるじゃろう」
ティンカーベル「そんなにひどいの?」
ゴーテル「ラプンツェルは多趣味での、絵画もそのひとつなんじゃがどうも絵筆を洗うバケツがなかったみたいでの、ワシのティーカップを絵筆洗いに使っておったわ」
ゴーテル「あとは・・・意外と雑な部分もあるでの、趣味に没頭してたんじゃろうなぁ・・・ベッドで眠らずその辺で髪の毛にくるまって眠っていることもあったかのぉ」
183: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/25(日)22:02:01 ID:FZO
ゴーテル「母親としか接したことがないからの、協調性も無いし、常識も無い、世間知らず・・・なんだって信じてしまう。生まれて一度も悪意と対面したことが無いんじゃからな・・・。
魔法具や魔法なんて使わなくとも『君のお母さんが倒れたんだ、ついておいで』などという誘拐の常套句で簡単に連れ去られるじゃろうな・・・」
キモオタ「それは心配ですな・・・もちろん、我々がラプンツェル殿を守って差し上げることはやぶさかではないのでござるが・・・ゴーテル殿が守ってあげることは・・・」
ティンカーベル「できないよ?だって・・・こんなに優しいしラプンツェルの事本当に愛してるけど、ゴーテルは・・・」
ゴーテル「そうじゃな、ワシがずっとラプンツェルのそばにいることは出来ない。ワシは【ラプンツェル】では王子との交際を咎め、娘を砂漠に捨てる悪い魔女じゃからな」
キモオタ「そうでござったな・・・」
ゴーテル「お前たちが友人として密かにラプンツェルとあう事について関しては結末に影響もないじゃろ、しかしラプンツェルと王子が恋仲になる場面に悪い魔女がいたらおかしいじゃろ・・・?」
ティンカーベル「確かに・・・物語変わっちゃうもんね・・・」
ゴーテル「じゃからお前たちに頼むのが一番なんじゃよ」
キモオタ「わかりましたぞ!ゴーテル殿・・・我々に任せていただきたい!ラプンツェル殿は我々が守って見せますぞ!」
184: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/25(日)22:16:59 ID:FZO
ゴーテル「それはありがたい・・・じゃあ交渉成立じゃな。お前たちがラプンツェルを守り、無事に物語が進めば・・・ワシが【アラビアンナイト】の世界へ連れて行ってやろう」ホッホッホ
ティンカーベル「やった!ありがとうゴーテル!」
ゴーテル「今夜にでも塔に行ってみるといい。髪を下げてくれるように頼めばいいんじゃよ、たらしてくれるじゃろ」
キモオタ「便利な髪の毛でござるなwww」
ゴーテル「ラプンツェルは自分の髪の毛お気に入りじゃからな、手入れも欠かさんから美しいのはもちろんじゃが・・・こう投げ縄のように物を取ったり、ロープのように引っ掛けてはあっという間に上階に昇ったりするしの」
キモオタ「意外とアグレッシブというかwww行動派でござるなwww」
ゴーテル「まぁ、そうじゃな・・・お前たちはこれからしばらくラプンツェルと行動を共にするわけじゃが・・・思っているより、行動が予想できんかもしれんから注意しとくれ」
ティンカーベル「そんなに!?お母さんが言うって相当だよ!?」
キモオタ「若干の不安がwww我輩を襲うwww」
ゴーテル「なんというかのぉ・・・ラプンツェルは外に出ることは出来ないが、誰よりも自由なんじゃよ」
ゴーテル「おそらく一筋縄にはいかんじゃろうが、しっかり頼むぞ」ホッホッホ
225:
>>194
髪の毛にくるまるラプンツェルたん描きますた
202: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/26(月)20:27:12 ID:TE6
塔の下
ティンカーベル「すっかり日が暮れたね。あれからゴーテルのラプンツェル自慢ずっと聞いてたし」
キモオタ「まぁ日中に塔へと登っているところを王子に見られたらマズいですからなwwwちょっと暗いでござるが月明かりもありますしなwww問題無いでござるよwww」
ティンカーベル「そのことだけどね・・・ゴーテルはラプンツェルに頼んで髪の毛垂らしてもらえばいいって言ってたけどさ」
キモオタ「そうでしたなwwwというかラプンツェル殿の髪の毛から登っていくしか方法がないのではwww」
ティンカーベル「でもさ、キモオタの体重に耐えられるのかな・・・ラプンツェル。キモオタの体重に耐えられずに髪の毛ちぎれちゃったり、引っ張られて塔から落ちちゃうかも・・・」
キモオタ「ちょwwwティンカーベル殿wwwさすがにwwwそれはwww」
ティンカーベル「・・・・・・」
キモオタ「・・・・・・確かにちょっとまずいかもしれませんな」
ティンカーベル「でしょ?・・・と言うわけでついに!アレを使うよ!」ヒラヒラ
205: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/26(月)20:44:06 ID:TE6
キモオタ「あれとはwwwなんですかなwwwティンカーベル殿www」
ティンカーベル「いいから!じっとしてて・・・!」ファサァー
キラキラキラキラ
キモオタ「ちょwwwこれはwww以前我輩がお願いしてもティンカーベル殿がかけてくれなかったあのwww」コポォ
ティンカーベル「そうだよ!私の羽根の鱗粉・・・通称『妖精の粉』だよ!」フンス
キモオタ「確か、信じる心を持つ者ならば空を飛ぶことができるという粉でしたなwwwなんというファンタジーwww」コポォ
ティンカーベル「あんまり楽させたらキモオタの為にならないと思ってたけど、アリスたちと戦う事もあるだろうからもう出し惜しみしないよ!だから今日はこの妖精の粉を使って飛んでもらうよ!」
キモオタ「ほうwwwなんだかwwwワクワクしますなwww」
ティンカーベル「じゃあ飛んでるところイメージしてね、飛べるって思って!はい!飛んで!」
キモオタ「ちょwwwそんなホイホイ飛べませんぞwwwふん!ふん!」
ティンカーベル「もっと真剣に!でも楽しい気持ちじゃなきゃだめ!でもふざけないこと!それでいて笑顔で!」
キモオタ「無茶苦茶ですなwwwっと・・・おぉ!ちょっと浮きましたぞwww」フワァ
206: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/26(月)20:58:13 ID:TE6
ティンカーベル「いい感じいい感じ!このまま空を泳ぐように一気に塔のてっぺんまで行くよ!」ヒラヒラ
キモオタ「ちょwwwこれは新感覚www空を飛ぶというのはこういう感じなのですなwwwなかなかに気分がいいですなwww」スイー
ティンカーベル「こうやって人間と空飛ぶのひさしぶりだなぁ・・・ピーターパンやウェンディと一緒に飛んだの思い出すなぁー・・・もう一回みんなで空飛びたいな!だから絶対に【ピーターパン】のおとぎ話取り戻さなきゃ・・・!ねっ!キモオタ!」
キモオタ「うはwwwティンカーベル殿wwwこれ楽しいですなwwwふぅwwwこれならダイエットの必要ないですなwwwドゥフフwwwドゥフフwww」スイー
ティンカーベル「・・・塔にぶつかっちゃえ」プイ
キモオタ「ドゥフフwwwあっというまに塔のてっぺんですぞwwwこの窓から入りますかなwww」
ティンカーベル「そうだね、でも階段だと一階までは相当距離があるからこのまま吹き抜けを降りていこう、飛んだままね」
キモオタ「わかりましたぞwww」
208: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/26(月)21:15:27 ID:TE6
ティンカーベル「暗いけど・・・下の方は明るいね、ラプンツェルはまだ起きてるみたいだね!」ヒラヒラ
キモオタ「そうですなwwwというかwww慣れたら飛行も余裕ですなこれwww」スイー
ティンカーベル「また調子に乗ってー!」
キモオタ「まぁまぁwwwところでラプンツェル殿なにかしてますなwww急に押し掛けてしまいましたが大丈夫でしたかなwww」
ティンカーベル「あれは・・・髪の毛をタオルで拭いてるね!お風呂上がりかな?バスローブだし」ヒラヒラ
キモオタ「ほうwwwそのようですなwwwしかしあれですぞww美少女にバスローブというのはなんというか良いもんですなwww火照り具合も相成ってまことにセクシーですなwwwドゥフフwww」フッ
ティンカーベル「キモオタ・・・!ダメだよ!そんないやらしいこと考えたら・・・!」
キモオタ「まぁまぁwwwこのくらい大目に見て・・・ん?なんだか急に体が重くなりましブヒイイイイイイィィィィィ!!!」ヒュオォォォォ
ティンカーベル「不純なこと考えると妖精の粉は効力を失うんだよ!ってもう間に合わない!キモオター!受け身取って受け身!」
キモオタ「ちょwww受け身でどうこうなる高さではwww」ヒュオォォォォ
ティンカーベル「じゃあもっかい妖精の粉かけるから・・・!」ファサァー
キモオタ「間に合わなブヒイイイイイイィィィィィ!!!」
ドシーン!
ラプンツェル「・・・・・・?」
210: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/26(月)21:26:18 ID:TE6
キモオタ「ふぅwwwなんとか無傷ですぞwwwギリギリ妖精の粉が間に合いましたなwwwとはいえ床にたたきつけられはしましたがなwww」
ティンカーベル「衝撃が弱くなっただけよかったほうだよ・・・あっ」
ラプンツェル「・・・・・・」ジーッ
キモオタ「ちょwwwめちゃくちゃ見られてますなwwwティンカーベル殿www」コポォ
ラプンツェル「あなたってもしかして・・・妖精?」
ティンカーベル「うん!勝手に入ってごめんね!妖精のティンカーベルだよ!ティンクって呼んでね!」ニコニコ
ラプンツェル「本当に妖精だ!すごいすごい!本で読んだのと同じだね!ちっちゃい体に透き通った羽根・・・!」グイグイ
ティンカーベル「ちょ・・・痛い痛い!羽根ちぎれちゃう!引っ張らないでー!」
キモオタ「ティンカーベル殿がwww好き放題されてますぞwww」コポォ
ラプンツェル「ねぇねぇ、ティンク!あっちでコポコポ言ってるのも妖精!?あんなの初めて見た!」
ティンカーベル「やめてよ!あんな妖精いないよ!ひどい侮辱だよ!」
キモオタ「ちょwwwティンカーベル殿www言い方www」
212: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/26(月)21:37:55 ID:TE6
キモオタ「我輩はキモオタwwwただの人間ですぞwwwティンカーベル殿の友達でござるwww」コポォ
ラプンツェル「へぇー!人間の男の人だ!私初めて見た・・・!ねぇねぇ、キモオタ!人間の男の人はみんなコポォって言うの?」ワクワク
ティンカーベル「そんなのキモオタだけだよ!」
キモオタ「まぁwwwそうですなwww我輩の口癖というかwww」
ラプンツェル「そっかぁー!二人はなにしにこの塔に来たの?」
キモオタ「我々wwwラプンツェル殿と友達になろうと思いましてなwww」
ティンカーベル「そうそう!だから遊びに来たんだよ!」
ラプンツェル「友達・・・!知ってる!あれだよね、一緒にお茶飲んだりお菓子食べたり遊んだりお話ししたりする、ママ以外の人だよね!」
キモオタ「概ね正解ですなwww」
ラプンツェル「やった!初めてだよ!私の友達・・・!うれしいうれしい!よろしくね!ティンク!キモオタ!」ピョンピョン
ティンカーベル「わ、わかったからバスローブ姿でピョンピョンしないの!待ってるからパジャマに着替えておいでよ!もぉ!」
ラプンツェル「はーい。待っててよ二人とも、帰っちゃだめだよ!あとでお茶入れるからね!」ワクワク
215: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/26(月)21:47:46 ID:TE6
・・・
ラプンツェル「ふんふんふーん♪」ウキウキ
ティンカーベル「ウキウキしながらお湯沸かしてるねー」
キモオタ「きっとあれでござろう、生まれてこの方ゴーテル殿以外の人や妖精に会ったことがなかった故に友達もいなかったでしょうからな・・・密かにあこがれていたのではwww」
ティンカーベル「そうかもねー・・・でも部屋も結構キチンとしてるね、物は多いけど」
キモオタ「ゴーテル殿が常識がないなどと言うのでwww我輩はもっと悲惨な部屋を想像してましたぞwwwゴミだらけみたいなwww」
ティンカーベル「そんなわけないでしょ!女の子はみんな綺麗好きなの!」
キモオタ「まぁまぁwwwでも実際きれいでござるし、そんなに常識がないようには見えませんがなwww」
ラプンツェル「ねぇねぇ!二人はお花とスープだったらどっちが好き?」
ティンカーベル「いきなりだね!お花とスープ?」
ラプンツェル「うん!どっちか選んでくれる?」ニコニコ
216: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/26(月)21:54:49 ID:TE6
ティンカーベル「だったら私はお花かなー?綺麗だもん!いい匂いするし!」
キモオタ「我輩はだんぜんスープですなwww胃袋に溜まるものならなんでも歓迎ですぞwww」コポォ
ラプンツェル「うんうん!じゃあティンクはこれで・・・キモオタはこっちね!はい!紅茶だよ、おまたせー!」ニコニコ
コトッ ゴトッ
ティンカーベル「えっ・・・?」
キモオタ「ちょwww紅茶かと思ったらスープ皿が出てきましたがwwwこれはなんのスープですかなwww」
