ちひろ「プロデューサー……ですか?」back

ちひろ「プロデューサー……ですか?」


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1:
パプワくん×モバマス
勢いだけなのでキャラ崩壊注意
時系列的にはパプワくん本編終了後、PAPUWAに繋がらないIFのイメージ
2:
第一話『おいでませCGプロダクション!』
――ガンマ団本部・パプワ島支部
ハーレム「はぁ??なぁんだってぇ??」
マジック「コラ、お兄ちゃんの言う事はちゃんと聞かなきゃダメじゃないか」
ハーレム「ハイハイ聞いてましたよ?。オレが、日本で、アイドルのプロデューサーだぁ??」
マジック「なんだ、ちゃんと聞いてるじゃないか」
ハーレム「そっちじゃねェよ!なァんでオレがそんな事しなきゃいけねェのかって事だ!」
マジック「あぁ、お前は特戦部隊を率いているな」
ハーレム「あぁ」
マジック「メンバー全員、お前自らがスカウトしてきたんだったな」
ハーレム「あぁ」
マジック「そして全員を特戦部隊として育て上げた……」
ハーレム「……」
マジック「つまりそういう事だ」
ハーレム「わかるかこのクソ兄貴!」
3:
――ガンマ団特戦部隊・気球船
バンッ
ハーレム「オイお前ら!集合!」
ロッド「おーおー、荒れてるぜ俺達の隊長さんよぉー」
マーカー「ロッド、余計な事を言うな」
リキッド「嫌な予感しかしねェ……」
G「……」
ハーレム「よ?しお前ら、前総帥サマからありがた?い任務を申し付けられたぞ」
リキッド「任務ゥ?」
マーカー「隊長、今現在、我々が動くほどの激戦区は無いはずですが?」
ロッド「新総帥サマのおかげで、平和な世界になっちまったもんなぁー」
ハーレム「最後まで聞け。任務内容はなんと、日本でアイドルのプロデュースだとよ」
「「「「はぁ?」」」」
4:
ハーレム「っつーうワケで、だ・れ・に・し・よ・う・か・な♪」
ロッド「……」フィッ
マーカー「……」フィッ
リキッド「……」フィッ
G「……」フィッ
ハーレム「よしリキッドにけって?い」キャッキャッ
リキッド「はぁ!?オレっすか!?」
ハーレム「おう、お前なら日本にも詳しいだろ?適役じゃねぇか」
リキッド「いや確かにそうっすけど!まだ今月の給料も貰ってな――」
ハーレム「お、シーとランドの特別招待券がポケットに」
リキッド「――喜んで引き受けさせて頂きます隊長」スッ
6:
ハーレム「じゃあリキッドに任せる――ってワケにもいかねぇか」
ハーレム「おいリキッド、もう一人選べ」
リキッド「え?あ、ハイ」
リキッド(日本でアイドルをプロデュースって事は、要するに芸能事務所で働くって事だよな)
リキッド(って事はイタリアンスケベのロッドは除外)
リキッド(ヘタに手を出されるとマズイ)
リキッド(で、同じアジア圏チャイニーズマーカーは……)チラッ
マーカー「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
リキッド(うわスッゲェ嫌そうな顔してる――!)
リキッド(……一番マシなのは、Gか)
――――
――
7:
――翌日、空港
リキッド「おー、お待たせー」
G「……ん」
リキッド「……なぁGよォ」
G「……?」
リキッド「やっぱその格好で、クマのシール貼ったキャリーバッグは無くね?」
G「……」←革ジャンジーパン編み上げブーツ
G「……」
リキッド「いやゴメン悪かった!悪かったから拗ねるな!ダッ○ィーのシール買ってやるから!」
G「……ん」
8:
リキッド「しっかしよォ、マジックさんはウチの隊長が嫌いなのかねェ?」
リキッド「今回の任務だって、隊長を遠い所に飛ばそうとしたってコトだろ?」
G「……厄介払い、か」
リキッド・G((マジックさん……先方が可哀相だと思わなかったんですか――))
リキッド「ま、まぁよ!今回の仕事は人殺しナシ!破壊工作ナシ!楽なモンじゃねェか!」
リキッド「環境が変われば心も変わる!リフレッシュしようぜ!」
G「……ん」
リキッド「そういやオメー、日本語話せんの?」
G「……堪能では無い」
リキッド「オッケーオッケー、オレがしっかり教えてやるよ!」
G「……なぁ」
リキッド「ん?」
G「……今、俺達は何語で喋ってるんだろうな」
リキッド「メタ発言しないで!」
――――
――
9:
――ガンマ団パプワ島支部
マジック「ぬぅわぁぁんで言う事聞かないかなァあの弟はァ!」
サービス「兄さん、いい年こいて地団太を踏むのはやめてくれないか」
マジック「シンちゃああああん!双子が二人してイジめるよおおおおおおおおお!」
シンタロー「仕事の邪魔すんなクソ親父」
マジック(――昔はもっと仲良かったのに――!)
――――
――
10:
――日本・羽田空港
リキッド「到着ーっと」
G「……ん」
リキッド「じゃあちゃちゃっと挨拶してーって、このカッコーじゃマズイか」
G「?」
リキッド「ジャッパニーズサラリーマンはスーツって決まってんだよ」
G「……そうなのか」
リキッド「そ。仮の住まいの方で着替えてゴアイサツってな。行こうぜ」
G「……ん」
11:
――数時間後、CGプロダクション
リキッド「……なんだこのボロアパート……」
G「……住所は合っている」
リキッド「……マジかよ」
G「……廃アパートを買い取ったのか……倹約という物だな」
リキッド「イヤイヤイヤイヤ!芸能事務所だろ!?何だよこの築50年超えてそうな物件!」
リキッド「アイドルじゃなくてユーレイが出てきてもオカシくないぜ!?」
G「……インターホンは……無いのか」ガチャ
G「……鍵は開いていたぞ」
リキッド「Gイィィィィィイィ!!」
リキッド「あぁもう!コリャ先にリフォームだチクショウ!コンニチハー!」
12:
ちひろ「あ、いらっしゃいませ?」ドヨーン
リキッド「うわあああああああ出たあああああああああああああ!!」
G「」(白目)
――
ちひろ「プロデューサー……ですか?」
リキッド「そ。オレがリキッドで、コッチがG」
G「……よろしく頼む」
ちひろ「あぁ!すいません昨日お電話頂いていましたね!」
ちひろ「私は千川ちひろと申します!当事務所の事務員をしております!」
リキッド「ちひろね、よろしくゥ。んで、社長は?アイドルは?」
ちひろ「社長はスカウトに出ておりまして、数日は帰ってこられないかと……」
リキッド「……マジかよ」
G「……」
ちひろ「す、すいません!ぇっと、アイドルは皆、レッスンに出ておりまして――」
リキッド「あぁ、オーケーオーケー。じゃあまずは――」
G「……ん」
お掃除!
14:
リキッド「――ふぅ」
G「……」
ちひろ「わー……」
リキッド「まったく、着任早々掃除とはなァ」
ちひろ「す、すいません!バタバタしてしまって――」
リキッド「あぁ謝んな謝んな。数日後には劇的リフォームもしてやっからよ」
G「……コーヒーだ」コトッ
ちひろ「ほぁっ!?あ、ありがとうございますっ!」
ちひろ(怖い人かと思ったけど何この優しい人達……)
リキッド「しっかし、なぁ?んでまたこんなボロアパートが事務所なんだ?」ズズッ
ちひろ「あ、それはですね、社長が寮も一緒にあった方がいいと考えてたみたいでして……」
リキッド「で、手元の金でとりあえず買った、ってトコか?」
ちひろ「あ、はい、その通りです……一応、裏側の棟が寮という事になっていまして……」
G「……窓から見えるあれか」
ちひろ「はい……あ、今は誰も住んでませんけど」
リキッド「あー、コレなら取り壊した方が早いかもな」
G「……ん。2、3日で済むか」
ちひろ「!?」
15:
リキッド「よし、アイドル達はコッチに帰ってくるのか?」
ちひろ「あ、はい、そうですね」
リキッド「じゃあ真っ直ぐ帰るように連絡して、2、3日事務所を改装するって言っといて」
リキッド「G、必要な書類は――」
G「……ん」
ちひろ(あ、あれだけの資料を一人で担ぐなんて……)
ちひろ「あ、で、でも改築の費用とかは――」
リキッド「あぁ、気にすんな」
G「……大丈夫だ」
ちひろ「は、はぁ?」
18:
――3日後、CGプロダクション
ちひろ「」
卯月「」
凛「」
未央「ねぇ、私夢見てるのかな?」
凛「うん」
卯月「え、住所違いませんかちひろさん」
ちひろ「な、なんという事でしょう」
凛「あのボロアパートが、三階建てビルとマンションに……」
リキッド「お、来た来た。オーイ!」
G「……」
ちひろ「お、おはようございます!どういう事ですかこれ!?」
リキッド「言ったろ?劇的リフォームしてやるってよ」
G「……職場の環境は大事だ」
リキッド「っと、ソッチがアイドルか。卯月と、凛と、未央だっけか」
「「「!!」」」
リキッド「立ち話も何だし、まぁ中で話そうや」
20:
ちひろ「」
卯月「」
凛「」
未央「」
ちひろ(なにこのドラマに出てきそうなオフィス……)
卯月(わ、高そうなソファー……)
凛(花まで飾って……あ、コレ造花だ)
リキッド「おーい、コッチコッチ」
未央(談話室……え、談話室?)
――談話室
リキッド「さてと、まぁ座って座って」
リキッド「改めて自己紹介しとくわ。オレはリキッド。生まれはアメr――」
G「千葉県木更津市」
リキッド「Gさァ!思い出したように食い気味に話すのヤメテくんない!?」
ちひろ「え、えっと……」
21:
リキッド「あぁもう、生まれは千葉県木更津市!好きな物はディ○ニー!よろしくな!」
卯月「よ、よろしくお願いします!」
凛「……よ、よろしく」
未央「よろしくお願いしまーす!」
G「……」
ちひろ「……」
卯月「……」
凛「……」
未央「……」
G「……Gだ」
G「……生まれはドイツ、趣味は裁縫、よろしく頼む」
ちひろ(そのガタイで裁縫――!)
未央(ダメだ笑っちゃダメだ笑っちゃダメだ!)
卯月「よろしくお願いします!」
凛「よ、よろしく」
22:
リキッド「さて、じゃあ今度はそっちの番だ」
卯月「う」
凛「……」
凛(Gさん……は無いか。Gプロデューサー……なんて呼ぼう……)
未央「……ハイ!」
リキッド「お、ドウゾ」
未央「本田未央15歳!高校一年生ですっ! 元気に明るく、トップアイドル目指して頑張りまっす!」
リキッド「おー、元気いいな」
未央「えへへ……今日からよろしくお願いしまーす」
G「……あぁ」
凛「じゃあ次は私。渋谷凛、15歳。今日からよろしくね」
リキッド「あぁーイマドキの子だぁー。もっと愛想よくしないとGみたいになっちまうぜー?」
G「……少し、失礼する」
リキッド「え?あぁ冗談だって。なぁ、冗談だって」ズルズルズルズル
バタン
<あぁッ!やめてッ!目はそっちに回らないイイイイイイイ!
凛(目――!?)
23:
リキッド「ハイ、ジャアサイゴヨロシクネ」
ちひろ「あ、あの、大丈夫ですか?」
G「……大丈夫だ」
卯月「え、えっと、島村卯月、17歳です!私、精一杯頑張りますから、よろしくお願いしますっ!」
G「……あぁ」
リキッド「さてっと、今日からキミらのプロデューサーって訳だけど……」
リキッド「まぁ、これから頑張ろうや」
「「「はいっ!」」」
G「……今日は……レッスンか」
ちひろ「あ、初日ですし見学してきたらどうですか?」
第一話『おいでませCGプロダクション!』おしまい
32:
『インターミッション』
千川ちひろです。アイドルプロダクションで事務員をしています
突然訪れた二人のプロデューサーによって、築45年の事務所と女子寮は綺麗なビルとマンションに生まれ変わり
逃げるように地方で活動していたアイドル達も、近々帰ってくる予定です
ちひろ(あぁ……朝一番に事務所に来る事がこんなに楽しみになるなんて……)
ちひろ「……」
ちひろ(軽く事務所内の掃除でもしておこう)ウン
そして、そんな二人のプロデューサーは――
ちひろ(え、これGさんのデスク……よね?)
ファンシイィ
ちひろ(可愛いのからリアルな物まで、クマのグッズがたくさん……)
ちひろ(あ、もしかしたら妹さんとか、む、娘さんからの贈り物……とか?)
ちひろ(……深く考えちゃダメよちひろ。さぁ次はリキッドさんのデスク……)
デズニイィ
ちひろ(とってもエレクトリカルパレェドなりぃ……)
見た目は怖いけど、とっても優しい人です
『インターミッション』おしまい
33:
第二話『仙台銘菓は萩の月!』
――夜・CGプロダクション・女子寮一階・食堂
リキッド「よぉ?っし出来た!食おうぜ食おうぜ?」
ちひろ「あ、ありがとうございます……」
卯月「リキッドさんはお料理も出来るんですね!スゴイ!」
リキッド「あァ、色々あったからなァ」トオイメ
G「……茶だ」コトッ
凛「あ、ありがと……」
未央「はいはいご飯盛るよーっ!」
「「「「「「いただきまーす!」」」」」」
卯月「美味しいです!美味しいです!」
未央「ぐぅ……なんか悔しいなぁ……」
凛(……今度教えてもらおうかな)モグモグ
ちひろ「女子寮の一階を食堂にするなんて、よく思いつきましたね」
リキッド「あァ、アイドルなんだから食生活もしっかりしねェとな」
G「……コンビニ弁当では、な」
卯月「うっ」
凛「ご、ごめんなさい」
未央「あはは……」
リキッド「まーこれからはオレとGでメシ作ってやっからよ、昼でも夜でも遊びに来いよ」
未央「お!じゃあオフも遊びに来ちゃおっかな?!」
リキッド「おゥ来い来い、大歓迎だぜ」
34:
ちひろ「あ、そうだ。お二人に伝えておかなきゃいけない事があったんですよ」
リキッド「ん?」
G「……?」
ちひろ「改築前の事務所や女子寮を嫌がって、地方で活動してるアイドル達がいるんですけどね」
リキッド「あぁ、資料にあったな」
ちひろ「ええ。で、その子達が今回、改築した事務所と女子寮を見て帰ってくると言ってまして……」
G「……ほう」
リキッド「そ?りャ賑やかになりそうだなァ」
ちひろ「穂乃香ちゃんが、明日にはコチラに着くと連絡がありました」
リキッド「穂乃香……あぁ、綾瀬穂乃香か」
ちひろ「スゴイですね……もう覚えられてるんですか?」
リキッド「まぁ、まだ全員とはいかねェがよ」
G「……ん」
リキッド「よォっし、んじゃ明日に備えてしっかり食って――」
未央「あ、ご飯全部食べちゃったよ」
卯月「お、美味しかったのでつい……」
リキッド「……おーう、しっかり食って大きくなれよー……」
36:
――翌日
リキッド「んでさー、その上司がサイアクなワケ」
リキッド「部下の給料競馬に全部ブッ込んでスってやがんの」
リキッド「もうホンット信じらんねー」
凛「うわ……最悪だね……」
リキッド「だろォ?凛もそう思うだろォ?」
ガチャ
卯月「おはよーございます!」
未央「おはよー!」
リキッド「おうおはよー」
凛「おはよう。じゃあ、そろそろ行こうか」
リキッド「おゥ。じゃあG、穂乃香の迎えは任せたぜ」
リキッド「オレは営業周りもしてくるからよ」
G「……あぁ」
バタン
G「……」
ちひろ「……」
G「……ちひろ、これは何て読むんだ」
ちひろ「えーとですね……」
ちひろ(ずっと新聞読んでると思ったら、そういう……)
37:
――昼・駅
穂乃香「ふぅっ」
穂乃香(えぇと、プロデューサーさんが迎えに来てくれるってちひろさん言ってたけど……)
穂乃香(どんな人なんだろ?)
G「……」
穂乃香(うわコワそうな人……え、なんでこっち見てるのなんでこっち来てるの)
穂乃香(に、逃げなきゃ!)ダッ
G「……」
G「……」ポパピプペ
G「……ちひろ、穂乃香に俺の容姿は伝えてあるのか?」
ちひろ『あっ』
38:
穂乃香「ご、ごめんなさいっ!」ペコペコ
G「……構わん」
G「……プロデューサーのGだ。よろしく頼む」
穂乃香「はっ、はい!綾瀬穂乃香です!よろしくお願いします!」ペコペコ
G「……ん」
――車内
穂乃香「……」
G「……」
穂乃香(沈黙がツライ!!)
G「……?」
39:
――CGプロダクション・事務所
穂乃香「わ……」
G「……」
穂乃香「ホントにビルになってる……」
G「……女子寮の部屋は好きにしてくれ」
穂乃香「あっ、はいっ!」
G「……荷物を置いたら、ちひろと食堂に来てくれ」
穂乃香「はい!……え、食堂、ですか?」
G「……女子寮の一階だ」
――食堂
ちひろ「あれ?Gさーん?」
G「……ん」
穂乃香(エプロン姿が劇的に似合ってない――!)ハッ
クマー
穂乃香(ファンシーなクマさんのワンポイント――!)
G「……ちひろ、これは何て読むんだ」
ちひろ「はいはい、山椒ですね」
G「……助かる」
穂乃香「」
ちひろ「あ、ビックリしちゃった?」
穂乃香「え、えぇ……かなり……」
40:
G「……出来たぞ」
ちひろ「ありがとうございます♪」
穂乃香「あ、ありがとうございます……」
G「……ん」
ちひろ「あ、Gさんこの後どうされますか?」
G「……?」
ちひろ「事務仕事は私で十分ですし、リキッドさん達が帰ってくるまで何も無いですよ?」
G「……庭の手入れだ」
G「……職場には、ハナが無いとな」
ちひろ「Gさん、その日本語はそういう意味じゃないんですよ」
G「……そうなのか」
穂乃香(悪い人じゃなさそう……あ、味噌汁美味しい)
41:
――女子寮の一室
穂乃香(さて、大体片付いたかな……)
<ザクッ ザクッ
穂乃香「ん?あ、そっか」
――中庭
G「……」ザクッ ザクッ
穂乃香「……あの」
G「……?」
穂乃香「あ、えっと、ご飯、ありがとうございました」
G「……構わん」
G「……昼と夜はずっと用意するからな」
穂乃香「そ、そうですか……」
G「……ん」
穂乃香(……えーっと)
G「……」ザクッ ザクッ
穂乃香「え、と……ガーデニング、お好きなんですか?」
G「……いや」
穂乃香「あ、そ、そうですか……」
G「……ただ、職場の環境は大事だと思ってな」
42:
穂乃香「環境、ですか……?」
G「……あぁ」
G「……荒んだ環境は、荒んだ心を生む」
G「……環境が変われば、心も変わる」
G「……リキッドの受け売りだ」
穂乃香「リキッド?……あ、もう一人のプロデューサーさんですね」
G「……ん」
穂乃香「……」
穂乃香「そ、そういう事なら、私も手伝います!」
G「……汚れるぞ」
穂乃香「構いません!」
G「……頼む」
穂乃香「!――はいっ!」
――――
――
45:
――事務所
リキッド「ただいまァ?」
卯月「ただいま帰りました!」
凛「ただいま」
未央「ただいまー!あーお腹空いた!」
ちひろ「おかえりなさい。Gさんと穂乃香ちゃんがご飯作ってますよ♪」
リキッド「お、手伝ってやるかァ」
未央「あ、私も!」
凛「わ、私も」
卯月「じゃあ私も!頑張ります!」
ちひろ「その必要は、無いと思いますよ?」クスッ
リキッド「?」
46:
――食堂
G「……」ジュー
穂乃香「……♪」トントントン
G「……穂乃香、これは何て読むんだ」
穂乃香「あ、それはですね――」
リキッド「なんだァ、い?い雰囲気じゃないのォ」
ちひろ「ええ、一緒に庭の手入れをしてから、あんな感じなんです」
未央「ダメだ、Gさんのエプロン姿が……」プルプル
凛「ンフッ……堪えてたのに言わないでよ未央……」プルプル
卯月「私も手伝って来ますね!」
リキッド「卯月、ステイ!ステイ!」
第二話『仙台銘菓は萩の月!』おしまい
47:
『インターミッション』
リキッド(お、シンタローからメールだ)
『悪い、バカ親父がまた迷惑をかけたらしいな。ハーレム共々厳しく言っておいたから安心しろ』
『ソッチの事情は調べておいた。人手が必要なら言ってくれ』
リキッド「……へッ」
『恩に着るぜ。コッチは今の所問題なし。最高の環境だぜ』
リキッド(あ、もう一通)
>>+3
メールの送り主(スカウトに影響)
1・マーカー
2・ロッド
3・迷惑メール
48:
1で
49:
マーカー
50:

53:
リキッド(マーカーからか……珍しいな)
『そちらでの暮らしはどうだ?実は、折り入って頼みがある』
『私の親戚に、日本でアイドルをしたいと言っていた娘がいるのだが』
『どうも最近、日本への留学を決めたという話だ』
『頼みとは、その娘をそちらの芸能事務所に所属させてやって欲しい』
『可及的やかに返信してくれ』
リキッド「……ふーむ」
『華のある職場で最高だぜ。その娘さんの件はちょっと待ってくれ』
『こっちで相談してから、また連絡する』
リキッド「送信っと」
prrrrr
リキッド「返信はやッ!」
『了解した』
リキッド「……やれやれ」
『インターミッション』おしまい
56:
第三話『倉吉の二十世紀梨記念館!』
――今日も今日とてCGプロダクション
リキッド「――ッつー話なんだけど、どう?」
ちひろ「えぇと……アイドルのスカウトに関しても、お二人に任されていると聞いていますけど?」
リキッド「イヤイヤコレ社会人として、ホウレンソウっての?大事にしようと思ってサァ」
G「……ふ」
リキッド「笑うなよォ!真面目な話だぞ?」
G「……すまん。俺の方は異論無し、だ」
リキッド「ちひろは?」
ちひろ「私の方も、異論ありません」
リキッド「オッケーオッケー、んじゃ連絡しとくとして……今日は響子が来るんだっけ?」
ちひろ「はい。どちらが迎えに行きますか?」
リキッド「オレが営業ついでに拾ってくるわ。二人とも留守番ヨロシクゥ」
57:
――某ラジオ局駐車場
リキッド「ハァー……」
リキッド(敬語ってのはどーも性に合わねェな……)
リキッド「っとォ、マーカーにメールしとかねェと」
『親戚の娘さんの件、大丈夫だぜ』
prrrr
リキッド「だから返信はえーって……」
『了解した。アラシヤマを使いに出すから、近日中にそちらに着くはずだ』
『よろしく頼む』
リキッド(相変わらず弟子使いが荒いねェ)
58:
――駅
リキッド「エーっとォ……?」
リキッド「あ、いたいた。オーイ!」ブンブン
響子「あ、リキッドさんですね!初めまして!五十嵐響子です!」
リキッド「おォ、地方営業お疲れさン」
響子「ありがとうございます!」
リキッド「さ、乗って乗って」
――車中
響子「あの、事務所が改築されたってホントですか?」
リキッド「あァ、あーんなボロい事務所じゃ、やってらんねーからなぁ」
響子「ありがとうございます!最初は、私も頑張って掃除してたんですけど……」
リキッド「掃除してどーなるってレベルじゃなかったモンなぁ」
響子「はい……し、シロアリが大量発生……シロアリ、し……」
リキッド「あん?」
響子「いやああああああああああ!シロアリが!シロアリがああああああああああ!!」
リキッド「うおおおおおおおおお!?」
――――
――
60:
――スーパー
響子「さ、さっきは取り乱してしまって、ごめんなさい……」
リキッド「あァ、嫌な思い出はさっさと忘れるに限る」
響子「って、アレ?スーパー、ですか?」
リキッド「ちょっくら買出しだよ。車で待ってるか?」
響子「いえ!私も行きます!」
響子「……野菜、選び慣れてますね」
リキッド「あァ、そりゃ食うモンはしっかり選ばないとなァ」
響子(いいなぁ……仲良くなれそうかも)
リキッド「あぁ、そういや趣味が家事全般なんだっけ」
響子「はい!炊事洗濯掃除!何でも言って下さい!」フンス
リキッド「じゃー料理当番に加わってもらうか」
響子「はい!はい?」
リキッド「オレともう一人でメシ作ってんだよ」
響子「え」
61:
――CGプロダクション・食堂
響子「わぁ……すごいすごい!すごいです!」キャッキャッ
リキッド「喜んでもらえて何よりだ」
響子「コレ業務用の二段冷蔵庫ですよね!?すごいすごい!」キャッキャッ
リキッド「お、おう……」
穂乃香「あ、リキッドさん、響子ちゃんおかえりなさい」
響子「穂乃香さん!お久し振りです」キャッキャッ
リキッド「おゥ、遅くなってワリィ。すぐメシ作っからなー」
響子「あ!私も手伝います!」
リキッド「おう、よろしくな」
響子「はい!」
ちひろ「リキッドさんと響子ちゃんが合わさり最強に見える(料理)」
リキッド「うん、こりゃうめェ」モグモグ
響子「えへへ、リキッドさんも上手ですよ!」
第三話『倉吉の二十世紀梨記念館!』
64:
『インターミッション』
G「……」ペラッ
穂乃香「あの、プロデューサー……少し相談が……」
G「?」
G「……表現力か」
穂乃香「……はい。どうすればいいのか、自分でも解らなくて……」
G「……」
G「……一つに専念すると、視野が狭まる」
G「……たまには一つを忘れ、視野を広げるといい」
穂乃香「は、はぁ……それは確かにそうですが……」
G「……出掛けるぞ」
穂乃香「えっ?」
65:
――ゲームセンター
穂乃香「……私、こういう場所に来るのは初めてです……」キョロキョロ
G「……そうか」
G「……俺もだ」
穂乃香「えっ?」
G「……!」
G「……」スタスタ
穂乃香「あ、プロデューサー?」
G「……」チャリン
穂乃香(UFOキャッチャー?あ、あの緑色の可愛い……)
G「……」ウィーン
G「……」ドキドキ
穂乃香(クマのぬいぐるみ……そういえば、デスクにもクマのグッズが……)
G「……む」
G「……穂乃香、やってみてくれ」
穂乃香「……はい」ニコッ
G「……ふぅ」
穂乃香「プロデューサー、十体は取りすぎです。乱獲です」
『インターミッション』おしまい
67:
第四話『香港名物亀苓膏!』
――朝・公園
アラシヤマ(……お師匠はん、鬼どすか……)
アラシヤマ(あんなオシャレな喫茶店で待てなんて……ワテには難易度エクストリーム過ぎますわ……)
アラシヤマ(こういう暗くてジメジメした場所が、ワテにはベストプレイスどす……)
アラシヤマ「……ん?」
???「……フヒッ」ガサガサ
アラシヤマ(なんや?あないなトコで女の子が土弄りかいな)
アラシヤマ(……なーんかアヤシイなぁ……)ジーッ
68:
???「……?」クルゥリ
アラシヤマ(あ、目合うてしもた)
???「……」トコトコ
???「……お、お兄さんも……キノコ、探す?」
アラシヤマ「……はい?」
輝子「ほ、ホラ、あった……フヒッ」
アラシヤマ「おぉー、輝子はんはキノコ探しの名人どすなぁ」
輝子「フヒッ……て、照れる……」
輝子「あ、あっちの、方にも……ある、と思うよ」
アラシヤマ「どれどれー?」ガサッ
コモロくん「よぉ、久し振りだにゃあ?」
アラシヤマ「……っ!……っ!」ドサッ ドサッ
輝子「ど、どうしたの……?」ビクビク
アラシヤマ「なんでもありまへん。幻覚どす」
70:
輝子「そ、そうだ……コレ、あ、あげる……フヒッ」スッ
アラシヤマ「?……さっき獲ったキノコやないんどすか?」
輝子「う、うん……と、トモダチの、証……」
アラシヤマ「」
友達     友達   友達
トモダチ  ともだち  友だち    友達
 友 達 
アラシヤマ「おおきに輝子はん!ワテと友達になってくれてホンマおおきに!!」
輝子「フヒッ……そ、そんなに喜ばれると……照れる……フヒヒ」
<ママー、アレナニー?
