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ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」


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居酒屋ーー
ヤムチャ「……ったく、ふざけんじゃねぇよ」
さくら「アハハ、まぁまぁ、ヤムチャさん」
ヤムチャ「プロレス団体に就職したのはいいけど……まさか、こんな事させられるとは思ってなかったなかったぜ……」
さくら「今だけの辛抱っすよ! ホラ、お酒飲んで忘れちゃいましょう! ぱーっと、ぱーっとっ!」
ヤムチャ「本当、酒でも飲まないとやってられないよ……股間蹴られて、笑い者にさせられて……くそっ、ふざけんじゃねぇよ……」
さくら「ほらほら、料理も沢山あるっすよ!? ヤムチャさん、どんどん食べて下さい!」
ヤムチャ「あ〜ぁ……プロレス団体に就職したのは、失敗だったかもしれねぇなぁ……」
さくら「そ、そんな事ないっすよ……! ヤムチャさんは、才能ありますって、絶対!」
元スレ
ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」
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1:
居酒屋ーー
ヤムチャ「……ったく、ふざけんじゃねぇよ」
さくら「アハハ、まぁまぁ、ヤムチャさん」
ヤムチャ「プロレス団体に就職したのはいいけど……まさか、こんな事させられるとは思ってなかったなかったぜ……」
さくら「今だけの辛抱っすよ! ホラ、お酒飲んで忘れちゃいましょう! ぱーっと、ぱーっとっ!」
ヤムチャ「本当、酒でも飲まないとやってられないよ……股間蹴られて、笑い者にさせられて……くそっ、ふざけんじゃねぇよ……」
さくら「ほらほら、料理も沢山あるっすよ!? ヤムチャさん、どんどん食べて下さい!」
ヤムチャ「あ〜ぁ……プロレス団体に就職したのは、失敗だったかもしれねぇなぁ……」
さくら「そ、そんな事ないっすよ……! ヤムチャさんは、才能ありますって、絶対!」
4:
ヤムチャ「そういやさぁ……今日、おじいちゃんどうしたの……? おじいちゃん……」
さくら「……おじいちゃん?」
ヤムチャ「ほら、いつも試合実況してる所にいる人だよ。 あの髭のおじいちゃん」
さくら「あ〜、元さんの事っすね!」
ヤムチャ「今日、あのおじいちゃんじゃなくて違う人が解説してたけど……おじいちゃん、病気とかになったの?」
さくら「元さんは、元気っすよ! 今頃、サガットさん達の試合を実況してると思うっす!」
ヤムチャ「あれ、 おじいちゃん、来てるんだ……? だったら、なんで違う人があそこにいたんだろ……? 遅刻でもしたのかな?」
さくら「……元さんの解説は、第四試合からっす」
ヤムチャ「……ん?」
5:
さくら「……やっぱり、第四試合ぐらいにならないと、お客さんは少ないじゃないっすか?」
ヤムチャ「そうだね……今日の試合は、全然お客さんがいなかったよ……」
さくら「そういうお客さんの多い試合じゃないと……元さんの解説はないっす……お客さんの少ない試合で、元さんみたいな冷静な解説だったら、逆に盛り下がっちゃいますからね……」
ヤムチャ「ふ〜ん……」
さくら「……第三試合までは、うちの選手が解説を務める事になってるっす」
ヤムチャ「……選手がするんだ? なんで、まだ?」
さくら「ほら、サガットさんとか、リュウさんとか、試合が終わった後によくマイクアピールしてるじゃないっすか?」
ヤムチャ「あ〜、よく大声で何か言ってるねぇ?」
さくら「いくらマイクアピールだからって、何を言ってもいいってワケじゃないっすよ……やっぱりマイクアピールでも……より、お客さんを盛り上げる為の言葉選びが必要になってくるっす……」
ヤムチャ「……ふ〜ん」
さくら「解説で、そういったお喋りの練習をしている……って、所じゃないっすかね……」
ヤムチャ「……お喋りの練習?」
6:
さくら「実況の人も、戦いを真面目に実況したりせずに……ちょっと、面白可笑しく実況しようとしてるっす……ふざけた事を言ったり、ゲスト解説の話題を振ったり……」
ヤムチャ「……そういや、和気藹々とお喋りしてたなぁ。実況すら、真面目にしてもらえねぇのか、この位置は」
さくら「試合の流れと、そういった話題……そういうのを、上手く両立させて、解説してるっす……実況の人の無茶振りに上手く、言葉を選んで解説して……そういった事をしながら、マイクアピールの勉強をしてるっすよ……」
ヤムチャ「……って事は、俺の試合も、そういう風に面白可笑しく解説されてたって事ね?」
さくら「……そうっす」
ヤムチャ「くそっ、何言われてんだろな……どうせ、色々とバカにされてるんだろうな……」
さくら「……そうかもしれないっす。第二試合は、笑いを取りにいく試合っすからね」
ヤムチャ「なんだよなんだよ……すっかり、環境が変わっちまったなぁ……ふざけんじゃねぇぞ……?」
さくら「それは、自分も一緒っすよ……ヤムチャさん、頑張りましょうよ……」
ヤムチャ「……ん?」
7:
さくら「女子部も基本的に第三試合だから……やっぱり、ゲスト解説のお喋りの練習と、面白可笑しい実況に使われる位置っす……」
ヤムチャ「さくらちゃんも、か……」
さくら「ジミーさんなんかは、そういった面白可笑しい実況をしてもらう為に……試合中、面白可笑しい行動をしてるっすけど……」
ヤムチャ「……あの人、今日は大暴れだったよ」
さくら「女子部は、試合自体は真剣にやってるっすよ……そういった面白可笑しい行動をしてるワケじゃないっす……なのに、無理矢理面白可笑しい実況をされてるっす……」
ヤムチャ「無理矢理……って、どんな事言われてるの……?」
さくら「エロトークが多いっすよ……女子部の誰が一番おっぱいが大きいか……とか、もっと露出のあるコスチュームにするべきだ……とか……」
ヤムチャ「おっぱい……ねぇ……?」マジマジ
さくら「……何処、見てるっすか?」
ヤムチャ「あっ、いやっ……! そういう、いやらしい意味で見たんじゃなくて……話の流れで、つい……ね……?」
さくら「……エッチ」
ヤムチャ「い、いやっ……! だから、違うって……! あっ、さくらちゃん、グラス空だよ……俺が、注いであげるよ……!」
9:
さくら「……春麗さんは、その事にかなり苛立ってたっすよ」
ヤムチャ「……春麗さん?」
さくら「春麗さんの得意技は、蹴りなんっすが……春麗さんが蹴りを繰り出す度に『私もあの足で蹴られたいっ!』なんて、実況の人が言ってるんすよ……?」
ヤムチャ「……完全にセクハラじゃねぇか、ソレ」
さくら「それで、気合入れて臨んだ結果が、アレっすよ……現状を変えるどころか……状況は悪化してしまったっす……」
ヤムチャ「……」
さくら「ヤムチャさんも、今現状の位置が出来ないのは、わかるっすけど……焦って行動しても、女子部と同じ結果になってしまうような気がするっす……」
ヤムチャ(そうか……春麗さんも俺と同じように、焦ってたのか……)
さくら「やっぱり、地道にやっていく事が近道だと思うっすよ……?」
ヤムチャ(最初は、春麗さん冷たそうな人だと思ったけど……そりゃそうだよな……いきなり、自分よりいい位置で試合が出来る奴が入団してきたんだからなぁ……気に食わないのも当然か……)
11:
ヤムチャ「……俺、さくらちゃんの言う通りだよ。スーパールーキーだよ」
さくら「……えっ?」
ヤムチャ「だって、いきなりさくらちゃんとか春麗さんの位置抜いて、第五試合スタートでしょ? いきなり、いい位置で出来てるんだもん。プロレス未経験の俺がさぁ」
さくら「い、いやっ……! そういう意味で言ったワケじゃ……」
ヤムチャ「今までの試合は……サガットさん達に助けられて、なんとかやれてただけなんだよ……俺のプロレスラーとしての実力じゃなかったって事だ……」
さくら「……」
ヤムチャ「試合をこなして、メッキが剥がれてきた姿がコレなんだよ……俺は第五試合の器じゃなかった……俺には、第二試合がお似合いだったってワケだよ……もう、特別扱いは終わりだ……」
さくら「そんな事、ないっすよ! ヤムチャさんは、空手軍団なんだから、実力をつければ、また第五試合に戻れるっす!」
ヤムチャ「うん、俺もその位置でやりたい……ブランカさんみたいなふざけた人相手じゃなくて……やっぱり、サガットさん達と真剣な戦いをして……お客さんの声援を貰いたい……」
12:
ヤムチャ「でも、そこに戻るには……試合をリードする能力が必要か……くそっ、道のりは長ぇな……」
さくら「焦っちゃダメっすよ。ゆっくり行きましょう! ゆっくり!」
ヤムチャ「でもさぁ……? あまり、悠長にしてたら、俺空手軍団脱退って事にならない?」
さくら「……えっ?」
ヤムチャ「だって、俺の上にはナッシュさんとか、ユンさんとか……それに、ソドムさんとかいるんでしょ?」
さくら「ま、まぁ……」
ヤムチャ「その人達が、人気レスラーになっちゃったら……俺の代わりに空手軍団に入っちゃうって事に、ならない?」
さくら「まぁ、可能性としては……なきにしもあらず……って所っすかね……?」
ヤムチャ「やべぇじゃん! マジで、俺やべぇじゃん! マジで5試合でなんとかしないと……俺、ここまま第二試合で股間蹴られ要員になっちまうんじゃねぇの!?」
さくら「ヤムチャさん、焦ってもいい事はないっすよ! 女子部みたいになりたいんっすか!?」
ヤムチャ「……ま、まぁ、それはそうだけど」
プーアル「……でも、危機感を持つのはいい事ですね。今までのヤムチャ様に足りなかったのは、ソコですよ。ソコ」
ヤムチャ「そうだよな、プーアル!? 結構、やべぇよなぁ、俺!」
14:
サガット「ヤムチャ君、いるかっ!?」
バルログ「反省会の時間ですよ!」
バイソン「お酒を飲もう! お酒を!」
ヤムチャ「あっ、サガットさんにバルログさん……それにバイソンさん……そんなに慌てて、どうしたんですか……?」
サガット「おぉ、良かった……ヤムチャ君がいて安心したよ……」
バルログ「も〜う、バイソン、脅かさないで下さいよ……? ヤムチャ君が辞めるかもしれないって……穏やかに、飲んでるじゃないですか……」
バイソン「い、いやぁ……試合が終わった後のヤムチャ君の顔が険しかったからな……ま、まぁ、取り越し苦労で良かったじゃねぇか!」
ヤムチャ「皆さん、試合はもう終わったんですか?」
サガット「あぁ、今終わった所だよ……バイソンがバカな事を言い出したから……慌てて駆けつけたんだが……まぁ、要らぬ心配だったようだな……」
15:
バイソン「そんなに責めないでもいいじゃねぇか……? まぁ、とりあえず、俺達も飲もうぜ!」
バルログ「ちょっと今日のメインイベントは興味ありましたけどね。ザンギエフさん対豪鬼さんですから……まぁ、でもここまで来たんです。飲みましょう」
サガット「……ヤムチャ君、どう言葉をかけていいかわからんが、俺は今日のヤムチャ君の試合はいい試合だったと思うぞ?」
ヤムチャ「……えっ?」
サガット「ただ、教えられたコブラツイストをかけるだけではなく……その前に、一つワンクッション置いた行動していたよな……? あれは、良かった。こちらも教えがいがあるよ」
ヤムチャ「あっ、ありがとうございます……」
サガット「それに、ラストのバックドロップも良かったぞ? 試合中、コツでも掴んだか?」
ヤムチャ「……えっ? あのバックドロップ、出来てたんですか?」
サガット「あぁ、実況もしっかり『バックドロップを仕掛けた』と言っていたぞ? あぁいったフォームのバックドロップが理想だな」
ヤムチャ「そこまでは聞いてませんでしたね……バックドロップ、モノに出来たのか。実感ねぇけどなぁ……」
17:
ヤムチャ「それより、サガットさん!」
サガット「……どうした?」
ヤムチャ「俺、やべぇんすよ! ブランカさんにしばらく、第二試合で続けろって言われたんすよ!」
さくら「だから、ヤムチャさん……焦ってもいい事はないっすってば……」
ヤムチャ「サガットさん達の所に戻るには、試合をリードする能力が必要……って、言われたんっすけど、そういう能力って、どうやって身につけるんすかねぇ!?」
サガット「……ぬ?」
ヤムチャ「このままじゃ、俺、マジで空手軍団脱退って事にならないっすかねぇ!? 反省会しましょうよ、反省会! 俺、結構危機感感じてるんっすよ、今!」
プーアル「ううぅ……こんなに勉強熱心なヤムチャ様が見れるなんて……とりあえず、バルログさん、バイソンさん……ビール注ぎますね……?」
バルログ「プーアル君はいつも気が効きますね。ありがとうございます」
バイソン「おぅ! プーアル君、ありがとな!」
ヤムチャ「プーアル、ビール注いでるんじゃねぇ! お前も反省会に付き合え!」
19:
サガット「まぁ、危機感を持ってやるのは、いい事だが……プーアル君、悪いが俺にもビールを注いでくれ……」
プーアル「ハイ、サガットさん、今注ぎますね……」
サガット「うむ、ありがとう。プーアル君はいつも気が効くな……」
ヤムチャ「いやいや、ビールはいいから、反省会しましょうよ、反省会!」
サガット「ヤムチャ君、試合をリードする能力……だったよな……? 一つ、聞きたいんだが……」
ヤムチャ「……ん?」
サガット「……自覚はないのか?」
ヤムチャ「えっ……? どういう事ですか……?」
サガット「その様子だったら、自覚はないようだな……では、そこから話すとするか……」
23:
乙!
まさかのスレタイ、ヤムチャ大丈夫か?
