男「まさか女さんがあんなにデレるとはな」幼「はぁ・・・」back

男「まさか女さんがあんなにデレるとはな」幼「はぁ・・・」


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1:
オリジナルSSで進めてゆきます。
エロが入るかどうかは作者の気分で決めます。
若干ヤンデレっぽい感じのキャラが出てきますが殺人などはないぬるい内容です。
作者はSS初心者なので奇行に走った場合は指摘して頂いてかまいません。
4:
幼馴染(以下幼)「男って好きな人いるの?」
男「なんだよいきなり」
幼「いいから」
男「・・・いるけどよ」
男(幼の事なんだけどな)
幼(私の事だって事は知ってるんだから)
幼「告白しちゃえばいいじゃん」
男「はぁ?簡単に言うなよ」
幼「男ってなんでそんなに自信ないの?少なくとも私の知り合いには、男の事好きな子いるよ?」
男「マジかよ!誰だ?」
幼「おしえなーい」
幼(私なんだけどね)
幼「ねぇ告白しちゃいなって!」
男「でもなぁ・・・」
幼「男カッコいいんだしさ」
男「そ、そうか?」
幼「そうだよ絶対大丈夫だよ」
男「お、幼はだう思うんだよ」
幼「何が?」
男「いや、俺みたいな奴に告白されたとして嫌じゃないかみたいな」
幼「嫌じゃない!・・・よ、っていうか断る理由はないかな」
男「そ、そうか!なら頑張ってみるぜ」
幼(よし、これで背中は押したからね。って言うか私OKしたようなものだよね)
5:
男(って言ったけど告白するのはやっぱり怖いぜ)
男(そうだ隣のクラスの女さんって、どんなイケメンに告白されてもふりまくってるんだっけ)
男(女さんには悪いがどうせ振られるし練習台になってもらうぜ)
女「こんな所に呼び出して何?だいたい予想はつくけどねぇ」ハァ
男(げ、確かに見た目は美人だけどこの性格はきついな)
男「いや・・・お、俺と付き合ってください!」
女「ごめんなさい」
男(えぇぞ!)
男「そうかそうか。ちょっと悪いんだけど理由聞かせてくれよ」
女「は?理由も何もねー、私たち初対面だし」
男「いや、そうじゃなくて」
女「ん?」
男「告白がだよ。ほらなんかあるだろ?ちょっと声がでかくって怖かったとか、なんか台詞がありきたりだとか」
女「えーそこ?うーん、・・・プフフ」
男「笑うほどかよ・・・」
女「だってさ、ププ、そんなに汗かいて告白されたの始めてだからさ」
男「緊張するだろ?」
女「わかんないけどさ、ほらハンカチ貸してあげるから汗拭きなよ」
男「悪いな」フキフキ
女「私さ、こんな見た目じゃん?髪の毛の色も明るいし」
男「まぁ美人だし似合ってるけどな」
女「そーゆーのは言われ慣れてるからいいの。でさ、なんかこなれた奴らばっかり告白してくるのよ」
男「なんだよ俺だって必死だったんだぜ」
女「そう。だからおっかしくってさ」
男「しょうがないだろ、告白なんて初めてだぜ」
女「ふーんそっかぁ。君さ、結構真面目な生徒だったよね。成績も結構いいイメージあるし」
男「割とそうだな」
女「なんで私なんかを好きになったの?」
男(げ!考えてねぇ!適当に答えとくか)
男「好きなもんは・・・好きなんだよ」
男(やべぇ適当すぎた)
男「で、でもよ、私なんかってのは良くないぜ。会って間もないけどお前はいいやつだよ」
男「俺も幼馴染にもっと自信持てって言われてよ・・・」
女「ククップフフ・・・何それ、私なんかって適当に言っただけで深い意味なんてないよ」
男「なっ!」
女「うわ、顔真っ赤!おもしろいなぁ」
男(やばいぞこれは本当に恥ずかしいぞ。撤退だ!)
男「くそっ、俺はふられたからもう行くからな」
6:
女「待ちなさい」
男(もうやめろ俺は疲れたんだ!)
女「友達でどう?」
男「それ変わらねぇから!俺どっちにしろふられてるから」
女「あそっか。うーん、じゃあねぇ・・・そうだ、お試し期間ってのはどう?」
男「なんだそれ」
女「だからぁ、君私に告白したでしょ?だから恋人のお試し期間」
男「げっ!」
女「何?不満なの?」
男「い、いやぁウレシイナー」
男(やべぇ、この流れは予想してなかった)
女「じゃあさ、自己紹介してよ」
男「お、おう。俺は男だ」
女「それだけ?まぁいいやスマホ出して。LINE交換するから」
女「よしじゃあまた明日ね、男くん。フフッ」
男「お、おうまた明日な・・・」
男(やっべーーーー!!これは幼馴染に事情話さないと取り返しがつかなくなるぞ)
7:
幼「あ、あ、あ、あんた女と恋人になったんだふーん」
男「待て情報がいぞ」
幼「お、男は、わ、私の事好きなのかと思って・・・」ボロボロ
男(やべぇ!幼が混乱しすぎて口走っちゃいけない事口走ってるぞ)
男(これは正直に話さないとな)
男「まて!幼実はな」
かくかくしかじか
男「と言う事なんだ」
幼「つまり私の事好きだったのに女に告白したって事?」
男「お、おう」
幼「最ッ低ッ!!」
男「俺やっぱ無かった事にしろって言ってくる!」
幼「駄目よそんなのっ」
男「なんでだよ?」
幼「だって女と私・・・親友だもん。男が断って、私と付き合い始めたら私きらわてちゃうよ」
男「なんだってー!」
幼「なんてことしてくれたのよぉ」ゲシゲシ
男「いてぇ!やめろ」
男「でもよ、お試し期間なんて他にもやった奴いるんだろ?あいついっぱい告白されてる訳だし。だったらやっぱその後ふられるんじゃね?」
幼「そんなの聞いた事ないよ。多分女は結構興味湧いちゃってると思う」
男「マジかよ」
幼「こうなったらお試し期間のうちに嫌われちゃいなさい」
男「わかった。頑張ってみる」
幼「あと女との出来事は全部私に報告してね」
男「げ、なんでだよ」
幼「そうじゃないと男、今回みたいに変な方向に持っていくじゃない。それにあんたと女はお試し彼氏彼女かもしれないけど、私たちは両思いだった訳だし・・・こ、恋人でしょ?」
男「そ、そうだな」
幼「あんまり不安にされるような事はしないでね」
幼「でもどうしよう。女に私には好きな幼馴染がいるって相談しちゃってる」
男「それは友って事にしとけよ。あいつ彼女いるけど問題ないだろ」
幼「分かったじゃあ友にも伝えておくね」
8:
友「よう男」
男「よう!ってそれで登校するの校則違反だろ」
友「自転車だろ?エンジンついてるけど」
男「これマジで分類なんなんだろうな」
友「それより彼女おめでとう。お祝いのプレゼントだ」
男「お前事情知ってんだろ。ってかこれ俺が貸した漫画のカバーじゃねぇか本体どこだよ」
友「最初から無かっただろ中身」
男「無理があんだろ!カバーなくしてその言い訳してきた奴は居たけど、今回は無理があんだろ!」
女「やっほー、男くんおはよー」
友「お、彼女の登場だな」
男「お、おう。女さん道こっちだったんだな」
女「ホント偶然。ねぇ一緒に登校しない、仮にもカップル的な何かなんだしさー」
男「お試し期間だけどな」
友「じゃあ俺はおいとましますかね」
女「ごめん悪い事しちゃった?」
男「別にいいさ。あいつとはいつも登校してるしな」
女「ねねっ、カップルって何すれば良いと思う?」
男「そうだなー、ってえ?お前慣れっこじゃねぇの?」
女「悪い?私はね、見た目ほど軽くない訳」
男「いや別に軽そうには見えないけどさ」
女「で?なにするか決めてよ」
男「俺もわっかんねーよ。うーん・・・まぁ無難にデートとかじゃないか?」
女「そうだね。じゃあ今日の放課後にしようか」
男「今日かよいな」
女「別にやる事もないんでしょ?じゃあ放課後ねー」
男(デートか、まぁ嫌われる良いチャンスがあるかもな)
ガラガラァ
男「よう」
クラスメートA「男がきたぞー!」
クラスメートB「お前女さんと知り合いだったのかよぉ」
クラスメートC「とうとう女さんに彼氏が」
友「まじ男パネェ!」
クラスメートD「一緒に登校してたよな!」
男「うるせーなぁ、別に付き合ってる訳じゃねぇよ。って友はそっちじゃねぇだろ!」
男(とりあえず女さんとデートする事になっちまった事、幼に伝えておくか)
10:
男「と言う事で女さんとデートする事になったけどどうすりゃいい」
幼「女思ったよりノリノリよね。これは計算外だわ」
幼「そうねぇ、人ごみで泳げたいやき君でも熱唱すれば嫌われるんじゃない?」
男「嫌だよ!お前その後俺と付き合えるのか?」
幼「無理」
幼「あそうだ、男の行きたいところ行けばいいばよ」
男「俺自然体が一番嫌われるのかよ!自信持てって言った一昨日のお前はどこいった」
幼「そうじゃなくって、デートって相手に合わせるものでしょ?」
男「なるほど。俺が身勝手な所に行きまくれば愛想つかされるわけだな」
幼「そうそう」
男「じゃあ放課後のデートは俺の行きたい所行きまくるぜ」
11:
キーン コーン カーン コーン
女「男くんの教室ってここだよね」
クラスメートA「おい男、女さんが来てるぞ!」
クラスメートB「付き合ってるってマジだったんだ」
男「うおっ、教室まで迎えに来るのは予想してなかったぞ」
友「ほらデートだろ早く行ってやれよ」
男「お前絶対面白がってるだろ」
女「あ居た。ほらさっさと行くよ」
男「待て分かったから、まじクラスの奴らの視線が!」
女「さーて、どこ行く?」
男「行く場所は俺が決めるぞ。いいな?」
女「いいよー。そうだ、カップルって手とか繋ぐんだよね。ほら」
男「ほらって・・・お前昨日お断りしたのにノリノリじゃねぇか」
女「もう学校中に私たちの事知れ渡っちゃってるからね」
女「こうなったらいっそ楽しんじゃえみたいな?」
男「お試し期間なんですーって皆に言えばいいだろ」
女「そんな事できないよ。だって今までふっちゃった人がまた来たら嫌でしょ。俺にもお試し期間くれって」
男「なるほどなぁ」
女「そんな感じだから、ふられないように頑張ってエスコートしてよね」
男「へいへい」
12:
男「って事でまずはここ」
女「家電量販店・・・」
男「俺のイヤホンはポケットから出すたびに千切れるんだ」
女「まぁいっか。行こ」
男「これでいいかなぁ」
女「いくら安くてもこれはないよね」
男「確かにな、なんか耳くそみたいだな」
女「もー汚いー」クスクス
女「あ、これかわいいよ」
男「オレンジ色か、似合うか?」
女「似合う似合う。これで決まり」
男「値段もお手頃だしいっか」
女「音は気にしないの?」
男「うち良いスピーカーあるから、適当に聞くのはこれでいいんだ」
女「そっかぁ。じゃあ私も色違いで同じの買おっかな、人の選んでたら自分が欲しくなっちゃう事ってあるよね」
女「そういえばさ、男は何聞くの?」
男「そうだなぁ、これとかあれとか・・・激しい曲は少ないんだ。以外だろ」
女「全然分かんないけど、おとなしい感じの曲が多いなら私も好きだと思う」
男「なら今度CD貸してやるよ」
女「それもいいけどさ、いいスピーカーあるなら男くんの家に行って聞いた方が良いかも」
男「そうだな、なら・・・」
男(っておい!なんか話弾んじまったよ!次だ次)
男「次はコーヒーショップだ」
女「コーヒーショップ・・・」
男(よし俺たちの年齢的に微妙すぎる選択だぞ)
女「へぇ男くんちゃんとしたコーヒー自分でいれるんだ。やるねー」
男「そうだ。俺の朝の日課だ」
女「うちのお父さんもね、毎朝コーヒー入れてるんだ。うちと生活習慣似てるね男くん」
男「そ、そうだな」
女「あ、ここ試飲のついでにケーキとかたたのめる。へぇ喫茶店みたいで休むにはいいかも」
男(なんかこいつと気が合うぞ。次だ次!)
13:
男「夕飯はラーメン屋だ。ってか夕飯まで大丈夫か?」
女「うん、お母さんに連絡入れとく」
ヘイラッシャイ!
男「ここは結構安くてうまいぞ」
女「ラーメン久しぶりー。うーんおいしー」
男「そうだろ?」
女「女子だけじゃ入りにくくってさ。幼は結構幼馴染の男の子とこういうお店来てるらしいんだけど」
女「あ、幼って言うのは私の友達でね・・・」
男「知ってるよ。俺の幼馴染だからな」
女「嘘・・・私どうしよう」
男「あーなんだ、幼から好きな幼馴染がいるって聞いてるかもしれないけど、それ友の事だから」
女「あーびっくりしたー。幼の好きな人とっちゃったかと思った」
男「おいおい涙出てるぞ」
女「そっかそっか、幼の幼馴染だったかぁ。どうりで私たち気が合うと思った」ニコッ
男(こいつ笑った時の破壊力凄やべぇ・・・って違う!早く幼に会いてぇな)
女「今日は楽しかったー。男くんはどうだった?」
男「ん?まぁ楽しかったぞ」
女「そっかそっか。君なかなかやるね。じゃあまた明日学校でね」
男「またな」
男(はぁ、女子が好きじゃなさそうな所選んだつもりだったんだけどなぁ。これ幼にどうやって説明すりゃいいんだ)
14:
男「報告しにきたぞ」
幼「はぁ・・・恋人が部屋に来てるのに、こんな話しなきゃいけないないんて」
男「学校ではクラス違うしな。話す事ってあんまりないかもな」
幼「で?デートはどうだったの?」
男「説明中」
幼「う・・・そのチョイスで大丈夫って、女特殊過ぎるわね」
男「やっぱそうだよなぁ、普通もっと雰囲気のある所の方が喜ぶよなぁ。ほとんど俺のお買い物だったんだぜ?」
幼「私も男とデートしたいなぁ」
男「つったってよ、今のままじゃ大手を振ってデートなんて出来ないだろ」
幼「わかってる」
男「今後の事はその都度考えていこうぜ。俺にとっては幼が一番だからさ」
幼「うん」
男「じゃあもう帰るからな」
幼「もう行っちゃうの?」
男「今日は結構歩いたからな。流石に眠いわ」
幼「そう、わかった。また明日ね男」
男「おう。じゃあな」
幼「・・・」
ピロロ ピロロ ピッ
幼「もしもし女?どうしたの?」
女「ちょっと朗報があってさ」
女「この前お試しで彼氏作ったって言ったでしょ?あれ誰だと思う?」
幼「男でしょ?」
女「えー知ってたんだ。びっくりさせようと思ったんだけどなぁ」
幼「もう学校で結構有名だよ」
女「そっかそっか。私はびっくりした。だってなんかこの子気があうなって思ってたら、幼の幼馴染だって言うからさ」
幼「そうなんだ」
女「それで一緒にイヤホンとか買って・・・」
幼「・・・うん」
幼「もう時間も時間だし切るね」
女「本当だ。もうこんな時間なんだ」
幼「うん。また明日ね」
女「はいよー」
ピッ
幼「これは・・・結構堪えるかも」
15:
男(あれから一週間か。毎日女さんとデートだの夜のお電話だのしてカップルっぽい事をして、その度に幼と一緒に嫌われる計画建てたんだけどなぁ)
ピンポーン
男「へいへい」
幼「おはよう。久しぶりに一緒に登校しよ?」
男「いやでもいいのかよ」
友「俺も居るから大丈夫だ。彼女持ちは辛いね」
男「別に女は彼女じゃないぜ」
友「俺は幼の事をいってるんだ」
幼「そうだよ。ふふ」
男「あぁぁ、朝からむじかゆい会話すんじゃねぇ!」
男「すぐ行くからちょっと待ってろ」
幼「そう言えば最近男の家入ってないよね」
友「そういやそうだな」
男「なんもねぇもん、あそこ」
幼「楽器いっぱいあるじゃん」
男「あれは親父のだよ」
友「いいよな、お前んちの両親海外に行ってて。俺の親父も海外行ってくんねぇかな」
男「そんないーもんじゃねぇよ」
友「おいあそこで待ってるのって」
幼「あ・・・」
女「やっほー。仲良し3人組がそろって登校って珍しいね」
男「お前待ってたのか」
女「まぁね」
幼「女おはよー」
女「うんおはよ。今日さ、お昼みんなで食べようよ」
幼「いいよー」
友「俺も別にかまわないぜ」
男「そうするか。俺購買寄ってから行くからちょい遅れるけどな」
女「えっとね、お、お弁当男の分も作ったからそのまま来ていいよ」
男「げ!マジかよ」
女「何?味には自信あるんだから」
男「いやそうじゃなくて。大変だろ二人分なんてよ」
女「気にしなーい気にしなーい」
幼「カハッ・・・!」
友「おい大丈夫か」
幼「い、胃が・・・」
16:
キーン コーン カーン コーン
幼「ご飯ここでいいよね」
友「いいだろ。人もそんないねぇし」
男「さっさと食おうぜ。腹減っちまった」
女「えー、そんなに早く私の手料理食べたい訳?しょうがないなー」
男「おい、ここで抱きつくのはやめろ。恥ずかしいだろ」
友「見せつけてくれるねぇ」
女「えー、友くん結構女子から人気あるんだよ。彼女とかいないの?」
友「いるよ」
女「うっそ!もしかして・・・」
友「他校だけどな」
女「ちょっと女」ヒソヒソ
幼「え?なに?」
女「頑張れっ」
幼「・・・」イラッ
女「はい男くん」
男「おお、結構うまそうじゃねーか」
女「料理はするんだけどね。お弁当は慣れてないんだ。変だったら言って」
男「うんうまいよ」
女「あ、これ自信作なんだ。はい、あーん」
男「お、おい」
女「照れない照れない」
パク
男「おお確かにうまいな」
女「ありがと、ほらほっぺについてるぞ」
男「やめろって」
バキッ
幼「・・・」
男「お、おい幼、箸折れてるぞ。俺の使うか?」
幼「あ、ありが」
女「ごめん女、これ男が使ったやつだから。私の使って」
幼「・・・うん」
男「お前の箸どうすんだよ」
女「男くんが使い終わったの使うから」
友「間接キスってやつだな」
女「えー、うーん、そうだね。えへへ」
幼「・・・」
友「思ったより状況やべぇな」
男「なんか言ったか?」
友「いいやなんでも」
18:
女「男くん、帰ろう」
男「おう。そうだな」
クラスメートA「なんかもう慣れたわ」
クラスメートB「うちの学校のベストカップルとなりつつあるな」
女「だってさ。どうする男くん」
男「いやそう言ってったってよ」
女「あ、そうだ。今日そっちのクラスも数学の宿題出たでしょ」
男「おう、多分そっちと同じ内容だと思うぜ」
女「じゃあ、近くの喫茶店で一緒にやろう。ちょっと分からないところあったんだ」
男「そうか。俺今のところなら結構教えられるぞ」
女「ふふっ。頼もしいじゃん」
女「じゃあ行こっか」
幼「・・・胃薬っていくらくらいするんだろ。買って帰ろうかな」
19:
男「おおソファだ」
女「この喫茶店結構居心地いいんだぁ」
男「そんな感じだな。あ、俺コーヒーだけでいいや」
女「私も」
男「宿題さっさと終わらそうぜ」
女「よし頑張ろう」
女「う・・・」
男「おいいぞ。どこが分かんないんだよ」
女「こ、この辺?」
男「ああここは・・・」
男「・・・って感じでよ、って俺の顔見てたらわかんねぇだろ」
女「ふふっ、かわいいなぁ」
男「な!お前恥ずかしい事平気で言うんじゃねぇ」
女「お前じゃないよ」
男「ああ悪い。女さん、ちょっと慣れ慣れしかったな」
女「女さんも違うかな」
男「はぁ?」
女「女って呼んでよ」
男「いや呼び捨てはなぁ」
女「なんで?」
男「だって俺たちお試し期間中だろ?」
女「あーあったあったそんな設定。はいお試し期間終了。ってかとっくに終わってるし」
男(やべぇ、今のは聞かなかった事にしよう)
女「ほら早く、女って呼んでみ。私も男くんじゃなくて男って呼ぶから」
男「だーわかった。ほら女、これでいいんだろ?」
女「うん男」
男「違和感すげぇな」
女「ほら続きするよ男」
男「へいへい」
20:
男「くそ、一ヶ月も続いちまったよ。どうすんだよこれ」
幼「私のせいだわ。お試し期間なんて言うから完全に油断してた」
幼「ここまで男に好意を抱くなんて」
男「あのべたべたくっつかれる感じはあいつを思い出すな」
幼「ああ、あの子ね」
男「悪い。お前あいつと仲悪かったな」
幼「いいよ。昔の事だから」
幼「それより今日、女の家に行く事になったんでしょ?気をつけてね」
男「両親に紹介されちまったらたまったもんじゃねぇぞ」
幼「大丈夫。女の両親は休日も忙しいっぽいから」
男「なら良かった」
幼「良くないわ。二人っきりになるんだから、なにかされそうになってもうまくかわすのよ」
男「わかった。早めに帰るよ」
幼「ちゃんと報告してもらうから」
男「へいへい」
21:
ピンポーン
女「ちょっと待ってて」
男「よう」
女「うん、上がって」
女「お母さーん。男来たよー」
男「げ!聞いてないぞ女」
女「サプライズだからね」
女母「あら、男くんいらっしゃい」
男「あ、どうも」
女母「ちょっとあなた女の彼氏が来たわよ」
男(お父様いらっしゃったー!話がちげぇぞ幼!)
女父「ほうなかなかいい男じゃないか」
男「い、いえ」
女「いつか紹介しなくちゃいけないしね。どうせなら今日しちゃおっかなって」
女母「男くん。リビングでゆっくりしてていいわよ」
男「はい」
男(ってリビングでお父様がくつろいでらっしゃるー!フリーダムだなおい)
女父「君から女に告白したそうじゃないか。いやぁ最近の子にしては度胸あるじゃないか」
女「そうなの。男ったらすっごい緊張してて」
女母「もうこの子は、家でも男くんの話ばっかりだから、てっきりこの子のほうから告白したのかと思ったのよ」
男「そうだったんですか」
女「ちょっとお母さん!」
女母「両思いで良かったわね」
女「・・・うん」
女母「そうだ男くん、お昼まだなんでしょ?用意するから待ってて」
女「あ、私も手伝う」
男「おう。わたっか」
男「・・・」
男(ってお父様と二人っきりじゃねぇか!)
