ジャム「アンパンマン!やめておくれ!」back

ジャム「アンパンマン!やめておくれ!」


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1:
アンパンマン「アンパンチッ!」ドゴォッ
ジャム「うがっ……!や、やめてくれ……アンパンマン……」
アンパンマン「ねえ、ジャムおじさん……早くお金を出してくれないかなぁ……お金をくれるまで僕は殴るのをやめないよ?」
ジャム「はぁはぁ……アンパンマン、わがパン工場は赤字続き……これ以上の無駄な出費は……!」
アンパンマン「フンッ!」バシィッ
ジャム「うごぉッ!」ガクンッ
アンパンマン「ジャムおじさん、もう一度言うよ……僕にお金を出してくれる?それとももう一発ブチ込まれたいかい?」
ジャム「うぐ……こ、これを……」すっ
アンパンマン「やれやれ、最初から出してくれれば痛い目にあわずに済んだのに……3万か……まあいいよ。受け取っておいてあげる」
10:
ジャム「アンパンマン……まさか自分の使命を忘れたわけじゃあないだろうな?そのお金は何に使う?またパチンコか?酒か?それとも風俗か?」
アンパンマン「アンパンチッ!」ドゴォッ
ジャム「がはっ……!」ガクンッ
アンパンマン「ジャムおじさんには関係ないよ。これはもう僕のお金だ。何に使おうと僕の勝手だろう?それに僕は自分の役目を忘れたわけじゃない……ただ、仕事をするにしても最近僕の顔、出来が悪くて調子が悪いんだよ。おじさん、手を抜いているんじゃないかい?」
ジャム「そ、それは……資金繰りが困難になって……今までのようにしっかりしたアンパンマンの顔を作る材料が買えなくなったのだ……そのためおもに業務用スーパーで買い揃えた安い材料を使って……」
11:
アンパンマン「アンパンチッ!」ドゴォッ
ジャム「げほぉっ!」ばたっ
アンパンマン「僕をバカにしているのかい?僕は高級志向なんだ。そんなチープな材料を使うんじゃない。次の顔はまともな材料で作るんだ。勇気の花もたっぷり使ってな。わかったかい?」
ジャム「はぁはぁ……ぅぐ……」
アンパンマン「やれやれ……それじゃあ僕はそろそろ行くよ。じゃあね」ヒューン
14:
ガチャッ
チーズ「アンアーン」
バタコ「ただいまー……え?おじさん!?どうしたの!?大丈夫!?」
ジャム「アンパンマンにやられた……お金を渡すのを拒んだら……これで何度めだろう……」
バタコ「またアンパンマンに……!」
ジャム「欲望にまみれてしまったあいつは以前のような生真面目で正義感にあふれたアンパンマンじゃない……ただのクズだ……」
バタコ「このままじゃジャムおじさんの体がもたないわ……大丈夫、私に任せて」
チーズ「アン……」
17:
ガチャッ
一同「!」
アンパンマン「煙草忘れた……えっと、どこに置いたっけ」
バタコ「アンパンマンッ!」
アンパンマン「ん?バタコさん、帰ってきていたんですね。どうしたんですかそんな怒った顔して……」
バタコ「いい加減にしなさい!またジャムおじさんを殴ってお金を取ったでしょ!?毎日遊び歩いて仕事もせずに!あまえてんじゃあないわよ!」バシィッ
アンパンマン「痛っ!いきなりビンタなんてひどいですよバタコさん。それに僕は仕事に行くために外に出たんですよ?」
バタコ「ウソおっしゃい!どうせパチンコにでも行くつもりだったんでしょ!?」
アンパンマン「ウソなんかじゃないですよ。人助けは僕の大切なお仕事ですからね。僕が街のみんなのために働けばパン工場のイメージが上がる。売り上げもアップする……おかげであなたもこうやって生活できてるんですよ?わかっているんですか?」
19:
バタコ「黙りなさい!近頃じゃあアンパンマンのせいでイメージアップどころかどんどんパン工場のイメージが下がっているのよ!」
アンパンマン「はい?」
バタコ「顔を食べさせた子どもの親から多額の金銭をせびる、昼間から酔っ払って一般市民をアンパンチでボコる、ピンチを助けた女性に性的な行為を強要する、空を飛べるのをいいことに露天風呂の女湯を覗く……一例だけでもこんなものね。街での評判は落ちる一方よ」
アンパンマン「ふん……そのくらいいいじゃないですか。それに僕を批判したところで街のみんなは僕に頼るしかないんだ……ばいきんまんの襲撃から市民を守ることができるのは僕くらいだからね」
バタコ「アンパンマン……私、知っているわ。あなたがばいきんまんと内通していること。襲撃はお互いで秘密裏に計画していること」
アンパンマン「え?」