ラプンツェル「スープじゃないよ?紅茶だよ!」ニコニコ
キモオタ「す、スープ皿に紅茶ですと・・・!?」
ティンカーベル「私のなんか花瓶なんだけど・・・これなに?ラプンツェル?」
ラプンツェル「紅茶だよ?・・・あっ!ダージリンだよ!」ニコニコ
ティンカーベル「いや、銘柄聞いた訳じゃないよ!?」
218: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/26(月)22:03:23 ID:TE6
ラプンツェル「いつもは私とママしかいないからティーカップが無いの、それで我慢してね!私、クッキー持ってくるからゆっくりしててね!」タッタッタッ
ティンカーベル「そうだよね・・・余分な食器必要ないから、置いてないよね・・・急に押し掛けた私たちが悪いよね・・・」
キモオタ「無い物は仕方ないとして・・・スープ皿とは驚きましたな・・・」
ティンカーベル「私なんか花瓶だからね・・・これ花瓶の形状的に飲むためには紅茶に私が浸かる必要あるんだけど、どうしよう・・・」
キモオタ「我輩のと交換しますかなwww」
ティンカーベル「そうしてくれると嬉しい!」
キモオタ「しかしwww紅茶はめちゃくちゃうまいですなwww」ズズー
ティンカーベル「そうだね!でもこれじゃあ確かにゴーテルが心配するのもわかるね」ズズー
ラプンツェル「おまたせー!じゃあ何のお話する?ティンク!キモオタ!」ワクワク
219: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/26(月)22:06:08 ID:TE6
今日はちょっと短いけどここまで 明日はお休みです
女子力高いのか低いのか
ラプンツェルとアラビアンナイト編 次回に続きます
250: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/28(水)20:26:31 ID:Hya
キモオタ「そうですなぁwww何を話せばいいのやらwww」
ティンカーベル「私達、いろんな所冒険してきたからね!いろいろお話しできるよ!」フンス
ラプンツェル「そうなんだ!私は物心ついてから一度も塔から出たことが無いから、外の世界ってどうなってるのかすっごく興味あるんだよねー」ワクワク
キモオタ「なるほどwww思い出すと、本当にいろんな所に行きましたな・・・最初はシンデレラ殿の所でしたな、かぼちゃの馬車でお城まで行ったりwww」コポォ
ラプンツェル「馬車!知ってる、見たこと無いけど・・・小さな部屋みたいな乗り物に車輪がついてて、それを馬で引っ張るんでしょ?」ワクワク
ティンカーベル「だいたいそんな感じだよ!それは魔法の馬車でね、かぼちゃで出来てたの!」
ラプンツェル「かぼちゃで・・・!塔の外ではかぼちゃはただの食材じゃなくて、乗り物にもなるんだね!?やっぱり塔の外はすごいね!」ワクワク
キモオタ「ちょwww限りなく特殊なケースでござるからwww本来はそんな使い方しないでござるwww」
ラプンツェル「そうなの?人参とかジャガイモの馬車は?」
キモオタ「ないないwwwないですぞwww流石に外の世界にもありませんなwww」
251: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/28(水)20:38:05 ID:Hya
ラプンツェル「じゃあさじゃあさ!いろんな所を旅したなら友達もたくさん居るの?ティンクとキモオタにはさ」ワクワク
ティンカーベル「もちろん!えっとね、最近王妃になったシンデレラとー、いっつも上半身裸の裸王とー」
ラプンツェル「いっつも上半身裸!?塔の外ではそれが普通なの?塔の中でも下着姿のままいるとママに叱られるのに、やっぱり外の世界はすごいね!」
キモオタ「いやいやwwwそれは裸王殿だけでwwwそんな人間は滅多にいませんぞwww」
ティンカーベル「しょっちゅう居ても困るけどね!それとあとクールで可愛い赤ずきんとすっごく優しい赤鬼とー」
キモオタ「貧しくとも健気で努力家なマッチ売り殿にヘタレイケメンの桃太郎殿www他にも居ますがwwwみんな旅の途中に親しくなった仲間でござるwww」
ラプンツェル「そっかー・・・外の世界って、楽しそうだね!友達と一緒に冒険できるんだもんね!」ニコニコ
ラキモオタ「ラプンツェル殿は塔の外の世界に行きたいのですかな?www」
ラプンツェル「えー?そうだなぁー・・・うん、行きたい。行きたいけど・・・」
252: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/28(水)20:57:26 ID:Hya
ラプンツェル「ママと約束したからね、塔から出ないって。でも、塔の外には私が知らない世界がずーーーっと遠くまで広がってる!その広い世界のどこかにはママの体の痛みを取り除いてくれる、そんな道具だってきっとある!」
ラプンツェル「今はまだママが許してくれないけど、いつか私が塔の外に出ることが出来るなら・・・ママの痛みを和らげる道具を探したり、この目でいろんな物を見てみたい!」
ラプンツェル「塔の中での暮らしもすごく楽しいけれど、やっぱり外の世界にも行ってみたいんだ。その時は、一緒にいろんな所に連れてってくれる?ティンク!キモオタ!」
ティンカーベル「それは・・・うん!いつか、塔の外に出たときはね!」
キモオタ「そ、そうですなwww」
キモオタ(とはいえ・・・お話の筋としては、ラプンツェル殿が塔を出るときはゴーテル殿と決別する時・・・ティンカーベルもそれをわかっているでござろうに)
キモオタ(しかし、余計なことを言って・・・外の世界へ希望を持っているラプンツェル殿の笑顔を曇らせるには嫌ですな)
ラプンツェル「あっ!私ママの話しちゃったけど、二人は私のママ知らないよね?」
ティンカーベル「ううん!ここにくる前に会ったよ!ねっ!キモオタ!」
キモオタ「そうですぞwwwラプンツェル殿の自慢話を聞かされたでござるwww随分と娘好きな母上殿でしたなwww」コポォ
253: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/28(水)21:09:52 ID:Hya
ラプンツェル「私の自慢?やだなぁ、もう!自慢するような所無いのにー・・・ママ私の事なんて言ってた?」
ティンカーベル「えっとねー!ラプンツェルの歌声は世界一美しいって言ってた!」
キモオタ「あとはラプンツェル殿の作る料理は世界一おいしいwwwラプンツェル殿の刺繍の腕にはどんな仕立て屋も適わないwwwラプンツェル殿の絵画にはどんな絵描きも腰を抜かすwwwあとは・・・」
ティンカーベル「ダンスのセンスがすごいっていうのと!あとはチェスもオセロも右にでるものは・・・」
ラプンツェル「ちょ、ちょっと待って!もういいよ!ママはいつもそんな調子なんだから・・・恥ずかしいよ、もぅ!」テレテレ
ティンカーベル「ラプンツェル照れてるね」ヒソヒソ
キモオタ「そりゃあそうでござろうwwwもはや褒め殺しですからなwwwまぁすべてゴーテル殿が言っていたことなのでござるけどwww」ヒソヒソ
ラプンツェル「でもね!料理も裁縫も教えてくれたのはママなんだよ、だから本当にすごいのは私じゃなくてママなの!ママは優しいしなんだって知ってるしどんなことでも教えてくれるし・・・」
ラプンツェル「私の自慢のママなんだから」フンス
254: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/28(水)21:24:41 ID:Hya
キモオタ「ちょwwwゴーテル殿と同じことを言ってますぞwww」
ラプンツェル「えっ!?そうなの?」
ティンカーベル「うん、ゴーテルはラプンツェルは自慢の娘だって言ってた!」
ラプンツェル「そっか・・・なんだか照れるね、それ・・・」テレテレ
ティンカーベル「そんなことないよ!すっごく仲がいい親子で羨ましいよ!」
キモオタ「そうですなwww確かラプンツェル殿は養子でしたなwwwしかし、とてもそうは思えないwww」
ティンカーベル「バカ・・・っ!そんな事言わなくていいじゃん!」ゲシッ
キモオタ「ファッ!?」
ラプンツェル「あははっ、いいよティンク!私とママに血の繋がりが無いのは本当のことだしねー」
ティンカーベル「ごめんね、キモオタはいい奴なんだよ?でもね、たまにこういう要らないこと言うんだよ・・・!あとで怒っとくから!」
キモオタ「ちょwwwティンカーベル殿wwwしかし、気にしていたとしたら申し訳なかったですなラプンツェル殿」
ラプンツェル「いいよいいよ!気にしてないし。もしかして外の世界では血が繋がって無かったら家族じゃないの?」
キモオタ「いや、そんなことはないでござるよ。家族かどうかに血縁かどうかは関係ござらん」
ラプンツェル「でしょ?だから私のママはゴーテルママだけ。それは塔の中でも外でも関係ないんだよ」ニコニコ
255: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/28(水)21:38:29 ID:Hya
ティンカーベル「ラプンツェルはゴーテルの事が大好きなんだね」
ラプンツェル「うん、大好き!優しいもん!本当は一緒に暮らしたいけど、私はここを出られないし、ママに塔での暮らしはちょっと辛いだろうし、農作業もできないから難しいんだよね」
キモオタ「塔に出入り口があればいいでござるのにwww」
ラプンツェル「それはママが駄目だって言うんだよね、心配しすぎだよー」
ティンカーベル「でも私はちょっと羨ましいなー!私はお母さんとかお父さん居ないからねー」
キモオタ「そ、そうだったのでござるか?だからさっきあんなに怒ったのでござるね・・・?」
ティンカーベル「あっ!違うよ?そもそも妖精は人間みたいにコウノトリが赤ちゃんを運んでくるわけじゃないからね?だからお父さんやお母さんっていう存在そのものが無いんだよ」
ラプンツェル「そうなんだ、初めて知ったよ!じゃあ妖精ってどうやって生まれるの?」
ティンカーベル「私達、【ピーターパン】の世界の妖精はね、人間の赤ちゃんが産まれて初めて笑ったときに・・・その笑顔から産まれるの!」
ラプンツェル「そっかぁ・・・無垢な心と同時に妖精が産まれるんだ、なんだか素敵だね!」
キモオタ「夢があるというか何というかwwwなんというファンタジーwww」コポォ
256: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/28(水)22:00:01 ID:x3m
・・・二時間ほど後
ラプンツェル「私の番ね!ここで、チェックメイトー!」フンス
キモオタ「ぶ、ぶひゃっ!?いつの間にか包囲されてますぞ・・・!負けましたぞwww」
ティンカーベル「キモオタ・・・チェスはちょっと自信があるとか始めに言ってたのに!」ケラケラ
キモオタ「ネットチェスではかなりのレートなのでござるがwww」コポォ
ラプンツェル「次は何して遊ぶ?オセロやる?それとももっかいチェスする?」ワクワク
キモオタ「そうですなぁwwwしかしそろそろいい時間でござるし、我々はそろそろ帰りますかなwww」
ラプンツェル「えぇっ!?友達って寝ないで遊ぶものなんじゃないの!?」ガーン
ティンカーベル「そういう時もあるけど、今日は急に押し掛けちゃったしそれはまた今度にしようよ!」
ラプンツェル「えー・・・せっかく遊べると思ったのにー」ムスッ
キモオタ「まぁまぁwwwまた明日の夜に来ますのでwww」
ラプンツェル「わかった、じゃあ約束だよ!キモオタ!ティンク!明日の夜、絶対だからね!」
ティンカーベル「うん!約束!それじゃあね、ラプンツェル!
おやすみ!」ファサー
キモオタ「それではwwwまた明日にwww」フワッ
ラプンツェル「うん!じゃあねー!おやすみー!」ニコニコ
264: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/29(木)19:51:13 ID:SZA
翌日・夜
ラプンツェルの塔 最上部の窓
ラプンツェル「ルルルールールルルー♪」
ラプンツェル(ティンクとキモオタまだ来ないかな〜)ワクワク
ラプンツェル(今日はママがお昼に来てくれたし、ティンクとキモオタも夜に来るって約束したし!嬉しい一日だなぁ〜)ウキウキ
ラプンツェル(部屋もちょっと片づけたし、ケーキも焼いた)
ラプンツェル(友達と遊ぶのってすごく楽しくてあっという間だけど、待ってる間って一日より長く感じるなー)
ラプンツェル「ラララーラーラララー♪」
ラプンツェル(まだかなー、まだかなー)
ガサッ
ラプンツェル(あっ、塔の下に誰か居る!二人が来たのかも!)ワクワク
265: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/29(木)20:05:40 ID:qKS
ガサッ
「ラプンツェル!君の髪を下げてくれ!」
ラプンツェル(あれ?どうしたんだろ、飛べないのかな?昨日は飛んできたのに)
ラプンツェル(・・・そっか!キモオタが昨日より太っちゃって飛べなくなったのかも!)クスクス
ラプンツェル(そういうことなら仕方ないね!手伝ってあげよう!友達だもんね!)
ラプンツェル「わかったー!いくよー?それっ!」ファサッ
シュルシュルシュルッ
ラプンツェル「暗くてよく見えないけど、下まで届いたー?」
グッグッ
ラプンツェル(手応えがあるし、ちゃんと届いたかな?)