<シッ!ミチャイケマセン!
71:
アラシヤマ「あ、そや。ごめんな輝子はん、ワテ約束がありましてん」
輝子「や、約束……?」
アラシヤマ「へぇ、やから――」
輝子「……」ジッ
アラシヤマ(いやでも折角お友達になれたのにこのままサヨナラバイバイは無いんとちゃうん?)
アラシヤマ(そやで!こないな可愛い女の子放っておくとかアカン!)
アラシヤマ「な、なぁ輝子はん……」
輝子「……わ、私も……学校、ある、から……」
アラシヤマ「」
輝子「……じゃ、じゃあ、またね……バイバイ……」
アラシヤマ「」
アラシヤマ「」
マーカー(アラシヤマ……!!)←電柱の影
<ママー、アレナニー?
<シッ!ミチャイケマセン!
72:
――喫茶店
アラシヤマ「……」
アラシヤマ(……キノコはええどすなぁ……静かで……豊かで……)
<イラッシャイマセー
<オヒトリサマデスカ?
<マチアワセダヨー!
菲菲「お待たせしたネー!菲菲ダヨー!」
アラシヤマ「はははははっははは初めましてああああああああアラシヤマdっどssっす」ガクガクガクガク
菲菲「ど、どうしたネー?お腹痛い?」
アラシヤマ「んんんどふぬっ、だだだだ大丈夫どすsssぇ」ガクガクガクガク
マーカー(アラシヤマ……!!)
73:
――CGプロダクション・事務所
リキッド「んー……」ソワソワ
ちひろ「どうしたんですか?さっきから落ち着き無いですよ?」
リキッド「いや、連絡が来ないからよォ……気になって気になって……」
ちひろ「?……あぁ、新しく来る子ですか」
――公園
アラシヤマ「す、すんまへん……ああいう場所は苦手なもんで……」ハァハァ
菲菲「あがり症ってヤツかナ?」
アラシヤマ「え、ええと、それより、事務所まで案内すればええんでっか?」
菲菲「そうダヨー!よろしくお願いしますダヨ!」
アラシヤマ「へ、へぇ、おししょ……マーカーはんの頼みでっからな」
74:
――CGプロダクション・事務所
リキッド「――で」
G「……」
マーカー「……」
リキッド「なァんでお前がいるんだよマーカー!」
ちひろ「お茶どうぞー」
マーカー「ありがとうございます」
リキッド「フツーに寛いでんじゃねェよ!」
マーカー「うるさいヤツだな……アラシヤマが気になって、見に来ただけだ」ズズッ
マーカー「あ、おいしいです。茶葉を教えて頂けますか?」
ちひろ「えっとですねー」
リキッド「だったらテメェが連れてくればいいだろうか!」
75:
マーカー「弟子の成長を見守るのが、師匠の役目と言う物だ」メモメモ
マーカー「ふむ。通販でも買えるのですね」
ちひろ「ええ、ア○ゾンにありますよ」
リキッド「……で、成長してたのかよ」
(0.3秒)
マーカー「全然」
リキッド「ハァ……まったく」
マーカー「我が弟子ながら全く情けない……」
G「……」
ちひろ「?」
76:
――CGプロダクション前
アラシヤマ「……立派な建物どすなー……」ピンポーン
菲菲「楽しみダヨー!」
ガチャ
マーカー「遅いぞ」
アラシヤマ「」(白目)
菲菲「あ、マーカーさん来てたんだネ」
マーカー「久し振りだな、フェイ。さぁ入りなさい」
マーカー「私はソイツと話がある」
アラシヤマ「」ガクガクガクガク
<いやあああああああああああああああああああああああああああああああああ
77:
――
菲菲「菲菲ダヨー!今日からよろしくお願いしますダヨ!」
マーカー「では菲菲の事、よろしく頼みます」ペコリ
ちひろ「はい、お任せ下さい!」
リキッド「よし帰れ。G、塩持って来い塩!」
G「……ん」
ちひろ(同僚って聞いたけど、仲悪いのかな?)
――公園
アラシヤマ「……あ、シンタローはんからメール来てる」
『しばらく帰って来なくていいからな』
アラシヤマ「」
第四話『香港名物亀苓膏!』おしまい
79:
『インターミッション』
prrrrr
リキッド(ん、メールか)
>>+3
メールの送り主(スカウトに影響)
1・ロッド(チョコ好き)
2・シンタロー
3・ハーレム
80:

81:

82:
1
84:
リキッド「げ、ロッドかよ……」
『ようリキッドちゃん、日本でアイドルに囲まれてるとか羨ましいじゃねーかチクショウ!』
『それよりメイジのチョコレート送ってきてくれよ!コンビニで買えるヤツじゃなくて限定品な!』
リキッド「……」
『送料込みでカネ払うなら送ってやるよ』
prrrrrrrrr
『マジで!?ありがとな!明後日発売の○○な!間違えんじゃねーぞ!』
リキッド「……へいへい……っと」
『インターミッション』おしまい
85:
第五話『LIVEバトルは魚の香り!』
――CGプロダクション
リキッド「よし、全員揃ったな」
G「……」
リキッド「前から目標にしていたLIVEバトルまで、あと一週間だ」
リキッド「これに出場するのは――」
卯月「……」ドキドキ
凛「……」
未央「……」
穂乃香「……」ギュッ
響子「……」ぶぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
リキッド「響子ォイ!今大事な話してるんだから掃除機はやめろって!」
響子「?」ぶぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
86:
リキッド「コホン、えー、LIVEバトルに出場するのは、卯月、オマエだ」
卯月「!……はい!頑張ります!」
リキッド「卯月はLIVEバトルに備えて仕上げに入る」
リキッド「他の皆はコレまで通り、営業とレッスンだ。いいな?」
「「「「「はい!」」」」」
卯月「それで、仕上げって何をすればいいんですか!」
リキッド「あぁ、コレまでと変わらん」
「「「「「え?」」」」」
G「……ヘタに力むより、自然体の卯月でいいと判断した」
リキッド「そーゆーコト。後は緊張し過ぎないよーに場慣れしてもらうくらいだ」
リキッド「朝礼は以上。さ、お仕事お仕事っと」
87:
――車内
未央「ねぇねぇリキッドさん」
リキッド「んー?」
未央「さっきの、しまむーがLIVEバトルに出るって話だけどさ」
リキッド「おー」
未央「本当に、大丈夫なのかな?」
リキッド「だいじょーぶだいじょーぶ」
未央「……」
リキッド「……」
未央「何か考え事してる?」
リキッド「うん、明日発売の限定チョコがあるらしいんだけどよ」
未央「はぁ?」
リキッド「オレの同僚から、それ買って来いって言われててさぁ」
リキッド「あ、そうそうあの店」
未央「真面目にやってよ!」プンスコ
88:
――事務所
未央「――だってさ!」プンスコ
凛「へぇ……」
卯月「そ、そう言われれば、Gさんもいつもより喋らなかったかも……」
菲菲「Gさんが喋らないのはいつもの事ネ?」
凛「そうでもないよ?二人なりに、緊張してるのかな?」
未央「う……そ、そうかもしんない……」
響子「リキッドさん、料理の手が鈍ってましたからね」ヒョコッ
穂乃香「今日は私と響子ちゃんで作りました」
未央「そ、そんなにも……」
凛「未央、後で謝っときなよ?」
未央「……うん」
89:
――事務所
未央「……ねぇ、リキッドさん、ちょっといいかな?」
リキッド「ん?どした?」
未央「……その、昼間の事、謝ろうと思って」
リキッド「あー、いや、アレはオレが悪かったよ、うン」
未央「でも」
リキッド「でもも何もナ?シ。子供が余計な気遣いしてンじゃねェよ」ポンポン
未央「?ッ」グスッ
リキッド(うぁヤベ……こういうの苦手なんだよなァ……)ワシワシ
リキッド「……オレだって初めての仕事で、右も左もわかんねェんだ」
リキッド「オレがどーにもならなくなったら、そん時は助けてくれよ?」
未央「……ッ」コクコク
リキッド「よし、んじゃ帰れ。卯月達が待ってんだろ?」
未央「うん……じゃあ、また明日ね!」ニコッ
リキッド「おーう、また明日なー」
バタン
90:
未央「いやーゴメンゴメン!お待たせー!」
卯月「ううん、じゃあ帰ろっか」
凛「最近コッチで晩御飯食べてばっかりで、遅くなっちゃうね」
未央「まぁーソコはほら、あの美味しいご飯が悪い!」フンス
凛「ふふっ……なにそれ」ニコニコ
卯月「うん、私もそう思う!」ニコニコ
――――
――
――事務所
リキッド「うおわああああ!!」ゴロゴロゴロゴロ
G「……カーペットの上を転がるな」
リキッド「ああああ死ぬほどハズい!いっそ殺せ!」ゴロゴロ
ちひろ「録画したものがコチラになります」
リキッド「ちひろおおおおおおおおおおおおお!!」
93:
――翌日
リキッド「」ゲッソリ
卯月「あ、あの、リキッドさん大丈夫ですか?」
G「……問題無い」
凛「全然そういう風に見えないんだけど……」
未央「リキッドさん?」
リキッド「あァ、わりィ」
リキッド「さて、今日のお仕事は――」
94:
――スイーツショップ
リキッド「わりィな卯月、付き合せちまって」
卯月「いえ、ちょうど帰り道ですから!」
かな子「あ、卯月ちゃーん」フリフリ
卯月「あ、かな子ちゃーん」フリフリ
かな子「今日ってアイドルのお仕事じゃなかったの?」
卯月「うん、今はちょうど帰り……あ、この人がプロデューサーのリキッドさん」
卯月「リキッドさん、この子は私の友達のかな子ちゃんです」
リキッド「初めまして、リキッドだ」
かな子「は、初めまして、三村かな子ですっ!」
95:
卯月「かな子ちゃんも買い物?」
かな子「うん!今日はここで、限定品のチョコ売ってるんだよっ!」
卯月「あ、私達もそれを買いに来たんだよ!」
かな子「へぇ、そうなん――」
リキッド「いやー危なかった危なかった。最後の一個だったぜ」
かな子「だぁ」スッ
卯月「あぁっ!かな子ちゃんの目から光が消えた!」
リキッド「どした?」
96:
リキッド「そりゃ悪い事しちまったなァ……」
かな子「いや、気にしないで下さい……」ズーン
卯月「な、何とかならないんですか?」
リキッド「現物はもう店から配達頼ンじまったし……」
リキッド「……」ウーン
リキッド「よし、じゃー代わりと言っちゃ何だがよ、オレがかな子の為にスイーツ作るって事でどうだ?」
かな子「ふぇ?」
卯月「そ、そうしましょう!かな子ちゃん!リキッドさんスゴイ料理上手なんだよ!」
かな子「い、いえ、そんな……」
リキッド「オレの気が済まねェんだよ。頼む、このとーりだ」ペコッ
かな子「わ、ちょ、分りましたから!分りましたから頭を上げて下さい!」オロオロ
97:
――CGプロダクション・食堂
リキッド「さァて、チョコケーキでいいんだな?」
かな子「はっ、はい!よろしくお願いします!」
リキッド「んな緊張しなくてもよォ……」
かな子「あ、えっと……皆さんアイドルなんですよ……ね?」
卯月「うん」
凛「あ、そんなに気にしなくていいよ」
未央「そうそう!」
穂乃香「私達も、普通の女の子ですから」
菲菲「かな子と一緒ダヨー!」
響子「お茶どうぞ」コトッ
かな子「あ、ありがとうございます……」
リキッド「ははっ、まぁ、仲良くしてやってくれ!」
98:
<ワイワイ
卯月「かな子ちゃんは、お菓子作るの好きなんだよね?」
かな子「う、うん」
未央「あ、じゃあリキッドさん、ハードル高いんじゃない?」
凛「あんまりデザートとかは作らないもんね」
穂乃香「そう言われると、そうですね」
未央「実はケーキとかは作った事が無いとか?」
響子「あの様子じゃ、それは無いと思うよ?」
菲菲「出来ない事あるのかネ?」
かな子(ホントに、普通に友達と話してる感覚だ……)
かな子「……」
凛「大丈夫?」
かな子「ふぇっ?」
凛「いや、なんか遠い目をしてたからさ」
かな子「だ、大丈夫っ!うんっ!」
99:
<ワイワイ
リキッド(いやはや、ティーンズ同士賑やかなこって……)
リキッド(さて、ホワイトチョコのクマは固まったかな?……よしよし)
リキッド(こんなもん作ったってGにバレたら、殺されかねねェな……)
リキッド「はーいお待たせー」
<オォー
リキッド「はいかな子サマ、リキッド特製チョコケーキでございます」スッ
未央「なにそれー」アハハ
かな子「……じゃあ、い、頂きます……」パクッ
リキッド「……どうだ?」
かな子「……美味しい、です。美味しいです!」パァッ
リキッド「お、いい笑顔すんじゃねェか。作った甲斐があったってモンだぜ」
リキッド「さ、皆も食ってくれよ!」
<ワーイ!
100:
かな子(……クマさん型のチョコ……食べるのは可哀相だけど……)
かな子(食べなきゃ失礼だよね)アーン
ガチャ
G「……あ」
リキッド「あ」
かな子「?」パクッ
G「」ブクブクブクブク
未央「泡吹いて倒れた!?」
凛「Gさん大丈夫!?」
穂乃香「プロデューサー!Gさん!」
リキッド「えぇいこの繊細さんめ!」
第五話・後編へ続く
106:
第五話・後編
――事務所
リキッド「ハイ、必要な書類はこんだけっ」
かな子「……あ、あの……」
リキッド「あン?」
かな子「プロデューサーさんから見て……わ、私なんかでも、アイドルになれると思いますか……?」
リキッド「なりてェんだろ?」
かな子「!」
リキッド「それなら後は、自分を信じろってなァ」
リキッド「あ、でも、ケーキ食ってる時の笑顔は、正直可愛いと思った」ウン
かな子「かっ、かわっ……」
リキッド「まァ、やっぱりやめとくってんなら、止めねェぜ?」
かな子「……やります……自分を、信じます」
リキッド「おゥ、待ってるぜェ」
107:
バタン
ちひろ「ふふっ……」
リキッド「……今回は録画してねェだろーな?」
ちひろ「録画はしてませんよー」
リキッド「……」
ちひろ「……」
リキッド「録音かよチクショウ!」
108:
――リキッドの部屋
リキッド(自分を、信じます……かァ……)
リキッド(お前もそうやって、アイドルになったんじゃねェのかよ)
リキッド「なァ前川、みく……」
――――
――
109:
――CGプロダクション・事務所
リキッド「……」
G「……」
ちひろ「……あのー……」
リキッド「あァ?」
ちひろ「二週間も前からずーっと、みくちゃんの映像ばっかり見てますよね?」
リキッド「あァ、今度卯月がLIVEバトルする相手だからなァ」
G「……」
ちひろ「そんな事言ったって、ここ数年は下位ランクのアイドルじゃないですか」
ちひろ「そこまでずっと見るようなもんじゃ――」
リキッド「そうじゃねェんだよ」
ちひろ「――はい?」
G「……ちひろ、何でコイツは、こんなに嫌そうなんだ」
ちひろ「へ?」
ちひろ「嫌そう……ですか?こんなに楽しそうなのに?」
リキッド「わかってねェなァ……」
G「……」
ちひろ「??」
111:
――レッスンスタジオ
G「……なぁ穂乃香」
穂乃香「はい?」
G「……もし、穂乃香にプロデューサーが付かなかったら」
G「……それでも、アイドルを続けられるか」
穂乃香「……無理、ですね」
G「……そうか」
穂乃香「Gさんが言ってくれた、水と、土と、植物の関係ですから」
穂乃香「植物は、土に根を張り、水から養分を吸収する」
穂乃香「アイドルである私には、根を張るステージが、養分を含んだプロデューサーが必要です」
G「……雑誌の受け売りだ」
穂乃香「それでも私には、Gさんの言葉です」
G「……ん」
穂乃香(あ、Gさん照れるとこんな顔するんだ)
穂乃香(……って、私も結構恥ずかしい事言っちゃった!?)
112:
マストレ「おぉ、Gくんじゃないか。うむ、何度見てもいいガタイだ」
G「……む」
穂乃香「あ、マストレさん。おはようございます」
マストレ「うむ。どうだGくん、(トレーニング)やらないか」
G「……失礼する」
マストレ「む、連れないなぁ」
113:
――CGプロダクション・食堂
リキッド「なぁ未央よォ」モグモグ
未央「んー?」モグモグ
リキッド「オメー、もし明日からセルフプロデュースでやれって言われたら、どォする?」
未央「」カラン
リキッド「あ」
未央「っどどおどどいうこと!?リキッドさんプロデューサーやめちゃうの!?」ガタッ
リキッド「違う違う違う!落ち着けって!!」
未央「もしもの話でも、そんな話はして欲しくないなー」プクー
リキッド「返す言葉もございません」
未央「でも、そうだなー……うん、無理だね」
リキッド「あ、やっぱそう思う?」
未央「だって、急に言われるんでしょ?」
未央「私なら、耐えられないなー」
リキッド「……だよなァ……」
114:
リキッド「……あ、シンタロー?」
リキッド「……ちょーっと、手ェ借りる事になるかもしんねェわ」
リキッド「……うん、コージ頼むわ」
117:
――LIVEバトル当日・会場
リキッド「――うへェ、挨拶周りも楽じゃねェや」
卯月「疲れますね……あ、いや、でも頑張りますよ!」
リキッド「おーう癒されちゃう元気貰えちゃう」
卯月「……いよいよ、ですね」
リキッド「バァカ、まだ一歩目だよ」
卯月「……はい!」
『――続きまして、CGプロダクション所属、島村卯月さんと――』
『――所属、前川みくさんのパフォーマンスです!』
118:
<ワアアアアアアアアアアアアアアアアアア
リキッド「さァて、と……」
 攻 撃 目 標 全 破 壊   ※ただし悪いヤツ限定
――控え室前廊下
みくP「いや、ですから――」
コージ「なんでじゃ!ヌシはみくにゃんのプロデューサーじゃろ!?」
コージ「ワシは妹のウマ子が、みくにゃんと同じステージに立つ所が見たいんじゃ!」
みくP「いや、あの――」
コージ「なんでじゃ!ウマ子の魅力がわからんっちゅうんか!?」
ウマ子「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
みくP「いや、お兄さんと顔一緒じゃないすか……」
コージ「おお!美人じゃろ!がっはっはっは!」
119:
ウマ子(心臓が弱い方注意)
http://i.imgur.com/jUpQ0SC.gif
121:
コージ「どうじゃ!ウマ子をアイドルにしたくなったじゃろ!?」
みくP「いや……ホント勘弁して下さいよ……」
コージ「なんでじゃ!みくにゃんとウマ子じゃぞ!?並んだら最強じゃろうが!」
みくP「いや、あの」
コージ「なんじゃ、金か?んなもん幾らでも払ったるわい!」
コージ「ウマ子のアイドルデビューじゃ!金渋るワケなかろうがぃ!」
みくP「ひぃっ!」
コージ「じゃけぇ頼むわプロデューサーさん!この通りじゃ!」バッ
みくP「あ、いや、あの、俺プロデューサーじゃないんで……」
コージ「……ハァ?」
みくP(殺される――!)