23:
女父「お、そろそろ始まるぞ」
男(よし、見たいテレビが始まってくれたみたいだ)
女父「始まるぞ」
男「お!有料チャンネル見れるんすか!」
女父「ほう。男君はこのチーム知ってるのかい?」
男「知ってますよ。ファンじゃないですけど、この選手は好きなんすよ」
女父「男君分かってるじゃないか。こいつはいい選手だぞ」
女母「なんか盛り上がってるわね。ふふ」
女「絶対お父さんと仲良くなると思った」
女母「女に彼氏が出来たって聞いた時どんな子か心配だったんだけど、なかなか良いじゃない」
女「そうなの。勉強も結構できるんだ」
女母「あら、そこはお父さんとは違うわね」
女「ふふ、この鍋洗っちゃうね」
男「ふぅ食った食った」
女「どうだった?」
男「うまかったぞ」
女「味付けとか好みじゃないのあったら言ってね」
男「わるい。無心で食ってたから味付けとか何も考えてなかった」
女「もう」
女母「女良かったわね。それだけ気に入ってくれたって事よ。そろそろお部屋に行きなさい女」
女「うん。男、私の部屋行こ」
女父「待ちなさい。男君とは大事な話が」
女母「サッカーの話はもういいから」
24:
女「ふふ、男はやっぱりお父さんと気があったね」
男「なんだかなぁ」
女「ごめん。いきなり紹介しちゃって」
男「せめて先に言ってくれればよかったんだがなぁ」
女「男あれ以来私の事好きって言わないから、ちょっと不安になっちゃってさ」
男「・・・」
女「ねぇ、もう一回好きって言って。お願い」
男「す、スキダヨ」
女「うん。私も好き」
男「こらくっつくな」
女「いいじゃん。せっかくの二人きりだよ」
男(なんか罪悪感がすごいな)
女「ねぇこの前借りたCDさ・・・」
男「もうこんな時間か」
女「ん?まだ6時でしょ」
男「夕飯の支度もしなきゃいけないしな」
女「うちで食べていけばいいじゃん」
男「作り置きもあるんだよ」
女「まぁいっか。じゃあ駅まで送るね」
男「わるいな」
25:
男母「あら、もう帰るの?」
男「はい。お邪魔しました」
男父「有料チャンネル見たかったらいつでも来て良いぞ」
男「いやそれはちょっと」
女「じゃ駅まで行こう」
男「6時っていってももうこんなに暗いのか」
女「下の方がちょっと赤くなっててロマンチックかも」
男「確かに奇麗かもな」
女「ねぇ、私たち付き合って1ヶ月だし、ちょっと雰囲気もいいしさ」
女「キス・・・しようよ」
男「・・・いや」
男「俺たちお試し期間」
女「もう終わってるって言わなかった?それ全然面白くないよ」
男(ごまかしきれねぇか)
男「いやまだ早いだろ。それに」
チュ
男「!」
女「なんかごちゃごちゃ言ってたからしちゃった。ふふ」
男「お、おい」
女「男顔赤いよ?どうしたの?ふふっ」
男「お前もだろ!」
女「え、そ、そんな事ないかな。ほら、駅もうすぐだよ行こう」
男「ったく」
男(や、やべぇ。これは幼に報告しないほうが良いんじゃねぇか?って幼からLINEすっげぇ来てる)
男(・・・でもなんでだ?女にキスされてから心臓がドキドキいってやがる)
27:
男「よ、よう」
幼「遅かったね」
男「飯作って食ってたんだよ」
幼「そうなんだ」
幼「じゃあ報告おねがい」
男「なぁ、これまだやらなきゃ駄目か?」
幼「何かあったの?」
男「いや・・・」
幼「何かあったんでしょ!!」
男「それは」
幼「お願い、話して」
男「女に・・・キスされた」
幼「なんで!?なんでよ!気をつけてって言ったよね?」
男「わるい。でも、突然だったんだ」
幼「私達だってまだキスしてなかったのに」ボロボロ
男「でもな幼・・・!」
チュ レロ
幼「・・・ん」
男(く、苦しいぞ。これディープキスだろ。女とはもっと軽いやつだったぞ)
幼「・・・はぁ、はぁ」
男「と、突然なにすんだよ」
幼「別にいいでしょ。恋人がキスしたって。むしろ遅すぎたぐらいよ」
男「そうかもな」
28:
幼「ねぇ」
幼「次は男のなにが女に奪われちゃうんだろうね?」
男「なにって・・・」
幼「キスの次はなんだろうね?」
男「・・・」
幼「ねぇ男、セックスしようよ」
男「ぶはっ!いや駄目だ!」
幼「嫌なの?」
男「いや、したいしすっげぇ嬉しいけどよ」
男「今のままじゃ駄目だと思うんだよな」
幼「そうやって後回しにすると、最後は男の全部が女に取られていきそうで、私怖い・・・」
男「大丈夫だ。俺はずっとお前の事が好きだよ」
幼「男・・・うん。わかった」
幼「取り乱しちゃってごめんね」
男「おう」
幼「ねぇ、もう一回キス」
男「駄目だ報告始め・・・ん!」
チュ
幼「やだ、なんか癖になりそう」
男「お前なぁ」
男(きっと大丈夫だ。いや、大丈夫にしないとな)
44:
女「どう?」
男「おう今日もうまいぜ」
女「うん。ありがと」
男(やっぱり少しづつ距離おいてった方が良いのかね)
女「どうしたの?悩みがあるならいってみ」
男「悩みはねぇよ。でもよ、やっぱなんか悪いから弁当は明日からいいわ」
女「おいしくなかった?」
男「ちげぇよ。なんつーかほら、大変だろ?」
女「そっかそっか、心配してくれてる訳だ。でも、材料買っちゃってるしね」
女「気にしないでいいから。私全然大変じゃないし。男の為に作るの楽しいくらい」
男「そうか」
男(振り切れねぇぞこいつ)
キーン コーン カーン コーン
女「男くんいる?」
クラスメートA「あれ?もう帰ったけど?」
女「えーホント?なんかの用事かなぁ」
クラスメートB「お、倦怠期かな?」
女「うっさい」
クラスメートB「最近男と居たから忘れてたけど、女さんはやっぱ性格きついなぁ」
男「お、これはいけるぞ。女からすげぇ連絡来てるけど、気づかないふりしてりゃあいいわな」
47:
男「って事で女を振り切る事に成功したぞ」
幼「おー、やるじゃん」
幼「ご褒美にちゅーしてあげる」
男「なんだよ。お前最近そればかっかじゃねぇか」
幼「いいじゃん」
男「女はあれ以来キスせがんで来たりしてないぞ」
幼「当たり前でしょ!女は恋人じゃないんだから」
男「そ、そうだな」
男(幼も二人の時はかなりくっついてくるようになっちまったな。まぁ、俺としては嬉しいんだけどよ)
幼「最近女からの愚痴みたいのが結構私に来るのよね」
男「俺あいつに愚痴られてんのか?」
幼「違うよ。家庭科で男が調理実習一緒だった子いたでしょ?」
男「ああ、あいつね」
幼「男と軽々しく話すなとか言ってたよ。他にも男が女の子と話した日は結構言ってる」
男「なんだそりゃ」
幼「男には分からないかもね」
男「馬鹿にすんな。嫉妬ってやつだろ。お前も嫉妬とかするのか?」
幼「それは秘密」
男「なんだそりゃ」
49:
ピンポーン
男「なんだ?朝から」
幼「おはよう男」
男「よう。友は?」
幼「居ないよ。今日は二人で登校しようと思って」
男「いや、それはまずいって話になっただろ」
幼「良いじゃん。道同じなんだから偶然出会う事もあるよ」
男「まぁたまにはいいか」
幼「やった」
男「俺もすぐ出るから」
幼「こうやって二人で登校するのどのくらいぶりだろうね」
男「うーん。1ヶ月くらい?」
幼「でも恋人になってからは初めてだね」
男「そうかもな」
幼「ねぇ、手繋ごうよ」
男「いや、それはマズいだろ」
幼「私たちもう恋人になってから1ヶ月もたったのに、恋人らしい事ほとんど出来てない」
男「だろうな」
幼「こんなに好きな人が近くに居るのに、何も出来ないのは辛いよ」
男「・・・わかった。ちょっとだけだぞ?」
幼「うん。ごめんわがまま言って」
51:
男(やっぱり駅で女が待ってるか)
女「やっほー男。今日は幼も一緒なんだ珍しいね」
幼「おはよー。そうなの男と偶然あっちゃって」
男「まぁ道同じだしな」
女「そうなんだ。二人で来たんだ」
男「それでよ幼、さっきの話なんだけどさ」
女「待って男。幼ちょっとこっち」
幼「え?うん」
幼「なにかな」
女「幼は友の事好きなんでしょ?いつも思ってたけど、男と仲良すぎない?」
幼「え」
女「まぁ幼馴染だから分からないでもないけどさ、一応幼独り身なんだし」
幼「独り身って・・・」
女「男は私の彼氏だから、ちょっと控えて」
幼「・・・うん」
男(あぁ、昨日幼が言ってたのはこう言う事か。幼と話すのすら駄目なら結構きついぞ)
女「そうだ、今日男空いてる?私男の家に行ってみたい」
男「駄目だ。今日はバイトあるからな」
女「じゃあ明日」
男(あーこれ明日明後日っていくら断っても伸びてくやつだな)
男「まぁ、明日ならいいか」
幼「えっ!?」
女「やったー」
女「幼どうしたの?」
幼「・・・なんでもないよ」
56:
女「はい。あーん」
男「やめろって」
女「もう、男いつもこれ嫌がる」
男「恥ずかしいだろ」
女「明日から人の居ない所で食べようか」
男「そんな所ないだろ」
女「それよりさ」
女「なんで昨日連絡してくれなかったの?」
男「そうだったか?」
女「そうだよ。先に帰ったし」
男「あ、あれだ。ホームルームが早く終わってやる事ねぇなって思ってよ」
女「他の皆はいたけど?それにLINEも送ったのに」
男「う・・・き、気づかなかったなー」
女「ふーん」
男(言い訳が苦しいぞ)
女「まぁいっか。そんなに縛り付けてもかわいそうだよね」
男「お、おう」
女「でもそうだねぇ。ほっとかれた分はこうやって返してもうらうようにしようかなー」
男「待て、くっつくな!」
女「照れない照れない」
男「し、視線が!周りの視線が刺さってるから!」
女「もうバカップル認定されてるんだから気にしない」
男「そうなのか!?俺知らねぇぞそんな事」
女「ふふ、本当かわいいなぁ」
59:
幼「今日男の部屋に女が来るんだよね」
男「まぁ、そんなに身構える事もないだろ」
幼「そう言っても前科がね」
男「あれは悪かったよ」
幼「窓からこっそり覗いてようかな」
男「怖えぇよ。見つかったらそれこそ言い訳出来ないだろ」
幼「じゃあ録音機」
男「だから駄目だろそれは」
幼「もう、じゃあなんだったらいいのよ」
男「俺を信じろ」
幼「はぁ、まぁいいけど」
幼「今度私も男の家に行くからね」
男「本当に何もねぇぞ」
幼「いいのよ。男が居れば」
幼「それに、両親がいつもいないなら色々出来るじゃん。色々ね」
男「お、お前なにする気だよ・・・」
60:
ピンポーン
男「へーい」
女「・・・来ちゃった」
男「来ちゃったって、昨日から来るの知ってるからな」
女「ほら、早く入れて」
男「なんか図々しいな」
女「なに言ってんの。せっかく彼女がきたのに」
男「おう入れ入れ。なんもねぇけど」
女「あれ?ご両親は?」
男「今海外に行ってるからいねぇよ」
女「へぇ、今日は二人っきりか」
女「奇麗な家。男ってもしかしてお金持ち?」
男「一人っ子だしこんなもんだろ」
女「でもちょっと変な壁」
男「防音なんだよ仕方ねぇだろ」
男「こんなでっかいスピーカーあるしよ、俺んちは一日音が鳴ってた家だからな」
女「へぇ音楽一家って奴だ。凄い、楽器がいっぱい」
男「ほとんど親父のだけどな」
女「あれ、この写真」
男「げ!」
女「男ちっちゃい。かわいい!」
男「あんまりまじまじ見るなよ。それ俺が小さい頃に、親父の仕事で行ったフランスで撮ったんだよ」
女「何歳くらいだろ」
男「さぁな。何度か行ってたから分からねぇ」
女「これが男で、これが男のお父さん。あれ、この隣のちっちゃい女の子は?」
男「ああ、こいつはフランスで結構会う機会があった子なんだ」
男「まぁ俺フランス語分かんなかったから、何言ってるか最後まで分かんなかったけどな」
女「へぇ、まだ会ったりするの」
男「もう4年以上会ってないかもな」
女「そうなんだ」
64:
女「この中で何か演奏できるの無い?」
男「まぁ、ピアノくらいならかまわないぜ」
女「弾いてみて」
男「おう」
男「こんな感じか?」
女「へぇうまいじゃん。あ、この曲この前貸してくれたCDの曲だ」
女「?♪」
男「うまいもんだな」
女「防音室っていいね。カラオケより楽しいかも」
男「そうかもな」
女「いいな、こんな家庭もうらやましいかも」
男「・・・」
男「お前さ、試しにこれ弾いてみろよ」
女「アコースティック?」
男「ちげぇよ。クラシックギターだ」
男「このコードとこれと、この4つさえ覚えればこの曲は無理矢理弾ける。やってみろ」
女「うーん。指が届かないかな」
男「もっと小さい手で弾いてる奴だっていっぱいいるぜ」
女「そうなんだ」
男「なんならそれやるよ。もう使わないしな」
女「いいの?ありがと。大事に使うわ」
女「そろそろ夕ご飯の時間だね」
男「もう帰るか?」
女「ご飯食べて帰ろうかな」
男「どっか食い行くか」
女「台所貸して。私が作るから」
男「それでいいか」
女「材料あるかなぁ。わっ凄い。野菜普通にある」
女「冷凍庫はー、へぇお肉やしいたけとかちゃんとジップロックして冷凍してあるね」
女「調味料もいっぱいあるし、なんだ男は料理出来たんだ」
男「普通くらいにな。さすがに弁当とかは、起きるの面倒くさくて作らねぇけど」
女「男の料理が食べたいなぁ」
男「マジで?うまいもんじゃないぞ?」
女「それでも食べたい!私も手伝うから」
男「わーったよ」
トン トン トン トン
女「ふふ、こうやって二人で台所に立ってると、なんか夫婦みたい」
男「そうか?なんか狭ぇぞ」
女「それがいいんでしょうが」
65:
女「美味しい」
男「女も手伝ってくれたしな」
女「でもいいね。私の彼氏料理出来るんだって言えるよこれなら」
男「マジでやめてくれ」
女「だから照れないの」
女「ところで男」
女「ついでに、シャワー浴びていい?」
男「駄目だ。今日は終わりだ」
女「ねぇ、いいでしょ」
男「ほら帰った帰った」
女「男ー!ちょっと!女の子がシャワー浴びたいって言ってるのに、何も分からないの?」
男「分かるけどさ」
女「だったら」
男(これは幼にもせがまれた事だからな、ちゃんと返事考えてあるんだ)
男「セックスは!結婚してからじゃないとしねぇ!」
女「・・・え」
男「それが俺のポリシー的なやつだ」
女「け、結婚かぁ。そっかそっかぁ。ふふ」
男「な、何がおかしいんだ?」
女「なんでもなーい」
男「まぁ、分かってくれたならいいや」
女「じゃあ私帰るから」
男「じゃあな」
女「ギターありがとね。また明日ね」
女「ダーリン」
男「ダーリン!?」
女「だって私たち結婚するんでしょ?ふふ、じゃあね」
バタン
男「俺なんか間違ったか?」
66:
幼「報告」
男「お前机もうちょっと片付けろよまっ」
幼「報告」
男「わーったよ」
男「えーと、歌って飯食った」
幼「え?それだけ」
男「それだけだよ」
幼「歌ったって、男の家の壁に耳あててみたりしたけど、そおんなの聞こえてこなかったよ?」
男「そりゃあ防音壁だからな・・・ってお前なにしてんの!?」
幼「防音・・・どうりでいつも何も聞こえてこないと思った」
男「いつもやってんのかよ!ホント怖えーからやめろ!」
幼「とにかく何もなかったんだ。偉い偉い」
男「そんな感じだ。もう俺帰るぞ。じゃあな」
幼「うん。じゃあね」
ピロロ ピロロ ピッ
女「やっほー幼」
幼「やっほー」
女「ねぇ聞いて今日ダーリンから」
幼「・・・ちょっと待って」
女「?」
幼「ダーリン?」
女「うんそう。結婚の約束しちゃって」
幼「・・・」
女「幼どうしたの?」
幼「ちょっと、今日あの日だから体調悪い。切るね」
女「あ、ごめん。お大事にね」
ピッ
女(男何も無かったって言ったのに・・・!)
67:
男「幼から連絡来てるな。さっき会ったばっかだろ、忘れ物したか俺」
男「えーっと『ダーリンってなに』・・・げ!早く返信しねぇとやべぇ!」
ピンポーン
男「誰だこんな時に」
男「へーい」
ガチャ
幼「入るね」
男「お前なんで」
男「いや、ダーリンって言うのはな」
幼「私そんな報告受けてないよね!!」
男「いやそれはな」
幼「男が嘘ついたら報告の意味ない!」
男「いや、勘違いなんだマジで」
幼「どういう事?」
男「あいつがシャワー浴びたいとか言ってな」
幼「・・・シャワー」
男「その意味は分かるだろって言われたから、セックスは結婚してからしかしないって言っただけなんだよ」
幼「・・・セックス」
男「な?勘違いだろ?心配しなくて大丈夫だ」
幼「違うよ。そんな話、男話してない!!心配するわよ!・・・なんでちゃんと報告してくれないの!!?」
男「おい、あんま大声だすな。近所迷惑だぞ」
幼「防音なんでしょ!?あれ?防音だし男に何しても大丈夫かな!」
男「おい!なにするつもりだ」
幼「あんまり嘘つくような事したら、報告の意味がないなら!私何するかわかんないよ?」
男「わかった今度から・・・ん」
チュ レロ チュ
幼「ん、はぁはぁ・・・わかった?」
男「ああ、わかったよマジで」
幼「次やったら許さないから」
男「おう。ってなんで俺の服脱がそうとしてんだ?」
幼「え、だって防音室だし男を犯してもばれないし」
男「セックスは!結婚してからじゃないとしねぇ!」
幼「え?け、結婚?ふふ、結婚かぁ」
男「お前もかよ!」
幼「それにしても、相変わらず楽器だらけの部屋だね」
幼「あれ、ギターは?」
男「ちょっとな」
幼「ふーん。ま、いっか」
86:
ピンポーン
男「最近よく誰かくるなぁ」
男「へーい」
ガチャ
幼「男、昨日ぶり」
男「おいまだ早いだろ」
幼「まぁいいじゃん。行く前にちょっといちゃつこう」
男「いいけどさ」
幼「幼馴染3人で出掛けるのってどのくらいぶりだろうね」
男「そういや最近なかったな」
幼「友ったらいつも忙しいんだもん」
男「今日は友にとっても息抜きになんだろ」
幼「だったらいいね」
男「こらテレビ見づらいぞ動くな」
幼「男の膝座りにくい」
男「じゃあどけよ」
幼「やーだね」
男「そろそろ行くか」
幼「待ち合わせの時間的にはちょっと早いけど、友いつも来るの早いもんね」
男「ほら出るぞ」
87:
男「よう友。今日は遅いな」
友「時間通りだろ。ハードルを上げるな」
幼「うわぁでっかいバッグだね」
友「練習の後そのまま来たんだよ」
男「さっさとカラオケ行こうぜ」
幼「行こー」
友「こんな安いカラオケBOXあったのか」
男「おうよ。しかもドリンク飲み放題」
幼「あ、でもエアコンは駄目。つけるとすっごい臭いから」
友「なんでも良いよ俺は」
男「じゃあ早歌うぞー」
友「・・・」
幼「・・・」
男「・・・」
幼「初対面か!男戦陣切って歌って」
男「お、おう。えーとあった。じゃあ俺先に歌うから」
男「?♪」
幼「次わたしー」
・・・
友「結構歌ったな」
男「俺ちょっとトイレ行ってくる」
男(ドリンク飲みすぎたか?こりゃ長い戦いになりそうだぜ)
88:
幼「いってらー、って次私の曲だ」
幼「?♪」
友「なぁ幼」
幼「ん?」
友「お前大丈夫か?」
幼「大丈夫って?」
友「お前かなり痩せただろ」
幼「やだー、私は元々スリムなんだから」
友「ごまかすなよ」
幼「・・・」
友「幼が焦ってる理由だって知ってる。男の親父がフランスに居るって事は、近いうちにあいつを連れて帰ってくるかもしれないんだろ?」
幼「あの子は・・・」
友「演奏会で男に渡した花束。あれを大勢の前で踏みつけて、幼を大声で怒鳴りつけたのはびびったよな」
幼「言葉は分からなかったけど、周りの大人達の表情を見ればだいたい何言ってたか分かったけどね」
女「あの子は、普通じゃなかった」
友「それにお前、女さんと男の間にずっと立って凄いストレスなんだろ?」
幼「・・・それは」
友「男に相談した方が良いんじゃないのか?」
幼「違うの。辛いのはそっちよりも」
幼「私最近男にあたってばっかりで・・・嫌な女になっちゃってる」
友「それは考えすぎだろ」
幼「男に嫌われたくないよぉ・・・」ボロボロ
89:
男「ただいま。って幼が泣いてる!?」
友「お前に嫌われたくないんだってよ」
男「なんだよ、俺は幼の事を一番に」
友「そうじゃないだろ」
男「・・・」
友「こいつは女とお前との板挟みにずっとあってたんだ」
幼「・・・」
男「・・・そうだな」
男「幼と女の友情を気にしてたけど、幼がいいなら女との関係はもう」
男「いや、俺は俺の意思で女と別れるよ!」
幼「・・・男」
幼「うん。友情はその後考えればいいよね」
男「それにこれ以上続けたら、それこそ友情もなにもなくなっちまいそうだしな」
友「話はついたみたいだな」
90:
幼「ねぇ、私たち3人は後どれくらい一緒に居られるんだろうね。今1年の後半だから、後2年くらい?」
友「確実に言える事は、俺は難しくなりそうだって事だな」
男「お前年齢別の代表にも呼ばれちまったしな」
幼「寂しいけど、凄い事だよ。ずっと応援してる」
幼「私はまだ進路とか決めてないけど進学かなぁ」
友「男だっていつかは」
幼「・・・」
男「い、いや俺は幼と同じ大学に行こうかなーって」
友「・・・まぁ、いいけどな」
幼「いっぱい歌ったね」
男「もうこんな時間か」
幼「じゃあ今日はお開きって事でいい?」
友「そうだな」
男「じゃあまた学校でな」
幼「じゃあね」
友「またな」
98:
女「男、お弁当食べるよ」
男「分かった」
女「なんでそんな遠い所に座るからなぁ」
男「俺、箸の使い方下手なんだよ。お前の所におかずが全部飛んでったら嫌だろ」
女「しばらく一緒に食べてたんだけどぉ?そんな汚い食べ方じゃないでしょ男は」
女「ほらもっとつめて」
男「近づき過ぎだろ。食べにくいぞ」
女「気にしないの」
男「相変わらずだなお前は」
女「そう言えば、幼何かあった?」
男「なんでだ?」
女「最近何かずっと思い詰めてるんだ。親友の私にも全然話してくれないの」
女「こんな事って今までなかったから、ちょっと心配」
男「そうか」
男「大丈夫だよ。もうすぐそれは解決するから」
女「事情知ってるんだ。さすが幼馴染だなぁ、かなわないや」
男「あれ、お前と幼は昔からの知り合いじゃないのか?」
女「違うよ。高校で知り合ったばっか」
男「そうは見えないけどな」
女「でもね、今まで会った友達の中では一番の友達」
男「・・・そうか」
男(その友情を、もしかしたら俺が壊しちまうかもしれないんだよな。ごめんよ幼、女)
男「お前さ、今日うち来いよ」
女「え・・・。男の方から誘ってくれるなんて珍しい。あれ初めて?」
男「そうか?」
女「なんかそう考えると腹立って来たかも。この根性なし!自分から告白してきたくせに」
男「悪かったよ」
女「ふふ、でも良かった。私が一方的に誘ってるのもなんか変だし」
男「で、来れるのか?」
女「うーん。どうしよっかなー、ふふ」
男「大事な話があるんだ」
女「え・・・う、うそぉ。えへへ、何だろう。男のお部屋で大事な話かぁ」
女「絶対行く!」
男「分かった。じゃあ放課後一緒に行くか」
女「私一回家に帰ってからにする。ほら、下着とか今のままじゃ・・・ね?」
男「?・・・まぁ、じゃあそれでいいよ」
男(初めて会った時より女が奇麗に感じるのは、少しずつ俺が女に惹かれていってるって事なんだろうな。本当にもう潮時だ)
99:
幼(窓から見えるのって女だよね)
幼「男の家に来たのかな」
幼(大丈夫。男は約束してくれたもん)
幼(明日女にどうやって声かけたらいいんだろ。慰めるなんてもっての外だよね)
幼(こんなに気の合う友達これから出来るのかな)
幼「・・・あれ」
幼「女が背中にしょってるのって・・・」
女(家に帰ったついでにギター持って来ちゃった。大事な話ってなんだろうなぁ。まぁだいたい分かってるけど。ふふ)
ガチャ
女「あれ?幼じゃん。幼の家、男の家とこんな近かったんだ。前来た時は気がつかなかった」
幼「ちょっとそれ見せて。・・・これ!」
女「あぁ、これ男がくれるって」
男(そろそろ女が来る頃か)
?「返せッ!!」
男「げ!外から怒鳴り声が聞こえるぞ。しかも多分幼だ」
ガチャ
男「どうした!」
幼「これは男のなんだから!返して!!」
女「幼、ど、どうしたの・・・?」
男「やめろ!」
幼「離してッ!」
幼「あ・・・私、まただ。また怒鳴って・・・ごめん」
ガチャ バタン
女「ねぇ男、このギターなにかあるの?」
男「いや、全然たいした事じゃないから」
女「幼泣いてたよ。あの子は凄く優しい子なの。多分男の事を思って泣いてるんだよ?」
男「本当にたいした事じゃないんだよ。ほら家入れよ」
女「そうは見えないよ。今日は私帰るから」
男「え?」
女「やる事が出来たの。じゃあね」
100:
友「女さんが俺に用とは珍しいな」
女「幼も男も、たいした事ないって言って話してくれないから」
女「男とこのギターって何かあるの?」
友「それどうした?」
女「男からもらったの」
友「・・・そうか」
女「ねぇ、教えて」
友「本当にたいしたことないんだよ、この話は。多分男は、幼が大げさに騒いだから恥ずかしくなっちまったんだな」
女「それは聞いてみないと分からないよ」
友「まぁいいけどさ」
友「男が昔よく海外に行っていたのは知ってるか?」
女「知らないけど、写真があった。男と男のお父さん、そして小さなフランス人の女の子」
友「男の親父は、かなり有名なクラシックギター奏者なんだ」
友「いや、親父だけじゃないな。男もその親父の下でギターを学んで、大人達に混じって演奏していた。神童とか呼ばれてたっけ」
女「・・・」
友「写真の隣に写ってたのはフルート奏者の子で、男と年齢を同じくして同じく神童と呼ばれてたんだ。この2人のチームで向こうでは賞を取りまくってた訳だ」
友「男は父の下で努力する秀才。その子は一つの物に異常に執着する、本物の天才って感じだったな」
友(その執着のベクトルが男にも向いた事は別に言わなくてもいいよな)
女「それで?」
友「ある時、男の親父が突然の海外出張で男を連れて行かない時があったんだ」
友「その間男はギターにあまり触れていなかった。男の親父はその次もその次も何故か男を連れていかなかった」
友「それが続いて男はついにギターを弾かなくなったんだよ。それだけの話なんだ」
女「小さな頃の男がずっと弾いていたのがこのギターだったんだ」
友「な?別に誰かに話すような暗い過去でもないだろ。ただ男に本当はやる気が無くって、それを見た男の父親が飽きれちまっただけなんだ」
女「・・・」
友「まぁ、男もそれ以来自分でなにかを決めるって事はしなくなっちまったけどな」
友「男としては練習さぼって、だらけてた話なんて恥ずかしくて誰かに話したく無かったんだろ」
友「本当にたいした事ない話だろ」
女「・・・違うよ。違う」
女「全然たいした事なくなんかない!幼も友くんも男のお父さんも、男だって・・・みんな何も分かってないよ」
友「・・・」
女「あなたたち幼馴染で家族と仲が良かったり、家族でいる時間が長い人っているの?」
友「いや」
女「やっぱり・・・!」
女「友くんありがとう。もう一回私男のところ行ってくる」
友「そうか」
友(もし俺たちよりも女さんが男と分かり合ってきたんだとしたら・・・)
友「まぁそれでも俺は幼を応援するだけだな」
101:
男「なんでこうなっちまなかなぁ」
ピンポーン
男「・・・」
男(今日はもう出る気分じゃねぇよ)
ピンポーン ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン
男「だーうるせぇ誰だ」
ガチャ
女「やっ」
男「・・・女、どうした」
女「入っていい?」
男「別にいいけど」
女「友くんから全部聞いたよ」
男「なんだよ。失望したか?」
女「どうかな」
女「これ返すね」
男「お、おう」
女「なんでこれ私にくれたの?」
男「もう使わねぇなって思ってさ」
女「ねぇ、それ弾いてみてよ」
男「いやでもな」
女「弾きなさい!」
パシンッ
男「いてぇ!なにすんだよ」
女「いいから弾く」
男「分かったよ弾くよ」
女「よろしい」
ジャン ジャン ジャン ジャン
男「こんな感じか?」
女「そういうコードを追ってくやつじゃなくて。もっとちゃんとしたの弾けるんでしょ?」
男「・・・わかったよ」
?????♪
女「凄い。奇麗な音。それに本当に一つのギターから鳴ってるの?」
102:
男「元々はオーケストラで演奏する曲を、親父と一緒にアレンジしたんだ。だからいろんな音を出さないと」
女「ちゃんと練習してたんだ。ふふ」
男「いや、これは」
女「お父さんの前では弾けない?」
男「俺は親父の求める演奏なんて出来ないからな」
女「そっかそっか」
女「照れ屋さんなんだから」
男「照れてる訳じゃねぇよ」
男「俺が初めて親父に置いて行かれた時、本当にギターの練習をさぼってたんだ」
女「それは初めての事だから驚いたんだよ」
男「でもそれで親父は俺に失望して、俺を海外の仕事に連れて行ってくれる事はなくなった」
女「男はさ、お父さんとは楽器以外であんまりお話ししなかったんだね」
男「・・・そうかもな」
女「お父さんは多分ね、失望した訳じゃないの」
女「男が本当にギターが好きなのか分からなくなっちゃったんだよ。だから無理矢理仕事に連れて行く事はしなくなっただけ」
男「そんなの分からないだろ」
女「じゃあ自分から行きたいって言ったの?」
男「いや」
女「私には分かるの」
女「うちは家族とずっと居るし、みんな仲いいんだ。そんなぬるい環境だからこそ分かるの」
男「そんなもんか?」
女「家族って言うのはね、お互いの事を本当に思ってくれてるんだよ。お父さんとお母さんと話してると本当にそう思う。私だって同じだよ」
男「親父も俺の事を・・・」
女「離ればなれの時間が長いせいでお互いの気持ちがわからなくなっちゃったんだね」
女「男はお父さんに見捨てられたと思ったけど、ギターでしか関わってこなかったからどう話して良いか分からない照れ屋さん」
男「・・・やめろ」
女「男のお父さんは、男が本当に自分と一緒にギターを弾きたいのか聞けない照れ屋さん」
女「本当にそっくりだよ」
男「やめろよ!」
女「ギターでしか繋がりが無かったのに見捨てられたって勘違いして、静かになっちゃったこの家でずっと一人で居たんだね」
男「くそっ・・・」ボロボロ
女「一人で良く頑張った」
男「男が・・・泣くなんてっ・・・ちくしょう」
女「いいの私の前では、私の胸だったらいつでも貸してあげるから」
ギュ
男「わるい・・・今度親父に会ったらちゃんと話してみるよ」
女(笑いながら泣く人って初めて見た。人ってこんなに奇麗に泣けるんだ)
女(でもどうして?どうして男はさっきから)
男「女・・・ごめん、ごめん・・・」
女(男はさっきから私に謝り続けてるんだろう)
103:
女「じゃあね私帰るから」
男「・・・おう」
女「元気だしなって。じゃあね」
男「・・・」
男(くそう!4年前から俺の中でくぐもってた物が晴れ始めたって言うのに)
男「女の顔を思い出すと涙が止まらねぇ」ボロボロ
男(俺は本当にクズ野郎だ!)