グッグッ グッグッ
グッグッ グッグッ
ラプンツェル「あれ・・・?キモオタでもティンクでもない・・・!」
スタッ
王子「ようやく・・・あの歌声の主に出会えた・・・!なんと美しい女性だ・・・!」
266: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/29(木)20:21:13 ID:qKS
ラプンツェル「・・・・・・」ジーッ
王子「まずは勝手に上がり込んだ非礼を詫びなければ・・・すまない。だが私はどうしても・・・」
ラプンツェル「ピカピカの勲章に・・・見ただけでわかるくらい上等な布地だ・・・!派手な服だね!」ニコッ
王子「えっ?そ、そうかい?確かに普段着ではないからな、でも王族の衣類というのはだいたい派手なものだよ」
ラプンツェル「オーゾク?えっと、それって確か・・・そうそう、国で一番偉い人の家族だ!あなたがその王族なの?」
王子「申し遅れた、名乗らせて頂こう・・・!私はこの国の王子だ、よろしく頼む」ペコッ
ラプンツェル「私はラプンツェルだよ!よろしくね!おーじ!」ニコニコ
王子「あぁ・・・しかしラプンツェル。君は私を咎めないのかい?私は君を騙して塔に上がり込んだというのに」
ラプンツェル「えー?いいよー別に!だっておーじも私の友達になってくれるんでしょ?」ニコニコ
王子「え?あ、あぁ・・・友達か・・・君さえ良ければ」
ラプンツェル「うん!じゃあおーじも私の友達ね!お茶入れるから上がって上がって!」ウキウキ
267: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/29(木)20:36:11 ID:qKS
ラプンツェル「おーじ!その辺座って座って!今、紅茶入れるから!」ウキウキ
王子「あ、あぁ・・・わかった」
王子(しかし、追い返されても仕方ないと思っていたがもてなしまで受けられるとは・・・。ラプンツェルは私が王族だから文句が言えないのだろうか・・・?)
王子(どちらにしろ、あの美しい歌声の主はラプンツェルに違いない。私としては彼女と親しくなりたい。これは願ってもない機会だ)
王子(しかし、彼女は出入り口の無いこの塔で生活しているのか・・・)
ラプンツェル「フンフーン♪」カチャカチャ
ラプンツェル(あっ、ティーカップが無いんだったっけ。スープ皿と花瓶は二人が使うし、なにかないかな・・・カップの代わり・・・あ、ジャムの空き瓶があるや、これにしよ!)
ラプンツェル「おーじ!紅茶なんだけど、ジャムのでいいー?」ヒョコ
王子「ジャムの・・・?」
王子(あぁ、ロシアンティーというものだな?確か小皿のジャムを舐めながら飲むのが作法だったな・・・)
王子「あぁ、それで構わないよラプンツェル!」
269: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/29(木)20:42:36 ID:qKS
ラプンツェル「はい!じゃあおーじの分ね!おまたせ!」
コトッ
王子「!?」
王子(どういう事だ!?ジャムのって言うからロシアンティーだと思いきや・・・空き瓶に紅茶が・・・あっ、ジャムの空き瓶かこれ!?)
ラプンツェル「今日はちょうどケーキも焼いてたからこれも食べてね、おーじ!」コトッ
王子「う、うむ・・・頂くよ(ケーキは普通だな・・・)」
王子(おそらくカップをまとめて割ってしまって、ティーカップが無いんだろう・・・だとしたら指摘するのは失礼か)
カチャッ
ラプンツェル「ふぅー、おいしいー・・・やっぱり紅茶は暖まるねー!」ズズー
王子「君の分はちゃんとティーカップなんだね!?」ガターン
270: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/29(木)20:54:23 ID:qKS
ラプンツェル「そうだよ?あっ、ティーカップが足りないからおーじのはジャムの空き瓶にしたんだ!それで我慢してね!」ニコニコ
王子「あ、あぁ・・・そうなのか・・・なら仕方ないのか・・・?」
王子(普通は客人にカップを使うんじゃないのか・・・?いや、さすがに押し掛けておいて図々しいな。実はやっぱり歓迎されてないのか・・・いや、しかし・・・)
ラプンツェル「おーじ!ちゃんとケーキも食べてね!あと私、塔の外のお話聞きたいなー」ワクワク
王子(彼女に悪意があるようには見えない・・・)
王子「あぁ、構わないが・・・君は塔の中で暮らしているんだね?出口がないけれど、どうやって外へ?」
ラプンツェル「外には行ったこと無いの、物心ついた頃からずっとねー」ズズー
王子「出たことがない?この塔から一度も?」
ラプンツェル「うん!ママが心配性なの、塔の外は危険だからーって!」
王子「なるほど・・・」
272: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/29(木)21:08:04 ID:qKS
王子(だとしたら、これはマズいな。箱入り娘の部屋に男が上がり込んだなど・・・王子とはいえ許されないだろう)
王子「君の両親はどんな人なんだい?」
ラプンツェル「んー?パパは居ないんだー、それでねママは魔女だよー」モグモグ
王子「魔女!?さらっと言ったけど、大事ではないのかそれは!」ガターン
ラプンツェル「えー?外の世界では魔女珍しいの?」
王子「珍しいもなにも・・・普通は出会うことすらできないよ」
ラプンツェル「そうなんだ!私のママはやっぱりすごいんだね!」ニコニコ
王子「ああ、相当すごい方だろうね・・・君の母上は。それと、どうやら君はお母さんが大好きなようだね、ラプンツェル」
ラプンツェル「うん!大好き!」ニコッ
王子「・・・そ、そうか」ドキッ
王子(可愛い・・・!)
273: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/29(木)21:25:27 ID:uZm
ラプンツェル「そういえばおーじはどうしてこの森に要るの?なにか用事でもあったの?」
王子「・・・・・・」
ラプンツェル「どうかした?おーじ?」
王子「いや、君には話しておきたい。聞いてくれるかい?」
ラプンツェル「うん!」
王子「この国の王には子供が一人しか居ない、それが私だ。だから次期国王は私・・・だから王は私にはとても厳しくてね。もちろんそれが王なりの愛情であることも立派な王になるためには避けられないということもわかってはいるんだが・・・」
ラプンツェル「うんうん」モグモグ
王子「そのうち嫌気がさしてきてね。王は口を開けば「お前はこういう立ち居振る舞いをすべきだ!」「お前は私のいうとおりにすべきだ!」という具合でね。私は自分で物事を決めることすら許されなかったよ、洋服も食事もね、全てのスケジュールを王に管理されていた」
ラプンツェル「自由にできなかったの?塔の外はなんだってできる、自由な世界じゃないの・・・?」
王子「いや、本当はそうあるべきだ。でも私の場合は違ったんだよ」
王子「私は広い世界に居ながら、自由なんて一切無かった。王の目の届かないところにいても結局は王子だ、自分の好きな行動なんて選ぶことができなかったんだよ」
274: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/29(木)21:39:17 ID:uZm
ラプンツェル「それはつまんないねー。私は塔から出られないけど、好きなものを食べて好きなことを、自分がやりたいって思った事をしてたからよくわかんないけど・・・」
王子「そうなのかい?ハハッ・・実におかしいこともあるもんだ、塔の中の君はなにより自由で外の世界の私はしがらみだらけの不自由な生活だっていうんだから」
ラプンツェル「それで、どうしたの?おーじは」
王子「王が言うんだ「お前にふさわしい姫を探してきたから結婚しろ」とね、もう私は付き合いきれなくなって反抗したよ。滅茶苦茶怒鳴られて、殴られたけど私も食い下がってね。
渋々だったけれど王から結婚相手を捜す旅をする許可を貰った。他にどうしてもやりたい事があったから、旅にでられたのは好都合だったよ」
ラプンツェル「おーじも大変なんだね、いろいろとさ!でさ、王寺がやりたいことってなに?」モグモグ
王子「あぁ、私の母親・・・王妃は数年前から病を患っていてね。今日明日とも知れない命だという訳ではないが・・・一年のほとんどを寝室で過ごさざるを得ない、病弱なんだ。昔からね」
ラプンツェル「・・・もしかして!」ガタッ
王子「ど、どうしたんだラプンツェル」
ラプンツェル「おーじも探してるの!?ママの病気が治る方法!」
王子「あ、ああ。そうだ、探している。だが・・・なかなか見つからないんだ。もしや、君も母上の病気が治る方法を探しているのか?」
275: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/29(木)21:55:56 ID:uZm
ラプンツェル「そうなの!私のママ、最近体が痛いって言ってて・・・辛そうだから私がなんとかなる方法を探そうと思って、塔の外に出たいって言ったんだけど・・・駄目だって言われちゃった」
王子「大好きな母上のために・・・君は優しいね、ラプンツェル」
ラプンツェル「優しいのはおーじだよ!それにママを大切にする人、私大好きだよ!だから王子のことも好き!」ニコニコ
王子「そ、そうか。それは嬉しいな・・・!」
ラプンツェル「ねぇおーじ!一緒に行こうよ!私のママとおーじのママを助けられる方法が無いか、一緒に探しに行こうよ!」
王子「それは構わないが・・・しかし、母上から塔の外にでることは禁止されているんじゃないのか?」
ラプンツェル「そうだった・・・うーん・・・それはそうだけど・・・むーっ・・・」
王子「・・・・・・」
ラプンツェル「なんとかならないかな、おーじ?」
王子「そうだな・・・君は母上の為を思って旅にでるんだろう?それならば、口では駄目と言っていても母上はきっと許してくれるよ。君の優しい心を母上は知っているんだから、叱られないんじゃないか?」
ラプンツェル「そっか・・・そうだね!ママが元気になる方法見つけてきたら、きっと塔を抜け出しても怒られないよね!きっとママは喜んでくれるね!」ニコニコ
ラプンツェル「決めたよ!私、おーじと一緒に旅にでる!約束だよ!おーじ!」
王子「あぁ、約束だ!絶対に私達の母を救って見せよう、ラプンツェル!」
277: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/29(木)22:15:59 ID:uZm
ラプンツェル「じゃあさ、いつ行く!?ねぇねぇ、おーじ!」ワクワク
王子「そうだな・・・ラプンツェルが塔から出ないことには話にならないからな・・・まずは梯子を作るかなにかして、出口を作らないといけないな」
ラプンツェル「じゃあこうしよ!明日からおーじは毎晩ちょっとずつ布切れを持って遊びに来てよ!それを私がつなぎ合わせて梯子にするから!」
王子「わかった、持ってこよう。では梯子が出来次第出発だな!」
ラプンツェル「うん!楽しみだね!ママ達が喜んでくれるの!」
ワイワイ ワイワイ
キモオタ「どうやら王子殿が先に来ていたようですなwwwゴーテル殿の自慢話で来るのが遅れてしまいましたがwww結果オーライですなwww」
ティンカーベル「ねっ!王子とラプンツェルはいい雰囲気だしね!」
キモオタ「我々も行きますかなwww遊びに来ましたぞwwwラプンツェル殿www王子殿www」コポォ
ティンカーベル「えっ!?あの雰囲気の中に混ざるの!?今日はそっとしといてあげたほうが良かったんじゃないの!?」ガーン
ラプンツェル「あっ!ティンク!キモオタ!遅いよー!」
キモオタ「申し訳ないwww二人で何の話をしていたのですかなwww」コポォ
ティンカーベル「キモオタ・・・せっかくのいい雰囲気ぶち壊しだよ・・・」
280: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/29(木)22:34:41 ID:uZm
その頃 別のおとぎ話
ゴルディロックス「ゼェゼェ・・・」ヨロッ
ドロシー「キャハハッ!追い詰めたよーん♪なかなかすばしっこいから時間かかっちゃった!」テヘペロ
ライオン「ねぇねぇ・・・!急ごうよ!早くしないと熊が来るんでしょ?このお家・・・まずいよまずいよ!熊はまずいよ!」
ゴルディロックス「・・・ハァハァ・・・あなた達・・・こんな事して・・・どういうつもりなの・・・!」ゼェゼェ
アリス「どういうつもりも何も・・・ボクはこんなおとぎ話に用事はなかったんだけどね。そうだろう、ドロシー?誰が間違えたんだっけ?」
ドロシー「もー!わかったから!私が行き先を勘違いしてよけいな遠回りになっちゃったって言いたいんでしょ?もう反省したからいいじゃんもぉー!しつこいと嫌われるよアリス!」
アリス「ボクは『どんな強風でもびくともしない魔法のレンガ』が欲しかったんだ、それなのにドロシーがおとぎ話の名前を間違えるから・・・」
ドロシー「はいはぁい!反省してまぁーす!」ヘラヘラ
ゴルディロックス「あなた達・・・何を企んで・・・!」
アリス「あぁ、もたもたしてるからよけいな詮索されちゃったよ。ドロシー、さっさとこいつを殺してしまってくれるかい?せっかくだからその後おかゆを頂くとしようか、美味しいって聞いているからね」フフッ
ドロシー「はいはーい!ちょっとだけ待っててねん、私の魔力でちょちょいだからさ!」
ゴルディロックス「・・・っ!」
シュガッ
282: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/29(木)22:43:38 ID:uZm
ゴゴゴゴゴゴ
ドロシー「よーし!終わった終わった!私ちょうどいい熱さのおかゆー!かかしとブリキと青い鳥は?食べないよね?」
ブリキ「必要ない・・・」
かかし「食べられないからナ・・・おまえ等で食エ!」
青い鳥「僕もお腹空いてないからいいよ」
ライオン「じゃ、じゃあ僕はつめたいおかゆにするよ、猫舌だから。いいよね?アリスちゃん、もしかしてアリスちゃんもつめたいおかゆ?」
アリス「ボクは熱いお粥でいいよ、どっちにしろここで食べている時間はなさそうだしね」
ドロシー「そうだねー!今度はちゃんと、目的のおとぎ話に行くから!安心してよ!」ニヤニヤ
アリス「そうだね・・・あぁ、忘れないうちに食後の薬を渡しておくよ、きちんと飲むんだよ?ドロシー」
ドロシー「はいはーい!了解了解!そんじゃあ行きますか!」カツンカツン
ヒュン
292: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/30(金)20:00:03 ID:F3i
一週間ほど後・・・ラプンツェルの塔 夜
ラプンツェル「おーじ!キモオタ!ティンク!これ見て!梯子半分くらい出来たよ!」バサー
キモオタ「これはwww初めはなかなかできないと思っておりましたがなwwwなかなか完成に近づきましたなwww」
ティンカーベル「これも王子が毎日布切れを持ってきてくれたおかげだね!」
王子「いや、梯子を作ったのはラプンツェルだ。彼女に感謝しないとな」
ラプンツェル「えへへー、でもこれが完成したらママ達を助ける手段探しに行けるもんね!頑張ろうね!おーじ!」