毎日楽しみにしてます
26:
サガット「今日の試合……初めにヤムチャ君が行動を仕掛け、次にブランカさんがお客さんを笑わせる為の行動をして……最後にヤムチャ君が、攻撃を仕掛けて勝っただろう?」
ヤムチャ「えぇ、そうですね」
サガット「俺は最初にヤムチャ君が、攻撃を仕掛けてるのを見て、練習の成果を見せる為に頑張ってるんだな……と、感じたよ」
ヤムチャ「……ほう」
サガット「試合後半で延髄斬りを仕掛ける為に、ブランカさんに足をとってもらい……コブラツイストを試合で披露する為に、その前にワンクッション置いた行動をしていたな? ヤムチャ君は、頑張ってると思ったよ」
ヤムチャ「そうですね。そこまでは、結構計算通りでした」
サガット「そして、次にブランカさんの反撃だ……と、言っても笑わせる行動だがな……ブランカさんは、犬の真似やゴリラの真似なんかをしていたな……?」
ヤムチャ「そうっすよ……お笑いショーの始まりっすよ……ここから、試合じゃなくなったんですよ……」
サガット「……まぁ、ヤムチャ君の言う通り、お笑いショーかもしれないな。お客さんは、そういった目で試合を見る」
ヤムチャ「……でしょ?」
サガット「……だが、俺達は違う」
ヤムチャ「……ん?」
サガット「俺達は同業者なんだ。そういった場合でも……俺達はヤムチャ君の事をプロレスラーとして見続ける。 俺達は、面白可笑しい試合内容でも、ヤムチャ君がプロレスラーとして、正しい行動が出来ているか……なんて、真面目に試合を見ているさ」
29:
サガット「具体的に言うと、ヤムチャ君がジミーさんの行動を邪魔しない為の行動が、しっかりと出来ているかだな」
ヤムチャ「行動を邪魔しない為の行動……? なんか、また難しそうな言葉が出てきましたね……?」
サガット「言葉にすると難しいが、実際はそうでもない。ヤムチャ君は、ジミーさんが動きやすいように、やられた振りやダメージを受けた振りを続けていてくれただろう? それだよ」
ヤムチャ「……ほう」
サガット「ヤムチャ君が動き始めると、ジミーさんは戦う事になってしまい、笑わせる為の行動が出来なくなるからな……ヤムチャ君は、笑わせる行動が終わった瞬間に、上手く行動を起こさないといけない……」
ヤムチャ「そうっすね……そう、言われましたし……」
サガット「動かない……と言っても、ただリングで寝ているだけじゃダメだ……腕にダメージを食らっているなら、腕を抑えながら寝ていたり……足にダメージを食らっているなら、足を抑えながら寝ていたりする必要があるな?」
ヤムチャ「……そうっすね。ダメージ食らってるんですもんね」
サガット「ジミーさんが犬の真似をしている時……俺はジミーさんではなく、ヤムチャ君を見ていたよ。噛み付かれて、顔を抑えているヤムチャ君が、どのタイミングで、顔から手を離し……どのタイミングで、起き上がり……」
ヤムチャ「……あらら、そんな所見てたんですか」
サガット「そして、どのタイミングでジミーさんに攻撃を仕掛けて、試合を作り直したかをな?」
ヤムチャ「……ほ〜う」
サガット「やられ方も、起き上がるタイミングも、ジミーさんに再び攻撃を仕掛けるタイミングも……なかなか、良かったと思うぞ? きっと、ザンギエフさんもそこは見ていると思う」
ヤムチャ「マジっすか!? やったじゃん、俺!」
30:
サガットさんよく見てるな
31:
バルログ「ヤムチャ君、水を差すようで悪いんですが……」
ヤムチャ「……ん?」
バルログ「……今日の試合、ケン君は怒ってましたよ?」
ヤムチャ「えっ、 ケンさんが……!? なんで、また……!?」
バルログ「ケン君からの伝言です……『おめぇ、不意打ちしねぇんじゃなかったのか、コラ。側頭部、背後から蹴ってんじゃねぇよ』だ、そうです……」
ヤムチャ「えっ……? 俺、そんな事したっけなぁ……?」
バルログ「ほら、ジミーさんが犬の真似した後の……ヤムチャ君の一撃の事じゃないですかねぇ……? あれ、確か背後からの攻撃じゃありませんでしたっけ……?」
ヤムチャ「え〜っと……あっ……! そういえば、俺、背後から攻撃したような……」
バイソン「でもよぉ? あれは、アリなんじゃねぇの? あれくらいで、色々言われてたらやってられねぇぜ」
バルログ「まぁ、私もそう思うんですけどね。でも、ケン君からは、自分で言い出した事ぐらいしっかり守れと伝えるようにと言われました。とりあえず、伝えておきます」
ヤムチャ「うわぁ、ケンさんも細かい所を見てるなぁ……やっちまったなぁ、怒られるんじゃねぇの、コレ……?」
サガット(ケンは早く戻って来いと怒っていたが……まぁ、あまりプレッシャーを与えるのもよくないだろう……今は、黙っておくか……)
ヤムチャ「……あれ? サガットさん、どうしたんですか?」
サガット「おっと、すまない……話を進めようか……」
33:
サガット「ジミーさんの笑わせる行動が一通り終わったら、再びヤムチャ君が攻撃を仕掛けたよな……? 今日の試合は、ヤムチャ君の勝利なんだから、攻撃をする必要がある……具体的に言うと、急所攻撃を受けた後だ」
ヤムチャ「はい」
サガット「ヤムチャ君に、自覚はないようだが……俺は、そこでヤムチャ君は試合をリードしようとしているんじゃないか、と思ったよ」
ヤムチャ「……えっ、どういう事っすか?」
サガット「試合の決着時間は10分だったが……あの時、試合時間はもう10分近くなっていただろう?」
ヤムチャ「……そうっすね」
サガット「お客さんは知らないだろうが、俺達は知っている。俺は、試合時間が伸びるんじゃないかと思ってヤムチャ君の試合を見ていたよ。試合時間が伸びると、後ろに控えてる人間の試合時間を削ってしまう事になるかもしれないからな……」
ヤムチャ「……はぁ」
サガット「残り、1分や2分の攻防で……急に試合を終わらせなければいけない……だが、そこに不自然な行動があってはいけない……」
ヤムチャ「……自然な流れで終わらせなければいけないですよね」
サガット「もう一度、確認するぞ? 本当に自覚はなかったのか? あれは、偶然の産物なのか?」
ヤムチャ「う〜ん、まぁ、試合を終わらせなきゃ……とは思ってましたけど……試合をリードする……って事までは……」
34:
サガット「俺は、ヤムチャ君が試合終了時間に間に合わせる為に……自分がリードして試合を作り始めたんじゃないか、なんて思ったんだけどな……」
ヤムチャ「……あそこは、俺がリード出来てたんですかねぇ?」
サガット「ほら、練習した足を取られてからの延髄斬りも打たなかったろ?」
ヤムチャ「あっ、そういやアレ、出すタイミングなかったんですよ!」
サガット「俺は、蹴りを打って……足を取られて……そしてそこから、延髄斬り……なんて攻防をしてたら、試合終了時間に間に合わなくなってしまうとヤムチャ君が判断したと思ったよ」
ヤムチャ「まぁ、ちょっとは思った部分もありますが……」
サガット「序盤に足を取られて、終盤でもう一度打つチャンスを作ったのに、時間の都合で出すタイミングを作れなかった……だが、練習の成果は見せたい……」
ヤムチャ「……」
サガット「ヤムチャ君が、足を取られていない状況で延髄斬りを繰り出した時……俺はそう思ったよ」
ヤムチャ「う〜ん……」
サガット「そして、バックドロップ……トラースキック……狼牙風風拳は使わなかったが、自分の必殺技をフルに使って仕留めに行っただろ?」
ヤムチャ「一応、技は全部出してやろうとは思いましたね……」
サガット「残り、1分や2分の攻防で……自分の出していない必殺技を全て使い、自然な流れで相手を仕留めに行く……」
ヤムチャ「……ふむ」
サガット「今日の試合は、完全にブランカさんが流れを作っていた試合だったが……ラストの攻防……あの部分だけ切り取って見ると、あれは完全にヤムチャ君が試合を作っていたぞ?」
ヤムチャ「マ、マジっすか……!?」
38:
サガット「ヤムチャ君が計算していないと、いうのならば……どう説明すればいいかな……」
ヤムチャ(実は、試合を早く終わらせたいと投げ出しかけただけなんだけど……なんか、評価されてるぞ……? こりゃ、儲け物だな……)
プーアル「……ヤムチャ様、何か変な事考えてません?」
ヤムチャ「えっ……!? い、いやっ……変な事なんて、何も考えてないぜ……? 失礼だな、プーアル君は、ワハハハ……!」
プーアル「……なぁ〜んか、怪しいですね」
サガット「……まぁ、あんな感じで自己主張してくれれば、きっと試合をリードする事も出来るようになるだろう」
ヤムチャ「……ほう」
サガット「ヤムチャ君は、優しい。俺達と戦う時も、俺達に行動出来る選択肢をいくつも残した上で、行動してくれている」
ヤムチャ「はぁ……」
サガット「三つも四つも、反撃の手段を残しておいてくれなくても、一つあればいいんだよ。そうすれば、相手は状況にあった技をスッと出して、反撃してくれるからな」
ヤムチャ「……ふむ」
サガット「相手の行動を完全に制限してはいけない……だが、その事によって、自分の行動が制限されてしまっては、元も子もない」
ヤムチャ「ほう」
サガット「自分のやりたい事を好きにやって……相手に、少しだけ行動の余地を残しておいてやる……それくらい、自分勝手にしてみてもいいんじゃないかな?」
ヤムチャ「あれくらい、強引に責めちゃってもいいんですね……」
サガット「チキンレースみたいな物だ。相手の行動の余地を残さず、自分勝手に行動するのが、崖から落ちる事だとすれば……今のヤムチャ君はかなり手前でブレーキをかけているな」
ヤムチャ「……ふむ」
サガット「ギリギリのラインを責めるんだ。ギリギリのラインをな」
39:
ダン「おぉ〜い! ヤムチャ〜、いるか〜!?」
ヤムチャ「あっ、ダンさん……お疲れ様っす……」
プーアル「お疲れ様です!」
ダン「姉ちゃん、とりあえず、俺は焼酎ね……なぁ、ヤムチャ……?」
ヤムチャ「……どうしたんですか?」
ダン「おめぇ、折角らしくなってきたってのによぉ……? ここで辞めるのは、ちょっと勿体無さすぎるんじゃねぇか……?」
ヤムチャ「……えっ?」
サガット「……何っ!?」
バルログ「ヤムチャ君、やっぱり辞めるつもりで……!?」
バイソン「ホラ、俺の言った通りじゃん! やっぱり、俺の勘は鋭かったんだ! ……って、そうじゃねぇ!」
40:
ダン「これくらいの経験、皆してるんだよ……ここはおめぇの踏ん張り所なんだからよぉ……?」
ヤムチャ「いや……あの、ダンさん……? 俺は、別に……」
ダン「バイソンだって、何年も第二試合でやってたんだぞ……? 毎日毎日、ケツ蹴られてやがったよ……」
バイソン「ヤムチャ君! ここで諦めるんじゃねぇよ、折角らしくなってきたってのに!」
ヤムチャ「いやいや、バイソンさん……俺はですねぇ……」
ダン「サガットだって、下積み時代は長いんだ……こいつはずーっと、第一試合でやってたよ。今日の試合より、お客さんいないんだぞ?」
サガット「ヤムチャ君! ヤムチャ君なら、必ずすぐにここに戻ってこれる! だから、もう少し頑張るんだ!」
ヤムチャ「あっ、大丈夫っす……大丈夫っすから、サガットさん……」
ダン「バルログは……確か、メキシコの方で、第二試合だったよな……? 言語の壁がある場所の第二試合なんて……おめぇよりもっとハードだよ」
バルログ「ヤムチャ君、我々が必ず力になってみせます! だから、もう少しだけ頑張って下さいっ!」
ヤムチャ「いやいやいや……だから……だから……」
ダン「……なぁ、ヤムチャ? 辞めんじゃねぇよ。今日の試合、俺は良かったと思うぜ?」
41:
ヤムチャ「と、とりあえず皆さん、落ち着きましょう……そんなにいっぺんに言われても……」
バイソン「第二試合のコツなら俺が教える! だから、ここで踏ん張るんだ!」
バルログ「まだ、ヤムチャ君はいい所を見せていないんです! これからです!」
サガット「ヤムチャ君……俺が必ず、ヤムチャ君を一人前のレスラーにしてみせる! だから、今は信じてついてきてくれ!」
ダン「おめぇには、絶対才能あるって! レフェリー十年やってる俺が言うんだから、間違いねぇって!」
ヤムチャ「いやいや……だから……だから……」
バイソン「ヤムチャ君!」
バルログ「ヤムチャ君!」
サガット「ヤムチャ!」
ダン「おい、ヤムチャ!」
42:
みんな良い人達だなあ
43:
さくら「……うるさあぁぁぁい!」
バイソン「!」
バルログ「!」
サガット「!」
ダン「お、おう……どうしたんだよ、さくら……いきなり大声出しやがって、びっくりするじゃねぇか……」
さくら「皆して、ヤムチャさんが辞める辞めるって……バカみたいっすよ……」
ダン「いや、なんかジミーと喧嘩してたって聞いたからよぉ……?」
さくら「ヤムチャさんは、こんな事ぐらいで辞めたりしないっすよ……ねっ……?」ニコッ
ヤムチャ「お、おう……」
ダン「あれ……? なんか試合終わった後険しい顔してたような気がするんだけどな……?」
バイソン「あっ、俺もそう思ったんっすよ!」
さくら「そんなの、ダンさんとバイソンさんの勘違いに決まってるっす。ヤムチャさんは、ここで辞めるような、ヤワな人じゃないっすよ! ねっ?」
ヤムチャ「お、おう……辞めない……頑張って……プロレス、続けます……」
54:
ダン「なぁ〜んだ、心配して損してたじゃねぇか……ジミーと口論してたって聞いたから、わざわざ飛んできてやったってのによぉ……」
ヤムチャ「あっ、そうだ……俺、ブランカさんと揉めたんだったなぁ……」
ダン「……なんだぁ? 口論してたってのは、本当なのか?」
ヤムチャ「まぁ、ちょっと色々とありましてね……? 明日、ちゃんと謝らないとなぁ……許してもらえるかなぁ……?」
プーアル「大丈夫ですよ、ヤムチャ様! 僕も一緒に謝りますから!」
ダン「……ジミーはよぉ? そういうのは、あまり気にしねぇ奴だから大丈夫だと思うぜ?」
ヤムチャ「……そうなんすか?」
ダン「あいつは、そういう事には鈍感って言うか……図太ぇ奴だからよぉ? 何事もなかったかのように、しれーっとやっておけばいいよ。おめぇが下手な事言って、また口論になっちまう方が心配だよ」
ヤムチャ「まぁ、でも……やっぱり、謝っておかなきゃ……しばらく、俺の教育係りになるらしいですし……」
ダン「わかった、わかった! だったら、俺が話つけておいてやるよ! 俺はジミーと仲良いからな。俺からジミーの方におめぇが詫び入れたがってた事、言っておいてやるよ」
ヤムチャ「……ダンさんが?」
ダン「……おめぇは、余計な事を考えずに、プロレスに集中しなさい。 今は、人間関係より、第五試合に戻る事が優先だろうが。俺も、おめぇがいねぇ第五試合はちっと寂しいよ」
ヤムチャ「……わかりました」
ダン「おらっ、そんなしみったれた顔してねぇで飲め、飲め! 明日も試合はあるんだ! 気ィ、抜いてるんじゃねぇぞ、ヤムチャ!」
ヤムチャ「うっす」
55:
翌日ーーー
ヤムチャ「……なんで、俺、ここで皆さんと一緒にストレッチしてるんですかねぇ?」ググッ
