「こちらスネーク。ロアナプラに潜入した」【後編】back

「こちらスネーク。ロアナプラに潜入した」【後編】


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5:
prrrrrr prrrrrrr
オタコン「スネーク!」
スネーク「オタコン!」
オタコン「無事だったかい・・・連絡がないもんだからてっきり・・・」
スネーク「立て込んでてな。すまない」
スネーク「立て込みついでで悪いんだが、今ハインドに襲われている」
オタコン「ハインドだって!?全く、お誘いに事欠かないね、君は」
スネーク「どうやら、この街で俺は、誰もが振り返るジェントルメンらしい」
オタコン「弾丸にモテてもうれしくないよ、スネーク」
スネーク「そりゃそうだ。で、何か対策は?」
オタコン「ちょっと待って・・・オーケー、大体分かった」カタカタ
オタコン「どうやらそれは、ミャンマー空軍が使っていた物の型落ち品だね」
スネーク「PMCの所有物じゃないのか?」
オタコン「そこはロアナプラだよスネーク。ブラックマーケット経由で流れて来た物だろう」
スネーク「こんな物まで扱っているのか・・・」
オタコン「ミャンマー軍が使っているMi-24は比較的初期型の物だ」
オタコン「兵装は12.7mm4ガトリング機銃、スタブウイングにミサイルポッドを搭載した対地仕様を施してる」
オタコン「だが初期型は大型化した全長に対し出力が追い付かず、運動性に問題があるんだ」
オタコン「つまり、シャドーモセスでリキッドが乗っていた物よりも「ノロマ」って事さ」
スネーク「希望が湧いてきた」
オタコン「ただあくまでそれは兵器としてみた場合だからね?対人に対してはそれでも十分脅威だ。気を付けてくれ」
スネーク「了解だ。うるさいハエを落としてくる」プツン
316:
バラバラバラバラバラ!
ボシュッボシュッ ヒュウウウウウウウウウウン
再びミサイルを放つハインド
エダ「じじいいいいいいなんとかしろよおおおおおお!」
スネーク「むん!」ジャキ
バババババババババ!
ドゴォドゴォドォオオオオオオン!
ミサイルをM60を撃ち落すスネーク
エダ「ひいえええええええ!」
スネーク「エダ、この辺に遮蔽物が多くある小道はないか!?」
エダ「メインストリートから外れた旧道がある!そっちは住宅街だ!」
スネーク「そっちに回り道しろ!ここでは不利だ!」
エダ「サー・イエッサー!」ドルン
ドルウウウウウウウウウン!
スネーク「いいかエダ、あのヘリは武装は十分だが小回りが利かない」
スネーク「敏捷性ならこちらが有利だ。なるべく細い道を使え」
エダ「オ・オーライ・・・」ゼエゼエ
バラバラバラバラバラ!
右対角から現れるハインド
スネーク「来たぞ!」
チュンチュンチュンチュン!
スネーク「機銃掃射!エダ!左だ!」
エダ「ya?!」
317:
過ぎ去っていくハインド
バラバラバラバラバラ・・・
・・・
・・・
・・・バラバラバラバラバラ!
旋回して再び姿を現す
スネーク「ぬおおおおおおおおおおおおお!」
ドガガガガガガガガガガ!
チュンチュンチュンチュン!
スネーク「右だ!」
エダ「ハァー・・・ハァー・・・」グオン
バラバラバラバラバラ・・・
スネーク「やはり装甲は硬いな・・・」
エダ「じじい!住宅街を抜けたぞ!もう遮蔽物がねえ!」
・・・
・・・バラバラバラバラバラ!
今度は後方から現れる
チュンチュンチュンチュン!
スネーク「もっと飛ばせ!」
エダ「もう目一杯だよ!」
機銃の束が確実に迫ってくる
318:
スネーク「」ピン
スネーク「エダ、合図したら一瞬だけ度を落とせ」
スネーク「そして即座にフルスロットルだ。呼吸が大事だ。ミスれば死ぬ。いいな?」
エダ「オーライわかった・・・もうこうなりゃヤケだよ!」
チュンチュンチュンチュン!
チュンチュンチュンチュン!
ダラララララチュンチュンチュンチュン!
スネーク「エダ!」
エダ「!」グッ
ガクンッ
バイクの度が一気に落ちる
スネーク「おおおおおおおおお!」ブオン
カエル兵「!?」
操縦席の目前に小さい粒が映る
 カッ
スネーク「飛ばせ!」
エダ「うらああああああああああ!!」グイ
 パ ァ ン !
カエル兵「ア”ーーーーーー!」
小さな粒は強烈に発光し鼓膜に響く爆音を放った
バラバラバラバラバラ・・・
319:
スネーク「スタングレネードだ。こいつは効くだろう」
エダ「も、もういいか・・・」
スネーク「ああ、そろそろ仕上げに入る」ガッチャン
RPGを構えるスネーク
バラバラバラバラバラ・・・
操縦性を失ったハインドがぐるぐると回りながら横に並ぶ
スネーク「ーーー」
バラバラバラバラバラ!
スネーク「ーー!」カチ
ボッ・・・シュルルルルルルルルーーーーーー・・・・
カエル兵「!」
ドォォォォォォォン!
パラパラパラ・・・
ズドドドドドドォォォォォォォン!
スネーク「ふう」
エダ「ya?!ハーレルーヤ!マジでもう死んだかと思ったぜ!」
エダ「これぞ神のお導きだな!我らが主よマジで助かったぜサンキューアーメン」
スネーク「これに懲りて、アコギな商売は辞めるんだな」
エダ「あ?簡単に騙されるアホが悪いんだよ。アタシは何にも悪くねえ」
スネーク「いつか天罰が下るぞ」
エダ「大丈夫だよ。クソ礼拝を毎日欠かさずやってからなw」
スネーク「違いない」ハハ
320:
ロアナプラ 路地裏
カエル兵1「ヤツハドコダ」
カエル兵2「バイクニノッテ、ニゲタ」
カエル兵3「ニガシテハナラン、ハヤクオワネバ」
「・・・」
暗い人影がカエル兵に忍び寄る
「・・・」ザッ
カエル兵1「ダレダ!」
ゴキッ・・・!
カエル兵1「」ガク
カエル兵2「!」ジャキ
・・・ゴッ! バキ!ゴキ!
カエル兵2「ウアッ」
カエル兵に乱打を浴びせる謎の人影
カエル兵「」ガク
ボオオオオオ・・・
「あら、キレイね。命の散り際は儚く美しいわ」
カエル兵3「キサマハダレダ!」
「それはこちらのセリフです。あなた方が騒がしくするので獲物を取り逃がしてしまった次第で」
「どう・・・責任を取って頂けるのでしょうか」ギリ
カエル兵3「邪魔ヲスルナラ、排除スル!」ジャキ
ぐちゃっ
321:
カエル兵3「」ボオオオオオオ
ロベルタ「・・・」ポイ
 僥倖と思え。ロザリタ。ここは君の居場所じゃない
ロベルタ「」ジャキ
 バン!バン!バン!
ロベルタ「・・・」ギリ
カツ・・・カツ・・・カツ・・・
キィ
ロベルタ「・・・?」
扉の中に酒瓶と手紙が一枚
ロベルタ「・・・」ペラ
『狩りはまだまだ終わらない。狐の居場所を教えよう』
ロベルタ「くす・・・くすくすくす」
ロベルタ「主よ感謝します。これで奴らを八つ裂きにできますわ」ニヤ
322:
ロアナプラ 暴力教会 礼拝堂
エダ「ぜえ・・・ぜえ・・・」バタ
スネーク「ハア・・・ハア・・・」
エダ「なんとか・・・生きて帰ってこれたな・・・」
スネーク「ああ・・・」
エダ「おいじじい・・・・」
スネーク「なんだ・・・」
エダ「このヤマが終わったら・・・・」
エダ「危険手当よこせ・・・」ガク
スネーク「またそれか・・・」
ヨランダ「エダ、礼拝堂で寝っころがるんじゃないよ」
エダ「いっシスター!」バサ
スネーク「またお会いできるとは思わなかった。シスター・ヨランダ」
ヨランダ「大変だったねソリッド坊や」
スネーク「ああ。この街にはどうやら俺の熱烈なファンがいるらしい」
ヨランダ「まぁ、あながち間違いでもないねえ」
ヨランダ「で、どうなった?」
スネーク「猟犬は取り逃がした・・・だがグレイフォックスの接触は成功した」
スネーク「行先も聞いた。ラグーン商会とやらの協力でゴールデントライアングルに向かうらしい」
ヨランダ「そこまで聞いてるなら話がい」
ヨランダ「連中の目的が判明したよ。ソリッド坊や」
スネーク「なんだと!?」
ヨランダ「まあまずはその辺にお掛けよ」
ヨランダ「エダ、さっさと立ちな」
エダ「や、休みてえ・・・」
323:
ヨランダ「いいかいソリッド坊や、事は思ったより大事だよ」
ヨランダ「まずはこいつをご覧」ペラ
写真を手渡すヨランダ
スネーク「なんだこれは」
ヨランダ「これは私があるツテで手に入れた写真なんだけどねえ」
ヨランダ「場所はゴールデン・トライアングル。奇しくもお前さんの次の目的と同じだ」
スネーク「それがどうかしたか?」
ヨランダ「ここをよーく見てごらん」
スネーク「?」
ヨランダが指差す先を注目するスネーク
スネーク「なんだこれは・・・?人工物の様だが」
ヨランダ「連中、どうやらここで『新型兵器』の開発を行ってるようなのさ」
スネーク「新型兵器?」
エダ「正確にはその新型の運用テストだな」
ヨランダ「ここは国境が重なる中立地帯だ。好き好んでこんな場所に行く奴ぁいない」
ヨランダ「軍も治安組織もそうそうこれる所じゃない。悪巧みにはもってこいの場所だねェ」
スネーク「確かここは、ケシの栽培地域では・・・」
ヨランダ「そこさソリッド坊や。私らも最初はそのセンで洗ってた」
ヨランダ「所がだ。引っかかったのはとんでもない大物だったわけだ」
スネーク「・・・」
ヨランダ「この新型は情報筋曰く【次世代戦場主流兵器】との事だ」
エダ「戦車やヘリに取ってかわるつもりらしい」
スネーク「次世代戦場主流兵器・・・」
ヨランダ「で、その開発コンセプトなんだが・・・」
スネーク「ああ」
ヨランダ「戦地歩兵支援用二足歩行兵器。別名【歩兵と兵器をつなぐ歯車】」
スネーク「 ま さ か !」
ヨランダ「そうさ。坊やはつくづくこいつと縁があるね」
スネーク「 メ タ ル ギ ア ! ! ! 」
324:
スネーク「メタルギアが何故ここに!!」バン!!
ヨランダ「開発はアームズテック社。買い手は某民間軍事派遣会社」
エダ「さっき襲ってきた連中さ」
ヨランダ「ここらはシェン・ヤンの所有地域さ。シェン・ヤンも繋がってると見て間違いないだろうね」
スネーク「中国人・・・」
エダ「そ。つまり暗躍しているのは【三合会】さ」
スネーク「何て事だ・・・」
ヨランダ「AT社は最近落ち目だからね。起死回生を狙った意欲作さね」
エダ「落ち目なのはお前のせいだなw」
スネーク「・・・NSAが何故それを狙う」
ヨランダ「そこまではわからないねェ」
エダ「ぶんどって自分の物にしたいか。それか兵器開発を大義名分にシェン・ヤンをブタ箱にぶちこみたいか」
ヨランダ「ま、手柄が欲しいって事だろうねェ」
エダ「ムカツく連中だぜ」ペッ
スネーク「買い手のPMCについては?」
ヨランダ「これがまた巧妙でねェ。企業体系が分散複合型なんだ」
エダ「調べても蛸だの螳螂だの、よくわからない子会社しか出てこなかったんだよ」
ヨランダ「相当なキレ者みたいだねェ。そこの社長さんは」
エダ「あのトルーパーの奇抜なナリからして、新しい兵器の開発に力を入れてるみたいだな」
スネーク「・・・一人心当たりがある」
ヨランダ「おや、知り合いかい?だったら是非紹介しておくれよ」
ヨランダ「顧客の新規開拓を探してた所なんだ。最近ウチも不況でね」
エダ「ロメオの紹介も忘れんなよ?じじい」
スネーク「NSAの連中とは近々合流するつもりだ。ラグーン商会へはどうやっていけばいい」
エダ「もう会ってるじゃねえか」
スネーク「?」
ヨランダ「あの乱暴が息吸って歩いてるような嬢ちゃんさね」
スネーク「レヴィか!」
エダ「話しはついてるはずだぜ。向こうからアプローチがあったはずだ」
スネーク「そういえばキャクストンがそんな事を言っていた・・・」
ヨランダ「ま、向こうさんも準備があるだろ。連絡はこっちが受け持つから今日は此処へ泊まるとイイ」
エダ「街のホテルに泊まると必ず何か無くなってるからなw」
スネーク「ああ・・・」
325:
暴力教会 個室
prrrrrr prrrrrrrrr
スネーク「オタコン、聞こえるか」
オタコン「スネーク、ハインドは巻いたようだね」
スネーク「ああ。RPGで叩き落としてやった。で、今暴力教会にいるのだが」
スネーク「グレイフォックスの目的が判明した」
オタコン「なんだって?」
スネーク「連中の目的はゴールデン・トライアングルだ」
オタコン「黄金の三角地帯・・・麻薬の密造で有名な所だね」
スネーク「そこで新型兵器の開発が行われているらしい」
オタコン「初耳だね・・・」
スネーク「新型の二足歩行兵器・・・メタルギアだ」
オタコン「なんだって!」
スネーク「AT社が三角地帯の機密性に目を付け極秘裏に運用テストを行っているらしい」
オタコン「アームズ・テックめ、まだメタルギアを・・・」
スネーク「NSAの狙いはそれだ」
オタコン「ふむ・・・ちょっと待って、調べて見る」カタカタ
オタコン「ゴールデントライアングルはメコン川流域のタイ、ミャンマー、ラオスの三国が国境を接する山岳地帯だ」
オタコン「麻薬で有名なのは元はミャンマーのモン・タイ軍の総司令、クン・サ将軍が資金繰りの為にケシの栽培を始めたのが始まりの用だね」
オタコン「三国の不安な政治情勢と、麻薬に関わる裏の人間が出入りするため、人目に付く事はほぼない」
スネーク「そこに目を付けたんだな」
オタコン「なるほど・・・内緒話にはうってつけだ」
スネーク「で、その買い手のPMCなんだが」
オタコン「ああ」
スネーク「・・・リキッドじゃないかと睨んでいる」
オタコン「なんだって!?」
スネーク「リキッドは愛国者を葬りに行くと言った。奴の事だ、必ず準備はしているはずだ」
スネーク「さっきのトルーパーもそうだ。あれも、対愛国者用の兵装なんじゃないか?」
オタコン「戦力の増強を図っているのか・・・」
オタコン「NSAが何故それを欲しがるのか気になる所だが」
スネーク「今はラグーン商会の連絡待ちだ。そこで連中と直接会う」
スネーク「こちらからも探りを入れておく。オタコン、そっちも頼む」
オタコン「了解だ。リキッドの尻尾、必ず掴んでみせるよ」プツン
スネーク「リキッド・・・」パシ
エダ「」
326:
ロアナプラ 三合会事務所
チャン「ああ、じじいは逃げ切ったよ。近々そっちへいくだろう」
チャン「じじいの事だ。そろそろ俺達の素性が割れてもおかしくないな」
チャン「あー驚きだ。ベテラン軍人なのはわかっちゃいたがまさか伝説の英雄だったとはな」
チャン「あんなじいさんだったか?あれじゃあわからんはずだ」
チャン「ハハ、その辺はフライフェイスに感謝しねえとな」
チャン「・・・何故かって?俺はあんなでかいおもちゃ興味ない」
チャン「ロアナプラが戦場になるのはゴメンだ。奴の言葉を借りるなら、この街は俺達にとっての【アウター・ヘブン】だからな」
チャン「米軍も無事街を出る。そいつらに釣られて部外者も出ていく。俺はそれで万事OKだ」
チャン「まあ・・・お膳立てくらいはしてやるが・・・いちおー俺は米軍とは敵対する立場だ」
チャン「こちら側としては猟犬に米軍を皆殺しにして欲しいって所だな」
チャン「はは、そうだな。アホウな上司が付くと部下は大変だ」
チャン「シェン・ヤンも精々浮かれていればいい。「存在しない」FOXHOUNDに守られてると思ってな」
チャン「わかってる。俺は俺の『役』を演じるさ」
チャン「ああ、また何かあったら連絡をくれ。それじゃ」ピ
チャン「やれやれ、めんどくせえ・・・」
333:
翌日 昼
ロアナプラ 暴力教会
スネーク「世話になった」
ヨランダ「ああ。エダに挨拶させれなくて申し訳ないねェ」
スネーク「気にするな。彼女も仕事がある」
ヨランダ「悪いが、武器は装備から外させてもらったよ」
【RPG-7】【M60】←lost
ヨランダ「緊急事態だったとは言え、ありゃ商品だ。レンタル代はしっかり請求させてもらうよ」
スネーク「かまわんさ。じゃじゃ馬な部下がいると苦労するな」
ヨランダ「やる事やってりゃいいのさ」
ヨランダ「そうそう、その代わりと言ってはなんだが」
ヨランダ「あんたァ今得物がないんだろ?選別だ。受け取んな」
【M1911A1】←New!!
スネーク「いいのか?」
ヨランダ「ああかまわんよ。今後とも御贔屓に」
スネーク「(二度と戻らんがな)」
ヨランダ「あんたの新装備は【ラグーン商会】が用意してる。輸入品だからね。ここに現物はないのさ」
スネーク「助かる」
ヨランダ「しっかり気張っておいで。ソリッド坊や」
スネーク「ああ」
prrrrrr prrrrrrrr
オタコン「スネーク、首尾はどうだい?」
スネーク「まだ体の節々が痛む。随分痛めつけられたからな」
オタコン「無理もない・・・」
スネーク「だがここで折れるわけにもいかんさ」
スネーク「俺にはまだ、やらねばならん事がある」
オタコン「そうだね。せっかく掴んだリキッドの尻尾、ここで手放すわけにはいかない」
スネーク「ああ」
オタコン「あの猟犬も・・・」
スネーク「ああ、俺も奴には『用』がある」
オタコン「よしスネーク、まずは【ラグーン商会】と合流するんだ」
オタコン「落ち合う場所は【イエローフラッグ】だ。これはもうわかるね?」
スネーク「あんまりイイ思い出はないんだが」
オタコン「そう言うなよ。僕らはこの街の地理に明るくないんだから」
スネーク「了解、これより【イエローフラッグ】に向かう」プツン
334:
ロアナプラ イエローフラッグ
カランカラン
「マスター、水を」
バオ「ここは酒場だ。酒を頼め」
スネーク「そういうな。俺とお前の仲じゃないか」
バオ「????!」
スネーク「よう、しばらく」
バオ「な、何しにきやがった・・・!」ガタッ
スネーク「いや別に。俺を売った金から出る酒はさぞかしうまいんだろうと思ってな」ニヤ
バオ「ばっ!いや、あれはだな・・・」
スネーク「」ニヤニヤ
バオ「・・・もう撃ち合いはごめんだぜ。アンタはただでさえお尋ね者なんだからな」
スネーク「ほお」
バオ「お前がバラライカとヴィソトキニをぶっ飛ばした噂が街中に広がってるんだよ!」
バオ「それにあちこちでドンパチしやがって。何してくれてんだ全く、これだから余所もんは・・・」
スネーク「もうコロンビア人に襲われたりしないだろうな」
バオ「ああ、あの連中なら今てんやわんやだよ」
バオ「本国の精鋭部隊を皆殺しにされた上、ドン・アブレーゴまで誰かに殺されてな」
スネーク「なんだと」
バオ「もう猟犬所じゃねえんだよ、あいつらは」
スネーク「邪魔が入らなさそうで何よりだ」
バオ「つかよ。じじい、今度はどこで何をやらかそうってんだ」ヒソ
スネーク「どうしてだ」
バオ「もう店がボロボロになるのはごめんなんだよ!この疫病神が!」バン!
スネーク「安心しろ。俺はこれから街を出る所だ」
バオ「・・・」ホッ
バァン!
