勇者「……だから言ったんだよ」back

勇者「……だから言ったんだよ」


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1:
思いつきです
すぐ終わらせます
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2:
勇者「……」
王様「ま、まて勇者」
勇者「……なんで?」
王様「話せばわかるはずだ。あの頃はワシも必死で……」
勇者「……へー」
勇者「お前が必死ならあのことは許されるもんなの?」
4:
王様「必要だったんじゃ!臣下のものたちも賛同していた!」
勇者「論点をズラすなよ王様。許されると思ってるのかを、聞いたんだ」
勇者「……」
勇者「魔王を倒した俺らがそんなに怖かったか?」
5:
王様「……ッ」
勇者「……てめぇがまだ大臣だった頃に、俺は旅に出された」
勇者「それからひたすら戦い続け、この国のためにやっとの思いで魔王を倒した」
勇者「それが2年前のことだ」
6:
勇者「最初の半年はチヤホヤされ続けたもんだ」
勇者「煌びやかな衣装を着せられ、豪華な食事を各国のトップたちと食した」
勇者「国民も俺らパーティを慕ってくれていたよ」
勇者「戦士はこの国の元帥に抜擢され、魔法使いは魔法大臣に推薦された」
7:
勇者「……それが今はどうだよ?この俺を見てみろ」
王様「……」
勇者「逆賊の扱いを受け、身なりはボロ布1枚だ。人の目を避けるように、この1年間泥をすすって生きてきたよ」
勇者「……お前が俺らパーティに被せたクソみてえな罪のせいでな」
8:
王様「ワシも……必死で……」
勇者「笑かすな」ズバッ
王様「ぎゃあああ!!」ブシュッ
王様「み、耳が……!!」
勇者「わめくなよ……」
勇者「まだ耳だけだぞ?」
9:
勇者「この城で生きてるのは、もうお前だけだ」
勇者「みーんな、俺が殺した」
王様「ふぅ…!ふぅ…!」
勇者「お前、これおぼえてるか?」ポイッ
カランカランッ
10:
王様「……ゆ、指輪……?」
勇者「……そうだよ。俺が、僧侶にプレゼントした指輪だ」
勇者「てめぇがこしらえたんだろ?」
勇者「国を挙げて祝福しよう、この特別な石を加工して僧侶にあげるといい、ってな」
勇者「飛びついちまったよ。絶対に僧侶が喜んでくれると思ったから」
勇者「特別な石なだけあって、あの爆発でもぶっ壊れずに残ってた」
11:
勇者「……」ビキビキ
勇者「本当は…!こんな問答せずにてめぇをぶっ殺してやりたい……!」
勇者「死んだ戦士と魔法使いと僧侶への手向けにな……!!」
王様「……!」
王様「やつらは……残念じゃったよ……」
12:
勇者「うるせえ!!!」
勇者「……僧侶が……言ってくれた言葉が離れねぇ……!そのおかげでてめぇは今生きてるんだ……!」
勇者「肉片1つ残らないはずの大爆発の中で……あいつは俺に笑ってくれた……」
勇者「教えろ……なんで俺らを追放した」
13:
王様「……お、お前らの力が、強大すぎたんじゃ……」
王様「先代の国王は臆病な方で……たった4人でこの国の軍事力に匹敵するお前らが……」
王様「怖かったんじゃ……。コントロール出来ない力はいらない、とな……」
勇者「……そんなことだろうと思ってたよ」
勇者「……黒幕は国王だけか?」
14:
王様「……そ、それは」
勇者「……はぁ」
勇者「ふん」ザグッ
王様「ぎゃああああああ!!!」ブシュゥッ
勇者「……もたつくな。次は小指だけじゃすまさねぇからな」
王様「はぁ…ッ!ッ…!ぐぅ……!」
王様「り、隣国の……ッ!参謀が……ッ!」
王様「話を持ちかけてきていた……ッはずじゃ!」
15:
勇者「なーるほどね……」
勇者「……隣国かぁ……」
王様「…あそこは……軍事大国じゃからな…っ……お前らが現れるまでは……圧倒的優位にいた……」
王様「しかし……お前らが現れただけで……ひっくり返された……」
王様「それが許せなくて不安だったんじゃろう……!」
勇者「……1人でも……まぁやれるかな……」
16:
王様「まさか……1人で乗り込んで潰すつもりか……?」
勇者「……」
王様「いくらお前と……いえども……隣国を1人で堕とすなど不可能じゃ……!」
勇者「……」
