少女「いい加減、便所飯やめーや」back

少女「いい加減、便所飯やめーや」


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1:
高校 教室
キンコーンカンコーン
先生「じゃあ、これまで」
生徒「起立、礼」
ザワザワ……
生徒「ねえねえ、食堂いく?」
生徒「うん。あ、途中でパンも買っていこうよ」
生徒「うんいいよー」
生徒「やば、午後の数学小テストじゃん」
生徒「お、これ、範囲だけどみるか?」
女「……」
女生徒「あの子、いつも一人でどっかいくよね」
女生徒「友達いないからね」
女「……」
なぜ若者はトイレで「ひとりランチ」をするのか
3:
女子トイレ 個室
バタン
女「……(もぐもぐ」
女「……はぁ」
女「もうすぐ夏休みなのに、友達ができない……まあ、ここに居る限りできないんだけど」
女「どうしてかなぁ……うまく話しかけられないんだよなぁ」
女「もう、いいか。別に友達が欲しくてここに高校に進学したわけじゃないし」
女「うん。学校は勉強するところだもん」
女「友達なんて……いらないよ」
女「……(もぐもぐ」
コンコン
女「……入ってます」
少女「あんた、いっつもここにおるなぁ。友達おらんの?」
女「え?」 
5:
少女「毎日ここで昼飯食べて、飯がまずいやろ?」
女(関西弁……?)
少女「いい加減、便所飯やめーや。外で食べ」
女「……」
少女「なんや?だんまりか?」
女「だ、だれですか?」
少女「誰って言われてもなぁ」
女「私は一人がいいんです。放っておいてください」
少女「そうなん?」
女「はい」
少女「でも、それ寂しいとおもうけどなぁ」
女「いいんです。ここは学校です。勉強するところです」
少女「勉強も友達としたほうが楽しいと思うけど?」
女「いいんです!!」
6:
少女「強情やなぁ」
女「……もう!!」
ガチャ!!
女「いい加減に―――あれ?」
女「いない……?」
女「……なによ」
女「私だって……好きでこんなことしてるわけじゃないのに……」
女「……」
女「私だって、みんなとお話したいもん……私だって……」
女「もういいや。図書室にいこ」
8:
図書室
女「どれを読もうかなぁ」
女「……今日はこれに」
男「あ、すいません」
女「え?」
男「それ、借りちゃいます?」
女「い、いえ、別に……」
男「よかった。あの、昼休みが終わる直前でいいので、帰り際に僕に渡してくれませんか?」
女「は、はい」
男「じゃあ、僕は向こうの机に居ますから」
女「は、はい……」
女「久しぶりに誰かと喋った……気がする」
9:
はい二人組つくってー
なんだまた佐藤あぶれたのか
じゃあ佐藤は先生とペアな
10:
>>9
貴様
12:
>>9
先生にすら無視される気持ちをお前は知らない
13:
女「あ、あの……」
男「あ、すいません。これ、読みたかったんですよ」
女「じゃ、じゃあ、私はこれで!!」
タタタタッ
男「え?あ……」
女(どうしていいかわからないよぉ!)
―――女子トイレ
バタン
女「……はぁ……はぁ……」
少女「なんや、折角チャンスやったのに逃げてきたん?」
女「!?」
少女「あーもったいなぁ。友達以上の恋人になったかも知れんのに」
女「見てたんですか!?」
少女「まあな。うちはなんでも見えんねんなぁ、これが」
女「は?」
14:
少女「まあ、今から行けば間に合うかもしれんで?」
女「……」
少女「まただんまりか。世話が焼けるなぁ」
女「大きなお世話です」
少女「なんやねん。人の恩を無碍にするんか?」
女「大体、私は友達なんか……」
少女「無理しーなや。ほんまは友達と遊びたいんちゃうん?」
女「……!!」
ガチャ
女「だから!!!!」
女「―――いない?」
女「なんなの……?」
キンコーンカンコーン
女「教室に戻ろう……はぁ……」
16:
放課後 廊下
 
女「……誰だったんだろう」
女「まあ、気にしてもしょうがないか」
女「早く帰って撮り溜めてるアニメを―――」
男「あ、いたいた」
女「!?」
男「お昼はありがとうございます。この本、面白いんで僕が読み終わったら借りてくださいよ」
女「い、いや。私は別に……」
男「え?全国の幽霊や妖怪が好きじゃないんですか?これ、結構詳しく載ってますし、小説風だから読みやすいですよ?」
女「そ、そんなオカルトに興味はないですから……失礼します」
男「あ……そうですか……」
女(なによ……今日は厄日!?)
