曙「クソ提督」提督「あ?」back

曙「クソ提督」提督「あ?」


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1:
曙「そこどいて。箒で掃けないじゃないの」
提督「掃除するなら一声かけてからにしろよ」
曙「はぁ?昨日から言ってたじゃない、執務室の掃除するわよって」
提督「はー、覚えてねえよそんなの……」
曙「あっきれた、とうとう本当に頭おかしくなっちゃったのかしら」
提督「なってるかアホ。さっさとそこ終わらせろよ」
曙「言われなくてもさっさとやっちゃうわよ、嘗めないで」
提督「そうじゃねえよ、疲れるだろうから休憩ってんだ。茶でも淹れるから待ってろ」ばたん
曙「…………ありがと」
2:
曙「クソ提督」
提督「あ?」
曙「アンタまた夜更かししたでしょ」
提督「なんでそう言えるんだよ」
曙「アンタが夜更かしすると髪の毛が少しかさつくのよ。ちょっと見ればすぐ分かるわ」
提督「……明日までに出す書類が片付いてねーんだよ」
曙「はっ、呆れて物も言えないわ。提督として成り立ってるのが不思議なくらいね」
提督「あーやかましいやかましい」
曙「そんなのじゃあたしの面子も丸潰れじゃない。さっさと書類寄越せクソ提督」
提督「……ありがとうよ」
4:
曙「クソ提督」
提督「あ?」
曙「書類の確認終わった。別に変なところはなかったわ」
提督「おう。助かった」
曙「珈琲でも淹れるわ」
提督「んー。……あ、曙」
曙「ん、砂糖多めね」
提督「おう」
6:
曙「クソ提督」
提督「あ?」
曙「あたしの手拭い知らない?」
提督「俺は知らねえぞ。手持ち見たのかよ」
曙「それでも無いから聞いてるんじゃない……アンタの箪笥見るわよ」
提督「おーう」
提督「……」
提督「……「あるじゃないの」おう?」
曙「アンタの洗濯物と間違えて入れちゃったのかな……ごめん、あった」
提督「そうか。あったならいいけど」
曙「(……一瞬間違えて下着の段見かけちゃった……危ない)」
8:
曙「クソ提督」
提督「あ?」
曙「寒い」
提督「……奇遇だな、俺もだ」
曙「ん」
提督「はいはい」
10:
ぎゅー
提督「(両腕伸ばして抱きついてくるところは可愛いんだけどなぁ)」
曙「あったかい」
提督「そうか」
曙「うん」ぎゅーっ
14:
曙「クソ提督」
提督「あ?」
曙「ちょっと買い物付き合いなさい」
提督「えぇ……(困惑)」
曙「昼ごはん作ってあげるからとっととして」
提督「人使い荒すぎぃ……」
16:
提督「……おっも。買いすぎだろ。つうかお前ももう少し持てよ」
曙「全部遠かれ近かれ必要なものだし、後で演習に参加するのに今から疲れたくないもの」
提督「この……ん?」
「おーい、提督ー!」
提督「ありゃあ……」
曙「飛龍さんね」
飛龍「曙ちゃんも。奇遇だねー!」
提督「飛龍もこの後の演習組か」
飛龍「そ。その前に何か、甘いものでも食べようかなって」
提督「うん、士気を高めるのは大事だな」
17:
曙「……」
くいっ
提督「お?」
飛龍「ありゃ」
曙「……」くいっ
飛龍「……さってと、あたしはそろそろお邪魔しようかなー」
飛龍「んじゃね。曙ちゃん、ごめんねっ!」たたたっ
提督「……行っちゃった」
曙「……帰るわよ」くいっ
提督「ちょっ、待て。危ないから……」
19:
金剛「提督ゥー!」
提督「あ?」
金剛「今から姉妹で揃ってtea timeなんですヨー」
金剛「提督も一緒に!と思って!」
曙「クソ提督なら今日は手が離せないわよ」
金剛「ええー?」
曙「文句はこいつに言って。仕事を溜め込むこいつが悪いんだから」
