カンクロウ「じゃあな。また会おうじゃん?」back

カンクロウ「じゃあな。また会おうじゃん?」


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1:
夕暮れに染まる木の葉の里。
カンクロウは巨大な門のところで振り返り、そう言った。
白「きっとですよ! 嘘ついたらボクの千本飲ませますからね!?」
チャキッ! 
千本を構え、白は涙目でカンクロウを見つめる。
カンクロウ「実際にやったら死ぬっつーの……」
白「大丈夫、再不斬さんは辛うじて生きてます」
カンクロウ「ホントにやったの!?」
白「ええ。再不斬さん、映画に行く約束してたのに暗部の仕事が入ったとかで……」
こりゃあ帰ったら忘れないうちにスケジュール組んどかないとヤベェじゃん……。
カンクロウの首筋を冷汗が流れる。
カンクロウ「まぁすぐには会えねえかもしれねえけど……」
白「来週ですかッ!? それとも再来週ッ!?」
カンクロウ「こ、こっちも里の警備とかで忙しいからな……。それにお前もアカデミーの先生なわけだし……。でもまた会いに来るってのは絶対守るじゃん」
白に別れを告げたカンクロウは、故郷・砂隠れの里へと帰って行った。
10:
***
テマリ「よ、お帰り! デートは楽しかったかい?」
カンクロウが風影の屋敷に帰り着くと、姉のテマリがニヤニヤしながら待っていた。
カンクロウ「茶化すなよ……デートじゃねえって。……俺と白はただの親友じゃん」
テマリ「あっれえ?? つい何か月か前まで『白と結婚したら苗字は一体どうなるじゃん……』って真剣に悩んでたのにな?」
カンクロウ「い、いい加減忘れろよ! ///////」
ゲラゲラ笑うテマリに向かって、カンクロウは真っ赤になって怒鳴った。
***
カンクロウが白に恋をしたのが数か月前。
自身の開発した忍術、穢土転生・改によって白を甦らせ、そのまま白のことを愛するようになった。
一生この女を守って生きていこう……そんな風にさえ思ったのだ。
しかしそんな甘酸っぱい初恋も、一発目のデートで大きな音をたてて瓦解した。
カンクロウは男子トイレで見てしまったのだ。
白の股間から生えている、申し訳程度の陰茎を……。
***
17:
テマリ「いひひひひひ……あー腹痛ッ!! ずっとアイツを女と勘違いして、勝手に恋して枕に腰振って……くひぃ?!!」
身をよじって床を転げ回るテマリを、カンクロウは悔しそうに睨んだ。
カンクロウ「笑うなッ! 俺と白は性別を超えた、もっと強く美しい絆で結ばれてるじゃんッ! お前とシカマルに比べたら……ッ!」
テマリ「え? シカマルがどうしたって? ///」
カンクロウ「い、いや……何でもないじゃん……」
気まずそうに黙り込むカンクロウ。
テマリと目を合わせられない。
 
テマリ「そう言えばアイツ、私についてなんか言ってなかったかい? す、『好きだ』とか……あ、あああ、『愛してる』とか……? /////」
噛みまくりながらテマリは尋ねる。
少しでもいい。
アイツのことが知りたい。
出来れば私のことをどう思っているかも……。
そう願っていた。
カンクロウ「……ざ、残念ながら会えなかったじゃん……」
テマリ「そ、そうか……」
テマリは少しガッカリした表情をしてから、すごすごと部屋に帰っていった。
18:
カンクロウ(流石に可哀想すぎて言えないじゃん……)
今回の木の葉訪問でカンクロウはシカマルに出会っていた。
……出会ったというか目撃してしまった。
気だるそうな化粧の濃い娼婦に、頬を染めながら札束を手渡すシカマルを……。
全く懲りない男だな……シカマルは……。
カンクロウはやれやれと首を振った。
29:
***
我愛羅「どうしたカンクロウ……。荷造りなんかして……」
翌朝早く、カンクロウは大きなリュックサックにあらゆる巻物や食料、夜のおかず等を詰め込んでいた。
シャコシャコと歯を磨きながら我愛羅は訝しむ。
カンクロウ「偶には修業をと思ってな。まぁある事情で山まで行かなきゃできねーから、警備の仕事は他の奴に引き継いどいたじゃん」
ヨッコイセ!
リュックを担ぎ、カンクロウは屋敷を出た。
カンクロウ「テマリには2,3日帰らないから飯はいらないって言っといてくれ」
我愛羅「……分かった」
去っていくカンクロウを我愛羅はしずかに見送った。
30:
***
生徒「でさー、昨日は甘栗甘で団子食ってさー……」
生徒「いーなー!」
白「!」
ガヤガヤと騒がしいクラスで教鞭をとっていた白は、物凄い殺気を感じた。
体中がビリビリと痺れるくらい強烈な気当りだ。
イルカ「白先生……感じますか……?」
汗ばむイルカ。
彼もまた、この凶悪なチャクラを感じ取っていた。
白「ええ……。こ、こういうときは……」
イルカ「みんなすぐにここを出ろッ!! 俺に付いて来いッ!!」
ドカンッ!!!!!!!!!!