123:
みくP「ち、違うんです!俺はただ事務所の指示で付き添いに来ただけで――!」
リキッド「あっれー?みくPさんどうしたんですかー?」スタスタ
リキッド「さっき、貰った、名刺で、ちゃんと名前も覚えてますよ、プロデューサー?」ピラッ
みくP「……は、図ったなぁ!クソッ!出来立ての事務所が!」ダッ
みくP「!」ピタッ
G「……どこへ行く」
みくP(囲まれた!?)
G「……レッスン場に来たアイドル達から聞いた」
G「……レッスン代は自腹で払わせていたとな」ギロ
みくP「ヒッ」ビクッ
リキッド「あーあー、ニセモノプロデューサー送り込んだってだけでも問題なのに」
コージ「年頃のオナゴを、モノの用に扱うとは許せんなぁ」
ウマ子「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
みくP「あ……あぁ……」
<うわああああああああああああああああああああああああ
124:
――ライブ会場
<ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
『さぁ、パフォーマンスの投票が終わりました!結果は――!』
リキッド「よーォ卯月!やったな!最高だったぜェ!!」ワシャワシャ
卯月「はいっ!さ、最高の気分です!空も飛べそうです!」
リキッド「お、おう。少し落ち着け。な」
リキッド「G、卯月と、外の方頼むわ」
G「……あぁ」
G「……行くぞ、卯月」
卯月「はいっ!」
――控え室
みく「……付き添いぐらい、ちゃんとやってよね……」
ガチャ
リキッド「どォ?もォ?」
みく「……誰?」
リキッド「あ、オレCGプロダクションのプロデューサーで、リキッドって言います」
リキッド「コレ名刺。正真正銘プロデューサーね」ピラッ
みく「!……事務所の事、気付いたの?」
125:
リキッド「あァ、ま、困った事があったら連絡してくれ」
リキッド「外でファンが待ってるぜ」
みく「え?」
リキッド「じゃあナ」
バタン
みく「……ファンなんて……」
126:
――会場・外
<ザワザワザワザワ
リキッド「おーゥ、お待たせー」
ちひろ「あ、リキッドさん。何なんですか、この集まり?」
リキッド「ご覧の通り、みくのファンだよ」
ちひろ「へ?」
G「……サイリウム、配り終わったぞ」
卯月「こっちも準備できました!」
凛「こっちもいいよ」
未央「スタンバイオッケー!」
リキッド「さ、後は主役の登場だァ」
ガチャ
<ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
127:
――数日後・CGプロダクション・食堂
リキッド「好き嫌いしちゃダメでしょォ!」
みく「うにゃあああああああ!お魚は嫌いなのー!!」
G「そこまでにしておけ、リキッド」
リキッド「むぅ……」
みく「うにゃあ!Gチャン助かったにゃあ!」
ちひろ「……みくちゃん、明るくなったねー」モグモグ
卯月「はい!こっちまで元気になりますね!」
凛「賑やかと言うか」
未央「騒がしいと言うか」
響子「悪いことじゃないですよね」
菲菲「大勢だとご飯が美味しくなるダヨー!」
穂乃香「ふふっ」
第五話『LIVEバトルは魚の香り!』おしまい
128:
『インターミッション』
リキッド(みくの事務所が潰れたお陰で、多くのアイドルや候補生があぶれちまったか……)
リキッド(ほとんどはコッチに連絡して来てるとは言え……)
リキッド(諦めるヤツも出てくるだろうなァ……悪い事したかもな……)
リキッド「はァ????」
129:
prrrrrrrr
リキッド「お、メールか……誰だ」
>>+3
メールの送り主(スカウトに影響)
1・卯月
2・凛
3・未央
130:
2
131:

132:
3
133:
リキッド(お、未央だ)
『今日も一日お疲れ様、プロデューサー!』
『今度のオフなんだけど、友達が事務所に遊びに行きたいって言ってるんだ』
『そこで、一緒にご飯を食べようって考えてるんだけど、いいかな?』
リキッド「おー……」
『いいぜ、美味いもん作って待ってるからな』
リキッド「……若いのは元気だネェ……」
prrrrrr
『ありがとプロデューサー!当日は私も手伝うよ!』
リキッド「……」
『おう、ついでに料理教えてやるよ』
リキッド「……こりゃまた賑やかになりそうだ」
『インターミッション』おしまい
138:
第六話『福岡名物明太子!』
――今日も今日とてCGプロダクション
――食堂
リキッド「?♪」トントントン
――事務所
ちひろ「……」カタカタ
――中庭
G「……」ザック ザック
???「……」ジー
ウマ子「……」ジー
???「!?」ビクッ
140:
<きゃあああああああああああああああああああ
G「……?」
???「ご、ごめんなさいごめんなさい!!」
ウマ子「……」
G「……どうした」
――――
――
G「……わかった」
G「……ウマ子はもう帰ってくれ」
G「……怖がらせてすまなかった」
???「いっ!いえっ!全然!大丈夫ですっ!」
G「……ウチに用事か」
???「はっ、はいっ!あ、相葉夕美といいますっ!」
夕美「以前、前川みくさんと同じ事務所に所属していましたっ!」
141:
――事務所
ちひろ「どうぞ」コトッ
夕美「ありがとうございますっ!」
リキッド「な?る、みくの事が気になって、見に来たッてワケか?」
リキッド「仲間思いなのはイイが、今日平日だぜ?」
夕美「ほぁっ!?」
ちひろ「だいぶ参ってるみたいですねー……」
G「……あぁ」
リキッド・G((良心が痛い……))
142:
夕美「うぅ?」ズーン
リキッド「まァまァそんな落ち込むなって!な!?」
リキッド「そうだ、メシは食ったか?よかったら食っていけ!な!?」
夕美「えぅ?……あ゛りがとうございま゛す?」エグエグ
――食堂
「「「「いただきます!」」」」
夕美「あ……美味しいですっ!」キャッキャッ
ちひろ「でしょー?」キャッキャッ
リキッド「よォ、G」コソッ
G「……ん」
リキッド「夕美みたいなのが、十数人はいるんだよな……」ヒソヒソ
G「……ああ」
リキッド「……あ、ヤベ、胃が痛くなってきた……」キリキリ
G「……俺もだ」キリキリ
143:
リキッド「もういっそ、まるッと全部コッチに移籍してもらうか」
G「……本人の意思次第だな」
リキッド「うし、決まり!さぁ食おうぜ!」
G「……ああ」
――中庭
夕美「わぁっ!やっぱり綺麗なお庭ですねっ!」
G「……そうか」
夕美「はいっ!私もこういう大きなお庭の手入れ、してみたいなぁ……」
G「……」
リキッド「……なぁ、もしよかったら――」
???「ちょっとー!ちひろさーん!」
リキッド「ア?」
G「……?」
ちひろ「……あっ、忘れてた」
144:
???「コッチかな……?あぁ、いたいた!」
ちひろ「ご、ごめんね洋子ちゃん!ちょっとバタバタしてて!」
リキッド「あァ、斉藤洋子、だっけか」
洋子「はい!初めまして、斉藤洋子です!地方営業から帰って参りました!」
リキッド「おゥお疲れさン。オレはリキッド、コイツがG。よろしくな」
G「……よろしく頼む」
洋子「よろしくお願いします!あ、そちらは?」
夕美「あっ、相葉夕美ですっ!えっと、元、アイドル、です」
洋子「?」
リキッド「ま、詳しい話は中でしようや」
洋子「あ、はぁ……?」
145:
――事務所
洋子「へぇ、そんな事があったんですね……」
リキッド「あァ。で、だ」
リキッド「オレとしては、そうやってあぶれたアイドル達を受け入れてやりてェんだ」
夕美「!」
ちひろ「な、正気ですか!?」
リキッド「正気も正気、酒もクスリも入ってねェよ」
リキッド「モチロン、やる気のあるヤツだけだ」
G「……何人かはすでにコチラで面接予定だったな」
ちひろ「え、えぇ、あの後から電話が凄かったんですから……」
洋子「……私は賛成です!」
リキッド「おォ?」
洋子「事務所の不祥事でアイドルとしての夢を絶たれるなんて、そんなのヒド過ぎます!」
リキッド・G((暴いちゃってゴメンナサイ――!!))
洋子「プロデューサー!受け入れ、やりましょう!いえ、やるべきです!」ガタッ
洋子「相葉さん、協力して頂けますか!?」
夕美「えっ、あっ、はいっ!もちろんですっ!」
洋子「ありがとうございます!じゃあちひろさん、面接予定者のリストを――」
G「……いい風だな」
リキッド「あァもう、惚れちゃいそう」
146:
――数時間後
リキッド「よし、リストアップできたぜ。夕美、頼むワ」ドサッ
夕美「はいっ!……面接予定には入っていませんが、最優先で見て欲しい人が二人います」
夕美「実家から家出してきた塩見周子ちゃんと、教会建て直しの為に活動していたクラリスさんです」
リキッド「あァ、ヘビィそうだなそりャ」
洋子「茶化さないで下さいリキッドさん!」
リキッド「おぁ、ワリぃワリぃ」
夕美「えっと、二人とも寮に住んでいたので、現在どうなっているかは……」
夕美「だから、お願いします!」
G「……そっちは任せてくれ」
リキッド「あぁ、頼むぜ、G」
G「……行くぞ、夕美」
夕美「はいっ!」
リキッド「さァて、んじゃコッチは留守番しときましょォかね」
洋子「なっ!?」
ちひろ「あ、今日は未央ちゃんのお友達が来るんですよね?下ごしらえいいんですか?」
リキッド「オォ、そうだった」
147:
洋子「り、リキッドさんもちひろさんも……」プルプル
ちひろ「まぁまぁ洋子ちゃん、人探しはGさんが行ってくれたし」
ちひろ「私達は私達で、やるべき事をするしかないの」
洋子「それが、ただの留守番ですか?」ムッ
リキッド「そ。アイツら信じて、あったか?いメシ作って、待っとくのがオレらのやるべき事だ」
洋子「……」
リキッド「んじャ、作ってくるわ」
洋子「……ふぅ」
洋子「まったく……大真面目なプロデューサーですね」クスッ
ちひろ「洋子ちゃんも大真面目じゃないの」クスクス
洋子「そうかもしれませんね……ご飯、手伝ってきます」
ちひろ「ええ、楽しみにしとくわねー♪」
第六話・後編へ続く
149:
第六話・後編
――
G「……連絡はついたか?」
夕美「呼び出し音はするんですが、出る気配が無いんです……」
G「……それだけ分ればいい」
G「……後は俺に任せておけ」
夕美「いえっ!手伝います!」
G「……遅くなるぞ」
夕美「大丈夫ですっ!それに、私がいないとクラリスさんを見つけられませんよ?」
G「……頼む」
夕美「はいっ!」
夕美(うん、あのお庭を手入れしてた人だもん。悪い人なワケないよね)
G「……ロッドか」
G「……携帯電話の場所特定を頼む」
150:
――ガンマ団特戦部隊・気球船
ロッド「こないだのチョコの礼もあるしな!任せとけ」
ロッド「それで?向こうからの着信を逆探知すりゃいいのか?」
ロッド「こっちからか。オーケー、ロッドにオマカセってなぁ」
マーカー「やかましいぞ、ロッド」
ロッド「Gからだよ、たっのしそうな事やってんぜ??」
マーカー「フン……フェイに何かあったら殺す、と伝えておけ」スタスタ
ロッド「……お?コワ♪」
ロッド「お、出たせG。場所は――」
151:
――マンガ喫茶
G「……助かった。また頼む」pi
夕美「ここに、クラリスさんが?」
G「……ああ」スタスタ
夕美「ま、待って待って待って!待って下さいっ!」ズルズル
G「……?」
夕美「こういう場所って、基本的に個室なんですよっ」
夕美「探すのに一部屋ずつ回るつもりですか?」
G「……」
G「……」
夕美(あ、今スゴイ『しまった』って顔した)
152:
夕美「人探し……友達と待ち合わせ……あ?どれがいいんだろっ」グシグシ
G「……」スタスタ
夕美「あ、ちょっとGさん!どうするんですか!」
<イラッシャ イラッシャイマセー
G「……」カツカツカツ
受付(な、なんだ、スゴイプレッシャーが)ガクガクガクガク
G「……」ピタッ
G「……ウチのお嬢がこちらに泊まられているようなんだが」
G「……手荒な事はしたくない。呼び出してくれないか」
夕美(えぇ――!?)
受付(断ったら殺される――!!)
受付「か、かしこまりました、お、お嬢様のお名前とそちらのお名前を、ど、どうぞ」プルプル
――――
――
夕美「さっきのGさん、スゴイ迫力でしたねっ!」
G「……ちひろに借りたマンガのマネだ」
夕美「あははっ♪意外だなっ」ニコッ
G「……」
夕美「……?……!」
夕美「あ、あの、ごめんなさいっ!」
G「……構わん」
G「……笑顔の方がいい」
夕美「!……はいっ!」
153:
クラリス「あっ、相葉様?」
夕美「クラリスさん!」
G「……」
クラリス「……あの、そちらは?」
――個室
クラリス「……お話は分りました」
クラリス「G様、よろしくお願い致します」ペコリ
G「……面接次第だ」
クラリス「……はい」
夕美「……っ!」
G「……形だけだがな」
クラリス「……はい?」
夕美「Gさん、それって……!」
G「……いつ発てる」
夕美「よかったねっ!クラリスさんっ!」
クラリス「はい。これも神の思し召し……感謝致します……」スッ
クラリス「……ハチクロが後一巻で読み終わりますので、その後でもよろしいですか?」
夕美(満喫してた――!)
154:
――CGプロダクション・食堂
リキッド「おっせェなGのヤツ」
洋子「大丈夫なんですか?」
リキッド「う?ん……まァ大丈夫だろ」
未央「こんばんはー!来たよー!」
洋子「あ、未央ちゃん久し振りー」
未央「洋子さん帰ってたんだ!おかえりー♪」
リキッド「おゥ、お友達は?」
未央「あ、連れてきたよ!さ、入って入って!」
ゆかり「お、お邪魔します……」
柚「おじゃましまーっす!」
第五話「福岡名物明太子!」第六話へ続く
160:
第六話「京都なんでもあり過ぎんだろ一つに絞れよ!」
――CGプロダクション・食堂
リキッド「へ?ぇ、フルートかぁ」
ゆかり「は、はい……」
未央「だから、今日みたいに遊べるのは珍しいんだよ!」
柚「月に数えるくらいだもんね」
リキッド「オイオイ、そんな貴重な時間、コッチで潰しちまっていいのかよ?」
未央「あ、それはゆかりちゃんの希望なんだ」
リキッド「あ、そォなの?」
ゆかり「は、はい!あの、未央ちゃんの事務所って、前から気になっておりまして!」
柚「おー、こんなにテンパるゆかりちゃん初めて見た」
ちひろ(ま、マイペースな子だなぁ……)
161:
――コンビニ
<アーッシター
周子「……」モグモグ
――公園
周子「……」テクテク
<ガサガサッ!
周子「!」ビクッ
周子「な、なんだろ……」ドキドキ
輝子「ヒャッハアアアアアアア!!原木だアアアアアアアアアアア!!」
アラシヤマ「ふふ、ようおましたな輝子はん……」
周子(なんだコレ――!!)
162:
輝子「見てくれマイフレンド!コイツをどう思う!」ピョンピョン
アラシヤマ「すごく……大きいどす……」ウフフ
周子(なんだコレ――!!)ドサッ
輝子「!」
アラシヤマ「!」
周子「あ」
――
周子「――ってワケで、ココを通りかかっただけで――」
周子(アレ?なんでアイドルやってた事まで話しちゃったんだろ?)
アラシヤマ「そんなに苦労しやはって……」エグッエグッ
周子(ガチ泣きだ――!!)
輝子「お、お疲れ様?」
周子「え?あ、うん……ありがとね」
周子(不思議な人達だなー……)
163:
アラシヤマ「でも周子はんのアイドル姿かー……見とおましたなー……」
周子「……そう?」
アラシヤマ「そらこんなベッピンは……」
周子「えっ」ドキッ
アラシヤマ「あ」
アラシヤマ「うわああああああああ忘れておくれやす!今のは忘れておくれやすううううううううううう!」ジタバタ
輝子「マイフレーンド!!」オロオロ
周子「お、落ち着いて!忘れるから!忘れるから!」オロオロ
164:
アラシヤマ「コホン……取り乱してしもて、すんまへんでした……」
周子「い、いや、別にいいよ」
アラシヤマ「周子はんは優しおすなぁ……」ジーン
輝子「……フヒッ……」
アラシヤマ「あの……余計な世話かもしれへんけど、アイドル続けた方がええんちゃいまっか?」
周子「ホントに余計なお世話だね」(0.5秒)
アラシヤマ「ぬふぅ!」
周子「なんでか分んないけどサ、二人と喋ってたら、気持ちの整理付いちゃった」アハハ
輝子「……?」
周子「今度はちゃーんとした事務所探して、もっかいアイドルやってみるよ」
アラシヤマ「!ホンマでっか!」ガタッ
周子「うん、応援よろしくっ!なんちゃって」
165:
アラシヤマ「あ、でも、親御さんとはしっかり話しとかんとあきまへんえ」ストン
周子「う……」
アラシヤマ「だって周子はんが家出したんは、アイドルになる為ちゃいますやろ?」
アラシヤマ「今度はちゃんと親御さんと話して、アイドルになる為に家を出てケジメつけんと」
周子「……」ポカーン
アラシヤマ「……あ、また何か変な事言うてしもたやろか?」
周子「……へへっ♪そうじゃないよ」
周子「アドバイスありがとネ♪」
アラシヤマ「いえいえ、大した事してまへん」
輝子「……シューコ……コレ、あげる……フヒッ」
周子「……キノコ?」
輝子「……トモダチ、の……証……フヒッ」
周子「……ありがとっ」ニコッ
アラシヤマ「あ、そや。アイドル事務所なら一個紹介できまっせ」
――――
――
166:
――CGプロダクション・食堂
リキッド「……まったくよォ……」
菲菲「あ、そこスペル違うネー」
柚「なんで遊びに来たのに宿題してるのさー!」ウワーン
ゆかり「ご、ごめん付きあわせちゃって……」
穂乃香「ゆかりさんが謝る事じゃないですよ?」ニコニコ
響子「前の事務所じゃこんな事無かったもんね……」
未央「新鮮だね!」
クラリス「あ、ココのスペルも違います」
柚「マンガ片手とか余裕過ぎるよ!羨ましい!」
夕美「あはは……」
周子「ん?♪美味しい?♪」モグモグ
輝子「……フ、フヒッ……」モグモグ
洋子「はい、お茶置いとくね!」コトッ
リキッド「賑やかなもんだぜ」
G「……ん」
アラシヤマ「みーんなええ顔してはりますなー……」
ちひろ「癒されますねぇ……」
リキッド「ま、来週にはもっと賑やかになるんだろォけどな」
ちひろ「……言わないで下さい……頭が痛くなりますから……」
リキッド「まぁそう言うなよ、頑張ろうぜェ」
第六話『京都なんでもありすぎんだろ一つに絞れよ!』おしまい
172:
『インターミッション』
――ガンマ団パプワ島支部
ミヤギ「ミヤギ、トットリ、両名集合したダヨ」
トットリ「珍しいっちゃねシンタロー。ボクらに何か用だっちゃか?」
シンタロー「あぁ、コージのヤツからリキッド達の話は聞いてるな?」
シンタロー「クソ親父とクソ獅子舞がリキッド達にメーワク掛けちまったっつ?ワケで」
シンタロー「お前ら、休暇ついでに挨拶して来い」
ミヤギ「親類に対して辛辣過ぎるべ、シンタロー」
トットリ「まぁまぁ、貰えるもんは貰っとくっちゃよミヤギくん」
ミヤギ「う、まぁ、最近休暇なかったダからなぁ……」
シンタロー「旅費は自腹な」
ミヤギ「あぁっ!ちょっと期待したオラがバカだっただっ!」
トットリ「久々の日本だっちゃわいや♪」
173:
ミヤギ「んじゃ荷造り終えたらさっさと出発するダヨ」
トットリ「待つっちゃよ、ミヤギ」
ミヤギ「なんだべ?」
トットリ「こういう時は土産を持っていくのが常識だっちゃ」
トットリ「ボクら二人の地元の名産品持っていくっちゃよ!」
ミヤギ「おぉ、ナイスアイデアだべトットリ!」
174:
――CGプロダクション・夜・事務所
リキッド「……」カタカタ
リキッド(潰した事務所にいたアイドルのうち、みく、夕美、周子、クラリスは保護した)
リキッド(他で面接を申し込んできたのは輿水幸子、服部瞳子だけ……か)
???
リキッド「じゃあ、自己アピールをどうぞ」キリッ
???
リキッド「……無い無い」
リキッド(Gのヤツに任せて、誰かの付き添いで時間潰すか)ウン
リキッド(さらに来月にはLIVEバトル……相手はヘレン)
リキッド「忙しいったらないわァ?」
『インターミッション』おしまい
175:
>>+3
面接するアイドル
1・輿水幸子
2・服部瞳子
>>+4
付き添う相手
1・卯月(ラジオ収録)
2・凛(雑誌撮影)
3・未央(スタジオ撮影)
176:
面接なら1
付き添いなら3
177:
面接1
付き添い3
178:
1
179:
2
180:
第七話『広島銘酒は同期の櫻!』
――今日も今日とてCGプロダクション
凛「じゃあ、そろそろ行こうか」
リキッド「ソイじゃあ、面接の方は頼むぜG」
G「……ああ」
ちひろ「あれ?リキッドさん面接しないんですか?」
リキッド「あぁ、俺はそんなガラじゃねぇからよ」
凛・ちひろ(五十歩ヒャッポーゥ!)
ちひろ「そ、そうじゃなくて、今日和久井さん帰ってくるんですから、ちゃんと挨拶――」
<バタン
ちひろ「最後まで聞いて下さいよ!!」
G「……」
181:
ちひろ(うあーどうしよう!Gさんと和久井さんと私で面接!?)
ちひろ(私はともかくGさんと和久井さんが並ぶのはマズイ!)
???
G「……始めるぞ」
留美「……では、簡単な自己紹介から――」
???
ちひろ「違う事務所だコレ!!」ガーン
G「……?」
ちひろ(うぅ……みんな学校やバイトで出払っちゃってるし……)
ちひろ(周子ちゃんはしばらく実家だし、クラリスさんも教会に用事があるみたいだし……)
――マンガ喫茶
クラリス「……」ペラ
クラリス「……」チュー ゴクゴク
182:
――CGプロダクション・事務所
ちひろ「あぁゴメンナサイ今日面接の子……決して悪い人達じゃないのよ……」ゲッソリ
G「……ちひろ、これは何て読むんだ」
ちひろ「はいはいどれですかー……あぁ、コシミズって読むんですよ」
G「……そうなのか」
G「……」
ちひろ「……ってそれ今日来る子の資料ですか!?私もらってませんよ!?」
G「……そうか」
ちひろ「そうですよ!」
<ガチャ
留美「おはよう、随分騒がしいじゃない」
ちひろ「あ、おはようございます!」
G「……」
留美「少し失礼するわ」
<バタン
G「……和久井留美か」
ちひろ「えぇ……どうしたんでしょう?」
<ルーミンメークアーップ!!
183:
<ガチャ
留美「お待たせしました。改めまして、和久井留美と申します」フカブカ
ちひろ(化粧直して来おった――!)
