平塚「比企谷、香水をつけているのか?」back

平塚「比企谷、香水をつけているのか?」


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1:
八幡「あ、やっぱりわかりますか? 実はちょっとした事情で・・・」
平塚「ふむ・・・君にしては珍しいことをしているな」
八幡「ええ、まぁ・・・」
由比ヶ浜「そういえばヒッキー、この前私とゆきのんの匂いも嗅いでいたよね!」
八幡「バ、バカ! お前そういうことを・・・!」
平塚「ヒ?キ?ガ?ヤ??」ギロ
八幡「先生、誤解です!」
雪ノ下「比企谷君が私の首筋に・・・///」
平塚「・・・・・・」ピクピク
八幡「先生、話せばわかります」ニコ
平塚「言語道断!」ゴキ
八幡「ぐぇ・・・」ドシャ
2:
平塚「事も事だ、とりあえず比企谷を生徒指導室に連れて行く」
由比ヶ浜「あの、先生? お手柔らかに・・・」
雪ノ下「・・・早めに返して下さい」
平塚「善処するよ」
八幡「」ズルズル
― 生徒指導室 ―
平塚「おい比企谷、いつまで寝ているんだ」トン
八幡「ハッ!? 私はこの地球を愛していた・・・」ウツロ
平塚「何を言っているんだ?」
八幡「先生が人間の繁栄を妨害して、地球が滅びる夢を見ました」
平塚「・・・あまり私を怒らせない方が良いぞ?」ニコ
八幡「はいすいませんでした」ガクガク
平塚「はぁ・・・本題に入るぞ?」
八幡「はい」
3:
平塚「奉仕部に入部してから、君は実に様々な経験、そして様々な人間と接してきたはずだ。どうだ? 少しは世界観が変わったか?」
八幡「唐突ですね・・・でもまぁ、良い経験は多かったと思います」
平塚「ほぉ・・・私の判断は間違ってはいなかったということだな?」
八幡「それはどうかわかりかねます。やっぱりまだ人間関係は怖いですし・・・」
平塚「私の目からは、十分上手くやっていると思うが?」
八幡「・・・小学校から中学校までのこともありますから。所詮ボッチはボッチなんです、先生。それ以上でもないし、それ以下でもない、常に水平線なんです」
平塚「・・・君の過去に何があったかは概ね理解している。だが、現に君に対して好意を抱いている人間、そして君に助けられた人間もいると思うぞ?」
八幡「冗談ですよね? そんなことありえません。それにボッチは刺激に弱いんです、比較的静かに生活しないと半狂乱になります」
平塚「君は相変わらずだなぁ・・・まぁ、今の生活には満足しているのだろう?」
八幡「まぁ、そうですね」
平塚「わかった、話はこれで終わりだ。ただし・・・」
八幡「・・・?」
平塚「私は君のことを絶対に裏切らない。君に影響を受けた人間は私を含め、決して少なくないはずだ。できればもっと周囲の人間の気持ちも考えてくれ」ポン
八幡「・・・ッス」
4:
平塚「悪いな比企谷、もう下校時刻だ」
八幡「俺は久しぶりに先生と話せて良かったですよ」
平塚「そ、そうか・・・」ニヘラ
八幡「うわ・・・」ヒキ
平塚「うわ、とはなんだ?」ニコ
八幡「な、何でもないです・・・」ビクビク
平塚「まったく・・・行くぞ?」スタスタ チャリーン
八幡「ん? 先生、鍵落としましたよ?」スッ
八幡「(あれ? この鍵の形、俺の家のとそっくりだな・・・)」
平塚「ん? あ、あぁすまない」スッ
平塚「よし、今日は気をつけて帰ってくれ」
八幡「はい、お疲れ様でした」ペコ
平塚「・・・・・・」
8:
八幡「(はぁ・・・今日も疲れたな)」ギィ
八幡「(周りのこともよく考えろ、か・・・ボッチなりによく観察してきたんだがな)」
八幡「(ありえないことだが、俺に好意を向けてくる奴なんて皆無なはずだ)」
八幡「先生の最後の発現はぶっちゃけ嬉しかったが」ボソ
八幡「(まぁ、今は大人しく日常を満喫するか)」
小町「お兄ちゃん、ご飯できたよ?」ガチャ
八幡「おぅ」
小町「ん?」クンクン
八幡「どうした小町?」
小町「何かこの部屋タバコ臭くない?」
八幡「そうか?」
小町「まさかお兄ちゃん、隠れて吸っていないよね?」
八幡「生憎俺は肺気腫になりたくないんでな・・・」
小町「ふぅ?ん・・・」
八幡「今日は久しぶりに平塚先生と話したんだよ、それで服にニオイが染みついたのかもしれん」
小町「そっか、じゃあ後でファブリーズかけておくね」
八幡「あぁ、頼む」
八幡「(あれ? そういえば今日、生徒指導室で先生タバコ吸っていたかな・・・?)」
11:
由比ヶ浜「ヒッキーって相変わらず休み時間、机に突っ伏しているよね」
八幡「ボッチの日課だ」
由比ヶ浜「もうちょっと私と話してくれても良いのに・・・」ボソ
八幡「あ?」
由比ヶ浜「何でもないし。ていうか、なんかヒッキータバコ臭いよ?」
八幡「そうか? 昨日小町にファブリーズかけてもらったんだが・・・」
由比ヶ浜「まさかヒッキー、タバコ吸っているの?」
八幡「なわけねぇだろ」
由比ヶ浜「あー・・・もしかして平塚先生?」
