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アヴドゥル「わたしの下着を盗ったのは誰だ」


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1:
アヴドゥル「正直に言えば許してやる!さっさと名乗り出ろッ!」
ポルナレフ「ハァ?」
ジョセフ「突然なんじゃあ??」
承太郎「つまらん冗談だぜ」
アヴドゥル「冗談じゃあない!わたしの下着が無くなったのだ!」
花京院(アヴドゥルさんの下着が無くなった!?)
花京院「なんてことだ・・・・・・これは由々しき事態だぞ」
2:
ポルナレフ「なんで俺たちが疑われなくちゃあなんねえんだよ」
アヴドゥル「周りをみろポルナレフ、ここは砂漠だ。我々の他に人間はどこにも見当たらんだろう」
ポルナレフ「俺たちが盗る理由も見当たらねえだろ」
アヴドゥル「それは・・・」
ジョセフ「どーせ、風に飛ばされて無くなっちまったんじゃろう」
承太郎「やれやれ、ブリーフ一枚でギャーギャー騒ぎやがって。やかましいったらねえな」
アヴドゥル「・・・しかし・・・・・・」
ジョセフ「くだらんのう、もうシュラフに入ってとっとと寝るぞ」
花京院「ちょっと待ってくださいジョースターさん」
ジョセフ「なんじゃ花京院。明日も早いんじゃ、早く寝ないと辛いのはお前さん自身だぞ」
花京院「こんな状態じゃあ、寝るなんてできませんよ」
ジョセフ「なに?」
4:
ジョセフ「こんな状態とはどんな状態だ」
花京院「どんなって・・・・・・アヴドゥルさんのパンツがなくなったんですよ!?」
ポルナレフ「それがどうしたんだよ。パンツの一枚や二枚、誰だってなくすことはあるだろ」
花京院「どうしてピンポイントに、そんな大事な物をなくすと思う?!」
ポルナレフ「知らねえよ」
花京院「これは・・・アヴドゥルさんがなくしたんじゃあない!」
花京院「この中の誰かがッ!アヴドゥルさんのパンツを盗った・・・・・・そうとしか考えられん」ババァーーーーーーーーーンッ
承太郎「!?」
ジョセフ「なにぃ!?」
ポルナレフ「ハァ!?」
アヴドゥル「花京院・・・」
6:
花京院「アヴドゥルさん、いいんです。なにも言わないでください。あなたは被害者だ」
アヴドゥル「・・・・・・」
花京院「強きに立ち向かい弱きを守る、それがぼくの信条ですから。被害者であるアヴドゥルさんの味方につくのは当然のことです」
アヴドゥル「頼もしいヤツが味方についてくれたようだ」
ポルナレフ「お、おい・・・」
ポルナレフ「おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい」
ポルナレフ「花京院まさかおまえ、本気なのか?・・・本気で、おれたちの中にアヴドゥルの下着を盗った犯人がいると思ってるのか!?」
花京院「パンツはひとりでに歩いたりせんからな」
アヴドゥル「さあ!今名乗り出れば、おとがめナシだ!とっとと白状することだな」
花京院「わかったかポルナレフ」
ポルナレフ「だからおれを一番に疑うのはヤメロ」
承太郎「・・・・・・やれやれ、ウンコの次はパンツか」
7:
承太郎「どうするじじい」
ジョセフ「ウ、ウーム・・・」
ジョセフ「思うに花京院、やはりワシらにアヴドゥルのパンツを盗る理由が見当たらん。アヴドゥルのパンツが無くなったからといって、仲間を疑うのはどうかと思うぞ」