G「……Gだ」
G「……よろしく頼む」
留美「はい、こちらこそ、よろしくお願い致します」
留美「あの、女子寮の部屋割りはどうなっているんでしょうか?」
G「……案内する」
留美「はい♪」チラッ グッ
ちひろ「!」
<バタン
ちひろ(か、軽くガッツポーズしおった――)
184:
留美「面接、ですか」
G「……あぁ」
ちひろ「ま、まぁ和久井さんもお疲れでしょうし、部屋で休まれていても――」
留美「お手伝いします」
ちひろ「あぁん」
G「……いいのか」
留美「はい、これでも『元』秘書ですので」ニコ
G「……頼む」
ちひろ(止められなかった……)スゥッ
留美「では資料を……ちひろ、何泣いてるの?」
ちひろ「何でもないです」
――マンガ喫茶
クラリス「……」チュー
クラリス「……」フー ブクブクブクブク
クラリス「……♪」ブクブク
185:
――都内某所・公園
「今日はホント、ありがとうございます!」
リキッド「いーえいーえ、こちらこそ、ソチラのモデルに使っていただけるなんて光栄ですー」
凛「……フッ」クスクス
リキッド(クソォ!だから敬語はイヤなんだよォ!)ニコニコ
「いやー、とんでもない!コチラのモデルもそろそろ着く頃なんですが……」
凛「どんな子……なんですか?」
「あぁ、読モなんですけどね。この業界のカリスマとして、現在人気が鰻上りでして――」ペラペラ
「お待たせしましたぁ」
「あぁ、ちょうど十分前だから大丈夫だよまゆちゃん」
まゆ「CGプロの方ですね?今日はよろしくお願いしますぅ」ペコリ
凛「うん、よろしくね」
まゆ「……うふ」
187:
――CGプロダクション・事務所
ちひろ「はい、輿水幸子さんですね。そちらの部屋へどうぞー」スー
幸子「はい、ありがとうございます」
幸子(何で泣いてるんでしょう……?)コンコン
<ドウゾー
幸子「失礼致しま――」
幸子「」
G「……」ジッ
留美「……どうされました?」
幸子「い、いえ、失礼致しました。輿水幸子と申します。本日はありがとうございます」ペコリ
幸子(こ、コレは圧迫面接ッ!つまりはボクへのストレステストッ!)プルプル
幸子(う……うろたえるんじゃあないッ!山梨人はうろたえないッ!)プルプル
G「……始めるか」
留美「……はい。では簡単で結構ですので、自己紹介を――」
幸子(ジコショウカイって何でしたっけ)ガクガク
――――
――
188:
――都内某所・公園
リキッド「あン?」
凛「どうしたの、プロデューサー?」
リキッド「ンー……気のせいかな。誰かに見られてる気がすんだけどよォ……」
凛「?」
まゆ「……あの、凛さん……でしたか?」
凛「え?あぁ、うん。どうしたの?」
まゆ「いえ、お話してみたいなぁって思ったの」
まゆ「……迷惑でしたかぁ?」
凛「ううん、大丈夫だよ。アッチで座ろっか」
まゆ「はい♪」
リキッド「……」
リキッド「……」スタスタ
リキッド「……何してんだオメェ」
トットリ「おぉぅっ!?」ガサッ
189:
リキッド「へ?ぇ、シンタローがねェ?」
トットリ「んだっちゃ。明日か明後日にはミヤギくんと合流して、そっちに挨拶に行くっちゃ」
リキッド「おォ、わざわざワリィな」
トットリ「いやいや、ボクらぁの付き合いだっちゃからね、礼はいらんど♪」
トットリ「それより、さっきの子がアイドルっちゃか?」
リキッド「ん、あァ、そーいやオレ仕事中だったわ」
凛「プロデューサー!……アレ?その人は?」
まゆ「!」
リキッド「あぁ、同僚の――」
トットリ「トットリだっちゃ。いつもリキッドくんが世話になっとるだァね」ニコッ
トットリ「いやぁ?羨ましいっちゃね?、こげん可愛い子ば世話しとぉなんて」
まゆ「あの……トットリさん……?」ガシッ
トットリ「へ?」
まゆ「まゆをトットリさんのモノにしてくれませんか……?」ポッ
トットリ「……へ?」
リキッド「ハァ?」
凛「え?」
190:
まゆ「うふ……一目惚れ、しちゃいました……」
トットリ「いやいやいやいやちょお待ちィや!」
まゆ「ステキですよね……これって運命?ねぇ、貴方も運命……感じますよね?ねぇ?」ズィッ
凛「すごい攻めるね」
リキッド「あぁ、ホラー映画でももうちょっと遠慮するわ」
トットリ「いや、ぼ、ボカァ――」
まゆ「あ、年齢なら大丈夫ですよぉ?16歳ですから合法ですし」
トットリ「いや、だからそういう話じゃ――」
まゆ「じゃあどういう話なの?」
トットリ「……土遁の術っ!!」ボムッ
まゆ「きゃあっ!」
凛「え?」
リキッド「うお」バッ
モクモクモクモク
191:
まゆ「けっほ!けほっ!」
リキッド「けほっ!……アー……凛、大丈夫かァ?」
凛「う……うん……」ドキドキ
リキッド「あァワリィ、咄嗟の事だったし、ジャケットに包んじまった」パッ
凛「う……あ、ありがと……」ドキドキ
リキッド「派手にやりやがってまったく……おい、まゆも大丈夫か?」
まゆ「……うふ……うふふふふ……」
まゆ「……照れ屋さんなんですね……うふふ……そんな所もステキですよぉ……」
リキッド(アカン)
凛(大丈夫やけどアカン)
まゆ「……プロデューサーさんは、トットリさんとお知り合いなんですよね?」クルッ
リキッド「え、あぁ、オウ」
まゆ「……何処にいるか、教 え て 下 さ い ま す か ?」
――――
――
193:
――CGプロダクション・事務所
幸子「ほ、本日は、ありがとうございました……で、では、失礼しますね……」ヨロヨロ
留美「大丈夫?顔色が悪いみたいだけど……」
G「……ちひろ、少し休んでもらえ」
ちひろ「はーいはいはい、誰のせいだと思ってるんですかまったくもう……」ブツブツ
幸子「い、いえ、大丈夫です……大丈夫ですから……」ヨロヨロ
G「……」ヒョイッ
幸子「おぁっ?」
G「……仮眠室で横になっていろ」スタスタ
幸子「あ、歩けますから!歩けますから!」ジタバタ
ちひろ「あ、あんまり乱暴に扱っちゃダメですよー!?」
ちひろ「……まったくもうっ。留美さんまで怖がらせちゃってどうするんですか――」
留美(お姫様抱っこ――!!)ギリギリギリギリ
ちひろ「ハンカチ噛み締めて泣かないで下さい」
第七話『広島銘酒は同期の櫻!』おしまい
197:
ガンマ団の面々(本編中なのでもう少し年食った感じになるか?)
http://i.imgur.com/0mkBver.jpg
200:
『インターミッション』
prrrr
リキッド「はいもしもォし」
トットリ『あぁ、リキッドかぁ?さっきは悪かったがね』
トットリ『アイドルの子ォ達は大丈夫だっちゃか?』
リキッド「あァ、どっちも無事だから安心しな」
トットリ『そうかァ』ホッ
リキッド「しっかしまァ、派手に逃げたもんだなァ」ニヤニヤ
トットリ『あぁ……恐怖を感じて反射的に身体が動いてしまったっちゃからね』
トットリ『思い出したら夜も寝れそうにないっちゃよ』
リキッド「そんなにかよ……ガンマ団団員が聞いて呆れるぜ」
トットリ『だっちゃわいや。まったく恥ずかしい話だがね』
201:
リキッド「そーいやァ、あのまゆってヤツにオマエの事を根掘り葉掘り聞かれたんだけどヨ」
リキッド「多分どっかのホテルに泊まってるって言ったら、すごい勢いでどっか行っちまってなァ」
トットリ『あ、なんだろう嫌な予感』
トットリ『そだァ、明日にはミヤギくんと合流できっからァ』
リキッド「おーけーおーけー、オレかGが事務所にいるはずだから、安心してくれ」
リキッド「急用で出てるかもしんねーけどナ」
トットリ『そん時は日を改めるっちゃよ。それじゃ、また明日』
リキッド「あいよー」
まゆ「……うふ……」
『インターミッション』おしまい
204:
第八話『ベストフレンド!』
――CGプロダクション・事務所
リキッド「あ、今日は午後から穂乃香と響子送らなきゃならんのか……」
ちひろ「どうされました?」
リキッド「いや、多分午後から客が来る予定なんだがよ……スケジュール帳買うかァ」
ちひろ「それでしたら、私がいるから大丈夫ですよ」ニコッ
ちひろ「Gさんと留美さんに客の対応させるつもりですか?」コソッ
リキッド「お、おう」
リキッド(知り合いだから大丈夫なんだけどなー)
G「……?」
205:
――某ホテル・ロビー
ミヤギ「おゥ、待たせたべトットリ」
トットリ「時間ぴったりだっちゃよ。ちゃんとお土産買ってきたがね?」
ミヤギ「あァ、それはエエんだが……」
ミヤギ「誰だべその娘サンは?」
トットリ「へ?」クルゥリ
まゆ「……」
トットリ「」
まゆ「来ちゃった♪」ニコッ
トットリ「来ちゃったかぁ……」
ミヤギ「どしたべトットリ?顔色悪いだヨ」
208:
――
ミヤギ「んだべかぁ、まゆチャンはトットリが気に入ったべか!」アッハッハ
まゆ「はい……運命だと思うんですぅ……」ニコニコ
ミヤギ「いい娘サンだべェ、トットリ。なぁにがイヤなんだべ?」コソコソ
トットリ「年齢とボクらの立場だっちゃわいや」コソコソ
ミヤギ「あぁー……」
まゆ「あのぉ、どうされました?」
ミヤギ「いやいや何でもねぇべ!そだ、挨拶にはオラだけで行くから――」
トットリ「一人にせんで欲しいがねマイベストフレンド!」ガシッ
ミヤギ「お、おう」
まゆ「うふ……お二人は、仲良いんですね……」
ミヤギ「あぁ、だってオラ達はベストフレンドだからなぁ!」アッハッハ
まゆ「……少し、妬けちゃうかも……」
ミヤギ「――!!」ゾクッ
214:
まゆ「そうよね、男友達同士でしか話せない事もあるもんね」ブツブツ
ミヤギ(な、なんだべ今の……)
まゆ「あぁ、でも大丈夫ですよぉトットリさん?」
まゆ「まゆはアナタを縛るんじゃなくて」
まゆ「アナタに縛られたいの」
ミヤギ「――!」
トットリ「――!」
ミヤギ「逃げるべトットリっ!」ダッ
トットリ「だっちゃわいや!」ボムッ
モクモクモクモク
<キャー
<ナンダ!ケムリガ!
<カジカ!?
モクモクモク
まゆ「……うふ」シュコー シュコー
まゆ(ガスマスク買っておいて正解だった♪)
216:
――CGプロダクション・事務所近辺
ミヤギ「とんでもねぇ娘に惚れられたもんだべなぁ」ハァハァ
トットリ「タンノくんとイトウくんに追われてた方がまだマシだっちゃ……」ハァハァ
ミヤギ「あぁ、なんか懐かしい感じがしたのはソレだべか」
トットリ「笑い事じゃないっちゃよ。このまま追われ続けたらパプワ島にも帰れな――」
ミヤギ「どしたべトット――」
まゆ「あ♪」ニコッ
ミヤギ・トットリ((じむしょ まえに いる))
218:
トットリ「え?なんで?え?」
まゆ「昨日、一緒にお仕事をしたプロデューサーさんが」ザッ
まゆ「アナタとお友達だったみたいで」ザッ
まゆ「アナタの事を聞いたら、こ こ ろ よ く 教えてくれたの♪」ザッ
まゆ「今日、ここに来る事も」ザッ
トットリ「」ガクガクガクガク
ミヤギ「」ガクガクガクガク
ミヤギ(はっ!そうだべ!こんな時こそ『生き字引きの筆?油性?』の出番だべ!)
ミヤギ(生き字引きの筆の弱点だった水を克服し!さらに小型化で普通のペンサイズ!)
ミヤギ(……なんて書けばいいんだべ?)
223:
まゆ「ご挨拶が終わったら、どこに行きましょうかぁ?」ニコニコ
トットリ「」ガクガクガクガク
ミヤギ(えーとえーと……娘っこだしそんな変なのにはデキねぇ……コレだべ!)
まゆ「あら?ミヤギさんその筆ペンは――」
ミヤギ「っ!」
『 鈴 虫 』
まゆ「……ちゅりりりりりりり……ちゅりりりりりりり……」
ミヤギ「ふゥ……」
トットリ「た、助かったっちゃよミヤギくん……」
225:
――CGプロダクション・事務所
G「……こっちだ」
ミヤギ「どぉもー、いつもリキッドとGがお世話になってるべ」
トットリ「これ、ボクらぁの地元のモンだっちゃ」
まゆ「……」
ちひろ「あら?わざわざありがとうございます?」
ちひろ(……なんであの子、額に鈴虫って書いてあるんだろ)
ちひろ「あの、そちらは――」
トットリ「鈴虫です」
ちひろ「え?」
トットリ「鈴虫です」
まゆ「……ちゅりりりりりりりり……ちゅりりりりりりり……」
ちひろ(あ、コレ考えたらダメなヤツだ)
226:
ミヤギ「い、いやー、でも随分いい環境で仕事してるんだべなぁ」アッハッハ
G「……ん」
ちひろ(……流石に女の子の顔に落書きはどうかと思うのよね)フキフキ
まゆ「……」
まゆ「……」
まゆ「……」ニタァ
ちひろ「――!」ゾクッ
トットリ「シンタローに言って、ボクらぁもココで働かせてもらうがね?」
ミヤギ「あっはっは、それはなかなか――」
まゆ「ナイスアイデアですよぉ……うふ……」
トットリ「」
ミヤギ「」
まゆ「あらすごい鼻血。何を想像したの?」キャッキャッ
228:
G「……ちひろ」
ちひろ「え、えーっと、不味かった……ですか?」
ミヤギ「かなり……」
トットリ「いや相当……」
まゆ「……」
トットリ「っ!」ダッ
まゆ「うふ……待って下さぁい♪」ダッ
<バタン
G「……」
ちひろ「……」
ミヤギ「……」
G「……茶のおかわりを」ガタッ
ちひろ「あ、私淹れて来ますね」ガタッ
ミヤギ「すまんべなぁ」
G「……大丈夫なのか」
ミヤギ「出来れば関わりたぐね」トオイメ
トットリ「何で行く先行く先にいるんだっちゃか!?」タッタッタッ
まゆ「うふ……赤い糸で繋がってるからですよぉ……」タッタッタッ
第八話『ベストフレンド!』おしまい
233:
『インターミッション』
リキッド(さてと、早使うぜスケジュール帳)
リキッド(フツーに予定書いてきゃいいんだよな?)
リキッド(明日は服部瞳子が面接、と……)
<prrrrrrrrr
リキッド「お、メールだ」
>>+3
メールの送り主
1・未央
2・夕美
3・洋子
234:
未央
235:
3
236:
ちゃんみお
237:
リキッド(お、未央だ)
『今日も一日お疲れ様です!明日また、ゆかりちゃんと柚ちゃん連れて遊びに行くね!』
リキッド「あらま……また響子とフェイに手伝ってもらうか」
―― 一方その頃
トットリ「ハァッ……ハァッ……」タッタッタッ
まゆ「はぁっ……はぁっ……」タッタッタッ
茜「ペース落ちてますよ!ボンバアアアアアアアアアアアアアア!!」タッタッタッ
『インターミッション』おしまい
241:
第九話『わかさいもじゃない津軽!いもすけどん!』
――CGプロダクション・応接室
瞳子「――では、失礼致します」
<バタン
留美「……前の事務所が6年も燻ぶらせていたなんて、悲劇のアイドルね……」
G「……あぁ」
留美「一方コチラは、つい数週間前に築45年の事務所を取り壊し、事務所を改築」
留美「レッスン代は会社負担、女子寮(1?2LDKバストイレセパレート家具アリIHアリ)有り、昼夜二食付き……」
留美「一体どこから、こんなお金が出てきたのかしらね?」チラッ
G「……さぁな」ガタッ
留美「……アナタ達が何をしていたかは知らないけど……」
留美「……あの子達を裏切るようなマネは、絶対に許さないから」
G「……約束しよう」
<ガチャ
<バタン
留美「……」フゥ
留美( ち ょ う く ? る ? )キュンキュン
243:
――レッスンスタジオ
クラリス「は?る?の?うら?ら?の?♪」
リキッド「んーいい声してるねェ」
トレーナー「クラリスさんは、聖歌もお上手なんですよ」
リキッド「あァ、シスターなんだってなァ」
トレーナー「はい。それに、その……」
リキッド「あン?」
トレーナー「いえ、そちらの事務所に移ってから、声が柔らかくなったように感じます」
リキッド「……そっかァ」ニッ
トレーナー「はい♪」
マストレ「おぉ、リキッドくんか。キミもどうだ?(トレーニング)やらないか」
リキッド「汗臭くなるんで遠慮しときまっス」
244:
<ギャーギャー
マストレ「む?」
リキッド「あン?」
トレーナー「随分騒がしいですね?」
クラリス「あの、この声、聞き覚えが……」
――レッスンスタジオ・ロビー
マストレ「何の騒ぎだ?」
ベテトレ「あ、姉さん。この子が……」
???「む?っ!ちゃんと話聞いてよっ!!」
クラリス「やっぱり、莉嘉さんでしたか」
莉嘉「あっ!クラリスさん☆」
リキッド「なんだァ、知り合いか?」
クラリス「……はい」
莉嘉「クラリスさんなら、アタシの話聞いてくれるよね?ね!?」
245:
クラリス「それよりも莉嘉さん、学校はどうされたのです?」
莉嘉「それどころじゃないのっ!お姉ちゃんが――っ!」
――車中
リキッド「話は分かったけどよゥ、オレ達が行ってどうするんだよ?」
クラリス「お話を聞くだけでも、随分楽になるはずです」
クラリス「一人きりで抱え込むには、彼女には大き過ぎますから……」
リキッド「前の事務所の売れっ子アイドルかぁ……確かに、背負うにはでか過ぎる看板だな」
莉嘉「……お姉ちゃん……」
リキッド(オレのせいだよなぁ……うっし)
リキッド「ちょっと寄り道すんぞ」
クラリス「え?」
246:
――城ヶ崎家
莉嘉「お姉ちゃん!クラリスさんが遊びに来てくれたよ☆」
美嘉「く、クラリスさん!?ごめんなさい莉嘉がメーワク掛けちゃって……」
美嘉「ってゆーか莉嘉!アンタ学校は!?」
莉嘉「お姉ちゃんの為に休んだ!」フンス
美嘉「……バカッ。アタシは大丈夫だって言ったでしょ?」
莉嘉「だってそう見えないんだもん!」
美嘉「ハイハイ、折角来てもらったんだし、お茶くらい出しますよ――」
美嘉「ところで、後ろの二人は?」
247:
美嘉「へぇ、プロデューサーさんと事務員さんでしたか」
リキッド「あァ、よろしくな」
ミヤギ「よろしくだべ」
ミヤギ「なァリキッドよォ」ヒソヒソ
リキッド「あン?」ヒソヒソ
ミヤギ「なしてオラが事務員で、こんなトコに連れて来られてるんだべさ?」ヒソヒソ
リキッド「イヤ何、ちょ?っと手伝って欲しかったのヨ」ヒソヒソ
美嘉(アヤシイなぁ……)
クラリス「あの、美嘉さん?」
美嘉「ん?」
クラリス「莉嘉さんから、何か悩んでいるとお聞きしましたが?」
美嘉「ソレは……莉嘉の考え過ぎってヤツですよ」
莉嘉「そんな事ないもん!お姉ちゃん、アイドル辞めてから元気ないもん!」
莉嘉「アタシ、元気の無いお姉ちゃんなんて見てらんない!」
248:
美嘉「……莉嘉……あのね、アタシは別に、アイドル続けたいってワケじゃないの」
莉嘉「ウソだ!」
美嘉「ホント。確かに楽しかったけどさ……もう、いいかなって」
クラリス「……美嘉さん……本当に、よろしいのですか?」
莉嘉「お姉ちゃん……」グスッ
美嘉「ウン、ホント……ホントだから、気にしないで。気にしないで下さい……」
ミヤギ「オイオイ……」
リキッド「……そォか」
美嘉「プロデューサーさんも、妹がご迷惑をお掛けしました」ペコリ
リキッド「……じゃあ本人に直接聞くか」
美嘉「……へ?」
リキッド「うし、ミヤギィ」
ミヤギ「クラリスちゃん、ちょっとゴメンだヨ」バッ
『 城 ヶ 崎 美 嘉 』
クラリス「……」
クラリス「あれ?なんでアタシ、そんな泣きそうな顔してんのさ?」
美嘉「!?」
莉嘉「!?」
249:
リキッド「達筆だネェ」ウンウン
ミヤギ「当然だべ」フッ
美嘉「いやいやいやいや!?どゆこと!?」
莉嘉「くらりすさんがおねーちゃん?」
リキッド「なんかよォ、アイドル続けたくないんだとよ、向こうのオマエさん」
クラリス「えぇー?何言ってんのさ。アタシは夢を諦めないよ?」
美嘉「く、クラリスさん、変な冗談は――」
クラリス「冗談じゃないよ。アタシはトップアイドルになる!」
美嘉「」
クラリス「トップアイドルになって、莉嘉との約束を果たすんだよ★」
莉嘉「約束って……?もしかして……」
クラリス「うんっ!一緒のステージに立つんでしょ?」
莉嘉「……お姉ちゃん……!」パァッ
美嘉「な、なんでクラリスさんがその事を……」
クラリス「アタシは城ヶ崎美嘉!アンタもアタシなら、途中でヘコタレるんじゃないよっ★」ビシッ
美嘉「!」
253:
リキッド「はァいお?しま?い」フキフキ
クラリス「……」
クラリス「……あら?」
ミヤギ「リキッドよォ、オラのコレは見世物じゃねェだよ」
リキッド「はいはい……んでよォ、どうすんだ?」
美嘉「……アタシは……」
莉嘉「お姉ちゃん……」
リキッド「決めるならさっさとしてくれヨ?帰ってメシ作らなきゃなんねーからよ」
リキッド「来るなら姉妹まとめて、面倒見てやるよォ」
クラリス「……あの、何があったんでしょう?」
ミヤギ「サァ?」
254:
――CGプロダクション・食堂
未央「へ?ぇ、仲間が増えるのはいい事だよね?」モグモグ
リキッド「オゥよ。ま、今回はミヤギのヤツに感謝だな」モグモグ
ミヤギ「一応オラの方が先輩だべよ?」モグモグ
リキッド「はいはい、感謝してますよォ先輩。おかわりいります?」
ミヤギ「頼むべ」スッ
柚「いやーやっぱここのご飯美味しいなぁ。アタシもココに住みたい!」
穂乃香「ふふっ♪それじゃ、柚ちゃんもアイドルにならないとね?」ニコニコ
ゆかり「あの……わ、私、アイドルやってみたいんですけど……?」
未央「」ブーッ
リキッド「お?、ゆかりもか」
255:
未央「え!?い、いいのゆかりちゃん!?」
ゆかり「うん……わ、私も、未央ちゃんみたいな……人を笑顔にするアイドルになりたいなって……思って」
柚「フルートはいいの?」モグモグ
ゆかり「ん……実はね、習い事よりも、やりたい事が出来たってお父さんに相談してみたんだ」
ゆかり「そしたら――」
???