バタコ「おかしいと思ったのよ。最近、あなたとばいきんまんの戦闘が演技じみていることを……以前のように真剣に命の取り合いをしているようには到底見えない。あらかじめ決められた段取りを淡々とこなしているようにしか見えないのよ」
アンパンマン「……」
23:
バタコ「あなたがばいきんまんを撃退するたびに多額の謝礼金が舞い込んでくるからね……その金額の一部をばいきんまんに掴ませる約束をし、形だけの襲撃を依頼する……考えたものね」
アンパンマン「……だからなんだっていうんですか。おかげでパン工場にもお金が入ってくるじゃないですか」
バタコ「謝礼金は全部あなたが受け取っているじゃない!そしてその日のうちに豪遊して使い尽くす!ふざけんじゃあないわよ!家賃くらい支払いなさいよカスパンマンッ!」
アンパンマン「……黙れクソビッチが」ボソッ
バタコ「!」
アンパンマン「言いたい放題言いやがって!いい子ぶるのはもう終わりだ!くらえッ!アンパンチッ!」ブォンッ
バタコ「無駄よッ!」パシィッ
アンパンマン「な!?アンパンチを受け止めるなんて!?」
バタコ「何百回とあなたの顔を投げているうちに私の腕は鍛えられていった!アンパンチを受け止めるくらい造作もないわ……!」ググググ
アンパンマン「くッ……!」
27:
バタコ「……街の襲撃だけじゃない。あなた、ばいきんまんと結託し、闇にまぎれてあらゆる反吐が出るような悪事をこなしているでしょう……すべて調べさせてもらったわ!」ガシィッ
アンパンマン「!」
バタコ「目を覚ましなさいアンパンマンッ!オラァッ!」ブンッ
ズッシャアアアアッ
アンパンマン「うがああッ……!」ガクンッ
ジャム「バタコが鍛え上げられた投擲の技術でアンパンマンをブン投げて壁に打ち付けた!」
アンパンマン「うぐぐ……クソッ!覚えてやがれッ!」バッ
ヒューンッ
バタコ「行ってしまったわね……どうにか真人間に戻ってくれればいいのだけれど……そんなにうまくいくはずないか」
ジャム「アンパンマン……」
チーズ「アンッ!アンッ!」
30:
――翌日の朝
ジャム「むにゃむにゃ……結局アンパンマンは帰ってこなかった……さて、目覚めのコーヒーでも飲むか……ん?」
ボゥゥゥゥ……
ジャム「パン釜に火が……?バタコがパンを焼いているのか?いや、バタコはまだ眠っている……それじゃあ……?」
ゴォンッ!ゴォンッ!
ジャム「!?なんだ、このぶつかるような音は……まさか……中に誰かいるのか!?た、大変だ!生きたまま焼かれているんだ!外に出ようとぶつかる音だ!」グイッ
ドッギャーーーーン
チーズ「KYYYAA???N!!」メラメラ
ジャム「チーズーッ!」
33:
――
バタコ「そ、そんな……チーズが……!」
ジャム「あまりにひどい亡骸だったのでな……おまえが起きる前に庭に埋めておいたよ……」
バタコ「きっとアンパンマンの仕業だわ……!チーズは何も悪くないのに!ただやたらアンアン鳴いてやかましくて鬱陶しくて煩わしいだけなのに……!ひどい……!」
ジャム「それでだ、バタコ。その後車庫を調べたところアンパンマン号が盗まれていた」
バタコ「え?」
ジャム「それだけじゃない。アンパンマンの顔を作るレシピ、倉庫に保管していたありったけのパンの材料、勇気の花も無くなっていた……おそらくすべてアンパンマンの仕業だろう。彼がもっとも恐れているのは自分の顔の補填が出来なくなることだからな」
バタコ「つまり自分で自分の顔を作ることにより弱点を克服しようとしている……」
ジャム「バタコや気を付けるんだ……アンパンマンにとって最早わしらは用済み……ヤツの悪事を知っているわしらを葬ることに躊躇などしないだろう……」
34:
だんだんジョジョっぽくなってねえか
35:
――数週間後
ジャム「……あれ以来アンパンマンはまったく姿をあらわさない……ばいきんまんの襲撃も無い……なんだか不気味だな……」
バタコ「ただパンは美味しくなったって好評よ。アンパンマンにかかっていた諸費用を販売用のパンに充てることができるようになったからね。今日もうちのパンを扱いたいってお店から電話があったわ」
ジャム「そうか、それはありがたい話だ……でもどうにもアンパンマンのことが気になるんだ……なにか不吉な予感がするのだよバタコや……」
バタコ「それは私もよ……そう思って少し前からしょくぱんまんとカレーパンマンにアンパンマンのことを調べてもらっているわ。今のところ目立つ情報はないけれどね」
ジャム「うーむ……いったいどこで何をしているんだアンパンマン……」
38:
――次の日の夜
ジャム「バ、バタコ……!さっき荷物が届いたのだが中身を見たら……!」