バイソン「フンっ……! そりゃ、ヤムチャ君が……フンっ……! 俺達と試合をする可能性があるからだろうが……フンっ……フンっ……!」グイグイ
バルログ「ヤムチャ君は、まだ空手軍団の一員ですからね。シングルでは、第二試合でしょうが……リュウ君や、ケン君と一緒なら、私達シャドルーと戦う事になるでしょう……」
ヤムチャ「そうか……一対一じゃなければ、まだ第五試合で出来るのか……でも、一対一でやらないと、試合をリードする能力ってつかないんじゃないですかねぇ……?」
サガット「意識するだけで、何かは変わるだろう……複数の試合でも、自分が中心となって試合を動かしていく事を考えるんだ……」
ヤムチャ「う〜ん……まぁ、どうせ覚えなきゃいけない事なんだろうけど……やっぱり、どうせだったら第二試合より、第五試合でやりてぇなぁ……」
プーアル「皆さ〜ん! ザンギエフさんから、今日の予定試合表貰って来ましたよ〜!」
サガット「おっ、プーアル君、いつもいつも本当にありがとう。助かるよ」
ヤムチャ「頼むっ……! 何かの手違いでもいい……! 第五試合でやらせてくれ……俺、頑張るから!」
57:
本日の予定試合
第一試合(10分決着)
×コーディ ー ガイ ◯
第二試合(10分決着)
×ダルシム ー ヤムチャ◯
第三試合(15分決着)
◯さくら ー かりん×
第四試合(20分決着)
ガイル ー ヤン
◯ナッシュ ユン×
第五試合(20分決着)
ケン ー バルログ×
◯リュウ ベガ
第六試合(30分決着)
×サガット ー ザンギエフ◯
58:
ヤムチャ「だ〜めだ……やっぱり第二試合だったよ、ちくしょう……」
プーアル「まぁまぁ、ヤムチャ様……場所は違っても、やる事は同じですよ……頑張りましょう……」
ヤムチャ「この試合表見た時点で、今日のモチベーションが決まるんだけど、いきなり出鼻を挫かれた気分だぜ、おい……」
バルログ「まぁまぁ、ヤムチャ君……ダルシムさん相手だったら、ジミーさんみたいな変な試合にはなりませんから……今日は、普通の試合ですよ、きっと」
バイソン「それに、今日はヤムチャ君の勝ちじゃねぇか! どうせだったら、これを機会に格好いい勝ち方なんかを作っちまえばいいんじゃねぇか? どうせ、いつかは俺に勝つ時が来るんだし」
ヤムチャ「そうっすね……まぁ、今は試合をリードする能力を身につけなきゃならないんだし……これも、勉強っすね……」
プーアル「そうですよ、ヤムチャ様! 頑張って下さい!」
ヤムチャ「よし、じゃあダルシムさんと打ち合わせの前に……他の人達の試合もチェックしておくか……んっ……?」
サガット「……」
ヤムチャ「う、うおっ……! サガットさん、第六試合……メインイベントになってるじゃないですか!?」
61:
ヤムチャ「これって、サガットさんの力が認められて、第五試合から第六試合にいけたって事ですよねぇ!? うわっ、いいなぁ」
プーアル「……ヤムチャ様は、人の事より自分の事です」
ヤムチャ「いやぁ、そりゃわかってるけどさぁ……? だって、こっちは第二試合になったてのに……サガットさんは、第六試合だぜ? やっぱり、羨ましいもんあるよ……」
サガット「……俺は、そこまでいい扱いじゃないさ」
ヤムチャ「……ん?」
サガット「おそらく、メインイベントに使える人間がいなくて……消去法で選ばれただけだろう……まぁ、それでも仕事はするがな……」
プーアル「消去法って……どういう事ですか……?」
サガット「ほら、最近リュウが負け続きだっただろう? 俺に負けて……ベガさんに負けて……豪鬼さんに負けて……」
ヤムチャ「……はぁ」
サガット「このままじゃ、リュウが弱いと思われてしまうからな……ここらで、リュウにも勝っておいてもらわなければ困る……昨日は俺から勝ち……今日は、負け役はバルログだが、ベガさんから勝つ事になっている……」
ヤムチャ「……あっ、そうっすね。ベガさん達から勝ってますね。これは、バルログさんが足を引っ張るって感じの試合になるんですか?」
バルログ「まぁ、そんな感じでしょう。その中で、リュウ君とベガ様の一対一でも、ベガ様に勝てたんじゃないか……? なんて、お客さん思って貰えるような試合を作る事が、今日の私の課題ですね」
ヤムチャ「うわぁ、試合をリードするなんてもんじゃねぇ……難しい事してますねぇ、バルログさん……」
バルログ「ヤムチャ君も、そのうち出来るようになりますよ。だから、頑張りましょう」
62:
サガット「まぁ、そんな感じで他にメインイベントに使える人間が俺以外、いなかっただけだろう……力を認められて、第六試合になったわけではない……」
ヤムチャ「……」
サガット「まぁ、恐らくバイソンをセコンドに引き連れて……荒らしまわってくれ……なんて事だろうな……実質、俺とバイソン対ザンギエフさんの二対一だ……」
バイソン「俺がベガ様のセコンドについたら、リュウの試合の戦力差がひらいちまうからな! リュウ・ケン対ベガ様・バルログ・バイソンの二対三になっちまう」
ヤムチャ「あ〜、その場合は……ベガさん達の方が勝っちゃいそうですね……」
バイソン「流石に、リュウをそこまで強くするわけにはいかねぇよ! バイソンは、サガットのセコンドについて忙しかったから、ベガ様の試合には参加出来ねぇで……」
バルログ「バイソンがいない事で、リュウ君達に卑怯な手段で攻めれなくなくった、私とベガ様が負けてしまい……」
サガット「ザンギエフさん相手に、俺とバイソンの二対一の卑怯な手段で挑んだにもかかわらず、返り討ちにされてしまう……と、いうのが、今日のシャドルーの理想の流れだろうな」
ヤムチャ「……うわぁ、なんか皆さんも苦労してますねぇ」
63:
ヤムチャ「いいんすかねぇ? 俺、第二試合でやってて」
サガット「……ん?」
ヤムチャ「いやぁ、皆さん、シャドルーの仲間を助ける為に……他の試合に参加したりして、チームプレイでやってるじゃないですか?」
サガット「まぁ、そうだな」
ヤムチャ「リュウさんと、ケンさんがシャドルーの親玉と戦ってるってのに……俺は、呑気に第二試合でお笑いマッチだなんて……大丈夫っすかね……?」
サガット「……そういった事を出来るようにする為の、第二試合だ。ヤムチャ君、焦ってもいい事はないぞ?」
ヤムチャ「う〜ん……まぁ、そうっすけど……」
サガット「とにかく、今は目の前の事、一つ一つをしっかりしていくんだ。ヤムチャ君は、毎日成長している……しっかりと取り組めば、またすぐにこの位置に戻ってこれる」
ヤムチャ「……」
サガット「とにかく、今日の第二試合で……自分自身に何か、課題を与え……それを実践するんだ……第一試合や第二試合で、綺麗な試合をする必要なんてない……この位置は逆に言えば、失敗を恐れずに、何でも好き放題に出来る位置なんだ」
ヤムチャ「うっす……! わかりました……!」
65:
ダルシム「……ナマステ」
サガット「おっ、ダルシムさんが来てくれたようだな……ナマステ……」
バルログ「おはようございます。ナマステ……」
バイソン「なますて!」
ヤムチャ「な、なますて……?」
ダルシム「ヤムチャ君と試合の打ち合わせをしに来たんだが……」
ヤムチャ(この人も、変な行動してお客さんを笑わせる人なのかな……? どんな事、するんだろ……?)
ダルシム「……ヤムチャ君?」
ヤムチャ「あっ、はいっ……! 聞いてますよ……!」
ダルシム「よし、じゃあ部屋を移して打ち合わせに入ろうか……今日はよろしく頼むよ……」
68:
バイソン「ヤムチャ君、頑張ってくれよ!」
バルログ「私達は見てますからね! ヤムチャ君の試合の事!」
サガット「好きな事をやるんだ……自分の好きな事を……」
ヤムチャ「……うっす!」
ダルシム「……ヤムチャ君?」
ヤムチャ「ん……? どうしたんですか……?」
ダルシム「昨日は、ジミーがすまなかったねぇ……あんな試合、君は望んでいなかっただろう……」
ヤムチャ「あっ、いやっ……こっちこそ、何かすいませんでした……!」
ダルシム「今日の試合は、昨日のような試合ではない……まぁ、私を好きに練習台に使ってくれたまえ……」
ヤムチャ「……練習台?」
ダルシム「おっと……細かい打ち合わせは、部屋を変えてからにしようか……? ここでは、シャドルーさん達の邪魔になってしまうからな……」
69:
ーーー
ダルシム「さて、打ち合わせなんだが……ヤムチャ君に、色々と注文をしたい……申し訳ないね……」
ヤムチャ「あっ、はい……どうぞ……」
ダルシム「恥ずかしい話なのだが……私は、サガット君やバルログ君程の身体能力を持っていない……なんせ、歳だからな……」
ヤムチャ「は、はぁ……?」
ダルシム「彼らのような、スピーディでリングを動き回っている試合をする事は、私には向いていない……彼らなら、軽々と受け止められる蹴りでも……私にとっては、非常に困難な事だ……」
ヤムチャ「……はぁ」
ダルシム「私は、ゆったりとした試合がしたい……でないと、とてもじゃないが、君の動きについていけん……」
ヤムチャ「えぇ……? ゆったりとした、試合っすか……?」
70:
ダルシム「……申し訳ないね」
ヤムチャ「いやぁ、いきなりそんな事言われても……そもそも、ダルシムさんが何処まで対応出来るかわからないですし……」
ダルシム「恐らく、打撃攻撃は全滅だろうな……あんな素早いパンチやキック……それに対応する事は、私には出来ん……」
ヤムチャ「打撃攻撃封印マッチって事っすか!?」
ダルシム「出す所では、出してくれても構わんよ? だが、反撃を求めたり……いいタイミングでのやられ方などは、あまり期待しないでくれ……」
ヤムチャ「おいおいおい……どうしたらいいんだよ、これ……?」
ダルシム「ヤムチャ君の場合は、ボディスラムとバックドロップとコブラツイストがあっただろう……? あぁいった技なら、上手く対応する自信はあるぞ……?」
ヤムチャ「よりによって、一番苦手な投げ技かよ……どうっすかね……?」
ダルシム「……勝手な事ばかりで、申し訳ないね」
71:
プーアル「……ヤムチャ様、これを機会に投げ技の練習をしてみるっていうのは、どうですか?」
ダルシム「ふむ……そうしてくれると、ありがたいな……受け身には自信があるからな……いくらでも練習台になってやるぞ?」
ヤムチャ「あっ、練習台ってそういう意味だったんですか……でも……」
ダルシム「……どうした?」
ヤムチャ「何回も何回も同じ技してたら、お客さんは飽きちゃいますよね……? 俺、そんなに何回もやるの怖いっすよ……」
ダルシム「その辺りの攻防……上手く、考えてもらえないかね……?」
ヤムチャ「俺、投げ技は、二種類しかねぇからな……関節技入れても、3つだし……やべぇ、今日の試合困ったなぁ……」
ダルシム「そこさえ、してもらえれば、私は構わん。後は、ヤムチャ君に全て任せるよ」
ヤムチャ「ん、あれ……? 笑わせる行動みたいなのは、ないんですかね……?」
ダルシム「私には、ギャグセンスもない……そういった行動は、特にないな……」
72:
ダルシム「おっと……そろそろ、時間だな……」
ヤムチャ「えっ、もう……!? 何にも決まってないじゃないっすか、この打ち合わせ!」
ダルシム「私は、シャドルーさん達や、ブランカさんの様な、激しい自己主張をせずに……相手の攻撃を受けるだけの、地味な選手だ……だから、十数年間ここでやっている……」
ヤムチャ「う〜ん……自己主張しろってのは、俺の課題だけど……また、ぶっつけ本番かぁ……」
ダルシム「試合を引っ張っていく能力は、君には必要だろう……?」
ヤムチャ「まぁ、確かに……」
ダルシム「誰も、リングで自己主張しなければ、試合は動かない……今日の試合はヤムチャ君が動かしてくれ……」
ヤムチャ「いやぁ、いつかはやらねぇといけねぇと思ってた事だけど……今、来たか……! 今、来たのかよちくしょう……!」
プーアル「……いいじゃないですか、どうせいつかは、やらなくちゃいけないんですし」
ダルシム「よし、そろそろ試合が始まるな……ヤムチャ君、行こうか……」
ヤムチャ「え〜っと、え〜っと……どうすっかねぇ……」
84:
http://youtu.be/t92tcNjdstU
このSS読んでからプロレス見てみると面白いなぁ。
プロレスの見方が変わったよ。
作中で>>1の言ってた意味もよく分かるし。
85:
ーーー
ヤムチャ「ゆったりとした試合……ゆったりとした試合……やべぇ、何にもプランが思い浮かばねぇ……」
プーアル「あっ、ヤムチャ様! 第一試合が終わりましたよ!」
ヤムチャ「やべぇ、もう始まっちまっうのか……第二試合は、始まるのも早いから、試合内容を考えてる時間、あんまりねぇんだよなぁ……」
プーアル「……大丈夫ですか、ヤムチャ様?」
ヤムチャ「コブラツイストを2回かけるとして、2回ずつで4分ずつ……だろ……? プーアル、どう思う? ちょっと長くねぇか?」
プーアル「それだったら試合の半分ぐらいが、コブラツイストになってしまいますからね……やっぱり、長いと思います……」
ヤムチャ「だよなぁ……って、事はコブラツイストは頭を整理させる時の為に残しておくか……コレ、また新しい技覚えないといけねぇんじゃねぇか……?」
プーアル「でも、今日の試合は今ある技だけでなんとかするしかないですよ」
ヤムチャ「困ったねぇ……どうすっかなぁ……」
プーアル「あっ、そろそろ第二試合が始まるみたいですよ! ヤムチャ様そろそろ入場ですよ、準備して下さい!」
ヤムチャ「くそっ、ぶっつけ本番……なんとかやりきるしかねぇ! ここをクリア出来たら、俺だって実力つくだろ!」
プーアル「ヤムチャ様、その意気です! 頑張って下さい!」
86:
ーーー
ダン「さて、皆様……お楽しみいただいてるでしょうか!? ストリートプロレス!」
ダン「それでは、続いては……第二試合をお届けしますっ!」
ダン「孤高のヨガ戦士……ダルシム選手の入場ですっ!」
パチパチ……パチパチ……
ダルシム「……ナマステ」
パチパチ……パチパチ……
実況「さぁ、深々と観客に頭を下げながら、今ダルシムの入場です! ヨーガの達人ダルシム! ヨーガを格闘技と組み合わせ、独自のファイトスタイルを持ったダルシム! ゆっくりと、歩みを進めながら、今リングイ〜ン!」
87:
ダン「続きましては……空手軍団、三番弟子……」
ダン「ヤムチャ選手の入場ですっ!」
パチパチ……パチパチ……
ヤムチャ(何をしてわからねぇって事は……それだけ、俺に足りてないんだろ……)
実況「さぁ、お次は空手軍団三番弟子……ヤムチャ選手の入場です!」
ヤムチャ(ブランカさんの事は、嫌いだけど……多分、あの人ならこの試合でも、ダルシムさんの注文に応えながらも……笑いを取る試合をしたんだろうな……)
実況「さぁ、寡黙な表情での入場だ!」
ヤムチャ(ブランカさんとは、また試合で自己主張のぶつかり合いをする機会が来るだろう……この試合で、何も出来ないようじゃ……きっと、次の試合ではまた飲まれるだけだろう……だから、この試合で何かを掴まなければならねぇ……!)
