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凛「セイバーのアホ毛がない?」


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1:
セイバー「ウッ…ヒクッ…」
凛「一体どういうことなの? 説明して、セイバー」
セイバー「私にも……わかりません……エグッ……朝……起きて洗面所に行って鏡を見たら……ないことに気付いて……」
凛「……それは私と士郎が学校に行く前の話よね?」
セイバー「うっ……エグッ……そうです……ヒクッ」
凛「それで朝、ご飯も食べずに部屋に閉じこもってたのね……」
セイバー「はい……シロウに……こんな恥ずかしい姿を見せたくなくて……ウッ……でも……半日以上経っても……どうしていいかわからなくて……凛に相談を……」
凛「なるほどね……(ていうかアホ毛がないことがそんなに恥ずかしいのね……)」
3:
凛「(とは言ってもねえ……私に相談されたところで手の打ちようがないのよね……)」
セイバー「凛……どうしましょう……このまま一生……くせ毛が生えなかったら……」
凛「えっ?」
セイバー「もしこんな姿を見られたら……シロウに……嫌われてしまうかもしれない……そうなったら私はっ…! 私はっ……!」
凛「いやいや、大げさでしょ……って、あれっ? ちょっと待って……」
凛「……セイバー、今のあなたはいつものセイバーよね?」
セイバー「突然何を言い出すのですか、凛は」
凛「そっ、そうよね。変な質問してごめんなさい」
5:
セイバー「凛、今日シロウはいつ頃帰ってくるかわかりますか? バイトに行くと言っていましたか?」
凛「うーん、今日は学校であいつと話してないからわからないわね……ちょっとごめんセイバー、少しの間席外すわ」
セイバー「は、はい。お手洗いでしたらウォシュレットのボタンに気をつけてください。以前凛は……」
凛「わ、わかってるわよ。もうあんなヘマやらかしたりしないから大丈夫」
6:
トイレにて
凛「うーん……(以前……私と士郎が調子に乗ってセイバーのアホ毛に触れたとき……セイバーは一瞬で黒セイバーと化したはず……)」
凛「フッ!(アホ毛が勝手に抜けるわけもなし、誰かが意図的に抜いた、または切ったと考えるのが自然よね……)」
凛「……ハァ……(だとしたらその際、どうしてもあのアホ毛に触れる必要があるはず……)」
凛「(寝てる間とはいえ)」ガラガラガラガラ
凛「(やっぱりアホ毛に触ったらあの時と同じようにオルタになるはずよね……)」フキフキ
凛「確か水を流すのはこのボタンよね」ポチッ
凛「……(なのにどうして今のセイバーは、普段のセイバーのままなのかしら……)」
ウィーン……
凛「(謎だわ……一体どうなって……って)」
ビシャァァァァァァァァ
凛「えっ? えっ? えっ? キャ、キャーーーーーーーー!!!」
8:
セイバー「凛……だから言ったのですよ……」
凛「うぅ……わかんないわよぉ……似たようなボタンばっかりでどれが流すやつかなんて……」
セイバー「ちゃんと見ればわかるはずです。何も考えず適当に押すから……って、それどころではありません。凛、シロウがバイトに行っていないなら何か放課後に予定があるとか、聞いていませんか? なんとかしてシロウが帰ってくる前に私のくせ毛を……」
ガラガラガラ……
士郎「ただいまー」
セイバー「」
凛「帰ってきたわね……」
11:
セイバー「どどどどどどうしましょう凛?」
凛「落ち着いてセイバー。ひとまずこの押入れの中に隠れていなさい」
セイバー「はっはい」シュバッ
士郎「おーい、誰もいないのか……あれ、遠坂」
遠坂「お邪魔してるわ」
士郎「ああ。……あれ、遠坂、なんでスカート湿って……って、遠坂もしかして、またやったのか?」
凛「ちゃ、ちゃんと掃除しといたわよ。文句ないでしょ」
士郎「まぁ別にいいけど……。遠坂の機械音痴は本当に筋金入りだな……あ、そうだ。今日はちょっとおみやげがあるんだよ」ガサガサ
12:
士郎「ほら、肉まんだ」
セイバー「(!?)」
士郎「喜ぶだろうなぁ、セイバー。なぁ、遠坂、どこにいるか知らないか?」キョロキョロ
凛「し、知らないわ。あたしが帰ってきたときはいなかったわよ」
士郎「そうか……どっか出かけてるのかな。って、あれ? 玄関にセイバーの靴があったような……」