バタコ「こ、これは……!」
しょくぱんまん「……」シーン……
カレーパンマン「……」シーン……
バタコ「しょくぱんまん……顔を8枚切りにされて苦悶の表情を浮かべながら絶命している……カレーパンマンは……口の中に限界までクリームシチューを詰め込まれている……窒息死……」
ジャム「む、むごすぎる……まさかこれもアンパンマンが……?」
バタコ「おそらく……アンパンマンを嗅ぎまわっていた2人は存在を感付かれて始末された……ん……?これは……手紙かしら?」
『ツギ ハ オマエラ ダ』
40:
バタンッ
ジャム&バタコ「!」
カバオ「うぁぁぁ……たぁずげてぇぇぇ……ジャムおじさぁぁんバタコさぁぁあん……」ズルズル
ジャム「カ、カバオ君!どうしたんじゃ!?全身がカビに覆われて……肉がグズグズに朽ちている……!カバ特有の病気か!?」
カバオ「街でぇぇ……アン……パンマンとばい……きん……まんがぁぁ……ぁ」グタッ
バタコ「カバオ君!?アンパンマンとばいきんまんがどうしたの!?ねえカバオ君!」
カバオ「……」シーン……
ジャム「ダメだ……死んでいる」
バタコ「ジャムおじさん!街へ急ぎましょう!」
42:
カバ特有の病気か で吹いた
43:
――街
アンパンマン「アーハハハハハッーーー!行けー!強化型かびるんるん!住民どもを一人残らずカビ殺せ!金目の物はすべて奪え!躊躇はするな!もうこの街には用済みだ!徹底的にやるんだ!僕は空の上から高見の見物さ!」
ばいきんまん「……」
かびるんるん達「カビィィィ!!」
「う、うわあああ!やめろてくれぇぇ!!ああああ体がぁぁぁ!カビていくぅぅぅ!うあぁぁ……ぁぁ……ぁ……」
「く、来るな…!う、うわああああ!アンパンマン!た、助けてくれえぇぇ!ぎゃああああぁぁ……ぁぁ……」
アンパンマン「アーハハハハハッー!人助けなんていうクソくだらないボランティアなんかよりこっちのほうが手っ取り早く稼げていい感じだ!何日もかけて新型のかびるんるんを作り出した甲斐があったってもんだ!なあばいきんまんよぉ!」
ばいきんまん「あ、ああ……」
46:
バイキンマンどん引きwwwwww
47:
バタコ「アンパンマンッ!」
ジャム「アンパンマン……なんてことを……!」
アンパンマン「んん?あれれー?ジャムおじさんにバタコさんじゃあないか。まだ死んでいなかったんだね……ふんっ」
バタコ「堕ちるところまで堕ちたわねアンパンマン……正気の沙汰とは思えないわ」
アンパンマン「なんとでも言いな!もう正義のヒーローごっこは終わりだ!この街を壊滅させたらまた次の街で略奪行為だ!楽に儲かるうえにこんなに楽しいことは無いね!アーハッハッハッハハ!」
ジャム「アンパンマン……しょくぱんまんとカレーパンマンを殺したのもおまえなのかい?」
アンパンマン「そうさ!あの二人はどうやら今日の計画について知ってしまったようだからな……バカなやつらめ。ハッハッハッハッハ!」
バタコ「クズめ……!」
アンパンマン「くだらないおしゃべりはおしまいだ!かびるんるん!この老いぼれと糞ビッチをやっちまえ!死体も残らないくらい盛大にな!」
かびるんるん達「カビカビィィィ!」
バタコ「くっ……!」
50:
「やれやれでござる」
かびるんるん達「!」
シャキンッ ズバァッ バサッ
かびるんるん達「カ……ビ……」バタッ
おむすびまん「ふん……他愛ない……バタコさん、ジャムおじさん、お怪我はありませんか?」
バタコ「おむすびまんさん!生きていたのね!」
おむすびまん「ふふふ……あっしはそう簡単にはくたばりませんよ」
「ぼくもここにいるよ!」
バタコ&ジャム&おむすびまん「!」
クリームパンダ「パンダじゃないやいクリームパンダ!」バァーン
バタコ「え……?あ、あぁ……はい」
52:
クリームパン嫌われてるだろwwww
54:
アンパンマン「おむすびまんにクリームパンダだと……?ふんっ!関係ない!かびるんるん!行けッ!連中をまとめてカビ殺せ!」
おむすびまん「やれやれ……あっしの仕込み刀の前にかびるんるん風情がかなうとでも?」シュバッ
かびるんるん達「……」バタッ
ジャム「さすがおむすびまん!」
おむすびまん「ジャムおじさん、バタコさん!かびるんるんたちはあっしがすべて切り捨てるでござる。あっしから離れないでくださいな」
クリームパンダ「ぼくはアンパンマンをやっつけるぞぉ!」ヒューン
アンパンマン「!」
57:
クリームパンダ「行くぞぉアンパンマン!必殺!グー、チョキ、パ」
アンパンマン「アンパンチッ!」ドゴオオオオォッ
ズッシャアアアアアッ! 