男(女の事も好きになっちまった・・・)
男「もう幼の隣にいる資格すら俺にはねぇ!幼と女、二人の前から消えるのは俺の方だ!」
男(そうすれば友情も壊れない。俺みたいな奴のために、あの二人が傷ついちゃいけない)
男「俺が二人から手を引けばいいなだよな」
104:
女「おはようモブ子A」
モブ子A「女今日は早いね」
女「早く起きすぎちゃった」
モブ子A「ちょっとあんたさ。わたし言おうか迷ったんだけどさ」
女「なに?」
モブ子「知り合いの子が写メ撮ったから見てよ」
モブ子「これ男と幼完全に手繋いでるよね」
女「・・・!」
モブ子「ちょ、ちょっとあんた顔怖いよ」
女「なんでっ」
女(でも男は私の恋人、幼は親友)
女「こ、こんなの偶然だよ」
女「幼と男は幼馴染で仲いいけどそんな関係じゃないよ?」
モブ子「そ、そうだよね」
女「うん。大丈夫大丈夫」
女(一瞬どきっとしちゃった。偶然手が触れただけに決まってるよ)
117:
幼「昨日はごめん」
男「いいよ。それより幼、ちょっと聞いてくれ」
幼「あ、男・・・ギターまた弾く事にしたんだ」
男「心配かけて悪かった」
幼「本当に心配だったよ。自分で辞めたって言ってたのに、男いつも辛そうだったもん」
男「心配かけて悪かったな」
幼「ううんいいの。女のおかげ?」
男「そうだよ。あいつは凄い奴だな」
幼「そりゃあ私の親友だから」
幼「でも、昨日は女と別れる話をするつもりだったんでしょ?ごめんね。邪魔しちゃった私」
男「幼・・・俺は」
男(今幼と別れても、まだ女と付き合ってるんじゃ幼が変に思っちまう。まずは女と別れないとな)
118:
幼「あーあ、早く男と堂々と付き合いたいなぁ」
男「・・・」
幼「こうやって男の近くに居ると、すっごくいけない気持ちになっちゃうの」
男「今日は駄目だ」
幼「もう、我慢するのが・・・きついかも」
男「つらいなら帰るか?」
幼「なにそれ!むしろもっと一緒に居たいの」
男(わかってる。でももう駄目になっちまったんだよ)
幼「子供の頃からずっと好きだった」
男(俺もだ)
幼「だけど、体が成長したらそれだけじゃなくたっちゃった」
幼「こうやって近づくとね、ほら凄く・・・息が荒くなって」
男「待て。今日はもう遅い。ほらお前のお袋も心配するだろ」
幼「駄目。もう止まんないや」
チュ ンチュ
男「・・・んぐ!」
幼「あっ・・・ん・・・ん」
男「待てって!」
幼「無理。もう理性が持ちそうにないから」
男「くそっ、こうなったら」
幼「じゃあ服脱いで・・・って何その顔」
男「俺が出来る中で一番むかつく変顔だ」
幼「え、なんで今それやってんの?」
男「いいのか?このままだとお前の初体験がこの顔の男って事になるぞ」
幼「そんなの嫌!」
男「だろ?今日は俺マジで眠いわ。帰れ帰れ」
幼「酷い!そんなに帰ってほしい訳!?」
ゲシゲシ
男「う、鳩に入ったぞ」
幼「そんなに帰って欲しいなら帰りますよーだ。バカ!」
ガチャバタン
男「これでいいんだよな」
119:
キーン コーン カーン コーン
女「男、今日のお昼なんだけど、この前もっと人の居ない所で食べようって話したでしょ?」
女「人が全然いない所があったの。そこで食べようよ」
男「よし、そこにしようぜ」
男(別れ話をすつにはちょうどいい場所かもな)
女「おーっと?なんか張り切ってるね。二人きりの場所で何するつもりなかなー?ふふ」
男「ちょっとな」
女「ここだよ。どれどれ、お!誰もいないよ」
男「閉まってる方の屋上の前の階段か。良く見つけたな」
女「2人っきりになりたかったから」
男「そうか」
男「昨日はありがとうな」
女「いえいえ」
男「俺がギター弾いてるの見て、幼が凄い安心した顔してたよ」
女「そっかそっか。やっぱ幼も心配してくれてたんだ」
女「君たち3人は本当にいい幼馴染だよね。ちょっとうらやましい」
男「いい奴らだよ」
女「ほら、早く食べよう。今日のお弁当はね」
男「いや、お弁当はいいんだ」
女「どうしたの?お腹でも壊してるとか」
男「昨日の事は本当に感謝してるんだ。でも」
男「俺と別れて下さい」
女「・・・え」
女「なにそれ?じょ、冗談とか?」
男「ごめん」
女「ねぇ」
男「もう終わりにしよう!」
女「理由、教えて」
男「ごめん」
女「そっかそっか」
女「とりあえず顔上げようか。早く」
ガシ
男「・・・」
女「あーあ、そんな辛そうな顔しちゃって・・・」
男「っ!」
女「どうしたの?何かあったら胸貸してあげるって昨日言ったばっかでしょ」
男「違う。俺はお前の事をもう何とも・・・!」
女「はいはい。で?どうしたの?昨日みたいに私がなんとかしてあげるから。話して」
男「とにかく、もう終わりなんだ!じゃあな!」
女「ふふ」
女「絶対に別れないから」
120:
男「報告しに来たぞ」
幼「うちじゃなくて男の家でやろうよ」
男「どうせお前の家も他に人いないだろ」
幼「そうだけど、夜帰ってくるじゃん」
男「夜までかからないさ」
幼「なんか用事でもあるの?まぁいいや、報告おねがい」
男「女と別れた」
幼「そう」
幼「これで男と付き合えると思うと嬉しいんだけど、やっぱ女の事思うと」
男「それなんだけど」
男「ごめん!」
幼「え?何が?」
男「・・・お前とは付き合えない」
幼「は?」
男「俺はお前とは付き合えない」
幼「・・・」
幼「男なに言ってるの?」
男「だから俺はお前とは一緒にいられないんだよ」
幼「女とは別れたんでしょ?だったら大丈夫でしょ?」
男「それでも駄目なんだ」
幼「意味分かんない!ねぇ私何かした?私の事、き、嫌いになったの?」
ギュ
男「離してくれ」
幼「あ、い、嫌!・・・す、捨てないで!ずっと一緒にいたいの!」
男「ごめん。俺もう帰るから」
幼「待って。あ・・・あれ?男が女と別れてくれて・・・あれ?なんで」ボロボロ
男(ごめんよ幼。これでお前らは俺みたいなクズと、もう関わらなくて済むんだ)
キー バタン
幼「う、うああああああぁぁぁぁっ!なんで!?なんでよぉ!!」
121:
女「幼おはよー。って凄い顔してるよ?大丈夫?」
幼「だ、大丈夫じゃ・・・ないかも」
女「本当につらそう。早退した方がいいと思う」
幼「女は、以外と元気だね」
女「なんで?」
幼「男と・・・別れたんでしょ?」
女「えーなにそれー、私と男が?」
女「別れてないよ」
幼「え」
幼(な、なんで?男は別れたって言ったのに。私、もう分かんないよ!)
幼「う、うぅ・・・」ボロボロ
女「大丈夫!?保健室一緒に行こ」
幼「・・・」
女「歩ける?ほら肩貸してあげるから」
122:
男「おいお前ら、今日はメシ混ぜてもらっていいか?」
クラスメートA「いいよ」
クラスメートB「おろ?女さんはどしたん?」
男「昨日別れたんだよ」
クラスメートC「そうか。まぉ良く続いたんじゃね?」
男「俺もこんな続くとは思わなかったよ」
クラスメートA「まぁ、落ち込むなって」
男「やべっ、購買のもん売り切れちまうな。ちょっとメシ買ってくる」
クラスメートB「あれ?男、女さん来てるぞ」
女「やっほー男。お昼だよ」
男「・・・女」
クラスメートA「あれ?お前ら別れたんじゃないの?」
女「えー男くんが言ったの?ありえないって。別れてないから」
クラスメートC「なんだよドッキリかよ」
クラスメートB「のろけもいい加減にしろ!」
123:
女「じゃあ男もらってくね」
クラスメートC「さっさと持ってけ」
男「おい、どういう事だ」
女「男こそどういうつもり?私別れるなんて言ってないよね」
男「俺、昨日別れるって言っただろ」
女「だから!私それ了承してないんだって」
女「まぁとにかく、お弁当作ってきたから食べなさい」
男「弁当はもうもらえないよ」
女「いいから食え。食材を無駄にしないの。昨日は一人で食べるの大変だったんだんだから。太ったらどうするの?」
男「わかったよ。今回だけな」
男「・・・ごちそうさま。じゃあな」
女「待って」
男「・・・」
女「目合わせなくなったね」
男「やめろ。もう会うのもやめだ」
女「ねぇ男」
ギュ
女「分かる?私すっごいドキドキしてるよ」
男「頼む。やめてくれ」
女「ふふ。気づいてないんだ。男もすっごいドキドキしてる」
男「くそっ・・・やめろ」
女「抱きつかれて興奮しちゃってるんだ。どんどん呼吸が荒くなってる」
男「離れろって!」
女「別れるとか言って本当にその気あるのかなぁ。ふふ」
女「まぁ今日のところはこのくらいでいっか」
女「それより幼と何かあった?」
男「・・・いや」
女「やっぱりねぇ。喧嘩でもしたの?」
女「幼倒れちゃったよ。今保健室に居るから行ってあげてね」
男「やめとくよ」
女「行きなさい!」
バシン
男「いてぇ!なんだよ」
女「もう授業始まるから。私行くね」
女「幼の事まかせたから」
男「どうすりゃいいんだよ」
男(幼が倒れた、か。俺のせいだよなぁ。幼に見つからないように後でちょっと様子だけ見に行くか)
126:
男(この時間は保健室の先生いないっぽいな)
男(幼、ぐっすり寝てる。昨日眠れなかったのかもな)
男「本当、ごめんな」
幼「・・・なにが?」
男「お、お前起きてたのか」
幼「謝るくらいだったら、なんであんな事言ったの」
男「し、静かにしろよ。ここ保健室だぞ」
幼「そんなの知らない」
幼「女と別れたって言ってたのに。嘘つき!」
男「どう言う事だ?」
幼「女言ってたよ。別れてないって。もう何がどうなってるのっ!?」
男「俺は本当に女と別れた。それに、お前と付き合えないのと女は関係ないんだ」
幼「いやだよぉ・・・。男が居ない人生なんて考えた事もないよ!」
男「・・・っ」
幼「苦しいよ。た、助けてよぉ・・・」ボロボロ
男(幼をこのまま一人で家に帰すのはまずいな)
男「ほら帰るぞ。家まで送ってやる。今日だからな」
幼「・・・うん」
女(まさか幼が男の事好きだったなんて・・・でも)
女「そっかそっか」
女(男が私と別れようとする理由)
女(わかっちゃった)
127:
男「ほら、しっかり歩けって」
幼「・・・」
男「おい、くっつき過ぎだ。誰かに見られてるかもしれないだろ」
幼「もう女と別れたんでしょ?じゃあ私とこうやってても問題ないよ」
幼「うーん幸せ。男と腕を組んで歩けるなんて」
ギギギ
男「ちょっとい、痛いぞ。力入れ過ぎだ。それにこうのはもう駄目だ」
幼「嫌だ。手離したら男がどっか行っちゃう」
男「やめろって」
プルルル プルルル
男「悪い。ちょっと電話出るわ」
幼「?」
男「もしもし?あぁ親父か」
男「そうか。わかった。大丈夫・・・うん」
幼「おじさんから?なんの用事だったの?」
男「ああ。親父も急だよなぁ」
男「明日帰ってくるらしいぞ」
幼「えっ」
幼(嘘、明日?なんでこのタイミングなの)
幼(あ、あの子が来ちゃう。いつか来るって分かってたのに!間に合わなかった。油断してた。男とまだ付き合ってないのに)
幼(でも、もう4年も前だしあの子にも彼氏が出来てるかも。もしかしたら心配のし過ぎで、男の事なんて忘れて日本に来ないかもしれない)
幼(・・・あの子に限ってそんな事がありえるの?)
138:
男「なんでお前が居るんだよ」
幼「私だって久しぶりにおじさんの顔見たいもん」
男「別にいいけどな。もうすぐ着くって連絡あったからもう来るんじゃないか?」
幼「あのタクシーそうじゃない?」
男「あーあれ親父だな。荷物おろすのお前も手伝えよ」
幼「いいよ」
バタン
男父「男。元気そうだな」
男「おう。元気元気」
幼「おじさんお久しぶりです」
男父「幼か。男がいつも世話になって悪いな」
?「ここですか?」
幼(うわすっごい美人。誰だろう。でも、あの子はいないみたい。心配して損しちゃった)
幼「ねぇねぇ、誰あの外人さん?超美人」
男「知らねぇよ。すげぇプロポーションだな。親父まさか浮気か」
幼「いやいや、年の差あり過ぎでしょ。私聞いてみる」
幼「あの、私幼って言います。はじめまして」
男父「ああそうか、成長したから分からないか。この子はフランス娘(以下フラ)だ」
幼「は?」
男「なんだって!?」
男(あのちっちゃかったフラが、おっとり系お姉さんに成長してるだと!)
フラ「男さん、お久しぶりです。幼さん、でしたっけ?ごめんなさい、あなたとは会った事はあると思うんですけど・・・」
幼「あはは、覚えてないですよね」
フラ「私今日から少しだけここに住む事になったので、お隣さんですよね。よろしくお願いします」
男父「あの男から離れなかったフラが成長したものだな」
フラ「やめて下さい。恥ずかしいです」
幼(あの頭のおかしかったフラが・・・)
男 幼(普通になってるー!!)
男父「何だそのハイタッチは。フランスに行ってる間に流行ったのか」
139:
男「ってかフラどうした?日本語喋れてるじゃねぇか」
フラ「おじさまに教えてもらいました。結構大変だったんですよ」
男「おじさまって」
男父「私の事だ」
フラ「男、本当に久しぶりです。結構成長したかしら」
男父「おっとフラ、ハグは日本だと無しだ。握手にしなさい」
男(ナイスだ親父。あの巨乳にハグされたらやべぇ)
フラ「親しい人だけなんですが、分かりました。男、これからよろしくお願いします」
男「おう」
フラ「・・・」
男「長い握手だな」
フラ「え?あ、あらあら。私ったらぼーっとしちゃいました」
幼「あの、荷物おろすの手伝います」
フラ「あら、ありがとうございます。それと幼さん、敬語はやめて下さい。私は敬語しか喋れませんが」
幼「わかった」
幼「じゃあフラ、これ運んじゃうから」
幼(これは嬉しい誤算ね。あのまま成長してたらどうしようかと思ったけど、4年もたったんだから流石に心も成長するよね)
幼「じゃあ、私はこれで帰るね」
男「おう、ありがとうな」
幼(やっぱり問題は女よ。って、あ!フラ、男としばらく暮らすって言ってなかった?まぁ、おじさんもいるし普通になってたから大丈夫だよね)
140:
男父「大方片付いたな」
男「おやじ、ちょっといいか。話があるんだ」
男父「わかった。フラが居てもいいのか?」
男「別にいいよ」
フラ「ごめんなさいね」
男父「お前から話とは珍しいな」
男「そうだな。一つ聞きたい事があるんだよ。親父はどうして俺を仕事場に連れて行かなくなったんだ?」
男父「それは・・・お前が迷惑してるんじゃないかと思ったからだ」
男「迷惑?」
男父「俺はお前にギターの才能があると思っていた。だからお前の気持ちも考えずに無理に連れて行っていたようなものだからな」
男(女の言う通りだ。親父としっかり話し合っていれば良かった)
男「親父。当時の俺はどう思っていたかは分からない。でも俺はまだギターの練習をしているんだ」
男父「そうか」
男「昔みたいにプロの中でやってた訳じゃないから、腕は落ちてると思うけどな」
男父「また昔みたいに俺と仕事をしてみるか?」
男「ああ、俺はずっとそうしたいと思ってたよ」
141:
フラ「あの話、私が聞いちゃって良かったのですか?」
男「これからまたお前と演奏するかもしれないんだ。関係ない話でもないだろ」
フラ「男さんがギターをやめていたなんて。こっちに来なくなった理由が分かりました」
男「お前の活躍は知ってるよ。追いつくのは大変かもな」
フラ「大丈夫だと思います。私だって、止まっていた時期はありました」
男「そうなのか?」
フラ「はい。男さんがしばらく来ないと聞かされた昔の私は、一時期塞ぎ込んでしまっていました」
フラ「それに怒った両親が、私の持っていた男さんの写真を全部捨てちゃったんです。酷い話ですよね」
フラ「でもそのお陰で、今はこうしておじさまのチームでの演奏に復帰出来ているので感謝しているんですよ」
男(フラのご両親ナイスだ!)
