八幡「雪ノ下とドライブ」back

八幡「雪ノ下とドライブ」


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1:
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「(静寂が辛い・・・)」
八幡「(聞こえるのは、雨の音と車のエンジン音・・・)」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
2:
八幡「・・・雪ノ下、頼むから何か喋ってくれ」
雪ノ下「あら、急にどうしたのかしら?」
八幡「折角のドライブなんだ、少しくらい会話を・・・」
雪ノ下「引きこもり谷君の声を聞くと、私の蝸牛が破壊されてしまうわ」
八幡「俺は一体何者なんだ?」
雪ノ下「人間でないことは確かね」
八幡「おい」
3:
ザァーーーーーー・・・・・・
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・雪ノ下、お前は寡黙を愛しているか?」
雪ノ下「急になに? 嫌いではないけれど」
八幡「そうか・・・」
雪ノ下「えぇ・・・」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
4:
八幡「・・・そういえば、この間な」
雪ノ下「・・・?」
八幡「由比ヶ浜に会ったんだよ」
雪ノ下「そう・・・どこでかしら?」
八幡「駅前のサイゼだ」
雪ノ下「比企谷君、貴方本当にサイゼリアが好きなのね」
八幡「当たり前だ」
5:
八幡「それで、店内で由比ヶ浜を見つけたは良かったんだが」
八幡「俺が声をかけても、ガン無視でな・・・」
八幡「結局、会計を済ましてそそくさと外へ行ってしまったんだ」
雪ノ下「自業自得ね。きっと比企谷君が近寄っただけで、由比ヶ浜さんは気分を悪くしたのだわ」
八幡「俺はテロなのか? ん?」
雪ノ下「・・・何か原因があるはずよ。胸に手を当てて、しっかりと考えてみてはどうかしら?」
八幡「・・・・・・」
6:
八幡「・・・わかんねーよ」
雪ノ下「そう・・・」
八幡「雪ノ下、お前もわかっているだろう?」
八幡「由比ヶ浜とは、卒業式の後で返事をしたって」
雪ノ下「えぇ・・・」
八幡「由比ヶ浜を泣かせてしまったのは事実だが」
八幡「今でも連絡を取り合っているだろーが」
八幡「何も問題はないはずだ」
雪ノ下「・・・・・・」
7:
雪ノ下「・・・ねぇ、比企谷君」
八幡「あ?」
雪ノ下「どうして、貴方は私を選んだのかしら?」
八幡「今更何を言っているんだ?」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・2人で決めたことだろ」
雪ノ下「えぇ、そうね・・・」
8:
ザァーーーーーー・・・・・・
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「・・・比企谷君」
八幡「ん?」
雪ノ下「私も・・・この前由比ヶ浜さんに連絡をしたの」
八幡「・・・・・・」
10:
雪ノ下「この前と言っても、随分前から連絡はしていたのだけれど」
雪ノ下「最近になって・・・全く・・・」
八幡「・・・・・・」
八幡「そうか・・・雪ノ下もか」
八幡「珍しいな、お前ら仲が良いのに」
八幡「喧嘩でもしたのか?」
雪ノ下「・・・いいえ」
八幡「・・・そうか」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
11:
八幡「・・・雨、だんだん激しくなってきたな」
雪ノ下「えぇ、そうね・・・」
八幡「・・・・・・」
八幡「雪ノ下、お前少し顔色が悪いぞ?」
八幡「大丈夫か?」
雪ノ下「私は大丈夫よ」
雪ノ下「気にしないで」
八幡「・・・おぅ」
雪ノ下「・・・・・・」
12:
八幡「・・・・・・」
八幡「・・・俺達、高校を卒業してもう3年が経ったんだな」
雪ノ下「急にどうしたのかしら?」
八幡「急にふと思いついたんだ」
八幡「最近、よく高校時代のことを考えているんだ」
八幡「俺の下ことは、正しかったのか・・・とか」
雪ノ下「・・・・・・」
13:
雪ノ下「奇遇ね、私もだわ」
八幡「そうか」
雪ノ下「比企谷君と一緒だなんて、虫唾が走るにも程があるわ」
八幡「お前は比企谷家に何か恨みでもあるのか?」
雪ノ下「貴女単体の問題よ」
八幡「せめて個人と言え。人ですらないのか、俺は」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・・・・」