王子「ああ、旅の準備も進めているからな。森はずれの小屋に必要なものを揃えて置いた、いつだって出発できる」
ラプンツェル「初めての外の世界・・・!ワクワクするねー!」ワクワク
ティンカーベル「王子が来てから一週間・・・アリス達がくる様子は無いね」ヒソヒソ
キモオタ「そうですなwwwそれに越したことはないのでござるがwwwまぁこのままラプンツェル殿を見守りますぞwww」ヒソヒソ
ラプンツェル「ティンクー!お茶入れるから手伝ってー!」ニコニコ
ティンカーベル「うん、わかったー!・・・じゃあ行ってくるね!アリス達が来てないからって油断しないでね!キモオタ!」
キモオタ「わかりましたぞwww」コポォ
293: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/30(金)20:10:17 ID:F3i
ラプンツェルの塔 キッチン
ラプンツェル「フンフーン♪」ウキウキ
ティンカーベル「ご機嫌だね!ラプンツェル!もうすぐ外に出られるから?」
ラプンツェル「それもあるけど、毎日おーじが遊びに来てくれるし!ティンク達もね!おーじと遊ぶの楽しいよ、チェスも強いもんね」ニコニコ
ティンカーベル「ねぇねぇ、ラプンツェルは王子のこと好き?」
ラプンツェル「うん、好き!ティンクもキモオタも好きだよー」
ティンカーベル「えーっとねー、そうじゃなくてー・・・王子の事は特別に好き?」
ラプンツェル「特別に?んー・・・」
ティンカーベル「そうそう!特別!どうなの?」ワクワク
ラプンツェル「うーん・・・よくわかんないけど、おーじは優しいしカッコいいし、チェスも強いしママたちの病気治すこと真面目に考えてくれてるし、私はおーじの事好きだよ?それが特別かどうかはよくわかんないけど・・・でも二人きりの時はドキドキするよ!」
ティンカーベル「そっかぁ!ラプンツェルは王子のこと大好きなんだね!恋だよ恋!」ウキウキ
294: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/30(金)20:18:35 ID:F3i
ラプンツェル「恋?なにそれ?」
ティンカーベル「ラプンツェルは王子のこと特別好きでしょ?その気持ちの事だよ。いつか王子に大好きだって伝えないといけないね!」
ラプンツェル「恋すると、おーじに好きって伝えなきゃいけないの?」
ティンカーベル「そうだよ!もっともっと王子のこと好きになったらいつかちゃんと好きって言おうね、ラプンツェル!」
ラプンツェル「んー・・・いつかだと忘れちゃいそうだし,今言ってくるよ!」
ティンカーベル「えっ!?」
ラプンツェル「ねぇねぇー!おーじー!ちょっと来てー!」ヒョコ
ティンカーベル「ダメだよ!そんな雑な思いつきみたいな感じで告白しちゃ!」グイグイ
ラプンツェル「えー?ダメなの?」
ティンカーベル「ダメだよ!女の子の恋する気持ちはもっとロマンチックな時に伝えるもんなの!そういう決まりなの!」
ラプンツェル「ふーん・・・好きなときに好きって言えないなんて、なんか恋ってめんどくさいね」
ティンカーベル「めんどくさいとか言わないの!」
296: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/30(金)20:26:09 ID:F3i
翌朝 ゴーテルの家
ティンカーベル「・・・っていう事が昨日あってね?ラプンツェルはみんなに好きって言うからちゃんと王子に恋してるか不安だったけど、取り越し苦労だった!」
キモオタ「塔から出て行くための梯子も着実にできあがっておりますからなwww一週間後には完成するかとwww」
ゴーテル「・・・・・・」ズーン
ティンカーベル「ゴーテル?どうかした?今のところ異変もないし、おはなしは順調に進んでるよ?」
ゴーテル「それは嬉しいことじゃが・・・ラプンツェルと離ればなれになるまでもう一週間もないと思うと気持ちが沈むんじゃ」ズーン
キモオタ「ゴーテル殿www元気だしていただきたいwww」
ゴーテル「イヤじゃなぁ・・・ラプンツェルと離ればなれになるのは。あの娘が乳飲み子だったときから一緒じゃったからなぁ・・・」
キモオタ「そういえばwwwゴーテル殿は何故ラプンツェル殿を引き取ったんですかなwww」
ティンカーベル「それ私も気になる!教えてよゴーテル!」
ゴーテル「いいじゃろ。昔話でもしていれば気も紛れるじゃろ・・・いつか」
298: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/30(金)20:45:03 ID:F3i
ゴーテル「18年ほど前じゃったか・・・ワシの畑の野菜を盗んだ男がいてなぁ、隣の家の旦那じゃった。ラプンツェルの父親じゃ」
ティンカーベル「ゴーテルの作った魔法の野菜を、奥さんのために盗んだんだよね?」
ゴーテル「そうじゃ、本当は譲るつもりなんか無かった。追い払おうとしたんじゃが・・・しかしな、その時窓の向こうに見えたラプンツェルの母親に、死相が出ておったんじゃ。ワシはすぐに気がついた、このままだと母親も子供も死ぬとな」
ゴーテル「さすがに気の毒じゃった。じゃからワシはその野菜を譲ってやったんじゃ・・・その野菜は食べた者に魔力を与える野菜。
本来は魔女や魔法使いが自分の魔力を底上げする時なんぞに食べるもんじゃが、普通の人間にだって魔法の力を与える効果がある。おかげでその母親は一命を取り留めたんじゃが」
ゴーテル「その野菜の効果は胎児にも及ぶ。結果としてラプンツェルは魔力を持って産まれてくることになったんじゃ。大人ならともかく、意識的に魔力をコントロールできない赤子を普通の人間が育てるなど不可能・・・じゃからワシがラプンツェルを引き取った」
キモオタ「ラプンツェル殿に魔力が・・・!そんなふうには見えませんがな・・・」
ゴーテル「髪の毛じゃ、ラプンツェルの魔力は髪の毛に集約されておる。ほかの魔術や魔法は一切使えないが、あの髪の毛は切ったとしてもある程度はあっという間に伸びてくる・・・あの娘の意志で髪の毛を自由に動かすこともある程度は可能じゃ」
ティンカーベル「だからムッキムキじゃないのに塔の上からゴーテルを引っ張り上げたり出来たんだね?」
ゴーテル「そうじゃな、ラプンツェル自身はただの特技としか思っていないようじゃが・・・言い方を変えれば「髪の毛を自在に操る魔法」専門の魔法使いだと思ってくれてもいいじゃろ」
300: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/30(金)20:57:52 ID:F3i
キモオタ「確かにwww妙に器用に髪の毛を動かすとは思っておりましたがwww」コポォ
ゴーテル「本当のことをいうとじゃな、あの塔はラプンツェルの魔力が暴走したときの為の防御壁じゃった。じゃがな・・・あの娘が二歳三歳になる頃にはもう、ワシにとってあの塔はラプンツェルを護るための物になったんじゃ」
ティンカーベル「それってどういうこと?」
ゴーテル「もうラプンツェルが可愛くて仕方なかったんじゃ!言葉を喋るようになると、もう可愛さが倍増したんじゃよ・・・!初めて「まま」って呼ばれた時の感動はいまでも鮮明に覚えておる!もちろんそれまでもキュートじゃったがな・・・?」
キモオタ「ちょwwwシリアスじゃなかったwww」
ゴーテル「とにかくワシはその時決めたんじゃ、ラプンツェルは確かにワシと血は繋がっていない。じゃが、ワシのたった一人の娘じゃ。月並みなセリフじゃが」
ゴーテル「世界を敵に回してもこの娘を守り抜くと決めたんじゃ」
ティンカーベル「そっか・・・それじゃあ寂しくなるね・・・」
ゴーテル「王子と塔を出ていくことはラプンツェルが決めた事じゃ、もう母親のワシが口を出すことではないんじゃろうな・・・」
301: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/30(金)21:10:49 ID:F3i
キモオタ「なんと声をかけていいのやら・・・しかし、ラプンツェル殿はゴーテル殿の体を心配して、それを治す手段を・・・」
ゴーテル「わかっておる、さすがはワシの娘じゃ。しかし、どちらにしても近いうちにワシはラプンツェルを砂漠に捨てなければならないんじゃ」
ティンカーベル「・・・こんなこと言うのも変だけど、ゴーテルはそれで納得がいくの?」
ゴーテル「納得はしておらんな。おとぎ話の住人には物語の結末という形の運命が決まっている、それには抗えん。それを恨んだこともあった・・・何故愛する娘をはじめとして捨てなければならんのか!とな」
ゴーテル「じゃが、裏を返せばワシさえそれを耐えればラプンツェルは王子と幸せな暮らしを送れる。老い先短いワシの苦悩で、ラプンツェルが幸せになれるなら安いもんじゃ」
キモオタ「ゴーテル殿・・・」
ゴーテル「さぁさぁ、この話は終いにしようかの。暗い気持ちになってしまうでのぉ」
ティンカーベル「あのね、ラプンツェルはゴーテルがお母さんで幸せだったと思うよ!」
キモオタ「ですなwww寂しいかもしれませんがな・・・元気だしていただきたいwww」
ゴーテル「ふぉっふぉ、そうじゃな・・・もう何度ラプンツェルに会えるかわからんが、心配かけんようにせんとな」
青い鳥「・・・・・・」バッサバッサ
304: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/30(金)21:30:36 ID:F3i
・・・
ゴーテル「さて、キモオタ達はラプンツェルの所へ行ったか・・・それで、お前はワシに何の用じゃ・・・?」
アリス「・・・察しがいいね、気配は消していたつもりだけど」
ゴーテル「・・・匂いがするのぅ、魔法具・・・それも一つや二つじゃない。膨大な魔力・・・お前がアリスとかドロシーという娘じゃな?」
アリス「またまた察しがいいね、ゴーテル。君の作った野菜をドロシーに食べさせたくてね・・・ドロシーの持つ魔力を増幅させようって考えさ、だから青い鳥と二人で来たんだ。と言えば、素直にくれるかい?」
ゴーテル「無理じゃな、断る」
アリス「いいよ、予定通りさ。でも、欲しいものは絶対に手に入れる」ゴソッ
ゴーテル「・・・・・・」ジリッ
アリス「そう身構えないでよ。魔法勝負になるとちょっと分が悪いかもしれないしね。けれど、ボクの申し出を断った事は後悔してもらうよ?」
ゴーテル「なんじゃと・・・?」
アリス「安心するといい、苦しむのは君一人でじゃあない」
アリス「ラプンツェルも一緒だからさ」フフッ
305: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/30(金)21:41:34 ID:VKN
ラプンツェルの塔 夕暮れ
ティンカーベル「ねぇねぇ、ラプンツェル。今日はずっと縫い物してるけど何作ってるの?」
ラプンツェル「これはね、ママへのプレゼント!こないだケープ作ったから今度は普通に洋服なんだけどね。もう、私いなくなっちゃうから・・・」
ティンカーベル「そっか、寂しくなるけど・・・こうしてプレゼントあげたらきっとゴーテル喜んでくれるよ!」
キモオタ「なんたってwwwラプンツェル殿の気持ちがwwwこもってますからなwww」
ラプンツェル「うん!ママとは少しの間会えないけど、ママのためだもんね!私、頑張るよ!」ニコニコ
ティンカーベル「ラプンツェルはゴーテルの事大好きだね!」
ラプンツェル「うん!ママのこと大好きだよ!」
キモオタ「早くゴーテル殿を体の痛みから助ける手段を探さなければなりませんなwww王子殿との仲も深めねばなりませんしなwww」
ラプンツェル「あはは、キモオター!私とおーじは今も仲いいよ?」
キモオタ「ドゥフフwwwそうでしたなwww」
「ラプンツェル!ワシじゃ!髪の毛を早くおろしとくれ!」
ラプンツェル「あれ?こんな時間にママが呼んでる。いこう、ティンク!キモオタ!」
306: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/30(金)21:48:07 ID:VKN
ラプンツェルの塔 最上部の窓
ラプンツェル「ママー、いくよー?それっ!」ファサ
ゴーテル「・・・・・・」ガシッ
グッグッ グッグッ
グッグッ グッグッ
トサッ
ゴーテル「・・・・・・」
ラプンツェル「ママ?どうしたの?何か忘れ物?」
ティンカーベル「どうしたんだろ・・・なんか様子がおかしいね?」ヒソヒソ
キモオタ「寂しくなって遊びに来たとかwww」ヒソヒソ
ゴーテル「ラプンツェル・・・・・・!」
グイッ
ラプンツェル「痛っ!ま、ママ・・・?どうして髪の毛掴んだりするの?」
ゴーテル「・・・どうしてだって?よくもぬけぬけとそんな事が言えたもんだね、お前は・・・!」ギロリ
307: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/30(金)22:02:36 ID:VKN
キモオタ「ちょ、ゴーテル殿!」
ティンカーベル「離してあげてよ!ラプンツェルがかわいそうだよ!」
ラプンツェル「ど、どうして?どうしてそんなに怒って・・・私がおーじと会ってる事知ってるの?だから怒ってるの?」
ゴーテル「よくわかってるじゃないか・・・!王子と一緒に塔を出て行くつもりだろう?ワシは血の繋がりの無い養女のお前をここまで育ててやったというのに、簡単にワシを裏切るような真似をしおって・・・!」
ラプンツェル「違うの・・・!私はママに元気になってもらいたくて・・・!だからおーじと一緒に」
ゴーテル「黙れ!このアバズレが・・・!お前、あの王子と一緒になりたいからといってワシを口実に使うんじゃない、不愉快だ!」
ラプンツェル「・・・違う!そうじゃないの、信じて!ママ!」
ゴーテル「誰が貴様など信じられるものか・・・!それとな・・・よく聞け、お前はワシを裏切った・・・そもそもお前はワシの娘じゃない。ママなどと馴れ馴れしく呼ぶのはやめろ、反吐がでる!」
ラプンツェル「・・・・・・っ!」ジワッ
ティンカーベル「どうしたのさ!ゴーテル!いくらなんでも言い過ぎだよ!」ピュー
ゴーテル「妖精の娘・・・貴様は黙っておれ!」
309: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/30(金)22:16:31 ID:VKN
ラプンツェル「ママが・・・私のこと娘じゃないって・・・」ポロポロ
ティンカーベル「落ち着いてラプンツェル!あんなの本心じゃないよ!」
キモオタ「うおぉぉ!ゴーテル殿!落ち着いていただきたい!どうにも様子がおかしすぎますぞ!?」ガシッ
ゴーテル「ええい、離せ!この豚が・・・!」
ティンカーベル「ゴーテル!どうしたのさ!?さっきはラプンツェルの事あんなに大切そうに話してくれたのに!」
ゴーテル「黙れ・・・貴様、少し眠っておれ・・・!」ヒュォ ビターン
ティンカーベル「うぐっ・・・!」
キモオタ「ティンカーベル殿!なにも叩きつけることなどないでござろう!ゴーテル殿!」
ティンカーベル「だ、大丈夫・・・!それよりラプンツェルを・・・」
ティンカーベル(絶対におかしい。ゴーテルはきっと正気を失ってる・・・でもどうして?原因がわからない!・・・あれ?)