20:
金剛「うーん、確かに溜め込むのはよくないデース。メッ、ですヨ」
提督「溜めようと思って溜めてたわけじゃないけどなー……」
曙「ま、そういうわけでお誘いはまた今度に「ヘイ、曙」え?」
金剛「……"結婚"、いつになりそうですカー?」ぼそっ
曙「???、出てけえええっ!」
金剛「あはははっ、See you next time!」ばたんっ
提督「……騒がしいなあおい」
曙「ぜーっ、ぜーっ……!」ぷるぷる
23:
曙「クソ提督」
提督「あ?」
曙「……アンタ最近、働きすぎ」
提督「軍に働きすぎもへったくれも……おおっ?」ぐいっ
曙「御託はいらないわ。えい」ぶんっ
提督「うわったっ……っぶねーなバカ野郎、ソファだからよかったものの」
曙「しーらない。えい」ぼふっ
24:
提督「あーもう、雑に投げ飛ばしやがって……よっこら「あ、起き上がるなクソ提督」あ?」
曙「……ほら」ぽんぽん
提督「……何それ」
曙「膝枕くらい見て分かりなさいよクソ提督」
提督「…………失礼」ぽす
曙「硬くない?」
提督「硬いなんてことあるかよ」
曙「そ」ぽん ぽん
提督「…………zzZ」
曙「……お疲れさま、提督」
25:
曙「クソ提督」
提督「あ?」
曙「私の予定表、このよく分からない休みは何?」ぺらっ
提督「俺のことをよく働きすぎだのと言うがな、お前も大概だぞ」
提督「連日休暇にしたんだ、羽でも伸ばしてこい」
曙「……提督も一緒がいい」ぼそ
提督「何か言ったか?」
曙「何でもない。帰ってきて夜更かししてたらまた投げ飛ばすからね」
提督「ほざけ。帰ってきたら元通り秘書艦だからな」
曙「……失礼しました」ばたん
27:
潮「あれ、曙ちゃん?」
曙「あら、潮」
潮「秘書艦のお仕事はどうしたの?」
曙「暫くお休み。ほら」ぺらっ
潮「わ、ほんとだ。いいなあ」
曙「まぁ、急だったから予定も何もないんだけど……」
潮「……曙ちゃんにとっては、あんまりよくないのかもねぇ」
曙「は?」
潮「ううん、何でもないよ。ふふ」
曙「何よそれ……変なの」
潮「(……曙ちゃん、ちょっと寂しそう。お休み、早く終わるといいね)」
28:
曙「クソ提督」
提督「あ?」
曙「明日の作戦の編成」
曙「北上さんより大井さんの方がいい」
提督「大井は別作戦に参加だ」
曙「艦種は同じなんだから入れ換えればいいじゃない」
提督「北上の方が練度が高い。万全を期した結果だ」
曙「うぐぐ……文句言われるの嫌だわ……」
提督「文句も何もお前は鎮守府内最高練度だろうに」
曙「気持ちの問題よ……うぐぐぐ」
31:
曙「……クソ提督」
提督「あ?」
曙「なんで撤退なんかさせたの」
提督「あのまま進めば沈んだかも分からん」
曙「まだ中破よ!あんなの、まだ余裕で航行出来た!」
曙「あの難しい海域を、あそこで全員でかかれば、やっと制圧できたかもしれないのに!」
曙「それに、万が一あたしがダメだったとしても、あの艦隊なら……っ」
32:
ばちんっ
曙「っつ……っ、アンタ」
提督「……テメエ、今何言おうとした」
曙「っ……あたしがダメでも!他の人たちがなんとかしてくれるって言おうとしたのーー」
34:
提督「どこに、お前が二人いるんだよ」
曙「ーーぅ」
提督「代わりなんかいねえんだよ。分かるか」
曙「……艦むすは、兵器なのよ」
提督「お前が言うならお前の中ではそうなんだろうな」
曙「っ、まだそんなこと「俺は」……?」
提督「……ここの誰も沈ませたくないし、沈ませない」
提督「テメエがどう考えるかなんざ、二の次だ」
提督「部下は上司の意向に大人しく従うものだろ。違うか」
