チノ「遂に高校生になりました。これでココアさんと一緒の高校に通えます」back

チノ「遂に高校生になりました。これでココアさんと一緒の高校に通えます」


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1:
チノ「ふ、不束者ですが……よろしくお願いします」
ココア「もうっただ一緒の高校に通うだけなのに硬くなり過ぎだよ」
ココア「でもこれでこれからはずっと一緒に学校に行けるね」
チノ「ですね」
ココア「チノちゃんの入学式……動画に収めるためにカメラも用意したよ」
チノ「それはお父さんに任せて下さい……」
8:
チノ(これでココアさんと一緒に学校生活を送ることができます)
チノ(ですがココアさんは三年生……つまりこの一年で卒業……)
チノ(そうなるとココアさんは実家に帰る……これがココアさんと過ごせる最後の一年……)
チノ(あっという間だったな……もう……最後の一年……)
チノ(悔いのないよう……この一年は大切にしよう)
10:
入学式当日
チノ「恥ずかしかったです……」
ココア「チノちゃん可愛かったよ?」
チノ「ココアさんが私の名前を叫んだから恥ずかしかったんです!」
ココア「あれは不可抗力で」
チノ「どういう不可抗力ですか……」
千夜「まあまあ。これで私達4人一緒に通えるわけだし」
マヤ「にしてもまさかメグのやつ本当にお嬢様校に行っちゃうなんてな?」
13:
千夜「でも今まで一緒に居れたもの。この程度じゃ離れ離れになんかならないわ」
チノ「そうですね」
ココア「よーし明日からは授業が終わる度にチノちゃんの教室にいくね!」
千夜「ココアちゃんがいくなら私も行かなきゃ!」
チノ「そ、それだけはやめてください……」
マヤ「うん……流石にそれは……ちょっと」
ココア「妹達を放ったらかしにはできないよ!」
チノ「せめてお昼休みで我慢できないんですか」
…………
……
14:
その晩
ココア「あー足がクタクタだよぉ……」
チノ「入学式終わった後に歩きまわりましたからね……」
ココア「メグちゃんとシャロちゃんとも合流したしね?」
チノ「最終的にはリゼさんとも合流して……いつもと変わりませんでしたね」
ココア「私達らしいね」
チノ「……ですね。あ、あの。ココアさん」
ココア「わかってるよー。明日は学校だから早く寝ないとでしょ?じゃあおやすみ?」
16:
チノ(この一年はココアさんと過ごせる最後の一年にしてココアさんと最も長く過ごせる一年……)
チノ(ココアさんが実家に帰る日で変わりますが……だいたい……残り約360日……)
チノ(去年まではこのまま思いとどまっていたました……でもこのままじゃきっと後悔するから……)
コンコン
ココア「? はーい」
チノ「今日はなんだか落ち着きません……。またお話していたい気分です。でもココアさんが迷惑というなら……」
ココア「チノちゃん!あははっ。なんだか前もこういう会話したね。なんだか懐かしい」
17:
ココア「ほら、おいで?」
チノ「は、はい……」
チノ(最初の頃と大違い……ココアさん……本当にお姉ちゃんみたい……)
ココア「じゃあさっきリゼちゃんに借りたDVDを……」
チノ「あ、あの!ココアさん……そ、その……」
ココア「ん……チノちゃん?」
18:
チノ「……こ、ココアさんはあと一年で卒業しちゃうんですよね」
ココア「……うん」
チノ「そ、そうしたら……地元に……こ、この街から出て行っちゃうんですよね」
ココア「そう、だね」
チノ「そしたら……お別れ……ですよね」
ココア「……だね」
チノ「だからっ……あと……最後の1年……こっココアさ……」ポロポロ
ココア「ん……」ナデナデ
19:
チノ「ココアさん……」
ココア「大丈夫。チノちゃんが何を言いたいのかぐらいわかるよ。お姉ちゃんだからね」ナデナデ
チノ「……」
