岡部「紅莉栖がアメリカに帰った…」back

岡部「紅莉栖がアメリカに帰った…」


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1:
ーーもう一度会う為に。俺を支えてくれた、彼女を見送った。
再び、日本で、秋葉原で出会う為に――
岡部「行ったんだな…」
岡部「…紅莉栖」ブワッ
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4:
紅莉栖帰国一日目
岡部「……」ドヨーン
まゆり「オカリンオカリン。ジューシーからあげナンバーワン食べる??」
ダル「まゆ氏まゆ氏。ちょっとは空気読んでみると良いと思われ」
岡部「……」ハァ
7:
ダル「オカリン。テレビ電話とかどうなん?牧瀬氏のIDとか聞いてるんじゃね?」
岡部「テレビ電話…か。確か聞いた記憶がある」ガサゴソ
まゆり「テレビ電話?」
ダル「そのまんまの意味だお。離れている人とカメラを繋げたPCで話ができるシステムだお」
8:
岡部「……紅莉栖がログインしてなかった」
まゆり「あちゃー」
ダル「ま、そういうこともあるって」
岡部「紅莉栖…」ハァ
10:
紅莉栖帰国二日目
ダル「牧瀬氏は?」
岡部「ログインしていないんだそうだ」ゴロン
岡部「……」ゴロン
まゆり「オカリーン、ソファー空けてくれないかなぁ? コミマのコス作りたいんだけど…」
岡部「……」ゴロリン
ダル「相当重症だお…あとラボの空気重すぎるだろjk」
prrrr!
まゆり「あ、ちょっと外に行くね?」タッタッタ
13:
紅莉栖帰国三日目
ダル「牧瀬氏h…」
岡部「…ログインしていない」ゴロゴロ
まゆり「あ、オカリン。床で寝ると埃とか付くよ?」
岡部「……」ゴロゴロ
16:
ダル「ここまで無気力なオカリンとか初めて見たお…」
まゆり「紅莉栖ちゃんと離れて寂しいんだよ、ね? オカリン」
岡部「……」ゴロゴロ
まゆり「ダルくん、ダルくん。ちょっといいかな?」
ダル「何だおまゆ氏…って何処連れていくん?」バタン
岡部「……」ゴロゴロ
18:
紅莉栖帰国四日目
岡部「……」
ダル「生きた屍と化してるお」
まゆり「オカリン、昨日はちゃんと食べた?」
岡部「…水は飲んだ」カチカチ
20:
ダル「オカリン。電源の入ってない携帯弄るのとか怖いから止めた方がいいと思われ」
まゆり「テレビ電話は?」
岡部「…ログインなしだそうだ」カチカチ
ダル「ダメだコイツ…早く何とかしないと…」
岡部「……」カチカチ
21:
紅莉栖帰国五日目
フェイリス「キョーマ!」バタンッ!