『そうか。何をしたいか教えてくれるか?』
『……アイドルか……未央ちゃんの影響か?』
『……』
『よ?しパパゆかりのファン一号になっちゃうぞ?』
???
ゆかり「――って」
未央(お父さん――!)
ゆかり「そういう訳ですので、その、お願いできますか?」
リキッド「おゥ、大歓迎だぜ」ニッ
柚「あ、じゃあアタシも」ハイ
リキッド「じゃあってなんだよ、じゃあって……あぁおかわり?」
柚「両方!」
第九話『わかさいもじゃない津軽!いもすけどん!』おしまい
267:
『インターミッション』
――CGプロダクション・事務所
G「……」
瞳子「プロデューサーさん……あの、少しいいかしら?」
G「……どうした?」
瞳子「プロデューサーさんは、努力しても実らなかったこと、ある?」
G「……」
瞳子「……ごめんなさい、失言だったわ」
G「……構わん」
G「……実らん努力など無い」
G「実らなかったと思うのは、努力出来なくなったからだ」
瞳子「……そう、かもしれないわね……」
G「……気を悪くしたらすまん」
瞳子「いえ、大丈夫。アナタとは上手くやっていけそうだわ」
G「……そうか」
G「……ところで、これは何て読むんだ?」
瞳子「どれかしら?」
『鰌』
瞳子「読めるか!」
269:
――夜・CGプロダクション事務所
リキッド「さァて手帳手帳っと……」
リキッド(あァ?いいなァ?この白紙を埋めていく感覚ゥ)カリカリ
リキッド(端末に入力するのが味気なく感じてきたゼ……やっぱ手を動かすと違うモンなのかね?)カリカリ
リキッド(明日は……)
>>+3
1・幸子、洋子のレッスンチェック
2・菲菲、かな子の宣材写真撮影
3・志乃、地方営業から帰還
270:
どじょうの漢字始めて見た
271:
3!!
272:

273:
リキッド「うげ……」
リキッド(ドッチも苦手なんだよなァ)
リキッド(ケど幸子はGの事怖がってるし、洋子も苦手みてェだし……)
<prrrrrrrrr
リキッド(メール……Gからか。珍しい)
『鰌 何て読むんだ?』
リキッド「……」ポチポチ
『じゃあオマエそれどうやって入力したんだよ』
『インターミッション』おしまい
278:
第十話『富士の国だよ!やったね山梨』
――CGプロダクション・事務所
G「……」
ちひろ「おはようございます。何読んで……あぁ、プロデュース関係の本ですか」パラパラ
ちひろ「勉強熱心なんですね」ニコッ
G「……ああ」
G「一応、プロデューサーだからな」
ちひろ「ふふっ、期待してますよ?」
リキッド「ぐぎぎぎぎぎ……」パラパラ
<ガチャ
クラリス「おはようございます」
ちひろ「おはよークラリスさん」
リキッド「おはよーゥ。どした?」
クラリス「ええ、ご報告したい事が御座いまして――」
279:
リキッド「ヘェ、多額の寄付ねェ……」
クラリス「はい。教会の立て直しに充分な額で御座います」
G「……」
ちひろ「よかったじゃないですかー♪……あ、じゃあ……」
クラリス「……ええ、私が教会を救う為にアイドル活動をしていたのは、前にお話ししたとおり……」
G「……ああ」
リキッド「……そうだったナァ……」
クラリス「はい……しかし、私はもっと歌う喜びを感じていたい……早く皆に歌を届けたい……」
クラリス「清貧を善しとする私が、このような欲を出すのは我侭かもしれません……」
クラリス「ですが、お願いで御座います。私に、アイドルを続けさせて頂けませんでしょうか?」
リキッド「……」
G「……」
リキッド「……ヘッ」
G「……ふん」
280:
リキッド「そーンなワガママならいっくらでも聞いてやンよォ」
G「……ああ」
クラリス「……あぁ……ありがとうございます……貴方がたとの出逢いには、感謝してもしきれません……」グスッ
クラリス「改めまして、よろしくお願い致しますね、皆様」ニコリ
ちひろ「ええ、よろしくね」ニコニコ
リキッド「あァ、よろしくな」
G「……ふ」
リキッド「なぁ、寄付ってGがやったのか?」ヒソヒソ
G「……お前じゃないのか」ヒソヒソ
――南アフリカ某所
ハーレム「なァ?んでオレがこんなトコで井戸掘りしなきゃなんねェんだヨォ!!」ザックザック
マジック「シンちゃんの命令だぞ。文句言うんじゃありません」ザックザック
ハーレム「しかも兄貴と一緒とかよォ……最悪だゼ」ザックザック
マジック「リキッド達の事でシンちゃんげきオコスティックファイナリアリティぷんぷんドリームでな」ザックザック
マジック「老後金の半分を、全世界に寄付という形でバラ撒かれたんだぞ!」
マジック「あの中には『シンちゃんと家族水入らず☆世界一周旅行』の費用も入っていたというのに!」
ハーレム「知るかよ!」
284:
――レッスン場・午後
マストレ「(前略)やらないか」
リキッド「スイマセンねェ毎度」
トレーナー「いえいえ、アイドル達の実力を目にしておくのも、プロデューサーとして大事な事ですよ?」
マストレ「なぁオイ、無視はよくないぞ」
洋子「そうですよリキッドさん。ちょっと一緒に運動しましょうよー」
幸子「ボクは見ていてあげますから、存分にダンスレッスンに励んで下さいね!」
ルキトレ「はいはい、さっちゃんはコッチねー」ズルズルズル
幸子「ちょ!引きずらないで下さいよ!」バタバタ
リキッド「あー……拒否権なさゲ?」
洋子「はい♪」ニッコリ
285:
リキッド「しっかし、オレダンスなんかした事ねーぞ?」
洋子「大丈夫ですよ。私達もそうでしたから」
リキッド「……それもそォか」
トレーナー「ハイ、じゃあまず私が手本を見せますから――」
――数時間後
リキッド「うェ?……疲れた?……」ハァハァ
洋子「お疲れ様です!コレどうぞ」ハァハァ
リキッド「さんきゅー」ゴクゴク
トレーナー「……スゴイですね、プロデューサーさん」
マストレ「うむ。あっという間に洋子に追いついたな」
リキッド「毎回こんなレッスンしてんのかよォ?……スゲェな……」
洋子「はい♪アイドルは体力勝負なんですよ」
リキッド「ふへぇ?……ワリィ、ナメてたわ」
洋子「いーですよ。それで、どうです?」
リキッド「あァ?」
洋子「お勉強のストレスは、発散できましたか?」ニッ
リキッド「……あァ、おかげさんでナ」ニッ
286:
ルキトレ「あ、コッチも終わったんですね」
幸子「ふふふ……どうしたんですかプロデューサーさん?息上がっちゃってますよ?」ハァハァ
リキッド「お前が言うな」
幸子「ふふーん、こ、これくらいボクにはどうって事ありませんよ」ハァハァ
マストレ「ワンモアセッ」
幸子「ウソですゴメンナサイ調子乗りました」
リキッド「二人とも終わったんなら帰るぞー……あ、シャワールームって男用あンの?」
トレーナー「ありますよ?」
リキッド「おー、ありがてェ」
――車内
幸子「……」
洋子「どうしたの幸子ちゃん?」
幸子「ふぁっ!?な、なんですか!?」
洋子「いや、さっきまであんなに元気だったのになーって思って」
幸子「そ、そうですか!?ボクはいつでも元気ですよ!?」
リキッド「あァ、事務所にゃコワ?イGクンがいるから帰りたくないってか」
洋子「あ、そうなんですか?」
幸子「そ、そんなワケないじゃないですか!」
287:
洋子「まぁ、確かに見た目はコワイもんね……」
幸子「洋子さんもそう思いますよね!?」
洋子「あ、やっぱりそう思ってたんだ」
幸子「うっ……」
洋子「でも優しい人だよ?デスクはスゴイ事になってるけど……」
幸子「デスク……ですか?」
リキッド「あ、見た事無ェのか。じゃあ幸子、ちょ?っと頼まれてくれねぇか?」
――CGプロダクション・事務所
幸子「ままままったくぼぼぼボクに頼みごとなんてっせせんいや百年早いんですよ!」ガクガクガクガク
幸子「よよ洋子さん代わって上げてもいいですよ!ボクは優しいので!」ガクガクガクガク
リキッド「やかましィ」
288:
<ガチャ
幸子「」ガクガクガクガク
ちひろ「あ、幸子ちゃんおかえりー……大丈夫?」
幸子「だっだっだだ大丈夫です!」
幸子「あああああの、Gさん!」
G「……?」
幸子(スゴイ量のクマグッズ――!?)
幸子「コレ!どどどうぞ!」スッ
ちひろ「あら……ダッ○ィーの手帳?」
幸子「はっ、はいっ!」
G「……」
幸子「……」ビクビク
G「……幸子」
幸子「はいっ!?」(裏声)
G「……ありがとう」
G「……大事に使わせてもらうぞ」
幸子「」ポカーン
ちひろ(あ、これリキッドさんだなー?)ニヤニヤ
289:
――数日後・CGプロダクション・事務所
幸子「おはようございます!さぁGさん、今日はボクの付き添いですよ!光栄に思って下さいね!」
G「……ああ」
リキッド「ちょ?っと甘やかし過ぎじゃね?」
ちひろ「いや?アレはアレで可愛いじゃないですか♪」
みく「リキッドチャンが厳しいんだと思うなー」
リキッド「んー……そういうモンかねェ?」
第十話『富士の国だよ!やったね山梨』おしまい
291:
寝る
>>+5
1・響子、かな子の宣材写真撮影
2・志乃、地方営業から帰還
3・みくと行くネコカフェ
296:

301:
第十一話『まぁまぁ猫どうぞ』
――CGプロダクション・事務所
リキッド・ちひろ「「猫カフェ?」」
みく「うん!」
みく「リッチャン!今日のスケジュールは!」
リキッド「え?っとォ、午前中は送迎だろォ」
リキッド「午後からは……メシの買出しくらいか」
ちひろ「営業はいいんですか営業は」
リキッド「あァ、当たれるトコは当たって、全部先方からの連絡待ち」
ちひろ「 oh 」
みく「じゃあ午後からヒマでしょ?ね?付き合って欲しいにゃあ??」
リキッド「ん?……」
みく「Gチャンは穂乃香チャン達とお仕事だし、ね?」
リキッド「……しょーがねェな」
ちひろ「私も行きたいです!」ハイ
みく「あ、ちひろさんはいいです」
ちひろ「え、ひどくない?」
303:
――猫カフェ
リキッド「へ?ェ、こんなトコにあったのか」
みく「ふふーん♪みくのお気に入りなの♪」
リキッド「そんなトコにオレ連れて来ていいのかヨ?」
みく「リッチャンが動物好きだって事はリサーチ済みにゃ♪」
リキッド「まぁ、あのデスクだもんなァ……」
みく「うん♪さぁ、たっくさんネコチャン達と戯れるといいにゃ!」
<ガチャ
店員「お客様!猫ちゃんにメガネ掛けるのはやめて下さい!」
?「なんでですか!猫ちゃんは可愛い!可愛いは正義!眼鏡も正義!よって眼鏡も可愛いんですよ!」
?「眼鏡をかけた猫ちゃんは!可愛いと正義が合わさって最強なんですよ!」
<バタン
リキッド「帰るゾ」
みく「はーい」
<ガチャ
?「何で帰るんですか!?」
306:
みく「だ?か?ら?……みk……クミはこのメガネが気に入ってるの?……」グググ
?「何でですか!?何でそんな似合わない眼鏡掛けてるんですかクミさん!」グググ
リキッド(どォしてこうなった……)
ネコ「にゃ?」(闇に飲まれよ!)
リキッド「オ、か?わい?い?♪」ナデナデ
ネコ「にゃ?」(フハハ!我が『魅惑の眼』の虜となったか!)
みく「助けてよリッチャン!」
リキッド「なんだよゥ、邪魔しないで下さいますゥ前田クミさん?」ナデナデ
みく(変装なんかするんじゃなかった――!)
?「あ……」
リキッド「?」
?「……いや……そんなハズ……でも……」
みく(まさか……みくの正体がバレたとか?)
みく(ふふ?、アイドルは辛いにゃあ?♪)ニヨニヨ
?「あの、アタシ、上条春菜っていいます」ペコリ
リキッド「あ、ハァ、どうも」ペコリ
春菜「大変言い難いんですけど、その……アナタ、信じられないくらい眼鏡が似合わない顔してますね」
リキッド「あァ?」
311:
みく「ふふ……万年最下位はダテじゃないよ……目指せアイドル界の地雷伍長……」ブツブツ
ネコ「にゃ?」(よ、世に知らしめるのも悪くないわ!)
リキッド「そりゃあどうもォ、生まれてこの方眼鏡なんかしたことネェもんでなァ」(猫じゃらしで遊んでいます)
ネコ「ッ!ッ!」タシッ タシッ
春菜「大丈夫ですよ。そんなアナタにも似合う眼鏡は必ずありますから」
リキッド「必要ないんでいいですゥ」(猫じゃらしで遊んでいます)
ネコ「ッ!ッ!」タシッ タシッ
春菜「まぁまぁそう言わずに。似合う眼鏡を見つけましょう。見つけます。必ず」グッ
春菜「このままじゃ私の気が治まりません!」
リキッド「ハイハイじゃあ見付かったら連絡下さいねェ」ピラッ
春菜「はい!必ず連絡しますからね!待っていて下さい!」ダッ
みく「……連絡先あげちゃったの?」
リキッド「アラシヤマのな」ナデナデ
ネコ「フハハ!もっと撫でるがよいわ!」(にゃ?)
319:
――CGプロダクション・事務所
<ガチャ
G「……戻ったぞ」
穂乃香「ただいま帰りましたー」
留美「ただいっくしゅん!」
リキッド「あァ?」
みく「?」
留美「ごめんなっくしゅん!」
留美「なんでもなっくしゅん!」
留美「あ゛ぁー」ズズーッ
みく「大丈夫?」
穂乃香「あの、風邪かもしれませんよ?」
ちひろ「……あ、留美さんって猫アレルギー持ちでしたよね?」
留美「ええっくしゅん!」
留美「あ゛ぁー」ズズーッ
みく「……その、ゴメンなさい……」
リキッド「ワリィ……」
留美「あ゛ぁー」ズズーッ
留美「あ゛ぁー」ズズーッ
第十一話『まぁまぁ猫どうぞ』おしまい
326:
『インターミッション』
――京都・電車内
アラシヤマ「あぁ……さようなら京都タワー……」
周子「あはは……あのさ、わざわざ付き合ってくれて、ありがとね」
アラシヤマ「へ?あぁ、ええんどすよ、そんな気遣いせんでも」
アラシヤマ「それに――」
周子「こんな『べっぴんはん』放っておけないって?」
アラシヤマ「それは忘れておくれやす言いましたやんか!」
アラシヤマ「……ほんで、ちゃーんと親御さんと話し合えたんでっか?」
周子「うん……ちゃんと自分の気持ちも、家の事も、ケジメ付けて来た」
周子「今度は、アイドルになる為に家を出てきたよ」
アラシヤマ「そうでっかァ……」
周子「うん……それより、さ」
周子「さっきからスゴイ勢いでケータイが震えてるけど?」
アラシヤマ「こないだから、知らん人からメガネの画像だけ送られてきとるんですわ」
周子「なにそれこわい」
『インターミッション』おしまい
329:
第十二話『二度目の山梨!おいでよぶどうの丘!』
――CGプロダクション・事務所
<ガチャ
志乃「おはようございます……柊志乃、地方営業から戻ったわ」
ちひろ「おかえりなさーい!」
リキッド「あァ、お疲れサマ」
G「……ん」
志乃「お二人がプロデューサーさんね。初めまして、よろしく」
志乃「ホントに改築されてたのね。三回くらいこの前を通り過ぎちゃったわ」
ちひろ「私も初めて見た時は信じられなかったです……」
志乃「そういえば、前の女子寮に保管しておいたワインはどこに行ったのかしら?」
リキッド「あァ、それなら――」
330:
――CGプロダクション・地下・ワインセラー
リキッド「知り合いのワイン好きの勧めで、ワインセラーを作っといた」
ちひろ「こ、こんなモノまで……」
志乃「いいわね。中庭から入れるのも風情があっていいわ」
志乃「……カウンターとテーブルが欲しいわね」
リキッド「オイオイ、バーでも開くつもりかァ?」
志乃「ええ。ステキだと思わない?」
リキッド「ココじゃ無理だな」
ちひろ「そうですよ、ココはアイドル事務所なんですから――」
リキッド「向こうの空きスペース使って……あ、水廻り持って来ないとナ」
G「……2日ほどか」
志乃「話が早いわね」
ちひろ「ええいこの酒好きさん達め!」
331:
ちひろ「もうっ。そろそろ上に戻りましょうよー」
志乃「ええ。いい物を見せてもらえたわ……あら?こっちの部屋は?」
リキッド「あぁ、そっちは工事中だ」
志乃「何が出来るのかしら?」
リキッド「それはまァ……出来てからのお楽しみってなァ」
志乃「そう……じゃあ楽しみにしておくわ」
ちひろ「早く行きますよー!」
<ガヤガヤ
トットリ「……行ったか」
トットリ(ここで匿われてもう一週間か……あとは荷物にでも潜んで国外へ――)
<ガタッ
トットリ「……!」→
トットリ「……!」←
トットリ「……!」↑
<カラーン
まゆ「みーつけた♪」
トットリ「通気口かぁ……よく通れたっちゃねー……」
まゆ「はい♪身体が小さいですからぁ♪」スタッ
トットリ「っ!」ダッ
まゆ「あぁんもう♪照れ屋さんなんですからぁ……」
まゆ「でもそんな所も大好き!」ダッ
第十二話『二度目の山梨!おいでよぶどうの丘!』おしまい
338:
第十三話『世界レベル登場!』
――CGプロダクション・事務所
リキッド「――オレは凛連れて営業で」
G「……フェイとかな子の撮影だ」
ちひろ「私おるすばーん」クルクルクルクル
リキッド「どうしたちひろォ?事務椅子で回ると酔うぞ?」
ちひろ「だってー、最近事務仕事減ってきてるんですもーん」クルクルクルクル
リキッド「いいじゃねェか。後々忙しくなるまで温存しとけ」
ちひろ「はーい」クルクルクルクル
ちひろ「……」ピタッ
ちひろ「……気分悪いです……」ウェー
リキッド「だから言ったでしょオ!?」
G「……」(背中をさする音)
340:
――レッスン場
トレーナー「はいOK!ヘレンさん、少し休憩にしましょう」
ヘレン「そうね……LIVEバトル前だしね」
<ガチャ
リキッド「ちわーッす」
凛「こんにちわー」
ヘレン「……へーえ……ねぇ、今度の相手はあの子よ」
トレーナー「え?そうだったんですか?」
マストレ「やらないか」
リキッド「やかましいわ」
リキッド「よォっし凛、よく見とけェ」
凛「うん……」
ヘレン「あら、私の実力を見に来たのかしら?」
ヘレン「いいわ、特別に見せてあげる……その目に焼き付けなさい!」
リキッド「アレがキタガ・ワッケンジーだ」
凛「へー」
リキッド「で、横のがニーヌ・マッケンジー」
凛「へー」
ヘレン「なんでポスターの解説してるのよ!私を見に来たんでしょ!?」
341:
リキッド「あぁヘレンさん。こんにちわァ」
凛「こんにちわ」
ヘレン「し、白々しいわね……」イラッ
リキッド「今度のLIVEバトルじゃ世話んなりますんデ、よろしくお願いしますね」
ヘレン「えぇ……まぁ、いいわ。その子もレッスンに来たんでしょ?」
凛「いや、私は違うよ?」
ヘレン「え?」
リキッド「よし凛よく見とけ。アレが世界レベルの痴女だ」
凛「アレが世界レベルの痴女だね」
ヘレン「ケンカ売ってんのかコラアァァァァァァァァ!!」
トレーナー「……プッ」
ヘレン「!?」
342:
リキッド「凛ちゃん的にどォなのあのカッコ?下着つけてんの?」
凛「着けてないね」
リキッド「痴女だな」
凛「痴女だね」
ヘレン「バッカにすんでねぇが!下着くれぇちゃんと着とるがぁ!」グッ
凛「うわ下着見せようとしてるよ」
リキッド「痴女だな」
凛「痴女だね」
ヘレン「んだよ!?オメェらケンカ売りに来たんだな!?そうなんだな!?」
トレーナー「ヘレンさん抑えて抑えて。訛りが出てますよ」
ヘレン「だってぇ……だってぇアイツらがぁ……」エグエグ
347:
リキッド「……って感じに弄ると面白いってウチの柊が言ってました」
ヘレン「アんのブドウの妖精めェ……一度ならず二度までもオラの事バカにしてぇ……」
凛(なにやってんのあの人――!)
リキッド「いやぁスイマセン。悪乗りが過ぎちゃいました」
ヘレン「帰ったらキツく言っておいて頂戴……」
リキッド「モチロン。それで、サイン貰っていいですかね?」スッ
ヘレン「!」
ヘレン「あ、あら、アナタの担当アイドルの目の前よ?」フフ
リキッド「あ、欲しいのは超人ネイガーのサインでして」
――レッスン場前
リキッド「イヤー遊んだ遊んだ」
凛「ブチ切れてたね……コレって意味あったの?」
リキッド「サァ?まぁ、志乃さんからの勧めで来ただけだし」
凛「はぁ……まったく」
リキッド「さ、営業行くゼー」
352:
――スタジオ
G「……」
菲菲「Gサンお待たせしたダヨー!」
かな子「お、お待たせしました……」
かな子(ん?ジーサン?って呼んでいいのかな……)
G「……ん」
G「……帰るぞ」
かな子「あ、はいっ!」
菲菲「また来るネー!あの衣装カッチョヨクて気に入ったヨ!」
かな子「拳法!って感じで似合ってたよー」
菲菲「ありがとかな子!かな子も似合ってたヨ!」
かな子「そ、そうかな……?」
かな子「ど、どうでしたか?」
G「……似合っていたぞ」
かな子「!……そ、そっか……えへへ……」
353:
――駐車場
菲菲「帰ったらゴハンの用意ダネー!菲菲も手伝うヨ!」
かな子「あ、私も手伝います!」ハイ
G「……頼む」
G「……!」
G「少し待っていろ」ダッ
かな子「え?」
菲菲「行っちゃったネー?」
かな子「どうしたんだろ?」
G「……」タッタッタッ
???
ちひろ「アイドルのスカウトは直感が大事、だそうですよ」
ちひろ「可愛さでも、綺麗さでも、インパクトでもどれでもいいから」
ちひろ「ピンと来たらスカウトする、って社長は言ってましたね」
???
G(俺の直感……)
G「……ッ!」バッ
G「少しいいか?」
?「にょわ?」
356:
――某出版社・駐車場
凛「あとはこの一件でおしまい?」
リキッド「あァ――」
凛「じゃあ、早く行こ」
リキッド「あ、凛はココで待っててくれ」
凛「え?」
リキッド「すぐ済む話だしヨ。ワリィな」ガチャ
凛「あ、ちょ……行っちゃった」
凛(車に置き去りなんて、何考えてんだか……)
<コンコン
凛「!?」ビクッ
?「あぁ、驚かせてすまないね。私はこういう者なんだが」スッ
凛「木場……真奈美さん……?」
真奈美「ああ。キミは渋谷凛……ちゃんだったかな」
真奈美「少し話を聞いてくれないか」
357:
――――
――
凛「――そ、そんな事急に言われても……」
真奈美「私も迫られた一人なんだ」
凛「っ!」
真奈美「まぁ、私の場合はすぐに逃げ出したけどね……仕事は失ったが」
凛「……」
真奈美「でも、ヘンだな」
凛「……何が?」
真奈美「こういう場合はアイドルも一緒に連れて行くのが『ならわし』みたいなもんだ」
真奈美「……キミのプロデューサーはどうして……」
凛(急にま、枕営業とか言い出したかと思ったら今度は黙っちゃった……っていうか枕ってマジ?)