ココア「私もチノちゃんとこのまま離れ離れになっちゃうのは……嫌だしね」スッ
チノ「ココアさん……」ドキドキ
ココア「ね。そろそろお姉ちゃんって呼んでくれてもいいんじゃないかな」
ココア「二人きりのときだけでいいからさ……お姉ちゃんって呼んで」ニコッ
チノ「……はい。お姉ちゃん……」
…………
……
21:
翌日
ココア「じゃあそろそろ学校にいこっか」
チノ「はいっお姉ちゃん」
……
ティッピー「チノ……ココアが来てから大分変わったの」
タカヒロ「そうだな……ココア君は本当に凄いな……あの娘がいなかったら今頃……」
ティッピー「それに……本当の姉妹のようじゃったな」
タカヒロ「……ああ」
22:
チノ「おはようございます」
ココア「おはよっ♪」
千夜「あらあら……二人共随分仲よさげね」
チノ「そ、そんなことないです。いつも通りですよ?」テレテレ
千夜「チノちゃん遂に心開いてくれたの?」ヒソヒソ
ココア「うんっ」ヒソヒソ
マヤ「え?なになに?」キョトン
24:
ココア「チノちゃーん!お弁当食べよー!」
ザワザワ ザワザワ
チノ「……っ!だ、だから大声で叫ばないでくださいと……!」
千夜「もうココアちゃんったら」
チノ「それにココアさん達は三年生なんですし……」
マヤ「そんなことより早く食べようぜっ」
26:
ココア「学校でも一緒にいられるのってなんかいいね」
千夜「でも……ココアちゃんと二人っきりになれる時間が減っちゃったのは……寂しいわ」」
チノ「むっ……」
千夜「ふふ、冗談よ」
マヤ「……?」
マヤ(へんなの)
28:
ココア「帰りもみんな一緒……賑やかでいいね」
千夜「そうね」
チノ「そうですね」
チノ(私だけ……最後までココアさんといっしょ。ふふ……私だけ)
マヤ「んじゃあ私こっちだから。ばいばい!」
ココア「また明日ねー」
千夜「またね」
29:
千夜「私はこっちだから……じゃあまた明日ね」
ココア「うんっ。またね」
チノ「さようなら」
千夜「……頑張ってね」ボソッ
チノ「えっ!?」
千夜「ふふっ。じゃあねっ」
チノ(……千夜さん)
31:
チノ「ただいま」
ココア「ただいま?」
チノ「じゃあ早開店準備しましょうか。お姉ちゃん」
ココア「んっ!」
チノ(今までよりもずっとココアさんと長くいれた……)
チノ(これが……これからは毎日……)
チノ「えへへ……」
…………
……
33:
チノ(あれからココアさんと一緒にお風呂に入って……お話して……そして一緒に寝て……)
チノ(学校でもよくココアさんと会いますし……半日くらいはココアさんと一緒な気がする)
チノ(でも……このままじゃまだ足りない……もっと……仲良くなりたい……)
チノ(このまま離れ離れになったら絶対に後悔する……)
チノ(もっと……もっと……)
チノ(友達も満足に作れないような無愛想な私を……ここまで変えてくれたお姉ちゃん……)
チノ(まだ時間はあります。ゆっくりでいいから……頑張ろう)
35:
数日後
チノ「あ、あのお姉ちゃん」
ココア「ん?」
チノ「あっあ……えと……そ、その……」モジモジ
ココア「チノちゃん?」
チノ「あっ!えっとその、混む前に買い出しお願いしてもいいですか?」
ココア「なんか最近毎日買い出ししてるような……今日は何を買えばいいのかな」
チノ「すみませんちょっと要領が悪くて……今日は……」
チノ(また……言えなかった……)
36:
カランカラン
チノ「いらっしゃいませ……ってリゼさん」
リゼ「久しぶり。ってそんなでもないか……ココアは?」
チノ「さっき買い出しにいってもらったばかりです」
リゼ「タイミング悪かったな……」
チノ「何かココアさんに用事でも?」
リゼ「いや、暇だったから寄っただけだよ。とりあえずカプチーノを……久々にチノのラテアートが見たくなった」
チノ「……かしこまりました」
37:
ココア「ただいま?!ってリゼちゃん!?久しぶりー!」
チノ「おかえりなさいおねっ……ココアさん」
