朝倉涼子「彼の下駄箱に手紙を入れたわ」back

朝倉涼子「彼の下駄箱に手紙を入れたわ」


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1:
今日、彼の下駄箱にノートの切れ端を入れた。
『放課後誰もいなくなったら、一年五組の教室まで来て』
紙にはただそれだけのことを書いた。
2:
わたしは今日、彼を教室に呼び出して殺す。
そこにあたしの意思は存在しない。
わたしを創った存在の希望に沿うだけ。
わたしとしては彼が来なくても構わない。
だからノートの切れ端に味気なく文を書き、それを彼の下駄箱に入れた。
もし、それでも彼が来たらその時は殺す。来なかったら来なかったで別にいい。
それがわたしの偽りのない気持ち。
3:
そして放課後、彼は教室にやってきた。
彼が来ないので帰ろうと思った瞬間だった。
「遅いよ」
わたしは思ったことをそのまま言った。
4:
彼はわたしが呼び出したことが心底意外だったのか、教室の入り口で引き戸に手をかけたまま固まっていた。
「入ったら?」
わたしは彼に入室をうながす。
それを受けて、彼は平静を装いながら入室してきた。
「お前か……」
「そ。意外でしょ」
平静を装う彼が可愛らしくてつい笑顔になってしまう。夕日が眩しかった。
「なんのようだ」
彼はわざとらしくぶっきらぼうに聞いてきた。
こらえきれずに笑い声が出てしまった。たぶん、あたしは彼のことが嫌いじゃない。
5:
「用があることは確かなんだけどね。ちょっと訊きたいことがあるの」
なんとなく彼に興味が湧き、質問をしてみる。
「人間はさあ、よく『やらなくて後悔するよりも、やって後悔するほうがいい』って言うよね。これ、どう思う?」
暫くの間、意味のない問答を続けた。たぶん、あたしなりの時間稼ぎだったのだろう。
それでも限界がある。『彼女』にはまだ見つかっていないだろうが誰が見ているか解らない。
「じゃあ、死んで」
わたしは隠し持っていたナイフを一閃、彼がいた場所を薙ぐ。
もちろん当てる気はなかった。彼は無事にナイフを避け座り込んだ。
6:
そして座り込んでいる彼と暫しの雑談。彼が立ち上がるのを待つ。
『彼女』はまだ来ない。そうこうしているうちに彼が弱々しく立ち上がる。
そして彼は脱兎の様に駆け出し教室から出ようとした。
逃がすわけには行かない。教室をコンクリートで囲む。
今のこの教室はすべてわたしの意のままに動くのだ。
引き戸が無くなり、部屋の全面がコンクリート製の壁になっていることに彼は驚いていた。
自棄になった彼はわたしにイスを投げつけた。わたしはその椅子を反転、横に飛ばす。
「無駄なの」
そう。わたしを止められるのは『彼女』だけ。
7:
何者かがわたしの情報制御空間にアクセスしようとしていることが解った。
わたしにはそれが誰なのか解る。
それが出来て、しかもそれを行うのは『彼女』しかいないから。
『彼女』ならプログラムの甘さをすぐに見抜くだろう。
「最初からこうしておけばよかった」
あたしは何に対して言ったのだろうか?
そう思いながら、壁際に張り付いている彼の体を動けなくした。
「じゃあ死んで」
死ぬのは誰なのだろうか?あたしはそう思いつつ、その言葉を吐いた。
そしてわたしの情報封鎖が破られた。
8:
「天井部分の空間閉鎖も、情報封鎖も甘い。だからわたしに気づかれる。侵入を許す」
天井を破って現れた『彼女』はわたしにそう言った。
やはり『彼女』は優秀だ。
あたしの心に生まれたエラーが作った脆弱個所をあっさりと見破ったのだから。
もう彼を拘束している意味はなくなった。あたしは彼の金縛りを解き『彼女』と対峙する。
9:
わたしは『彼女』に敵わない。
所詮、わたしはバックアップだからだ。
それでもあたしは全力で戦った。
わたしが有能であると認めてもらう為に。
わたしが再構成の機会を得るために。
あたしが消えてもわたしが再び彼に会えるように。
10:
そしてわたしは『彼女』に負けた。
解り切っていたことだった。
何故ならわたしは『彼女』のバックアップなのだから。
ただ、『彼女』はわたしを認めてくれた。
目的は達したのだ。悔いはない。
11:
あたしが消える前に彼に警告を与える。
「いつかまた、わたしみたいな急進派が来るかもしれない。それか、長門さんの操り主が意見を変えるかもしれない」
それはまたわたしかも知れないと思いつつも警句を与えた。
あるいは、あたしと同じく小さなエラーから大きなバグが生まれた『彼女』かもしれない。
彼はあたしの言葉をどう思ったのだろう?
消え去る敵の捨て台詞と感じたかも知れないが構わなかった。
「それまで、涼宮さんとお幸せに」
あたしは間もなく消えてしまう。だからこそ素直に彼の幸せを願うことができた。
12:
あたしは消える。では再び出会うであろうわたしは?
もしも出会い方が違ったのならあたしは彼と違う関係になれたのかな?
次に出会うであろうわたしは彼とどうなるのであろうか。
一瞬自問自答を繰り返したが結論は同じだった。
だってわたしは『彼女』のバックアップなのだから。
13:
諦観したあたしは自然と笑顔になった。
そしてあたしの笑顔も思考も存在も、今のわたしも砂となり、いずれその中に埋もれていくのを感じた
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