花京院「・・・・・・」
花京院「しかし、現にアヴドゥルのパンツは無くなっているじゃあないですか」
アヴドゥル「ジョースターさん、わたしは今俗に言うノーパンなんです」
ジョセフ「!?」
ポルナレフ「・・・オエーッ!わざわざ報告することかよ」
ジョセフ「ア・・・アヴドゥルお前、替えのパンツくらい用意しておけよ」
アヴドゥル「・・・洗う暇が見つからず、つい・・・」
承太郎「つまり、使用済みのはまだ残ってるってことか。いい考えがあるぜ」
花京院「聞こう」
8:
承太郎「使用済みパンツを裏返してはくんだ。これなら汚くねえだろ」ババァーーーーンッ
ポルナレフ「うそだろ承太郎」
花京院「まさかきみ、それ・・・」
承太郎「二日続けて同じ面をはくよりマシだろ」
ジョセフ「そのとおりじゃ」
ポルナレフ「きったねえ!エンガチョーーーッ!!キレイ好きのおれからしてみたらにわかには信じらんねえことだぜ・・・」
アヴドゥル「・・・アドバイスをしてくれたのに申し訳ないが承太郎、それは既にやってある」
ポルナレフ「マジかよアヴドゥル。・・・お前ら不潔すぎだろ」
花京院「ということは、アヴドゥルが盗られたのは片面使用済みパンツということか」
花京院「・・・両面使用済みパンツじゃあないということは、アヴドゥルの使用済み目当てじゃあないということですね・・・・・・よかった」
ポルナレフ「おい、色々とおかしいだろ」
9:
花京院「ともかく、アヴドゥルは今ノーパンであり、はけるパンツはゼロ」
ジョセフ「両面使用済みパンツをはけばいいじゃろ」
アヴドゥル「さすがにそれは汚いかなと思いまして」
ポルナレフ「どっちもかわんねーよ」
花京院「砂漠の夜は冷える。もしパンツをはかずに夜を過ごしたらどうなると思う?」
ポルナレフ「・・・チンポジがよけいに定まらなくなる?」
花京院「なにを言ってるんだお前は」
承太郎「チンポが風邪をひいちまうな」
花京院「その通り!」
ポルナレフ「おい!」
花京院「ですから、とっとと犯人を探し!アヴドゥルにパンツを返すよう説得しなくちゃあならないッ!」
花京院「というわけで、犯人が見つかるまで寝るわけにはいきません。関係のないみなさんにも協力してもらいますよ」
承太郎「やれやれ、こいつは面倒なことになった」
10:
ジョセフ「まあ、少しなら付き合ってやるか」
アヴドゥル「ありがとうございます、ジョースターさん」
花京院「では、まず」
ポルナレフ「くだらねえ。おれは寝るぜ。見張りは頼んだ」
花京院「!」
花京院「やはりきさまが犯人か!この変態!」エメラルドスプラッシューーーーーッ
ドバドバアーーーーーーーッ
ポルナレフ「うお!危ねぇ!!!」サッ
ポルナレフ「い、今本気だったろッ!味方に攻撃するとはなんてヤツだ!!」
花京院「ぼくはパンツを盗って喜ぶような変態には容赦しない」
ポルナレフ「盗ってねえよ、いい加減にしろ!」
承太郎「疑われたくなきゃ、話に参加しろ。おれが犯人だと言っているようなもんだぜ」
ポルナレフ「チッ!・・・・・・ああわかった、わかったぜ。クソ!犯人探しに付き合ってやる」
13:
花京院「ではまず、どうしてアヴドゥルの下着を盗ったのか・・・・・・これについて考えてみたいと思う」
ポルナレフ「ア?一人ずつ問い詰めるんじゃあねえのか?」
花京院「そんな方法じゃあ朝日が昇ってしまうだろう、犯行理由を推測した方が犯人候補をあげやすいじゃあないか」
ポルナレフ「・・・まあ、それもそうか」