実況「そして、今、ヤムチャがリングイ〜ンっ!」
88:
実況「さて、早第二試合の実況をしていきたい所なんですが……本日、私テンションが上がっておりますっ! 自分自身でも浮かれている事は自覚しておりますっ!」
実況「だがしかし、それは仕方ないっ! 何故なら……本日のゲスト解説はこちらの方だっ!」
ローズ「ふふ、ローズです。よろしくお願いします」
実況「そうです! 本日のゲスト解説は、ローズさんにお越し頂きました! いつもいつも、筋肉質な野郎が隣にいる中……こんな、美しい女性が隣にいるなんて、いやぁ、たまにはいい事もあるもんだ!」
ローズ「嬉しいお言葉ですが……そんな事言うと、色んな方に怒られちゃいますよ?」
実況「そんな事は構わないっ! 私、本日は男気のある実況をしていきたいと思います! そしてあわよくば……」
ローズ「……あわよくば?」
マジメニヤレヨ、コノヤロー
実況「おっと……早、私会場のローズファンに怒られてしまいました! やはり、公私混同はよくありませんね! 仕事は仕事! そして、恋は恋です!」
ローズ「私をセクハラ攻撃から守っていただいた、ファンの皆様に感謝ですね。それじゃあ、実況をしましょうか?」
89:
実況「では、早実況を! 本日のゲスト解説のローズさんは、非常〜にお美しい方なんですが、美貌の秘訣なんかはあるんですかね?」
ローズ「早、可笑しな質問が来ましたね?」
実況「いやいや、まぁまぁ……ダルシムとヤムチャはまだ、レフェリーのボディチェックを受けてる最中ですし、いいじゃないですか? きっと、女性ファンなんかも気になっている事だと思いますよ?」
ローズ「まぁ、そういう事なら……でも、やっぱり適度な運動と、睡眠は大切なんじゃないですか?」
実況「気をつけろよ!? 適度な運動と言っても、彼女はレスラーだ! 相当ハードな運動には違いないぞ!?」
ローズ「最近はヨガなんかもやってますよ? 健康にいいらしいですね」
実況「ほ〜う、ヨガ……ヨガと言ったら、あの複雑なポーズなんかをして……んっ……?」
ローズ「複雑なポーズから、初心者向けのポーズまで、色々とあるんですよ。ネコのポーズから……コブラのポーズ……色々な種類があります」
実況「おっと、ヨガと言えばダルシムだった! しまったしまった、私すっかりローズさんとのお話に夢中になりすぎて、試合の事をすっかり忘れてしまっていました!」
ローズ「思い出して頂けて幸いです」
実況「本日のカードは、そのヨーガの達人のダルシムと、空手の達人ヤムチャ! 実況は滑り込みセーフと言った所か!? 今、ゴングが鳴らされます!」
ローズ「それでは、試合の実況をしていきましょうか」
90:
ダン「ファイっ!」
ヤムチャ(よし、ゆったりと……ゆったりとした試合を……)
ダルシム「……」
実況「さぁ、先に動いたのはヤムチャ! ゆったりとダルシムの様子を伺ってます!」
ローズ「そうですね」
ヤムチャ(とりあえず、投げを仕掛けてみっかねぇ……? 打撃は遠慮してくれって言われたからな……掴みかかっていった方が、ダルシムさんは対応しやすいだろ……)
ダルシム「……ナマステ」ペコッ
ヤムチャ「……ん?」
実況「おっと、ここでダルシムが……両手を合わせて、ヤムチャに対してお辞儀をしたぞ?」
ローズ「礼儀正しい方ですね」
92:
ヤムチャ(なんだ、なんだ……いきなりお辞儀して……試合中でも、礼儀正しい人なんだな、ダルシムさんって……まぁ、ここは……)
ダルシム「……」
ヤムチャ「……な、なますて」ペコッ
実況「おっと、ここでヤムチャも両腕を合わせて、同じようにお辞儀だ! こいつは、クリーンなファイトが見れそうな予感!」
パチパチ……パチパチ……
実況「お互いの相手に敬意を払って行動に、会場からは暖かい拍手が送られます!」
ヤムチャ(おぉ、拍手じゃねぇか……真似してみるもんだな……第二試合なのに、お客さんの反応が貰えたぜ……)
ダルシム「……ふむ」
ヤムチャ(よし、じゃあ試合を始めるか……先ずは掴みかかってみっか……! そしてそのまま……!)
実況「さぁ、先に仕掛けたのはヤムチャ! ダルシムを掴みにかかります!」
94:
ヤムチャ「……おらぁっ!」グイッ
ダルシム「……ぐっ!」
実況「さぁ、ここでヤムチャがダルシムを掴んだ! ここから、スープレックスを繰り出すのか!?」
ローズ「ダルシムさんも、なんとか堪えてますね」
ヤムチャ「くそっ、くそっ……堪えてんじゃねぇよ……! このまま、ぶん投げてやるっ……!」
ダルシム「くっ……させんぞ……!」
実況「さぁさぁ、投げようとするヤムチャ! そして堪えるダルシム!」
ヤムチャ(ここで、投げちまってはまだ早いっ……! もうちょっとだけ、この投げを堪えている攻防を続けなきゃ、ゆったりとした試合が出来なくなっちまう……!)
ダルシム「ぐっ……ぐっ……!」
ヤムチャ(ダルシムさんは、上手く堪えてる振りを続けてくれてるんだ……お客さんがこの攻防を飽きないギリギリのラインを見極めて……そこで、投げるっ……!)
95:
実況「さぁ、ヤムチャがスープレックスを仕掛けようとしているが……ダルシムは堪えているっ! なんとか、耐え凌ぐ事が出来るか!?」
ローズ「あまり、恵まれた体格をしてるとは言い難いですからね……堪えたり、ロープまで逃げるのは、少し難しいんではないでしょうか?」
ヤムチャ(ケンさんが隣にいたら……『行けっ! ヤムチャ、ぶん投げちまえ!』なんて、タイミング指示してくれたのかな……? だけど、今日は俺一人なんだ……タイミングは自分で判断するしかねぇな……)
ダルシム「くっ……くそっ……」
ヤムチャ「……うおおぉぉっ!」ググッ
ダルシム「……何っ!?」
実況「おっと、ここでヤムチャが強引にダルシムの身体を抱えあげたぁ!」
ローズ「やっぱり、体格的にはヤムチャ選手の方が有利ですからね」
ヤムチャ「タイミングはここだぁ! ボディスラムだぁ!」ドシーンッ
ダルシム「……ぐっ!」
96:
実況「さぁ、ヤムチャが強引に落としていきました! 荒々しいボディスラムだ!」
ヤムチャ(ダルシムさんはダウンしたな……ここで追い討ちを仕掛けたいんだけど……)
ダルシム「……ううっ」
ヤムチャ(下手したら、展開が加しちまうよなぁ……? ゆったりとした試合が出来なくなっちまう……)
実況「さぁ、ダルシムは大きくダウン! これは、思った以上にダメージがあったのか!?」
ローズ「あまり、恵まれた身体とは言い難いですからね……それほど、筋肉質でもないですし……スープレックス技には、少し弱い所があるんでしょう……」
実況「なるほど……確かに、恵まれた身体とは言い難いですねぇ?」
ローズ「でも、私もかじった程度の知識しかありませんけど……ヨガって身体が柔らかくないと出来ませんからね? 関節技なんかには凄く強いと思いますよ?」
実況「なる程! そういえば、ダルシムは関節技なんかも得意ですね!」
ヤムチャ(打撃攻撃を抑えてくれって、結構効くなぁ……投げ技で攻めるか、関節攻撃で攻めるか……それとも、他に何かするか……って言っても、他の何かってなんだよ……)
ダルシム「……ううっ」
ヤムチャ(……ん、待てよ?)
97:
ヤムチャ(試合が始まって……お互いにお辞儀して……お客さんから、拍手を貰えたよなぁ……?)
ダルシム「……ううっ」
ヤムチャ(以前のサガットさんだって、そうだ……胸を突き出しただけなのに……お客さんから、反応を貰ってた……)
ダルシム「……くそっ」
ヤムチャ(攻撃するだけが、プロレスの行動じゃねぇんだ……打撃攻撃や、投げ技、関節攻撃……技を仕掛ける以外にも、お客さんに反応を貰う方法はあるっ……!)
実況「さぁ、ここからヤムチャはどう攻める!?」
ヤムチャ(アピールだよ……! お客さんにアピールすればいいんだよ! 上手くいけば、俺がアピールしている間に、ダルシムさんも起き上がってくれて、理想的な展開になるじゃねぇか……!)
ダルシム「……負けて、たまるものか」
ヤムチャ(どうせ、失敗してもいい試合なんだ……だったら、思いついた行動は全てやってみよう! 格好いいアピールしてやるぜ!)グイッ
実況「おっと、ここでヤムチャが拳を天高く突き上げたぁ!」
99:
ヤムチャ「見たかコラァ!」
ダルシム「……ぬっ?」
ヤムチャ「いくら俺が空手軍団三番弟子だからって……俺だって、やれば出来るんだよ! 舐めてんじゃねぇぞ、コラァ!」
実況「おっと、ここでヤムチャがお客さんにアピールだ!」
クスクス……クスクス……
実況「おっと、だがしかしお客さんからは笑い声が聞こえるぞ!? これは、誠実さが裏目に出てしまったか!?」
ローズ「私は好きですよ」
ヤムチャ(う、うわぁ……恥ずかし……マジでやったつもりなのに、笑われてるよ……俺、こういう事言うの向いてないんだなぁ……)
ダルシム「確かに……空手軍団は強敵……こいつは、強い……」
ヤムチャ(俺も、お喋りの勉強しなきゃなぁ……ケンさん辺りに教えてもらわなきゃ……)
ダルシム「だが、私にも10年というキャリアがあるっ……! 負けてはいないぞっ……!」ムクッ
100:
実況「おっと、ここでダルシムが起き上がった!」
ローズ「自分も負けてられない……とか、思ったんでしょうね……戦いの醍醐味です」
ダルシム「……ベテランの意地をみろっ! うおおおぉぉっ!」
ヤムチャ(ナーイス、タイミングだよ、ダルシムさんっ! 恥ずかしいから、俺に攻撃を仕掛けて下さい……! 早く、早くっ……!)
ダルシム「……フンっ!」ググッ
ヤムチャ「……う、うおっ!」
実況「さぁ、ここでダルシムがヤムチャを抱えあげたっ!」
ダルシム「君の技は、力任せのただただ荒い技だ! 正確なボディスラムとは……こうやるのだよっ……! うおおおっ!」ドシーンッ
ヤムチャ「……ぐっ!」
実況「そして、ヤムチャに対してボディスラムだ!」
ローズ「ベテランらしい、綺麗なフォームしてますね」
103:
ヤムチャー、ナニヤッテンダヨー! カッコワルイゾー
ヤムチャ(……わかってるよ、ちくしょう)
クスクス……クスクス……
実況「さぁ、アピールをしたヤムチャが……逆に投げられてしまいました。この声援を聞くと、少し気の毒な気もしますねぇ、ローズさん?」
ローズ「そういう間の悪い人って結構いますよね? でも、可愛らしくていいんじゃないですか?」
実況「実はですねぇ……! 私にも少々、間の抜けた所がありまして……」
ローズ「その話は、今はいいでしょう。試合を実況しましょう、試合を」
ヤムチャ(今日は笑わせる試合じゃねぇのに、どうしてこうなっちゃうかねぇ……? 向いてない事はするべきじゃないのかねぇ……?)
ダルシム「……どうだ、ベテランの意地を見たか!」
ヤムチャ(悔しいなぁ……もっと、格好いい所見せたら、お客さんは笑うのやめてくれるかな……? それとも、もっと大惨事になるかな……? わかんねぇ……難しいな……)
107:
ヤムチャ頑張ってるな
113:
クスクス……クスクス……
ヤムチャ(くそっ、まぁこれ以上格好悪い事にはならねぇだろ……今日は急所も蹴られないんだしな……まぁ、思いついた事は全部やってみっか……よっと……)ググッ
実況「……おっ?」
ヤムチャ「……うるあぁっ!」シュタッ
実況「おっと、ここでヤムチャが素早くハンドスプリングで起き上がったっ!」
ヤムチャ(さっきの慣れねぇお喋りよりかは……格好良く見えてるんじゃねぇか、これ……? どうだっ……!?)
ダルシム「なかなか、やるな……」
実況「ダルシムの攻撃を受けたヤムチャですが……まだまだスタミナは十分といった所でしょうか!? 余裕を持って起き上がります!」
ローズ「いいですね」
115:
ザワザワ……ザワザワ……
ヤムチャ(あれ……? なんか、お客さんの反応があるぞ……?)
ダルシム「くっ……やはり、若いだけあってスタミナはあるようだな……」
実況「さぁさぁ、まだまだスタミナ十分のヤムチャ! ここからどういった攻めを見せるのか!?」
パチパチ……パチパチ……
ローズ「場内の皆さんも、拍手で応援してますね」
ヤムチャ(おいおい……拍手まで来ちまったぞ……? わかんねぇもんだなぁ……やってみて正解だったよ……)
ダルシム「……くそっ」
ヤムチャ(第五試合でやったら、もっと盛り上がるんじゃねぇか……? ヤムチャコールみたいなもんだろ……? これ、今なら何やってもウケそうな気がするぜ……よし、ここから反撃だな……!)
ダルシム「くそっ、来いっ……! ヤムチャっ……!」
ヤムチャ(待てよ……? 今、ヤムチャムードが流れてるよなぁ……? 何をやっても受けるんだったら……ちょっと、調子に乗ってみてもいいんじゃねぇか……?)
116:
???「ヤムチャ様、すぐ調子に乗るんですから!」
117:
調子のったヤムチャ=不安www
118:
ヤムチャ「へいへい! おっさん、おっさん!」
ダルシム「……ぬ?」
ヤムチャ「どうした、どうした、そんなもんかぁ!? 俺には、全然効いてないぞぉ!? ちゃんと朝飯食って来たのか、オイっ!」
ダルシム「……くそっ、これが若さか」
実況「さぁさぁ、ヤムチャは、自分には効いていないと大アピールだぁ! 三番弟子とは言っても、流石は空手軍団!」
ローズ「そうですね」
ヤムチャ(ほらほら、今度は笑われねぇじゃん……なんとなく、いい雰囲気になってきた気がするぜ……でも、あまり調子に乗ってると、ボロが出そうだから、この辺でやめとこうっと)
ダルシム「……くそっ」
ヤムチャ「今度はこっちの番だ……! 行くぜっ……!」
実況「さぁ、ヤムチャが仕掛けた! ダルシムを掴みにかかる!」
119:
ヤムチャ(今日、使える技は……ボディスラム……バックドロップ……コブラツイストの三種類……)
ダルシム「……ぐっ!」
ヤムチャ(ボディスラムはもう使っちまったから……バックドロップとコブラツイストの二種類だけど……)
実況「さぁ、ヤムチャがダルシムを掴んだ! そして、それからどうする!?」
ヤムチャ(今は何をやっても受ける気がする……バックドロップで失敗した時だって、4発も5発もしたから、失敗したんだ……! だから今は、この試合で一番使いづらくなった……)ググッ
ダルシム「……ぐっ!」
実況「そして、ヤムチャがダルシムを抱え上げ……!」
ヤムチャ「正確じゃねぇ……? 上等じゃねぇか! それでも、やってやろうじゃねぇかボディスラムをよぉ!?」ドシーンッ
ダルシム「……うぐっ!」
120:
実況「さぁ、お返しと言わんばかりのヤムチャの荒々しいボディスラムっ! ダルシムをマットに叩きつけます!」
ローズ「ダルシムさんとくらべると、フォームが荒いですね」
ヤムチャ(くそっ、フォームが荒いだと……? 失敗しちまったか……?)