17:
教師「今日は8日か…じゃあ八番の近藤……は休みか、じゃあ次の鈴木答えてみろ」
鈴木「○○です」
佐藤「……」
教師「おーそうだな、良く勉強してるな」
クラスメイト「クスクス…」
こうか
18:
翌日 昼休み トイレ
女「……(もぐもぐ」
少女「またおるなぁ。カレーだけはくいなや?」
女「……食べません」
少女「そうか?最近は弁当にもなるカレーとかあるんやろ?いやぁ、時代は移り行くなぁ」
女「で、なんですか?」
少女「あのイケメンオカルトマニア、今日も図書室おるで?いってきたらええやん」
女「いきません」
少女「なんで?本、借りてきーや。それでなしおりの代わりにラブレターを挟んでみて、男がそれ見て胸キュンする。ええやろ?」
女「どっかいってください」
少女「なんやん。つれへんなー」
女「もう、一人にしてください」
少女「……残念やけど、そうはいかんねん」
女「……どうしてです?」
21:
少女「あんたが居座ってるそのトイレ、うちのや」
女「はあ?」
少女「いい加減、どいてほしいねんけど」
女「いや、意味がわからないです」
少女「ええから、でてきて」
女「他にも空いてるじゃないですか」
少女「だから、ここしかあかんねんて」
女「理由を言ってください」
少女「言っても信じへんて」
女「言うだけなら言えます」
少女「引きこもりの癖に言うやないか」
女「引きこもりじゃないもん!!」
少女「まあ、ええわ。うちな、トイレの花子さんやねん」
女「へ?」
少女「だから、うちの家やねんな、ここ」
23:
女「な、なにをいって……」
少女「もう、ほら信じてへんやん。だから、いいたくなかったのに」
女「いやいや、普通信じられませんって!」
少女「まあ、せやろなぁ」
女「……で、出ればいいんですか?」
少女「おう。というか、隣の個室使ってくれ。それなら文句ないから」
女「わ、わかりました」
ガチャ
女「―――いない」
女「……」
女「……ホントに花子さん……?」
女「とりあえず、隣の個室にはいろ」
ガチャ……バタン
女「ふう」
少女「―――図書室いきーや。なに管巻いてんねん」
24:
女「きゃああ!!!」
少女「なんや!?ゴキブリでもでたんか?!」
女「い、いや、急に隣から声がしたから」
少女「そうか。びっくりさせんといて」
女「ごめんなさい」
少女「で、もう飯は食い終わったんやろ?はよ、いき」
女「図書室に用はないですから」
少女「あかんわー。ほんまにあかん」
女「なんですか!?」
少女「あのなぁ。こんなところにおってもだーれも声なんてかけてくれへんで?待つならせめて人がおるところにいかな」
女「いいんです」
少女「ほんまに強情やな、あんた」
女「……」
少女「そら、友達もできんで」
26:
女「あ、あなただって、そうやってトイレにいるじゃないですか!!」
少女「ここはマイホームやで?うちはここに住んでるだけ。それに今、帰ってきたとこやし」
女「どこかに言ってたんですか?」
少女「まあ、この学校にはうちだけじゃないからなぁ」
女「な、なにがですか?」
少女「幽霊に決まってるやん」
女「この学校、幽霊がいっぱいいるんですか?!」
少女「ああ、今だけや。安心し。お盆前でみんなで各地を転々としてるだけや」
女「……あなたも」
少女「せやで」
女「じゃあ、そこ、あなたの家じゃないですよね?」
少女「うちはトイレの花子さんやで!?」
女「でも、旅の途中なんでしょう!?」
少女「なんか文句あんの!?」
女「私のベストポジション返して!!!」
27:
ベストポジションワロタwwww
28:
少女「トイレがベストポジションって、あんたも花子さんか?」
女「違いますけど!そこが落ち着くんです!!」
少女「なんやそれ、きしょ」
女「んな!?」
少女「トイレが似合うんはうちだけで十分。まあ、赤紙青紙さんもおるけど」
女「……もう!!」
少女「ほらほら、諦めて図書室いきって」
女「あ、あなたがそこを返してくれるならいきます」
少女「……」
女「……」
少女「言ったな?」
女「え?」
少女「よっしゃ。ええよ、返すわ」
女「はぁああ!?」
少女「だから、図書室いきや」
29:
女「え、なんで、そんなあっさり……」
少女「まあ、別にうちはトイレならどこでもええしな」
女「そういうことは先に言ってください!!」
少女「女に二言はなしやで」
女「むー……」
少女「はいはい、はよでーや」
ガチャ
女「え?扉が勝手に開いた……?」
少女「ほらほら、いったいった。あんたがおるとトイレの黴臭さが二割増しになるんや」
女「わわわわ!!!なんで、足が勝手に!!?」
少女「ほな、がんばりやー」
女「ちょっと!!足を動かしてるでしょ!?いやぁぁ!!!」
少女「ケツ叩かんとあんたはいかんしな。多少強引でもいってもらうで」
女「そんな!?きゃぁああ!!!」
31:
図書室
女「はぁ……はぁ……結局、来ちゃった……」
ガチャ
女「……あ。いる」
女「で、でも……どうしたら……?」
女「うー……」
女「と、とりあえず、適当な本を……」
女「……」
男「……あ」
女(やば、目があった!!)