リゼ「おかえり。まあ久しぶりってほどじゃないけどな」
ココア「確かに……ってリゼちゃん結構飲んだね」
チノ「ココアさんが買い出しにいった後すぐに来たんです」
ココア「待っててくれたんだ」
リゼ「まあ、な」
チノ(……)ズキ
38:
チノ(ココアさんが私以外の人たちと会話するたびに……胸がズキズキする……)
チノ(千夜さんの時もそうだ……そっか……ココアさんが……取られちゃいそうで……)
チノ(そうか……私だけじゃないんだ……リゼさんにとっても……千夜さんにとっても……他の人達にとっても……)
チノ(この一年がココアさんと一緒にいられる最後の一年なんだ……だからみんなココアさんと……)
チノ(ココアさん……。この想い伝えたい……でも……でもっ……)
チノ(やっぱり私は意気地なし……ですね……。このままじゃっ……うぅ……)
…………
……
40:
チノ(あれから1ヶ月……もう5月も半ば……)
チノ(そっか……もう十二分の一以上過ぎたんだ……)
チノ(この想いを伝えられないまま……あっという間に……)
チノ(このままじゃいつまでたっても……)
千夜「ねえチノちゃん。ちょっといいかしら」
チノ「千夜さん……?」
41:
千夜「チノちゃんは……ココアちゃんのことが好きなのよね」
チノ「っ!?な、いきなりなにを……!」
千夜「いいの。わかるから……チノちゃんの気持ち」
チノ「へ……?」
千夜「私もね……ううん。とにかく……チノちゃんに頑張ってって言ったからには応援しなきゃって思って」
チノ「お、おうえん……ですか」
千夜「チノちゃん最近元気ないから……ココアちゃんとうまくいってないと思って」
42:
チノ「……」
千夜「時間の流れに容赦はないの。チノちゃんには悲しい思いをしてほしくないから……」
千夜「背中を押してあげようと思って」
チノ「まさか……千夜さんは……シャロさんのことが……」
千夜「……お互い頑張りましょ?お互い……悔いのないよう……」
チノ「……ですね。はいっ!頑張ります!」
千夜「ん……いい返事ね」ナデナデ
…………
……
44:
チノ「お姉ちゃん……少しいいですか」
ココア「チノちゃん?」
チノ「あの……大事な話が……あるんです」
ココア「……」
チノ(大事な話って言ったからには……もう逃げられない……)
チノ(いえ、逃げる必要なんてないんです。むしろ逃げちゃいけないんです……)
チノ(それに、千夜さんとも約束しましたから……)
45:
チノ「お、お姉ちゃんのことが……す……す……!」
ココア「……大事な話ってことは……そ、そういう意味なんだよね」
チノ「……」ドキドキ
ココア「あは、お姉ちゃんだから……チノちゃんの言おうとしてることぐらいわかるよ。もうそんなに鈍くないから……」
ココア「うん……私もチ」
チノ「待ってください!待ってください……言わせてください……」
ココア「ん、わかったよ」
チノ「ありがとうございます……。好きです……大好きですお姉ちゃん……」
ココア「……うん。私も……チノちゃんのこと大好きだよ。やったね両想いだ」ナデナデ
46:
ココア「でも……もうこんな時間だね。明日学校あるし……そろそろ寝なきゃだね?」
チノ「……お姉ちゃんは意地悪です。何を言わんとしてるかわかりました……」
チノ「ん……き、今日はなんだか落ち着きません……。まだお話……いえ……」
チノ「お話だけじゃ足りないです……それだけじゃ落ち着けません……」
チノ「それだけじゃ……この胸の鼓動は収まりません……ココアさんと……したいです」
チノ「でもお姉ちゃんが迷惑というのなら……」
ココア「ん、よく言えましたっ」チュッ
47:
チノ(ココアさんと出会って2年と少し……ようやく……)
ココア「次はチノちゃんからしてほしいな」
チノ「はい……」チュッ
ココア「ん……んー……」
チノ(いきなり舌を絡めようとしたのは不味かったかな……?)