「じじい!迎えに来たぜ」
335:
バオ「疫病神その2がきやがった・・・」
レヴィ「だーれが疫病神だ!このタコォ!」
スネーク「レヴィ!無事だったか・・・」
レヴィ「あ?全然無事じゃねえよ。これ見ろよ」
レヴィ「おかげでしばらくカトラスが振れねえ。全く、災難たらありゃしねえよ」
ロック「そういうなよ。彼のおかげで助かったんだろ?」
レヴィ「けっ」
スネーク「君も無事だったか」
ロック「僕は鉄火場に参加してませんでしたからね」
スネーク「キャクストンに聞いた。君の経っての指名だそうだな」
ロック「ええ、まぁ」
スネーク「君は俺を『鍵』だと言ったな。どうしてだ」
ロック「・・・まぁ」
ロック「今までの活躍を客観的に分析した結果、と言った所ですかね」
スネーク「買い被り過ぎだ」
レヴィ「ロック、さっさと船に戻ろうぜ」
スネーク「そういうなレヴィ。何か飲んでいけ」
スネーク「今日は彼のおごりらしい」ニヤ
レヴィ「まじかよバオ!太っ腹!」
ロック「いいのかい?バオ」
スネーク「」ニヤニヤ
バオ「疫病神め・・・」
336:
ロアナプラ 港
スネーク「ほお・・・エルコ級か」
ロック「これが僕らの船です」
スネーク「メンテナンスも行き届いているようだ。いい船だ」
レヴィ「さっさと入れよ、じじい」
ブラックラグーン号 操舵室
ロック「ダッチ、戻ったよ」
スネーク「彼が船長か」
ダッチ「ようこそ我が船へ。俺はダッチだ。あんたが噂のレジェンドマンだな?」グッ
ダッチ「随分派手に暴れてるそうじゃねえか」
スネーク「イロコィ・プリスキンだ。よろしく頼む」グッ
ダッチ「プリスキン・・OK,じゃスネークだな」
スネーク「なんだと?」
ベニー「気にしなさんな。彼は仇名を付けるのが好きなんだ」
ダッチ「お気に召さないか?カート・ラッセルっぽかったからつけたんだが・・・」
スネーク「いや別に。よく呼ばれるから驚いただけだ」
ダッチ「そうかい。そっちのホワイトはベニーだ」
ベニー「やあおじいさん。噂は聞いてるよ。よろしく」
スネーク「オタコン!?いや、似てるだけか・・・」
ベニー「?」
ダッチ「ハハハベニー・ボーイ。お前はどうやらじいさんのかわいい孫にクリソツらしい」
ベニー「そ、そうなの・・・」
ダッチ「じいさん、経緯は聞いてるぜ。色々大変だったな」
スネーク「ああ大変だった。特にこの街に馴染むのにな」
ダッチ「ちと刺激が強い所以外は至って普通の街さ」
スネーク「刺激が強いのは女だけでイイ」
ダッチ「カマすねじいさん。おもしれえぜアンタ」
レヴィ「じじい、おめーにお客さんだ」クイ
ダッチ「今から出航しても合流地点までは大分かかる。ゆっくり話てきな」
スネーク「ああ」
337:
ラグーン号 船室
ガルシア「セニョール・・・!」
スネーク「ガルシア!」
ガルシア「必ずお会いできると信じておりました・・・」
ファビオラ「よくご無事で・・・」
スネーク「二人とも、無事でよかった」
スネーク「米軍はどうした?」
ガルシア「ホテルまで送って頂いた後、別れました」
ファビオラ「彼らは彼らの部隊行動があるみたい」
スネーク「ふむ・・・で、君達がここにいるという事は」
ガルシア「ええ。僕らは・・・」
ファビオラ「若様は覚悟をお決めになられたの」
ファビオラ「何があっても、必ず二人で婦長様を取り戻そう、って・・・」
スネーク「そうか・・・」
ガルシア「・・・」
スネーク「迷いの吹っ切れた、イイ顔だ」
ダッチ『出航するぞ。ケツからひっくり返らねえよう気を付けな』ザザ
ドドドドドドドド・・・
スネーク「出たか・・・」
ファビオラ「アタシ、ちょっと風に当たってくる」
ガルシア「ああ、わかった」
ガルシア「セニョール、いいですか」
スネーク「どうした」
ガルシア「正直に言っていただきたい」
ガルシア「ロベルタは・・・元に戻るでしょうか」
スネーク「・・・」
ガルシア「お気使いは結構です。僕は真実が知りたい」
ガルシア「ここでロベルタとまともに会ったのは僕以外ではあなただけだ」
スネーク「・・・薬物の過剰摂取に似た症状が現れてる」
スネーク「解離性障害、記憶障害、必要以上の猟奇性、幻覚症状の類。事実あの場にいた君を「偽者」とのたまったあげく殺そうとした」
ガルシア「これだ・・・」
ビンを出すガルシア
スネーク「持ってきたのか!」
ガルシア「彼女が屋敷にいた頃から服用していたのと同じです」
338:
スネーク「これは・・・精神薬だな。ベンゾジアゼピン系の抗不安剤だ」
スネーク「俺も似たような物を持っている。これだ」
ジアゼパムを見せるスネーク
スネーク「精神科でも処方している比較的手に入りやすい薬だ。俺も一時期は良く服用していた」
スネーク「もっとも、俺の場合は筋弛緩作用による狙撃時の手ブレ防止目的だがね」
ガルシア「抗不安剤・・・」
スネーク「元々の目的は鎮静剤だ。鬱やてんかん等の他に急激な発作を治める為に使う物だ」
スネーク「しかしこれは中毒性が高く、大量に服用したとなると易興奮性や突飛的な憤怒、暴力等の奇異反応が起こる」
スネーク「薬で無理矢理押さえつけた感情が一気に噴き出すんだ」
ガルシア「彼女は一体何が不安だったのでしょうか」
スネーク「・・・彼女の『過去』だな」
ガルシア「過去・・・」
スネーク「フローレンシアの猟犬。中南米を又にかけたテロリストだった過去だ」
スネーク「一度戦場の味を知ると、そう簡単には抜け出せない」
スネーク「俺の父親がそうだった」
ガルシア「その父君は今どうなさっているので?」
スネーク「・・・殺した。俺がこの手でな」
ガルシア「そんな!」
スネーク「俺はその方法しかわからなかった。今でもあの時、どうすべきだったかわからない」
スネーク「君はあの時に俺と同じだ。俺は戦う事しかできなかった」
スネーク「だが君には、君にしかできない事があるはずだ」
スネーク「それに賭けるしかない」
ロック「そう、賭けるしかない」
ガルシア「セニョール・ロック!」
339:
スネーク「盗み聞きとは趣味が悪いな」
ロック「米軍との合流までまだ時間があるからね。ヒマ潰しにお話でもどうかなって」
スネーク「ガルシアや俺を船に乗せたのは君の口添えと聞いたが」
ロック「そうです。米軍と猟犬、彼らが出会えば次こそ決着を付けざるを得ない」
ロック「でも、あなた達だけがこいつを丸く収める事が出来る」
ガルシア「だからあなたは僕に電話をよこした」
スネーク「・・・」
ロック「そう、もうこれ以上「死なせはしない」」
ロック「君達が生き残って勝負は次へ持越しになった」
ロック「まだ勝負は終わっていない。そう考えなおしてピンポイントにベッドを当てる」
ロック「それが最良のあがりだ」ニヤ
スネーク「若いの、一つ言っておく」
スネーク「命はチップじゃない」
ロック「ふふ、ですね・・・」
ダッチ『じいさん、すっかり忘れてたぜ。甲板まで上がってきてくれ』ザザ
ロック「呼んでますよ」
スネーク「ああ・・・」
340:
ラグーン号、甲板
ダッチ「歳は取りたくないもんだ。最近すっかり物忘れがひどくてね」
スネーク「イヤミか?」
ダッチ「おっと失礼。俺としたことが敬老精神を失念するとは」ペチ
スネーク「で、何の用だ」
ダッチ「こいつさ」ドサ
【mk22(麻酔銃)】【M4カービンCUSTOM】【M870 CUSTOM(ゴム弾)】←NEW!!
スネーク「俺の装備・・・よく揃えれたな」
ダッチ「それが仕事だ」
スネーク「このM870はゴム弾か。非殺傷武器が目立つな」
ダッチ「今回のじいさんはメイドをとっ捕まえるのが仕事だろ。情けにあふれた観音仕様って所だな」
スネーク「M4はランチャーパーツにスコープか・・・」
ダッチ「そいつは『最悪の場合』だな。誰かのケツの穴を増やしたい時に使ってくれ」
スネーク「ふむ・・・」チャキ
ダッチ「後こいつらだ。適当に一式持ってきた」
【グレネード】【スモークグレネード】【スタングレネード】【チャフグレネード】←NEW!!
スネーク「グレネード各種か・・・」
ダッチ「手が滑ってここでチャフを炸裂させたなんて辞めてくれよ?ベニーがストを起こす」
スネーク「ああ」
ダッチ「そ・れ・と・だ・な」
スネーク「まだあるのか」
ダッチ「こっちはお宅らが直々に送ってきた。そら」
【スニーキングスーツ(マッスルスーツ併用】←NEW!!
スネーク「スニーキングスーツ!これはありがたい」ガサガサ
ダッチ「老体に鞭打つお宅の為に急遽こさえてきたもんらしいぜ」
スネーク「連戦続きでボロボロだったからな・・・やはりこれがないと落ち着かん」
ダッチ「地球上で最もおっかない女上位三名の内二名を相手にしたんだ。首がもげてねえだけ幸運と見るべきだ」
スネーク「違いない」ハハ
ダッチ「ちなみに残りの一人はあいつだ」
レヴィ「姉御のアホッタレ、商売道具を撃ちやがって・・・」グチグチ
レヴィ「おいじじい!何見てやがる!?アタシの顔に何かついてるか!?」ギロ
ダッチ「な?」
スネーク「ああ・・・」
341:
ダッチ「あいつは万年生理不順の呪いにかかってる。察してやってくれ」
スネーク「ああ・・・」
ベニー『ダッチ、川の本流に入ったよ。米兵との合流は日が暮れてからになる』ザザ
ダッチ「オーライベニー・ボーイ。さて、楽しいピクニックの始まりだ」
prrrrr prrrrrr
オタコン「スネーク、スニーキングスーツは受け取ったかい?」
スネーク「ああ。そろそろ化粧直しをしたいと思っていた所だ」
オタコン「そいつはよかった。着心地はどうだい?」
スネーク「かなり圧迫感が強いな。動きやすいが衣擦れを起こしそうだ」
オタコン「我慢してくれ。衰えた君の体力を補うためだ」
スネーク「・・・」
オタコン「そのスーツはマッスルスーツを兼ねててね、スーツ内面にいくつものセンサー網が張り巡らされてる」
オタコン「そのセンサーが筋収縮を関知して、スーツ内部の人工素材が筋動作に連動、補助する動きをする」
オタコン「つまり、若い頃の動きが取り戻せるってわけさ」
スネーク「随分な機能だな」
オタコン「ついでに先の戦闘を考慮して防弾機能も向上してる。そこは日用品すら弾が出るからね」
スネーク「ああ、嫌と言うほど堪能した」
オタコン「本当はもう一つ機能を付ける予定だったんだけど・・・今回は火急だからね」
オタコン「未完成だが我慢してくれ。完成するのはまだ先さ」
スネーク「まだ付け足すのか?楽しみにしておこう」
オタコン「で、状況はどうだい?」
スネーク「これより米兵と合流するようだ。合流すればいよいよ・・・」
オタコン「例の新兵器だね、それと・・」
スネーク「大丈夫、忘れちゃいない、いや、忘れるわけがない」
スネーク「奴とは必ず決着を付ける」
オタコン「ああ、彼女は止めなければ・・・」
スネーク「そうそう、お前のそっくりさんがいたぞ。世界には似た顔が3人はいると言うが・・・」ハハ
オタコン「ええっ!なんか、複雑な心境だね・・・」
スネーク「話しが合うかもな」
オタコン「彼も・・・オタクかい?」
スネーク「それは知らん。機会があったら聞いてみよう」
オタコン「一度是非会ってみたいね」ハハ
スネーク「よし、それでは任務に戻る」
オタコン「死ぬなよ、スネーク!」
342:
ロアナプラ 空港
『本日はバンコック・エアーウェイズをご利用いただきーーーーーー・・・』
『本機はドンムアンを経由、ワッタイ国際空港へはーーーーー・・・』
ロベルタ「」ドサ
ロベルタ「・・・」
「ねえあなた、ひどい匂いだわ」
「狐が待ち遠しいのはわかるけど、シャワーを浴びる暇もなかったの?」
ロベルタ「」ギロ
「連中は36時間以内に目標へ到着するから注意してね?それと座標は・・・」
バキィ!
ロベルタ「!」
不意を狙ったはずが腕を抑えられる
ロベルタ「ギ・・・」ミシミシ
ロベルタ「お前は誰だ・・・アメリカの手先か・・・」ギリ
エダ「ごちゃごちゃうるせぇんだよ。黙って聞けビッチ!」ギロ
エダ「思っている以上に壊れてるんじゃ、ボランティアのし甲斐がねえんだよ」ギシギシ
ロベルタ「・・・世話になってる事は感謝するわ・・・グリンゴ」バッ
エダ「そんな言葉が聞けるとは思わなったわ」ドサ
ロベルタ「何故私に協力する」
エダ「貴方は悲劇のヒロイン気取りかもしれないけど、あなたは大きな陰謀に首を突っ込もうとしているの」
エダ「わかる?だからあなたには確実に、決められた役割を果たしてほしいのよ」
ロベルタ「・・・」
343:
エダ「話を通したら向こう方はよろこんで了承してくれたわ」
エダ「『猟犬』が味方するなら心強いってね。再就職おめでとう」
ロベルタ「・・・」
エダ「ただでさえトチ狂ってるんですもの。手綱は握っておかなきゃね」
エダ「自慢していいわよ。我らの『最後の一役』に就任できたんですもの」
ロベルタ「陰謀とはなんだ・・・」
エダ「それはあなたに関係ない事。ただ一つヒントを与えるなら・・・」
エダ「あなたが完膚なきまでに叩きのめしたおじいさん。あれは地獄からやってきた悪霊よ」
ロベルタ「あの老人が・・・」
エダ「そ、ヘタに突っついて憑りつかれない用に注意して頂戴」
エダ「あれは「蛇」よ。いちど絡まると、しつこいわよ?」
ロベルタ「・・・邪魔をするなら殺す。老人だろうが関係ない」
エダ「言うと思ったわ。ま、こちらはあなたがちゃんと『役』を演じてくれれば問題ないわ」
ロベルタ「せいぜい楽しませてもらう。だから・・・」
ロベルタ「狩りの最後に、苦しまないように殺してやる」
エダ「」ニヤ
ゴオオオオオオオオ・・・
344:
同日 夜
明かりの無い暗闇の中エンジン音が脈付くように呻き立てる
ゴオオオオオオオオオオオ・・・
スネーク「合流まであと少しだな・・・」
レヴィ「待てよじじい。素敵なスーツでどこへいく」
スネーク「レヴィ・・・」
レヴィ「対くそメガネ用の新兵器かい?まるでコミック・ヒーローだ」
レヴィ「イカすぜじじい。おニューのドレスを自慢したい気持ちはわかる」
スネーク「奴の尋常じゃない強さに対抗するにはこれくらいしないとな」
レヴィ「へえ・・・じゃあよりパワーアップしたわけだ」ニヤ
スネーク「そんな大層なもんじゃない。最近体の具合が悪いのでね。これは湿布みたいなもんさ」
レヴィ「ただの湿布が、くそメガネに通用するか、試したくないか?」
スネーク「さっきから何が言いたい」
レヴィ「ニュー・ウエポンの実験に付き合ってやるって言ってんだよ」ジャキ
カトラスを突きつけるレヴィ
スネーク「レヴィ・・・どういうつもりだ?」
レヴィ「退屈してんのさ。わかるか?」
レヴィ「このままちょい役で終わるのはしまらねえ。ただでさえ姉御のせいでイライラしてんだ。オーライ?」
スネーク「さっきから何を・・・」
レヴィ「鈍いぜじじい。アタシにも出番をくれよ」
レヴィ「イエローフラッグで会ったあの日から・・・チークを踊りたくてウズウズしてたのさ!」ジャキ
スネーク「・・・」
レヴィ「遊ぼうぜじじい。まだピクニックは始まったばっかだ」
スネーク「しかしその怪我で・・・」
レヴィ「抜けよ、じじい」ギロ
スネーク「・・・わかった」ジャキ
構えるスネーク
レヴィ「勝負はアンクル・サムが乗船するまで。オーライ?」
スネーク「ああ」
レヴィ「さあ、きやがれ!」
【BOSS】レヴィ
349:
ズドン!ドン!ドン!ドン!
ベニー「ダッチ、銃声だ!」
ダッチ「しっかり聞こえてるよベニー・ボーイ」
ベニー「どこのどいつだ・・・って、レヴィ!?:
ダッチ「やれやれ・・・あのじゃじゃ馬め」
ベニー「はやく止めなきゃ!」
ダッチ「構わんよベニー。好きにさせておけ」
ベニー「どうして!?これから米軍と合流するんだよ!?」
ダッチ「いいんだよベニー・ボーイ。これがあいつの役だ」
ベニー「ダッチ!?」
ダッチ「手負いのレヴィにやられるようじゃお話にならん。実力を試すいい機会だ」
ダッチ「ほっときゃ直に収まる。それまで気長に行こうぜベニ・ボーイ」
ベニー「ダッチがそういうなら・・・」
ダッチ「・・・」
ベニー「(ものすごい不安だけど)」
ドンドン! カンッ! ズドン!
レヴィ「ヘイヘイどうしたじじい!ブルっちまったのか!?」
レヴィ「一発ぐらい撃ち返してこいよ!」ドン!ドン!
物陰に隠れるスネーク
スネーク「片手でも器用なもんだ」チュン
レヴィ「アタシを誰だと思ってやがる!銃をもたせりゃ天下無敵の」
レヴィ「レベッカ姐さんだ、ぜ!」ズドン!
スネーク「むん!」バッ!
レヴィ「そこだぁ!」ズドン!
カンッ!
レヴィ「チッ、こそこそ物陰に隠れやがって」
レヴィ「やる気あんのかじじい!オラァ!」ズドン!
スネーク「・・・」
サッ ガシッ
レヴィ「・・・あれ?マジでじじいどこいった?」
350:
シーーーン・・・
レヴィ「あっれ??いねえ・・・」
ギシ ギシ
レヴィ「 ? ? ? 」
・・・ガバッ!
スネーク「むん!」ガシッ!
レヴィをCQCホールドするスネーク
レヴィ「げ・・・どこから沸いてきやがったてめえ!」グググ
スネーク「船のヘリをね。君が背中を向けるまでエルードしていた」
レヴィ「握力自慢かよ・・・クリスチャン・ベールかてめえは!」グググ
スネーク「ちぃええりゃああ!」
ズドン!
レヴィ「ふぎゃ!」
レヴィ「い、い で え え え え え え !き、傷口が・・・!」
スネーク「どうやら、その怪我ではそれ以上無理だな」
レヴィ「・・・てえい!」ブン!
スネーク「むぉ!」サッ
ダダダダダッ!
レヴィ「このじじい・・・風通しをよくしてやらぁ!」ガチャ
スネーク「あれは・・・ゲパード(対物ライフル)!」
レヴィ「 死 ね え え え え え え !ジャキ
スネーク「こんな場所で撃つつもりか!?まずい!」
「この」
スネーク「!」
「馬鹿もん!」
ゴチーーーーーン!
レヴィ「オ、オオオ・・・」ピクピク
351:
ダッチ「このアホタレ。勢い余ってラグーン号をタイタニックに変えるつもりか」
レヴィ「あでで・・・ダッチ!」
ダッチ「ジャック・ドーソンの用にはいかねえぜレヴィ。ワニに食われて糞と化すのがオチだ」
レヴィ「だってよぉ・・・ダッチ・・・」
ファビオラ「さっきから騒がしいと思ったら・・・何やってんのアンタら」
スネーク「やんちゃ娘に絡まれただけだ」
ダッチ「業界初、客をミンチに変えるサービスを採用した覚えはねえよ」
ファビオラ「またアンタなの?いい加減にしてよね」
レヴィ「うるせえロリータ!アタシだってじじいとファックしてえんだよ!」
ダッチ「お前の役目は終わってんだよ。ワガママ抜かすな」コツン
ダッチ「見ろ。あそこの紳士が白い目で俺達を見てる」
スネーク「・・・」
レヴィ「じじい!何メンチきってんだコラァ!」ギャース
ダッチ「まだ言うか!オーケィ、泣きやむまで俺がみっちりファックしてやる」
ダッチ「こい!」グイ
レヴィ「あでででで!ダッチギブ!傷が!傷が開く・・・」ズルズル
スネーク「・・・」
ベニー『すまないねじいさん。少しやんちゃが過ぎたようだ』ザザ
スネーク「・・・」ハァ
352:
ファビオラ「ほんと、野蛮な奴・・・」フウ
スネーク「しばらく見ないうちに感じが変わったな?」
ファビオラ「そお?」
スネーク「ああ、垢ぬけたというか吹っ切れたというか、そんな感じだ」ドサ
スネーク「人を撃ったからか?」シュポ
ファビオラ「そんなんじゃないよ・・・」
ファビオラ「ただ、気づいたんだ」
スネーク「何をだ」フー
ファビオラ「勝ち負けじゃないんだ。アタシ達が始めた事なんだ。だから、アタシ達には止める義務がある」
スネーク「・・・」
ファビオラ「協力してくれるのはうれしいよ?でも、あなたは何の為に戦っているの?」
スネーク「・・・生きて帰ったら答えを教えてやる」フー
ファビオラ「そう・・・」
ヒュオオオオオオ・・・
ファビオラ「婦長様は本当に強い方だ。たった一人で、全部背負い込んで」
スネーク「そうだな」カチ カチ
ファビオラ「そんな婦長様を。あんたはどうやって止めんのよ」
スネーク「さあな。あの若いのは勝算があるらしいが」カチ カチ
スネーク「俺には皆目見当がつかん」カチ カチ
ファビオラ「あんた、結構行きあったりばったりね」
スネーク「頭を使うのは俺の仕事じゃない」チッ
ファビオラ「・・・たばこ、辞めれば?」
スネーク「どうして」カチ カチ
ファビオラ「体に悪いから」
スネーク「俺には健康を気にするほど時間はない」カチ カチ
ファビオラ「あっそ」
カチ カチ
スネーク「悪いが、火を貸してくれないか」
ファビオラ「マッチしかないけど・・・」ガサゴソ
ファビオラ「はい」ポイ
マッチ箱が宙を舞う
スネーク「・・・」
パシッ
スネーク「今度は逃さない」
353:
ロベルタ「」スタスタスタ
カエル兵「オマシテオリマシタ」
ロベルタ「・・・」スタスタスタ
カエル兵「シェン・ヤンショウグンハコチラデス」
ロベルタ「・・・」スタスタスタ
バァン!