男「やっぱり今日も来たんですね」
女「え、ええ」
男「実は少しだけ期待してました」
女「な、なにを?」
男「あなたがここに来るのを、です」
32:
女「ど、どうして?」
男「これを渡したくて」
女「これって……昨日の?」
男「ええ、全国の妖怪や幽霊について色々と記述されていますから」
女「へえ……あ、あの」
男「はい?」
女「トイレの花子さんについても?」
男「勿論、彼女は日本ではもっともメジャーな存在ですからね」
女「そうですか……」
男「トイレの花子さんに興味があるんですか?」
女「少し、だけ」
男「へえ……あ、じゃあこれ読んでみてください」
女「は、はい」
男「じゃあ、また」
女「え、あ、はい」
33:
女「―――んー」
女「トイレの花子さんの起源ってこんなにあるんだ……知らなかった」
男「僕としては戦争で焼けてしまった学校から見つかった子どもの魂というのが一番納得できるんですよね」
女「へえ―――って、きゃああ!!」
男「しー……図書室では静かに」
女「あなたが急に声をかけてくるからじゃないですか」
男「すいません。まさか、そんなに熱中されているとは思わなくて」
女「……」
男「トイレの花子さんってどんな感じの女の子だと思います?」
女「……関西弁」
男「え?関西弁?それは初めて聞きましたね。どこの説です?」
女「あ、ううん。そんな感じがしただけ」
男「そうですか……」
女「あ、私もう教室に戻りますね。それじゃあ!」
男「あ、はい」
34:
放課後 女子トイレ
女「……花子さん?いるんですか?」
女「……入りますよ?」
ガチャ……バタン
女「……いないのかなぁ」
女子「あはは、いいねー帰りに行こうよ!」
女「!?」
女子「オッケー」
女(……出れなくなった)
女子「ねえねえ、そういえば聞いた?」
女子「何を?」
女子「ほら、あの子いるじゃん。えーと、いつも昼になったらどっかにいっちゃう子」
女子「ああ、女ちゃん?」
女「……!!」
女子「その子、今日トイレでなんか喚いてたらしいよ?」
35:
女子「なにそれー?きもーい」
女子「なんか誰かと喋ってたみたいだけど、誰もいなかったって」
女子「うわ、マジじゃん。変な子だと思ってけど、電波系だったの?」
女子「みたい」
女子「うわ。もうあの子に近づかないようにしないとねー」
女子「あははー」
女「……」
女子「んじゃ、いきますかー」
女子「おー」
女「……ぐす」
少女「なー放課後までこんといてー」
女「あ……」
少女「はよ、出てや」
36:
女「隣が空いてます……」
少女「こえちっさ!」
女「……あなたの所為です!!」
ガチャ
女「―――え?」
少女「さっきの話しか。すまんな。確かにあれはうちの所為やわ」
女「……あなた、どうして消えないの?」
少女「え?うち、消えたことないで?」
女「でも、今までは声しか……」
少女「ああ、そういうことか」
女「え?」
少女「うちの容姿が見えるんは、ええことやで?」
女「……はい?」
少女「ほら、もうかえりや。夏やからって油断したらあかんよ?」
女「はぁ……それじゃあ、失礼します」
37:
翌日 昼休み
女「……」
タタッ
女子「ねー女ちゃん!」
女「……(ビクッ」
女子「いつもどこいってんの?」
女「え、いや……別に」
女子「昨日、トイレで変なことしてたんだって?」
女子「もう、やめなってー」
女子「いいじゃん。みんなも気になるでしょ?」
女「あ、あの……離して」
女子「まあ、まあ。ほら、こっちで一緒にお弁当食べようよ」
女「え?」
女子「詳しく話してよ、何をしていたか」
女「あ、えと……」
38:
女子「で、誰と話してたわけ?」
女「あ、えと……話しても信じてもらえないとおもうから……」
女子「えーなんで?いいじゃんいいじゃん」
女子「そうだよ」
女「でも……」
女子「いいから、ほら早くぅ」
女「う、うん……あのね……トイレの花子さんと話してたの」
女子「花子さん?」
女子「あの学校の怪談ってやつ?」