花京院「アヴドゥル、なにか心当たりなどはありませんか?」
アヴドゥル「・・・これといって思い当たるようなことはないな」
花京院「・・・・・・そうか。ではアヴドゥルに拘らず、『パンツ』が盗まれる理由について考えてみますか」
ジョセフ「パンツを出しっぱなしにしたとか?盗りやすい位置にあったとかかのう?」
アヴドゥル「パンツや替えの服は常に、全てこの袋に入れてあります。パンツなんて着替えの時くらいしか出し入れしませんよ」
ジョセフ「・・・出しっぱなしじゃあなかったのだとすると、犯人はアヴドゥルの荷物を漁ったと考えて間違いないのう」
アヴドゥル「・・・・・・なんてことだ」
花京院「いくら気のおけない仲間だからといって、勝手に荷を漁るなんて・・・・・・」
承太郎「おれならキレちまうぜ」
ポルナレフ「同感だ」
14:
ジョセフ「荷あさりに下着泥棒、・・・犯人の罪は重いのう」
承太郎「パンツを盗る理由がわかんねえな。盗ったパンツをどうするんだ?単なる嫌がらせにしちゃあ、つまらなすぎるぜ」
花京院「ああ、そのことについてぼくも疑問に思っていた」
花京院「果たして犯人は、盗んだパンツをどうするのか?何に使ったのか?」
ポルナレフ「そんなのきまってんだろ」
花京院「・・・なに?」
ポルナレフ「よーく頭を使うことだ花京院。考えてみりゃ、簡単なことだぜ」
花京院「どういうことだポルナレフ・・・?」
ポルナレフ「普段おれたちは『パンツ』をどうしてるか・・・・・・」ドドド
花京院「・・・・・・ゴクリ」ドドドドドド
ポルナレフ「考えろ花京院・・・パンツはなんのためにある?」ドドドドドドドドド
ポルナレフ「・・・・・・あの『パンツ』という布切れに空けられた三つの穴と一つの窓は・・・なんのためにあると思う?」ドドドドドド
ポルナレフ「そりゃあもちろん・・・・・・」ドドドドドド
ポルナレフ「『パンツ』を『はく』為以外に理由はねえよなァ!!」ドドドドドド
花京院「『パンツ』を・・・ッ!『はく』・・・ッ!?」
17:
花京院「きみは・・・・・・犯人はパンツを『はく』ために盗んだというのかッ!」ドドドドドド
ポルナレフ「パンツが見つからねえ以上、こう考えるのが自然な流れだろう」
ポルナレフ「この中の誰も、アヴドゥルに恨みを持ったヤツはいねえんだからな。嫌がらせに捨てたとは考えにくいぜ」
ポルナレフ「つまり、だ・・・・・・」
ポルナレフ「犯人が今!アヴドゥルのパンツを『はいて』いる確率が非ッ常ォオ??にッ!高いッ!!」ババァーーーーーーーーーーーーンッ
花京院「そんな!」
承太郎「なんだと!?」
ジョセフ「Oh my GOD・・・ッ!」
アヴドゥル「困ったものだ・・・」
18:
アヴドゥル「これでは犯人が見つかったとしても、返して欲しいとは言えんな」
ジョセフ「ウム、いくらなんでも他人に使われたパンツをはく気にはなれん」
アヴドゥル「いえ、そうじゃあありませんよジョースターさん」
ジョセフ「ン?」
アヴドゥル「わざわざ他人のパンツを盗もうとは、普通の精神状態じゃあ考えられません。盗った者も、きっとパンツがどうしても必要だったのでしょう」
アヴドゥル「そんな切羽詰まった人間から、パンツを取り上げようだなんて・・・・・・わたしもそこまで鬼じゃあない」
ジョセフ「な・・・・・・なんて仲間思いのヤツなんじゃ、アヴドゥル!」
花京院「感動しました」
承太郎「・・・尊敬するぜ」