凛「あ、あー! そうそう、思い出した。帰り道でばったり会ったわ、セイバーと。ちょっと出かけてくるって言ってたわねー」
士郎「そうか、じゃあ靴は見間違いだったのかな……じゃあ、放っておいても冷めちゃうし、セイバーの分はとっておいて、遠坂、肉まん一緒に食おうか」
凛「そ、そうしましょうか」
セイバー「(ああああああ肉まん肉まん肉まん肉まん私も食べたい士郎と一緒に肉まん肉まん)」ギリギリ
ガラガラガラ
桜「こんにちはー」
14:
士郎「あれ、桜、今日は部活は?」
桜「なんだかちょっと身体の調子が悪くて……早引きです」
士郎「大丈夫なのか?」
桜「まぁ、歩ける程度には。あれ、美味しそうですね」
士郎「ああ、肉まん買ってきたんだ。桜も食うか?」
桜「ぜひ!」
凛「あ、あの、士郎」
士郎「ん? 何だ遠坂」
凛「その……肉まんって、何個買ってきたの?」
16:
士郎「ああ、そうなんだよ。こんなに早くからみんなが集まるとは思わなくて、三人分しか買ってこなかったんだよな。この時間、家にはセイバーしかいないと思ってさ」
士郎「でも三人揃っちゃったし、セイバーには悪いけど、ここで食べちゃおうか」
セイバー「(!!!!!!?)」
凛「あ、あの、士郎、私いらないから……」
士郎「あれ、遠坂、肉まん嫌いだったか?」
凛「いや、そうじゃなくてね……その……ね? セイバーが帰ってきたら……」
セイバー「(り、凛……あなたという人は……)」ウルウル
ガラガラガラ
19:
大河「たっだいまー」
凛・セイバー「(!!!?)」
士郎「おお、藤ねえ、早いな」
大河「ちょっと忘れ物取りに戻っただけだから、すぐに学校戻るのー。あれ、美味しそう」
士郎「あ、そういえば遠坂いらないんだっけ。じゃあ藤ねえ、食べちゃってもいいぞ」
大河「言われなくても食べるわよ」パクッ
大河「あ、書類こんなとこにあった。じゃあ戻るねー。バイバーイ」
凛「……あ?……」
士郎「もしかして遠坂、本当は食べたかったんじゃないのか」
凛「……いや、そうじゃなくて……いいわ、気にしないで」チラッ
セイバー「……」
21:
20分後……
セイバー「くせ毛はなくなる……」
セイバー「肉まんは食べ損なう……」
セイバー「もはや私に生きている価値など……」
凛「セイバー、ちょっと出てきて」
セイバー「なんですか凛、私は今生きる意味について真剣に悩んでいるのです話しかけないでく」
凛「士郎と桜が自分の部屋に戻っていったのよ。今のうちに作戦を立てましょう」
22:
セイバー「……」
凛「セイバー、悪かったわね……。もう藤村先生が帰ってきた頃にはフォローのしようがなくて……」
セイバー「……」
凛「大丈夫。肉まんくらい今度奢ってあげるわよ」
セイバー「……シロウの買ってきた肉まんが食べたかったのです……」ボソッ
凛「……(イラッ)」
凛「ちょっと! いい加減にしなさいよ。いつまでも落ち込んでる場合じゃないでしょ? 早くアホ毛を取り戻さないといけないんでしょ? 士郎に嫌われたくないんじゃないの!?」
セイバー「……ハッ、そうです。肉まんを食べ損なうことなど、士郎に嫌われることに比べたら取るに足らぬこと。私は何か大切なことを見失っていた。凛、ありがとうございます」
凛「……(まぁアホ毛とかぶっちゃけ本人以外はどうでもいいんだろうけど、今は全部スルーしておきましょう……)」
23:
セイバー「なるほど。凛は誰かが私のくせ毛を奪ったと考えているのですね」
凛「仮説よ? 仮説。それに、もしそうだとして、ちょっとおかしいことがいろいろあるのよ」
セイバー「なんでしょう」
凛「(黒化のことは置いておいて……)まず、そんなものを奪っても誰も得しないということ」
セイバー「……」
凛「?」
セイバー「……果たして、本当にそうでしょうか……心当たりのある人物が一人いるのですが……」
シーン……
凛「……いたわね、そんなやつが」
セイバー「はい。います」
凛「ていうか、よく考えたら第一容疑者は余裕であいつ決定じゃない」
セイバー「そうですね。考えているだけでハラワタが煮えくり返ってきました。凛、一緒に柳洞寺に行きましょう」
27:
柳洞寺にて
セイバー「来ましたね……」
凛「来たわね……」
セイバー「結界を跨いで堂々と入ってきているのですから、先方もこちらが来ていることなどとうに承知のはず。すぐに現れるはずです」
キャスター「お久しぶり。セイバー、一体どうしたのその妙な帽子は。似合ってないわよ」