ダル「おう、フェイリスたんktkr!!」
フェイリス「まゆしぃから聞いたニャン! 魔王ドルザークに洗脳されてもう4日も何もしてないって!!」
岡部「……」カチカチ
まゆり「フェリスちゃん。オカリンは何もしてないけど、洗脳もされてないんだよぉ」
フェイリス「今日はメイクーンニャンニャン特製ドリアを持ってきたニャン!これを食べて元気になってほしいニャン。キョーマ」
岡部「……」カチカチ
23:
フェイリス「……」
ダル「ちょっと、オカリン。フェイリスたんの好意を無駄にするんだかお? 久しぶりに切れちまったぜ…ちょっと屋上来いや」ゴゴゴゴ
まゆり「ダルくんストップ、ストップだよ…ごめんね、フェリスちゃん。せっかく来てもらったのに」
フェイリス「大丈夫だニャン。キョーマの気持ちも分からないまま騒いでごめんなさいニャン」
岡部「……」カチカチ
フェイリス「…それじゃ今日は帰るニャン。ドリアはまゆしぃ達で食べてほしいニャン」ガチャッ
ダル「あ、フェイリスたん…」バタン
まゆり「オカリン…」
25:
紅莉栖帰国六日目
るか「岡部さん! 大丈夫なんですか!?」
ダル「おおう、るか氏…巫女服で登場とは」
るか「まゆりちゃんに聞きました! 岡…凶真さんがずっと塞ぎ込んでるって」
岡部「……」カチカチ
るか「それで矢も楯も堪らず…」
28:
まゆり「もう何日もこんな調子なんだ…心配だよ」
るか「やっぱり、牧瀬さんが居なくなったのが…」
ダル「だからって、こんなになるとか考えられないだろ、jk」
るか「凶真さん…」
岡部「……」カチカチ
るか「ボク、少しだけ凶真さんの気持ちが分かる気がします」
ダル「そうなん?」
るか「大切な人と離ればなれになるのは、とても辛いことだと思います。だから、少しくらいは立ち止まってもいいと思うんです。また歩き出す時まで」
30:
岡部「……」カチ…
るか「凶真さんなら、きっと立ち直ってくれると信じてます」
岡部「……すまないな、るか子」ボソッ
ダル「お、オカリンが…」
まゆり「何日ぶりにオカリンの声聞いたよぉ…凄いね、るか君!」
るか「僕は別に…凶真さんの為ですから。師匠の身を案じるのも、弟子の役目。でしたっけ?」
岡部「……」フッ
32:
紅莉栖帰国七日目
岡部「……」ゴロゴロ
まゆり「結局、オカリンがしゃべったのは、るか君が来たときだけだったね」
ダル「桐生氏とかも来たけど効果なし。てか桐生氏、メールで話をしてたみたいだけどオカリン携帯の電源入れてないから意味なかったお」
まゆり「けどこの間よりは回復したんじゃないかな? ソファーで寝られるのは相変わらずだけど」
ダル「食欲も出たんじゃね? カップ麺のストック減ってたし。水だけ生活だとまず持たないだろ」
34:
岡部「……」ゴロゴロ
まゆり「オカリン」
岡部「……」ゴロゴロ
まゆり「オカリン!」
岡部「……」ピタッ
ダル「ま、まゆ氏?急に大声出してどうしたん?」
まゆり「みんな遠慮してたけどね、まゆしぃはもう限界なのです」ドゴッ!
ダル「ひぃっ、まゆ氏がオカリンに右ストレートを!?」
36:
        ,...、
           _,.-‐---‐''"¨τ三ミ
                _ ._,.-‐-'´^ー<.... ,.._ 、,/'"π丿
          σ  λ _,,.._ /`‐、_'´´.._,,./`ヽ', --'ゞ
                    ,.... ????" ,.-、 リ´ ,/´           ̄
            _,,.._-'" _,. (´・ω・`)  ..,,_ノ-''"
         _/´ `ーヽ、ヽ.`ニニ´.λ'´ .{
   ,. '´ '{′   ;  ,, ' _゙.`ーv''´ , ' ,|
   _/〉-._,人,._,.,.'__≠''´ .',│ ,.. ' /   
    ,'´ ヽ_,ィ /'"λ `゙ } 、_, .ノ <限界なのです☆