フラ「だから会うまでほとんど男さんの顔も忘れていたんですよ」
男「まぁ4年もたってりゃそうかもな」
フラ「でも今日男さんを見た時は、すぐに男さんって分かりました。雰囲気みたいなものでしょうか」
フラ「この感じ。懐かしいです」
ギュ
男「おい、ハグは禁止だろ」
フラ「あら、私ったらどうしたのかしら」
フラ(おかしいですね。小さい頃に初恋だった男さん以来、男性には全く興味が湧かなかったのですが)
フラ(男に触れるたびに、下半身から湧き上がるこれは何なんでしょう)
142:
男「まさかフラがあそこまで成長していたとはなぁ」
男(精神的にも、身長もおっぱいも・・・いやいや)
ー4年前ー
男母「男、今日はうちでフラちゃんを預かる事になったから」
男「げ!嘘だろ」
フラ「」
男「あい。離れろよ」
男母「男、フラちゃんと遊んであげるのよ」
男「わかったよ」
フラ「」
男「いや、耳元でささやかれても何言ってるか分かんねぇから」
男「ちょっとトイレ行ってくる」
男「・・・」
ガチャ
フラ「」
男「いやここのトイレの鍵コインで開くけどさ・・・」
男「って何俺のをしゃがみ込んで見てんだよ!」
フラ「」
男「さ、触んな!汚いだろ」
フラ「」
男「ってなんでお前も脱ぐんだよ!おかあさーん!」
男母「ほら夕ご飯よ。日本食だけどフラちゃん大丈夫かしら」
フラ「」
男母「そう、良かった」
男父「フラは食事の時も男から離れようとしないな」
男「おい離れろよ。食べにくいって」
男母「あらフラちゃん男に夢中で全然食べないわね。日本食はやっぱり合わないのかしら」
男「ん・・・むぐっ」
男母「!・・・え、男から口移しで食べてるの?」
男「う、うわあぁぁぁん!」ボロボロ
男父「食事中はフラを椅子に括り付けといた方がいいかもしれんな」
男母「ちょ、ちょっと引いたわ・・・」
ー回想終了ー
男(うわ、思い出すんじゃなかった)
146:
男「まさかフラがあそこまで成長していたとはなぁ」
男(精神的にも、身長もおっぱいも・・・いやいや)
ー4年前ー
男母「男、今日はうちでフラちゃんを預かる事になったから」
男「げ!嘘だろ」
フラ「(フランス語)」
男「あい。離れろよ」
男母「男、フラちゃんと遊んであげるのよ」
男「わかったよ」
フラ「(フランス語)」
男「いや、耳元でささやかれても何言ってるか分かんねぇから」
男「ちょっとトイレ行ってくる」
男「・・・」
ガチャ
フラ「(フランス語)」
男「いやここのトイレの鍵コインで開くけどさ・・・」
男「って何俺のをしゃがみ込んで見てんだよ!」
フラ「(フランス語)」
男「さ、触んな!汚いだろ」
フラ「(フランス語)」
男「ってなんでお前も脱ぐんだよ!おかあさーん!」
男母「ほら夕ご飯よ。日本食だけどフラちゃん大丈夫かしら」
フラ「(フランス語)」
男母「そう、良かった」
男父「フラは食事の時も男から離れようとしないな」
男「おい離れろよ。食べにくいって」
男母「あらフラちゃん男に夢中で全然食べないわね。日本食はやっぱり合わないのかしら」
男「ん・・・むぐっ」
男母「!・・・え、男から口移しで食べてるの?」
男「う、うわあぁぁぁん!」ボロボロ
男父「食事中はフラを椅子に括り付けといた方がいいかもしれんな」
男母「ちょ、ちょっと引いたわ・・・」
ー回想終了ー
男(うわ、思い出すんじゃなかった)
150:
幼「おはようフラ」
フラ「あら幼さん、おはようございます」
幼「男いる?」
フラ「ちょっと待って下さいね」
男「げ、幼が来てるのか」
フラ「一緒に学校に行いたいそうですよ。どうかしました?」
男「いや行ってくるよ」
フラ「はい、いってらっしゃい」
フラ「男、ちょっと嫌がっていたように見えましたが・・・」
男「幼、一緒に学校行くのももう駄目だ」
幼「駄目じゃないし、よく分かんない」
男「よし」
幼「?」
タタタタ
男「どうだ、追いつけねぇだろう」
幼「あー、流石に男子の足には追いつけないや」
男(距離を取る事でフラの執着が和らいだ様に、こうやって少しずつ幼とも距離をとっていこう)
151:
幼「おはよう女」
女「おはよう」
幼「宿題やった?」
女「やったよ」
女「・・・」
幼「あれ?機嫌悪くない?」
女「そんなことないよ。それより、今日も男と一緒に登校してきたの?」
幼「・・・ううん」
女「そう」
幼「・・・」
キーン コーン カーン コーン
女「男いる?」
クラスメートA「さっき出てったよ」
クラスメートB「あれ?一種じゃなかったの?」
女「そっか。そうくるんだ」
クラスメートC「喧嘩でもしたのかい?」
女「うーん、そんな感じ。仲直りしたいから明日男が逃げようとしたら捕まえといて」
クラスメートA「しょうがねぇなぁ男も、分かった俺たちに任せとけ」
女「ありがとう」
女(はぁ、逃げ回っても意味ないのに)
152:
女「モブ子A、あの写真もう一回見せて欲しいんだけど」
モブ子A「え、あの写真はもういいじゃん」
女「どうしたの?別に前も見たから大丈夫だよ」
モブ子A「そうだけど・・・」
女「じゃあスマホに写真送って」
モブ子A「あんたと幼は親友じゃん。あんまり疑うのも」
女「ちょっとそれ貸りるね」
モブ子A「あスマホが、駄目。そっちは」
女「へぇこんな写真もあったんだ」
モブ子A「そ、それは一昨日偶然見かけちゃって」
女「この写真も送ってよ」
モブ子A「わかったわよ。あんた幼に食って掛かったりしないでよ?」
女「え?しないしない。幼にそんな事しても意味ないから」
154:
男(今日は二人とうまく距離を置けたな)
男「ただいま」
男「そうか。親父とフラが演奏してるのか。こうやって音楽が鳴ってるのも懐かしいな」
フラ「あら、男さんも一緒に練習しますか?」
男父「そうだな。練習してたなら弾けるだろ」
男「わかった」
フラ「やっぱり男さんは凄いでんすね」
男父「どうやら練習してたと言うのは本当らしいな」
フラ「よしよし」
男「こら、撫でるな」
男父「そうだ。フラの転入手続きが終わった。来週には登校する事になる」
男「は?おい待てそんな簡単に入れるのか」
男父「フラはフルート奏者として完全に将来が嘱望されているからな。学校側も是非と言っていた」
男「仕事はどうするんだ」
男父「来年の始めに日本での仕事がある。それまでフラには日本に居てもらう」
男父「私はあっちに残した仕事があるからフランスに戻るがね。だから母さんにはあっちに残ってもらったんだ」
男「フラと二人で暮らすのか?俺」
男父「なにか問題でも?」
フラ「邪魔にならないようにしますので」
男「まぁ大丈夫そうだな」
155:
フラ「今日は感謝の気持ちを込めて、私が夕ご飯を作りました」
男父「フラはフランス料理はちゃんと作れるからな」
男「それは楽しみだ」
フラ「はい。クリームパスタです」
男「こ・・・これは」
男父「な?ちゃんと作れるだろ?」
男「すっかり忘れていたが、これは確かにフランスのクリームパスタだ。本当に生クリームとパスタなんだよなぁ」
男父「早く食べるぞ」
男「う、腹がくるしい」
フラ「やはり食文化が違うのでしょか。次は日本料理に挑戦してみますね」
男「そうしてくれると助かる」
フラ「男さん、お風呂が湧きましたよ」
男「そんな事まで悪いな」
フラ「いえいえ」
男「じゃあ先入らせてもらうわ」
フラ(あら?私ったらお風呂のドアの前に何分もただ立ってるだなんて。ただ男さんが入ってるだけなんですが、気になって仕方がありません)
フラ「それに男さんの脱いだ服・・・」
フラ(わ、私なんか変です。体が、むずむずして。今日はもうおじさまがくれたお部屋に戻った方が良いですね)
158:
男「いってきまーすっと」
フラ「行ってらっしゃい」
男父「行ったか。それにしても本当にお前は成長したな」
フラ「またその話ですか?」
男父「昔のお前なら男と二人にするなんてとても無理だったよ」
フラ「そうかもしれませんね」
男父「男から引きはがすのが大変だったな」
フラ「ええ覚えています。本当に恥ずかしいです。でももう私も子供ではないので」
フラ(男さんと離ればなれになった私は、その後本当に異性への興味を失っていました。あまりに恋愛に興味が無かったから、初恋の人の顔すらほとんど忘れてしまう程に)
フラ(だからでしょうか。当時男さんに執着していた自分を理解出来ず、思い出すと恥ずかしくて仕方がありませんでした)
フラ(それがきっかけで、今まで自分が行って来た行動一つ一つが気になって治すようにしてきました)
フラ(でも男さんと再会した今なら、昔自分が男さんに執着していた気持ちが少し分かります。でももう子供じゃないんだから、抑えなきゃ)
フラ「抑えなきゃ、抑えなきゃ、抑えなきゃ」
男父「・・・!」
159:
男「おいお前らやめろ!」
クラスメートA「おとなしくしてろ」
クラスメートB「女さんに頼まれたんだ」
男「女に!?」
女「やっほー男。ランチタイムだよ」
男「裏切り者!」
クラスメートC「お前のためだ。行ってこい」
男「お前あいつらに何言ったんだ?」
女「んー、喧嘩したから仲直りしたいって言ったの」
男「喧嘩なんてしてないだろ」
女「喧嘩って大体たいした理由じゃないでしょ?だったら今の状況と一緒だよ」
男「・・・」
女「早く食べて」
男「食ったらさっさと戻るからな」
男「ほら食ったぞ。弁当箱返すわ」
女「残さず食べたね。偉い偉い」
ギュ
男(後ろから抱きついてきやがった。くそっ、背中に柔らかいものが・・・!)
男「駄目だ離れろ」
女「昨日彼女を一日放っておいたくせによく言うよね」
男「もう彼女じゃない」
女「結構前にさ、放っておかれた分は返してもらうって言ったと思うんだけど」
男「覚えてないな」
女「ほらこっち向いてくれないとキス出来ないよ」
男「やめろ」
女「まぁいいや」
ペロ
男「うわっ!何してんだお前!」
女「首筋弱いんだ。可愛い」
チュ
男「おい!」
女「ふふっ。キスマーク付けちゃった」
男「マジでやりやがった・・・」
男(たった1日分の付けがこれかよ。何日も逃げ回ったらどうなっちまうんだ)
女「ねぇ男、放課後校門で待ってるから」
女「私も大事な話があるんだ。じゃあまた放課後にね」
男(裏門から帰るか)
クラスメートB「あれ?お前教室でマフラーしてんのかよ」
男「ああ、ちょっと風邪気味なんだ」
160:
女「ちゃんと来たね」
男「こっち裏門だぞ」
女「私校門って言ったけど、正門とは言ってないよ。ふふ」
男(こいつ最初から俺が逃げるって分かってたのか)
男「わかったよ。でも話聞いたらさっさと帰るからな」
女「いいよ。何処で話そっか。男の家行く?」
男(今俺んちはヤバい。親父やフラもいるしな)
男「いや、喫茶店にしよう」
女「分かった。じゃあ行こう」
女「お店の中はマフラー外しなよ」
男「・・・わかったよ」
女「うわ、くっきり残っちゃってるねキスの跡」
男「お前のせいだろ」
女「嬉しいくせに」
女「この喫茶店も懐かしいね。一緒に宿題やったっけ」
男「早く本題に入れよ」
女「ふふっ、そうだね」
161:
女「この写真見てほしいの。誰と誰だと思う?」
男「!」
女「そうだよ。男と幼が手を繋いでる写真。知り合いが偶然撮っちゃったんだって」
男「こ、こんなの偶然だろ」
女「じゃあこっちはどう?」
男「・・・うわ」
女「完全に腕くんじゃってるよねぇ」
男(遂にバレちまったか・・・)
男「聞いてくれ。俺が」
女「あ、大丈夫心配しないで。男は悪くないって知ってるから」
男「は?」
女「保健室で聞いちゃったんだ。幼が男に言い寄ってるの」
男(保健室ってあれか。もう言い訳も無理だな)
女「この写真だって、幼が一方的に腕を絡めて来たんでしょ?」
男「それは」
女「まさか幼が本当は友じゃなくて男の事が好きだったなんて」
女「幼に気を使って私と別れるなんて言っちゃう男は、やっぱり優しいね」
男「え?」
男(そうか俺と幼が恋人だった事はまだ知らないのか。幼がただ俺に片思いしてるって思ってるなら、まだなんとかなるかもしれない)
女「でも幼と付き合うつもり無いなら、幼の為にもはっきり言っちゃった方がいいよ」
男「もう言ったしお前には関係ない事だよ」
女「はっきり好きじゃないって言った訳じゃないでしょ」
男「・・・」
女「私の方から幼に話そうか?」
男(そんな事したら、幼が俺と恋人だった事をばらしちまうかもしれない)
男「分かったよ。言うよ」
男(どちらにせよ、幼を突き放しとかないといけないからな)
女「うん。ありがとう男。話って言うのはそれだけだから」
162:
男「もう5時か。思ったより遅くなったな」
男(俺がちんたらしてるから、女が幼の気持ちにまで気がついちまった。早く二人から離れないと)
男(あれ?公園のブランコに居るのって幼か?)
男「お前何してんだよ。もうかなり寒くなってきてるから風邪引くぞ」
幼「男こそ何してたの?家に行ってもいないし。まさか女と会ってたなんて事ないよね」
男「・・・」
幼「早く、報告して?」
男「それはもう終わったろ」
幼「そう、終わったのよこれは。だったら何で私たちまだ付き合ってないの?」
男(さっき女に言われた事、言うなら早い方がいいよな)
男「俺は・・・お前の事はもう好きじゃないんだ」
幼「嘘、嘘だよそれは。男と何年一緒に居ると思ってるの?嘘つく時のくせぐらい知ってる」
男「・・・」
幼「ねぇ寒いよ。ここに長く居たからかな。寒い。そのマフラー借りるね」
男「おい、待て」
幼「?・・・!!」
幼「き、キスマークだ・・・。キスマークだ!!」
男「こ、これはただの痣だ」
幼「違う。こんな所に痣なんて出来ない!女になにされたの?ねぇ!」
幼「許せない。さっきのだって女になんか言われたからなんでしょ!許せない!」
男(こ、このままだとヤバいな)
男「お、おい。今日はもう寒いし帰ろうぜ。じゃあな」
幼「・・・」
幼「さっきまであんなに寒かったのに。男のマフラー、あったかいな」
ガタガタ
163:
男「とりあえずキスの跡は絆創膏で隠しておけば今日中に消えるだろ」
フラ「男さん、ご飯ですよ」
男「おう。待ってました」
男「あれ?親父は?」
フラ「今日は帰りが遅くなるそうです」
男「そうか。じゃあ食っちまおうぜ」
フラ「肉じゃがに挑戦してみたんですが、どうでしょう」
男「なんだ普通にうまいな」
フラ「レシピ通りなのでレシピを褒めて下さい」
男「それは斬新だな」
フラ「あら男さん、ほっぺにお米が着いてますよ」
ペロ
男「うわ、指で取れよ」
フラ「そ、そうですよね。頬のお米を直接食べるなんて」
フラ(でも何故か普通のお米だったのに、凄く魅力的な味がしました。それに、男さんの唇がさっきから気になって)
フラ(き、キスしたらもっと魅力的な味がするのでしょうか。ああ、同じ物を食べているはずなのに男さんの食べている物の方が)
フラ「おいしそうです」
男「フラ?なんか言ったか?」
フラ「い、いえ。なんでもありません」
男「俺の顔ばっか見てないで、食べちまわないと冷めるぞ」
フラ「はい。そうします」
171:
幼「男おはよう。学校行くよ」
男「お前また来たのか」
幼「うん。また来た」
男「顔赤いな。ちょっといいか?」
幼「・・・」
男「凄い熱じゃねぇか。昨日あんな所に長時間居たからだろ」
男「おばさんは?」
幼「今日は二人とも家にいないよ」
男「とにかく家で寝てろ。あーでも病院は行くんだぞ。学校の方には俺から連絡入れておく」
幼「ごめんね」
男「今日は俺早く帰るから」
幼「男。うんありがとう。待ってる」
男「今日うちに親父やフラがいたらな」
172:
女「おはよう。男」
男「ん」
女「もーそっけない。あれ、幼は?」
男「風邪で休みだ」
女「あちゃあ。大丈夫かな」
男「病院行くように言っといたから大丈夫だろ」
男「そうだ、幼にはちゃんと俺の方から言っておいたから。お前は幼に何も言うなよ」
女「うん。わかった。じゃあお昼にまたね」
男「お昼って・・・分かってないんだよなぁ」
173:
キーン コーン カーン コーン
女「男ー、あれ?男は?」
クラスメートA「またかよ。あいつ何処行ったんだ?」
クラスメートB「なんだ?まだ喧嘩してんの?」
女「あれ?もう大丈夫なはずなんだけどな」
女「・・・」
女「この場所で一人で食べるのはちょっと暗いかも」
女「でも男が後から来るかもしれないから、ここでいいや」
女(男が最近変な理由は、幼じゃなかったのかな)
女(私駄目だなー。男は絶対何かに悩んでるんだけどすぐ逃げちゃう。子供の頃月を追いかけた事があったっけ。あれに似てるかも)
女「泣いちゃ駄目だよ私。よし、頑張るぞー」
174:
男(女また来たみたいだな。逃げてれば愛想つかすなんて甘い考えかもしれねぇけど、接触して良い方向に転ぶとも思えねぇしな)
男(本当は今日も幼に会わないほうが良いんだろうけど)
男「流石に心配だよな」
ピンポーン
男「入るぞ。寝てるのか?」
男「っておいおい、凄い熱じゃねぇか」
幼「あれ・・・男だ」
男「病院に行ってないのか」
幼「・・・うん」
男「ほら水だぞ」
幼「・・・うん」
男「ばーかばーか」
幼「・・・うん」
男(なんかこいつ面白いぞ。からかってやろう)
男「実はこれはお前の見ている夢で本当は」
幼「なんだいつもの夢かぁ・・・じゃあ」
男「ばかやめろ。嘘だから。これ現実だからか」
男「お前夢の中の俺にあんまいかがわしい事すんなよ」
幼「うぅ」
男「ほらおかゆ作ってやるから」
男(なにしてんだ俺)
幼「男。居るの?」
男「おう、もうすぐ出来るぞ」
男「意識が戻ってるな」
幼「男の夢見てると思ってた。私変な事してないよね」
男「お前夢の中の俺にエロい事すんなよ」
幼「う、嘘!」
ガサゴソ
男「布団にもぐって何してんだ」
幼「あれ?でも私まだ処女っぽいけど」
男「夢の中の俺が犠牲に」
男(ちょっとうらやましい・・・いやいや)
175:
男「おかゆ冷めちまうから食え」
幼「えー。だーるーいー。食べさせてよ」
男「しょうがねぇな。ほら」
幼「あーん」
幼「うん。おいしい」
男「なんだよ普通のおかゆだろ」
幼「ううん。本当に美味しいよ」
男「大袈裟なやつだな」
幼「いつも女があーんしてて、うらやましかったんだ」
男「・・・そうか」
男「女はもう、お前の俺に対する気持ちに気付いちまってたよ」
幼「なんとなく、分かってた」
男「でも、俺たちの関係には気付いてない。お前ら二人の関係が壊れる事はないと思う」
幼「男と付き合わなければって事?」
幼「友情と恋愛か・・・」
男「・・・」
幼「だったら私は恋愛かな」
男「なんでそうなるんだよ」
幼「女との友情は大きいけど、たったの1年だよ。でも男との恋愛は今までの16年とこれからの人生全部だから」
男「お前は俺がどんな奴か分かってないんだ」
幼「ずっと一緒だったのに?少なくとも男が今苦しんでるのは分かっちゃうんだよね」
176:
幼「なんかパジャマが汗で気持ち悪いかも。悪いけど体拭いてくれない?」
男「いや、自分でやれよ」
幼「後ろは届かないよ。ね、背中だけだから」
男「わかったよ。タオルとか持ってくるから待ってろ」
幼「うん。ありがと」
男「持って来たぞ。っておい!全部脱ぐのかよ」
幼「だって全身拭くもん。寒いから早くして」
男「へいへい。ほら、痛くないか?」
幼「ん・・・うん。大丈夫」
男「変な声だすな。こんなもんでいいか?」
幼「もうちょっと下も」
男「・・・まったく」
幼「ねぇ、私の裸どうかな」
男「ん、奇麗だ・・・いやなんでもない」
幼「えへへ、せっかくだし前もお願いしようかな」
男「待て待て!こっち向くなよ。見えてるって。背中だけって言ってただろ」
幼「固い事言わないの。あ、男のも硬くなってるね・・・」
男「お前元気じゃねぇか。俺帰るから。じゃあな」
幼「もう、すぐ逃げる」
幼(男、私の体に興奮してくれてた)
幼(男のマフラーどこだっけ。あった)
幼「はぁ?落ち着く」
幼「男忘れ物とかしてないかな」
177:
男「フラ、帰ったぞ」
フラ「遅かったんですね。幼さんは大丈夫でした?」
男「ああ。もう元気になったみたいだ」
フラ「それは良かったです!」
ギュ
男「いや俺の手握られてもな」
フラ「お夕食出来てますよ。食べましょう」
男「おい引っ張るなって」
ガサ ガサ
女「・・・」
女「男が食べるはずだったお弁当・・・」
女「これ捨てるのだけは慣れないかな」
178:
フラ「男さん。今日もおじさまが居ないので、練習に付き合ってくれませんか?」
男「いいぜ」
フラ(男さんとの演奏は本当に楽しいです。時間がすぐに過ぎてしまいます)
男「そろそろ。風呂沸かさないとな」
フラ「もうですか」
男「練習ならいつでも手伝ってやるよ」
フラ「ありがとうございます」
フラ「男さんとの演奏は、私にとってとても素敵な時間なんです」
男「なんだよいきなり」
男(なんか顔が近いな。それに最近ボディタッチする仕草が多いような。今だって俺の腰に手まわしてるし)
フラ「昔もこうだったなって。男さんとの演奏がいつも楽しみでした」
男「そうか」
フラ「二人で演奏している時間、二人だけの時間が今は他の何よりも大切に思います。そう考えると男さんの居ない4年間は」
フラ「無駄でしたね」ニッコリ
男「そ、そこまで言う事ないだろ」
フラ「そういえば男さん、明日は空いてますか?」
男「明日?別になにもないぜ」
フラ「あの、この町を案内して欲しいのですが。洋服とかも買わなくちゃいけませんし」
男「そうだな。そう言えばまだ案内してなかったな」
フラ「ありがとうございます。明日楽しみにしています」
187:
男(気軽にフラと出掛ける約束したけど、学校の奴らに見られたらヤバいな)
男「軽く変装してくか」
男「変装つっても買ったばっかの服着るぐらいしか出来ないな。意味あんのかこれ」
フラ「男さーん。準備出来ました?」
男「おう」
フラ「あらあら、男さん素敵な服ですね。私こんなので良いのでしょうか」
男「お前が張り切った服着たら、周りの視線集めちまうだろ」
フラ「それは褒めてくれてるんですよね」
男「まぁそうだな」
フラ「うふふ。出掛ける前からこんなに楽しいなんて」
男「案内って言ってもある程度は希望がないとな」
フラ「あまり服を持ってこなかったので、まずは服屋さんに行きたいです」
男「分かった」
188:
男「ここで良いか?」
フラ「沢山お店がありますね。男さんはどんな服がお好きですか?」
男「服に好きとかねぇけど、フラに似合うのはシンプルなやつじゃないか?」
フラ「男さんが言うならそうします」
男「フラが着れる服、結構少なかったな」
フラ「うう・・・。私太ったのでしょうか」
男「その身長と胸じゃ日本だと苦労しそうだな」
フラ「でも少しですが買う事ができました。どうでしょう」
男「おう、似合ってるけどよ。別に今着なくても良かっただろ」
フラ「すぐに着たかったんです。記念にと思ってカメラ持って来てしまいましたし」
フラ「男さんの選んでくれた服で、男さんと一緒に写りたいです」
男「げ!写真撮るのかよ」
フラ「はい」
男(嬉しそうに笑いやがって)
フラ「あのーすみませーん。写真撮ってくれませんか?」
通行人「あ、はい」
男「ここ観光地じゃねぇぞ。めっちゃ恥ずかしいな」
フラ「CuiCui」
男「キュイキュイ?ああ、ハイチーズの事か」
フラ「あ、ごめんなさい。ハイチーズ」
パシャ
フラ「ありがとうございました」
通行人「あ、どうも」
