【ラブライブ】海未「私たちの恋愛ゲーム、ですか?」back

【ラブライブ】海未「私たちの恋愛ゲーム、ですか?」


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1:
更新遅いです。
台本と地の文が混ざってきます。
一応、百合です。
以上に抵抗のない方は
どうぞお付き合いください。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1417028287
2:
それはつい先日のことでした。
練習が終わり、部室で真姫と二人きりになったときのことです。
海未「私たちの恋愛ゲーム、ですか?」
真姫「えぇ。とは言っても、海未が恥ずかしがるほどの恋愛要素はないはずよ」
渡したいものがある。
そう言われ、真姫が私に手渡したのは、一枚のCDでした。
海未「えぇと……」
真姫「? どうしたの?」
海未「ただのCDのように見えるのですが……」
どう見ても、ゲームソフトのようには見えません。
そもそも私はゲームというもの自体やらないので、詳しくは知りませんが……。
だから、私はそんな風に質問をしました。
すると、真姫は、
真姫「PCにインストールしてやるゲームなのよ」
そう教えてくれました。
そのようなものもあるんですね。
ただ、私はPCも持っていないのですが……。
そう言うと、真姫は黒いノートパソコンを貸してくれました。
海未「ありがとうございます、真姫」
真姫「気にしないで」
海未「えぇと、私はこのゲームを……」
真姫「実際にやって、内容を確かめて欲しいのよ」
真姫は、海未ならいい批評をしてくれると思って、と続けます。
そこまで、期待してくれているのなら、と私は真姫の依頼を受諾したのでした。
そういえば、その時に、真姫はこんなことも言っていましたね。
真姫「このゲームのことは、今後誰にも話さないで」
真姫「絶対に、誰にもっ!」
――――――
3:
――――――
家に帰り、食事をとってから、部屋に戻ります。
海未「さて、早例のゲームをしてみますか」
そう呟き、借りたノートパソコンを起動します。
そして、CDをパソコンに入れ、
海未「……メッセージが出ましたね」
『インストールしますか?』
パソコンの画面には、簡素なメッセージが出ていました。
ええと……。
私はマウスのカーソルを
『Yes』に持っていきます。
そして、
――カチッ――
『インストールを始めます』
―――グニャリ―――
瞬間、私の視界が反転しました。
色が、上下が、左右が。
海未「なに、がっ!?」
声になっているのかも分からない。
それほどに世界が不安定になって……。
意識が途絶えた。
――――――
4:
――――――
『ラブライブ! School idol Lovers』
『最初から始める』
『…………』
『主人公を選んでください』
→ 園田海未
『設定しました』
――――――
5:
――――――
――――ゃん!」
「――――ちゃん!」
微睡みの中。
誰かの声が聞こえます。
聞き覚えのある声。
あぁ、この声は……。
?「海未ちゃん!」
海未「んっ……」
その声に、呼応するように私の意識が覚醒しました。
そして、目の前にいる制服姿の彼女に声をかけます。
海未「おはようございます、穂乃果」
――――――
行って参ります、と。
挨拶をし、穂乃果と一緒に家を出ます。
そのまま、二人で並んで登校。
いつも通りの景色です。
穂乃果「って、海未ちゃん! 聞いてるっ!?」
海未「え、あ、すみません」
どうやらボーッとしていたようで、穂乃果の話を聞きのがしてしまっていたみたいです。
不覚ですね。
私らしくもない。
海未「それで、なんです?」
穂乃果「ふーん! 海未ちゃんなんて知らないっ!」
海未「す、すみませんって! 穂乃果、機嫌なおしてくださいっ」
焦りながら、穂乃果の機嫌をとろうとする。
さっきのは、完全に私が悪いですからね……。
しかし、私が何をいっても、穂乃果は機嫌をなおそうとしません。
うぅぅ。
どうしたら……。
機嫌のなおらない穂乃果に困っていたその時でした。
?「穂乃果ちゃん! 海未ちゃん!」
6:
後ろから、私たちの名前を呼ぶ、声がします。
振り替えるとそこには、
ことり「おはようっ♪」
もう一人の幼馴染み、ことりがいました。
穂乃果「あ、おはよう! ことりちゃん!」
海未「おはようございます、ことり」
穂乃果「……あっ、ふーんだっ」
私と声を揃えてしまったのが嫌だったのか、穂乃果がまた拗ねてしまいます。
うぅぅ。
少しショックです……。
ことり「穂乃果ちゃん、今日ね? クッキー作ってきたんだ♪」
穂乃果「えっ!? ほんとう、ことりちゃん!」
ことり「うん♪ それでね?」
そんな風に、話を振ってきたことりは
そこで私にひとつウインクをし、こう言いました。
ことり「お昼に三人で一緒に食べよう?」
穂乃果「うんっ!」
海未「…………」
満面の笑みで、そういった穂乃果。
どうやら、私に怒っていたことは忘れている様子で……。
さすが、ことり。
穂乃果の扱いを分かっていますね。
そんな風に感心しながらも
穂乃果の単純さに不安を覚える私なのでした。
――――――
13:
――――――
海未「…………ん?」
学校について、靴を履き替えようと下駄箱を開けたときでした。
私が、その中にある可愛らしい封筒に気づいたのは。
海未「あぁ……」
またですか。
そんな言葉をギリギリで飲み込みます。
これは所謂、
ことり「ラブレター?」
海未「!? こ、ことり!?」
ことりの方を見ると、キョトンとした顔で首をかしげていました。
穂乃果「えっ!? 海未ちゃん、ラブレターもらったの!」
海未「ち、ちがいますよっ! きっとファンの方からの応援の手紙ですよ」
騒ぎ立てる穂乃果に、そう言って誤魔化す私。
いえ。
誤魔化しなどではなく、これはきっとファンレターです!