イルカが叫ぶと同時に、教室の壁が吹き飛んだ。
39:
***
テマリ「へぇ、アイツが修業にねぇ……」
10時頃、遅めの朝食をとりながらテマリはつぶやいた。
今日は代休なので、丸一日暇だ。
我愛羅「最近、カンクロウが変に真面目になって気味が悪い。変な物でも拾って食べたのだろうか……」
テマリ「いや、あの白って奴のおかげだね」
我愛羅「白……」
テマリの言葉に、我愛羅は興味を示す。
我愛羅「……あの少年か……。確かにカンクロウは彼と知り合ってから変わったようだ……。見たところ、かなり腕もたつ。追いつこうと必死になっているのかもしれんな……」
テマリ「いや、追いつこうってより、守ってあげられるくらい強くなりたいってのが本心かな?」
我愛羅「……カンクロウには穢土転生がある。誰かを守る力など、要らないだろうに……」
カンクロウが作り出した穢土転生・改はローリスク・ハイリターンの優れた術であるということは我愛羅も認めるところだ。
ただ方法がちょっとアレなので、誰もやろうとは思わないが……。
テマリ「……それがどうやら必要なようだ。アイツの穢土転生・改は同じ人間に対して一度しか使えないんだってさ。白はほら、既に一回使ってるから……」
我愛羅「なるほどな……」
テマリの奴、やけにカンクロウに関してするどいな……。
我愛羅は少し感心した。
46:
***
綱手「下忍は人民を避難させろッ! 中忍以上は私とともに奴を迎え撃つッ!! ただしナルトは例外だッ!!!」
騒然となる木の葉の里。
当然だ。
あのカカシが殺されたのだ。
カカシだけでなく、自来也やガイ、アスマなど、里の主力ともいうべき忍たちもあらかた殺された。
今里に敵に対抗できそうな戦力と言えば、五代目火影・綱手とうずまきナルトくらいのものだった。
ナルト「許せねえッ!! 俺がぜってぇぶっ殺してやる……ッ!!」
目に涙を溜めながらナルトが叫ぶ。
その腕のなかには半身を吹き飛ばされて死んだサクラが横たわっていた。
……ペインの襲来である。
54:
***
カンクロウ「多重影分身の術ッ!!」
ボフンボフンボフンボフンッ!!!!
気持ち悪いほどにズラリと並ぶカンクロウ。
無駄にチャクラ量が半端ないカンクロウは、今や1000人に分身していた。
見る者に不快感を与える光景だ。
皆、手にナタを持っている。
カンクロウ「よーし、始めるじゃん……」
スカンスカンスカンスカンスカンスカンッ!!
分身たちが山中の木を切り倒していく。
カンクロウ「……結構複雑だな……」
オリジナルのカンクロウはせっせと自分の傀儡、烏を分解していた。
56:
わざわざカンクロウが山奥にまでやって来たのは、烏の大量生産を図るためであった。
天才造形士・サソリの作った傀儡は、砂の里に伝わる宝とでもいうべき代物だ。
使い手によっては超巨大な戦力となりうる。
造形は無理でも模倣くらいならなんとかなるだろう……。
今まで何度も修理を繰り返してきたもっとも使い勝手のいい烏なら、大量生産も夢ではない。
しかし多ければそれだけ操作が難しくなるため、あえて誰も手を付けようとはしてこなかった。
カンクロウ「そこッ!! 分身番号072番ッ!! サボってオナニーなんかしてんじゃねえじゃんッ!!」
カンクロウ072「お前だって分解しながらシコってんじゃんッ!!」
これだけの人数で一斉に射精なんかしようもんなら、一瞬でチャクラを消費して死に至る……。
なかなか冷や冷やものな作業時間だった。
64:
***
ガ――ッ!!
テマリ「ん?」
カンクロウの部屋に掃除機を当てている最中、テマリは机の上に飾ってある写真盾に気がついた。
テマリ「あらら、ヒビ入っちゃってるよ……」
カラオケボックスで眼をつぶって楽しそうに熱唱する白の写真。
隅っこに「意外と音痴(笑)」と白いマジックで小さく書いてある。
その白の顔の部分に、蜘蛛の巣のようなヒビが入ってしまっていた。
テマリ「なんか不吉だね……。それに最近カンクロウの部屋のゴミ箱も臭くないし……」
今までと違う何かを、テマリは感じていた。
言い知れぬ不安感。
何だろう、コレは……。
因みにカンクロウは最近、再びティッシュを我愛羅の部屋のゴミ箱に捨てるようになっていた。
68:
***
ナルト「があああああッ!!!!!!」
綱手「な、ナルト……」
大腿部に金属棒を何発も撃ち込まれたナルトは、末端が紫色に壊死していた。
もう立って歩くことは不可能だ。
ペイン「流石に強いな、九尾の人柱力は……」
突然の奇襲で仙術チャクラをあまり溜めることが出来なかったナルトは、たった数分の仙人モードと風遁・螺旋手裏剣だけで戦わざるを得なかった。
何とか4体ほど撃破したが、もう限界だ。
綱手も体中に金属棒を刺され、身動きが取れないばかりか今にも死に絶えようとしている。
ナルト「く、クソォ……ッ!!」
ペイン「しかしやっと手に入った。あとは一尾だけか……」
ペインは砂隠れの里の方向を睨んだ。
70:
***
カンクロウ「……で、出来たじゃん。烏、100体……」
疲労困憊のカンクロウ。
昨日から食事をする間も寝る間も惜しんで制作に励み、たまにトイレに立ってついついシコり、その後再び制作を続け、そのうちシコりながら作るようになり、最終的には制作する間も惜しんでシコッたのだ。
10人で1体作ってこれだけの労働。
やっぱりサソリはすごかったのだとつくづく感じさせられる。
カンクロウ「ちょ、ちょっと休憩……」
ゴロリと横になったカンクロウはそのまま寝息を立ててしまった。
しかしその右手は、本人の意志と関係なく、彼の股間をまさぐり続けていた。
71:
***
テマリ「だから砂の里にもボーリング場が欲しいって言ってるんだよ!」
我愛羅「くだらん……。遠くの標的を倒す巨大施設を作ってどうする。そんなもの、庭に的を置いておけばすむ話だ……」
テマリ「木の葉でカンクロウが白とやって楽しかったって聞いたんだ。なんかこうスカッとするんだってさッ!」
我愛羅「ボーリングというのも、どうせ自慰かなにかの隠語だろう。ボールとピン……。聞くからに卑猥だ」
一緒にダイニングで手巻きにかぶりつきながら、里のレジャー施設について議論する我愛羅とテマリ。
テマリはカンクロウが白とのデート(笑)の様子を聞くたびに、木の葉の里を羨ましく思っていた。
せっかく弟が風影なのだからとせがんでみたのだが、なかなか我愛羅はうんと言わない。
テマリ「だいたいこの里は砂ばっかでつまんないんだよ!」
我愛羅「……砂をバカにするな。砂はいい。凄くサラサラしている」
テマリ「だから何だってんだ!」
バンッ!!
