貴音「かっぷらぁめんにー……ですか……」back

貴音「かっぷらぁめんにー……ですか……」


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1:
貴音「あなた様」
P「朝からどうした?」
貴音「かっぷらぁめんにー、というものをご存知でしょうか?」
P「ぶふっ!」
P「ど、どこで覚えてきたんだ、そんな言葉!?」
貴音「……? はて、何かおかしな事を言いましたか?」
P「もしかして……知らないで言ったのか?」
2:
貴音「えぇ。先日、小鳥嬢と一緒にかっぷらぁめんを食していたところ、ポツリと」
P「あの人、食べながらよくそんな想像できたな……」
貴音「無知うえ、かっぷらぁめんにーというものをよく知らないのですが、きっと素晴らしいものであると私の直感が告げているのです」
P(むしろ、知ったら食べ物を粗末にするなと怒りそうだけど)
4:
貴音「宜しければ、私にもそのかっぷらぁめんにーというものを振る舞っていただきたいのですが、いかがでしょう?」
P「無理です」
貴音「なっ、なんと!」
貴音「なぜですか!?」
P「なぜって……」
P(……小鳥さんの名誉のためにホントの事は黙っておくか)
P「貴音じゃ頑張っても無理だ。男限定でな」
貴音「殿方限定……ですか……」
P(しょんぼりして可哀想だけど、これで諦めるだろ)
7:
貴音「……ならば、あなた様は食すことはできるのですね?」
P「えっ……? あぁ、まぁ……」
貴音「殿方しかお目にかかることはできないというのはわかりました。……お願いです、どうか私にかっぷらぁめんにーを一目見せるだけでも……」
P「はっ? む、無理無理!」
貴音「どうか、お願いします!」
P「いや、そんな頭下げられても……」
P(見せるもんじゃないし、やったことないし……)
8:
P「……頭を上げてくれ、貴音。どっちにしろ、かっぷらぁめんすらないここじゃ無理だ」
貴音「……つまり、なにか準備がいるのですね?」
P「う、うーん、まぁ……」
貴音「どこでなら見ることができるのでしょう?」
P「どこに行っても、見ることすらできないと思うぞ……」
貴音「……私には……食すことも……あまつさえ、見ることすらもできないのですか……」
P(めちゃくちゃ落ち込んでるううぅぅ!!)
貴音「……わかりました」
P「お、わかってくれたか?」
貴音「ええ。無理を行ってすみません」
P(助かった……)
9:
貴音(……たとえ、断られようとも、なんとしてでも……)
ーーー
小鳥「ふう、そろそろお昼の時間ですね」
P「あっ、もうそんな時間ですか。通りで腹減ったと思った」
貴音「あなた様。良ければどうぞ」
P「おぉ、差し入れ……か……」
貴音「私が選んだかっぷらぁめんです」
P「ど、どうも……」
P(昨日の今日で、カップラーメン食いたくねぇ……)
11:
P「……」
貴音「……」ジーッ
小鳥(ただ、プロデューサーさんが、カップラーメンにお湯を注いでるだけなのに、なにかしら、この空気…)
P「……3分経ったな……」
貴音「……まさか、それが」ドキドキ
P「普通の、カップラーメン。頂きます」
貴音「……」ショボーン
小鳥(なんでそんなに落ち込んでるの!? そんなにカップラーメン食べたかったの!?)
14:
ーーー
P「あー、たまの休日に昼まで寝てしまった」
P「なんか食べ物ないかな。って、冷蔵庫空っぽか……なにか買いに行くか……」
ピンポーン
P「はーい、はいはい。誰ですかーっと……」
ガチャ
貴音「おはようございます」
P「貴音?どうしたんだ、家にまで」
貴音「そろそろ、あなた様が起きて、食事を用意するかと思いましたので」
P(手にカップラーメンが入った、コンビニの袋……)
貴音「……私、わかりました。きっと外で見ることすらできないということは、家の中で食すということ。なにか、特別な手間をかけるのですね。そう、お湯を注ぐ時や、特別な調味料などを必要とするのですね?」
P(貴音がやたら得意げだ……こんな顔見たことないぞ……)
16:
P「……ん、まぁ、誰かに見られたらまずいから、入れ」
貴音「失礼します」
P「じゃあ、せっかく買ってきてくれたし、一緒にカップラーメンでも……」
貴音「かっぷらぁめんにーを」
P「……」
貴音「……」
P「カップラーメン」
貴音「かっぷらぁめんにー」
P「……」
貴音「……」
P「あぁ、もうわかったよ!見て後悔するなよ!」
貴音「つっ、遂に…!?」
21:
P「普通に開けて、お湯を注ぐ」
貴音「ふむ……」
P「メモとかしても意味ないから……」
P「で、これにナニを突っ込む。終わり」
貴音「……? 何、とは……」
P「だから、アレだよ」
貴音「あれとは、どんな調味料ですか?」
P「だからっ、……あれだって、ほら、あれ」
貴音「それではわかりません。良ければあれを見せてくださいませんか?」
P「っ!?」
P「だから無理だって!」
貴音「それではここに来た意味がございません!早く、かっぷらぁめんにーの完成図をお見せください!」
P「……本気でいいんだな…?」
貴音「えぇ、私はもとより本気です」
22:
P「ここじゃ汚れるから!風呂場に行く……」