勇者「お前にも報告が上がってるだろ?」
勇者「戦士は1人で魔王城の軍勢を相手に三日三晩戦い続けた」
勇者「魔法使いは幹部を1人で倒し、僧侶は約2万人の人の命を救い続けた」
勇者「てめぇらが恐れていた力を、存分にふるいつくしてやるんだ」
17:
勇者「てめぇを殺したら次は隣国だ」
王様「まっ、待ってくれ……!」
勇者「……天国には行けねぇだろうよ」
勇者「お前も……俺も」
王様「ま、まつのじゃ!ワシも
スパァンッ
18:
参謀「……戦士の討伐から約半年」
参謀「勇者の行方は以前つかめぬままか……」
側近「腐っても勇者、といったところでしょう」
側近「戦士は単純でしたが、勇者は強かさを持っています……」
参謀「……魔法使いを餌に戦士が釣れたように、僧侶を使えれば良かったんだがな」
参謀「まさか……あの女……自害するとは……」
19:
側近「……あそこで自害出来る……流石は勇者のパーティですね」
参謀「何を言っている。感心などするな」
参謀「我が国の繁栄には邪魔だった。それだけで、排除すべき対象なんだ」
側近「はっ…!」
参謀「とにかく……早く勇者を探し出せ」
参謀「やつは今に、この国に牙をむいてくるぞ」
勇者「よくわかってんじゃねーか」
20:
参謀「!?」
側近「な、なんだ!?」
勇者「遅い」ズバズバッ
参謀「ぐっあああ!?」ブシュゥッ
側近「参謀様!!」
勇者「おめーも寝とけ」ザグッ
側近「ぎゃああ!!!」ブシュッ
参謀「だ、だれだ……ッ貴様……ッ!?」
勇者「……この身なりじゃわかんねーか」
勇者「おめーらの探してた勇者だよ」
22:
参謀「ゆ、勇者だと……!?」
参謀「ふぅ…ッ!な、んでここに……!?」
勇者「心当たりないわけねぇだろ」
勇者「うちの王様から全部聞いたよ」
勇者「おそらく明日の紙面は大騒ぎだろうな」
勇者「各国のトップがいきなり死ぬんだ」
23:
参謀「ま、まさか……真相をッ…嗅ぎつけたのか!?」
勇者「もうどうでもいいんだよ」
勇者「てめぇらの手前勝手な争いなんて」
勇者「うんざりだ……」
勇者「全部ぶっ壊してやる」
24:
勇者「俺らを追放した国家も、迫害してきた国民も、全部ぶっ殺してやる」
勇者「まずは……てめえらだ」
参謀「ま、まて!私たちを殺せばくには
ザグンッッ!
勇者「まてまてうるせえよ……」
勇者「……あぁ……良かった……」
25:
勇者「こいつらを殺して……満足しちゃうかなって……思ったけど……全然だ」
勇者「全然足りてない」
勇者「まだまだ……殺せるよ」
勇者「待っててくれ僧侶……」
勇者「隣国も、俺らの国も、俺らを死に追いやったやつら全員ちゃんと殺すから」
勇者「天国まで積み上がったら、そっちに渡るよ……」
26:
勇者「こいつらを殺したら……満足しちゃうかなって……思ったけど……」
勇者「全然足りてない……」
勇者「この憎しみが薄れなくて良かった……」
勇者「待っててくれ……僧侶……」
勇者「隣国も…俺らの国も…俺らを死に追いやったやつら全員ちゃんと殺すから」
勇者「天国まで積み上がったら……俺もそっちに渡るよ」
28:
それから、勇者は隣国と自国を滅ぼした。
たった一人で約370万人を殺し、その強さは魔王を倒したときとは比べものにならない。
魔王をはるかに超える力。
もはや人類に勇者を止める手立てはない。
30:
勇者「……」
勇者「…………」
勇者「あれ……」
勇者「思ってた……」
勇者「満足感がこない……」
勇者「もう、人もいない」
勇者「なんでだろう」
勇者「誰を殺せば満足できるんだろう」
勇者「はら……減ったな……」
ドサッ
勇者「……」
勇者「もう……いっか……」
勇者「飽きたし……」
31:
勇者「……僧侶……」
勇者「もう一度……笑ってくれ」
焦土と化した自国の王宮のテラス。
そこで勇者は静かに目を閉じた。
魔界、人間界、その2つを滅ぼした勇者。
ある国で語り継がれていく物語に、勇者は勇者としてではなく、魔王として描かれていった。
32:
終わります。
本当に思いつきでした。
オチもなんもなくてすみません。
33:
愚かな王だな。乙
37:

面白かったよー
3

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