ポルナレフ「・・・・・・それじゃあ、犯人探しは中止か?」
19:
ポルポルくん…
21:
花京院「・・・・・・」
アヴドゥル「ああ、やる意味もない」
承太郎「しかし今、テメーはノーパンなんだろう?今夜はどうやりすごすんだ?」
アヴドゥル「一晩くらいなら平気だ。それに、町へ着けば洗濯ができる。それまでの辛抱だからな」
ジョセフ「・・・ワシのパンツでよければ貸すぞ」
アヴドゥル「お気持ちだけいただきますジョースターさん、・・・わたしはブリーフ派なので」
ジョセフ「そうか、力になれず残念じゃ」
花京院「待ってください」
ポルナレフ「ン?オメーがアヴドゥルに貸すってのか花京院?」
花京院「そうじゃあない、犯人探しを終わらせるのはまだ少し早いと言っているんだ」
ポルナレフ「なに!?」
承太郎「・・・どういうことだ?アヴドゥル本人がいいと言っているんだぜ」
25:
花京院「考えてもみてくれ、承太郎。もしこれが・・・・・・『第一の犯行』だとしたら?」
承太郎「第一の犯行・・・?まさかお前・・・」
花京院「ああ、その通りだ。仮に第一の犯行だとすれば・・・第二、第三の『被害者』が出る可能性だってあるはずだろう?」
ポルナレフ「おいおい、花京院。今日はずいぶんと疑り深いんじゃあねえか?」
ジョセフ「スタンド攻撃かのー?」
アヴドゥル「・・・らしくないぞ」
花京院「考えたんですよ、もし自分のパンツが盗まれたら・・・とね」
花京院「あいにくですが、ぼくも洗濯済みのパンツのは残すところあと一枚だ。それが盗まれてしまえば、ぼくもアヴドゥル同様、ノーパンになる他、道は残されていない」
承太郎「両面使・・・」
花京院「もうノーパンになるしかないんだッ!!」
ジョセフ「なら仕方ないのう」
アヴドゥル「花京院もなかなか切羽つまっているようだな」
ポルナレフ「あーあー、わかったよ、わかった!おれもハッキリさせてえしな・・・」
29:
ポルナレフ「いいぜ、犯人探しにのってやる」
花京院「ポルナレフ!」
ポルナレフ「やっぱり、おれもパンツ盗られたくねえからなァ?!」
花京院「だれもお前のは盗らないだろう」
承太郎「・・・・・・だが、どうやって探すつもりだ。また一から考え直すのか?」
ポルナレフ「ン?!いい質問だな承太郎。おれに素晴らしい考えがある」
アヴドゥル「ほう、それはなんだ?」
ポルナレフ「アンタも驚くような逆転の発想だぜ」
アヴドゥル「まさか全員のズボンを脱がせて、パンツを確認するという考えじゃあないだろうな?」
ポルナレフ「・・・・・・」
アヴドゥル「聞かせてもらおう」
ポルナレフ「・・・ウウッ!クソ!それだソレ!この場でパンツチェックだ!」ギリリッ
アヴドゥル「なんだその顔は、怖いぞ」
32:
ジョセフ「なにィ??ッ!?この場でパンツを披露しなくちゃあならんのか!?」
ポルナレフ「おっと、嫌なのかじいさん」
ジョセフ「そんなの寒いから嫌にきまっとるじゃろ」
承太郎「おれも寒いから嫌だね」
ポルナレフ「クックックッ・・・いーのかなァ??」
ジョセフ「なんじゃあ?」
ポルナレフ「この場で拒否するってことは・・・・・・『パンツを見せれない理由』が他にあるからなんじゃあないのかなァ??」
ジョセフ「ウグッ!そんなわけあるか!」
承太郎「疑うってのか」
ポルナレフ「疑われてもしょうがねえんじゃあねえの?そう、非協力的な態度はよぉー」
ジョセフ「・・・・・・」
承太郎「・・・・・・」
ジョセフ「・・・・・・わかった」