バキ「我愛羅ッ! テマリッ!」
議論の最中に、血相を変えたバキが入ってきた。
72:
我愛羅「何事だ……?」
その様子に何かただならぬものを感じる。
バキ「木の葉が……壊滅した……」
我愛羅「!?」
テマリ「!?」
突然すぎる一言に、我愛羅とテマリは戸惑う。
テマリ「壊滅したって……そんなまさか……」
バキ「詳しくはコイツから直接聞いてくれ……」
バキの後ろからスッと何者かが前にでる。
フードにゴーグル、素顔が全く分からない変わった出で立ち。
腹部には大きな血のシミが出来ていた。
シノ「俺は木の葉の油女シノだ……。今木の葉はペインの攻撃を受けてほとんど死体の山になっている。用件を先に言おう……。早急に戦闘態勢を整えろ。なぜなら次は砂が狙われるからだ……」
96:
我愛羅「何故砂が狙われると分かる……?」
シノ「奴の狙いは尾獣だ。おそらくナルトは尾獣を引き抜かれて死んだ。次は一尾のお前が狙われる……」
我愛羅「うずまきナルトが……死んだ……?」
我愛羅は目を見開いた。
まさかそんなことが……。
うぅ……。
胸が痛い……。
愛する者を失う痛みがまた甦って来た。
うずくまる我愛羅の後ろで立っているテマリの顔も凍り付いていた。
100:
テマリ「……。あのリーってのは……?」
シノ「死んだ。戦闘中、腹を貫かれてな……」
テマリ「ネジとかいう白目は……?」
シノ「死んだ。ヒナタと共に殺された……」
テマリ「……ひっぐ……キバは……?」
シノ「死んだ。赤丸を惨殺されて激昂して突っ込んでいった……」
テマリ「……ぐすッ……ヂョウジとかいうデブは……?」
シノ「死んだ。頭を弾き飛ばされて死んだ……」
テマリ「……は、白は……?」
シノ「死んだ。アカデミー生を逃がすために囮になって死んだ……」
テマリ「……」
シノ「……」
シノ「……シカマルは……」
テマリ「言うなッ!!!!!! 絶対に信じないからなッ!!!!!」
シノ「……」
一番安否を知りたい奴がいる――。
しかしテマリは怖くて聞けなかった。
106:
シノ「……シカマルは……」
テマリ「言うなぁあああああああああああああッ!!!!!!! ああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!! 嫌だあああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
テマリはシノの胸ぐらを掴んで泣き叫ぶ。
涙があふれて止まらなかった。
シノ「……シカマルは……最期までお前を愛していた……」
辛そうに目を背けるシノ。
目を合わせることなんか到底できない。
テマリ「……」
テマリは泣きながら両膝から崩れ落ちた。
シノ「死の直前にこの言葉を託された……。『お前のことを心から愛している』と……」
テマリ「うあああああああああああああああああああああああああッ!!!! シカマルゥうううううううううううううううううううッ!!!!!!!!!!!! いやあああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!」
シノ「……」
ワンワンと大声で泣く様子をみて、シノの心はキュウッと痛んだ。
本当のことなんか可哀想すぎて到底言えない……。
シノ(クソ馬鹿野郎め……)
シノは心の中で、ペイン襲撃の前日に娼婦の腹の上で死んだシカマルを口汚く罵った……。
120:
シノ「……とにかくこのままでは砂の里も木の葉の二の舞になる……。早急に手を討て」
我愛羅「そ、そうだな……。今は悲しみに暮れるときではない……」
左胸を押さえながらヨロヨロと立ち上がる我愛羅。
自分は今、風影として民を守らなければならない。
かといってみすみす尾獣を差し出しては、これから後さらにひどいことになるだろう……。
我愛羅「砂の忍に召集をかける……。必ずペインを始末する」
我愛羅はテマリの肩にポン、と手を置いた。
テマリ「?」
我愛羅「……カンクロウが最後の希望だ。あいつさえ生き残れば、まだナルトやシカマルたちを生き返らせられる可能性が残る……」
テマリ「……う゛ん゛……」
テマリは涙を拭いて立ち上がった。
121:
我愛羅「テマリは戦える者を屋敷の前に集めろ。……それからカンクロウにこのことを伝えなければ……」
シノ「それなら俺に任せろ……」
シノは袖の中から数匹の蟲を出現させた。
シノの指先に止まる蟲たちが羽音を響かせる。
シノ「コレは特定の匂いを遠距離から感知することが出来る。手紙を結べば連絡用にもなる。なにかカンクロウの匂いを発しているものはないか……? 出来るだけ強い匂いがいい」
テマリは我愛羅の部屋にあったゴミ箱を差し出した。
128:
***
カンクロウ「あれ、隈取が落ちねーじゃん……?」
目を覚ましたカンクロウは近くに沸いていた泉で顔を洗い、自身の隈取が取れないことに気づいた。
眠りながらシコり続けていたせいで、いつの間にやら仙人モードになっていたらしい。
体が自然と一体になっているのを感じる。
カンクロウは大量の巻物に100体の烏を封印しつつ、ときおり大地のすばらしさを賛美しながらシコッた。
130:
***
ペイン天道「……」
ペイン餓鬼道「……」
ペイン地獄道「……」
ペイン修羅道「……」
ペイン畜生道「……」
ペイン人間道「……」
我愛羅「……」
テマリ「……」
砂の忍「……」
砂漠の真ん中で対峙し合う二組。
我愛羅「お前達か……ペインというのは……」
相手はたった6体だが圧倒的な力を感じる。
相手がどんな技を使ってくるのか、その情報もほとんどこちらにはない。
132:
ペイン天道「お前が一尾の人柱力、砂爆の我愛羅だな……。お前の尾獣をもらいに来た」
凄みのある輪廻眼で我愛羅を睨むペイン。
我愛羅「これ以上お前たちの好きにはさせん……」
我愛羅は腕を組んだまま呟いた。
我愛羅「テマリ」
テマリ「大カマイタチの術ッ!!!!!!!!!」
ビュオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!
砂漠の砂を巻き込んで、大気を切り裂くような風が吹き荒れる。
テマリの大カマイタチの術を皮切りに、両者の戦闘が始まった。
133:
ペイン天道(あの女は風遁使いか……)
ペイン餓鬼道「……」
餓鬼道が手をスッと前に出し、術を吸い取る。
テマリ「何ッ!?」
我愛羅(なるほど、前方に出ているのは防御役か……。とすると一番奥は大方回復役だろう……)
我愛羅「テマリ、もう一度だ」
テマリ「大カマイタチの術ッ!!!」
ビュオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!