八幡「かもな。昨日一緒の空間にいたしな、それにしてもニオイがとれないとは・・・」クンクン
由比ヶ浜「一緒の空間って・・・まさかヒッキー?」ムス
八幡「なんだよ? 普通に話しただけだぞ?」
由比ヶ浜「ヒッキー、いくらHなことに興味があるからって、先生を・・・」
八幡「軽率な発言を慎め、ビチヶ浜」
14:
由比ヶ浜「だからビッチって言うなし! ヒッキーマジキモい!」
八幡「あのなぁ・・・」
平塚「由比ヶ浜」
由比ヶ浜「はい!?」ビク
八幡「先生? なんでここに・・・」
平塚「そう簡単に人に気持ち悪いだの気色悪いだの言うものではないぞ?」
由比ヶ浜「で、でもヒッキーだし・・・」
八幡「おい、どういう意味だ」
平塚「自分が言われて傷つくことは他人に言わないと習わなかったのか?」
由比ヶ浜「そ、それは・・・」
平塚「質問に答えろ。どうなんだ? <●> <●>」
平塚「お前は比企谷の気持ちがわからないのか? 普段散々罵倒を浴びせられている比企谷の気持ちがわからないのか? ん? <●> <●>」
由比ヶ浜「ひっ!?」ビク
八幡「せ、先生・・・?」
平塚「普段企企谷に周囲の気持ちを考えろと言ってきたが・・・とんだ選択ミスだったようだ」
平塚「由比ヶ浜、お前はもし比企谷が鬱病になったらどうするんだ? 責任をとれるのか? お前がそういった言動を繰り返してきたことが、比企谷が心を閉ざしてしまった原因だと気付かないのか? <●> <●>」
由比ヶ浜「せ、先生・・・私・・・!」ジワ
八幡「先生! もうその辺で・・・!」
15:
平塚「・・・少し私も熱くなり過ぎたようだ、すまない」
平塚「ただし、由比ヶ浜。そういったことの積み重ねでいじめに発展するんだ。相手が何も言ってこないからと言って、図に乗ると・・・」
平塚「いつか後悔することになるぞ? <●> <●>」
由比ヶ浜「はい・・・す、すみま、せんでした」グスグス
八幡「お、おいおい・・・」アセ
平塚「では、これで失礼する」カツカツ
ザワザワ ヒラツカセンセイコワクナイ? セイリカナ? ユイガハマサンカワイソー ヒキタニシネヨ
八幡「・・・由比ヶ浜、俺は全く気にしていないからな? とりあえずこれ使えよ」スッ
由比ヶ浜「うん・・・ゴメン、ゴメンね・・・」グスグス
16:
八幡「ゆ、由比ヶ浜、その・・・まぁ、気にすんな? 先生も気が立っていたんだろう」
由比ヶ浜「うん・・・でもゴメンね? よく考えたら、先生が言った通りだったかも」
八幡「・・・俺は孤独なボッチだ、何を言われても凹まない」
八幡「いつも雪ノ下と俺の会話を見ているだろ? 俺はゴキブリ並みにしぶといんだ」
雪ノ下「あら、比企谷君はどこかの星の物体Xなのではなかったのかしら?」
八幡「おい、いつから俺は地球外生命体になったんだ」
由比ヶ浜「ふふ・・・」クス
八幡「(よし、何とかフォローできたか・・・)」
雪ノ下「<●> <●>」
20:
八幡「ただいま」ガチャ
小町「おかえり、お兄ちゃん」
八幡「今日も疲れた・・・」
小町「疲れるようなことしてないでしょ・・・ん?」クンクン
八幡「なんだ、また臭うのか?」
小町「うん、なかなか取れないね、タバコのニオイ。本当にお兄ちゃん吸ってないよね?」
八幡「口から臭っていないだろ」
小町「う?ん・・・今度クリーニングに出しておくか」
23:
― 自室 ―
八幡「(ん? なんかこの部屋自体臭っているような気が・・・錯覚か?)」
八幡「とりあえず換気するか・・・」ガラガラ
八幡「(さて、今日は世界史をやるか・・・)」
八幡「(切り裂きジャック事件は1888年に起きた・・・犯人は殺人があったイースト・エンドの近辺に住んでいた、ユダヤ系の理髪師アーロン・コスミンスキーの可能性が高い・・・)」
八幡「(アルバート・フィッシュ・・・34年間で約400人もの人間を喰らったという狂人・・・)」
八幡「(ジェシー・ポメロイ・・・独房の壁を削ってガス管を探し当てると、これに穴を開けてマッチの火をつけた。チュドーン。独房の壁も扉も吹っ飛んだが、ポメロイも吹っ飛んだ。ついでに3人の囚人も焼け死んだ。迷惑な話である)」
八幡「(チャールズ・ハッチャー・・・彼は明らかに精神異常だったにも拘らず、繰り返し釈放されて、そのたびに人を殺めていた。殺しの衝動を抑えることが出来なかったことは、被害者にとっても、加害者にとっても不幸な出来事であった・・・)」
八幡「(・・・よし、今日はこれくらいにするか)」ガタ
八幡「アラーム、アラームっと・・・」
八幡「あれ?(携帯がないな・・・)」
八幡「制服のポケットに入れたままだったかな?」ガチャ
平塚「<⦿> <⦿>」
雪ノ下「<⦿> <⦿>」
八幡「」
八幡「」バタン
八幡「」
八幡「」
平塚「ふへへ・・・比企谷・・・」ジュルリ
雪ノ下「先生、私の分も残しておいてください」
2

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