曙「……随分、都合のいい上司だこと」
提督「何とでも言え」
曙「本当に……いい人」ぐすっ
35:
曙「クソ提督ー」がちゃ
提督「……zzZ」
曙「……あれ、寝てる」
曙「あーあ、書類やりっ放し……もう」さっさっ とんとん
曙「風邪引いちゃう……そうだ」
36:
がさがさ
曙「んしょ、んしょ」ずるずる
曙「毛布……無いよりマシかな」ふぁさ
提督「……んん」
曙「(まずっ、起こした……?)」
提督「……あけ、ぼの…………zzZ」
曙「……」
曙「……ここにいるわよ。提督」ぎゅっ ぽんぽん
37:
曙「クソ提督」
提督「あ?」
曙「大本営から連絡。はい」
提督「大本営だぁ……?」がさがさ
提督「……ふむ」
曙「何だったのよ」
提督「いや、本当にただの連絡だった。上のお方がうちの視察に来るんだとよ」
曙「へぇ。こんなクソ提督なんて見てもなんの足しにもならないのにね」
提督「その減らず口を縫い合わせるくらいのことは出来るぞ」
曙「…………」
38:
ー後日ー
提督「ご足労頂き申し訳ございません」
「何、むしろこちらこそ時間を取らせて申し訳ないね。何かと準備もあったろう」
提督「いえ。お気遣い痛み入ります」
提督「こちらは秘書艦の曙です」
曙「どうも」ぺこり
「はは、可愛らしい、いい子じゃないか。今日は少し、お邪魔するよ」
曙「いえ……」
ーーー
39:
ーーー
「ーーおや、もうこんな時間か。それにしてもこの鎮守府は、よく管理されていて、いいところだね」
提督「恐縮です」
「それと、提督くん」
提督「あ、はい」
提督「曙、少し席を外せるか」
曙「え……」
提督「すぐに呼びに行く。自室で待機していてくれ」
曙「……はい」
ぎぃぃ ばたん
「……さて」
40:
曙「(……なんて、素直に待ってられるわけないじゃない。……堂々と聞き耳立ててやるわ)」
曙「(そもそもが、突然視察なんて怪しすぎるわ。あの人がお偉いさんだってことは分かるけど)」
曙「(一体どういう魂胆で……)」そーっ
『ーーに、転任をーー』
『ーーは、私のーー』
『ーー、君の許可がーー』
曙「(転任……)」
41:
『……分かりました』
曙「…………てん、にん?」
42:
ーーー
がちゃ
提督「うおっ。あ、曙?」
曙「……」
提督「何でここにいる……のかは今はいいか。お見送りに「……んで」……あん?」
曙「何で……アンタ、ここを捨てるの?」
提督「は……?」
曙「盗み聞きしてたの。それは謝るわ」
曙「でも、それだって大本営からの連絡に関して、アンタが何か隠し事してたから」
曙「……こういうことだったのね」
43:
曙「散々この鎮守府で好き勝手やってきて」
曙「書類は期限ぎりぎりまで書いてるし、書類確認してるところに珈琲淹れさせたりするし」
曙「最悪でも中破したら撤退とか、よく分からないルール作るし」
曙「なんでもかんでも、自分が犠牲になって、とにかく私たちのことばっかりだしっ」
曙「意味わかんないくらい……、優しくして、くれたのに」
提督「……」
44:
曙「……ひぐっ、どう、じでっ……っく、いなく、なっぢゃうのぉ……」
提督「…………」
45:
ほうじ茶が飲みたい
46:
「…………提督くん」
提督「っ、も、申し訳ございませんっ……」
「いやなに、言い忘れていたんだがね」
「もし君がここに思い残すことが、あるならば」
「先の話、考え直してくれてもいいのだよ?」
提督「え……?」
47:
緑茶うめぇ
48:
「少々君は、感情に動かされてしまう節があるようだ」
「戦場では、そのような振る舞いは命取りとなる」
「あまり、前線に出るようなタイプの人間ではなさそうなのでね」