ティンカーベル(なんだろう・・・ゴーテルの足元に何かの粒が落ちてる・・・?)
ゴーテル「ええい、いい加減に離せ!」
ティンカーベル(ゴーテルの服にもついてる・・・暴れたときに服からこぼれたのかな?だったらゴーテルの様子がおかしい原因って・・・この粒かな?)
クンクン
ティンカーベル(・・・この匂い、コショウの粒?)
310: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/30(金)22:25:01 ID:VKN
ゴーテル「ええい!鬱陶しい・・・!」ブンッ
キモオタ「ブヒィィィ!」ドサー
ゴーテル「とにかく・・・お前はもういらない・・・!気に入らない、お前もお前の長い長い髪の毛も・・・!」グイッ
ラプンツェル「・・・・・・ごめんなさいママ!私、ママの為にと思って・・・」
ゴーテル「その呼び方はやめろと言ったはずだろう!ええい、不愉快だ・・・今すぐその髪の毛を切り落としてやる・・・!」ガシャッ
ジャキン ファサッ
ラプンツェル「私の・・・髪が・・・!」
キモオタ「ラプンツェル殿ー!我輩、倒れている場合ではないでござる・・・!」
ゴーテル「これでスッキリしたよ、さぁ今度はお前を捨ててやる。もう二度と王子について会えないような遠い遠い砂漠の国へね!」ブツブツ
ブォン
ティンカーベル「世界移動のゲート・・・!?」
311: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/30(金)22:35:17 ID:VKN
ラプンツェル「やめて!ママ、もう約束破ったりしないから!」
ゴーテル「このおとぎ話の世界の外なら、もうどうあがいても王子には会えやしない!さぁ、行くんだ。行け!」グイッ
ラプンツェル「きゃっ!」ドサッ
キモオタ「ら、ラプンツェル殿!」
ゴーテル「ちょうどいい・・・豚と妖精、お前たちも目障りだ」ギロリ
ティンカーベル「ゴーテル!もう目を覚まして・・・!」
ゴーテル「喜べ、あいつの行き先はお前たちが行きたがっていた【アラビアンナイト】の世界。お前たちもあの娘の道ずれだ、だがもう二度とワシの目の前には現れるな・・・!」グイッ
キモオタ「ブヒャア!」ドサー
ティンカーベル「キモオタ!ラプンツェル!」ヒラヒラ
ゴーテル「さぁ妖精、お前もだ・・・!」グイッ
ティンカーベル「あのコショウがなんなのかわかんないけど・・・絶対におかしい!私達は絶対に戻ってくるから!」
ゴーテル「ふん、口の減らない妖精だ・・・」ポイッ
ティンカーベル「絶対絶対!ラプンツェルやゴーテル達のおとぎ話は消えさせないから・・・!」
シュウゥゥ
ゴーテル「ようやく邪魔者は消えたか・・・次は王子の番だ・・・クックック」
329: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/31(土)22:05:52 ID:M4S
ラプンツェルの塔
王子「今日は少し来るのが遅くなってしまった・・・ラプンツェルに遅いって怒られるかもしれないな」フフッ
王子「・・・ラプンツェル!私だ!髪の毛を下げてくれないか!」
ファサッ
王子「・・・?」
王子(なんだ?おかしいな。いつもなら髪の毛を下げた後ラプンツェルが窓から身を乗り出してくるんだが・・・?)
王子「体調でも悪いのだろうか・・・?とりあえず登ってみるか・・・」ガシッ
グッグッ グッグッ
グッグッ グッグッ
スタッ
王子「あなたは・・・!」
ゴーテル「・・・貴様が王子か」ゴゴゴゴゴ
王子「以前、ラプンツェルの髪の毛を伝って塔に登っていた老婆・・・!もしや、ラプンツェルの身内の方なのか?」
330: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/31(土)22:17:45 ID:M4S
ゴーテル「ワシはあの娘をこの塔に閉じ込めていた魔女・・・」
王子「ならば、あなたがラプンツェルの話していた母上ということか・・・!」
ゴーテル「ほう?どう聞いているか知らないが、あいつはもうワシの娘じゃあない」
王子「聞いていた印象とずいぶんと違うが・・・いや、まずは非礼を詫びるべきか。申し訳ない、あなたの娘の塔に勝手に上がり込んでしまい。だが、私は真剣にラプンツェルの事を愛している。もちろんやましいことなど一切していない。どうか信じて欲しい」ペコッ
ゴーテル「ふん、そのようなことはどうだって良い。もうあの娘はここには居ないからな」
王子「・・・ラプンツェルはここには居ない、だって?」
ゴーテル「遠い遠い世界へ消えていったよ。ワシを裏切った罰だ」
王子「・・・どういうことか、説明して貰おう」ギッ
ゴーテル「おぉ、そのような目で睨みつけるでない。ワシはあんたにも罰を与えるつもりだ。ワシが見たいのはそんな力強い眼差しじゃない」
ゴーテル「希望の光が潰えたときの虚ろな眼差しじゃ」
333: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/31(土)22:34:20 ID:M4S
王子「先ほども言ったはずだ、私はラプンツェルを愛している。返答次第ではあなたを・・・!」チャキ
ゴーテル「ワシはあの娘の母親じゃあない。だが、罪に対して罰を与える義務はある、あの娘はワシとの約束を破って貴様と旅にでるつもりだったらしいじゃないか?」
王子「それはあなたの為に・・・!」
ゴーテル「理由なんて関係ない、あの娘がワシを裏切ったことは事実。お前はこの塔にラプンツェルに会うためにやってきたんだろうが、あいつはもうこの塔に戻ってくることは無い」
王子「・・・ならばせめて、どこへ連れて行ったのかだけでも教えてくれないか!?」
ゴーテル「お前の手の届かないところさ。空を飛ぶ鳥に手をふれることが出来ないように・・・美しい歌声で鳴くあの娘はどことも知れぬ空へと飛んでいったのさ。遠い遠い空へ、もう帰り道もわかりゃあしない」
王子「・・・ッ!」
ゴーテル「そして、その鳥はもう二度とお前の肩に止まることはない」
王子「自分の娘になんていう仕打ちを・・・!」
ゴーテル「悔しいか?悲しいか?あぁ、そうだろうさ。これはあの娘とおまえへの罰だ。もうラプンツェルがお前に笑いかけることは無い。嬉しそうに語りかけることも、些細なことで拗ねる姿も・・・お前は見ることが出来ない・・・!」
王子「・・・何故だ。何故このようなことに・・・!」ヨロッ
ゴーテル「可能性があるとすれば、死んでみることだ。運が良ければ命を失ったあの娘とあの世で出会えるかもしれんぞ?」
王子「クッ・・・!ラプンツェル・・・!私は、私は・・・!」ヨロヨロ
335: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/31(土)22:47:10 ID:M4S
ゴーテル「さぁ、ワシの話は終わりじゃ。用が済んだのなら帰って貰おうか」
王子「ラプンツェル・・・!君が居ないなんて・・・私はどうすればいいんだ・・・!私はもう・・・生きている意味など・・・」フラフラ
グラッ
王子「ぐっ!ぐあああぁぁぁ!!」ヒュゥゥウ
ゴーテル「ふん、自ら飛び降りて死を選ぶか。それもよかろう。されとて、あの娘に会えぬ事に変わりはないがな」クックック
・・・
ヒュゥゥウ ガサッ ガサガサガサッ!ブシュッ
王子「・・・・・・ゼェゼェ・・・何故だ・・・何故だ・・・!私は死を選んだと言うのに・・・何故、生きている・・・!もうラプンツェルには会えないのに何故・・・!」
王子「・・・樹木の枝か、茨に目をやられてしまったか・・・一切の光が見えない。今の私にはちょうどいいのかもしれないな、私は生きる希望の光を失ってしまった・・・!いっそのこと短剣で首を掻き切ってしまうか」ガシャッ
グッ
王子「何故だ・・・短剣が鞘から抜けぬ・・・何かが絡まっているのか?」サワッ
王子「この手触りは・・・ラプンツェルの髪の毛か?さっき登ったときに短剣に絡まっていたというのか・・・!」
王子「・・・・・・」
王子「生きろと言うのか、ラプンツェル」
339: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/31(土)22:54:58 ID:M4S
王子「・・・・・・」
王子「・・・君はもう私の手の届かない遠くへいってしまったのかもしれない。でも、それならば私は追い続けよう」
王子「どれだけ月日が過ぎようと、どれだけはるか彼方遠くへの旅となっても・・・」
王子「例え両目が光を失っていても・・・地を這ってでも・・・!」
王子「だから、ラプンツェル・・・君はどうかいつものように笑っていてくれ。そして軽やかな歌声を響かせていてくれ」
王子「私がその歌声を頼りに、必ず君を捜し出す」
王子「だから、すまないが少しの間。待っていてくれ、ラプンツェル」
・・・
341: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/31(土)23:02:59 ID:M4S
アラビアンナイトの世界 砂漠地帯
ラプンツェル「・・・・・・」グスングスン
キモオタ「ブヒイイイィィィ!」ズッサー
ティンカーベル「・・・ここが【アラビアンナイト】の世界・・・見渡す限りの砂漠だね・・・」
ラプンツェル「・・・ティンク、キモオタ。どうしたらいいかな・・・私・・・」グスングスン
キモオタ「ラプンツェル殿・・・」
ラプンツェル「私がママとの約束を破って、嘘ついて塔を出ようとしたから・・・ママに嫌われちゃった・・・もう、私のこと娘じゃないって・・・」ポロポロ
ティンカーベル「ラプンツェル、しっかりして!あんなのゴーテルの本音じゃないよ!」
ラプンツェル「でも・・・」グスングスン
キモオタ「そうですぞ!きっと気が動転して、思ってもいないことを言ってしまったに違いないですぞ!」
343: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/31(土)23:13:29 ID:M4S
ティンカーベル「そうだよ!だからゴーテルもきっと後悔してるよ!だってラプンツェルのママは優しいんでしょ?あんな事平気な気持ちで言えるような人じゃないんでしょ?」
ラプンツェル「うん、本当なら言わない・・・」グスングスン
キモオタ「ならばゴーテル殿を信じることですぞwwwそして元気を出してくだされ、王子殿もゴーテル殿もそして我輩も・・・泣き顔のラプンツェル殿よりも笑顔の方が好きですぞwww」
ティンカーベル「うん!私も私も!」
ラプンツェル「・・・うん、わかった。本当に泣きたいのは私に嘘つかれたママのほうだもんね。今は許してもらえなくても・・・私はいつかママにちゃんと謝って、許してもらう・・・」グシグシ
キモオタ「それがいいですぞwwwすこし時間をおいて落ち着けば、ゴーテル殿もわかってくれますぞwww」
ラプンツェル「うん!だからもう泣かないよ、私」
ティンカーベル「とは言っても、キモオタ。わかってるよね?」ボソッ
キモオタ「もちろんですぞ。ゴーテル殿の様子はつい言い過ぎたとか演技の域を越えてましたからな。おそらく・・・」ボソッ
ティンカーベル「何かされたんだよ、誰かにね。って、誰かは大体察しがつくけど」ボソッ
344: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/31(土)23:29:15 ID:M4S
ティンカーベル「それに・・・さっきから【ラプンツェル】の世界へ飛ぼうとしてるけど・・・このおとぎ話の結界は内側から出ることも出来ないみたい」