承太郎「じじい!!」
34:
ジョセフ「だがまずはお前さんからじゃ。言い出しっぺが見本を見せるのは、当然じゃろう」
ポルナレフ「もちろんそのつもりだぜ」
承太郎「・・・・・・」
ジョセフ「よし、ではパンツを手早く披露するんじゃ」
ポルナレフ「ああ、いくぜ・・・」
アヴドゥル「・・・・・・」
花京院「・・・・・・」
花京院「アヴドゥル、参考までに聞いておきたい。あなたのパンツの色は?」
アヴドゥル「白だ。一般で出回っているようなパンツだ」
花京院「では、白ブリーフをはいた者が怪しいということか」
アヴドゥル「単純に考えればそうなるだろうが・・・」
花京院「・・・・・・」
ポルナレフ「・・・・・・アーマーテイクオフッ!!」ズボン ズルーーンッ
花京院「!!!!」
37:
ポルナレフ(トランクス)「どうだ!」ババァーーーーーーーンッ
ジョセフ「トランクス!」
アヴドゥル「なるほど、なかなかにお洒落な柄のトランクスだ」
ポルナレフ「今時ブリーフなんて流行らねえからな・・・・・・お洒落なおれとしては当然だぜ」
花京院「ポルナレフじゃあなかったか・・・」
承太郎「派手な柄だぜ」
ポルナレフ「これでいいかい、じいさん?次はあんたの番だ」
ジョセフ「・・・・・・ウウム」
ポルナレフ「おい、どうした?脱げねえなら手伝ってやるぜ?」
ジョセフ「やめろ、まだわしはそんな歳じゃあない!」
ポルナレフ「じゃあとっとと見せろよ」
ジョセフ「・・・・・・」
ジョセフ「フッフッフッ・・・・・・」
ポルナレフ「ン?」
40:
ジョセフ「そんなにわしのパンツが見たいかポルナレフ」
ポルナレフ「・・・・・・ああ、見たいね」
ジョセフ「そうかそうか、パンツを見たいと・・・」
ジョセフ「・・・・・・なるほど」
花京院「・・・・・・?」
アヴドゥル「ジョースターさん?」
ジョセフ「・・・・・・わしは最後にしてくれ」
ポルナレフ「なにぃ!?」
ジョセフ「なんだか急に寒気がしてのう。今脱ぐのはちと無理じゃな・・・」
ポルナレフ「なにわがまま言ってやがる!」
アヴドゥル「そうですよジョースターさん、突然どうしたというのですか」
ジョセフ「えーい、最後といったら最後じゃ!わしは犯人じゃあないからのう!犯人が見つかれば、わしも脱いで寒い思いをしなくていい。だから最後にまわせ」
ポルナレフ「そんなの通用するか!くらえ!」
ジョセフ「ウウッ!?」ズボン ズルーーンッ
承太郎「!!!」
43:
ジョセフ(トランクス)「Holy shit・・・!」ババァーーーーーーーンッ
ポルナレフ「白地に赤いハート柄のトランクス!?」
アヴドゥル「なんというか・・・・・・ファンシーですね」
ポルナレフ「だせえ」
アヴドゥル「おいポルナレフ」
ポルナレフ「事実だろ」
花京院「失礼なヤツだな」
ジョセフ「こ、これはスージーの趣味じゃ!わしのセンスはもっといいもんね!」
承太郎「このパンツを見られたくねえから渋っていたわけか。まぎらわしいことをするんじゃあねえ」
ジョセフ「・・・まさか皆にパンツを披露するはめになるとは思わなかったぞ」
ポルナレフ「じゃあ次は・・・・・・」
ポルナレフ「花京院、オメーだ」
花京院「ぼくも脱がなくちゃあならんのか」
46:
ポルナレフ「当然だろ」
花京院「・・・・・・」
ポルナレフ「なんだァ?オメーもクソだせえパンツはいてるから見せらんねえってのか?」
花京院「そうじゃあない・・・」