提督「……」
「おや。その反応だと、先程は自分の意見を抑え込んでいたみたいだね?」
提督「……大変、失礼しました」
「今、本音が聞けただけでよしとするさ」
「ま、私は他を当たってみるとするよ」
「…………くれぐれも、大事にね」
提督「……ありがとうございます……っ」がばっ
「はは、頭を上げたまえよ」
49:
「曙ちゃん、だったね」
曙「ひぐっ、えぐっ」
「君がどれだけあの男によくしてもらっているか。ついでの筈だった視察の段階でも、十分すぎるくらい伝わってきたよ」
「全体として練度の高い鎮守府だというのに、君たちは皆笑顔ときた」
「……実に結構。あの男は、君たちと全員で、最後の最後まで生き延びる気でいるよ」
「そんな男の秘書艦の職を、名だたる戦艦や航空母艦を差し置いて」
「駆逐艦である、他でもない君に一任しているんだ」
「誇りたまえよ」
50:
曙「っぐ……ありがどう、ござぃます……っ」
「うむ。泣き顔はやはり、女性には似合わんね」
「さて、そろそろ私はお暇させていただくよ」
提督「大変、申し訳ございませんでした」
「何、久々に良いものを見させてもらったさ」
「見送りはいい。その子を……いや」
「この鎮守府を、くれぐれも、よろしく頼んだよ」
提督「……はいっ」
51:
ー数日後ー
曙「クソ提督」
提督「あ?」
曙「大本営から。はい」
提督「大本営……お、この前の」
曙「何て?」
提督「今度一緒に酒でもどうだ、だとよ」
曙「ふーん」
提督「でも曙がやきもち妬くから行けないな。残念」
曙「んなことするかっつーの!」
提督「ふはは、冗談」
曙「ったく……」
52:
曙「クソ提督」
提督「あ?」
曙「……ううん、提督。大好きよ」
おわり
65:
【曙、デレデレになる】
提督「あー、疲れた……もう夜中も夜中じゃねえか」
提督「明日休みにしといてよかった……」
こんこん
提督「……こんな時間に誰だ。入れ」
がちゃっ だだだっ ぎゅうっ
提督「おあっ!?ちょ、誰……って」
曙「……ぐすっ」ぎゅうう
提督「あ、曙……? どうしたんだ?」
66:
曙「……提督が、いなくなっちゃう夢見た」
提督「はあ?」
曙「やなの……提督がいないとやなの」ぎゅうう
提督「ちょちょちょ痛い痛い、力強いよお前」
曙「」ぐすん
提督「はぁ……」なでなで
提督「…………一緒に寝るか?」なでなで
曙「……!」ぱぁぁ
67:
ー布団の中ー
曙「あったかい」ぎゅーっ
提督「(今更だけど誰だこいつ……)」なでなで
曙「ねえ、提督」
提督「ん」
曙「大好き」
提督「そうかい」なでなで
曙「えへへ」にへら
提督「……」
提督「(…………もう俺、クソ提督でもいいかもなぁ……)」
おわり
73:
【風邪をひいた曙】
提督「あーん」
曙「あむっ……もぐもぐ……ごくん。提督にあーんだなんて、屈辱的だわ……けほけほ」
提督「無理すんな。体は弱ってるんだから」かちゃかちゃ
曙「あたし自身はぴんぴんしてるのに……くそー」
提督「女の子がそんな汚ない言葉使うもんじゃないぞ。あーん」
曙「うぐぐ……あむ」
74:
曙「……ごちそうさま」
提督「ん、一応食えるみたいだな」
曙「だからぴんぴんしてるんだってば」
提督「あーはいはい、分かったから」ぐいっ
曙「ふぇっ」とさっ
75:
ぴたっ
曙「(あ……)」
提督「……まだちょっと熱あるか。冷えピタでも」ぐいっ
提督「あん?」
曙「……てーとくの手、冷たくてきもちい」すりすり
提督「んん……?」
76:
提督「(……やっぱ、だいぶ弱ってるな)」
曙「はぁ……はぁ」すりすり