キモオタ「ゴーテル殿は結界を壊したのではなくすり抜ける形で我々をここに・・・しかし、戻れないとなると【ラプンツェル】のおとぎ話がまずいのでは?主人公のラプンツェル殿はここにいるわけでござるし」
ティンカーベル「・・・多分、それは大丈夫。ゴーテルに捨てられたラプンツェルが王子と再会するまでの期間は物語には詳しく書いてなかったから、しばらくはラプンツェル不在でもおとぎ話は消えない。
もちろん、一定の期間だけだからずっとここにいたら王子と再会するっていう結末が破綻して消えちゃうけど」
キモオタ「【ラプンツェル】の世界へ行く事は出来ない、しかし多少の余裕があるということですな・・・」
ティンカーベル「そうだね。どっちにしても私たちだけじゃ世界移動もできない。ここは一度シェヘラザードに会おう、そして事情を話して助けてもらおう」
キモオタ「そうですな、それしかないですぞwww我々は元々シェヘラザード殿に会う目的だったでござるしwww」
ラプンツェル「ねぇ、キモオタ・・・聞いてもいい?」
キモオタ「いいですぞwwwなんですかなwww」コポォ
ラプンツェル「太陽の方角見て!ずっと遠くからこっちに飛んでくる大きな影が見えるけど、あれって・・・鳥かな?」
ティンカーベル「・・・本当だ!ものすごく大きな鳥がこっち来る・・・!すごいスピードだよ!」
347: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/01/31(土)23:48:29 ID:M4S
砂漠上空 巨鳥の背中
???「見つけたぜ・・・侵入者だ!おい!聞こえるかシェヘラザード!王宮の東の砂漠に侵入者だ!」
シェヘラザードの声「怒鳴らなくとも聞こえています。あなたの指輪は付けている者同士で会話ができる魔法の指輪。ですからもう少し声の大きさというのを考えて・・・」
???「んなことはどうでもいいだろ!あいつら、結界すり抜けてやってきやがって・・・いい度胸だ!おい、ロック鳥!あいつらを捕まえるぞ!」
ロック鳥「ルオオオォォォック!」バッサバッサ
シェヘラザードの声「待ちなさい。まだその者達が悪人だと決まったわけではないでしょう。今、アリ王子に空飛ぶ絨毯をこちらへ飛ばして貰っていますから私がそちらに行くまで待っていなさい」
???「何を呑気なこと言ってんだ!悪人だったら手遅れになっちまうだろうが!もしも仮に善人だったなら間違えて捕らえても許してくれるだろうしよ!」
シェヘラザードの声「落ち着きなさい、熱くなったあなたにその判断が付きますか?あなたは勇敢さと思慮深さを兼ね備えた船乗りでしょう。もう少し・・・」
???「あぁ!もう!うるせぇな!侵入者は俺が捕まえてやるからお前は菓子でも食いながら待ってろ!じゃあな、シェヘラザード!行くぞ、ロック鳥!」
ロック鳥「ルオオオォォォック!」バッサバッサ
シェヘラザードの声「ま、待ちなさい!私の話を聞いているの!?勝手な真似は許しませんよ!シンドバッド!!」
349: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/01(日)00:09:04 ID:Kcy
・・・
シンドバッド「侵入者共!運が無かったな!この俺様に見つかっちまうとはなぁ!!」
キモオタ「なんでござるか!あの巨大な鳥!!あんな鍵爪に掴まれたら・・・!」
ティンカーベル「違うよ!私達は確かに侵入者だけど事情があるんだよ!」
ラプンツェル「一面の砂、大きな大きな鳥、なんだかチャラチャラした衣装の男の人・・・!これが外の世界・・・!」
ティンカーベル「ラプンツェル!感動してる場合じゃないよ!」
シンドバッド「なんつーか・・・確かに前の奴らとは違うみたいだな、抵抗する様子もないか。それに・・・見るからに弱そうな顔ぶれだ、デブに妖精に髪の毛が長い女・・・おい、妖精と女。名前を教えろ!」
ティンカーベル「ティンカーベルだよ!ティンクって呼んでもいいよ!」
ラプンツェル「私はラプンツェル!」
シンドバッド「俺様は勇敢さと思慮深さを兼ね備えた船乗り・・・!名はシンドバッドだ!心躍る冒険と美しい女を俺様は何より愛している!
さぁティンク、ラプンツェル・・・ロック鳥の背中に乗るといい。こいつは俺の相棒さ。おい、ロック鳥!翼をおろしてやりな!そこの豚は餌にしてかまわねぇから」
ロック鳥「ルォッ!」バサッ
キモオタ「ちょwww我輩もwww乗せていただきたいwww」コポォ
350: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/01(日)00:10:43 ID:Kcy
今日はここまでです
シンドバッド→チャラチャラした衣装の男(ラプンツェル談)
ラプンツェルとアラビアンナイト編 次回に続きます
356:
乙!
面白くなってきた!
357:
盛り上がってまいりました
360: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/02(月)20:07:03 ID:Bvd
ラプンツェル「シンドバッド!キモオタは私の友達なの、だから一緒につれてってあげて。餌にされちゃうのは可哀想だよ!」
シンドバッド「・・・おい、キモオタとかいう奴。お前に問おう、お前達は何故ここにいる?」
キモオタ「よくぞ聞いてくれましたなシンドバッド殿www我々はとある人物からこのおとぎ話の主人公であるシェヘラザード殿に伝言を預かっているのでござるよwww案内していただけないでござるかwww」
シンドバッド「シェヘラザードに用事か・・・おい、ロック鳥!やっぱそいつ食うのは一旦おあずけだ」
ロック鳥「ルォッ!」
キモオタ「何とか餌にならずに済みましたぞwww」コポォ
シンドバッド「勘違いするなよ?あくまで一時的だ。お前が信用できない奴だとわかったらすぐにでもロック鳥はお前をついばむ。・・・おい、シェヘラザード。聞いていたな?」
シェヘラザードの声「・・・はい、その指輪を彼に渡してください。私が話をします」
ティンカーベル「指輪から声が聞こえる!それで会話ができるんだね?」
シンドバッド「あぁ、その通りだ。ほらよキモオタ、俺たちの姫はお前をご指名だ」ヒョイ
361: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/02(月)20:23:44 ID:Bvd
キモオタ「この指輪に話しかけたればいいのでござるねwww」コポォ
シェヘラザードの声「はい。あなたはキモオタさんというのですね?」
キモオタ「そうですぞwww現実世界の人間でござるwwwお主がシェヘラザード殿でござるかwww」
シェヘラザードの声「はい。この【アラビアンナイト】の主人公です。なにやら私に伝言があるとの事ですが、一体どなたからでしょうか?」
キモオタ「大鬼殿・・・いや、【一寸法師】の鬼殿をご存じですかな?打ち出のこづちを持っている鬼でござるが・・・」
シェヘラザードの声「はい、存じております。彼は何と?」
キモオタ「話すと長くなるのでござるが・・・内容だけ伝えると「アリスが魔力を集めて何かを壊そうとしている」ということをシェヘラザード殿に伝えてほしいと・・・」
シェヘラザードの声「彼がそう言ったのですね?」
シェヘラザードの声「アリス・・・【不思議の国のアリス】でしょうか?魔力を集めて壊すというには・・・あの世界の結界の事でしょうね・・・」ボソッ
キモオタ「どうかしましたかな?www」
シェヘラザードの声「いいえ。キモオタさん、わかりました。指輪をシンドバッドへ渡してください」
キモオタ「わかりましたぞwww」ヒョイ
シンドバッド「おう、で・・・どうだシェヘラザード?」
362: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/02(月)20:45:46 ID:Bvd
シェヘラザードの声「私が彼・・・【一寸法師】の鬼さんと面識があることを知っている人間は他にいないはずです。それに以前ここに来た娘がアリスだというのなら話のつじつまも合います」
シンドバッド「確かにそうだな。侵入者だっていうからどんな奴かと思ったが・・・こいつらからは敵意を感じねぇ。おそらく信用してもいいんじゃないか?俺の船乗りとしての・・・冒険家としての勘がそう言ってやがる」
シェヘラザードの声「私も信用していいと思います。仮に彼らが悪人だったとしても私の統べるおとぎ話から応援を呼べますし・・・なので彼らの話を詳しく聞きたいですね」
シンドバッド「よし、じゃあ今からお前の屋敷に連れて行く」
シェヘラザードの声「お願いしますよ。あぁ、それと・・・シンドバッド、よく聞いておきなさい」
シンドバッド「なんだ?また説教か?」
シェヘラザードの声「先ほど、二人分の可愛らしい女の子の声が聞こえましたけど・・・彼女達は外の世界から来た言わば客人。決して言い寄ったりしないように。聞きましたよ?あなたはあろう事か【アリババと40人の盗賊】のモルジアナに愛の言葉を囁いたとか・・・」
シンドバッド「アリババの野郎・・・チクりやがったな。安心しろシェヘラザード、確かにモルジアナに言い寄ったのは事実だ、しかし思い切りぶん殴られたからな。つまりはノーカウントだ」
シェヘラザードの声「何がノーカウントですか!あなたはもっと【船乗りシンドバッドの冒険】の主人公として恥ずかしくない行動というものをですね・・・」
シンドバッド「・・・・・・はいはい、わかりましたよーっと」ゴソゴソ
シェヘラザードの声「シンドバッド!声が遠くなりましたよ!さてはポケットにしまいましたね?シンドバッド!聞きなさい!シンドバッド!」
363: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/02(月)21:04:53 ID:Bvd
シンドバッド「さて・・・シェヘラザードと話がついたぜ。お前達をあいつの屋敷に案内する。さっさとロック鳥の背中に乗るんだ」
ティンカーベル「やった!じゃあ乗せてもらおう!行こうよラプンツェル!」
ラプンツェル「うん!背中はふかふかして毛布みたいだね・・・!私、鳥の背中に乗るのって初めて!」ワクワク
シンドバッド「そうかい、だが俺もお前みたいに髪の長い女は初めて見るぜ?」
キモオタ「先ほど切られてしまいましたがすぐに延びてきましたなwww」
ティンカーベル「さすがに前よりは短いね。それでもものっすごーっく長いことには変わりないけど」
ラプンツェル「そうなの?私くらい長い髪の毛の女の子は塔の外には居ないの?」
シンドバッド「ああ、見たことねぇ。だが・・・ラプンツェルはそのままじゃああの街には行けねぇな・・・」
ティンカーベル「髪の毛長すぎて邪魔になるってこと?じゃあ私が三つ編みにしてあげるよ!」
ラプンツェル「あっ!私もできるよ!じゃあ一緒にやろうかティンク」ニコニコ
シンドバッド「いや、そう言う事じゃんねぇんだ。あの街は特殊だからな・・・しかたねぇ、まずはフード付きの服を買いにいくしかねぇか」
キモオタ「特殊とはwww一体どのような街なのですかなwww」
シンドバッド「あぁ、話すと長くなるが結論だけいうと若い女が居ない街だな」
364: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/02(月)21:22:53 ID:Bvd
キモオタ「それはどういうことですかな?」
シンドバッド「それはだな・・・いや、だがまずは街に急ぐか!さぁロック鳥!街の近くまで飛んでいけ!この仕事終わったらうまい飯用意してやるからな!」
ロック鳥「ルォォォオオオッック!!」バァサァッ!バッサバッサ!