ダルシム「……うぐぐ」
実況「やはり、この辺りは、ベテランとの差……って事なんですかねぇ、ローズさん?」
ローズ「まぁ、でもヤムチャ選手は打撃攻撃が主体だと思うんですね」
実況「なる程!」
ヤムチャ(くそっ……まぁ、実況の二人がそういうって事は……お客さんもそう思ってるんだろうな……ここは、ダルシムさんにも起きて欲しいし……何かアピールでもしておくか……)
ダルシム「……ううっ」
ヤムチャ「どうだどうだ!? 正確さはねぇけどよぉ……!? こっちには、パワーがあるんだ! パワーがよぉ!?」
122:
実況「さぁさぁ、ダウンしているダルシムに対してヤムチャが吠えていきます!」
ローズ「勢いのある若手ですね。これは、ダルシムさんもベテランの意地を見せなきゃいけませんね?」
ダルシム「……ううっ、力だけに頼って、若手らしい戦い方だな」ムクッ
ヤムチャ「どうしたどうした!? ベテランってのは、そんなもんか、あぁ!?」
ダルシム「くそっ……! お望み通り……ベテランの技を見せてやろう……うおおぉぉっ!」ガシッ
ヤムチャ「来いや、おっさんっ!」
実況「さぁ、ダルシムも立ち上がり、ヤムチャに掴みかかるっ! ここから何を仕掛けるか!?」
ローズ「ベテラン選手の意地、見てみたいですね」
123:
ダルシム「うおおっ……これが正確な……」ググッ
ヤムチャ「う、うおっ……!」
ダルシム「ボディスラムだっ……! フンっ……!」ドシーンッ
ヤムチャ「……ぐっ!」
実況「さぁ、今度はお返しと言わんばかりのダルシムのボディスラム! ヤムチャの身体をマットに叩きつける!」
ローズ「……面白いですよね」
実況「面白い……と、言いますと……?」
ローズ「いやぁ、同じ技でも……ベテランらしい綺麗なフォームで投げるダルシム選手と……力任せに投げている感じのヤムチャ選手……選手によって、同じ技でもこんなに違い出るんですね……?」
実況「なるほど……これは、力で攻める若手と……技で攻めるベテラン選手の対決ですね……!? さぁ、軍配が上がるのはどちらの方なんでしょうか!?」
ダルシム「どうだっ……!? 見たか、ベテランの力を……!」
ヤムチャ(くっ……どうする……!? もう一発、ボディスラム勝負にいったら、お客さんは飽きちまうんじゃねぇか……? でも、これダルシムさんは、そういう勝負を仕掛けてくれてるんだよなぁ……?)
125:
ヤムチャ(でもこれ、俺が違う技で責めたら……ボディスラム勝負から逃げたって事になるんじゃねぇか……?)
ダルシム「はぁっ……はぁっ……」
ヤムチャ(今まで、チョップ勝負だって、終わらせる時はチョップで……キック勝負だって終わらせる時はキックだった……だったら、ボディスラム勝負も、ボディスラムで終わらせるべきなんじゃねぇの?)
実況「さぁ、この攻撃……ヤムチャにダメージはあったのか!?」
ヤムチャ(ここで、俺が負けて終わるか……それとも、もう一発撃って勝って終わるか……? どっちにする……? くそっ、でもどうせなら、勝ってみてぇな……)
ダルシム「舐めるなよ……若僧め……」
ヤムチャ(これ、もう一発ぐらい、いけるんじゃねぇか……? 危ない橋だけど、渡ってみっか……よしっ……!)ググッ
ダルシム「……ぬっ!?」
126:
ヤムチャ「うるあっ!」シュタッ
ダルシム「くっ……! こいつ……!」
実況「だがしかし、ヤムチャはまたもハンドスプリングで素早く起き上がる! ヤングパワー恐るべし! 底なしのスタミナだ!」
ローズ「ふふ、ダルシムさんも内心焦ってるんじゃないですかね?」
実況「そうですね! なんだか、ダルシムから焦りの表情が見える気がします!」
ヤムチャ「おらおら! そんなおっさんのボディスラムで負けるような、タマじゃねぇんだよ、こっちはよぉ!」
ダルシム「……くっ!」
パチパチ……パチパチ……
実況「さぁさぁ、ヤムチャが勢いづいて来たか!? 場内のお客さんもその姿に拍手を送る!」
ヤムチャ(よ、よしっ……! この反応……もう一発なら、いける……! もう一発なら、いけるから、ここで綺麗なボディスラムを出して決めよう!)
ダルシム「くそっ……若手の勢い……恐ろしいな……」
ヤムチャ(もし、綺麗なのが決まらなかったら……その時は、ダルシムさんのボディスラムで負けて終わろう……でも、俺がリードしなきゃいけない試合なんだ……やっぱり、勝って終わりてぇな……)
128:
ヤムチャ「いくぜっ……!」ググッ
ダルシム「……くっ!」
実況「さぁ、ヤムチャが掴みにかかる! これは、ボディスラム勝負だ! 力任せのボディスラムをベテランのダルシムに仕掛ける!」
ローズ「さぁ、どうなるでしょうか?」
ヤムチャ(落ち着いて、練習通りに……お客さんに格好良く思って貰えるように……焦るんじゃねぇ……)
ダルシム(おっ……? さっきより、少し高く上げているんじゃないか……? 今回は焦ってないみたいだな……)
ヤムチャ「うるあぁぁ! これで決めてやるぜっ……! 喰らいなっ……!」ドシーンッ
ダルシム「……ぐっ!」
実況「おっと……!? 今回は、綺麗なボディスラムが決まったぞ!? ベテラン相手のボディスラムを何度か受けて……ヤムチャも何か、掴んだか!?」
ローズ「そうですね。これはいいボディスラムです。これなら、ダメージも大きいんじゃないですかね!?」
ヤムチャ(おっ……? マジで……? あの解説、今褒めてたよなぁ……? やったんじゃね、コレ……?)
ダルシム(ふむ……いいボディスラムだったな……これじゃあ、しばらく立ち上がるわけにはいかんな……)
129:
ヤムチャ「どうだ……!? そろそろくたばったんじゃねぇか、おっさんよぉ! えぇっ!?」
ダルシム「ぐっ……く、くそっ……!」
ヤムチャ(ど、どうなるんだ……? ダルシムさんは、起き上がってくるのか……?)
ダルシム「若手の底力……恐るべし……」ガクッ
実況「おっと、ここでダルシムの首の力が抜け……ガックリとダウンします!」
ローズ「ヤムチャ選手、決めましたね」
実況「ベテラン対若手のボディスラム対決は……若手のヤムチャに軍配が上がったぁ!」
ヤムチャ(チョップ攻撃と違って……投げ打ち合いだから、結構時間経っちまったよなぁ……? ちょっと、急いで試合展開を進めないといけねぇかもな……)
パチパチ……パチパチ……
ヤムチャ(まぁ、会場からは拍手はあるし……ラッシュかけるには、丁度いいだろ……今度は別の技、仕掛けるか!)
130:
ヤムチャ「オラァ、続けて行くぜ……! エルボードロップだ……!」ドスッ
ダルシム「……ぐっ!」
実況「さぁ、ヤムチャがダルシムに対して、エルボードロップを落とした!」
ローズ「ここから、一気に攻めるつもりなんですかね?」
ヤムチャ「まだまだ、俺の投げは終わらねぇぜ……? ほら、おっさん、起きやがれ……!」ググッ
ダルシム「……ううっ」
実況「さぁ、そしてヤムチャがダルシムを引き下ろし……背後を掴んだぁ!」
ヤムチャ(さっきと同じ要領で……焦らず……お客さんに格好いい所を見せるんだ……! ここで失敗したら、また笑われちまう……!)
ダルシム「……うっ、くそっ!」
ヤムチャ「……うるああぁぁっ! いくぜっ!」ググッ
実況「そして、ヤムチャがダルシムの身体をそのまま抱え上げる!」
131:
ヤムチャ「くたばれ、おっさん……! バックドロップだっ!」ドシーンッ
ダルシム「……ぐっ!」
実況「さぁ、ヤムチャがバックドロップダルシムを落としていった! これも、効いたんじゃないでしょうかねぇ?」
ローズ「えぇ、ヤムチャ選手がリズム掴んできましたね」
ヤムチャ(よしよし……バックドロップも出来るようになってきてるみたいだな……いい感じだぜ……)
ダルシム「……うぐぐっ」
ヤムチャ(コブラツイストを仕掛ける為に……前はロープに走って蹴りを入れたけど……今日は、違う方法使ってみるか……折角、アピールする事も覚えたんだしな……)
ダルシム「くそっ……ヤムチャめ……」
ヤムチャ(ここまで、俺はあまりダメージ喰らってねぇからな……余裕ぶって……っと)
133:
ヤムチャ「どうだどうだ! 三番弟子だからって、こっちは空手軍団なんだ! 舐めんじゃねぇぞ!」
ダルシム「くそっ……確かに、こいつは三番弟子といえども、空手軍団っ……!」
ヤムチャ「そろそろ止めにしちまうか! 覚悟しやがれ!」パチパチ
実況「さぁ、ここでヤムチャが両手を叩いてフィニッシュ宣言か!? ここでダルシムを仕留めてしまうのか!?」
ローズ「いい感じに試合を進めていますけど……油断は禁物ですよ? 相手はベテランですからね」
ヤムチャ「おらっ、起きろっ!」ググッ
ダルシム「……ううっ」
ヤムチャ「……よっと!」シュルッ
実況「さぁ、ヤムチャがダルシムを引き起こし……素早く手と足を絡めた! これはコブラツイストの体勢だ!」
ヤムチャ「……いくぜっ! ギブアップしちまいな、ダルシムさんよぉ!」
134:
ヤムチャ「……うるあぁっ!」ググッ
ダルシム「……ぐっ!
実況「さぁ、ヤムチャがコブラツイストで締め上げたぁ! これでギブアップを狙うのか!?」
ヤムチャ(よしよし……いい感じ攻めれてるじゃねぇか……今日の試合は、課題もクリア出来たんじゃねぇかコレ……?)
ダルシム「……うぐぐ」
ヤムチャ(もう、そろそろ試合終了も近づいてきたんじゃねぇか……この技の後、一つ二つの攻防して、試合は終わりだろ……)
ダルシム「……くそっ」
ヤムチャ(今日は、ボディスラムもバックドロップも受けれたし……アピールも出来た……お客さんに笑われちまった部分はあるが……急所攻撃で笑われたんじゃねぇんだ……まぁ、いいだろう……)
ダルシム「負けん……私は負けんぞっ……!」
ヤムチャ(ん、急所攻撃……? あれ……?)
127:
ところで、ヤムチャって若手…なのか?
ブウ編で41歳だぞ
136:
今日はここまで
>>127
何処かで補足しないといけない設定だったから、いい機会だし言うね
このヤムチャは35歳。時系列で言うとセル編が終わって、ブウ編が始まる前までの間って所かな
ヤムチャは見た目も若いし、年齢不詳でやってれば、若手って事でなんとかなるんじゃないかな? まぁ、多少は大目に見て下さい
ちなみに、その場合スト2メンバーのDBでの戦闘能力は、本格的な気の修行をすれば、武空術や気弾も出せるようになるポテンシャルは持ってるはずなので、ビーデル前後ってのが、ベストな位置になるのかな?
数字で表すと、矛盾が出てくるハズなので、細かい部分はなぁなぁにしてて下さい
149:
ヤムチャ(そういや、今日の試合では、急所攻撃は別に受けなくてもいいけど……俺、今日の試合、ダルシムさんから何か攻撃受けたっけ……?)
実況「さぁ、ヤムチャがコブラツイストでダルシムの身体を締め上げる! これ、技のかかり具合はどうでしょうかねぇ、ローズさん!?」
ヤムチャ(ボディスラムは受けただろ……? でも、あれ受けた後、俺はハンドスプリングで起きたから、ダメージは殆どねぇようなもんだろ……?)
ローズ「結構がっちり入ってるますけど……まぁ、ダルシム選手はヨガの達人ですからね。ここで決めたいのなら、関節攻撃より3カウントを狙った方がよかったんじゃないかと思います」
ヤムチャ(これって、ちょっと俺の圧勝すぎる試合になってねぇか……? 試合をリードする為に……自分のいい所を見せようと頑張りすぎちまったから……)
ダルシム「うぐぐ……くそっ、くそっ……」
ヤムチャ(その分、ダルシムさんのいい所、出させてあげる事は一つも出来てねぇよ……! サガットさん達は、そういう事を俺にしてくれたんだし……俺もそういう事しないとマズいんじゃねぇか……!?)
151:
ヤムチャ(危ねぇ、危ねぇ……頭を整理させる為にコブラツイストをかけて、正解だったな……圧勝しすぎってのも、よくねぇだろ……この後、ダルシムさんこ反撃で押されて、俺の反撃で決着……それが理想だ……)
ダン「おいっ、ダルシム! 大丈夫か!? ギブアップするのか!?」
ダルシム「うぐぐ……まだだ、まだギブアップはせんぞっ……!」
ヤムチャ(残り時間は何分だ……? 4分切っちまったか……? まぁ、3分間ダルシムさんの攻撃を受け続けて……最後は俺の、反撃でフィニッシュだ……大丈夫だろ……)
実況「さぁさぁ、ヤムチャのコブラツイスト! ダルシムは、これを堪えている!」
ローズ「ベテランの維持……ですね」
ヤムチャ(よし、ダルシムさん……そろそろ次の攻防に行こうぜ……返してくれ……そして、今度はあんたが格好いい所をお客さんに見せる番だぜ……)
ダルシム「うぐぐ……負けんっ……! 私は、負けんぞっ……!」
152:
ダン「おいっ! ダルシム、大丈夫か!? ギブアップすんのか!?」
ダルシム「ヨーガには、もっと過酷で辛い体勢での修行があるのだ……! それに比べれば、こんな技などっ……!」
ダン「まぁ、いくらお前がヨガの達人でも……あんまり、無茶するんじゃねぇぞ!」
ダルシム「あぁ、わかっておる……この通り、私は大丈夫だっ……!」ビシッ
実況「さぁ、ダルシムはググッと力強い握り拳を作って、レフェリーに自分はまだまだ大丈夫だと、アピールしております!」
ローズ「そうですね。なんせ、ヨガの達人ですからね」
実況「やはり、ここは関節技より打撃攻撃で攻めた方がよかったのではないでしょうか!?」
ローズ「いや、わかりませんよ……? いくら、ダルシム選手が関節攻撃に強いといっても……がっつりロックはかかっていますからね。これはなかなか逃げれないんじゃないでしょうかね?」
実況「……となると、これは持久戦になるんでしょうかねぇ?」
ローズ「そうでしょうね……力で責めるヤムチャ選手と……柔軟な技で責めるダルシム選手って所でしょうかね? これも、両選手のスタイルの違いが見れて、面白い攻防ですね」
実況「さぁさぁ、力で責めるヤムチャと、技で責めるダルシムっ! この攻防を制するのは、一体どちらなんだ!?」
153:
ヤムチャ(よし、ダルシムさん……そろそろいいぜ……? ブランカさんみたいにダンさん掴むなり、暴れるなりしてくれ……そうしたら、俺も技をとくからさ……?)