14:
雪ノ下「貴女単体の問題よ」 ×
雪ノ下「貴方単体の問題よ」 〇
15:
八幡「・・・高校時代どころか、よくそれよりも昔のことも考えるんだ」
雪ノ下「えぇ・・・」
八幡「どれも碌(ろく)なことはなかったが」
八幡「それでも、楽しかったな」
雪ノ下「そう・・・良かったわね」
雪ノ下「やっぱり私達、似た者同士なのね」
八幡「・・・急にどうしたんだ?」
雪ノ下「いえ・・・そう思ったの」
八幡「・・・・・・」
17:
雪ノ下「比企谷君は、今までで楽しかった時期はいつかしら?」
八幡「・・・また唐突に」
八幡「雪ノ下、どうしたんだ? さっきからなんか様子がおかしいぞ?」
雪ノ下「貴方に言われたくはないわ」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「いいから、答えて」
八幡「・・・高校時代だよ」
雪ノ下「・・・・・・」
18:
八幡「正直、小・中は思い出したくない」
八幡「高校も、辛いことが多かったが」
八幡「中々興味深いこともあった」
雪ノ下「社会不適合者の貴方にとっては、当然の仕打ちだと思うのだけれど」
八幡「雪ノ下、泣くぞ? 小町の胸に顔埋めるぞ?」
雪ノ下「近寄らないでちょうだい。シフトを捥(も)ぐわよ?」
八幡「やめてください、それがないとシフトチェンジできません」
19:
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・まぁ」
雪ノ下「?」
八幡「高校は・・・雪ノ下と、由比ヶ浜がいたから」
八幡「楽しかったのかもな」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・貴方、本当に比企谷君?」
雪ノ下「貴方も、そんなことを言うようになったのね」
20:
八幡「おかしいか?」
雪ノ下「えぇ・・・正直、違和感しかないわ」
八幡「・・・そうか」
八幡「お前みたいな人間に会ったのは、初めてだったんだ」
八幡「少しは興味も湧いた」
八幡「実際に、奉仕部で過ごした時間は、楽しかった」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「また・・・あの頃に」
八幡「戻りたいな」
雪ノ下「えぇ・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
21:
八幡「由比ヶ浜がバカみたいな声だして」
八幡「お前は紅茶を淹れて」
八幡「先生が俺を叱って」
八幡「戸塚が可愛くて」
八幡「そんな、毎日」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
22:
ザァーーーーーー・・・・・・
八幡「また暗くなってきたな」
八幡「ライトの向き・・・真っ直ぐにするか」パチ
雪ノ下「対向車の運転手にとっては、顰蹙(ひんしゅく)だと思うのだけれど」
八幡「誰もいねーよ」
八幡「それにしても、この道走っているの俺達だけなんだな」
雪ノ下「そうね・・・ちょっと不気味かも」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
23:
八幡「ライト、壊れたか・・・?」
八幡「車検には出したんだが・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「前がよく見えん」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・・・・」
25:
八幡「雨、止まねーな」
雪ノ下「そうね」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「雪ノ下、やっぱりお前顔色悪いぞ」
八幡「それも、さっきよりも」
雪ノ下「・・・そんなことはないわ」
八幡「一旦車を止めるぞ。具合悪いか?」
雪ノ下「具合は悪くないわ。それよりも」
雪ノ下「車は止めないで良いわ。そのまま走って」
八幡「そうか?」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・わかった」
八幡「・・・・・・」
26:
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」ペラ
八幡「・・・ダッシュボード開けて」
八幡「何を見ているんだ?」
雪ノ下「自動車教習所の教科書よ」
八幡「どうしてまた・・・」
雪ノ下「・・・なんとなく」
八幡「・・・・・・」
27:
雪ノ下「こんな雨の日は」