真奈美「……もしかしたら、信用できるかもしれないね」
凛「あの、さっきから何なんですか?」
真奈美「イヤ、すまない。私の思い違いだったのかも知れない」
真奈美「ただ、これだけは覚えておいてくれ。この会社は、枕営業を強いてくる」
真奈美「それだけだ。じゃあ、また」スタスタ
凛「……」ギュッ
358:
――某出版社・社長室
社長「――ああ、そちらのアイドル達はプッシュさせてもらおう」
社長「その代わり……解ってるだろうな?」
リキッド「……ええ、今夜八時、こちらまで。鍵も置いておきますんで」
社長「はっ!本人を連れてこなかった割には、用意がいいな」
社長「分かった。下がってくれ」
リキッド「ハイ、失礼しまッス」
<バタン
リキッド「……あぁ、ジョッカー?用意出来てる?」
359:
――某出版社・駐車場
リキッド「いや?ワリィワリィ、待たせたな!」
凛「ッ!」
凛「……何の話してたの?」
リキッド「ん??オシゴトのハナシ」
凛「……ま、枕営業の話?」ギュッ
リキッド「あァ?」
凛「っ!」ビクッ
リキッド「……誰から吹き込まれた?」
凛「さ、さっき……木場、いや、言えない!」
リキッド「へェ……バレちまったかァ?」
凛「……最ッ低」
リキッド「へ?」
凛「ホント最低!いい人だと思ってたのに!」
凛「降ろして!もう帰る!」
リキッド「あ?、凛?なんか勘違いしてねェか?」
凛「言い訳なら聞かないからね!降ろしてよ!」
リキッド「……う?ん……しかたネェな……」
360:
――某ホテルの一室
凛「……その、ごめんなさい」
リキッド「いやーこれはオレが悪かった!」
ジョッカー「まったく、秘密主義は誤解されるっぺよ」
凛「ところで、その、その人は?」
ジョッカー「あぁ、オラは津軽ジョッカー。女形だっぺ」
凛「おやま?」
リキッド「あぁ、歌舞伎とかで女性の役をやるオトコの事だよ」
凛「へー……え?」
リキッド「あの腐れヤロウに天誅を下してやるってな」
ジョッカー「あぁ、一曲やらせてもらうっぺ」
361:
――――
――
<ガチャ
ジョッカー「お待ちしておりました」ペコリ
社長「おぉ……上玉じゃないか」ニヤニヤ
社長「さ、それじゃ早――」
ジョッカー「お待ち下さい。その前に私の三味線、聞いて下さいませ」ニコリ
社長「……おう、ホテルの一室では風情が無いが、いいだろう」
ジョッカー「はい。では、失礼致します」チラッ
社長(裾が……)ゴクリ
ジョッカー「一曲殺らせてもらうっぺ」スッ
ベンッ
<あああああああああああああああああああああああああ
凛「!?」
リキッド「お、始まったか」
凛「悲鳴……だよね?大丈夫なの?」オロオロ
リキッド「正直オレ、アイツの技見たくねェんだよなァ……」トボトボ
リキッド「あ、凛は待って――」
凛「私も行く」ギュッ
リキッド「――知らねェぞっと……」
363:
<ガチャ
リキッド「うわ……」
リキッド(壁一面に蟲かよォ……気分悪ッ)
凛「あれ?何で壁がくろ……リキッドさん」
リキッド「ん?」
凛「北川謙二って実在のプロデューサーなんだって」フラッ
バタン
リキッド「あまりのショックに現実逃避して気絶したか」
ジョッカー「おぉ、リキッドさん。コイツどうすっぺ?」
社長「……ヒッ……ヒッ……」ガクガク
リキッド「おーおー、すっかりツルッパゲにされちゃってまァ……」
リキッド「んでェ、どーするよ?」
364:
――CGプロダクション・食堂
凛「ゴメンね、起きるまで待っててくれて」
リキッド「気にすんナ。でも移動中に寝るなんて、よっぽど疲れてんじゃねェのか?」
ちひろ「そうよ凛ちゃん、ちゃんとご飯食べて、しっかり休んでね?」
リキッド「そうだぞー。LIVEバトル前なんだから」
凛「う、うん……」
リキッド(記憶が一部飛んだか)ホッ
菲菲「ハイハーイ!CGプロ特製チャーハンダヨー!」
かな子「おかわりもありますからねー」
G「……」
リキッド「あン?何か嬉しそうじゃねーかGよォ」
G「……そうか」
リキッド「何かあったのか?」
G「……一人スカウトした」
リキッド「……マジかよ」
G「……あとは連絡待ちだ」フンス
365:
――数日後・CGプロダクション・事務所
ちひろ「……あ、あの出版社潰れちゃったんですね」
リキッド「どれどれェ……」ヒョイ
ちひろ「まぁ、色々と黒い噂が絶えない所でしたからね。当然の報いかもしれません」ウンウン
リキッド「マジか。仕事取りに行こうとしてたトコなんだけど……あっぶネ?」
ちひろ「ふふ、虫の知らせってヤツですかね?」
リキッド「かもなぁ」
<ピンポーン
ちひろ「あら、来客ですね……はいお待たせしました、どなたでしょうか?」
ちひろ「はい、はい……えぇと、キバ、マナミさんですか」チラッ
リキッド(キバ……あ、そーいやあん時凛が……)スクッ
ちひろ「はい、少々お待ち下さいねー」
<バタン
366:
真奈美「キミが渋谷くんのプロデューサーかな?初めまして」
リキッド「あァ、アンタが凛に吹き込んだのか」
真奈美「おや、察しがいいね。その通りだよ」
リキッド「何の用だ?」
真奈美「なぁに、ちょっと聞きたい事があってね」
真奈美「あの時キミは、渋谷くんを車で待たせていた。つまり『手土産』無しで挨拶に行ったワケだ」
リキッド「……あァ」
真奈美「ソコがどうしても気になってね。営業だったんだろう?」
リキッド「カンタンな話だ……ダチ売るなんて、出来る訳ねェじゃねェか」
真奈美「……ふっ」
リキッド「話はそんだけかァ?」
真奈美「いや、もう一つ出来たよ……」
真奈美「元スタジオボーカリストが一人ヒマしているんだが、雇わないか?」
第十三話『世界レベル登場!』おしまい
369:
『インターミッション』
――CGプロダクション・地下
リキッド「はいはい志乃サン、もう飲むのやめましょうネ?」グググググ
志乃「けち?。もっと飲む?」ググググググ
ヘレン「んだよぉ……秋田訛りの何がァ悪いんだァ……」zzz
留美「ムスビー……ウソをツけムスビー……」zzzz
真奈美「……ヒドイ光景だな」
G「……あぁ」
真奈美「それにしても、あのヘレンくんにすんなり勝ってしまうとはね」
真奈美「渋谷くんの素質もあるんだろうが……キミ達の指導がいいんだろうな」
G「……ん」
真奈美「私もアイドルをする事になったが……どんな指導をしてくれるんだろうね?」
真奈美「楽しみだよ」クスクス
G「マナミンビーム」
真奈美「それだけはやめてくれ」
『インターミッション』おしまい
377:
第十四話『宮崎銘菓!地味だぞかりんとう饅頭!』
――CGプロダクション・事務所
ちひろ「定時ですよ!全員集合!」ガタッ
<ガチャ
未央「ご飯と聞いて!」
柚「めーしめし♪」
リキッド「はーいハイハイ」
G「……ふ」
リキッド「ア、そういやよォ、今日一人帰ってくるんじゃなかったなかったっけ?」
ちひろ「友紀ちゃんならそろそろ帰ってくると思うんですけど……」ウーン
<ガチャ
友紀「ただいまー!」
ちひろ「おぉ、ピッタリ」
友紀「みんな久し振りだねー!あ、お二人がプロデューサーさんですか?」
リキッド「あァ、リキッドだ。ヨロシクな」
G「……Gだ」
友紀「はい!こちらこそよろしくお願いします!」
379:
リキッド「よォし、んじゃ気合入れてメシ作ッか」
未央「友紀さんお疲れパーティーだね!期待してるよー!」
柚「やたっ♪いい時に来れたかも♪」
友紀「え?いや、ご飯は部屋で――」
リキッド「まァそう言うなってェ。色々説明すッ事もあるしヨ」
ちひろ「そうですね。女子寮の一階が食堂になったんだよー?」ニコニコ
友紀(……や、やきう見たいけど断れない空気……)
380:
――CGプロダクション・食堂
留美「地方営業からアイドルが帰ってくる度に豪勢ね……」
志乃「早く帰って来いと急かすべきか、何も言わず楽しみを伸ばすか……迷うわね」
柚「?♪」モグモグ
友紀「……」ソワソワ
リキッド「――施設は大体そんな感じだァ……どォした?」
友紀「へっ?いや、な、何でもないですよー」アハハ
リキッド「ならいいんだけどヨ。まァ、しっかり食ってしっかり休んでくれ」
菲菲「おかわりもアルヨー!」
381:
――
友紀「あ、ご飯今日は部屋で――」
夕美「何言ってるんですか!ホラ行きますよ!」
友紀「あぁー……」
――
友紀「きょ、今日はご飯、部屋で食べるんで」
菲菲「なんでー?皆で食べた方が楽しいダヨー!」
友紀「あぁー……」
――
友紀「……ご飯、いらないです……」ズーン
真奈美「体調不良か?それなら尚更食べておくべきだ」
真奈美「行こう。リキッドくんに頼んで軽い物を作ってもらうといい」
友紀「あぁー……」
――――
――
382:
――数日後
友紀「……」ズーン
ちひろ「あれ?どうしたの友紀ちゃん、元気ないね?」
友紀「……ちひろさぁん……」
ちひろ「何かあったの?リキッドさん達も心配してたよ?」
友紀「……食堂の時間ずらせる様頼んでぇ……」
ちひろ「……はい?」
――
リキッド「あっはっは!そ?りゃ悪かったなァ!」
ちひろ「ご、ごめん……友紀ちゃん野球好きだもんね……」
リキッド「それくらい、すぐに言ってくれてよかったんだゼ?」
友紀「だってぇー……作ってもらってる上に美味しかったんだもん……」
リキッド「気にしなくていんだよォンなコトよォ」ワシワシ
友紀「あわ……こ、子ども扱いしないでよー!」
383:
――数日後
ちひろ「いやー、友紀ちゃんすっかり元気になりましたね」
リキッド「あァ、いい顔するようになった」ウン
ちひろ「でも、食堂にテレビ置けば解決出来たんじゃないですか?」
リキッド「……ちひろよォ……」
ちひろ「はい?」
リキッド「テレビを見ながら食事しちゃイケマセンって教わらなかった?」
ちひろ「子供か!」
リキッド「バッカ!未成年の子だっているんだぞォ!?」
リキッド「変な風に育ったらどうすんだよ!」
ちひろ「親か!親バカか!」
第十四話『宮崎銘菓!地味だぞかりんとう饅頭!』 おしまい
391:
第十五話『安倍川メガネ』
――猫カフェ
ネコ「にゃ?」(フハハハハ!我を誑かすなど笑止千万!)タシッ タシッ
リキッド「そォ?れそれ♪」ヒュンヒュン
ネコ「っ!っ!」(我が遊ばれているのではない!お前が我に遊ばれておるのだ!フハハハハハ!)タシッ タシッ
みく「むぅ……素晴らしいネコじゃらし捌き……」ウズウズ
みく「みくも混ぜるにゃー!」バッ
リキッド「あ、邪魔しないで貰えますか?」
みく「オゥツメタイ!!」
ネコ「にゃあ?」(む、おい、手を止めるで無い)チョイチョイ
392:
みく「あんまりだにゃあ……今度からスシ( cold fish )って呼んでやる……」メソメソ
リキッド「あ?ワリィワリィ、なかなか来る機会が出来ないモンだからよ」
みく「ふんだ!知らないっ!」プィッ
リキッド「それにそのォ、アレだろ、アレ」
みく「なに」
リキッド「あーもー!んなカッコでじゃれつかれたら!目のやり場に困るでしょォが!」
みく「!」
みく「へ?え」ニヤ
みく「そ?んな事考えてたんだにゃあ??リッチャンはやらしいにゃあ?」ニヤニヤ
リキッド「あークソッ!はいそうですよォ!」
<ガチャ
春菜「……っ!」キョロキョロ
春菜「いた!」
リキッド「お?」
ネコ「うわ出た」(にゃ?)
395:
春菜「ずっとメールを無視していた事は、この際不問にしてあげます」
リキッド(アラシヤマにずっとメールしてたのかコイツ)
春菜「アナタに似合うメガネが……コレだけだったんです……」スッ
『 鼻 眼 鏡 @パーティーグッズ』
リキッド「……」
みく「……」
ネコ「……」
春菜「コレしかっ……コレしかっ……!」ガクン
春菜「ごめんなさいっ……グスッ……ごめんなさいっ!」シクシク
春菜「私の……負けですっ……」
リキッド「え?勝ち負けだったの?」
みく「っていうかリッチャンに似合うメガネが鼻眼鏡だけって……」
リキッド「うわ地味に傷つくわソレ」
396:
春菜「日本中のメガネ屋さんを巡っても……見付からないなんてっ」ヒック ヒック
春菜「何なんですか……何なんですかあああああ!うわああああああああん!」
リキッド「オマエが何なんだよ」
みく「ま、まぁ、日本中巡った行動力はすごいと思うよ?」
春菜「それでもアタシはっ……その人に似合うメガネを見付けられなかったんですっ……!」
春菜「アタシはっ……メガリストになれないっ……!」
リキッド「なんだメガリストって……」
みく「頭痛くなってきた……」
リキッド「っつーかよォ、そんだけメガネメガネ言うのに、それに似合う服は選ばねェのかよ」
春菜「……え?」
みく「あ、素のセンスなんだその服」
リキッド「いっくらイイメガネしててもよォ、服がダサけりゃキマらないだろォがよ」ハァ
春菜「……ちょっと何言ってるか解んないです」
リキッド「あァ!?」
397:
――CGプロダクション・事務所
リキッド「ちひろォ!みくと一緒にコイツに適当な衣装見繕ってやってくれ!」
ちひろ「あら、アイドル志望の子ですか?」
みく「説明は後にゃ!」
春菜「え?え?」
リキッド「あ、オイG、コレやるよ」ポイッ
G「……」パシッ
G(……鼻眼鏡?)
<ガチャ
穂乃香「プロデューサー、そろそろご飯の用意を――」
G「……ん」(E:鼻眼鏡)
穂乃香「」
<あはははははははははははははははははははははははっはあはは
第十五話『静岡銘菓!安倍川もち!』おしまい
405:
第十六話『ウサミン星まで何マイル?』
――CGプロダクション前
菜々(ココがCGプロダクション……おっきなトコだなぁ……)
菜々(アイドル声優夢見て(検閲削除)年……このチャンスを逃がす訳にはいかないっ!)
???
サービス「このプロダクションで、知人がプロデューサーをしている」
サービス「私の名前を出せば、すぐにでもアイドルになれるだろう」
???
菜々「そして絶対にあの人を見返してやりますからっ!」
406:
――数日前・ガンマ団パプワ島支部
キンタロー「高松、ちょっといいか?」
高松「はいはい、どうしましたキンタロー様?」
キンタロー「メイド喫茶とは何だ?」
高松「」
<ドタドタドタドタ
<バターン!
高松「サービス!アナタという人は何ていう事をしでかしてくれたんですかっ!!」
サービス「五月蝿いぞ高松。今ティータイム中だ」
高松「お茶なんて飲んでる場合じゃありませんよ!」
高松「アナタ!私に無断でキンタロー様にインターネットを使わせましたねっ!?」
サービス「いちいちオマエの許可がいるか」
高松「キンタロー様も!私の検閲ナシでインターネットを使っちゃダメって言ったじゃないですか!」
キンタロー「すまん」
サービス「過保護過ぎるぞ高松」
409:
高松「アナタのおかげでキンタロー様が変な知識を持ってしまったじゃないですか!」
高松「どう責任取ってくれるんですかねェ……!?」
サービス「いいじゃないか。知識を深めるのは悪い事じゃない」
高松「メイド喫茶なんていらん知識でしょおがっ!」
高松「『萌え萌えはきゅ?ん』とか言ってる下らん連中の事なんて知らなくていいんですよ!」
サービス「詳しい上に古いぞ高松」
サービス「それに気持ち悪い」
高松「やかましいッ!」
キンタロー「高松」
高松「はい何でしょうかキンタロー様」キリッ
キンタロー「人が働いている場所である以上、そこは下らないと言うのは失礼だろう」
高松「」
キンタロー「勤労は尊いモノだと、以前高松から借りた本に書いてあったじゃないか」
412:
高松「ふふふ……ご立派になられましたねキンタロー様……私も鼻が高いですよ……」ボタボタ
サービス「高松!鼻血を拭け!」
キンタロー「……」(バケツをかざす音)
高松「しかしィ!私は今回の件を許す訳にはいきませんよサービス!」
サービス「高松……7万円、早く返してくれないか?」
高松「そうですよキンタロー様。技術を駆使して知識を得るのは大事なことです」キリッ
キンタロー「なら行ってみたい」
高松「う……ソレは……」
キンタロー「ダメか?」
サービス「いいじゃないか、どうせしばらくヒマだろう」
高松「そ、それはそうですが……しかし……」
<ガチャ
グンマ「サービス叔父様、急用とは何でしょう?」
サービス「あぁ、よくきたねグンマ。キンタローが行きたい場所があると言っているんだが」
サービス「高松が邪魔をして困ってるんだ。何とかしてくれないか?」
高松「卑怯ですねアンタッ!」
413:
グンマ「ダメじゃないか高松ぅ、キンちゃんと叔父様困らせちゃ」
高松「いやグンマ様、これはですね……」
グンマ「それで?キンちゃんはどこに行きたいの?」
キンタロー「メイド喫茶という店だ」
グンマ「あ、それなら某電子街が近いから、ボクも行きたいナァ」
グンマ「ね、行こうよ高松」
高松「」
高松「オッケーグンマさまっ!!」ボタボタボタボタ
キンタロー「……」(バケツをかざす音)
414:
――日本・某電子街
グンマ「わ?♪この素子欲しかったんだ?♪」キャッキャッ
キンタロー「グンマ、これは何だ?」
グンマ「あ、それは可変抵抗っていってね――」
<キャッキャッ
高松「ふふ……久々のショップ巡りではしゃぐグンマ様……」
高松「初めて見るモノばかりで好奇心が刺激されるキンタロー様……」
高松「なんというパラダイス……」ボタボタボタ
サービス「高松キモイ」
高松「アンタさえいなければっ!!」
サービス「グンマに誘われたんだ。断るとオマエが五月蝿いだろう」
高松「ぐぬぬ……!まぁいいでしょう!!このパラダイスに免じて許してあげましょう」カシャカシャ
サービス「写真を撮るな高松」
415:
――某メイド喫茶
『おかえりなさいませご主人様ー!』
高松「おぉ……なかなかいい気分ですねー」ハッハッハ
サービス「私には何も見えないな」
グンマ「やめて下さい叔父様」
キンタロー「ふむ……」
キンタロー「ご主人様と呼ばれたのは初めてだ」
高松「よかったですねぇキンタロー様」
サービス「何故泣く」
メイド店員「はぁいこちらメニューになりまぁす♪」スッ
グンマ「ありがとー♪」
メイド店員「光栄ですご主人様♪」キャルンッ
サービス「少しいいか?」
メイド店員「はい!何でしょうかご主人様!」
サービス「やってて疲れないのかソレ」
メイド店員「」ポキン
グンマ「叔父様ッ!!」
サービス「君はいくつだ?17?17でこんな事やっていて恥ずかしくないのか?」
高松「鬼ですかアンタ」
サービス「ホントは23?なら尚更こんな事やってる場合じゃないだろう」
グンマ「やめて下さい!泣いてるじゃないですかっ!」
キンタロー(愛情タップリオムライス……そういうのもあるのか)
417:
――某メイド喫茶・バックヤード
メイド店員「ヒック……ヒック……」
菜々「そうですか……それはヒドイご主人様ですね!」
菜々「ナナがビシッと一言いってきますから、アナタは安心して下さいね?」ギュッ
メイド店員「せんぱぁぃ……」エグエグ
菜々「さ?ぁ、悪いご主人様には御仕置きですよー!ウサミンパワーチャージ!」ダッ
――店内
グンマ「もォッ!ヒドイじゃないですかっ!」プンスコ
サービス「この店か?それともさっきの店員の顔か?」
高松「うっわー自分の事だと微塵も思ってないですね」
サービス「接客業で客の気分を害する店員を出すのが悪い」
高松「わがままですねェ……よかったじゃないですか。マジック様にそっくりですよ」
サービス「失礼な。美貌と人望なら私の方が上だぞ」
高松「アンタの社会人としての適性の無さに呆れてんですヨ」
菜々「お待たせしましたご主人様!先ほどは失礼致しました!」バーン
菜々「ウサミン星から来た安部菜々です!ナナって呼んで下さいねっ!」キャピッ
サービス「ウサミン星とか正気か」
菜々「」ミシッ
グンマ「叔父様ッ!!」
419:
菜々「あ、アナタですね!先ほどメイドをいじめて泣かせたわるーいご主人様はっ!」ビシッ
サービス「……私を指差すとはいい度胸だ」
菜々「」ビクッ
菜々(ダメよナナ!負けちゃダメ!)
菜々「ご主人様にお仕えする身として!ご主人様が悪い道を歩まないようにするのもメイドの務めです!」
菜々「ナナがウサミンパワー全開で!ご主人様の黒く汚れた心を綺麗にして差し上げますからね☆」キャピッ
高松「そうですよ。アンタ腹の中も心も真っ黒けなんですから」
高松「ナナさん、よろしくお願いしますね」
菜々「ハイッ♪お任せ下さいご主人様!」
サービス「手を組むな高松」
キンタロー「注文はこのボタンを押すのか?」
グンマ「店員さん来てるけどいいのかな?」ピンポーン
421:
菜々「じゃあいきますよー☆リリカル♪マジカル♪ウサミンチャージ♪」
菜々「ご主人様のわるーい心よ!綺麗になーれ♪ウサミンエクスクラメーションビームっ☆」ビシッ
サービス「やめてくれ。見ているこっちが恥ずかしい」
菜々「」ミシミシッ
高松「……ウサミンエクスクラメーションビーム!(物理)」バッ
高松「」
サービス「まったく……」
サービス「ウサミン星だの何のつもりだ」
菜々「なっ、ナナの出身地ですっ!」
サービス「特産品は?」
菜々「落花生です!」
サービス「場所は?」
菜々「都心から電車で一時間です!」
サービス「千葉じゃないか」
菜々「千葉じゃないです!ウサミン星です!」ミシミシミシッ
キンタロー「この愛情タップリオムライスを」
グンマ「被っちゃったな?。違うの頼むからちょっと待っててね?」
メイド店員「はい、ごゆくっりどうぞご主人様(この二人マジ天使……)」
422:
サービス「そういう事にしておいてやる。いくつだ?」
菜々「永遠の17歳ですっ☆」バチーン
サービス「ウソをつけ」(0.3秒)
菜々「う、ウソじゃないですっ!」ミシミシミシミシッ
サービス「顔は誤魔化せても、手先まで気が回っていないようだな」
菜々「!?」
サービス「いいか、年齢は指先、足先にも顕著に表れる」
サービス「気を抜くんじゃないぞ」
菜々「ハイッ!」
菜々「……あ、いえ、ナナは17歳だから!後学の為になりましたから!」
サービス「素晴らしいキャラ作りだな」
菜々「ありがとうございます!違います!ナナは正真正銘ウサミン星人ですから!」
菜々「永遠の17歳ですから!」ミシミシミシミシミシミシミシッ
グンマ(叔父様のシゴキに耐えるなんて)
高松(なんという精神力ッ!!!)