女「そ、そう」
女子「……」
女「……えと」
女子「……うわ。きも」
女「え?」
女子「やっぱり、きもい。ずっとそんな妄想してるわけ?」
40:
女「あ、あの……」
女子「はあ、だからやめよっていったじゃん」
女子「一応の確認でしょ?でもまあ、もういいか。この子、マジだし」
女「あ、あの……」
女子「話しかけないでくれる?」
女「……」
女子「いこー」
女子「うん」
女子「ねえねえ、次の授業なんだけどさ」
女「な、んで……」
男「えーと、確かあの人はこのクラスだったような……あ、いた。おーい―――」
女「……・!!!!」
タタタタタタッ
男「え?」
男「……泣いてた?」
41:
おいやめろ
やめろ
42:
女子トイレ
ガチャ……バタン!
女「なんでよぉ……私は……なにも……」
女「……いるんでしょ?」
女「花子さん!!いるんだよね!?」
女「みんなにアナタがいるって証明してよ!!」
女「私……嘘なんて……」
ザバーッ!!
女「ひっ!!」
女子「あっはっは。頭、冷えた?」
女「え?」
女子「変な妄想しながらトイレに籠るから頭が変になるんだよ?」
女子「水被って落ち着いたでしょ?」
女子「はー、人助けってきもちいいねー」
女「……な、んで……わ、たし……が……」
43:
女「……」
少女「……ごめん」
女「……」
ガチャ
少女「あの……うちのことが見えるのは……その、限られた―――」
女「喋りかけないで」
少女「あ……」
女「……もう、喋りかけないで」
少女「ごめん」
女「……」
男「あ、いたいた―――って、どうしたの!?」
女「……少し、暑かったから」
男「いや、でも制服まで濡れて……」
女「……ごめんなさい。着替えにいかないといけないから」
男「あ、うん……」
44:
男「どうしたんだろう……」
少女「……」
男「え?」
男「気の所為か……?」
男「……」
女子「今の見たー?」
女子「あはは、マジ泣きじゃん」
女子「酷いことするよねー」
女子「だって、あの子がさぁ」
男「あの、すいません」
女子「はい?」
女子「わ、イケメン……」
女子「5組の男くんじゃん」
男「少しだけ聞かせてください」
女子「なにを?」
45:
放課後
女「あ、れ?靴がない……」
女「あれ?」
女子「……(クスクス」
女子「……(クスクス」
生徒「……(ニヤニヤ」
女「……なに?」
女「……なんで……?」
女「……ッ!!」
タタタタッ
男「―――もう帰ったのかなぁ?」
男「んー。話したいことがあったんだけど」
少女「……」
コトッ
男「え?これは、靴?紙も入ってるな。なにか書いてる……『女に返してあげて』……?」
47:
通学路
女「上履きで下校……しかも体操着で……あはは。マンガのいじめられっ子みたい……」
女「……私は、何もしてないのに……」
女「う……ぅ……」
ゴシゴシ
女「……帰ろう」
女「アニメ、見たらきっと元気出るよ……うん」
女「……あれ……あ、れ……なみ、だ……とまんない……」
女「ど、うして……うぅ……」
男「あ、あの!!」
女「……え」
男「……あ」
女「あ……ごめんなさい」
ゴシゴシ
女「ど、どうかした?」
48:
男「あの、これ」
女「私の、靴……?探してくれたんですか?」
男「はい。あ、いえ、たまたま足元にあっただけです」
女「え?」
男「あ、あの!それよりも、ですね」
女「な、なに?」
男「えと、この後、時間ありますか?」
女「どうして、ですか?」
男「その是非とも聞きたいことがあって」
女「聞きたいこと?」
男「はい」
女「えっと……」
男「だめ、ですか?」
女「ううん、じゃあ、家に来ますか?」
男「え?」
49:
女「あの、靴のお礼にお茶ぐらいは」
男「い、いいんですか!?」
女「貴方が良ければ、ですけど」
男「いえいえ!!あの、じゃあ、お言葉に甘えます」
女「じゃあ、行きましょう」
男「はい」
女(―――勢いで言っちゃった)
女(どーしよぉ……部屋にあげるってことでしょ……?)