花京院「ぼくは一番にアヴドゥルの味方になった・・・・・・誰からみても、ぼくの無実は確定だろう」
花京院「そして、パンツを披露していないのは、被害者のアヴドゥルを除けばぼくと・・・・・・」
花京院「承太郎、きみだけだ!」スッ
承太郎「・・・・・・」ババァーーーーーーーンッ
ポルナレフ「ハッ!」
ジョセフ「た、たしかに・・・ッ!」
アヴドゥル「承太郎が・・・犯人だと!?」
48:
花京院「パンツの話題が出てから、きみがいつも以上に寡黙すぎるのが気になっていたんだが・・・まさか必死にステルスしていたとは」
花京院「承太郎、今ならまだ間に合う。自首するんだ・・・・・・その方がまだ、罪は軽くなるはずだ」
承太郎「・・・やれやれだぜ」
承太郎「・・・・・・とっととテメーのズボンを下ろしな、花京院」
花京院「なっ!」
ポルナレフ「お、おいどういうことだ承太郎ォ!花京院の気づかいをムシするつもりなのか!?」
花京院「・・・・・・なぜだ」
花京院「なぜ自首しない、承太郎。きみが犯人だってことはもう、隠しきれない事実なんだぞ」
承太郎「・・・花京院、おれはまさかテメーが犯人だとは思いもしなかったぜ」
花京院「なに・・・!?」
承太郎「おれは犯人じゃあねえ。ハッキリと言えるぜ。だからこそわかることがある」
承太郎「テメーはズボンを脱ぎたくないあまり、おれに自首を促そうとしているんだとなッ!」
花京院「・・・きみの苦しい抵抗は聞きたくありません」
承太郎「なにぃ・・・!?」
アヴドゥル「落ち着け!」
52:
アヴドゥル「わたしに提案がある」
アヴドゥル「ここはひとつ平等に・・・同時に脱ぐというのはどうだ?」
ポルナレフ「同時?」
アヴドゥル「ああ、もうこうなれば最後に残る方がどちらにしても、渋ることなくパンツを見ることができるだろう」
アヴドゥル「わたしも、おまえたちの見苦しい抵抗は見たくないからな」
花京院「アヴドゥル・・・」
承太郎「いいぜ」
花京院「!」
承太郎「同時にズボンを脱ぐ、それでいい」
花京院「・・・・・・」
花京院「わかった。ぼくもそれで構いませんよ」
55:
ジョセフ「決まりじゃな・・・」
ポルナレフ「いよいよ、パンツ泥棒がわかるというわけか・・・」ゴクリ
アヴドゥル「・・・・・・どちらが犯人でも、誰も責めちゃあいけないぞ」
ジョセフ「いや、アヴドゥル・・・」
アヴドゥル「なんですか、ジョースターさん」
ジョセフ「悪いことをしたんじゃ。ここで償わなくては、本人にとっても後々悪いことに繋がってしまう。因果応報というやつじゃな」
ジョセフ「・・・・・・よくよく考えてみれば、やはり罪を見逃すことはできん」
アヴドゥル「・・・・・・」
ポルナレフ「とりあえず悪ガキにはゲンコツだからなァー!覚悟しろよ」
承太郎「だ、そうだ」
花京院「・・・・・・」
56:
花京院「いきますよ・・・」
アヴドゥル「・・・・・・」
花京院「・・・・・・いち」
承太郎「・・・・・・」
花京院「にの・・・」
承太郎「・・・・・・」
花京院「さん!」ズボン ズルーーンッ
承太郎「!」ズボン ズルーーンッ
ジョセフ「なんと!」
ポルナレフ「げっ!」
アヴドゥル「ムウン!!」
60:
花京院(ブリーフ)「・・・・・・」ババァーーーーーーーンッ
アヴドゥル「緑色ブリーフ!?」
花京院「ぼくのお気に入りです。正確にはエメラルドグリーンですね」
ポルナレフ「なんだよオメー普通すぎんだろォーッ!」