キンタロー(オムライスはまだか)
サービス「……ふっ。夢はあるか?」
菜々「ハイッ!ナナはアイドル声優目指して頑張っていますっ!」
426:
サービス「そうか……では、このプロダクションに行ってみるといい」スッ
菜々「……ハイ?」
サービス「このプロダクションで、知人がプロデューサーをしている」
サービス「私の名前を出せば、すぐにでもアイドルになれるだろう」
菜々「」ポカーン
サービス「注文だが、この読むのもおぞましいパスタを頼む。サービス抜きでな」
菜々「……はいっ!ありがとうございますご主人様!」
メイド店員「オムライスには何を書きましょうか?」ルンルン
キンタロー「ふむ……難しいな」
グンマ「ウサギさん描いてもらえるかな?」
高松「オッケーグンマ様!」
メイド店員「私がっ!私がやりますからっ!」
グンマ「ケンカはダメだよぉ」
高松・メイド店員((マジ天使))
427:
――時間は戻って現在・ガンマ団パプワ島支部
<prrrrrrrr
サービス「……あぁ、リキッドか」
サービス「……遅れた餞別だと思ってくれ。なかなか骨のあるヤツだぞ」
サービス「……あぁ。あぁ、じゃあまたな」
サービス「……」ポパピプペ
サービス「……高松。賭けは私の勝ちだ」
サービス「……7万円、今から取りに行くからな」
<ガチャ
<バタン
第十六話『ウサミン星まで何マイル?』おしまい
433:
第十七話『鳥取銘菓!因幡の白兎!』
――CGプロダクション・事務所
ちひろ「……はい、はいかしこまりました」
ちひろ「リキッドさぁーん、ゲコプロのクボタさんからです」
リキッド「あァ?はーいはい」
リキッド(ゲコプロって今度のLIVEバトルの相手じゃねェか)
リキッド「ハァイお電話代わりました、リキッドです」
リキッド「……ハイ、ハイ?ゴ挨拶ゥ?」
ちひろ「?」
434:
――数分後
リキッド「ハイ、では失礼致します……」ガチャ
リキッド「……ンー……」ポリポリ
ちひろ「さっきの電話、何だったんですか?」ヒョコ
リキッド「アァ、今度のLIVEバトルの相手プロからだ」
リキッド「アイドル連れてご挨拶に参りますってサ」
ちひろ「……はい?」
リキッド「なンか悪い事したかなぁ?」ウーン
ちひろ「偵察ですかね?」
リキッド「強行偵察ってかァ?レッスン場は外部なんだから、幾らでもチャンスはあるだろォよ」
ちひろ(きょーこー偵察って何だろ)
リキッド「解せねェな……ま、明日になりゃ分かるか」
435:
――CGプロダクション・食堂
周子「ヘーェ、なんだろーね?」ジュー
菲菲「悪い人カネー?」トントントン
リキッド「ゲコプロの悪い話は聞かねェな」グツグツ
未央「今度私が対戦する相手が来るんだよね?」シャッシャッ
リキッド「ソコなんだよなァ……アイドル連れて他の事務所にアイサツに来るモンかねェ?」
柚「LIVEバトルで負けてくれ?って頼みに来るのかもね」
リキッド「八百長かァ?その方が対処も楽だなァ」
未央「受けるの?」
リキッド「受けるかヨ。柚、皿運び終わったか?」
柚「終わってるよー♪」
リキッド「うし盛るぞー」
436:
――翌日
クボタ「初めまして、ゲコプロダクションのクボタと申します」ペコリ
クボタ「こちらが我がプロダクションで売り出し中のアイドルで――」
早耶「松原早耶ですぅ、初めましてぇ♪」ペコリ
リキッド「初めまして、ボクはCGプロダクションのリキッドと申します」ペコリ
未央「初めまして!本田未央っていいます!」ペコリ
クボタ「あはは、リキッドさん、無理して敬語使わなくて結構ですよ」
リキッド「へ?」
クボタ「業界でも有名なんですよ。破天荒なプロデューサーが現れたってね」
未央「破天荒って……」クスクス
リキッド「へ?ェ……じゃあ、お言葉に甘えて」
リキッド「でェ?今日はどういったご用件で?」
437:
クボタ「ええ、来月のLIVEバトルなんですが……通常のパフォーマンスの後ですね」
クボタ「二人でデュエットなんかしたら、面白いんじゃないかなーと思いまして」
リキッド「はァ?」
早耶「ほらぁ、アイドル同士で対決ばかりするより、コラボ出来る方が面白そうじゃないですかぁ?」
クボタ「そういう訳で、そちらの本田さんと組ませてもらえるようお願いしに来たんです」
未央「面白そうだね!私は賛成だよ!」ハイ
リキッド「ふ?ん……運営側はどう言ってるんだ?」
クボタ「異例も異例ですからね。渋られてまして……」
クボタ「他のプロダクションの方からも同意を得られるよう活動してるんです」
早耶「私もブログで活動してるんですぅ」
クボタ「その初の試みを実現する為にも、新進気鋭のCGプロの力を貸して頂きたいんです」
クボタ「アイドル業界を盛り上げる起爆剤になりますよ、コレは」
リキッド「なるほどネェ?……未央は異論ナシ?」
未央「無いね!」
リキッド「オレもナシ、だ」
クボタ「じゃあ……!」
リキッド「あァ、コッチからも運営に働きかけてはみるけど……期待すんなヨ?」
クボタ「あ、ありがとうございます!」
早耶「ありがとうございますぅ!」
438:
リキッド「未央、松原サン他のアイドル達に紹介してきてやってくれるか?」
未央「ん、りょーかい!」
早耶「あ、プロデューサーは?」
クボタ「あぁ、ちょっとリキッドさんと話を進めておくから行っておいで」
早耶「……はぁい。じゃあ未央さん、よろしくぅ!」
<バタン
リキッド「……でェ、もっと別の話をしに来たんじゃねェのか?」
クボタ「……わかります?」
リキッド「ずいぶん怯えた目をしてるからなァ……オレに怯えてる様子じゃネェ」
リキッド「もっと別の……カネのトラブルか?」
クボタ「いやいや、そんなモンじゃないですよ」
クボタ「……事務所潰しの話はご存知ですか?」
439:
リキッド「あァ、所属した事務所を潰していくヤツがいるってェ話か?」
クボタ「はい……事務所が潰れる理由もバラバラってヤツです」
クボタ「……今、その子がウチの事務所に所属しています」
リキッド「……迷信は迷信ってコトかァ?」
クボタ「そうですね……現に何も起こっていませんが……」
リキッド「?」
クボタ「その子が早耶に勧められてブログを始めた途端、そのブログのサービスが終了したんです」
リキッド「……たまたま?」
クボタ「……だと思います」
リキッド「……」フゥー
クボタ「……」ハァー
440:
クボタ「……それで、お願いがあるんですけど――」
リキッド「アーアーキコエナーイ」
クボタ「もしウチの事務所が潰れたら……早耶のコト、お願い出来ませんか?」
クボタ「いえ、お願いします!初対面ですが、リキッドさんになら任せられます!」
リキッド「……バカヤロウ、テメェが育てたアイドルだろォが」
クボタ「……もしも、の話ですよ」ニコッ
リキッド「……わかッたわかッた!もし潰れたらアイツの面倒見てやるヨォ!」
クボタ「……ありがとうございます!」
リキッド「でもいいかァ、次のLIVEバトルは実現させっからなァ?」
クボタ「はいっ!」
――――
――
441:
――翌日
リキッド「」
ちひろ「ゲコプロダクションビル全焼、幸い被害者は無し。放火とみて捜査中……」
ちひろ「社長はプロダクションの存続を放棄し……ヒドイ話ですね……」
リキッド(どうすんだよォクボタくんよォ……)
――喫茶店
クボタ「」ズーン
早耶「し、しっかりして下さいよぉプロデューサー!」
ほたる「ご、ごめんなさい……やっぱり私……」グスッ
早耶「ほたるちゃんのせいじゃないよぉ?ホラ泣かない泣かない」ナデナデ
ほたる「早耶さぁん……でも、でも……」エグエグ
クボタ「そ、そうだぞ。ほたるが気に病む事じゃないさ」
クボタ「ホラ、笑顔で――」
<jrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr
<カジダー!!
<テンチョー!テンチョー!!!
クボタ「」ダッ
早耶「」ダッ
ほたる「うええええええん……」ダッ
445:
偶然なんだろうけど主役のプロダクションに移籍したとたんに不幸が止まるのも納得いかない話だよなあ。
447:
――CGプロダクション・事務所
リキッド「――話は解った。んでェ?オメーはどうすんだよ?」
クボタ「はい……社長を何とか説得して、ゲコプロを再建出来るよう頑張ってみようと思います」
早耶「プロデューサー……」
ほたる「ゴメンナサイ……私が不幸体質なせいで……」
クボタ「ほたるのせいじゃないよ……二人とも、プロダクションが再建できる日までココで――」
<バターン
穂乃香「大変です!中庭に大量のニシキヘビが!」
リキッド「ンだとぉ!?」
クボタ「」
早耶「」
ほたる「うぅ……ごめんなさい……ごめんなさい……」
448:
――別の日
卯月「一緒に頑張ろうね!」
ほたる「はい……あの、不幸体質なので、迷惑を掛けてしまうかもしれませんが……」
ほたる「よろしくお願いします」ペコリ
卯月「うん!」
菲菲「大変だヨ!寮にシロアリがいっぱいネ!」
夕美「響子ちゃんが泡吹いて倒れました!」
リキッド「救急車ァ!」
――また別の日
未央「今日は一緒にレッスンだね!」
早耶「よろしくお願いしますぅ!」
ほたる「わ、私も、不幸でもアイドルになりたいから頑張ります……!」
志乃「リキッドさん、ワインセラーの樽が全部割れてるんだけど」
リキッド「オオウ!?」
449:
――さらに別の日
真奈美「最近よく足の小指を打つんだが……」
リキッド「不注意やな」
――またさらに別の日
かな子「あの……体重が増えちゃって……3キロ……」
リキッド「減量やな」
――またまたさらに別の日
ちひろ「キャッツが三連敗で友紀ちゃんが自棄酒してます!」
リキッド「ほっとけェ!」
450:
――数日後
リキッド「……オレのデズニーグッズが……」
G「……俺のクマちゃん達が……」
ちひろ「見事に分解してますね……」
リキッド「G、縫い直したの……めるような状態じゃねぇな」
G「……」ズーン
ちひろ「疫病神の噂はホントだったんですね……」ビクビク
リキッド「あ、そーいやちひろだけ被害ねェな」
ちひろ「日頃の行いがいいからですよ」フフン
TV<○○銀行の顧客情報が流出したと発表があり――
ちひろ「っ!!」バッ
ちひろ「……」カタカタカタカタ
ちひろ「……あは、あはははははははは……」
リキッド「……ご愁傷サン」ポン
451:
ちひろ「なんなんだ!なんなんだ!」ダンダン
リキッド「落ち着けって……」ハァ
ちひろ「なんでリキッドさんそんな落ち着いてるんですか!」
ちひろ「大体あの子が不幸だ不幸だ言うから……!」ハッ
リキッド「どォした?」
ちひろ「……あの子が不幸って言うたびに、何か起こってませんか?」
リキッド「……そーいやァ、そォかもな」
ちひろ「……ちょっとあの子に不幸って十回言わせてきます」ガタッ
リキッド「アホか!」グググググ
ちひろ「離して下さい!コレで大きな事故が起きれば証明になるじゃないですか!」グググググ
リキッド「ソレで死人が出たらどォ責任取るんだよ!」グググググ
<ガチャ
ほたる「あの……」
ちひろ・リキッド「「!!」」
リキッド「……もしかして」
ちひろ「……聞いちゃった?」
ほたる「……」コク
ほたる「ご、ごめんなさい……私が……私が不幸体質だから、周りまで……」
452:
――某無人島
まゆ「?♪」グツグツ
トットリ「ただいまァ、今日は大漁だっちゃよ」
まゆ「まぁ♪さすがですトットリさん♪」ニコニコ
トットリ「それ以上近付くでねェ」チャキ
まゆ「やん♪照れ屋さんなんですから♪」
トットリ「まったく……あ」
まゆ「どうしましたぁ?」
トットリ「船だっちゃ!」ダッ
まゆ「あ、待って下さいよぉ」ダッ
トットリ「おーい!!おおーい!」ブンブン
まゆ「……トットリさん」
トットリ「ホレ、まゆも声出すか煙かなんかで合図を――」
まゆ「あの船沈んでませんか?」
トットリ「」
454:
――CGプロダクション・事務所
TV<緊急のニュースが入ってきました!○○沖で遊覧船が沈没したと――
リキッド「」
ちひろ「」
ほたる「ヒック……ヒック……」
リキッド「コレはもう……」
ちひろ「ちょ、超能力……?」
リキッド(だとしたら……)
455:
リキッド「……ほたる、ちょっといいか?」
ほたる「グス……な、何ですか……?」
ちひろ「?」
リキッド「ほたるは不幸でも、アイドルを続けたいって言ったよなァ?」
ほたる「……はい……」
リキッド「それじゃアイドルにゃなれねーよ」
ほたる「……やっぱり、ふこ――」
リキッド「だああああああ!違う!」
ほたる「っ!」ビクッ
リキッド「いいか、アイドルってのは誰かを笑顔にするのが仕事だ」
リキッド「その本人が不幸じゃ、誰も笑顔になんてできやしねェよ」
ほたる「……じゃあ、私にアイドルなんて……」
リキッド「そうじゃねェよ。アイドルになって幸せになるって言ってみろ」
ほたる・ちひろ「「え?」」
リキッド「いいから、ホレ」
ほたる「は、はい……わ、私はアイドルに……幸せな、アイドルになりたいです!」
456:
リキッド「聞こえなーい」
ほたる「あ、アイドルになって幸せになりたいです!」
TV<――遊覧船沈没の続報です。乗っていた乗客143人は全員無事救助され――
リキッド「もう一回!」
ほたる「み、皆を笑顔に出来る、幸せなアイドルになりたいです!」
TV<――○○銀行の顧客情報が流出した問題が誤報だった事が――
ちひろ「!?」
リキッド「もっとォ!」
ほたる「わ、私は皆を笑顔に出来るっ、し、幸せなアイドルになりますっ!」
――――
――
461:
――翌日・CGプロダクション・応接室
<ガチャ
ほたる「あ、あの、お呼びですか……?」
リキッド「おォ、まァ座って座って」
ほたる「は、はい……あの、そちらは?」
リキッド「コチラは知り合いの陰陽師でな、トーホクさんだ」
ミヤギ(なしてオラがこんなカッコ……)
ほたる「おんみょうじ……?」
リキッド「この人がほたるに強運のお守りを授けてくれるって言ってくれてな」
リキッド「まぁ、コイツを見てくれ」スッ
ほたる「これは……折り紙のカエルですか?」
リキッド「そそ、じゃあトーホクさんお願いしまッス」
ミヤギ「……ハァッ!」
『 蛙 』
<ゲコゲコゲコゲコゲコ
ほたる「きゃっ!?と、跳んだ!?跳びましたよリキッドさん!?」
リキッド「トーホクさんが書いた物は、その通りになるんだ」
462:
ほたる「すごい……」
ミヤギ「……ハァッ!」
『 強 運 御 守 』
ミヤギ「……この紙を小袋に入れて、肌身離さず持ちなさい」スッ
ミヤギ「それと、今後一切『自分が不幸である』と思ってはいけない」
ミヤギ「いいね?」
ほたる「……はいっ!ありがとうごさいますっ!ありがとうございますっ!」ペコペコ
リキッド「うし、ありがとうございましたトーホクさん」フカブカ
ミヤギ「うむ」
リキッド「さァてと、後は……」
466:
――喫茶店
クボタ「あ、リキッドさん!」
リキッド「おぉ、元気そォじゃねェか」
クボタ「はい!社長も元気を取り戻して、プロダクションの再建が動き始めたんです!」
クボタ「それだけじゃなくて、今まで潰れたプロダクションの人達も協力してくれるって!」
リキッド「そりゃよかったじゃねェか。これで心置きなく二人を返せるってモンだゼ」
クボタ「え?」
リキッド「バァカ、アイドルいねェアイドル事務所なんて笑えねェだろォがよ」
リキッド「アイドル業界盛り上げんだろ?」ニッ
クボタ「!……はいっ!」
――その頃、CGプロダクション・女子寮
ジョッカー「オラは害虫駆除業者じゃネェんだケドなァ……」ベンベンベンベンベン
G「……報酬は弾ませてもらう」
穂乃香(す、すごい美人さんだけど、Gさんとどういう関係なんだろ……)
菲菲「おー!虫が退散していくネ!」
第十七話『鳥取銘菓!因幡の白兎!』おしまい
472:
第十八話『閑話休題』
前川みく、15歳!
アイドルをやっていますっ!
初めて入った事務所が悪徳プロダクションで伸び悩んでたんだけど
その事務所の悪事がバレて潰れた後、新しい事務所に拾ってもらえたんだっ!
そんなこんなでアイドル人生を再スタート!トップネコドル目指して頑張ってるにゃあ?!
473:
――CGプロダクション・事務所
ちひろ「あ、おはようみくちゃん。冷蔵庫にお菓子入ってるからねー♪」
みく「にゃ!ありがとうちひろチャン!」
こちらは事務員のちひろチャン
みく達アイドルのオネーサン的な存在……なんだけど
ちひろ「……これはロスカット……これもロスカット……」
お金の使い道に関しては壊滅的に方向音痴だにゃ
そういえば、765プロの事務員さんは昔アイドルだったっていう噂だけど
ちひろチャンも元アイドルだったりするのかな?
474:
――CGプロダクション・事務所
みく「お疲れ様にゃあ?!」
リキッド「オゥ、お疲れさン」カタカタ
続いてコチラはプロデューサーのリッチャンことリキッドチャン
つい最近プロデューサーになったらしく、事務所の先輩アイドルに教わりながら仕事をこなしてる、らしい
洋子「この会場からこの会場じゃ時間的にシビアですよ?」
リキッド「トばせばヨユーで間に合うって」
洋子「ダーメーでーす。アイドルを乗せてトばすなんて、不運と踊っちゃったらどうするんですか!」
リキッド「お、おう、ワリィ」
みく「……」ソーッ
みく「えぃっ!ねこぱんちっ!」
リキッド「……」ヒョイ
未だにみくのねこぱんちが当たった事が無いくらいスキが無いにゃ
リキッド「ていっ、プー○んぱんちっ」ポスッ
みく「うにゃっ……」
洋子「真面目にやって下さい!」
おまけにデスクの上のネズミーな住人のぱんちでお返しされるにゃあ……
475:
G「……」
みく「にゃ、Gチャンお疲れ様にゃあ?」
G「……ん」
こちらもプロデューサーでGチャン。決して爺ちゃんとかジッチャンとか呼んじゃダメにゃ
身長は高いし無口だしで、最初は怖かったんだけど……
穂乃香「あの、プロデューサー……この子、直してもらえませんか?」
G「……」
穂乃香「ぶ、不器用なりに頑張って直そうとしたんですが、悪化させてしまって……」
ぴにゃこら太「」ボロッ
G「……」スッ
『 無 限 の 縫 製 』(あんりみてっどそーいんぐわーくす)
G「……ここはこう縫って……」
穂乃香「へぇ……こうですか?あ……」
G「……力み過ぎだ」
趣味は裁縫。おまけにクマチャングッズが好きな優しい人にゃ
476:
――CGプロダクション・食堂・昼
周子「はい野菜炒め上がったよー」
幸子「スープももうすぐ出来ますからねー」
この事務所、昼と夜は食堂でご飯を食べられるようになってるにゃ
主にリッチャンGチャンの二人がキッチンに立つけど、アイドル達が手伝う事が多いみたい
そのアイドル用にGチャンがエプロンを作ってくれてて、コレがまたアイドル一人一人の個性に合ってて面白いんだ
例えば実家が和菓子家、京都出身の周子チャンのは着物の端切れから作られた和風エプロン
みくのはアップリケでネコチャンの肉球が着けてあるネコネコエプロン(勝手に命名)
幸子チャンは何故か割烹着だけど、本人は気に入ってるらしい
ヘレン「はいはい、手の空いてる子は配膳手伝ってー」
ヘレンチャンも割烹着だにゃあ
478:
そう言えば、リッチャンGチャンの二人は派遣会社から来てるって聞いたにゃ
そのせいか、時々二人の知り合いが顔を出す時もある。でも、それってアイドル事務所としてどうなんだろう?