セイバー「……キャスター……よくもまぁ白々しく……」
キャスター「? 一体何のこと?」
セイバー「言い訳無用! 肉まんの恨みを知るがいい! エクス――」
凛「待ちなさい、セイバー。少し様子がおかしいわ」
凛「キャスター、あなた、セイバーのアホ毛について何か覚えはない?」
キャスター「は? あるわけないじゃないの」
凛「……ほんとに?」
キャスター「?」
凛「……(嘘をついている顔には見えないわね……)」
28:
セイバー「キャスター、今一度聞く。本当に私にくせ毛に関して、身に覚えはないか」カチャッ
キャスター「何度言えばわかるの。本当に何も知らないわよ。一体どういうこと? セイバーのアホ毛がどうかして?」
セイバー「……どうしましょう、凛」
凛「どうしたもこうしたも、的外れだったってことよね」
セイバー「くっ、では一体誰が……」
キャスター「ちょっと、いい加減にしないと怒るわよ。さっさと説明しなさいな」
凛「ああ、実はね……」
31:
キャスター「なるほどね。そういうこと」
凛「ええ。あなたの仕業に間違いないと思って来たけど、どうやら違ったようね」
キャスター「そうね、でもまぁ、色んな意味で興味がないってことはないわね。あれだけの対魔力を誇るセイバーのアホ毛ですもの。魔術用品としても非常に重宝しそうだわ」
キャスター「それにしてもセイバー。なぜあんなアホ毛一つのありなしにそんなに拘るの? 帽子なんか被ったりして。誰もあなたのアホ毛のことなんか気にしないわよ」
32:
セイバー「何を言っているのですかっ! こんな恥ずかしい頭頂部をご近所の皆様に晒せるわけないではないですかっ! あなたはデリカシーというものを持ち合わせていないのかキャスター!」
シーン……
凛「……」
キャスター「……なんだかよくわからない拘りがあることはよくわかったわ……ああ、ところでそのアホ毛を抜いた犯人についてのことだけど」
セイバー・凛「?」
キャスター「偏執的なまでのセイバー愛を持っている者を疑っているのなら、もう一人容疑者はいるじゃないの」
凛「え? ……ああ、あいつか……」
セイバー「……私もわかりました。自分で言うのもなんですがあいつですね……」
凛「第二容疑者ってとこかしら。じゃあセイバー、今度は言峰教会に行ってみましょうか」
セイバー「はい。あの金ピカをたたき切ってやります」
33:
言峰教会にて
子ギル「こんにちは、凛さん、セイバーさん。今日はどういうご用件ですか?」
凛・セイバー「……あれ?」
子ギル「? どうしました?」
凛「……あー、つかぬことを聞くけど、君、金髪のお兄さん……なんというか……君によく似たお兄さんをここらへんで見たことはないかな?」
子ギル「……あー、あの人でしたら、ここ最近はめっきり出てきませんよ。多分、今はこのあたりにはいないんじゃないかなぁ」
凛「知り合いなの? そっか……。ごめんね、変なこと聞いて。それじゃね」
セイバー「またハズレということですね……」
37:
言峰教会にて
子ギル「こんにちは、お姉さん方」
凛・セイバー「……あれ?」
子ギル「? どうしました?」
凛「……あー、つかぬことを聞くけど、君、金髪のお兄さん……なんというか……君によく似たお兄さんをここらへんで見たことはないかな?」
子ギル「……あー、あの人でしたら、ここ最近はめっきり出てきませんよ。多分、今はこのあたりにはいないんじゃないかなぁ」
凛「知り合いなの? そっか……。ごめんね、変なこと聞いて。それじゃね」
セイバー「またハズレということですね……」
39:
言峰教会前
凛「さすがに万策尽きたって感じね」

セイバー「そうですね……」ショボーン
凛「……帰りましょうか、セイバー。士郎に見つからないようにこっそり家の中に入って、それから二人でまた作戦を立て直しましょう」
セイバー「はい……」
40:
衛宮家 門前
凛「じゃあ、あたしが先に中に入って士郎の注意を引きつけておくから、その間に門から玄関に走って、急いで部屋に入りなさい」
セイバー「わかりました……」
凛「……セイバー、元気出して。きっとすぐにアホ毛も見つかるわよ」
セイバー「凛……あなたという人は……」ウルウル
凛「じゃあ、行ってくるわ」
テクテクテク…… ガラッ
凛「ただい……?」
凛「(何か……ささやくような声が聞こえるわね……内緒話?)」
41:
