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「こちらスネーク。ロアナプラに潜入した」【後半】


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6:
『上陸開始!』
ザッザッザッ・・・
ガルシア「セニョール、よろしくお願いします」
ファビオラ「しっかり守ってよね」
スネーク「ああ」
レヴィ「・・・」
ベニー「ロック、どこへ行ってた?」
ロック「ちょっと連絡をね。所でレヴィ」
ロック「ガルシアはじいさんから銃を受け取ったと聞いたが、本当か?」
レヴィ「みたいだな。まるで形見のように大事に持ってやがった」
ロック「・・・よし」パシ
ロック「よし、よし、ハマったぞ。カギが」パシ
ロック「ざまあ見ろだチャンさん。賭けは・・・僕の勝ちだ!」ニヤ
377:
黄金三角 密林
ザッザッザッ・・・
『デルタよりアルファ。哨戒ポイントに到着』
『状況良し。座標に変更はなし』
キャクストン「アルファ了解、待機せよ」
スネーク「イヤに静かだな」
キャクストン「敵は我々の動きを察知しているだろう。まだ油断はできん」
キャクストン「状況はどうか」
『エコー哨戒ポイントに到着。トラップの類なし』
キャクストン「アルファ了解。両分隊は偵察を開始しろ。LUP到着は0300時だ」
キャクストン「ランデブー後は攻撃陣系で待機。0425時に突入する」
キャクストン「サブ・オプションのパッケージRが攻撃をしかけてきたら乱戦となる」
キャクストン「アルファ本隊が参戦と同時に囮になる。その後は状況に応じ各分隊は任意に行動しろ」
『デルタ了解』
『エコー了解』
スネーク「ん?」
何かを発見するスネーク
スネーク「これは・・・キャクストン」
キャクストン「なんだスネーク」
スネーク「周りを見て見ろ」
アルファ分隊「!」
木製の棒が至る所で突き刺さっている
キャクストン「なんだこれは・・・」
キャクストン「エコー、デルタ両分隊、周辺に木製の棒のような物ははないか」
『こちらエコー。あります少佐。辺り一面至る所に・・・』
『こちらデルタ、同様です。見渡す限り一面に・・・』
『ワイヤー、爆薬の類は見られません』
378:
レイ「宗教オブジェかなんかか?」
スネーク「この辺の部族にそんな風習はない」
キャクストン「・・・各分隊、棒はよくわからんが危険性はないだろう」
キャクストン「引き続き偵察を続けろ。十分気を配れ」
『了解』
『了解』
ガルシア「彼女だ・・・彼女の仕業だ」
スネーク「どういう事だ?」
ガルシア「よくわかりません。ただ彼女がここにいるのは確かです」
スネーク「・・・」
『エコーよりアルファ。偵察区域に到着』
キャクストン「状況はどうか」
『無人です。動体が感知できません』
『こちらデルタ。デルタも同様、一切の生体反応なし』
キャクストン「どうなっている・・・」
レイ「まさか、取り逃がしたか?」
スネーク「俺が見てこよう」
キャクストン「頼めるか」
スネーク「ああ任せろ、潜入なら俺の十八番だ」
レイ「オヤジさん、次の提示報告までに終わらせなくてはこの村の異変がバレる」
レイ「そうなればミッションは失敗だ。急いでくれ」
スネーク「ああ、何かわかったら無線する」
黄金三角 麻薬プラント内
スネーク「・・・」スチャ
スネーク「外見は木造の古い小屋・・・高台も木製」
スネーク「村に偽装しているのか?しかしこの設備ではメタルギア等・・・」
奥へと進むスネーク
スネーク「・・・」スチャ
スネーク「・・・」ササ
スネーク「こちらスネーク。それらしき小屋を発見。これより潜入する」
キャクストン「了解だスネーク」
キィ
スネーク「暗くてよく見えんな・・・」スチャ
ナイトゴーグルを装備するスネーク
379:
ギシ・・ギシ・・・
スネーク「・・・」
スネーク「(麻薬製造と思わしき設備だ・・・だが肝心のメタルギアに関係する物が見当たらん)」
スネーク「(ん・・・?)」
小屋の一室に人影を発見する
スネーク「これは・・・!」
シェン・ヤン「」
目前には椅子に縛り付けられ、目と口を塞がれたシェン・ヤンが
その周りには彼の安全を一切考慮しない配置でクレイモアが大量に設置されていた
スネーク「バカな!こいつは確か、このプラントの!」
「スネーーーーーーーーーーーーーーーク!」
 ダン! ダン! ダン!
スネーク「!」
頭上より振ってくる見覚えのある影
スネーク「トルーパー!」ジャキ
カエル兵「・・・」シーン
カエル兵「!」ジャキ
スネーク「くっ」ジャキ
不意に現れたカエルの銃撃がスネークを襲う
ババババババ!
スネーク「ここで銃撃線はまずい・・・」チラ
シェン・ヤン「」
ババババババ!
スネーク「くっ」バッ
バリィィィン!
カエル兵「マドカラニゲタゾ!」
カエル兵「オエ!」
ダダダダダ!
380:
スネーク「ハッハッハッ・・・」
スネーク「こちらスネーク!キャクストン、聞こえるか!」
スネーク「こちらスネーク!キャクストン!応答しろ!」
スネーク「だめだ、繋がらない!」
オタコン「連中も、トルーパーに襲撃されてるんじゃ!?」
スネーク「その可能性が高い。一旦奴らの元へ戻る!」
オタコン「気を付けてくれ、スネーク!」
 ダン! ダン! ダン!
スネーク「!」
再び頭上から降ってくるカエル兵
カエル兵「ウテ!」
スネーク「ちぃ」ジャキ
ババババババ!
ガガガガガガ!
同刻
黄金三角 アルファ分隊
「こちらエコー!敵襲だ!」
レイ「オヤジさんの言ってたPMCか!?」
「違う!あれは・・・奴だ!」
「 パ ッ ケ ー ジ R だ ! 」
「ぐああああああああああああ!」
ザザーーーー・・・
キャクストン「エコーどうした!?状況を説明しろ!エコー分隊!」
レイ「奴が動き出した・・・シェーン!」
ガルシア「少佐」
キャクストン「わかっている・・・確保が先だ」
キャクストン「よし、これより我らはシェン・ヤン確保に向かう!」
キャクストン「パッケージRと交戦の可能性がある。各自陣形を崩すな」
アルファ分隊「サーイエッサー!」
381:
スネーク「むん!」
ガガガガガガ!ガガガガガ!
「ぐあっ」「あおっ!」「ああああ!」
カエル「ウテ!」
スネーク「ちっ」サッ
壁に隠れるスネーク
チュンチュンチュン! バババババ!
オタコン「スネーク!」
スネーク「これでは埒が明かん・・・連中、かなりの大部隊だ」
オタコン「だがそれが、メタルギアがここにあるという事を示している・・・」
スネーク「だな」
オタコン「何とかして突破できないか!」
スネーク「やってみる!」ジャキ
カエル兵「オイツメロ!」
バババババ!バババババ!
スネーク「むん!」
グレネードランチャーを放つスネーク
ドガァァァァァ!
カエル兵「アアアアアアア!」ボオオオオ
スネーク「よし!突破する!」ザッ
382:
スネーク「むん!」
ガガガガガガ!ガガガガガ!
「うがっ!」 「ひぐっ」 「ぎゃうっ!」
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・!」
ダダダダダッ!
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・」
スネーク「!」
頭上より飛来する巨大な物体
ズドォォンン!
パラパラパラ・・・
スネーク「くっ!」
スネーク「・・・?」
「待テ!」
スネーク「これは・・・」
オタコン「パワードスーツ!連中、こんな物まで持ち込んできたのか!」
ウィィィィィン・・・
パワードスーツが機銃掃射の構えを見せる
スネーク「くっ!」ジャキ
【BOSS】パワードスーツ
383:
ダララララララ!
バキバキバキバキ!
スネーク「くっ!」サッ
機銃の威力に木製の物が細切れにされていく
スネーク「あれは当たるとまずいな・・・」
ウイーン ウイーン ガシャン!
スネーク「むん!」バッ
ガガガガガガ! カンカンカンッ
M4の銃撃が厚い装甲に弾かれる
ボッボッボ・・・シュウウウウウウウウウ!
スネーク「ミサイル!?」
ドドドドガアアアアアアア!!
スネーク「まずい!」バッ
ドガアアアアアアアアア!
スネーク「ぐああ!」ズザザザザ
オタコン「スネーク!無事かい!?」
スネーク「なんとかな・・・オタコン、何か対策はないか!?」
オタコン「ちょっと待って!ええっと・・・」カタカタ
ダラララララララ!
スネーク「ちぃ!」チュンチュンチュン
384:
スネーク「くっ」ガガガガガガ!
カンカンカンッ
「ムダダ!」
ダラララララ!
スネーク「オタコン、まだか!」
オタコン「OKスネーク!そのスーツはあくまで歩兵の動作補佐。可動性を持たせる為に、装甲は戦車等の兵器よりかは厚くない」
オタコン「そして一体型の構造だ。無人兵器じゃないから操縦者が丸見えのはずだが、どうだい?」
スネーク「確かに、ど真ん中にそれらしき人影が見える」、
オタコン「よしスネーク、、確かに装甲は厚いが見た目ほどじゃない。火力の大きい武器なら十分通用するはずだ!」
スネーク「了解だ。ここはマフィアの麻薬プラントだ。どこかに銃器の類があるだろう」
オタコン「どうにかして、火力の大きい武器を探すんだ!」
「ソコカ!」」
ダララララララララ!
スネーク「むん!」バッ
ダラララララ!ダラララララララ!
スネーク「」ピン
スモークグレネードを投げるスネーク
ボンッ ブシュゥゥゥゥゥ!
「ウワッ!」
「オノレコザカシイ!」
スネーク「ハァ・・・ハァ・・」キョロキョロ
スネーク「あれだ!」
ズドォォォォン!
「ニガサン!」
スネーク「ちっ」バッ
ダララララララララ!
チュンチュンチュン!
スネーク「オタコンあったぞ。固定銃座だ!いけそうか!?」
オタコン「十分だスネーク!食らわせてやれ!」
スネーク「まずは奴の動きを止めねば・・・」
385:
ウイーン ガシャン ガシャン
「ドコヘイッタ!」
ウイーン ウイーン ガシャガシャ
「イッタイドコヘ・・・」
バッ!
スネーク「むん!ガガガガガ!
カンカンカンッ
「ソコカ!」
ダララララララ!
スネーク「」サッ
チュンチュンチュン
ウイーン グアッ
スネークのいた場所へ飛ぶパワードスーツ
ズドォォォン!
「イナイ・・・」
スネーク「!」ガガガガガ!
カンカンカンッ
「ソッチカ!」
ダララララララ!
スネーク「」サッ
チュンチュンチュン
「オノレチョコマカト!」
数発撃っては隠れ、また数発撃っては隠れるを繰り返すスネーク
386:
「イクラヤッテモムダダ!」
ダララララララ!
「マルゴト、フキトバシテヤル!」
ボッボッボッ・・・シュウウウウウウウウウ!
ドドドガアアアアアアアン!
「フキトンダカ?」
パラパラパラ・・・
スネーク「」ガバッ!
「!」
スネーク「むん!」
ボッ
 パ ァ ン !
「ア”??????????!」
スタングレネードをグレネードランシャーで発射するスネーク
「メガ、メガーーーーーー!」
ウインウイン、ガキョンガキョン
スネーク「今だ!」バッ
固定銃座を構えるスネーク
「ア”ウ・・・」
スネーク「」ガチャガチャ
スネーク「ぬおおおおおおおおおおおおお!!!!」
ドガガガガガガガガガ!
「!?」
スネーク「おおおおおおおお!!!!!」
ドガガガガガガガガガ!
ドガガガガガガガガガ!
ドガガガガガガガガガ!
387:
パワードスーツから黒煙が上がり出す
オタコン「効いてるぞスネーク!後少しだ!」
スネーク「ぬおおおおおおおおおおお!!」
ドガガガガガガガガガ!
ドガガガガガガガガガ!
スネーク「おおおおおおお!!」
カッ
ズドォォォォォォォン!
パラパラパラ・・・
スネーク「よし・・・撃破した!」
オタコン「スネーク、キャクストン達が心配だ!早く彼らの元へ!」
スネーク「ああ!」バッ
388:
ダダダダダッ!
スネーク「ハァ・・ハァ・・・」
「ニガスナ!」
再び迫りくるカエル兵
スネーク「むん!」
ガガガガガ!ガガガガガ!
「うがっ!」 「ひぐっ」 「ぎゃうっ!」
ダン! ダン! ダン!
「マテ!」
スネーク「次から次へと・・・」ジャキ
オタコン「スネーク!急げ!急ぐんだ!」
「エコー分隊FTL、アルファと共同し側面から援護しろ!」
デカード「エコーよりアルファ!パッケージRが確認できない!そちらから視認できますか!?」
「デルタFTL、そちらから観測できるか!?」
「エコー分隊聞こえるか!こちらデルタ・・・ああっ!」
「マドック!ギャラディ! 上 だ ! 」
マドック「!?」
ギャラディ「!?」
 ズ ド ォ ン !
マドック・ギャラディ「・・・ッ!」
ロベルタ「サンタ マリアの 名に誓い 全ての 不義に 鉄槌 を」
迷彩柄の人間は即座に肉塊と化した
ガサガサガサガサガサ!
389:
エダ「私です、ええ、始まりました」
エダ「狩りは順調のようです。開始と同時に分隊が何名かやられたようで」
エダ「さすが猟犬です。この調子でいけば・・・」
エダ「ええ、いくつか保険は打ってます。蛇には想定外の身体機能低下がみられますので」
エダ「はい。内通者の確保に成功しました。状況はこちらでもリアルタイムで確認できます」」
エダ「しかし我々ができるのはここまでです。これ以上は本人が自力で生き残るより・・・」
エダ「・・・なるほど。言われてみればそうですね」
エダ「はい、チャン氏が?なるほど、少しキツくしすぎました」
エダ「いえ、別に。マフィアと言う物はメンツを第一に考えます。どちらが上かわからせる必要があったので」
エダ「そう、駒はどちらかという事を・・・」ニヤ
エダ「我々『CIA』としてはできる事はここまでです。すでに我々の目的は達している」
エダ「ええ、はい。さようで」
エダ「猟犬を?それは我々の与り知らない事です。ご自分でどうにかなさったら如何でしょう」
エダ「・・・まあ、一応仕掛けて起きましょう。幸い『若様』もその場所にいらっしゃるようなので」
エダ「そうそう、蛇のサポート中私の大事な【サングラス】が割れました」
エダ「ええ、愛用の【サングラス】です・・・いいじゃないですか。たかがサングラスくらい」
エダ「ふふ、感謝します。ここにはロクな品がない物で・・・」
エダ「ええ、状況は引き続き追って連絡します。では失礼します」
394:
黄金三角 密林
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・」
スネーク「追手はもう・・・来ないようだな・・・」
オタコン「追跡を諦めた?」
スネーク「いや、わからん。どこかに潜んでいるかもしれん」
スネーク「油断はできん」ジャキ
歩を進めるスネーク
ザッザッザッ・・・
スネーク「・・・!」
スネーク「これは・・・!」
スネークの目線の先に米兵の死体
スネーク「おい!大丈夫か!・・・だめだ、死んでる」
オタコン「やはり彼らも襲撃されたんだ・・・」
ザザ・・・ザザザ・・・
『こちらエコー、デルタ、パッケージRを喪失した!』ザザ
スネーク「無線!回線は生きていたか!」
『こちらデルタ!デカード、随伴の兵がいないぞ!』ザザ
スネーク「こちらスネーク、応答しろ!何があった!?」ザザ
『じいさん!?無事だったか!』ザザ
スネーク「何があった!」
『今我々はパッケージRと交戦中だ!部下が3名やられた!』ザザ
『現在パッケージRをロスト!しかし奴は・・・ハッ!』ザザ
スネーク「おいどうした!応答しろ!」
『ザザ・・・ザザザザ・・・ガガ・・・』
『 ぐ あ あ あ あ あ あ あ あ あ ! ! ! ! 』
スネーク「おい!応答しろ!おい!」
スネーク「くそ、やられたか・・・」
395:
『ザザ・・・ザザザザ・・・ガガ・・・』
『ふふ・・・くふふふ・・・』
スネーク「!?」
『どんどん死んでいくわよ・・・あなた達の子狐達が・・・』
スネーク「(ロザリタ・チスロネス!)」
『この森の全ての狐の皮を剥ぐまで・・・狩りは終わらない・・・』
『貴方の獲物は・・・「デスキマ」の手の内にある・・・』
スネーク「デスキマ・・・コロンビアに伝わる断罪の義賊・・・」
オタコン「まさか彼女、シェン・ヤンの元へ先回りして!」
スネーク「さっきのPMCは俺を止める陽動だった・・・?」
オタコン「PMCと組んだのか!?一体どうやって・・・」
スネーク「誰かが手引きしたんだ。奴一人でわかるはずがない」
オタコン「スネーク、まずいよ!」
スネーク「わかってる。おい、ロザリタ!」
『・・・どちら様でしょうか』ザザ
スネーク「俺だ。お前に借りを返しに来た」
『ああ、あの時の・・・』ザサ
スネーク「俺はお前を止めに来た。ガルシアもここにいる」
『・・・』ザザ
スネーク「狩りを続けたければまず俺を倒してからにしたらどうだ」
『・・・』ザザ
スネーク「おい、答えろ!」
『・・・』ザザ
『 お 断 り で す 』
パァン!
396:
スネーク「 ! くそ!猟犬め・・・」
『あなたに用はありません・・・御用がおありでしたらあなたの方が・・・お越しになられれば如何でしょう・・・』ザザ
スネーク「・・・わかった。今から君の元へ向かおう」
スネーク「だから米兵を襲うのはやめろ!」
『・・・・あなたに何の権限が・・・先ほどから・・・失礼ではないでしょうか』ザザ
『・・・無礼な輩にこれ以上かける言葉はありません・・・ですので・・・最後に一言だけ』ザザ
『 止 め れ る モ ノ な ら 止 め て 見 ろ 』゙
パァン!
『ザザーーーーーーー・・・』
スネーク「・・・屈辱だ。奴にとって俺は眼中にないらしい」
オタコン「振り向かせてやればイイじゃない」
スネーク「ああ、飛び切りの口説き文句で奴のハートを射止めてやろう」
オタコン「スネーク、猟犬は動きだした。米兵と言えど彼女の戦闘能力には適わないだろう」
オタコン「これ以上被害が出る前に、一刻も早く追いついてくれ!」
スネーク「了解。これより「猟犬」狩りを開始する!」プツン
397:
キャクストン「ベネット!兵員をつれて側面に回り込め!」
キャクストン「サンチェス上級軍曹とボウマン伍長が狙撃援護につく!」
キャクストン「それまで持ちこたえろ!」
パァン!
レイ「!」
『 ぐ あ あ あ あ あ あ ! ! 』
レイ「また一人・・・クソ!」
ガルシア「・・・」
キャクストン「サンチェス、ボウマン!所定位置についたか!」
『少佐!エコー分隊の遺体を確認!もう捕獲は無理です!』
『反撃の許可を!』
レイ「シェーン!」
キャクストン「・・・」タラ
レイ「もう状況は限界だ!俺達は奴を舐めてた!」
『少佐!反撃の許可を!』
ガルシア「・・・」
パァン!
レイ「・・・また!」
398:
『少佐!指示を!反撃か、突入か、指示を!』
ファビオラ「」ジャキ
アルファ分隊「!」ジャキ
ファビオラ「・・・最後までやってもらうよ」
ファビオラ「『正義の味方』だろ?」
キャクストン「・・・」タラ
スネーク「こちらスネーク!キャクストン!応答しろ!」
レイ「オヤジさん・・・!」
キャクストン「スネーク!私だ」
スネーク「やっと繋がったか・・・猟犬に襲われているようだな。状況はどうだ!」
キャクストン「最悪の状況だ・・・部下が次々とやられている」
スネーク「今奴を追っている所だ!なんとか持ちこたえろ!」
キャクストン「ああ・・・」
ファビオラ「心強い味方がいて得したね」
ガルシア「これであなた方はまだ舞台を降りれない・・・」
キャクストン「・・・」
399:
スネーク「キャクストン、聞け。シェン・ヤンは猟犬の手中にある」
キャクストン「なんだって!?」
スネーク「小屋の中に縛り付けられて、周りにはクレイモアが大量に置かれていた」
スネーク「発見直後に例のPMCに襲われた」
キャクストン「・・・!」
スネーク「奴は時間制限を設けたんだ。お前らが、後戻りできないように!」
キャクストン「・・・」
スネーク「部下を引き上げさせろ!このままでは猟犬に狩られるだけだ!」
キャクストン「・・・」チラ
ファビオラ「」ジャキ
キャクストン「・・・わかった。一旦引かせる」
キャクストン「スネーク、彼女を・・・頼めるか」
スネーク「ああ、任せろ」
キャクストン「恩に着る・・・」
ダダダダダッ!
スネーク「新しい死体が増えた・・・奴は近い!」
パァン!
スネーク「銃声!かなり近いぞ!」
「ぐああああああああ!!」
スネーク「!」
ザザッ
スネーク「あそこか!」
400:
ボウマン「」
サンチェス「ハァ・・・ハァ・・・」
ガササササササ!
サンチェス「どこだ・・・どこにいやがる・・・」ハァハァ
『サンチェス上等軍曹!よせ!RPに戻れ!』
ガササササササ!
ガサッ!
サンチェス「う・・」
サンチェス「 あ あ あ あ あ あ あ ! ! 」ジャキ
スネーク「あれは・・・!」
サンチェス「あああああああああ!!!」ガガガガガガガ
スネーク「よせ!取り乱すな!」
サンチェス「あああああああああ!!!」ガガガガガガガ
 パ ァ ン !
サンチェス「」ガク
401:
スネーク「おい!しっかりしろ!」ガバッ!
サンチェス「」
スネーク「間に合わなかった・・・くそ!」
ガサッ ガサッ ガサッ
スネーク「いるな・・・」ジャキ
木々が揺らぎ葉音が連続して鳴り響く
スネーク「・・・」
ガササッ! ガサッ! ガサッ!
ガサササササササ!
スネーク「!」バッ
 パ ァ ン ! 
スネーク「くっ」ザザザ
スネーク「上か!」ジャキ
ガガガガガガ!
バキバキバキッ
ロベルタ「!?」バキィ
スネークの銃撃により足場にしていた枝が折れる
ドン!