チノ(あっ……ココアさんも絡めてきてくれた……)
チノ(もっと……)
49:
ココア「ふぅ……チノちゃんがっつき過ぎだよ」
チノ「すみません……」
ココア「そんなにしたかったんだ。今までずっと我慢してきたのかな」
チノ「はい……でも……まだ……足りないです」
ココア「……そっか。いいよ……今まで我慢した分……」
チノ「お姉ちゃんっ!」ギュッ
53:
ココア「あは……チノちゃん……まるで赤ちゃんみたい」
チノ「じゃあお姉ちゃんはお母さん……ですね」
ココア「姉妹から親子になっちゃったかー」
チノ「じゃあ……こ、こっちのほうも……」
ココア「む、胸?本当に赤ん坊みたいだね……いいよ。はいっ」
チノ「……えへへ」チュッ
55:
ココア(そっか……チノちゃん確かお母さんを亡くしてるんだもんね……)
ココア(だから……か)ナデナデ
チノ(ココアさん……暖かい……)ウトウト
ココア「もう眠い?」
チノ「ん……ま、まだ……」
ココア「あはは。明日もしてあげるから……今日はゆっくり寝ようね」ナデナデ
チノ「ん……ぅ……」
…………
……
56:
翌日
ココア「おはよっ!」
チノ「おはようございますっ」
マヤ「おはよー」
千夜「おはよう」
千夜(うまく行ったみたいね。チノちゃん……)チラッ
チノ(千夜さんも……頑張ってくださいね)チラッ
…………
……
58:
チノ(あれから数ヶ月……ほぼ毎日のようにココアさんといろんなことをした)
チノ(最初はキスから始まって……今では体のお付き合いも……)
チノ(でも……最近これだけじゃ物足りないって思い始めてきた……)
チノ(ちょうどこれで折り返し……か)
チノ(本当に時間の流れは容赦無いですね……)
チノ(あっという間だ……)
60:
チノ「お姉ちゃん……一緒にお風呂にはいりましょう」
ココア「いいよっ」
ティッピー「最近チノとココアが本当の姉妹に見えるの」
タカヒロ「姉妹以上の関係にも見えるな」
ティッピー「そうか?」
タカヒロ「ココア君……」
62:
チノ「じゃあ……今日もまずはキスから」チュッ
ココア「んっ」チュ
チノ(キスして……抱き合って……おしまい。それが昨日まで……)
チノ(でも……それじゃ足りない……もっと……欲しい)
チノ(ほしい……)スッ
ココア「チノちゃんっ!?そ、そこは……」
チノ「お姉ちゃん……もっとお姉ちゃんとしたいです……」
63:
ココア「も、もっとって……」
チノ「だめ……ですか」
ココア「……わかった。いいよ……。好きにして?」
チノ「お姉ちゃん……」クチュッ
ココア「んっ……」ビクッ
チノ(かわいいですココアさん……)
チノ(あと……およそ180日か)
…………
……
64:
チノ(街路樹が紅葉色に染まり始めました。道路脇には落ち葉がちらほらと)
チノ(少し前まではこれが桜の花びらであったはずなのに……)
チノ(いつの間にか春が終わり、夏もこれで終わってしまうんですね)
チノ(秋……哀愁、ですか。夏に爆発した生命の活力は、燃え尽きたようだとはよく言ったものですね)
チノ(あのまま満たされるはずだったのに……まだ……苦しいです。悲しいです)
チノ(また……お別れに近づいたんですね)
65:
チノ(雪が……積もりました。落ち葉は既に姿を消しています)
チノ(あれから……更にあっという間に月日が流れた。もう……最後の冬休み)
チノ(この雪が消える頃が……きっとココアさんとお別れの時)
チノ(なんで……どうしてこんなにあっという間に……残酷ですね……)
チノ(まだまだ……ずっと一緒にいたいのに……)
チノ(最初の頃と比べるとずっとココアさんに近づけた……それなのに……まだ足りない……まだ満たされない……)
チノ(なんで……どうしていつまでたってもこの胸の痛みが消えないんですか……!)
チノ(ココアさん……ココアさんっ……)ポロポロ
…………
……
66:
ココア「んっ……んぁっ……!」ビクッビクッ
チノ(毎日……ずっとこの心を満たしてるはず。それなのに満たしきれない)
チノ(それどころかすぐに空っぽになる。そして胸が……苦しくなる)
チノ(気のせいかな……どんどんその苦しみが……酷くなってる気がする)
チノ(なんで……なんで……!)