桜「ふふふ……いいんですよ……先輩。先輩のしたいようにしてください」
士郎「でもなぁ、セイバーがいつ帰ってくるかわからないだろ?」
桜「帰ってきたらすぐ止めればいいじゃないですか。先輩、もう私、我慢できません……」
士郎「いや、桜、やっぱりこれはマズイって……」
凛「(……あちゃー……これは……)」
凛「(こんなのセイバーが聞いたら……って、ん? 何か後ろから殺気が……)」
ユラーン……
凛「(セ、セイバー!)」
セイバー「シロウ……私という者がありながら……」ボソボソ
42:
凛「セイバー、ちょ、ちょっと落ち着いて。まだ冤罪の可能性も……」
セイバー「凛……、止めないでください……。私は今から部屋に飛び込んでシロウを……」
凛「待って! 待ってセイバー! 落ち着いてってば! そっ、そう! 現行犯逮捕! 現行犯逮捕するのよ!」
セイバー「……? ……ああ、一理ありますね。まだ事には及んでいない様子ですしね。ハハッ」
凛「(な、なんかさらに状況が悪化したかのように思われるのは気のせいかしら……)」
43:
桜「先輩、じゃあ、あたしが当てちゃってもいいですか?」
セイバー「凛……当てると、当てると言ってますよ……いったい何を、どこに、当てるんですかね……フフフ……私に圧倒的に足りていないもの、ですかね……きっとそうでしょうね……」
凛「(これは……そろそろフォローできなくなってきたわよ衛宮くん……)」
44:
桜「……えっとですね、先輩たち、もしかして……最近ご無沙汰なんじゃないですか?」
セイバー・凛「(……?)」
士郎「あー、やっぱりわかるか?」
桜「『セイバーさんの前では出来ない話』で、『悩み相談』なんでしょう? だったらそのことくらいしか思い浮かびませんよ」ニコッ
士郎「そうか……桜はさすがだな」
46:
セイバー「……どうやら私たちの早とちりだったようですが、それにしても聞き捨てならない話ですね」
凛「そうね、興味があるわ」ピトッ
セイバー「……? ああ、なるほど。そうでしたね。確か凛は私たち三人の中では唯一……」
凛「何か言った? セイバー」ギロッ
セイバー「いえ、特に何も」
47:
士郎「あー、桜の答えは近いんだけど、でも実はご無沙汰ってわけでもないんだ。しっかりやることはやってるんだ」
桜「そうなんですか?」
凛「……そうなの?」
セイバー「……えへへ」ポッ
凛「……爆発しろ」
桜「じゃあ、一体何に悩んでるんですか? セイバーさんとの関係も良好なんでしょう?」
士郎「ああ、まぁ、確かに仲良くやってる」
セイバー「その通りです。一体何が不満なのですシロウ」
凛「(……そういえばセイバー、アホ毛のことすっかり忘れてるわね)」
士郎「……実はだな……」
48:
士郎「実は……その……」

凛「(煮え切らないわね……)」
士郎「セイバーには悪いんだが……」

セイバー「(……私に悪い、とは?)」
士郎「――実は最近……マンネリでな……」
セイバー「」ガ━ン
49:
セイバー「(シロウ……シロウがそんな風に思っていたなんて……)」
セイバー「(申し訳ない……私が女として経験不足なばかりに……)」
セイバー「(思えば、あのイキ顔も、あの台詞も、少し演技が入ってたわけですね……)」
セイバー「(心の奥底では私の工夫のない夜の営みに飽いていたわけですね……)」
セイバー「(シロウにそんなことを強いるなんて……私はなんて愚か者だったのでしょう……)」
セイバー「(これは……もう色々と勉強するしか……)」
凛「セイバー、思考が口からだだ漏れてるわよ」
セイバー「!? //////」カァー
凛「それに衛宮くんたちの話は、まだ終わってない」
51:
士郎「で、ここからが本題なんだが」
桜「?」
セイバー・凛「……?」
士郎「ああ、そうなんだ。マンネリ自体は実は悩みじゃなくてだな……」
桜「どういうことですか?」
士郎「それは実は俺が一方的に解決済みなんだ」

桜「……先輩、ますますわからないです」
セイバー「(シロウ、まさか他の女性で欲望を充足させているのですか!)」

士郎「まぁ、おいおい説明するよ。俺が本当に悩んでるのはな……あー、セイバーのな、アホ毛のことなんだ、実は」
セイバー・凛「(!?)」
53:
士郎「事の始まりは……もう、一ヶ月前くらいのことなんだけど、俺が夜にセイバーの部屋に行ったんだ。つまりその……誘おうと思ったわけだ、行為に」