ロベルタ「・・・」
木宿宿とは違い、女中の姿を見せる猟犬がそこにいた
402:
ロベルタ「・・・」
スネーク「君の言いつけどおりこちらから出向いた」ジャキ
ロベルタ「・・・」
スネーク「それが本来の姿か」
ロベルタ「・・・」
スネーク「その服装は戦場には似合わない。君には、君の帰る場所があるはずだ」
ロベルタ「・・・」
スネーク「戦いは君の勝ちだ・・・部隊にはもうほとんど兵は残っていない」
ロベルタ「・・・で?」
スネーク「もう十分だろう!君にとっては最良の結果なはずだ!」
ロベルタ「笑わせないで・・・お前たちの様な者を消し去るのが・・・私にとっての最良よ」
スネーク「その先に何がある。血に塗れた体で、農園に戻れるとでも?」
ロベルタ「・・・若様は私の帰りを荘園でお待ちです」
スネーク「違う!ガルシアはここにいる!」
ロベルタ「蘭の咲き乱れるあの屋敷で・・・嗚呼、早く帰ってコーヒーをお持ちしないと・・・」
オタコン「スネークだめだ!話が通じる状態じゃない!」
ロベルタ「血に塗れたこの体を・・・一刻も早く浄化しなくては・・・」
スネーク「!?」
ロベルタ「魂を浄化できるのは・・・蛇の血・・・のみ」
スネーク「何を言っている!?」
ロベルタ「はやく穢れた体をろ過して・・・若様の元へ帰らないと・・・」
スネーク「(ダメかっ・・・!)
ロベルタ「ふふ、ふふふふふ」
ロベルタ「 ふ ふ ふ ふ ふ ふ ふ ふ 」ズザ
オタコン「スネーク!くるぞ!」
スネーク「!」ジャキ
ロベルタ「私は・・・お前たちを・・・」
ロベルタ「 許 さ な い ! 」
スネーク「(くる・・・!)」
【BOSS】ロザリタ・チスロネス(2戦目)
408:
ロベルタ「」ジャキ
スネーク「(二丁拳銃!)」
ドドゥ!
スネーク「くっ!」サッ
ドドゥ! ドドゥ! ドドゥ!
スネーク「今度は準備万端という訳か」サッ
 ザ ザ ザ ザ ザ ザ 
スネーク「!」
ガシィ!
スネーク「!」
ロベルタ「捕まえた・・・」ギリギリ
猟犬は草むらを利用し、視界に入らぬようスネークに近づき、そして捕えた
スネーク「い・・・!」
ロベルタ「」ジャキ
スネーク「(ゼロ距離射撃!)」
パシッ ドドゥ!
ロベルタ「!」
猟犬の放った銃撃はスネークの機転により両手を掴まれ銃身を外へ向けられる
スネーク「ちぃえぇりゃあ!」
ロベルタ「ちっ」グオン
グルンッ
そしてそのまま投げを試みるが、猟犬は前転で投げを回避する
スネーク「抜けられた!」
ロベルタ「ギッ!」シャッ
ロベルタの鋭い蹴りがスネークに突き刺さる
スネーク「ぐはぁ!」
ロベルタ「」シャシャシャ
スネーク「待て!」
ザザザザザッ!
409:
シーーーーン・・・
再び辺りが静寂に包まれる
スネーク「どこへ行った・・・!」
姿は見えずとも、木々の擦れる音がロベルタの位置を示している
ガサッ バサッ ガサッ
スネーク「上か!」
ドドゥ!
スネーク「くっ」バッ
頭上から猟犬の銃撃が襲う
オタコン「スネーク!奴は木の間を飛び回っている!」
スネーク「まるでムササビだな・・・」チュンチュン
ガサササッ バサッ
スネーク「むん!」
ガガ! ガガガ! ガガガガガ!
スネークの応戦も虚しく銃弾は空を切る
ロベルタ「ふふ、ふふふ」
ロベルタ「ダメよ蛇さん、ちゃんと狙わないと」
ロベルタ「はやくなんとかしないと・・・貴方が食べられちゃうわ」ジャキ
スネーク「まずい!」サッ
咄嗟に身の危険を察し木に身を隠すスネーク

 パ ァ ン !
410:
スネーク「うがああ!」
猟犬の放つ銃弾は木を貫通し、そのままスネークの脇腹をかすめた
スネーク「なんだと・・・!?一体どうなっている!」
ドドゥ! ドドゥ! ドドゥ!
スネーク「くっ」
猟犬の銃撃に追いつかず、逃げ纏うしかできないスネーク
スネーク「ダメだオタコン、奴が視認できない!」
オタコン「暗い木々の中を飛び回っているんだ・・・スネーク、ゴーグルを使え!」
スネーク「くっ・・・」カシャ
サーマルゴーグルを装備し、辺りを見回す
ロベルタ「」ジャキ
スネーク「いた!!」ガガガガガ
ロベルタ「」バッ
スネークの銃撃が虚しく空を切る
スネーク「これもダメか・・・ハッ!」
 パ ァ ン !
スネーク「!」プスプスプス
先ほど同様、ロベルタの放った弾丸は確かに木を貫通している
スネーク「くっ、わからん!奴は一体何を撃っている!」
オタコン「対物ライフルの類じゃないか!?」
スネーク「いいや、それにしては音が軽い。あれだけ飛び跳ねれば音が・・・」
 ザ ザ ザ ザ ザ ザ
411:
スネーク「!」
ロベルタ「シャアアアアアアアア!」ドゥドゥドゥ!
猟犬が拳銃を撃ちながら走り寄ってくる
スネーク「ぬお!」
ロベルタ「」バッ
大きく跳ねた猟犬が頭上からスネークを狙う
ドドゥ! ドドゥ! ドドゥ!
スネーク「ぬおおおお!」バッ
必死の回避行動がスネークの体制を崩す
スネーク「まずい!」ガク
パシッ シュルルルル スコン!
スネーク「(何をしている!?)」
 パ ァ ン !
プスプスプス・・・
猟犬の放った弾をある反応で躱し、反撃に転じる
スネーク「ぬおおおおお!」ガガガガガガ
ロベルタ「!」
ガサササササ チュンチュンチュン!
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」ジャキ
ザワザワザワザワ・・・
412:
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・」
スネーク「奴め・・・どこに!」
ロベルタ「」バッ
スネーク「がっ!」
スネークの警戒も虚しく、猟犬は蛇の真上に忍び寄り、絞首刑の如く脚部で首を絡め取る
スネーク「ぐ・・・」ジタバタ
ロベルタの強靭な脚力が次第にスネークの体を浮かす
スネーク「がは・・・う・・・」ジタバタ
ロベルタ「絞首刑は・・・いかがです・・・?」ググ
スネーク「オ・・・オ・・・」スチャ
スネーク「ぬおぁあ!」ズバ
スタンナイフの刃先が猟犬の脹脛を掠める
ロベルタ「ッ!」バッ
スネーク「かはぁ!」ドサ
ロベルタ「ちぃ・・・」
ガサササササ
ロベルタは再び葉音を立てながら去っていく
パシッ シュルルルル スコン!
スネーク「(またこの音!)」
ロベルタ「」ジャキ
 パ ァ ン !
413:
スネーク「くっ!」バッ
ロベルタ「(躱された・・・?)」
自身の銃撃を幾度も躱された事に疑問を感じた猟犬は、本能的に聞きを感じ遠ざかっていく
ザザザザザザッ!
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・オタコン・・・!」
オタコン「スネーク、無事か!」
スネーク「なんとかな・・・奴に絞首刑にされそうになったが」
スネーク「だがおかげで奴の得物が分かった」
オタコン「なんだって!」
スネーク「マスケットだ・・・奴はマスケットで狩りに来た」
オタコン「マスケット!?飛んでもない骨董品じゃないか!」
スネーク「奴に絞められた時に一瞬見えた・・・間違いない」
スネーク「あの辺り一面に突き刺さっていた棒切れ・・・それで合点がいった」
オタコン「朔上か!」
スネーク「ああ、マスケット銃は構造が簡単だ。その為火薬さえあればどんな物でも弾丸にできる利点がある」
オタコン「しかし相当な年代物だ・・・専用の火薬が・・・ハッ!」
スネーク「あの発破屋か!」
オタコン「奴め・・・狂っているようで実に冷静だね」
スネーク「猟犬の面目躍如と言った所だな」
 ザ ザ ザ ザ ザ ザ !
スネーク「!」
 パ ァ ン !
スネーク「くっ」ササッ
一息つく間もなく猟犬が次の攻勢いに打って出る
414:
ズザザザザザ!
猟犬がスネークに再び接近を試みる
スネーク「!」
ロベルタ「」ジャキ
ドドゥ!
スネーク「ぐあぁ!」
ロベルタ「(当たったはず・・・)」
スネーク「・・・ちぇい!」バッ
ロベルタ「!」
スネークの三連撃がロベルタを襲う
ロベルタ「くっ」
スネーク「ハッハッちぇりゃあ!」ブオン!
バキィ!
ロベルタ「がぁっ!」ドサ
地に伏せる猟犬に対しすかさずM870に持ち変える
スネーク「」ガチャコン
ロベルタ「ぐ!」バッ
 ズ ド ォ ン !
スネーク「かわされた!」
ドドゥ!
スネーク「くっ」サッ
互いの銃撃と怒気が混じり合った荒い葉音が辺りに響く
スネーク「やはりこの貫通性能・・・奴め、マスケットに何か細工したな?」
オタコン「米軍の防弾ベストを貫くくらいだ・・・AP弾か何かか・・・」
スネーク「俺の勘ではフレシェット弾だ。マスケット銃で防弾ベストを貫くならあれしかない」
オタコン「フレシェット弾か!確かに、構造上は可能だけど・・・」
オタコン「そもそもマスケット銃自体が旧世代の物だ。いくら弾丸を選ばないからと言っても、ライフリングもまともにないんだ」
オタコン「精度は通常のライフルより遥に劣るはずだ・・・」
スネーク「弘法は筆を選ばず。って奴だな。昔メイリンに教えてもらったことわざだ」
オタコン「つくづく、化け物染みてるね・・・」
スネーク「敵の出方は大体把握した。これより、反撃に移る!」
オタコン「死ぬなよ、スネーク!」
415:
ザワザワザワザワ・・・
スネーク「・・・」ジャキ
薄暗い密林の中、身を隠しながらゆっくり、確実にと歩を進めるスネーク
スネーク「・・・」ササッ
ザワザワザワザワ・・・ ガサッ
スネーク「!」
ドドゥ! ドドゥ!
スネーク「(来た!)」
ガサササササ!
ドドゥ! ドドゥ! ドドゥ!
スネーク「奴め、また木の上から・・・」
ガガッ! ガガッ! ガガッ!
スネークの銃撃は空を切り続ける
ガササササ・・・バサッ!
パシッ シュルルルル 
スネーク「(この音!)」
スコン!
スネーク「(今だ!)」バッ
スネークはとある確信を元に行動を開始する
スネーク「ぬおおおおおお!」ガチャン
416:
猟犬がマスケットを込めようと降りてきた所を狙い
ロベルタ「!」
走り寄るスネークが放ったのは
スネーク「おおおおおお!」
ボッ
ロベルタ「(グレネード!)」
ズドォォォォン!
ロベルタ「アアアアア”!」ザザ
ロベルタ「ぎぎっ!」スタ!
爆風に飛ばされた体を即座に整えた猟犬が見た物は
スネーク「おおおおおお!」ダダタッ
ロベルタ「くっ」ジャキ
ロベルタ「ハッ!」
グレネードで焼き払われた朔上の破片であった
スネーク「おおおおおおお!」ガシャコン
ロベルタ「くっ!」ジャキ
マスケットは使用不可と判断し、即座に拳銃に持ち替えるが
スネーク「遅い!」ジャキ
ロベルタ「?????!」
 ズ ド ォ ン ! 
ロベルタ「カッ・・・」メキィ
ゴムの散弾が猟犬に直撃した
425:
ロベルタ「ガハァッッ!」ドン
スネーク「もう一発!」ガチャコン
ロベルタ「ギィ・・・」ジャキ
スネーク「!」
トドメを刺そうと再び銃を構えるスネークに、猟犬の銃が火を噴く
スネーク「ぐあっ」サッ
スネーク「(まだ動けるのか!)」
ロベルタ「アガ・・・グフッ!!」ドサ
猟犬の口から鮮血が噴き出る
スネーク「だが無事では済まないだろう。直撃だ」
ロベルタ「ハァ・・・ハァ・・・」ペッ
ザッ!
スネーク「逃がさん!」ダッ
ダダダダダッ!
ザザザザザッ!
スネーク「あの体でどこへ・・・」
シーーーーーーーーーーーーン・・・
スネーク「!」
側面の枝から両膝が飛び出してくる
スネーク「ぐあっ!」ドサ
ロベルタ「ハァーーー、ハァーーーー」ジャキ
スネーク「させるか・・・むん!」
猟犬の拳銃を脚で払い落とす
ロベルタ「!」
スネーク「ちぇりゃあ!」
激しい体術の攻防が始まる
426:
ビシ バシ パシ ガシ ササッ バシ
スネーク「ハァ・・ハァ・・」
ロベルタ「ハァーー・・ハァーーー・・」ゴフッ
ザザッ!
スネーく「むん!」 
ロベルタ「しゃあ!」
お互いがお互いの攻撃を捌き合い、有効打が当たらない状況が続く
スネーク「(なんてタフな女だ・・・)」
ロベルタ「????」カァァ
 ペ ッ !
スネーク「ぐっ」ビチャ
スネーク「(まずい、視界が・・・!)」
ロベルタ「シャアアアアアア!」
スネーク「 ご は ぁ ! 」
赤い吐しゃ物に視界を奪われたスネークに鉄拳が突き刺さる
ロベルタ「・・・!?」ググ
スネーク「」ニヤ
スネークの手に猟犬の腕が収まる
ガバッ グキ グググ
スネーク「むん!」
ロベルタ「ぎっ!」
そして拘束された猟犬は身動きを取れなくなった
427:
スネーク「いい加減にしろ・・・そろそろガルシアの所へ帰ったらどうだ・・・」グググ
ロベルタ「???」ブツブツ
スネーク「・・・?」
ロベルタ「川西能勢口絹延橋滝山鶯の森・・・」ブツブツ
ボキ
スネーク「???!」
鈍い音を立てスネークの指があらぬ方向へと向いている
ガン! ガン! ガン!
スネーク「ぐあっ!」
猟犬の頭突きがスネークの拘束を解かせる
ロベルタ「シャアアアアア!」ブオン!
解き放たれた猟犬の回し蹴りがスネークのこめかみに当たる
スネーク「 ぐ は ぁ ! 」ドサ
ロベルタ「ハァーー・・・ハァーーー・・・」
シュルルルルル スコン!
スネーク「まずい・・・」ピン
428:
ロベルタ「!」ジャキ
マスケット銃を再び向ける猟犬に
ボンッ
シュウウウウウウウウウウ!
ロベルタ「(煙・・・!)」
スモークグレーネードを放ち、煙に乗じてもう一撃加えようとするが
ガチャコンッ
ロベルタ「!」
ズドォォン!
パラパラパラ・・・
スネーク「当たったか!?」
煙の立ち込める中、スネークが見た物は
シュウウウウ・・・
ブォッ!
スネーク「!」
ロベルタ「」ガシ
M870の銃身を脇に抱えたロベルタがそこにいた
ロベルタ「 シ ャ ア ア ア ア ア ! ! 」
力む猟犬をその目に捉えながら
スネーク「 お お お お お お お ! ? 」
スネークの体は銃身毎、空を舞った
429:
ズザザザザザ! ドォォン!
スネーク「うぐ・・・」
オタコン「スネーク!応答しろ!スネーク!」
スネーク「オタコン・・・なんとか無事だ・・・」
オタコン「スネーク!よかった・・・」
スネーク「しかし、グフッ・・・奴は不死身か・・・?」
オタコン「僕も信じられないよ。生身であそこまでやる人間がいるなんて・・・」
スネーク「CQCも効かない。ショットガンの直撃も耐えた」
スネーク「これ以上どうしろと・・・ガハッ!」
オタコン「弱音を吐くな!スネーク!」
スネーク「歳を取ると愚痴っぽくなっていかんな・・・しかし、どうにもならんのも事実だ」
オタコン「役立つかどうかはわからないがスネーク、マスケット銃について情報がある」
オタコン「あのマスケットは・・・ラブレス家の物だ」
スネーク「なんだと!」
オタコン「こちらで調べてみたんだ。スネーク、初代ラブレスがアメリカ大陸に上陸した時に仕様した物みたいだ」
スネーク「何百年前の話しだそりゃ・・・」
オタコン「家宝として飾ってあったようだね。それをわざわざ持ち出したと言う事は・・・」
スネーク「主君への忠誠心か・・・」
オタコン「厄介だよスネーク。彼女を支えているのは「猟犬の本能」だ」
スネーク「歪んだ忠誠心だ・・・体も、心もボロボロにしてまでする事じゃない」
スネーク「ましてやガルシアを残して・・・グフッ」
オタコン「彼女がやっているのはまるでカミカゼ特攻だ。仮にここを凌いでも、いつまでも長持ちする物ではないよ・・・」
スネーク「カミカゼ特攻か・・・奴がそう来るなら、こちらも」
オタコン「ちょっと待ってスネーク!?どうするつもりだい!?」
スネーク「目には目をだ。オタコン」
オタコン「待ってスネーク!スネーク!」
スネーク「任務に戻る!」プツン
430:
キャクストン「こちらアルファ!誰か!誰でもいい、応答しろ!」
キャクストン「だれか!誰か生き残っている者はいないか!」
ガルシア「・・・」
レイ「オヤジさんは!」
キャクストン「連絡が取れない・・・先刻から続く銃撃音、もしや・・・!」
レイ「そんな・・・伝説の英雄が!?」
ファビオラ「」ジャキ
ホーナー「ああ、頼む坊や、やめさせてくれ」ジャキ
バロウズ「もう十分だろう!?仲間が死んじまう!」ジャキ
ガルシア「・・・まだです」
ガルシア「まだ彼女はここまでたどり着いていない」
キャクストン「・・・」
ダッチ「・・・」
レヴィ「ちっ盛り上がりに欠ける。さっさと殺し合え」ザザ
レイ「シェーン!もう作戦続行は無理だ!」
レイ「 シ ェ ー ン ! 」
キャクストン「(スネーク・・・!)」
431:
ロベルタ「?」フラフラ
枝を弱弱しく踏みつけ歩を進める音が鳴る
ロベルタ「???」ブツブツ
ガガガガガ! ガガガガ!
ロベルタ「!」シャ!
ロベルタ「・・・?」
猟犬の視界の先には
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・」
スネーク「むん!」
ガガガガガ! ガガガガガガ!
ニ マ ァ
ロベルタ「シャアアアアアアア!!!」ダッ
スネークを見つけるや否や嬉々として動き出す
スネーク「くっ」バッ
ガガガガガ!ガガガガガ!
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・」バッ
ロベルタ「ニげないで・・・らくにコロしてあげるから・・・」
432:
スネーク「くっ!」ジャキ
ガガガガガ! ガガガガガ!
ロベルタ「」サッ
ジャキ
 パ ァ ン !
スネーク「うぐっ!」チュン
スネーク「奴め・・・ボロボロになりながら尚も精度が上がっている・・・」
ガガガガガ! ガガガガガ!
パ ァ ン パ ァ ン パ ァ ン !
スネーク「むん!」ガガガガガガ!
ロベルタ「はぁぁ・・・」チュンチュンチュン
銃撃を挟みながら逃げ続けるスネークに
ロベルタ「」バッ
スネーク「!」
ダンッ!
頭上より跳んできた猟犬が立ちふさがる
ロベルタ「おいカけっこは もうヲわり?」
433:
スネーク「く・・・」
スネーク「ちぃえりゃあ!」ブオン
スネークの拳が易々と受け止められる
ロベルタ「」パシ
ロベルタ「シャアアアアアア!」
バキィ!
スネーク「 ぐ は ぁ ! 」ドサ
ロベルタ「デわそろそロ」
ロベルタ「天使をヨんデ アゲましょウ」ジャキ
マスケット銃の先がスネークに向けられる
スネーク「(これだ!)」
ロベルタ「」ニマァ
ロベルタが引き金を引くと同時に
スネーク「」ガバッ
 パ ァ ン !
スネーク「 ぐ あ あ っ ! 」
ロベルタ「・・・!?」
スネークは銃口を自らの肩に押しつけた
ロベルタ「???????????」
スネークの不可解な行動に混乱する猟犬に
スネーク「」グアッ
ガシッ パシッ
スネーク「ちぃえりゃぁあ!」
スネークの一本背負いが猟犬を貫く
434:
ズドン!
ロベルタ「がはっ!」
ロベルタ「」ギュルルルル スタ
ロベルタ「ぐぅ・・・」ジャキ
スネーク「朔上を探してもムダだ・・・」
ロベルタ「!?」
辺りのマスケットの朔上が全て粉々に砕かれている
スネーク「悪いが、辺りの朔上は破壊させてもらった」
スネーク「俺が闇雲に逃げ回っていると思ったか・・・?」
ロベルタ「ぎ・・・」ピキ
ロベルタ「がああああああああ!!」
肉弾戦を仕掛ける猟犬に
スネーク「(きた!)」ガバッ
スネークは何かを手に掲げ、目を瞑った
ロベルタ「!?」
 パ ァ ン !
キィーーーーーンーーーー・・・・
ロベルタ「ア”????????!」
スネーク「あぐ・・・」キーン
435:
キィーーーーー・・・ン・・・ グワァ・・・
オタコン「スネーク!自分ごとスタンを浴びせたのかい!?」
スネーク「ああ、こうでもしないと奴は止まらん・・・」
オタコン「しかしそれでは君まで!」
スネーク「ああ、地面がぐらついている・・・」フラ
ロベルタ「アぎ・・・」フラ
スネーク「これは・・・奴と俺の根競べだ・・・」
オタコン「スネーク!耐えろ!耐えるんだ!」
スタングレネードを至近距離で浴び、フラつく二人
スネーク「う・・おおっ」フラ
ロベルタ「ギ・・・」フラ
オタコン「スネーク!がんばれ!スネーーーーク!」
スネーク「う・・・おおおおおお!!!」
436:
ドサッ
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・」
猟犬に覆いかぶさるスネーク
ロベルタ「!」ジタバタ
もがく猟犬に
スネーク「ハァ・・ハァ・・・」
スネーク「むん!」
ザクッ!