再び刃物のような風を飛ばすテマリ。
ペイン餓鬼道「無駄だ」
餓鬼道がまた手を出して吸収しようとした。
ずぼッ!!!!!!!
ペイン餓鬼道「!?」
突然餓鬼道の足元から砂の手が現れ、足首を掴んで砂漠に引きずり込んだ。
我愛羅「この俺に砂漠で挑んだのは間違いだったな」
迫りくる風を飛んで避けようとするペインたち。
しかし全員の足首は既に砂に固定されていた。
テマリ「当たれェッ!!!」
ペイン天道「神羅天征」
今度は天道の力によって、テマリの大カマイタチは弾き飛ばされてしまった。
135:
ペイン畜生道「口寄せの術ッ!!」
間髪入れずに畜生道が巨大なサイやケルベロスを口寄せする。
ズドドドドドドッ!!!!!
猛突進をかけてくる彼らを見ながら我愛羅はテマリの鉄扇に飛び乗った。
テマリ「うおらああッ!!!」
テマリは思い切り鉄扇を振って、我愛羅を上空へ飛ばす。
我愛羅は空中に砂で足場を作り、口寄せ動物をかわしてペインらのもとへ向かって駆ける。
ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!
空気を揺るがすような咆哮。
我愛羅とテマリの後ろに控えていた大勢の砂の忍達も、口寄せ動物に向かって一斉に駆けだした。
136:
我愛羅(あの短髪細身の男が厄介だな……)
我愛羅は走りながら天道を睨む。
向こうもこちらに最も注意を向けているようだ。
先ほどの神羅天征を見て、ただ忍術を吸収するだけではないことに気づいた。
斥力を扱うということは、その逆の引力も使ってくる可能性があるな……。
ペイン畜生道「口寄せの術ッ!!」
怪鳥「ぎゃあああああああああああああああッ!!!!」
空中を走る我愛羅に向かって、怪鳥が突っ込む。
我愛羅はすんでところでそれをかわした。
137:
我愛羅「ふんッ!」
すれ違いざまに怪鳥の口の中に大量の砂を流し込み、内部から爆散させる我愛羅。
先ほどから大きな足場を作って浮遊しないのは、持っている砂を攻撃用に残しておくためだった。
バシュウウウウウウウウウウッ!!!!!!!!!1
ペイン修羅道「……」
足首を掴んでいた砂の力が一瞬弱まったのを見逃さず、修羅道が足からジェットを噴射して飛び込んできた。
ズガンッ!!!
間一髪、我愛羅の砂の防御が間に合った。
目の前に突如現れた分厚い砂の壁に直撃し、修羅道は粉砕する。
我愛羅(あと五体……)
ペインらの真上に辿り着いた我愛羅は、そこから思い切りジャンプした。
138:
ビュンッ!!
飛びかかる我愛羅に向かって金属棒を飛ばす人間道。
餓鬼道はまだ砂の中でもがいているようだ。
我愛羅「!?」
ドスッ!
鈍い音を立てて我愛羅の腹に金属棒が突き刺さる。
天道(やったか……?)
天道(いや……まだか……)
我愛羅が徐々に砂の塊になっていく。
先ほど盾を作った時に、すでに砂分身も作り出していたのだ。
ズガガガガガッ!!!
崩れた砂が突然弾丸のように人間道に降り注ぐ。
人間道は血を吐いて吹き飛んだ。
139:
天道(……どこだ……本体は……)
辺りを見回す天道。
そう言えば、先ほど奴の砂分身が足場から飛んだときに一緒に落ちていく砂の塊があったな……。
天道が思い当たったと同時に、後ろに落ちていた砂の塊、もとい表面を砂でコーティングしていた我愛羅が姿を現した。
既に両手を畜生道と餓鬼道に向かって突き出している。
我愛羅「砂縛柩……砂瀑……葬送ッ!!」
バキャンッ!!!
我愛羅の砂が二人を潰して殺した。
畜生道が死ぬと同時に口寄せ動物たちも消えてなくなった。
141:
我愛羅「テマリッ!! 俺もろともやれッ!!」
我愛羅が叫ぶと同時にテマリが斬り斬り舞を口寄せする。
尾獣を引き出す以上、まだ死なれては困る俺が近くにいては斬り斬り舞の斬撃を弾けるレベルの斥力を使うわけにはいくまい……。
我愛羅にしては珍しく接近戦に出たのは、それを見越してのことだった。
テマリ「斬り斬りm」
ペイン天道「万象天引」
グイッ!!
物凄い力でテマリは天道のもとへ引き寄せられる。
テマリ「クッ!」
142:
ブンッ!!!
引き寄せられながらもテマリは鉄扇で天道に向かって殴りつける。
それを体さばきでかわした天道は、金属棒を突き出した……。
我愛羅「!」
テマリ「」
我愛羅「テマリッ!!!!!!」
ペイン天道の突き出した金属棒は、深々とテマリの脳天に突き刺さっていた。
158:
我愛羅「砂爆ッ!!」
ドスドスッ!!!
我愛羅「」
我愛羅が天道に向かって手を突き出すよりも早く、後ろにいた地獄道、そして先ほど葬ったはずの修羅道が、我愛羅の背中と胸を金属棒で貫いた。
ドスドスドスドスッ!!!!!
倒れた我愛羅の手足に執拗に金属棒を突き立てる。
まるで昆虫の標本のような姿だった。
天道「致命傷ではない。……まぁどのみち尾獣を引き抜いてお前は死ぬが……」
全く体が動かない。
カンクロウ……。
あとはお前に託した……。
薄れゆく意識の中で我愛羅はカンクロウのことを思い出し、そして静かに目を閉じた……。
159:
***
ペイン天道「まさかここまで追い詰められるとはな……」
気を失った我愛羅を抱え、ペインらは砂の忍達に向き直る。
いつの間にか我愛羅に倒されたペインも全員復活していた。
バキ「ウワアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」
バキは大声をあげながらペインに突進した。
それに続く忍も数十人。
ペイン天道「神羅天征」
バチュンッ!!!!!!