士郎「でもその日のセイバーはなんだか疲れてたらしくて、ぐっすり眠ってたんだ」
士郎「俺はセイバーの可愛い寝顔を見て、なんだかムラムラも失せてきちゃって、特に意味もなく頭を撫でてたんだけどな……」
士郎「その時、アホ毛に直に触れちゃったんだよ、そしたらさ……」
士郎「セイバーが突然目を開けたんだ。一体どうしたのかと思ったんだが、どうやらそのとき覚醒したセイバーは、どうやらセイバーであってセイバーでない人格だったんだな」
士郎「いわば……黒セイバーってやつかな」
士郎「どうしていいかわからなかったよ。何しろ突然だったからさ」
士郎「前に遠坂と調子に乗ってセイバーのアホ毛に触れた時に、黒の側の人格が出てきたことはあるんだが……それでも黒セイバーとふたりきりでしっかりと話すのはその時が初めてだったんだ」
55:
士郎「だけど、ちゃんと話してみると、実は黒のやつ、結構面白いやつでな」
士郎「なんとなく話が弾んで、俺はつい口が滑って、セイバーとの営みが最近マンネリ気味なことも喋っちゃったんだ」
士郎「そしたら……黒のやつ、『私で良ければ付き合うぞ』なんて言うんだよ」
士郎「俺は嬉しくなっちゃって、その日から黒と一緒に試すようになったんだ、色んなプレイを……」
士郎「……ああ、一応言っておくけど、そんなにエグいのじゃないぞ。でも普段のセイバーに頼むのはちょっと憚られるような感じのプレイではあるな」
士郎「だけど……毎晩、ちょっとづつちょっとづつプレイの内容をハードにしていったら、そのうち黒のやつ『シロウ、これはさすがについていけない』とか言い出してな。どんなプレイでも付き合ってやるとか言ってたくれてたのにな……」
士郎「俺は柄にもなくちょっと責めちゃってな……せっかく普段のセイバーには頼めないあんなことやこんなことをしようとずっと妄想してたのにって、未練がましく文句をたれてしまったんだ……」
士郎「そしたらあいつ、スネて出てこなくなっちゃったんだよ……」
士郎「それから夜はセイバーと普通のプレイしかできてない……まぁ、それはそれで幸せなことなんだが、この下半身はそれだけじゃ満足してくれないんだよな……」
56:
桜 「せ、先輩……」
士郎 「ん? ああ、悪い。相当ぶっちゃけちゃったな。あんまり聞いてて気持ちいい話じゃなかったろ」
桜 「いや、そうじゃなくて……先輩、『どんなプレイでも』とまで言ってくれた黒さんに引かれるとか一体どんなプレイを要求したんですか……?」
凛 「(変態ね。もはや清々しいほどの変態ね)」
セイバー 「(……シロウ……。ちゃんと話してくれさえすれば、私だってどこまでもシロウの性の赴くままについて行くのに……)」
士郎 「で、この話にはまだ続きがあるんだがな」
桜 「あ、ああ、セイバーさんのアホ毛の話でしたもんね(プレイの内容はノーコメントですか……)」
士郎 「そうなんだよ」
58:
士郎 「昨日の夜な、久しぶりにセイバーの臥所に忍び込んでみたんだよ。そしたらセイバー、案の定寝ていてな」
士郎 「これはチャンスかも、と思って、俺はセイバーのアホ毛をちょんちょんと触ってみたんだ」
士郎 「だけどやっぱり、黒人格は出てこなくてな……」
士郎 「なんかだんだんイライラしてきて、ちょっと引っ張ってみたんだよ」
士郎 「言っておくけどほんとにちょっとだぞ? そしたらな……」
桜 「とれちゃったんですか?」
凛 「(とれちゃったのね……)」
セイバー 「(とられちゃったのですね)」
士郎 「そうなんだ、とれちゃったんだよ……」
59:
士郎「どう頑張っても、元の位置に戻せなくてな……」
士郎「瞬間接着剤とか使ってみても全然うまくいかなくてな……」
セイバー「(なるほど、朝やけに頭がベタベタしている気がしましたがそのせいでしたか)」
士郎「もう、どうしていいかわからなくて、昨日はくせ毛をそのまま机の引き出しに隠して寝ちゃったんだよ……」
士郎「今日の肉まんは、そんなセイバーに謝ろうと思って買ってきたんだ……まぁ、いなかったから渡せなかったけど……」
士郎「なぁ、桜。俺、どうやってセイバーに説明すればいいかな?」
61:
桜「うーん……全部、正直に言うべきじゃないでしょうか……」
士郎「やっぱりそうかな……」
桜「多少恥ずかしくても、カップルなら自分の性癖はきちんと伝えておくべきだし、何か悪いことをしてしまったら黙っているのはよくないと、私は思います」
