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小鳥「Pさんとのくだらない時間」


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1:
仕事終わり 駅前の飲み屋にて
P「乾杯!」
小鳥「乾杯!」
2:
飲みとなればビルの下のたるき亭が一番近いけど、
私たちは二人の時は、いつもこの駅前の飲み屋で呑んでいる。
P「ごめんなさい、いつも付き合わせてしまって。」
小鳥「いいんですよ。私はいつだって予定開いてますし。
 それに、私…最近こうやって、Pさんと一緒にお酒飲むのが楽しみになってきたんですよ」
P「僕もです。ここ最近、こうやって一緒に飲むために仕事してるようなもんです」
小鳥「もう、仕事は真面目にやらなきゃダメですよ?」
P「そりゃあもちろん!これでも真面目に頑張ってますよ?」
小鳥「…フフ、わかってますよ」
3:
小鳥「Pさん」
P「なんでしょうか」
小鳥「いつも思うんですけど、なんで私なんですか?まぁ、予定開いてるのが私だけだからでしょうけど」
P「いえ、予定の問題だけじゃないです」
小鳥「社長とは飲まないんですか?男同士の付き合いとか」
P「はは…こう言ったら怒られますけど、お酒を飲むんなら、美人と一緒に飲みたいですね」
小鳥「美人?だったら…あずささんの方が若いし、美人じゃないですか…あ、あずささんはお酒ダメだったかしら…」
P「いやー…あずささんがお酒飲めたとしても、僕は音無さんと一緒にお酒を飲みたいかな」
小鳥「なんでですか?」
4:
P「正直な話、社長やあずささんだったら変に気を使ってしまいそうなんですよ。社長とアイドルですよ?」
小鳥「あ…なるほど」
P「でも、音無さんは一緒に飲んでて安心するし、何を話してもいいかなって」
小鳥「それってつまり…私に気を使う必要がないって事ですか?」
P「そういう事ですかね」
小鳥「Pさん、それ結構失礼ですよ」
P「ごめんなさい。でも、僕は悪い意味では言ってないですよ?」
小鳥「じゃあどういう意味なんです?」
5:
P「そういわれてもなぁ。そのままの意味ですよ。気を使う必要が無いからいいんです。」
小鳥「えー…なんかいい意味に思えないんですが…」
P「だってそうでしょう?お酒を飲む時間は楽しい方がいいじゃないですか。
 気を使って、言いたいことも言えない、出したい顔も出せない。そんな風に飲むのは嫌いなんです。
 でも、音無さん相手だったら…どんな事話してもいいような、そんな安心感があるんです。」
小鳥「…つまり、私を信頼してくれてるって事ですか?」
P「あ!そう、信頼!それですよ、信頼してるんです。そっちの方が聞こえがいいな、うん」
小鳥「…まったく、もう…フフ」
P「…あ、一応いうけど社長やあずささんを信頼していないってわけじゃなくてですね…」
小鳥「それくらい、ちゃんとわかってますよ!」
6:
P「音無さん」
小鳥「はい、なんでしょう?」
P「改めて、いつもありがとうございます」
小鳥「うふ…こちらこそ」
P「これからもこうやって一緒に飲めるといいですね」
小鳥「そうですね」
P「出来るなら、毎日一緒にこうやってお酒飲みたいですけど」
小鳥「じゃあ思い切って結婚しちゃいましょうか!明日役所で婚姻届けもらってきますよ」
P「いいですね。お願いします」
小鳥「はい…えっ、えっ…えぇええええ!?」
P「え、僕何か変なこと言いました?」
7:
小鳥「へ、変なこと言ったのはむしろ私の方なんですけど!?」
P「言ってましたっけ?」
小鳥「…あ、あのですね、Pさん。
 結婚なんて冗談に決まっているじゃないですか。こんな簡単に結婚なんて申し込みませんよ」
P「あぁなんだ、冗談だったんですか」
小鳥「そうに決まっているじゃないですか!び、びっくりした…酔いが醒めるかと思いましたよもう!」
P「えー?僕は音無さんと結婚してもいいって思ってますけど」
小鳥「え…」
P「音無さんは嫌ですか?」
小鳥「そ、それはですねぇ……」
8:
小鳥「…わ、私はですね…Pさんの事、嫌いじゃないし、むしろ…す、好きですよ!?
 こうやってお酒飲むのも楽しいし、真面目に仕事している姿だって好きだし!
 でもですね、『結婚してもいい』なんて言葉で結婚したくありません!」
P「あ…それは失礼しました」
小鳥「それに、結婚っていうのは、もっとお互いの事をよく知って…」
P「僕音無さんに結構洗いざらい話しちゃってる気がします」
小鳥「そういえば私も結構… いや、お、お互いに愛し合って…」
P「僕も音無さんが好きですけど」
小鳥「すっ…す…っ…!? …とにかく!結婚はしません!」
P「…そうはっきり言われちゃうと、傷つくなぁ」
小鳥「えっ、あ、あの…」
10:
小鳥「あ…いや…これはですね…き、嫌いじゃないし好きだし、ただ…
 結婚はまだ早いかなぁってだけでですね?だからその、元気を出してほしいなー!なんて…」
P「…」
小鳥「もちろん、さっきの言葉はうれしかったし…さっきは結婚しないなんて言ったけど…
 私だって、ほ、本当は…Pさんと結婚したいんですし…そう!まだ早いな!ってだけですよ!