シェン・ヤン「おお?お待ちしておりました!あなたがFOXHOUNDの(ry
ロベルタ「」
ゴッ・・・!
355:
ベニー「ダッチ、あれだ」
マングローブの密林からライトが点滅する
ダッチ「奴ら時間には正確だ。代わってくれ。出迎えに行ってくる」
スネーク「きたか・・・」
『乗船、開始!』
キャクストン「君が船長か。私はキャクストン。グループのリーダーだ。よろしく頼む」グッ
ダッチ「俺はダッチ。話は聞いてる。よろしく頼む」グッ
スネーク「よう、しばらく」
キャクストン「スネーク・・・」
ベニー「感動の再会中悪いが、キャビンに全員は入らない。一部はエンジンルームに入ってもらう。眠る時は交替してくれ」
キャクストン「了解した」
ダッチ「積る話しもあるだろう。恋人のように好きなだけ語らってくれ」
キャクストン「ああ、ありがとう」
ダッチ「さて。メンツも揃った事だし出航しようか」
ドドドドドドドド・・・
ラグーン号 船室
キャクストン「諸君、これより我々は目標ポイントに向かう」
キャクストン「船長の話では夜中中にはたどり着くとの事だ」
キャクストン「各員取れる者から交替で仮眠を取れ。、交替待ちの者は装備の点検だ」
米兵達「サーイエッサー!」
キャクストン「レイ、しばらくここを頼む」
レイ「どこへいく?」
キャクストン「彼と・・・スネークとの約束を果たさねばならない」
レイ「ああ・・・」
356:
甲板
キャクストン「大勢押しかけてすまないね」
スネーク「別に、俺の船じゃない」
キャクストン「・・・」
スネーク「では、改めて聞かせてもらおうか」
スネーク「何故、【グレイフォックス】を名乗る。米軍でその名はタブーのはずだ」
キャクストン「・・・グレイ・フォックス、いや」
キャクストン「フランク・イエーガー・・・私は彼の部下だった」
スネーク「お前、元FOXHOUNDか?にしては知らない顔だな」
キャクストン「そうじゃない。私は、その・・・実は昔の君とも会っているんだ」
スネーク「お前・・・まさか」
キャクストン「ああそうだ。私は」
キャクストン「元ザンジバーランドの兵士だ」
スネーク「!!」
357:
キャクストン「私は元々は今と同じ米軍だった」
キャクストン「そこでは当時の部下が、戦場で無関係な村を襲い、村人をシンパと偽り略奪行為を繰り返していた」
スネーク「戦場ではよくある話だな」
キャクストン「その部下を私は・・・」
スネーク「殺したのか!?」
キャクストン「・・・黙って見過ごせなかった」
スネーク「まるでローンレンジャーだな・・・」
キャクストン「私は、無辜の人々を守るガーディアンになりたかった」
キャクストン「戦争は必ずそのような残虐行為が横行する。全ては救えない。だがせめて無辜の人々だけは・・・」
スネーク「はん、大層ご立派だな」
スネーク「そんな男がどうしてザンジバーランドに?」
キャクストン「手引きをしてくれたのは、フランクだった」
スネーク「グレイフォックスが!?」
キャクストン「ザンジバーランドは単なる武装集団ではなかった」
キャクストン「戦争孤児やその他戦争に巻き込まれた無辜の人々。彼らに居場所を与え、そして養っていた」
スネーク「(そういえばそんな場所があったな・・・)」
キャクストン「フランクは彼らを守る為、必死に戦っていた。まるで過去の自分を見ているようだった」
キャクストン「そんなフランクをみな笑顔で向かえていた。私は、彼の様になりたかった・・・」
キャクストン「私はそんな光景を目の当たりにし、次第に自分の居るべき場所はここだと思うようになった」
スネーク「洗脳されたか」
キャクストン「第三者から見ればそうなるな。しかし、私は・・・」
キャクストン「そんな人々が見過ごせなかった・・・彼の様になりたかった・・・」
スネーク「・・・」
キャクストン「だが、ザンジバーランドも君の手で落ちることになる」
358:
キャクストン「ザンジバーランドを失った私は地下に潜る事になり、しばらくは傭兵として過ごした」
スネーク「どうやって米軍に復帰した」
キャクストン「私は元々アメリカ籍だ。手続きもしっかり行っていたから、復帰はスムーズにいった」
キャクストン「復帰後はデルタフォースにいた。そこで戦果を挙げ、昇進していった」
キャクストン「そしてつい最近だ。ディケンズ大佐の部下に移籍され、私はNSAの不正規特殊部隊に移された」
キャクストン「そして今に至るわけだ」
スネーク「グレイフォックスの名を騙るのは、尊敬するフォックスにあやかって・・・か?」
キャクストン「それもある。だがこのコードネームが正式採用されたのは・・・実はつい最近の事なんだ」
スネーク「なんだと」
キャクストン「ベネズエラでのプラン117、ちょうどあの時だ。あの時ディケンズ大佐から直々に命名された」
キャクストン「何故今頃なのかは知らないが・・・」
スネーク「なるほど。ちゃんと手続きに乗っ取った名前なわけだ」
キャクストン「ちなみにレイも当時からの戦友だ」
スネーク「ああ、あのヒゲの」
キャクストン「ザンジバーランドを知る人間は、君を除くとレイと私だけになってしまった・・・」
スネーク「俺が、憎いか?」
キャクストン「・・・正直、思う所はある」
キャクストン「だが私は復讐の為に戦っているのではない。守るべき人々を、無辜の人々を守りたいからだ」
キャクストン「私怨で動いているわけではない。本当だ。信じてくれ」
スネーク「・・・わかった。信じよう」フウ
パチ パチ パチ
キャクストン「誰だ!」
ロック「ご立派です少佐。まさかそんないきさつがあったなんて・・・」
スネーク「・・・盗み聞きは関心しないと言っただろ。若いの」
ロック「いえ、僕は彼に会わせたい人がいるだけですよ」
キャクストン「どういう事だ?必要なら今すぐシージャックを始めるが」
ロック「大丈夫、相手は子供です。さ、おいで」
ガルシア「・・・」
キャクストン「君は!」
スネーク「ああ、彼なら最初から船に乗っていたぞ。知らなかったのか」
キャクストン「・・・聞いてないな」
ロック「心配いらない。彼は話しがしたいだけです」ニヤ
ロック「プリスキンさん、席を外しましょう。ここは彼らだけの問題だ」
スネーク「・・・」
ロック「盗み聞きはよくないんでしょ?さ、行きましょう・・・」
スネーク「・・・わかった」
359:
スネーク「お前の仕業か」
ロック「何がです?」
スネーク「ガルシアを乗せたのは、お前の独断だな?」
ロック「まさか、ちゃんとダッチの許可を取りましたよ」
ロック「双方から報酬は貰ってます。これはラグーン商会正規の仕事だ」
スネーク「二人のいきさつは知ってるだろう!」
ロック「・・・僕はクライアントの要求を飲んだだけです」
ロック「二人の問題は二人の問題だ。僕らには関係がない」
スネーク「何を企んでいる」
ロック「あのメイド・・・正気じゃないのはご存じでしょう」
ロック「メイドは完璧に狂っている。誰もが正気に戻るのは不可能だと思う。だからです」
ロック「運以外のあらゆる定石を塗りつぶす。そうして隙間を埋めていく」
ロック「運だけが最後に残った時・・・それは最高の『賭け』になる」
スネーク「俺は、その隙間を塗りつぶす一部か」
ロック「ええ」
スネーク「若いの、もう一度だけ言うぞ」
スネーク「命はチップじゃない。命を弄んでいいのは神だけだ」
スネーク「そしてお前は神じゃない」
ロック「・・・」
スネーク「命には残り火がある。安易に命に触れる奴は、その残り火に燃やされる」
スネーク「お前もそうならんように気を付けろ」
ロック「ご忠告感謝します・・・」
360:
チャン「・・・俺だ」
チャン「CIAの旦那から連絡があった。うまく猟犬を引き込んだらしい」
チャン「ああ、最も、自らの手で米軍を抹殺するのが絶対条件だがな」
チャン「構わんさ。クン・サは事実上の引退。後釜のシェン・ヤンはNSAに簡単に尻尾を掴ませるマヌケだ」
チャン「奴はもはや三合会のお荷物だ。煮るなり焼くなり好きにしてくれ」
チャン「ラグーン商会は美国人を乗せた。ああ、もうすぐだ」
チャン「一つ、聞かせろ・・・美国人は【奴等】の側じゃないのか?」
チャン「やはり・・・あのディケンズとか言う将校か?じゃあ、あの美国人共は実験台なわけか」
チャン「ふん、栄ある第一号ってわけだ。いつからだ?」
チャン「・・・なるほどな。通りで。じゃ今の所成果は上々なわけだ」
チャン「自分達の力と思ってるんだろ?哀れな連中だな。同情してやってもいい」
チャン「そうそう、CIAの女工作員の事なんだが」
チャン「いや、そうじゃない。ただ『ムカツク』だけだ」
チャン「どうにかならんのか?別にあいつじゃなくてもいいだろう。奴は人を苛立たせる天才だ」
チャン「個人的にはバラライカの方が・・・と、それはダメだな。あいつはすぐ開戦したがる」
チャン「ん?いやぁ別に。個人的な賭けをしてるだけだ」
チャン「いいじゃねえか。メイドなんてどうでもいいだろあんたにとっちゃあ」
チャン「・・・へえ。じゃあ若様をやっちまうしかねえな」
チャン「いやな、知り合いが一人『シロ』に賭けてるんだよ。アホだろ?」
チャン「お人よしの皮を被った悪党だよありゃあ。しかも自覚がねえからタチがわりぃ」
チャン「ああ、事後処理は任せろ。少なくともご婦人方の夕食の話題になる事はないと思うがね」
チャン「夜明けまでにはカタがつく。それまでじっとしてろよ。つか出てくんな。それじゃ・・・」ピ
チャン「・・・」
チャン「同時に世界の終わりが始まる、か・・・」ドサ
361:
数時間後
ダッチ『そろそろ終点だぜ。お客さん』ザザ
「ATTENNTIONN!!」
キャクストン「状況は更新された。現状は極めて重要な関頭にさしかかっている。しいては諸君らの意見を求めたい」
スネーク「いよいよか」
ファビオラ「・・・」
ロック「ガルシア君は?」
ファビオラ「兵隊と一緒の部屋に入ってった。それ以降は知らない」
ロック「なるほど・・・そうきたか」
ロック「ファビオラ、聞いてくれ。ガルシアは彼らを巻き込むつもりだ」
ロック「だがまだ足らない。窓わかされたお姫様を正気に戻すには、まだ仕掛けが必要だ」
スネーク「オペレーション・チャイナピット。それが作戦名か」
キャクストン「ああそうだ。我々の目的はシェン・ヤンの捕縛及び、彼が秘密裏に行っているという新兵器のデータ奪取だ」
スネーク「データだけか?」
キャクストン「ああ、奪取はデータだけだ。そのものはいらない」
スネーク「何故NSAがメタルギアを欲しがる」
キャクストン「そこまでは・・・」
キャクストン「だがこの命令はメリーランド州からだと言っておこう」
スネーク「本部直々か。大層な物だ」
バロウズ「しかし例の猟犬はあの戦火で我々を単独で追跡し生き延びた。要素として不確定すぎます」
バロウズ「作戦の見直しもしくは無力化を・・・」
ガルシア「・・・」
レイ「おいやめろ!」
スネーク「・・・」
レイ「シェーン、彼にとってはひどい事になってしまったが、それでも俺達は」
レイ「正義の為に戦ってきた。これまでも、これからもだ」
レイ「やろう・・・シェーン」
362:
ファビオラ「できるわけないでしょ!そんな事!」
ロック「他に方法があれば是非聞きたいね」
ファビオラ「一歩間違えれば人が死ぬんだ!それを」
ロック「逆に聞こうかお嬢さん。何かを賭けれないで通せる状況か?」
ファビオラ「まさかあんた、ここまで見越して・・・」
ロック「」ニヤ
スネーク「敵勢力はそれだけじゃないぞ」
スネーク「おそらく辺り一帯をPMCが警備している」
レイ「PMC?」
スネーク「ああ、お前らが狙う新兵器の正規の取引先だ」
スネーク「強化服を着込んでカエルのように跳び回るトルーパーだ」
スネーク「俺も何度か襲われた」
レイ「いよいよ厳しくなってきたな・・・」
キャクストン「貴重な情報ありがとう。知らずに突っ込むよりマシだ」
キャクストン「諸君、聞いての通りだ」
キャクストン「敵勢力はシェン・ヤン私兵部隊並びに奴が雇ったと見られるPMC」
キャクストン「並びにサブ・オプションのパッケージR」
キャクストン「行く手を阻む者は多い、しかし幾多の視線を潜り抜けた諸君らなら必ず完遂できると信じている」
キャクストン「今回は『伝説の英雄』もついている。腕に見惚れるなよ?」ハハ
キャクストン「諸君・・・度胸は十分か!」
米兵「yeeeeeeeeeeeeeeah!!
スネーク「・・・」
363:
prrrrrr prrrrrrrr
スネーク「こちらスネーク」
オタコン「いよいよだね」
スネーク「ああ」
オタコン「この数時間の間に、こっちでも色々調べて見た」
オタコン「詳しくはキャンベルが話す」
スネーク「大佐が?」
キャンベル「スネーク、状況はどうだ」
スネーク「大佐、ここにはメタルギアがある。NSAの狙いはそれだ」
キャンベル「メタルギアが・・・」
スネーク「そして連中がグレイフォックスの名を騙るのは、リーダーが元ザンジバーランドの兵だったからだ」
キャンベル「ザンジバーランド!グレイ・フォックス・・・彼の意志はまだ生きていたと言うのか・・・」
スネーク「亡霊だ。奴本人はもうこの世にいない」
スネーク「だが奴は気になる事を話した」
スネーク「グレイフォックスの名を正式コードネームに採用されたのはつい最近だ」
スネーク「ベネズエラのテロ事件・・・連中はプラン117と呼んでいた。それからだ。それまではただの「あだ名」だったらしい」
キャンベル「その件についでだが、軍のコネで私も探りを入れて見た」
キャンベル「NSAが独断で動く理由、どうやらCIAとの権力争いらしい」
スネーク「くだらんな」
キャンベル「NSAの分野は本来電子機器を使った情報収集、シギントの分野だ」
スネーク「そうだ。実際の人間を派遣した諜報活動、ヒューミントはCIAの領分だ。連中は何故それを侵す」
キャンベル「・・・スネーク、聞いてくれ。私はエメリッヒ博士と共にある極秘情報を手に入れた」
キャンベル「アメリカは・・・近々戦争の仕組みそのものを変える用なのだ」
スネーク「戦争の仕組みを変える?どういう事だ」
キャンベル「強大な軍事力を持つ国はその強大さ故に身動きが取れず、軍を動かしにくい」
スネーク「確かにな、一個小隊を派兵するだけで膨大な書類がいるのは知っている」
キャンベル「アメリカの様な大国であればなおさらだ。世論の反発、外交問題、各国の動き」
キャンベル「それらを押しのけて戦闘行為を起こしたとしても、待っているのは大きすぎる「ツケ」だ」
スネーク「9・11・・・同時多発テロ・・・」
364:
キャンベル「それもNSAを増長させる要因になっただろう。あの事件以降未然に防げなかったCIAの権威は失墜した」
スネーク「近々起こる大きな変革の為に、NSAは危険を冒して権益を広めようと?」
キャンベル「詳しいことは調査中だ。だがメタルギア奪取もその一環だろう」
スネーク「・・・メタルギア拡散を許すわけにはいかない」
キャンベル「同感だスネーク。なんとしても食い止めてくれ」
スネーク「ああ」
キャンベル「メタルギア開発に協力しているというPMCも調査しておこう」
スネーク「ヨランダは分散複合型企業と言っていた。随分骨が折れそうだ。できるか?」
キャンベル「やるしかないだろう。リキッドを止める糸口はそこにしかない」
オタコン「話し中すまないが、もう一つの任務も頼むよ、スネーク」
スネーク「ああ。奴の目的がNSAの抹殺なら、自然と衝突するだろう」
スネーク「フローレンシアの猟犬・・・借りは必ず返す」グッ
キャンベル「頼んだぞ、スネーク」
オタコン「よしスネーク、もう一度確認しよう」
オタコン「君はこれから【グレイフォックス部隊】と共にゴールデントライアングルに上陸、そこで開発されていると言う【新型メタルギア】の破壊だ」
オタコン「関わっているのは【PMC】だ。警備も厳重だろう。おそらく交戦は免れない」
オタコン「そしてそれとは別に【猟犬】も・・・」
スネーク「やれやれ、老体を酷使するのはこれっきりにしたい」
キャンベル「君に全てがかかっている。頼むぞ、スネーク!」
オタコン「スネーク、死ぬなよ!」
スネーク「了解、これより【グレイフォックス】と共に【新型メタルギア】の破壊、及びに【ロザリタ・チスロネス】の確保に当たる」
スネーク「状況は追って連絡する。では任務に戻る」プツン
365:
状況まとめ
【グレイフォックス部隊】
メタルギアのデータ奪取、シェン・ヤンの捕縛が任務
・アルファ分隊 キャクストン、レイ、ホーナー、バロウズ、サンチェス、ボウマン
・デルタ分隊 ベケット、ライト、ギシュラー、LG
・エコー分隊 デカード、マドック、ギャラディ、グラント
※隊員名、各所属はめちゃくちゃ調べにくかったので原作と違うかもしれません。ご了承ください
【スネーク】
メタルギア破壊、ロベルタを止めるのが任務。アルファ分隊に同行
【ガルシア&ファビオラ】
ロベルタを止めるのが任務。ガルシアには何か策がある様子。アルファ分隊に同行
366:
スネークの現在の装備
・銃器
【M1911A1】
【mk22】麻酔銃
【M4カービンCUSTOM】スコープ、ランチャーパーツ搭載
【M870 CUSTOM】ゴム弾のみ。実弾はなし
【スタンナイフ】
・投降、設置系
【グレネード】×3
【スモークグレネード】×3
【スタングレネード】×3
【チャフグレネード】×3
【クレイモア】×3 ※書き忘れ
・装備
【双眼鏡】※書き忘れ
【サーマルゴーグル】
【ナイトゴーグル】
・アイテム
【ジアゼパム】×3(注射型)
【タバコ】吸いすぎ注意
・その他
【新型スニーキングスーツ】マッスルスーツ併用。防弾性能向上
・備考
【Vz.83】エダに返却
※クレイモアと双眼鏡については書き忘れです。>>191の時点で持ってました
376:
『上陸開始!』
ザッザッザッ・・・
ガルシア「セニョール、よろしくお願いします」
ファビオラ「しっかり守ってよね」
スネーク「ああ」
レヴィ「・・・」
ベニー「ロック、どこへ行ってた?」
ロック「ちょっと連絡をね。所でレヴィ」
ロック「ガルシアはじいさんから銃を受け取ったと聞いたが、本当か?」
レヴィ「みたいだな。まるで形見のように大事に持ってやがった」
ロック「・・・よし」パシ
ロック「よし、よし、ハマったぞ。カギが」パシ
ロック「ざまあ見ろだチャンさん。賭けは・・・僕の勝ちだ!」ニヤ
377:
黄金三角 密林
ザッザッザッ・・・
『デルタよりアルファ。哨戒ポイントに到着』
『状況良し。座標に変更はなし』
キャクストン「アルファ了解、待機せよ」
スネーク「イヤに静かだな」
キャクストン「敵は我々の動きを察知しているだろう。まだ油断はできん」
キャクストン「状況はどうか」
『エコー哨戒ポイントに到着。トラップの類なし』
キャクストン「アルファ了解。両分隊は偵察を開始しろ。LUP到着は0300時だ」
キャクストン「ランデブー後は攻撃陣系で待機。0425時に突入する」
キャクストン「サブ・オプションのパッケージRが攻撃をしかけてきたら乱戦となる」
キャクストン「アルファ本隊が参戦と同時に囮になる。その後は状況に応じ各分隊は任意に行動しろ」
『デルタ了解』
『エコー了解』
スネーク「ん?」
何かを発見するスネーク
スネーク「これは・・・キャクストン」
キャクストン「なんだスネーク」
スネーク「周りを見て見ろ」
アルファ分隊「!」
木製の棒が至る所で突き刺さっている
キャクストン「なんだこれは・・・」
キャクストン「エコー、デルタ両分隊、周辺に木製の棒のような物ははないか」
『こちらエコー。あります少佐。辺り一面至る所に・・・』
『こちらデルタ、同様です。見渡す限り一面に・・・』
『ワイヤー、爆薬の類は見られません』
378:
レイ「宗教オブジェかなんかか?」
スネーク「この辺の部族にそんな風習はない」
キャクストン「・・・各分隊、棒はよくわからんが危険性はないだろう」
キャクストン「引き続き偵察を続けろ。十分気を配れ」
『了解』
『了解』
ガルシア「彼女だ・・・彼女の仕業だ」
スネーク「どういう事だ?」
ガルシア「よくわかりません。ただ彼女がここにいるのは確かです」
スネーク「・・・」
『エコーよりアルファ。偵察区域に到着』
キャクストン「状況はどうか」
『無人です。動体が感知できません』
『こちらデルタ。デルタも同様、一切の生体反応なし』
キャクストン「どうなっている・・・」
レイ「まさか、取り逃がしたか?」
スネーク「俺が見てこよう」
キャクストン「頼めるか」
スネーク「ああ任せろ、潜入なら俺の十八番だ」
レイ「オヤジさん、次の提示報告までに終わらせなくてはこの村の異変がバレる」
レイ「そうなればミッションは失敗だ。急いでくれ」
スネーク「ああ、何かわかったら無線する」
黄金三角 麻薬プラント内
スネーク「・・・」スチャ
スネーク「外見は木造の古い小屋・・・高台も木製」
スネーク「村に偽装しているのか?しかしこの設備ではメタルギア等・・・」
奥へと進むスネーク
スネーク「・・・」スチャ
スネーク「・・・」ササ
スネーク「こちらスネーク。それらしき小屋を発見。これより潜入する」
キャクストン「了解だスネーク」
キィ
スネーク「暗くてよく見えんな・・・」スチャ
ナイトゴーグルを装備するスネーク
379:
ギシ・・ギシ・・・
スネーク「・・・」
スネーク「(麻薬製造と思わしき設備だ・・・だが肝心のメタルギアに関係する物が見当たらん)」
スネーク「(ん・・・?)」
小屋の一室に人影を発見する
スネーク「これは・・・!」
シェン・ヤン「」
目前には椅子に縛り付けられ、目と口を塞がれたシェン・ヤンが
その周りには彼の安全を一切考慮しない配置でクレイモアが大量に設置されていた
スネーク「バカな!こいつは確か、このプラントの!」
「スネーーーーーーーーーーーーーーーク!」
 ダン! ダン! ダン!