女(あ、いやいや。別に私の部屋にあげるわけじゃないんだし)
男「どうかしました?」
女「え!?いや、なにも!?」
男「そうですか」
51:
自宅 リビング
女「ど、どうぞ。お茶です」
男「どうも」
女「で、聞きたいことって?」
男「はい。あの、女さん」
女「はい」
男「花子さんと話をしてたって本当ですか?」
女「……え?い、いや……それは」
男「どうなんですか?」
女「……言っても信じてくれないし」
男「ということは、話したんですね!?」
女「あ、いや……それは……そう、だけど。でもね、あれは私の妄そ―――」
男「凄い!!!」
女「へ?」
男「まさか、あのトイレの花子さんと会話できる人がいるなんて!!!!あの、詳しく教えてください!!!どんなことを話したんですか!?」
54:
女「あの、顔が近い、です」
男「あ……すいません。少し興奮してしまいました」
女「信じて、くれるんですか?」
男「女さんはトイレの花子さんは関西弁で喋るっていいましたよね?」
女「え?あ、うん」
男「そんな伝承聞いたことがなくていっぱい調べてみたんですよ、僕。でも、どこにもない」
女「そ、そうなんですか?」
男「はい。でも、あなたは関西弁だと言った。それがどうしても気になったんです」
女「どうしてですか?」
男「例えばマンガやアニメでトイレの花子さんが関西弁で喋っていたとしても、そんなイメージが刷り込まれるとは思えないんです」
女「はあ」
男「他の有名な伝承で花子さんのイメージはほぼ固定されてますし、関西弁なんていう突飛なイメージは浮かばない」
女「それで?」
男「そして、女さんが花子さんと喋っているという噂をきいて確信しました。女さんは絶対に花子さんと会話したことがあるって!!」
女「……そ、そうですか」
57:
男「ですから、どんなことを話したか詳しく聞きたいと思いまして!!」
女「だから、顔が近い……」
男「おっとっと。すいません」
女「そんなに好きなんですか?オカルト」
男「だって、普通に生活していて花子さんに会えるなんてこと、まずないですよ」
女「いえ、まあ、そうだけど」
男「それに花子さんの声を聞こえるってことは、花子さんに好かれているってことですし」
女「え?なにそれ?」
男「あれ?知りませんか?花子さんの声が聞こえる人は花子さんから好意をもたれ、姿が見える人は花子さんの加護を受けている。結構、有名ですけど」
女「……え?加護?」
男「そうです。花子さんって怖いイメージがありますけど、実際は座敷わらしに近いですからね。気に入られたら、もうどんな災いからも守ってくれます」
女「そ、そうなんだ」
男「で、花子さんとの会話を……!」
女「はいはい、えと……」
男「……(わくわく」
58:
翌日 教室
女「はぁ……」
女(昨日は結局6時まで根掘り葉掘り……疲れたぁ)
女子「ねえ」
女「!?」
女子「昨日、男くんと一緒に帰ってたの見たんだけど」
女子「どういう関係なの?」
女「え?え?」
女子「男くんって結構、狙ってる人いるんだよねぇ。背は高いし、かっこいいから」
女「う、うん」
女子「で、どうなの?付き合ってるの?」
女「そ、そんなことは!!!」
女子「……」
男「女さん!!」
女「ひゃい!!」
59:
男「おはようございます」
女「あ、えと……いまはまずい……」
女子「……(ひそひそ」
女子「……(ひそひそ」
男「昨日はありがとうございました。いや、あの、今日のお昼はまた図書室で一緒にと思って」
女「わーーーーー!!!!!」
女子「男くん」
男「はい?」
女子「女ちゃんと付き合ってるの?」
男「え?いやぁ、そんな、僕が女さんと付き合うなんて恐れ多いですよ」
女「えぇ!?」
女子「……ふーん」
男「じゃあ、女さん。お昼休みに待ってますね」
女「え、あ、はい」
女子「……なによ、あいつ。オタクのくせにむかつく」
62:
三時限目 体育
女「体育、やだなぁ」
女子「ねえ、ちょっと一緒にトイレいかない?」
女子「いーよね?私達、と も だ ち だし」
女子「ねね、一緒にいこ?」
女「は、はい……」
―――女子トイレ
女子「―――ふ!」
ドスッ