ロベルタ「!?」
猟犬の手を握り、「自分ごと」スタンナイフを突き立てる
スネーク「これでお前は逃げられない・・・」ゼエゼエ
ロベルタ「!?!?!?!?!?」
スネーク「行くぞ・・・」
カチッ
バリバリバリバリバリ
437:
スネーク「ぬおおおおおおおおおおおお!!!!」
ロベルタ「がああああああああああああ!!!!」
プスプスプス・・・
スネーク「まだまだいくぞ・・・」
ロベルタ「?????!」
カチッ
バリバリバリバリバリ
スネーク「ぬおおおおおおおおおおおお!!!!」
ロベルタ「がああああああああああああ!!!!」
オタコン「スネーク!後少しだ!スネェェェェェク!!!!」
ぬおおおおおおお・・・
があああああああ・・・
バリバリバリ・・・
カチ・・・
ぉぉぉ・・・
ぁぁぁ・・・
ーー・・・
438:
キャクストン「叫び声が・・・聞こえなくなった」
レイ「オヤジさんがやったのか!?」
ガルシア「・・・」
ファビオラ「・・・」
ザ・・・ザ・・・ザ・・
ホーナー「少佐!あれは・・・」
キャクストン達の前に弱弱しく歩いてくる人影が一人
キャクストン「スネーク・・・スネークなのか!?」
レイ「オヤジさん!」
フラ・・・フラ・・・
レイ「まずい!彼は重傷だ!」
ホーナー「ご老体でよくぞここまで・・・」
バロウズ「少佐!自分が迎えに行ってきます!」ダッ
レイ「助かった・・・のか・・・」
ダダダダダッ
バロウズ「おーい!スネ???ク!」
バロウズ「だいじょうぶか(ry
ガシッ
ロベルタ「」
ゴキッ・・・!
439:
米軍「!!」
バロウズ「」ドサ
ロベルタ「」ザ・・・ザ・・・
ホーナー「ぱ、パッケージR・・・」
レイ「ウソだろ!?オヤジさんはどうした!!」
キャクストン「スネークは・・・」
キャクストン「 ス ネ ー ク は ど う し た ぁ ! ! 」
ロベルタ「・・・」
猟犬は人差し指と中指を立て、首元に当てた。そして
ロベルタ「」クイ
米軍「!!」
レイ「そ・・・んな・・・」
ホーナー「う、うそだ・・・」
キャクストン「・・・」グッ
オタコン「スネーク!立て!スネーク!」
オタコン「 ス ネ ェ ェ ェ ェ ェ ク ! ! ! 」
スネーク「」
451:
スネーク「・・・」
 見ていられないな スネーク
スネーク「誰だ!?」
 歳を取ったな。あの時よりも
スネーク「お前は・・・」
 あの猟犬は・・・かつての俺と同じだ
スネーク「フォックス!グレイ・フォックスか!?」
 名前などない。ファンの一人だよ
スネーク「何故ここに!?」
 無様なお前の姿を見せられて、せっかく助けてやった甲斐がないと嘆いているだけだ
スネーク「・・・」
 あの猟犬に随分手こずっているようだな
スネーク「あれは化け物だ・・・手に追えん」
 諦めるのか?
スネーク「そういうわけではない。しかし、もう手が・・・」
 あの女も・・・戦っている
スネーク「誰とだ?」
 血に塗れた自分・・・お前にも覚えはあるだろう
スネーク「・・・」
 あの女は兵士として育てられた。その中で形成されたジャッカルが平穏な暮らしを拒否するのだ
 いくら主を変えた所で、己の本能には逆らえまい
スネーク「・・・かつての自分とダブったか?」
 そうかもな。あれと俺は似ている。
 どこへ行こうと、結局は戦場に戻ってくる・・・俺達はそういう風にできている
452:
スネーク「・・・」
 ジャッカルとしての本能、ロザリタとラブレスの女中、ロベルタ。果たしてどちらが勝つか・・・
 いや、もう勝負は見えているな。あれはもはやただの『獣』だ
スネーク「俺達は政府や誰かの道具じゃない」
 そうだ。俺達はいつも、自分の意志で戦ってきた
 あの女は自分がなんで戦っているのか、それがわからないだけだ
スネーク「猟犬の中のメイドに、目覚めてもらうとでも?」
 本能のままに血を貪った結果、僅かながら芽生えて消えた後悔、懺悔、罪悪感
 
 それがあの平穏の中で、一気に膨らみ、そして爆発した
 あの女を縛り付けているのは俺ではない。あいつ自身だ
スネーク「・・・」
 薬物と血で押さえつけたのは自分自身、皮肉な物だ
スネーク「俺が解放しろと言うのか」
 ヒントはここまでだ。後は自分で考えるといい
 正真正銘、ディープスロート最後のプレゼントだ
スネーク「・・・」
prrrrrrrr prrrrrr
 ほら、目覚ましが鳴っている。そろそろ起きる時間だ
スネーク「・・・フォックス」
スネーク「ありがとう」
453:
ザッザッザッザッザ・・・
ロベルタ「 」
レイ「おいシェーン・・・くるぞ」
キャクストン「・・・」
ガルシア「 」ス
キャクストン「おい、少年!」
ロベルタ「!」
ガルシア「・・・」
うすら寒い風が吹き荒れる中、かつての主と女中はお互い対峙し合う
ロベルタ「若・・・様?」
ガルシア「やっと追いついたよ。本当に、やっと・・・」
ロベルタ「あなたは・・・本当に若様なの?私にはわからないの」
ロベルタ「あなたが本当にいるのかどうか・・・フフ。おかしいでしょ?」
ロベルタ「あの日以来、生きているべき人間が死に、死んだ人間が語りかけてくるんです」
ロベルタ「時間ももう、曖昧で・・・」
ロベルタ「私自身、生きているのか、死んでいるのか・・・何が何だかもうわからなくなってしまっているんです」
ロベルタ「で、でも若様、これが終わればお屋敷に帰れます。あのカナイマの咲くお屋敷に・・・」
ガルシア「ロベルタ」
ガルシア「君の問いに答える事もできる。君の間違いも正すこともできる。でも」
ガルシア「本当はそんな事、どうでもイイ事だったんだ」
ギリッ!
ロベルタ「どうでも・・・どうでもよくなんかないわ!」
ロベルタ「貴方のお父さんが殺されたのよ!?私達の暮らしを奪ったのよ!?」
ロベルタ「貴方を苦しませて、私から何もかも奪おうとしたわ」
ロベルタ「許せない・・・許せないわ・・・!」
ロベルタ「だから若様、お願いですからただ一言」
ロベルタ「誅せよとおっしゃって。そうすれば今すぐにでも私は・・・」
ガルシア「君に始めさせたのは彼だ。そして終わらせるのも・・・」
ジャキ
ガルシア「彼だよ」
ド ン !
シュウウウウウウ・・・
キャクストン「ぐあああああ!!」ドサ
454:
ロベルタ「あ・・・あ・・・」
ロベルタ「ああああああああああ!ダメ!それはダメなのに!!」
ロベルタ「なんてこと!嗚呼、なんて事を!」
ロベルタ「わ、わたしが・・・それは。わたしがやらなければならない事なのに!!」
ガルシア「ロベルタ違うよ。君が誰を罰しようと・・・」
ガルシア「君の罪は諍えない」
ガルシア「何も終わらないしすべてはもう終わってしまったんだ」
ロベルタ「お、おお、お前は若様じゃない!!若様はそんな事言わない!!」
ロベルタ「アア・・・」カタカタ
ガルシア「ですよね。セニョール・・・」
ロベルタ「!?」ガバッ!
不意に向けた猟犬の視線の先にいた物は
スネーク「・・・」ザ
455:
スネーク「ガルシア・・・」
キャクストン「ス、スネーク・・・」ガハッ
ロベルタ「あいつ!?どうして!?今度こそ息の根を止めたはずなのに!?」
ガルシア「彼は蛇だ。一度絡まるとどこまでも追ってくる」
ロベルタ「ッ!?」
(あれは「蛇」よ。いちど絡まると、しつこいわよ?)
ロベルタ「????!」ギリ
スネーク「それが君の出した答えか・・・」
ガルシア「はい」
スネーク「・・・」シュポ
ロベルタ「なんなのお前は!?何回殺せば死ぬの!!?」
スネーク「悪いが、俺にはまだやらねばならない事がある」
スネーク「ここで死ぬわけにはいかない」フー
ロベルタ「 あ あ あ あ あ あ あ あ ! ! 」
オタコン「スネーク・・・」
スネーク「オタコン、心配をかけた」
オタコン「よく起きれたね。もうあの世へ行ってしまったのかと思ったよ」
スネーク「俺もそのつもりだったがな。とある奴に引き戻された」
オタコン「えっだれ?」
スネーク「古い友人さ」
オタコン「なんにせよ、よかったよ・・・」
456:
スネーク「さて、仕上げが残っている。ご丁寧に若様が舞台を用意してくれた」
オタコン「断っては失礼だね」
スネーク「ああ。これでも社交は弁えているつもりだ」
オタコン「・・・ガルシアは、何を考えているんだろう」
スネーク「自分を人質にしたのさ」
オタコン「え?」
スネーク「ガルシアが米兵を殺してしまったら、ガルシアはアメリカから大罪人として狙われる事になる」
スネーク「回避するには俺がキャクストンを助けるしかない。しかし行方を阻むのは」
オタコン「猟犬・・・」
スネーク「彼は賭けたんだ。自分自身を。猟犬と一緒の罪を被る事で共に地獄に堕ちようとしている」
オタコン「・・・猟犬も黙っていないね」
スネーク「ああ、猟犬は罪は自分だけが被る物だと思っている」
スネーク「よく考えている・・・俺が猟犬を倒せばキャクストンは助かり、ガルシアも米兵殺しの汚名を免れる」
スネーク「しかし猟犬が勝てば・・・愛するメイドと同じ罪を被れるという訳だ」
スネーク「ガルシアに取ってはどっちに転んでも本望だろうな」
オタコン「狂気に満ちた主従関係だね・・・僕には理解できないよ」
スネーク「イカれた婦長様を元に戻すにはそれくらいやらないといけないと言うわけだ」
457:
ロベルタ「ああ・・・ダメ・・・それだけはダメ・・・」カタカタカタ
スネーク「相当動揺しているな・・・どう出る?猟犬」
ロベルタ「あう・・・・あうう・・・」ガクガク
スネーク「お互い、譲れない物があるな」ザ
ロベルタ「!?」
スネーク「キャクストンは致命傷じゃない。まだしばらく意識はある」
スネーク「くしないとあいつが死ぬぞ」
ロベルタ「・・・」
スネーク「やったのはお前じゃない。ガルシアが殺す事になるんだ」
スネーク「ガルシアも、お前と同じ、血で血を啜る化け物になるんだ」
ロベルタ「言うなァァァァァ!!それ以上言うと殺す・・・!」
スネーク「ガルシア、覚悟はできているんだな」
ガルシア「ええ」
スネーク「・・・いい目だ」
ロベルタ「殺してやる・・・殺してやるワお前・・・」ワナワナ
オタコン「スネーク!もう次はない・・・正真正銘最後だよ!」
スネーク「やはり最後は、いつもこうなるわけか」ス
オタコン「スネーク!がんばれ!」
ロベルタ「 シ ャ ア ア ア ア ア ア ! ! 」
スネーク「さあ、こい!」
【BOSS】ロザリタ・チスロネス(3戦目)
465:
スネーク「ぬおおおお!」
ロベルタ「キシャアアアア!」
夥しい拳打が二人の間を行き来する
スネーク「ぐあっ!」ドサ
ロベルタ「あぎっ!」ドサ
スネーク・ロベルタ「 あ あ あ あ あ ! 」
ガン! ゴリッ! ズゴッ! メキメキメキ・・・
スネーク「うぐっ!」
ロベルタ「ハァァ・・・」グググ
老人の白髪を鷲掴みにするロベルタに
ゴンッ!
ロベルタ「あああーーーッ!」
皺の混じった額が鼻の奥を貫いた
スネーク「う・・・おおッ!」
ガッ パシッ グッ
ロベルタ「!?」
ズドン!
ロベルタ「 」ギュルルル
幾度となく叩きつけられようと、ロベルタは力任せに起き上がってくる
ロベルタ「キシャーーーーーーーーー!」ブオン!
スネーク「(またか・・・!)」シュッ
バシッ! ガスッ! ガンッ! バキィッ! ゴンッ!
・・・・・・・・・・・・・
ポタ・・・ポタ・・・ポタ・・・
ベチャッ!
スネーク「おおおおお!」
ロベルタ「あああああーーーーーーーッ!」
いつしか二人の顔は、赤い鮮血に染まっていた
466:
バキィッ・・・・・・・!
スネーク「お・・・!」
ロベルタ「・・・ッ!」
ガク
スネーク「ぐっ!」ドサ
ロベルタ「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」フラフラ
スネーク「(ダ、ダメか・・・!)」
ザッ・・・・
スネーク「!?」
歩み寄るロベルタが差し出したのは
ロベルタ「・・・」
握りしめた拳ではなく、柔く開いた『手』であった
スネーク「・・・どういうつもりだ」
ロベルタ「生きてる実感がするの・・・」
スネーク「!?」
ロベルタ「この肉と肉のぶつかり合いが・・・私に生きる実感をくれる・・・」
スネーク「(こいつ・・・)」
ロベルタ「はやく私を・・・私に・・・生の充足を・・・」
ガシ
スネーク「ちえりぁぁぁぁ!」
ロベルタ「ギッ!」ズドン!
ロベルタ「ハァ・・・ハァ・・・」ニマァ
地に叩きつけられようとお構いなく立ち上がるロベルタ
しかし起き上がると同時にはひきつった笑みをうかべていた
スネーク「・・・」
ロベルタ「ああ・・・いい・・・」
シュシュシュッ! シュルルルル! シュバッ!
空に向かって空振りのような素振りを始めるロベルタ
その動きは先ほどよりもより一層鋭く、く、そして懐かしさを感じる動きを見せていた
スネーク「(フォックス・・・?)」
467:
(俺は死の囚人だ・・・お前だけが俺を解放してくれる)
スネーク「!?」
スネークの脳裏にかつての友が残した言葉が過る
ロベルタ「終わりにするなんていけないわ・・・」
ロベルタ「臓物を、血袋を、血涙の華を、もっと見せて頂ォ戴な・・・」
スネーク「(囚人・・・か・・・)」
(ここにはクレイモア地雷が仕掛けられている)
(敵でも味方でもない・・・)
(今だ!スティンガーを撃ちこめ!)
スネーク「・・・」
(無理やり蘇生させられたのよ。強化骨格と麻薬づけにされて)
(それから4年間、彼は死ぬことすら許されないまま、玩具のように弄ばれつづけた)
(兄は私の全てだった。私の存在を、私という個人を証明する唯一のより所だった)
スネーク「(そうだ・・・ナオミはフォックスの為に復讐を・・・)」
(ファンの・・・一人だよ・・・)
(そうだ!戦いの基本は格闘だ!)
ロベルタ「あがががががーーーーーーーッ!!」
スネーク「!?」
ロベルタ「もう・・・マデない・・・待ちきれナイ・・・」ヒューヒュー
ロベルタ「ア”ア”ア”ア”??????!」
(薬がァァァァァァ!)
スネーク「ハッ!」
その瞬間、ロベルタは動いた
468:
全員「スネーク!」
ガンッ!
スネーク「あぐっ!」
バキィ!
スネーク「ぐあっ!」
ゴスッ!
スネーク「うがああーーーー!」
ロベルタの乱打に防ぐことしかできないでいるスネーク
バキ! ガス! ゴス! ゴン! バシ! ガン!
ガキッ!
レイ「防戦一方じゃないか・・・」
キャクストン「スネーク・・・何故手を出さない!そのままではやられてしまうぞ!」
ロベルタ「ハァァァァ・・・」
スネーク「うぐっ・・・!」
ガンガンガンガンガンガンガンガン!
ガルシア「・・・」
ファビオラ「・・・」ジャキ
スネーク「ハァ・・・ガフッ!」ブッ!
ロベルタ「 ハ ァ ァ ァ ァ ァ ァ ァ !」
ロベルタがトドメの一撃を加えんと大きく振りかざした
スネーク「!」
その時
ガッ パシッ グッ!
ロベルタ「ギッ!?」
スネーク「おおおッ!」グググ
ロベルタの体が蛇に絡められた
469:
オタコン「こ、拘束・・・?しかし!彼女のパワーなら!」
ロベルタ「 ア ア ア ア ア ! ! 」
オタコンの予想は的中、ロベルタのパワーによりみるみる内に拘束が緩んでいく
スネーク「ぐっ!この!」グググ
ロベルタ「 シ ャ ァ ァ ァ ァ !!」
スネーク「ふんっ!」
ロベルタ「ハァァァァァァ・・・・!」
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・お前をそこまで駆り立てるのは・・・猟犬の血か・・・?」
ロベルタ「!?」
スネーク「猟犬だろうが・・・ジャッカルだろうが・・・誇りはあるだろう・・・」
ロベルタ「!!??」
スネーク「お前は飲まれているだけだ・・・その身に刷り込まれた、猟犬の血に・・・」
猟犬(そうよ、もっと血を・・・臓物を・・・血涙を・・・)
スネーク「お前は捕えられた囚人だ・・・」
猟犬(そう、あなたは私、あなたは私の物)
ロベルタ「アガガガガガーーーーー!」
スネーク「心配するな・・・囚人の解放は俺の得意分野だ・・・」
スネーク「俺が・・・今・・・」
ロベルタ「あ・・・ウ”?」
何かを握りしめるスネーク
スネーク「 解 放 し て や る ! 」 
ピスッ
ロベルタ「!!!」
ロベルタの首筋を小さな刺激が襲った
スネーク「流し込む!少し意識が飛ぶぞ!!」
ガルシア「あれは・・・」
【ジアゼパム(注射型)】
470:
ロベルタ「ア”?????ッ!ア”ッア"ッ・・・」
スネーク「暴れると余計にく回るぞ・・・!」
脈に続々と何かが入り込んでくるのを感じ取る
ロベルタ「 ア ” ? ? ? ? ? ッ ! 」
グァァッ!
スネーク「うぐっ!」ドン!
ロベルタの必死の抵抗に拘束を引き外されてしまう
解放されたロベルタは即座に振り返り、年老いた蛇を視界に捕えようとする
しかし
ロベルタ「!?」
グワン・・・グワン・・・
ロベルタの視界には見る物全てが『歪んで』いた
スネーク「ジアゼパム・・・お前の服用していた薬と同じ物だ」チャリ
スネーク「お前の様に常用して飲み続けていると、やがて本来のは失われ易興奮性や突飛的な憤怒、暴力等の奇異反応が起こる」
スネーク「そして同時に筋弛緩作用もある。薬漬けのその体に一気に流されれば、いかにお前と言えどしばらくはまともに歩けなくなるだろう」
スネーク「どうだ?俺がまともに見えるか・・・?」ニヤ
ロベルタ「ッッ!」
悠長にまくしたてるスネークが徐々に歪みを増していき、さながら蛇のように見え始める
ロベルタ「ひぃっ!」ザザ
スネーク「動物は得体の知れない物に恐怖を感じる。何故なら身の危険を回避する為だ」
スネーク「お前には俺が何に見えているか・・・それは知らんが」
スネーク「さて、お薬の時間だ。猟犬には・・・お引き取り願おう」
ロベルタ「ア”ア”ア”ア”!」ザザザザ!
何度も聞いたロベルタの咆哮、しかし今度のそれは明らかに恐怖と不安の混じった悲痛な叫びであった
471:
ロベルタ「ひぃぃぃぃ!」
スネーク「逃げるな!そら!」ガシ
ロベルタ「うわーーーーー!イヤァーーーーーーーー!」ジタバタ
スネーク「吐き出せ!お前の中にいる血と臓物に塗れた『猟犬』を・・・吐き出せ!」
ロベルタ「ア”????????ッ!」
ピスッ
ロベルタ「ア”ア”ア”ア”ア”ア”ア”!!」
ファビオラ「ッ!」サッ
ガルシア「戻っておいで・・・ロベルタ・・・」
ひくひくと痙攣を交えながら地に伏せるロベルタに容赦なく次の針が振りかざされる
スネーク「これで最後だ・・・」チャキ
猟犬(いやよ!ダメ!ロザリタは私・・・私はロザリタ・・・)
スネーク「違う!お前はロベルタじゃない!お前は・・・そう・・・」
スネーク「 猟 犬 だ ! 」
ロベルタ「!!!」
最後の針が猟犬に突き刺さった
472:
サァァァ・・・・・・ザワ・・・ザワ・・・ザワ・・・
スネーク「・・・」
オタコン「終わった・・・のかい?」
スネーク「さあな」
ロベルタ「 」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ロベルタ(・・・)
猟犬(イヤよ!ダメ!せっかく見つけたのに・・・憎むべき『敵』に出会えたのにッッ!!)
ロベルタ(・・・)
猟犬(ロベルタ!!なんで何も言ってくれないの!?私はあなたなのよ!?ずっと今までいっしょだったじゃない!)
猟犬(そうよ、私はあなた。あなたは私。共に血を浴び、共に臓物を食らい合った・・・)
猟犬(誰かの命を奪って生きる実感を感じてきたじゃない!心の底から憎い相手を殺して!殺して!殺し続けて!)
猟犬(あなたもわかるでしょ・・・これまでもそう・・・そして・・・これからも!)
猟犬(そうでしょ!?なんとか言ってよ・・・ロザリタ!!)
ロベルタ(・・・あの人は、そんなあなたを憐れんで私の前に現れたんだと思います)
猟犬(!?)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ロベルタ「・・・」チラ
スネーク「・・・」
猟犬(あいつ!そうよあいつよ!いつもいつも私達の邪魔をする・・・憎い、憎い『蛇』・・・)
猟犬(蛇の皮を剥いで、なめしてあげましょうよ!剥がした皮を御屋敷に持って帰るの・・・どう?)
ロベルタ(蛇は・・・言葉巧みにエヴァをかどわかし、禁断の知恵実を食べさせたと言います)
猟犬(!?)
ロベルタ(そのせいでしょうか。その後蛇は生命の象徴として信仰されている事が多いです)
ロベルタ(もう一つの実。生命の実の事を言っているのでしょうか)
猟犬(何を・・・?)
ロベルタ(ともすれば・・・蛇には失われた生命をも宿す力があるのかもしれません)
ロベルタ(あのように)
猟犬(!?)
473:
スネーク「・・・?」
ロベルタ「・・・」ジロ
ロベルタの目に映る蛇。それは再び形を変え、別の生き物へと変化していった
猟犬(あ、あいつ・・・!)