スネーク「!」
頭上より振ってくる見覚えのある影
スネーク「トルーパー!」ジャキ
カエル兵「・・・」シーン
カエル兵「!」ジャキ
スネーク「くっ」ジャキ
不意に現れたカエルの銃撃がスネークを襲う
ババババババ!
スネーク「ここで銃撃線はまずい・・・」チラ
シェン・ヤン「」
ババババババ!
スネーク「くっ」バッ
バリィィィン!
カエル兵「マドカラニゲタゾ!」
カエル兵「オエ!」
ダダダダダ!
380:
スネーク「ハッハッハッ・・・」
スネーク「こちらスネーク!キャクストン、聞こえるか!」
スネーク「こちらスネーク!キャクストン!応答しろ!」
スネーク「だめだ、繋がらない!」
オタコン「連中も、トルーパーに襲撃されてるんじゃ!?」
スネーク「その可能性が高い。一旦奴らの元へ戻る!」
オタコン「気を付けてくれ、スネーク!」
 ダン! ダン! ダン!
スネーク「!」
再び頭上から降ってくるカエル兵
カエル兵「ウテ!」
スネーク「ちぃ」ジャキ
ババババババ!
ガガガガガガ!
同刻
黄金三角 アルファ分隊
「こちらエコー!敵襲だ!」
レイ「オヤジさんの言ってたPMCか!?」
「違う!あれは・・・奴だ!」
「 パ ッ ケ ー ジ R だ ! 」
「ぐああああああああああああ!」
ザザーーーー・・・
キャクストン「エコーどうした!?状況を説明しろ!エコー分隊!」
レイ「奴が動き出した・・・シェーン!」
ガルシア「少佐」
キャクストン「わかっている・・・確保が先だ」
キャクストン「よし、これより我らはシェン・ヤン確保に向かう!」
キャクストン「パッケージRと交戦の可能性がある。各自陣形を崩すな」
アルファ分隊「サーイエッサー!」
381:
スネーク「むん!」
ガガガガガガ!ガガガガガ!
「ぐあっ」「あおっ!」「ああああ!」
カエル「ウテ!」
スネーク「ちっ」サッ
壁に隠れるスネーク
チュンチュンチュン! バババババ!
オタコン「スネーク!」
スネーク「これでは埒が明かん・・・連中、かなりの大部隊だ」
オタコン「だがそれが、メタルギアがここにあるという事を示している・・・」
スネーク「だな」
オタコン「何とかして突破できないか!」
スネーク「やってみる!」ジャキ
カエル兵「オイツメロ!」
バババババ!バババババ!
スネーク「むん!」
グレネードランチャーを放つスネーク
ドガァァァァァ!
カエル兵「アアアアアアア!」ボオオオオ
スネーク「よし!突破する!」ザッ
382:
スネーク「むん!」
ガガガガガガ!ガガガガガ!
「うがっ!」 「ひぐっ」 「ぎゃうっ!」
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・!」
ダダダダダッ!
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・」
スネーク「!」
頭上より飛来する巨大な物体
ズドォォンン!
パラパラパラ・・・
スネーク「くっ!」
スネーク「・・・?」
「待テ!」
スネーク「これは・・・」
オタコン「パワードスーツ!連中、こんな物まで持ち込んできたのか!」
ウィィィィィン・・・
パワードスーツが機銃掃射の構えを見せる
スネーク「くっ!」ジャキ
【BOSS】パワードスーツ
383:
ダララララララ!
バキバキバキバキ!
スネーク「くっ!」サッ
機銃の威力に木製の物が細切れにされていく
スネーク「あれは当たるとまずいな・・・」
ウイーン ウイーン ガシャン!
スネーク「むん!」バッ
ガガガガガガ! カンカンカンッ
M4の銃撃が厚い装甲に弾かれる
ボッボッボ・・・シュウウウウウウウウウ!
スネーク「ミサイル!?」
ドドドドガアアアアアアア!!
スネーク「まずい!」バッ
ドガアアアアアアアアア!
スネーク「ぐああ!」ズザザザザ
オタコン「スネーク!無事かい!?」
スネーク「なんとかな・・・オタコン、何か対策はないか!?」
オタコン「ちょっと待って!ええっと・・・」カタカタ
ダラララララララ!
スネーク「ちぃ!」チュンチュンチュン
384:
スネーク「くっ」ガガガガガガ!
カンカンカンッ
「ムダダ!」
ダラララララ!
スネーク「オタコン、まだか!」
オタコン「OKスネーク!そのスーツはあくまで歩兵の動作補佐。可動性を持たせる為に、装甲は戦車等の兵器よりかは厚くない」
オタコン「そして一体型の構造だ。無人兵器じゃないから操縦者が丸見えのはずだが、どうだい?」
スネーク「確かに、ど真ん中にそれらしき人影が見える」、
オタコン「よしスネーク、、確かに装甲は厚いが見た目ほどじゃない。火力の大きい武器なら十分通用するはずだ!」
スネーク「了解だ。ここはマフィアの麻薬プラントだ。どこかに銃器の類があるだろう」
オタコン「どうにかして、火力の大きい武器を探すんだ!」
「ソコカ!」」
ダララララララララ!
スネーク「むん!」バッ
ダラララララ!ダラララララララ!
スネーク「」ピン
スモークグレネードを投げるスネーク
ボンッ ブシュゥゥゥゥゥ!
「ウワッ!」
「オノレコザカシイ!」
スネーク「ハァ・・・ハァ・・」キョロキョロ
スネーク「あれだ!」
ズドォォォォン!
「ニガサン!」
スネーク「ちっ」バッ
ダララララララララ!
チュンチュンチュン!
スネーク「オタコンあったぞ。固定銃座だ!いけそうか!?」
オタコン「十分だスネーク!食らわせてやれ!」
スネーク「まずは奴の動きを止めねば・・・」
385:
ウイーン ガシャン ガシャン
「ドコヘイッタ!」
ウイーン ウイーン ガシャガシャ
「イッタイドコヘ・・・」
バッ!
スネーク「むん!ガガガガガ!
カンカンカンッ
「ソコカ!」
ダララララララ!
スネーク「」サッ
チュンチュンチュン
ウイーン グアッ
スネークのいた場所へ飛ぶパワードスーツ
ズドォォォン!
「イナイ・・・」
スネーク「!」ガガガガガ!
カンカンカンッ
「ソッチカ!」
ダララララララ!
スネーク「」サッ
チュンチュンチュン
「オノレチョコマカト!」
数発撃っては隠れ、また数発撃っては隠れるを繰り返すスネーク
386:
「イクラヤッテモムダダ!」
ダララララララ!
「マルゴト、フキトバシテヤル!」
ボッボッボッ・・・シュウウウウウウウウウ!
ドドドガアアアアアアアン!
「フキトンダカ?」
パラパラパラ・・・
スネーク「」ガバッ!
「!」
スネーク「むん!」
ボッ
 パ ァ ン !
「ア”??????????!」
スタングレネードをグレネードランシャーで発射するスネーク
「メガ、メガーーーーーー!」
ウインウイン、ガキョンガキョン
スネーク「今だ!」バッ
固定銃座を構えるスネーク
「ア”ウ・・・」
スネーク「」ガチャガチャ
スネーク「ぬおおおおおおおおおおおおお!!!!」
ドガガガガガガガガガ!
「!?」
スネーク「おおおおおおおお!!!!!」
ドガガガガガガガガガ!
ドガガガガガガガガガ!
ドガガガガガガガガガ!
387:
パワードスーツから黒煙が上がり出す
オタコン「効いてるぞスネーク!後少しだ!」
スネーク「ぬおおおおおおおおおおお!!」
ドガガガガガガガガガ!
ドガガガガガガガガガ!
スネーク「おおおおおおお!!」
カッ
ズドォォォォォォォン!
パラパラパラ・・・
スネーク「よし・・・撃破した!」
オタコン「スネーク、キャクストン達が心配だ!早く彼らの元へ!」
スネーク「ああ!」バッ
388:
ダダダダダッ!
スネーク「ハァ・・ハァ・・・」
「ニガスナ!」
再び迫りくるカエル兵
スネーク「むん!」
ガガガガガ!ガガガガガ!
「うがっ!」 「ひぐっ」 「ぎゃうっ!」
ダン! ダン! ダン!
「マテ!」
スネーク「次から次へと・・・」ジャキ
オタコン「スネーク!急げ!急ぐんだ!」
「エコー分隊FTL、アルファと共同し側面から援護しろ!」
デカード「エコーよりアルファ!パッケージRが確認できない!そちらから視認できますか!?」
「デルタFTL、そちらから観測できるか!?」
「エコー分隊聞こえるか!こちらデルタ・・・ああっ!」
「マドック!ギャラディ! 上 だ ! 」
マドック「!?」
ギャラディ「!?」
 ズ ド ォ ン !
マドック・ギャラディ「・・・ッ!」
ロベルタ「サンタ マリアの 名に誓い 全ての 不義に 鉄槌 を」
迷彩柄の人間は即座に肉塊と化した
ガサガサガサガサガサ!
389:
エダ「私です、ええ、始まりました」
エダ「狩りは順調のようです。開始と同時に分隊が何名かやられたようで」
エダ「さすが猟犬です。この調子でいけば・・・」
エダ「ええ、いくつか保険は打ってます。蛇には想定外の身体機能低下がみられますので」
エダ「はい。内通者の確保に成功しました。状況はこちらでもリアルタイムで確認できます」」
エダ「しかし我々ができるのはここまでです。これ以上は本人が自力で生き残るより・・・」
エダ「・・・なるほど。言われてみればそうですね」
エダ「はい、チャン氏が?なるほど、少しキツくしすぎました」
エダ「いえ、別に。マフィアと言う物はメンツを第一に考えます。どちらが上かわからせる必要があったので」
エダ「そう、駒はどちらかという事を・・・」ニヤ
エダ「我々『CIA』としてはできる事はここまでです。すでに我々の目的は達している」
エダ「ええ、はい。さようで」
エダ「猟犬を?それは我々の与り知らない事です。ご自分でどうにかなさったら如何でしょう」
エダ「・・・まあ、一応仕掛けて起きましょう。幸い『若様』もその場所にいらっしゃるようなので」
エダ「そうそう、蛇のサポート中私の大事な【サングラス】が割れました」
エダ「ええ、愛用の【サングラス】です・・・いいじゃないですか。たかがサングラスくらい」
エダ「ふふ、感謝します。ここにはロクな品がない物で・・・」
エダ「ええ、状況は引き続き追って連絡します。では失礼します」
394:
黄金三角 密林
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・」
スネーク「追手はもう・・・来ないようだな・・・」
オタコン「追跡を諦めた?」
スネーク「いや、わからん。どこかに潜んでいるかもしれん」
スネーク「油断はできん」ジャキ
歩を進めるスネーク
ザッザッザッ・・・
スネーク「・・・!」
スネーク「これは・・・!」
スネークの目線の先に米兵の死体
スネーク「おい!大丈夫か!・・・だめだ、死んでる」
オタコン「やはり彼らも襲撃されたんだ・・・」
ザザ・・・ザザザ・・・
『こちらエコー、デルタ、パッケージRを喪失した!』ザザ
スネーク「無線!回線は生きていたか!」
『こちらデルタ!デカード、随伴の兵がいないぞ!』ザザ
スネーク「こちらスネーク、応答しろ!何があった!?」ザザ
『じいさん!?無事だったか!』ザザ
スネーク「何があった!」
『今我々はパッケージRと交戦中だ!部下が3名やられた!』ザザ
『現在パッケージRをロスト!しかし奴は・・・ハッ!』ザザ
スネーク「おいどうした!応答しろ!」
『ザザ・・・ザザザザ・・・ガガ・・・』
『 ぐ あ あ あ あ あ あ あ あ あ ! ! ! ! 』
スネーク「おい!応答しろ!おい!」
スネーク「くそ、やられたか・・・」
395:
『ザザ・・・ザザザザ・・・ガガ・・・』
『ふふ・・・くふふふ・・・』
スネーク「!?」
『どんどん死んでいくわよ・・・あなた達の子狐達が・・・』
スネーク「(ロザリタ・チスロネス!)」
『この森の全ての狐の皮を剥ぐまで・・・狩りは終わらない・・・』
『貴方の獲物は・・・「デスキマ」の手の内にある・・・』
スネーク「デスキマ・・・コロンビアに伝わる断罪の義賊・・・」
オタコン「まさか彼女、シェン・ヤンの元へ先回りして!」
スネーク「さっきのPMCは俺を止める陽動だった・・・?」
オタコン「PMCと組んだのか!?一体どうやって・・・」
スネーク「誰かが手引きしたんだ。奴一人でわかるはずがない」
オタコン「スネーク、まずいよ!」
スネーク「わかってる。おい、ロザリタ!」
『・・・どちら様でしょうか』ザザ
スネーク「俺だ。お前に借りを返しに来た」
『ああ、あの時の・・・』ザサ
スネーク「俺はお前を止めに来た。ガルシアもここにいる」
『・・・』ザザ
スネーク「狩りを続けたければまず俺を倒してからにしたらどうだ」
『・・・』ザザ
スネーク「おい、答えろ!」
『・・・』ザザ
『 お 断 り で す 』
パァン!
396:
スネーク「 ! くそ!猟犬め・・・」
『あなたに用はありません・・・御用がおありでしたらあなたの方が・・・お越しになられれば如何でしょう・・・』ザザ
スネーク「・・・わかった。今から君の元へ向かおう」
スネーク「だから米兵を襲うのはやめろ!」
『・・・・あなたに何の権限が・・・先ほどから・・・失礼ではないでしょうか』ザザ
『・・・無礼な輩にこれ以上かける言葉はありません・・・ですので・・・最後に一言だけ』ザザ
『 止 め れ る モ ノ な ら 止 め て 見 ろ 』゙
パァン!
『ザザーーーーーーー・・・』
スネーク「・・・屈辱だ。奴にとって俺は眼中にないらしい」
オタコン「振り向かせてやればイイじゃない」
スネーク「ああ、飛び切りの口説き文句で奴のハートを射止めてやろう」
オタコン「スネーク、猟犬は動きだした。米兵と言えど彼女の戦闘能力には適わないだろう」
オタコン「これ以上被害が出る前に、一刻も早く追いついてくれ!」
スネーク「了解。これより「猟犬」狩りを開始する!」プツン
397:
キャクストン「ベネット!兵員をつれて側面に回り込め!」
キャクストン「サンチェス上級軍曹とボウマン伍長が狙撃援護につく!」
キャクストン「それまで持ちこたえろ!」
パァン!
レイ「!」
『 ぐ あ あ あ あ あ あ ! ! 』
レイ「また一人・・・クソ!」
ガルシア「・・・」
キャクストン「サンチェス、ボウマン!所定位置についたか!」
『少佐!エコー分隊の遺体を確認!もう捕獲は無理です!』
『反撃の許可を!』
レイ「シェーン!」
キャクストン「・・・」タラ
レイ「もう状況は限界だ!俺達は奴を舐めてた!」
『少佐!反撃の許可を!』
ガルシア「・・・」
パァン!
レイ「・・・また!」
398:
『少佐!指示を!反撃か、突入か、指示を!』
ファビオラ「」ジャキ
アルファ分隊「!」ジャキ
ファビオラ「・・・最後までやってもらうよ」
ファビオラ「『正義の味方』だろ?」
キャクストン「・・・」タラ
スネーク「こちらスネーク!キャクストン!応答しろ!」
レイ「オヤジさん・・・!」
キャクストン「スネーク!私だ」
スネーク「やっと繋がったか・・・猟犬に襲われているようだな。状況はどうだ!」
キャクストン「最悪の状況だ・・・部下が次々とやられている」
スネーク「今奴を追っている所だ!なんとか持ちこたえろ!」
キャクストン「ああ・・・」
ファビオラ「心強い味方がいて得したね」
ガルシア「これであなた方はまだ舞台を降りれない・・・」
キャクストン「・・・」
399:
スネーク「キャクストン、聞け。シェン・ヤンは猟犬の手中にある」
キャクストン「なんだって!?」
スネーク「小屋の中に縛り付けられて、周りにはクレイモアが大量に置かれていた」
スネーク「発見直後に例のPMCに襲われた」
キャクストン「・・・!」
スネーク「奴は時間制限を設けたんだ。お前らが、後戻りできないように!」
キャクストン「・・・」
スネーク「部下を引き上げさせろ!このままでは猟犬に狩られるだけだ!」
キャクストン「・・・」チラ
ファビオラ「」ジャキ
キャクストン「・・・わかった。一旦引かせる」
キャクストン「スネーク、彼女を・・・頼めるか」
スネーク「ああ、任せろ」
キャクストン「恩に着る・・・」
ダダダダダッ!
スネーク「新しい死体が増えた・・・奴は近い!」
パァン!
スネーク「銃声!かなり近いぞ!」
「ぐああああああああ!!」
スネーク「!」
ザザッ
スネーク「あそこか!」
400:
ボウマン「」
サンチェス「ハァ・・・ハァ・・・」
ガササササササ!
サンチェス「どこだ・・・どこにいやがる・・・」ハァハァ
『サンチェス上等軍曹!よせ!RPに戻れ!』
ガササササササ!
ガサッ!
サンチェス「う・・」
サンチェス「 あ あ あ あ あ あ あ ! ! 」ジャキ
スネーク「あれは・・・!」
サンチェス「あああああああああ!!!」ガガガガガガガ
スネーク「よせ!取り乱すな!」
サンチェス「あああああああああ!!!」ガガガガガガガ
 パ ァ ン !
サンチェス「」ガク
401:
スネーク「おい!しっかりしろ!」ガバッ!
サンチェス「」
スネーク「間に合わなかった・・・くそ!」
ガサッ ガサッ ガサッ
スネーク「いるな・・・」ジャキ
木々が揺らぎ葉音が連続して鳴り響く
スネーク「・・・」
ガササッ! ガサッ! ガサッ!
ガサササササササ!
スネーク「!」バッ
 パ ァ ン ! 
スネーク「くっ」ザザザ
スネーク「上か!」ジャキ
ガガガガガガ!
バキバキバキッ
ロベルタ「!?」バキィ
スネークの銃撃により足場にしていた枝が折れる
ドン!
ロベルタ「・・・」
木宿宿とは違い、女中の姿を見せる猟犬がそこにいた
402:
ロベルタ「・・・」
スネーク「君の言いつけどおりこちらから出向いた」ジャキ
ロベルタ「・・・」
スネーク「それが本来の姿か」
ロベルタ「・・・」
スネーク「その服装は戦場には似合わない。君には、君の帰る場所があるはずだ」
ロベルタ「・・・」
スネーク「戦いは君の勝ちだ・・・部隊にはもうほとんど兵は残っていない」
ロベルタ「・・・で?」
スネーク「もう十分だろう!君にとっては最良の結果なはずだ!」
ロベルタ「笑わせないで・・・お前たちの様な者を消し去るのが・・・私にとっての最良よ」
スネーク「その先に何がある。血に塗れた体で、農園に戻れるとでも?」
ロベルタ「・・・若様は私の帰りを荘園でお待ちです」
スネーク「違う!ガルシアはここにいる!」
ロベルタ「蘭の咲き乱れるあの屋敷で・・・嗚呼、早く帰ってコーヒーをお持ちしないと・・・」
オタコン「スネークだめだ!話が通じる状態じゃない!」
ロベルタ「血に塗れたこの体を・・・一刻も早く浄化しなくては・・・」
スネーク「!?」
ロベルタ「魂を浄化できるのは・・・蛇の血・・・のみ」
スネーク「何を言っている!?」
ロベルタ「はやく穢れた体をろ過して・・・若様の元へ帰らないと・・・」
スネーク「(ダメかっ・・・!)