ダン「ダルシム、大丈夫なのか!? ギブアップすんのか!?」
ダルシム「これも一つの修行であるっ……! 私は、耐えるっ……! 耐えてみせるぞっ……!」
ヤムチャ(ダルシムさん、もうそろそろ返してくれもいいんだよ……? あんた、ベテランレスラーなんだから、わかってるハズだよねぇ……?)
実況「さぁさぁ、ダルシムはヤムチャにガッツリとロックされているっ! これは少し、長引きそうか!?」
ローズ「……そうですねぇ」
実況「それでは、その間に本日のゲスト解説のローズさんのお話も少しばかり聞いてみましょうか!?」
ローズ「可笑しな質問でなければ……なんでも答えますよ?」
実況「おっと……好みのタイプを聞こうとした、私の出鼻を早挫かれてしまいました!」
ローズ「ふふ、戦いは先制攻撃です」
ダルシム(ふむ、いいタイミングで、話を始めてくれたな……残りが中途半端な時間だからな……このタイミングで話を始めてくれたのはありがたい……終わるまで待つか……)
ヤムチャ(おいおい……何か、雑談始めちまったぞ……? 大丈夫なのか……? このタイミングでダルシムさん、反撃したらマズいんじゃねぇの……?)
154:
実況「先日、ストリートプロレス女子部の、ベルトが移動しましたよねぇ、ローズさん!」
ローズ「そうですね。絶対的なチャンピオン……春麗さんから、ベルトが移動しましたねぇ?」
実況「いやぁ、強く、そして素敵な太腿の女性でした! 私もあの足で蹴られたかった!」
ローズ「……それは、セクハラです。やめて下さい」
実況「おっと、失礼! ベルトを奪ったのは、キャミィ! 女子部のベルトは今、キャミィが手にしております!」
ローズ「キャミィ選手がベルトを取った事でね……女子部の選手は、皆燃えてますよ……」
実況「やはり、自分が春麗から、ベルトを奪いたかった……そういう事でしょうか?」
ローズ「そうですね。私も、さくら選手も、かりん選手も……やはり、ベルトを手にする為の試合の相手は……春麗選手だと、信じて疑わなかったですからね」
実況「……やはり、キャミィに先を越されて、悔しいと?」
ローズ「……はい」
ダン「おいおい、ダルシム大丈夫なのか……!?」
ダルシム「大丈夫だ……! 私は耐える……耐えるぞっ……!」
ヤムチャ(お、おいおい……そろそろダルシムさん、返してくれてもいいんだよ……? これ、時間大丈夫か……? 結構、コブラツイストかけて、時間経っちまったんじゃねぇの……?)
155:
実況「女子部の選手は打倒、キャミィに燃えていると?」
ローズ「私達が目標にしていた所を、越えて行きましたからね。やはり、自分も負けてられないな……なんて、皆燃えていますよ」
実況「……なる程!」
ローズ「キャミィから、ベルトを奪い……そして……」
実況「……そして?」
ローズ「やっぱり、春麗さんとベルトを賭けた試合をしてみたいですね」
実況「春麗は絶対的王者ですからね!? やはり、ベルトが移動した今でも、そこを越えたいという気持ちは変わらないと……?」
ローズ「真のチャンピオンになる為には、やはり春麗選手から勝利する事は、私達の目標ですし、キャミィ選手がそれを成し遂げた今でも、気持ちは変わっていません」
実況「……ふむ」
ローズ「勿論、一歩先に進んでいるキャミィ選手から勝利する事も、チャンピオンになる為には、必要な事です。ですから、キャミィ選手に春麗選手……先日のベルト移動で、女子部の選手は皆、大きな刺激を受けましたよ」
実況「なる程……! 綺麗な薔薇には棘がある……! 美しい女子部の皆さんも、やはり、心の中にはメラメラとした闘志が煮えたぎってるんですね!?」
ローズ「例えが上手いような、下手なような……まぁ、でもそんな感じですね」
ダン「ダルシム、ギブアップか!? ギブアップすんのか!?」
ダルシム「まだだっ……! まだ、私は大丈夫だっ……!」
ヤムチャ(おいおいおい……! そろそろ、時間やべぇんじゃねぇか……? ダルシムさんの反撃……これ、間に合うのかよ、おいっ……!)
156:
実況「いやぁ、大変貴重なお話を頂けました! ありがとうございます!」
ローズ「是非、女子部の戦いも注目してもらいたいですね」
実況「それでは、試合の方に戻っていきましょうか、ローズさん?」
ローズ「はい、よろしくお願いします」
実況「さぁさぁ! ヤムチャのコブラツイストがダルシムの身体を締め付けるっ! いくらヨガの達人といえども……こうも、長時間喰らい続けると危険なのではないかっ……!?」
ローズ「そうですね。腰へのダメージも……心配になってきます……」
ヤムチャ(おっ、ほらほら……? ダルシムさん、あの人達こっち見たよ……? 雑談終わったんじゃねぇかな……? 今、反撃したらあの人達、ダルシムさんの事、格好良く実況してくれるって……!)
ダン「おいっ、ダルシム、ギブアップすんのか!? そろそろやべぇんじゃねぇのか!?」
ダルシム「私は負けん……! 耐える……耐えるぞっ……!」
ヤムチャ(耐えなくていいから……! 早く、返してくれよ……! もう、試合時間あまり残ってねぇんだってば……!)
158:
実況「さぁ、ダルシムはがっちりロックをされているっ! 腰へのダメージも心配だぞ、これは!」
ダン「くそっ、仕方ねぇ……こうなったら、レフェリーストップだ……このままじゃ、こいつの腰がイカれちまう……!」
ダルシム「レフェリーストップなどいらぬ……! ヨガの辛く苦しい修行に比べれば、この程度技など……!」
ダン「……強がってんじゃねぇよ!」
ダルシム「強がりなどではないっ……! うおおおぉぉっ……!」グイッ
ヤムチャ(きたっ……! やっと、きたっ……!)
ダルシム「……うおおおぉぉっ!」
ヤムチャ「……ぐっ!」ドスッ
実況「おっと、ここでダルシムが前のめりに身体を倒し、その勢いのままヤムチャ投げ飛ばした!」
ローズ「苦しい展開でしたが、なんとか耐え凌ぎましたね」
実況「さぁ、ヨガの達人、ダルシム! 苦しい所を逃れたが、腰へのダメージが心配か?」
159:
ヤムチャ(試合終了時間が迫ってきてる……! ダルシムさん、俺はだうんしたままでいるから……なんでもいいから、俺に攻撃を仕掛けて、格好いい所見せてくれっ……!)
ダルシム「よ、よし……なんとか、返したが……」
ヤムチャ(……ん?)
ダルシム「……くっ」ガクッ
実況「おっと、ダルシム! 腰を抑えて、片膝つきます! やはり、長時間のコブラツイストで腰に来たか!?」
ローズ「長く仕掛けられてましたからね……いくらヨガの達人といえでも、腰に来たんでしょう……」
ヤムチャ(なんでだよ……! なんで、攻撃に来ねぇんだよ……! もう、ゆったりした試合いいだろ……時間がねぇんだよ……!)
ダルシム「くっ、流石に私といえども……これだけ長時間仕掛けられていると……辛いな、動けん……」
ヤムチャ(動けん……じゃねぇよ! 動かなくちゃいけないんだよ……! おいおいおい……どうするどうする……これ、やべぇんじゃねぇか……?)
160:
実況「反撃にいきたいダルシムだが……腰へのダメージで動けません! これは、少し辛い展開か!?」
ダルシム「くそっ……後、10年若ければ……」
ヤムチャ(やべぇぞ……残り時間がねぇ……それなのに、ダルシムさんは動いてくれねぇ……)
ダルシム「……くそっ」
ヤムチャ(意思の疎通が出来てねぇって事か……? 別に、ダルシムさんにいい格好をさせずに、このまま試合を終わらせてもいいって事なのか……? あぁ、わかんねぇ……!)
実況「さぁさぁ、ダルシムは辛い状態だ!」
ヤムチャ(でも、今日の試合は俺がリードしなきゃいけねぇ試合なんだ……ダルシムさんが動かねぇなら……)
ダルシム「ううっ……」
ヤムチャ(俺が動いてなんとかするしかねぇだろっ……! ダルシムさんに反撃させてやる為によぉ!)ムクッ
161:
実況「おっと、そうこうしているうちにヤムチャが起き上がったっ!」
ヤムチャ「随分、苦しそうだなぁ! おっさんよぉ!?」
ダルシム「……ぬっ?」
ヤムチャ「こっちはまだまだ、ピンピンしてるぜ! これで決めてやるぜ!」
ダルシム「……くそっ、若い奴め」
ヤムチャ「いくぜっ……! うるぁっ……!」シュッ
ダルシム「……ぐっ!」
実況「そして、ヤムチャは得意の打撃攻撃で責める! 先ずはミドルキックだ! 先程痛めつけた脇腹を狙っていく!」
ヤムチャ(これは、無理に対応してもらわなくてもいい蹴りだ……ダルシムさんが、どういう行動を取ろうとも、影響はねぇ……!)
ダルシム「……ぐっ!」
162:
ヤムチャ「おらっ! 連発で喰らいなっ!」ガスガス
ダルシム「うっ……! ぐっ……!」
実況「さぁ、二発三発とヤムチャが脇腹に蹴りを打ち込む!」
ローズ「痛めつけた部分を重点的に狙ってますね。これは、ダルシム選手も辛いんではないでしょうか?」
ヤムチャ「おらおら! これでとどめにしちまうぜっ!」ググッ
実況「おっと、そしてヤムチャが天高く拳を突き上げたっ! これはフィニッシュ宣言か!?」
ヤムチャ「……もう、時間がないんです! 大技で反撃して下さいっ!」ブンッ
ダルシム「……ぬっ?」
実況「そして、ダルシムをロープに振ったぁ! 何か、カウンター攻撃を狙っているな!? さぁ、ヤムチャは何を繰り出す!?」
ローズ「……やっぱり、昇竜拳狙いなんですかね?」
ヤムチャ(ロープに振ってやったんだ……ゆったりと反撃チャンスを与えてやったんだ……あんた、10年選手なんだろ……? だったら、この状況にあったベストな反撃技の一つぐらい持ってるだろ……!)
ダルシム「……」
ヤムチャ(後はダルシムさんを信じて突っ込むだけだ……もう、時間もない……反撃チャンスはここだけだ……大技、期待してますよ……!)ダダッ
実況「さぁ、そしてヤムチャもロープで反動をつけて、ダルシム目掛けて突っ込んだぁ!」
172:
ヤムチャ(俺は、ノープランだ……このまま突っ込んでも、何も攻撃しねぇぜ……でも、ダルシムさん……あんた、ベテランレスラーなんだろ……? だったら、こっちの意図はわかってくれてるハズだよなぁ……?)
ダルシム「ううっ……くそっ……!」ググッ
実況「おっと、ここでダルシムが……!?」
ヤムチャ(よしっ、きたっ……! ダルシムさん、ナイスだぜっ……!)
ダルシム「ベテランの技術を甘く見るなっ……! フンっ……!」ググッ
ヤムチャ(……ん?)
ローズ「ダルシム選手、返しましたね! ベテランらしい、上手い切り返しです!」
実況「ここでダルシムが上手く切り返した! ロープの反動をつけて向かった来た、ヤムチャの頭を脇に抱え、そのまま締め付ける!」
ヤムチャ(投げ技じゃねぇ……打撃技でもねぇ……よりにもよって、じわじわ責める関節技かよっ……!)
ダルシム「うおおぉぉっ……! 締め付けてやるっ……!」
実況「こいつは、ダルシムのヘッドロック! ピンチの所をなんとか切り返したぁ!」
175:
ダルシム「うおおぉぉっ……! このまま、締め上げてっ……!」ギリギリ
ヤムチャ(何やってんだよ、ダルシムさん……! 時間がねぇんだよ……こんな技をチンタラやってる場合じゃねぇだろが……!)
実況「さぁ、ダルシムがヤムチャの頭をじわりじわりと締め付ける! なんとか、これを返そうとヤムチャも懸命に?いているか!?」
ローズ「この辺は、ベテラン選手の上手い所ですね。ロックもガッチリ入ってますし……なかなか逃げられませんよ、これは」
ヤムチャ(やめろっ……! 離しやがれっ……! 時間がねぇのに、関節技なんかをちんたらやってる場合じゃねぇだろが……!)
ダルシム(残り時間は、2分弱といった所か……という事は、この技で時間調整をするとしようか……)
実況「ダルシムがリングのど真ん中で、ヤムチャを捉えたぁ! そしてそのままヘッドロックで締め上げているっ!」
ローズ「ダルシム選手……やはり、得意の関節技で攻めてきましたね」
176:
ヤムチャ(くそっ、時間がねぇのに、こんな技してんじゃねぇよ……投げろよ……! 殴れよ、蹴れよっ……!)
ダルシム(……そろそろ、来るかな?)
ゲンコツノジカンダー!
ヤムチャ(ん、 なんだ……? お客さんの……声援……?)
ダルシム(よしっ……! 来たっ……!)ググッ
実況「おっと、ヤムチャの頭を抱えたまま、ダルシムが拳を突き上げアピールだ! これはこれは……!?」
げ・ん・こ・つ! げ・ん・こ・つ!
実況「そして、場内からも大げんこつコールだ! これはこれは、どうやら完全にダルシムは狙っていたようですね、ローズさん!?」
ローズ「そうでしょうねぇ。ダルシム選手も勝負かけてきたんじゃないですかねぇ?」
177:
げんこつwww
178:
ヤムチャ(なんだ、このコールは……? 盛り上がらない第二試合のはずなのに、なんでこんな大声援が起こっているんだ……?)
ダルシム「いくぞっ……! 若僧めっ……!」
げ・ん・こ・つ! げ・ん・こ・つ!
ヤムチャ(ひょっとして……これが、ダルシムさんの……大技……?)
ダルシム「諸君も、ヨガコールで私に力を与えてくれっ……! うおおおぉぉっ…… ! ヨガスマッシュ!」
実況「来たぞ来たぞっ! げんこつの時間だっ! これは、ダルシムの必殺技のヨガスマッシュ!」
ダルシム「うおおぉぉっ……! ヨガっ……!」ガスッ
ヨガッ!
ヤムチャ(うおっ、頭を殴ってきやがったっ……! と、とりあえずリアクションしねぇと……!)
179:
ダルシム「ヨガっ……!」ガスッ
ヨガッ!
ヤムチャ「……ぐっ!」
ダルシム「もう一発っ……! ヨガっ……!」ガスッ
ヨガッ!
ヤムチャ「……ぐわっ!」
実況「さぁさぁ、ダルシムがヨガスマッシュを打ち込む度に……場内から、ヨガコールが巻き起こるっ!」
ローズ「いいヨガの布教になりそうですね」
ヤムチャ(なんで、こんなに盛り上がってんだよ……? この人、今日の試合で何もしてないんだぜ……? なのに、どうしていきなりこんなに盛り上げる事が出来るんだよ……?)
ダルシム「テンポを上げるぞ、連続で打ち込むっ……! うおおぉぉっ! ヨガっ、ヨガっ、ヨガっ……!」ガスガス
ヨガッ!ヨガッ!ヨガッ!
180:
なるほどヘッドロックパンチか、この発想はなかった
181:
ヤムチャ(お客さんは、ダルシムさんの打ち込むタイミングと同時に、コールをしてるよな……? いや、これ……ダルシムさんがお客さんのタイミングに合わせて、殴ってるのか……?)