グレイ・フォックス(・・・)
ロベルタ(また、会えましたね)
グレイ・フォックス(随分迷ったな)
猟犬(ロザリタァーーーーー!なんで!なんでそいつと話しているの!?)
猟犬(お前!そうよお前もよ!死人の癖にいつもいつも私の前に現れて、ロザリタをかどわかして!!)
猟犬(一体何なのお前は!?何がしたいの!?私のロザリタに付きまとってこないで!)
猟犬(ガルルルルル・・・!)
グレイ・フォックス(お前は・・・一つ勘違いしている)
猟犬(!?)
グレイ・フォックス(彼女が血に塗れ、臓物を貪り、その身を傷付けながらそれでも戦い続けていたのは)
グレイ・フォックス(自分の信じる物・・・自身が忠を尽くした物の為だ)
グレイ・フォックス(決して快楽に沈んでいたのではない・・・)
猟犬(あのお坊ちゃま!?そんなのキッカケじゃない!殺しができるイイ口実じゃない!!)
グレイ・フォックス(キッカケ・・・そう、キッカケだ)
ロベルタ(・・・)
グレイ・フォックス(俺達は政府や誰かの道具じゃない。闘うことでしか自分を表現できなかったが、いつも自分の意志で闘ってきた)
猟犬(??????!!)
グレイ・フォックス(そう、だから・・俺がお前等に憑りついたのではない)
グレイ・フォックス(俺を呼び寄せたのは・・・お前の方だ)
スネーク「ロベルタ・・・?」
猟犬(・・・ッ!)ギリ
ムク・・・
ロベルタ「ア”???????!殺す!!殺す殺す殺ォォォォす!!!」
474:
スネーク「まだ立ち上がれるのか!」サッ
ロベルタ「ア”ア”ア”ア”ア”ア”??????!!ウガァ・・・ごろす・・・お前だけは・・・ころず・・・!」
フラッ ドサァ・・・
猟犬(起きるのよ!ロザリタ!あいつは殺さなきゃ!永遠につきまとわれるわ!絶対に殺さなきゃ!)
ロベルタ(・・・)
猟犬(ロザリタ・・・どうして何も言ってくれないのォーーーーーーーーー!!??)
ロベルタ「 」ピクピク
スネーク「大した精神力だ・・・しかしやはり、もうまともに歩く事すらできないようだ」サ
猟犬(汚らわしい手で触るなァーーーーーーー!殺す殺す殺す!蛇め!禁断の蛇!)
猟犬(よくも・・・私のロザリタを・・・殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!)
猟犬(殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す)
ロベルタ(もう、おやめなさい)
猟犬(!?)
ロベルタ(解放される時がきたのです。他者の命に依存する、一人では抗えない血の麻薬から・・・)
ザッ
スネーク「!」
ロベルタ(あなたは私。私はあなた。そう、だったらわかるはずです)
ロベルタ(あの方が一体誰なのか・・・を)
猟犬(!?)
ガルシア「ほら、生きてるよ」
ロベルタの唇を湿ったぬくもりが覆った
481:
ガルシア「???」
ロベルタ「??????!」ジタバタ
ガルシア「???」
ロベルタ「ん????!ん????!」パンパン
スネーク「・・・」
オタコン「うっわぁ?・・・」
パッ
ロベルタ「ぷはっ!」ハーハー
ガルシア「・・・」ハァハァ
ガルシア「ごめん、ロベルタ。こんな簡単な事に気づくのに」
ガルシア「時間をかけたね」
ロベルタ「わ、若様・・・?」
ガルシア「・・・」グラ
ドサ
ロベルタ「わ、若様!?」
スネーク「ガルシア!」
ガルシア「ゼエ・・・ゼエ・・・」
ロベルタ「若様!お気を確かに!」
スネーク「疲労が一気に押し寄せたのか・・・無理もない」
スネーク「彼はここまでずっと出ずっぱりだった。君を救う為に」
ロベルタ「わ、若様に触るな!」ジャキ!
スネーク「!」
ロベルタ「若様をこんな風にしたのはお前だ・・・許さないわ!」
ファビオラ「銃を下して!お願い婦長様!」ジャキ
ロベルタ「ダメよ!そいつは人をかどわかす蛇よ!若様もきっと惑わすつもりよ!」
ロベルタ「させないわ・・・絶対に!そんなマネ!」
キャクストン「銃を下すんだ。ロベルタ・・・」
ロベルタ「!?」
482:
スネーク「キャクストン!無事だったのか!」
ロベルタ「・・・な・ん・で!その男が生きている!」ジャキ!
ファビオラ「あなたと同じ理由よ!」ジャキ!
キャクストン「私は最初から、銃弾など撃ちこまれていないよ・・・」
キャクストン「・・・空砲だ。ただそれなりの衝撃はあったがね」チャリ
ロベルタ「く、空ほ・・・」
スネーク「ブラフだったのか・・・」
オタコン「随分命がけのハッタリだね・・・」
ガルシア「ロベルタ、銃を降ろせ」
ロベルタ「若様!?」
ガルシア「彼は、僕に撃たれて死んだんだ」
ガルシア「君もセニョールにやられて死んだ。そして僕も・・・」
ガルシア「ここに勝者はいない。敗者もいない。誰も残らなければこの舞踏は終わりを告げるんだ」
ロベルタ「でも!若様!」
ガルシア「僕らが永遠に怨嗟の中で踊り続けても、君の罪も僕の痛みも消えることはない」
ガルシア「だからロベルタ、僕は君の背負った物を一緒に背負うよ」
ガルシア「君が僕を支えたように僕も君を支えて生きる」
ガルシア「そういう為に僕は君に会いに来たんだ」
スネーク「・・・」
スネークの脳裏に過った言葉はかつての自分の言葉であった
(人の為に生きるのも・・・いいかもしれない)
483:
ロベルタ(お分かりいただけたでしょうか)
猟犬(・・・)
ロベルタ(若様はあなたも背負っていくと、そうおっしゃっておられます)
ロベルタ(何故ならあなたもまた、私ですから)
猟犬(私の大好きな生暖かい血・・・臓物・・・血涙・・・)
猟犬(けど・・・あの唇も・・・暖かかった・・・)
ロベルタ「・・・」
ガルシア「ロベルタ?」
ロベルタ「若様はもう、大人になってしまわれたのですね・・・」ギュ
ガルシア「違うよ。君の手を掴むために、背を伸ばしただけさ。届くように」
ロベルタ「・・・」
【CALL】
スネーク「殺気が完全に消えた」
オタコン「正気に、戻ったようだね」
スネーク「ああ・・・穏やかだがどこか悲しそうな顔をしている」
オタコン「色々あったからね・・・それも二人で支え合って行くんだろう」
スネーク「まるでおとぎ話だ。王子のキスで目覚めるとはな」
オタコン「愛の力は偉大だね」
オタコン「おっとスネーク、君はそのまま大団円ってわけにはいかないよ」
スネーク「ああわかっている。メタルギアだな?」
オタコン「お疲れの所悪いけど、もうひと踏ん張り頼むよ」
スネーク「ああ」
オタコン「彼女が何か知っているかもしれない。まずは彼女から何かを聞き出すんだ」
サァァァァ・・・・・
ホーナー「体力の低下が認められます。おそらく精神的な物でしょう」
ホーナー「ワ州連合との定時連絡時間も過ぎています。おそらく異変に気づきこちらへ向かっていると思われます」
ホーナー「継戦を?」
キャクストン「いや、現時刻をもって作戦は破棄。ORPで再編成後ラグーン号との交差地点へ全力移動」
ガルシア「・・・」
ホーナー「了解。ではガルシアの搬送を・・・」
キャクストン「まて。彼は・・・私と彼女で運ぶ、そうだな」
ロベルタ「・・・」
スネーク「ちょっといいか?ロベルタ」
484:
ロベルタ「なんでしょう」
スネーク「ここにメタルギアが運び込まれているはずだ。何か知らないか?」
ロベルタ「ああ・・・シェンヤンがそのような事を言っていた記憶が」
スネーク「それらしき物は見当たらなかったのだが・・・」
ロベルタ「申し訳ありませんが私は存じ上げません。私はこの基地を掌握しにきたのですから」
スネーク「それもそうだな。しかしあの基地には妙なナリをしたトルーパーがいただろう」
ロベルタ「ああ。そういえば・・・」
スネーク「俺はこれからメタルギアを探し出さなければならない。なんでもいいから何か情報をくれないか」
ロベルタ「・・・確か、そちら側に動向を探るスパイを送り込んでいると言っておりました」
スネーク「スパイ?」
ロベルタ「どなたかは存じ上げません。しかし彼らはあなた方の動向を把握していたのは事実です」
オタコン「スパイ・・・キャクストンの部隊の中か?それともラグーン商会の面々の中?」
スネーク「犯人探しをしている暇はない。仕方ない・・・もう一度潜入して見つけ出すか」
ジャキッ
スネーク「!?」
オタコン「な・・・」
キャクストン「・・・」
レイ「退いてくれ。シェーン」ジャキ
485:
不意に向けられた銃口。その先には迷彩服を纏ったヒゲの男が一人、こちらを覗いている
キャクストン「レイ・・・すべては終わったんだ。そいつを下せ」
レイ「シェーン、俺はお前の様な男になりたかった。でもダメだ」
レイ「その女だけが生きて帰るのなら・・・ここで死んでいった仲間の思いは・・・」
レイ「いったいどこへ葬ってやればいいんだ」
オタコン「まさか・・・彼が・・・?」
スネーク「俺達の情報を流していたのはお前か」
レイ「・・・ああ」
ホーナー「なんで・・・」
レイ「シェーン、俺はお前と言う男をよく知っている。あの日ラーキンのクソ野郎から女の子を助けたのも」
レイ「ザンジバーランドでいくらボロボロになりながらも、孤児たちの世話を欠かさず、面倒を見続けていたことも」
レイ「今回の作戦も・・・その女を殺す為ではなく、ガルシアを、そしてその女をも救おうと行動していた」
キャクストン「・・・彼らは我々が巻き込んでしまった。当然だ」
レイ「その為に自分が命を落としても・・・お前はそういう男だ。お前の事は良く知っている」
レイ「そう、よく知っている・・・誰かを助ける為に自分の命すら投げ出す事を・・・」
レイ「だから・・・俺は・・・そんなお前を助けてやりたかった・・・」ジャキ
スネーク「キャクストンに諦めさせるためにスパイを買って出たのか」
レイ「そういう事だ。親父さん、あんたに恨みはないが」
ガルシア「・・・」
レイ「坊主、おじさんにはわからん。最初に悪かったのは。一番悪かったのは・・・」
レイ「誰なんだ?」カチ
レイが押したボタン。その動作に呼応するかのように、黄金三角の大地に地響きが伝わる
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・
スネーク「何をした!?」
レイ「シェーンは助ける・・・だがその女はダメだ!そいつだけは・・・」
レイ「死んでいった仲間の恨み・・・思い知れ!」
ロベルタ「ハッ!?」
地響きは振動を増し、産声のようなおたけびをあげる
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
スネーク「やはりここにあったのか・・・」
オタコン「あれが・・・新型のメタル・・・ギア・・・」
486:
ドッスゥゥゥゥゥン・・・・!
ブァァァァッ!
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
キャクストン「あれは、我々の破壊対象の・・・!」
レイ「戦場のバランスを崩す、次世代の主力兵器だそうだ」
キャクストン「レイ!自分が何をやったのかわかっているのか!」
レイ「わかっているよ!あれなら、あいつの力を使えばお前を助けられる!」
レイ「死んでいった仲間も浮かばれる!誰もお前を責めたりはしない!」
スネーク「違う!あれはそんなシロモノじゃない!お前もザンジバーランドにいたのならわかるだろう!」
レイ「かつてビッグ・ボスがメタルギアを使ったのは、支配から解放の為・・・」
レイ「同じだ!俺もメタルギアを使って、シェーンの責を・・・解放してやる!」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
キュイーン カシャ カシャ カシャ
レイ「AT社が極秘裏に開発した量産型メタルギア。製品名は『IRVING』」
キャクストン「レイ・・・・!」
レイ「いけ・・・!IRVING!シェーンの罪を・・・解き放ってこい!」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ドッドッドッドッドッドッドッド・・・!
スネーク「ち・・・がう・・・あれはそんな物じゃ・・・」
オタコン「スネーク!来るよ!」
487:
スネーク「!」
巨体に似合わず空高く飛び上がったそれは、人の密集を着地点に選んだ
スネーク「ま、まずい!みんな逃げろ!」
ロベルタ「若様!ああ・・・体が痺れて・・・!」
ガルシア「・・・!」
グオッ
ドズゥゥゥゥン・・・!
パラパラパラ・・・
ファビオラ「みんな、無事!?」
ロベルタ「ファビオラ・・・よくやってくれました」
ガルシア「あれが戦争の・・・兵器?」
オタコン「巨体に似合わずものすごい跳躍力だね・・・」
スネーク「随分身軽な用だ」
オタコン「くっまずいね!大至急調べるよ!」
スネーク「頼む!」
キャクストン「レーーーーーイ!止めろ!今すぐそれを止めろォーーーー!」
レイ「ムダだシェーン。こいつは一度動き出すと標的を殲滅するまで止まらない」
レイ「こいつは機械だ。心のないマシーンだお前の要に情に揺られて手を止める事はない」
レイ「さあ行け!悪魔の兵器、メタルギアよ!」
ウイーン カシャカシャ カシャ
キュイーーーーーーーーーーン
搭載された視覚情報から標的を選別するメタルギア。その中にはロベルタとスネーク。そしてもう一人
レイ「!?」
グォッ
キャクストン「レーーーーーーーーーーーーーーーイッッッ!」
レイ「お、俺はお前を・・・守りたかっただけ・・・」
ゴシャッ
488:
キャクストン「レ、レイ・・・?」
メタルギアの脚部に着いた鮮血。その足元には先ほどまで銃を構えていた男の肉塊があった
キャクストン「レイ!?レイ!?返事をしろ!レイ!!」
ホーナー「ダメです少佐!退却です!一旦逃げましょう!」
キャクストン「レ、レイ・・・」ワナワナ
ファビオラ「に、逃げなきゃ・・・でも」チラ
ロベルタ「う・・・」
ガルシア「・・・」ハァハァ
ファビオラ「婦長様は薬で動けないし、若様も・・・」
スネーク「くるぞ!」
ドガガガガガガガ! チュンチュンチュンチュンチュン!
ファビオラ「きゃああああああああ!」
スネーク「くっ」バッ!
シュウウウウ・・・
スネーク「ここへいても全員仲良く踏み潰されるのがオチだ。キャクストン!」
キャクストン「レイ・・・すまない・・・」
スネーク「しっかりしろ!退避地点はどこだ!」
キャクストン「ラグーン号・・・ラグーン号まで退避だ!」
スネーク「聞いたな!?全員ラグーン号まで全力で走れ!」
スネーク「キャクストンはガルシアを、ファビオラはロベルタを、さあ!」
ファビオラ「あんたはどうするの!?」
スネーク「俺はここで殿を務めよう・・・」
ホーナー「得物は!?」
スネーク「すまないが、少し借りるぞ!」ジャキ
【M4カービン(米軍仕様】
スネーク「さあ、いけ!」
スネークの掛け声と共に走り出す一行。それを察知したメタルギアは即座に追跡行動を取る
スネーク「お前の相手は俺だ・・・!」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
【BOSS】メタルギア月光
496:
スネーク「むん!」ガガガガガガ
月光「・・・」カンカンカン
スネーク「ダメか・・・!」
月光「ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! !」
スネーク「まずいっ!」
月光の巨体に似合わぬ俊敏な動きに咄嗟に回避で避けざるをえない
スネーク「は、はやいな・・・」
ウイーン カシャ カシャ
ドッドッドッドッドッド!
スネーク「ぬおおおおお!」ザッ!
シュウウウウウ・・・
スネーク「M2まで・・・食らうとまずいな・・・」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
スネーク「!?」
月光の巨体がスネークを目がけて降下する
ズドォォォォォォン!
スネーク「くぉぉぉぉ!」
スネーク「ゼエ・・・ゼエ・・・老体に酷な兵器だな・・・」
スネーク「むん!」ドガガガガ!
M4の弾丸は月光の堅牢な装甲に傷一つつかず弾き飛ばされていく
スネーク「ダ、ダメか!」
【CALL】
オタコン「スネーク!わかったよそいつの事!」
スネーク「M4がまるで効かん・・・どうなっている」
オタコン「M4なんて無駄だよ!いいかいスネーク、そいつはね」
オタコン「AT社が次世代主力兵器になりうる事を想定して開発された、IRVING(アーヴィング)と呼ばれる物だ」
オタコン「二足歩行兵器による歩兵の支援がコンセプトだ。しかし」
オタコン「その技術にはかつて君が破壊したREXやRAY等の物が流用されている」
オタコン「つまり、立派な『メタルギア』の一種だって事さ」
スネーク「どうすればイイ!?」
オタコン「装甲はRPGの直撃にも耐えうるほど堅牢だ。まずM4は効かないね」
497:
オタコン「そいつの装甲をぶち抜くにはアンチマテリアルライフルレベルの物を使わないと・・・」
スネーク「そんな物あるわけないだろう!?」
オタコン「さらにそいつにはREXやRAYとは違って、ナノマシンを使ったバイオテクノロジーが流用されている」
オタコン「脚部に人工筋肉が使われているんだ。これにより素早い動きと機敏な動きが再現されている」
オタコン「これによって猛スピードで走るだけでなく、ニッポンのカラテの様な蹴り技や機敏な大ジャンプができるという事さ」
スネーク「より生物に近くなったという事か・・・」
スネーク「で、どうすればイイ!?」
オタコン「かなり厳しいね・・・弱点と呼べる物は頭の上についている制御装置」
オタコン「これが各種センサーの役割を果たしているんだけど・・・」
スネーク「こんなでかいのをわざわざよじ登ってる暇はない」
オタコン「M2の装備、そして人工筋肉により機敏な動きで弱点をカバーしている」
オタコン「全く、よくできた兵器だよ」
スネーク「こんな物が量産されれば、戦争は大きく変わるぞ・・・」
オタコン「一家に一台の時代がくるかもね」
スネーク「それは夢のある話だ」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
スネーク「く、また動き出した・・・」
オタコン「随時情報を漁ってみるよ!それまで持ちこたえて!スネーク!」
スネーク「急いでくれ!」
ブ オ ッ
ズドォォォォォォォォォン!
498:
スネーク「でかい図体でよくもまぁ・・・」ササ
スネーク「むん!」ドガガガガガガ!
カンッ カンカンカンッ
スネーク「く、やはりダメか・・・」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
スネーク「オ、オタコン・・・急いでくれ!」
--------------------------------------
ザッザッザッザッザッザッ!
キャクストン「追手は!?」
ホーナー「アンノウン兵器、未だ見えず!」
キャクストン「スネークが持ちこたえてくれているのか・・・」
ロベルタ「・・・」ゲフ
ガルシア「セニョール・・・」
ファビオラ「待って!誰かいる!」
ザッ!
全員「!?」
「こっちだ!急げ!」
--------------------------------------
スネーク「ぬおおおおおおおお!」ドガガガガガ!
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ドッドッドッドッドッド!
スネーク「おおおおッ!?」バッ!
スネーク「ハァ・・・ハァ・・・だ、ダメだ、まるで効いちゃいない」
スネーク「!」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ダッダッダッダッダッダ!
スネーク「体当たりか!」
加の付いた巨体がスネーク目がけて突進してくる
ズドォォォォォォン!
スネーク「ぐ・・・お・・・」ガフ
499:
月光「ンモ”?????・・・」
スネーク「ぐ・・・ガフッ、かなり・・・厳しいな・・・」
スネーク「弱点は頭の上とか言ってたな・・・しかし・・・」
月光「・・・」ドシドシドシ
スネーク「どう見ても届きそうにないな・・・あれは・・・」
スネーク「頭をかがめて貰うか・・・もしくは・・・」
スネーク「転ばせる・・・?いや、どうやってだ?」
スネーク「ガフッ!そろそろお迎えが来たか・・・?」ハハ
【CALL】
『ザザーーーーピーーーー・・・お?いカ・・・゙ガ・・・・聞こえるか?』
スネーク「誰だ・・・?」
『おや・・・ザザ・・・俺をお忘れに・・・ガガー・・・なるとは・・・ガー・・・心外だね』
『ザザーーーー・・・おい、ベニ・ボーイ・・・ガガ・・・感度がわるぃ・・・ピーザザッ・・・上げてくれ』
スネーク「お前!」
ダッチ「やっと気づいたか。依頼人さんよ」ザザ
スネーク「ダッチ!何故この無線を!?」
ダッチ「うちにはFBIの連中をおかんむりにした優秀なハッカーがいるのさ」
スネーク「ベニーか・・・」
ダッチ「そんな事はどうだっていいぜ。それよりじいさん、今ゴキゲンだと聞いたが・・・」
スネーク「ああ、とてもクールな巨人がうめき声をあげながら俺をダンスに誘ってるんだ」
ダッチ「巨人・・・おやおや、俺はいつの間に中世ファンタジーの世界に迷い込んだかな?」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
スネーク「くそ、見つかったか!」
ダッチ「この鳴き声は・・・ハハ、オークにでも出くわしたかい?」
スネーク「そっちの方が幾分かマシだった」
ダッチ「そりゃそうだな。オーケイじいさん。キリング・メイドはなんとかなったんだな?」
スネーク「ああ。彼女はもう・・・無害だ」
ダッチ「オーライじいさん、だったら任務は達成だ」
ダッチ「そのファンタジーの世界の住人を船まで連れてきな。プリンストンよろしくレイテの海戦としゃれこもう」
スネーク「沈むだろそれは・・・」
500:
ダッチ「これるか?」
スネーク「かなり際どいな。相手はバッファローが二足歩行で軍服を着てるようなヤツだ」
ダッチ「厳しいね。しかしお前さんは来るしかない」
スネーク「だな」
ダッチ「うちの社員が今ぼっちゃまとサムおじさん共を迎えに行ってる。残りはお前さんだ」
ダッチ「なんとか持ちこたえな。船の場所はわかってるな?」
スネーク「ああ」
ダッチ「オーライスネーク・・・カウント3で行こうか」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ドッドッドッドッドッド・・・!
ダッチ「3」
スネーク「2」
ダッチ「1」
ダッチ・スネーク「 G O ! ]
月光「!」
ウィーン カシャ カシャ
スネーク「おおおおおお!」ダダダダダ
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
スネークの移動度を探知した月光は確実に得物を捕えるべく、太い脚を力強く踏みしめ、蹴り上げた
501:
ドッドッドッドッドッド!