ロベルタ「ふふ、ふふふふふ」
ロベルタ「 ふ ふ ふ ふ ふ ふ ふ ふ 」ズザ
オタコン「スネーク!くるぞ!」
スネーク「!」ジャキ
ロベルタ「私は・・・お前たちを・・・」
ロベルタ「 許 さ な い ! 」
スネーク「(くる・・・!)」
【BOSS】ロザリタ・チスロネス(2戦目)
408:
ロベルタ「」ジャキ
スネーク「(二丁拳銃!)」
ドドゥ!
スネーク「くっ!」サッ
ドドゥ! ドドゥ! ドドゥ!
スネーク「今度は準備万端という訳か」サッ
 ザ ザ ザ ザ ザ ザ 
スネーク「!」
ガシィ!
スネーク「!」
ロベルタ「捕まえた・・・」ギリギリ
猟犬は草むらを利用し、視界に入らぬようスネークに近づき、そして捕えた
スネーク「い・・・!」
ロベルタ「」ジャキ
スネーク「(ゼロ距離射撃!)」
パシッ ドドゥ!
ロベルタ「!」
猟犬の放った銃撃はスネークの機転により両手を掴まれ銃身を外へ向けられる
スネーク「ちぃえぇりゃあ!」
ロベルタ「ちっ」グオン
グルンッ
そしてそのまま投げを試みるが、猟犬は前転で投げを回避する
スネーク「抜けられた!」
ロベルタ「ギッ!」シャッ
ロベルタの鋭い蹴りがスネークに突き刺さる
スネーク「ぐはぁ!」
ロベルタ「」シャシャシャ
スネーク「待て!」
ザザザザザッ!
409:
シーーーーン・・・
再び辺りが静寂に包まれる
スネーク「どこへ行った・・・!」
姿は見えずとも、木々の擦れる音がロベルタの位置を示している
ガサッ バサッ ガサッ
スネーク「上か!」
ドドゥ!
スネーク「くっ」バッ
頭上から猟犬の銃撃が襲う
オタコン「スネーク!奴は木の間を飛び回っている!」
スネーク「まるでムササビだな・・・」チュンチュン
ガサササッ バサッ
スネーク「むん!」
ガガ! ガガガ! ガガガガガ!
スネークの応戦も虚しく銃弾は空を切る
ロベルタ「ふふ、ふふふ」
ロベルタ「ダメよ蛇さん、ちゃんと狙わないと」
ロベルタ「はやくなんとかしないと・・・貴方が食べられちゃうわ」ジャキ
スネーク「まずい!」サッ
咄嗟に身の危険を察し木に身を隠すスネーク

 パ ァ ン !
410:
スネーク「うがああ!」
猟犬の放つ銃弾は木を貫通し、そのままスネークの脇腹をかすめた
スネーク「なんだと・・・!?一体どうなっている!」
ドドゥ! ドドゥ! ドドゥ!
スネーク「くっ」
猟犬の銃撃に追いつかず、逃げ纏うしかできないスネーク
スネーク「ダメだオタコン、奴が視認できない!」
オタコン「暗い木々の中を飛び回っているんだ・・・スネーク、ゴーグルを使え!」
スネーク「くっ・・・」カシャ
サーマルゴーグルを装備し、辺りを見回す
ロベルタ「」ジャキ
スネーク「いた!!」ガガガガガ
ロベルタ「」バッ
スネークの銃撃が虚しく空を切る
スネーク「これもダメか・・・ハッ!」
 パ ァ ン !
スネーク「!」プスプスプス
先ほど同様、ロベルタの放った弾丸は確かに木を貫通している
スネーク「くっ、わからん!奴は一体何を撃っている!」
オタコン「対物ライフルの類じゃないか!?」
スネーク「いいや、それにしては音が軽い。あれだけ飛び跳ねれば音が・・・」
 ザ ザ ザ ザ ザ ザ
411:
スネーク「!」
ロベルタ「シャアアアアアアアア!」ドゥドゥドゥ!
猟犬が拳銃を撃ちながら走り寄ってくる
スネーク「ぬお!」
ロベルタ「」バッ
大きく跳ねた猟犬が頭上からスネークを狙う
ドドゥ! ドドゥ! ドドゥ!
スネーク「ぬおおおお!」バッ
必死の回避行動がスネークの体制を崩す
スネーク「まずい!」ガク
パシッ シュルルルル スコン!
スネーク「(何をしている!?)」
 パ ァ ン !
プスプスプス・・・
猟犬の放った弾をある反応で躱し、反撃に転じる
スネーク「ぬおおおおお!」ガガガガガガ
ロベルタ「!」
ガサササササ チュンチュンチュン!
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」ジャキ
ザワザワザワザワ・・・
412:
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・」
スネーク「奴め・・・どこに!」
ロベルタ「」バッ
スネーク「がっ!」
スネークの警戒も虚しく、猟犬は蛇の真上に忍び寄り、絞首刑の如く脚部で首を絡め取る
スネーク「ぐ・・・」ジタバタ
ロベルタの強靭な脚力が次第にスネークの体を浮かす
スネーク「がは・・・う・・・」ジタバタ
ロベルタ「絞首刑は・・・いかがです・・・?」ググ
スネーク「オ・・・オ・・・」スチャ
スネーク「ぬおぁあ!」ズバ
スタンナイフの刃先が猟犬の脹脛を掠める
ロベルタ「ッ!」バッ
スネーク「かはぁ!」ドサ
ロベルタ「ちぃ・・・」
ガサササササ
ロベルタは再び葉音を立てながら去っていく
パシッ シュルルルル スコン!
スネーク「(またこの音!)」
ロベルタ「」ジャキ
 パ ァ ン !
413:
スネーク「くっ!」バッ
ロベルタ「(躱された・・・?)」
自身の銃撃を幾度も躱された事に疑問を感じた猟犬は、本能的に聞きを感じ遠ざかっていく
ザザザザザザッ!
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・オタコン・・・!」
オタコン「スネーク、無事か!」
スネーク「なんとかな・・・奴に絞首刑にされそうになったが」
スネーク「だがおかげで奴の得物が分かった」
オタコン「なんだって!」
スネーク「マスケットだ・・・奴はマスケットで狩りに来た」
オタコン「マスケット!?飛んでもない骨董品じゃないか!」
スネーク「奴に絞められた時に一瞬見えた・・・間違いない」
スネーク「あの辺り一面に突き刺さっていた棒切れ・・・それで合点がいった」
オタコン「朔上か!」
スネーク「ああ、マスケット銃は構造が簡単だ。その為火薬さえあればどんな物でも弾丸にできる利点がある」
オタコン「しかし相当な年代物だ・・・専用の火薬が・・・ハッ!」
スネーク「あの発破屋か!」
オタコン「奴め・・・狂っているようで実に冷静だね」
スネーク「猟犬の面目躍如と言った所だな」
 ザ ザ ザ ザ ザ ザ !
スネーク「!」
 パ ァ ン !
スネーク「くっ」ササッ
一息つく間もなく猟犬が次の攻勢いに打って出る
414:
ズザザザザザ!
猟犬がスネークに再び接近を試みる
スネーク「!」
ロベルタ「」ジャキ
ドドゥ!
スネーク「ぐあぁ!」
ロベルタ「(当たったはず・・・)」
スネーク「・・・ちぇい!」バッ
ロベルタ「!」
スネークの三連撃がロベルタを襲う
ロベルタ「くっ」
スネーク「ハッハッちぇりゃあ!」ブオン!
バキィ!
ロベルタ「がぁっ!」ドサ
地に伏せる猟犬に対しすかさずM870に持ち変える
スネーク「」ガチャコン
ロベルタ「ぐ!」バッ
 ズ ド ォ ン !
スネーク「かわされた!」
ドドゥ!
スネーク「くっ」サッ
互いの銃撃と怒気が混じり合った荒い葉音が辺りに響く
スネーク「やはりこの貫通性能・・・奴め、マスケットに何か細工したな?」
オタコン「米軍の防弾ベストを貫くくらいだ・・・AP弾か何かか・・・」
スネーク「俺の勘ではフレシェット弾だ。マスケット銃で防弾ベストを貫くならあれしかない」
オタコン「フレシェット弾か!確かに、構造上は可能だけど・・・」
オタコン「そもそもマスケット銃自体が旧世代の物だ。いくら弾丸を選ばないからと言っても、ライフリングもまともにないんだ」
オタコン「精度は通常のライフルより遥に劣るはずだ・・・」
スネーク「弘法は筆を選ばず。って奴だな。昔メイリンに教えてもらったことわざだ」
オタコン「つくづく、化け物染みてるね・・・」
スネーク「敵の出方は大体把握した。これより、反撃に移る!」
オタコン「死ぬなよ、スネーク!」
415:
ザワザワザワザワ・・・
スネーク「・・・」ジャキ
薄暗い密林の中、身を隠しながらゆっくり、確実にと歩を進めるスネーク
スネーク「・・・」ササッ
ザワザワザワザワ・・・ ガサッ
スネーク「!」
ドドゥ! ドドゥ!
スネーク「(来た!)」
ガサササササ!
ドドゥ! ドドゥ! ドドゥ!
スネーク「奴め、また木の上から・・・」
ガガッ! ガガッ! ガガッ!
スネークの銃撃は空を切り続ける
ガササササ・・・バサッ!
パシッ シュルルルル 
スネーク「(この音!)」
スコン!
スネーク「(今だ!)」バッ
スネークはとある確信を元に行動を開始する
スネーク「ぬおおおおおお!」ガチャン
416:
猟犬がマスケットを込めようと降りてきた所を狙い
ロベルタ「!」
走り寄るスネークが放ったのは
スネーク「おおおおおお!」
ボッ
ロベルタ「(グレネード!)」
ズドォォォォン!
ロベルタ「アアアアア”!」ザザ
ロベルタ「ぎぎっ!」スタ!
爆風に飛ばされた体を即座に整えた猟犬が見た物は
スネーク「おおおおおお!」ダダタッ
ロベルタ「くっ」ジャキ
ロベルタ「ハッ!」
グレネードで焼き払われた朔上の破片であった
スネーク「おおおおおおお!」ガシャコン
ロベルタ「くっ!」ジャキ
マスケットは使用不可と判断し、即座に拳銃に持ち替えるが
スネーク「遅い!」ジャキ
ロベルタ「?????!」
 ズ ド ォ ン ! 
ロベルタ「カッ・・・」メキィ
ゴムの散弾が猟犬に直撃した
425:
ロベルタ「ガハァッッ!」ドン
スネーク「もう一発!」ガチャコン
ロベルタ「ギィ・・・」ジャキ
スネーク「!」
トドメを刺そうと再び銃を構えるスネークに、猟犬の銃が火を噴く
スネーク「ぐあっ」サッ
スネーク「(まだ動けるのか!)」
ロベルタ「アガ・・・グフッ!!」ドサ
猟犬の口から鮮血が噴き出る
スネーク「だが無事では済まないだろう。直撃だ」
ロベルタ「ハァ・・・ハァ・・・」ペッ
ザッ!
スネーク「逃がさん!」ダッ
ダダダダダッ!
ザザザザザッ!
スネーク「あの体でどこへ・・・」
シーーーーーーーーーーーーン・・・
スネーク「!」
側面の枝から両膝が飛び出してくる
スネーク「ぐあっ!」ドサ
ロベルタ「ハァーーー、ハァーーーー」ジャキ
スネーク「させるか・・・むん!」
猟犬の拳銃を脚で払い落とす
ロベルタ「!」
スネーク「ちぇりゃあ!」
激しい体術の攻防が始まる
426:
ビシ バシ パシ ガシ ササッ バシ
スネーク「ハァ・・ハァ・・」
ロベルタ「ハァーー・・ハァーーー・・」ゴフッ
ザザッ!
スネーく「むん!」 
ロベルタ「しゃあ!」
お互いがお互いの攻撃を捌き合い、有効打が当たらない状況が続く
スネーク「(なんてタフな女だ・・・)」
ロベルタ「????」カァァ
 ペ ッ !
スネーク「ぐっ」ビチャ
スネーク「(まずい、視界が・・・!)」
ロベルタ「シャアアアアアア!」
スネーク「 ご は ぁ ! 」
赤い吐しゃ物に視界を奪われたスネークに鉄拳が突き刺さる
ロベルタ「・・・!?」ググ
スネーク「」ニヤ
スネークの手に猟犬の腕が収まる
ガバッ グキ グググ
スネーク「むん!」
ロベルタ「ぎっ!」
そして拘束された猟犬は身動きを取れなくなった
427:
スネーク「いい加減にしろ・・・そろそろガルシアの所へ帰ったらどうだ・・・」グググ
ロベルタ「???」ブツブツ
スネーク「・・・?」
ロベルタ「川西能勢口絹延橋滝山鶯の森・・・」ブツブツ
ボキ
スネーク「???!」
鈍い音を立てスネークの指があらぬ方向へと向いている
ガン! ガン! ガン!
スネーク「ぐあっ!」
猟犬の頭突きがスネークの拘束を解かせる
ロベルタ「シャアアアアア!」ブオン!
解き放たれた猟犬の回し蹴りがスネークのこめかみに当たる
スネーク「 ぐ は ぁ ! 」ドサ
ロベルタ「ハァーー・・・ハァーーー・・・」
シュルルルルル スコン!
スネーク「まずい・・・」ピン
428:
ロベルタ「!」ジャキ
マスケット銃を再び向ける猟犬に
ボンッ
シュウウウウウウウウウウ!
ロベルタ「(煙・・・!)」
スモークグレーネードを放ち、煙に乗じてもう一撃加えようとするが
ガチャコンッ
ロベルタ「!」
ズドォォン!
パラパラパラ・・・
スネーク「当たったか!?」
煙の立ち込める中、スネークが見た物は
シュウウウウ・・・
ブォッ!
スネーク「!」
ロベルタ「」ガシ
M870の銃身を脇に抱えたロベルタがそこにいた
ロベルタ「 シ ャ ア ア ア ア ア ! ! 」
力む猟犬をその目に捉えながら
スネーク「 お お お お お お お ! ? 」
スネークの体は銃身毎、空を舞った
429:
ズザザザザザ! ドォォン!
スネーク「うぐ・・・」
オタコン「スネーク!応答しろ!スネーク!」
スネーク「オタコン・・・なんとか無事だ・・・」
オタコン「スネーク!よかった・・・」
スネーク「しかし、グフッ・・・奴は不死身か・・・?」
オタコン「僕も信じられないよ。生身であそこまでやる人間がいるなんて・・・」
スネーク「CQCも効かない。ショットガンの直撃も耐えた」
スネーク「これ以上どうしろと・・・ガハッ!」
オタコン「弱音を吐くな!スネーク!」
スネーク「歳を取ると愚痴っぽくなっていかんな・・・しかし、どうにもならんのも事実だ」
オタコン「役立つかどうかはわからないがスネーク、マスケット銃について情報がある」
オタコン「あのマスケットは・・・ラブレス家の物だ」
スネーク「なんだと!」
オタコン「こちらで調べてみたんだ。スネーク、初代ラブレスがアメリカ大陸に上陸した時に仕様した物みたいだ」
スネーク「何百年前の話しだそりゃ・・・」
オタコン「家宝として飾ってあったようだね。それをわざわざ持ち出したと言う事は・・・」
スネーク「主君への忠誠心か・・・」
オタコン「厄介だよスネーク。彼女を支えているのは「猟犬の本能」だ」
スネーク「歪んだ忠誠心だ・・・体も、心もボロボロにしてまでする事じゃない」
スネーク「ましてやガルシアを残して・・・グフッ」
オタコン「彼女がやっているのはまるでカミカゼ特攻だ。仮にここを凌いでも、いつまでも長持ちする物ではないよ・・・」
スネーク「カミカゼ特攻か・・・奴がそう来るなら、こちらも」
オタコン「ちょっと待ってスネーク!?どうするつもりだい!?」
スネーク「目には目をだ。オタコン」
オタコン「待ってスネーク!スネーク!」
スネーク「任務に戻る!」プツン
430:
キャクストン「こちらアルファ!誰か!誰でもいい、応答しろ!」
キャクストン「だれか!誰か生き残っている者はいないか!」
ガルシア「・・・」
レイ「オヤジさんは!」
キャクストン「連絡が取れない・・・先刻から続く銃撃音、もしや・・・!」
レイ「そんな・・・伝説の英雄が!?」
ファビオラ「」ジャキ
ホーナー「ああ、頼む坊や、やめさせてくれ」ジャキ
バロウズ「もう十分だろう!?仲間が死んじまう!」ジャキ
ガルシア「・・・まだです」
ガルシア「まだ彼女はここまでたどり着いていない」
キャクストン「・・・」
ダッチ「・・・」
レヴィ「ちっ盛り上がりに欠ける。さっさと殺し合え」ザザ
レイ「シェーン!もう作戦続行は無理だ!」
レイ「 シ ェ ー ン ! 」
キャクストン「(スネーク・・・!)」
431:
ロベルタ「?」フラフラ
枝を弱弱しく踏みつけ歩を進める音が鳴る
ロベルタ「???」ブツブツ
ガガガガガ! ガガガガ!
ロベルタ「!」シャ!
ロベルタ「・・・?」
猟犬の視界の先には
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・」
スネーク「むん!」
ガガガガガ! ガガガガガガ!
ニ マ ァ
ロベルタ「シャアアアアアアア!!!」ダッ
スネークを見つけるや否や嬉々として動き出す
スネーク「くっ」バッ
ガガガガガ!ガガガガガ!
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・」バッ
ロベルタ「ニげないで・・・らくにコロしてあげるから・・・」
432:
スネーク「くっ!」ジャキ
ガガガガガ! ガガガガガ!
ロベルタ「」サッ
ジャキ
 パ ァ ン !
スネーク「うぐっ!」チュン
スネーク「奴め・・・ボロボロになりながら尚も精度が上がっている・・・」
ガガガガガ! ガガガガガ!
パ ァ ン パ ァ ン パ ァ ン !
スネーク「むん!」ガガガガガガ!
ロベルタ「はぁぁ・・・」チュンチュンチュン
銃撃を挟みながら逃げ続けるスネークに
ロベルタ「」バッ
スネーク「!」
ダンッ!
頭上より跳んできた猟犬が立ちふさがる
ロベルタ「おいカけっこは もうヲわり?」
433:
スネーク「く・・・」
スネーク「ちぃえりゃあ!」ブオン
スネークの拳が易々と受け止められる
ロベルタ「」パシ
ロベルタ「シャアアアアアア!」
バキィ!
スネーク「 ぐ は ぁ ! 」ドサ
ロベルタ「デわそろそロ」
ロベルタ「天使をヨんデ アゲましょウ」ジャキ
マスケット銃の先がスネークに向けられる
スネーク「(これだ!)」
ロベルタ「」ニマァ
ロベルタが引き金を引くと同時に
スネーク「」ガバッ
 パ ァ ン !
スネーク「 ぐ あ あ っ ! 」
ロベルタ「・・・!?」
スネークは銃口を自らの肩に押しつけた
ロベルタ「???????????」
スネークの不可解な行動に混乱する猟犬に
スネーク「」グアッ
ガシッ パシッ
スネーク「ちぃえりゃぁあ!」
スネークの一本背負いが猟犬を貫く
434:
ズドン!
ロベルタ「がはっ!」
ロベルタ「」ギュルルルル スタ
ロベルタ「ぐぅ・・・」ジャキ
スネーク「朔上を探してもムダだ・・・」
ロベルタ「!?」
辺りのマスケットの朔上が全て粉々に砕かれている
スネーク「悪いが、辺りの朔上は破壊させてもらった」
スネーク「俺が闇雲に逃げ回っていると思ったか・・・?」
ロベルタ「ぎ・・・」ピキ
ロベルタ「がああああああああ!!」
肉弾戦を仕掛ける猟犬に
スネーク「(きた!)」ガバッ
スネークは何かを手に掲げ、目を瞑った
ロベルタ「!?」
 パ ァ ン !
キィーーーーーンーーーー・・・・
ロベルタ「ア”????????!」
スネーク「あぐ・・・」キーン
435:
キィーーーーー・・・ン・・・ グワァ・・・
オタコン「スネーク!自分ごとスタンを浴びせたのかい!?」
スネーク「ああ、こうでもしないと奴は止まらん・・・」
オタコン「しかしそれでは君まで!」
スネーク「ああ、地面がぐらついている・・・」フラ
ロベルタ「アぎ・・・」フラ
スネーク「これは・・・奴と俺の根競べだ・・・」
オタコン「スネーク!耐えろ!耐えるんだ!」
スタングレネードを至近距離で浴び、フラつく二人
スネーク「う・・おおっ」フラ
ロベルタ「ギ・・・」フラ
オタコン「スネーク!がんばれ!スネーーーーク!」
スネーク「う・・・おおおおおお!!!」
436:
ドサッ
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・」
猟犬に覆いかぶさるスネーク
ロベルタ「!」ジタバタ
もがく猟犬に
スネーク「ハァ・・ハァ・・・」
スネーク「むん!」
ザクッ!