そうに違いありません!
ことり「えー! ことりはきっとラブレターだと思うな♪」
穂乃果「そうそう! だって、前も貰ってたじゃん!」
海未「うっ」
それについては、否定が……。
確かに、そんな過去はあったわけですし……。
いやいやいや!
と、とにかく!
海未「早く教室にいきましょう!」
穂乃果「えー! 手紙読むのが先だよぉ!」
海未「手紙は後! それに、私一人で読みます!」
そう言って、私は二人を置いて、早足で教室を目指しました。
14:
――――――
昼休み。
私は一人、部室に来ていました。
その目的はもちろん、今朝の手紙を見ることで。
そのために、ことりのクッキーを食べ逃してしまったのは少し残念ですが。
……さて。
ひとつ、深呼吸をして、手紙の封を開けます。
ペリッと無味乾燥な音がして、封はあっけなく開きます。
そして、中の手紙に目を落としました。
15:
――――――
拝啓 園田海未様
突然のお手紙お許しください。
私は一年の○○と申します。
単刀直入に申します。
私は園田先輩をお慕いしております。
弓道部で弓を構える先輩を見て。
スクールアイドルとしてステージで踊る先輩を見て。
私は――
――
放課後、μ's の練習が終わったら
アイドル研究部の部室で待っていてくださると嬉しいです。
その時に、お返事を聞かせてください。
――――――
16:
はい。
ラブレターでした。
って、
海未「なんでですかっ!!」
ここは女子校なのに!
え、私、女性ですよっ!?
もうっ!
穂乃果やことりの言う通りではないですかっ!
海未「あぁぁぁ」
――ガチャッ――
海未「へっ?」
凛「う、うみ、ちゃん?」
――――――
18:
――――――
凛「ふーん、なるほどにゃぁ」
海未「恥ずかしい姿を見せてしまいました……」
偶然、部室に入ってきた凛は私の話を聞いて、納得したようでした。
凛に話したのは、ラブレターをもらったということと朝の穂乃果達とのやりとりだけ。
もちろん、相手が誰かということは話していません。
しかし、私が頭を抱えて、絶叫するなんて……。
凛「でも、納得にゃ!」
海未「え? なにがです?」
自分の奇行を思い出していると、凛がそう言いました。
納得?
私の気持ちを理解してくれたのでしょうか?
凛「だって、海未ちゃんモテるからっ!」
海未「……はい?」
どうやら私の境遇を理解してくれたわけではないようで。
凛はそんな突拍子もないことを言いました。
また冗談ですか?
そう聞くと、凛は首をふり
凛「海未ちゃん、知らないの?」
凛「海未ちゃんのこと好きな人、たくさんいるんだよ?」
そんなことを言いました。
19:
海未「あぁ、それは一人の人としてという――
凛「鈍感なふりは今、求めてないにゃ」
海未「うぐっ」
惚けるのは、ダメなんですね……。
凛「凛のクラスメイトにも海未ちゃんを本気で好きな人いるし」
海未「な!?」
凛「他の学年にもいるっていうのは聞いたことあるにゃ」
海未「嘘でしょう?」
凛「ここで、嘘なんてついても意味ないでしょ?」
海未「うっ」
確かに、そうですね。
せっかく凛が真面目に話してくれてるんですから、私もちゃんと話さないと……。
海未「な、なぜなんでしょうか?」
凛「ん? なにがにゃぁ?」
海未「私が、えぇと……同性から、ええっと……」
凛「モテる理由?」
海未「……はい」
モテる、なんて。
自分でいうのもおこがましくて言葉を濁していると、凛がずばりそう言いました。
凛「そんなの凛が知るわけないにゃ!」
海未「…………」
凛「詳しいことは、凛、興味ないから聞かないし」
こういうときは、凛のさっぱりとした性格が羨ましく感じますね。
凛「とにかく、海未ちゃんは目の前のことに答えを出すのが先だと思うよ?」
そう言って、凛は私の手元の手紙が指差します。
そう、でしたね。
よしっ!