月光「ンモ”?????!」
スネーク「く、やはりい!」
スネーク「追いつかれる・・・どうすればいい!?」
【CALL】
オタコン「スネーク!ごめんお待たせ!」
スネーク「オタコンか!今ダッチから連絡があった!」
オタコン「ダッチ・・・ラグーン商会の・・・」
スネーク「俺はこれからラグーンの船に戻る!そこで装備を整え船上で迎撃するつもりだ!」
オタコン「そうか・・・ラグーン号なら武器がたくさんある!」
スネーク「しかしたどり着くので精いっぱいだ。奴から逃げ切れる気がしない」
オタコン「なら都合がいいよ、スネーク」
スネーク「なんだと!?」
オタコン「そのメタルギア・・・やはりと言うか、自立プログラムによる無人機だ」
オタコン「倒すまではいかなくても、動きを止めるだけなら簡単なんじゃないかい?」
スネーク「 チ ャ フ か ! 」
オタコン「そういう事。そしてさらに耳よりな情報だ」
スネーク「なんだ!?」
オタコン「そいつの姿勢制御は、やはり大部分が脚部に依存してる」
オタコン「本来メタルギアのような巨大な質量を二足歩行で動かすにはかなりのバランス制御が必要なんだ」
オタコン「二足歩行って、実はすごい事なんだよ?知ってたスネーク?」
スネーク「という事は・・・脚部を集中して撃てばいいのか!」
オタコン「そういう事。どうだい?希望が湧いてきただろ?」
スネーク「ああ、まるでパンドラの箱のようだな」
オタコン「あらゆる災厄が降り注いだが、最後に「希望」が残っていた、か」
スネーク「なんとかなりそうだ。動きを止めるだけなら・・・!」
オタコン「気を付けてスネーク、そうは言っても新型機、機動性能は今までのメタルギアとは雲泥の差だ」
オタコン「油断するなよ!がんばれスネーク!」
502:
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
スネーク「いちいちやかましいなこいつは・・・なら、これで」ピン
スネーク「止まってろ!」サッ
コロコロコロ・・・
パ ァ ン !
月光「!?」
ピロリロピロリロ・・・
月光「!!!??!?!??!?!!?!?」
ウイーンウイーン! カシャカシャカシャカシャ!
無数の金属片に惑わされ月光は動きを鈍らせる
510:
月光「???????」カシャカシャカシャ
スネーク「よし、成功だ!」
オタコン「今だ!走れスネーク!」
スネーク「 オ オ オ オ オ オ !」ダッ
・ラグーン号
ベニー「ダッチ、来たよ!」
ダッチ「ご苦労だったなレヴィ」
レヴィ「ボッコボコにやられたクソメガネを見てたら元気が出たぜw」
ロベルタ「・・・」
ロック「もう・・・大丈夫なんだね?」
レヴィ「クソメガネは今初夜を迎えたらしい。見ろロック、こりゃ女の顔だぜ」
ロベルタ「相変わらず・・・よく吠えます事・・・」
レヴィ「何とでも言えよ。ほら、さっさと乗れハード・ドラッガー」ゲシ
ロベルタ「・・・」ヨロ
キャクストン「船長・・・」
ダッチ「ようメイジャー、地獄からの生還、おめでとうと言っておくよ」
キャクストン「しかしスネークが・・・」
ダッチ「心配ないさ。あのじいさんは必ずくる」シュポ
キャクストン「どうしてそう言い切れる?」
ダッチ「船乗りの『カン』さ」フー
ファビオラ「若様、足元気を付けて」
ガルシア「あ、ああ・・・」ギシ
ロック「・・・」
ガルシア「・・・」
レヴィ「で、肝心のじじいはどこへ寄り道してやがんだ?」
ダッチ「ダンス会場で出会ったガタイのイイ牛女に猛アピールされているらしい」
レヴィ「ひゅ?♪女の誘いを断ったら紳士の名折れだなw」
ダッチ「連中はここでベッド・インするつもりらしい。暇ならシーツを変えといてくれ」
レヴィ「マガジンの変えなら大量にあるけどねえ・・・」ジャキ
503:
・密林
スネーク「オオオオオオ!」ダダダダダ!
オタコン「スネーク後少しだ!」
月光「ンモ”???????!」ドッドッドッドッド
スネーク「チャフが切れた!応戦するしかない!」ジャキ
オタコン「脚だ!足を狙うんだ!」
ドガガガガガガガガ!
ピスッ ブスッ ブシャァ
スネーク「足らないか!?」
オタコン「もっと!もっと撃って!」
スネーク「オオオオオオ!」ドガガガガガガ!
月光「ンモ”???????!」ドッドッドッドッド
スネーク「くっ、止まらん!」
オタコン「誤算だね・・・脚部の耐久性も十分だ」
スネーク「AT社が総力を挙げただけはある」
ザァァァァァン・・・ボッボッボッボッボ・・・・
スネーク「エンジン音・・・ラグーン号!」
オタコン「後もうちょっとだよ!スネーク!」
スネーク「オオオオオオオ!」
・ラグーン号
ダッチ「エンジンはいいか?」
ベニー「オーライだダッチ。いつでも出せるよ」
ダッチ「今レーダーに反応があった。レヴィいいな?」
ダッチ「モーリス・ホワイトを一曲聞き終える頃には新郎新婦のご登場だ。派手に迎えてやれ」
レヴィ「お熱いお二人からブーケを貰わないとな」ジャキ
504:
全員「・・・」
羽音と川のせせらぎが混じり合った音の中。ラグーン号の面々はもう一つの音を感じ取る為
固唾を飲んでもう一人いる乗組員の帰りを待つ。
いつの間にか空は白み、鋭い光がちらちらを目に映りだしす
ロック「・・・」
・・・・・
ズズズズズ
ファビオラ「聞こえる・・・」
レヴィ「お前等は出るなよ?ケガ人にうろちょろされても邪魔なだけだ」バン
ロベルタ「・・・」
ガルシア「・・・」
キャクストン「スネーク・・・」
・・・・ォォォォォ
ロック「来た!」
ォォォォォオ!!
ズドォォォォォンン!
全員「い!?」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
レヴィ「ダーーーーーーッチ!来たぜ!まじででっけえ牛女だッッ!」
ダッチ「じいさんは!?」
スネーク「 オ オ オ オ オ オ ! ! 」
ロック「じいさん!」
505:
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ベニー「やばいよダッチ!?まさかあんなの連れてくるなんて・・・!」
ダッチ「うろたえるなベニー・ボーイ。想定の範囲内だ」
レヴィ「ダーーッチ!・・・食うぜ?」ジャキ
ダッチ「間違ってじいさんに当てるなよ?」
レヴィ「それは保証で・き・ね・え・なッ!」ガッチャン
スネーク「オオオオオオ!」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ロック「じいさん、掴まれ!」バッ
スネーク「オ・・・オオオオ!」ダッ
オタコン「飛べ!スネーク!」
スネーク「 オ オ オ オ ッ ! 」
バッ!
ロック「・・・ッ!」
スネーク「・・・」
宙を舞うスネークの視線の先には、必死の形相で手を差し伸べる若い男
と、もう一人。不吉な笑みを浮かべる女が一人
スネーク(ゲパード!)
レヴィ「yeah! L e t ’s R o l l ッ 」
ズ ド ン ッ !
506:
月光「!?」ガガガガガ
レヴィ「っしゃ!命中!」
ロック「ダッチ!出せ!」
ダッチ「じいさんは捕まえたな!?オーライ!しっかり掴まってな!」ガコ
エンジンをけたたましく鳴り響かせ、船は動き出す
月光「-----」ビビビビビ
スネーク「レヴィ!まだだ!もう一発撃てッ!」
月光は動き出す。小さな風穴を開けながらそれでも捕えた物を忠実に消す為に
レヴィ「ちっまだ動けたか!」ジャキ
ロック「レヴィ!起き上がったぞ!」
レヴィ「言われなくても・・・いちち、傷口が・・・」
月光「-----」グググ
ロック「レヴィーーーーー!急げェーーーーー!」
スネーク「レヴィ!頭部だ!頭部にあるセンサーを狙え!」
レヴィ「あん?頭のセンサー・・・?あれか!?」
月光「------」カチャカチャカチャ
スネーク「動き出すぞ!早く!」
レヴィ「こりゃもっかい傷口が開くな・・・おし!」
ダッチ「全全身!カリブまでノンストップだ!」
ロック「レヴィーーーーーーーーーッ!」
レヴィ「オラァーーーーーーーーーー!!」
ズ ド ォ ン !
ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン !
スネーク「やったか!?」
ロック「ふう・・・」
ベニー「なんとか・・・なったね」ドサ
ダッチ「日ごろの行いの差がでたな」
炎上する月光をしり目にブラック・ラグーンは動き出した
まるで地獄からの生還を祝うように、巨大な炎を背景にして
507:
ロック「ほらじいさん。登りなよ」グイ
スネーク「すまないな・・・うぐ!」
ロック「随分こっぴどくやられましたね」
スネーク「まぁな・・・」
ロック「お疲れさん。ゆっくり休んでてください」
スネーク「ああ・・・悪いが、タバコをくれないか」
ロック「ん・・・いいけど・・・日本のでいいです?」
スネーク「何でもイイさ」
カチ シュポ
スネーク「・・・」フー
スネーク「・・・ん?」
レヴィ「お、おお・・・やっぱり傷が開きやがった・・・」ピクピク
スネーク「あの状態でゲパードを撃ったんだ。暫くは安静だな」
ガチャ
ガルシア「セニョール・・・」
スネーク「ガルシア・・・」
ガルシア「よくぞ、ご無事で」
スネーク「君もな。随分な賭けに出たな?」
ガルシア「覚悟は決めてましたから」
スネーク「ハハ、いい顔つきになったな」フー
ロック「みんな無事でよかったよ・・・本当に・・・」ニヤ
ガルシア「・・・」
『あーじいさん、お疲れの所悪いが、今すぐ操舵室まで来てくれ』
『是非ねぎらいの言葉をかけてやりたいんでね。俺達の行為を無駄にするなよ?』
スネーク「・・・」フゥ
ロック「肩、貸しますよ」ドサ
ガルシア「・・・」
『それとそこのバカ、はやく銃をしまえ。それ川に落としたらお前の給料から天引きするからな』
レヴィ「お、おお・・・」ピクピク
508:
ダッチ「勇敢なスタローン様のご帰還だ」
スネーク「何の用だ?」
ダッチ「連れないね。これだけの大健闘だったんだ」
ダッチ「是非あんたの口から『帰還報告』が聞きたいんだが」
スネーク「俺は軍人じゃない。お前に帰還報告をする義務はない」
ダッチ「お堅いねえ・・・」
ベニー「悪いけど、それだと僕らが困るんだよ」
スネーク「?」
ダッチ「じいさん、サムおじさんは何人生き残った?」
スネーク「キャクストンと・・・ホーナーとか言うヤツの2人だ」
ダッチ「一個小隊が2名を残して全滅、ね。俺らはクライアントになんて言えばいいんだ」
ロック「僕らの依頼人はNSAでもあるから・・・それだとまずいんですよ」
ベニー「僕らにあらぬ疑いをかけられるかもしれないって事さ」
ダッチ「まさかじいさんに裏切られるとはね。あーやだね。年を取って情まで衰えたってのかい?」
スネーク「わかったよ・・・」フゥ
【説明中】
ダッチ「なるほど、ね」
スネーク「NSAにはありのままを報告しとけ。変な小細工をして困るのはお前等だ」
ロック「そりゃぁもう」
ダッチ「キスで目覚めるお姫様、ね。ウォルト・ディズニーが生きてたらハンカチ片手に大絶賛するエピソードだな」
ベニー「まぁ、これでNSAが僕らに粉をかけてくることはないでしょ」
ロック「ああ、僕らはあくまで運び屋・・・それ以外の一切を関与していない」
スネーク「メタルギアも破壊した・・・データの奪取はできなかったが」
ダッチ「今回ばかりはお前さんに手柄を譲ってやるよ。あれに関わるとロクな事がねえ」
スネーク「同意見だ」
ベニー「キャクストンとあのメイド・・・同じ部屋に入れといて大丈夫かい?」
ロック「その辺は心配ない・・・でしょ?じいさん」
スネーク「ああ・・・・」
ダッチ「あの連中の所にも行ってやんな。うちはアットホームな職場がモットーでね」
ダッチ「重苦しい空気は遠慮したいんだ」
スネーク「・・・」
・船室
ロベルタ「・・・」
キャクストン「・・・」
ガルシア「・・・」
ファビオラ「・・・」
キィ・・・
スネーク「よう」
509:
ガルシア「セニョール・・・」
スネーク「残念ながらデータは奪えなかった」
キャクストン「十分だ。君が生きていてくれただけで・・・」
スネーク「多くの、犠牲が出たな」
キャクストン「我々は軍人だ。覚悟はできてた」
キャクストン「覚悟はできてたんだ・・・」
スネーク「レイ・・・あのヒゲの男だけは予想外だったか?」
キャクストン「ああ・・・正直心に響いた」
キャクストン「レイは・・・誰よりも私の事を理解していた・・・」
スネーク「だからこそ、お前を死なせたくはなかったのだろう」
スネーク「悪魔に耳を傾けて、でも」
キャクストン「レイ・・・」
ガルシア「そうして、死の輪廻は回っていく・・・」
スネーク「人を殺してショックを受けないのは異常者だけだ。 罪悪感のない殺人は新たな殺戮を生む」
スネーク「だから、君のような人がいるんだ。終わりのない輪廻を終わらせることのできる人間が」
スネーク「俺には、到底無理だがね」
ガルシア「・・・」
レヴィ「年寄りは説教くせえって本当だな」
スネーク「レヴィ・・・」
レヴィ「いいじゃねえかよ。人を撃てばそんな風になる」
レヴィ「ここで理屈を通すのは倫理や愛じゃねえ。暗くて丸い9ミリの弾だけだ」
レヴィ「起きた事しか起きねえのさ。人生は」ニヤ
スネーク「・・・」
ファビオラ「ディア・デ・ムエルトス」
レヴィ「あ?」
ファビオラ「あんたのその人を小馬鹿にしたような笑い方・・・」
ファビオラ「ディア・デ・ムエルトスのエスケレトにそっくりだ」
スネーク「死者の日の骸骨・・・」
ファビオラ「自分だけがお花畑から追い出されたと思っているから、妬んでるんだ」
ファビオラ「言うね、ゴミ溜め育ちの癖に。世の中がお花畑に見えてきたか?」
ファビオラ「私とあんた、確かに生い立ちは似てるけど」
ファビオラ「私とアンタの違いはそこだ。私はこの世をお花畑ともゴミ溜めとも思っていない」
ファビオラ「私とあんたの違いは・・・どんな人に往き合えたのか・・・それだけだ」
ファビオラ「あんただってもしかしたら・・・」
レヴィ「もしかの話は時間の無駄だ。だろ?じじい」
スネーク「・・・」
レヴィ「そうさお嬢ちゃん、アタシらは死者の国から、うすっくれえ墳墓の底からやってきた・・・」ニタニタ
レヴィ「銃を担いでやってきた。アタシも街の連中もこのじじいもクソメガネも、みぃぃぃぃんな」ニタニタ
レヴィ「だからよお嬢ちゃん、アタシらにセンパスチとクエルヴォを備えてくれよ」ニタニタ
レヴィ「そしたら・・・こんなアジアの外れでおっ死ぬお嬢ちゃんには、せめてチョコレートを供えてやるからよ」クカカカカ
511:
スネーク「もういいだろ、やめろレヴィ」
レヴィ「はいはい、おおせのままに。なんてったってじじいは死者の国の大統領だからな」ニタァ
レヴィ「救われた何て思うんじゃねえぞ・・・このじじいはメイドと引き換えにサムおじさんを生贄に捧げろと言ってきたんだ」
レヴィ「次に犠牲になるのは・・・一体どこのどいつかな?」クカカカカ
スネーク「やめろ!」
レヴィ「エキセドリンを探してくらぁ・・・」ニタニタ
ファビオラ「趣味の悪いヤツ」
キャクストン「あの女は一体・・・」
ファビオラ「ただのイカれた殺人鬼」
ロベルタ(死者の国・・・)
『じいさん!悪いがまたこっちに上がってきてくれ!』
スネーク「やれやれ、休む暇もないな」
・操舵室
スネーク「なんだ」
ベニー「じいさん、確認したいんだ。あの巨大なマシーン、一体何機いるんだ?」
スネーク「何機・・・?一体だけではないのか?」
ベニー「レーダーに複数体映ってるんだ!こんな場所に漁船は入り込めないから・・・」
ベニー「さっきのと同じヤツだよ!僕らを追ってるんだ!」
スネーク「なんだと!?」
ダッチ「さっきから全力で飛ばしてるんだが、まるで撒けねえ」
ベニー「対岸から陸伝いで追ってきているんだ!」
【CALL】
オタコン「スネーク、悪い知らせが入った」
スネーク「なんだ!?」
オタコン「あのメタルギア・・・正式名称はIRVINGだが、それとは別にコードネームが与えられてる」
スネーク「コードネーム?」
オタコン「月光・・・って言うらしい。大戦中のニッポンの軍用機の名前をもじったとか」
スネーク「GEKKO?ヤモリか?」
オタコン「月光だよ。日本語でムーンライトって意味かな?」
スネーク「・・・それがどうした」
オタコン「試作運用のテスト機にコードネームが与えられるなんて・・・妙と思わないか?」
スネーク「まさかっ!」
オタコン「こいつ、既に実戦配備しているんだよ!数はそう多くないけど、戦果も出てる!」
オタコン「だからこいつ・・・すでに量産されてるんだ!!」
スネーク「 な ん だ と ! ? 」
512:
ダッチ「しっかり聞こえちまったよ、じいさん」
ベニー「じゃあやはりこの機影は・・・」
ロック「あんなのが大量にいるのか・・・」
スネーク「くそっ!なんて事だ!ヨランダの話では新型の試作運用だと!」ガン
ダッチ「ヨランダもついに痴呆が始まったか」
ベニー「彼女が情報を読み誤るなんて、珍しい事もあったね」
ロック「暴力教会がいくら武器流通に長けてると言っても、さすがに軍の新兵器の事まではわからないんじゃないか・・・?」
スネーク「迎撃だ!なんとかしてこの一体から脱出するぞ!」
ダッチ「ち・・・全く、いくら厄介事を持ちこめば気が済むのかね!」
ロック「逃げ切るしかない!」
スネーク「ゲパードを借りるぞ!」
ダッチ「あいよ。好きなだけ蜂の巣にしてくれ」
【ゲパード】←New!!
・甲板
スネーク「・・・」ジャキ
ファビオラ「あ・・・どうしたのさそんな怖い顔して」
スネーク「さっきのヤモリがまだ生きている・・・しかも、仲間を大勢連れてだ」
ファビオラ「なんだって!?」
スネーク「ここは危険だ。直戦場になる」
スネーク「船室に入ってろ!甲板に出てくるなとみんなに伝えるんだ!」
ファビオラ「わ、わかった!」ダッ
スネーク「どこだ・・・どこにいる・・・」
ザァァァァァァァ・・・
ドスッ ドスッ ドスッ ドスッ ドスッ
スネーク「!!」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ベニー「ダッチ!来たよ!」
ダッチ「おお神よ、アーメンハレルヤピーナッツバター・・・」ペチ
スネーク「・・・くる!」
【BOSS】メタルギア月光(複数)
517:
ドスドスドスドスドス・・・
スネーク(数が多い・・・)
無数の月光が大地を響かせ、船の周りを取り囲む
スネーク「迎撃するッ!」ジャキ
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ズ ド ン ッ !
月光「!?」ビビビビ
ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン !
スネーク「まずは一匹!」
ダッチ「幸先いいな!じいさん!」
ベニー「まだだ!次が来るよ!」
スネーク「むんっ!」
ズ ド ン ッ !
ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン !
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
仲間の残骸から次の月光が続々と湧いてくる
スネーク「数が・・・多い!」ギリ
レヴィ「ちっきしょ・・・アタシの肩がこんなんじゃなけりゃあアタシがジルバを踊ったのに・・・」
ダッチ「じいさーーーん!そいつらを船に近寄らせるな!」
スネーク「やってみる!」ジャキ
スコープに映る機影と、重く響き渡る重低音を頼りに月光の位置を察知する
518:
スネーク(9時の方向に一匹と、4時に2匹、そして後続が次々と・・・)
スネーク「船が逃げ切るまで、持ちこたえる!」ジャキ
ズ ド ン ッ !
月光「!!」
スネーク「次!」ダッ
ズ ド ン ッ !
ズ ド ン ッ !
ド ド ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン !
ベニー「本当にすごいねあのじいさん・・・」
スネーク「まずいッ!一匹逃した!」
スネーク「ダッチ!舵を切れ!」
ダッチ「なんだとぉ!?ちっくしょぉ!」ギュルルルル
月光「---」グオッ
接近する月光から逃れるように舵を切るラグーン号
しかし月光の跳躍はすでに船を捕えていた
スネーク「着陸される・・・!」
ベニー「みんな!衝撃がくるよ!何かに捕まるんだ!」
ダッチ「くっ。いつからここはノルマンディーになったんだ!」
ドォン! グラグラグラグラ・・・
スネーク「く・・・」
水しぶきと共に現れたそれは、ラグーン号の甲板にそびえ立つ月光の巨体であった
月光「---」カチャカチャ
ダッチ「近くで見ると・・・これまた壮大だね」
スネーク「動く!」
ズオッ!
月光の蹴り足が船の突き刺さった
ドォン!グラグラグラグラ・・・
519:
スネーク「オオオオオオ!?」
ダッチ「カラテキック!?野郎!ラグーン号は瓦じゃないってんだ!」
スネーク「くそっ!」
ゲパードを構えるスネーク。しかし
スネーク(せ、狭すぎる!)
ライフルを構えるには少々窮屈すぎた
ドドドドドド!
ビスビスビスビスビス!
ベニー「うわあッ!撃ってる!アイツ撃ってるよ!」
ダッチ「俺の船を・・・こないだ修理したばっかだってのに・・・」
スネーク「オオオッ!」
ゲパードをM4に持ち替えるスネーク。しかし
スネーク「やはりM4ではダメか!」
月光「ンモ”?????????!」
ブォン! ドォォォォン!
月光の蹴り足が再び船を揺らした
ベニー「うああっ!ぼ、僕の機材は大丈夫なのか!?」
ダッチ「まるでロデオだ・・・くそ、あのヤモリめ」
スネーク「ぐはぁ・・・」ドサ
月光「ンモ”?????????!」
ボッ
スネーク「!?」
ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン !
520:
ブワアアアアアアアア!
モワモワモワモワ・・・
スネーク「な、なんだ・・・?」
突然の爆発に思わず振り返るスネーク。その視線の先にいたのは
「いかに鉄騎兵と言えど、この砲撃には太刀打ちできないようで」
スネーク「お、お前っ!」
ロベルタ「・・・」
ロベルタの手には砲弾を失い硝煙を上げる筒があった
スネーク「ア、RPG!」
ロベルタ「船の奥にこのような物がありました故・・・撃たせていただいた次第です」
レヴィ「くぉらクソメガネ!それは客の商品だ!勝手に持ち出すんじゃねえ!」
ロベルタ「緊急事態故お許しを・・・」
レヴィ「ざっけんじゃねえぞてめええええええ!客にどう説明するんだよ!」
レヴィ「この稼業信用を失ったら終わりだぞ!?てめえ弁償してくれんのかよ!」
ロベルタ「事が済めばこれはお返しします。弾代の請求はベネズエラのラブレス家まで」
ロベルタ「できるものならば・・・」ニヤ
レヴィ「こ、このクソメガネ!ふざけんな!返せ!返せよぉ????!」ジタバタ
ロック「レヴィじっとしてろ!この船がタイタニックに変わるよりかはマシだろ!?」
レヴィ「ガルルルルルル!」
スネーク「・・・大丈夫なのか?」
ロベルタ「まだ体中に痺れが残っておりますが・・・引き金を引く程度なら問題ないかと」
スネーク(どれだけタフなんだ・・・)
ロベルタ「よろしければそちらのライフルと交換して欲しいのですが」
スネーク「ゲパードと?構わんがどうしてだ」
ロベルタ「こちらの方が使い慣れています故」ニヤ
スネーク「恐ろしい女だな君は・・・」
【ロベルタ】ゲパード
【スネーク】RPG-7
521:
月光「-----」ビビビビビ
スネーク「しまった!まだ動けたか!」
ロベルタ「・・・」
月光は息を吹き返したが、砲撃により頭が持ち上がらない」
ジャキ
月光「----」ビビビビビ
ロベルタ「怯えずとも・・・よろしゅうございますわ」
ズ ド ン ッ !
ロベルタ「・・・」
シュウウウウウ・・・・
スネーク「か、片手で・・・」
ロベルタ「さぁ、爆発をしてしまわぬ内に振り落してしまいましょう」
スネーク「・・・ダッチ!」
ダッチ「オーライ!マナー違反は乗車拒否だぜお客さん!」
ズアアアアアアアッ!
大きく舵を切ったラグーン号により、月光の巨体が振り落される
ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン !
スネーク「ッ!」パラパラパラ
ロベルタ「間一髪で御座いました」
スネーク「・・・ヤモリはまだ大量にいるぞ。大丈夫か?」
ロベルタ「全て食らいつくして見せましょう」
スネーク「頼もしいな・・・味方の内は」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
スネーク「来るぞ!根競べだ!」
ロベルタ「サンタ・マリアの名に誓い、全ての不義に鉄槌を」
二人は背中を向けあった
522:
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
スネーク「むんっ!」ズドン!
ロベルタ「・・・」ドンッドンッドンッ
ズ ド ンッ ドンドンドンッ
ボ ッ シュゥゥゥゥゥゥ・・・
ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン !
ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン !
ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン !
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
沸いて来ては次々と駆逐される月光に、周囲は夕焼けの様な赤い風景に変貌する
ダッチ「知らなかったぜ。俺はいつの間にか灼熱地獄に来ていたらしい」
ベニー「次々に破壊されていくね・・・」
ダッチ「地獄の炎はああやって作られてたのか。じゃああの二人はエンマ様の使いか?」
ザァァァァァァッ!
ロベルタ「この鉄騎兵、どこのどなたがこさえたのか存じ上げませんが」ズドンドンッ
ロベルタ「動きは単調でございますわね。折角のご自慢の脚が勿体ないですわ」ドンドンッ
スネーク「だったらAT社に感想を送ってやれ。きっとお礼に粗品をくれるだろう」ボッ
ロベルタ「私はお屋敷の雑務に忙しいのでそのような暇は・・・」ジャキ
ロベルタ「おや?」
月光の動きに変化が見られ出す
スネーク「なんだ?ヤモリが離れていく」
ロベルタ「諦めたのでしょうか」
スネーク「そんなバカな・・・いや、これは」
ロック「ベニー!レーダーを見せろ!」
ベニー「どうしたんだい急に!?」
ロック「奴らの動きに変化があった・・・ああ、やっぱり・・」
ダッチ「?」
ロック「先回りだ・・・僕らの進路を読んで先回りするつもりだ!」
ダッチ「そんな事もできるのか!なんと便利なおもちゃだ」
スネーク・ロベルタ「!」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
前方には月光の群れによる関所が作られていた
523:
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
集まった月光が同時に咆哮をあげる
ダッチ「やかましいヤモリ共だな・・・」
ベニー「どどど、どうすんのさ!?」
ロック「このまま突っ込んでも・・・やられるだけだ」
ダッチ「じゃあUターンで進路変更するかい?後ろにも連中が控えてると思うが」
ロック「突破・・・するしかないね」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ロベルタ「中々かしこい鉄騎兵ですわね」
スネーク「・・・」
ロベルタ「如何なさいます?このまま体当たりをするのも手かと思われますが」
スネーク「・・・迂回をしている余裕はない。このまま突破だ」
ロベルタ「同感ですわ。でもどうやって?」
スネーク「ダッチ、少し減してくれないか?」
ダッチ「ペースを落として、どうするつもりだ?」
スネーク「奴らの間合いに入る前に・・・こじ開ける!」
ダッチ「オーライ。じゃあ無事道が開いたら合図をくれ」
ダッチ「マイク・ホーソンばりのロケットスタートを見せてやるよ」
ベニー「正気かい!?無茶だそんなの!」
ダッチ「・・・俺は今日ほど信心深くなった事はない」
ベニー「え・・・」
ダッチ「・・・神よ」グッ
ベニー「やっぱり神頼み!?」
スネーク「いいかロベルタもう一度言う。奴らの弱点はあの頭についているセンサー類だ」
スネーク「あれと落とせばヤモリは止まる。わかったか?」
ロベルタ「動き回っているならともかく・・・待ち伏せているのならただの的ですわ」
スネーク「俺はRPGでひたすら砲撃する。お前は周りのヤモリを狙撃しろ」
スネーク「ミスは即命取りだ。失敗は許されない」
ロベルタ「愚問で御座いますわ」
スネーク「だな」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ロック「頼む二人とも!なんとか道を・・・開いてくれ!」
スネーク・ロベルタ「 オ オ ッ ! 」
524:
ロベルタ「どのように?」
スネーク「なんでもイイ!とかく全弾発射だ!」
ロベルタ「・・・承りました」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
スネーク「オオオオオオオオ!」ボッ
ロベルタ「シャアアアアアアア!」スドンドンドンッ
ボッ・・・・シュウウウウウウウ!
スドンッ ズドンッ ズドンッ
スネーク・ロベルタ「 オ オ オ オ オ オ オ ! 」
ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン !
ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン !
ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン !
絶え間なく続く連射に月光は次々と朽ちていく
しかしそれを上回る度でさらにヤモリの関所は増殖していく
スネーク「くっ」
ロベルタ「シャアアアアアア!」
ボッ・・・・シュウウウウウウウ!
スドンッ ズドンッ ズドンッ
ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン !
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
スネーク「だ、だめか!?」
ロベルタ「一体何匹いるのでございましょう」
次の発射態勢に入ろうとしたその時
カチン・・・
ロベルタ「弾切れ!」
525:
ロベルタ「申し訳ありません。これにて終了のようです」
スネーク「こっちもだ!弾がもう残っていない!」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ベニー「ダァーーーーッチ!どうすんのさ!?」
ダッチ「ソールドアウトってか・・・客はまだわんさかいるってのに」
ロック「・・・」
スネーク「く・・・」ガク
ロベルタ「困りましたわ・・・」
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
ヤモリは徐々に増えて行き、船どころか人一人入る余地のないほど密集していく
スネーク「参ったな・・・」
ロベルタ「せ、せめて若様だけでも!」
ダッチ「おいおいいよいよだな・・・」
ベニー「あーーーーーッ!もう終わりだァーーーーー!」
ロック「・・・ダッチ」
ダッチ「あ?」
ロック「ここはメコン川だ・・・流木や鉄材法投棄が多い・・・」
ダッチ「今更観光案内かい?誰も喜ばねーぜロック」
ロック「川の流れは決して激しい方じゃない・・・浅瀬も所々ある・・・」ブツブツ
ロック「・・・何か乗り上げられる物はないか?」
ダッチ「お前、まさか!」
ロック「そのまさかさ。ダッチ」
ロック「もう一度・・・ファックしてやろうぜ」ニヤ
526:
『じいさん!メイド!一旦中へ戻ってくれ!』
スネーク「・・・?」
『月の裏側までぶっとびたいのならそこへ残っててくれ。そうじゃないならはやくしな!』
ロベルタ「一体何を・・・」
スネーク「・・・戻ろう」
ロック「ベニー。ポイントはあるか?」
ベニー「ちょっと待って・・・ある」
ベニー「小さな岩礁がいくつかあるぞ!しかし、船を飛ばすほどの質量は・・・」
スネーク「どうしたんだ?」
ダッチ「ようじいさん。俺達はこれから月へと行く事になった」
スネーク「どういう事だ」
ロック「あるにはあるがどれに乗ればいいのかわからないな・・・クソ!」
ダッチ「岩礁をジャンプ台にして空をはばたこうって魂胆だ」
スネーク「できるのか!?」
ダッチ「実は一度経験がある。その辺は心配ご無用だ」
ベニー「でも、どの岩礁に乗ればいかわからないんだ」
527:
ロック「レーダーだとどれがどのくらいかがわからない・・・」
ダッチ「レヴィは配置に着いたぞ。行動だけははやい女だ」
スネーク「・・・オタコン、聞いてたか」
オタコン「もちろん。すでに解析済みさ」
オタコン「岩礁が小粒なのは中国政府の岩礁除去作業のせいだね。かなり爆破したみたいだ」
オタコン「川の航路の確保が目的みたいだけど、まだ完全に除去しきれてないのが現状のようだね」
スネーク「船が乗り上げられそうなのはあるか?」
オタコン「エルコ級だからね・・・最大力が41ノット前後か・・・」
オタコン「・・・あった。ここなんてどうだろう」
スネーク「ギリギリだな・・・」
オタコン「衛星写真を送るよ。彼らに見せてやってくれ」
スネーク「あったぞ」
ベニー「え!?」
スネーク「レーダーを見せろ。・・・これだ」
ベニー「キワドイね・・・」
スネーク「しかし船が乗り上げられるのはこれ以外ない」
ロック「ダッチ、どうする?」
ダッチ「やれやれ・・・前回よりかなりシビアな条件なようだが・・・」
ダッチ「イカれてるとしか思えねえが、だがおもしれえ」
ダッチ「おもしれえってのは重要な事だぜ」
ロック「じゃあ・・・」
ダッチ「いっちょやったろうじゃねえか」ニヤ
『 ン モ ” ? ? ? ? ? ? ? ? ! ! 』
528:
ダッチ「全全身!」ガコ
ロック「レヴィ!」
レヴィ「オーライッ!」ジポ
レヴィ「オラーーーーッ!」ブオン
月光「!」
スネーク「何を投げた!?」
【発煙筒】
スネーク「 発 煙 筒 か !」
ロック「一瞬でいいんだ!一瞬奴等の目を引き事が出来れば!」
ベニー「残り60フィート!レヴィ戻れ!」
レヴィ「よっと」ガチャ
ベニー「アンカー制御!体を固定しろ!」
ダッチ「しっかり掴まってな!」
ガッ
スネーク「!?」
岩礁に正面から突っ込んだラグーン号は、アンカーの動きに釣られ船首を持ち上げ
グ ワ ン ッ !
そして
ダッチ「 飛 べ ! 」
月光「!?」
月光の頭上を乗り越え、宙を舞った
ベニー「yeaaaah!!やった!超えた!!」
グ オ ッ
スネーク「いや、まだだ!」
529:
スネーク「ヤモリが飛んできたぞ!」
頭上を乗り越えようとするラグーン号の行方を、月光の一機が『飛び』憚る
ベニー「想定の」
ダッチ「範囲だな」
スネーク「!?」
ガコッ
ダッチ・ロック・レヴィ・ベニー「いっけーーーーーーーーーーーーーーッ!」
船から切り離された魚雷管が
月光に突っ込んだ
スネーク「魚雷管を直接当てたのかッ!?」
ド ォ ォ ォ ォ ォ ォ ン !
グラグラグラグラ・・・
バ シ ャ ァ ァ ァ ァ ン !
スネーク「うおおおおおおおお!?」グラグラグラ
ロック「ファック・・・してやったぜ!」
ラグーン号は無事関所を乗り越えた
530:
ダッチ「信じられねえ・・・首がもげてねえ」
ベニー「僕の機材が・・・またしても・・・」ガク
ロック「う・・・」
オタコン「ほんとに・・・やったね・・・」
スネーク「無茶する連中だな・・・」
オタコン「案外スネークと気が合うかもね」ハハ
スネーク「ごめんだな。こちらから願い下げだ」
月光「ンモ”???????!」
スネーク「さあ船長、ここからだ。残りのヤモリが追ってきている」
スネーク「武装はもうない。生きて帰れるかはお前次第だ」ポン
ダッチ「行ってくれるねじいさん・・・オーライ、こうなりゃやけだ」
ダッチ「ケツをローストされる前に全力で逃げ切ってやらぁ!」ガコ
ブオオオオオオオオオオオオオ!
ンモ”????????????!
ベニー「そろそろ通常航路だが・・・」
ダッチ「やっこさんしつこいね。ラグーン商会にヤモリを飼う余裕はねえ」
オタコン「海軍の巡航路までは入ってこないはずだ。メタルギアを衆目に晒すわけにはいかないからね」
スネーク「そこがゴールか」
ブオオオオオオオオオオオオオ!
オタコン「おし、逃げ切った!」グッ
ダッチ「本当か・・・?」
月光「ンモ”???????!」
スネーク「追ってきてるぞ!?」
オタコン「えっウソ!?」
ベニー「おいおい、人目についたらまずいんだろ?」
ダッチ「意外と目立ちたがりなのかもな。マイケル・ムーア張りに」
月光「ンモ”???????!」
ベニー「しつこいな・・・そんなに仲間をやられたのが癪に障ったのかい?」
ダッチ「絆の深さはピカイチってわけか。どうするよじいさん」
スネーク「・・・」
ザザッ ピーーーー ガガ
ベニー「ダッチ、無線だ!」
ダッチ「こんな時に誰からだ・・・」
531:
スネーク「・・・?」
ベニー「繋ぐよ!」
ザザーーー キュゥーーーーン ガガガッ
『ラグーン号・・・聞こえるか?聞こえたら応答されたし』ザザ
ダッチ「こちらラグーン商会。悪いが今ランデブー中だ。要件は事務所に入れといてくれ」
『・・・こちらはソヴィエト連邦空挺軍所属。名前は・・・』ザザ
『ジェーン・ドゥ大尉であります』ザザ
スネーク「 バ ラ ラ イ カ ! 」
ベニー「ホテル・モスクワ!?一体何の用だ!」
ダッチ「・・・俺らを笑いものにしに来たのか?」
バラライカ『そう邪険にしないでよ。楽しそうにдогонялки(鬼ごっこ)をしている様を見守るのも悪くないけど』ザザ
バラライカ『ロアナプラは猛獣の住処よ。爬虫類まで受け入れる余裕はないわ』ザザ
ダッチ「知らなかったぜ。いつからロアナプラはサーカス団に転身したんだい?」
バラライカ『バカ言ってんじゃないわよ。で・・・』
バラライカ『おじいさん、いる?』
ダッチ「じいさん。おめえにだ」
スネーク「・・・こちらスネーク。大尉、聞こえるか」
バラライカ『またお会いできましたね。サラディン』
スネーク「・・・何の用だ」
バラライカ『借りを返しに来た』
ベニー「ダッチ!前!」
全員「!!」
いつの間にかラグーン号の前方には船団が押し寄せていた
スネーク「遊撃隊・・・!」
532:
ボリス「ラグーン号目視確認、波風は良好であります、大尉」
バラライカ「サラディンめ・・・さらにとんでもない物を連れてきおって」
ボリス「あれが、例の『メタルギア』とやらでしょうか」
バラライカ「だろうな。奴と歯車は昔から縁があるようだ」
スネーク「ヤモリを迎撃する気か!?」
バラライカ『これで双方貸し借りなしであります』ザザ
スネーク「・・・あれはただの兵器じゃないぞ」
バラライカ『分かっております。』ザザ
スネーク「・・・死ぬかもしれんぞ」
バラライカ『・・・ホテルモスクワは立ちはだかる全てを殲滅する』
月光「ンモ”????????!」
ボリス「総員、撃ち方用意!」
ジャキ!
ジャキジャキジャキジャキジャキ!
スネーク「・・・いいかバラライカ、聞け。あれの装甲はAKでは無理だ」
スネーク「脚を狙え。そうすればヤモリの動きを止められる」
バラライカ「お心遣い感謝します」
スネーク「・・・死ぬなよ」
バラライカ「あなたこそ」
ベニー「船団を横切るよ!後は遊撃隊に任せよう!」
ダッチ「不気味だな。イカれたウォーマニアが人命救助を買って出るとは」
ダッチ「神の教えに目覚めたか?どっちにしろ地獄行はもう決定だが」
バラライカ「敵機影、既存の兵器にあらず。次世代二足歩行兵器である」
バラライカ「よって今まで培ったどの定石も通用しないだろう」
バラライカ「しかし「ある兵士」より、有益な情報を得た。脚部の破壊により機能の大部分が停止するとの事だ」
バラライカ「よって我らはこれより『ヤモリ』の脚部に一点集中、これを殲滅する」
バラライカ「行動開始はラグーン号の通過を皮切りにする」
バラライカ「・・・行こう同志諸君」
バラライカ「撃鉄を起こせ」
遊撃隊「 オ オ オ ッ ! 」
533:
ブオオオオオオオオオオオ!
ベニー「船団通過!」
ダッチ「・・・」
スネーク「ハッ!」
遊撃隊の船団を横切るスネークが見た物は
バラライカ「・・・」
【敬礼】
スネーク「・・・」
船は街へと帰って行った
ブオオオオ・・・・・
ボリス「行きましたな」
バラライカ「すまない曹長、私のワガママに付き合ってもらって」
ボリス「今更であります大尉。あれをロアナプラに上陸させるわけにはいかないのも事実であります」
バラライカ「それもそうだな・・・」
月光「ンモ”????????!」
バラライカ「あれが・・・メタルギア・・・」
バラライカ「・・・」
「огонь(撃て!)」
534:
・ロアナプラ 港
ザザアァ・・・・チュンチュン
ベニー「つ、ついたぁ・・・」
ダッチ「すっかり朝だな。俺ともあろう者がコケコッコーに気づかなかったぜ」ペチ
オタコン「助かった・・・ね」
スネーク「ああ」
ダッチ「そういえばさっきからレヴィの奴が見えんが」
ベニー「確か船室に・・・あっ」
レヴィ「????」(気絶)
オタコン「頭をぶつけたのかな・・・」
スネーク「最後まで落ち着かない奴だった」
ダッチ「さて、着いたぜお客さん。終点だ」
ダッチ「降りな」
ガチャ
ホーナー「生きて、帰ってこれましたね」
キャクストン「ああ・・・」
スネーク「・・・」
キャクストン「スネーク・・・」
ダッチ「お前等もだ」
ファビオラ「あたた・・・婦長様、若様、大丈夫?」
ロベルタ「若様、足元お気を付け下さい」
ガルシア「・・・」
ダッチ「派手に動かしたからなぁ。散らかり放題だな」
ベニー「機材新調してよ?じゃないとストを起こすぞ!」
キャクストン「スネーク・・・本当に、色々とありがとう」
スネーク「ヤモリのデータは取り逃がしてしまったな」
キャクストン「ああ、任務は失敗だ。これで私も降格だな」ハハ
スネーク「大丈夫・・・なのか?」
キャクストン「NSAはそこまで愚かではないよ。私はしばらく、雑務か士官学校の教官辺りだな」
スネーク「お前は教官には向いていない気がするがな」
キャクストン「だな」ハハ
キャクストン「そして、ガルシア君・・・」
535:
ガルシア「・・・」
ロベルタ「・・・」
キャクストン「その、なんだ餞別ではないが」
キャクストン「この拳銃を君に・・・」ジャキ
ガルシア「・・・」
キャクストン「私が君のお父さんを殺してしまったのは紛れもない事実だ」
キャクストン「君の大事な人も、家も、何もかも・・・」
ガルシア「・・・」
キャクストン「だから、その、なんだ」
キャクストン「もし時が経って、それでも私を許せなかったら」
キャクストン「その銃で・・・私を殺しに来てくれ」
ホーナー「少佐、何を!?」
キャクストン「君には復讐する権利がある。私はそう思う」
スネーク「・・・」
オタコン「高潔な人だね・・・」
ガルシア「・・・わかりました」
ファビオラ「若様・・・」
ガルシア「うっ」ガク
ロベルタ「若様!」ガシ
キャクストン「ガルシア君!」ガシ
ガルシア「大丈夫です・・・少し、疲れただけですから」
スネーク「疲労が溜まっていたのだろう。無理もない」
ガルシア「少しがんばりすぎました・・・」ハハ
スネーク「・・・ガルシア、聞け」
スネーク「君はまぎれもなく善人で勇敢だった。しかし」
スネーク「正しい事が幸せな結末にいたるとは限らない」
ガルシア「・・・」
スネーク「これからの人生、君にとってははまだ長い・・・・じっくり時間をかけて考えろ」
スネーク「新しい道を見つけるんだ。新しい道、新しい目的」
ガルシア「新しい道・・・見つかりますかね・・・」
スネーク「見つかるとも」
スネーク「生きる物全てに春は来る。希望を持つ事だ」
536:
ガルシア「・・・」
ダッチ「おーおー、じじいが言うと重みが違うね」シュポ
キャクストン「もう、会う事もないだろうな」
スネーク「ああ」
ガルシア「セニョール・・・」
ガルシア「僕、見つけて見せます。新しい道を」
スネーク「ああ」
スネーク「暇が出来たら遊びに行こう。是非君の家のコーヒーを淹れてくれ」
ガルシア「もちろんです!」
スネーク「・・・」フウ
ロベルタ「・・・」
スネーク「ロベルタ・・・」
ロベルタ「なんでしょう」
スネーク「フォックスは・・・何と言っていた?」
ロベルタ「・・・」
スネーク「いや、なんでもない。忘れてくれ」サ
ロベルタ「・・・」
「俺達は政府や誰かの道具じゃない。闘うことでしか自分を表現できなかったが、いつも自分の意志で闘ってきた」
スネーク「!?」
ロベルタ「そう、おっしゃられておりました」
スネーク「そうか・・・」
スネーク(フォックス・・・)
ダッチ「ついでだ。よければホテルまでお送りするが」
ガルシア「・・・お願いします」
ダッチ「あいよ。ベニー・ボーイ、悪いが事務所に戻って車を(ry
「本当によかった」
538:
全員「!?」
ロック「君達ならきっと、戻ってくると思っていた」ニコニコ
ガルシア「・・・」
ロック「最上の結果だ。君のご主人様は予想通り事を運んでくれた」ニコニコ
ロベルタ「・・・」
ロック「君達ならできると思っていた」ニコニコ
ファビオラ「・・・」
ロック「俺も、君達を助ける事が出来て・・・」
ロック「本当によかった」ニコ
ズ ド ン ッ !