 /.'"`ー、ノー-‐へ ,ノ 《 ゙ヽ、.__.. ノ , ', リ
  ヽ. 、.  、!_,-'.ー. \ヽ._ - 、._, '",)ノ
  ヽ、ヽ,-'"ニ  ̄}  .ヾミ゙ヽ_,'"´ /,、_〃
    `ヽ._ ヽ '"〉  {ヘ, ,(`ー_,./,.-'/
   ``ー--''
39:
>>36
死ぬわwww
38:
まゆり「オカリン、いつまでも子供みたいにいじけてる場合じゃないんだよ?」
岡部「……」
まゆり「みんなオカリンを心配してやってきたのに…オカリンはみんなの事を無視するの…まゆしぃは見てて悲しかったのです」
岡部「……」
まゆり「まゆしぃもね。助けてくれた人が居たから。今こうしているんだよ?」
ダル「……」
まゆり「その人はどんな時も諦めなかった。だから、まゆしぃもそんな人と一緒にいたいと思ったのです」
岡部「……」
42:
まゆり「オカリン。紅莉栖ちゃんのこと大好きなんだよね?」
岡部「……ああ」
まゆり「じゃあ、頑張ろ? 連絡がつかないなら繋がるまで頑張ればいいんだよ? 待つのがダメだったら会いに行けばいいんだよ?」
岡部「…簡単に言ってくれるな、まゆりは」
まゆり「まゆしぃは、その人が諦めないで前に進む姿を見ていたいのです。隣に居られなくてもいいから。その後ろ姿を応援できるだけで、いいから…」
ダル「まゆ氏…」
45:
岡部「…ふふふっ」スクッ
まゆり「オカリン?」
岡部「フゥーハッハッハ!」
ダル「オカリン、ついにぶっ壊れたか…無茶しやがって」
岡部「まゆり、ダル。俺を誰だと思っている? 狂気のマッドサイエンティスト・鳳凰院凶真が目標を前に諦めるなど笑止!」バッ
まゆり「オカリン…」
岡部「俺は! 俺の信ずる道を進むのみ!!」
ダル「よく分からんけど吹っ切れたってことでおk?」
岡部「クリスティーナよ!この俺から逃げ切れると思ったら大間違いだと理解させてやる!!フゥーハッハッハ!!」
49:
まゆり「よかった…いつものオカリンに戻ったね」
岡部「まゆり、ダル…他のラボメンにも迷惑をかけたな。許してくれ」
ダル「許すお…僕はちょっと出かけるけども」
まゆり「全然気にしてないのです」
岡部「…すまない」
まゆり「ところで。もう一回聞くけど、紅莉栖ちゃんのこと大好きなんだよね?」
52:
岡部「な、何度も言わせるな…」
まゆり「一万年と二千年前から大好きなんだよね?」
岡部「…そんなこと、当たり前ではないか」
まゆり「よかったね?紅莉栖ちゃん。オカリン、紅莉栖ちゃんのこと大好きなんだって」
紅莉栖「(ガチャッ)……馬鹿」
岡部「」
55:
岡部「な、何故紅莉栖が日本に…」
まゆり「実はねぇ…ちょっと前に電話があったのです」
57:
紅莉栖帰国二日目
prrr!
まゆり「はーい、紅莉栖ちゃ?ん、トゥットゥルー♪」
紅莉栖「はろー、まゆり。元気?」
まゆり「元気だよ?ところでどうしたの、紅莉栖ちゃん?」
紅莉栖「えっと、岡部の奴どうしてるかなって…」
まゆり「オカリン、元気がなくてラボにずっといるのです」
61:
紅莉栖「えっ? どうして? 病気?」
まゆり「ううん。誰かが声を掛けても返事しないしソファーで横になってるの…紅莉栖ちゃんが居なくなってからずっとそんな調子なのです」
紅莉栖「確認するけど、私が帰国してからよね? 岡部が変になったのは」
まゆり「うん」
紅莉栖「あのバカ…OK分かったわ。ちょっと待っててね」
67:
帰国四日目
ラボの外
Prrr
紅莉栖「まゆり。岡部の様子は?」
まゆり「変わってないのです…もうオカリンを見ていられないのです」
紅莉栖「取り敢えず、他のラボメンに声をかけましょう? 励まして岡部が立ち直るならそれでいいし」
まゆり「うん…」
70:
帰国五日目
Prrr
まゆり「やっぱり駄目だったのです…」
紅莉栖「重症だわ…というか落ち込みすぎよ」
まゆり「ところで紅莉栖ちゃんはどうしてテレビ電話にログインしてないの?」