貴音「それほどまでに豪快に!?」
P「で、麺が伸びて冷めるまで待つ」
貴音「なっ、なんと……らぁめんにあるまじき行為……」
P「……帰るなら今だぞ」
貴音「……いえ、全ての身を捧げる思いです」
P「……」
P「そして、汁だけを捨てる」
貴音「ふむ……麺だけで油そばのようですね……」
24:
P「で、底に数センチの丸い穴を開ける」
貴音「……ごくっ。これなら汁がないため、溢れることはないのですね」
P「問題は……おかずだが……」
貴音「麺を主食におかずを用意するるのですか、確かに、今までには試したことがありませんね……」
P「貴音」
貴音「はい、なんでしょう?」
P「貴音が今穿いてる下着を貸してくれ」
貴音「なっ、なっ!?」
P「それがないと、カップラーメンニーはできない」
P「……全ての身を捧げるんじゃないのか?」
貴音「……っ、わかりました」
貴音「……」
スルスル
P「あぁ、その羞恥に染まるその顔がいいな……」
貴音「……こ、これで……」
26:
P「……貴音のパンツは暖かいな」
貴音「……いっ、言わないでください……」
P「……柔らかいぞ」
貴音「……あ、あなた様、あまり……」
P「……」クンクン
貴音「っ!?」
P「すごく……いい匂いだ……」
貴音「っ…、この羞恥に耐えれば…かっぷらぁめんにーが……」
P「……そろそろくる…少しだけ外に出てくれ」
貴音「なっ、ここまでの羞恥を与えながらっ!」
P「落ち着け。数十秒だ。それが終わった時には、カップラーメンニーは完成している」
貴音「……わかりました」
P「扉を閉めてくれ。準備ができたら呼ぶ」
貴音「……はい」
36:
バタン
貴音「……」ドキドキ
ジーッ
貴音「なっ、なんの音でしょう……?」
P『くっ!麺が絡みつく…』
貴音「!?」
貴音「そ、それほどまでに……」
P『…ふっ……ふっ……ああっ……』
貴音「そっ、それほど良いものなのですか?」
P『あっ、ああ、最高だっ……あと少しで……』
貴音「っっ!!もう我慢できません!」
ガチャ
39:
P「なっ!?」
貴音「私にもそのかっぷらぁめんにーの味を……」
P「ま、まだ、終わってないんだが……」
貴音「はて……、片手で容器を掴んで、片手は私の下着を掴んで……麺は減っていませんね」
貴音「食すための箸はどこにあるのですか?」
P「……だから、まだだって言ったのに……」
貴音「しかし、その姿から動かないということは……私にもそれを味わうことができると……」
貴音「殿方しか踏み入れることができない禁断の味……いただきます」ジュル
P「なっ!マイ箸を!?」
41:
貴音「……」グリグリ
P「ああっ!」
貴音「油そばの要領なら、まずは混ぜないといけませんね……」
P「はっ、箸がっ小刻みにっ!?」
貴音「……やはり、麺が伸びている分、混ぜにくいですね……中央は固待っております……」
P「箸で回転だっ、あっ……」
43:
貴音「……混ぜると少し動きがスムーズになりましたね……」
P「ぐうっ……! めっ、麺が、まとわりついて……っ!」
貴音「……少し ほぐしましょう……」
P「ああっ!ふっ、不規則な動きいいっ!」
貴音「……あまり中央の塊を崩すと麺が短くなるしれませんね……周りを攻めましょう……」
P「たっ、貴音の箸使い!!めちゃくちゃいいよぉっ!!」
46:
貴音「……しかし、このような塊があっては、食べにくいでしょうね……」
P「あっ!あっ!ツンツンして様子見してる!?」
貴音「……少しだけ引っ張ってみましょう……」
P「うっ、ああっ!!挟まれ引っ張られてるぅっ!」
貴音「……ふむ……下まで固まっているのですね……」
P「あぁっー!貴音のマイ箸で上から下までなでらるっうっ!!」
50:
貴音「なっ!?箸で探るたびにより塊が大きくなっています!」
P「ふぁあっ!ひうっ!!」
貴音「やはり、かっぷらぁめんにいー……不思議な食べ物です……」
P「たっ、貴音の箸いっ!!しゅごっ、のおおっ!」
貴音「面妖な……」
P「ああっ!!ノーパンで面妖なって言っちゃうたかねぇ!!パンツはここにあるよおおっ!!」
52:
貴音「これほどまでに不思議ならぁめん……やはり、この世界にはまだまだ私の知らないことだらけです……」
P「箸コキしながらあっ、あぁっ、いっ、あっ、あっ……!」
貴音「……そろそろ、いただきましょう……」
P「おっ、おねがいしましぅっ!!おもいっきりすすってくだざい"い"っっ!!」
55:
貴音「……ふぅー」
貴音「いざっ!」
貴音「……っっ!!」
P「あ"あ"っ!!ばじでもっでぃがれるううっつっっ!!ぜんぶずわれるううぅぅうっっっ!!」
P「あっあっ!でるうっっーーー!!」
貴音「っっ!?」
貴音「……っ」モグモグニュチャニチャ
貴音「……」ゴクッ
貴音「……」
貴音「……あなた様……」
貴音「……かっぷらぁめんにーというのは……美味しくないのですね……」
56:
P「はあっ……はぁっ……」
P「俺はオイシかったです……」
貴音「……?」
おわり
58:
面白かった乙
5

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