ココア「チノちゃんっ……痛いっ……」
チノ「あっ……すみません……」
67:
チノ(そっか……お別れの時が……近づいてきてるのがわかるから……)
チノ(あんなに分厚かった日めくりカレンダーも……こんなに薄い)
チノ(……余命宣告された人ってこういう気分なのかな)
チノ(……離れ離れといっても今は文明の利器があります。遠くにいても繋がりは途絶えない)
チノ(だけど……それじゃあ……この心を少しでも満たすことはできないっ……)
チノ(ココアさんが……近くにいないと駄目なんです……)
チノ(ココアさん……いなくなっちゃ……いやです……)ポロポロ
68:
…………
……
ココア「……帰る日決まったよ。2週間後」
チノ「そう、ですか」
ココア「うん……あっという間だったね」
チノ「そうですね」
ココア「チノちゃんっ……」
チノ「お姉ちゃん……」
69:
チノ(残り14日……。残酷なカウントダウンですね……)
ココア「チノちゃんっ……最後に……忘れられない思い出をつくろう……?」
チノ「もちろんです……。素敵な思い出を……作りましょう」
チノ「リゼさんや……千夜さん、シャロさん……メグさんやマヤさんも呼びましょう。青山さんも……」
チノ「皆さんを呼んで……お姉ちゃんの送別会をしましょう」
ココア「うん……いいね。でも……チノちゃんと私だけの……特別な思い出も……欲しいな」ギュッ
チノ「お、お姉ちゃんっ……」ギュッ
70:
チノ「お姉ちゃん……これから毎日を素敵で特別な日にっ……」チュッ
ココア「うんっ……忘れられない思い出……つくろうね……」チュッ
チノ(……別にお別れして二度と会えなくなるわけじゃない。またいつか会えるはず)
チノ(そうだ……悲嘆にくれることなんてない……うん……うんっ……)ポタポタ
ココア「チノちゃん……」ナデナデ
チノ「お姉ちゃん……お姉ちゃん……!」ギュッ
…………
……
71:
数日後
ティッピー「そんなところで何をしておる?」
タカヒロ「ん、ああ……明日送別会をするだろう?その準備だよ」
ティッピー「そうか。随分と大掛かりじゃな」
タカヒロ「ああ。いい思い出をつくってあげないといけないからな」
ティッピー「……それもそうじゃな。しかし本当は手伝いたいがこんな体じゃ……」
タカヒロ「……邪魔だからチノのところに行ってやってくれ」
ティッピー「なんじゃと!」
72:
リゼ「飾り付けはこんなものかな」
千夜「……本当にココアちゃんいなくなっちゃうのね」
シャロ「……寂しくなるわね」
リゼ「……本当にココアは凄い奴だったな。二度と忘れられないような奴だった」
シャロ「今思えばココアを中心に私達、繋がってましたね」
リゼ「ああ。ココアには感謝しきれない……二度と忘れられないような会にしてやろう」
千夜「そうねっ」
73:
マヤ「これで足りる?まだまだいるんじゃないの?」
チノ「家にいくらかあります。それにこれ以上買ったら持てませんよ」
メグ「腕痛い?……」
ココア「メグちゃん大丈夫?かたっぽ持つよ」
メグ「ありがとうココアちゃんっ」
チノ(遂に……明日送別会……)
チノ(あっという間の三年間……遂に、終わりの時がやってくる……)
チノ(おそらくみんなが揃う最後の日……最高の思い出を……)
…………
……
74:
チノ(送別会も無事終わり、おそらくココアさんも思い残すことは無いでしょう)
チノ(最高の送別会でした。あれなら……心置きなく……)
チノ(とうとう……明日。明日……ココアさんがこの街からいなくなってしまう)
チノ(そしたらっ……そしたら……)
チノ(……今日がココアさんと一緒に寝る最後の日)
チノ(素敵な思い出は作りました。最後に……二人だけの特別な思い出を……つくろう)
75:
チノ「お姉ちゃん……」
ココア「チノちゃん……」
チノ「明日……帰っちゃうんですよね……」
ココア「……うん」
チノ「これが……最後の夜ですね」
ココア「そうだね」
チノ「ですから……特別な思い出を作りに来ました」
77:
ココア「チノちゃん……」
チノ(未だに心は満たされていない。まだ胸が苦しい)
チノ(きっとこの苦しみからは解放されないんでしょう)
チノ(なら……最後に……ココアさんと離れ離れになっても耐えられるように……!)
