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楓「チョコっとだけ」
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1:
バマスのSSです。書き溜めしてるけど、短いです。
登場人物はモバPと楓さんだけです。
過去作品
ちひろ「346プロの日常風景」
2:
モバP宅
楓「聞いてますか? プロデューサーさん」
モバP「...はぁ、まぁ、そのなんというか」
楓「やれ25歳児だの、自由すぎるだの」
モバP(いきなり訪ねてきたと思ったら...)
楓「まったく失礼しちゃいますよね?」プンプン
モバP(楓さんに対する世間のイメージについて愚痴ってる...)
3:
楓「私は立派な大人ですよね?」
モバP「とりあえず膝の上から降りてください」
楓「え、でもくっついてないと寒いですよ?」モゾモゾ
モバP「ちょ、動かないで!! 色々とやばいですから!!」
4:
モバP「ふぅ、やばかった...」
楓「何がですか?」モグモグ
モバP「いえ、こちらの話です。あと、勝手に八つ橋食べないでください」
楓「えー... でも美味しいですよ、この八つ橋?」
モバP「周子の実家から頂いたんですよ。よく贈ってくれるんです」
楓「周子ちゃんの実家から週五で貰ってるんですね。ふふ♪」
モバP(可愛いなぁ、ちくしょう)
5:
モバP「ところで楓さん、困りますよ」
楓「あ、大丈夫です。お泊りの用意はしてますから」
モバP「いや、そうじゃなくて。...え、泊まるの!?」
楓「え? もちろんじゃないですか」
モバP「いやいや!! アイドルが男の部屋に来るなんて...」
楓「私、今日から二連休なので♪」
モバP「なら温泉にでも行ったらいいじゃないですか」
楓「一緒に行ってくれるんですか?」
6:
モバP「俺は明日も仕事がありますので」
楓「じゃあ、プロデューサーさんの部屋にいるしかないですね」
モバP「どんな理屈ですか」
楓「プロデューサーさんと一緒にいたいからです♪」
モバP「あ、ちょっとまって。嬉しすぎて鼻血でそう」ボタボタ
7:
楓「よく凛ちゃんがプロデューサーさんのシャツの匂いを嗅いでますよね」
モバP「初めは注意してたんですけど... 今じゃ慣れましたね」
楓「志希ちゃんも嗅いでるけど、プロデューサーさんはいい匂いがするんですか?」
モバP「どうなんでしょう? 凛たち以外からは何も言われませんけど...」
楓「ちょっと嗅いでみてもいいですか?」ズイッ
モバP「ちょ、楓さん!! 近いです!! 顔が!!///」
8:
楓「あ、ちょっと。もう、プロデューサーさん、動かないでください」ズイズイ
モバP「いやでもこれじゃあ...///」
楓「うーん...」クンクン
モバP(楓さんが俺に抱きついてきて、胸に顔を埋めて匂いを嗅いでる...)
楓「あ、なんだか落ち着くかも...」クンクン
9:
モバP(やばいやばいやばい!! 平常心平常心!! ああでも楓さん、めっちゃいい匂いする!!)
楓「なんだかずっとこうしていたいかも...///」
モバP(かすかに香るシャンプーの香りと、楓さん自身からただよう甘い香りで、頭がとろける...)
楓「ふふっ 私もプロデューサーさんの匂いの虜になっちゃいそうです///」
モバP(とりあえず深呼吸して落ち着こう。胸いっぱい吸い込もう、そうしよう)スーハースーハー
10:
楓「プロデューサーさん、お腹がすきました」グー
モバP「あれだけ八つ橋食べておきながらですか?」
楓「甘いものは別腹です」フンス
モバP「いや、それご飯を食べ終わったときに言う台詞ですからね?」
楓「何かないですか、さきいかとかスモークチーズとか」ガサゴソ
モバP「なんで酒のツマミ限定なんですか」
楓「ツマミをつまみ食い... ふふ♪」
モバP「ああん、もう、本当に可愛いなぁ」
11:
楓「プロデューサーさん、この箱の中身はなんですか?」
モバP「ああ、事務所のアイドル達の活躍をまとめたものです」
楓「え、全員の分を保存してるんですか?」
モバP「ええ、彼女達が活躍してるのが嬉しくて」
楓「見てもいいですか?」ワクワク
モバP「ええ、どうぞ」
モバP「でも仕事の資料だからそんなに面白くないかもしれませんよ?」
楓「そうなんですか? でもなんだかワクワクします♪」
12:
楓(ほんの小さな記事からCD、さらにはグラビア写真集まで)
楓(本当にアイドル全員分を集めてる...)