士郎 「そうか……うん。わかったよ。今日、セイバーが帰ってきたら包み隠さず全部打ち明けるよ……」
セイバー 「その必要はありません。この場で全て聞かせてもらいました」ガラッ
64:
士郎・桜 「!?」
凛 「あーあ、ついに出ちゃったわね、セイバー。そのまま普通に知らんぷりして後でちゃんと謝ってもらえばよかったのに」
士郎 「遠坂も!?」
桜 「姉さん!?」
セイバー 「士郎。あなたの言い分はよくわかりました。まずは謝らせてください。士郎を臥所にて満足させられなかったのは明らかに私にも責任の一端があります。申し訳ありませんでした」
士郎 「セ、セイバー」
セイバー 「しかしですね、それをどうして私にしっかり伝えてくれなかったのですか。私はいつだってあなたの役に立ちたいと思っているのに」
士郎 「セイバー……」
65:
凛「ま、仲がいいからこそ、どこか伝達がうまくいっていないところってあるわよね。わかるっちゃわかるわよ」
桜「そうですね。でも、先輩もセイバーさんも、これからはきっと色々とうまくいきますよ」
士郎 「ふたりとも……なんかごめんな、心配かけちゃって」
セイバー「しかし、ここでしっかりと士郎の秘密が聞けて本当に良かった。危うく私はこれからずっと床の間で道化となるところでした。相手方の求めるところを知らずに身体を重ね合わせるなぞ、まったくもってピエロもいいところです」
士郎 「あー、ごめんな、本当に。ハハハ」
66:
セイバー 「ところでシロウ。わたしのくせ毛は今いずこに」
士郎 「ああ、今、俺の鞄の中に入ってるよ。今出すから……ゴソゴソ……ってうわっ」
桜 「きゃっ」
凛 「キャー! き、気持ちわるっ」
士郎 「こいつ動いてる……。トカゲの尻尾みたいだ……」
セイバー 「一体何を驚いているのですか。当たり前のことではないですか。さあ、早くそれを私に」
士郎 「あ、ああ」
67:
セイバー 「よいしょっと」
メチャ
セイバー 「ふぅ。これでやっと安心です」
士郎 「セイバー……今何やったんだ……」
セイバー「ご存知ありませんでしたか? 私のくせ毛は着脱可能なのです」
士郎「嘘だろ!?」
セイバー「It's removable.(クイーンズ・イングリッシュ)」
士郎 「い、一体どうなってるんだ……」
68:
セイバー「抜くのは簡単ですが再度付け直すのはコツが要ります。士郎のような初心者には無理でしょうね」ドヤァ
士郎 「そ、そうか」
凛 「なんて不可解な構造なの……」
桜 「ちょっと怖いですね、セイバーさんの頭」
69:
桜 「そういえば、先輩」
士郎 「ん、なんだ?」
桜 「その……少し気になるんですけど……」
凛 「やっぱりそうよね」
桜 「あっ、やっぱり姉さんも」
凛 「当然じゃない。あそこまでぶっちゃけたなら、いさぎよく最後までぶっちゃけてもらわないと」
士郎 「……どういうことだ?」
桜 「それは……」
凛 「もちろん……」
70:
桜・凛 「黒さんに最後にお願いしたプレイの内容です」「黒セイバーに最後に頼んだプレイのことよ」
士郎 「なっ!?」
凛 「いいじゃない。ここまで恥ずかしい思いしたんだから、いっそどこまで言っちゃったって一緒よ。白状しなさい」
桜 「先輩、私、すごく気になります」キラキラ
士郎 「そ、それは……悪い、ちょっと言えない」
凛 「何言ってるのよ。絶対ヒカないって約束してあげるから。早く早く」
士郎 「嘘だ! 絶対言わない。何をされようとここだけは引かないぞ、遠坂」
セイバーオルタ「ならば私が説明しよう」
士郎・凛・桜 「!?」
72:
セイバーオルタ 「私とて何の理由もなく拒否したりはしない。出てこなくなったのは、シロウの要求がちょっとヒカざるを得ないレベルだったからだ」
士郎 「ま、待て、それ以上は……」
セイバーオルタ 「うむ、あれは引いた。ドン引いた」
士郎 「頼む……頼む……」
凛・桜 「……」ワクワク
73:
セイバーオルタ 「そのプレイの内容とはだな――」
士郎 「セイバー、令呪をもって命じる。今すぐその口を閉じ……ムグッ!」
凛 「ちょっと! 大事な令呪をなんてことに使うつもり!?」
桜 「ふふふ、先輩。ここまできたらもう逃げられませんよ。性癖をカミングアウトしてスッキリしちゃいましょう♪」
士郎 「くぁwせdrftgyふじこlp(やめろ! 嫌だ! 頼む!)」
74:
セイバーオルタ 「赤ちゃんプレイだ」