ヨガッ!ヨガッ!ヨガッ!
ダルシム「ヨガっ……! ヨガっ………! ヨガっ……!」ガスガス
ヤムチャ(この人、知ってたんだよ……この技さえすれば、お客さんが盛り上がって……大コールが巻き起こる事を……)
実況「さぁさぁ、ダルシムが連発で打ち込むっ! それに応えるように、場内から大ヨガコール!」
ヤムチャ(ブランカさんとは正反対のタイプだ……ブランカさんは、お客さんを飽きさせないように、面白い行動を間髪入れずに繰り出して、笑わせていくタイプだけど……)
ヨガッ!ヨガッ!ヨガッ!
ダルシム「ヨガっ……! ヨガっ……! ヨガっ……!」ガスガス
ヤムチャ(この人は逆だ……いつ面白い行動をするのか……まだかまだかなんてお客さんを焦らして焦らして……そして、最後に持っていくわけなんだ……これだけ、盛り上がるんだから……下手に自己主張する必要はなかったって事なんだ……!)
182:
ダルシム「これで、フィニッシュだっ……!」
ヤムチャ(おっ……大きく振りかぶったって事は、これがラストの一発か……?)
実況「さぁ、ダルシムが大きく拳を振り上げて、溜めを作り……!」
ヨガッ!
ダルシム「うおおぉぉっ……! ヨガっ……!」ガスッ!
ヤムチャ「……ぐわぁっ!」バタッ
実況「とどめのげんこつを打ち込む、ヨガスマッシュ! ヤムチャは、大きくダウンします!」
ダルシム「皆の声援が私の力になった……感謝する……ナマステ……」ペコッ
パチパチ……パチパチ……
実況「ダルシムは、両手を合わせ、四方の観客に一礼だ。状態からは暖かい拍手が送られます!」
183:
ヤムチャ(やべぇな……ダルシムさんのいい所、見せるのはもう十分だ……あれだけお客さん盛り上がったんだから、もう十分だろ……)
ダルシム「よし……そろそろ、私も決めにいくとするか……」
ヤムチャ(でも、最後は俺の勝ちで終わらないといけねぇんだから……次は俺が攻撃仕掛けねぇといけねぇんだろ……?)
ダルシム「さぁ、ヤムチャ……ベテランの底力を見せてやるっ……!」
実況「さぁ、ゆったりとした動きでダルシムがヤムチャに近づいて……」
ヤムチャ(いけるのか……? 今の俺に、あれ以上の声援を貰う事が出来るのか……? 出ないと、この試合……俺が、全てリードしたはずなのに……ダルシムさんに全部、持っていかれるんじゃねぇのか……!?)
ダルシム「さぁ、起きろっ……! ヤムチャっ……!」ググッ
ヤムチャ(試合時間も、もう大して残ってねぇのに……これは、マズいんじゃねぇの……!?)
実況「ヤムチャを引き起こします! そして、そのまま背後を捉えたぁ!」
184:
ダルシム「うおおぉぉっ! バックドロップだっ……!」ドシーンッ
ヤムチャ「……ぐっ!」
実況「さぁ、ダルシムがヤムチャをバックドロップでリングに突き刺す!」
ローズ「綺麗なフォームですよね」
実況「げんこつで痛めつけられたヤムチャの頭部がリングに真っ逆さまだ! これは効いたか!?」
ヤムチャ(くそっ……時間はもう残ってねぇ……早くなんとかしねぇと……ダルシムさんに持っていかれちまう……)
ダルシム「さぁ、起きるんだっ……! ヤムチャよ……!」ググッ
ヤムチャ(もういいだろ、ダルシムさん……! あんた、いい所見せたじゃねぇか……俺に反撃のチャンスをくれっ……! 時間がもう残ってねぇんだよっ……!)
実況「さぁ、ダルシムがヤムチャを引き起こし、再び背後を捉えたぁ!」
185:
ヤムチャ(またバックドロップを仕掛けるのか……? そんな事はもういいから……!)
ダルシム「……フンっ」クルッ
ヤムチャ(……ん?)
実況「おっと、ここでダルシムが素早く自らの身体を回転させて、ヤムチャと背中合わせの状態に!」
ローズ「その体勢のまま両腕をロックしていますね」
ダルシム「……よっと」ググッ
ヤムチャ(う、うおっ……なんだこりゃ……背筋伸ばすストレッチでふざけてんじゃねぇんだからさぁ……?)
実況「そのまま、前屈みに倒れ、ヤムチャの背をマットにつけます!」
ローズ「逆さ押さえ込みですね。ベテランらしい渋い技で決めに来ましたね」
ダルシム「よしっ……! レフェリー、フォームだ! カウントを!」
ダン「おうっ! 任せておけっ!」
ヤムチャ(あれ……? 俺、今、フォールされてんの……? これ……?)
193:
ダン「ワンっ……!」
ヤムチャ(うおおっ、やべぇ……! カウント取られてるぞ……!?)
ダン「ツーっ……!」
ヤムチャ(今日の試合は俺の勝ちなんだから……ここは返さないといけねぇ場面だろ……!)
ダン「……スリ」
ヤムチャ「う、うおっ……!」グイッ
実況「さぁ、カウントは2.8といった所でしょうか!? ギリギリの所でヤムチャがなんとか返していきます!」
ローズ「上手く丸め込んだんですけどね……後、一息という所でしたね……」
ダン「カウントはツーだっ! カウントツー!」
ダルシム「くそっ……しぶとい奴め……」
ヤムチャ(うおっ、危ねぇ危ねぇ……マジで負けちまう所だった……とにかく、ここから反撃にいかねぇと……!)
194:
ヤムチャ(時間がない……とにかく、俺も盛り上げて勝ちにいかねぇと……)ムクッ
実況「さぁ、ここでヤムチャが素早く起き上がる!」
ヤムチャ(第二試合では、狼牙風風拳は封印されているから……トラースキックでフィニッシュが理想だろ……だから、トラースキックに繋げる為の攻防を作らないと……)
ダルシム「くっ……! しぶとい奴め……!」
ヤムチャ(トラースキックを打つ為には……あぁ、ダメだっ……! ちんたらちんたら投げ技してたら、時間もオーバーしちまうし……そもそも投げ技で、あんなに盛り上げれる自信なんてねぇよ……!)
実況「さぁ、そしてそのままヤムチャが……」
ヤムチャ(なんとか、打撃攻撃で盛り上げねぇと……! とにかく、時間もねぇし仕掛けねぇと……!)ダッ
ダルシム「……来るか、若造めっ!」
実況「そのまま、ダルシムに正面から突っ込んだぁ!」
195:
ヤムチャ「……うるあぁっ!」ガスッ
ダルシム「……ぐっ!」
実況「さぁ、正面からのショルダータックルっ! 勢いよくダルシムに突っ込んでいく!」
ヤムチャ(ここから、連続で打撃攻撃を与えて……いや、その前にアピールいておいた方がいいか……? あぁ、考える事が多い……!)
ダルシム「……くそっ!」
ヤムチャ「ラッシュ仕掛けて、そのまま仕留めてやるぜっ! ダルシムさんよぉ……!?」
ダルシム「……ぬっ?」
実況「さぁ、ヤムチャが吠えた吠えたっ! ここで、ヤムチャも勝負を仕掛けてきたか!?」
ヤムチャ「蹴りだっ……! うるあぁっ!」ガスッ
ダルシム「……ぐっ!」
ヤムチャ「お次は……チョップだ……! うおおおぉぉぉっ……!」バシーンッ
ダルシム「……ぐおっ!」
196:
ヤムチャ「オラっ……! オラオラっ……!」ガスガス
ダルシム「……ぐっ、うおっ」
実況「さぁさぁ、ヤムチャの怒涛の連続打撃攻撃っ! 蹴りにチョップ ! チョップに蹴り蹴りっ!」
ローズ「ラッシュ仕掛けてますね」
ダルシム(手数が多いな……まぁ、フィニッシュにいく為の下準備をしているのだろう……)
ヤムチャ「オラオラオラっ……! 行くぜ行くぜっ……!」ガスガス
ダルシム(ここは一撃で沸くような投げ技の方が嬉しかったが……ヤムチャ君は、あいにくそこまで技を覚えていない……これは致し方ない事だな……)ヨロッ
実況「さぁさぁ、ヤムチャの連続攻撃を受け……ダルシムもフラついてきたかぁ!?」
ヤムチャ「オラっ! そろそろ、フラついて来たんじゃねぇか!? 行くぜっ!」
ダルシム「……ぬっ?」
ヤムチャ「うおおぉぉっ……! 正面からの……延髄斬り……! くたばりやがれっ……!」シュッ
実況「おっと、ここでヤムチャが正面飛びからの延髄斬りを放ちます!」
197:
ヤムチャ「……うるあぁっ!」
ダルシム「……ぐおおぉぉっ!」バターンッ
実況「これには、ダルシムも大きくダーウンっ!」
ヤムチャ(ここで、起き上がりに合わせて……トラースキックを打ちたい場面だけど……)
ダルシム「……うぐぐ」
ヤムチャ(いけるのか……? さっきみたいに、歓声は起きるのか……? 延髄斬り打てば、拍手の一つでも貰えるとでも思ったけど……)キョロキョロ
シーン
ヤムチャ(拍手の一つも貰えてねぇよ……多分、これじゃあ、さっきみたいに盛り上がりはしねぇだろうな……)
ダルシム「……くそっ」
ヤムチャ(何か、工夫をしねぇと……何かねぇか……? 何か、いい方法はねぇか……?)キョロキョロ
198:
ヤムチャ(そうだ、ロープだ……! 前に、ケンさんとダブルトラースキックを打った時は……ロープに振った、サガットさんが戻ってくる所にカウンターで仕掛けたんだったな……!)
ダルシム「……ううっ」
ヤムチャ(これだったら、ゆったりした攻撃でダルシムさんも対応しやすいだろうし……起き上がりに合わせるのより、格好良く見えるんじゃねぇか……?)
実況「さぁ、ヤムチャがダルシムに近づいて……」
ヤムチャ「オラっ、いつまでも寝てんじゃねぇ! 起きやがれ……!」グイッ
ダルシム「……ううっ」
実況「そのままダルシムを引き起こします!」
ヤムチャ(ダルシムさんがロープに走っている間に、アピールして……トラースキックの構えをして……フィニッシュ……これだけやったら、さっきみたいな声援がきっと……)
ダルシム(体内時計は正確なようだな……そろそろフィニッシュだな……)
ヤムチャ「よしっ、これでとどめだっ……! ロープに走りやがれっ……!」ブンッ
ダルシム「……う、うおおっ」
実況「そして、ヤムチャがダルシムをロープに振ったぁ!」
199:
ヤムチャ「うるぁ! これでフィニッシュにしてやるぜっ!」
実況「さぁ、ヤムチャが拳を突き上げ、フィニッシュ宣言っ! フィニッシュ宣言だっ!」
ヤムチャ「狙いを定めて……カウンターで仕掛けるっ……!」ググッ
ローズ「おっ、ヤムチャ選手が構えましたね?」
実況「これは、トラースキックの構えだ! ヤムチャは、カウンターでトラースキックを狙っているぞ!?」
ヤムチャ(この技で……ダルシムさん以上の声援を貰ってやる……!)
ダルシム「ううっ……くそっ……!」
ヤムチャ「そこだぁ……! オラァ、トラースキックだっ!」スパーンッ
ダルシム「うっ……ぐわあぁぁっ……!」バターンッ
実況「決まったぁ! カウンターのトラースキックが完全にヒットしたぁ! ダルシムは大きくダーウンっ!」
200:
ヤムチャ「……どうだっ!?」
パチパチ……パチパチ……
ヤムチャ(拍手は貰えた……拍手は貰えたけど……)
ダルシム「……強い」
ヤムチャ(ダルシムさん程の、声援じゃねぇ……あれだけの場内の熱狂は……俺の攻撃では起きねぇ……)
ダルシム「……ぐはっ」ガクッ
ヤムチャ(試合もリードしたし……ミスらしいミスもしてないはずだ……だけど、これじゃあ試合に勝って、勝負に負けたようなもんだよ……俺はダルシムさん程の声援を貰えてねぇんだから……)
実況「ダルシムはリング中央で大の字だっ!」
ヤムチャ(まだ、時間は残っているか……? 今、拍手貰えたんだから……ここでコブラツイストでも仕掛ければ、ひょっとしたら声援貰えたりしねぇか……?)
ダルシム「……」
ヤムチャ(どうするどうする……ここでフォールに入って、試合を終わらせるか……コブラツイストを仕掛けて……ダルシムさんにギブアップしてもらうか……)
201:
実況「おっと、ここでヤムチャが……!」
ヤムチャ「……くそっ、レフェリー、フォールだ! カウントをとってくれ!」
ダン「おうよ! 任せておけっ!」
実況「フォールに入ったっ! 今、レフェリーがカウントを取ります!」
ダン「ワンっ……!」
ヤムチャ(ダメだ……コブラツイストにはいけねぇ……下手したら試合時間をオーバーしちまうし……)
ダン「ツーっ……!」
ヤムチャ(一番自信のある……トラースキックより、大きな声援が貰える気はしない……それに、何より下手な事をして、盛り下がっちまう事が怖ぇ……)
ダン「……スリーっ!」
実況「ここでスリーカウントっ! 試合は決着です! ベテランと若手の勝負は……若手のヤムチャに軍配が上がったぁ!」
ヤムチャ(これがベテラン選手か……一番美味しい所は、持っていかれちまったな……ちくしょう……)
ダルシム「……」
203:
実況「さぁさぁ、第二試合はヤムチャの勝利に終わりましたが……試合を振り返ってみて、いかがでしたでしょうか、ローズさん?」
ローズ「勢いで責めるタイプのヤムチャ選手と……堅実な試合運びをしようとしているダルシム選手……両者、異なるタイプの選手でしたのでね、スタイルの違いが見れて、いい試合でした」
実況「なる程! さぁ、今リング上でヤムチャの勝ち名乗りが挙げられ……おっと……?」
ローズ「……ん?」
ダルシム「……うぅ」ムクッ
ダン「……ん?」
ヤムチャ「……ん」
ダルシム「ううぅ……ヤムチャよ……」ヨロヨロ
実況「ダルシムが起き上がり、ヤムチャに近づきます! 何か、仕掛けようというのか!?」
207:
ダルシム「ヤムチャよ……」
ヤムチャ(なんだなんだ……?)