通行人(キュイキュイ可愛かったなぁ)
189:
フラ「少し混んできましたね」
男「そうだな。休日だし仕方ねぇか」
フラ「はぐれたら困っちゃいます。手握ってもいいですか?」
男「まぁ、この人ごみじゃ仕方ないか」
フラ「はい。仕方ないんです」
男(とは言っても両手で包み込まれる様に握られると恥ずかしいぞ)
男「って、うわっ」
フラ「男さんの手、大きいんですね」
スリスリ
男「ほっぺにすりすり禁止!」
フラ「うふふ」
男(聞いちゃいねぇ)
男「とりあえすメシ食うぞ」
フラ「さっきフランス料理店がありましたよ」
男「最近日本食ばっかだったからな。そこ行くか」
男「うわまっず!」
フラ「あら、不快な味。明日にでも潰れて頂きたいですね」
シェフ「・・・」
190:
フラ「次は楽器屋さんに行きたいです」
男「そうだな。知らないと手入れに困るもんな」
フラ「そうなんです。あ、その角度」
パシャ
男「おいさっきから俺ばっか撮ってないか?」
フラ「気のせいですよ。あ、あれちょっと素敵なオブジェですね」
男「素敵っていうか謎だな」
フラ「男さんも一緒に写りますよ」
男「このオブジェと一緒に写真撮るのかよ。まぁいいけどさ」
フラ「ほら男さん、もっと近づかないと写りませんよ」
男「十分だろ。早く撮れよ結構はずいんだって」
フラ「もっとです」
パシャ
フラ「凄い良い写真が撮れました。男さんと居ると、宝物が増えて駄目ですね」
男「これ完全に抱き合ってる写真になっちゃってるんだが」
フラ「うふふ。あ、ここが楽器屋さんですか」
男「おう。小さいけど品はなくはない感じだ」
男「ふぅ。だいたい見て回ったな」
フラ「はい。今日はすごく楽しかったですね。ちょっと疲れましたけど、本当に楽しかったです」
男「なら良かった」
フラ「うふふ。男さん」
男「なんだよ」
フラ「男さーん」
男「おいうざいぞ。ってかもうはぐれないだろ。手離せ」
フラ「油断してる時が一番危ないんです。もっと近くにいないと」
男「近い近い近い!」
男(今日だけでかなりフラとの距離が縮まったな。物理的に。とりあえず幼の家付近に来たら引き剥がすか)
192:
男(なんか今日は疲れたな)
プルルル プルルル
男「はいよ」
友「よう。生きてるか」
男「なんだよ」
友「いや、どうなってるかなって思ってさ」
男「お前には全部話した方がいいよな」
友「なんだよ女と別れるんじゃなかったのか」
男「実はな・・・」
かくかくしかじか
友「あはははは!そうか、女の事好きになっちゃったか!は、腹いてぇ」
男「お前結構クールキャラだろ。笑うな」
友「悪い悪い。お前本当クソだわ」
男「だから二人から離れようと思ってんだろ」
友「いやもう頑張れよ。もう俺がどうこう出来る問題じゃない」
男「いっそ女に全部打ち明ければ良いのかもな」
友「それだけはやめろ」
男「なんでだよ」
友「とにかくそれは危険だ」
友(そう、幼にとって危険なんだ。男のギターの件についても、男と女にとっては良い方向に転んだ。でも、幼にとっては悪い方向に行ってるんだ)
男「わかった。お前が言うならそうなんだろうな」
友「なんかヤバくなったら言えよ」
男「はははっ、ヤバくなったらってどんな状況だよ」
友「割と笑い事じゃないんだがな。まぁ頑張れ。じゃあな」
男「やべ、フラの事言い忘れてた。まぁいいか」
フラ「男さん。あら、お電話中でした?」
男「いや、もう終わったよ」
フラ「実はパジャマを買い忘れていまして」
男「おいおい。なんかあるかな」
フラ「あの、男さんの使い古しにワイシャツなどがあれば・・・」
男「却下。お前のスタイルでは絶対にやっちゃいけないやつだ」
フラ「もう!ちゃんと下は履きますよ」
男「ならいい、のか?」
193:
男「すっげぇ眠いわ。早いけど寝るか」
フラ「ふぅ、湯船も慣れるといいものですね」
フラ(今日の男さんとのデートはとっても素敵でした。もっと男さんに触れていたい)
フラ「そう言えば、子供の頃は男さんの布団に潜り込んだりしてましたっけ」
フラ「・・・」
ガチャ
フラ「男さん。起きてますか?」
フラ「あらあら、ぐっすり眠ってますね。今日は疲れたのでしょう」
フラ「少しだけなら、良いですよね」
フラ(男さんの布団の中あったかい。それに男さんから良い匂いがします)
ギュ
フラ「・・・はぁ、はぁ」
フラ(な、なんか男さんに胸を押し付けると変な気持ちになってしまいます)
フラ(そう言えば昼は男さんの手をずっと握っていて、とっても大きくて・・・)
フラ「男の手、ちょっと借りてもいいですよね」
モミモミ
フラ「ふ・・・あっ・・・んん」
フラ(こ、これ・・・すごいっ)
男(なんか柔らかい感触が・・・あれ?ワイシャツの前全開の女性に胸を揉まされている?変な夢だな)
男「・・・おい」
フラ「あっ、や・・・気持ちいい」
男「おおおおおおおお、おい!何してんだ!」
フラ「あ、あら」
男「あら、じゃねぇよ。今すぐやめろ」
フラ「おおお、男さん起きてたんですか」
男「誰でも起きるだろこれ。ってかワイシャツの下履くって言ってたよな」
フラ「え?履いてますよ?」
男「パンティーの事じゃねぇよ!ズボン履けよ」
フラ「ごめんなさい。私ったら勘違いを」
男「いやもう良いから出てけ」
194:
フラ「・・・」
男「なんだよ」
フラ「どうせ見られてしまいましたし続きを」
男「出ていきなさい」
フラ「最初は添い寝のつもりだったんです」
男「で?」
フラ「昔は結構一緒に寝てましたよね」
男「ああ、無理矢理布団に入って来るから夜もお前縛られてたな」
フラ「せめて一緒に寝るだけ」
男「 出 て け !! 」
男(こいつマジで出て行かねぇぞ)
男父「おはよう男、今日はやけに眠そうだな」
男「親父!俺の部屋に鍵を付けてくれ!俺の貞操が!」
男父「・・・わかった」
男父「男。私はもう空港のチケットを取ってしまったよ」
男「俺あいつと二人っきりになるのか」
男父「まぁ、頑張りなさい」
男「い、嫌だぁ!あいつはまだ尻尾を出した程度なんだぞ!」
男父「成長したと思ったんだが。・・・お前が気をつければ大丈夫だろう」
204:
男(なんてやる事の無い日曜日なんだ)
男「勉強でもするか」
男(昔は幼や友と遊んだりしてたんだけど、最近じゃそれも出来ないからな。ここ一ヶ月は女と出掛ける事が多かったし)
男(フラは・・・)
男「・・・」
男(やべ、昨日の事思い出しちまった。煩悩退散)
男「幼何してるかな・・・」
男「そう言えば窓から部屋見えるっけ。普段カーテン閉めてるしな」
男「様子見様子見っと」
チラ
男「!」
男「やべ、目が合ったぞ。でも向こうも見てたから同罪だな」
男「うわ。幼からLINEだ」
男(女と幼の未読が100件以上あるんだよなぁ。中身気になるけど見たらバレるし。LINEがパンドラの箱と化してるわ)
幼「男と目が合っちゃった。私の部屋見てたよね」
幼(まぁ私はずっと見てたんだけど)
幼(フラさんが居ると男の家に無理矢理押し入る事も出来ないな。やっぱりちょっと邪魔かも)
205:
フラ「・・・」
フラ(駄目ですね。自分で胸を揉んでも全く気持ち良くありません)
フラ「男さん」
フラ(あの感じはなだったのでしょう。やっぱりもう一回試さないと分からないです)
コンコン
フラ「男さーん。ちょっといいですか?」
男「げ!フラ」
ガチャガチャ
フラ「あら、おかしいですね。ドア壊れちゃいましたか?」
ガチャガチャ ガチャガチャ
男「やめろ壊れる。鍵つけたんだよ」
フラ「どうしてですか?せっかく一緒に住んでいるのですから、一緒に居ないともったいないですよ」
男「もっと有意義な時間の使い方しろよ」
フラ「うふふ。いじわるしないで開けて下さい」
ガチャガチャ
男「マジでやめろ。その音ノイローゼになる」
フラ「あ、そうだわ。合鍵を作ってください。そうすればいつでも入れます」
男「意味ねぇからそれ!」
フラ「しょうがないですね・・・」
男「ふぅ行ったか。勉強に集中しよう」
フラ(あら、ドアの隙間から少し男さんが見れますね。勉強してます)
フラ「・・・」
フラ(私30分以上もこんな所で男さんを眺めて何をしているのでしょう。フルートの練習をしないと)
206:
男「風呂も入ったしテレビでも見るか」
男「はははっ、この芸人面白いな・・・おいフラ」
フラ「はい?」
男「テレビ見ろよ。俺を見ててもしょうがないだろ」
フラ「いえ、おかまいなく」
男「ってかほとんど抱きついてるよな」
フラ「お昼は男さんと会えませんでしたので」
男父「・・・ゴホン」
男(親父気まずそうだな)
男父「私もお風呂に入ってしまおうかな」
男(逃げやがった。た、助けて)
フラ「男さん・・・はぁはぁ」
男「マジでテレビに集中出来ねぇぞ」
男(ってかこいつ風呂上がりでブラしてないのな。ブラが無いとこんなに揺れるのか)
フラ「あら?あらあら、男さんったら・・・」
男(やべっ、股間が反応しちまった)
男「こ、これはな」
男(やばいぞ!昔のフラは、俺の下半身に興味を持った後半が一番ヤバかったんだ。う・・・恐怖の精通を思い出しちまった)
フラ「・・・」
男「っておい!触るな」
フラ「!!」
男「お?」
フラ「ひ・・・うぅ」
男(あれ?流石にこの年齢になると股間に怯むのか?)
フラ「わ、私部屋に戻りますね」
男「よ、よかったー!そういう反応が普通なんだよ多分」
フラ(お、おかしいです)
フラ(男さんの陰部を触った時、私の下半身が痛いほど反応しました)
フラ「・・・!なにこれ?」
フラ「お風呂に入ったばかりなのに、パンツが湿っています」
フラ「体の火照りが治まらない・・・うぅ、これは結構辛いです」
207:
フラ「男さん。随分早く出るんですね」
男「ああ、まぁな。じゃあ行ってくる」
フラ「はい。いってらっしゃい」
ピンポーン
幼「フラさんおはようございます。男いますか?」
フラ「あら、もう出てしまいましたよ」
幼「・・・本当に?」
フラ「本当です。ほら靴が無いですよ?」
幼「本当だ。もう男ったら」
幼(フラさんからはやっぱり昔みたいな敵意が感じられない。本当に大丈夫みたいね)
男「今日も平和な学校生活を送るぞ。もう女とも幼とも関わらない。そうすればあいつらも傷つかないんだ」
208:
キーン コーン カーン コーン
クラスメートA「男捕まえときました!」
女「ご苦労っ」
男「またかよ!」
クラスメートB「彼女さん困ってるぞ。この駄目男」
女「じゃあ男行こうか」
男「・・・」
幼(怪しいと思って女を追ってみたら、男と会ってる!別れたんじゃなかったの?)
幼(男嫌がってるよ。無理矢理連れて行くなんて酷い)
女「はいお弁当」
男「もういらないから」
女「ん?幼にもう気を使わなくていいんだと思ってたけど。好きじゃないって言ったんだよね」
男「言ったよ。でもそれはお前と全く関係の無い話だよ」
女「そっかそっか。男が考えてる事は違うんだ」
男「もう俺に関わるな」
女「駄目。3日も彼女ほっといたんだから、その分返してもらわないと」
男(これ土日もカウントされんのかよ)
女「逃がさないからね。今日はなにしてもらおうかな。ふふっ」
幼「・・・女、なにしてんの?」
女「!」
男「げ!幼なんでここに」
213:
幼「嫌がってる男をこんな人の居ない所に連れて来て、何してるの?」
女「幼、つけてきたんだ。お弁当一緒に食べるだけだよ」
幼「嘘!今何かしようとしてたよね!?それに別れたんでしょ?彼氏でもない相手にお弁当なんて」
女「別れてないよ。別れてない」
幼「男は別れたって言ってた。女が一方的に男に言い寄ってるだけでしょ」
女「幼、落ち着いてよ。幼が男の事好きなのは知ってるけど、無理だよ。だって男は私の彼氏だもん」
幼「後から来ておいて何言ってるの?男を返せ。別れたくせに。付き合ってもないくせに。本当は私と付き合ってるはずなんだ!」
女「幼がそんなんだから男が困ってるんじゃん。幼は男に振られたんだからもう関係ないよ」
幼「・・・振られた?女がけしかけた事でしょ?さっきの話聞いてたんだから!」
幼「あんたなんかもう友達じゃない!!」
女「そうだね。もう無理かもね」
男(うわ。遂にこうなっちまった)
男「待て待て!女と別れたのも、幼と付き合わないのも全部俺の意思だ。悪いのは俺だろどう考えても。もう幼とも女とも会わない。それでいいだろ」
幼「いい訳ないよ」
女「男は悪くないから、黙ってて」
男「だらかやめろって」
幼「男離して!」
男「こら、暴れんな。ほら教室戻るぞ」
女「・・・」
女「ずるい。そうやっていつも男を心配させるんだ」
214:
男(とうとう二人の友情まで崩れちまった)
男「はぁ」
男(女と別れて、幼との関係も終わりにした。それに二人から距離を取ったり、色々やったけど駄目だったな)
男「ただいま」
フラ「あら、お帰りなさい」
男「あれ?うちの制服じゃんか」
フラ「うふふ。似合いますか?」
男「ああ似合ってる。そうか、明日からお前も登校する事になるんだな」
フラ「そうですよ。明日から一緒に行きましょうね」
男「そうだな。まだ道も分からないだろうしな」
ピンポーン
フラ「あれ?誰か着ましたよ」
フラ「はーい」
ガチャ
幼「フラさんこんにちは。男いるでしょ?」
フラ「居ますけど・・・」
幼「ちょっと入るね」
フラ「あ、勝手に入られては困ります」
男「どうした?って幼、なんで居るんだよ」
幼「フラさん、ちょっと男と大事な話があるから外出てて」
フラ「え?」
男「俺には話す事なんてないぞ」
幼「ほら早く」
フラ「い、いきなり外に出てと言われても困ります」
幼「少しだけだから。お願い」
ガチャ バタン
フラ「・・・」
フラ(あれ?なんで私が追い出されたのでしょうか)
フラ(ここは男さんと私が暮らす家ですよね。幼さんにはそんな権限ないですよね)
フラ「腹が立ちます」
フラ(そういえば幼さんは男の幼馴染って言ってましたっけ・・・ああ、そうだったのですか)
フラ「幼さんはあの子だったのですか」
215:
幼「男、久しぶりにいちゃいちゃしようよ」
男「うわ、なんだ!?やめろ。もうお前とはそう言う事しないぞ」
幼「久しぶりの男だ。はぁはぁ」
男「やめろって!お前マジで後でフラに謝れよ」
幼「うん、わかってる。ちょっと強引だったね」
男「いや今謝れ。そして帰れ」
幼「なんで?もう女との友情なんて気にしなくて良くなったのに」
男「友情なんてって・・・お前女と仲直りしろよ」
幼「しないよ。私は男と一緒にいたい」
男「お前そのために女との友達辞めたのか・・・」
幼「うん。ほら、もう女の話はおしまいにしよう?」
男「おい、何してんだ!」
幼「男・・・今誰もいないよ?・・・服が邪魔だな」
男「振り切れねぇ。お前こんなに力あったか?」
幼「男、良い匂い・・・んちゅ」
男「んん・・・!」
幼「はぁ・・・キスも久しぶり。これから毎日しようね、ちゅ」
男(く、苦しい)
幼(離れたくない。もう離れたくないよ)
216:
男「・・・!待て。誰か入って来たぞ」
幼「そうやってまたごまかすそうと」
ゴスッ
幼「ぐぁ・・・!?」
男「なっ!」
フラ「男さん、大丈夫ですか?」
男「ふ、フラお前、今幼の腹を・・・蹴り飛ばさなかったか?」
フラ「何かされませんでした?窓が空いていて良かった」
幼「ふ、フラ・・・」
フラ「あなたまだ男の近くに居たんですね」
幼「!?」
フラ「髪を切ったのですね。全く気がつきませんでした。と言うより忘れてましたけど」
フラ「発情したお猿さんは出て行きなさい」
幼「待って男、フラにまだ用事が終わってないって言ってあげて」
男「・・・」
幼「・・・なんで。う、お腹痛いよ」
フラ「あら、強く蹴りすぎたかしら。外まで運んであげます」
ガチャバタン
幼「女との友情を捨てても駄目なんだ。じゃあ何が足りないんだろ。あははは・・・何が、なにが」
218:
フラ「男さん、嫌な事をされてしまいましたね。よしよし」
男(別に嫌な事じゃなかったが助かったな。幼の腹に痣が残っていなければ良いが)
フラ「キスされてしまいましたね」
男「ああ。フラ、幼痛がってたぞ。後で謝れよ」
フラ「?なぜでしょう。謝る事をした覚えはないのですが」
男「おいおい」
フラ「それより男さん、歯を磨いてきてください」
男「あれ、俺息臭いか?わかった磨いてくる」
男「よし磨いて来たぞ」
フラ「うふふ。そうですか」
フラ「でも・・・足りないですよね」
ンチュ レロ
男「!?」
フラ「んん・・・」
男「な、何してんだ」
フラ「幼さんとのキスの感覚が残っていたら、かわいそうですもの」
男「やめ・・・んぐ」
フラ「あん・・・いい、凄くいいです」
男「・・・もういいだろっ・・・う」
フラ「はぁはぁ、まだです。まだ残っているはずです。・・・んちゅ」
フラ(ああ、これ辞められない。どうしましょう)
男(これいつまで続くんだよ・・・)
男「くそっ、撤退だ」
フラ「あ、待ってください。まだ終わっていませんよ」
男「マジで部屋に鍵付けといて良かったわ」
ガチャガチャ
フラ「男さーん、開けて下さい。まだ、まだまだ終わってないですよ」
男「・・・もうやめてくれぇ」
男(フラは昔ほど酷くはないけど、スイッチが入るとやべぇ)
女「はぁ」
女(幼と喧嘩しちゃった。でもこのお弁当、邪魔が入らなければ食べてもらえたはずなのに)
ドサ ドサ
女「このままじゃ駄目だよね。そろそろ私も・・・」
女(じゃないと、私壊れちゃうかもね)
230:
フラ「男さん学校行きますよ」
男「待ってくれ。寝癖が」
フラ「行く時に私がなでなでしてあげますから」
男「治んねーよそれじゃあ。よしもう大丈夫だ。行くぞ」
男「そう言えばお前どこの教室なんだ?」
フラ「確か1年の・・・」
男「げ!俺と同じクラスかよ。ってか年上じゃないのか」
フラ「あら、同い年ですよ?」
男「まぁ4年前はむしろ年下かと思ってたからな」
男(あれ?フラがいつもに増して普通モードだな)
男「お前、緊張してるのか?」
フラ「わかっちゃいます?他国の学校に行くってこんなに緊張するものなんですね」
男「あんまり心配する事ないと思うぞ。いつも通りで大丈夫だ」
フラ「そうですね。ありがとうございます」
男「あ、でもうちに住んでる事は言うなよ」
フラ「はい。わかりました」
幼(男に家行っても誰も居なかったから急いで来てみたら、フラと一緒に登校してる。フラ、うちの学校来るんだ。昨日うちの制服着てたもんね)
幼(相変わらず昔よりは普通に振る舞ってるけど、かなり厄介だよね。あの子。う・・・お腹痛い)
231:
友「よう男」
男「おー、お前久しぶりに学校来たな」
友「来れないもんは来れないからな」
クラスメートA「聞いたか?今日転校生がくるらしいぜ」
クラスメートB「高校だとあんまりないイベントだよな」
男「はぁ」
クラスメートC「なんだよ男。あんま嬉しそうじゃないな。ってそりゃそうか。男には超可愛い彼女いるもんな」
担任「席に着きなさい。それと転校生を紹介します。入って来なさい」
フラ「はい」
クラスメートA「うっわ、すっげぇ」
クラスメートB「何処の人だあれ。背たっか。スタイルどうなってんだ」
クラスメート達「ざわざわ」
フラ「あ、あの、初めまして。フラといいます」
友「お、おい、あれまさか」
男「そのまさかだ」
友「は?おかしいだろ。めちゃくちゃ小さかったぞ前は」
男「俺も初めて見た時はびびったわ」
担任「フラさん、あそこの席に着きなさい」
フラ「はい」
担任「えー、フラさんはフランスの人で、今は男の家に泊っているそうです。同じクラスで同じ暮らしってか?わははは」
男(おーい!クソ担任!ダジャレ言いたいが為に一人の生徒が犠牲になったぞ!)
クラスメート「ざわざわ」
男「やめろ!し、視線が痛い!」
友「あのフラと暮らしてるのか」
友(状況悪化してね?)
233:
モブ子B「フラさん彼氏いるの?」
フラ「居ませんよ」
モブ子B「えー、信じらんない!美人なのに」
モブ子C「男と住んでるって同居なの?」
フラ「いえ、部屋が別れているので」
モブ子C「なーんだ。つまんなーい」
男「すげぇ人気だな」
友「いや、あの外見はびびるレベルだぞ。でも性格あれなんだろ?」
男「・・・」
友「お前、過酷な人生送ってるわ」
キーン コーン カーン コーン
クラスメートA「あ、男がまた逃げようとしてるぞ」
男「お前らもはや楽しんでるだけだろ」
クラスメートB「男を捕まえるぞー」
男「やめろって」
フラ「何をしているのかしら」
クラスメートC「ふ、フラさん・・・」
フラ「男が嫌がっている様に見えるのですが」
クラスメートA「いや、これには訳が」
フラ「男さん行きましょう」
男(まぁ今日はフラのお陰で助かったか)
女「男いるー?」
モブ子B「ちょっと女。彼氏の家にあんな美人置いといていいの?」
女「え、何の事?」
モブ子B「あんた知らないの!?男の家にすっごい美人のフランス人が住んでるのよ。しかも今日転校してきた」
女「フランス人・・・。もしかして」
モブ子B「ってか何であんたの彼氏最近逃げ回ってるのよ。倦怠期?」
女「ちょっとー。なにいってるの?」
ボブ子B「・・・ごめん」
238:
男「売店で飯買ったけど何処で食うよ」
フラ「私はどこでもかまいませんよ」
男「お前が目立つんだよ。他の学年からも続々見学に来てらっしゃるじゃねぇか」
フラ「焼きそばパン?なんでしょうこれ」
男「それは後で教えてやるから。とりあえず校舎裏のベンチ行くぞ。あそこは人が少ないからな」
男「ここに人が少ない訳が今分かったわ」
フラ「あら、カップルが多いんですね」
男「まぁここで妥協しないと、食う時間がなくなっちまうな」
男「どれ食いたい?」
フラ「私焼きそばパンに興味があります」
男「じゃあ俺普通のサンドイッチでいいや。どうだ、うまいか?」
フラ「う・・・お砂糖がいっぱい入っているんですね」
男「そうか、気にしてなかったけど言われてみれば甘いなそれ」
フラ「で、でも、独特な味でこれはこれで」
男「無理すんなよ。取っ替えてやるから」
フラ「ごめんなさい。こっちは普通のサンドイッチの味ですね」
男「いいよ別に。俺はどっちも食えるから」
フラ「あら、あっちにキスしてる方がいますよ」
男「気にすんな。さっきパン交換したから、あれだって間接キスだろ」
フラ「・・・」
男「あ」
男「なんてな。俺ちぎって食ったから」
フラ「男さん、ちゃんと口から食べてましたよね」
男「うわ」
フラ「私もう一度焼きそばパンに挑戦してみたいのですが」
男「いや、俺の食いかけだから」
フラ「駄目ですか?」
男「まぁいいか」
フラ「ありがとうございます。うん。おいしいです」
男「お前さっき凄い不味そうな顔してたよな?」
241:
男「ふぅ、今日も終わりだな」
フラ「男さん、私放課後書かなくちゃいけない書類があるそうなので、少し待っていてくれませんか?」
男「わかった」
フラ「すみません。すぐに戻りますので」
男「何して時間潰すかな」
先輩A「ちょっと、いいかい?」
男(うわ、なんか手招きしてる上級生がいるな。なんか怖えぇ。ホモじゃなければいいけど)
男「な、なんすか」
先輩A「君のクラスに転校生がいるだろ?」
男「いますね」
先輩A「かわいいよなぁ。日本人には無い堂々とした雰囲気があるよ」
男「はぁ」
先輩A「君仲いいんだろ?紹介してくれよ」
男「はぁ」
男(いや待てよ、フラに彼氏が出来れば俺は解放されるんじゃないのか?)