皆、肉塊になって飛び散る。
こんな奴らに勝てるわけがない……。
戦意を失い、次々に武器を落とす忍。
遠くから戦いを見守っていた里の民も絶望の淵に立たされた。
162:
ペイン天道「平和な世界を創るためだ……。こいつはその礎となった」
里中の者が涙を流した。
もう希望は残されていない。
ペイン「お前達もまた、戦争の痛みを世界中が知るための礎となる……」
両手をゆっくりと広げる。
神羅天征によってこの砂隠れの里を血煙に変える。
そしてそれを知った世界も生まれ変わる……。
オナロウ……
誰かがポツリと呟いた。
169:
オナロウ……
助けてオナロウ……
その呟きがポツリ、またポツリと広がっていく。
オナロウ、来てよオナロウ……
オナロウッ! 
オナロウッ!!!!!
オナロウッ!!!!!!!!!!!
小雨が大雨に変わるように、人々がオナロウを求める声も次第に大きくなっていった。
皆、泣きながらカンクロウの二つ名を叫ぶ。
中には昔、カンクロウに腐った卵を投げつけた女性がいた。
カンクロウの写真に五寸釘を突き立てることを日課としている爺さんがいた。
トイレットペーパーにカンクロウの顔をかいて尻を拭いていた青年もいた。
しかし今は誰もがカンクロウにすがって泣いていた。
質の悪い伝染病にカンクロウ病と名付けた医者。
カンクロウダーツで大ヒットしたおもちゃ屋。
カンクロウホイホイというゴキブリ撃退グッズを作って一儲けした者。
カンクロウを心から憎み、嫌い、唾を吐きつづけてきた人々全てがカンクロウを必要としていた……。
172:
天道ペイン「とうとうあの傀儡師に頼り出したか……。溺れる者は藁をも掴むと言うが、お前たちが今掴もうとしているのはガビガビになった汚いオナティッシュだ……」
オナロウッ!!!!!!!!!!
オナロウッ!!!!!!!!!!!!!!!!
オナロウッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
それでも鳴りやまない叫び声。
天道はそんな彼らを哀しむような目で見つめた。
ペイン天道「……憐れなものだな……」
ペイン天道「神羅……天s」
ぺちょんッ!
情けない音を立てて、まだ生暖かいオナティッシュがペイン天道の顔にぶつかった。
179:
「おうおう、派手にやってくれたじゃねえか……」
ペイン天道「……」
ペインが顔を向けた先にあったもの。
それは全身を黒子服で包み、顔に隈取をつけたあの男であった。
嫌悪感と卑猥の象徴。
……そう。
カンクロウ「……かかってこい……。テメェら全員、ミンチにしてやるじゃん……?」
……カンクロウである。
182:
ペイン天道「……」
天道はチャクラをここで一気に使い切るのはマズいと判断し、神羅天征を取りやめた。
ゴオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!
即座に修羅道と人間道がカンクロウに向かって突進する。
カンクロウ「……」
カンクロウが巨大な巻物を一つ開く。
その巻物の中には「巻物×100」と書かれていた。
カンクロウ「口寄せの術ッ!!!!」
ボフンボフンボフンボフンボフンボフンッ!!!!!!!
100本の巻物が突如出現した。
カンクロウが印を結ぶ。
カンクロウ「烏ッ!!!!!!」
ボフボフボフボフボフボフボフボフボフンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ……
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ……
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ……
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ……
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ……
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ……
100体の烏が一斉にカタカタと揺れる。
恐ろしい様だった。
184:
人間道「……ふん」
修羅道「……」
ゴオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!
たかだか傀儡の攻撃など、大した破壊力ではない。
二人は烏ごとカンクロウを吹き飛ばすつもりだった。
カンクロウ「傀儡……」
烏「」カパッ
烏「」カパッ
烏「」カパッ
烏「」カパッ
烏「」カパッ
烏「」カパッ
烏「」カパッ
烏「」カパッ
全ての烏が口を開いた。
187:
キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン……
人間道「!?」
修羅道「!!」
烏の口の中に見えたもの。
それはカンクロウがあらかじめ練って隠し込んでいた螺旋丸であった。
カンクロウ「螺旋丸砲ッ!!!!!!!!!!!!」
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!!!!!!!!!!!!!1
マシンガンのような螺旋丸の嵐。
チャクラ糸でつながった螺旋丸が口から射出される。
ドガガガガガガガガガガガガガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!!!!!!!!!!!!!!!
人間道と修羅道の肉片が四散した。
189:
餓鬼道「!!」
餓鬼道がまだ迫ってくる螺旋丸をすべて吸収した。
後ろに控えている地獄道にだけは、決して攻を当てさせるわけにはいかなかった。
畜生道「口寄せの術ッ!!!」
畜生道が得意の口寄せを使う。
巨大動物で一気に叩き潰すつもりだった。
190:
ボフンッ!
畜生道「え!?」
あまりのことに畜生道はうろたえる。
煙とともに現れたのは巨大動物でも何でもなかった。
全身真っ黒で憎たらしい顔をした……。
カンクロウ「残念、俺じゃん?」
カンクロウだった。
191:
畜生道「ッ!!」
瞬時に後方へ跳ぶ畜生道。
しかしその後ろには既に黒蟻が待ち構えていた。
黒蟻「」ガパンッ!!!
畜生道「!!?」
黒蟻「」ガシガシガシガシガシガシガシッ!!!!!!!!!
畜生道「ウッ!!!!!!」
真っ暗な黒蟻の内部に立ち込める、むせ返るような臭い。
畜生道はすぐに察した。
これは……これはまさか……
畜生道「くっさアアアアアアアアアアアアああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
気が狂いそうな臭いに、畜生道は黒蟻を死に物狂いで殴る。
黒蟻の中にはいつものように、カンクロウの大量のオナティッシュがぎっしりと詰まっていたのだ。
カンクロウ「ちなみにさっきお前の口寄せで俺が現れたのは幻術じゃん」
畜生道「出せッ!!! 出せえええええええええええええッ!!!!!!!!!!!!!!!」
カンクロウ「黒秘技ッ!!! 危機一髪ッ!!!!!!!!!!!!!」
畜生道「ぎゃあああああああああああああああああッ!!!!!!!!」
対となる烏は、畜生道を串刺しにして殺してしまった。
195:
その間、地獄道は閻魔を呼び出して仲間を復活させようとしていた。
キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン
そのままカンクロウは地獄道目がけて突っ込む。
手には巨大な螺旋丸が出来上がっていた。
餓鬼道「ッ!!」
餓鬼道が前に立ちふさがる。
カンクロウ(こいつには忍術が効かねえじゃん……)
カンクロウは思い切り巻物を餓鬼道目がけて思いきり投げつけた。
餓鬼道(こんなもの投げたところで、陽動にもならん……)
餓鬼道は飛んできた巻物をはらい落とそうとする。
カンクロウ「口寄せ・山椒魚ッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バキャンッ!!!!!!!!!!!!!!!!