スネーク「!?」
ダッチ「お、おい!?」
ロック「うがぁっ!カハッ・・・ゴフッ!」ドサ
ロック「な、なんで・・・?」
ロックの問いかけには落ちた薬きょうが返事をした
539:
ファビオラ「・・・あんたは、スリルのあるギャンブルがしたかっただけなんだ」
ファビオラ「自分の楽しみの為だけに、若様に命を張らせたんだ」
スネーク「・・・」
ファビオラ「それだけなら許せた。いや、許せないにしてもここまで頭に来なかった」
ファビオラ「でも」
スネーク「・・・」
ファビオラ「若様を駒にした「カンボジア式ルーレット」を、善意の人助けとのたまったんだ」
ファビオラ「私の落ち度はそれだ。私はあんたが悪党なのを最後まで見抜けたかった」
ロック「ガハッ!・・・ゴホッ・・・」ベチャ
ファビオラ「でももうわかった。あんたはこの街で一番の・・・」
ファビオラ「クソ野郎だ」
カラカラカラ・・・
スネーク「薬きょうが・・・」スチャ
薬きょうを拾い上げると
スネーク「これは・・・」チャリ
ファビオラ「空砲弾(ブランク)こけおどしの魔法で、まがい物の真鍮だ」
540:
ロック「で、でも!君達は勝ったじゃないか・・・それが、全てじゃないのか?」
ガルシア「確かに、誰もが無傷ではなかったけれど・・・僕らは目的を果たした・・・」
ロベルタ「・・・」
キャクストン「・・・」
ガルシア「ですが、それが全てだと言い切るあなたは」
ガルシア「もう、この街の住人だ」
ロック「ち、ちがっ・・・俺は、本当に・・・本当に君達の事を・・・」
ファビオラ「いずれあんたらのバカげた騒ぎも、神様が飽きる時がやってくる」
ファビオラ「その時まで、アンタ達はこの穢れた街で、死人とワルツを踊り続ければいいさ」
ロック「ち、違う・・・違・・・う・・・!」
スネーク「若いの、だから言っただろう」
スネーク「命はチップじゃない。命を弄んでいいのは神だけだ」
スネーク「そしてお前は神じゃない」
ロック「・・・ッ!」ゲフ
???????!
・・・・・・・・・・
聞こえない叫び声が聞こえた気がした
541:
・まとめ
【スネーク】
無事ロベルタの正気を取り戻す。ならびにメタルギア月光の破壊に成功。グレイフォックスの正体も判明
ただしメタルギアのデータ奪取はならず
【グレイフォクス部隊】
部隊は壊滅。任務も達成できず。最も被害甚大
【ラグーン商会】
月光の思わぬ襲撃に会ったが、依頼人を無事送り届け帰還。ロックのみ軽傷
【ラブレス組】
ロベルタが戻って来た事により目的達成。ラブレス家へと戻る
ただしその後の事は誰にもわからない
【遊撃隊】
ラグーン一行を月光から逃がすべく防波堤になった。生死は不明
542:
数日後
・ロアナプラ 海辺
カモメの鳴き声とさざ波の音が静かに寄せ返す、悪徳の街でも唯一の静かな場所
そこに煙草を吹かしながら黄昏るスーツの男が一人
ロック「・・・」
その背後に同じくスーツを着た男が忍び寄ってきた
チャン「よう、探したぜ」
ロック「チャンさん・・・」
チャン「レヴィに聞いたら最近は・・・ここで黄昏てンのがお気に入りだと聞いたが・・・」
チャン「本当のようだな」ニヤ
ロック「あの子になじられたよ。俺は人の命をチップに乗せる悪党だと:」
ロック「チャンさん、俺は悪党かな」
チャン「動機はどうあれ、結末は一つだ」
チャン「お前は痺れるようなギャンブルがやりたかっただけかもしれないし、あの子達を救ってやりたかったのかもしれない」
チャン「あるいはその両方かも」
ロック「俺は・・・本当に・・・」
チャン「ほら、受け取れ」ドサ
チャンが投げつけた鞄には札束が溢れる程入っていた
チャン「メイドの件の始末金だ。賭けはお前の勝ちだ」
ロック「金が欲しかったわけじゃありませんよ・・・」
チャン「結末の証だ、無意味なシロモノじゃない」
チャン「どうするかはお前の自由だが」
ロック「・・・あのじいさんにも言われたよ」
チャン「ん?」
ロック「人の命はチップじゃない。命を弄んでいいのは神だけだ」
ロック「そして俺は神じゃない、と」
チャン「ハハハ、違いない」
ロック「・・・」
チャン「で、そのじいさんだが」シュポ
チャン「今日、この街を経つそうだ」
ロック「・・・」
チャン「世話になったろう?見送らなくていいのか?」
ロック「合す顔がないよ・・・」
チャン「まぁ、それもお前さんの自由だ」
543:
チャン「まぁ、修道層の生き方も一つの道だ」
チャン「だが善悪の海岸を見極めたいなら・・・とっくり時間をかけるのも悪くはないぜ」
ロック「・・・」
チャン「潮風がキツくなる。一杯どうだ?」
チャン「南米の果てで荒野に佇む彼氏彼女と・・・」
チャン「死ぬまで戦いつづける運命の老人に乾杯だ」
ロック「・・・」
PIRIRIRIRIRI
チャン「鳴ってるぞ」
ロック「ん・・・レヴィか」
ピッ
ロック「レヴィか。悪いが今一人に(ry」
ロック「・・・えっ飛び入りの仕事が入った?なんの仕事??」
ロック「イエローフラッグに集合・・・?事務所じゃないのか?」
ロック「なんの仕事だよ。・・・なんだよ最重要任務って!?」
ロック「5分以内って、できるわけないだろ!わかったよ、すぐ行くって!」
ロック「わかった!わかったよ!急ぐからちょっと待っててくれ!」
ピッ
チャン「火急か?」
ロック「悪いチャンさん、仕事が入った!」
ロック「レヴィがえらい剣幕でがなってる・・・く行かないとどやされそうだ!」
チャン「・・・?」
ロック「一杯はまた今度にしよう!それじゃ!」ダッ!
チャン「はて・・・あの慌て振り、一体なんの仕事が?」
チャン「まぁ、俺には関係ない、か・・・」
チャン「あっ」
チャンの目の前には札束の入った鞄が佇んでいた
チャン(あの野郎!忘れていきやがった!)ガビーン
【 e pi l o g u e 】
547:
・暴力教会
スネーク「世話になった」
ヨランダ「色々大変だったねえ。坊や」
スネーク「ああ、お前等の協力がなければ俺は路頭に迷っていた所だ」
エダ「代金忘れんなよ」
スネーク「それは大佐に言ってくれ」
ヨランダ「伝説の英雄にお会いできてよかったよ」
エダ「じじいの活躍、この目にしかと焼き付けたぜ」
ヨランダ「気が向いたらまたおいで。VIP待遇で観光してやるさね」
エダ「娼婦1回サービスしてやるよw」
スネーク「いらん。二度と来るかこんな街」
ヨランダ「刺激が欲しけりゃまたおいで」
ヨランダ「ここは血と硝煙に退屈する事はないからねェ・・・」
スネーク「帰ったら治安維持部隊を送り込むように言っといてやる」
エダ「さて、と。じゃあ感動のお別れだ」
スネーク「・・・エダ、色々ありがとう」
エダ「いいって事よ。アタシらは神の使い。迷える子羊にはいつでも救いの導を・・・」
スネーク「お前等は崖から突き落とす側だろ」
ヨランダ「ハハ、ここでは鉛で撃たれるのが救いになるのさ」
エダ「天国に連れてってやってんだよ」
スネーク「もう・・・会う事もないな」
エダ「さみしいかい?寂しくなったらいつでもアタシが慰めてやるよ」
スネーク「事あるごとに金をせびられそうだから結構だ」
エダ「バレてたかw」
ヨランダ「迎えはうちが用意したよ。これもサービスさね」
スネーク「恩に着る。ここから空港に着くまでにいくら強盗されるかわからんからな」
エダ「わかってるじゃねえか」
スネーク「・・・」
一瞬の静寂。そして別れの時はやってきた
スネーク「では・・・」
ヨランダ「迷える子羊に神のご加護を・・・」
エダ「アーメンハレルヤピーナッツバター・・・」
スネークは暴力教会を後にした
548:
エダ「・・・さて」ニヤ
ヨランダ「この街から無事帰れると思っている所がまだまだ甘いねェ」
エダ「迎えの人間を見たら腰抜かすだろうなw」
ヨランダ「ありゃどちらかと言うと死神に近いからねぇ・・・」
エダ「アタシは先回りしとくか!」
ヨランダ「日が暮れるまでには帰っておいで。まだまだ仕事は山積みだ」
エダ「ヤー・シスター」バサ
549:
スネーク「遅いな・・・」
【CALL】
オタコン「全く、とんでもない街だったね」
スネーク「ああ、人としての在り方を考えさせられる街だ」
スネーク「悟りを開くにはちょうどイイかもしれん」
オタコン「にしても・・・あんなのが量産されていたなんて」
スネーク「あんな物が戦場に投入されれば・・・戦争は大きく変わるな」
スネーク「景気のイイ所はさらに有利になり、資金の乏しい民兵はさらに劣性に立たされる事になる」
オタコン「大きく・・・偏るね」
スネーク「今の内に対策を考えとかねばなるまい」
オタコン「それもある。けど・・・」
オタコン「あの二人は大丈夫だろうか」
スネーク「ガルシアか・・・正直、ハッピーエンドとは言えないな」
オタコン「元々落ち目の貴族だったからね・・・」
スネーク「あの子は間違いなく勇敢で正しかった。だが」
スネーク「待っているのは茨の道だ。正しい事が幸せな結末を迎えるとは限らない」
スネーク「だが・・・」
オタコン「だが?」
スネーク「生きる者すべてに春は来る。希望を持つ事だ」
スネーク「例えどんな困難で苦しい道が待っていようとも・・・」
オタコン(それは自分にも言っているのかい?スネーク・・・)
スネーク「・・・」
プップー
スネークの前に一台の車が止まる
スネーク「遅かったな」
車の扉が開くと同時に、その先にはスラリと長い美脚が覗く
「ごめんなさいね。お待たせしたかしら」
スネーク・オタコン「 」ブッ
バラライカ「はぁい」ニッコリ
550:
スネーク「バ、バラライカ!」
オタコン「何故彼女が・・・!?」
バラライカ「お迎えに上がりましたわ。ミスター・プリスキン」ニコ
スネーク「・・・何の真似だ」
バラライカ「何って、迎えに来たんだけど」
スネーク「別に君じゃなくても・・・」
バラライカ「あら、心外ね」
バラライカ「これからも戦い続ける一人の老兵の門出を祝って、この悪徳の街から無事私が責任もって送り届けようっていう」
バラライカ「迷惑かしら?」
スネーク「いや・・・その・・・」
オタコン「ていうか、やはり生きてたんだね・・・」
ボリス「連れないですぞ!герой[ゲローイ]!」ガチャ
ボリス「よもや別れの時に我々に顔を見せずに去って行こうなどと・・・」
スネーク「お前もか・・・」
バラライカ「とりあえず、乗れば?」
スネーク「・・・毒ガスとか仕込んでないだろうな」
バラライカ「あるわけないじゃない自殺しに行くんじゃあるまいし」
ボリス「大尉自ら買って出た好意であります!ささ、どうぞ・・・!」ガチャ
バラライカ「お先にどうぞ」ニッコリ
スネーク「・・・」
オタコン「VIP待遇・・・だね」
・車中
バラライカ「何か飲みなさる?」ニヤ
スネーク「いらん。どうせ催眠薬でも入っているんだろう」
バラライカ「疑り深いわねぇ」ヤレヤレ
スネーク「・・・どうやって生き残った」
バラライカ「はい?」
スネーク「あのヤモリの群れ・・・いかに遊撃隊と言えど厳しかったはずだ」
バラライカ「ああ、それね」
バラライカ「あれ・・・適当に何匹か蹴散らしたら勝手に帰ってったわよ」
スネーク「何!?」
オタコン「ええっ!?」
バラライカ「ホントよ。ねえ?軍曹」
ボリス「折角ゲローイと会えたのに・・・もう別れの時とは・・・(感涙)」
スネーク「話を聞け」
551:
バラライカ「いいじゃない。最後に顔を見せてくれたって」
バラライカ「知ってるわよ?あなた、デートをすっぽかす常習犯らしいじゃない」ニヤ
スネーク「別に君とデートの約束をした覚えはないが」
バラライカ「折角伝説の英雄に会えたんですもの。色々話を聞きたいわよ。ねえ?軍曹」
ボリス「ゲローイ・・・何故我らの元から去っていくのですか・・・」ウルウル
スネーク「ちゃんと運転しろ」
バラライカ「教えて頂戴な。あなたので・ん・せ・つ」ニヤ
オタコン「ああ言ってるし、話してあげれば?」
スネーク「・・・ハァ」
スネークは話した。アウターヘブンやザンジバーランド、シャドーモセス、ビックシェルでの出来事を
勿論幾ばくかかいつまんでだが、その物語はイワンを納得させるには十分な内容であった
バラライカ「すっごいわねぇ・・・」
ボリス「さすがであります!」
スネーク「本当はあまり昔の話はしたくないのだが・・・」
バラライカ「ふぅん、シャドーモセスの真実。買っといて正解だったわね」
ボリス「まさか本人から直接その話が聞けるとは、感涙であります・・・」
スネーク「買ったのか・・・」
バラライカ「なる・ほど。なるほど・・・そういう経緯だったの」
スネーク「・・・?」
バラライカ「・・・葉巻を吸ってもよろしくて?」
スネーク「ああ」
バラライカ「・・・」シュポ
バラライカは愛飲の葉巻に火をつけ、語り始めた
バラライカ「あの日・・・アフガンの戦地で私はサラディンに会ったわ」フー
スネーク「ビッグ・ボスか」
バラライカ「ふふ。当初は敵同士だったわ。最初はサラディンって知らなくてね」
バラライカ「何度も仕掛けて、尽く返り討ちにされたっけ・・・」
ボリス「・・・」
バラライカ「他の隊は諦めて敗走していく中、私達遊撃隊は最後まで戦う事を選んだ」
バラライカ「当時の上官に無理言ってね。何度も説得して無理矢理戦地に残してもらったの」
ボリス「あの時の大尉は鬼気迫る者がありました」
バラライカ「何度も何度も挑んで、そして負け・・・策を練り、また挑んで」
バラライカ「でもね、不思議と命は取られなかったの。こっぴどくやられるんだけど、みんなで揃ってズタボロに敗走したわ」
バラライカ「そしてまた策を練り挑んで・・・こう見えて最後の方は結構いいセン行ってたのよ?ビッグ・ボス相手に」
スネーク「・・・」
バラライカ「ある日、もう何回目かすら忘れたあの敗北の時・・・向こうの方から話しかけてきたの」
スネーク「ビッグ・ボスが!?」
552:
バラライカ「そりゃもう驚いたわ。敵の大将が自分から近寄ってくるんですもの」
バラライカ「で、彼は我々にこう言うの」
ボリス「・・・」
バラライカ「俺達が目指すのは国家、組織、思想、イデオロギーに囚われることなく戦うために生きる者達の理想郷となる組織」
バラライカ「我々には君達のような戦士が必要だ。よければ来ないか。ってね」
スネーク(アウターヘブン・・・)
バラライカ「あの日、あの申し出を受けてればよかった」
スネーク「断ったのか?」
バラライカ「当時の私は空挺軍一個小隊を率いる身よ。そう簡単に寝返るなんてありえないわ」
オタコン「特に当時のソ連ではね」
バラライカ「でも・・・その日を境に彼は戦場から姿を消した」
バラライカ「その後は実に呆気なかったわ。あんなに何度挑んでも落とせなかった敵陣が、いとも容易くに制圧できたんですもの」ジジ
バラライカ「ほんと楽すぎて・・・虚しかったわ・・・」フー
ボリス「・・・」
バラライカ「次に会ったら今度こそ申し出を受けよう。そう思って待ってたんだけど」
バラライカ「こないのよ。全然。いくつ昼夜を重ねても」
バラライカ「制圧した地域から聞こえる話はサラディンの話ばかり・・・たまらないわよ?こっちはずっとそれを待ってるって言うのに」
スネーク「子供を助けたと聞いたが」
バラライカ「ああ、それね。あれこそ我が人生で最も無策な気まぐれだったわ」
バラライカ「サラディンがね・・・避難所を作っていたのよ。親を失った孤児達の為の」
スネーク「ザンジバーランドにもそんなのがあったな・・・」
バラライカ「それを見たらなんかね・・・マネしたくなっちゃったのよ」
スネーク「ガラじゃない事はする物じゃないな」
バラライカ「ほんとそれよね。おかげで軍を追われるハメになっちゃったわ」
バラライカ「もう・・・あなたを見てたら思い出しちゃうじゃない」
スネーク「人のせいにするな」
バラライカ「冗談キツいわ。あなた気づいてる?」
バラライカ「その老いた風貌・・・かつてのサラディンにそっくり」
スネーク(嬉しくない・・・)
バラライカ「眼帯でもかけてみたら?彼にあやかって」
スネーク「俺の両目は健在だ。それにビッグ・ボスはかつての敵」
スネーク「あやかるどころか祟られそうだ」
バラライカ「似合うと思うんだけどねえ・・・」
553:
ボリス「大尉、そろそろ到着であります」
バラライカ「ご苦労軍曹。沢山話せてよかったわ」ニッコリ
スネーク「・・・」
バラライカ「そろそろ着くわよ。ほら」
・空港前
スネーク「やっとこの街からおさらばできるってわけだ」
バラライカ「最後の最後まで、つれないわねえ・・・」
オタコン「ノーマッドは国際空港の方に回しておくよ。そこからそっちへ飛んできてくれ」
スネーク「ああ」
バラライカ「・・・」
スネーク「・・・」
キキィーーーーーーッ!
ボリスは突然急ブレーキを踏んだ
スネーク「うおっ!ど、どうした!」
バラライカ「・・・あら?」
『あ?テステス、えー、ホテル・モスクワのみなさん。おはようございます・・・』ザザ
スネーク「・・・?」
車の前に立ちはだかる黒ずくめの男が拡声器越しに語りかけてくる
『えーー、突然の事ででまことに恐縮でありますが・・・』
『あなた方の身柄はですね、我が【ぶらっくらぐぅん団】が引き受けたいと思う次第でありまして・・・』
『私個人の意見としましてはわざわざ付き合っていただかなくとも結構なのですが・・・よろしいでしょうか?』
スネーク「強盗・・・か?にしては随分低姿勢だな」
オタコン「いや、ていうか・・・」
ボリス「うわああああああああああああ!」
スネーク「!?」
554:
スネーク「どうした!?」
バラライカ「きゃー大変よー泣く子も黙るぶらっくらぐぅん団よー(棒)」
スネーク「!?」
ボリス「我々はもう・・・おしまいだぁぁぁぁぁぁ!(迫真)」
スネーク「な、なにを・・・」
バラライカ「彼らに狙われたらー私達もう生きて帰れないわー(棒)」
スネーク「いや、そんなもの・・・車から脱出すればいいだけだろ・・・」
ボリス「故郷に残したおっかさんに何て言えばいいんだぁぁぁぁぁ!(迫真)」
スネーク「うるさいな・・・ん?」
【ドアロック】
スネーク「ぬおっ!この扉!ロックがかかっている!?」ガチャガチャ
バラライカ「・・・」
スネーク「お前の仕業か!?一体俺をどうしたいんだ!」
バラライカ「ぶらっくらぐぅん団の前には遊撃隊も歯が立たないわーもうおしまいよー(棒)」
スネーク「くっ、この!開けろ!」ガチャガチャ
ボリス「我々をどうするつもりだぁぁぁ!(迫真)」
バラライカ「いやーだめー、ら?ち?ら?れ?る?(棒)」
『ロアナプラのみなさま、おはようございます。申し訳ありませんが緊急車両が通りますので道を御譲り下さい・・・』
スネーク「オイ!どこへ連れて行く気だ!?」ガチャガチャ
スネーク「オイ!なんとか言えよ!オイバラライカ!」ガチャガチャ
スネーク「 オ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ! ! 」
『緊急車両が通ります、道を御譲り下さい。
 緊急車両が通ります、道を御譲り下さい 
 緊急車両が・・・・・・・・・・』
555:
・ロアナプラ 港
ザザァァァァァーーーーー・・・・
カァカァ・・・チュンチュン・・・
ギィーー・・・ ギィーーー・・・・
ダッチ「あー、なんだ、その、とりあえず謝っておこう」
ダッチ「すまん」ペチ
スネーク「すまんじゃないだろ・・・なんだこの茶番は」
スネーク「もう任務は終わっただろ。一体何の用だ?」
バラライカ「私達をーどうするつもりなのー(棒)」
ダッチ「姉御・・・」
スネーク「まるでやる気が感じられんぞこいつは。一体なんなんだ」
ボリス「帰せ!俺達を家に帰してくれェーーーーー!(迫真)」
スネーク(お前は気持ちがこもりすぎだ)
ロック「・・・」ダラダラ
スネーク「そして何よりもこいつ。こんな低姿勢な強盗がいるか。せめてもう少し演技の練習をしたらどうだ」
ダッチ「・・・」ジロ
スネーク「で?何の用だ?」
ダッチ「いやよじいさん。聞いてくれよ」
スネーク「?」
ダッチ「俺ら今、とんでもないヤツから脅されてるんだ」
スネーク「脅されている?お前らが?」
ダッチ「おっかなくてちびりそうだぜ。逆らえばこの街を火の海に変えると言いやがるんだ」
バラライカ「きゃーこわーい(棒)」
スネーク「・・・そのおっかない奴が俺を連れてこいと言ったのか?」
ダッチ「そうなんだよ。しかもロハでだ」
スネーク「・・・で、どこのどいつだ?俺に会いたがっているのは」
ダッチ「おーい、約束通りじいさんを連れてきたぞー」
556:
バラライカ「・・・」ニヤニヤ
ロック「・・・」ダラダラ
「??????」ボソボソボソ
「??????」ボソボソボソ
スネーク「・・・?」
ダッチ「じいさん。こいつだよこいつ。こいつがじいさんと戦わせろってうるさいんだ」
ザッ
「待っていたぞスネーク!」
スネーク「な・・・ッ!?」ポロ
オタコン「ウソ・・・!」
スネークの眼前に現れたのは
サイボーグ忍者「見ていられないぞスネーク!貴様も年を取った物だ!」
スネーク「グレイ・フォックス!?」
557:
オタコン「ウソだろ・・・なんでこいつがここに・・・」
スネーク「フォックス・・・生きていたのか!?」
サイボーグ忍者「・・・」
ロック「・・・」ダラダラ
ダッチ「・・・」トン
スネーク「フォックス・・・?」
サイボーグ忍者「・・・気を付けろスネーク。ここにはクレイモア地雷が仕掛けられている」
スネーク「ここにか!?」
ロック「バッ・・・!」
ダッチ「???」ペチ
サイボーグ忍者「????おっ、おおおっ!追い込まれたつくねはジョックスよりもじょうとーだ!」ビシッ!