男「是非!協力させていただきます!」
先輩A「え、いや、そんなに張り切らなくても。ただ紹介してくれるだけでいいんだよ」
男「いえいえ、全力でサポートさせて頂きますよ。俺はグローバルでコミュニケーションなコンサルティングをする、アウトソーシングな後輩ですからね!」
先輩A「き、期待してるけど、アウトソーシングだけはやめてくれよ」
先輩A「じゃあ続きは明日頼むよ」
242:
幼「あ、男がこんな時間まで残ってるって珍しいね」
男「げ!幼」
幼「げって何よ」
男「・・・」
幼「ねぇ、無視?・・・いたた」
男「昨日の、痛むのかよ」
幼「うん。ちょっとね。ほら見て、お腹の所ちょっと痣になってる」
男「うわ、痛そうだな」
幼「・・・触ってみる?」
男「いや触ったら痛いだろ」
幼「大丈夫だよ。むしろ治っちゃうかも」
男「ありえねぇから」
幼「ほら、手出して」
男「うわ近いぞ」
幼「あれ?どうして顔赤くしてるの?私の事好きじゃないんでしょ?」
男「まてまだ校舎に人結構いるから」
幼「男、私ね」
フラ「はぁ、またあなたなのね」
幼「・・・フラ」
フラ「男が嫌がっているのが分からないのかしら」
幼「今男と話してるのに。人の邪魔して楽しい?」
フラ「邪魔はあなたの方ですよ。昔も演奏会で余計な花束を男さんに持ってきましたね」
フラ「まぁあの時はその花束を私が床に叩き付けて、踏みつけてあげましたけど」
幼「覚えてたんだ。男、こんな人と一緒に住んでちゃ危ないよ!」
男(知ってるわ。気がつくの遅かったけどな)
フラ「なんだか疲れました。男さん帰りましょう。こんな人が居る場所よりも、二人の方が素敵な時間が過ごせますよ」
男「あ、ああ帰るか」
幼「・・・っ」
243:
女「お父さんお母さん」
女母「どうしたの?」
女「今週の土日、軽井沢に二人で行くんでしょ?」
女父「ああそうだな。夫婦水入らずってやつだ」
女「それに水を差すようで悪いんだけどさ、男と私も行っていい?旅館は別に取るから」
女父「車は4人乗れるからな。いいぞ別に」
女「ありがとう」
女母「男くんの顔も久しぶりに見たかったからいいかもしれないわね」
女「ふふっ、そうだね」
251:
男「やっぱ朝一の授業眠いわ」
男「次数学か。教科書ロッカーだったかな」
先輩A「やあ」
男「待ってましたよ先輩」
先輩A「フラさんを紹介してくれるんだよね」
男「紹介しますとも!ついでに告白しちゃって下さい」
先輩A「え、それはちょっと」
男「いけますって!俺は全く知らない相手に告白しましたけど、OKしてもらえましたよ」
先輩A「そう言うものなのかい?」
男「ええ、それに作戦を建てて来ました」
先輩A「君は最高の後輩だ!」
男「本題ですが、まずフラと会ったらハグしてください」
先輩A「だ、大丈夫かいそれ」
男「俺がフラと会った時、日本でハグが駄目って聞いて結構ショック受けてました」
先輩A「なるほど、それでフランクな感じをアピールする訳か」
男「それと告白する時は同時に手を握って下さい」
先輩A「そ、それはなんでだい?」
男「うーん。こればっかりは見てみないと分かんないっすよね。よし、ちょっと実践してくるんで教室の外から見ててください」
男「おい、フラ」
フラ「なんでしょう」
ギュ
先輩A(おお手を握ったぞ)
フラ「・・・黙られると困ってしまいます」
先輩A(おお、両手で握り返して来た)
フラ「・・・」
男「あ、やべぇ。ストップだフラ。教室!ここ教室だから!」
先輩A(おお、しかもその後にあんなスキンシップまで!)
男「はぁはぁ、逃げ切ったぞ。先輩、これが手を握る理由です」
先輩A「いけるぞ。これで僕に外国人の美人彼女が!」
男「じゃあ今日の昼休みにアポ取っておくので」
先輩A「早いね。まぁどちらにせよ同じ事だな」
男「頑張ってください。マジで」
252:
男「なぁフラ、頼みがあるんだ」
フラ「なんでしょう」
男「昼休み先輩Aっていう人に会ってくれないか?」
フラ「え、嫌です」
男「頼む!大事な用事なんだよ。俺は別に用があって行けないからな」
フラ「まぁ、男さんの頼みなら」
男「悪いな。ほらサンドイッチだ。先に買っといてやったから、用事が長引いたらそっちで食え」
フラ「いえ、早めに戻ります」
男「まぁもしもの為だ。持ってろ」
フラ「?わかりますた」
キーン コーン カーン コーン
フラ「それでは行って来ます」
男「おう」
男(よし。頑張ってくれ先輩)
女「今日は男居るんだ」
男「あ」
女「ご飯、行こっか」
253:
フラ(はぁ、男さんと過ごせる貴重な昼休みなのですが)
フラ「あの、男から頼まれて来ました」
先輩A「初めましてだね。僕は先輩A」
先輩A「といあえず挨拶にハグでも」
フラ「お断りします」
先輩A「・・・そうかい」
フラ「早く本題に入ってくれます?」
先輩A(なんか警戒されてないかい?いや、後輩の協力を無駄にしちゃあいけないよね)
先輩A「僕と、僕と付き合ってくれ!好きなんだよ君の事」
フラ「は?」
先輩A(なんか嫌がってない?まぁとにかく手を握ろう)
ギュ
フラ「な、何を・・・」
先輩A「どうしたんだい、もしかして照れているのかい?」
フラ「嫌。近づかないでください・・・」
フラ(うぅ、せっかく男さんがさっき握ってくれた手が。何か袋状の物は!あ・・・サンドイッチが入っている袋・・・)
フラ「う・・・うぇ、おえぇぇぇぇっ・・・ぅ」
先輩A「!」
先輩A(は、吐くほど嫌がるなんて・・・)
先輩A「だ、大丈夫か?」
フラ「・・・大丈夫ですので、私は教室に戻ります」
先輩A「・・・」
フラ「はぁ、サンドイッチがゴミになってしまいました。人前で吐くなんて・・・やはり男さん以外の人間は、触りたくもありませんね。口濯がないと」
フラ(とても嫌な気分になりました。男さんに会いたい。男さんに会いたい。・・・会いたいです)
モブ子B「あ、フラさん戻って来た。顔色悪いね。どうしたの?」
フラ「いえ、大丈夫です。男さんは何処ですか?」
モブ子B「ああ、女とランチしてる」
フラ「女?女性の名前でしょうか」
モブ子B「えー、知らないの?男の彼女だってぇ」
フラ「・・・」
モブ子B「フラさん大丈夫?ほんとに顔色悪いよ」
フラ(彼女ですって?私にあんな用事を差し向けておいて、男さんはその人と一緒に居るのですか。・・・男さん、少し酷いですよ)
254:
女「ここでいいや」
男「いつもと場所が違うんだな」
女「あの場所はもう幼に知られちゃったからね」
男「お前も俺にばっかかまってないで新しい彼氏でも」
女「なにそれ。そんな事する訳ないでしょ。今のは流石にムカついた」
女「それにフランスのあの女の子、フラさんだっけ?来てたんだ。他の女性が家に居るのに、彼女になんにも言わないんだね」
男「もう一回言うぞ。俺たちは別れたんだよ」
男「そしてお前は幼と仲直りしてくれ。頼む。前は親友だって言ってたじゃねぇか」
女「そうだね。全部元通りにしようか。前みたいに二人でデートしたり、一緒に宿題したり・・・キスしたり」
男「違う。そう言う事じゃない」
女「冗談だよ」
男「え?」
女「私もさ、幼と喧嘩したままじゃ駄目だって分かってるんだよね」
男「そ、そうだよな!」
女「でも仲直りするの一人じゃ難しいかも。男、協力してくれない?」
男「おう、それならいいぞ」
女「じゃあ明後日の金曜日、放課後私の家に来てよ」
男「学校でもいいだろ」
女「それじゃあ幼にバレて、何こそこそしてるんだーって怒られちゃうでしょ」
男「それもそうだな。明日でもいいんだぞ」
女「明日は駄目。準備があるから」
男「準備?」
女「とにかく、明後日。幼と仲直りする方法一緒に考えようね」
男「おう、わかった」
女(本当はフラって人の事もっと聞きたかったし久しぶりに男に色々したかったけど、今は我慢しないと)
262:
男(昼休みはちゃんと逃げないとな。クラス皆の前で女を拒絶する訳にはいかないしな)
男「フラ。帰るぞ」
フラ「・・・はい」
男「お前具合悪いのか」
フラ「ええ、そうみたいです。肩借りますね」
男「お、おう」
男「先輩に告白されたんだろ。OKしたのか?」
フラ「っ!・・・お断りしました」
男「そうか」
フラ「早く帰りましょう」
男「ただいまーってもう親父はフランス戻ったのか」
フラ「・・・ご飯作っちゃいますね」
男「おう」
男「あー食った食った。今日もうまかったぞ」
フラ「・・・そうですか。私お風呂に入っちゃいますね」
男(フラちょっと変だな。以外と先輩の事考えてたりしてな)
男「もうこんな時間か。そろそろ寝るかな」
フラ「あの、男さんお話があります」
男「いや今日は寝るから」
ガチャガチャ
男「鍵閉まってるって」
フラ「・・・またこれですか」
バキィッ
男「え?」
フラ「入りますね」
男(え?今突き破った?まぁホームセンターの簡易的な鍵をつけた俺が悪いのかもしれないけど)
263:
フラ「男さん・・・酷いです」
男「な、何がだ?」
フラ「私はあんな人に興味なんかありません。昔からずーっと男性は男さんにしか興味がありません」
男「あの先輩だって頑張って」
フラ「とにかく嫌だったんです!あんな事に時間を使わせないで下さい」
フラ「あの先輩に手握られて、不快で不快で、男さんに会いたくて会いたくて会いたくて」
男「うわっ、待てそれ以上近づくなよ」
フラ「駄目です。許しません」
男(あ、やべぇ。ベットに押し倒された)
チュ
男「んっ」
フラ「ちゅ・・・んふ、お仕置きです」
カチャカチャ
男「ま、待て!ズボンを下ろすな!」
フラ「そうですよね。男さんだけって言うのも変ですよね。私もワイシャツの前開けます」
男「そういう意味じゃねぇ!」
フラ「ほら、私のおっぱいどうですか?あれ?男さんの陰部が大きくなってますよ?やっぱり男さんはおっぱい好きだったんですね」
男「待て待て!それ以上は駄目だ」
ボロン
フラ「うふ、うふふふ。凄いですね。これは良いですね!」
男「さ、触るな」
フラ「これ・・・はぁはぁ、今日は色々していいですよね。だってお仕置きですもの」
男(フラ、満面の笑みじゃねぇか。この表情は良く覚えてる。完全に昔のフラに戻っちまってるよ)
266:
フラ「はぁはぁ・・・あ、逃げようとしたらこれ掴んで引き止めますので」
男「もげるじゃねぇか!」
フラ「はぁ、どうしましょう。まずは、手でじっくり楽む事にします」ウットリ
男「うううわっ、やめろ」
フラ「うふふ、ここ触るとぴくぴくってなるんですね。かわいい」
男「んぅ・・・やめっ」
フラ「あらあら、気持ちいいのですね。じょあもっと・・・あぁっ、凄いです。どんどん硬くなってます。感じてるんですね」
男「それ以上はマジでやばいって」
シュッ シュッ
フラ「はぁはぁ。あれ?手に何かぬるっとしたものが」
フラ「ああ・・・もう限界です、これ舐めてみても良いですよね」
男「え!?」
フラ「どんな味がするんでしょう」
ペロ
男「う・・・う、嘘だろ」
フラ「んん・・・もっと。んちゅる・・・」
男「・・・うく」
フラ「じゅぽっ・・・んん、男さんの陰部が私の唾液に包まれてます。ほら男さん、こうやって私のおっぱい触って下さい」
男「ストップ!ほ、本当にストップ!」
フラ「ああん・・・気持ちいい。もっともっとっ・・・んちゅ、じゅるっ」
男(待て待て待て!出ちまう!それはヤバいって)
男「やめろ。出るって!マジで出ちまうから!・・・って、逆に激しくしてどうすんだよ!」
フラ「んぢゅんちゅ、むっんっ・・・じゅぽ、じゅぽ」
男「・・・あ」
フラ「ん・・・んく・・・ごくん」
男「う、うわぁぁぁ!」
267:
男(飲みやがった!マジで4年前と同じ事しやがった)
フラ「はぁはぁ・・・うふふ、素敵ですね。素敵ですね。素晴らしい日です」
男「・・・」
フラ「昔は知りませんでしたけど、これって子供を作る時に出す物なんですよね」
フラ「そう考えると、口にだけじゃもったいないです」
男「おい!まさか」
フラ「私もう限界なんです。下半身が・・・はぁはぁ、もう」
男「待て!パンツを脱ぐな!」
フラ「脱がないと・・・出来ませんよ?」
ヌギヌギ
男(やべぇぞ!本当にやべぇぞ!・・・あれ?フラの両手が俺の股間から離れた)
男「今だ!」
ドン
フラ「きゃっ!」
フラ「・・・」
フラ「行ってしまいました。男さん。これから毎日二人暮らしですよ。うふふ」
男(凄い!俺走ってる!夜の町を。ズボンだけは回収出来た!でも、ノーパンで走ってるよ!フラが来た時点で薄々こういう日が来るって気付いてたよ!)
男「今日は野宿だ」
276:
幼(男が夜中に家を飛び出すところを窓から見つけたから追いかけてみたら・・・)
幼「公園で寝てる。なんでこんな所で寝れるのよ。風邪引いちゃうから連れて帰ろ」
幼「う、重い。死にそう。痩せてても男子ね」
幼「お母さーん。男拾って来たんだけど・・・」
幼「え?誘拐じゃないよ。多分男にも家に帰れない事情があるの」
幼(全然起きない。男やっぱ図太い性格かも。私も寝ようかな。疲れたし)
幼「布団一つしか無いからいいよね」
幼「・・・」
幼(最近男と話せてないや)
幼(前はずっと一緒に居たのに。男が女やフラさんと居るのを見るのが辛い)
ギュ
幼「なんでこんな事になっちゃったの」ボロボロ
幼(辛いよ・・・)
幼「今日くらいは一緒に居ても良いよね。隣で寝るだけだから・・・何もしないから・・・ちょっとだけ泣いてるだけだから・・・」
男(幼か泣いてる夢か。現実の幼も、家で泣いてたりするのかな。それとも、もう俺の事なんて忘れて笑ってるのかな)
男(幼に会いてぇな。でも女も好きになっちまったクズ野郎には、そんな資格ないんだ。ごめんよ)
幼「・・・男の目から少し涙が流れた。本当は起きてるのかな。寝てるかもしれないけど、聞いて」
幼「好きだよ、男。大好き」
男(くそ!こんな夢早く終わってくれ!)
幼(また涙が流れた。私の気持ち届いてるといいな)
277:
男「ここは・・・」
男(俺、確か公園で寝てて)
幼「あ、男おはよう。朝ご飯くらいは食べて行ってよね」
男「こ、ここ幼の部屋か」
男(あれはもしかして夢じゃないのか。だったら尚更きついな)
幼「なんて顔してるの。顔洗ってきた方がいいよ」
幼「ご飯だけ食べたら行っていいから。別に引き止めたりしないよ」
男「・・・分かった」
幼「目玉焼きにご飯とみそ汁。シンプル過ぎるかな」
男「・・・」
幼「あ、醤油欲しいの?分かった」
男「・・・」
幼「お米足りないか。ちょっと待ってて」
男(こいつ俺の事なんでも分かるんだな)
男「ごちそうさま。俺帰るから」
幼「うん。学校でね」
幼(醤油が欲しいとか、細かい事だけ分かっても駄目なんだよ。男の考えてる事、私全然分かんない)
男「た、ただいま」
フラ「はい。お帰りなさい。昨日はどこかで休まれたのですか?」
男「おう」
フラ「そうですか。後先考えずにすみませんでした。今日からはもう少し考えて行動します」
男「そうだな。ってそういうレベルの話じゃねぇから。俺制服に着替えるからちょっと待ってろ」
フラ「はい」
279:
フラ「こうやって、男さんと毎日登校出来るって良いですね」
男「道覚えたら一人で行けよ」
フラ「嫌です。一人だったら手が寒くなった時、こうやって暖められません」
男「おい、手を握るな。手袋すれば良いだろ」
フラ「顔だって寒いんですよ」
スリスリ
男「俺の手でほっぺすりすりも駄目だ」
フラ「そんなに禁止事を作っても、覚えきれません」
男「いや普通に考えて駄目だろ」
フラ「・・・」
男「黙ってないで手を離せよ。なんか怖いぞ・・・」
ペロ
男「うえぇ!今舐めただろ。ほ、本当に俺の手を解放してくれ」
フラ「ただの味見なのに。そんなに嫌がられると傷つきます」
男(あぁぁ、もう酷いぞこれ)
女「おはよう男」
男「うわ、なんでお前が」
女「男は相変わらずなんだ。・・・ふーん。これがフラさんか」
男「そうだ」
女「見せつけてくれるね。自分の状況分かってるのかなぁ」
男「はぁ?こいつとはなんでもねぇから」
女「男はそう思ってるかもね。フラさんは、男のポケットに手を突っ込んじゃうくらいの好意は持ってるみたいだけど」
男「あ!こら、やめなさい!この子はもう」
フラ「男さん。この方は?」
男「ああ、隣のクラスの女だ」
フラ「あら、この人が男さんの彼女って噂の」
男「・・・彼女じゃねぇよ」
女「・・・」
フラ「はぁ、自称ですか」
パシーン
女「っ!?」
男「おい、フラ何やってんだ!」
女(え?私今ひっぱたかれた?こ、この人おかしくない?)
フラ「まぁ男さんくらいになれば、そういう人に付きまとわれる事はあると思いますが」
フラ「私が居る間は許しません。お昼休みも男さんに迷惑をかけているそうですね」
女「うーん・・・。男、とりあえず今日はお昼そっち行けないから」
男「お、おう」
フラ(幼さんの様に突っかかって来ませんね。少し厄介な子かもしれませんね)
281:
キーン コーン カーン コーン
男「よし飯買って来るか」
フラ「私も一緒に行きます」
男「いいけどよ。お前たまには女子と食えよ」
フラ「あら、何故でしょう」
男「いや友達出来ないぞ。それに今日は友と食うから」
友「悪い、俺用事あるわ」
男「裏切り者ー!」
フラ「男さん、行きますよ」
男(不味いぞ。フラに主導権を握らせるのは本当に不味い。昨日の惨劇はもう二度と引き起こしてはいけない)
友「うっす、女さんから用事の時は、ろくな事がないから億劫なんだけどな」
女「そう?少し聞きたい事があるだけだよ」
女「フラさんについて教えて」
友「会ったのか?」
女「会った。もしかして少し変な子?」
友「変って言うかヤバいな」
友「俺がちゃんとフラを見たのは5年前くらいか?一回だけだが、男がフランスに居る時に遊びに行った事があるんだ」
ー5年前ー
男「おう、きてくれたのか」
友「久しぶりだな。一日だけお前のいるホテルに泊まるけど、明日からは家族と観光だ」
男「なんだよ。つまんねぇ」
友「ところで、お前の背中に乗ってるちっこいのはなんだ?」
男「ああこいつ?こいつはフラってんだよ。ずるずる引きずって歩くのもダルいから、こうやっておぶってんだ」
友「ん?色々意味が分からないのは文化の違いってやつか」
男「まぁ、細かい事は気にすんなよ」
友「そうだな。お前の耳がフラって子に食われてるのも些細な事だよな」
282:
男父「夕飯の時間だぞ」
男「よっしゃ。俺腹減ってたんだよ」
友「だな」
友「って、なんかフラが凄い悲鳴を上げながら大人の人に連れ去られて行ったけど、大丈夫なのか?」
男「ああ、あいつ俺が近くに居ると飯くわねぇからな」
友「大丈夫かそれ」
男「あ、飯出て来たぞ。いただきます」
友「おおスパゲティか。うまそうだな」
男「それでな、フラは何かに結構執着するタイプらしくて、フルートを一日中練習とか出来ちまうからあの年ですげぇんだよ」
友「ああ、それで男にも執着してる訳だ」
男「まぁ・・・そうなんだけどな」
男「俺も負けてられねぇぜ!」
友「いいライバルだな」
友「ふう。食った食った。これから何する?」
男「え?これ前菜だぞ」
友「・・・嘘だろ?」
283:
男「あー、くったくった」
友「う・・・苦しいな」
友「って、フラがあっちから凄いスピードで男に向かって走ってきてるぞ」
男「げ、まてまて」
ッガシ
男「ぐえぇ、出るから!それマジでやめて」
フラ「ニコニコ」
男「ほら、ほっぺにソースついてるぞ」
フキフキ
友「はははっ、お前も顔にソースついてるって」
男「え?どこだ?」
ペロ
友「!?」
男「うわ、それもやめろって言っただろ!」
友(男の顔なめたぞ。こ、これこっちでは普通なのか?)