士郎 「」
凛 「え?」
桜 「ちょ……、え?」
セイバーオルタ 「赤ちゃんプレイだ」
75:
桜「ど、どういうことですか……」
凛「わ、私、てっきりゴスロリとかスク水とか制服とか、コスプレ系のものだとばかり……」
セイバーオルタ「信じられないかと思うが本当だ」
士郎「ハ、ハハハ……」
凛「し、士郎。ごめんなさい。ちょっと私……」
桜「……」ハァハァ
士郎「ハハ……だから……だから言ったんだ……あれほど……」
78:
士郎 「そうだよ……赤ちゃんプレイだよ……」
士郎 「それに至るまでのちょっとアブノーマルなプレイは……みんな赤ちゃんプレイに至るまでのクッションのつもりだったんだよ……」
士郎 「俺がセイバーとしたかったのは……赤ちゃんプレイだったんだよ……」
士郎 「俺は……母親を早くに亡くしたから……」
士郎 「しかも当時は……なんか性に目覚めたての時期で……」
士郎 「そんな時期に……あんな事件が起きたから……」
士郎 「なんかおかしくなっちゃったんだよ……性癖が……」
士郎 「おかしくなっちゃったんだ! ひどいマザコン野郎だよ!」
士郎 「悪いか!? 悪いかよおおお!!」ダッ ガラガラガラ ピシャン
桜 「あっ、先輩!」
凛 「……桜。今はそっとしておいてあげましょう……」
80:
凛「私、ヒカないって約束したのに結局ヒイちゃったから……後で謝らなきゃ」
桜「……そうで……すね……」
セイバー「……」
凛「……セイバー?」
セイバー「……ハッ。記憶が飛んでいる。一体何が」
凛「あっ、今頃ふつうのセイバーに戻ったのね」
桜「記憶の引き継ぎとかどうなってるんでしょう。黒い方はふつうのセイバーさんの時の記憶も持っているようですけれど……」
凛「細かいことは気にしちゃダメよ桜」
セイバー「あれ? シロウ、シロウはどこです?」
84:
桜「今しがた、外に飛び出していきました……」
セイバー「シロウが? 一体何故」
ワシッ
セイバー「? なんですかリン。どうして突然肩を……」
凛「……セイバー。今の士郎を慰めて慰めてあげられるのはあなたしかいないわ」
セイバー「???」
凛「これから言うことをよく聞いてね、セイバー」
86:
セイバー 「どうしたのです、凛。一体何があったというのです」
凛 「いいから聞いて。あのね。あなたは今から士郎のところへ言って、真摯に話を聞いてあげるの」
凛 「それでね、士郎がセイバーとしたかったプレイの内容を、もう一度ちゃんと尋ねてあげるの」
セイバー 「は、はぁ」
凛 「で、もしその場で、士郎が何を言おうと、絶対にドン引きしないであげてほしいの」
87:
セイバー「当然です! 士郎が望むなら何だってしましょう」
凛「うん。その意気よ、セイバー……今から行けばまだ間に合うと思うわ」
凛「それと、私と桜が謝っていた、反省してるって伝えておいて。後でまたちゃんと謝罪するけどね」
セイバー「……なんだかよくわかりませんが、私が士郎を癒してあげなくてはならないのですね」
凛「そうよ」
セイバー「ならば急がねば。では」 タタタタッ ガラガラ ピシャン
桜「セイバーさん……大丈夫でしょうか……?」
凛「セイバーなら、セイバーならきっと大丈夫なはずよ……」
88:
公園のブランコにて
士郎 「はぁ……」
士郎 「これ以上恥ずかしいことなんて……他にないだろ……」
士郎 「明日から遠坂や桜にどんな顔して話しかけたらいいんだ……」
士郎 「もう……死のうかな……」
セイバー 「シロウ!」
士郎 「セイバー!?」
89:
セイバー 「探しましたよ、シロウ」
士郎 「うっ、そ、そうか。でもなんで」
セイバー 「リンに頼まれたからです。あなたを慰めてあげてほしいと」
士郎 「と、遠坂が?」
セイバー 「はい。それと、リンとサクラが謝っていました」
士郎 「そ、そうか……」
セイバー 「それとシロウ。教えて欲しいことがあるのです」
90:
セイバー「その……シロウが私にしてほしかったプレイとは……一体何だったのですか?」
士郎「……」
士郎「ごめん。セイバー。それは……言えない」
セイバー「何故です!? そこまで私は信用がおけませんか?」
士郎「……だって……」
士郎「セイバーにも……遠坂や桜みたいに……ドン引きされたら……俺はもう立ち直れない……」
士郎「だから……無理だ……」
士郎「俺はこの満たされない思いを……ずっと引きずったまま……生きて……」