バッサバッサ バッサバッサ
ラプンツェル「おおぉー!塔よりも高いね!でもどこ見ても砂しかないね」アミアミ
キモオタ「砂漠でござるからなwwwしかしこれ滑りオチたらひとたまりもありませんなwww」コポォ
シンドバッド「その時は鍵爪でキャッチするよう言ってやるから安心しな」ニヤニヤ
キモオタ「ちょwww全身強打か爪でズタズタになるかの二沢www」
ティンカーベル「それでさ、さっきシンドバッドは街には若い女の人が居ないって言ってたけど、それってなんで?」アミアミ
キモオタ「そうでしたなwwwだからラプンツェル殿は入れないとか言ってましたなwwwその理由は我輩も気になりますぞwww」
シンドバッド「あぁ、若い女はもうほとんど殺されちまってる」
ティンカーベル「えぇ!?なんで若い女の人だけ?戦争・・・じゃないよね、なにか事件があったの?」アミアミ
シンドバッド「いいや、国王の仕業さ。国王の命令で女達は一人づつ殺されているんだ、この国ではな」
365: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/02(月)21:47:41 ID:Bvd
ラプンツェル「ひどい・・・!やっぱり塔の外には悪い人がいるっていうのは本当だったんだ!ママが言ってた通りだよ!」アミアミ
キモオタ「むむむ・・・罪もない若い女性を殺してまわるとは・・・なんという国王でござるか!」
シンドバッド「俺としては王に少し同情しちまうけど・・・まぁ、いわゆる悪王だな、今は」
ティンカーベル「ねぇねぇ、なんで王様は若い女の人だけを殺しちゃうの?男の人やおばちゃんや子供は殺さないの?」アミアミ
シンドバッド「ああ、男は殺さない。女でもおばさんやガキも殺さねぇな。王が殺すのは若い女・・・それも処女の女だけだ」
キモオタ「ちょwww処女厨www」コポォ
ラプンツェル「ねぇティンク、しょじょってなに?」
ティンカーベル「なんだろ?私もわかんない。ねぇ教えてよシンドバッド」
シンドバッド「なんだお前等しらねぇのか?いいか、処女ってのはな男とセッk」
バッ!
キモオタ「ちょwwwシンドバッド殿wwwティンカーベル殿もラプンツェル殿もピュアでござるからwwwそのあたりはぼかして頂きたいwww」ヒソヒソ
シンドバッド「なんだよ、めんどくせぇな・・・わかったわかった。そのへんぼかしゃいいんだな?」
キモオタ「頼みますぞwww」
366: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/02(月)22:03:12 ID:Bvd
ラプンツェル「ねぇねぇシンドバッド、聞いてる?」
シンドバッド「聞いてるっての。あーつまり、処女ってのはあれだ。心身共に純粋な女って事だな」
ティンカーベル「なるほど!ひとつ賢くなったよ!じゃあ確かにラプンツェルは純粋だからまずいかもね・・・」
シンドバッド「ったく、しかしあれだな。まぁ俺はちょっと物を知らない女ってのも魅力的だと思うぜ?ティンカーベル」ニッ
キモオタ「さりげなく口説きましたなwww」コポォ
ティンカーベル「はいはい、わかったから続けて!」
シンドバッド「つれねぇなティンク、冗談だろうが・・・で、なんだったか・・・ああ、王の話だったな」
シンドバッド「この国の王はある事が原因で女が信じられなくなってな。国中の処女を毎晩一人寝室に・・・あーいや、なんだ、毎朝一人殺してる。そのせいで国には若い女はもうほとんどいない、あと残っているのはシェヘラザードとその妹だけだな」
キモオタ(シンドバッド殿、今ぼやかしてくれましたなwwwおそらく実際は「毎晩一人の処女と夜を過ごし、翌朝には殺している」といったところなのでござろう・・・)
ラプンツェル「じゃあ、そのシェヘラザードも危ないんじゃないのかな?」
シンドバッド「だからシェヘラザードはある計画を考えて・・・っと、見えてきたぜ!あのでかいのが王宮だ、あの近くの町に行く。急降下するからしっかり捕まってろ!」ビュォ
367: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/02(月)22:25:33 ID:Bvd
王宮側の街 街外れ
ガサガサッ
シンドバッド「待たせたな。ラプンツェルはこのローブを着てついて来い」バサッ
ラプンツェル「わかったけど、なんだか暑そうだね・・・」
キモオタ「ただでさえ暑いというのにwwwこんなローブを着ていてはしんどいでしょうなwww」
シンドバッド「おいおい!文句を言うんじゃねぇよ、わざわざ買ってきてやったんだ。なるべく薄手のを頼んだが、在庫がこれしかねぇってんだから仕方ねぇだろ」
ティンカーベル「まぁでもさ、ラプンツェルの身を守る為なら仕方ないよね?」
キモオタ「国王に目を付けられて殺されてはたまりませんからなwww」
ラプンツェル「それは私も嫌だし怖いから・・・着るよ、シンドバッドありがとね!」
シンドバッド「おう、じゃあ行くぞ。街を奥に進んだところに王宮がある、その少し手前を曲がって奥の方に大臣の屋敷がある・・・シェヘラザードの家だ」
キモオタ「ほうwwwシェヘラザード殿は大臣の娘さんというわけですなwww」
シンドバッド「ああ。さぁ、とにかく街へ行くぞ、はぐれないようにな?」
368: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/02(月)22:38:51 ID:Bvd
王宮側の街
ザワザワ ザワザワ ザワザワ
ラプンツェル「わぁ・・・!すごいっ・・・!すごいすごい!人がいっぱいいるよ!」キラキラ
ティンカーベル「そういえばラプンツェルは街に来るのは初めてなんだっけ、塔から出たこと無いもんね」
ラプンツェル「うん!たくさんの建物と・・・いっぱいのお店!それとやっぱり数え切れないほどの人!ねぇねぇ!私知ってるよ!こんなに人がいるってことは『お祭り』っていうのをやってるんでしょ?本で読んだよ!」フンス
シンドバッド「ああ?いや、普通の平日じゃねぇか?」
ラプンツェル「普通の日なのにこんなに人がいるの!?」
キモオタ「まぁラプンツェル殿からしたら驚きでしょうなwwwしかしまぁなんというか、男性が極端に多いのはともかくとして・・・」
ティンカーベル「なんだかちょっと暗いね。活気はあるんだけど・・・なんていうか」
シンドバッド「まぁどこの家も娘がいれば王に殺されただろうし、ガキがいる家は子供の成長が楽しみでありながら恐怖だってんだから・・・暗くもなるってのは解るがな」
ラプンツェル「うーん・・・こんなにいっぱい人がいるのにみんなは楽しくないんだね?外の世界ってみんな大変なんだなー・・・」
370: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/02(月)23:02:29 ID:Bvd
シンドバッド「さっきから聞いてるとラプンツェルはどこかの塔にいたのか?」
ラプンツェル「うん!生まれたときからずっと塔に住んでた!だから今いろんなものが見れてすごくワクワクしてる!」キョロキョロ
シンドバッド「そうか、なんだったらシェヘラザードとの話が終わったら街を案内して貰えばいい。まぁシェヘラザードもローブになっちまうから端から見たら不振な集団になっちまうが」
ラプンツェル「ううん!案内してほしい!私、シェヘラザードにお願いしてみるよ!おもしろそうなものもあるしいい匂いの食べ物もあるし・・・楽しみ!」ニコニコ
シンドバッド「・・・おい、キモオタ」ヒソヒソ
キモオタ「なんでござるかwww」ヒソヒソ
シンドバッド「ラプンツェルはアレだな・・・世間知らずみてぇだが何つぅか守ってやりたくなるタイプだな!お前、ラプンツェルの好みとか解るか?」ヒソヒソ
キモオタ「ちょwwwしかしあれですぞwwwラプンツェル殿には心を決めた王子殿がいる故www」ヒソヒソ
シンドバッド「チッ・・・男持ちか。でもまぁ関係ねぇ、恋に障害は付き物ってな。男がいようと俺はあいつをモノにしてみせるぜ?」ヒソヒソ
ティンカーベル「なになに?何の話?」
シェヘラザードの声「シンドバッド!小声でしゃべっても全部聞こえているんですよ!相手がいる女性を口説こうとするとは何事ですか・・・!あなたはまったく懲りてないじゃないですか!あの時も・・・」
キモオタ「ちょwwwバレてますぞwww」
ティンカーベル「あっ!ラプンツェルに何かしようとしたんでしょ!シンドバッドダメだよ!ラプンツェルには王子がいるんだから!」
シンドバッド「ガキだなティンカーベル、そんなのは大人の恋愛には通用しないんだよ」ニヤニヤ
ティンカーベル「ダメなものはだめなの!」
シェヘラザードの声「あなたって人は・・・!よく恥ずかしげもなくそのようなことを・・・!」
シンドバッド「あーあーうるせぇなぁ・・・・・・おい、ラプンツェル。この指輪やるから、ローブのポケットの奥につっこんどけ。二度と出さなくていい」
シンドバッド「ん・・・?おい、ラプンツェルはどこだ・・・?」
ティンカーベル「えっ・・・?さっきまでそこに居たよ!?」
キモオタ「ラプンツェル殿の姿が消えたですと・・・!?これはまずいのではないですかな!?」
371:
今更ですが、
【アラビアンナイト】のあらすじがないので、
できれば書いてもらえませんか?
374: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/02(月)23:16:19 ID:Bvd
>>371
本編でも触れるからとりあえずざっくりとしたあらすじだけ。
あるところの国王はとある理由から女性不信になってしまいました。
それからというもの王は毎晩一人づつ処女を連れてくるように大臣に命令します
そして処女と一晩過ごすと翌朝には殺してしまう。その繰り返しをしていました。
やがて国から処女が消えていくと、大臣の娘であるシェヘラザードが王の相手をすることになりました
シェヘラザードは大臣である父のため国のため王のため
王の愚行を正すためにある計画を立てます
その計画とは、王にお話を聞かせること。
果たしてシェヘラザードの計画はうまくいくのでしょうか?
という感じかね。詳細はwikiとかでもでてくるからどうにも気になるならチェックしてみてね
377:
ありがとうございます。
wikiも見てみます。
381: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/03(火)21:38:36 ID:LI8
アラビアンナイトのお話やキャラ説明欲しいって声あったから
このスレ本編に出てくる予定のキャラだけ補足していきます。
【アラビアンナイト】
あらすじ>>374
・シェヘラザード
このおとぎ話の主人公。国王の愚行を止めるために一肌脱ぐ若い女性。
国王に毎晩おとぎ話を聞かせていく。
【アラビアンナイト】はシェヘラザードが王へおとぎ話を聞かせているという展開で進むため、原作はクッソ長い。
このスレではアラビアンナイトの中のおとぎ話を束ねているので他の主人公と面識がある。褐色美少女。
・国王
女性不信で毎朝一人づつ女性を殺す恐ろしい王。
・・・に見えるが、同情物のトラウマを抱えている(その内容は本編で)
・大臣
シェヘラザードのお父さん。苦労人。
382: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/03(火)21:49:14 ID:LI8
【船乗りシンドバッドの冒険】
シェヘラザードが王へ聞かせたおとぎ話のひとつ
第一の冒険から第七の冒険まであり、どれもシンドバッドが持ち前の勇敢さ思慮深さや強運などで大冒険を繰り広げるお話。基本的にちゃっかり金目のものを手に入れる印象が強い。最終的には巨万の富を得る。
・シンドバッド
このおとぎ話の主人公。冒険が大好きな青年。勇敢。
このスレでは女性に目がない。相棒のロック鳥の背中に乗り、【アラビアンナイト】の世界の侵入者を捕まえたり、他のおとぎ話の女性を口説いたりする。褐色イケメン。チャラい。
・ロック鳥
第二の冒険で登場する馬鹿デカい怪鳥。肉食。
このスレでは世界移動の能力を持つ。シンドバッドの相棒
383: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/03(火)22:00:09 ID:LI8
【アリババと40人の盗賊】
ひらけごま!でおなじみの、シェヘラザードが王へ聞かせたおとぎ話のひとつ
主人公アリババがうまいこと盗賊の宝を盗み、仕返しにきた盗賊を見事退治するというおとぎ話。
ただし、盗賊を退治するのはアリババではない。
・アリババ
このおとぎ話の主人公。
盗賊の宝をうまいこと手に入れて裕福になる。おとぎ話のタイトルになっているものの、言うほど活躍してない印象を受ける
・モルジアナ
奴隷の女性。原作で盗賊を全員ブチ殺す活躍を見せる。
潜む盗賊に気がつき、煮えた油をぶっかけて殺す。
舞を見せるといいながらナイフで盗賊の親分を刺し殺す。
完全に主人公の活躍を奪っている。このスレでは言い寄ってきたシンドバッドをぶん殴った(シンドバッド談>>362)
384: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/03(火)22:05:50 ID:LI8
【ヌレンナハール姫と美しい魔女】
シェヘラザードが王に聞かせたおとぎ話のひとつ
子供向け絵本や童話集では【魔法のじゅうたん】で乗ってることが多い。
三人兄弟の王子がそれぞれが持つ魔法具の力を合わせて姫を救うというお話。このスレでは名前がでる程度。
・アリ王子
長男。空を飛ぶ不思議なじゅうたんの所有者
・ハサン王子
次男。念じればどんなに遠くのものを見通せる象牙の望遠鏡の所有者
・フサイン王子
三男。香りをかぐだけでどんな病気も治る不思議なリンゴの所有者
385: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/03(火)22:11:54 ID:LI8
【アラジンと魔法のランプ】
シェヘラザードが王へ聞かせたおとぎ話のひとつ
貧しい少年アラジンが不思議なランプを手にするおとぎ話。
ディズニーの印象が強く、魔法のランプで叶えられる願いは3つと思われがちだが原作では制限がない。願い事叶え放題である
ただし、このスレでは3つという回数制限がある。理由は今後本編で。
・アラジン
貧しい少年。このスレではきっと出番がない。
・ランプの魔神
ランプの所有者の願いを叶える魔神、アラジンよりは出番がある予定だがラプンツェルとアラビアンナイト編ではきっと出てこない。
389: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/03(火)22:25:37 ID:LI8
以上です。アラビアンナイトの中でもこのあたりのおとぎ話は有名だしオススメ。
今回はおさらいも入れてなかったから説明不足だった、すまん。
最近ちょっと展開がダレて来てるかも・・・と思ってる俺。人も減っちゃったみたいだし。
間隔開くかもだけど、内容詰めてしっかり書いていくからできれば引き続き読んでいってくれると嬉しい。
では今日はここまで。次回は本編に戻ります。
400: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/04(水)20:03:23 ID:GXG
その頃 キモオタ達から少し離れた通り
ザワザワ ザワザワ
ラプンツェル「わー・・・!右を向いても左を向いても診たこと無い物ばっかり・・・!」ワクワク
ラッシャイラッシャイ! ラッシャイラッシャイ!