男「とりあえず、しばらくやる事ないし部屋でテレビ見ようぜ」
友「そうだな。こっちのテレビも見てみたいし」
男「じゃあ決まりだな。フラお前は・・・そもそも離れてくれないか」
284:
友「これドラマか?何言ってるかさっぱり分からん」
男「雰囲気だけみてりゃあいいんだよ」
フラ「キラキラ」
友「なんかフラは楽しそうだな」
男「変な曲流れはじめたぞ」
友「う、うわ。凄い激しいキスしてる」
友「おい、男聞いてるのか?チャンネル変えないとヤバそう・・・って、ええええ!」
フラ「んちゅ・・・ん」
男「んんん!」バタバタ
友「男がフラにキスされてる。なんでだ?」
フラ「(フランス語)」
友(ドラマと同じ台詞。ドラマの真似してるのか)
友「って事は・・・あ、ドラマの内容がベットシーンに・・・」
男「脱がすな!やめて!」
友「大人の人呼ばないと!」
友「おじさん!男がフラに襲われてる!」
男父「またか・・・」
友「男!無事か!」
男父「こら、フラ離れなさい」
友(うわ、半裸の男と全裸のフラが抱き合ってる)
友「男。しっかりしろ」
男「・・・うぅ」ガタガタ
友「お前いつもこんな目に・・・」
男「お、俺シャワー浴びてくる」
友「おう行ってこい」
友(男がシャワー浴びてる時は、フラ以外とおとなしいな)
友「あれ?フラは?」
男「あー!フラ見張ってろって言っただろ!」
友「おじさーん!」
男父「・・・またか」
ー回想終了ー
285:
友「俺はそれからの事は知らないけど、男曰くこの後どんどんエスカレートしたらしいぞ」
女「え・・・それ以上酷くなったの?」
友「らしいな。後は幼と俺で演奏会の後に、男に花束渡そうとしてフラに花束踏みつけられたくらいかな」
女「踏みつけられたって・・・」
女「なんでそんな重要な事隠してたんだろうね!」
友「胸ぐらを掴むのはやめろ」
女「そのフラさんが男と一緒に住んでるってヤバ過ぎるでしょ」
友「ああ、リアルに貞操の危機だな」
女「ねぇ、幼は」
友「悪いな。お前に情報を与えすぎる訳にはいかない」
女「やっぱり友くんは幼の見方なんだ」
友「悪い。でも俺と幼、二人で女さんと互角くらいだろ」
女「はぁ?意味分かんないんだけど」
友(本人に自覚はないのか。ある意味怖いな)
女「まぁとにかくありがとう。私教室戻るから」
友「わかった」
女(フラさんと男を一緒にしておくのは本当に危ない。でも良かった。早めに動いたから間に合いそう)
295:
男「サンドイッチしか残ってなかったな」
フラ「私は全然かまいません」
男「米が食いたいぜ」
フラ「じゃあ、お夕食は和食にします」
男「ああ、サンキューな」
男「って俺のところ卵サンド入ってなかったか。半分くれよ。カツサンド分けてやるから」
フラ「はい、どうぞ」
男「おう。そこ置いとい・・・もがぁ!」
男「せめて、はいあーんぐらいの前置きはしろよ!」
フラ「あら、だって男さんいつも嫌がるじゃないですか」
男「そうだけどよ。それにお前、日に日に距離が近くなってるよな」
フラ「昨日あれだけの事やったのに、そんな事気にするんですか?」
男「うわ、昨日の事は言うな」
フラ「うふふ、顔赤いですよ」
フラ(うーんっ幸せ。男さんがギターをまた始めておじさまのグループにもう一度入るって事は、これからもずっと一緒に居られるって事ですよね)
フラ「男さん。昔みたいにもう一度、私とペアを組んでくれませんか?」
男「そうだな。向こうではお前とのセットでの知名度もあるし、ギターを再開するならそうなるだろうな」
フラ「そうなりますね。うふふ」
フラ(なんだ。男さんも私と一緒に居たかったんですね)
フラ「えいえいっ」
男「やめなさい。乳首押すのは、やめなさい」
296:
男「次の授業なんだったかなぁ」
先輩A「やぁ」
男「せ、先輩!この前はしゃあせんっしたぁ!」
先輩A「いいよ、僕だって君のアドバイスを活かせなかった」
男「いや、俺が適当な事言ったせいで・・・」
先輩A「別に怒りに来た訳じゃないんだ。協力してくれたお礼だよ。ありがとう後輩」
男「先輩マジいい人っす!」
先輩A「でも残念だね。素敵な外国人の彼女が出来ると思ったんだけど」
男「先輩ならいつか出来ますよ」
先輩A「外国の女性はなんて言うのかな、堂々としてる所がいいよね。もうこの学校にはそんな人」
ボブ子「それマジうけるわ」
先輩A「素敵だ!!」
ボブ子「な、何こいつキモ!」
男「フラと比べると結構肌が黒いけど、外国人なら誰でもいいのか」
297:
フラ「男さん帰りますよ」
男「お前さすがに道覚えただろ。一人で帰れ」
フラ「嫌です。道に迷ってしまいます」
男「もういいや。帰るか」
フラ「あら、夕日が奇麗ですね。東京の空が汚いって誰が言ったんでしょう」
男「この季節は葉っぱも枯れて来てるし、全体的に赤いな」
フラ「ところで男さん、お風呂ではどの部分から洗いますか?」
男「お前それ絶対興味ないだろ。適当な話題振るなよ・・・って、興味津々じゃねぇか!そんな目で見ても教えないぞ」
フラ「じゃあ私から言いますね。最初は頭を洗うんですけど」
男「いらんいらん。その情報マジでいらないから」
フラ「あ、そうでした」
男「どうした?変な事言うなよ」
フラ「いえ、少し買い忘れた物がありました。スーパーに寄ってから帰ります。男さんも来ます?」
男「いや、俺は先帰るよ」
フラ「・・・そうですか。ではここで」
男「じゃあな」
298:
幼「男、下校中?」
男「・・・」
男(幼か、心が痛むがここは黙って乗り切ろう)
幼「隣歩くくらいだったらいいよね」
男「・・・」
幼「そっか、良いんだ」
幼「二人で下校するのが、こんなに貴重になる日が来るなんてね。男はずっと何も教えてくれないし」
男「・・・っ」
幼「今だって・・・黙ったままで」
幼「う、胃が・・・やっぱり無視は効くわね」
幼「ちょっと近づいちゃえ」
幼「ふーん。寄りかかるのもいいんだ。どこまでして良いのかな」
フラ「何をするつもりなんですか?」
幼「っ!なんで」
フラ「スーパーに行く途中幼さんの姿が見えたので、もしやと思ったのですが」
フラ「男から目を離しちゃいけないと言う事でしょうか」
幼「あんた、また男に迷惑かけてないでしょうね」
フラ「迷惑?私は男さんのお夕食を作る為に、買い物をしようとしていただけですよ」
フラ「むしろあなたが、男さんに無視される程迷惑な存在だと思うのですが」
男(違うって言ってやりたいけど、それじゃあ幼を突き放した事にはならない)
幼「ち、違う!事情があるんだから!」
フラ「ならその事情を解決してからいらっしゃい」
幼「う・・・」
フラ「男さん行きましょう。今日は味噌なし味噌汁になってしまいました」
男「・・・スープって知ってるか?」
303:
幼(悔しいけど、フラの言う通りだよね)
幼(ちゃんと解決しないと)
幼(思えば私、男に自分の意見押し付けてばっかりだったな。明日学校が終わったらちゃんと話そう。ううん、男の話をしっかりと聞こう)
幼(明日は金曜日で次の日は学校休みだから、きっとゆっくり話せるよね)
フラ「男さんは美味しそうに食べてくれるので、作りがいがあります」
男「うん。うまいんだけどさ」
男「お前最近あんまり食べなくなったよな」
フラ「いえ、それどころではないので」
男「なに忙しいみたいに言ってんだよ。俺の顔見てるだけじゃねぇか」
フラ「・・・」
男「ひぃ、真顔やめて!ほら口開けろ」
フラ「え?はい」
パク
フラ「うーん。美味しい」
男「自画自賛かよ」
フラ「こんなに美味しく感じるなら、もう男さんからあーんしてもらった物しか食べたくありませんね」
男「もう嫌だ!この子おかしいよ!」
304:
シャー キュッキュッ
男(とりあえず昨日みたいな事は避ける為に、風呂に入ったら直に24時間営業のファーストフード店に逃げ込もう)
男(ちゃんとした鍵が部屋に付くまでの辛抱だ)
男(そう言えば昔は風呂にも突入してきたなフラ。うわ大丈夫か?早めに上がるか)
シャー
フラ(男さんがシャワーを浴びてます・・・。でも我慢しないと、昨日みたいに外で寒い思いをさせる訳にはいきません)
男「よし、ファーストフード店に寝に行くか」
男「そういやフラは・・・そっかコンビニに行ったんだっけ」
男(あれ?フラの部屋が開いてる。そう言えばフラの部屋って見た事ないな)
男「ちょっとだけ、ちょーっとだけだぞ」
キー
男「・・・うわっ!」
男(俺の写真が壁いっぱいに!?これ俺がフラを案内した時に撮った写真か?いやなんか盗撮っぽいのもあるぞ)
男「あ、ヤバい見なかった事に」
ドン
男「え?」
ガチャ
フラ「昨日みたいに寒い思いをさせるのもかわいそうですものね」
ガチャガチャ
男「・・・なにを」
フラ「私もね、男さんの部屋と同じで鍵をつけてみたんです。番号式の」
男「う、嘘だろ。出られねぇ!」
フラ「こ、今夜は、この部屋で寝て下さい・・・はぁはぁ」
男「あらやだ・・・終わったわ」
307:
男「よし、寝るか」
フラ「まだ早いですよ」
フラ「そ、それより昨日の続きを・・・昨日からずっとお預けをさせられているので、そろそろ限界なのですが」
男「お預けなんてしてねぇだろ!って昨日のところからロードするのか?前戯しないとな」
男(そう永遠の前戯を・・・いやマジで)
フラ「必要ないと思います。こ、こうやって男さんと話してるだけでも・・・はぁはぁ、私の陰部はしっかりと濡れていますから」
フラ「お陰で換えの下着を持ち歩かなくてはならなくなっていますが」
男「それ日常生活に支障出てるぞ」
フラ「そうなんです。大変なんですよ?男さんしか解決出来ないのでお願いします」
男「クッションガード!これでお前は俺に触れる事すら」
バシ
男「ああ!クッションさんが!」
フラ「はぁ、しょうがないですね。話し合いをしましょう」
男「そ、そうだな!」
男(交渉でなんとか切り抜けてやる)
フラ「男さんってオナニーしますか?」
男「な、なんだよ。するよ男だからな」
フラ「オナニーが終わった後ティッシュで拭くんですよね」
男「そりゃあな。汚れるしな」
フラ「女性を想像しながら右手で陰部をこすりティッシュに出す」
男「まぁ、そうだな」
フラ「もったいないですよ!全部代用じゃないですか。求めている女性が居るのなら、代用でする必要はありません」
男「?」
フラ「つまり男さんの場合はティッシュではなく私に出すべきです」
男「その理屈はなんか嫌だな」
男(しかもこれは話し合いじゃない。フラの一方的な説得だ。そして)
フラ「さぁ、始めましょう」
男(状況が何一つ変わってねぇ)
308:
フラ「ほらほら」
カチャカチャ
男「あっ、やめて!ってパンツ脱がされるの早えぇ」
男「くそっ、返せ俺のズボンとパンツ」
フラ「駄目ですよ」
ポイ
男「窓から投げ捨てた・・・だと?」
フラ「家の敷地内に投げたので、幼さんに拾われる心配はありません」
男「そうか。なら良かった。って良くねぇ」
フラ「私も脱ぎますので見ていて下さい」
男「俺の股間静まれ、静まれ」
フラ「ん、ちょっと恥ずかしいですね。女性の下半身を見るのは初めてですか?」
男「そうだよ!だから別にお前に興奮した訳じゃない。お前だって濡れまくりじゃねぇか」
フラ「うふふ、昨日より反応してますね。お互い」
フラ「きっとすぐにでも入れて欲しいんですよ」
男(逃げ場がないっす)
フラ「入れますよ?」
男「う、うわ」
男(挿れす瞬間フラの肌に押された後、少し押し広げる感じがしてすぐに吸盤みたいに引っ付きやがった。これは想像以上にやべぇ気持ち・・・いやいや静まれ)
フラ「ん、んん・・・」
男「・・・っん」
男「・・・」
フラ「う」
男「入らないな」
フラ「き、きついです」
男「初めてだからしょうがないな。よし、無理って事で今日は」
フラ「ゆ、指でほぐして下さい」
男(やっぱ逃げられねぇか。そもそも出口ないし)
310:
フラ「男さんの指、使わせてもらいますね」
クチュ
男「こら、勝手に使うなって」
フラ「んあぁっ・・・へ、変なふうに動かさないで下さい」
男「わ、悪い」
フラ(男さんの指が、入ってる・・・。自分でやるのなんて話になりません。き、気持ちいいっ)
男「お、おい大丈夫か」
フラ「大丈夫、です・・・くぅ、ん」
フラ「はぁはぁ、もうほぐれたと思います。もう一度挑戦しましょう」
男「いや、もう」
フラ「行きます!・・・えいっ」
男「うわ」
クチュ ブツン
フラ「んん・・・思ったより痛くないんですね。うふふ」
男「ああ、ああああああ!」
男(俺の初体験が!フラのレイプだと)
フラ「動かします」ニッコリ
ズチュ クチュ
男「うく・・・っ」
フラ「あんっ・・・あっ、良いです。ん、ずっと、服が邪魔だなって思ってました・・・こういう事だったん、ですね」
男(い、意味が分からねぇ。助けて)
グチュ ズチュ
フラ「んふ・・・あは、うふふ・・・イク、イってしまいます」ブルブル
男「お、俺もイク。ってか出る出る!早く抜け!」
フラ「わ、わかりました。続きは手でしますね」
クチュ クチュ ドピュ ドピュ
男「・・・」
フラ「男さん。いっぱい出しましたね」ペロ
男(すっげぇ眩しい笑顔だ。ちょっと怖いけどな)
フラ「うーんっ、幸せ。次はおっぱいを使って・・・」
チュン チュン
男「全く寝かせてもらえなかった・・・」ゲッソリ
320:
男「う、うぃーっす」
友「お前、大丈夫かよ。やつれてんなぁ」
モブ子B「あれ?フラさん超元気じゃん」
フラ「ええ。とても良い事があったので」キラキラ
友「あ」
友(幼と女には黙っておくか)
モブ子A「あんた最近機嫌悪くない?」
女「そんな事ないって」
モブ子A「昨日なんて、隣のクラスの友って人の胸ぐら掴んでたって噂だし」
女「それは誤解だよ」
モブ子A「幼とも全然会話してないじゃん」
女「まぁそれはね」
モブ子A「私、あんたの彼氏にバシッと言ってやろうか?」
女「それはやめて。本当に大丈夫だから」
モブ子A「だったら良いけど・・・」
321:
キーン コーン カーン コーン
男「よし、授業中眠かったが乗り切ったぞ」
女「男、お昼の時間だよ」
男「おう、行くか」
女「なんか眠そうだよ?しゃきっとしなさい」
クラスメートA「お、仲直りしたのか」
男「うるせぇ」
クラスメートB「照れんなって」
女「フラさんは?」
男「寝てる」
女「そっか。ちょっと安心」
男「そうだな。着いてこられても困るし」
女「じゃあ行こうか」
男(本当は女とも距離を置かなくちゃいけないんだけど、幼と女が喧嘩した今二人の仲直りが最優先だよな)
男「幼と仲直りする方法は考えたのか?」
女「まだだよ。今日の放課後、ちゃんと考えようね。あ、はいお弁当」
男「いや弁当は、まぁいいか」
女「そうだ、一回家に帰ってから着替えて来る事」
男「なんでだよ。帰りにそのままお前んち行けばいいだろ」
女「あのねぇ。幼と仲直りしようとしてるのに、逆に怪しまれる事してどうすんのよ」
男「確かにな」
女「ちょっとお買い物ーみたいな感じで家を出ればいいの」
男「分かったよ。ああ弁当ありがとな、うまかったぞ」
女「うん。残さず食べたね」
男「ふぁーあ」
女「本当に眠そうだよ?昨日夜更かししたんでしょ」
男「まぁな」
女「もう。授業中寝ちゃ駄目だからね」
男「分かってるって。じゃあな」
女「うん。また放課後にね」
322:
男「着替えたし、ちょうどフラも買い物行ってるから出るか」
ピンポーン
女「はいはーい」
男「うっす。入るぞ」
女「うん。どうぞどうぞ」
女「男がここに来るのも久しぶりだね」
男「・・・そうかもな」
女「確か帰りにキス、したんだよね。あの時初めてだったから凄いドキドキしたっけ」
男「やめろ。今日はそんな話をしに来たんじゃないぞ」
女「そうだね」
男「お前と幼は親友だったんだろ?ちゃんと仲直りしないと」
女「のど乾かない?飲み物持ってくるけど」
男「じゃあコーヒーで」
女「無理だよ。うちはお父さんしかいれられない。ジュースでいいよね」
男「いいよ。それで」
女「じゃあ持ってくるね」
男(女の部屋で二人きりか。早いとこ終わらせて帰らないとな。俺だって、女の事を好きな気持ちは変わってないんだから)
男(あれ、随分でかいバッグがあるな。土日に旅行にでも行くのか?)
女「おまたせ。どうしたの?」
男「お前土日に旅行でもいくのか?」
女「うん。家族で軽井沢に行くの」
男「そうか。準備もあるだろうしさっさと話終わらせるか」
女「そうだね」
323:
男「お前、幼と最近話したか?」
女「全然」
男「まず話すきっかけを作らないとな」
女「うーん。そうかな」
男「ちゃんと仲直りしたいって言えば、幼だって分かってくれるだろ」
女「どうかな」
男「・・・」
女「・・・」
男「お前真面目に考えてないだろ」
女「考えてるよ」
男「だったら・・・う」
女「どうしたの?・・・眠いの?」
男「だ、大丈夫だ」
女「昨日夜更かししたからだよ。ちょっと横になれば?」
男「こ、これは確かに駄目だな。・・・ちょっと横に」
バタ
女「コーヒーじゃ、薬の効果が薄れちゃうよ」
女「でも本当に眠そうだったから、必要なかったかも」
女父「帰ったぞ。荷物、車に」
女「しっー」
女父「なんだ男くん寝ちゃってるじゃないか」
女「今日は疲れてるみたい」
女母「ごめんなさいね。私たちの旅行の計画が、今日の夜出発だったから」
女「大丈夫。男は寝てるけど、着く頃には起きると思う」
女父「じゃあ、荷物つみなさい」
女母「あれ?男くんの荷物は?」
女「現地で買うって言ってたよ。ちょうど下着とか新しく欲しかったらしいから」
女母「?そうなの」
330:
幼「今日こそちゃんと男と話すぞー。おー」
幼「・・・」
幼(ちゃんと話して、どんな形でもまた一緒に居られるようにしないと)
幼(フラさんが居たって大丈夫。私は負けないんだから)
ピンポーン
フラ「はーい。はぁ、あなたですか」
幼「男と話があるの。会わせて」
フラ「犯人はあなたじゃなかったんですか・・・男さんは居ません。帰ってません」
幼「本当?本当は隠してるんじゃ。・・・!」
幼「分かった。今日は居ないんだ。何処に行ったとかは」
フラ「知りません」
幼「そう。失礼したわね」
バタン
フラ「本当に男さん、何処に行ったのかしら」
フラ「あら?お夕食が床にちらかっていますね。なぜでしょう」
フラ「男さんが帰ってくるまでに作り直さないと」
フラ「男さん・・・」
幼「・・・おかしいよ」
幼(窓から見てるけど、男が全然帰って来ない)
幼(もう夜の3時だよ。フラさんも事情を知らなかったみたいだし。男、何処に行っちゃったの?)
340:
女父「着いたぞ。まだ男君は起きないのか」
女「そうみたい。起こすのも可愛そうだし、旅館に運んじゃおうよ」
女父「まぁこんな時間だし、旅館の人も気にしないだろ」
女「うん。ありがとう」
女母「じゃあ私たちは、私たちで予約した旅館に行くから。二人で仲良くやるのよ」
女「うん。楽しんで来てね」
女父「日曜の昼に駅で合流だからな」
女「おっけー」
341:
男「ん・・・どこだ?ここ」
男(確か女の家に行った後、眠くなって)
男(どこかの旅館か?)
女「あ、男起きてる」
男(そしてなんで女が土下座してるんだ)
女「ごめんなさーい!」
男「まず説明しなさい」
女「えっと、男が寝てる間に軽井沢に連れて来ちゃった」
男「え?じゃあここ長野?マジで?」
女「うん」
男「なんでこんな事したんだよ」
女「だって男すぐ逃げちゃうから、じっくり話せないし」
女「二人で旅行に行けば話す機会もあるかなって」
男「よし帰るか。ってそんな金ねぇよ」
女「日曜日の昼にはお父さんの車で帰る事になってるから、その時までお願い」
男「それまで帰れないのかよ」
女「ごめんってぱ。でも男が逃げ回らなければこんなことしなかったんだよ?」
男「いやここまでする奴いねぇから。服とかどうすんだよ」
女「下着なら私が買ったのがあるから。軽いプレゼントだと思ってもらって」
男「結構いいブランドのトランクスじゃんか。いいのかよ」
女「いいのいいの」
男「・・・おい、なんかこのトランクス、3Dメガネ付属されてるぞ」
女「あ、それ私が使う奴だから」
男「待てーい!これ彼氏に履いてもらって、3Dメガネで見ると絵柄が飛び出すやつじゃねぇか」
女「一度やってみたかったの!お願い、履いてみてよ」
男「何でお前に下着姿見られる事が前提なんだよ!せっかくだから履くけどよ。見せねぇからな」
女「ちぇ、つまんない」
342:
男「お前、絶対反省してないだろ」
女「反省はしてるけど、後悔はしてないよ」
男「なお悪いぞ」
女「男、お願いだから話そうよ。幼との事だって、言っちゃ悪いけど男がほとんど悪いと思うし」
男「・・・」
女「そうやってすぐ黙るな!男が解決するつもりが無い限り、ずっとこのままだよ」
女「まぁそんな寝ぼけた顔されてても気が抜けるし、6階に温泉あるみたいだから行っておいでよ」
男「分かったよ。ちょっくら温泉に浸かってくるわ」
男(はぁ。まさか女がこんな事するとはな。話すったって何話せばいいんだよ?女も好きだが幼も好きですってか?)