チノ「お姉ちゃんっ……!」ギュッ
ココア「うんっ……この夜は……大切にしなきゃね」チュッ
78:
チノ(もうしばらくはできなくなるキス……最後のキス……)
チノ「お姉ちゃん成分の蓄えを……なんて」チュッ
ココア「……!んっ……」
チノ(きっと次に会うのは数年先。しばらくは会えない……)
チノ(それまでの分……今のうちに……)
ココア「ぷはっ……」
チノ「ま、まだっ……!」チュッ
79:
ココア「んっ……んぅ……」
ココア(チノちゃん必死だなぁ……そうだよね……しばらく会えなくなるもんね)
ココア(声は届けられても……姿は見ることができても……)
ココア(こうやって直接触れることは……できなくなるもんね)
ココア(私も)ギュッ
チノ(ココアさん……ココアさんっ……)ポロポロ
80:
チノ「ぷは……ぁ……」ポロポロ
ココア「まだ……足りないよね。これじゃいつも通りだよ」
ココア「特別な思い出には……まだ……」
チノ「もちろんです……まだ……まだぁ……」ポロポロ
ココア「いいよ……好きなだけしよう……?なんなら朝までだって付き合う」
チノ「はいっ……」ポロポロ
81:
チノ「はぁっ……!はぁっ……お姉ちゃんっお姉ちゃんっ……!」クチュックチュッ
ココア「んっ……んぁっ……」
チノ「どうですか……?気持ちいいですか……?」クチュクチュ
ココア「うんっ……チノちゃんも……気持よくなろっか」ガバッ
チノ「あっ……」
ココア「二人で一緒に……ねっ」
チノ「はい……!」
82:
ココア「あはっ……もう朝の4時だ……」
チノ「……」
ココア「これはバスの中で寝ちゃうかも……寝過ごしたらどうしよ」
チノ「あの……お姉ちゃん。最後に……」ポロポロ
ココア「ん……?」
チノ「最後に……抱いてください……お姉ちゃんの胸の中で……泣かせてください……」
ココア「ん……」ナデナデ
チノ「うぅっ……!うぇええええええ……!!!」
83:
ココア「……zzz」
チノ「……ココアさん」
ガチャッ
タカヒロ「……決心はついたか」
チノ「はい」
チノ(ごめんなさいココアさん。やっぱり……)
チノ(私の心は満たされませんでした)
…………
……
84:
ココア「あの、見送りありがとうございました!」
タカヒロ「ああ」
チノ「あのっお姉ちゃん。やっぱりもう一度……」
ココア「う、うん。いいよ……これが正真正銘最後だね。でも一応トイレにいこっか」
チノ「はい」
85:
ココア「んじゃあ……お別れのキス……するね」チュッ
チノ「んっ……」
ココア(ん?)
チノ「ん……ん……」
ゴクッ
ココア(なんだろう今の……何か飲み込んだような……気のせい?)
チノ「ぷはぁっ……」
89:
ココア「おまたせしました」
タカヒロ「じゃあ……これでお別れ、だね」
チノ「お姉ちゃん。お元気で……」
ココア「うんっ!ばいばい!」
ココア(最高の高校生活だったよチノちゃん)
ココア(また……またいつか必ず来よう)
ココア(みんなに……チノちゃんに会いに……あれ……?)
ココア(なんか……眠く……?)
タカヒロ「……」
ココア(え……?なんでここにチノちゃんのお父さんが……?)
…………
……
90:
…………
……
ココア「ん……?ここは……?」
チノ「おはようございます」
タカヒロ「おはよう」
ココア「え……?えっ!?な、なにこれ!?なんで……!?」
チノ「ごめんなさいココアさん……やっぱり私駄目でした。あのままココアさんと離れ離れになるなんて……耐えられませんでした」
ココア「え……え……?わ、わけが……あ、あの」
タカヒロ「俺もチノと同じだ……ココア君が恋しくてな……」
91:
ココア「そ、そんな……」
タカヒロ「だから……ここにココア君を監禁することにしたんだ。ごめんね」
チノ「ここは……うちの地下室なんです。倉庫に入りきらないものを入れていた……」
チノ「ココアさんを監禁するために……わざわざ準備したんですよ」
タカヒロ「ああ、送別会の前の日からね」
ココア「そ、それって」
チノ「鋭いですね。送別会の前の日にはもうココアさんの監禁計画は決まっていたんです」
94:
ココア「……」ガクッ
チノ「ただ……あの時私の心が満たされて……あの苦しみに耐えられるようになれば……」
チノ「結局私の心は満たされることはありませんでした。ですから……苦しみから解放されるにはこうするしかないんです」
チノ「ごめんなさいココアさん……」
ココア「そんな……そんな……!」
タカヒロ「さて……俺も今まで我慢してた分……処理させてもらおうかな」
チノ「ココアさん……私達がずっと一緒にいるためには……こうするのが一番なんです」
チノ「やっぱりココアさんはお姉ちゃんではなく……お母さんになるべきなんです」
ココア(狂ってる……!)