私は意気込んで立ち上がりました。
それがお昼休みの出来事。
――――――
20:
――――――
放課後。
μ's の練習も終わり、皆が帰って静まり返った部室。
することがあるので。
そう言って、部室の鍵を預かった私は、一人窓から外を眺めていました。
そして、
――コンコン――
海未「っ!」
ついに、その時がきました。
部室のドアがノックされた音。
こんな時間にここに来るのは、普通はμ's のメンバーくらいのものです。
忘れ物をした、とかで。
ただメンバーの誰かならわざわざノックをしてはいってくることはないでしょう。
つまり――
海未「ど、どど、どうぞっ」
声が裏返ってしまいました。
ただ、それを取り繕う余裕もありませんが。
――キィィィ――
そんなことを考えている間に、ドアが開いていき、その人物の姿が露になっていく。
って、え?
穂乃果「…………海未ちゃん」
海未「ほの、か?」
そこにいたのは、私に想いを寄せてくれているらしい1年生ではありませんでした。
私の幼馴染み。
穂乃果の姿がそこにはあったのです。
――――――
27:
――――――
海未「穂乃果? なぜ?」
最初に出た言葉はそんな言葉。
もちろん、μ's のメンバーなら部室に来ること自体は不思議ではないのですが……。
穂乃果「あはは……。ごめんね、海未ちゃん」
穂乃果「穂乃果、心配で……」
疑問で頭がいっぱいだった私に、穂乃果はそんな風に言いました。
心配?
なにがでしょう?
そんなに遅い時間でもないですし
心配することなどないと思うのですが……?
そんな風に言うと、穂乃果は少し黙ってしまいました。
静かな穂乃果。
私は目の前の物珍しい様子を少し楽しんでしまっていました。
だから、次の穂乃果の言葉への反応が遅れたのでしょう。
穂乃果「あのね……手紙見ちゃったんだ」
海未「…………えっ?」
手紙を見た?
それを聞いて、抱いた感情は怒り。
人のプライバシーをなんだと、って。
けれど、それも一瞬のことで……。
だって、
海未「はぁ、何をやっているんですか」
穂乃果「ご、ごめんね。海未ちゃん……」
私の目の前にいる穂乃果は、まるでご主人様に怒られるのを怖がる子犬のようで。
もちろん、人宛の手紙を勝手に見ることは誉められた行為ではありません。
ただ、穂乃果が本当に私のことを心配してくれていることもわかってしまって。
どうしても、怒る気にはなれませんでした。
だから、私は
――ナデナデ――
海未「そんなに怯えないでください、穂乃果」
穂乃果「う、海未ちゃん?」
穂乃果を撫でながら、笑いかけます。
29:
海未「心配してくれたのは嬉しいですから」
海未「でも、人の手紙を勝手に見るのはいけませんよ! 親しき仲にも礼儀あり、です」
こんな風に軽くたしなめるだけで済ましてしまうあたり、私もことりのことを言えませんね。
やはり私も、穂乃果には甘いんですから。
海未「わかりましたか、穂乃果?」
穂乃果「…………」
海未「穂乃果?」
穂乃果「う、うん、わかったよ……」
俯いたまま、ボソッと呟く穂乃果。

なにか、変ですね?
穂乃果らしくありません。
どうしたのか、と。
顔を覗き込もうとしたところで……。
○○「あ、あの……園田先輩!」
穂乃果「あっ」
海未「あ、そうでしたね」
件の○○という子が来たようです。
海未「……穂乃果。申し訳ありませんが……」
穂乃果「う、うん。じゃあ、またねっ!」
それだけを言って、穂乃果は察したようで
足早に部室を出ていきました。
…………さて。
○○「園田先輩、その……」
海未「お返事でしたね」
○○「は、はいっ」
海未「…………」
今からすることを考えると心が痛みます。
けれど、やるしかない。
想いを伝えてくれたのだから、はっきりということが私のすべきことなのでしょう。
だから、私は彼女に告げます。
海未「私は――――」
――――――
31:
――――――
自宅への帰り道をひとり歩きます。
夕陽が沈み始め、辺りが暗くなっていくのが分かります。
こういう時間帯を、確か、逢魔ヶ時と言ったんでしたね。
魔に逢う時、ですか。
絵里辺りが聞いたら、怯えてしまいそうです。
海未「ふふふっ」
穂乃果「……海未ちゃん」
海未「――えっ?」
ふと、目の前に視線を向けました。
聞きなれた声が聞こえたような気がして。
それは気のせいではなく、そこには家に帰ったはずの穂乃果が立っていました。
海未「穂乃果?」
穂乃果「海未ちゃん、待ってたよ」
32:
待っていた、と穂乃果は言いました。
待っていた?