バラライカ「・・・」ハァ
スネーク「・・・」
サイボーグ忍者「・・・」ダラダラダラ
スネーク「・・・」
サイボーグ忍者「・・・」ダラダラダラ
サイボーグ忍者「・・・・・さぁ、こいッ!」
全員(強引に持ってったァーーーーーーーーッ!!)ガビーン
【BOSS】サイボーグ忍者
567:
○遡る事数時間前
・イエローフラッグ
レヴィ「あ?、だりぃ?」ヒック
エダ「キシシシシ、結局お前だけ出番がなかったなw」
レヴィ「あ?表出ろアバズレ。アタシはただでさえイラついてんだよ」
レヴィ「どいつもこいつもよってたかってのけ者にしやがって・・・」ヒック
エダ「ヒッヒッヒ。イキんな山猿w酒でも飲んで忘れろよ」
ダッチ「お前まだ言ってるのか。人恋しいのはわかるがいい加減忘れろよ」グビ
ベニー「どうせ今日中には帰っちゃうんだからさぁ・・・」
レヴィ「そんなんで納得できるかぁ!アタシはあのじじいに借りがあるんだよ!」バン!
レヴィ「このままやられっぱなしで引き下がれるか!アタシらの世界は落としどころが大事、だろ!?」
「同感ね」
全員「!?」
エダ「わーお・・・」
バラライカ「はぁい」チュ
ダッチ「・・・何しに来た」
バラライカ「あら、冷たい言い草ねダッチ。わざわざ労いの言葉をかけに来てあげたのに」
ダッチ「お前、今回のヤマは一番関係なかっただろ。ムダに引っ掻き回しやがって・・・」
バラライカ「しょうがないじゃない。憧れの人が白馬に乗って私の前に現れたんですもの」
バラライカ「じっとしてろってのがどうかしてるわ」
エダ「・・・」
レヴィ「姉御???!姉御からもなんとか言ってやってくれよ!」
レヴィ「こいつら寄ってたかってアタシをハブにする気だ!ひでえぜ畜生!いつからそんな人間になりやがった??!」
エダ「最初からだよ。バカ猿」
バラライカ「はいはい泣かないの。そうねえ。アタシもダンスを踊ってもらったんですもの」
バラライカ「レヴィだけ仲間外れってのも、ちょっとアレじゃない?」
ダッチ「じゃあどうしろってんだよ。チョコレートにリボンでも付けて叩きつけに行くか?」
バラライカ「それもいいけど・・・最後に見たくない?」
バラライカ「伝説の傭兵の戦いっぷり・・・」ニヤ
568:
ベニー「伝説の傭兵?」
バラライカ「あら、ご存じない?あの人は軍人の中では知らぬ者はいない超が付くほどの大物よ」
バラライカ「アウターヘブン騒乱って、聞いたことない?」
ダッチ「アウターヘブン!ありゃ確かなんとかボスってのがトチ狂って大騒ぎしたとかなんとかの・・・」
バラライカ「そ。それそれ。」
バラライカ「で、それを止めたのが、カレ」
ダッチ「なんとまぁ・・・」
ベニー「どうりで・・・」
ダッチ「でもありゃ90年代の話だろ?見た目と年代が合わないだろ」
エダ「急激な老化が始まってんだとよ」
ベニー「え!?」
エダ「アタシはあのじじいとずっと一緒にいたからな。話は聞いてる」
エダ「アタシも最初はびっくりしたさ。やってくるのは40代のナイスミドルって聞いてたからな」グビ
レヴィ「エダてめえ!知ってるならなんでく言わなかった!!」
エダ「うるせーなお前にゃ関係ねーだろ。ボケ。知りたきゃいくらか包んでこい」
ベニー「急激な老化・・・そういう病気、あるっちゃあるけど」
ダッチ「俺達とは違う世界に生きてるんだろうぜ。色んな意味で」グビ
バラライカ「と、言う訳で。その伝説に会えるのは今回が最後よ」
バラライカ「最後に是非見たいわぁ・・・サラディンの戦いっぷり」チラチラ
ダッチ「どうしろってんだよ・・・」
バラライカ「それを考えるのがあなたの役目よ?ダッチ」
ダッチ「・・・まるでやる気が起きねえ。あのじいさんに関わるとロクな事がねえからな」
レヴィ「ふざけんなよダッチ!何とかしろよ!何の為にエキセドリン飲み続けてきたと思ってんだ!」
レヴィ「私もあのじじいと戦わせろ?????????????!!」ジタバタ
エダ「うるせーな。バオ、こいつ外へほっぽりだしてくれ」
バラライカ「・・・」フゥ
ドサ
ダッチ「ん・・・なんだこりゃ」ガサ
ベニー「わ!札束だ!」
バラライカ「じゃあこういうのはどうかしら?ダッチ」
バラライカ「ホテル・モスクワ正規の依頼として、レヴィをあのおじいさんの元へと運んで頂戴」
レヴィ「あ、姉御?????!!」
エダ「・・・まじ?」
569:
バラライカ「客は選ばないのがラグーン商会なんでしょ?それとも断るの?」
バラライカ「だったら次から運びの仕事は余所へと回っちゃおうかな?」チラ
ベニー「ど、どうするよダッチ」
エダ「・・・おもしろそうだな。アタシは乗った」
エダ「このエテ公がボッコボコにされる様をみんなで見物しようぜw」
レヴィ「ダッチ?????!」
ダッチ「・・・わかったよ」ハァ
バラライカ「スマートな仕事って好きよ。ダッチ」ニコ
レヴィ「そうこなくちゃ!よし、だったらロックも呼ぶぜ!」
ベニー「ロックは最近ちょっとへこみ気味じゃん・・・」
レヴィ「あ?んなもん関係あるか!電話かせ!バオ!」ガシ
レヴィ「もしもし?ロック?アタシだ!飛び入りの仕事が入ったぜ!」
レヴィ「一人になりたい気分?知るかボケェ!!いいから今すぐイエローフラッグにこいッ!」
レヴィ「五分以内だ!こなけりゃお前のケツの穴をもう一個増やしてやるからな!いいな!」
レヴィ「最重要任務だ!いいな!?」
レヴィ「わかったらさっさと動け ボ ケ ェ ! ! 」ガチャンッ
エダ「じゃあアタシはシスターに報告してなんとかじじいを引き延ばしてみるわ」タ
ダッチ「でもどうやって連れてくる・・・?」
バラライカ「アタシから案があるわ。彼ね、親友がいるの」
バラライカ「だからそいつをこうこうこうしてこれを・・・」ゴニョゴニョ
○1時間後
ロック「・・・で?何この状況」
レヴィ「おせえぞロック!5分以内だっつっただろ!」
ロック「無茶言うなよ・・・これでも飛ばしてきたんだから」
ベニー「こらよそ見するな!・・・で、次のセリフ。さすがにもう覚えたでしょ?」
レヴィ「えっ、え?っと・・・懐かしい・・・名だ・・・えっと・・・」
レヴィ「デ、デ、デ・・・デープ・スペクターだっけ・・・」
ベニー「・・・覚える気ある?」
ロック「え?っと、仕事は?」
バラライカ「劇団を立ち上げる事になったの」
ロック「うわっ!バラライカさん!」
ダッチ「おかえり姉御。知らなかったぜ。ウチの社員から芸能デビューする程の逸材がいたなんて」
バラライカ「見る目は確かねダッチ。スカウトマンに転職したら?」
レヴィ「え、え?っと・・・俺ははクレイモアの囚人の実感だよ・・・だっけ」
ベニー「ごちゃ混ぜになってるよ・・・レヴィ」
570:
ロック「なにそれ・・・」
ベニー「台本さ」
ロック「シャドーモセスの・・・真実?」
レヴィ「おいベニー。これ何て読むんだ?」
ベニー「字の読み書きを勉強してる暇はないよ」
ダッチ「おいレヴィ、冴えたおつむでお勉強もいいが、衣装合わせも忘れるな」
バラライカ「頼んでみる物ね。お願いしたらあっと言う間に仕立ててくれたわ」バサ
ロック「うわっ!何それ!」
【サイボーグ忍者スーツ(ラバー素材)】
ダッチ「これがじいさんの親友?昔あこがれてたマーベル・ヒーローの間違いだろ」
バラライカ「友情に国籍は関係ないのよ?」
レヴィ「うへぇ・・・すげえかっこ」スチャ
バラライカ「サイズはぴったりね。後はほら、このメットを被って・・・」
レヴィ「もごご・・・前が見にくい」スポ
【レヴィ】→【サイボーグ忍者】
ダッチ「こりゃあイイ、レヴィがロバート・ダウニーに化けやがった」
サイボーグ忍者「ホントにこんなんで食いついてくんのかァ?あのじじい」
バラライカ「大丈夫、きっとその姿を見せれば向こうから迫ってきてくれるわ」
ロック「・・・」
バラライカ「で、あなたの衣装はこっち」ガサ
ロック「え!?僕もですか!?」
バラライカ「もちろん。これはラグーン商会正規の仕事よ」
ダッチ「もう報酬貰っちまったよ。今更引けねえ」
ロック「・・・僕のだけちゃちくないですか」ガサ
バラライカ「あなたはそれで適当にアドリブ効かせてね」
ロック「え、ええ?・・・」
571:
○そして再び同時刻
・ロアナプラ 港
スネーク「フォックス・・・生きていたのか!?」
ロック(うそぉ?、めっちゃ食いついてるよ)ダラダラ
サイボーグ忍者「・・・」
ロック(ベニーが付いてたとはいえ。レヴィの頭であの長いセリフを覚えられたのだろうか・・・?)ダラダラ
ダッチ(おいレヴィ、次のセリフ言えよ)トン
サイボーグ忍者(え、ちょ、なんだっけ・・・)
ロック(いやな予感がする・・・)
スネーク「フォックス・・・?」
サイボーグ忍者「・・・気を付けろスネーク。ここにはクレイモア地雷が仕掛けられている」
ロック「バッ・・・!」
ロック(それは全然関係ないセリフだったろ!?)
ダッチ(どこの誰が港に地雷を仕掛けるんだ・・・)ペチ
サイボーグ忍者(ややややっちまったぁ????!ベニー!助けてくれ!)チラ
ベニー「・・・・」カンペ
サイボーグ忍者「????おっ、おおおっ!追い込まれたつくねはジョックスよりもじょうとーだ!」ビシッ!
バラライカ(意外とあがり症ね・・・)ハァ
スネーク「・・・」ジロ
ロック(絶対バレてるでしょ・・・)
ダッチ(テンパりすぎだ。やっぱこいつに主演女優は無理だな)
サイボーグ忍者(あわわわ!だめだぁ!頭が真っ白だ!)ダラダラダラ
サイボーグ忍者(ちっくしょ・・・ええい!かくなる上は!)ダラダラダラ
サイボーグ忍者「・・・・・さぁ、こいッ!」
全員(強引に持ってったァーーーーーーーーッ!!)ガビーン
スネーク「・・・」ハァ
572:
○数時間後
・ロアナプラ 港
ザザァァァァァーーーーー・・・・
カァカァ・・・チュンチュン・・・
ギィーー・・・ ギィーーー・・・・
レヴィ「ハッ!」
日は沈み空が暗闇の覆われる中、夕焼けの赤い光がレヴィの顔を照らし出した
レヴィ「あてててて・・・」
ロック「お?い、大丈夫か?」
ダッチ「お、やっと起きたか」
エダ「キシシシシ、随分派手にやられやがったw」
レヴィ「エダ!てめえ!・・・っつ!」ズキ
ベニー「じいさんはもう帰っちゃったよ。すごい剣幕でね」
バラライカ「そりゃそうよ。かつての親友を茶化すようなマネをしたんですもの」
バラライカ「全く、おふざけもいい加減にした方がいいわよあなた達」フゥ
ロック(あんたがやらせたんだろ・・・)
バラライカ「若いっていいわねー」ホホホ
レヴィ「・・・じじいはよ」
バラライカ「帰ったわよ。空港まで送ってくって言ったんだけど聞かなくって」
ダッチ「ありゃ相当おかんむりだな。俺たちゃ遺憾ながら完全に悪者だ」
レヴィ「くっそ?・・・全然記憶にねえ・・・」ズキズキ
エダ「頭強く撃ったか?ただでさえ足りない脳みそすり減らして大変だなw」
レヴィ「あのじじい・・・今度会ったら覚えてやがれ!」
ダッチ「さ、レヴィのワガママに付き合った所で諸君、明日からも仕事が入ってる」
ダッチ「労働は尊いぜ。ぐっすり休んで明日に備える事を提案するぜ」
ベニー「帰ろっか・・・」フワァ
エダ「どっかで一杯ひっかけてこうかな」
ロック「やれやれ、慌ただしい数日間だったね」
ダッチ「そりゃいつもの事さ。これであのじじいも街のサイバーダイン社入り確定だな」
バラライカ「是非また来て頂きたいわー」ホホホ
ロック「もうこないでしょ」
573:
全員「・・・」
全員「帰るか・・・」
悪徳の街の住人は各々の帰路に着いて行った。
また明日からも、悪徳の歯車の一部として動く為に
574:
・ノーマッド機内
スネーク「くそ、ラグーンの連中め、最後の最後に胸糞の悪い物を見せていきやがって・・・!」ドサ
オタコン「彼らなりの選別だったのさ。お疲れ様。色々大変だったね」
スネーク「ああ大変だった。あの街の連中と来たらどいつもこいつも・・・」
オタコン「それがあの街の姿なのさ。悪徳を美徳とし、悪徳の為に動く」
スネーク「ゴミ溜めとはよく言ったものだ。国連はあの街の清浄化に尽力を尽くすべきだ」
オタコン「それすらも悪徳に変えるさ。あの街の住人ならね」
【CALL】
オタコン「お、噂をすればキャンベルからだ」
キャンベル「スネーク、任務ご苦労だった」
キャンベル「早だが報告を聞こう」
スネーク「・・・グレイフォックスの正体はNSAの不正規特殊作戦部隊と判明」
スネーク「内2名は元ザンジバーランドの兵士。グレイフォックスの名はNSAの将校が付けた物だそうだ」
スネーク「フォックスにあやかって付けたらしい。現在部隊は壊滅。生存者は2名。彼らは任務失敗に終わった」
キャンベル「ふむ・・・」
スネーク「FOXHOUNDはロザリタ・チスネロスに付けられたあだ名・・・猟犬をもじった、そのままの意味だ」
オタコン「猟犬はNSAの部隊を追っていたんだ。主君の仇討としてね」
スネーク「キャクストン達があの街にいたからロアナプラが戦場になった。それだけだ」
キャンベル「メタルギアについてはどうだ?」
スネーク「データの奪取には失敗した。しかし大体の事はわかった」
スネーク「幸いにも核は着いていない。しかしその戦闘能力は十分脅威レベルだ」
スネーク「すでに量産されているらしい。あんな物が戦場で溢れ返ったら・・・」
オタコン「その辺は後でデータを送るよ。おそらく今もどこかで実戦配備されてる」
スネーク「途中謎のトルーパーに襲撃を受けたが、こいつらについては今現在も消息不明。こいつらはそっちで調べてくれ」
キャンベル「ふむ・・・ではリキッドの痕跡は・・・」
スネーク「残念ながら見当たらなかった。報告は以上だ」
キャンベル「そうか・・・」
オタコン「またしても外れ、か」
スネーク「だが収穫はあった」
オタコン「と言うと?」
スネーク「悪徳の街には過去の亡霊が住み着いていた・・・それがわかっただけで十分だ」
オタコン「・・・なるほど」
キャンベル「御苦労だったスネーク」
575:
スネーク「国連は何故あの街を放置する?はやく清浄化作戦でも実行しろ」
スネーク「手柄が欲しいなら、叩けばほこりがわんさか出てくるぞ」
キャンベル「その件も報告しておこう・・・代わりと言ってはなんだが」
スネーク「・・・?」
キャンベル「その、ロザリタとか言ったか。彼女の事はこちらでも調べて見た」
キャンベル「すると驚くべきことがわかった・・・いやはや、なんとも奇妙な巡りあわせだ」
スネーク「もったいぶるな。さっさと言ってくれ」
キャンベル「彼女はがFARCに参加した経緯だが・・・」
キャンベル「どうやら、手引きしたのはグレイ・フォックスらしい」
スネーク「なんだと!?」
オタコン「グレイフォックスが・・・」
キャンベル「まだFOXHOUNDがビッグ・ボスの時代だった頃だ。奴は任務でコロンビアに潜入していた」
キャンベル「そこには戦闘に巻き込まれ、両親を失い泣きわめいている少女がいたそうだ」
オタコン「それって・・・」
キャンベル「そうだ。その少女が後のロザリタ・チスネロスだ」
スネーク「・・・」
オタコン「なんでまたFARCに」
キャンベル「当時は革命軍優勢で戦闘が激化していたからな・・・FARCの方が安全だと考えたのかもしれん」
キャンベル「それに・・・フォックスの事だ。戦う事しか教えられなかったのだろう」
スネーク(痩せこけた良心を満足させるため・・・か?)
オタコン「なるほど・・・あの尋常じゃない強さの秘密がちょっとわかった気がするよ」
キャンベル「ある意味、フォックスの弟子と呼べる存在かもしれんな」
スネーク「バカを言うな。フォックスとジャッカルは別の生き物だ」
スネーク「あの女にフォックスの気配など・・・何も感じなかった」
オタコン「それ、、本当かい?」
スネーク「・・・」
キャンベル「そうか。君がそう言うのなら何も言うまい」
オタコン「リキッドの手がかり・・・調査を引き続き頼むよ」
キャンベル「わかった。何かあったら連絡しよう」
スネーク「よろしく頼む」
キャンベル「では・・・」プツン
576:
オタコン「・・・あ、そうだ」
スネーク「ん?」
オタコン「さっき雷電から連絡があったんだ。無事オルガの娘を救出したそうだよ」
スネーク「雷電!ついにやってくれたか!」
オタコン「二日後に合流予定だ。これで機内が賑やかになるね」ハハ
スネーク「ここが託児所になるのか」
オタコン「たばこは控えてくれよ?子供が乗るんだからね」
スネーク「・・・」ゴロン
オタコン「ついでにもう禁煙したらどうだい?体に悪いしさ」
スネーク「・・・俺には健康を気にする余裕はない」
オタコン「そう・・・」
スネーク「で、その娘の名は?」
オタコン「サニー。サニー・ゴルルコビッチだ」
スネーク「サニー・・・太陽?」
オタコン「きっと太陽のように明るい子なんだよ」
スネーク「だと良いがな」
オタコン「さて、仕切り直しだ。また1から情報を探ってみるよ」
オタコン「はやくリキッドを見つけ出さなきゃ・・・」カタカタ
スネーク「・・・」チャリ
スネークは街で拾った空砲の薬きょうをひそかに持ち帰っていた
理由は特にない。あるとすればそれはただの気まぐれと呼ぶしかない些細な感情で
577:
スネーク「・・・」チャリ
スネーク(ディア・デ・ムエルトス・・・死者の日・・・)
(そうさお嬢ちゃん、アタシらは死者の国から、うすっくれえ墳墓の底からやってきた・・・)
スネーク「死者の国・・・」
オタコン「何か言った?」
スネーク「いや、別に」
スネーク「・・・」
スネーク(悪徳の街、ロアナプラ。か・・・)
ゴォォォォォォォ・・・・・・
ノーマッドは雲海へと消えて行った
「こちらスネーク。ロアナプラに潜入した」
578:
「こちらスネーク。ロアナプラに潜入した」
ZIRIRIRIRIRIRIRIRI 
ガチャ
「はいラg・・・ああ、あんたか」
「ああ終わったよ。あのじいさん・・・いや、ソリッド・スネークは昨日街を経った」
「ああ、ありゃ生粋のトラブルメーカーだな。またのご来訪は是非ご遠慮願いたいね」
「バラライカの動きが少し予想外だったが・・・まぁ、ありゃ筋金入りのウォーマニアだ。許してやってくれ」
「にしても・・・ここまで計画通りに動くとはな」
「ん?・・・へえ、操り慣れてると来たか」
「ああそうかい。猿回しならぬ蛇回し・・・」
「機会があればガンジス川で笛でも吹いてみたらどうだ?きっと一流のヘビ使いになれるぜ」
「ハハ、ジョークさ。で・・・ここまでやってあんたが知りたかった事・・・ソリッド・スネークはまだ戦えそうかい?」
「ああ、そうだな。いや十分すぎるだろ。さすが伝説の傭兵、俺はコミック・ヒーローが次元の壁を破ってやってきたと思ったね」
「ああ。ああ・・・にしても、最初に俺に話を持ちかけたのは大正解だったな」
「俺の提案したあだ名作戦。うまくいったろ?」
57

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