提督「(顔も赤いし、息も少し荒いな……)」なで
曙「んぁ」ぴくん
提督「おお、びっくりしたか。すまん」
曙「ううん……もうちょっと、このまま…………」きゅっ
提督「……」
曙「……てー、とく………………すぅ」
昼過ぎから夕方まで、曙が寝ている間、提督は手を掴まれっぱなしだったとさ
おわり
81:
【他艦に嫉妬する曙】
曙「アンタには運動が致命的に足りてないのよ。まったく」
提督「じゃあ運動の足りてる曙さんが少しくらい持ってくれませんかね……ぎぎぎ」がさがさ
曙「嫌よ。この後演習なんだもの」
提督「それなら買う量抑えろよ。何この量アホなの?」
「ま、まぁまぁ」がさっ
提督「お?」
曙「え?」
82:
榛名「提督、榛名が手伝いますから」がさ
提督「は、榛名……!」
榛名「曙ちゃんの言い分も、まぁ正しくなくはないですし。ね?」
提督「あぁ、地獄に仏だぜ……助かったよ、榛名」
曙「……」ぷー
83:
曙「貸しなさい!」がさっ
榛名「あら」
提督「うわわっ、な、何だよ急に」
曙「知らないっ。そのすっかすかの頭でよーく考えてみたら? ふんっ」すたすた
提督「あーあー、何だよもう……曙、待てよー!」
榛名「……」ぽかーん
榛名「……うふふ。可愛いじゃないですか、曙ちゃん」
おわり
95:
【腰の痛い二人】
ー食堂ー
提督「……」
曙「……」
金剛「……ヘイ、榛名」
榛名「はい、何でしょう?」
金剛「あの二人、今朝からずっと表情が険しいですネー……?」ひそひそ
榛名「そう言われると……あっ、提督が席を立ちましたよ」
96:
提督「……」がたっ
提督「っづアッぁは!」がちゃぁん
榛・金「何だ今の声」
97:
榛名「き、綺麗に崩れ落ちましたね……提督、大丈夫かしら……」
金剛「……まさか、とうとう大人の階段を登ってしまったとか……?」ぼそっ
榛名「お、おおおお姉様!」
金剛「あははは、冗談デース。イングリッシュジョーク!」けらけら
提督「……」
曙「……」
おわり
106:
【提督が一人で1週間出張】
曙「……提督、出張か……」
潮「残念だけど、一週間だし頑張ろ?」
曙「べ、別に残念なんかじゃ! …………ないし」しょぼん
潮「」きゅん
107:
ー一日目ー
曙「えっと、第一艦隊は明日早朝の海域攻略に備えて休憩を」
曙「この後第三艦隊が帰投するので、報告へ来るようにーー」
潮「(曙ちゃん、かっこいい……!)」
ー二日目ー
曙「……はぁ。第一艦隊のみなさん、頑張ってください……」
潮「(昨日の勢いは何処へ……?)」
ー三日目ー
曙「……ぐす」
潮「だ、第二艦隊のみなさん、遠征お疲れ様でしたー! あああと第一艦隊の報告書と、資材の確認と、ええとええと……!」ぐるぐる
108:
ー出張終了ー
提督「ふう。やっと帰ってきたな、我が執務室」
がちゃ
提督「曙、潮、留守を頼んですまな大丈夫かお前ら!?」
曙「ふえぇぇー……提督寂しかったぁぁー……」ぽろぽろ
潮「」ちーん
提督「え、衛生兵!衛生兵ーー!!」
曙「ふええぇーん……」ぽろぽろ
おわり
129:
【提督 憲兵に連行される】
提督「あ゙ー……肩凝る」こきっこきっ
曙「だから運動不足って……」
こんこん
提督「ん? 何だ?」
「失礼する」がちゃっ
曙「!?」
提督「……憲兵さんが、一体何のご用で?」
憲兵「手短に要件だけ言おう。匿名の艦むすから、提督に淫行を強要されているとの通報が入った」
提督「心苦しいし、任意ではあるんだが……任意同行の許可を得たい」
130:
提督「む……それはご苦労様です、なら早いところ終わらせて「だめっ!!」っは!?」
憲兵「……それは、どうしてだい」