ロベルタ「!?」
猟犬の手を握り、「自分ごと」スタンナイフを突き立てる
スネーク「これでお前は逃げられない・・・」ゼエゼエ
ロベルタ「!?!?!?!?!?」
スネーク「行くぞ・・・」
カチッ
バリバリバリバリバリ
437:
スネーク「ぬおおおおおおおおおおおお!!!!」
ロベルタ「がああああああああああああ!!!!」
プスプスプス・・・
スネーク「まだまだいくぞ・・・」
ロベルタ「?????!」
カチッ
バリバリバリバリバリ
スネーク「ぬおおおおおおおおおおおお!!!!」
ロベルタ「がああああああああああああ!!!!」
オタコン「スネーク!後少しだ!スネェェェェェク!!!!」
ぬおおおおおおお・・・
があああああああ・・・
バリバリバリ・・・
カチ・・・
ぉぉぉ・・・
ぁぁぁ・・・
ーー・・・
438:
キャクストン「叫び声が・・・聞こえなくなった」
レイ「オヤジさんがやったのか!?」
ガルシア「・・・」
ファビオラ「・・・」
ザ・・・ザ・・・ザ・・
ホーナー「少佐!あれは・・・」
キャクストン達の前に弱弱しく歩いてくる人影が一人
キャクストン「スネーク・・・スネークなのか!?」
レイ「オヤジさん!」
フラ・・・フラ・・・
レイ「まずい!彼は重傷だ!」
ホーナー「ご老体でよくぞここまで・・・」
バロウズ「少佐!自分が迎えに行ってきます!」ダッ
レイ「助かった・・・のか・・・」
ダダダダダッ
バロウズ「おーい!スネ???ク!」
バロウズ「だいじょうぶか(ry
ガシッ
ロベルタ「」
ゴキッ・・・!
439:
米軍「!!」
バロウズ「」ドサ
ロベルタ「」ザ・・・ザ・・・
ホーナー「ぱ、パッケージR・・・」
レイ「ウソだろ!?オヤジさんはどうした!!」
キャクストン「スネークは・・・」
キャクストン「 ス ネ ー ク は ど う し た ぁ ! ! 」
ロベルタ「・・・」
猟犬は人差し指と中指を立て、首元に当てた。そして
ロベルタ「」クイ
米軍「!!」
レイ「そ・・・んな・・・」
ホーナー「う、うそだ・・・」
キャクストン「・・・」グッ
オタコン「スネーク!立て!スネーク!」
オタコン「 ス ネ ェ ェ ェ ェ ェ ク ! ! ! 」
スネーク「」
451:
スネーク「・・・」
 見ていられないな スネーク
スネーク「誰だ!?」
 歳を取ったな。あの時よりも
スネーク「お前は・・・」
 あの猟犬は・・・かつての俺と同じだ
スネーク「フォックス!グレイ・フォックスか!?」
 名前などない。ファンの一人だよ
スネーク「何故ここに!?」
 無様なお前の姿を見せられて、せっかく助けてやった甲斐がないと嘆いているだけだ
スネーク「・・・」
 あの猟犬に随分手こずっているようだな
スネーク「あれは化け物だ・・・手に追えん」
 諦めるのか?
スネーク「そういうわけではない。しかし、もう手が・・・」
 あの女も・・・戦っている
スネーク「誰とだ?」
 血に塗れた自分・・・お前にも覚えはあるだろう
スネーク「・・・」
 あの女は兵士として育てられた。その中で形成されたジャッカルが平穏な暮らしを拒否するのだ
 いくら主を変えた所で、己の本能には逆らえまい
スネーク「・・・かつての自分とダブったか?」
 そうかもな。あれと俺は似ている。
 どこへ行こうと、結局は戦場に戻ってくる・・・俺達はそういう風にできている
452:
スネーク「・・・」
 ジャッカルとしての本能、ロザリタとラブレスの女中、ロベルタ。果たしてどちらが勝つか・・・
 いや、もう勝負は見えているな。あれはもはやただの『獣』だ
スネーク「俺達は政府や誰かの道具じゃない」
 そうだ。俺達はいつも、自分の意志で戦ってきた
 あの女は自分がなんで戦っているのか、それがわからないだけだ
スネーク「猟犬の中のメイドに、目覚めてもらうとでも?」
 本能のままに血を貪った結果、僅かながら芽生えて消えた後悔、懺悔、罪悪感
 
 それがあの平穏の中で、一気に膨らみ、そして爆発した
 あの女を縛り付けているのは俺ではない。あいつ自身だ
スネーク「・・・」
 薬物と血で押さえつけたのは自分自身、皮肉な物だ
スネーク「俺が解放しろと言うのか」
 ヒントはここまでだ。後は自分で考えるといい
 正真正銘、ディープスロート最後のプレゼントだ
スネーク「・・・」
prrrrrrrr prrrrrr
 ほら、目覚ましが鳴っている。そろそろ起きる時間だ
スネーク「・・・フォックス」
スネーク「ありがとう」
453:
ザッザッザッザッザ・・・
ロベルタ「 」
レイ「おいシェーン・・・くるぞ」
キャクストン「・・・」
ガルシア「 」ス
キャクストン「おい、少年!」
ロベルタ「!」
ガルシア「・・・」
うすら寒い風が吹き荒れる中、かつての主と女中はお互い対峙し合う
ロベルタ「若・・・様?」
ガルシア「やっと追いついたよ。本当に、やっと・・・」
ロベルタ「あなたは・・・本当に若様なの?私にはわからないの」
ロベルタ「あなたが本当にいるのかどうか・・・フフ。おかしいでしょ?」
ロベルタ「あの日以来、生きているべき人間が死に、死んだ人間が語りかけてくるんです」
ロベルタ「時間ももう、曖昧で・・・」
ロベルタ「私自身、生きているのか、死んでいるのか・・・何が何だかもうわからなくなってしまっているんです」
ロベルタ「で、でも若様、これが終わればお屋敷に帰れます。あのカナイマの咲くお屋敷に・・・」
ガルシア「ロベルタ」
ガルシア「君の問いに答える事もできる。君の間違いも正すこともできる。でも」
ガルシア「本当はそんな事、どうでもイイ事だったんだ」
ギリッ!
ロベルタ「どうでも・・・どうでもよくなんかないわ!」
ロベルタ「貴方のお父さんが殺されたのよ!?私達の暮らしを奪ったのよ!?」
ロベルタ「貴方を苦しませて、私から何もかも奪おうとしたわ」
ロベルタ「許せない・・・許せないわ・・・!」
ロベルタ「だから若様、お願いですからただ一言」
ロベルタ「誅せよとおっしゃって。そうすれば今すぐにでも私は・・・」
ガルシア「君に始めさせたのは彼だ。そして終わらせるのも・・・」
ジャキ
ガルシア「彼だよ」
ド ン !
シュウウウウウウ・・・
キャクストン「ぐあああああ!!」ドサ
454:
ロベルタ「あ・・・あ・・・」
ロベルタ「ああああああああああ!ダメ!それはダメなのに!!」
ロベルタ「なんてこと!嗚呼、なんて事を!」
ロベルタ「わ、わたしが・・・それは。わたしがやらなければならない事なのに!!」
ガルシア「ロベルタ違うよ。君が誰を罰しようと・・・」
ガルシア「君の罪は諍えない」
ガルシア「何も終わらないしすべてはもう終わってしまったんだ」
ロベルタ「お、おお、お前は若様じゃない!!若様はそんな事言わない!!」
ロベルタ「アア・・・」カタカタ
ガルシア「ですよね。セニョール・・・」
ロベルタ「!?」ガバッ!
不意に向けた猟犬の視線の先にいた物は
スネーク「・・・」ザ
455:
スネーク「ガルシア・・・」
キャクストン「ス、スネーク・・・」ガハッ
ロベルタ「あいつ!?どうして!?今度こそ息の根を止めたはずなのに!?」
ガルシア「彼は蛇だ。一度絡まるとどこまでも追ってくる」
ロベルタ「ッ!?」
(あれは「蛇」よ。いちど絡まると、しつこいわよ?)
ロベルタ「????!」ギリ
スネーク「それが君の出した答えか・・・」
ガルシア「はい」
スネーク「・・・」シュポ
ロベルタ「なんなのお前は!?何回殺せば死ぬの!!?」
スネーク「悪いが、俺にはまだやらねばならない事がある」
スネーク「ここで死ぬわけにはいかない」フー
ロベルタ「 あ あ あ あ あ あ あ あ ! ! 」
オタコン「スネーク・・・」
スネーク「オタコン、心配をかけた」
オタコン「よく起きれたね。もうあの世へ行ってしまったのかと思ったよ」
スネーク「俺もそのつもりだったがな。とある奴に引き戻された」
オタコン「えっだれ?」
スネーク「古い友人さ」
オタコン「なんにせよ、よかったよ・・・」
456:
スネーク「さて、仕上げが残っている。ご丁寧に若様が舞台を用意してくれた」
オタコン「断っては失礼だね」
スネーク「ああ。これでも社交は弁えているつもりだ」
オタコン「・・・ガルシアは、何を考えているんだろう」
スネーク「自分を人質にしたのさ」
オタコン「え?」
スネーク「ガルシアが米兵を殺してしまったら、ガルシアはアメリカから大罪人として狙われる事になる」
スネーク「回避するには俺がキャクストンを助けるしかない。しかし行方を阻むのは」
オタコン「猟犬・・・」
スネーク「彼は賭けたんだ。自分自身を。猟犬と一緒の罪を被る事で共に地獄に堕ちようとしている」
オタコン「・・・猟犬も黙っていないね」
スネーク「ああ、猟犬は罪は自分だけが被る物だと思っている」
スネーク「よく考えている・・・俺が猟犬を倒せばキャクストンは助かり、ガルシアも米兵殺しの汚名を免れる」
スネーク「しかし猟犬が勝てば・・・愛するメイドと同じ罪を被れるという訳だ」
スネーク「ガルシアに取ってはどっちに転んでも本望だろうな」
オタコン「狂気に満ちた主従関係だね・・・僕には理解できないよ」
スネーク「イカれた婦長様を元に戻すにはそれくらいやらないといけないと言うわけだ」
457:
ロベルタ「ああ・・・ダメ・・・それだけはダメ・・・」カタカタカタ
スネーク「相当動揺しているな・・・どう出る?猟犬」
ロベルタ「あう・・・・あうう・・・」ガクガク
スネーク「お互い、譲れない物があるな」ザ
ロベルタ「!?」
スネーク「キャクストンは致命傷じゃない。まだしばらく意識はある」
スネーク「くしないとあいつが死ぬぞ」
ロベルタ「・・・」
スネーク「やったのはお前じゃない。ガルシアが殺す事になるんだ」
スネーク「ガルシアも、お前と同じ、血で血を啜る化け物になるんだ」
ロベルタ「言うなァァァァァ!!それ以上言うと殺す・・・!」
スネーク「ガルシア、覚悟はできているんだな」
ガルシア「ええ」
スネーク「・・・いい目だ」
ロベルタ「殺してやる・・・殺してやるワお前・・・」ワナワナ
オタコン「スネーク!もう次はない・・・正真正銘最後だよ!」
スネーク「やはり最後は、いつもこうなるわけか」ス
オタコン「スネーク!がんばれ!」
ロベルタ「 シ ャ ア ア ア ア ア ア ! ! 」
スネーク「さあ、こい!」
【BOSS】ロザリタ・チスロネス(3戦目)
465:
スネーク「ぬおおおお!」
ロベルタ「キシャアアアア!」
夥しい拳打が二人の間を行き来する
スネーク「ぐあっ!」ドサ
ロベルタ「あぎっ!」ドサ
スネーク・ロベルタ「 あ あ あ あ あ ! 」
ガン! ゴリッ! ズゴッ! メキメキメキ・・・
スネーク「うぐっ!」
ロベルタ「ハァァ・・・」グググ
老人の白髪を鷲掴みにするロベルタに
ゴンッ!
ロベルタ「あああーーーッ!」
皺の混じった額が鼻の奥を貫いた
スネーク「う・・・おおッ!」
ガッ パシッ グッ
ロベルタ「!?」
ズドン!
ロベルタ「 」ギュルルル
幾度となく叩きつけられようと、ロベルタは力任せに起き上がってくる
ロベルタ「キシャーーーーーーーーー!」ブオン!
スネーク「(またか・・・!)」シュッ
バシッ! ガスッ! ガンッ! バキィッ! ゴンッ!
・・・・・・・・・・・・・
ポタ・・・ポタ・・・ポタ・・・
ベチャッ!
スネーク「おおおおお!」
ロベルタ「あああああーーーーーーーッ!」
いつしか二人の顔は、赤い鮮血に染まっていた
466:
バキィッ・・・・・・・!
スネーク「お・・・!」
ロベルタ「・・・ッ!」
ガク
スネーク「ぐっ!」ドサ
ロベルタ「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」フラフラ
スネーク「(ダ、ダメか・・・!)」
ザッ・・・・
スネーク「!?」
歩み寄るロベルタが差し出したのは
ロベルタ「・・・」
握りしめた拳ではなく、柔く開いた『手』であった
スネーク「・・・どういうつもりだ」
ロベルタ「生きてる実感がするの・・・」
スネーク「!?」
ロベルタ「この肉と肉のぶつかり合いが・・・私に生きる実感をくれる・・・」
スネーク「(こいつ・・・)」
ロベルタ「はやく私を・・・私に・・・生の充足を・・・」
ガシ
スネーク「ちえりぁぁぁぁ!」
ロベルタ「ギッ!」ズドン!
ロベルタ「ハァ・・・ハァ・・・」ニマァ
地に叩きつけられようとお構いなく立ち上がるロベルタ
しかし起き上がると同時にはひきつった笑みをうかべていた
スネーク「・・・」
ロベルタ「ああ・・・いい・・・」
シュシュシュッ! シュルルルル! シュバッ!
空に向かって空振りのような素振りを始めるロベルタ
その動きは先ほどよりもより一層鋭く、く、そして懐かしさを感じる動きを見せていた
スネーク「(フォックス・・・?)」
467:
(俺は死の囚人だ・・・お前だけが俺を解放してくれる)
スネーク「!?」
スネークの脳裏にかつての友が残した言葉が過る
ロベルタ「終わりにするなんていけないわ・・・」
ロベルタ「臓物を、血袋を、血涙の華を、もっと見せて頂ォ戴な・・・」
スネーク「(囚人・・・か・・・)」
(ここにはクレイモア地雷が仕掛けられている)
(敵でも味方でもない・・・)
(今だ!スティンガーを撃ちこめ!)
スネーク「・・・」
(無理やり蘇生させられたのよ。強化骨格と麻薬づけにされて)
(それから4年間、彼は死ぬことすら許されないまま、玩具のように弄ばれつづけた)
(兄は私の全てだった。私の存在を、私という個人を証明する唯一のより所だった)
スネーク「(そうだ・・・ナオミはフォックスの為に復讐を・・・)」
(ファンの・・・一人だよ・・・)
(そうだ!戦いの基本は格闘だ!)
ロベルタ「あがががががーーーーーーーッ!!」
スネーク「!?」
ロベルタ「もう・・・マデない・・・待ちきれナイ・・・」ヒューヒュー
ロベルタ「ア”ア”ア”ア”??????!」
(薬がァァァァァァ!)
スネーク「ハッ!」
その瞬間、ロベルタは動いた
468:
全員「スネーク!」
ガンッ!
スネーク「あぐっ!」
バキィ!
スネーク「ぐあっ!」
ゴスッ!
スネーク「うがああーーーー!」
ロベルタの乱打に防ぐことしかできないでいるスネーク
バキ! ガス! ゴス! ゴン! バシ! ガン!
ガキッ!
レイ「防戦一方じゃないか・・・」
キャクストン「スネーク・・・何故手を出さない!そのままではやられてしまうぞ!」
ロベルタ「ハァァァァ・・・」
スネーク「うぐっ・・・!」
ガンガンガンガンガンガンガンガン!
ガルシア「・・・」
ファビオラ「・・・」ジャキ
スネーク「ハァ・・・ガフッ!」ブッ!
ロベルタ「 ハ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ !」
ロベルタがトドメの一撃を加えんと大きく振りかざした
スネーク「!」
その時
ガッ パシッ グッ!
ロベルタ「ギッ!?」
スネーク「おおおッ!」グググ
ロベルタの体が蛇に絡められた
469:
オタコン「こ、拘束・・・?しかし!彼女のパワーなら!」
ロベルタ「 ア ア ア ア ア ! ! 」
オタコンの予想は的中、ロベルタのパワーによりみるみる内に拘束が緩んでいく
スネーク「ぐっ!この!」グググ
ロベルタ「 シ ャ ァ ァ ァ ァ !!」
スネーク「ふんっ!」
ロベルタ「ハァァァァァァ・・・・!」
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・お前をそこまで駆り立てるのは・・・猟犬の血か・・・?」
ロベルタ「!?」
スネーク「猟犬だろうが・・・ジャッカルだろうが・・・誇りはあるだろう・・・」
ロベルタ「!!??」
スネーク「お前は飲まれているだけだ・・・その身に刷り込まれた、猟犬の血に・・・」
猟犬(そうよ、もっと血を・・・臓物を・・・血涙を・・・)
スネーク「お前は捕えられた囚人だ・・・」
猟犬(そう、あなたは私、あなたは私の物)
ロベルタ「アガガガガガーーーーー!」
スネーク「心配するな・・・囚人の解放は俺の得意分野だ・・・」
スネーク「俺が・・・今・・・」
ロベルタ「あ・・・ウ”?」
何かを握りしめるスネーク
スネーク「 解 放 し て や る ! 」 
ピスッ
ロベルタ「!!!」
ロベルタの首筋を小さな刺激が襲った
スネーク「流し込む!少し意識が飛ぶぞ!!」
ガルシア「あれは・・・」
【ジアゼパム(注射型)】
470:
ロベルタ「ア”?????ッ!ア”ッア"ッ・・・」
スネーク「暴れると余計にく回るぞ・・・!」
脈に続々と何かが入り込んでくるのを感じ取る
ロベルタ「 ア ” ? ? ? ? ? ッ ! 」
グァァッ!
スネーク「うぐっ!」ドン!
ロベルタの必死の抵抗に拘束を引き外されてしまう
解放されたロベルタは即座に振り返り、年老いた蛇を視界に捕えようとする
しかし
ロベルタ「!?」
グワン・・・グワン・・・
ロベルタの視界には見る物全てが『歪んで』いた
スネーク「ジアゼパム・・・お前の服用していた薬と同じ物だ」チャリ
スネーク「お前の様に常用して飲み続けていると、やがて本来のは失われ易興奮性や突飛的な憤怒、暴力等の奇異反応が起こる」
スネーク「そして同時に筋弛緩作用もある。薬漬けのその体に一気に流されれば、いかにお前と言えどしばらくはまともに歩けなくなるだろう」
スネーク「どうだ?俺がまともに見えるか・・・?」ニヤ
ロベルタ「ッッ!」
悠長にまくしたてるスネークが徐々に歪みを増していき、さながら蛇のように見え始める
ロベルタ「ひぃっ!」ザザ
スネーク「動物は得体の知れない物に恐怖を感じる。何故なら身の危険を回避する為だ」
スネーク「お前には俺が何に見えているか・・・それは知らんが」
スネーク「さて、お薬の時間だ。猟犬には・・・お引き取り願おう」
ロベルタ「ア”ア”ア”ア”!」ザザザザ!
何度も聞いたロベルタの咆哮、しかし今度のそれは明らかに恐怖と不安の混じった悲痛な叫びであった
471:
ロベルタ「ひぃぃぃぃ!」
スネーク「逃げるな!そら!」ガシ
ロベルタ「うわーーーーー!イヤァーーーーーーーー!」ジタバタ
スネーク「吐き出せ!お前の中にいる血と臓物に塗れた『猟犬』を・・・吐き出せ!」
ロベルタ「ア”????????ッ!」
ピスッ
ロベルタ「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!」
ファビオラ「ッ!」サッ
ガルシア「戻っておいで・・・ロベルタ・・・」
ひくひくと痙攣を交えながら地に伏せるロベルタに容赦なく次の針が振りかざされる
スネーク「これで最後だ・・・」チャキ
猟犬(いやよ!ダメ!ロザリタは私・・・私はロザリタ・・・)
スネーク「違う!お前はロベルタじゃない!お前は・・・そう・・・」
スネーク「 猟 犬 だ ! 」
ロベルタ「!!!」
最後の針が猟犬に突き刺さった
472:
サァァァ・・・・・・ザワ・・・ザワ・・・ザワ・・・
スネーク「・・・」
オタコン「終わった・・・のかい?」
スネーク「さあな」
ロベルタ「 」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ロベルタ(・・・)
猟犬(イヤよ!ダメ!せっかく見つけたのに・・・憎むべき『敵』に出会えたのにッッ!!)
ロベルタ(・・・)
猟犬(ロベルタ!!なんで何も言ってくれないの!?私はあなたなのよ!?ずっと今までいっしょだったじゃない!)
猟犬(そうよ、私はあなた。あなたは私。共に血を浴び、共に臓物を食らい合った・・・)
猟犬(誰かの命を奪って生きる実感を感じてきたじゃない!心の底から憎い相手を殺して!殺して!殺し続けて!)
猟犬(あなたもわかるでしょ・・・これまでもそう・・・そして・・・これからも!)
猟犬(そうでしょ!?なんとか言ってよ・・・ロザリタ!!)
ロベルタ(・・・あの人は、そんなあなたを憐れんで私の前に現れたんだと思います)
猟犬(!?)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ロベルタ「・・・」チラ
スネーク「・・・」
猟犬(あいつ!そうよあいつよ!いつもいつも私達の邪魔をする・・・憎い、憎い『蛇』・・・)
猟犬(蛇の皮を剥いで、なめしてあげましょうよ!剥がした皮を御屋敷に持って帰るの・・・どう?)
ロベルタ(蛇は・・・言葉巧みにエヴァをかどわかし、禁断の知恵実を食べさせたと言います)
猟犬(!?)
ロベルタ(そのせいでしょうか。その後蛇は生命の象徴として信仰されている事が多いです)
ロベルタ(もう一つの実。生命の実の事を言っているのでしょうか)
猟犬(何を・・・?)
ロベルタ(ともすれば・・・蛇には失われた生命をも宿す力があるのかもしれません)
ロベルタ(あのように)
猟犬(!?)