雪ノ下「ハイドロプレーニング現象に注意って」
雪ノ下「この本に書かれているわ」
八幡「おい、いますぐそいつを仕舞え」
八幡「演技が悪いぞ」
雪ノ下「運転席側のエアーバッグだけ、作動しないように」
雪ノ下「細工しておいたわ」
八幡「おい」
雪ノ下「姉さんが」
八幡「・・・・・・」
八幡「冗談は止めろよ」
雪ノ下「ゴメンなさい」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
28:
ザァーーーーーー・・・・・・
八幡「・・・そういやさ」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「俺達、なんでドライブなんてしているんだっけ?」
雪ノ下「・・・さぁ」
八幡「そもそも、どこに向かっているんだ? 俺達」
雪ノ下「・・・不覚にも、私も忘れてしまったわ」
八幡「・・・そうか」
八幡「まぁ・・・こういうときがあっても、良いよな」
雪ノ下「えぇ・・・」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
31:
八幡「・・・前輪がなんかおかしい」
八幡「ハンドルが変だ」
八幡「(空気圧高くし過ぎたか?)」
雪ノ下「比企谷君」
八幡「あ?」
雪ノ下「気の所為よ」
雪ノ下「そのまま走って」
八幡「・・・おぅ」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・・・・」
33:
雪ノ下「・・・比企谷君って、スポーツカーが好きなのね」
八幡「あ? あぁ・・・この車、少し年式が古いから」
八幡「安かったんだ」
八幡「維持費はかかるけどな」
雪ノ下「マニュアル、難しくない?」
八幡「そんなことはないぞ」
八幡「未だに、エンストはするがな」
雪ノ下「・・・・・・」
34:
雪ノ下「比企君、少し暑くないかしら?」
八幡「そうか? ヒーターの温度下げるぞ」カリカリ
雪ノ下「ふぅ・・・ふぅ・・・」
八幡「雪ノ下、大丈夫か?」
雪ノ下「えぇ・・・」
八幡「・・・?」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
35:
八幡「それにしても」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「俺達、いつまで運転しているんだろうな」
雪ノ下「・・・わからないわ」
八幡「そうか」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・こんなときがあっても、悪くないわ」
八幡「あぁ・・・」
八幡「そうだな」
雪ノ下「・・・・・・」
37:
雪ノ下「なんだか少し、焦げ臭いわね」
八幡「悪い、この車」
八幡「買ったときからこうなんだ」
八幡「時々こうして」
八幡「臭うときがあるんだ」
雪ノ下「そう」
雪ノ下「大丈夫なの?」
八幡「あぁ、大丈夫だろ」
雪ノ下「そう」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
38:
雪ノ下「・・・さっき、由比ヶ浜さんにメールを送ったのだけれど」
雪ノ下「まだ返信が来ていないわ」
八幡「由比ヶ浜も忙しいんだろ」
八幡「あいつ、そこそこ良い大学に入ったからな」
雪ノ下「えぇ・・・でも、随分前から連絡しているのに」
雪ノ下「まだ返ってきてなくて」
雪ノ下「私、何かしたのかしら・・・」
八幡「・・・・・・」
39:
雪ノ下「私、本当にどうしてなのか、わからなくて」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「気にするな」
八幡「それはお互い様だ」
八幡「俺と・・・お前の」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・・・・」
41:
ザァーーーーーー・・・・・・
八幡「・・・ん?」
八幡「なんでミラー、ブッ壊れているんだ?」
八幡「気づかなかった」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「家を出たときは・・・?」
八幡「あれ?」
八幡「よく思い出せんな・・・」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
42:
八幡「なぁ、雪ノ下」
八幡「俺、途中車停めたっけ?」
雪ノ下「いいえ、そんなことはないわ」
雪ノ下「よく覚えていないのだけれど」
八幡「そうか・・・」