 ときメモだってデートして即日に両想いにはならないでしょう?
 …あ、私とPさんは即日ってわけじゃないけど…その…まだ85%くらいかななんて」
P「…」
小鳥「やっぱり…関係をもっと深くしてから、一緒にいたいな…結婚したいかなーって…ですね…」
11:
P「…ぷっ」
小鳥「あ」
P「そ、そんな必死にならなくても…くくく」
小鳥「あ…ああああ!? だ、だましたんですね!?」
P「ごめんなさい、でも傷ついたのはほんとなんですからこれでおあいこですよ」
小鳥「む、うぅ…もう、Pさんなんて知りませんから!」
P「…『結婚したいです』」
小鳥「う」
P「そっかー音無さんは僕と結婚したいのかー…」
小鳥「ううううう…し、死にたい…!」
12:
小鳥「…そうよ、これはきっと妄想の世界なのよ…きっとこれは全部夢!じゃなきゃ、こんな」
P「ほい」
(冷たいグラスを頬に当てる)
小鳥「ヒヤアァッ!?な、何するんですか!!」
P「冷たいでしょ?夢じゃないですよ、現実です現実。いいじゃないですか、今更隠し事するような仲じゃないんですし」
小鳥「と、とはいえですね!私の方はダメージでかいですよこれ!」
P「僕だって結婚したいし好きだって言いましたよ」
小鳥「う、うぅ…」
P「あれ?照れてます?」
小鳥「て、照れてません!」
P「…好きです(ボソッ)」
小鳥「う、うわああ!やめてくださいよ!」
P「音無さーん、好ーきでーすよー 愛してまーす 式はいつあげますー?」
小鳥「あぁ、もうやだこの酔っ払い…」
13:
P「…音無さん」
小鳥「…なんですか今度は」
P「やっぱり、音無さんと一緒に飲むのは楽しいです」
小鳥「それ喜んでいいんでしょうか」
P「こうやって、バカな事言い合って…お互いの言いたいこと言い合って…嘘つかなくていいのは、いいですね」
小鳥「いつも嘘をついてるんですか?」
P「そうじゃないですけど、本音ばかりを言える世の中でもないでしょ?」
小鳥「言いたいことも言えない世の中ですね」
P「はは、懐かしいですね…でも、僕…音無さんにはなんでも言えるんですよね。
 真面目な話も、くだらない話も…それが好きなんです」
小鳥「今日はほとんどくだらない話だったじゃないですか」
P「えぇ、くだらない時間でした。でも、そのくだらない時間が最高に好きなんです。」
小鳥「…ふふ、私も好き」
14:
小鳥「…でも、いくら酔ってたとしても、好きとか結婚とか…そういうことは軽々しく言っちゃいけませんよ」
P「駄目ですか?」
小鳥「駄目ですよ!…まぁ、結婚に関しては言ったのは私でしたけど…」
P「酔ったからこそ出る本音ってやつですよ。お酒入ってなかったら恥ずかしくて言えませんよ」
小鳥「わ、私だってこんなことお酒入ってなきゃ言えませんよ!」
P「…あれ、酔っぱらってお互い本音出して好きだって言い合って…
 これって相思相愛ってやつなんですかね?」
小鳥「…!」
P「じゃ、結婚しますか」
小鳥「お、お開きにしましょうか今日は!」
P「えー」
小鳥「えーじゃないです!もう、すっかり出来上がっちゃってるじゃないですか…明日も仕事なんでしょう?」
P「あ、そうですね…じゃあ今日はこれでお開きにしましょうか」
小鳥「…もう結婚だのなんだの言い合うのは沢山です(ぼそっ)」
P「え、なんですって?」
小鳥「なんでもないです!」
15:
後日。
P「音無さん、今日飲みに行きません?」
小鳥「いつものところですね?はい!」
P「…あ、そうだ」
小鳥「どうしました?」
P「え、えーっと。おほん」
P「…お、音無さん、結婚を前提に、僕と付き合っていただけませんか?」
小鳥「…はい?」
P「は、はいって…あぁもう!勇気出して告白してもこれだもんなぁ…」
小鳥「…え、えっと…えっ…」
P「…いや、ほら、前の時酔っぱらった勢いで言っちゃった感あったんで、
 だから、やっぱりこうやってちゃんと素面の時に言った方がいいかなと思ってですね…」
16:
P「忘れてますよね…ごめんなさい、やっぱなんでもないです」
小鳥「…あの、私でいいんですか?」
P「私でいいっていうか、音無さんがいいんです」
小鳥「…Pさんって、飲むとあんななくせして、こういう時だけそこそこちゃんとしてのとかほんと…ほんとずるい」
P「音無さんは…僕が嫌ですか?」
小鳥「そう言われて、嫌です…なんて言えないじゃないですか」
P「…そうですよね」
小鳥「好きですよ。あなたも、あなたと飲むのも」
小鳥「だから今日も…これからもお付き合いさせてくださいね」
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