紅莉栖「帰国直後でドタバタしてたから…悠長にログインできなかったの」
72:
まゆり「それは仕方ないね」
紅莉栖「もっと私がはやく対処できていれば…ごめんね、まゆり」
まゆり「ううん。紅莉栖ちゃんのせいじゃないよ」
紅莉栖「サンクス。それじゃ」
75:
帰国六日目
紅莉栖「はろーまゆり。元気だった?」
まゆり「紅莉栖ちゃん?久しぶり?」ダキッ
紅莉栖「おっと、危ない危ない…それで。岡部の様子は?」ナデナデ
まゆり「るか君が説得(?)したらポロって喋ったんだよ。まゆしぃ嬉しくて嬉しくて」
紅莉栖「やるわね、漆原さん…あとは仕上げね」
78:
帰国七日目
紅莉栖「お願い、まゆり。この通り!」
まゆり「でもまゆしぃ暴力なんてできないよぉ…」
紅莉栖「けど岡部の気持ちをしっかりと理解できてるのはまゆりだけだから…」
まゆり「だけど…」
紅莉栖「ここでキツイのを一発かませば岡部も元に戻ると思うから」
まゆり「分かりました。まゆしぃやってみるのです」
紅莉栖「頼んだわね、まゆり」
83:
ラボ
まゆり「…と、いうわけなのです」
岡部「ふぅ。まんまと一杯喰わされたというわけか」
紅莉栖「お前が拗ねてなければ、こんなことにはならなかったんだからな!」
岡部「うむ。俺もここまで自分が弱い人間だと思わなかった…一日で無気力になろうとはな」
まゆり「でもでもオカリンも元通りで、紅莉栖ちゃんも帰ってきてくれてよかったのです」
88:
岡部「すまない紅莉栖。俺の為にわざわざ日本に戻ってきたんだろう?」
紅莉栖「いつから私がアメリカから戻らないと錯覚していた?」
岡部「なに?」
紅莉栖「アメリカに帰ったのは一時的な理由からよ。用事が済んだら日本に戻るつもりだった」
まゆり「そうだったんだ…」
岡部「日本でやり残したことでもあるのか?」
紅莉栖「それは――その、お、岡部が…誰かに盗られたら困るから…」ゴニョゴニョ
岡部「すまない、よく聞こえなかった。もう一度…」
93:
ダル「オカリーン、まゆ氏ー!」ドスドスドス
まゆり「ダルくん!」
ダル「牧瀬氏が帰ってくると聞いて。オカリンの復帰祝いも兼ねてメイクイーンニャンニャンでパーティーするんだおー!」
岡部「まったく…再会の余韻に浸る間もないな」
紅莉栖「そうね」
まゆり「ふふっ。行こう。オカリン、紅莉栖ちゃん!」
岡部「行くか」ギュッ
紅莉栖「ええ」ギュッ
握りしめた手を握り返してくれる。
隣で微笑む彼女を、二度と離さないように。
ーー行こう。俺達の物語は、まだ始まったばかりなのだから…
102:
紅利栖好きだけど、疲れてる時に下痢と読み間違える
104:
>>102
明らか字数が違ってんのにどういうことだよwwwww
105:
オマケ
メイクイーンニャン×2
岡部「本当にすまなかった」
フェイリス「クーニャンのことで頭が一杯だったんだから仕方ないニャン」
るか「でも、元気になって良かったです。岡…凶真さん」
萌郁「……心配した」
岡部「(俺には、心配してくれる仲間がいる…こんなにも嬉しい事はない)」
107:
フェイリス「でもキョーマが元気になって本当に良かったニャン!」ダキッ
岡部「こ、こらフェイリス!抱き付くな!!」
ダル「ちょ、オカリン僕とポジション代われよ…いや代わって下さい!」ズザザー
萌郁「………スライディング……土下座?」
るか「あ、フェイリスさんズルいですっ!」
フェイリス「何がズルいのかフェイリスには分からないニャ。るかニャン、説明して欲しいニャ」
109:
るか「えっと、それは…」
フェイリス「だったらるかニャンもすればいいと思うニャン」
岡部「るか子よ、早まるな!これは機関の罠d」
るか「えいっ!」ダキッ
岡部「ぬわぁぁっ!」
萌郁「…………」ギュッ
岡部「も、萌郁…背中に何か当たってるんだが…」
萌郁「………当ててるの」
紅莉栖「……」ピクピク
114:
岡部「く…クリスティーナ?」
紅莉栖「……岡部ぇ!いい加減にしろやゴルァッ!!」ドカーン!