曙「うちのクソ提督が、そんなことするわけない!」
曙「だってこいつ、中破ですら進軍させてくれないのよ!」
曙「それにっ、反応が無さすぎて枯れてるなんて噂も立ったことがあるんだから!」
曙「みんなと一緒に、バカみたいに笑ってるこいつが、そんなことするわけないもん!!」
曙「連れてっちゃだめっ!!!」
しーーん……
提督「……おい、曙?」
憲兵「ふむ、なるほど」
提督「え?」
131:
憲兵「私はどうやら、来る場所の見極めが甘かったようだな」
提督「は……?」
憲兵「憲兵を恐れもしない駆逐艦とは……私はそんな艦、今までに見たことがない」
憲兵「……負けたよ。私が上手くしておいてやる、安心しなさい」
曙「……!」ぱぁっ
憲兵「……手を出したら話は別だぞ」ぼそっ
提督「ヒエッ……」
おわり
143:
【艦隊のアイドル曙ちゃん】
提督「どうした那珂、そんなに慌てて」
那珂「どーしたもこーしたも、次のライブがすぐそばなのに、川内お姉ちゃんが怪我しちゃったんだよー!」
曙「それでどうして執務室に転がり込んでくるの……?」
那珂「そうっ! そこなんだよ!」びしっ
提督「お、おう」
那珂「どうせ代役をつけるなら、インパクトがあった方がいいじゃない」
那珂「だからー……」きらーん
曙「……えっ」
144:
ーライブ当日ー
わぁぁぁぁ……
那珂「ごめんねぇーっ、今日は川内お姉ちゃん、事情があって出られないのー!」
\ えーっ! /
那珂「でもでもー、その分ちょぉー!ビッグなゲストさんを呼んじゃったぞっ!」
\ おおーっ! /
神通「みなさん、びっくりすると思います……!」
\ おおおーっ! /
那珂「ではっ、早お呼びしましょーう!」
神通「今回のゲスト、我が鎮守府のナンバーワン!」
那・神「ぼーのちゃーん!!」
145:
曙「 か、艦隊のアイドルっ、曙ちゃんだよーっ!! 」
曙「提督」
提督「何だよ。今ライブ映像見てんだ」わぁーっ!!
曙「いっそ一思いに首でもはねて」
提督「なんでだよー。可愛いだろぼのちゃん」
那珂「そうだよー?」
曙「うあぁぁぁ……!」じたばた
那珂「(ほんとに可愛いなーこの子)」
おわり
162:
【曙と満潮と霞】
曙「クソ提督!」
満潮「バカ提督!」
霞「ダメ提督!」
提督「……」
164:
提督「……さすかに傷つくわ」ずーん
曙「えっあっ……げ、元気出して……提督」おろおろ
提督「(可愛い)」
霞「(可愛い)」そろーっ
満潮「(可愛い)」そろーっ
おわり
166:
【提督と一緒に実家に挨拶に行く曙】
がたんごとん がたんごとん
曙「……ねえ。今更だけど、主力陣全員に休暇って本気なの?」
提督「ああ。主力陣とそうでない者とでは、一応連絡の仕方を分けてある」
曙「簡単に説明して」
提督「主力陣はそのまま休暇。それ以外の者は、主力陣を欠いた状態での自衛の訓練と伝えた」
曙「ふーん……緊急の場合には?」
提督「長門と北上に一任してある」
曙「それすっごい不安なんだけど」
168:
曙「……ま、やる時はやってくれるし、平気かな」
提督「信頼してなきゃこんなことは出来んよ」
提督「俺が不安に思ってるのは……」
曙「?」
提督「……いや、なんでもない(返してこいって言われそうだなー……)」
169:
曙「何よ、不安にさせないでよ。クソ提督」
提督「お、そのクソ提督って久し振りな気がするぞ」
曙「は、はぁ? 何それ、意味わかんない」
提督「ははは、照れるな照れるな……お、見えてきた」
曙「っ! あれが……!」がたっ
提督「そ。
……俺が産まれ育った場所だよ」
170:
ぷしゅー がたん ごとん