餓鬼道「がああああああああああああッ!!!!!!!!」
突如現れた巨大な傀儡、山椒魚。
その勢いと質量が相まって、餓鬼道は潰れて死んだ。
199:
天道「神羅天征ッ!!」
地獄道への攻撃を退けるべく、天道は神羅天征を使う。
強力な斥力がカンクロウを襲う。
カンクロウ「傀儡の術ッ!!!!!」
地獄道「ッ!!」
チャクラ糸で地獄道を自分のもとへ引き寄せ、自身の背中に縛り付けた。
カンクロウ「ぐッ!!!!」
弾き飛ばされたカンクロウ。
しかし天道と自分の間に烏を、背中には地獄道を縛り付けてクッション代わりにしたため、軽傷ですんだ。
一方地面に叩きつけられてガリガリと削られた地獄道は、体の後ろ半分がずたずたになって死んだ。
200:
カンクロウ「ハァッ……ハァッ……。あとはテメェ一人じゃん……?」
ムクリと立ち上がるカンクロウ。
あれだけの術だ……。
そう易々と何発もかますことはできねーはずじゃん……。
ってことは……別の術を試してくるだろう……。
天道「……強いな。だが、次の一手でお前は自分の姉と同じように死ぬ……」
カンクロウ「……やってみろよ……!!」
スポンッ!!!!!!!
カンクロウは素早くズボンとパンツを脱ぎ捨てた。
206:
天道「戦闘中に弱点である股間をさらけ出すとは、遂に気が狂ったか……?」
カンクロウ「いや、至って真面目じゃん……」
キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン
カンクロウの手に、今までにないくらい巨大な螺旋丸が作り出される。
天道「!」
それを……カンクロウは自分の股間に近づけた。
カンクロウ「……」
天道「ふん……最期の自慰というわけか……」
209:
ズガアアアアアアアアアアンッ!!!!!!!!!!!!
カンクロウ「ぬっほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!! /////////////////////////////」
歯を食いしばって衝撃に耐えるカンクロウ。
しかしその顔はどこか嬉しそうだ。
ビュルビュルと飛び出る白濁液が、螺旋丸に吸い込まれていく。
天道「……そういえばお前も……自来也先生の弟子だったな……」
蔑むような眼でカンクロウを見据え、そして金属棒を構える天道。
先ほどテマリを殺したように、カンクロウを万象天引で引き寄せて刺し貫くつもりだった。
カンクロウ「……//////」ビクンビクン
天道「自慰は終わったようだな……。『ぬっほおお!! ////』……。これがお前の最期の言葉だ……」
カンクロウ「……それはお前の最期の言葉だぜ……//////」
天道「!?」
カンクロウ「性質変化……完了じゃん……/////」
カンクロウの手の中にあった巨大な螺旋丸は今、金色に輝いていた。
212:
天道「巨大な……金の玉……だと……?」
カンクロウ「チャクラに生命エネルギーの塊、精子を練り込むことによって性質変化を起こす……。これはもはや螺旋丸じゃねえ……」
ビュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインッ!!!!!!!!!!!!!!
カンクロウ「名付けてッ!!! 大玉睾丸じゃんッ!!!!!!!」
バアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!!!!!!!!!!!
天道「……ふん……」
その音と輝きだけでわかる……。
とてつもなくパワーアップをしているのだろう……。
だがッ!!!!!
天道「くだらんッ!!!! 万象天引ッ!!!!!!!!!」
グンッ!!!!!!!!!
引き寄せられるカンクロウ。
この一瞬ですべてが決まる……ッ!!
216:
ペイン天道「死ねッ!! カンクロウッ!!!!!!」
カンクロウ「傀儡・大玉睾丸ッ!!!!!!」
……ほんの一瞬の差であった。
ほんの一瞬だけ早く……。
……カンクロウの傀儡・大玉睾丸が、ペイン天道の股間にクリーンヒットした。
ビカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!!
ペイン天道「なんだあああああああああああああああああああッ!!!!!!!! この快感はああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああッ!!!!!!!!!!!!!」
稲妻のような衝撃が、下半身から全身へと広がっていく。
ペイン天道の玉袋のなかに潜んでいた精子という精子が、今まで経験し得なかった刺激によって飛び出そうとしていた。
230:
ペイン天道「ぬ……ぬ……ぬ……こんな……ぬ……クソガキ……ぬ……ぬぬぬ……にぃ……ぬぬ……ぬ……」
カンクロウ「自分の罪を償え……ペイン……」
カンクロウはクルリと背を向けた。
ペイン天道「ぬっほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ////////////////////////////////////////////////////////」
噴水のような白濁液を撒き散らし、ペイン天道はこわばった笑顔で死んだ。
カンクロウ「……終劇……」
カンクロウの目からは一筋、涙が流れた。
231:
***
長門「!!」ビクビクビクンッ!!!!!
長門「」グッタリ
小南「?」
小南「どしたの、長門?」ユサユサ
小南「し、死んでる……」
236:
***
ポコンッ!
テマリ「!!」
我愛羅「……無事に蘇生できたか……。良かった……」
テマリがあたりを見回すと、そこは先ほど戦っていた砂漠だった。
棺桶の蓋が転がっている。
テマリ「わ、私は死んだはずじゃ……?」
我愛羅「カンクロウが穢土転生・改を使ってお前を甦らせた。今も他の者を生き返らせるために奮闘してくれている……」
我愛羅が顎でしゃくった方を見る。
岩陰でカンクロウが一心不乱に自分のイチモツを擦っていた。
カンクロウ「……」コスコスコスコスコスコスコスコス
テマリ「カンクロウ……」
242:
カンクロウ「穢土転生・改ッ!」ビュルッ
ポコンッ!!