男(嫌われるためにはそれもいいかもな。フラみたいにいきなり襲って来たりはしないだろうし)
344:
男「風呂上がったぞ」
女「遅い。朝ご飯の時間過ぎちゃうよ。行こう」
男「マジか。急がないとな」
男(いやいや正気に戻れ俺。強制的に連れて来られたんだから少しは抵抗しないと)
男「腹減ったからいいや」
女「以外と美味しかったね」
男「ちょっと食い過ぎたな」
女「もう、バイキングだからって食べ過ぎ」
女「そんな所に座ってないでこっちきて」
男「・・・」
女「じゃあ話してよ。私を避ける理由」
男「だからもう好きじゃないって」
女「それは嘘。本当の事を言ってほしいの。じゃないとまたさらっちゃうよ?」
男「・・・」
男「俺は・・・幼の事も好きなんだよ」
女「・・・そうなんだ。それで?」
男「驚かないのか」
女「いや、びっくり。男は私に告白するくらいだから、私にだけぞっこんなのかと思ってた」
女「でもまぁ、幼かわいいし仕方ないかな。それよりなんでそれが私を避ける理由になるのよ」
男「今の俺はどっちかを選ぶったって無理だし、もう遅いけどどっちかを選ぶ事で幼と女の関係が崩れるのが怖かったんだよ」
女「で?」
男「こんな奴がお前らと一緒に居る資格なんてないだろ」
女「・・・こんの」
女「馬鹿たれっ!」
バシ
男「痛って!叩くなよ!・・・叩かれて当然だけどさ」
346:
女「男が一人でうじうじ考えたいなら、勝手にすればいい」
女「でも、私たちをそれに巻き込まないで!」
男「巻き込まない為に距離を置いて」
女「違うの。私はただ男と一緒に居たい。多分それは幼も同じ」
女「でも男がどっちと一種に居たいか決めてくれれば、男が決めた事なら誰も文句は言わないよ」
男「俺は・・・」
女「またそんな苦しそうな顔して。男がはっきりしないから、私も幼も男だって辛いんだよ?」
男「俺はどっちかなんて決められないんだ。頼むよ。もうほっといてくれよ!」
女「どっちか決められないなら、私は男に振り向いてもらう為の努力しかできないんだよ」
女「お願い。その為のチャンスを下さい!私頑張るから」
女「それと幼にも私と同じようにチャンスをあげて。あの子もずっと辛そうで、見てて辛いんだよ」
男「女・・・」
女「お願いします。・・・お願い、します。・・・もう私たちから逃げないで下さい」
男(くそっ、何やってんだ俺は。女にここまでさせて、俺はずっと逃げてただけじゃねぇか)
男(二人から距離を取る?距離を取ってたのは、二人のどちらかを決められない自分自身からじゃないか)
男「まだ二人のどっちか決められないような奴だぞ。それでも良いのかよ」
女「いい。男がどっちか決めるまで、振られちゃうかもしれないけど」
女「希望がある内は一緒に居たい」
男「分かった。俺はもうお前からも幼からも逃げないよ」
男(俺は最初から二股かけてた様なくそ野郎だ。もうこれ以上酷くなる事はないだろ。だったら幼や女が望む事をしよう)
男(その間にどっちかに愛想つかされるかもしれないからな)
347:
男「せっかくだから観光でもするか」
女「やった。行こう行こうっ」
ギュ
男「まったく。誘拐犯のくせによ」
女「でも良かった。一服盛ってでも連れて来た甲斐があったね」
男「・・・ちょっと待て」
女「ん?」
男「一服盛った?」
女「あ」
男「お前何してんだよ!どおりでおかしいと思ったわ。マジで誘拐じゃねぇか!」
女「昔お父さんがストレスが原因の十円ハゲになった事があってね。良く寝れる様に睡眠薬使ってて」
女「その余りをジュースに混ぜてみたんだ」
男「お前なぁ」
女「ごめんってば。まさかこんなに効くとは思わなかったの」
男「俺も前の日は徹夜だったしなぁ。まぁ今更言ってもしょうがないか」
女「そうそう」
男「もうやっちゃ駄目だからな。誘拐ダメ!絶対!」
350:
女「温泉巡りしよっか」
男「年寄りくさいなぁ。他になさそうだしいいか。ほら温泉ガイドあるぞ」
女「どれどれ。・・・な、ない」
男「どうした?」
女「混浴がないよ!?どうしよう。せっかく男と来たのに」
男「ある訳ないだろそんなの。ってか一緒に風呂入るのはちょっとな」
女「じゃあ近そうなこの辺りから攻めていこう」
男「って寒っ!」
女「そう言えば男は準備してなかったもんね。マフラーとかないの?」
男「あったけど、幼に貸したら返ってこねぇんだよ」
女「それはそのマフラー御愁傷様だね。使い道が多過ぎるもん」
男「マフラーの使い方なんて首に巻くくらいしかないだろ」
女「男はそうかもね。それはそうと、男が凍えちゃうから買い物先にしようか」
男「どうだこの長野県コーディネート」
女「うわだっさー。長野の人に謝った方がいいよ。ふふっ」
男「お土産屋さんで買ったのが悪かったよな」
女「他に無いから仕方ないよ。安いし良いじゃん」
女「私も寒いなー」
ギュ
男「お前、あったかいな」
女「男もあったかい。ずっとこうしていたいくらい」
男「・・・」
女(幸せだな。この幸せは、他の人には絶対に渡したくない)
女(今頃幼は大変だろうな。男が帰ってから話をしても間に合うかな?ふふっ)
幼「男まだ帰ってない。昨日からずっと」
幼「まだ、1日目だし大丈夫だよね」
幼(お母さんが呼んでる。ご飯かな?どうでもいいや。ご飯食べてる間とか、寝てる間に男が帰って来ちゃうかもしれないもん)
幼「男どこなの・・・」
354:
女「温泉広かったー。男湯も広かった?」
男「んー、そんな気にしてなかったけど、広かったんじゃないか?」
女「適当だなぁ男は。感想とか無いの?」
男「そうだな。なんかじいさんばっかだったな」
女「酷い感想だね。でもこっちもそんな感じだった」
男「高齢社会って奴か?ここ見回しても老夫婦ばっかだな。世知辛い」
女「そうだね。でもこの人達って何年間も一緒にいて、多分人生の最後まで一緒に居る人達なんだろうな」
男「そうだな。あの年齢だと、もう別れるとか無いだろうしな。そう考えると凄いな」
女「私はね、男とそうなれたら良いなって思ってる」
男「・・・そうか」
女「って、男がさっきから座ってるのってマッサージ機?いいなー」
男「お前もやるか?」
女「うん。帰ったら男にマッサージしてあげる」
男「そっちっすか」
女「次何処行こっか。ねぇ、ここいいじゃん。クリスマスのイベントやってるって」
男「イルミネーションか。もうそんな時期なんだな。そこ行こうぜ」
355:
女「見て見て。すっごい奇麗だよ」
男「そうだな。都会のイルミネーションより地味なはずだけど、自然とマッチしてるっつーか」
女「そういう冷静な分析はいらないの。奇麗だね?でいいでしょ」
男「へいへい」
女「いっぱいお店あるよ」
男「まずは飯だな」
女「だよね」
女「んー、楽しかった」
男「結構いろいろあったな」
女「何も買わなかったけどね。本当良かった。ご飯以外は」
男「まぁ、雰囲気だけの所で味は期待しちゃ駄目だな」
女「さっきより暗くなってる」
男「ちょっと寒いけど。こういう雰囲気は好きだぞ」
女「ふふっ、ちょっといい感じになってきちゃった。どうする?」
男「どうするって言われてもな」
女「久しぶりにキスしようよ」
男「久しぶりだったか?」
女「あんまりしてないよ。私たち」
男「さっきの事、幼と話した後じゃないとそういうのはやめた方が良いんじゃないか?」
女「駄目。今は私の事だけ考えて。他の子の名前は出して欲しくないの」
男「分かったよ」
チュ
女「ん・・・もっと」
女「・・・!」
男「どうした?」
女「男・・・キス上手くなってない?」
男「・・・気のせいだろ」
女「そうだよね。ごめんね。変な事聞いちゃって」
女「流石に寒いね。戻ろっか」
356:
男「おう上がったか」
女「うん。今日何回お風呂入ったんだろうって感じ」
男(旅館の浴衣か。ちょっと緩いのか?なんかすっげぇ色っぽいぞ)
男「もう寝るか」
女「もう布団敷いてあるね。あー、一枚でいいのに」
男「良くないから。寝れねぇからそれ」
女「何で寝れないのかなぁ。ふふっ」
女「ねぇ、マッサージしてあげる」
男「今日はお前も疲れてるだろ。無理すんな」
女「ううん。私がしたいだけ」
男「分かった。じゃあ頼む」
女「うん。任せて」
女「んっ、男あんまり凝ってない」
男(女が力を入れるたびに、髪の毛や息が首筋に触れる。やべ、かなりいやらしい気分になってきた)
女「男、結構背中大きいんだ」
男「もう終わりか?ならもう寝ようぜ」
女「ううん。まだまだこれから」
女「今度は仰向けになって」
男「分かった」
男(って、マッサージで仰向け?)
男「そういう事かよ」
男(上に乗られちまった)
女「うん、そう言う事」
女「男、キスしよう。さっきとは違うやつだよ」
男「・・・」
女「もっと激しいの」
チュ ンチュ
男「ん・・・」
女「ちゅ・・・ぅん・・・」
男「ぷはぁっ、お前いきなりだな」
女「ねぇ男、しちゃおうよ」
男「・・・それは」
374:
女「ここ誰も居ないよ?二人きりだよ?このまま寝ちゃうの?私には無理だよ」
男(ゆ、浴衣の襟の隙間からむ、胸が。こいつ下着つけてねぇぞ)
男「お、お前また薬盛ったりしてないだろうな」
女「なにそれ。してないよそんな事。あ、もしかして興奮してますよって事?OKって事でいいの?」
男「違うって」
女「女性側からここまでしてるのに逃げるんだ」
男「う・・・だってよ」
女「幼には言わないから、二人の内緒だから」
男(流石にここまでさせちまって断ったら男として駄目だろうな)
男「分かった」
女「帯は外すけど、ちょっと恥ずかしいから浴衣は羽織ったままでいいよね」
シュル
男(開いた浴衣から胸の谷間が見える。そこからへそ、陰部までぎりぎり見える。余計にエロいぞ)
男「女、奇麗だ」
女「うん、嬉しい。男・・・やさしくしてね」
男「いいんだな」
ガバッ
女「きゃっ」
男(仕返しだ。今度は俺が上に乗ったぜ)
男「俺からさせてくれよ」
女「急におとこらしくしないでよ。ずるい」
男「胸触るぞ」
女「ん・・・、あ・・・いたっ。ちょっと強いかも」
男「ああ、悪い」
男(このサイズの胸だとフラと同じ力で揉んじゃ痛いのか)
男「このくらいか?」
女「んん・・・いい、かも」
チュ
女「きゃっ・・・んんっ」
女(やだ。乳首吸われてる。ん、なんか変な感じっ)
女「はぁ、ん」
男「ちゅ・・・ってお前涙目だな」
女「いいから。もっと、お願い」
男「わかった」
チュ
女「んああぁっ・・・はぁはぁ」
男(女胸弱いんだな。なんか可愛いぞ)
男「はぁはぁ、女の胸柔らかいな」
女「やぁ、だめ」
375:
女「さっきから胸ばっかり。そろそろ・・・ね?」
男(なんかもじもじしてて可愛い)
男「いや、もっと胸を楽しみたい」
女「もう、焦らさないでよ。ん・・・もう我慢できないから」
男「分かったよ」
男「じゃあ下、触るからな。ちょっと足開いてくれ」
女「う、うん」
男「もうびしょ濡れだな」
クチュ
女「ひゃっ!」
男(ちょっと感じ過ぎじゃないか?)
男「だ、大丈夫か?」
女「う、うん。大丈夫だから」
女(びっくりした。自分で触っても別にそこまで感じなかったから、油断してた)
女(きっと男が触ったからなんだろうな。体も男を求めてるの。私の全部が男の事を好きなんだ。嬉しいな)
男「じゃあもう少し」
クチュ クチュ
女「あ・・・んっ」
男「もうほぐれたか?」
女「うん。お願い」
男「挿れてもいいのか?」
女「うん。・・・男、好きだよ。告白された後すぐ好きになって、それからどんどん好きになった」
男「俺もだ。今も女の事好きになり続けてる」
女「男・・・私の初めてを男にあげる」
男(ぐはっ、この笑顔は反則だ!)
男「怖くないのか?痛いかもしれないぞ?」
女「それより、男と繋がる方が楽しみだから」
男「分かった。挿れるぞ。力抜け」
女「う、うん」
クチュ
女「んんっ」
男「痛いか?一気に挿れるからな」
女「ひぅぅ・・・あっ」
男「は、入ったぞ・・・はぁはぁ」
女(お、男のが入った。やだ、私こんな時に泣くなんて)
男「・・・泣いてるのか?」
女「うん。嬉しくって・・・色々あったし・・・ひっく」
男「そうか。・・・ゆっくり動かすからな」
376:
ヌチュ ンチュ
女「ん・・・はぅ・・・男、男っ」
男「ん、き、気持ちいいぞ女」
女「うん・・・ん、あっ・・・嬉しい。嬉しいよ男っ」
グッ クチュ
男(女、シーツを思いっきりつかんでる。初めてなのにこんなに感じてくれるなんてな)
女「んんっ・・・あはっ」
クチュ クチュ
男「う・・・ん、女・・・はぁはぁ」
女「も、もっと・・・呼んでっ」
男「女っ、女っ・・・」
ヌチュ ズチュ
女「ひゃぁ!い、いいのっ!・・・ん」
女「・・・い、イキそう」
男「お、俺もだ」
女「いいよ。はぁはぁ・・・中に、出して」
ギュ
男「・・・え?」
男(抱きつかれた!?や、やべぇ!)
女「男ぉ・・・好きっ、好きっ!」
男「ちょっ!まずいって!外に出すから」
女「やだ・・・ん、中が・・・いいっ」
男「悪い!無理矢理はがすわ」
女「きゃぅ」
ピュ ピュルッ
男「はぁはぁ・・・ふぅ」
女「はぁ、んっ・・・胸がべたべたになっちゃった」
男「わ、悪い。胸にかけちまったか」
女「いいよ別に」
ペロ
女「うーん。思ったより苦いかな」
男「やめろ。そういう行動するとまた勃っちまう」
女「第二ラウンド行っちゃう?って言いたいけどちょっと疲れたかも」
男「それにお前、中で出すとかマジでやめろよ」
女「ごめん。どうかしてた」
男「じゃあ寝るか。電気消すからな」
女「うん。ねぇ、このまま一緒に寝たいな」
男「・・・いいよ。おやすみ」
女「うん。おやすみ」
女(私どうしちゃったんだろう。中に出してなんて。安全日でもないのに、子供が出来たらどするの。それとも・・・)
377:
チュン チュン
男(朝か)
女「ん・・・おとこぉ・・・」
男(そうか。こいつの隣で寝たんだっけ)
男「幸せそうに寝てやがる」
男(お互い初めてだったもんな、疲れたんだろ。・・・フラのはレイプだったからノーカンだ)
男(女と幼のどちらかを選ぶ・・・か)
男「・・・」
男「ってこんな時間かよ」
男「女、起きろ朝だぞ」
女「んん、そっか朝か」
女「うーん、昨日は男としたんだね」
男「何処見て確認してんだよ」
女「ほら、ここ血が出てる」
男「わー!見せんな!」
389:
男(昨日は観光がメインだったけど、今日はお土産を買う事がメインだな)
女「お土産何にしたの?」
男「ん、漬け物」
女「なんか渋いね」
男「長野って言ったらこれだろ」
女「私は変なキーホルダー」
男「これ一番いれねぇやつだよな」
女「いいじゃん。ねぇねぇ、私にも何かプレゼントしてよ」
男「つってもな。なにが欲しいんだよ」
女「そこにアクセサリーあるよ。それがいいな」
男「アクセサリー買うなら、もっとちゃんとした店の方がいいだろ」
女「ううん。ここがいいな。大事なのは思い出だよ」
男「そうか。じゃあなんか買ってやるよ」
女「うん。ありがと」
男「このチョーカーとかどうだ?」
女「うーん。チョーカーか。指輪が欲しいかも」
男「じゃあ、これとか似合いそうじゃないか?」
女「うん。シンプルで使いやすそう」
男「ちょっとはめてみろよ」
女「そうだね。あれ?ちょっときついかな」
男「サイズが合わないか。じゃあ」
女「あ、こっちならぴったりだよ」
男(げ、左手の薬指じゃねぇか)
男「他のにしようぜ」
女「嫌だ。これ気に入っちゃったから」
男「仕方ねぇな。これ買ってやるよ」
女「やった。凄く嬉しい。キスしちゃいたいくらい」
男「ここではやめろ」
女「あ、お父さん達との待ち合わせの時間近いよ」
男「さっさと買って移動するか」
390:
男(買い物も終わって、駅で女の両親を待つ事になったが早く来すぎたか?)
女「来ないね」
男「まだ早いしな」
女「座って待ってよ」
男「だな」
男「・・・」
女「ねぇ、私たち、しちゃったんだよね」
男「ぶはっ!昼にする話かよ」
女「ふふっ、そうだね」
女「幼よりちょっとはリード出来たかな」
男(女が肩によっかかってきた。女って凄いいいにおいがするんだな)
男「・・・お前いいにおいがするな」
男(やべ、口に出ちまった)
女「え、香水と付けてないよ」
男「そうなのか」
女「相性のいい異性って匂いで判断出来るんだって。良いにおいがしたって事は私たちは相性が良いの」
男「そうか、俺たちは相性が良いのか」
女「今頃気付いたの?だから一緒に居れば居るほど、お互い引かれ合うんだよ」
男「そうか。・・・あ、あの車じゃないか?」
バタン
女父「お前達・・・外では控えたほうか良いぞ」
女「え?きゃっ」
男「わ、悪い」
男父「抱き合うのもいいが、早く車に乗れ」
女「はーい」
男「すみません」
バタン
391:
男(無理矢理連れて来られた旅行だったが、結構楽しかった。行きもこの車で運んでもらったんだな)
男「すみません。乗せてもらっちゃって」
女父「別にかまわないぞ。高道路代は変わらないからな」
女母「二人とも楽しかった?」
男「はい」
女「うん。凄く楽しかった」
女母「そう。良かったわね」
女「ほら、お母さん見て。男に買ってもらったの」
男「おい、やめろって」
女母「あら、薬指に指輪なんて。本当に旅行はお楽しみだったみたいね」
女「ふふっ、そうなの」
男「あ、あははは・・・」
女「ふぁ?あ。まだ着かないだろうしちょっと寝るね」
男「おう、お休み」
男「・・・」
女「・・・」
男「ぐっすり寝てやがる」
女父「君も行きはぐっすり寝ていたんだぞ。何をしても起きなかったな」
男「すみません。前の日徹夜だったので」
女母「女のこんなに安心した顔久しぶりだわ」
女父「最近少し落ち込んでいたからな。男君、君絡みなんだろ?」
男「・・・それは」
女父「若いうちは色々あるからな。それでも親としては女に幸せになってほしいものだ」
男「・・・はい」
女母「ちょっとあなた」
女父「悪い悪い。決めるのは君だからな男君。どんな結果でも口出しはしないよ」
男「ありがとうございます」
男(本当に良い両親だな。この二人の娘である女は、きっと暖かい家庭を作るんだろうな)
392:
男(結構早く帰って来れたな。長野はそんなに遠くないからな)
女「男、ありがとうね」
男「おう、明日学校でな」
女「・・・」
男「いや、手離してくれないと帰れないぞ」
女「あ、ごめん。じゃあね」
男「おう」
男(旅行特有の大荷物がないって、帰りも楽で良いな)
男(あーそうだ。フラになんて言おうかな。そう考えたら足が重くなってきた)
プルルル プルルル
男「知らない番号だな。誰だ?」
男「はい。男ですけど」
男「ああ、おばさん?お久しぶりです」
男「え!幼が倒れた?」
男「はい・・・はい。すぐ行きます」
男(幼。俺が居ない間、なにも食べずに水分すら取らなかったって。何があったんだ)
男「とにかく、幼が入院してる病院に行かないと」
393:
男(幼の病室はここか。個室って事は重病なのか?)
男「幼、入るぞ」
幼「男!?ちょ、ちょっと待って」
ガサガサ
男「なにしてんだよ」
幼「いいよ。入って」
ガラガラ
男「うーっす。ってお前痩せたな」
幼「もうガリガリだよ」
男「割と元気そうじゃないか」
幼「でも点滴でしか食事が出来なくて。原因が分からないから、こんな個室までもらっちゃった」
男「おばさんは?」
幼「帰った。っていうか男、もう面会時間過ぎてるよ?どうやって入ったの?」
男「まぁ適当な理由つけてな」
男(彼氏ですって言って入ったんだけどな。兄って言ってもカルテでバレるだろうし)
男(幼が倒れた時、うわごとでずっと俺の名前を呟いてたって幼母が言ってた。だから絶対に来いって事も)
394:
幼(男が来てくれた。今まで何処に行ってたんだろう。まぁいいや、今ここに居てくれればそれで)
男「もうすぐ食事の時間じゃないか?」
幼「そうだけど、食べられないよ。食事がのどを通らないの。変だよね」
男「まぁ試しに食ってみようぜ」
ガラガラ
看護婦「幼さん食事ですよ」
男「あ、どうも」
看護婦「幼ちゃんにこんな彼氏居たなんてねぇ。うふふ」
幼「か、彼氏っ?」
看護婦「そんな顔赤くしちゃって。青春だねぇ」
看護婦「そうだ幼ちゃん、食べられなかったらちゃんと先生に言うのよ」
幼「はい」
看護婦「お邪魔虫は退散しようかな」
幼「そんな、お邪魔虫だなんて」
看護婦「じゃあ何かあったらナースコール押してね」
幼「彼氏だって。男が面会時間外に入れたのはそう言う事なんだ」
男「いや、そんな嬉しそうにされてもな」
幼「嘘でもうれしい・・・嘘でも」
男「なんか随分フレンドリーな人だったな」
幼「多分そう言う人なんだよ」
男「とりあえず食ってみろよ」
幼「う、駄目かも」
男「ほら、俺が食わせてやるから」
幼「うん」
男「はい、あーん」
幼「あーん」
パク
幼「あれ?食べれた」
男「なんだよ食えるじゃねぇか。明日には退院だな」
幼「そうだね。なんだ、治っちゃった」
男「じゃあさっさと食って元気になれ。ほれ、あーん」
幼「うん」
幼「ところで男、今まで何処行ってたの?」
男「・・・なんつーかなぁ」
幼「・・・女と一緒にいたの?」
男(隠してもしょうがないよな)
男「そうだよ」
幼「っ!?ごほっ!ごほっ!」
男「どうした!」
幼「あれ?なんで?食事がのどを通らない!なんで!?」
395:
男(まさか幼は)
男「お前倒れる前何してた?」
幼「・・・男の家を見てたの」
男「何で」
幼「私ね、男に自分の意見押し付けてばっかりだったから、男の話をちゃんと聞こうと思って」
幼「金曜日に行ったら男居なくて。ずっとずっと窓から男の家を見てたの」
幼「いつか帰ってくんじゃないかって思って、ずっと・・・ずっと、ずっと・・・」
男(やっぱりだ。幼は多分、ストレス性の病気なんだ)
男(そしてその原因は俺・・・だよな)
男「ごめんよ。今夜は側に居てやるから。どこにも行かないから」
幼「男・・・嬉しい。ねぇ、ぎゅってして」
幼「男の居ない事なんて私の人生に無かったから、最近は寒くて。心が寒くて」ガタガタ
男「分かった。分かったから」
ギュ
幼「温かいよ男。男のマフラーだけじゃ、やっぱり駄目だよ」
男「大丈夫だから。ちゃんとお前と向き合う事にしたから」
男「今日はもう休め」
幼「うん。・・・そうするね」
ガラガラ
看護婦「あれ?幼ちゃんもう寝ちゃったの?・・・でも少し食べてるね。彼氏君が何かしたの?」
男「いえ、何も。でもこの調子ならすぐに治りそうですね」
看護婦「そうだよね。じゃあ私、先生に報告してくるわね」
男「はい。お願いします」
男「あ、そうだ。今夜は一緒に居てやりたいんですけど」
看護婦「あー、大丈夫大丈夫」
男「いやでも・・・って行っちまった。軽いなー、あの人」
男(とにかく、ちゃんと幼と向き合えば病気も良くなるはずだ)
男「幼、少し泣いてた。不安にさせてごめんな」
396:
幼「ん・・・今何時だろ」
幼「夜中じゃん」
幼(そうだ。私あのまま寝ちゃって)
幼「お、男は!」
幼(あ、ベットの横で寝てる)
幼「一緒に居てくれるって本当だったんだ」
幼(バレないよね)
チュ
幼(あぁ駄目だよ。こんな気持ちになっちゃ。寝よ寝よ)
幼「・・・」
幼(寝れない)
幼「もうちょっと」
チュ チュ
幼「起きない。何しても起きないのかな」ドキドキ
幼(だ、駄目!こんな事してるとまた逃げられちゃう)
ガバッ
幼(布団かぶってやり過ごす。う、興奮して寝れない)
幼(今夜は寝れるかな。はぁ)
397:
フラ「男さん、帰って来ませんね」
フラ(金曜日から帰ってこなくて、もう日曜日の深夜ですよ)
フラ(こんな所でうずくまっていても仕方ないのに)
フラ「う・・・何か」
フラ(何かこの感覚・・・昔も・・・)
娘は忘れられるんですか彼の事?
ええ。彼を直接忘れさせる事は出来ませんが、大丈夫ですよ。
流石に、催眠術はやり過ぎじゃないのか?
あなたは黙ってて!この子はフルート奏者として将来活躍するんだから。
フラ(何・・・この記憶。い、嫌!)
彼の事を直接忘れるさせる事は出来ませんが、通路を塞ぐ事は出来ます。
どういう事ですか?
彼女の脳は、恐らく特急列車のような物です。
必要のない駅は通り過ぎる。
この子の場合はフルートと、この男の子にしか列車は止まらない。
じゃあどうすれば。
フラ(う・・・駄目!思い出しちゃ駄目!)
そこに繋がる線路を塞いであげれば良いんですよ。
この子の場合は恋心。
それであの子は普通に戻るんですね?
ええ。さぁ、催眠術を始めますよ。
さぁ、この揺れるコインを見てご覧。
ゆっくりと目を閉じて。
フラ「う。うぅぅぅっ・・・、思い出しちゃ駄目なのに。思い出しちゃ駄目!駄目!」
成功したんですか!?揺れたコイン以外は普通の説得に見えましたが。
ええ。ほとんどは。しかし、最後に。
フラさん、絶対に思い出してはいけません。思い出してはいけませんよ。
・・・催眠術は成功です。
フラ「うっ・・・ふふっ、ふふふふふ」
フラ(男さんが居なくなる気持ち)
フラ(絶望的で!苦しくて!他の全ての物が無意味だと気がついたあの気持ち!)
フラ「思い出しましたよ。・・・うふふふ、ふふふ」
フラ「あああぁぁあぁぁ!!男さん!!またこんな!!」
フラ「苦しい!嫌!帰って来てください」
フラ「これじゃあ、これじゃあ4年前と同じじゃないですか!」
407:
男(昨日は病院で一夜を過ごした。学校は今日はいいや。幼についててやりたいし)
男「もしもし女?」
女「どうしたの?こんな朝から」
男「今日学校に行けそうにないわ」
女「風邪ひいちゃった?」
男「いや、幼が入院してさ」
女「えー。分かった。お見舞いは・・・辞めた方がいいね」
男「そうかもな。まぁ、重い病気じゃなさそうだから心配はいらないだろ」
女「分かった。朝から男の声聞けて嬉しかったよ」
男「俺もだよ。じゃあな」
女「うん」
ピッ
男(幼は今風呂だったな。俺はコンビニでも行ってくるか)
40

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