女「あぐっ!!」
女子「むかつくんだよねえ。あんたみたいに男の前だけ色目つかう子」
女子「そーそー」
女「そ、そんな……わたしは……」
女子「―――っら!」
女「ひぐぅ!!」
63:
女子「オタクのくせにさぁ。マンガの男で十分でしょ?」
女「うぐぅぅ……い、たい……」
女子「ふん」
ゲシッ
女「あぅ!」
女子「これに懲りたらもう男くんに近づかないでよ?」
女子「ほんとほんと」
女子「ほら、早くいこー。遅刻する」
女子「そーだね」
女「……なん、で……わたし、ばっかりなのぉ……」
女「いたよぉ……いたい……」
女「……うぅ……ぐすっ……いたいよぉ」
少女「―――立ち」
女「え?」
少女「はよ、立ち」
64:
女「……」
少女「……」
女「……じゃあね」
少女「―――守ったる」
女「……え?」
少女「あんたのこと、うちが守ったる」
女「……」
少女「ゆるさん。絶対に、ゆるさん……あの屑ども」
女「花子さん……?」
少女「うちの好きな人になにしてくれてんねん……絶対にゆるさん」
女「あの……」
少女「あ、はよいき。遅刻するで?」
女「うん……あれ?」
少女「……もう痛くあらへんやろ?うち、そういうこともできんねん。ほら、はよいき」
女「う、うん。あ、ありがとう」
66:
昼休み 女子トイレ
女「はぁ……」
少女「こら、図書室いけ」
女「え?」
少女「……はやく。待ってんで、あのイケメン」
女「でも、また、私……」
少女「ゆったやろ?」
女「え?」
少女「うちが守ったるから、安心して」
女「守るって……あなた、幽霊でしょ?」
少女「まあな」
女「そんなこと……」
少女「信じてほしいな。うちの存在を信じてくれるんやったら」
女「……」
少女「ほらほら、いったいった!」
67:
図書室
男「あ、女さん」
女「あ、えと……」
男「どうぞ」
女「ありがとう……」
男「今日はですね」
女「う、うん……」
少女「あの二人や、なんとかならへん?」
赤紙「俺、そういう力の使いかたしたことないんだけど?」
少女「もうええやん。やってーや」
赤紙「はいはい、女の子と男の子をひっつければいいだな?」
少女「うんうん」
赤紙「はぁ……」
青紙「がんばれー」
68:
赤紙「ったく……えっと……とりあえず、腕に絡みついてやるか」
シュルシュル……
女「……?」
男「どうしました?」
女「いや、なんか腕に違和感が」
男「え?大丈夫ですか?」
赤紙「よいしょっと」
グイ
女「きゃ―――」
男「あ。―――っと」
女「あ……///」
男「大丈夫ですか?いきなり体勢を崩すからつい抱きしめてしまいました」
赤紙「とどめに……(グィィ……」
男「あ、れ?」
女「は、はなれない……なんでぇ?」
72:
少女「よし、完璧やな」
青紙「あれでいいんですか?」
少女「あそこから発展せんかったら、うちが女に乗り移ってイケメンの童貞奪ったる」
青紙「わお」
少女「じゃあ、次はうちらの番やな」
青紙「本気でやってもいいんですよね?」
少女「当たり前や。とことんやるでぇ」
青紙「やっほー!!」
男「えと……すいません」
女「う、ううん……私の方こそ支えてもらって、ありがとう……///」
男「あ、眼鏡、落ちたんですね」
女「あ……はあ、動けないし、取れないや……」
男「……眼鏡がない方が可愛いですね」
女「えええ!?」
男「あ、いえ、眼鏡をかけている女さんも素敵ですよ!?う、うそじゃないです!!!」
76:
女「いや、別にそれは……いいんですけど」
男「……///」
赤紙「さてと……」
女「……いつまでこうしてればいいのかなぁ」
男「……そ、そうですね」
女「…・・あの、ありがとう」
男「いや、女さんは軽いですから大丈夫です」
女「違います!体重じゃないです!!―――信じてくれて、私の、話……を」
男「そんなことですか。僕は女さんの話ならなんでも信じられますからね」
女「ど、どうして?」
男「だって……こんなに可愛い人が、その、嘘をつくなんて、そっちのほうが信じられません……」
女「……バカ」
赤紙「なんだよぉ。もう体は縛ってねえぞぉ……。最近の学生はあついねえ」
男「……すいません」