ジョセフ「・・・・・・それより見ろ」
アヴドゥル「!」
花京院「・・・ハッ!」
ポルナレフ「!!」
花京院「そ、そんな・・・」ドドド
花京院「ば、ばかな・・・・・・」ドドドドドド
63:
承太郎(ノーパン)「やれやれ、寒いぜ」ババァーーーーーーーーーーーンッ
アヴドゥル「承太郎も、ノーパン!?!?!?」
ジョセフ「じょ、承太郎オオオオオオオオーーーーッ!!」
ポルナレフ「うそだろ承太郎」
承太郎「もう洗ってあるパンツがねえからな」
アヴドゥル「ム、ムウン・・・」
ポルナレフ「だからってオメーまでノーパンだったのかよッ!!」
承太郎「文句あるのか」
ジョセフ「オオアリりじゃ。わしのトランクス貸すから文句言わずにはきなさい」
花京院「なぜ言わないで黙っていたんだ。はやくしまってくれ・・・」
承太郎「パンツが必要な人間だと思われたくなかったからな」
ジョセフ「やれやれじゃわい」
67:
『こうしてッ!手がかりのない犯人探しはッ!一旦お開きとなったのだったッ!!』
ポルナレフ「結局、犯人はわからず終いか・・・」
ジョセフ「気になって眠れんわい」
花京院「おかしいな・・・パンツは見つかっていないし、推理としては間違っていなかったはずなんだが・・・・・・」ブツブツ
承太郎「無駄に寒い思いをしちまったぜ」
ジョセフ「それに、犯人に制裁を与えてやることができなかったのが悔やまれるのう」
アヴドゥル「・・・・・・」
アヴドゥル「まあ、いいじゃあないですかジョースターさん」
アヴドゥル「わたしもこの中に犯人がいないということで、ひとまず安心しましたよ」
花京院「・・・アヴドゥル」
ジョセフ「・・・・・・被害者であるアヴドゥルがそれで納得しているのなら、わしにはそれ以上口出しできんな」
アヴドゥル「さあ、悪かったな皆。お詫びと言ってはなんたが、今日の見張りはわたしからやろう」
ポルナレフ「それじゃあ遠慮なく頼むぜ」
71:
花京院「おい、あまり調子に乗るなよポルナレフ」
アヴドゥル「いいのだ花京院」
花京院「しかし」
アヴドゥル「元はといえば頭に血が上ったあまり、皆を疑ったわたしが悪い」
花京院「・・・・・・」
ジョセフ「花京院、寝るぞー」
花京院「あまり気にやむことはないですよ、アヴドゥル」
アヴドゥル「・・・ハハハ、そうは言ってもな。なかなか難しいものだ」
アヴドゥル「今はとにかく、皆を疑った自分が恥ずかし・・・ハァーーーーックション!」
花京院「だ、大丈夫ですか?」
アヴドゥル「ウ、ウム・・・・・・いかんな。風邪をひいたらしい」グズグズ
花京院「それはいけないな、とにかく・・・」
74:
花京院「このハンカチで鼻をかむといい」ゴソゴソ
サッ
アヴドゥル「ああ、すまんな。借りるとしよう」
花京院「いえ、とんでもない。・・・・・・それはアヴドゥルのものですからね。リュックから落ちたのを拾ったんです」
花京院「渡すのを忘れていてすみませんでした。その」
アヴドゥル「そういうことなら遠慮なく・・・」バサッ
花京院「ハッ!」
アヴドゥル「ヂーーーーンッ!」
花京院「・・・ハ・・・」ドドド
花京院「ハ・・・ハンカチ」ドドドドドド
『アヴドゥルが自ら広げ鼻をかんだッ!鼻汁まみれのパンツに気づくまでッ!あと数秒ッ!どうする花京院ッ!』
アヴドゥル「わたしの下着を盗ったのは誰だ」【完】
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