96:
チノ「ココアさんがお父さんと結婚すれば……ココアさんは私のお母さんになる……」
チノ「素晴らしいじゃないですか……!そうすれば私達はずっと一緒です!」
チノ「でも……こうしちゃった以上ただではお母さんになってくれませんよね」
チノ「ですから……もう退けないんです」
チノ「ごめんなさいココアさん。本当はいつものココアさんが欲しかったのですが……この際……多少壊れても仕方ないです」
チノ「ごめんなさい」
…………
……
98:
ココア「あっ……あぇっ……!」ビクッビクッ
タカヒロ「ふぅ……妊娠しちゃったかな?妊娠したらごめんね……ほら、ベッドまで運んであげるよ」
タカヒロ「じゃあ俺はこれで」ガチャッ
ココア「うっ……う……」
ココア(あれから毎日チノちゃんとタカヒロさんに犯され続けた……)
ココア(なんの愛も感じられない……むしろ私を壊そうとしてるような……)
ココア(おかしいよ……心の底では……ずっとこうしたかったって考えてたの……?)
ココア(ん……?ん?あれ……もしかしてあれ鍵掛かってないんじゃ……)
99:
ガチャッ
ココア(かかってなかった……!掛け忘れてたんだ……!)
ココア(やった……!運がよかった……!とにかく逃げないと……!)
ココア(こんな時間……家が近い……千夜ちゃんの家にいこう……)ダッ
ティッピ―(なっ!?ココア!?なぜ家に……というかそもそもなぜ裸なんじゃ!?)
タカヒロ「見たな……」
ティッピー「お、お前まさか……」
タカヒロ「すまんな親父」グチャッ
102:
ココア(あ、千夜ちゃんの家電気ついてない……でもシャロちゃんの家はついてる!)
コンコン
ココア「シャロちゃん!シャロちゃん!」
シャロ「え!?その声は……!」
ガチャッ
シャロ「こっココア!?なんで……帰ったんじゃ……ってなんで裸なの!?」
ココア「お願い助けて……!!」
104:
シャロ「な、何があったの……?」
ココア「チノちゃんとタカヒロさんに監禁されてて……」
シャロ「え……!?」
ココア「お願い……助けて……」
シャロ「っとと!とにかく警察に電話を……!」
prrrrrrrr.....
シャロ「ぴゃああああ!?!?」
シャロ「こ、この電話番号……チノちゃん」
107:
ココア「え、え」
シャロ「と、とりあえず出てみるわね」
ココア(なんでシャロちゃんに電話を……?)
シャロ「も、もしもし」
シャロ「あ、あの!警察に……」
シャロ「え」
シャロ「……いくらですか」
シャロ「……そんなに」
ココア(ん?)
108:
ココア「え、え」
シャロ「と、とりあえず出てみるわね」
ココア(なんでシャロちゃんに電話を……?)
シャロ「も、もしもし」
シャロ「ち、ちょっと!警察に……」
シャロ「え」
シャロ「……いくら?」
シャロ「……そんなに」
ココア(ん?)