女「でも、嬉しいです。……ありがとう」
79:
女子トイレ
女子A「ねえ、アイツ、図書室にいったみたい。今、抱きしめあってるって」
女子B「はぁあ!?なにそれ!?」
女子C「うざっ。ねえ、放課後また呼び出そうよ」
女子A「そうねえ。ちょっと分からせたほうがいいかも」
女子B「ねー、あんなブッサイクが男くんと話す自体ムカつくし」
女子C「マジでそう思うわ」
少女「―――不細工やなぁ。お前ら」
女子A「誰!?」
女子B「どこ?」
少女「お前らなんて、女の足元にも及ばんで?」
女子C「誰よ!!出てきなさいよ!!」
ガチャ
少女「覚悟はええやろな?」
女子A「はあ?誰?キモイんですけど?」
81:
女子A「なに?この学校の生徒じゃないじゃん」
女子B「部外者はでていってくださーい」
女子C「なにその格好?着物とかダサいんだけど」
少女「……」
女子A「ちょっと、なんといいなさいよ」
ドン
少女「痛いなぁ……肩が外れたわ」
女子A「はあ?軽く押しただけでしょ?何をいって―――」
少女「―――仕返しや」
ボキッ
女子B「……え?」
女子C「あ、ああ……」
女子A「え……?あれ……?肩が変……いた……っ……いたい!!!」
少女「どうや?痛いやろ?」
女子A「いったぃ!!!!なによ!!なによ!!!!これぇぇ!!!!」
82:
妖怪っていいよなぁ
86:
女子B「ちょっと、な、なにしたのよぉ!!!」
女子A「いたぃいぃ!!いたいぃいい!!!」
少女「ぴーぴー騒ぐなや、うっさいねん。女はお前らに腹を蹴られても叫ばんかったやろ?」
女子C「誰か!!!誰かきてぇぇ!!!」
少女「無駄や。誰もここにはこーへんで?」
女子A「ふー……ふー……!!!ど、どういうことよ!!!?」
少女「だって、ここはもうあの世やから」
女子B「バッカじゃないの!!」
少女「せやったら、扉、あけてみいや」
女子C「……あれ?!!あかない!!!!なんでぇ!!!!」
少女「……返さんぞ。お前ら。うちの好きな人を二度も泣かして……ただで済むと思ったらあかんで?」
女子A「こっちくんな!!!」
少女「汚い足を動かすな」
ボキィ!
女子A「ひぃいぎぃいいい!!!!!!足がぁあああああ!!!!!あしぃぃいいぃぃい!!!!」
87:
あしぃ!
88:
もっと!!もっと!!!
89:
もっとやれ
俺が許可する
92:
女子A「いだぃいいい!!!!いだいいいい!!!!!」
女子B「ひぃいいい!!!あけて!!!だれかぁぁ!!!!」
女子C「いやだ。ごめんなさい!!!ごめんなさい!!!!許して!!!」
少女「……うっさいなあ。青紙さん」
青紙「はいよー」
ググッ……
女子B「うげぇ……!?はひぃ……!!」
女子C「きゃぁぁっぁあああああ!!!!!やめて!!!死んじゃう!!!!」
少女「そら死ぬわ。首が締まっとるからなぁ」
女子B「がぃ……ひぃげぇ……!!」
女子C「いやぁあああああ!!!!!な、なにしたっていうのよっぉぉおお!!!!!」
少女「あっはっはっは。何したって、女を泣かせたやん。ええやん、お前ら屑が死ぬ理由にはピッタリやで」
女子C「い、いや!!いやぁああああ!!!!」
少女「うるさいなぁ。しゃーない、喉でもつぶしたるわ」
女子C「―――きゃぁ――――ごぽっ……ごぷ……!?」
95:
女子A「あ、あぁああ……!!」
女子B「……ぁ……ぃ……」
女子C「……(ピクッピクッ」
少女「さてと、なんか言い残すことはあるか?」
女子A「い、いやぁ……やめてぇぇ!!!たすけてぇぇぇ!!!!」
少女「無茶いうなや。助けるなんて無理やで」
女子A「な、なんでよぉぉ!!!!」
少女「だって、うち、めちゃくちゃ怒ってるもん」
女子A「ひ……!!」
少女「あんたは一番苦しむように殺したるわ。ほら、こっちきい」
女子A「いだい!!髪をひっぱらないで!!なにするきよぉ!!!!」
少女「便器の中で溺れろ、くそったれ」
女子A「ひゃ!いやぁ!!!!」
少女「おらぁ!!!!」
女子A「(ゴボゴボゴボゴボゴ……!!!)」
96:
死因:便器の中で溺れて死ぬ
97:
どうしてこうなった
いいぞもっとやれ
99:
ザパッ!!