再び棺桶が現れ、蓋が飛ぶ。
段々煙が晴れてきた。
そこにはあの懐かしい顔があった……。
シカマル「……な、なんで俺、こんな砂漠なんかに……?」
テマリ「シカマルッ!!!!!!!」
テマリは迷わずシカマルに抱きついた。
シカマル「うわっと! ////」
テマリ「うわあああああああああああああああああああ!!!!!!!!! よがっだああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!! 生ぎ返っだああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
シカマルは何のことか分からず、ただただ困惑していた。
シカマル「え、えっと……生き返ったって……俺死んでたのかよ?」
テマリ「そうだぞ! 私を残して勝手に死にやがって! 馬鹿! 馬鹿馬鹿!! だいたい何で今も裸でコンドームしてんだッ!! うわああああああああああああ!!!!!!!!!」
テマリは泣きながらシカマルをきつく抱きしめた。
246:
カンクロウ「ちなみに、生き返るときは死んだときの格好で出てくるじゃん……」コスコスコスコスコスコスコスコス
テマリ「」
テマリ「シカマル、オイ」
テマリ「オイ、シカマル」
テマリ「オイ」
250:
***
カンクロウ「元気じゃん、テマリとシカマルは……」コスコスコスコスコスコスコスコス
砂漠の真ん中でシカマルをジャイアントスイングしているテマリを見ながら、カンクロウは呟いた。
我愛羅「仲がいいほど喧嘩すると言うしな……。それよりもカンクロウ、もっと効率よく蘇生することは出来ないのか……? 一人の蘇生に1000?でいいと前に聞いたのだが……」
カンクロウ「確かに一人1000?でいい。……だが一度に射精した精液をわけて何人も甦らせることは出来ないじゃん」コスコスコスコスコスコスコスコス
我愛羅「なにッ!? で、では……」
カンクロウ「全員甦らせることは到底出来ねえ……。でもやれるだけやってから、俺は白との約束を果たしにいくじゃん」コスコスコスコスコスコスコスコス
カンクロウは遠い空を眺めながらそう呟いた。
我愛羅「……カンクロウ……」
253:
カンクロウ「……」コスコスコスコスコスコスコスコス
我愛羅「駄目だ……」
我愛羅はしずかにそう言った。
カンクロウ「何がダメじゃん?」コスコスコスコスコスコスコスコス
我愛羅「自分の命を危険にさらすほどの自慰は許さんと言っている……。それに日に分けてすれば問題ないだろう……」
10万の木の葉の民を全員生き返らせるには、単純に10万回の自慰が必要になる。
いくらカンクロウと言えども、一度に10万回もするのは自殺行為以外の何物でもなかった。
260:
カンクロウ「自慰をしようがしまいが、俺の勝手じゃん……」コスコスコスコスコスコスコスコス
我愛羅「絶対に許さん。……風影命令だ」
厳しい口調でそう言い放つ。
カンクロウ「……」コスコスコスコスコスコスコスコス
我愛羅「人々を救うつもりなら尚更だ……。お前なら皆を救うことが出来る。時間をかけてな……」
カンクロウ「早ぐ……白に会いだいじゃん……」
ピタリと右手のピストンを止める。
突然ポロポロと涙があふれてきた。
泣かないように必死に堪えているのだが、どうにも止められなかった。
カンクロウ「白に……死んでじまっだ白に……」
我愛羅「……」
我愛羅は何といったらいいのか分からなかった。
262:
カンクロウ「約束じだじゃん……。絶対まだ会うっで……。ひっぐ! だ、だがら……」
我愛羅「早まるな……辛いのはもちろん分かっている……。しかしお前の肩には10万の命がかかっている。……それに俺やテマリを残して勝手に死ぬつもりか……? ここは耐え忍べ……」
カンクロウ「うッ……。ひっぐ! ぐすッ……」
カンクロウは嗚咽を漏らしながら立ち上がった。
そしてそのまま印を組む。
カンクロウ「お、俺の……最後の我がままじゃん……」
我愛羅「!」
カンクロウ「多重……」
我愛羅「やめろッ!!!」
カンクロウ「影分身の術……」
ボフボフボフボフボフボフボフボフボフンッ!!!!!!!!
夕暮れの砂漠に、1万人のカンクロウが現れた。
264:
テマリ「な、何だい、一体!?」
シカマルに4の字固めをかけていたテマリも、驚いて辺りを見回す。
我愛羅「テマリッ! カンクロウを止めろッ!! 穢土転生で死ぬ気だッ!!!!」
テマリ「な、何だって!?」
血相を変えるテマリ。
何で他の奴のために私の弟がしななきゃなんないんだッ!!!
テマリ「やめろカンクロウッ!!!! 姉ちゃんの言うことを聞けッ!!!!!!!」
カンクロウ「今、会いにいくじゃん……白……」
1万のカンクロウが一斉に陰茎を握りしめる。
テマリ「やめろおおおおおおおおおッ!!!!!!!!」
我愛羅「カンクロウッ!!!!!」
カンクロウ×10000「一回二回三回四回五回六回七回八回九回十回ッ!! 終わったじゃんッ!!!!!!!」
269:
***
ナルト「ここは……」
リー「ぺ、ペインは……!?」
綱手「一体なにがどうなってんだい……!?」
テマリ「カンクロウの馬鹿ぁああああああああああ!!!! うわああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
我愛羅「……うぅッ……カンクロウ……」
砂の民「うぅ……」
甦った木の葉の人々が見たものは、眠ったカンクロウを抱きしめて号泣するテマリと、涙をボロボロこぼしながら拳を握りしめる我愛羅、そして忍び泣く砂の民であった。
273:
***
風影の屋敷で開かれる葬式の参列者は数えきれないほどであった。
カンクロウの遺影の横で、白と再不斬も笑っていた。
再不斬・カンクロウの悪魔のような笑顔と白の天使の微笑みがいいコントラストになっている。
遺影の前にはカンクロウの好きなハンバーグと、生前よく使用していた箱ティッシュ。
それから我愛羅のゴミ箱も備えてあった。
テマリ「……アンタは私の自慢の弟だよ、カンクロウ……」
ヒナタ「……ありがとう、カンクロウくん……」
サクラ「……カンクロウ……」
テンテン「……おつかれ、カンクロウ……」
いの「……カンクロウ……ありがと……」
バキ「……ホントによく頑張ったな、カンクロウ……」
一人一人花を供えていく。
皆、忍として立派なテクノブレイクを迎えたカンクロウに感謝の意を示したかったのだ。
275:
サクラ「ほらナルト、アンタも……」
ナルト「……」
サクラに促され、カンクロウの棺の前にきたナルト。
しかしナルトは花を供えようとはしなかった。
サクラ「ナルト……?」
カカシ「……」
ナルト「違うってばよ……」
サクラ「ち、違うって……」
ナルト「カンクロウはこんな花なんかで喜ぶようなやつじゃねえってばよ……」
そういってナルトはズボンをおろし、パンツを投げ捨てた。
279:
ヒナタ「な、ナルトくんッ! ///////」
サクラ「ちょ、ちょっとアンタ何やってんのよッ!!!」
ナルト「……」コスコスコスコスコスコスコスコス
目を瞑って自分の陰茎をしごく。
自慰行為であるのに、何故かストイックさを感じさせるたたずまいだった……。
テマリ「帰れッ!!! カンクロウの死を侮辱するなッ!!!」
ブンッ!!!!