楓(しかもアイドル毎にスクラップブックを作って、当時の様子まで記入してるなんて)
楓「プロデューサーは本当に仕事熱心ですね」
モバP「え、何か言いましたか?」
楓「ふふ、なんでもありません♪」
13:
楓(私のもあるのかしら... あ、あった)
楓(どれどれ... あ、これCDデビューの時の記事だ)
楓(懐かしい... 今までの努力が報われた気がして嬉しかったな)
楓(あら、記事の横にプロデューサーさんの添え書きが)
14:
楓さんがついにCDデビューした!!
今までの楓さんの努力が報われたようで、見ているこっちも嬉しい。
インタビューを受ける楓さんはとても輝いていて素敵だった。
きっとこれから多くの人たちが彼女の魅力に気付くだろう。
でもそれに最初に気付いたのは自分だと思うとなんだか誇らしい。
15:
楓(...そんな風に思っていてくれたんだ)
楓(あのときのプロデューサー、自分のことのように喜んでくれてたわね)
楓(ページをめくるにつれて、記事が大きくなっていく)
楓(そしてプロデューサーの添え書きも長くなってる)
16:
今日は初めてのライブだったので、楓さんも緊張していた。
初めて会ったときに聞いたが、楓さんは人に自分の考えを伝えるのが
苦手らしい。
最近はあまりそういうことはないみたいだが、やはり大きな舞台となると、
緊張のせいか、それが出てしまうみたいだ。
17:
楓(そうだった。私はあのとき初めての単独ライブですごく緊張していたんだっけ)
楓(スタッフさんに曲のイメージや演出の希望を伝えたくても、上手く言えなかったのよね)
18:
なんとか緊張をほぐそうと色々考えたが、どれも上手くいきそうもない。
半ば勢いで、ダジャレを言ってみたら、楓さんが大爆笑してた。
そのせいか、だいぶ緊張がほぐれたみたいだ。
ライブも大成功だったし、本当によかった。
19:
楓(そう、このときのことは決して忘れない)
楓(ライブの時に着る衣装を見て、緊張がピークに達した私を見かねたプロデューサーさんが)
モバP『か、楓さん!! その衣装、と、とってもいいっしょ?』
20:
楓(顔を真っ赤にしながら言ってくれたのよね)
楓(呆気にとられたけど、恥ずかしそうなプロデューサーさんの顔を見たら)
楓(思わず笑っちゃったんだっけ)フフ♪
楓(そのときからすっかり、ダジャレにはまっちゃったのよね)
楓(...あら、この写真って)
21:
収録が終わったあとに楓さんに呼ばれていたけど、打ち合わせが長引いてしまった。
待ち合わせ場所に走って向かったら、楓さんがチョコを用意して待っていてくれた。
なぜか6個入りのうちの1個だけだったが、とても嬉しかった。
「あともう少し遅かったら、全部食べちゃってましたよ?」
と少し怒った顔だったが、どこかほっとしたような表情もしていた気がする。
来年は何が何でも間に合わせよう。その機会があればだけど。
そしてもし許されるなら―――
22:
楓「...///)
楓(プロデューサーさんったら///)
楓(今年は期待してもいいのかしら? ふふ♪)
23:
楓「プロデューサーさん、ありがとうございました」
モバP「いえ、どういたしまして。でも面白かったですか?」
楓「ええ、とっても。皆の活躍や当時の状況が細かく記されてたので」
モバP「そうですか。次の仕事に活かせるかと思って書いてるんですけどね」
楓「本当に私達のことを考えてくださってるんですね」
モバP「もちろんです。大切なアイドルですから」
楓「...私もですか?」
24:
モバP「え? ええ、そうです。大切なアイドルですよ?」
楓「ふふ、それだけですか?」ズイッ
モバP「か、楓さん?///」ドキドキ
楓「...ねぇ、プロデューサーさん。今月の14日は予定ありますか?」
モバP「っ!? い、いえ!! 無いです!!」
25:
楓「だったら、お仕事が終わったらお時間、頂けますか?」
モバP「もちろんです!!」
楓「今度は遅刻したらだめですからね?」
モバP「なにがあっても遅刻しません!!」
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