女子「はぁ!!!はぁ……!!!もうやめ―――」
少女「苦しいか?」
女子「は、ひ……」
少女「女はもっと苦しかったんやで?」
女子「はひぃ……すいま、せん……」
少女「―――アホか。謝って済むなら、こんなことは……せえへん!!」
女子「(ゴボゴボゴボゴボ……!!)」
少女「ここでどんな思いで水をかぶったか、よう考えろ!」
女子「……!!!」
少女「お前のほうこそ、酸素がなくなるまで頭冷やしたほうがええわ」
女子「…………」
少女「……ふん。もう逝きよったか。つまらん」
青紙「終わり?」
少女「せやな。もどろか。あいつらもええ感じになってるやろ」
101:
廊下
女「なんか、ごめんなさい。ずっと抱きついてしまって」
男「い、いえ。僕の方こそ。その失礼しました!!」
女「ふふ……」
ザワザワ
先生「おい!!どけえ!!!」
教頭「こ、こっちです!!」
救急隊「三人とも心肺停止状態。外傷はなし!」
救急隊「急ぐぞ!!」
男「なにかあったんでしょうか?」
女「さあ?」
少女(ほらほら、手ぐらい繋ぎや)
男「あ……!?え、あ!すいません!!!!なんかいつのまに!?」
女「待って!―――このままでいいですよ?」
男「そ、そうですか……。では……(ギュ……」
106:
翌日 女子トイレ
少女「なんや?もう便所飯はえーやろ?」
女「うん。きっともうここには来ないから、その、最後の挨拶をしようって思って」
少女「そうか」
女「ありがとう、花子さん」
少女「ええよ。うちはあんたの心に惚れたんや。ここに籠る奴じゃないほど、優しい心を持つあんたにな。だから、なんも気にすんな」
女「ありがとう……本当に……」
少女「もう、帰ってきたらあかんで?」
女「うん!もう、大丈夫です!」
少女「ええ顔やな。あ、でも、あのイケメンとの子供が産まれたら一回ぐらい戻ってきてもえーよ?顔、みせてほしーわ」
女「もう!!!」
少女「あはは、かわいいなぁ。……ほら、もういき。イケメンが待ってるんやろ?」
女「うん!ありがとう!本当に!!花子さんは私の親友ですから!!」
タタタタッ
少女「ふん……親友なんて、全然うれしないわ、ぼけぇ」
107:
少女「ふう……これで心おきなく次の場所にいけるわ」
少女「ちょっと、やり過ぎたかもしれんけど、まあ、すこーし後遺症が残る程度やろうし、ええか」
少女「さて、いこかな」
女子D「ううう……」
少女「あ?」
女子D「ううう……」
ガチャ……バタン
女子D「うううう……(もぐもぐ」
少女「なんやねん!?この学校の女子は何人便所飯すんねん!?」
女子D「うううう……」
少女「……あーーーー!!!もう!!!!うっとうしいなあ!!!!!」
少女「おらぁ!!!でてこんかい!!!その根性たたきなおしたるわぁぁぁぁ!!!!!」
女子D「ひぃぃぃぃぃいいいい!!!!!!誰ですかぁぁぁ!?」
少女「トイレの花子さんに決まってるやろぉ!!ボケぇ!!はよ、開けんかい!!!!」
終わり
108:
普通に終わってよかった
109:
おつおつ
110:
いい感じで終わった
111:

112:

114:
よかった
125:
殺すのはやり過ぎじゃね?
126:
>>125
大丈夫。生きてる。後遺症がちょっと残ってるだけ
12

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