フェイリス「クーニャンが怒ったニャー!」
岡部「お、落ち着け紅莉s…グボァ!」
紅莉栖「五月蝿い!この浮気者がぁっ!!」ポコポコ
岡部「ま、待て紅莉栖、話し…痛いて!」
紅莉栖「■■■ー!!」
119:
まゆり「……」ニコニコ
ダル「まゆ氏」
まゆり「なに?ダルくん」
ダル「まゆ氏gj…って言いたいところだけど、それでいいのん?」
まゆり「なにが?」
ダル「まゆ氏だってオカリンの事を…」
まゆり「まゆしぃはオカリンの人質なだけだよ?今のオカリンがオカリンのままで居られるなら、まゆしぃは大勝利なのです」
122:
岡部ほど幸せになってほしいと思ったキャラはいない
128:
ダル「…良いおにゃのこだお、まゆ氏は」
まゆり「そうなのかな?」
ダル「今なら言える…まゆ氏、泣きたい時は、僕の胸で泣いても良いんだぞ」キリッ
まゆり「ダルくん…」
ダル「(決まった、僕カコイイ!)」
まゆり「……ありがとね、ダルくん」ダキッ
ダル「ぼ、僕はまゆ氏を泣かせたりはしないお…絶対に、絶対にだお」ギュッ
まゆり「……グズッ」
129:
おいダル…
130:
えっ
137:
おまけのおまけ。
 ラボ
紅莉栖「まだ痛む…?」
岡部「当たり前だ…全力で殴られたのだからな」
紅莉栖「ご、ごめんなさい…」シュン
岡部「べ、別に怒ってなどいない…ただ」
紅莉栖「ただ?」
岡部「紅莉栖が、俺を好きなんだなと、理解できた」
紅莉栖「はあっ!? な、何よ急に…」
146:
岡部「他のラボメン達の悪乗りだったとはいえ。金輪際、浮気をしないと誓おう」
紅莉栖「あ、当たり前じゃない…それに岡部から言い出したのよ?『俺にはお前が必要なんだ、紅莉栖』って」
岡部「分かっている。元々するつもりなどない…こんなにも愛おしい存在がいるのだからな」ギュッ
紅莉栖「ちょ、岡部…橋田たちが帰ってきたらどうするのよ…」カァァッ
岡部「今日はダルもまゆりも自宅に帰ると言っていた。つまり、このラボには俺たちだけだ」
156:
紅莉栖「て、天王寺さん親子はっ!?」
岡部「ミスターブラウンはもう綯と一緒に帰宅した。つまり、ブラウン管工房も不在だ」
紅莉栖「そ、そうなんだ…」アハハ
岡部「でだ。俺が他の女に盗られる心配があって戻ってきたそうだな」
紅莉栖「ちょ、おま、聞こえて…」
岡部「常に機関に狙われる身だからな。小さな物音を感知するなど造作もないことだ」
158:
紅莉栖「???っ!!」
岡部「初めて会った時から。気になっていた」
紅莉栖「え?」
岡部「幾多の世界線の放浪の中で。常に俺を支えてくれていたのは、お前だった」
紅莉栖「……」
岡部「心が折れそうになっても。お前が傍にいてくれたから。まゆりを助けることができた」
紅莉栖「…」
岡部「お前にはその時の記憶がないのは仕方ない。それでも――」
 俺が――岡部倫太郎が牧瀬紅莉栖を愛する理由になったのは紛れもない事実で。
161:
お前を見ているぞ
164:
岡部「この世界線では。俺のことを大好きだと、言ってくれた」
 それが他の世界線からの影響なのか。それともこの世界線だけの事象なのか。