八幡「・・・・・・」
八幡「ドアミラー代、いくらになるんだ・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
43:
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「比企谷君、ボンネットが凹んでいるわ」
八幡「ん? あぁ・・・」
八幡「まぁ、走るには問題ないだろ」
雪ノ下「そうね・・・」
八幡「どこかにぶつけたか?」
八幡「んなわけないか」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
44:
八幡「・・・雪ノ下は」
雪ノ下「・・・?」
八幡「最近、調子はどうだ?」
雪ノ下「学生生活はすっかり安定しているわ」
八幡「そうか」
雪ノ下「貴方は変わらずに1人ぼっちなのね」
八幡「あぁ」
八幡「俺は1人だ」
八幡「友達も、恋人も」
八幡「誰もいない」
雪ノ下「・・・・・・」
45:
雪ノ下「でも、貴方には家族がいるわ」
八幡「? そうだったか?」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「はは・・・そんな顔するなよ」
雪ノ下「・・・そうね」
雪ノ下「じゃあ」
雪ノ下「せめて、2人ぼっちって言ってちょうだい」
雪ノ下「私は、比企谷君の傍にいるわ」
八幡「・・・おぅ」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
46:
八幡「・・・煙でよく前が見えないな」
雪ノ下「そうね」
八幡「エンジン切るか?」
雪ノ下「いいえ、切らないでちょうだい」
雪ノ下「このまま、走って」
八幡「わかった」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
47:
雪ノ下「比企谷君、さっき貴方には恋人がいないと」
雪ノ下「言っていたわね?」
雪ノ下「それは、本当かしら?」
八幡「何言っているんだ、雪ノ下」
八幡「俺にいるわけないだろ」
八幡「俺は一生孤独なんだよ」
八幡「それがぼっちってもんだ」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「そう・・・」
48:
八幡「・・・・・・」
八幡「雪ノ下、頭から血が出ているぞ」
八幡「・・・ほら、これで拭け」スッ
雪ノ下「ありがとう・・・」フキフキ
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「止まらないわ」
八幡「おいおい、大丈夫か?」
雪ノ下「そういう貴方こそ」
雪ノ下「頭から血が出ているわ」
八幡「そうだったか」
八幡「・・・ま、放っておいても大丈夫だろ」
雪ノ下「そうね」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
49:
八幡「目が痛いな」
八幡「運転に集中できん」
八幡「雪ノ下、すまないが拭いてくれないか?」
雪ノ下「えぇ」フキフキ
八幡「・・・・・・」
八幡「あ」
八幡「タイヤ取れた」
雪ノ下「構わないわ」
雪ノ下「走って」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
50:
八幡「頭が」
八幡「カチ割れるように」
八幡「痛いな」
雪ノ下「ええ」
八幡「車、ボロボロなのに」
八幡「なんで走っているんだろうな」
雪ノ下「さぁ」
八幡「不思議だな」
雪ノ下「えぇ」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
52:
ザァーーーーーー・・・・・・
八幡「・・・なぁ」
雪ノ下「何かしら?」
八幡「お前の名前を教えてほしい」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「さっきから頭痛が酷くてな」
八幡「お前が誰だったか」
八幡「忘れちまったんだ」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「私は」
雪ノ下「雪ノ下雪乃よ」
八幡「そうか」
八幡「雪乃って言うのか」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
53:
八幡「・・・フロントガラス、グシャグシャに割れて」
八幡「前が見えないな」
雪ノ下「えぇ」
八幡「だが、なぜだかわからんが」
八幡「どこをどう行けば良いか、わかるんだ」