完全にキレたテマリはナルトに殴りかかる。
パシッ!!
テマリ「!」
シカマル「……俺は……ナルトに賛成だぜ……」
テマリの手を掴んだシカマル。
いつの間にか下半身が真っ裸になっている。
ネジ「手向けというやつか……」
リー「カンクロウくん、見てますか……?」
シノ「俺たちは一生お前のことを忘れない……」
キバ「だから……安らかに眠れよ……」
チョウジ「僕たちはずっと友達だ……」
彼らもまた、流れるようなしぐさでパンツを脱ぎ捨てた。
283:
自来也「まーったく、お前らは馬鹿ばっかだのぉ?」
カカシ「ま、そんなお馬鹿さんが里を救ったんですけどね」
ガイ「カンクロウッ!! 俺を超えたお前を、俺は超えるぞッ!!」
アスマ「アイツを超えたら死ぬだろーよ……」
イビキ「ああ……見られてる……気持ちいい……/////」
ブツの大きさで大人の風格を見せつける自来也たち。
ずっしりとしたそれは、今にも右手でしごかれるのを待っていた。
テマリ「何考えてんだお前らッ!!! これがどういうことか分かってんのかッ!!!」
サイ「分かってないのは君の方ですよ。それでもチンポついてんですか?」
テマリ「ついてねえよッ!!!! //////」
ダンゾウ「テウチを殺せッ!!!」
テマリ「アンタは誰だよッ!!?」
288:
混沌としてきたカンクロウの葬式。
イルカ「お、おいおい……お前達……」
エビス「破廉恥ですぞッ!!!」
まともなのはくノ一とアカデミーの教員くらいのものだった。
テマリ「我愛羅ッ!! 何とかしてくれッ! こいつら頭おかしいんだッ!!!!」
我愛羅「……ふむ……」
我愛羅はしばらく考え込んだ。
アイツにとって、何が一番良いのかを……。
我愛羅「そうだな……」
顔を上げたとき、我愛羅は何かと決別した。
よくは分からなかったが、姉であるテマリには何となく感じ取れた……。
我愛羅「皆、一列に並べ。カンクロウにお前達の精を捧げてやってほしい……」
テマリ「ふぁッ!?」
289:
※BGM『NARUTO?ナルトー メインテーマ』
ドンドンッ!
ストドンドンッ!
ソイヤッ!!
ピョ―――――……(ペンペンペンペンペンペンペンペン)
ピョーロロロー――――――……(ペンペンペンペンペンペンペンペン)
ズラリといきり立った陰茎が並ぶ。
ハァッ!
ピョロロ―――――――……(ペンペンペンペンペンペンペンペン)
忍達はそれを力強くしごいていく。
ピョーロロロ――――……ピョーピョー(ペンペンペンペンペンペンペンペン)
シャッ!
ピョ―――――……(ペンペンペンペンペンペンペンペン)
……カンクロウ……
ピョーロロロー――――――……(ペンペンペンペンペンペンペンペン)
本当に……ありがとう……
ハァッ!
ピョロロ―――――――……(ペンペンペンペンペンペンペンペン)
お前が守ったものを……
ピョーロロロ――――……(ペンペンペンペンペンペンペンペン)
今度は俺たちが守る……
ソイヤッ!!!
294:
EDテーマ『Yellow Moon』
ドゥ――――……
ドゥ――ン…… カリッカリカリッ……
トゥ――――ン……
ドゥルルルンル
♪・きのぅは コール・サァインッ 
全部ゥ 携ったいでぇ……
ドゥルルトゥドゥルトゥルドゥルトゥンッ……
乗れないフゥァズッ・ギターァ……
変なぁ・こぉぅえんでぇぃ……
ゥウ――――ン……
トゥントゥントゥールトゥントゥントゥトゥントゥン
トゥントゥントゥールトゥントゥントゥトゥントゥン……
295:
♪イェロオゥ モゥーン…… いぃまぁもぅ……
みっつ……かぁぞぉえぇてぇ むぇえをああけーて……
シャドォウオ…… まだぁ ゆめえをみぃてぇるぅ……
めをー見てぇ…… めをー見てぇ…… 背をーむけぃあぃなぁがぁらぁ……
めをー見てぇ…… いぃつぅ会ぁえるぅ――……?
296:
えぃぶりでぇえぃ…… えぃぶりなぁいッ……
おぉもいつぅく ことぉばぁでぇ……
ちぃらぁかっとぅあ まあまのぅきぃもち をぉ今すぅぐぅッ……
297:
・魔法のコードチェエンジ…… ・眠れないぃ まぁちぃ……
・日替わりなジュアズッギターァ…… そっとぅ……マイナァでぇ……
298:
***
カンクロウ「白ッ!」
白「遅いですよカンクロウくんッ!! これはもう千本飲んでもらいましょーかね♪」
カンクロウ「て、手厳しいじゃん……」
白「ジョークですよ、ジョーク! さぁ、行きましょうか……。再不斬さんも待ってます」
カンクロウ「……ああ」
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