ラプンツェル「あれなにかな、おいしい匂いがする・・・」テクテク
屋台のおっさん「らっしゃい!そこのローブのお客さん!ターメイヤどうだい?作りたてだよ!」
ラプンツェル「・・・・・・建物の外なのにキッチンがある!」キラキラ
屋台のおっさん「おぉ?お客さん、屋台を見たこと無いのかい?旅人かな・・・故郷には屋台無かったのかい?」
ラプンツェル「故郷?えっと、私の塔の中には無かった!」
屋台のおっさん「ハッハッハ!そりゃそうだ!・・・ってローブで気がつかなかったが、あんたまだ若いお嬢ちゃんじゃねぇか・・・!」
ラプンツェル「うん、そうだよ?」
屋台のおっさん「悪い事言わねぇ、この国からすぐに出て行った方がいい。聞いたことないのかい?他国でも噂になってるんだろう?女殺しの狂王・・・!うちの王様だ、お嬢ちゃん可愛いから狙われちまうぞ!」
ラプンツェル「ねぇねぇおじさん!この食べ物おいしい?」キラキラ
屋台のおっさん「聞いちゃいねぇ・・・まぁ、ローブ着てりゃバレねぇか・・・」
401: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/04(水)20:17:01 ID:GXG
屋台のおっさん「こいつはターメイヤ。そらまめのコロッケだ。作りたてだからあつあつでうめぇぞ!」
ラプンツェル「でも、お金無いんだ。私買い物したこと無いからー・・・」ジーッ
屋台のおっさん「そりゃすげぇな・・・お嬢ちゃん一人旅って訳でも無いだろうし、財布は連れが持ってるのかもな」
ラプンツェル「・・・そうかな?わかんない」ジーッ
屋台のおっさん「・・・・・・」
ラプンツェル「・・・・・・」ジーッ
屋台のおっさん「しょうがねぇな・・・お嬢ちゃん可愛いからひとつだけな?」スッ
ラプンツェル「これ、私が貰ってもいいの?」キラキラ
屋台のおっさん「おう、若いお嬢ちゃんなんか久しぶりに見たしな。旅するお嬢ちゃんに俺からの餞別よ。その代わり内緒な」ヘヘッ
ラプンツェル「ありがとうね、おじさん!熱い・・・!ふーふーっ・・・もぐもぐ」モグモグ
屋台のおっさん「昔はこのあたりにも嬢ちゃんみたいなのがたくさん居たんだがなぁ・・・」
402: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/04(水)20:27:50 ID:GXG
ラプンツェル「ごちそうさま!美味しかったよ、なんだかね・・・食べたことない味だった」
屋台のおっさん「そりゃよかった、気をつけて行きな。国境はまだ遠いから・・・」
ラプンツェル「ねえおじさん。私ね、お礼がしたいんだけど何したらいいかな?手伝ってほしいことある?」バサッ
屋台のおっさん「いや、嬢ちゃん気にするなって。それよりフードフード、目立たないようにしねぇと・・・」
ラプンツェル「それじゃあおじさんがさっき言ってたらっしゃいって奴!あれ手伝ってあげるよ!・・・えっと、確か・・・呼び込み!」ニコニコ
屋台のおっさん「おいおい、俺の話を聞けって・・・お嬢ちゃん目立つのは本当にマズいんだおい!」
ラプンツェル「いらっしゃいいらっしゃーい!美味しい食べ物だよ!やさしいおじさんが作ってるよー!」ニコニコ
ザワザワ ザワザワ
「ほう、若い女の子とは珍しい・・・どれワシも貰おうか」
「フヒヒ、かわいい女の子だなぁ・・・俺にもコロッケを頼むよ」
「おい!あっちのコロッケ屋台にかわいい女の子が呼び込みやってるってよ!」
「なに!?行くしかねぇ!」
ザワザワ ザワザワ
403: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/04(水)20:42:15 ID:GXG
コロッケクレー コッチニモクレー オレニモクレー
屋台のおっさん「うおぉ・・・急に忙しくなりやがった・・・!」ドタバタ
ラプンツェル「よかったね!コロッケたくさん売れるよ!」ニコニコ
屋台のおっさん「そりゃあ良いんだが・・・あぁ、はい!おまちどう!これお釣りね!ああ、ハイハイ・・・ターメイヤ3つね・・・ああ忙しい!」ドタバタ
ラプンツェル「おじさん嬉しそうで良かった、じゃあもうちょっと頑張ろうかな!」ニコニコ
王国兵士1「あのぅ、お嬢さん。ちょっといいかい?」
ラプンツェル「うん!お兄さんもコロッケ欲しいの?今ね、ちょっと忙しいから時間かかっちゃうかも」
王国兵士2「いや、コロッケはいらない。我々は君に用がある。君の名は?」
ラプンツェル「ラプンツェルだよ、お兄さんたちは?」
王国兵士1「我々は王国兵士。今日は王様の今晩のお后を探しに来たんだけどもう国には若い女性がいないから君n」ドンッ
王国兵士2「おい!正直に言って逃げられたらどうするんだ、もしも手ぶらで帰ったら俺達が処刑されてもおかしくないんだぞ!」ヒソヒソ
王国兵士1「そうか・・・えっと、ちょっと我々に付いて来て欲しいんだ。その・・・そうだ、友達!友達を欲しがっている人がな居てね、是非ラプンツェルちゃんにお願いしたいんだよ。そうだよな?」
王国兵士2「ああ、頼めるか?」
ラプンツェル「友達が欲しい人・・・いいよ!私も友達は多いほうが良いから遊びに行くよ」ニコニコ
王国兵士2「それは良かった、では我々に付いてきてくれ。すぐ近くだ」
404: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/04(水)20:51:55 ID:GXG
・・・
シンドバッド「おい!キモオタ!ティンク!見つかったか!?」
キモオタ「こっちの通りには居ませんでしたぞ・・・!」ゼェゼェ
ティンカーベル「あっちもダメだった!どこ行ったのかな・・・変に目立ってないといいけど・・・」
シンドバッド「クソッ!もしも王国の人間に見つかったら面倒だぞ・・・どこにいるんだラプンツェルは!」バンッ!
シェヘラザードの声「落ち着きなさいシンドバッド。冷静さを失ってはなりません。ローブ姿なら目立つことはないはず、仮に誰かに連れ去られたのだとしたらそれは恐らくローブを脱いだか・・・周囲に女性だと知られたからでしょう。
そう考えれば、必ず誰かがラプンツェルを見かけているはずです。この国では若い女性ほど目立つもの無いのですからね」
シンドバッド「そうだな・・・となると手っ取り早いのは聞き込みだ。人が集まりそうなところ・・・」
キモオタ「商店の多いところとかですかな・・・」
ティンカーベル「そういえば、さっき食べ物の屋台が並んでる所が凄く賑わってた!」
シンドバッド「その辺りに行ってみるか、急ぐぞ!」ダダッ
405: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/04(水)21:07:42 ID:GXG
おっさんの屋台付近
ザワザワ ザワザワ
じいさん「いやー・・・あのコロッケ屋にあんな可愛らしい娘がおったとは」ホクホク
シンドバッド「おい、じいさん。あのコロッケ屋台・・・女がいるのか?」
じいさん「そうじゃ、さっきまで呼び込みをしておったぞ。金髪で長い髪のなぁ・・・ワシにも髪の毛をわけてほしいくらいじゃて」
キモオタ「ラプンツェル殿ですな・・・!何故に呼び込みなど・・・」
ティンカーベル「聞いてみようよ!屋台のおじさんに!おじさーん!」ピュー
屋台のおっさん「へい、らっしゃい!」ゼェゼェ
シンドバッド「らっしゃいじゃねぇぞおっさん!ここで金髪の女が客引きやってたって聞いたが、どこの女だ?」
屋台のおっさん「どこのって・・・旅の嬢ちゃんさ。コロッケサービスしてやったら客引きしてくれるってな、しかし思った以上に客が来ちまって・・・どこかそのあたりにいないか?」
キモオタ「とてもいるようには見えませんがな・・・どこへ行ったのやら・・・」
屋台のおっさん「なんだと・・・!忙しすぎて気にしてなかったが・・・まさかあの嬢ちゃん・・・!」ガクガク
太ったおっさん「・・・ん?あんたら、あの嬢ちゃんを探してんのか?」モシャモシャモシャモシャ
ティンカーベル「そうだよ!おじさん、何か知ってるの?」
太ったおっさん「ああ、あの娘なら王国兵士と一緒にどこかへ行ってるの見たぞ、王宮じゃないか?」モグモグモグモグ
キモオタ「なんですと・・・!恐れていたことが・・・!」
407: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/04(水)21:20:50 ID:GXG
シンドバッド「クソッ・・・聞いてたな、シェヘラザード?」
シェヘラザードの声「はい。これは・・・まずいですね。ラプンツェルさんの命に関わります」
シンドバッド「王宮に誰かが行くしかないが・・・救えなかった時の保険として、少し早いがお前が王の所へ行くしかないな」
シェヘラザードの声「賛成です・・・最悪の状況を想定して、私がすぐに行動できるようにしておきたいです。シンドバッドは私の屋敷へ来てください」
シンドバッド「ああ、わかった。だったら・・・ラプンツェルを救いに王宮へ行くのはキモオタとティンクの仕事だ。いいな?」
ティンカーベル「いくよ!悪い王様に会ったらひどい目に合わされちゃうかもだからね、急ぐよキモオタ!」ピュー
キモオタ「ちょ、ティンカーベル殿落ち着いて頂きたい!慌ててはいけませんぞ!急ぎつつもクールに行かねば!」
シンドバッド「おい、キモオタ。俺はシェヘラザードと合流する。もしもの時のために、指輪はおまえが持っとけ」ピーン
パシッ
キモオタ「わかりましたぞ!では行きますかな、ティンカーベル殿!ラプンツェル殿の貞操と命を守りに・・・!」
408: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/02/04(水)21:45:28 ID:GXG
シェヘラザードの屋敷
シェヘラザード「キモオタさん達は王宮へ辿り着いた頃でしょうか・・・そろそろシンドバッドも・・・」
バタバタバタバタバタ
大臣「・・・シェヘラザード!」
シェヘラザード「お父様。どうなされたのですか?そのように慌てて・・・まだ仕事中ではないのですか?」
大臣「部下に任せて来たんだ、お前から魔法の指輪で『今晩、国王の元へ嫁ぎます』などと連絡があったからな・・・!」
シェヘラザード「以前からお伝えしていたとおりではありませんか。客人の女性が王国兵士に連れて行かれたようなので・・・少し予定を早めただけです」
大臣「わ、わかっている!お前が王へ嫁ぎ、愚行を改めさせるというのだろう?それはわかっているが・・・あの国王は昔のようにやさしくは無いのだぞ。今や女殺しの狂王などと呼ばれて・・・いくらお前が昔から顔なじみだといってもだな・・・」
シェヘラザード「・・・お父様。だからこそなのです、私は国王に昔の優しかった心を取り戻して欲しいのです。ですから、私が立ち上がらねばならないのです。私は憎しみに沈む国王も、苦しむお父様も、衰退していくこの国も見たくはありません」
大臣「しかし・・・お前が例え王に殺されなかったとしてもだ、まだ16歳程度の娘を嫁に出すのは・・・親として心配なのだよ」
シェヘラザード「ご心配には及びません。私は一人ではありません。シンドバッド、アリババ、モルジアナニやアリ王子達・・・多くの仲間がいますから。それに私は覚悟こそしていますが死ぬつもりなどありません」
大臣「そうか、それならばもう止めるのはよそう・・・ただ、どうか死なないでくれ、シェヘラザードよ。お前は私の大切な娘なのだ。愛しているよ、シェヘラザード」ギュウ
シェヘラザード「私もです、お父様」ギュッ
416:
>>1さん乙です
ちなみに、キモオタ一行の年齢って何歳ですか
417:
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