提督「着いたー……んんー」のびー
曙「わ、すごい!見て、雪がすごく綺麗よ!」
提督「この辺の人は、誰も雪遊びなんかしないしなぁ」
曙「すごい……とても静か」
提督「うん。都会の喧騒も、工厰の鉄の音もない」
提督「なかなか、いいところだよ」
曙「……うん」ぎゅっ
171:
提督「お、今自然に手繋いでくれた?」
曙「はぁっ!? し、知らない!」ばっ
提督「あー、何だよ終わりかよ。繋ごうぜー」
曙「やだ、は、恥ずかしいじゃないっ……!」
提督「何、誰も見ちゃいねえさ。ほら」すっ
曙「う、っ…………」
提督「……行くか」
きゅっ
173:
ー提督自室ー
提督「」ずーん
曙「て、提督……元気出して、ね?」
提督「やっぱ実の両親に誘拐犯扱いは堪えるって」ずーん
曙「あ、あはは……」
曙「……指輪見せたらどんな反応するかしら」
提督「多分鎮守府に帰れないからやめて」
174:
あ、カッコカリの方は済ませています。
176:
ー同日ー
提督母「……にしても、こんな女の子が世界を守ってるのねえ」
提督「そうだよ。誰が誘拐なんかするもんか」もぐ
曙「と、とてもよくしてもらっています……」
提督母「あらそう? 変なこととかされてない?」
提督「してねえっつうの!」
曙「あはは……」
177:
提督父「しかし、本当に見た目はただの女の子じゃないか」
提督父「それで海に放り出されて戦いに駆り出されるとは……」
曙「……それは、違います」
提督父「え?」
曙「提督は、外面こそ変な人ではありますが」
提督「おいテメエぶっ飛ばすぞ」
提督母「まあまあ」
178:
曙「……でも本当に、私たちが戦えるのは、全部提督のおかげなんです」
曙「危機管理は万全過ぎて笑えてきちゃうし」
曙「一人一人の精神面も、全員分細かくチェックしてて」
曙「不自由なことも、嫌なことも何もないんです。それどころか、みんな毎日楽しそうで、実際楽しいですから」
曙「同僚が沈みかけた時は、モーターボートで助けに来てくれもしたんですよ」
曙「俺のボートなんかより、お前らの命か先に決まってる……って」
180:
提督「(……親の前で色々語られるとか超恥ずかしい)」もぐ
提督父「……立派になったな」
提督「んお?」もぐ
提督父「十分、親の俺としても、尊敬に値する人間になったよ。お前は」
提督「ごくん……お、おう」
提督父「ま、親としては、あまりおいそれと命を賭してほしくはないがな」
提督「そりゃ誰でもそうだろ……もぐ」
曙「(……照れてる)」
181:
提督母「ねえねえ曙ちゃんっ」ずいっ
曙「うわわっ。な、何でしょう?」
提督母「…………んふふ」
曙「な、何でしょう……?」
提督母「ーーうちの子、あげてもいいわよ?」ぼそ
曙「!?」
182:
提督母「あはっ、図星ー」けらけら
曙「なっ、あっ、こ、これは!」
提督母「いいのいいの」
曙「え……」
提督母「どっちもいい子だもの、お似合いよ」
曙「お、お母様……」
提督母「ただし、もちーっと成長したら、かな」
曙「あぅ」
184:
その後、二日間
たっぷりといじられ続けたあたしたちは
最終日の朝一番の電車で、鎮守府へ帰ることになった
提督「ちゃんと運動もしろよ!飯は食え!」
提督母「まーだあんたに心配されるような年じゃないわよー!」
提督「親父もだぞ、酒は控えろよな!」
提督父「はは、頑張ってみるよ」
お母様からあたしへの
提督母「曙ちゃん、頑張ってね!」
という、優しくも元気な声を最後にして
電車は走り出す
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