クリームパンダ「ぎゃあああ!……ああぁぁ……ぁぁ……」
しゅううううう……
ジャム「ア……ア……!な、なんということだ……!アンパンチを食らったクリームパンダちゃんの体が四方八方に爆散して消滅してしまった……!」
アンパンチ「馬鹿なガキめ!必殺技の名前など叫んでいるから隙が生まれるんだ!この僕がクリームパンダごときに負けるものか!アーハッハッハッハ!」
61:
バタコ「なんなのあの破壊力は!?あんなアンパンチは今まで見たことがないわ……!」
アンパンマン「クックックッ!今の僕の顔は最高級の素材、ありったけの勇気の花のエキスを仕込んで作ってある!それによって僕のパワーは限界まで引き出された!元気1000倍ってやつだァーーッ!アーハッハッハッハー!」
おむすびまん「隙ありでござるッ!投げ笠ッ!」ブンッ
アンパンマン「笠ァ?ふん!くだらない!弾き落とすッ!」バシィッ
ズバァッ
アンパンマン「え……!?な、なんだ!?笠は落としたのに……飛んできた他の何かがマントを引き裂いた……?」
バタコ「かかったわねアンパンマン。おむすびまんさんに続いて私もナイフを投げたのよ……あなたはおむすびまんさんの声と笠に気を取られていて気付かなかったようだけど」
アンパンマン「うわあああああ!!そんなしょうもない作戦でこの僕がぁぁぁぁ!落ちるうううう!……ぐあぁ……!」ドサァッ
66:
ジャム「落ちたぞ!やったか!?」
アンパンマン「……クソがぁぁぁぁ!落ちた拍子に顔がへこじまったあああ!!絶対に許さねえええええ!!アンパンチッ!」ドゴォッ
バキィッ
ジャム「!?ぐあああああッ!う、腕がああああ!」ガクンッ
アンパンマン「パワーは落ちちまったがおまえらをなぶり殺すにはこのくらいで十分だああああッ!アンパンチッ!」ドゴォッ
バキバキィッ
ジャム「ぐあああああッ!うぐぅ……!」グタッ
バタコ「ジャムおじさーーーん!」
73:
アンパンマン「さてと、次の一撃で終わりかな……老いぼれよ。おまえの手によって僕はこの世に生み落とされた……いうなればおまえは僕の父親……」
ジャム「はぁはぁ……ぅぐ……!」
アンパンマン「だが容赦はしないッ!おまえを殺して僕は『正義のヒーロー』としての運命から脱出するんだッ!とどめだッ!アンパ……!」バッ
ジャム「うがああッ!」スッ
アンパンマン(!?ナイフを取り出した……!?だが無駄だッ!ナイフぐらいでこの僕を倒せるわけが……)
ジャム「ざあああっしゅッ!」グサァッ
ドッピュアアァァァ!