雪ノ下「そうね、私もよ」
八幡「そうか・・・お揃いだな」
雪ノ下「えぇ」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
54:
八幡「なぁ、雪乃」
雪ノ下「何かしら?」
八幡「小町って、誰だ?」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「この前、由比ヶ浜がその小町って女の子と」
八幡「話していたんだ」
八幡「でも、2人とも暗い顔をしていたもんで」
八幡「誰なのか気になってな」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「小町さんは、貴方の妹さんよ」
八幡「そうか・・・」
八幡「俺には可愛い妹が」
八幡「いたんだな」
雪ノ下「・・・・・・」
55:
雪ノ下「・・・比企君、私思い出したわ」
八幡「あ?」
雪ノ下「ここの道を真っ直ぐ行けば」
雪ノ下「目的地に着くわ」
八幡「そうか」
雪ノ下「・・・・・・」
56:
雪ノ下「比企谷君」
雪ノ下「貴方は覚えているかしら?」
八幡「・・・?」
雪ノ下「以前もこんな雨の夜に」
雪ノ下「2人で一緒に、ドライブをしたことがあるわよね?」
八幡「あぁ、その日は由比ヶ浜も誘って3人で行こうとしていたんだが」
八幡「由比ヶ浜は、飲み会で来られなかったんだよな」
雪ノ下「えぇ」
58:
ザァーーーーーー・・・・・・
八幡「それでドライブして・・・?」
八幡「あれ? 帰りは・・・」
雪ノ下「それは私も覚えていないわ」
八幡「そうだな、俺もだ」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「比企谷君、あそこをよく見て」
八幡「・・・? あぁ」
雪ノ下「目をそらしてはダメ」
雪ノ下「そう、あそこよ」
雪ノ下「あそこの電柱よ」
雪ノ下「真っ直ぐ走って」
八幡「おぅ」
雪ノ下「・・・・・・」
雪ノ下「あそこはね、比企谷君」
59:
雪ノ下「私と比企谷君が、死んだ場所なの」
八幡「」
キキィーーーーーッ!!! グシャァッ・・・・・・!!! カランカラン・・・
60:
八幡「・・・・・・」
八幡「そうか・・・そうだったな」
八幡「あのとき、俺は」
八幡「雨が降っているのに、少しスピードを出していて」
八幡「夜だから、あまり前も見えなくて」
八幡「気が付いたら、目の前に電柱があって」
八幡「咄嗟にハンドルを切ったが」
八幡「間に合わなくて」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
61:
八幡「・・・エンジンルームから、火が出てきたな」
雪ノ下「そうね」
八幡「俺達、一体今まで何をしていたんだろうな」
雪ノ下「さぁ」
八幡「・・・お前は逃げないのか?」
雪ノ下「私は」
雪ノ下「比企谷君と一緒にいるわ」ギュ
八幡「・・・・・・」
62:
八幡「熱いな」
雪ノ下「そうね」
八幡「体もよく動かないし」
八幡「目も見えなくなった」
八幡「お前はどこにいるんだ? 雪乃」
雪ノ下「私はここにいるわ」
雪ノ下「貴方を抱きしめている」
八幡「そうか」ギュ
64:
八幡「ゴメンな、俺の所為で」
雪ノ下「私は恨んでなんかいないわ」
雪ノ下「貴方とずっと一緒にいられたんだもの」
八幡「・・・これからも」
八幡「一緒にいられるか?」
雪ノ下「もちろんよ」
八幡「・・・・・・」
67:
八幡「・・・お前、顔が真っ赤だぞ」
雪ノ下「貴方こそ」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「・・・・・・」
八幡「・・・フッ」
雪ノ下「フフ・・・」
八幡「雪ノ下・・・好きだ」
雪ノ下「私もよ、比企君・・・」
八幡「ん・・・」チュ
雪ノ下「んん・・・」
八幡「もう、俺達の足も燃えているな」
雪ノ下「えぇ、とても熱いわ」
雪ノ下「でもこのまま一緒に燃えつきましょう?」
雪ノ下「もう、私達には帰る場所が見つかったわ」
八幡「・・・・・・」
雪ノ下「だから、一緒に逝きましょう?」
雪ノ下「八幡」
八幡「あぁ・・・・・・」
ゴォーーーーーーーッ!!! パチパチ・・・・・・ ボガン!! ボガン!!
由比ヶ浜「・・・・・・」
由比ヶ浜「ヒッキー・・・ゆきのん・・・」
由比ヶ浜「・・・う・・・うぅ」グス
由比ヶ浜「もう一度・・・えぐっ・・・・・・2人に・・・」ポロポロ
由比ヶ浜「会いたい・・・・・・」
――― 終 ―――
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