473:
スネーク「・・・?」
ロベルタ「・・・」ジロ
ロベルタの目に映る蛇。それは再び形を変え、別の生き物へと変化していった
猟犬(あ、あいつ・・・!)
グレイ・フォックス(・・・)
ロベルタ(また、会えましたね)
グレイ・フォックス(随分迷ったな)
猟犬(ロザリタァーーーーー!なんで!なんでそいつと話しているの!?)
猟犬(お前!そうよお前もよ!死人の癖にいつもいつも私の前に現れて、ロザリタをかどわかして!!)
猟犬(一体何なのお前は!?何がしたいの!?私のロザリタに付きまとってこないで!)
猟犬(ガルルルルル・・・!)
グレイ・フォックス(お前は・・・一つ勘違いしている)
猟犬(!?)
グレイ・フォックス(彼女が血に塗れ、臓物を貪り、その身を傷付けながらそれでも戦い続けていたのは)
グレイ・フォックス(自分の信じる物・・・自身が忠を尽くした物の為だ)
グレイ・フォックス(決して快楽に沈んでいたのではない・・・)
猟犬(あのお坊ちゃま!?そんなのキッカケじゃない!殺しができるイイ口実じゃない!!)
グレイ・フォックス(キッカケ・・・そう、キッカケだ)
ロベルタ(・・・)
グレイ・フォックス(俺達は政府や誰かの道具じゃない。闘うことでしか自分を表現できなかったが、いつも自分の意志で闘ってきた)
猟犬(??????!!)
グレイ・フォックス(そう、だから・・俺がお前等に憑りついたのではない)
グレイ・フォックス(俺を呼び寄せたのは・・・お前の方だ)
スネーク「ロベルタ・・・?」
猟犬(・・・ッ!)ギリ
ムク・・・
ロベルタ「ア”???????!殺す!!殺す殺す殺ォォォォす!!!」
474:
スネーク「まだ立ち上がれるのか!」サッ
ロベルタ「ア”ア”ア”ア”ア”ア”??????!!ウガァ・・・ごろす・・・お前だけは・・・ころず・・・!」
フラッ ドサァ・・・
猟犬(起きるのよ!ロザリタ!あいつは殺さなきゃ!永遠につきまとわれるわ!絶対に殺さなきゃ!)
ロベルタ(・・・)
猟犬(ロザリタ・・・どうして何も言ってくれないのォーーーーーーーーー!!??)
ロベルタ「 」ピクピク
スネーク「大した精神力だ・・・しかしやはり、もうまともに歩く事すらできないようだ」サ
猟犬(汚らわしい手で触るなァーーーーーーー!殺す殺す殺す!蛇め!禁断の蛇!)
猟犬(よくも・・・私のロザリタを・・・殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!)
猟犬(殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す)
ロベルタ(もう、おやめなさい)
猟犬(!?)
ロベルタ(解放される時がきたのです。他者の命に依存する、一人では抗えない血の麻薬から・・・)
ザッ
スネーク「!」
ロベルタ(あなたは私。私はあなた。そう、だったらわかるはずです)
ロベルタ(あの方が一体誰なのか・・・を)
猟犬(!?)
ガルシア「ほら、生きてるよ」
ロベルタの唇を湿ったぬくもりが覆った
481:
ガルシア「???」
ロベルタ「??????!」ジタバタ
ガルシア「???」
ロベルタ「ん????!ん????!」パンパン
スネーク「・・・」
オタコン「うっわぁ?・・・」
パッ
ロベルタ「ぷはっ!」ハーハー
ガルシア「・・・」ハァハァ
ガルシア「ごめん、ロベルタ。こんな簡単な事に気づくのに」
ガルシア「時間をかけたね」
ロベルタ「わ、若様・・・?」
ガルシア「・・・」グラ
ドサ
ロベルタ「わ、若様!?」
スネーク「ガルシア!」
ガルシア「ゼエ・・・ゼエ・・・」
ロベルタ「若様!お気を確かに!」
スネーク「疲労が一気に押し寄せたのか・・・無理もない」
スネーク「彼はここまでずっと出ずっぱりだった。君を救う為に」
ロベルタ「わ、若様に触るな!」ジャキ!
スネーク「!」
ロベルタ「若様をこんな風にしたのはお前だ・・・許さないわ!」
ファビオラ「銃を下して!お願い婦長様!」ジャキ
ロベルタ「ダメよ!そいつは人をかどわかす蛇よ!若様もきっと惑わすつもりよ!」
ロベルタ「させないわ・・・絶対に!そんなマネ!」
キャクストン「銃を下すんだ。ロベルタ・・・」
ロベルタ「!?」
482:
スネーク「キャクストン!無事だったのか!」
ロベルタ「・・・な・ん・で!その男が生きている!」ジャキ!
ファビオラ「あなたと同じ理由よ!」ジャキ!
キャクストン「私は最初から、銃弾など撃ちこまれていないよ・・・」
キャクストン「・・・空砲だ。ただそれなりの衝撃はあったがね」チャリ
ロベルタ「く、空ほ・・・」
スネーク「ブラフだったのか・・・」
オタコン「随分命がけのハッタリだね・・・」
ガルシア「ロベルタ、銃を降ろせ」
ロベルタ「若様!?」
ガルシア「彼は、僕に撃たれて死んだんだ」
ガルシア「君もセニョールにやられて死んだ。そして僕も・・・」
ガルシア「ここに勝者はいない。敗者もいない。誰も残らなければこの舞踏は終わりを告げるんだ」
ロベルタ「でも!若様!」
ガルシア「僕らが永遠に怨嗟の中で踊り続けても、君の罪も僕の痛みも消えることはない」
ガルシア「だからロベルタ、僕は君の背負った物を一緒に背負うよ」
ガルシア「君が僕を支えたように僕も君を支えて生きる」
ガルシア「そういう為に僕は君に会いに来たんだ」
スネーク「・・・」
スネークの脳裏に過った言葉はかつての自分の言葉であった
(人の為に生きるのも・・・いいかもしれない)
483:
ロベルタ(お分かりいただけたでしょうか)
猟犬(・・・)
ロベルタ(若様はあなたも背負っていくと、そうおっしゃっておられます)
ロベルタ(何故ならあなたもまた、私ですから)
猟犬(私の大好きな生暖かい血・・・臓物・・・血涙・・・)
猟犬(けど・・・あの唇も・・・暖かかった・・・)
ロベルタ「・・・」
ガルシア「ロベルタ?」
ロベルタ「若様はもう、大人になってしまわれたのですね・・・」ギュ
ガルシア「違うよ。君の手を掴むために、背を伸ばしただけさ。届くように」
ロベルタ「・・・」
【CALL】
スネーク「殺気が完全に消えた」
オタコン「正気に、戻ったようだね」
スネーク「ああ・・・穏やかだがどこか悲しそうな顔をしている」
オタコン「色々あったからね・・・それも二人で支え合って行くんだろう」
スネーク「まるでおとぎ話だ。王子のキスで目覚めるとはな」
オタコン「愛の力は偉大だね」
オタコン「おっとスネーク、君はそのまま大団円ってわけにはいかないよ」
スネーク「ああわかっている。メタルギアだな?」
オタコン「お疲れの所悪いけど、もうひと踏ん張り頼むよ」
スネーク「ああ」
オタコン「彼女が何か知っているかもしれない。まずは彼女から何かを聞き出すんだ」
サァァァァ・・・・・
ホーナー「体力の低下が認められます。おそらく精神的な物でしょう」
ホーナー「ワ州連合との定時連絡時間も過ぎています。おそらく異変に気づきこちらへ向かっていると思われます」
ホーナー「継戦を?」
キャクストン「いや、現時刻をもって作戦は破棄。ORPで再編成後ラグーン号との交差地点へ全力移動」
ガルシア「・・・」
ホーナー「了解。ではガルシアの搬送を・・・」
キャクストン「まて。彼は・・・私と彼女で運ぶ、そうだな」
ロベルタ「・・・」
スネーク「ちょっといいか?ロベルタ」
484:
ロベルタ「なんでしょう」
スネーク「ここにメタルギアが運び込まれているはずだ。何か知らないか?」
ロベルタ「ああ・・・シェンヤンがそのような事を言っていた記憶が」
スネーク「それらしき物は見当たらなかったのだが・・・」
ロベルタ「申し訳ありませんが私は存じ上げません。私はこの基地を掌握しにきたのですから」
スネーク「それもそうだな。しかしあの基地には妙なナリをしたトルーパーがいただろう」
ロベルタ「ああ。そういえば・・・」
スネーク「俺はこれからメタルギアを探し出さなければならない。なんでもいいから何か情報をくれないか」
ロベルタ「・・・確か、そちら側に動向を探るスパイを送り込んでいると言っておりました」
スネーク「スパイ?」
ロベルタ「どなたかは存じ上げません。しかし彼らはあなた方の動向を把握していたのは事実です」
オタコン「スパイ・・・キャクストンの部隊の中か?それともラグーン商会の面々の中?」
スネーク「犯人探しをしている暇はない。仕方ない・・・もう一度潜入して見つけ出すか」
ジャキッ
スネーク「!?」
オタコン「な・・・」
キャクストン「・・・」
レイ「退いてくれ。シェーン」ジャキ
485:
不意に向けられた銃口。その先には迷彩服を纏ったヒゲの男が一人、こちらを覗いている
キャクストン「レイ・・・すべては終わったんだ。そいつを下せ」
レイ「シェーン、俺はお前の様な男になりたかった。でもダメだ」
レイ「その女だけが生きて帰るのなら・・・ここで死んでいった仲間の思いは・・・」
レイ「いったいどこへ葬ってやればいいんだ」
オタコン「まさか・・・彼が・・・?」
スネーク「俺達の情報を流していたのはお前か」
レイ「・・・ああ」
ホーナー「なんで・・・」
レイ「シェーン、俺はお前と言う男をよく知っている。あの日ラーキンのクソ野郎から女の子を助けたのも」
レイ「ザンジバーランドでいくらボロボロになりながらも、孤児たちの世話を欠かさず、面倒を見続けていたことも」
レイ「今回の作戦も・・・その女を殺す為ではなく、ガルシアを、そしてその女をも救おうと行動していた」
キャクストン「・・・彼らは我々が巻き込んでしまった。当然だ」
レイ「その為に自分が命を落としても・・・お前はそういう男だ。お前の事は良く知っている」
レイ「そう、よく知っている・・・誰かを助ける為に自分の命すら投げ出す事を・・・」
レイ「だから・・・俺は・・・そんなお前を助けてやりたかった・・・」ジャキ
スネーク「キャクストンに諦めさせるためにスパイを買って出たのか」
レイ「そういう事だ。親父さん、あんたに恨みはないが」
ガルシア「・・・」
レイ「坊主、おじさんにはわからん。最初に悪かったのは。一番悪かったのは・・・」
レイ「誰なんだ?」カチ
レイが押したボタン。その動作に呼応するかのように、黄金三角の大地に地響きが伝わる
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
スネーク「何をした!?」
レイ「シェーンは助ける・・・だがその女はダメだ!そいつだけは・・・」
レイ「死んでいった仲間の恨み・・・思い知れ!」
ロベルタ「ハッ!?」
地響きは振動を増し、産声のようなおたけびをあげる
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
スネーク「やはりここにあったのか・・・」
オタコン「あれが・・・新型のメタル・・・ギア・・・」
486:
ドッスゥゥゥゥゥン・・・・!
ブァァァァッ!
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
キャクストン「あれは、我々の破壊対象の・・・!」
レイ「戦場のバランスを崩す、次世代の主力兵器だそうだ」
キャクストン「レイ!自分が何をやったのかわかっているのか!」
レイ「わかっているよ!あれなら、あいつの力を使えばお前を助けられる!」
レイ「死んでいった仲間も浮かばれる!誰もお前を責めたりはしない!」
スネーク「違う!あれはそんなシロモノじゃない!お前もザンジバーランドにいたのならわかるだろう!」
レイ「かつてビッグ・ボスがメタルギアを使ったのは、支配から解放の為・・・」
レイ「同じだ!俺もメタルギアを使って、シェーンの責を・・・解放してやる!」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
キュイーン カシャ カシャ カシャ
レイ「AT社が極秘裏に開発した量産型メタルギア。製品名は『IRVING』」
キャクストン「レイ・・・・!」
レイ「いけ・・・!IRVING!シェーンの罪を・・・解き放ってこい!」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ドッドッドッドッドッドッドッド・・・!
スネーク「ち・・・がう・・・あれはそんな物じゃ・・・」
オタコン「スネーク!来るよ!」
487:
スネーク「!」
巨体に似合わず空高く飛び上がったそれは、人の密集を着地点に選んだ
スネーク「ま、まずい!みんな逃げろ!」
ロベルタ「若様!ああ・・・体が痺れて・・・!」
ガルシア「・・・!」
グオッ
ドズゥゥゥゥン・・・!
パラパラパラ・・・
ファビオラ「みんな、無事!?」
ロベルタ「ファビオラ・・・よくやってくれました」
ガルシア「あれが戦争の・・・兵器?」
オタコン「巨体に似合わずものすごい跳躍力だね・・・」
スネーク「随分身軽な用だ」
オタコン「くっまずいね!大至急調べるよ!」
スネーク「頼む!」
キャクストン「レーーーーーイ!止めろ!今すぐそれを止めろォーーーー!」
レイ「ムダだシェーン。こいつは一度動き出すと標的を殲滅するまで止まらない」
レイ「こいつは機械だ。心のないマシーンだお前の要に情に揺られて手を止める事はない」
レイ「さあ行け!悪魔の兵器、メタルギアよ!」
ウイーン カシャカシャ カシャ
キュイーーーーーーーーーーン
搭載された視覚情報から標的を選別するメタルギア。その中にはロベルタとスネーク。そしてもう一人
レイ「!?」
グォッ
キャクストン「レーーーーーーーーーーーーーーーイッッッ!」
レイ「お、俺はお前を・・・守りたかっただけ・・・」
ゴシャッ
488:
キャクストン「レ、レイ・・・?」
メタルギアの脚部に着いた鮮血。その足元には先ほどまで銃を構えていた男の肉塊があった
キャクストン「レイ!?レイ!?返事をしろ!レイ!!」
ホーナー「ダメです少佐!退却です!一旦逃げましょう!」
キャクストン「レ、レイ・・・」ワナワナ
ファビオラ「に、逃げなきゃ・・・でも」チラ
ロベルタ「う・・・」
ガルシア「・・・」ハァハァ
ファビオラ「婦長様は薬で動けないし、若様も・・・」
スネーク「くるぞ!」
ドガガガガガガガ! チュンチュンチュンチュンチュン!
ファビオラ「きゃああああああああ!」
スネーク「くっ」バッ!
シュウウウウ・・・
スネーク「ここへいても全員仲良く踏み潰されるのがオチだ。キャクストン!」
キャクストン「レイ・・・すまない・・・」
スネーク「しっかりしろ!退避地点はどこだ!」
キャクストン「ラグーン号・・・ラグーン号まで退避だ!」
スネーク「聞いたな!?全員ラグーン号まで全力で走れ!」
スネーク「キャクストンはガルシアを、ファビオラはロベルタを、さあ!」
ファビオラ「あんたはどうするの!?」
スネーク「俺はここで殿を務めよう・・・」
ホーナー「得物は!?」
スネーク「すまないが、少し借りるぞ!」ジャキ
【M4カービン(米軍仕様】
スネーク「さあ、いけ!」
スネークの掛け声と共に走り出す一行。それを察知したメタルギアは即座に追跡行動を取る
スネーク「お前の相手は俺だ・・・!」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
【BOSS】メタルギア月光
496:
スネーク「むん!」ガガガガガガ
月光「・・・」カンカンカン
スネーク「ダメか・・・!」
月光「ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! !」
スネーク「まずいっ!」
月光の巨体に似合わぬ俊敏な動きに咄嗟に回避で避けざるをえない
スネーク「は、はやいな・・・」
ウイーン カシャ カシャ
ドッドッドッドッドッド!
スネーク「ぬおおおおお!」ザッ!
シュウウウウウ・・・
スネーク「M2まで・・・食らうとまずいな・・・」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
スネーク「!?」
月光の巨体がスネークを目がけて降下する
ズドォォォォォォン!
スネーク「くぉぉぉぉ!」
スネーク「ゼエ・・・ゼエ・・・老体に酷な兵器だな・・・」
スネーク「むん!」ドガガガガ!
M4の弾丸は月光の堅牢な装甲に傷一つつかず弾き飛ばされていく
スネーク「ダ、ダメか!」
【CALL】
オタコン「スネーク!わかったよそいつの事!」
スネーク「M4がまるで効かん・・・どうなっている」
オタコン「M4なんて無駄だよ!いいかいスネーク、そいつはね」
オタコン「AT社が次世代主力兵器になりうる事を想定して開発された、IRVING(アーヴィング)と呼ばれる物だ」
オタコン「二足歩行兵器による歩兵の支援がコンセプトだ。しかし」
オタコン「その技術にはかつて君が破壊したREXやRAY等の物が流用されている」
オタコン「つまり、立派な『メタルギア』の一種だって事さ」
スネーク「どうすればイイ!?」
オタコン「装甲はRPGの直撃にも耐えうるほど堅牢だ。まずM4は効かないね」
497:
オタコン「そいつの装甲をぶち抜くにはアンチマテリアルライフルレベルの物を使わないと・・・」
スネーク「そんな物あるわけないだろう!?」
オタコン「さらにそいつにはREXやRAYとは違って、ナノマシンを使ったバイオテクノロジーが流用されている」
オタコン「脚部に人工筋肉が使われているんだ。これにより素早い動きと機敏な動きが再現されている」
オタコン「これによって猛スピードで走るだけでなく、ニッポンのカラテの様な蹴り技や機敏な大ジャンプができるという事さ」
スネーク「より生物に近くなったという事か・・・」
スネーク「で、どうすればイイ!?」
オタコン「かなり厳しいね・・・弱点と呼べる物は頭の上についている制御装置」
オタコン「これが各種センサーの役割を果たしているんだけど・・・」
スネーク「こんなでかいのをわざわざよじ登ってる暇はない」
オタコン「M2の装備、そして人工筋肉により機敏な動きで弱点をカバーしている」
オタコン「全く、よくできた兵器だよ」
スネーク「こんな物が量産されれば、戦争は大きく変わるぞ・・・」
オタコン「一家に一台の時代がくるかもね」
スネーク「それは夢のある話だ」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
スネーク「く、また動き出した・・・」
オタコン「随時情報を漁ってみるよ!それまで持ちこたえて!スネーク!」
スネーク「急いでくれ!」
ブ オ ッ
ズドォォォォォォォォォン!
498:
スネーク「でかい図体でよくもまぁ・・・」ササ
スネーク「むん!」ドガガガガガガ!
カンッ カンカンカンッ
スネーク「く、やはりダメか・・・」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
スネーク「オ、オタコン・・・急いでくれ!」
--------------------------------------
ザッザッザッザッザッザッ!
キャクストン「追手は!?」
ホーナー「アンノウン兵器、未だ見えず!」
キャクストン「スネークが持ちこたえてくれているのか・・・」
ロベルタ「・・・」ゲフ
ガルシア「セニョール・・・」
ファビオラ「待って!誰かいる!」
ザッ!
全員「!?」
「こっちだ!急げ!」
--------------------------------------
スネーク「ぬおおおおおおおお!」ドガガガガガ!
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ドッドッドッドッドッド!
スネーク「おおおおッ!?」バッ!
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・だ、ダメだ、まるで効いちゃいない」
スネーク「!」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ダッダッダッダッダッダ!
スネーク「体当たりか!」
加の付いた巨体がスネーク目がけて突進してくる
ズドォォォォォォン!
スネーク「ぐ・・・お・・・」ガフ
499:
月光「ンモ”?????・・・」
スネーク「ぐ・・・ガフッ、かなり・・・厳しいな・・・」
スネーク「弱点は頭の上とか言ってたな・・・しかし・・・」
月光「・・・」ドシドシドシ
スネーク「どう見ても届きそうにないな・・・あれは・・・」
スネーク「頭をかがめて貰うか・・・もしくは・・・」
スネーク「転ばせる・・・?いや、どうやってだ?」
スネーク「ガフッ!そろそろお迎えが来たか・・・?」ハハ
【CALL】
『ザザーーーーピーーーー・・・お?いカ・・・゙ガ・・・・聞こえるか?』
スネーク「誰だ・・・?」
『おや・・・ザザ・・・俺をお忘れに・・・ガガー・・・なるとは・・・ガー・・・心外だね』
『ザザーーーー・・・おい、ベニ・ボーイ・・・ガガ・・・感度がわるぃ・・・ピーザザッ・・・上げてくれ』
スネーク「お前!」
ダッチ「やっと気づいたか。依頼人さんよ」ザザ
スネーク「ダッチ!何故この無線を!?」
ダッチ「うちにはFBIの連中をおかんむりにした優秀なハッカーがいるのさ」
スネーク「ベニーか・・・」
ダッチ「そんな事はどうだっていいぜ。それよりじいさん、今ゴキゲンだと聞いたが・・・」
スネーク「ああ、とてもクールな巨人がうめき声をあげながら俺をダンスに誘ってるんだ」
ダッチ「巨人・・・おやおや、俺はいつの間に中世ファンタジーの世界に迷い込んだかな?」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
スネーク「くそ、見つかったか!」
ダッチ「この鳴き声は・・・ハハ、オークにでも出くわしたかい?」
スネーク「そっちの方が幾分かマシだった」
ダッチ「そりゃそうだな。オーケイじいさん。キリング・メイドはなんとかなったんだな?」
スネーク「ああ。彼女はもう・・・無害だ」
ダッチ「オーライじいさん、だったら任務は達成だ」
ダッチ「そのファンタジーの世界の住人を船まで連れてきな。プリンストンよろしくレイテの海戦としゃれこもう」
スネーク「沈むだろそれは・・・」
500:
ダッチ「これるか?」
スネーク「かなり際どいな。相手はバッファローが二足歩行で軍服を着てるようなヤツだ」
ダッチ「厳しいね。しかしお前さんは来るしかない」
スネーク「だな」
ダッチ「うちの社員が今ぼっちゃまとサムおじさん共を迎えに行ってる。残りはお前さんだ」
ダッチ「なんとか持ちこたえな。船の場所はわかってるな?」
スネーク「ああ」
ダッチ「オーライスネーク・・・カウント3で行こうか」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ドッドッドッドッドッド・・・!