ギュッ
士郎「……?」
91:
セイバー 「シロウ。約束しましょう」
セイバー 「シロウがどんなことを私に望んでいようと、私は絶対にシロウに失望したりしないと」
セイバー 「だって……だってあなたは……」
セイバー 「私の……鞘なのですから……」
92:
士郎 「……セイバー」
セイバー 「だから、打ち明けてください。あなたの心と身体が求めるところを。私はどこまでもついていきましょう。貴方に収まる剣として」
士郎 「ううっ、セイバー!」
セイバー 「シロウッ!」
ガシッ
93:
士郎「俺が……俺がバカだった。最初から素直にセイバーに言うべきだったんだ……」
セイバー「いいのです。いいのですよ」
士郎「ありがとう……ありがとうセイバー」
士郎「言うよ……セイバー。怖いけど、セイバーに俺の性癖を打ち明ける……」
セイバー「はい」ニコリ
士郎「セイバー……俺はな……」
94:
衛宮邸
凛「……シロウたち……遅いわね……」
桜「遅いですね……」
凛「もしかして……勢い余って心中したりしてないわよね?」
桜「そっ、そんなことありません! 絶対大丈夫ですっ!」
凛「そっ、そうよね。あの二人に限って、そんなことは……」
ガラガラガラ
セイバー「ただいま帰りました」
凛・桜「セイバー!」「セイバーさん!」
ダダダダダ
95:
玄関
凛「士郎!」
桜「先輩……」
セイバー「ふふ、二人共。心配しましたか?」
凛「そりゃあ、そうよ……」
セイバー「でももう大丈夫。心配には及びません。万事解決しました」
桜「え、それってつまり……」
セイバー「はい。そういうことです」
97:
凛「セイバー、つまりあなたは……士郎の……その、性癖を……」
セイバー「受け入れられます。当然でしょう」
凛「え、偉いわセイバー。私にはちょっとできないことね……」
セイバー「ふふ。リン、人は愛する者のためならばどんなことでもできるのですよ」
桜「あの……」
セイバー「なんでしょう」
桜「さっきから、先輩が一度も話してないんだけど……先輩、大丈夫ですか……?」
士郎「……」
98:
士郎 「……ばぶぅ」
凛・桜 「」
士郎 「ばぶぅー」
103:
セイバー 「ああ、私がシロウの性癖を受け入れることを伝えたら、すぐにでも始めたいと言いまして」
セイバー 「つまり臥所に入る前からプレイは始まっているということです。前戯のようなものです」
セイバー 「ということで、私たちは今から二人だけの時間を過ごしますので、申し訳ないですが……リン、サクラ」
凛 「あ……うっ、うん! すぐにお暇するわっ。桜。帰りましょう」
桜 「はっ、はい! そうですね。帰りましょうか……」
セイバー 「ありがとうございます。ではシロウ。寝床へ行きましょうか」
士郎 「ばっぶぅー」
セイバー 「ふふふ。シロウちゃんはいい子でちゅねー。ママがたっぷり可愛がってあげますからねー」
士郎 「ばぶばぶ!」
凛・桜 「」
108:
帰り道
桜「……」
凛「……」
桜「あれで……良かったんですよね……」
凛「……いいんじゃないかしら……当人たちが幸せなら……」
桜「そうですね……」
凛「……」
桜「……」
110:
凛 「でも……なんかちょっといいわね……」
桜 「……何がですか?」
凛 「いや、だから。ああいう、相手のどんな側面でも受け入れられる寛容さっていうのかな。親しい間ならではのそういうところ」
桜 「……」
凛 「桜もそう思わない?」
桜 「……はい。そうですね」
凛 「ね、いいわよね。ああいうの」
桜 「……」
113:
桜 「……あのっ……」
凛 「ん? どうしたの、桜」
桜 「私も、実は、人には言えない性癖……あるんです……」
凛 「……は?」
桜 「今までずっと隠してきたけれど……実はあるんです……姉さん」ポー
凛 「そっ、そうなの? でも、そんなの別に私に言う必要……」
118:
桜「姉さんっ、一日だけでいいんです……男装を……男装をして……」
桜「わっ、私の……パパとして……その……私と一緒に……」
凛「」ダッ
桜「ねっ姉さんっ! 待ってください! 私たち姉妹じゃないですかぁー! 受け入れてください! 姉さぁーん!」ダダダダ
凛「いやぁあぁぁぁあぁ!!!」
THE END
119:

120:
面白かった

12

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