――CGプロダクション・ボイストレーニング室(仮)
ジョッカー「うン、いい声の出し方だっぺよ」
真奈美「ありがとう。以前、スタジオボーカリストをやっていたからね」
ジョッカー「そッかァ、道理で。んで、ゆかりはもうちょっと伸びそうだナ」
ゆかり「そ、そうですか?」エヘヘ
ジョッカー「あァ、笛やってるだけあって肺活量は問題ネェ。んでェ……柚だけんども……」
柚「えへへ……」
ジョッカー「……筋トレからだナァ」
柚「えー!?」
こちらは時々ボイトレの指導に来てくれるツガルチャン。スッゴイ美人だけど男性で自信失くすにゃあ……
津軽三味線の先生もやってるとか
479:
――CGプロダクション・事務所
ミヤギ「おース、遊びに来たベー」
リキッド「何しに来た」
ミヤギ「あァ、宮城の米さ持って来たダヨ」
リキッド「ありがとうございます先輩!」
美嘉「あ★ミヤギさん久し振りじゃん♪」
莉嘉「ミヤギさんだー☆ねね、アレ見せて!」
ミヤギ「何度も言うけど、見世モンじゃねェベ」
莉嘉「えー」
美嘉「 boo ! 」
ミヤギ「はいはい、ホレお土産持ってきたから許せ」
こちらは時々フラっと遊びに来るミヤギチャン
陰陽師だか何かで、折り紙に猫って書いたらネコチャンみたいに動き出すのを見せてもらったけど
ホントは手品師か何かだと思うにゃ
480:
コレがみくの所属する事務所
リッチャンは面倒見が良いし
Gチャンは優しいし
所属しているアイドル達も、みくに負けず劣らず個性的だし
毎日適度に刺激的な毎日を送ってるにゃ
みく「……いや、アイドル募集の宣伝するのはいいけど、この原稿は無いと思うな?」
リキッド「え、ウソォ」
第十八話『閑話休題』おしまい
485:
第十九話『チューニング・ファイト!』
――CGプロダクション・事務所
リキッド「あァ?なんでほたると早耶を返したかって……オメーなぁ……」ハァ
ちひろ「だってー、ほたるちゃんの超能力があれば何でも思うがままじゃないですかー」
リキッド「アホか。また株で失敗しやがったな」
ちひろ「至って真面目です」キリッ
リキッド「……超能力持つとなァ、周りの人間が利用しようとしてきやがンだよ」
リキッド「そのせいで相手が苦しむ事も知らずになァ」
ちひろ「う……」
リキッド「アイツに必要なのはよォ、自分を理解してくれた上で、ちゃんと付き合ってくれる相手だ」
リキッド「その辺、クボタと早耶がいるから大丈夫だと思うゼ」
ちひろ「……お恥ずかしいです……」
リキッド「素直でよろしい」
487:
ちひろ「……ん?」
リキッド「あン?」
ちひろ「超能力持つとって……リキッドさんも超能力持ってるんですか?」
リキッド「……ダチの話だよ」
ちひろ「へ?ぇ、あ、ミヤギさんの事ですか?」
ちひろ「確かに現代科学じゃ解明出来ないような……む?……」
リキッド(メンドクセェ……)
<ガチャ
かな子「ただいま帰りましたー!」
リキッド「おゥ、どうだった?」
かな子「はいっ!トレーナーさん達のおかげで減量成功です!」
リキッド「地獄の特訓だったんだって?」
かな子「あ、あはは……」
488:
リキッド「じゃ?あそんなかな子にお仕事のプレゼントだ、ホイ」スッ
かな子「……す、スィーツ食べ歩きって!?私がですか!?」
リキッド「おゥ、初のお仕事がグルメリポートとはツイてるじゃねェか」ハッハッハ
かな子「ええっ、あのっ、わ、私でいいんですか!?」
かな子「どど、どうしよう、えっと、えっと……あ、き、利きチョコくらい出来ないとダメですよね!?」
リキッド「落ち着け、ゲコプロんトコの早耶の助手みたいなモンだ」
リキッド「先輩アイドルの胸借りて、しっかり下準備しねェとな」
489:
――レッスン場
トレーナー「――ハイOK!」
未央「ふぅっ!」
トレーナー「お疲れ様、随分気合入ってましたね」
未央「LIVEバトルが近いからね!何かやっとかなきゃ落ち着かないんだっ!」ブンブン
トレーナー「なるほど」
マストレ「私の出番だな」
未央「あっ、いや、スペシャルテクニックはちょっと……」
トレーナー「はいはい、姉さん疲れてるんだから休んでて」グイグイ
マストレ「む?私は別に疲れてないぞ?」
マストレ「それより聞いてくれ。かな子のヤツだがしっかり減量していたぞ」
マストレ「なかなか骨のある――」
トレーナー「はいはい、お姉ちゃんスゴイねー」
マストレ「そうだろう。お姉ちゃんはスゴイんだぞ――」バタン
トレーナー「まったくもう」ハァ
未央「ごめんねー?」アハハ
トレーナー「そろそろGさんが迎えに来ますからね」
トレーナー「姉さん、Gさん捕まえると長いから……」ハァ
491:
――喫茶店
きらり「――うんっ!きらりがアイドルなんて夢みたいだけど」
きらり「でもでもっ!Gちゃんがその夢叶えてくれるって言ってくれたしっ!」
きらり「よろしくおにゃーしゃー!」
G「……ああ」
きらり「それでそれで?えっと、何すればいいのかにぃ?」
G「……事務所の見学でもするか」ガタッ
きらり「にゃっほーい!楽しみだにぃ☆」ガタッ
((((なんだあのツインタワー))))
――レッスン場
<ガチャ
G「……」
未央「あ」
トレーナー「噂をすれば、ですね」
きらり「へー、ココでみんな練習してるる?」
G「……ああ」
未央「」
トレーナー「」
492:
トレーナー(なんだあのモデル体型っていうかGさんと身長ほとんど一緒とかどうなってんだ――!!)
未央(え?あぁ、一族の方か)
G「……ウチのアイドルの未央とトレーナーさんだ」
きらり「にょわー☆初めまして!諸星きらりだよ!」
未央「は、初めまして!本田未央です!」
トレーナー「初めまして……あの、この子も?」
きらり「きらりはねー、まだアイドルじゃないよ?」
G「……ああ」
未央「あぁ!こないだスカウトしたって言ってた子?」
G「……そうだ」
きらり「えへー☆ミオ先輩おっすおっす!おにゃーしゃー☆」
494:
――CGプロダクション・食堂
留美「待ってリキッドくん。塩は3グラムって書かれてるわ」
リキッド「ンなモン、テキトーでいーンだよ」ジュー
留美「料理って、レシピ通りに作るものじゃないの?」
リキッド「レシピ通りに作るのは練習だけッ」
リキッド「後はそっからアレンジして、自分の味にすんのが料理だと思うゼ?」ジュー
留美「ふむ……目からウロコだわ」メモメモ
リキッド(スゲーやりにくい……)
志乃「ご飯はまだかしら?」スターン
ヘレン「アナタ、ちゃんと手伝いなさいよ」カチャカチャ
志乃「あら、さすが世界のヘレンね。ちゃんとお手伝い出来てえらいわよ」
ヘレン「どぉォしてケンカ売っかなァ!?」
志乃「まぁ、気の短さも世界レベルね」キャッキャッ
ヘレン「あ、飲んでるな?オメーまた飲んでるな?」
志乃「ご名答」ドヤァ
ヘレン「没収だァ」ヒョイ
志乃「……あ」
ヘレン「まったぐ……」
志乃「リキッドくーん、ヘレンちゃんがいぢめるー」ウエーン
リキッド「手伝え!」
496:
未央「たっだいまー!」
G「……帰ったぞ」
リキッド「オゥ、おかえりー」
きらり「お邪魔しまっす☆」
リキッド「おーウマ子か。アレ?整形した?」
きらり「にょわ?」
G「……帰ってこいリキッド」
G「ウマ子じゃない」
未央「ま、まぁ、インパクトあるよね……」
リキッド「ビックリし過ぎて現実逃避しちまった……」
ヘレン「ナイス世界レベル」
志乃「秋田レベルでしょ?」
ヘレン「んだよォ、秋田バカにすっでねェぞ!!」
志乃「あはは?ナマハゲが怒った?」ケラケラ
留美「志乃さん、その辺りにしておきましょう」
497:
――CGプロダクション・事務所
G「……必要な書類は以上だ」
G「……何か質問は?」
きらり「んーとねー……あ、Gちゃんもりっちゃんも可愛い物好き?」
G「……そうだな」
リキッド「あァ、まぁ、Gはクマ専門だけどナ」
きらり「じゃあ大丈夫だにぃ!可愛い物好きな人に、わる?い人はいないもんにぃ!」ニコッ
G「……ああ」←
リキッド「……ソウダネ」→
きらり「にょわ?」
G・リキッド((直視できない――!))
<prrrrrrrrrrrr
ちひろ「はい、CGプロダクショ――あ、社長。お久し振りです」
リキッド「?」
498:
ちひろ「はい、はい?……はぁ、解りました。気を付けて下さいねー」ガチャ
ちひろ「リキッドさん、Gさん。ただいま社長から連絡がありまして」
ちひろ「出先でスカウトした子達が、明日こちらに来るそうです」
リキッド「ハァ?」
ちひろ「あ、知人に送らせるから送迎はいらない、との事です」
G「……本人は」
ちひろ「まーたスカウトの旅だそうですよー」クルクルー
きらり「うきゃ、楽しそうだにぃ!きらりん☆ターボ!」バッ
ちひろ「ぐわあああああああ」グルグルゲルグググルグルグギュンギュンギュン
リキッド「あ、コレがメンツかな?」
G「……ん」
G「……これは何て読むんだ」
リキッド「どれどれ……?あぁ、かおるだな。龍崎薫」
第十九話『チューニング・ファイト!』おしまい
511:
第二十話『ステイション トゥ ステイション』
――空港
社長「――じゃあ皆、このオジサンが事務所まで送ってくれるから――」
社長「ちゃんと言う事を聞くように。いいね?」
「「「はいっ!」」」
社長「それじゃ、頼んだよマジック君」
マジック「あぁ、気を付けてな」
513:
マジック「まったく、飛行機なんかで移動するなんて信じられん……」ブツブツ
薫「ねーねー?」グイグイ
マジック「ン?」
薫「りゅーざきかおるっていいまー!おじさんは?」
マジック「おぉ、そう言えば自己紹介がまだだったね」
マジック「私……いや、おじさんはマジックっていうんだよ。よろしくね」
薫「はいっ!よろしくおねがいしまー!」
マジック「ウンウン、礼儀正しい子だねェ」ニコニコ
マジック「他の子も自己紹介を頼めるかな?」
アナスタシア「Да, меня зовут Анастасия」
(はい、アナスタシアといいます)
マジック「Я Анастасии. Можете ли вы быть японский?」
(アナスタシアね。日本語は出来ないのかな?)
アナスタシア「нет, でも、話すのは少し苦手、です」
マジック「その時はロシア語で構わんよ。よろしく、アナスタシア」
アナスタシア「Да, アーニャと、呼んで下さいね」
516:
マジック「そちらのお嬢さんは?」
雪美「……」
マジック「……」
薫「ゆきみちゃん?」
雪美「……佐城……雪美………」
マジック「あ、あぁ、雪美くんね……」
薫「ダメだよマジックさん!女の子は『さん』って呼ばないと!」
マジック「……ふむ」クス
マジック「分かった、気をつけますよお嬢さん」
薫「? かおるだよ?」
晴「んなもんどっちだっていいじゃねーか……」
マジック「キミは?」
晴「晴。結城晴」
晴「言っとくけど、オヤジが勝手に応募しただけだからな。オレはアイドルなんかやる気はねぇからな」
マジック「そうか……お父さんの願いなら叶えないとな」
晴「オイ待て」
517:
マジック「何かね?親孝行は大事だぞ」
マジック「孝行したい時に親は居ないもんだ」ウンウン
晴「オレはまだ12歳で親もピンピンしてるよ」
マジック「きっとシンちゃんも親孝行したいと思う時が……」ブツブツ
晴「オイ聞けよ」
アナスタシア「アー……息子さん、ですか?」
マジック「そうなんだよもう目に入れても痛くないくらいKAWAII息子でさァあでも目に入れたら流石に痛いよねHAHAHAHAHA」
杏「それより早く移動しない?」グテー
晴「オマエはキャリーバッグから降りろよ……」
杏「イヤだ。歩くのも立つのも面倒だ」グテー
マジック「そちらが双葉杏くんかな?」
杏「そうだよ」グテー
マジック「全員揃ってるみたいだし、じゃあ出発しようか」
<はーい!
518:
――CGプロダクション・事務所
リキッド「ちひろ、ホントに一人で大丈夫かァ?」
ちひろ「ええ、新人さん達の対応くらい一人で出来ますよ」
ちひろ「いざとなったら真奈美さんや留美さんもいますしね」クルクル
リキッド「だから事務椅子で回るなって……」
ちひろ「……気持ち悪い……」ピタッ
リキッド「だから言ったでしょォ……」
卯月「リキッドさん、もうそろそろ出ないと遅れちゃいますよ!」
ゆかり「あ、じゃあ私達もそろそろ出ましょうか、Gさん」
リキッド「お、じゃあ後頼むぜちひろ」
G「……行ってくる」
ちひろ「はいはい、行ってらっしゃーい」
523:
――――
――
晴「でぇ……」
薫「マジックおじさん!ホラ富士山だよ富士山!」
マジック「ハッハッハ、久し振りに見るなァ」
杏「ZZZ……」
雪美「……」
アナスタシア「雪美さん、アー、靴は、脱ぎます」
雪美「……?」
マジック「おぉ、椅子に上がるなら靴は脱ぐんだよ」
雪美「…………わかった…………」
晴「なんで電車なんだよ!」
マジック「旅と言えば電車だろう」
晴「車とか寄越せよ!」
マジック「大丈夫、目的の駅からは車だから――」
晴「さ・い・しょ・か・ら・車で移動すればいいじゃねぇか!」
マジック「ワガママだなぁモウ」
524:
マジック「ホラ、あんまり騒ぐと他のお客さんの迷惑になるからやめなさい」
晴「う……わかったよ……」
アナスタシア「晴さんはエレクトラポイスド……アー、電車、嫌いですか?」
晴「……そういうワケじゃねぇよ」
薫「晴ちゃんもお菓子食べる?」モゴモゴ
晴「昼前だしいらねぇよ」
マジック「お、駅弁が楽しみとか解ってるじゃないか」ハッハッハ
晴「そうじゃねぇよ!」
雪美「…………」モゴモゴ
525:
――――
――CGプロダクション・事務所
<ガチャ
菜々「おはようございまーす!」
ちひろ「あら?おはよーナナちゃん」
ちひろ「今日はオフじゃなかったっけ?」
菜々「そんなの決まってるじゃないですかー」
菜々「プロデューサーさん達の料理を食べに来ました」フンス
ちひろ「二人とも出てるから、今日は穂乃香ちゃんとクラリスさんが作るって言ってたよ?」
菜々「そんな……」ガクン
ちひろ「そんなに楽しみにされるなんて、リキッドさん達の料理は魔性だねー」アハハ
菜々「そうですよ!あんなに美味しいなら店を出してもいいくらいです!」
<ピンポーン
ちひろ「あら、新人さん達が来たみたい」
菜々「あっ!ナナが出てきますね!」パタパタ
菜々「ようこそCGプロダクションへ!」ニコッ
マジック「やぁ、元気なお嬢さんだ」
菜々「あ、もしもしちひろさん大変です!デヴィッド・ボウイが来日しました!」
526:
――――
――
マジック「いやーキレイなオフィスだ。さすがリキッドくんとGくんだね」ズッ
マジック「あぁ、ちひろさんも遠慮なくどうぞ」スッ
ちひろ「あ、はぁ……」
ちひろ(どこから出したんだこのティーセット……)
菜々「このクッキーの焼き具合……プロですね……」モグモグ
薫「おいしーねー♪」モグモグ
雪美「……うん……」モグ
杏「……」モグモグ
ちひろ「と、ところでマジックさんは、社長とはどういったお知り合いで?」
マジック「あぁ、学生時代からの友人だよ」
マジック「彼と私はいわゆるライバルという関係でね。頭脳も体力も互いに譲らなかった……」
ちひろ「は、はぁ……」
マジック「そうして切磋琢磨する内に、唯一無二の親友になったんだ」
マジック「いやぁ、私に着いて来て欲しかったんだけどね……芸能関係の仕事をしたいって聞かなくてさァ」
マジック「なんだよォ……あんだけ二人で世界征服しようって言ってたのに……」グスン
ちひろ(なんか物騒な単語が出てきたー!?)
527:
ちひろ「そ、それで、リキッドさんとGさんを派遣したって事は、派遣企業なんですか?」
マジック「いえ、ガンマ団と言いまして――」
マジック「世界中から戦争を無くす為に、日々頑張っております」っ【名刺】
ちひろ「……はい?」
マジック「我々の活動は、戦争してる人達から武器を取り上げて、お仕置きするというものです」
マジック「要するに、ケンカしてる悪い子をこらしめてるワケですな」
ちひろ「」
薫「ケンカはよくないもんね!マジックおじさんえらーい!」
マジック「はっはっは、ありがとう」
ちひろ(戦争してる人達から武器を取り上げてお仕置きって、立派な戦闘集団なんじゃ……)ビクビク
ちひろ(あれ?)
ちひろ(リキッドさんとGさんはガンマ団から派遣された)
ちひろ(ガンマ団は戦闘集団)
ちひろ(リキッドさんとGさんも構成員)
ちひろ「危険が危ない!」ガタッ
菜々「落ち着いて下さいちひろさん」
529:
ちひろ「な、ナナちゃん……」オロオロ
菜々「確かに、ガンマ団というのは危ない組織かも知れません」
菜々「ですが、リキッドさん達が危ない人達に見えますか?」
ちひろ「それは……」
菜々「私が知っている二人のプロデューサーさんは、優しくて、ちょっとオッチョコチョイな二人です」
ちひろ「……うん、そうね。ありがとね、ナナちゃん」
菜々「いえ、それに――」
マジック「あ、そォだそろそろお昼の準備しないとネ」イソイソ
マジック「さっき駅弁食べ損ねちゃったからね。さぁみんな、何がいいかな?」
菜々「アレが悪い人に見えますか?」
ちひろ「エプロン似合い過ぎでしょ」
第二十話『ステイション トゥ ステイション』おしまい
538:
第二十一話『ワード オン ア ウィング』
――CGプロダクション・事務所
リキッド「さァてと、新人達は着いたかなァ」
卯月「楽しみですね!」
G「……ああ」
ゆかり「ただいま帰りました!」ガチャ
マジック「じゃあ次のDVDからシンちゃん5歳の時で――」ルンルン
ちひろ「い、一年ずつの映像量がハンパ無いですね……」
晴「オレならイヤだこんな父親」
<バタン
ゆかり「?……なんで閉めたんですか?」
リキッド「G、逃げるぞ」
G「ああ」
539:
<ガチャ
マジック「ヒドイじゃないかリキッドくん、逃げるなんて」
リキッド「スイマセンでしたァ!」
マジック「おかえり、ご飯の方も既に用意済みだよ」
卯月「えっと……?」
ゆかり「プロデューサー、こちらは?」
マジック「あぁ、マジックと言います。彼らの上司……」
マジック「いえ、元上司です」
卯月「もと?」
マジック「それより二人とも、アイドル全員を集められるかな?」
リキッド「ヘ?あァ、一応連絡してみまス」
G「……」ポチポチポチポチ
マジック「ちょっと話したい事があるからね」
マジック「さ、お嬢さん達も疲れただろう。お茶にしよう」
<バタン
540:
――数時間後・CGプロダクション・食堂
<ザワザワニョワニョワ
ミヤギ「リキッドォ、コレ何の集まりだべ?」
リキッド「おォ、お前らも呼ばれたのか」
トットリ「マジックさんの招集だからァね。無視できんっちゃよ」
まゆ「……皆の前で告白してくれるんじゃないの?」
トットリ「何言ってんだオメェ」
アラシヤマ「手の平に人と書いてeat……手の平に人と書いてeat……」ブツブツ
輝子「フヒ……ひ、人がいっぱい……」
マジック「えー、皆さんお静かにお願いします」
マジック「改めまして初めまして、ガンマ団元総帥のマジックといいます」
卯月「がんまだん?」
凛「って何?」
みく「知らなーい」
541:
マジック「えー、ガンマ団とは、世界中の悪い人達をお仕置きする集団です」
マジック「日夜を問わず激しい戦闘を繰り返す事も、少なくありません」
マジック「……こちらにいるリキッドくん以下五人も、その団員です」
<ザワザワ
マジック「この度皆さんに集まって頂いたのは他でもありません」
マジック「リキッドくんとGくんが身分を偽り、こちらに派遣された事」
マジック「これは私の手違いである事」
マジック「この二つについて、どうしても謝罪したかったからです」
マジック「本当に……申し訳ありませんでした」スッ
リキッド(頭下げるオッサン初めて見たかも)
542:
留美「……聞きたい事があるのですが、いいでしょうか?」スッ
マジック「……どうぞ」
留美「ガンマ団がどのような組織か……その、先ほどの説明だと不透明ですが……」
留美「……リキッドくん達も各地で戦争に参加していた、という事ですか?」
マジック「……はい」
<ザワザワ
凛「戦争って……」
穂乃香「……ウソ、じゃなくて……?」
みく「ウソに決まってるにゃー。ねぇリッチャン?」
未央「そ、そうだよ!ね!?」
リキッド「……ワリィ」
みく「え」
未央「……そんな……」
543:
留美「なるほど……解りました。ありがとうございます」
マジック「それで、今後の事についてですが――」
留美「……今更プロデューサーを辞めるなんて、言わないわよね?」
リキッド「へ?」
G「……」
マジック「……我々の事を知った上で?」
留美「正直、にわかには信じられない話だわ」
留美「けれど私に……いえ、私達にとって二人はプロデューサーです」
留美「アイドルである私達を導く人です」
みく「そ、そうだそうだ!さっきの話なんて信じてやんないにゃ!」
志乃「そうね……付き合いは短いけど、最高の二人だと思うわ」
未央「コレ以上の適役がいたら、今すぐ目の前に出してよ!」
凛「未央、調子乗らないの」
未央「だってー……」
<ガヤガヤガヤガヤ
マジック「……いい子達じゃないか、なぁ?」
リキッド「……ハイ……」グスッ
洋子「あれ?泣いてるんですか?」
リキッド「バッカ、ほっとけ」
洋子「何言ってるんですか、もう……」
洋子「いつもみたいに茶化して下さいよ」ニッ
544:
穂乃香「あの、プロデューサー……いえ、Gさん」
G「……ん」
穂乃香「Gさんが昔何をしていようとも、私は今のGさんを信じます」
G「……ああ」
G「……よろしくな」スッ
穂乃香「!……握手するのは初めてですね」スッ
穂乃香「あらためて、今後ともご指導よろしくお願い致します、プロデューサー」
ミヤギ「ええ話ダァ!」ウワアアアアン
トットリ「皆いい子っちゃね!」ウワアアアアン
ヘレン「ええ年こいて泣ぐでね」
まゆ「泣き顔も素敵……♪」
545:
留美「……皆も同じ思いなのね」
真奈美「まぁ、あの二人だから……かな?」
ちひろ「妙に説得力ありますね……」
幸子「Gさん、今後もボクのプロデュースを出来るなんて幸せモノですね!」
G「……あぁ」
アナスタシア「アー、プロデューサー、人気、ですね?」
薫「うん!かおる達もお世話になるんだよね?」
杏「そうだね……コリャ騒がしそうだ……」ハァ
晴「楽しそうでいーじゃねーか」
雪美「…………」トコトコ
G「……?」
雪美「……手……繋いで……?」スッ
G「……」スッ
雪美「……ん……大丈夫…………よろしくね…………」
G「……あぁ」
真奈美「しかしこれ、収拾が付くのか?」
留美「そろそろ止めなきゃね」クス
546:
留美「ハイみんなー!そろそろ静かにー!」
<ニョワー!
留美「……マジックさん、コレが私達の総意です」
マジック「あぁ、よく伝わったよ……」フゥ
マジック「皆さん、これからも二人の事、よろしくお願い致します」ペコッ
卯月「任せて下さい!」
凛「まぁ、ちょっと抜けてるトコあるもんね」
未央「私達がしっかりフォローしたげるからね!」
リキッド「未央はフォローされる側だろォがよ」
未央「お、調子戻ってきたね」
リキッド「オメーらのおかげだよ……」
リキッド「……ありがとナ」
548:
G「……俺からも一つ……」
G「……ありがとう」
みく「Gチャンそれ一緒だよ?」
マジック「さて、話が終わったところでもう一つ」ゴソゴソ
留美「まだ何か?」
マジック「お仕事の話を持ってきました!」バーン
リキッド「ハァ?」
G「……?」
マジック「いやーココ数週間で武装集団の殆どが武装解除しちゃってサ」
マジック「世界が平和になっちゃって、我々ガンマ団の存続も危うくなっちゃったんだ」
リキッド「ソレって……」
???
リキッド「次は街頭演説風に!」
ほたる「私の歌を聴いた人は幸せになります!」
ちひろ「次は魔法少女風に!」
ほたる「ホタルン☆マジック!みんな幸せにな?れ!」
???
リキッド(あン時だ!)
ちひろ(絶対あの時だ!)
552:
マジック「まぁ元々我々が目指していた状況になったワケだし」
マジック「以前から秘密裏に進めていた計画を実行に移す事にしたんだよ」
マジック「名付けて『パプワ島リゾート化計画』!!」パンパカパーン
凛(どこからファンファーレが……)
志乃「リゾート?」ピクッ
留美「詳しくお願いできますか?」ガタッ
マジック「まぁまぁ落ち着いて」
マジック「我々ガンマ団は世界各国に支部を置いてるんだけど、パプワ諸島もその中の一つでね」
マジック「最近は主に、このパプワ諸島の本島に置いた支部が本部になりつつあって……」
きらり「にょわ?……?」
薫「んうー?」
友紀「あ、そろそろスポーツニュースが」ガタッ
リキッド「友紀、座ってなさい」
マジック「……すまない、話が逸れてしまったね」
55

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