ダルシム「いい試合だったよ……感謝する……ナマステ……」ペコッ
実況「おっと、ここで敗者のダルシムが勝者のヤムチャに一礼!」
ヤムチャ「あっ、いや……こちらこそ……な、なますて……」ペコッ
ローズ「おっ、勝者のヤムチャ選手も一礼しましたね」
実況「礼に始まり、礼に終わる! ゴングが鳴れば、互いは争う敵になるが……! 再び、ゴングが鳴れば互いは友となる! 」
ダルシム「流石は、空手軍団だな!? 皆の者、勝者のヤムチャ君にもう一度、拍手を送ってくれ!」グイッ
ヤムチャ「う、うおっ……」
パチパチ……パチパチ……
実況「さぁ、ダルシムがヤムチャの腕を挙げ……勝ち名乗りを上げてやります! 場内からは再び、暖かい拍手!」
ローズ「ダルシム選手はこの辺りが潔いい選手ですよね」
208:
ヤムチャ(この人……自分を知ってやがる……)
ダルシム「皆、拍手を感謝する……! ナマステ……!」
ヤムチャ(この人も恐らくジョバーだ……試合中、やられまくって……試合にも負けまくってるから……)
ダルシム「ナマステ……ナマステ……」
ヤムチャ(負けた後は、こうやって勝者を讃える事が……一番、自分を格好良く見せれる手段だって、知ってやがるんだよ……)
ダン「おいおい、いつまでやってるんだよ……? 試合は終わったんだから、そろそろ退場しろよ……」
ダルシム「おぉ、すまない……あまりにいい試合が出来たからな……それじゃあ、ヤムチャ君、退場しようか?」
ヤムチャ「うっす」
実況「さぁさぁ、それではこの辺りで第二試合の中継を終了したいと思いま〜す! 本日のゲスト解説は……」
ローズ「ローズです。ありがとうございました」
実況「CMの後は……女達の戦いだぁ! 本日の試合は、さくら対かりん! この二人もローズさんと同じようにメラメラと闘志を燃やしているぞ!」
ヤムチャ(確かに地味な選手だったよ……ブランカさんや、バイソンさんとは全然違う選手だ……だけど、自分を知ってやがる選手だな……)
215:
ーーー
プーアル「ヤムチャ様、お疲れ様でした! 今日の試合は、珍しくよかったですよ!? 実戦の勘も戻ってきたんじゃないですか?」
ヤムチャ「……おう、プーアル。ありがとな」
プーアル「どうしたんですか? 今日の試合は課題もクリアしたんだし……もっと、胸張りましょうよ。どうして、そんな暗い顔してるんですか」
ヤムチャ「やる事は、全部やった……課題も、多分クリアしたと思う……だけど、それでもダルシムさんには勝てなかった……」
プーアル「何、言ってるんです……ヤムチャ様がトラースキック打って、勝ったじゃないですか? ヤムチャ様、もしかして……ボケてきちゃいました?」
ヤムチャ「そうじゃねぇんだよ……試合中の、ダルシムさんへの歓声……プーアル、お前も聞いただろ……?」
プーアル「えぇ、聞きましたが……」
ヤムチャ「俺はあれだけの歓声を貰う事が出来なかった……俺の勝利で終わった試合なのに……俺ばかり攻撃してた試合なのに……」
プーアル「……」
ヤムチャ「お客さんの大声援を貰ってたのは……試合に負けて……ずっと攻撃を喰らってばかりのダルシムさんだった……一番いい部分は、持っていかれちまったよ……」
プーアル「……そんな事、ありませんよ。ヤムチャ様だって、格好よかったですよ」
ヤムチャ「くそっ、お客さん沸かせる方法……難しいな……技がまだ、足りてねぇのかな……?」
216:
ダルシム「……ナマステ」
ヤムチャ「……ん?」
プーアル「あっ、ダルシムさん、お疲れ様でした! ヤムチャ様の指導、ありがとうございます!」
ダルシム「いい試合だったよ。私の注文に応えて、ゆったりとした試合を作ってくれて、感謝する。私もやりやすかったよ」
ヤムチャ「……ありがとうございます」
ダルシム「色々と、お客さん盛り上げる為に、アピールもしていたな。あれなら、きっとお客さんも沸くだろう……まぁ、使い所を間違えないようにな……」
ヤムチャ「……使い所?」
ダルシム「あぁ、例えば今日のハンドスプリングで起き上がるのなら、せいぜい試合中に出せるのは、恐らく二度か三度だ……」
ヤムチャ「何度もやってると……お客さんは飽きちゃいますからね……」
ダルシム「ヤムチャ君は試合の序盤に使っていたが……あれは、試合の終盤の逆転劇の前に使った方がよかったのではないか……?」
ヤムチャ「……えっ?」
ダルシム「試合の序盤に、あれだけ派手なアピールをしてしまうと……試合の終盤で困る事になるぞ? それより派手なアピールを強要されてしまうからな……」
ヤムチャ「……なる程」
ダルシム「アピールだって、技だ……地味なアピールからスタートして、派手なアピールを最後まで取っておかないとな……」
217:
ヤムチャ「くそっ……そこだったか、やっちまったな……」
ダルシム「……やっちまった?」
ヤムチャ「ねぇ、ダルシムさん……? もし、俺がそのアピール、最後まで取っておいて……それやって、フィニッシュの攻防しかけたら……」
ダルシム「……ふむ」
ヤムチャ「ダルシムさんより、お客さんの歓声貰えましたかねぇ?」
ダルシム「……ん?」
ヤムチャ「ほら、ヨガヨガなんて、言いながら俺の頭を殴ってたヤツ……あの時より、大きな歓声貰えましたかねぇ?」
ダルシム「ハハハ、何を言っている。それは無理な話だ」
ヤムチャ「……無理?」
ダルシム「私を何年選手だと思っている? 10年選手だぞ?」
ヤムチャ「……はぁ」
ダルシム「10年選手の定番のムーブ……お約束の行動……君は、そんな物と争っている場合ではないだろう……?」
ヤムチャ「いや、でも……やっぱり、あれだけ歓声貰ってると……負けたって気がしますから……」
218:
ダルシム「そもそも、私のヨガスマッシュは、第二試合……この位置でこそ大歓声を貰えるが……ここより、上の位置になると、声援なんてもらえないさ」
ヤムチャ「いや、あれだけ歓声貰ってたじゃないですか?」
ダルシム「この位置は面白い可笑しい試合をする場所だからな……これより上の位置は、戦いを見せる場所だ……お客さんの求めている試合内容も、当然変わってくる……」
ヤムチャ「……はぁ」
ダルシム「そんな場所であんな攻撃はうけない……先日、ヤムチャ君はブランカ君戦ったが……ブランカ君が第五試合でシャドルー相手に同じ内容の試合をしても……お客さんは、喜んではくれないだろう?」
ヤムチャ「確かに……そうかもしれませんねぇ……」
ダルシム「試合位置にあった戦い方もある。今日のヤムチャ君の動き……あれは、第五試合だったら、きっと歓声が貰えたと思うぞ?」
ヤムチャ「えっ……? マジっすか?」
ダルシム「……というより、随分と派手な第二試合になってしまったよ。第三試合のさくら君とかりん君が上手く調整してくれるといいのだがな」
ヤムチャ「えぇ……? 俺、やっちまいましたかね……コレ……」
219:
ダルシム「気にする事はない。この程度なら、大丈夫だ。というより、女子部は春麗君が離脱してピンチだからな……いい試合をしてもらわねば、困る」
ヤムチャ「まぁ、一応、後でさくらちゃんに謝っておきますよ……」
ダルシム「今日のヤムチャ君の試合……現場監督がどう評価するか、わからんが……」
ヤムチャ「……はぁ」
ダルシム「第五試合に戻る事が出来るのか……それとも、第二試合継続か……はたまた、それの以外の処置取るのか……」
ヤムチャ「戻りてぇな、第五試合に……」
ダルシム「……もし、次に私と戦う機会があるのなら」
ヤムチャ「……」
ダルシム「その時は打撃攻撃を使ってくれても、構わんよ……」
ヤムチャ「……ん?」
ダルシム「ただし、私と戦う時は、第二試合だ……打撃攻撃を使ってもいいが、第五試合のような激しい試合には、しないでくれ」
ヤムチャ「おいおいおい……ダルシムさん、打撃攻撃には対応できねぇんじゃないんですか?」
220:
ダルシム「何を言っておる。相手の攻撃に対応出来ないレスラーなど、いる訳ないだろう?」
ヤムチャ「いやいやいや……! 試合前、自分で言ってたじゃないですか……!?」
ダルシム「ヤムチャ君に今必要なのは、試合をリードする能力だろう? ヤムチャ君が好き勝手に打撃攻撃で責めると、激しすぎる第二試合になってしまう可能性があるからな……そうならないように、ヤムチャ君の行動を制限させてもらったよ」
ヤムチャ「騙したんですね……?」
ダルシム「今日の試合で私が打撃攻撃に対応する力に目覚めたのだろう。騙してなんかいないよ」
ヤムチャ「……よくもまぁ、いけしゃあしゃあと」
ダルシム「まぁ、今日の試合内容なら……これからは打撃攻撃でも試合をリードする事が出来るんじゃないかな? 手数で責めるんじゃなくて……ゆったりと間を取って責める……いい勉強になっただろう……? 手数を増やす事だけが、正しい行動ではない……」
ヤムチャ(くそっ……ゆったりとした試合しろって言われなかったら、多分アピールする事は、思い浮かんでねぇから……してやられたって、ワケか……)
ダルシム「それじゃあ、私はそろそろ失礼するよ……今日の試合……現場監督に評価されてるといいな……」
ヤムチャ「……あっ、お疲れ様っす」
プーアル「ダルシムさん、今日はありがとうございました!」
223:
ヤムチャ「……なぁ、プーアル?」
プーアル「……はい」
ヤムチャ「俺、勝ったけどさぁ……あの人に勝ったけどさぁ……?」
プーアル「……はい」
ヤムチャ「負けてるよね……? あの人に凄ぇ、負けてるよね……?」
プーアル「……あの人は10年やってるんでしょ? 仕方なんじゃないですかねぇ?」
ヤムチャ「おいおいおい……大丈夫かよ……本当にこんな調子で第五試合に戻れるのかよ……」
プーアル「大丈夫ですって! ヤムチャ様だったら、すぐ戻れますよ!」
ヤムチャ「ブランカさんやダルシムさん……あの人達は、サガットさん達とは別の強さを持ってるぜ……やっぱり、ベテランなんだなぁ……」
プーアル「ヤムチャ様は、才能あるんですから! キャリアなんて才能で吹き飛ばしちゃいましょうよ!」
ヤムチャ「吹き飛ばせたらいいんだけどねぇ……明日は、どうなるかなぁ……また第二試合か……それとも第五試合に戻れるのか……」
プーアル「も〜う、ウジウジ男らしくないすねぇ……ホラ、落ち込んでないで、さくらさんの試合でも見て、勉強したらどうですか!?」
ヤムチャ「そうだな……今日は早く終わったから、他の試合見て勉強するか。あ〜、そういやサガットさんはメインイベントだったんだ……羨ましいなぁ……」
プーアル「ヤムチャ様、しつこい!」
224:
ーーー
さくら「……さくら締めっす! フンっ!」ググッ
かりん「……くっ」
実況「さぁさぁ、さくらが背後から、かりんの首を捉えて首を締め付けるっ! こいつは、さくらの得意技、さくら締めだっ!」
キャミィ「……はい」
実況「ここにきて、この攻撃は厳しいか!?」
さくら「このまま……落ちてもらうっす……!」ググッ
かりん「くっ……負けませんわ……!」
実況「さぁさぁ、さくらがかりんの首を締めあげる!」
キャミィ「……そうですね」
実況「どうでしょう!? これ、完全にロックはかかっているんですかねぇ、キャミィさん!?」
キャミィ「……そうでもないと思います」
225:
ヤムチャ「なんだかんだでねぇ……さくらちゃんも凄ぇわ……」
プーアル「そうですね」
ヤムチャ「俺の試合なんか関係ねぇよ……歓声も貰えてるし……いい試合してるじゃねぇか……」
プーアル「ヤムチャ様の試合に刺激を受けたんですよ、きっと!」
ヤムチャ「……そんな訳ねぇだろ。まぁ、勉強にはなる試合だわ」
プーアル「そうですね、ヤムチャ様は勉強です!」
ヤムチャ「やっぱり、技の数だ……俺とは技の数が違うよ……だって、同じ技を殆ど使ってねぇもん……」
プーアル「……今日、サガットさんにでも相談してみます?」
ヤムチャ「そうするよ……サガットさんに相談して……新しい技を教えてもらわなきゃな……」
227:
さくら「……はぁっ!」ググッ
かりん「負けません……負けませんわっ……!」ジタバタ
実況「さぁさぁ、かりんは背後から締め上げているさくらから逃れようと、大きく身体を揺さぶっております!」
キャミィ「……そうですね」
実況「これは、ロックを振りほどこうと、?いているのでしょう! どうでしょうか、逃げれるんでしょうかねぇ?」
キャミィ「……さぁ?」
さくら「……くっ、しぶといっす! やるっすね!」
かりん「ロックが完全にかかってませんわっ……! これなら、逃げれそうです……!」ジタバタ
さくら「……こうなりゃ、作戦変更っす! いくっすよ!」
ヤムチャ「プーアル! プロレス団体に就職したのは失敗だったぞ!」【中編】へつづく
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SSが書籍化!!
SS報VIP傑作集 勇者と魔王篇
橙乃ままれ
アニメ
・まおゆう魔王勇者 (1)
・まおゆう魔王勇者 (2)
・まおゆう魔王勇者 (3)
・まおゆう魔王勇者 (4)
・まおゆう魔王勇者 (5)
・まおゆう魔王勇者 (6)
書籍
・まおゆう1 「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」
・まおゆう2 忽鄰塔(クリルタイ)の陰謀
・まおゆう3 聖鍵(せいけん)遠征軍
・まおゆう4 この手でできること
・まおゆう5 あの丘の向こうに 特装版
・まおゆう5 あの丘の向こうに 通常版
・エピソード1 楡の国の女魔法使い
・エピソード0 砂丘の国の弓使い
外伝
・ まどろみの女魔法使い
まおゆう4コマ
・「向いてませんよ、魔王様」
・まおゆう魔王勇者~丘の向こうへ(1)
・まおゆう魔王勇者~丘の向こうへ(2)
・まおゆう魔王勇者~丘の向こうへ(3)
石田 あきら (著)
・まおゆう魔王勇者「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」(1)
・まおゆう魔王勇者「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」(2)
・まおゆう魔王勇者「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」(3)
・まおゆう魔王勇者「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」(4)
浅見よう (著)
・まおゆう魔王勇者(1)
・まおゆう魔王勇者(2)
・まおゆう魔王勇者(3)
・まおゆう魔王勇者(3)特装版
・ログ・ホライズン(1)
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帰宅した父親に向かってフラフラしながら自分の足で歩いて近づいてくる息子の行動に驚愕!!

高校生に戻ったらやりたいことwwwwwwww

【レイヤーさん必見】写真撮影されるときにフェイスラインをスッキリ見せる「正しくアゴを引く」という動作

会社の先輩の男性社員にイライラする。「○さんが貴方の事を××と言っていた」と態々伝えて来たり、私の出身大学を馬鹿にしたり…

海外「プロパガンダ戦でイスラム国に勝利…日本のクソコラは米政府でさえ出来なかった事を成し遂げた」

「妻が浮気してると思い、口論になった」 95歳の夫が88歳の妻を殴り殺害 現行犯逮捕

殺害された湯川さんの父親が言った言葉・・・・・・

ロボットがいろいろあって死ぬ←もう何かこれだけで泣ける

湯川さん父「言葉がない。ご心配ご迷惑をおかけし申し訳ない。尽力に感謝します。後藤さんは助かって」

【サヨク画報】 しばき隊他、官邸前抗議集会 「健二を救え!」「安倍は辞めろ」

友人グループ内で喧嘩があり疎遠になっていた友人B。SNS上でBが「癌だった。もう手遅れらしい。」という書き込みをしていて…

友人が不登校になってしまった。 4年の時のクラスに馴染めなくて酷いいじめを受けていたらしい

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