113:
ココア「あ、あのシャロちゃん」
シャロ「で、でも……」
シャロ「ピャッ」
シャロ「わ、わかりました!はい!」
ココア「ね。ねえシャロちゃん……?何を……」
シャロ「ごめんねココア……」
シャロ「ココアは大切なお友達。でも……やっぱりお金のほうが私にとっては大切だったみたい」
ココア「え」
ガチャッ
115:
タカヒロ「さてと……帰るぞ」
ココア「な、なんで……!」
シャロ「あ、あのお金は……」
タカヒロ「ん、ああ……ほら」
シャロ「やった……!」
タカヒロ「ココア君が脱走するかどうか試したんだ」
タカヒロ「やっぱり……脱走してしまったね。これは……お仕置きが必要だね」
ココア「あっ……あぁああああ……!!!」
117:
ココア(あの後私は何発か殴られて……傷めつけられて……)
ココア(いつの間にか気を失っていた)
ココア(その次の日からチノちゃんもタカヒロさんも私のこと手荒く扱うようになった)
ココア(理不尽な暴力が増えていった……)
ココア(気がつけば全身が痣だらけ……傷跡が消えない……)
ココア(辛いよ……助けて……助けてお姉ちゃん……)ポロポロ
120:
チノ「ココアさんが行方不明だそうですよ。さっきお父さんが事情聴取されてました」
チノ「ほんと厄介ですよね!」パァンッ
ココア「ひぅッ……!」
チノ(順調です……。ココアさんにひたすら理不尽な仕打ちを、徐々にエスカレートさせていく)
チノ(次第に命を握り、そして飲食、排泄の自由も奪う……。常に恐怖と隣合わせの状況に)
チノ(そしてココアさんの精神を……蝕むんです)
チノ(精神に以上を来したココアさんを私達が保護した……ということにするんです)
チノ(あぁ……こうして積み重なっていくこの感じ……!堪りません……!)
…………
……
121:
ドゴッ ドゴォッ
ココア「うぇっ……ぇぇ……!」ピクッピクッ
タカヒロ「よく耐えたね。痛かっただろう。すまないね……」ナデナデ
ココア(自分で殴ったくせにっ……)キュンッ
ココア(あれ……なんだろう今の感覚……?)
タカヒロ「今日は……ゆっくりと休むといい」
ココア「は、はい」
122:
チノ「ココアさん。ご飯持ってきましたよ」
ココア「あ、ありがとう」
チノ「腕……痛みますか?」
ココア「う、うん」
チノ「じゃあ私が食べさせてあげますね」
ココア「え、あ、うん」キュンッ
ココア(……なんだろうこれ)
125:
ココア(二人共……たまに優しい面を見せてくる)
ココア(……二人共根はいい人なのかな)
ココア(なにか……なにか事情があって……おかしくなっちゃったのかな)
ココア(あ……タカヒロさんは妻を、チノちゃんはお母さんを亡くしてる……)
ココア(父と娘だけで……今まで生活してきたんだもんね……)
ココア(そっか……辛かったんだね……)
ココア(チノちゃん……タカヒロさんっ……)キュンッ
126:
数カ月後
タカヒロ「うまくいったな」
チノ「ですね。ココアさん」
ココア「どうしたんですか?ご主人様」
タカヒロ「ココア。今から言うことをちゃんと聞きなさい」
ココア「は、はい」
タカヒロ「ココア君は今行方不明ということになっている」
タカヒロ「これから俺達が行方不明になっていたココア君を助けたという体で話を進める」
タカヒロ「君は暴漢に拉致監禁され、自力で逃げ出してこの街までやってきた。そこで俺達が保護した……ということにするんだ」
127:
ココア「わかりました!」
タカヒロ「ありがとう。これで俺たちは咎められることなくココア君を解放できる」
チノ「今まで酷いことしてごめんなさいココアさん」
ココア「ううん。二人の気持ち……わからなくもないので……」
チノ(何言ってるんでしょうねこの人)
タカヒロ(勝手に同情してかわいい子だね本当)
ココア「わ、私にできることならなんでもしますから!」テレテレ
129:
チノ(こうしてココアさんは主犯である私とお父さんに好意を抱き、私達の言いなりになりました)
チノ(私達に酷いことをされていたにもかかわらず、私達を擁護するような発言をし、私達が拉致監禁をしたという情報は一切漏れることがありませんでした)
チノ(シャロさんにも定期的にお金を振り込むことで口封じをしています)
チノ(強いて言うなら犠牲はお爺ちゃんでしたね……)
チノ(そしてココアさんはお父さんのプロポーズに応じ……遂に結婚しました。本当に私のお母さんになりました)
チノ(これで……ずっと一緒にいられますね……お母さん)
BAD END23 鬼畜和菓子の弾丸は撃ちぬけない
130:

13

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