岡部「その言葉を聞かせてくれないか? もう一度だけでいい…」
紅莉栖「馬鹿にしないで」
岡部「……?」
紅莉栖「一度だけ、で許してあげない…岡部がもう聞きたくないっていうまで言ってやるんだから…」
167:
ああこれだ…
俺はこういうのを待ってたんだ…。
168:
紅莉栖「…岡部が好き。世界中の誰よりも。ずっと」
岡部「紅莉栖…」
紅莉栖「岡部が好き。大好き。嫌いになるまで、離れてあげないだんから…!」ギュゥ
岡部「…ありがとう紅莉栖。こんな俺を好きでいてくれて」
紅莉栖「もう…言っとくけど。あんただから好きになったんだからね」
岡部「紅莉栖…」
紅莉栖「岡部…」
 ――その日は、朝になるまでずっと寄り添っていた
 大切な人の温もりを感じながら。一つになることの喜びを感じながら――
170:
数日後。ラボ
紅莉栖「岡部…」
岡部「何だ、助手よ」
紅莉栖「ところで。あれを見なさい。こいつらをどう思う?」
岡部「すごく、ラブラブだな」
まゆり「ダルくんダルくん。今日はおにぎりを作ってきたのです」
ダル「おおう、まゆりのおにぎり…って何かデカくね?」
まゆり「ふふっ。中には秘密の具材を入れてきたのです」
ダル「ちょっと食べてみるお…(パクッ)…むっ、これは」
まゆり・ダル「ジューシーからあげ、ナンバーワン♪」
174:
岡部「まぁ、何だ。本人たちが良いならそれで良いではないか」
紅莉栖「でもところ構わずイチャイチャされるうのは…」
岡部「なら、俺たちもイチャ付けばいい…違うか?」
紅莉栖「違わない♪」ギュッ
岡部「今日はやけに積極的だな、クリスティーナよ」
紅莉栖「クリスティーナも助手も禁止。ちゃんと名前で呼んでくれないと許しません」
岡部「手厳しいな。仕方ない…なぁ、紅莉栖」
紅莉栖「なに?倫太r…んっ…」
岡部「…ぷはっ。不意打ち成功、だな」
紅莉栖「馬鹿…恥ずかしいじゃないの」
178:
リア充のすくつだな
181:
岡部「イチャ付けばいいという意見に賛同したのはお前だろうに…俺も恥ずかしいのだから我慢しろ」
紅莉栖「恥ずかしいなら最初からするなと…ん?」
まゆり「ラブラブだねぇ」 
ダル「お熱いですなぁ」
岡部・紅莉栖「お前らが言うなぁっ!!」
 青年が死の運命から救い出した少女は、新たな可能性へと向けて歩き出した。
 青年を幾多の世界で支えた少女は、青年と共に同じ場所へ向けて歩き出した。
 この世界の選択が正しいものかどうかは、観測者達に委ねられる――。
187:
 2024年 某所
 二人の少女が街中を駆けていく。
 一人はだぼだぼの白衣をマントのように靡かせて。
 一人は橙色の帽子と懐中時計を身に着けて。
 希望に満ちた瞳で、世界を生きている。そんな可能性の一つの世界。
 どうか――この世界が、認められるものでありますように――。
END
188:
>>1乙なのだぜ
189:
>>1乙
ありがとう。ちょっと気が楽になった
196:
>>1乙・プサイ・コングルゥ
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