この時間まで?
こんな人通りの少ないところで?
海未「穂乃果、先に帰ったんじゃなかったんですか?」
穂乃果「ねぇ、海未ちゃん、告白されたんだよね?」
海未「穂乃果、話を聞いてるので――
穂乃果「ねぇ、海未ちゃん、もちろん断ったよね?」
海未「……穂乃果?」
そこで、私は気づいてしまいました。
穂乃果の声が震えていることに。
そして、穂乃果の瞳が妙な光を放っていることに。
海未「穂乃果、一体どうしたのですか?」
穂乃果「ねぇ、海未ちゃん、告白を受けたりなんてしてないよね?」
海未「……穂乃果?」
穂乃果「ねぇ、海未ちゃん、海未ちゃんには私がいるもんね?」
ゾクリ、と。
背筋が震えます。
なぜ?
そんなの私が知りたいくらいです。
なぜ、私は、穂乃果に怯えてるのでしょう?
穂乃果「ねぇ、海未ちゃん」
穂乃果「海未ちゃんがモテちゃって、穂乃果心配なんだ」
穂乃果「だからね、穂乃果考えたんだ」
――バチッ――
穂乃果「海未ちゃんを監禁しようって……」
私の記憶があるのはここまで。
ここからは、視界が、意識が暗転して覚えていません。
――――――
33:
――――――
34:
――――――
海未「真姫!」
真姫「ヴぇぇぇ!?」
私は叫びながら、部室に入りました。
案の定、真姫は部室にいました。
真姫「びっくりするから、静かにして! ……mgmg」
海未「なに、のうのうとサンドイッチを食べているんです!」
真姫「なにって……お昼なんだから、普通食べるでしょ?」
食べるでしょ! じゃないですよ!
バンッと、音をたてて例のCDを机に叩きつけました。
真姫「あら? もうプレイ終わったのね?」
真姫「すごいでしょ? まるで、自分がゲームのなかに入り込んだみたいで……」
そう言って得意気に鼻を鳴らす真姫。
いつもなら、なんとも思わないその動きが今は妙にイラつきます。
いえ。
理由は簡単なのですが。
海未「それは非常に素晴らしかったですがっ!」
真姫「なら、なによ?」
憮然とした態度の真姫。
……もう、我慢の限界です!
私は、この不満を全力でぶつけることにしました。
海未「なんで、ヒロインが全員病んでるんですかっ!!」
35:
海未「なんで、穂乃果もことりも絵里も希もにこも、花陽も凛も、あげくの果てには、真姫も、全員病んでるんですかっ!!」
真姫「えっ?」
そこで、ポカンとしないでください!
制作者でしょう!?
海未「これ、もう恋愛ゲームじゃないですよっ!」
真姫「えっと、これが普通じゃないの?」
海未「はっ?」
真姫「えっ?」
海未「…………」
真姫「…………」
…………。
こ、ここは一旦、落ち着きましょう。
園田海未。
あなたは冷静に状況を判断、分析できる人間のはずです。
……すぅ、はぁ、すぅ、はぁ。
……よし。
海未「真姫」
真姫「はい」
海未「このゲームのシナリオは何を参考に?」
真姫「えっと、にこちゃんの意見だけど?」
海未「にこぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
――――――
真姫「行っちゃったわね……」
真姫「なんだったのかしら?」
まったく、海未ったら。
この真姫ちゃんの作ったゲームの何が気に入らなかったのかしら?
――ガチャッ――
花陽「あれ? 真姫、ひとり?」
真姫「あ、花陽」
部室に入ってきたのは、花陽だった。
アルパカの世話もう終わったみたいね。
……あ、そうだ。
真姫「ねぇ、花陽?」
花陽「なに? 真姫ちゃん?」
真姫「ぜひやってほしいものがあるのだけど――」
――――――fin――――――
37:
というわけで、完結です。
レスして下さった方には感謝です。
…………。
はい。
行き当たりばったりはダメですね。
反省して、今度からは緻密に計画してから書こうと思います。
以下、過去作です。
こちらの方がほのぼのできると思います。
もしよければ、どうぞ。
【ラブライブ】凛「10年後に行けるお香?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1416603707/
では。
またお会いできたら幸いです。
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