アンパンマン「な、なにィ!?自分の腹にナイフを突き刺した!?う、うわああああ!か、返り血があああぁぁぁぁぁ!か、顔があああぁぁ!目がぁぁぁぁ!」
76:
ジャム「はぁはぁ……アンパンマン……おまえは完全に暗黒面に堕ちてしまった……息子の不始末は……父親のわしが責任をとらないとな……!これがわしの覚悟だ……!ぅぐ……」
アンパンマン「老いぼれがあああ!ちくしょおおお!顔が汚れて力が出ないぃぃぃ!おい!ばいきんまん!アンパンマン号に戻ってさっさと僕の新しい顏を持ってこい!」
ばいきんまん「……」
アンパンマン「返事をしやがれッ!おいッ!ばいきんまんッ!……けっ!役立たずのカスめ!もういい!自分で取りに行……」
ズバァッ バシュッ シュバッ ザァッシュッ
アンパンマン「……え?」
おむすびまん「斬り捨て御免でござる……」チャキッ
アンパンマン「ぐ……ぐああああああ!!僕の四肢があああああぁぁぁ!」バラバラバラバラ……
82:
バタコ「アンパンマン……勝負あったわね……完全にあなたの負けよ……」
アンパンマン「クソが……クソがぁぁぁぁぁ!おいッ!ばいきんまんッ!いつまでボーっと突っ立ってるんだッ!早くこいつらを殺せッ!ブッ殺すんだッ!早くしろおおおおッ!」じたばた
ばいきんまん「……アンパンマン、もうやめよう……俺様たちは超えてはいけない一線を越えてしまった」
アンパンマン「な!?なにを言ってやがるばいきんまん!?」
ばいきんまん「おまえは『プラス』で俺様は『マイナス』……そのバランス関係が俺様は好きだった……だが今のおまえは『マイナス』……この俺様を戦慄させるほどの『マイナス』……バランスはもう元には戻らない……」
アンパンマン「な、なにを言っている!意味が分からないぞ!」
86:
ばいきんまん「もう俺様はおまえになんの魅力も感じない……金や悪事、世の中のあらゆるものにも……今まで気づかなかったがアンパンマン、おまえは俺様の生きる目的だったんだな……」
アンパンマン「な、なにを……なにを言っているんだばいきんまんッ!」
ばいきんまん「……かびるんるんッ!命令だッ!アンパンマンの息の根を止めろッ!」
アンパンマン「えっ……!?」
かびるんるん「KABYYYYYYY!!!」ドドドドドドドド
アンパンマン「や、やめろッ!やめろおおおおおッ!クソッ!クソがあああああ!このアンパンマンが死ぬだとぉぉぉ!?このアンパンマンがあああああぁぁぁぁ……ぁぁぁ……ぁぁ……!」
グシャアッ
アンパンマン「……」シーン……
90:
バタコ「アンパンマンが……死んだ……」
ばいきんまん「おい、バタコ……強化型かびるんるんたちの弱点は紫外線だ……夜明けとともに太陽の光によって消滅するだろう……そしてアンパンマン号には俺様たちが集めたありったけの金が詰めてある。汚い仕事で集めた金だが……街の復興にでも使うがいい」
バタコ「え……?」
ばいきんまん「そして……サヨナラだ……」すっ
ゴクンッ
バタコ「や、薬用石鹸を丸ごと飲み込んだ……!い、いけない!ばいきんまんッ!」
ばいきんまん「ぅ……が……!来世でも会えることを期待しているぞ……アンパンマン……!」バタッ
バタコ「ば、ばいきんまん……!ばいきんまんッ!」
93:
―――
――数年後の街
ブロロロロロロ……
バタコ「……街は今日も平和ね……誰もアンパンマンとばいきんまんがいたことなんて覚えていないみたい」
ジャム「そうだな……だがわしらは彼らを忘れてはいけない……あの日の街の傷跡と犠牲もな……」
バタコ「ねえ、おじさん?もしこの街に『悪』がやってきたらまたパン戦士を作ろうと思う?」
ジャム「もちろんだよバタコや……ばいきんまんがあの日言っていたように『マイナス』があるところには『プラス』が必要なのだ……それがバランサーであるわしの役目……」
95:
バタコ「……」
ジャム「だがアンパンマンの悲劇は二度と繰り返さない……二度と……可哀相なアンパンマンよ……すまぬ……すまぬ……」
バタコ「……おじさん。街のみんなにおいしいパンを届けるのが今の私たちの役目でしょ?みんなが私たちのパンを待っているわ。ほら、暗い顏をしないで!」
ジャム「……そうだな。いつまでもうじうじ悩んでも仕方ない……行こうかバタコ」
バタコ「そうよ!行きましょうジャムおじさん!私たちの戦いはこれからよ!」
ブロロロロロロ……
おわり
96:

97:
何このばいきんまんイケメン
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