ダッチ「3」
スネーク「2」
ダッチ「1」
ダッチ・スネーク「 G O ! ]
月光「!」
ウィーン カシャ カシャ
スネーク「おおおおおお!」ダダダダダ
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
スネークの移動度を探知した月光は確実に得物を捕えるべく、太い脚を力強く踏みしめ、蹴り上げた
501:
ドッドッドッドッドッド!
月光「ンモ”?????!」
スネーク「く、やはりい!」
スネーク「追いつかれる・・・どうすればいい!?」
【CALL】
オタコン「スネーク!ごめんお待たせ!」
スネーク「オタコンか!今ダッチから連絡があった!」
オタコン「ダッチ・・・ラグーン商会の・・・」
スネーク「俺はこれからラグーンの船に戻る!そこで装備を整え船上で迎撃するつもりだ!」
オタコン「そうか・・・ラグーン号なら武器がたくさんある!」
スネーク「しかしたどり着くので精いっぱいだ。奴から逃げ切れる気がしない」
オタコン「なら都合がいいよ、スネーク」
スネーク「なんだと!?」
オタコン「そのメタルギア・・・やはりと言うか、自立プログラムによる無人機だ」
オタコン「倒すまではいかなくても、動きを止めるだけなら簡単なんじゃないかい?」
スネーク「 チ ャ フ か ! 」
オタコン「そういう事。そしてさらに耳よりな情報だ」
スネーク「なんだ!?」
オタコン「そいつの姿勢制御は、やはり大部分が脚部に依存してる」
オタコン「本来メタルギアのような巨大な質量を二足歩行で動かすにはかなりのバランス制御が必要なんだ」
オタコン「二足歩行って、実はすごい事なんだよ?知ってたスネーク?」
スネーク「という事は・・・脚部を集中して撃てばいいのか!」
オタコン「そういう事。どうだい?希望が湧いてきただろ?」
スネーク「ああ、まるでパンドラの箱のようだな」
オタコン「あらゆる災厄が降り注いだが、最後に「希望」が残っていた、か」
スネーク「なんとかなりそうだ。動きを止めるだけなら・・・!」
オタコン「気を付けてスネーク、そうは言っても新型機、機動性能は今までのメタルギアとは雲泥の差だ」
オタコン「油断するなよ!がんばれスネーク!」
502:
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
スネーク「いちいちやかましいなこいつは・・・なら、これで」ピン
スネーク「止まってろ!」サッ
コロコロコロ・・・
パ ァ ン !
月光「!?」
ピロリロピロリロ・・・
月光「!!!??!?!??!?!!?!?」
ウイーンウイーン! カシャカシャカシャカシャ!
無数の金属片に惑わされ月光は動きを鈍らせる
510:
月光「???????」カシャカシャカシャ
スネーク「よし、成功だ!」
オタコン「今だ!走れスネーク!」
スネーク「 オ オ オ オ オ オ !」ダッ
・ラグーン号
ベニー「ダッチ、来たよ!」
ダッチ「ご苦労だったなレヴィ」
レヴィ「ボッコボコにやられたクソメガネを見てたら元気が出たぜw」
ロベルタ「・・・」
ロック「もう・・・大丈夫なんだね?」
レヴィ「クソメガネは今初夜を迎えたらしい。見ろロック、こりゃ女の顔だぜ」
ロベルタ「相変わらず・・・よく吠えます事・・・」
レヴィ「何とでも言えよ。ほら、さっさと乗れハード・ドラッガー」ゲシ
ロベルタ「・・・」ヨロ
キャクストン「船長・・・」
ダッチ「ようメイジャー、地獄からの生還、おめでとうと言っておくよ」
キャクストン「しかしスネークが・・・」
ダッチ「心配ないさ。あのじいさんは必ずくる」シュポ
キャクストン「どうしてそう言い切れる?」
ダッチ「船乗りの『カン』さ」フー
ファビオラ「若様、足元気を付けて」
ガルシア「あ、ああ・・・」ギシ
ロック「・・・」
ガルシア「・・・」
レヴィ「で、肝心のじじいはどこへ寄り道してやがんだ?」
ダッチ「ダンス会場で出会ったガタイのイイ牛女に猛アピールされているらしい」
レヴィ「ひゅ?♪女の誘いを断ったら紳士の名折れだなw」
ダッチ「連中はここでベッド・インするつもりらしい。暇ならシーツを変えといてくれ」
レヴィ「マガジンの変えなら大量にあるけどねえ・・・」ジャキ
503:
・密林
スネーク「オオオオオオ!」ダダダダダ!
オタコン「スネーク後少しだ!」
月光「ンモ”???????!」ドッドッドッドッド
スネーク「チャフが切れた!応戦するしかない!」ジャキ
オタコン「脚だ!足を狙うんだ!」
ドガガガガガガガガ!
ピスッ ブスッ ブシャァ
スネーク「足らないか!?」
オタコン「もっと!もっと撃って!」
スネーク「オオオオオオ!」ドガガガガガガ!
月光「ンモ”???????!」ドッドッドッドッド
スネーク「くっ、止まらん!」
オタコン「誤算だね・・・脚部の耐久性も十分だ」
スネーク「AT社が総力を挙げただけはある」
ザァァァァァン・・・ボッボッボッボッボ・・・・
スネーク「エンジン音・・・ラグーン号!」
オタコン「後もうちょっとだよ!スネーク!」
スネーク「オオオオオオオ!」
・ラグーン号
ダッチ「エンジンはいいか?」
ベニー「オーライだダッチ。いつでも出せるよ」
ダッチ「今レーダーに反応があった。レヴィいいな?」
ダッチ「モーリス・ホワイトを一曲聞き終える頃には新郎新婦のご登場だ。派手に迎えてやれ」
レヴィ「お熱いお二人からブーケを貰わないとな」ジャキ
504:
全員「・・・」
羽音と川のせせらぎが混じり合った音の中。ラグーン号の面々はもう一つの音を感じ取る為
固唾を飲んでもう一人いる乗組員の帰りを待つ。
いつの間にか空は白み、鋭い光がちらちらを目に映りだしす
ロック「・・・」
・・・・・
ズズズズズ
ファビオラ「聞こえる・・・」
レヴィ「お前等は出るなよ?ケガ人にうろちょろされても邪魔なだけだ」バン
ロベルタ「・・・」
ガルシア「・・・」
キャクストン「スネーク・・・」
・・・・ォォォォォ
ロック「来た!」
ォォォォォオ!!
ズドォォォォォンン!
全員「い!?」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
レヴィ「ダーーーーーーッチ!来たぜ!まじででっけえ牛女だッッ!」
ダッチ「じいさんは!?」
スネーク「 オ オ オ オ オ オ ! ! 」
ロック「じいさん!」
505:
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ベニー「やばいよダッチ!?まさかあんなの連れてくるなんて・・・!」
ダッチ「うろたえるなベニー・ボーイ。想定の範囲内だ」
レヴィ「ダーーッチ!・・・食うぜ?」ジャキ
ダッチ「間違ってじいさんに当てるなよ?」
レヴィ「それは保証で・き・ね・え・なッ!」ガッチャン
スネーク「オオオオオオ!」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ロック「じいさん、掴まれ!」バッ
スネーク「オ・・・オオオオ!」ダッ
オタコン「飛べ!スネーク!」
スネーク「 オ オ オ オ ッ ! 」
バッ!
ロック「・・・ッ!」
スネーク「・・・」
宙を舞うスネークの視線の先には、必死の形相で手を差し伸べる若い男
と、もう一人。不吉な笑みを浮かべる女が一人
スネーク(ゲパード!)
レヴィ「yeah! L e t ’s R o l l ッ 」
ズ ド ン ッ !
506:
月光「!?」ガガガガガ
レヴィ「っしゃ!命中!」
ロック「ダッチ!出せ!」
ダッチ「じいさんは捕まえたな!?オーライ!しっかり掴まってな!」ガコ
エンジンをけたたましく鳴り響かせ、船は動き出す
月光「-----」ビビビビビ
スネーク「レヴィ!まだだ!もう一発撃てッ!」
月光は動き出す。小さな風穴を開けながらそれでも捕えた物を忠実に消す為に
レヴィ「ちっまだ動けたか!」ジャキ
ロック「レヴィ!起き上がったぞ!」
レヴィ「言われなくても・・・いちち、傷口が・・・」
月光「-----」グググ
ロック「レヴィーーーーー!急げェーーーーー!」
スネーク「レヴィ!頭部だ!頭部にあるセンサーを狙え!」
レヴィ「あん?頭のセンサー・・・?あれか!?」
月光「------」カチャカチャカチャ
スネーク「動き出すぞ!早く!」
レヴィ「こりゃもっかい傷口が開くな・・・おし!」
ダッチ「全全身!カリブまでノンストップだ!」
ロック「レヴィーーーーーーーーーッ!」
レヴィ「オラァーーーーーーーーーー!!」
ズ ド ォ ン !
ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン !
スネーク「やったか!?」
ロック「ふう・・・」
ベニー「なんとか・・・なったね」ドサ
ダッチ「日ごろの行いの差がでたな」
炎上する月光をしり目にブラック・ラグーンは動き出した
まるで地獄からの生還を祝うように、巨大な炎を背景にして
507:
ロック「ほらじいさん。登りなよ」グイ
スネーク「すまないな・・・うぐ!」
ロック「随分こっぴどくやられましたね」
スネーク「まぁな・・・」
ロック「お疲れさん。ゆっくり休んでてください」
スネーク「ああ・・・悪いが、タバコをくれないか」
ロック「ん・・・いいけど・・・日本のでいいです?」
スネーク「何でもイイさ」
カチ シュポ
スネーク「・・・」フー
スネーク「・・・ん?」
レヴィ「お、おお・・・やっぱり傷が開きやがった・・・」ピクピク
スネーク「あの状態でゲパードを撃ったんだ。暫くは安静だな」
ガチャ
ガルシア「セニョール・・・」
スネーク「ガルシア・・・」
ガルシア「よくぞ、ご無事で」
スネーク「君もな。随分な賭けに出たな?」
ガルシア「覚悟は決めてましたから」
スネーク「ハハ、いい顔つきになったな」フー
ロック「みんな無事でよかったよ・・・本当に・・・」ニヤ
ガルシア「・・・」
『あーじいさん、お疲れの所悪いが、今すぐ操舵室まで来てくれ』
『是非ねぎらいの言葉をかけてやりたいんでね。俺達の行為を無駄にするなよ?』
スネーク「・・・」フゥ
ロック「肩、貸しますよ」ドサ
ガルシア「・・・」
『それとそこのバカ、はやく銃をしまえ。それ川に落としたらお前の給料から天引きするからな』
レヴィ「お、おお・・・」ピクピク
508:
ダッチ「勇敢なスタローン様のご帰還だ」
スネーク「何の用だ?」
ダッチ「連れないね。これだけの大健闘だったんだ」
ダッチ「是非あんたの口から『帰還報告』が聞きたいんだが」
スネーク「俺は軍人じゃない。お前に帰還報告をする義務はない」
ダッチ「お堅いねえ・・・」
ベニー「悪いけど、それだと僕らが困るんだよ」
スネーク「?」
ダッチ「じいさん、サムおじさんは何人生き残った?」
スネーク「キャクストンと・・・ホーナーとか言うヤツの2人だ」
ダッチ「一個小隊が2名を残して全滅、ね。俺らはクライアントになんて言えばいいんだ」
ロック「僕らの依頼人はNSAでもあるから・・・それだとまずいんですよ」
ベニー「僕らにあらぬ疑いをかけられるかもしれないって事さ」
ダッチ「まさかじいさんに裏切られるとはね。あーやだね。年を取って情まで衰えたってのかい?」
スネーク「わかったよ・・・」フゥ
【説明中】
ダッチ「なるほど、ね」
スネーク「NSAにはありのままを報告しとけ。変な小細工をして困るのはお前等だ」
ロック「そりゃぁもう」
ダッチ「キスで目覚めるお姫様、ね。ウォルト・ディズニーが生きてたらハンカチ片手に大絶賛するエピソードだな」
ベニー「まぁ、これでNSAが僕らに粉をかけてくることはないでしょ」
ロック「ああ、僕らはあくまで運び屋・・・それ以外の一切を関与していない」
スネーク「メタルギアも破壊した・・・データの奪取はできなかったが」
ダッチ「今回ばかりはお前さんに手柄を譲ってやるよ。あれに関わるとロクな事がねえ」
スネーク「同意見だ」
ベニー「キャクストンとあのメイド・・・同じ部屋に入れといて大丈夫かい?」
ロック「その辺は心配ない・・・でしょ?じいさん」
スネーク「ああ・・・・」
ダッチ「あの連中の所にも行ってやんな。うちはアットホームな職場がモットーでね」
ダッチ「重苦しい空気は遠慮したいんだ」
スネーク「・・・」
・船室
ロベルタ「・・・」
キャクストン「・・・」
ガルシア「・・・」
ファビオラ「・・・」
キィ・・・
スネーク「よう」
509:
ガルシア「セニョール・・・」
スネーク「残念ながらデータは奪えなかった」
キャクストン「十分だ。君が生きていてくれただけで・・・」
スネーク「多くの、犠牲が出たな」
キャクストン「我々は軍人だ。覚悟はできてた」
キャクストン「覚悟はできてたんだ・・・」
スネーク「レイ・・・あのヒゲの男だけは予想外だったか?」
キャクストン「ああ・・・正直心に響いた」
キャクストン「レイは・・・誰よりも私の事を理解していた・・・」
スネーク「だからこそ、お前を死なせたくはなかったのだろう」
スネーク「悪魔に耳を傾けて、でも」
キャクストン「レイ・・・」
ガルシア「そうして、死の輪廻は回っていく・・・」
スネーク「人を殺してショックを受けないのは異常者だけだ。 罪悪感のない殺人は新たな殺戮を生む」
スネーク「だから、君のような人がいるんだ。終わりのない輪廻を終わらせることのできる人間が」
スネーク「俺には、到底無理だがね」
ガルシア「・・・」
レヴィ「年寄りは説教くせえって本当だな」
スネーク「レヴィ・・・」
レヴィ「いいじゃねえかよ。人を撃てばそんな風になる」
レヴィ「ここで理屈を通すのは倫理や愛じゃねえ。暗くて丸い9ミリの弾だけだ」
レヴィ「起きた事しか起きねえのさ。人生は」ニヤ
スネーク「・・・」
ファビオラ「ディア・デ・ムエルトス」
レヴィ「あ?」
ファビオラ「あんたのその人を小馬鹿にしたような笑い方・・・」
ファビオラ「ディア・デ・ムエルトスのエスケレトにそっくりだ」
スネーク「死者の日の骸骨・・・」
ファビオラ「自分だけがお花畑から追い出されたと思っているから、妬んでるんだ」
ファビオラ「言うね、ゴミ溜め育ちの癖に。世の中がお花畑に見えてきたか?」
ファビオラ「私とあんた、確かに生い立ちは似てるけど」
ファビオラ「私とアンタの違いはそこだ。私はこの世をお花畑ともゴミ溜めとも思っていない」
ファビオラ「私とあんたの違いは・・・どんな人に往き合えたのか・・・それだけだ」
ファビオラ「あんただってもしかしたら・・・」
レヴィ「もしかの話は時間の無駄だ。だろ?じじい」
スネーク「・・・」
レヴィ「そうさお嬢ちゃん、アタシらは死者の国から、うすっくれえ墳墓の底からやってきた・・・」ニタニタ
レヴィ「銃を担いでやってきた。アタシも街の連中もこのじじいもクソメガネも、みぃぃぃぃんな」ニタニタ
レヴィ「だからよお嬢ちゃん、アタシらにセンパスチとクエルヴォを備えてくれよ」ニタニタ
レヴィ「そしたら・・・こんなアジアの外れでおっ死ぬお嬢ちゃんには、せめてチョコレートを供えてやるからよ」クカカカカ
511:
スネーク「もういいだろ、やめろレヴィ」
レヴィ「はいはい、おおせのままに。なんてったってじじいは死者の国の大統領だからな」ニタァ
レヴィ「救われた何て思うんじゃねえぞ・・・このじじいはメイドと引き換えにサムおじさんを生贄に捧げろと言ってきたんだ」
レヴィ「次に犠牲になるのは・・・一体どこのどいつかな?」クカカカカ
スネーク「やめろ!」
レヴィ「エキセドリンを探してくらぁ・・・」ニタニタ
ファビオラ「趣味の悪いヤツ」
キャクストン「あの女は一体・・・」
ファビオラ「ただのイカれた殺人鬼」
ロベルタ(死者の国・・・)
『じいさん!悪いがまたこっちに上がってきてくれ!』
スネーク「やれやれ、休む暇もないな」
・操舵室
スネーク「なんだ」
ベニー「じいさん、確認したいんだ。あの巨大なマシーン、一体何機いるんだ?」
スネーク「何機・・・?一体だけではないのか?」
ベニー「レーダーに複数体映ってるんだ!こんな場所に漁船は入り込めないから・・・」
ベニー「さっきのと同じヤツだよ!僕らを追ってるんだ!」
スネーク「なんだと!?」
ダッチ「さっきから全力で飛ばしてるんだが、まるで撒けねえ」
ベニー「対岸から陸伝いで追ってきているんだ!」
【CALL】
オタコン「スネーク、悪い知らせが入った」
スネーク「なんだ!?」
オタコン「あのメタルギア・・・正式名称はIRVINGだが、それとは別にコードネームが与えられてる」
スネーク「コードネーム?」
オタコン「月光・・・って言うらしい。大戦中のニッポンの軍用機の名前をもじったとか」
スネーク「GEKKO?ヤモリか?」
オタコン「月光だよ。日本語でムーンライトって意味かな?」
スネーク「・・・それがどうした」
オタコン「試作運用のテスト機にコードネームが与えられるなんて・・・妙と思わないか?」
スネーク「まさかっ!」
オタコン「こいつ、既に実戦配備しているんだよ!数はそう多くないけど、戦果も出てる!」
オタコン「だからこいつ・・・すでに量産されてるんだ!!」
スネーク「 な ん だ と ! ? 」
512:
ダッチ「しっかり聞こえちまったよ、じいさん」
ベニー「じゃあやはりこの機影は・・・」
ロック「あんなのが大量にいるのか・・・」
スネーク「くそっ!なんて事だ!ヨランダの話では新型の試作運用だと!」ガン
ダッチ「ヨランダもついに痴呆が始まったか」
ベニー「彼女が情報を読み誤るなんて、珍しい事もあったね」
ロック「暴力教会がいくら武器流通に長けてると言っても、さすがに軍の新兵器の事まではわからないんじゃないか・・・?」
スネーク「迎撃だ!なんとかしてこの一体から脱出するぞ!」
ダッチ「ち・・・全く、いくら厄介事を持ちこめば気が済むのかね!」
ロック「逃げ切るしかない!」
スネーク「ゲパードを借りるぞ!」
ダッチ「あいよ。好きなだけ蜂の巣にしてくれ」
【ゲパード】←New!!
・甲板
スネーク「・・・」ジャキ
ファビオラ「あ・・・どうしたのさそんな怖い顔して」
スネーク「さっきのヤモリがまだ生きている・・・しかも、仲間を大勢連れてだ」
ファビオラ「なんだって!?」
スネーク「ここは危険だ。直戦場になる」
スネーク「船室に入ってろ!甲板に出てくるなとみんなに伝えるんだ!」
ファビオラ「わ、わかった!」ダッ
スネーク「どこだ・・・どこにいる・・・」
ザァァァァァァァ・・・
ドスッ ドスッ ドスッ ドスッ ドスッ
スネーク「!!」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ベニー「ダッチ!来たよ!」
ダッチ「おお神よ、アーメンハレルヤピーナッツバター・・・」ペチ
スネーク「・・・くる!」
【BOSS】メタルギア月光(複数)
517:
ドスドスドスドスドス・・・
スネーク(数が多い・・・)
無数の月光が大地を響かせ、船の周りを取り囲む
スネーク「迎撃するッ!」ジャキ
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ズ ド ン ッ !
月光「!?」ビビビビ
ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン !
スネーク「まずは一匹!」
ダッチ「幸先いいな!じいさん!」
ベニー「まだだ!次が来るよ!」
スネーク「むんっ!」
ズ ド ン ッ !
ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン !
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
仲間の残骸から次の月光が続々と湧いてくる
スネーク「数が・・・多い!」ギリ
レヴィ「ちっきしょ・・・アタシの肩がこんなんじゃなけりゃあアタシがジルバを踊ったのに・・・」
ダッチ「じいさーーーん!そいつらを船に近寄らせるな!」
スネーク「やってみる!」ジャキ
スコープに映る機影と、重く響き渡る重低音を頼りに月光の位置を察知する
51

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